JP2004154897A - 工具からの熱除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削加工等の際に生ずる熱を、外部からではなく工具の側から除去するようにして、主として冷却のために用いていた切削油の使用量を大幅に減少させ、該切削油の蒸気を作業者が吸引することによる作業者の健康への悪影響を防止すると共に、環境への負荷を著しく低減させる。
【解決手段】工具2のうち冷却が必要となる部分3の内部に流路2dを設け該流路2dに冷却媒体となる液体を通し、流路2dを通過して温度が上昇した液体を熱交換器を用いて冷却し、流路2dに環流させることで工具2から熱を除去するようにした構成を特徴とする。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具からの熱除去装置に係り、特に切削加工等の際に生ずる熱を、外部からではなく工具の側から除去するようにして、主として冷却のために用いていた切削油の使用量を大幅に減少させ、環境への負荷を著しく低減させることができるようにした工具からの熱除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
切削加工を行う工作機械の一種である旋盤では、バイトを主な切削工具として用いるが、切削時にワークに当接するバイトの刃先部分は非常に高温になる。そのままでは工具寿命やワークに対して悪影響を及ぼすため、その熱を除去すべく、従来は切削油を使用することが通常行われていた。
【0003】しかし切削油は、液体であるため冷却効果は高い反面、その冷却の際に一部が蒸気となって周囲に広がるため、該蒸気を作業者が吸引してしまうことによる人体への害が指摘され始めている。
【0004】このため切削油を用いる代わりに加工部分に冷凍機により生成した−20℃程度の冷風を吹き付けて工具の温度上昇を防止するようにした、冷風加工という加工法も提案されている。
【0005】この冷風加工は、例えば一般のドライ切削加工よりも工具摩耗をはるかに少なくすることができ、切削油を使用しない点で環境にも優しい等、数多くのメリットが確認されているが、冷風として−20℃程度の低温空気を作り出すための特殊な冷凍機が不可欠であり、また該冷凍機の運転のために多くの付加的なエネルギ(例えば電力)を必要とする点で、環境に優しいとは言い切れないものであった。
【0006】ここで、加工部周辺からの熱伝達により取り除かれる熱流をQ、熱伝達率をh、伝熱面積をF、加工面周辺温度をTw、流体の主流温度をT∞とすると、ニュートンの冷却の法則により、Q=hF(Tw−T∞)という式が導かれるが、気体の熱伝達率と液体の熱伝達率とを比較すると、液体の熱伝達率の方がはるかに大きいため、液体と同様の冷却効果を得るためには、−20℃という低温が必要だったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、工作物を工具により加工する際に該工具から生ずる熱を該工具の側から除去するように構成することによって、加工部位冷却用の切削油を不要にしたり又は使用する場合でもその量を大幅に少なくしたり、冷風を使用する場合には例えば−5℃程度の冷風で足りるようにすることであり、またこれによって環境負荷及びコストを低減させると共に、実用性を高めることである。
【0008】また他の目的は、工具のうち冷却が必要となる部分に冷却媒体を通し、該要冷却部分から熱を除去するように構成することによって、切削油を不要又はその使用量を大幅に少なくできるようにすると共に、冷却媒体の冷却に要するエネルギも少なくできるようにすることであり、またこれによって作業者の健康への悪影響を防止すると共に、環境負荷の低減を図ることである。
【0009】更に他の目的は、工具のうち冷却が必要となる部分の内部に流路を設け該流路に冷却媒体となる液体を通し、流路を通過して温度が上昇した液体を熱交換器を用いて冷却し、流路に環流させることで工具から熱を除去するように構成することによって、常温程度の液体を環流させるだけで、工具から熱を除去して十分に冷却できるようにすることであり、またこれによって熱交換器によって液体を冷却するために必要なエネルギを従来の冷風加工の場合よりもはるかに少なくて済むようにして、電力等の消費を少なく抑えることができるようにすることである。
【0010】また他の目的は、工具のうち冷却が必要となる部分の近傍にヒートパイプの一端を固定し、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却することで、該ヒートパイプにより要冷却部分から熱を除去することによって、熱伝達率の高いヒートパイプの特性を活用して、より効率的に工具の熱を除去できるようにして、加工時の切削油を不要又はその使用量を大幅に低減させることができるようにすることである。
【0011】更に他の目的は、加工用のチップを取り付けるための取付け座が形成された工具ホルダにおいて、取付け座の近傍を通ると共に入口及び出口を有する流路が形成され、該流路に冷却媒体となる液体を通すことで取付け座に取り付けられたチップから熱を除去するように構成することによって、スローアウェイチップを使用する場合に、切削油を不要又はその使用量を大幅に少なくして加工を行うことができるようにすると共に、スローアウェイチップを本来の寿命まで使い切ることができるようにすることである。
【0012】また他の目的は、上記工具ホルダにおいて、取付け座の近傍にヒートパイプの一端を嵌入固定可能に構成され、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却しながら使用することで、チップから熱を除去するように構成することによって、スローアウェイチップを使用する場合に、加工時の切削油を不要又はその使用量を大幅に低減させることができるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
要するに本発明装置(請求項1)は、工作物を工具により加工する際に該工具から生ずる熱を該工具の側から除去するように構成したことを特徴とするものである。
【0014】また要するに本発明装置(請求項2)は、工具のうち冷却が必要となる部分に冷却媒体を通し、該要冷却部分から熱を奪って除去するように構成したことを特徴とするものである。
【0015】また本発明装置(請求項3)は、工具のうち冷却が必要となる部分の内部に流路を設け該流路に冷却媒体となる液体を通し、前記流路を通過して温度が上昇した前記液体を熱交換器を用いて冷却し、前記流路に環流させることで前記工具から熱を除去するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】また本発明装置(請求項4)は、工具のうち冷却が必要となる部分の近傍にヒートパイプの一端を固定し、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却することで、該ヒートパイプにより前記要冷却部分から熱を除去するように構成したことを特徴とするものである。
【0017】また本発明工具ホルダ(請求項5)は、加工用のチップを取り付けるための取付け座が形成された工具ホルダにおいて、前記取付け座の近傍を通ると共に入口及び出口を有する流路が形成され、該流路に冷却媒体となる液体を通すことで前記取付け座に取り付けられた前記チップから熱を除去するように構成したことを特徴とするものである。
【0018】また本発明工具ホルダ(請求項6)は、加工用のチップを取り付けるための取付け座が形成された工具ホルダにおいて、前記取付け座の近傍にヒートパイプの一端を嵌入固定可能に構成され、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却しながら使用することで、前記チップから熱を除去するように構成したことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明する。本発明の第1実施例に係る工具からの熱除去装置1は、図1から図6において、工具ホルダ2と、図示しない熱交換器とを備えている。以下、この冷却方式を、「ホルダ冷却方式」という。
【0020】工具ホルダ2は、図1から図5に示すように、中央部に貫通穴3aが形成された加工用のチップ3を取り付けるための取付け座2aが形成され、該取付け座2aの近傍を通ると共に、入口2b及び出口2cを有する流路2dが形成されたものである。
【0021】取付け座2aには、チップ3を固定するねじ6が螺合するねじ穴8が形成されている。流路2dの入口2bは、例えば工具ホルダ2の側面2fに形成され、出口2cは、例えば工具ホルダ2の底面2gに形成されている。入口2b及び出口2cには、図6に示すように、熱交換器と接続されたパイプ4,5が夫々接続されるようになっている。なお、必ずしも熱交換器を使用する必要はなく、例えば常温の水道水等を一方的に通すようにしてもよい。
【0022】またどちらを入口2bとし、どちらを出口2cとするかは任意である。また図示の例では、流路2dは1本であるが、これに限るものではなく、複数本でもよく、また1本の流路2bを取付け座2aの下方で蛇行させて形成してもよい。伝熱面積が増えれば、工具ホルダ2の熱をより効率的に除去できるからである。
【0023】次に本発明の第2実施例に係る工具からの熱除去装置12は、図7から図12に示すように、工具ホルダ13と、熱交換器14と、ヒートパイプ15、伝熱部材16とを備えている。この冷却方式を「シート冷却方式」という。
【0024】工具ホルダ13は、中央部に貫通穴3aが形成された加工用のチップ3を取り付けるための取付け座13aが形成され、該取付け座13aの近傍にヒートパイプ15の一端15aを嵌入固定可能に構成されたものである。
【0025】取付け座13aには、図8に示すように、伝熱部材16がねじ18により固定されるようになっており、このため取付け座13aには、ねじ18が螺合するねじ穴13bが、上下に貫通して形成されている。
【0026】伝熱部材16の材料には、例えば熱伝導率の高い銅系材料を用いており、また伝熱部材16は、図8に示すように、ねじ18が通される段付き穴16aが上下に貫通して形成された水平部16bと、該水平部16bの側方に一体的に形成されヒートパイプ15の一端15aが螺合するねじ穴16cが垂直に形成された垂直部16dとから形成されている。
【0027】取付け座13aは、図7から図9及び図11に示すように、伝熱部材16が適合するような形状に形成されており、またねじ18にはねじ穴18aが同軸上に形成されているので、伝熱部材16を取付け座13aに取り付けると、該伝熱部材16上に、ねじ19を用い、該ねじを貫通穴3aに通してチップ3を取り付けることができるようになっている。
【0028】ヒートパイプ15の一端15aには、ねじ部15bが形成されており、該ねじ部15bが伝熱部材16のねじ穴16cと螺合するようになっている。なお、図9及び図10に示すように、ねじ部15bにロックナット20を螺合させることにより、ヒートパイプ15をねじ穴16cに固定できるようになっている。ヒートパイプの他端15cには、図12に示すように、熱交換器14が取り付けられている。
【0029】本発明は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まず、本発明の第1実施例についての作用について説明すると、図4に示すように、工具ホルダ2に対して、ねじ6をチップ3の貫通穴3aに通して使用することにより、チップ3を固定することができる。このときチップ3は取付け座2aに密着した状態となっているので、図5に示すように、流路2dがチップ3の近傍を通っていることになる。
【0030】工具ホルダ2は、図6に示すように、旋盤の工具台(図示せず)に取り付けられ、流路2dの入口2b及び出口2cにパイプ4,5が取り付けられる。そして図示しない熱交換器と工具ホルダ2との間で、冷却媒体である液体(図示せず)を環流させると、例えば液体はパイプ4内を矢印A方向に進んで流路2dに入り、該流路2dから出た液体は、パイプ5内を矢印B方向に進んで、熱交換器に戻る。
【0031】ワーク21を矢印C方向に回転させながら、工具台を矢印D方向に送り、チップ3をワーク21に切り込んで行くと、切屑22が出て旋削が行われるが、流路2dを通る液体によってチップ3が常に冷却されているので、切削油(図示せず)の使用は少なくて済む。場合によっては全く切削油を使用しないで加工を行うことも可能である。またチップ3の摩耗量も適正なものとなり、本来の寿命まで使用することができる。
【0032】熱交換器においては、例えば常温の水道水を用いて冷却している。冷却媒体に、気体と比較して熱伝達率の高い液体を使用しているので、その他の諸条件にもよるが、常温の水道水を通す程度で、チップ3の熱を十分に除去することが可能である。冷凍機等(図示せず)を用いる場合でも、あまり低い温度を必要としないため、電力等のエネルギ消費を少なく抑えることが可能である。
【0033】次に本発明の第2実施例に係る工具からの熱除去装置12の作用について説明すると、図9及び図11に示すように、工具ホルダ13の伝熱部材16上に、ねじ19を使用することにより、チップ3を固定することができる。
【0034】またヒートパイプ15は、一端15aを伝熱部材16のねじ穴16cに螺合させ、ロックナット20により締め付けることで伝熱部材16に直立状態で取り付けることができる。
【0035】工具ホルダ13は、図12に示すように、旋盤の工具台(図示せず)に取り付けられ、ヒートパイプ15の他端15cに熱交換器14が取り付けられる。熱交換器14においては、ヒートパイプ15の他端15cを、第1実施例と同様に、例えば−5℃まで冷却している。
【0036】ワーク21を矢印C方向に回転させながら、工具台を矢印D方向に送り、チップ3をワーク21に切り込んで行くと、切屑22が出て旋削が行われるが、伝熱部材16は熱伝導率が高い材料で製作されているので、チップ3とヒートパイプ15との間の熱は効率よく伝達され、またヒートパイプ15は非常に熱伝達率が高いので、加工中に生ずるチップ3の熱は、伝熱部材16及びヒートパイプ15を通じて非常に効率的に除去される。
【0037】従って、第1実施例と同様に、加工中の切削油(図示せず)の使用は少なくて済む。場合によっては全く切削油を使用しないで加工を行うことも可能である。
【0038】なお、上記構成においては、工具の一例として旋盤で用いるバイトを想定して説明したが、工具はこれに限るものではなく、ドリルやフライス等の加工の際に熱の除去が必要となる工具であれば、どのようなものであってもよい。また工具の一例として、チップ3を使用する工具ホルダ2,13を挙げたが、これに限るものではなく、一体的に刃先が形成された通常のバイト(図示せず)でもよい。
【0039】更に上記構成において、切削油や冷風等による外部冷却手段を設けてもよい。冷風については、従来の冷風加工のような−20℃の冷風ではなく、例えば−5℃程度の弱冷風で足りるので、大がかりな冷凍機ではなく、例えば空気流によって熱い空気と冷たい空気とを分離可能な、市販のボルテックスチューブを利用して冷風を作るようにしてもよい。また冷凍機を使用する場合でも、−5℃程度の冷風ができればよいため、電力消費は少なくて済む。
【0040】また上記第2実施例においては、ヒートパイプ15を伝熱部材16に取り付けるように構成したが、これに限られるものではなく、ヒートパイプ15の取付け方は任意である。例えば伝熱部材16を用いずに、ヒートパイプ15を取り付けることができるようにねじ19を加工し、該ねじ19にヒートパイプ15を取り付けるようにしてもよい(この冷却方式を、「ねじ冷却方式」という。)。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、上記のように工作物を工具により加工する際に該工具から生ずる熱を該工具の側から除去するように構成したので、加工部位冷却用の切削油を不要にしたり又は使用する場合でもその量を大幅に少なくしたり、冷風を使用する場合には例えば−5℃程度の冷風で足りるようにすることができる効果があり、またこの結果環境負荷及びコストを低減できると共に、実用性を高め得る効果がある。
【0042】また工具のうち冷却が必要となる部分に冷却媒体を通し、該要冷却部分から熱を除去するように構成したので、切削油を不要又はその使用量を大幅に少なくでき、冷却媒体の冷却に要するエネルギも少なくできる効果があり、またこの結果作業者の健康への悪影響を防止し得、環境負荷を低減できるという効果が得られる。
【0043】更に工具のうち冷却が必要となる部分の内部に流路を設け該流路に冷却媒体となる液体を通し、流路を通過して温度が上昇した液体を熱交換器を用いて冷却し、流路に環流させることで工具から熱を除去するように構成したので、常温程度の液体を環流させるだけで、工具から熱を除去して十分に冷却できるという効果があり、またこの結果熱交換器によって液体を冷却するために必要なエネルギを冷風加工の場合よりもはるかに少なくて済むようになり、電力等の消費を少なく抑えることができる効果がある。
【0044】また工具のうち冷却が必要となる部分の近傍にヒートパイプの一端を固定し、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却することで、該ヒートパイプにより要冷却部分から熱を除去するようにしたので、熱伝達率の高いヒートパイプの特性を活用して、より効率的に工具の熱を除去できる効果があり、また加工時の切削油を不要又はその使用量を大幅に低減させることができる効果がある。
【0045】更には、加工用のチップを取り付けるための取付け座が形成された工具ホルダにおいて、取付け座の近傍を通ると共に入口及び出口を有する流路が形成され、該流路に冷却媒体となる液体を通すことで取付け座に取り付けられたチップから熱を除去するように構成したので、スローアウェイチップを使用する場合に、切削油を不要又はその使用量を大幅に少なくして加工を行うことができるという効果があると共に、スローアウェイチップを本来の寿命まで使い切ることができるという効果が得られる。
【0046】また上記工具ホルダにおいて、取付け座の近傍にヒートパイプの一端を嵌入固定可能に構成され、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却しながら使用することで、チップから熱を除去するように構成したので、スローアウェイチップを使用する場合に、加工時の切削油を不要又はその使用量を大幅に低減させることができる効果がある。
【0047】
【実施例1】
上記したホルダ冷却方式、ねじ冷却方式及び冷却なし(以下、ドライという。)の場合について、普通旋盤を用いて、切削試験を行った。工具ホルダは型番SCLCR1616H、チップは型番CCMT12404−UTi20Tを使用し、切削速度は57.02乃至93.31m/min、送りは0.2mm/rev、切込みは1.5mmとした。
【0048】ホルダ冷却方式においては、直径φ2mmの流路を工具ホルダに設け、該流路に水道水を流すようにした。
【0049】ねじ冷却方式においては、直径φ3×100mm長のヒートパイプを用い、該ヒートパイプ上部に熱交換器として水冷クーラを取り付けた。
【0050】工作物にはSCM435材を長手方向に400mm、工作物直径がφ54mmからφ30mmになるまで8回切削し、各方式によるチップ温度差、除去熱流、逃げ面摩耗幅、工作物仕上げ面の表面粗さの違いを測定した。ホルダ冷却方式における除去熱流は、冷却水の出入口温度差と質量流量の実測値の積に冷却水の比熱を乗じることにより求めた。
【0051】なお、チップ温度は、チップ上面の所定の位置に直径φ0.076mmのCA熱電対を取り付けて測定した。チップ温度差とは、チップ定常温度からチップ初期温度を差し引いたものである。
【0052】試験の結果、まずチップ温度差については、ドライと比較して、ねじ冷却方式では約50℃低く、ホルダ冷却方式では約100℃低くなった。最高チップ温度は、ドライで201.5℃、ねじ冷却方式で158.2℃、そしてホルダ冷却方式で92℃であった。
【0053】除去熱流については、切削距離に対してほぼ一定で、ねじ冷却方式では25W、ホルダ冷却方式では45W程度であった。切削動力に対する割合で示すと、ねじ冷却方式では3.1%、ホルダ冷却方式では5.6%となり、ホルダ冷却方式がねじ冷却方式の約2倍の熱除去が可能であることがわかった。
【0054】逃げ面摩耗幅については、チップ温度差が小さいものほど少なくなり、ドライに比べてねじ冷却方式で約4/5、ホルダ冷却方式で約2/3に減少することがわかった。
【0055】そして工作物仕上げ面の表面粗さについては、逃げ面摩耗と同様に、チップ温度差が最も低かったホルダ冷却方式の場合に最も良好な結果が得られた。
【0056】以上の試験により、工具側から熱除去することにより、チップ温度は低下して寿命が延び、しかも工作物仕上げ面の状態が改善されたことから、その有用性が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図6は、本発明の第1実施例に係り、図1は工具ホルダの斜視図である。
【図2】工具ホルダの下から見た斜視図である。
【図3】工具ホルダの流路の形状を示す部分破断斜視図である。
【図4】工具ホルダの分解斜視図である。
【図5】チップを取り付けた状態における工具ホルダの流路の形状を示す部分破断斜視図である。
【図6】工具からの熱除去装置を使用してワークを旋削している状態を示す斜視図である。
【図7】図7から図12は、本発明の第2実施例に係り、図7は工具ホルダの斜視図である。
【図8】工具ホルダの分解斜視図である。
【図9】工具ホルダ、該工具ホルダに取り付けられるチップ及びヒートパイプの分解斜視図である。
【図10】チップ及びヒートパイプが取り付けられた工具ホルダの斜視図である。
【図11】取付け座に対する伝熱部材の取付け状態及び該伝熱部材に対するチップの取付け状態を示す工具ホルダの部分破断斜視図である。
【図12】工具からの熱除去装置を使用してワークを旋削している状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 工具からの熱除去装置
2 工具ホルダ
2a 取付け座
2b 入口
2c 出口
2d 流路
3 チップ
12 工具からの熱除去装置
13 工具ホルダ
13a 取付け座
14 熱交換器
15 ヒートパイプ

Claims (6)

  1. 工作物を工具により加工する際に該工具から生ずる熱を該工具の側から除去するように構成したことを特徴とする工具からの熱除去装置。
  2. 工具のうち冷却が必要となる部分に冷却媒体を通し、該要冷却部分から熱を奪って除去するように構成したことを特徴とする工具からの熱除去装置。
  3. 工具のうち冷却が必要となる部分の内部に流路を設け該流路に冷却媒体となる液体を通し、前記流路を通過して温度が上昇した前記液体を熱交換器を用いて冷却し、前記流路に環流させることで前記工具から熱を除去するように構成したことを特徴とする工具からの熱除去装置。
  4. 工具のうち冷却が必要となる部分の近傍にヒートパイプの一端を固定し、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却することで、該ヒートパイプにより前記要冷却部分から熱を除去するように構成したことを特徴とする工具からの熱除去装置。
  5. 加工用のチップを取り付けるための取付け座が形成された工具ホルダにおいて、前記取付け座の近傍を通ると共に入口及び出口を有する流路が形成され、該流路に冷却媒体となる液体を通すことで前記取付け座に取り付けられた前記チップから熱を除去するように構成したことを特徴とする工具ホルダ。
  6. 加工用のチップを取り付けるための取付け座が形成された工具ホルダにおいて、前記取付け座の近傍にヒートパイプの一端を嵌入固定可能に構成され、該ヒートパイプの他端を熱交換器により冷却しながら使用することで、前記チップから熱を除去するように構成したことを特徴とする工具ホルダ。
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CN117773177A (zh) * 2024-02-27 2024-03-29 江苏博林机械制造有限公司 一种稳定性镗孔机

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