JP2004156476A - スラスタ - Google Patents

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文裕 上野
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Abstract

【課題】触媒層に生じる空隙の発生を抑える簡易的な構造を提供し、スラスタの信頼性を向上し、長寿命化すること。
【解決手段】スラスタの下流側フィルタ6bに、上流側に向けて凸状に形成されたものを用いる。下流側フィルタ6bに略中心部分を凸状に形成されたものを用いて分解ガスの抜けをよくする。下流側フィルタ6bが略中心部分から放射状に複数のスリットを備えて、変形を柔軟にさせる。下流側フィルタ6bの略中心部分を上流側に付勢するコイルスプリング9を備えて、強力に触媒粒7を押し上げる。下流側フィルタ6bを金または金を主成分とした合金からなるようにして下流側フィルタ6bの延びをよくする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、推薬の触媒反応により発生する分解ガスの噴出を利用して推力を発生させるスラスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、宇宙空間での人工衛星の姿勢制御を行う場合に使用されるスラスタとして触媒分解式1液式ヒドラジンスラスタが提案されている。このスラスタは、ヒドラジン等の推薬を噴射させる噴射器と、噴射器から噴射された推薬を分解して分解ガスを発生させる燃焼室と、燃焼室で発生した分解ガスを噴出させるノズルとからなる。この燃焼室は、上流側フィルタと下流側フィルタとにより仕切られた空間に触媒粒を充填した触媒層を有している。ここで、触媒粒は、スラスタの動作に伴い、熱膨張と収縮の繰り返しと発生する分解ガスの圧力によって粉砕し、損失するため、推薬の触媒反応が不安定となり、所望の推力が得られない等、スラスタの作動が不安定となり、最終的には寿命が短くなる。そのため、従来のスラスタでは、触媒層の空隙の発生を抑えて、スラスタの寿命を延ばすようにしている。
【0003】
例えば特許文献1に記載されているものがある。このスラスタでは、図6に示すように、下流側フィルタ102に伸縮可能な平坦な金網を用い、下流側フィルタ102の下流側面をコイルスプリング103で付勢し、触媒層101に空隙が発生した場合には、コイルスプリング103により付勢された下流側フィルタ102が上流側に変形して、触媒粒104を押し上げ、触媒層101に発生した空隙を埋めるようにしている。
【0004】
また、例えば特許文献2に記載されているものがある。このスラスタでは、燃焼室の上流側および下流側の円形板と外周のベルト状フィルタとで形成された空間に触媒粒を充填し、そのベルト状フィルタの一端を引っ張ることにより、空隙を埋めるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−82171号公報(第3頁、第1図、第2図)
【特許文献2】
米国特許第4352782号明細書(第2−4欄、第3図、第5図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1のスラスタでは、下流側フィルタとして平坦な金網を用いているため、下流側フィルタ自身が触媒粒を押し上げる力が弱く、そのため、触媒層に発生した空隙を埋めるためには下流側フィルタを上流側に付勢する付勢手段が不可欠となり、空隙を埋める能力は付勢手段に高く依存している。また、下流側フィルタが平坦であるために、触媒層の略中心部分において触媒粒の損失が激しく、空隙が発生しやすい。更に、触媒粒を充填したとき、初期状態で下流側フィルタが下流側に凸形に変形してしまい、触媒層の略中心部分での触媒粒の損失が著しくなり、スラスタの寿命が低下するという問題点があった。特許文献2のスラスタでは、触媒層の空隙を埋めるための機構が複雑であるために高価であり、また、900度程度まで上昇する触媒反応の中でこの機構を正常に動作させることが容易ではないため信頼性が低いという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みて、簡素な構造により触媒層の空隙の発生を効果的に抑えることができ、これにより耐久性を向上させて、長寿命のスラスタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のスラスタでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1のスラスタによれば、燃焼室内の触媒粒を保持する下流側フィルタを有し、該燃焼室に推薬を噴射させて発生した分解ガスを外部に噴出して推力を得るスラスタにおいて、下流側フィルタに上流側に向けて凸状に形成されたものを用いるようにした。この発明により、触媒粒を充填するとその充填圧力により下流側フィルタが下流側に変形し、その反力として下流側フィルタ自身が触媒粒を押し上げるので、バネのような付勢手段を別に設けることなく、触媒層に空隙が発生することを防止することができる。また、スラスタの動作に伴い触媒粒が損失し空隙が発生した場合にも、下流側フィルタ自身が自己の変形を上流側に回復させるために、付勢手段を用いなくても触媒粒を押し上げることができる。
【0009】
請求項2のスラスタによれば、前記下流側フィルタは、略中心部分を凸状に形成されるようにした。この発明により、触媒層の略中心部分で大量に発生する分解ガスが下流に抜けやすくなり、触媒層の略中心部分の分解ガスの圧力が周辺部分に比べて高い状態を回避できるため、触媒層の略中心部分で発生しやすい触媒粒の損失が抑えられる。また、触媒粒の損失により空隙が発生した場合には、下流側のフィルタの略中心部分が触媒粒を上流側に押し上げるので触媒層の略中心部分に発生しやすい空隙を効果的に埋めることができる。
【0010】
請求項3のスラスタによれば、前記下流側フィルタは、略中心部分から放射状に複数のスリットを備えるようにした。この発明により、下流側フィルタの変形量を大きくすることができ、多くの触媒粒を充填することが可能となる。また、下流側フィルタの変形の回復量も大きいため、触媒粒の損失により触媒層に空隙が発生した場合に触媒粒を上流側に押し上げ空隙を埋める能力を高くすることができる。
【0011】
請求項4のスラスタによれば、前記下流側フィルタの略中心部分を上流側に付勢する付勢手段を備えるようにした。この発明により、触媒層に充填された触媒粒が損失した場合に、下流側フィルタの上流方向への回復を助勢し、触媒層の中央付近に生じやすい空隙を埋めることができる。また、下流側フィルタの上流方向への回復が終わっても、下流側フィルタを更に上流側に変形させて触媒粒を押し上げ、空隙を埋めることができる
【0012】
請求項5のスラスタによれば、前記下流側フィルタは、金または金を主成分とした合金からなるようにした。この発明により、下流側フィルタが延性、展性に優れるため、破断することなく柔軟に上流側に延びて、触媒粒を押し上げて、空隙を埋めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は本発明の実施の形態によるスラスタを示すものである。図1はスラスタの側断面図、図2は下流側フィルタの斜視図である。
【0014】
図1において符号1はスラスタ本体である。スラスタ本体1は、無色透明液体のヒドラジン等の推薬を噴射させる円筒形の噴射器2と、噴射器2の下流側に固着されて噴射器2から噴射された推薬を分解して高温高圧の分解ガスを発生させる円筒形の燃焼室3と、燃焼室3の下流側に固着されて燃焼室3で発生した分解ガスを加速して外部に噴出させるノズル4とからなる。
【0015】
燃焼室3は、上流側から、噴射器2から噴射された推薬の濃度を適切な濃度にさせるための空間5と、推薬を分解して分解ガスを発生させるための触媒粒7を充填させた触媒層6と、発生した分解ガスをノズル4から噴出させる前に一時的に充満させるチャンバ8とからなる。なお、図示しないが、空間5を設けずに触媒粒7を燃焼室3の最上流部にまで充填させる場合もある。
【0016】
触媒層6は、推薬の噴出方向に向けてその上流側に上流側フィルタ6aと、その下流側に下流側フィルタ6bを備え、上流側フィルタ6aと下流側フィルタ6bにより仕切られた空間に触媒粒7を充填するようにしてある。触媒粒7には、アルミナ等の金属の表面にイリジウム金属を付着させた0.5〜0.7mm径程度の粒状のものが用いられる。
【0017】
上流側フィルタ6aは、耐熱性を備え、触媒粒7が通過不能である程度の多数の空孔等を持つ平坦な多孔質部材からなり、例えば、金網などが用いられる。そして、その周縁が燃焼室3の壁面に固着される。一方、下流側フィルタ6bは、金または金を主成分とした合金からなり、その周縁が燃焼室3の壁面に固着される。金は、延性、展性に優れ、また、耐熱性を備える金属であるため、下流側フィルタ6b自身が伸縮可能となっている。
【0018】
また図2に示すように、下流側フィルタ6bは、略中心部分12が凸状に形成された薄板であり、略椀形となっている。そして、下流側フィルタ6bには、その略中心部分12から周縁部分13に向けて放射状に複数のスリット11が設けられる。スリット11の幅は、触媒粒7は通過不能であるが、この触媒粒7が触媒反応の際に砕けて微粉となったものは通過できる程度となっている。このように下流側フィルタ6bに複数のスリット11が設けられると、下流側フィルタ6bはその略中心部分12と周縁部分13とが複数の薄板梁14により連結された構造となっている。
【0019】
図1に戻り、下流側フィルタ6bの略中心部分12を上流側に付勢する状態で耐熱性材料からなるコイルスプリング9が介装され、触媒粒7を圧縮できるようになっている。コイルスプリング9の一端は、燃焼室3の壁面に固定され、他端が下流側フィルタ6bの略中心部分12を押し上げられる(上流側へ向けて付勢する)ように台形円錐形に形成されている。
【0020】
以上のように構成したことにより、触媒層6に触媒粒7が充填されると、その充填圧力により、下流側フィルタ6bは上流側に向けて略中心部分12を凸形に形成した形状が下流側に向けて若干押し潰されるように変形する。この時、下流側フィルタに平坦な金網を用いた場合のように触媒粒の充填圧力により下流側に凸形となるように変形することはなく、上流側に向けて凸形に形成された形状は維持される。
【0021】
そして、下流側フィルタ6bが凸形に形成されることにより、平坦な場合に比べて変形を回復させる能力が高く、下流側フィルタ6b自身が触媒粒7を上流側に押し上げるように作用する。更に、コイルスプリング9が下流側フィルタ6bの変形の回復を助勢するので、強力に触媒粒7を上流側に押し上げ、スラスタの動作前から触媒層6の空隙の発生を防止するようになっている。すなわち、触媒層6に触媒粒7を密に充填した状態を容易に維持できる。
【0022】
次に、このスラスタの動作を説明すると、噴射器2から推薬が間欠的に燃焼室3に噴射され、この推薬が拡散されて上流側フィルタ6aを通過して触媒層6に流入し、触媒粒7と接触して触媒反応により高温高圧の分解ガスに分解される。触媒反応により発生した分解ガスは、下流側フィルタ6bを通り抜け、チャンバ8を通ってノズル4から外部へ噴出される。この噴出により生じる反力として所望の推力が得られる。
【0023】
スラスタの間欠作動に伴い、触媒粒7は、熱膨張及び収縮の繰り返しと発生する分解ガスの圧力とによって粉砕し、損失する。特に、触媒層6の略中心部分において触媒粒7が激しく損失しやすい。そして、粉砕した触媒粒7は、分解ガスと共に下流側フィルタ6bを通過して、ノズル4から外部に放出される。
【0024】
このように触媒粒7が損失した場合には、その損失に合わせて下流側フィルタ6bの変形が回復するとともにコイルスプリング9の作用が加わることで触媒粒7を上流側に押し上げるので、触媒層6に発生した空隙を埋めることができる。すなわち、下流側フィルタ6bを上流側に向けて凸形に形成したことにより、下流側フィルタ6b自身が触媒粒7を上流側に押し上げる能力を持ち、下流側フィルタに平坦な金網を用いた場合に比べて押し上げる能力が高いので、触媒層7の空隙の発生を容易かつ確実に抑えることができる。
【0025】
従って、触媒層6内での触媒粒7の移動が規制される結果、推薬の触媒反応の際に触媒粒7が触媒層6内で激しく振動や移動し触媒粒7同士が衝突するなどして触媒粒7の損失が激しく増幅されることが防止される。
【0026】
また、下流側フィルタ6bは、複数の薄板梁14が板バネとして機能するため触媒粒7が充填された時から下流方向への変形量が大きく、その変形分だけ上流方向への回復量も大きいので、下流側フィルタに平坦な金網を用いた場合に比べて、触媒層6に発生した空隙を埋める能力が高くなっている。
【0027】
更に、コイルスプリング9が下流側フィルタ6bの略中心部分12を上流側に付勢して触媒粒7を上流側に向けて押し上げているため、下流側フィルタ6bの変形が上流側に回復する能力を強力に助勢し、触媒層6の空隙の発生を効果的に抑えるようになっている。
【0028】
また、下流側フィルタ6bの略中心部分12を上流に向けて凸形に形成することで、触媒粒7が損失しやすい触媒層6の略中心部分を下流側フィルタ6bの略中心部分12が上流側に向けて押し上げるので、効果的に空隙を埋めることができる。更に、下流側フィルタ6bの略中心部分12を上流に向けて凸形に形成することで触媒層6の略中心部分と下流側フィルタ6bの略中心部分12との距離が近づき、発生した分解ガスが下流側フィルタ6bを通って下流に抜けやすくなっている。そのため、触媒層6の略中心部分において高温高圧の分解ガスが大量に発生しても下流側に抜けやすいことから、周辺部分に比べて高温かつ高圧になることが抑えられる。その結果、触媒層6の略中心部分で触媒粒7が激しく損失することが防止され、また、分解ガスの圧力損失が少なくなることからスラスタの推進能力を向上させることができる。
【0029】
そして、触媒粒7の損失が更に進行して下流側フィルタ6bの下流側への変形が回復するに至った場合でも、コイルスプリング9が下流側フィルタ6bの略中心部分12を更に上流側に付勢しつづけるので、下流側フィルタ6bが上流側に変形することで触媒粒7を上流側に押し上げる。そのため、空隙の発生を更に抑えることができる。特に、薄板梁14は、その長手方向に延ばされやすい形状であるため、下流側フィルタに金網を用いた場合に比べて上流側への変形量が大きくなり、触媒層6に発生する空隙を長期間にわたって埋めることができる。
【0030】
また、下流側フィルタ6bが金または金を主成分とした合金からなるため、延性、展性に優れ、コイルスプリング9で上流側に付勢しても、下流側フィルタ6bが破断することなく柔軟に延び(特に下流側フィルタ6bの薄板梁14が柔軟に引き延ばされ)、触媒粒7を押し上げることが可能となっている。この結果、下流側フィルタ6bが破断等することなく空隙を埋めるため、スラスタの信頼性を向上させ、寿命を延ばすことができる。
【0031】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
下流側フィルタ6bは、金または金を主成分とした合金からなるのみならず、金以外の他の金属、例えばプラチナや銀のように延性、展性の高い金属を用いることも可能である。また、金属に限らず、多孔質のカーボンやセラミックス等を用いることも可能である。また、全体を金等のみで構成しないで、例えば、図2で示すような領域Xだけ金で構成することも可能である。
【0032】
また、コイルスプリング9は、図示のような台形円錐形のみならず円柱形としてもよい。コイルスプリングに限らず、板バネや皿バネを用いることも可能である。更に、下流側フィルタ6bを下流側から付勢するのみならず、上流側から引っ張り上げるようにすることも可能である。また、コイルスプリング9等の付勢手段を設けない場合も考えられる。この場合は、下流側フィルタ6b自身の回復力のみを用いて触媒粒7を上流側へ押し上げることになる。
【0033】
図3から図5は、下流側フィルタの他の形態を示す概略図である。図3に示す下流側フィルタ15は、略中心部分15aから周縁部分15bに向かって複数の渦巻き状のスリット15cを備えるものであり、また、図4に示す下流側フィルタ16は、略中心部分16aから周縁部分16bに向かって放射状に配置された複数の空孔列16cを持つパンチプレス板を用いたものである。図3及び図4に示す下流側フィルタ15,16のいずれも略中心部分15a,16aを上流側に向けて凸状とした略椀形に形成されている。
【0034】
また、下流側フィルタ6bの形状は、略椀形のみならず、半球形、円錐形、台形円錐形、三角錐形などにしてもよい。略中心部分12を凸状に形成するに限らず、略中心部分以外の部分を凸状に形成する場合や、凸状に形成した部分を複数持つようにすることも可能である。更に、図5に示すように、下流側フィルタ17の周辺部分17bを円形状に凸状にして、略中心部分17aは下流側に凸状にすることにより、コイルスプリング18と下流側フィルタ17とがずれないようにする場合もある。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に係る発明によれば、下流側フィルタとして上流側に向けて凸状に形成されたものを用いたことにより、触媒粒を充填すると下流側フィルタが下流側に変形し、その反力として触媒粒を押し上げるので、容易かつ確実に触媒粒を密な状態で充填することができ、触媒層の空隙の発生を防止することができる。また、スラスタの動作に伴い触媒粒が損失し空隙が発生した場合には、下流側フィルタ自身の変形が上流側に回復して触媒層の空隙を埋めることができる。これにより、バネ等の付勢手段を設けずに簡単な構成で触媒粒の振動を抑制し、触媒粒の損失を低く抑えることができ、スラスタの寿命を延ばすことができる。
【0036】
請求項2に係る発明によれば、下流側フィルタに略中心部分を凸状に形成されたものを用いたことにより、触媒層の略中心部分と下流側フィルタの略中心部分との距離が近づき、触媒層の略中心部分で大量に発生する分解ガスが下流に抜けやすくなる。触媒層の略中心部分の分解ガスの圧力が周辺部分と比べて高くならないので触媒粒が激しく損失することが抑えられる。また、発生した分解ガスの圧力が損失することがなく下流に抜けるため、スラスタの推進能力を向上させることができる。更に、触媒粒の損失により触媒層の略中心部分に空隙が発生した場合には、下流側のフィルタの略中心部分が触媒粒を上流側に押し上げ、触媒層の略中心部分で発生やすい空隙を効果的に埋めることができる。これにより、触媒粒の損失をより一層効率よく抑えることができる。
【0037】
請求項3に係る発明によれば、下流側フィルタが略中心部分から放射状に複数のスリットを備えるようにしたことにより、下流側フィルタの変形量を大きくすることができ、その分だけ上流方向への回復量も大きいので触媒層に発生した空隙を埋める能力を長時間維持することができる。これにより、スラスタの寿命をより一層延ばすことができる。
【0038】
請求項4に係る発明によれば、下流側フィルタの略中心部分を上流側に付勢する付勢手段を備えるようにしたことにより、下流側フィルタの変形が上流側に回復する能力を強力に助勢し、触媒層の略中心部分で発生しやすい空隙を効果的に抑えることができる。また、下流側フィルタの変形が回復し終わっても、付勢手段が下流側フィルタの略中心部分を上流側に付勢するので下流側フィルタが上流側に変形して触媒層で発生した空隙を更に埋めることができる。これにより、部品点数の少ない構造で長期にわたって触媒粒の損失を低く抑えることができ、スラスタの長寿命化を実現できる。
【0039】
請求項5に係る発明によれば、下流側フィルタを金または金を主成分とした合金からなるようにしたことにより、下流側フィルタの延性、展性が優れ、コイルスプリングにより付勢されても、下流側フィルタが破断することなく柔軟に延びて、触媒粒を押し上げることが可能となる。これにより、触媒層に発生した空隙を効果的に埋めることができ、また、下流側フィルタが破断等することなく空隙を埋めることが可能なため、スラスタの信頼性を向上させ、寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスラスタの概略構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る下流側フィルタの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る下流側フィルタの正面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る下流側フィルタの正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスラスタの下流側フィルタ部分の側断面図である。
【図6】従来のスラスタの概略構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 スラスタ本体
2 噴射器
3 燃焼室
4 ノズル
5 空間
6 触媒層
6a 上流側フィルタ、6b 下流側フィルタ
7 触媒粒
8 チャンバ
9 コイルスプリング
11 スリット
12 略中心部分
13 周縁部分
14 薄板梁
15 下流側フィルタ
15a 略中心部分
15b 周縁部分
15c スリット
16 下流側フィルタ
16a 略中心部分
16b 周縁部分
16c 空孔列
17 下流側フィルタ
17a 略中心部分
17b 周辺部分
18 コイルスプリング
101 触媒層
102 下流側フィルタ
103 コイルスプリング
104 触媒粒

Claims (5)

  1. 燃焼室内の触媒粒を保持する下流側フィルタを有し、該燃焼室に推薬を噴射させて発生した分解ガスを外部に噴出して推力を得るスラスタにおいて、
    前記下流側フィルタとして上流側に向けて凸状に形成されたものを用いることを特徴とするスラスタ。
  2. 前記下流側フィルタは、略中心部分を凸状に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のスラスタ。
  3. 前記下流側フィルタは、略中心部分から放射状に複数のスリットを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスラスタ。
  4. 前記下流側フィルタの略中心部分を上流側に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のうちいずれか一項に記載のスラスタ。
  5. 前記下流側フィルタは、金または金を主成分とした合金により作成されることを特徴とする請求項1から請求項4に記載のうちいずれか一項に記載のスラスタ。
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