JP2004156874A - 環境監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄物処理プラント内等の作業環境において、作業員が高濃度のダイオキシン類に曝されることのないように、複数の箇所の空気中のダイオキシン類濃度をリアルタイムで監視する。
【解決手段】燃焼炉20を有するプラント10内であって燃焼炉20およびその煙道の外に設けられている、空気をサンプリングするための複数のサンプリング装置2と、サンプリングされた空気中のダイオキシン類の濃度をリアルタイムで計測する分析装置4と、前記計測の結果に応じて、前記サンプリング箇所のダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げる制御装置5とを含む環境監視システム1。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼炉20を有するプラント10内であって燃焼炉20およびその煙道の外に設けられている、空気をサンプリングするための複数のサンプリング装置2と、サンプリングされた空気中のダイオキシン類の濃度をリアルタイムで計測する分析装置4と、前記計測の結果に応じて、前記サンプリング箇所のダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げる制御装置5とを含む環境監視システム1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ダイオキシン類の濃度をリアルタイムでモニタリングする環境監視システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、廃棄物処理プラント等において複数の箇所のダイオキシン類の濃度をリアルタイムでモニタリングし、その結果に応じて必要な処置をとりうる環境監視システムに関する。
【0002】
【従来技術】
廃棄物処理プラントや製鉄所等から排出されるダイオキシン類は、環境ホルモンともいわれ、人体や自然に及ぼす悪影響が問題となっている。そのため、ダイオキシン類の排出を低減させるとともに、空気中のダイオキシン類濃度の測定を定期的に行うことで、プラントの安全性を確保することが行われている。
【0003】
ダイオキシン類は複数の化合物を含むものであって、その濃度の計測方法が非常に複雑であり、時間、費用ともにかかるため、厳密な分析によるダイオキシン類濃度の測定は定期的にしか行われていない。廃棄物処理プラント内では、最もダイオキシン類が発生しやすい燃焼炉内や、排ガスの煤塵を除去するバグフィルタ出口、浄化した排ガスを大気へ放出する煙突入口等において、近似的な方法や推測による方法でダイオキシン類濃度のリアルタイムでの測定が試みられてきた。
【0004】
しかしながら、その周囲で作業を行い、排ガスや灰分に曝される機会の多いプラント作業員の作業環境においては、頻繁にその計測は行われていないのが現状である。そのため、プラントの異常、燃焼異常や、ガス漏れなどにより、急激にダイオキシン類が空気中に放出される場合に、それを計測し、直ちに知らせる手段がなく、作業員、周辺住民が危険にさらされることがあった。
【0005】
特許文献1には、ダイオキシン類前駆体の濃度から、ダイオキシン類の濃度を計測して、ダイオキシン類の生成を制御するようにごみの燃焼を行うごみ燃焼炉の燃焼制御方法およびその装置が開示されている。しかし、特許文献1に開示された方法では、ダイオキシン類の濃度を直接的に測定するものではなく、前駆体類の濃度を求め、ダイオキシン類の濃度との相関関係からダイオキシン類の濃度を推測する方法であり、正確な計測方法とは言えない。また、かかる方法は主に燃焼炉内のダイオキシン類濃度を得ることにより燃焼を制御するものであり、プラント作業員の作業環境までをも監視して制御するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許3319327号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
廃棄物処理プラント内等の作業環境において、作業員が高濃度のダイオキシン類に曝されることのないように、複数の箇所における空気中のダイオキシン類濃度をリアルタイムで監視するシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、燃焼炉を有するプラント内であって燃焼炉およびその煙道の外に設けられている、空気をサンプリングするための複数のサンプリング装置と、サンプリングされた空気中のダイオキシン類の濃度をリアルタイムで計測する分析装置と、前記計測の結果に応じて、前記サンプリング箇所のダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げる制御装置とを含む環境監視システムである。
ここで、リアルタイムとは、サンプリング後、10分から1時間程度で計測結果を得られることをいう。また、基準値とは、法定の大気中のダイオキシン類濃度である2.8pg−TEQ/m3以下の値であって、各システムにより設定することができる値である。
【0009】
燃焼炉を有するプラント内であって燃焼炉およびその煙道の外とは、具体的には、廃棄物処理プラント内のごみ収集車停車場、汚水処理施設、ごみピット、燃焼炉周辺部、灰分排出部、バグフィルタ周辺などをいうほか、廃棄物処理プラントの敷地内の屋外にも設置することもできる。さらに、前記サンプリング装置は、前記プラント外にも設置することが好ましい。
【0010】
前記分析装置が真空紫外光質量分析装置であり、前記計測の結果を表示する結果表示装置をさらに含むことが好ましい。
【0011】
前記真空紫外光質量分析装置の前段には、ダイオキシン類を濃縮する装置をさらに含むことが好ましい。また、ダイオキシン類濃縮装置は、試料中のダイオキシン類を吸着する第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤を内部に充填された耐圧性を有する耐圧容器と、前記耐圧容器の内部を加熱する第一の加熱手段と、前記耐圧容器の内部へ抽出溶媒を送給する溶媒送給手段と、前記耐圧容器からの前記抽出溶媒からダイオキシン類を吸着する第二の吸着剤と、前記第二の吸着剤を加熱する第二の加熱手段と、前記第二の吸着剤にキャリアガスを送給するキャリアガス送給手段とを備えることが好ましい。
【0012】
結果表示装置は、制御装置または真空紫外光質量分析装置の出力器と有線または無線の通信回線により接続され、計測結果を表示するものである。サンプリング装置あるいはその周辺に固定されたものでもよく、作業員が装着しているものでもよい。また、ディスプレイ等による表示のみならず、警告音を鳴らすものでもよい。
【0013】
前記制御装置が、ダイオキシン類の濃度が基準値以上のときに、前記燃焼炉における燃焼を停止させることによりダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げることが好ましい。それに加えて、前記サンプリング箇所の空気を取り込み、前記燃焼炉へ送るための通気手段をさらに含み、前記制御装置が、ダイオキシン類の濃度が基準値以上のときに、該通気手段から空気を取り込んで前記燃焼炉で燃焼させることによりダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げることが好ましい。
これらの両方の制御を行うシステムにおいては、燃焼停止の基準値と、空気燃焼の基準値とを異なる値に定めることができる。
【0014】
前記サンプリング装置が、作業員の存在を検知して、該作業員が近傍に存在する箇所の空気を選択的にサンプリングすることが好ましい。具体的には、前記サンプリング装置が、作業員が装着するICタグを検知して、ICタグが所定の領域より内側にあるときに、その箇所の空気をより高い頻度でサンプリングするように作動させることができる。
【0015】
前記燃焼炉および/またはその煙道内のダイオキシン類の濃度を計測する分析装置と、該分析装置によるダイオキシン類濃度の計測値に基づいた作動をする制御装置をさらに含んでなる上述の環境監視システムであることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、空気をサンプリングするサンプリング装置と、サンプリングされた空気中の有害物質の濃度をリアルタイムで計測する真空紫外光質量分析装置とを積載してなる移動可能な環境監視手段と、該環境監視手段と通信回線により接続された監視センターとを含んでなり、前記環境監視手段が、所望の箇所における空気中の有害物質の濃度を計測し、該計測結果を受信した監視センターが通信回線を通じて広域環境情報を提供する広域環境監視システムをも提供する。移動式環境監視手段がGPSシステムを搭載し、監視センターがGPSシステムから得られる地図情報と有害物質の観測情報とから広域環境情報を構築することが好ましい。
【0017】
さらには、本発明は、複数の箇所における空気をサンプリングするステップと、サンプリングした複数の異なる箇所における空気中の有害物質の濃度を真空紫外光質量分析装置により、順次計測するステップと、該計測結果に応じて、有害物質の濃度が基準値異常であるサンプリング箇所の空気中の有害物質の濃度を基準値以下に下げる操作を行うステップとを含む環境監視方法を提供する。
【0018】
本発明に係る環境監視システムによれば、廃棄物プラント内外において、燃焼炉などの特別ダイオキシン類濃度が高いところのみならず、作業員が通常、作業するような複数の箇所でダイオキシン類濃度を即時に得て、その計測結果を知らせることができる。さらには、その計測結果に応じた対処を行うことができるため、環境を監視するだけでなく、制御することができる点で非常に有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、図面を参照して詳細に説明する。同じ部材には同じ符号を付して示した。
【0020】
図1に、本発明の第一の実施形態に係る環境監視システムの概念図を示す。図1に示す環境監視システム1は、燃焼炉20を有する廃棄物処理プラント10の複数の箇所に設けられたサンプリング装置2と、これらのサンプリング装置2でサンプリングされた空気を順次ダイオキシン計測装置4に導入するサンプリングガス切替装置3と、真空紫外質量分析装置であるダイオキシン計測装置4と、該ダイオキシン計測装置4における計測結果に応じてサンプリング箇所に計測結果を通知するように、あるいは所定の対処を行うように制御する制御装置5とを含んでなる。
【0021】
廃棄物処理プラント10は、燃焼や熱分解溶融により廃棄物を処理する施設であって、特にダイオキシン類の発生が懸念される施設である。特には、図1に示すストーカ型の燃焼炉で好ましく使用される。しかし、本発明のシステムが使用される対象は、これのみに限定されるものではない。例えば、製鉄所や化学プラントであってもよい。
【0022】
サンプリング装置2は、廃棄物処理プラント10内、あるいはその周辺など、空気中のダイオキシン類濃度測定を所望する複数の箇所に設置し、計測サンプルとなる空気を得るものである。具体的な設置位置としては、例えば、図1に示すように、廃棄物処理プラント10内のごみ収集車停車場、汚水処理施設、ごみピット、燃焼炉周辺部、灰分排出部、バグフィルタ周辺などとすることができる。さらには、廃棄物処理プラントの敷地内である屋外にも設置することができる。特に、ダイオキシン類が燃焼炉20から漏れた場合に汚染されやすい箇所、および作業員が頻繁に存在する箇所にサンプリング装置2を設けることが好ましい。特に、本発明においては、通常はダイオキシン類が検出されない場所、つまりは燃焼炉20及びその煙道の外にサンプリング装置2を設けることが好ましい。
【0023】
サンプリング装置2は、サンプリングのために測定箇所の空気を引き抜く手段(図示せず)とサンプリング管22とを含んでなる。サンプリングのために空気を引き抜く手段としては、ポンプを使用することができる。かかる手段によれば、1回の測定につき、100〜1000L程度の空気を引き抜くことができる。
【0024】
一方、サンプリング管22は、サンプリングした空気を、サンプリング箇所からダイオキシン計測装置4まで輸送する手段である。サンプリング管22としては、それ専用の輸送パイプなどの手段を配設してもよい。あるいは、既存の空調設備の配管を使用して、各室からの吸い込みダクトからサンプリングしてもよい。この場合には、サンプリング管敷設距離を少なくすることができるという経済的メリットがある。
【0025】
また、サンプリング装置2による空気のサンプリングは、常時行われるのであってもよく、あるいは一定時間おきに行われるのであってもよい。本発明に用いられるダイオキシン計測装置4は、1つのサンプルの測定に10〜30分程度要し、通常、一つのダイオキシン計測装置4で複数の箇所におけるサンプルを測定するため、一定時間おきに空気をサンプリングすることが好ましい。
【0026】
別の手段としては、作業員の位置情報を検知し(既出願特許:特願2002−265030号)、作業員のいる箇所に近いサンプリング装置2のみが作動するようにしてもよい。具体的には、サンプリング装置2にセンサを設け、周囲に作業員の存在を感知した場合にのみサンプリングが行われるようにしてもよい。GPSを使用して、作業員がサンプリング装置2から所定の距離に近づいたときにサンプリング装置2が作動するようにしてもよい。
【0027】
また別の手段としては、作業員にICタグを装着させ、サンプリング装置2にICリーダーを設けて、ICリーダーがICタグを読み取ることで作業員の存在を検知し、サンプリングを開始するように設計することができる。その逆に、サンプリング装置2にICタグを設け、作業員にICリーダーを装着させてもよい
【0028】
サンプリングガス切替装置3は、サンプリング装置2が複数存在する場合に、異なる複数のサンプリング管22からの計測対象である空気を、これらが混合しないように、順次、ダイオキシン測定装置4へ搬送するものである。このようなサンプリングガス切替装置3は、図2(A)に示すように、複数のサンプリング管22a、22b、22c、22dを集めて固定する固定導入部31と、回転することにより所定の位置に来たときに、サンプリング管とガス導入口33とが流通できるように設計された回転部32と、回転部32が所定の位置に来たときにガス導入口33に導入された空気がダイオキシン計測装置4の側に流通できるように設計された固定搬出部34とを含んでなる。
【0029】
図2A中の矢印Aの向きからサンプリングガス切替装置3を見た図面を、図2(B)に示す。図2(B)は回転部32が矢印Bの向きに回転し、回転部32を貫通するように設けられたガス導入口33と、サンプリング管22aとが流通できる状態となっているところを示す。このとき、サンプリング管22aを通じてサンプリングされた空気のみがガス導入口33内に入ることができる。ほかのサンプリング管22b、22c、22dの口は、回転部32の側面で蓋をされた状態になる。したがって、これら複数サンプリング管22からの空気が混じり合うことはない。
【0030】
後続のダイオキシン計測装置4は、1つのサンプルの測定に10〜30分程度を要するため、サンプリングガス切替装置3の回転部32は、かかる測定間隔に合わせて回転する。したがって、サンプリング管22aを通じてサンプリングされる空気がダイオキシン計測装置4へ運搬されたのち、回転部32が矢印Bの向きに回転し、回転部32のガス導入口33とサンプリング管22bとが流通した状態となる。回転部32は電磁弁により駆動されることが好ましい。
【0031】
本実施の形態においては、4本のサンプリング管22が接続されているサンプリングガス切替装置3を図示して説明したが、サンプリング管22の接続本数はこれに限定されるものではない。サンプリング管22の接続本数は、例えば、2〜20本とすることができる。
【0032】
サンプリング装置2が一つしかない場合、またはサンプリング装置2と同数のダイオキシン計測装置4を設置することができるときは、このようなサンプリングガス切替装置3を設置する必要はない。しかしながら、本発明においては、通常、複数の箇所において空気をサンプリングすることにより、廃棄物処理プラント10全体を監視することが好ましい。これに加え、ダイオキシン計測装置4は高価であり、大きなスペースを占有するため、複数のサンプルを一つの計測装置4で計測する方が、経済的にも有利である。
【0033】
ダイオキシン計測装置4に上述の試料を導入するに先立って、試料中のダイオキシン類の濃度を高めておく必要がある。空気中に放出され得るダイオキシン類は通常わずかな量であって、そのままでは測定効率が悪いなどの問題があるからである。このような試料中の微量のダイオキシン類を捕集して濃縮させるダイオキシン類濃縮装置は、特開2002−189022号公報に詳述されている。
【0034】
このようなダイオキシン類濃縮装置は、試料中のダイオキシン類を吸着する第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤を内部に充填された耐圧性を有する耐圧容器と、前記耐圧容器の内部を加熱する第一の加熱手段と、前記耐圧容器の内部へ抽出溶媒を送給する溶媒送給手段と、前記耐圧容器からの前記抽出溶媒からダイオキシン類を吸着する第二の吸着剤と、前記第二の吸着剤を加熱する第二の加熱手段と、前記第二の吸着剤にキャリアガスを送給するキャリアガス送給手段とを備えることを特徴とする。この装置によれば、第一の吸着剤に吸着したダイオキシン類を抽出溶媒で抽出し、抽出溶媒中のダイオキシン類を第二の吸着剤で吸着し、第二の吸着剤を加熱して第二の吸着剤からわずかに残留している抽出溶媒と共にダイオキシン類を離脱させてキャリアガスと共に送出することができるので、第一の吸着剤を高温に加熱することなく当該吸着剤からダイオキシン類を離脱させることができると共に、第二の吸着剤から加熱離脱する際のダイオキシン類の初期昇温速度を抑制して、ダイオキシン類の加熱分解を抑制することができる。このため、第一の吸着剤の熱劣化を抑制することができると共に、後続のダイオキシン計測装置4において、ダイオキシン類を正確に測定することができる。
【0035】
ダイオキシン類濃縮装置は、サンプリング装置2でサンプリングした後、ダイオキシン計測装置4に導入されるまでのあいだに設けることができる。特には、サンプリングガス切替装置3に導入された後であって、ダイオキシン計測装置4に導入される前に濃縮しておくことが好ましい。
サンプリング装置2は、一回の測定につき100〜1000Lの空気をサンプリングし、これがダイオキシン類濃縮装置で50〜500Lにまで濃縮され、ダイオキシン計測装置4に導入される。
【0036】
ダイオキシン計測装置4は、サンプリングガス切替装置3から供給される空気中のダイオキシン類濃度を測定する装置である。真空紫外光/質量分析装置を使用することができる。このような装置は、特開2002−181790号に詳細に開示されている。ダイオキシン計測装置4は、空気中のダイオキシン類をイオン化する真空紫外光ランプ41と、イオン化した物質を質量によりわける質量分析器42と、イオン検出器43と、検出されたイオン信号を定量、または定性分析する信号分析器44と、出力器45とを含んでなる。
【0037】
かかるダイオキシン計測装置4におけるダイオキシン類の濃度計測について説明する。サンプルガスは、サンプリングガス切替装置3から導入され、好ましくはダイオキシン類濃縮装置を経て濃縮された後、一定時間(1〜60分程度)にわたってイオン化チャンバ40に導入される。その間、サンプルガスに含まれるクロロベンゼン類あるいはダイオキシン類はイオン化チャンバ40内で真空紫外光によりイオン化され、濃縮されていく。所定の時間濃縮された後、クロロベンゼン類あるいはダイオキシン類はイオンビームとして質量分析器42に放出される。放出されたイオンビームは、イオン検出器43で検出される。ダイオキシン類の濃度はイオンの飛行時間から信号分析器4によって計算され、出力器45からダイオキシン類濃度が得られる。
【0038】
ダイオキシン計測装置4は、1サンプルにつき10〜30分でダイオキシン類濃度を測定することができる。したがって、サンプリングガス切替装置3から供給される、異なる複数のサンプルを順次計測してダイオキシン類濃度を得ることができる。
【0039】
制御装置5は、ダイオキシン計測装置4から出力されたダイオキシン類濃度の計測結果に応じて必要な処置を行う。具体的には、計測されたダイオキシン類濃度が人体あるいは自然に影響を与える所定の基準値を超えた場合に、またはそれぞれの環境監視システム1が適用されるプラントにおいて所定の値を超えた場合に、それらを基準値以下にまで下げるように制御装置5が作動することが好ましい。ここで、所定の基準値とは、法定の大気中のダイオキシン類濃度である2.8pg−TEQ/m3、あるいはそれ以下の値とすることができるが、一定の値には限定されない。
【0040】
このような場合に、まずダイオキシン類濃度が所定の基準値を超えるサンプリング箇所に存在する作業員に現状を通知することができる。このために、サンプリング装置2にダイオキシン計測装置4による計測結果を表示する結果表示装置を設けてもよい。さらに、緊急時の警報を鳴らす手段を設けてもよい。あるいは、ダイオキシン類濃度情報を表示し警報を鳴らす小型の結果表示装置を作業員に装着させてもよい。
【0041】
さらに、これに引き続いて、例えば、ダイオキシン類濃度が所定の基準値を超えるがその超過範囲が小さければ、サンプリング箇所に設けられたダクトのような通気手段を用いてサンプリング箇所の空気を引き抜き、燃焼炉20で高温燃焼させてダイオキシン類を分解することができる。超過範囲が大きく、異常燃焼の可能性がある場合は、燃焼炉20の燃焼を停止させるとともに、ダクトのような通気手段を用いてサンプリング箇所の空気を引き抜き、別に設けられてもよい燃焼手段で完全燃焼させることができる。このような二つの異なる制御で、基準値が異なってもよい。制御装置5は、ダイオキシン類濃度が所定の基準値を下回るまで、これらの操作を行い、通常の状態に回復させるように働く。
【0042】
このようなダイオキシン類の濃度情報はまた、廃棄物プラント10の管理室等に逐次送信されることが好ましい。
【0043】
このように、第一の実施形態に係る環境監視システム1によれば、廃棄物プラント10の複数の箇所におけるダイオキシン類濃度をリアルタイムで得ることができ、計測結果に応じた制御により、異常事態の早期回復が可能となる。特に、通常はダイオキシン類が大量発生しないために頻繁には濃度測定が行われない場所におけるダイオキシン類濃度情報が得られ、廃棄物プラント10の作業員の作業環境を管理することができる。
【0044】
図4に、本発明の第二の実施形態に係る環境監視システムの概念図を示して説明する。図4に示す移動型環境監視システム1aは、サンプリング装置2aとダイオキシン計測装置4aとを積載して移動可能な環境監視手段11と、移動型の環境監視手段11と通信回線13により接続された監視センター12とを含んでなる。
【0045】
環境監視手段11は、ガソリンエンジンまたは、燃料電池または蓄電池による電気モータを駆動源とする自動車または小型トラックに、図3に示したのと同様の真空紫外光/質量分析装置であるダイオキシン計測装置4aを積載したものを使用することができる。本実施の形態においては、特に車載型のダイオキシン計測装置4aであるため、小型軽量の装置とすることが好ましい。したがって、信号分析器44や出力器45は積載せず、イオン検出器43の信号を監視センター12に送信し、監視センター12で信号分析及び出力を行ってもよい。
【0046】
サンプリング装置2aはどのような形状のものであってもよく、ダイオキシン計測装置4aにサンプリングした空気を供給可能なものであれば使用できる。また、第一の実施形態と同様に、サンプリングした空気を濃縮するための図示しないダイオキシン類濃縮装置をサンプリング装置2aとダイオキシン計測装置4aとのあいだに設けることができる。
【0047】
移動型環境監視システム1aによれば、環境監視手段11が移動しながら所望の場所で空気のサンプリングを行い、計測したダイオキシン類の濃度をGPS情報とともに監視センター12にリアルタイムで送信することができる。監視センター12は、得られたダイオキシン類の濃度情報を、地図とともに表して、あるいは表やグラフに表して、電気通信回線やテレビなどを通じてリアルタイムで提供することができる。さらに、市町村の役場などにこの情報を接続し、緊急の場合は警報を発するようなシステムとすることもできる。また、監視センター12は、廃棄物処理プラント10の環境監視システム1と通信回線を通じて接続されていてもよく、この場合には、市街地や住宅地とともに大型のプラント周辺の環境をも把握できる環境情報を提供できる。
【0048】
本実施形態によれば、所望の箇所にサンプリング装置2aとダイオキシン計測装置4とを持ち運ぶことができるため、固定されたプラント内の複数の箇所ではなく、市街地など所望の箇所の空気を試料とすることができる。移動型環境監視システム1aは、廃棄物処理施設等の周辺住民の安全モニタリング、または、全地域の環境モニタリングとして利用することが可能である。
【0049】
図5に、本発明の第三の実施形態に係る家屋環境監視システムの概念図を示して説明する。図5に示す家屋環境監視システム1bは、リール式のサンプリング装置2bとダイオキシン計測装置4aとを積載して移動可能な環境監視手段11と、環境監視手段11と通信回線13により接続された監視センター12とを含んでなる。リール式のサンプリング装置2bは、環境監視手段11にサンプリング管収納装置23とともに設置され、車両などである環境監視手段11から離れた場所、例えばマンションの高層階の空気をもサンプリングすることができる。
【0050】
本実施形態において測定対象とされる空気は、主に家屋内の空気とすることができる。人体の健康に影響を与える微量の化学物質を計測するためである。車載するダイオキシン計測装置4aは、ダイオキシン類のみならず、極微量物質の測定が可能である。
【0051】
住宅建材に含まれる化学物質、例えばホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレンが人体に蓄積されることで健康を害する、シックハウス症候群が問題となっている。これらの物質は非常に微量である為、測定が困難であったが、上述のダイオキシン計測装置4aにより住宅の室内空気の微量化学物質の測定を行い、居住者の安全モニタリング情報とすることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る環境監視システムによれば、空気中のダイオキシン類をリアルタイムで計測することができ、特に廃棄物処理プラントにおいて、プラント作業員や周辺住民の安全をモニタリングし、必要に応じた処置をとることができる。
かかる環境監視システムにおいては、精度良くダイオキシン類を計測することが可能であるため、人体に影響を与える微妙な量を判断することも出来、さらにはダイオキシン類のみならずさまざまな微量物質を測定し得る点でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、廃棄物処理プラントにおける環境監視システムを示す概略図である。
【図2】図2Aは、本発明に係る環境監視システムを構成するサンプリングガス切替装置の側面の概略図であり、図2Bは、図2Aにおける矢印の向きからサンプリングガス切替装置を見た場合の概略図である。
【図3】図3は、本発明に係る環境監視システムを構成する真空紫外線質量分析器であるダイオキシン計測装置の概略図である。
【図4】図4は、移動型環境監視システムを示す概略図である。
【図5】図5は、通信回線を使用した総合的な環境監視システムを示す概略図である。
【符号の説明】
1 環境監視システム
1a 移動型環境監視システム
2、2a サンプリング装置
22a サンプリング管a
22b サンプリング管b
22c サンプリング管c
22d サンプリング管d
23 サンプリング管収納装置
3 サンプリングガス切替装置
31 固定導入部
32 回転部
33 ガス導入口
34 固定搬出部
4、4a ダイオキシン計測装置
40 イオン化チャンバ
41 真空紫外光ランプ
42 質量分析器
43 イオン検出器
44 信号分析器
45 出力器
5 制御装置
10 廃棄物処理プラント
11 環境監視手段
12 監視センター
13 通信回線
20 燃焼炉
【産業上の利用分野】
本発明は、ダイオキシン類の濃度をリアルタイムでモニタリングする環境監視システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、廃棄物処理プラント等において複数の箇所のダイオキシン類の濃度をリアルタイムでモニタリングし、その結果に応じて必要な処置をとりうる環境監視システムに関する。
【0002】
【従来技術】
廃棄物処理プラントや製鉄所等から排出されるダイオキシン類は、環境ホルモンともいわれ、人体や自然に及ぼす悪影響が問題となっている。そのため、ダイオキシン類の排出を低減させるとともに、空気中のダイオキシン類濃度の測定を定期的に行うことで、プラントの安全性を確保することが行われている。
【0003】
ダイオキシン類は複数の化合物を含むものであって、その濃度の計測方法が非常に複雑であり、時間、費用ともにかかるため、厳密な分析によるダイオキシン類濃度の測定は定期的にしか行われていない。廃棄物処理プラント内では、最もダイオキシン類が発生しやすい燃焼炉内や、排ガスの煤塵を除去するバグフィルタ出口、浄化した排ガスを大気へ放出する煙突入口等において、近似的な方法や推測による方法でダイオキシン類濃度のリアルタイムでの測定が試みられてきた。
【0004】
しかしながら、その周囲で作業を行い、排ガスや灰分に曝される機会の多いプラント作業員の作業環境においては、頻繁にその計測は行われていないのが現状である。そのため、プラントの異常、燃焼異常や、ガス漏れなどにより、急激にダイオキシン類が空気中に放出される場合に、それを計測し、直ちに知らせる手段がなく、作業員、周辺住民が危険にさらされることがあった。
【0005】
特許文献1には、ダイオキシン類前駆体の濃度から、ダイオキシン類の濃度を計測して、ダイオキシン類の生成を制御するようにごみの燃焼を行うごみ燃焼炉の燃焼制御方法およびその装置が開示されている。しかし、特許文献1に開示された方法では、ダイオキシン類の濃度を直接的に測定するものではなく、前駆体類の濃度を求め、ダイオキシン類の濃度との相関関係からダイオキシン類の濃度を推測する方法であり、正確な計測方法とは言えない。また、かかる方法は主に燃焼炉内のダイオキシン類濃度を得ることにより燃焼を制御するものであり、プラント作業員の作業環境までをも監視して制御するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許3319327号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
廃棄物処理プラント内等の作業環境において、作業員が高濃度のダイオキシン類に曝されることのないように、複数の箇所における空気中のダイオキシン類濃度をリアルタイムで監視するシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、燃焼炉を有するプラント内であって燃焼炉およびその煙道の外に設けられている、空気をサンプリングするための複数のサンプリング装置と、サンプリングされた空気中のダイオキシン類の濃度をリアルタイムで計測する分析装置と、前記計測の結果に応じて、前記サンプリング箇所のダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げる制御装置とを含む環境監視システムである。
ここで、リアルタイムとは、サンプリング後、10分から1時間程度で計測結果を得られることをいう。また、基準値とは、法定の大気中のダイオキシン類濃度である2.8pg−TEQ/m3以下の値であって、各システムにより設定することができる値である。
【0009】
燃焼炉を有するプラント内であって燃焼炉およびその煙道の外とは、具体的には、廃棄物処理プラント内のごみ収集車停車場、汚水処理施設、ごみピット、燃焼炉周辺部、灰分排出部、バグフィルタ周辺などをいうほか、廃棄物処理プラントの敷地内の屋外にも設置することもできる。さらに、前記サンプリング装置は、前記プラント外にも設置することが好ましい。
【0010】
前記分析装置が真空紫外光質量分析装置であり、前記計測の結果を表示する結果表示装置をさらに含むことが好ましい。
【0011】
前記真空紫外光質量分析装置の前段には、ダイオキシン類を濃縮する装置をさらに含むことが好ましい。また、ダイオキシン類濃縮装置は、試料中のダイオキシン類を吸着する第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤を内部に充填された耐圧性を有する耐圧容器と、前記耐圧容器の内部を加熱する第一の加熱手段と、前記耐圧容器の内部へ抽出溶媒を送給する溶媒送給手段と、前記耐圧容器からの前記抽出溶媒からダイオキシン類を吸着する第二の吸着剤と、前記第二の吸着剤を加熱する第二の加熱手段と、前記第二の吸着剤にキャリアガスを送給するキャリアガス送給手段とを備えることが好ましい。
【0012】
結果表示装置は、制御装置または真空紫外光質量分析装置の出力器と有線または無線の通信回線により接続され、計測結果を表示するものである。サンプリング装置あるいはその周辺に固定されたものでもよく、作業員が装着しているものでもよい。また、ディスプレイ等による表示のみならず、警告音を鳴らすものでもよい。
【0013】
前記制御装置が、ダイオキシン類の濃度が基準値以上のときに、前記燃焼炉における燃焼を停止させることによりダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げることが好ましい。それに加えて、前記サンプリング箇所の空気を取り込み、前記燃焼炉へ送るための通気手段をさらに含み、前記制御装置が、ダイオキシン類の濃度が基準値以上のときに、該通気手段から空気を取り込んで前記燃焼炉で燃焼させることによりダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げることが好ましい。
これらの両方の制御を行うシステムにおいては、燃焼停止の基準値と、空気燃焼の基準値とを異なる値に定めることができる。
【0014】
前記サンプリング装置が、作業員の存在を検知して、該作業員が近傍に存在する箇所の空気を選択的にサンプリングすることが好ましい。具体的には、前記サンプリング装置が、作業員が装着するICタグを検知して、ICタグが所定の領域より内側にあるときに、その箇所の空気をより高い頻度でサンプリングするように作動させることができる。
【0015】
前記燃焼炉および/またはその煙道内のダイオキシン類の濃度を計測する分析装置と、該分析装置によるダイオキシン類濃度の計測値に基づいた作動をする制御装置をさらに含んでなる上述の環境監視システムであることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、空気をサンプリングするサンプリング装置と、サンプリングされた空気中の有害物質の濃度をリアルタイムで計測する真空紫外光質量分析装置とを積載してなる移動可能な環境監視手段と、該環境監視手段と通信回線により接続された監視センターとを含んでなり、前記環境監視手段が、所望の箇所における空気中の有害物質の濃度を計測し、該計測結果を受信した監視センターが通信回線を通じて広域環境情報を提供する広域環境監視システムをも提供する。移動式環境監視手段がGPSシステムを搭載し、監視センターがGPSシステムから得られる地図情報と有害物質の観測情報とから広域環境情報を構築することが好ましい。
【0017】
さらには、本発明は、複数の箇所における空気をサンプリングするステップと、サンプリングした複数の異なる箇所における空気中の有害物質の濃度を真空紫外光質量分析装置により、順次計測するステップと、該計測結果に応じて、有害物質の濃度が基準値異常であるサンプリング箇所の空気中の有害物質の濃度を基準値以下に下げる操作を行うステップとを含む環境監視方法を提供する。
【0018】
本発明に係る環境監視システムによれば、廃棄物プラント内外において、燃焼炉などの特別ダイオキシン類濃度が高いところのみならず、作業員が通常、作業するような複数の箇所でダイオキシン類濃度を即時に得て、その計測結果を知らせることができる。さらには、その計測結果に応じた対処を行うことができるため、環境を監視するだけでなく、制御することができる点で非常に有利である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、図面を参照して詳細に説明する。同じ部材には同じ符号を付して示した。
【0020】
図1に、本発明の第一の実施形態に係る環境監視システムの概念図を示す。図1に示す環境監視システム1は、燃焼炉20を有する廃棄物処理プラント10の複数の箇所に設けられたサンプリング装置2と、これらのサンプリング装置2でサンプリングされた空気を順次ダイオキシン計測装置4に導入するサンプリングガス切替装置3と、真空紫外質量分析装置であるダイオキシン計測装置4と、該ダイオキシン計測装置4における計測結果に応じてサンプリング箇所に計測結果を通知するように、あるいは所定の対処を行うように制御する制御装置5とを含んでなる。
【0021】
廃棄物処理プラント10は、燃焼や熱分解溶融により廃棄物を処理する施設であって、特にダイオキシン類の発生が懸念される施設である。特には、図1に示すストーカ型の燃焼炉で好ましく使用される。しかし、本発明のシステムが使用される対象は、これのみに限定されるものではない。例えば、製鉄所や化学プラントであってもよい。
【0022】
サンプリング装置2は、廃棄物処理プラント10内、あるいはその周辺など、空気中のダイオキシン類濃度測定を所望する複数の箇所に設置し、計測サンプルとなる空気を得るものである。具体的な設置位置としては、例えば、図1に示すように、廃棄物処理プラント10内のごみ収集車停車場、汚水処理施設、ごみピット、燃焼炉周辺部、灰分排出部、バグフィルタ周辺などとすることができる。さらには、廃棄物処理プラントの敷地内である屋外にも設置することができる。特に、ダイオキシン類が燃焼炉20から漏れた場合に汚染されやすい箇所、および作業員が頻繁に存在する箇所にサンプリング装置2を設けることが好ましい。特に、本発明においては、通常はダイオキシン類が検出されない場所、つまりは燃焼炉20及びその煙道の外にサンプリング装置2を設けることが好ましい。
【0023】
サンプリング装置2は、サンプリングのために測定箇所の空気を引き抜く手段(図示せず)とサンプリング管22とを含んでなる。サンプリングのために空気を引き抜く手段としては、ポンプを使用することができる。かかる手段によれば、1回の測定につき、100〜1000L程度の空気を引き抜くことができる。
【0024】
一方、サンプリング管22は、サンプリングした空気を、サンプリング箇所からダイオキシン計測装置4まで輸送する手段である。サンプリング管22としては、それ専用の輸送パイプなどの手段を配設してもよい。あるいは、既存の空調設備の配管を使用して、各室からの吸い込みダクトからサンプリングしてもよい。この場合には、サンプリング管敷設距離を少なくすることができるという経済的メリットがある。
【0025】
また、サンプリング装置2による空気のサンプリングは、常時行われるのであってもよく、あるいは一定時間おきに行われるのであってもよい。本発明に用いられるダイオキシン計測装置4は、1つのサンプルの測定に10〜30分程度要し、通常、一つのダイオキシン計測装置4で複数の箇所におけるサンプルを測定するため、一定時間おきに空気をサンプリングすることが好ましい。
【0026】
別の手段としては、作業員の位置情報を検知し(既出願特許:特願2002−265030号)、作業員のいる箇所に近いサンプリング装置2のみが作動するようにしてもよい。具体的には、サンプリング装置2にセンサを設け、周囲に作業員の存在を感知した場合にのみサンプリングが行われるようにしてもよい。GPSを使用して、作業員がサンプリング装置2から所定の距離に近づいたときにサンプリング装置2が作動するようにしてもよい。
【0027】
また別の手段としては、作業員にICタグを装着させ、サンプリング装置2にICリーダーを設けて、ICリーダーがICタグを読み取ることで作業員の存在を検知し、サンプリングを開始するように設計することができる。その逆に、サンプリング装置2にICタグを設け、作業員にICリーダーを装着させてもよい
【0028】
サンプリングガス切替装置3は、サンプリング装置2が複数存在する場合に、異なる複数のサンプリング管22からの計測対象である空気を、これらが混合しないように、順次、ダイオキシン測定装置4へ搬送するものである。このようなサンプリングガス切替装置3は、図2(A)に示すように、複数のサンプリング管22a、22b、22c、22dを集めて固定する固定導入部31と、回転することにより所定の位置に来たときに、サンプリング管とガス導入口33とが流通できるように設計された回転部32と、回転部32が所定の位置に来たときにガス導入口33に導入された空気がダイオキシン計測装置4の側に流通できるように設計された固定搬出部34とを含んでなる。
【0029】
図2A中の矢印Aの向きからサンプリングガス切替装置3を見た図面を、図2(B)に示す。図2(B)は回転部32が矢印Bの向きに回転し、回転部32を貫通するように設けられたガス導入口33と、サンプリング管22aとが流通できる状態となっているところを示す。このとき、サンプリング管22aを通じてサンプリングされた空気のみがガス導入口33内に入ることができる。ほかのサンプリング管22b、22c、22dの口は、回転部32の側面で蓋をされた状態になる。したがって、これら複数サンプリング管22からの空気が混じり合うことはない。
【0030】
後続のダイオキシン計測装置4は、1つのサンプルの測定に10〜30分程度を要するため、サンプリングガス切替装置3の回転部32は、かかる測定間隔に合わせて回転する。したがって、サンプリング管22aを通じてサンプリングされる空気がダイオキシン計測装置4へ運搬されたのち、回転部32が矢印Bの向きに回転し、回転部32のガス導入口33とサンプリング管22bとが流通した状態となる。回転部32は電磁弁により駆動されることが好ましい。
【0031】
本実施の形態においては、4本のサンプリング管22が接続されているサンプリングガス切替装置3を図示して説明したが、サンプリング管22の接続本数はこれに限定されるものではない。サンプリング管22の接続本数は、例えば、2〜20本とすることができる。
【0032】
サンプリング装置2が一つしかない場合、またはサンプリング装置2と同数のダイオキシン計測装置4を設置することができるときは、このようなサンプリングガス切替装置3を設置する必要はない。しかしながら、本発明においては、通常、複数の箇所において空気をサンプリングすることにより、廃棄物処理プラント10全体を監視することが好ましい。これに加え、ダイオキシン計測装置4は高価であり、大きなスペースを占有するため、複数のサンプルを一つの計測装置4で計測する方が、経済的にも有利である。
【0033】
ダイオキシン計測装置4に上述の試料を導入するに先立って、試料中のダイオキシン類の濃度を高めておく必要がある。空気中に放出され得るダイオキシン類は通常わずかな量であって、そのままでは測定効率が悪いなどの問題があるからである。このような試料中の微量のダイオキシン類を捕集して濃縮させるダイオキシン類濃縮装置は、特開2002−189022号公報に詳述されている。
【0034】
このようなダイオキシン類濃縮装置は、試料中のダイオキシン類を吸着する第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤を内部に充填された耐圧性を有する耐圧容器と、前記耐圧容器の内部を加熱する第一の加熱手段と、前記耐圧容器の内部へ抽出溶媒を送給する溶媒送給手段と、前記耐圧容器からの前記抽出溶媒からダイオキシン類を吸着する第二の吸着剤と、前記第二の吸着剤を加熱する第二の加熱手段と、前記第二の吸着剤にキャリアガスを送給するキャリアガス送給手段とを備えることを特徴とする。この装置によれば、第一の吸着剤に吸着したダイオキシン類を抽出溶媒で抽出し、抽出溶媒中のダイオキシン類を第二の吸着剤で吸着し、第二の吸着剤を加熱して第二の吸着剤からわずかに残留している抽出溶媒と共にダイオキシン類を離脱させてキャリアガスと共に送出することができるので、第一の吸着剤を高温に加熱することなく当該吸着剤からダイオキシン類を離脱させることができると共に、第二の吸着剤から加熱離脱する際のダイオキシン類の初期昇温速度を抑制して、ダイオキシン類の加熱分解を抑制することができる。このため、第一の吸着剤の熱劣化を抑制することができると共に、後続のダイオキシン計測装置4において、ダイオキシン類を正確に測定することができる。
【0035】
ダイオキシン類濃縮装置は、サンプリング装置2でサンプリングした後、ダイオキシン計測装置4に導入されるまでのあいだに設けることができる。特には、サンプリングガス切替装置3に導入された後であって、ダイオキシン計測装置4に導入される前に濃縮しておくことが好ましい。
サンプリング装置2は、一回の測定につき100〜1000Lの空気をサンプリングし、これがダイオキシン類濃縮装置で50〜500Lにまで濃縮され、ダイオキシン計測装置4に導入される。
【0036】
ダイオキシン計測装置4は、サンプリングガス切替装置3から供給される空気中のダイオキシン類濃度を測定する装置である。真空紫外光/質量分析装置を使用することができる。このような装置は、特開2002−181790号に詳細に開示されている。ダイオキシン計測装置4は、空気中のダイオキシン類をイオン化する真空紫外光ランプ41と、イオン化した物質を質量によりわける質量分析器42と、イオン検出器43と、検出されたイオン信号を定量、または定性分析する信号分析器44と、出力器45とを含んでなる。
【0037】
かかるダイオキシン計測装置4におけるダイオキシン類の濃度計測について説明する。サンプルガスは、サンプリングガス切替装置3から導入され、好ましくはダイオキシン類濃縮装置を経て濃縮された後、一定時間(1〜60分程度)にわたってイオン化チャンバ40に導入される。その間、サンプルガスに含まれるクロロベンゼン類あるいはダイオキシン類はイオン化チャンバ40内で真空紫外光によりイオン化され、濃縮されていく。所定の時間濃縮された後、クロロベンゼン類あるいはダイオキシン類はイオンビームとして質量分析器42に放出される。放出されたイオンビームは、イオン検出器43で検出される。ダイオキシン類の濃度はイオンの飛行時間から信号分析器4によって計算され、出力器45からダイオキシン類濃度が得られる。
【0038】
ダイオキシン計測装置4は、1サンプルにつき10〜30分でダイオキシン類濃度を測定することができる。したがって、サンプリングガス切替装置3から供給される、異なる複数のサンプルを順次計測してダイオキシン類濃度を得ることができる。
【0039】
制御装置5は、ダイオキシン計測装置4から出力されたダイオキシン類濃度の計測結果に応じて必要な処置を行う。具体的には、計測されたダイオキシン類濃度が人体あるいは自然に影響を与える所定の基準値を超えた場合に、またはそれぞれの環境監視システム1が適用されるプラントにおいて所定の値を超えた場合に、それらを基準値以下にまで下げるように制御装置5が作動することが好ましい。ここで、所定の基準値とは、法定の大気中のダイオキシン類濃度である2.8pg−TEQ/m3、あるいはそれ以下の値とすることができるが、一定の値には限定されない。
【0040】
このような場合に、まずダイオキシン類濃度が所定の基準値を超えるサンプリング箇所に存在する作業員に現状を通知することができる。このために、サンプリング装置2にダイオキシン計測装置4による計測結果を表示する結果表示装置を設けてもよい。さらに、緊急時の警報を鳴らす手段を設けてもよい。あるいは、ダイオキシン類濃度情報を表示し警報を鳴らす小型の結果表示装置を作業員に装着させてもよい。
【0041】
さらに、これに引き続いて、例えば、ダイオキシン類濃度が所定の基準値を超えるがその超過範囲が小さければ、サンプリング箇所に設けられたダクトのような通気手段を用いてサンプリング箇所の空気を引き抜き、燃焼炉20で高温燃焼させてダイオキシン類を分解することができる。超過範囲が大きく、異常燃焼の可能性がある場合は、燃焼炉20の燃焼を停止させるとともに、ダクトのような通気手段を用いてサンプリング箇所の空気を引き抜き、別に設けられてもよい燃焼手段で完全燃焼させることができる。このような二つの異なる制御で、基準値が異なってもよい。制御装置5は、ダイオキシン類濃度が所定の基準値を下回るまで、これらの操作を行い、通常の状態に回復させるように働く。
【0042】
このようなダイオキシン類の濃度情報はまた、廃棄物プラント10の管理室等に逐次送信されることが好ましい。
【0043】
このように、第一の実施形態に係る環境監視システム1によれば、廃棄物プラント10の複数の箇所におけるダイオキシン類濃度をリアルタイムで得ることができ、計測結果に応じた制御により、異常事態の早期回復が可能となる。特に、通常はダイオキシン類が大量発生しないために頻繁には濃度測定が行われない場所におけるダイオキシン類濃度情報が得られ、廃棄物プラント10の作業員の作業環境を管理することができる。
【0044】
図4に、本発明の第二の実施形態に係る環境監視システムの概念図を示して説明する。図4に示す移動型環境監視システム1aは、サンプリング装置2aとダイオキシン計測装置4aとを積載して移動可能な環境監視手段11と、移動型の環境監視手段11と通信回線13により接続された監視センター12とを含んでなる。
【0045】
環境監視手段11は、ガソリンエンジンまたは、燃料電池または蓄電池による電気モータを駆動源とする自動車または小型トラックに、図3に示したのと同様の真空紫外光/質量分析装置であるダイオキシン計測装置4aを積載したものを使用することができる。本実施の形態においては、特に車載型のダイオキシン計測装置4aであるため、小型軽量の装置とすることが好ましい。したがって、信号分析器44や出力器45は積載せず、イオン検出器43の信号を監視センター12に送信し、監視センター12で信号分析及び出力を行ってもよい。
【0046】
サンプリング装置2aはどのような形状のものであってもよく、ダイオキシン計測装置4aにサンプリングした空気を供給可能なものであれば使用できる。また、第一の実施形態と同様に、サンプリングした空気を濃縮するための図示しないダイオキシン類濃縮装置をサンプリング装置2aとダイオキシン計測装置4aとのあいだに設けることができる。
【0047】
移動型環境監視システム1aによれば、環境監視手段11が移動しながら所望の場所で空気のサンプリングを行い、計測したダイオキシン類の濃度をGPS情報とともに監視センター12にリアルタイムで送信することができる。監視センター12は、得られたダイオキシン類の濃度情報を、地図とともに表して、あるいは表やグラフに表して、電気通信回線やテレビなどを通じてリアルタイムで提供することができる。さらに、市町村の役場などにこの情報を接続し、緊急の場合は警報を発するようなシステムとすることもできる。また、監視センター12は、廃棄物処理プラント10の環境監視システム1と通信回線を通じて接続されていてもよく、この場合には、市街地や住宅地とともに大型のプラント周辺の環境をも把握できる環境情報を提供できる。
【0048】
本実施形態によれば、所望の箇所にサンプリング装置2aとダイオキシン計測装置4とを持ち運ぶことができるため、固定されたプラント内の複数の箇所ではなく、市街地など所望の箇所の空気を試料とすることができる。移動型環境監視システム1aは、廃棄物処理施設等の周辺住民の安全モニタリング、または、全地域の環境モニタリングとして利用することが可能である。
【0049】
図5に、本発明の第三の実施形態に係る家屋環境監視システムの概念図を示して説明する。図5に示す家屋環境監視システム1bは、リール式のサンプリング装置2bとダイオキシン計測装置4aとを積載して移動可能な環境監視手段11と、環境監視手段11と通信回線13により接続された監視センター12とを含んでなる。リール式のサンプリング装置2bは、環境監視手段11にサンプリング管収納装置23とともに設置され、車両などである環境監視手段11から離れた場所、例えばマンションの高層階の空気をもサンプリングすることができる。
【0050】
本実施形態において測定対象とされる空気は、主に家屋内の空気とすることができる。人体の健康に影響を与える微量の化学物質を計測するためである。車載するダイオキシン計測装置4aは、ダイオキシン類のみならず、極微量物質の測定が可能である。
【0051】
住宅建材に含まれる化学物質、例えばホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレンが人体に蓄積されることで健康を害する、シックハウス症候群が問題となっている。これらの物質は非常に微量である為、測定が困難であったが、上述のダイオキシン計測装置4aにより住宅の室内空気の微量化学物質の測定を行い、居住者の安全モニタリング情報とすることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る環境監視システムによれば、空気中のダイオキシン類をリアルタイムで計測することができ、特に廃棄物処理プラントにおいて、プラント作業員や周辺住民の安全をモニタリングし、必要に応じた処置をとることができる。
かかる環境監視システムにおいては、精度良くダイオキシン類を計測することが可能であるため、人体に影響を与える微妙な量を判断することも出来、さらにはダイオキシン類のみならずさまざまな微量物質を測定し得る点でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、廃棄物処理プラントにおける環境監視システムを示す概略図である。
【図2】図2Aは、本発明に係る環境監視システムを構成するサンプリングガス切替装置の側面の概略図であり、図2Bは、図2Aにおける矢印の向きからサンプリングガス切替装置を見た場合の概略図である。
【図3】図3は、本発明に係る環境監視システムを構成する真空紫外線質量分析器であるダイオキシン計測装置の概略図である。
【図4】図4は、移動型環境監視システムを示す概略図である。
【図5】図5は、通信回線を使用した総合的な環境監視システムを示す概略図である。
【符号の説明】
1 環境監視システム
1a 移動型環境監視システム
2、2a サンプリング装置
22a サンプリング管a
22b サンプリング管b
22c サンプリング管c
22d サンプリング管d
23 サンプリング管収納装置
3 サンプリングガス切替装置
31 固定導入部
32 回転部
33 ガス導入口
34 固定搬出部
4、4a ダイオキシン計測装置
40 イオン化チャンバ
41 真空紫外光ランプ
42 質量分析器
43 イオン検出器
44 信号分析器
45 出力器
5 制御装置
10 廃棄物処理プラント
11 環境監視手段
12 監視センター
13 通信回線
20 燃焼炉
Claims (9)
- 燃焼炉を有するプラント内であって燃焼炉およびその煙道の外に設けられている、空気をサンプリングするための複数のサンプリング装置と、
サンプリングされた空気中のダイオキシン類の濃度をリアルタイムで計測する分析装置と、
前記計測の結果に応じて、前記サンプリング箇所のダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げる制御装置と
を含む環境監視システム。 - 前記分析装置が真空紫外光質量分析装置であり、前記計測の結果を表示する結果表示装置をさらに含む請求項1に記載の環境監視システム。
- 前記制御装置が、ダイオキシン類の濃度が基準値以上のときに、前記燃焼炉における燃焼を停止させることによりダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げる請求項1または2に記載の環境監視システム。
- 前記サンプリング箇所の空気を取り込み、前記燃焼炉へ送るための通気手段をさらに含み、
前記制御装置が、ダイオキシン類の濃度が基準値以上のときに、該通気手段から空気を取り込んで前記燃焼炉で燃焼させることによりダイオキシン類の濃度を基準値以下にまで下げることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境監視システム。 - 前記サンプリング装置が、前記プラント外にも設置されている請求項1〜4のいずれかに記載の環境監視システム。
- 前記サンプリング装置が、作業員の存在を検知して、該作業員が近傍に存在する箇所の空気を選択的にサンプリングする請求項1〜5のいずれかに記載の環境監視システム。
- 前記燃焼炉および/またはその煙道内のダイオキシン類の濃度を計測する分析装置と、該分析装置によるダイオキシン類濃度の計測値に基づいた作動をする制御装置をさらに含んでなる請求項1〜6に記載の環境監視システム。
- 空気をサンプリングするサンプリング装置と、サンプリングされた空気中の有害物質の濃度をリアルタイムで計測する真空紫外光質量分析装置とを積載してなる移動可能な環境監視手段と、
該環境監視手段と通信回線により接続された監視センターと
を含んでなり、
前記環境監視手段が、所望の箇所における空気中の有害物質の濃度を計測し、該計測結果を受信した監視センターが通信回線を通じて広域環境情報を提供する広域環境監視システム。 - 複数の箇所における空気をサンプリングするステップと、
サンプリングした複数の異なる箇所における空気中の有害物質の濃度を真空紫外光質量分析装置により、順次計測するステップと、
該計測結果に応じて、有害物質の濃度が基準値以上であるサンプリング箇所の空気中の有害物質の濃度を基準値以下に下げる操作を行うステップと
を含む環境監視方法。
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JP2002324736A Withdrawn JP2004156874A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 環境監視システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004156874A (ja) |
-
2002
- 2002-11-08 JP JP2002324736A patent/JP2004156874A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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