【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、木質基板の表面を樹脂フィルムで被覆したコンクリート型枠用パネル、特に、木質基板と樹脂フィルムとの接着性が改善され従来以上に繰り返し使用が可能なコンクリート型枠用パネル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートの成形には、一般に合板等の木質基板をコンクリート型枠用パネルとして使用されてきた。しかしながら、木質基板の表面はコンクリートからの離型性が悪いためノロ(鉱滓)が付着しやすく、得られるコンクリート仕上げ面の平滑性も充分でないという問題があった。また、パネル面にひび割れを生じやすいばかりでなく、繰り返し使用が可能な回数も少ないので資源の無駄遣いになるという問題もあった。これらの問題を解決する方法として、プラスチックフィルム、特に、離型性に富み、化学的にも安定なポリオレフィン系樹脂フィルムを木質基板表面に貼着することが提案されている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂フィルムは木質基板に対する接着性が悪いので過酷な条件に耐え、長期にわたって使用可能な型枠用パネルを提供することは困難であった。
【0003】
このような問題を解決する方法として、例えば、合板の成形温度で軟化溶融し接着できる面と、その温度で軟化溶融しない面とからなる2層構成のプラスチックフィルムを使用して加熱圧接してなるプラスチックフィルム被覆積層合板(特許文献1参照)や、合板の表面に合成樹脂フィルムをホットメルト接着剤で接着したコンクリート型枠用パネル(特許文献2、特許文献3参照)等が提案されている。これらは、いずれも接着剤としてポリオレフィン系樹脂フィルムとの接着性に優れた熱可塑性樹脂(ホットメルト接着剤)を使用することによって接着性の向上と、加工工程の簡素化を目的とするものである。しかしながら、ホットメルト接着剤を使用して熱圧プレスした場合、片面にのみプラスチックフィルムを貼り合わせる関係上反りが発生しやすいという問題があった。また、コストアップになるとともに場合によっては専用の設備が必要になるという問題点もあった。
【0004】
他の方法として、例えば、ポリオレフィン系樹脂層と接着性を付与したポリオレフィン系樹脂層の二層構造を有するフィルム状物と木質基板とを、接着性を付与したポリオレフィン系樹脂層の面と木質基板の表面とが向かい合うように接着剤層を介して積層一体化したコンクリート型枠用パネル(特許文献4参照)が提案されている。このような構成とすることによりエポキシエマルジョン等一般に使用される架橋硬化型接着剤によってフィルム状物を木質基板に強固に接着することができる。しかしながら、上記接着性を付与したポリオレフィン系樹脂層を構成する樹脂は概して高価であり、必ずしも需要者の期待に答えるものではなかった。
【0005】
更にまた、例えば、コンクリート型枠用台板に、水性イソシアネート系接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ウレタン樹脂接着剤およびアクリル樹脂接着剤よりなる群より選択された接着剤を介して、アクリルニトリル系共重合樹脂フィルムを圧締してなるコンクリート型枠用パネル(特許文献5参照)が提案されている。このコンクリート型枠パネルはポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムに比べて耐アルカリ性に優れているアクリルニトリル系共重合樹脂フィルムを使用しているので10回繰り返し使用しても着色がなく、7回使用して始めてノロが微少に付着するのみであるという優れた性質を有している。しかしながら、アクリルニトリル系共重合樹脂フィルムはポリオレフィン系樹脂フィルムに比べて極めて高価であり実用性に乏しいものであった。しかも、アクリルニトリル系共重合樹脂フィルムはポリオレフィン系樹脂フィルムに比べて接着性にも優れているので、木質基板との接着性の悪いポリオレフィン系樹脂フィルムの木質基板への接着性を改良する上での参考にはなり得ないものであった。
【0006】
【特許文献1】特開昭47−43070号公報
【特許文献2】特開昭50−44626号公報
【特許文献3】実願昭51−57622号(実開昭52−149167号)のマイクロフィルム
【特許文献4】実願昭50−39106号(実開昭51−119362号)のマイクロフィルム
【特許文献5】特開昭63−93963号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決して、ポリオレフィン系樹脂の中でも耐アルカリ性、耐摩耗性、耐擦傷性に優れた高密度ポリエチレンからなる樹脂フィルムと木質基板とが強固に接着して離型性や耐久性、繰り返し使用可能回数が改善されたコンクリート型枠用パネル及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、樹脂フィルムに使用した高密度ポリエチレン中の低分子量成分の含有率が接着強度に大きく影響することを見出し、当該低分子量成分の含有率が特定量以下である高密度ポリエチレンからなる樹脂フィルムを用いた場合に、樹脂フィルムが木質基板に強固に接着した繰り返し使用回数の多いコンクリート型枠用パネルが得られることを見出し本発明に到った。
【0009】
すなわち、本発明は
▲1▼ 木質基板(2)の表面に水性イソシアネート系接着剤(4)を用いて樹脂フィルム(3)を積層してなるコンクリート型枠用パネル(1)において、樹脂フィルム(3)が分子量5,000以下の低分子量成分の含有率が5wt%以下の高密度ポリエチレンからなり、かつ該樹脂フィルム(3)の接着面側の濡れ指数が35〜60mN/mであることを特徴とするコンクリート型枠用パネル(1)。
▲2▼ 木質基板(2)が針葉樹合板であることを特徴とする▲1▼記載のコンクリート型枠用パネル(1)。
▲3▼ 樹脂フィルム(3)の厚みが50〜200μmであることを特徴とする▲1▼又は▲2▼記載のコンクリート型枠用パネル(1)。
▲4▼ 木質基板(2)の表面に、分子量5,000以下の低分子量成分の含有率が5wt%以下の高密度ポリエチレンからなり、かつ接着面側の濡れ指数が35〜60mN/mである樹脂フィルム(3)を水性イソシアネート系接着剤(4)を介して貼り合わせ、次いでコールドプレスして積層接着することを特徴とするコンクリート型枠用パネル(1)の製造方法。
をその要旨とするものである。
【0010】
【実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明のコンクリート型枠用パネル(1)は図1にも示すように、木質基板(2)の表面に接着剤(4)を介して樹脂フィルム(3)が積層された構造となっていて、樹脂フィルム(3)面がコンクリートに接するように使用されるものである。
そして、ここで使用される木質基板(2)としては、従来公知の合板、パーティクルボード、MDF等の木質材料からなる板材が特に制限なく使用できるが、安価で曲げ強度が大きい合板を使用するのが好ましい。特に、良質な表板が入手し難く、また「年輪部分における密度差」があるので平滑性に欠けるという問題がある針葉樹合板を木質基板(2)として使用した場合に本発明を適用するのが好ましい。なお、針葉樹はラワン材に比べて節穴、割れ等が多く表面が平滑な合板が入手困難であり、表面加工を行っても板面の凹凸がコンクリート仕上り面に転写される。したがって、表裏にラジアータパインを、芯材及び添え芯に北洋材を使用して、表面加工の板面基準としてJAS規格に定めるA−B、B−Bランク品を使用するのが好ましい。なお、針葉樹合板の表面は#80〜#100(メッシュ)のサンダー仕上げをするのが好ましい。
【0011】
また、本発明においては樹脂フィルム(3)として、分子量5,000以下の低分子量成分(以下、低分子量物と称す。)の含有率が5wt%以下の高密度ポリエチレンからなり、かつ該樹脂フィルム(3)の接着面の濡れ指数が35〜60mN/mであるものを使用する点に最大の特徴を有するものである。
このようなフィルムは、例えば、後述する高密度ポリエチレンを押出成形法等の成形方法によって厚みが50〜200μm、好ましくは80〜150μ程度のフィルム状となし、しかる後に、従来公知のコロナ放電処理やプラズマ処理等によって木質基板(2)との接着面側の濡れ指数が35〜60mN/mになるように表面処理することによって製造することができる。この樹脂フィルム(3)の厚みが50μm未満では耐久性に問題があり、逆に200μmを超えるとコストアップになるばかりか、片面のみにフィルムを貼り合わせている関係上反りが生じる場合があるので好ましくない。また、接着面側の表面の濡れ指数が35mN/m未満では充分な接着強度を発揮することができないので好ましくない。
【0012】
さて、本発明において使用する樹脂フィルム(3)は上述したように低分子量物の含有率が5wt%以下である高密度ポリエチレンを使用する。高密度ポリエチレンは一般にポリエチレンと称される樹脂のなかでも密度が945kg/m3以上のものを意味しており、例えば、密度が945kg/m3未満の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンに比べて剛性が高く、得られる樹脂フィルム(3)の耐擦傷性や耐摩耗性にも優れているのでコンクリート面との摩擦による損傷が起こりにくいという特徴を有するものである。また、高密度ポリエチレンであっても低分子量物の含有率が5%を超えるものを使用した場合は、木質基板に同じ接着剤を使用し、同じ方法で接着しているにもかかわらず接着強度が低く、コンクリート型枠用パネルとして充分な耐久性が無いので好ましくない。
このような性質を有する高密度ポリエチレンは、高密度ポリエチレンとして市販されている樹脂の中でも、例えば、単段重合で製造される分子量分布の狭い、例えば、分散度((Mn(数平均分子量)/Mw(重量平均分子量)のことであり、以下、Mn/Mwと称す。)が20以下、好ましくは10以下の高密度ポリエチレンが必ずしも一致はしないが相当する。逆に、加工性を向上させるために多段重合で製造された高密度ポリエチレンは分子量分布が広く低分子量物の含有率も高くなりがちなので好ましくない。なお、本発明における高密度ポリエチレンの分子量、分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定したスチレン換算分子量を使用して表したものである。
【0013】
また、上記木質基板(2)と樹脂フィルム(3)との貼り合わせに用いる接着剤(4)として本発明においては水性イソシアネート系接着剤を使用する。水性イソシアネート系接着剤としては、例えば、アクリル・イソシアネート共重合樹脂接着剤(エマルジョン型)、SBRイソシアネート共重合樹脂接着剤や水性エチレン酢酸ビニルイソシアネート樹脂接着剤等が挙げられるが、作業性、経済性、及び接着性に優れた水性エチレン酢酸ビニルイソシアネート樹脂接着剤を使用するのが好ましい。具体的には、ピーアイボンド(株式会社オーシカの商品名)の名称で販売されている水性高分子−イソシアネート系接着剤が挙げられる。
【0014】
次いで、本発明のコンクリート型枠用パネル(1)の製造方法について説明する。
まず、合板等の木質基板(2)の表面にスプレッダー、ロールコータ等を用いて接着剤(4)を塗布量が60〜300g/m2程度になるように塗布する。次いで、樹脂フィルム(3)をコロナ放電処理等によって処理された処理面が木質基板(2)側となるよう木質基板(2)上に貼り合わせる。しかる後に、これらを何枚かを堆積した状態でプレス機に挿入してプレス圧力が2〜5kg/cm2、プレス時間が20〜60分の条件でコールドプレス(常温)して本発明のコンクリート型枠用パネル(1)とするのである。なお、得られたコンクリート型枠用パネル(1)はコールドプレス後、使用するまでのに7日間程度の養生期間を設けるのが好ましい。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。
本実施例においては以下のものを使用した。
<木質基板>
木質基板として以下の単板構成とした針葉樹合板を使用した。
【0016】
<樹脂フィルム>
(1)樹脂フィルムA
高密度ポリエチレン(密度:950kg/m3、MFR:0.08g/10分、Mn/Mw:28.6、分子量5,000以下の低分子量物含有率:8.1wt%)を押出機に投入して、インフレーション押出成形法により厚み100μmのフィルムとし、次いでフィルムの接着面側をコロナ放電処理して接着面側の濡れ指数が42mN/mの樹脂フィルムAを得た。
(2)樹脂フィルムB
高密度ポリエチレン(密度:958kg/m3、MFR:0.60g/10分、Mn/Mw:6.3、分子量5,000以下の低分子量物含有率:1.4wt%)を押出機に投入して、インフレーション押出成形法により厚み100μmのフィルムとし、次いでフィルムの接着面側をコロナ放電処理して接着面側の濡れ指数が42mN/mの樹脂フィルムBを得た。
(3)樹脂フィルムC
高密度ポリエチレン(密度:953kg/m3、MFR:0.35g/10分、Mn/Mw:15.4、分子量5,000以下の低分子量物含有率:4.7wt%)を押出機に投入して、インフレーション押出成形法により厚み100μmのフィルムとし、次いでフィルムの接着面側をコロナ放電処理して接着面側の濡れ指数が42mN/mの樹脂フィルムCを得た。
【0017】
<接着剤>
水性高分子−イソシアネート系接着剤として市販されている株式会社オーシカ製のピーアイボンド120を使用した。配合は、ピーアイボンド120を100重量部に対して、株式会社オーシカ製の硬化剤H−3M(ジフェニルメタンジイソシアネート)を10重量部加えて均一になるまで攪拌したものを使用した。
【0018】
また、コンクリート型枠用パネルとしての性能は以下の方法で評価した。
<接着強度>
木質基板(2)と樹脂フィルム(3)との接着強度は、常態(23℃、50%RH)、冷水に3日間浸漬後、5%セメント水に3日間浸漬後における180度剥離強度(N/25mm)で評価した。
<繰り返し使用回数>
繰り返し使用回数毎に、コンクリート面の状態(仕上り(ツヤ)、硬化状態、木目、割れの転写、)ノロ(鉱滓)の付着、樹脂フィルムのハガレや損傷について目視観察の結果を総合的に判断して、使用可能と判断される最大回数を繰り返し使用回数とした。
【0019】
実施例1
針葉樹合板の表面に接着剤を塗布量が87g/m2となるように塗布した後、樹脂フィルムB(低分子量物含有率:1.4wt%)の処理面が接着剤側となるように貼り合わせた後、貼り合わせの完了した積層板を100枚単位で堆積して10分間放置した。次いで、堆積状態でコールドプレス機に挿入して室温下、プレス圧力4kg/cm2で30分間コールドプレスして本発明のコンクリート型枠用パネル(1)を得た。得られたコンクリート型枠用パネルの性能を表1に示す。なお、コンクリート型枠用パネル(1)としての性能試験はコールドプレス後、7日間自然養生したものを使用した。。
【0020】
実施例2
樹脂フィルムC(低分子量物含有率:4.7wt%)を使用する以外は実施例1と同様にして本発明のコンクリート型枠用パネル(1)を得た。得られたコンクリート型枠用パネルの性能を表1に示す。なお、コンクリート型枠用パネル(1)としての性能試験はコールドプレス後、7日間自然養生したものを使用した。
【0021】
比較例1
樹脂フィルムA(低分子量物含有率:8.1wt%)を使用する以外は、実施例1と同様にしてコンクリート型枠用パネルを得た。得られたコンクリート型枠用パネルの性能を表1に示す。なお、コンクリート型枠用パネルとしての性能試験はコールドプレス後、7日間自然養生したものを使用した
【0022】
【表1】
【0023】
表1からも明らかなように、樹脂フィルムを構成する高密度ポリエチレンを換えた以外は全く同じ条件のコンクリート型枠用パネルであるにもかかわらず、低分子量物の含有率が5wt%以下である高密度ポリエチレンを使用した実施例1、2に係る本発明のコンクリート型枠用パネルが優れた接着強度と7回以上もの繰り返し使用しても仕上りが良好で、ノロの付着もあまり無く。樹脂フィルムの剥がれも見られなかったのに対して、低分子量物の含有率が8.1wt%である高密度ポリエチレンを使用した比較例1に係るコンクリート型枠用パネルは接着強度が低く、2回目の使用で樹脂フィルムの剥がれが生じ、それ以降は使用できなかった。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、特定の高密度ポリエチレンからなる樹脂フィルムを使用することで、木質材料の接着に通常用いられている水性イソシアネート系接着剤を使用しているにもかかわらず木質基板(2)と樹脂フィルム(3)とを強力に接着することが可能となった。したがって、高密度ポリエチレンの特性であるセメント面との離型性や化学的安定性等に優れた表面特性を有し、しかも繰り返し使用できるので省資源にも有効なコンクリート型枠用パネル(1)を安価に製造することが可能となった。しかも、合板製造の際に用いられるコールドプレス機がそのまま使用できるので新たな設備を購入することなくコンクリート型枠用パネル(1)が製造できるという利点も有しいている。
更に、従来、その使用が推奨されていたにもかかわらず年輪部分における密度差や、表面に節や割れが多いという問題があった針葉樹合板も木質基板(1)として使用できるので木材資源の有効利用が図れるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート型枠用パネルを説明する断面図である。
【符号の説明】
1 本発明のコンクリート型枠用パネル
2 木質基板
3 樹脂フィルム
4 接着剤[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a panel for a concrete form in which the surface of a wooden substrate is covered with a resin film, and more particularly to a panel for a concrete form in which the adhesion between the wooden substrate and the resin film is improved and which can be used more repeatedly than ever before. It is about the method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in molding concrete, a wood substrate such as plywood has been generally used as a panel for concrete formwork. However, since the surface of the wooden substrate has a poor releasability from concrete, there is a problem that slag (mine slag) easily adheres and the smoothness of the obtained concrete finished surface is not sufficient. Further, there is a problem that not only the panel surface is easily cracked, but also the number of times that the panel surface can be repeatedly used is small, so that resources are wasted. As a method for solving these problems, it has been proposed to attach a plastic film, particularly a polyolefin-based resin film which is rich in releasability and is chemically stable, to the surface of a wooden substrate. However, since the polyolefin-based resin film has poor adhesion to a wooden substrate, it has been difficult to withstand severe conditions and to provide a formwork panel that can be used for a long period of time.
[0003]
As a method of solving such a problem, for example, a two-layer plastic film composed of a surface that can be softened and melted and bonded at a molding temperature of a plywood and a surface that is not softened and melted at that temperature is heated and pressed. There have been proposed plastic film-covered laminated plywood (see Patent Document 1), concrete formwork panels in which a synthetic resin film is bonded to the surface of the plywood with a hot melt adhesive (see Patent Documents 2 and 3), and the like. These are intended to improve the adhesiveness and to simplify the processing process by using a thermoplastic resin (hot melt adhesive) that has excellent adhesiveness with the polyolefin resin film as an adhesive. is there. However, when hot pressing is performed using a hot melt adhesive, there is a problem that warpage is likely to occur due to the lamination of a plastic film on only one side. In addition, there is a problem that the cost is increased and a dedicated facility is required in some cases.
[0004]
As another method, for example, a film-like material having a two-layer structure of a polyolefin-based resin layer and a polyolefin-based resin layer provided with an adhesive property and a wood substrate, the surface of the polyolefin-based resin layer provided with the adhesive property and the wood substrate (Patent Document 4) has been proposed in which a concrete formwork panel is laminated and integrated via an adhesive layer so as to face the surface of the concrete formwork. With such a configuration, the film-like material can be firmly adhered to the wooden substrate by a generally used cross-linking and curing type adhesive such as an epoxy emulsion. However, the resin constituting the polyolefin-based resin layer provided with the above adhesiveness is generally expensive, and does not always meet the expectations of consumers.
[0005]
Furthermore, for example, an acrylic nitrile-based adhesive is applied to a concrete form base plate via an adhesive selected from the group consisting of an aqueous isocyanate-based adhesive, an epoxy resin adhesive, a urethane resin adhesive, and an acrylic resin adhesive. A panel for a concrete form formed by pressing a polymer resin film (see Patent Document 5) has been proposed. This concrete form panel uses an acrylonitrile-based copolymer resin film that has better alkali resistance than polyethylene film and polypropylene film. It has an excellent property that noro adheres only minutely. However, acrylonitrile-based copolymer resin films are extremely expensive and less practical than polyolefin-based resin films. In addition, the acrylonitrile-based copolymer resin film has better adhesiveness than the polyolefin-based resin film, so that the adhesion of the polyolefin-based resin film with poor adhesion to the wood substrate to the wood substrate can be improved. Could not be helpful.
[0006]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 47-43070 [Patent Document 2] Japanese Patent Application Laid-Open No. 50-44626 [Patent Document 3] Microfilm of Japanese Utility Model Application No. 51-57622 (Japanese Utility Model Application Laid-Open No. 52-149167) [Patent Document 4] Microfilm of Japanese Utility Model Application No. 50-39106 (Japanese Utility Model Application Laid-Open No. 51-119362) [Patent Document 5] Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-93963
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-mentioned problems, and among the polyolefin-based resins, a resin film made of high-density polyethylene having excellent alkali resistance, abrasion resistance, and scratch resistance and a wood substrate are firmly bonded to each other and released. It is an object of the present invention to provide a panel for a concrete formwork with improved properties, durability and the number of reusable times, and a method for producing the same.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies and found that the content of the low molecular weight component in the high-density polyethylene used for the resin film greatly affects the adhesive strength, and the content of the low molecular weight component is not more than a specific amount. The present invention has been found that, when a resin film made of high-density polyethylene is used, a concrete form panel having a resin film firmly adhered to a wood substrate and frequently used repeatedly can be obtained.
[0009]
That is, the present invention relates to (1) a concrete form panel (1) obtained by laminating a resin film (3) on the surface of a wooden substrate (2) using an aqueous isocyanate-based adhesive (4). 3) that the resin film (3) is made of high-density polyethylene having a low molecular weight component having a molecular weight of 5,000 or less and a content of low molecular weight of 5 wt% or less, and that the wetting index on the adhesive surface side of the resin film (3) is 35 to 60 mN / m. Characteristic concrete formwork panel (1).
(2) The panel (1) for a concrete form according to (1), wherein the wooden substrate (2) is a softwood plywood.
(3) The concrete formwork panel (1) according to (1) or (2), wherein the thickness of the resin film (3) is 50 to 200 μm.
{Circle over (4)} The surface of the wooden substrate (2) is made of high-density polyethylene having a low molecular weight component having a molecular weight of 5,000 or less and a content of 5 wt% or less, and has a wetting index of 35 to 60 mN / m on the adhesive surface side. A method for producing a panel (1) for a concrete formwork, comprising laminating a resin film (3) via an aqueous isocyanate-based adhesive (4) and then laminating and bonding by cold pressing.
Is the gist.
[0010]
Embodiment
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described.
First, as shown in FIG. 1, the concrete formwork panel (1) of the present invention has a structure in which a resin film (3) is laminated on a surface of a wooden substrate (2) via an adhesive (4). And used so that the surface of the resin film (3) is in contact with concrete.
As the wood substrate (2) used here, a conventionally known wood material such as plywood, particle board, or MDF can be used without any particular limitation, but a plywood that is inexpensive and has high bending strength is used. Is preferred. In particular, the present invention is applied to a case where a softwood plywood is used as a wood substrate (2), which has a problem that a high quality top plate is hardly available and lacks smoothness due to "density difference in annual rings". preferable. It should be noted that softwood has more knots and cracks than rawan wood, making it difficult to obtain plywood with a smooth surface. Even if surface processing is performed, unevenness of the board surface is transferred to the finished concrete surface. Therefore, it is preferable to use the radiator pine on the front and back surfaces, and the northern material for the core material and the auxiliary core, and use AB- and BB-rank products specified in the JAS standard as the surface standard of the surface processing. The surface of the softwood plywood is preferably sanded with # 80 to # 100 (mesh).
[0011]
In the present invention, the resin film (3) is made of high-density polyethylene having a low molecular weight component having a molecular weight of 5,000 or less (hereinafter, referred to as a low molecular weight product) having a content of 5 wt% or less, and The most characteristic feature is that (3) an adhesive surface having a wetting index of 35 to 60 mN / m is used.
Such a film is, for example, formed into a film having a thickness of 50 to 200 μm, preferably about 80 to 150 μ by a molding method such as an extrusion molding method of high-density polyethylene described later, and thereafter, a conventionally known corona discharge treatment or the like. It can be manufactured by performing a surface treatment such as a plasma treatment so that the wettability index on the adhesive surface side with the wooden substrate (2) becomes 35 to 60 mN / m. If the thickness of the resin film (3) is less than 50 μm, there is a problem in durability. Conversely, if it exceeds 200 μm, not only the cost is increased, but also warpage may occur due to the lamination of the film on only one side. Not preferred. Further, if the wetting index of the surface on the bonding surface side is less than 35 mN / m, it is not preferable because sufficient bonding strength cannot be exhibited.
[0012]
The resin film (3) used in the present invention uses high-density polyethylene having a low-molecular-weight content of 5 wt% or less as described above. High-density polyethylene means a resin having a density of 945 kg / m 3 or more among resins generally referred to as polyethylene. For example, low-density polyethylene having a density of less than 945 kg / m 3 or linear low-density polyethylene can be used. The resin film (3) is characterized in that it has higher rigidity and is superior in abrasion resistance and abrasion resistance, so that it is hardly damaged by friction with a concrete surface. When high-density polyethylene having a low molecular weight content of more than 5% is used, the same adhesive is used for the wood substrate and the bonding strength is obtained even though the same method is used. And is not preferable because of insufficient durability as a panel for a concrete formwork.
Among the resins marketed as high-density polyethylene, high-density polyethylene having such properties is, for example, a resin having a narrow molecular weight distribution produced by single-stage polymerization, for example, a dispersion degree ((Mn (number average molecular weight) / High-density polyethylene having an Mw (weight average molecular weight) of 20 or less, preferably 10 or less does not always correspond to the high-density polyethylene, but does not necessarily correspond thereto. The high-density polyethylene produced by multi-stage polymerization is not preferred because the molecular weight distribution and the content of low-molecular-weight substances tend to be high, and the molecular weight and the degree of dispersion of the high-density polyethylene in the present invention are not determined by gel permeation chromatography (GPC). ) Is expressed using the molecular weight in terms of styrene measured by the method described in (1).
[0013]
In the present invention, an aqueous isocyanate-based adhesive is used as the adhesive (4) used for bonding the wood substrate (2) and the resin film (3). Examples of the aqueous isocyanate-based adhesive include an acrylic / isocyanate copolymer resin adhesive (emulsion type), an SBR isocyanate copolymer resin adhesive, and an aqueous ethylene vinyl acetate isocyanate resin adhesive. It is preferable to use an aqueous ethylene vinyl acetate isocyanate resin adhesive having excellent adhesiveness. Specifically, an aqueous polymer-isocyanate adhesive sold under the name of PI Bond (trade name of Oshika Corporation) may be mentioned.
[0014]
Next, a method for manufacturing the concrete formwork panel (1) of the present invention will be described.
First, an adhesive (4) is applied to the surface of a wood substrate (2) such as plywood using a spreader, a roll coater, or the like so that the application amount is about 60 to 300 g / m 2 . Next, the resin film (3) is bonded onto the wood substrate (2) such that the treated surface treated by corona discharge treatment or the like is on the wood substrate (2) side. After that, some of these are inserted into a press in a state where they are piled up, and a cold press (normal temperature) is performed under the conditions of a press pressure of 2 to 5 kg / cm 2 and a press time of 20 to 60 minutes, and the concrete of the present invention is obtained. This is the formwork panel (1). Preferably, the obtained concrete form panel (1) is provided with a curing period of about 7 days after cold pressing until use.
[0015]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described based on examples.
In this example, the following were used.
<Wood substrate>
A softwood plywood having the following veneer configuration was used as a wood substrate.
[0016]
<Resin film>
(1) Resin film A
High-density polyethylene (density: 950 kg / m 3 , MFR: 0.08 g / 10 min, Mn / Mw: 28.6, content of low-molecular-weight material having a molecular weight of 5,000 or less: 8.1 wt%) is charged into the extruder. Then, a film having a thickness of 100 μm was formed by an inflation extrusion molding method, and then the adhesive surface side of the film was subjected to corona discharge treatment to obtain a resin film A having a wettability index of 42 mN / m on the adhesive surface side.
(2) Resin film B
High-density polyethylene (density: 958 kg / m 3 , MFR: 0.60 g / 10 min, Mn / Mw: 6.3, content of low-molecular-weight substances having a molecular weight of 5,000 or less: 1.4 wt%) is introduced into the extruder. Then, a film having a thickness of 100 μm was formed by an inflation extrusion molding method, and then the adhesive side of the film was subjected to corona discharge treatment to obtain a resin film B having a wettability index of 42 mN / m on the adhesive side.
(3) Resin film C
High-density polyethylene (density: 953 kg / m 3 , MFR: 0.35 g / 10 min, Mn / Mw: 15.4, low-molecular-weight content of molecular weight 5,000 or less: 4.7 wt%) is fed into the extruder. Then, a film having a thickness of 100 μm was formed by an inflation extrusion molding method, and then the adhesive side of the film was subjected to a corona discharge treatment to obtain a resin film C having a wettability index of 42 mN / m on the adhesive side.
[0017]
<Adhesive>
PI Bond 120 manufactured by Oshka Co., Ltd., which is commercially available as an aqueous polymer-isocyanate adhesive, was used. For the compounding, 10 parts by weight of a curing agent H-3M (diphenylmethane diisocyanate) manufactured by Osika Co., Ltd. was added to 100 parts by weight of PI Bond 120, and the mixture was stirred until uniform.
[0018]
The performance as a panel for a concrete formwork was evaluated by the following method.
<Adhesive strength>
The adhesive strength between the wood substrate (2) and the resin film (3) was as follows: normal (23 ° C., 50% RH), immersion in cold water for 3 days, immersion in 5% cement water for 3 days, 180 ° peel strength (N / 25 mm).
<Repeated use count>
At each repetition, the results of the visual observation of the concrete surface condition (finished (gloss), hardened state, grain, transfer of cracks), sticking of slag (slag), resin film peeling and damage are comprehensively judged. Therefore, the maximum number of times that it was determined that the device was usable was defined as the number of times of repeated use.
[0019]
Example 1
After applying the adhesive to the surface of the softwood plywood so that the applied amount becomes 87 g / m 2 , the resin film B (low molecular weight material content: 1.4 wt%) is attached so that the treated surface is on the adhesive side. After the lamination, the laminated boards having been laminated were deposited in units of 100 sheets and left for 10 minutes. Then, the stack was inserted into a cold press machine and cold-pressed at room temperature under a pressure of 4 kg / cm 2 for 30 minutes to obtain a concrete form panel (1) of the present invention. Table 1 shows the performance of the obtained concrete formwork panel. In addition, the performance test as a concrete form panel (1) used what was naturally cured for 7 days after cold pressing. .
[0020]
Example 2
A concrete form panel (1) of the present invention was obtained in the same manner as in Example 1 except that the resin film C (low molecular weight content: 4.7 wt%) was used. Table 1 shows the performance of the obtained concrete formwork panel. In addition, the performance test as a concrete form panel (1) used what was naturally cured for 7 days after cold pressing.
[0021]
Comparative Example 1
A concrete form panel was obtained in the same manner as in Example 1, except that the resin film A (content of low-molecular-weight material: 8.1 wt%) was used. Table 1 shows the performance of the obtained concrete formwork panel. In addition, the performance test as a panel for a concrete formwork used what was naturally cured for 7 days after cold pressing.
[Table 1]
[0023]
As is clear from Table 1, the content of the low molecular weight material is 5 wt% or less, although the panel is for concrete formwork under exactly the same conditions except that the high-density polyethylene constituting the resin film is changed. The concrete formwork panels of the present invention according to Examples 1 and 2 using high-density polyethylene have excellent adhesive strength and good finish even after repeated use of 7 times or more, and there is little adhesion of slag. While no peeling of the resin film was observed, the concrete formwork panel according to Comparative Example 1 using high-density polyethylene having a low-molecular-weight content of 8.1 wt% had a low adhesive strength. The resin film peeled off in the second use, and could not be used thereafter.
[0024]
【The invention's effect】
The present invention uses a resin film made of a specific high-density polyethylene, so that a wood substrate (2) and a resin can be used despite the use of an aqueous isocyanate-based adhesive commonly used for bonding wood materials. It became possible to strongly adhere to the film (3). Therefore, concrete formwork panels (1) which have surface properties such as releasability from the cement surface and chemical stability, which are the characteristics of high-density polyethylene, and which can be used repeatedly, thus being effective in resource saving Can be manufactured at low cost. Moreover, since the cold press used in the production of plywood can be used as it is, there is an advantage that the panel (1) for concrete formwork can be produced without purchasing new equipment.
Furthermore, conifer plywood, which had conventionally been recommended for use but had problems such as density differences in the annual ring portion and many knots and cracks on the surface, can also be used as the wood substrate (1). It has the advantage that it can be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating a concrete formwork panel of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Panel for concrete formwork 2 of the present invention 2 Wood substrate 3 Resin film 4 Adhesive