JP2004155879A - 発電装置を備えたガス化溶融システム - Google Patents

発電装置を備えたガス化溶融システム Download PDF

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野間  彰
Keita Inoue
敬太 井上
Yoshihito Shimizu
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Abstract

【課題】NOxやダイオキシン等の有害物質を発生することがなく、また発電効率が高く、かつ排ガス中の有価物を最大限に有効利用できる発電装置を備えたガス化溶融システムを提供する。
【解決手段】ガスバーナ15を備えたガス化溶融炉3Bと、該ガス化溶融炉にて発生した排ガスをガス化反応させて可燃性ガスを生成する熱分解装置5と、生成した可燃性ガスを燃料として発電する発電装置10と、該発電装置で発生させた電力24を用いて水を電気分解する電気分解装置27と、を備え、前記電気分解装置27により生成した電気分解ガスから生成したブラウンガスを前記ガス化溶融炉に導き、前記ガスバーナ15の燃料ガスとする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみを含む一般廃棄物及び産業廃棄物を溶融、ガス化を行い、廃棄物の処理とともに可燃性ガス、電力等の有用資源を回収可能である発電装置を備えたガス化溶融システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、都市ごみを含む一般廃棄物及び産業廃棄物等の廃棄物は、焼却炉又は溶融炉により燃焼し減容化されて埋め立て処理され、一方燃焼により生じた排ガスは、排ガスボイラや熱交換器等により熱エネルギを回収された後に無害化処理されて大気中に放出される。
近年、資源の枯渇化、環境汚染が問題となり、廃棄物中の有価物をエネルギ源として積極的に回収する動きが活発となった。これに応じて従来では埋め立て廃棄されていた燃焼残渣を固形燃料や溶融スラグとして、又大気放出していた排ガスを可燃性ガスとして回収し、さらには可燃性ガスから発電装置により電力を回収することのできる廃棄物処理システムが研究、開発されている。
【0003】
従来の廃棄物処理では、ストーカ式焼却炉や流動床式焼却炉の後段に灰溶融炉を設ける方法が一般的であったが、この方法では電力、石油等の外部エネルギーを多量に必要とするという欠点があり、また焼却により生じる排ガスはダイオキシン類やNOx等の有害物質やHCl等の腐食性ガスを多く含むため後処理が困難であるという問題があった。
そこで、かかる問題を解決するために廃棄物の熱分解及び溶融を一体化して行う熱分解ガス化溶融システムが提案されている。
【0004】
例えば、図4に示されるように特開2000−320816公報(特許文献1)に開示される直接溶融炉システムでは、水を電気分解して水素2、酸素1の割合で混合ガスを生成する酸水素発生器52と、これに連結された酸水素バーナー56を具備し、可燃ごみを直接燃焼溶融する溶融炉51を設け、該溶融炉51より排出される高温排ガスの排熱を排熱ボイラー53及び蒸気タービン駆動式の発電機54で回収し、さらに該発電機54で発生した電力を前記酸水素発生器52に供給している。
これによれば、廃棄物焼却処理の一元化が図れるとともに、クリーンで高効率でかつ省コストで以って処理を行うことが可能となる。
【0005】
また、特開2002−195519公報(特許文献2)には、廃棄物のガス化と無機質分の溶融スラグ化を行うプラズマ炉を備えるとともに、炉内に高温スチームを供給する手段、さらに前記プラズマ炉より生成したガス化ガスを用いて発電する発電設備を具え、該発電設備の発電量の少なくとも一部が前記プラズマ炉の電源に供給される構成とした廃棄物ガス化溶融装置が開示されている。
これにより、廃棄物のガス化から溶融までを一体的に行うことができ装置が小型化し、然もNOxやダイオキシン類等の発生を抑制することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−320816公報
【特許文献2】
特開2002−195519公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術のように溶融炉内で焼却も同時に行う場合、排ガス量が多くなり後段の処理装置にかかる負荷が大きくなり、また、高温で燃焼させているためNOxの発生が避けられない。また、燃焼排ガスをボイラー、ガスタービン等の発電装置に導入するとガス中の腐食成分により装置が腐食してしまう惧れがある。
さらに、特開2000−320816公報のように、ボイラーやガスタービン等により排ガスの熱エネルギーを回収して発電する方法では、発電効率が20%程度と低いものであり効率的なエネルギー回収とはいい難い。
そこで、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、NOxやダイオキシン等の有害物質を発生することがなく、また発電効率が高く、かつ排ガス中の有価物を最大限に有効利用することができる発電装置を備えたガス化溶融システムを提供すること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
プラズマトーチを備えたガス化溶融炉と、該ガス化溶融炉にて発生した排ガスをガス化反応させて可燃性ガスを生成する熱分解装置と、生成した可燃性ガスを燃料として発電する発電装置と、を備え、
前記発電装置にて発生した電力を前記ガス化溶融炉に導き、プラズマトーチに供給することを特徴とする。
【0009】
また、前記ガス化溶融炉が、炉壁から炉外の適宜位置に設置され主電極と該主電極を包皮するごとく配設したノズル部と間にプラズマアークを生成させるプラズマトーチを有し、
前記主電極とノズル部との間に導入する作動ガスにより生成したプラズマアークを炉内部へ流入させ、炉内部で該プラズマアークの輻射熱により被処理物を溶融処理する構成であることを特徴とする。
【0010】
かかる発明のように、ガス化溶融炉で被処理物の熱分解及び溶融を行うとともに、該熱分解にて生成した排ガスをガス化して可燃ガスを生成し、該可燃ガスを用いて発電した電力を溶融炉で使用される電力の少なくとも一部として利用することで、省エネルギーでかつ低コストで以って廃棄物の処理を行うことができる。
また、ガス化溶融炉を前記主電極とノズル部とで発生させたプラズマアークの輻射熱で溶融する構成とすることで、炉内を還元性雰囲気に保持することができ、廃棄物を燃焼させずに熱分解、溶融することができる。従って、排ガス量が非常に少なくなり、かつ排ガス中のNOx、ダイオキシン類等の有害物質含有量を最小限に抑えることができる。
【0011】
また、別のシステムとして、ガスバーナを備えたガス化溶融炉と、該ガス化溶融炉にて発生した排ガスをガス化反応させて可燃性ガスを生成する熱分解装置と、生成した可燃性ガスを燃料として発電する発電装置と、該発電装置で発生させた電力を用いて水を電気分解する電気分解装置と、を備え、
前記電気分解装置により生成した電気分解ガスを前記ガス化溶融炉に導き、ガスバーナの燃料ガスとすることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、前記ガス化溶融炉の燃料ガスとして、前記電気分解ガスより生成したブラウンガスを利用することが好ましい。
このように、溶融炉排ガスを利用して発電した電力を利用することで、省エネルギーでかつ低コストなシステムとすることができるとともに、電気分解で生成した水素ガス、酸素ガス若しくはブラウンガスを利用してバーナ燃焼させることにより、有害物質が殆ど含まれないクリーンな排ガスとすることができる。また、溶融炉の燃料ガスとして、水素、若しくは水素2:酸素1の混合ガスであるブラウンガスを利用することで炉内を高温に維持することができる。
【0013】
また、前記熱分解装置に前記電気分解ガスを燃料ガスとした補助バーナを設け、該補助バーナによりガス化反応を促進することを特徴とする。
このように、前記電気分解ガスを燃料とした補助バーナを設けることにより、熱分解装置を高温に保持することができるとともに、前記電気分解ガスを燃やすことにより生じる水分がガス化反応に寄与し、反応を促進することができる。
【0014】
さらに、前記熱分解装置で生成した可燃性ガス中のに基づき、前記補助バーナへの電気分解ガス供給量を適宜調整する電気分解ガス供給量制御手段を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、前記熱分解装置の後段にCO、CO検出器を設け、検出されたCO/CO比が大である場合は反応時に水分量若しくは反応温度が不足しているため未燃分が多いことを示し、このとき前記補助バーナへの電気分解ガス供給量を増加させて水分を補充する。一方、CO/CO比が小である場合は水分量が過剰で熱分解反応が不完全であることを示し、前記補助バーナへの電気分解ガス供給量を低下させるか、若しくは補助バーナへの酸素ガス供給量を低下させるように制御する。
このように、CO/CO比により補助バーナを制御することにより、熱分解及び改質の反応効率を高くすることができ、クリーンな可燃性ガスを得ることが可能となる。
【0015】
また、前記発電装置に補助燃料ガスを供給する補助燃料ガス供給手段を設け、前記熱分解装置で生成した可燃性ガス中のCO/H比に基づき、前記補助燃料ガスの供給量を適宜調整する補助燃料ガス供給量制御手段を備えることを特徴とする。
このように、発電装置の上流側にCO、H検出器を設け可燃ガス中のCO/H比を計測することで、発電装置に必要な燃料を確実に供給することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1実施形態に係る発電装置を備えたガス化溶融システムの全体構成図、図2は図1に具備されるガス化溶融炉の断面図、図3は本発明の第2実施形態に係る発電装置を備えたガス化溶融システムの全体構成図である。
【0017】
図1に示されるように本第1実施形態にかかるガス化溶融システムにおいて、1は乾燥装置、2は廃棄物投入ホッパ、3Aはプラズマアークを発生させて廃棄物の熱分解から溶融までを行うプラズマアーク式溶融炉、4はプッシャ、5は排ガスを高温に保持してガス化反応を行わせる熱分解室、6は水噴霧器7により排ガス中の有害物質等を除去する洗煙搭、8は排ガス中の煤塵等を除去する除塵機、9は上流側で生成した可燃性ガスを貯留するガスホルダ、10はガスエンジンや燃料電池等の発電装置である。
【0018】
かかるガス化溶融システムにおいて、前記ガス化溶融炉3Aは図2に示される構成であることが好ましい。
即ち、本第実施形態のプラズマアーク式ガス化溶融炉3Aは、耐火物を鉄皮で被覆した炉本体31の一端側に廃棄物供給口2、他端側に出滓口を設け、該炉本体31の天井部に主電極33及びノズル部34と直流電源36からなるプラズマアーク生成部32を設けた構成としている。
さらに、前記炉本体31のプラズマアーク生成部32と対面する側には受け部38が形成され、ここで前記供給口2より供給される廃棄物14を溶融してスラグ化する。該受け部38の炉高は被処理物が完全に溶融する層厚となるように設定する。
【0019】
また、炉本体13の前記廃棄物供給口2側はプッシャ4を具備し、供給口2より投入された廃棄物14を順次押し込み移動させるように構成する。さらに、前記受け部38を供給口2側から出滓口側に向けて下降するように傾斜させることが好適である。これにより、廃棄物14を連続的に溶融処理することが可能となり処理効率が向上する。
前記プラズマアーク生成部32は、直流電源36の陰極が接続された主電極33と、該主電極33を包皮するごとく配設され陽極に接続されたノズル部34と、主電極33とノズル部34との間に設けた隙間から導入される作動ガス35とから構成される。かかるプラズマアーク生成部32は、炉壁に設けた穴部より生成したプラズマアーク19が炉内に流入するように、炉本体31の炉壁から炉外の適宜位置に配設する。
【0020】
かかるプラズマアーク生成部32では、運転開始時には前記主電極33とノズル部34との間に小電流のパイロットアークを点じ、得られたプラズマジェットで主電極33とノズル部34との間に介在する作動ガス35をイオン化しプラズマアークを進展させる。このように生成したプラズマアーク40を前記作動ガス35により炉壁に設けた穴部から炉内へ流入させ、廃棄物14を溶融する。
このように炉内へ流入したプラズマアーク40の輻射熱により、炉内に高温雰囲気の輻射域37が形成される。
【0021】
前記輻射域37では、供給口2より移送される廃棄物14が前記プラズマアーク40の熱及びこれにより生じる輻射熱により連続的に熱分解、溶融処理され、溶融スラグ21が生成する。そして、該溶融スラグ21は下方に位置する出滓口より排出されて有効利用される。
一方、前記溶融処理により発生した排ガスは、輻射域37の還元性ガス雰囲気にて無酸素状態でガス化し、可燃性ガスとして排出されるため回収されるガスは工業用ガスとして有効利用できる。
【0022】
かかるガス化溶融炉3Aより排出される可燃性ガスは熱分解室5に導入される。該可燃性ガス中には未反応分が多く含まれるため、高温に保持されるとともに必要に応じて水蒸気を供給して水性ガス化反応を促進させる。
これにより生成したH、O、CO、及びCH等を含有する可燃性ガスは洗煙搭6に導かれ、該洗煙搭6にてすす等の煤塵を除去すると同時に、噴霧器7よりアルカリ水を噴霧して二酸化硫黄や塩酸ガスなどの酸性ガスは吸収除去しても良い。
【0023】
前記洗煙搭6を通過した可燃ガスは除塵機8に導かれ、該除塵機8で更にガス中の煤塵を分離除去され、ガスホルダ9に貯留される。該除塵機6は、バグフィルタ、電気集塵機等が好適に利用できる。
ガスホルダ9に貯留された可燃ガスは、適宜補助燃料ガス11を追加して発電装置10に送られ、該可燃ガスを燃料として電力が生成される。かかる発電装置10は、ガスエンジン、燃料電池等を具えていることが好ましい。
【0024】
そして、前記発電装置10により生成された電力は、前記プラズマアーク式ガス化炉3Aに供給されて該溶融炉の稼動電力の一部として利用される。一方、発電装置10で発生した排ガス12は、前記乾燥装置1に送給されて廃棄物14と接触させて直接加熱するか若しくは間接過熱することにより廃棄物を乾燥する。このように、ガス化溶融炉の排ガスから生成した可燃ガスにより発電した電力を、溶融炉で使用される電力の少なくとも一部として利用することで、省エネルギーでかつ低コストで以って廃棄物の処理を行うことができる。
【0025】
次に、図3により本発明の第2実施形態を説明する。かかるガス化溶融システムは、乾燥装置1と、廃棄物投入ホッパ2と、プッシャ4と、ガスバーナ15を具えたバーナ式ガス化溶融炉3Bと、補助バーナ16を具備する熱分解室5と、水噴霧器7を具えた洗煙搭6と、圧縮機17と、除湿装置18と、ガスホルダ9と、ガスエンジン若しくは燃料電池からなる発電装置10と、電気分解装置27と、から構成されている。
【0026】
かかるシステムでは、まず乾燥装置1にて乾燥された廃棄物14は、投入ホッパ2を介してバーナ式ガス化溶融炉3Bに導入されてプッシャ4により移送されながら熱分解、溶融される。
前記バーナ式ガス化溶融炉3Bはガスバーナ15の燃焼により約1100℃以上の高温に保持され、投入された廃棄物の熱分解から溶融までが行われるとともに、溶融スラグの上方ではガス化反応が行われる。このとき、前記乾燥装置1からの水蒸気26をガス化促進のために溶融炉3Bに導入してもよい。
前記ガスバーナ15は、電気分解装置27で発生した電気分解ガス25から水素2:酸素1の割合で混合して生成したブラウンガスを燃料とすることが好ましく、これにより燃焼温度を2000℃近くまで上げることができ、容易に炉内を高温に保持することができる。さらに、ブラウンガスは非常にクリーンなガスであるため、燃焼に際してNOxやダイオキシン類等の有害物質を生成することがなく環境に与える影響が少ない。
【0027】
また、前記ガス化溶融炉3Bの排ガスを熱分解室5に導きここで更にガス化反応を進行させる。このとき、該熱分解室5に具備され前記電気分解ガス25を燃料とする補助バーナ16で室内を高温にしている。さらに補助バーナ16で電気分解ガス25を燃焼させることにより水分が発生するため、ガス化反応が促進されて反応効率が向上する。
かかる補助バーナ16への燃料ガス供給量は、後段に設置される可燃ガス成分検出器28により測定されたCO/CO比に基づき電気分解ガス供給量制御手段20により制御されている。
【0028】
即ち、前記検出器28により検出されたCO/CO比が基準値より大である場合は反応時に水分量若しくは反応温度が不足しているため未燃分が多いことを示し、このとき前記補助バーナ16への電気分解ガス25供給量を増加させて水分を補足する。一方、CO/CO比が基準値より小である場合は水分量が過剰で熱分解反応が不完全であることを示し、前記補助バーナ16への電気分解ガス25供給量を低下させるか、若しくは補助バーナ16への酸素ガス供給量を低下させるように制御する。
このように、CO/CO比により補助バーナを制御することにより、熱分解及び改質の反応効率を高くすることができ、クリーンな可燃性ガスを得ることが可能となる。
【0029】
また、前記熱分解室5にて改質された可燃性ガスは、洗煙搭6にて有害物質、煤塵等を除去され、コンプレッサ17で圧縮された後、除湿装置18で含水率が調整されてガスホルダ9に貯留される。
前記ガスホルダ9内には、貯留された可燃性ガスの成分比が検出できる検出器23が具えられ、該検出器23によりガス中のCO/H比を計測し、これに基づき補助燃料ガス供給量制御手段22により流量調整弁22aを開閉制御して補助燃料ガス11を供給する。
ガスホルダ9に貯留された可燃性ガスは発電装置10に送られ、これを燃料として電力24が生成される。
【0030】
生成した電力24は電気分解装置27に導かれて水の電気分解に利用される。このとき、電気分解される水は前記発電装置10で生じた排水19をイオン交換膜を通過させて利用することが好ましいが、外部から供給しても良い。そして、電気分解により生成した水素と酸素を含む電気分解ガス25は前記したように、各バーナへ送給する。このように、溶融炉排ガスを利用して発電した電力を利用することで、省エネルギーでかつ低コストなシステムとすることができるとともに、電気分解で生成した水素ガス、酸素ガス若しくはブラウンガスを利用してバーナ燃焼させることにより、有害物質が殆ど含まれないクリーンな排ガスとすることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、ガス化溶融炉の排ガスから生成した可燃ガスにより発電した電力を、溶融炉で使用される電力の少なくとも一部として利用することで、省エネルギーでかつ低コストで以って廃棄物の処理を行うことができる。
また、ガス化溶融炉をプラズマアークの輻射熱で溶融する構成とすることで、炉内を還元性雰囲気に保持することができ、廃棄物を燃焼させずに熱分解、溶融することができる。従って、排ガス量が非常に少なくなり、かつ排ガス中のNOx、ダイオキシン類等の有害物質含有量を最小限に抑えることができる。
【0032】
また、ガス化溶融炉が、電気分解で生成した水素ガス、酸素ガス若しくはブラウンガスを利用してバーナ燃焼させる構成とすることにより、有害物質が殆ど含まれないクリーンな排ガスとすることができる。また、溶融炉の燃料ガスとして、水素、若しくは水素2:酸素1の混合ガスであるブラウンガスを利用することで炉内を高温に維持することができる。
また、前記電気分解ガスを燃料とした補助バーナを設けることによりガス化反応を促進することができる。
さらに、CO/CO比により補助バーナを制御することにより、熱分解及び改質の反応効率を高くすることができ、クリーンな可燃性ガスを得ることが可能となる。また、発電装置の上流側にCO、H検出器を設け可燃ガス中のCO/H比を計測することで、発電装置に必要な燃料を確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電装置を備えたガス化溶融システムの全体構成図である。
【図2】図1に具備されるガス化溶融炉の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る発電装置を備えたガス化溶融システムの全体構成図である。
【図4】従来の酸水素式直接溶融炉システムを示す構成図である。
【符号の説明】
3A プラズマアーク式ガス化溶融炉
3B ガスバーナ式ガス化溶融炉
5 熱分解室
9 ガスホルダ
10 発電装置
11 補助燃料ガス
12 排ガス
13 電力
14 廃棄物
15 ガスバーナ
16 補助バーナ
20 電気分解ガス供給量制御手段
23、28 検出器
22 補助燃料供給量制御手段
24 電力
25 電気分解ガス
27 電気分解装置

Claims (7)

  1. プラズマトーチを備えたガス化溶融炉と、該ガス化溶融炉にて発生した排ガスをガス化反応させて可燃性ガスを生成する熱分解装置と、生成した可燃性ガスを燃料として発電する発電装置と、を備え、
    前記発電装置にて発生した電力を前記ガス化溶融炉に導き、プラズマトーチに供給することを特徴とする発電装置を備えたガス化溶融システム。
  2. 前記ガス化溶融炉が、炉壁から炉外の適宜位置に設置され主電極と該主電極を包皮するごとく配設したノズル部と間にプラズマアークを生成させるプラズマトーチを有し、
    前記主電極とノズル部との間に導入する作動ガスにより生成したプラズマアークを炉内部へ流入させ、炉内部で該プラズマアークの輻射熱により被処理物を溶融処理する構成であることを特徴とする請求項1記載の発電装置を備えたガス化溶融システム。
  3. ガスバーナを備えたガス化溶融炉と、該ガス化溶融炉にて発生した排ガスをガス化反応させて可燃性ガスを生成する熱分解装置と、生成した可燃性ガスを燃料として発電する発電装置と、該発電装置で発生させた電力を用いて水を電気分解する電気分解装置と、を備え、
    前記電気分解装置により生成した電気分解ガスを前記ガス化溶融炉に導き、ガスバーナの燃料ガスとすることを特徴とする発電装置を備えたガス化溶融システム。
  4. 前記ガス化溶融炉の燃料ガスとして、前記電気分解ガスより生成したブラウンガスを利用することを特徴とする請求項3記載の発電装置を備えたガス化溶融システム。
  5. 前記熱分解装置に前記電気分解ガスを燃料ガスとした補助バーナを設け、該補助バーナによりガス化反応を促進することを特徴とする請求項3記載の発電装置を備えたガス化溶融システム。
  6. 前記熱分解装置で生成した可燃性ガス中のCO/CO比に基づき、前記補助バーナへの電気分解ガス供給量を適宜調整する電気分解ガス供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の発電装置を備えたガス化溶融システム。
  7. 前記発電装置に補助燃料ガスを供給する補助燃料ガス供給手段を設け、前記熱分解装置で生成した可燃性ガス中のCO/H比に基づき、前記補助燃料ガスの供給量を適宜調整する補助燃料ガス供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の発電装置を備えたガス化溶融システム。
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