JP2004154377A

JP2004154377A - Easily peeled multilayer sheet for medical appliances, and molded container

Info

Publication number: JP2004154377A
Application number: JP2002323338A
Authority: JP
Inventors: Yuichi Kadoya; 雄一門屋; Takuya Sasaki; 卓也佐々木; Koichi Taguchi; 広一田口
Original assignee: Denki Kagaku Kogyo KK
Current assignee: Denka Co Ltd
Priority date: 2002-11-07
Filing date: 2002-11-07
Publication date: 2004-06-03

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a container which is for housing a medical appliance, a member etc., which can directly contact with an affected part, whose surface can be kept to be in asepsis until just before using the container and whose peeling operability of its surface layer is improved, and to provide a multilayer sheet for forming the container. <P>SOLUTION: The multilayer sheet for the medical appliance and the thermoformed container are provided. The multilayer sheet comprises at least two layers of (A) a base material layer and (B) the surface layer. 180° peeling strength between (A) the base material layer and (B) the surface layer is 0.10 to 2.0 N/25mm. (B) The surface layer contains an antistatic agent and consists of thermoplastic resin composition whose surface resistivity is ≤10<SP>12</SP>Ω/SQUARE. It is preferable that (A) the base material layer and (B) the surface layer have specific resin composition and thickness constitution. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療器具を収納又は持ち運びするのに用いるプラスチック製のトレー等の容器であって、特に手術や検査に用いる器具を収納するための、表面が無菌状態のプラスチック製容器に関する。尚、本発明において樹脂組成物の配合組成を表す単位は、特に断らない限り質量基準の値である。
【０００２】
【従来の技術】
従来、手術器具、検査器具及び処置器具等の医療器具は、病院の手術室や検査室で行われる各種手術、検査及び処置等に際して、患者への二次感染を防ぐため、予め消毒あるいは滅菌処理された清潔なものを準備した上で使用されている。近年、医療現場においては、医療の際に用いる各種の医療器具、特に注射器、ガーゼ、綿球、ピンセット及び止血テープ等の滅菌処理を要する医療器具や、これらの器具を整理して収納したり、使用中の器具を洗浄したり、摘出した患部等を収納するためのトレー、ボウル及びバット等の容器等を、プラスチック製袋に詰めて封止しこれを医療キットパックとして滅菌処理して用いることが普及してきている（例えば非特許文献１参照）。この医療キットパックは、必要な作業別毎に予めまとめてセットされていることから、作業に入る前に必要な医療器具を取り揃えて準備しておく手間が軽減され、開封後すぐに使用することができ、しかも使用後はそのまま廃棄すればよく、滅菌作業の合理化、滅菌装置の簡素化及び院内感染の予防等の面から有効に活用されている。
【０００３】
しかしながら、キットパックとして滅菌処理する方法は、前記のように医療作業の効率化に有効である反面、種々の器具を同じキットパックで処理することから、これら器具の内トレー等の容器は、一旦滅菌作業は行われているものの、キットパックから取り出して使用している際に、作業環境中のほこりや、手術現場や処置室で発生した血液等で汚染される危険性があった。従って滅菌処理したキットパックから取り出した後、使用直前まで表面を確実かつ簡便に無菌状態に保つ手段が望まれていた。一方で検査室で用いられるトレー等の容器についても、一旦滅菌したトレー等の容器の表面に、その使用前にほこりが付いたり、空気中の細菌が付着する可能性があり、前記と同様に使用直前までその表面を保護する簡便な手段が求められていた。
【０００４】
一方で表層が易剥離性の薄膜で被覆されていて、その薄膜を剥離することで無菌表面を有する容器が提案されている（特許文献１〜３参照）。これらの発明は、前記のキットパックで滅菌処理した後、医療現場での手術等の際にその薄膜を剥離して使用する用途を目指したものではなく、前記の本発明の目的での使用においては、その剥離作業性の容易さの点で十分なものではなかった。更に本発明の用途である医療器具や手術により摘出した臓器等を収納しておく容器について、臓器等を収納する直前に予めキットパック等で滅菌した容器の表層を剥離することによって無菌表面を作りだすことができる容器、及びその容器を成形する為の多層シートが提案されている（特願２００２−１７３６９９号）。この発明の容器は、表層の易剥離性が安定している点で優れているが、表層を基材層から剥離した際に、剥離された表層フィルムが手にまとわりつく問題が有り、その剥離作業性について更なる改善が求められていた。
【０００５】
【特許文献１】特開昭６３−１４３９４３号公報
【特許文献２】特開平１−２５０２４６号公報
【特許文献３】特開平３−２１０２５２号公報
【非特許文献１】古橋正吉著「滅菌・消毒マニュアル」日本医事新報社、１９９９年１月第１版、２７２頁
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、医療器具や患部に直接触れる可能性のある部材等を収納しておく容器において、その容器を使用する直前まで表面を無菌状態に保つことのできる容器であって、且つ表層の剥離作業性を改善した容器、及びその容器を成形する為の多層シートを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決することを目的として鋭意検討した結果、基材層と表層がその界面において容易に剥離可能な容器において、表層を基材層から剥離する際に表層が手にまつわりつくのが剥離帯電によっていること、そして表層の表面抵抗率を適切に設定することによって前記の課題が解決できることを見出し本発明に至った。
【０００８】
即ち本発明は、少なくとも（Ａ）基材層及び（Ｂ）表層の２層の熱可塑性樹脂層を有し、下記の（イ）及び（ロ）の要件を具備した医療器具用易剥離多層シートである。
（イ）：（Ａ）基材層と（Ｂ）表層間の１８０度剥離強度が０．１０〜２．０Ｎ／２５ｍｍである。
（ロ）：（Ｂ）表層が帯電防止剤を含有し、その表面抵抗率が１０^１２Ω／□以下の熱可塑性樹脂組成物からなる。
又、（Ａ）基材層が下記の（ａ）成分、（ｂ）成分及び（ｃ）成分を含有し、（Ｂ）表層がポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。
（ａ）：ポリスチレン０〜８０％
（ｂ）：スチレン−ブタジエングラフト共重合体２０〜９８％
（ｃ）：スチレン系ブロック共重合体２〜７％
【０００９】
一方で、表層が高分子型の帯電防止剤を含有する医療用易剥離多層シートであることが好ましい。更に、（Ａ）基材層が１５０〜１５００μｍで、（Ｂ）表層が１０〜１００μｍの厚さで構成された医療器具用易剥離多層シートであることが好ましい。本発明には、これらの多層シートを共押出にて製造する方法、及び該多層シートを熱成形した、（Ａ）基材層と（Ｂ）表層間の１８０度剥離強度が０．１５〜３．０Ｎ／２５ｍｍである医療器具用容器が含まれる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の医療器具用多層シートと成形品及びそれらの製造方法について詳細に説明する。
【００１１】
一般に医療器具に使用されている、トレー、ボウル及びバット等のプラスチック製器具は、プラスチック原料からシート状に成形された後、真空成形等の熱成形されるか、原料ペレットから直接射出成形により製造され、使用目的毎にキットパックとよばれるセットにまとめられ、キット単位で滅菌処理され使用するまで保管される。そのトレーの代表的な形状を図３に示した。しかしながら、前記のようにキットの中には様々な器具が同時に保管されており、開封後使用する迄に再度汚染される危険性がある。
【００１２】
本発明の多層シートは、図１に示すように、基材層（１）と表層（２）から構成される。また、このシートから熱成形により成形された図２に示す成形品は、表層（２）と基材層（１）間の剥離強度が、０．１５〜３．０Ｎ／２５ｍｍに調整されているので、表層（２）を基材層（１）から容易に剥離することができ、残された基材層（１）からなる成形体を容器として用いることで、容易にその表面が無菌状態の容器を得ることが出来る。即ち、基材層（１）と表層（２）の界面は、多層シートを共押出により製膜する際に、滅菌するのに十分な高温度で処理され密着状態となるので、基材層（１）から表層（２）を剥離するまでは、無菌状態が保たれている。また表層（２）は、必要に応じ、基材層（１）の両側に設けることも可能である。
【００１３】
本発明でいう剥離強度は、ＪＩＳ−Ｋ６８５４−２法により測定した（Ａ）基材層と（Ｂ）表層間の１８０度剥離強度であり、本発明の多層シートでは、０．１０〜２．０Ｎ／２５ｍｍであり、好ましくは０．１０〜１．５Ｎ／２５ｍｍである。０．１０Ｎ／２５ｍｍ未満では、多層シートを製膜する段階の、冷却、巻き取り時又はロール状に巻かれたシートを搬送する際に基材層と表層が剥離する。又、２．０Ｎ／２５ｍｍを越えると、この多層シートを熱成形により容器に成形したときに、容器での剥離強度が高くなりすぎる。
【００１４】
一方で、この多層シートを熱成形した容器における（Ａ）基材層と（Ｂ）表層間の１８０度剥離強度は、実用性からみて、０．１５〜３．０Ｎ／２５ｍｍであり、好ましくは０．１５〜２．０Ｎ／２５ｍｍである。０．１５Ｎ／２５ｍｍ未満では、使用前のハンドリング中に意図せずに剥離する可能性が有る。一方で、剥離強度が３．０Ｎ／２５ｍｍを越えると、容器の使用直前に、基材層から表層を手で剥離する際に、多大な力を要して迅速な作業が困難となるか、更に剥離強度が強い場合は、手による剥離ができない。
【００１５】
本発明で（Ａ）基材層に用いる樹脂は、医療用に使用でき、且つ前記のような表層との剥離強度に調整できるものであれば良いが、そのような特性を有するものとして、（ａ）ポリスチレン、（ｂ）スチレン−ブタジエングラフト共重合体、及び（ｃ）スチレン系ブロック共重合体を含有する組成物が好ましい。ここで（ａ）ポリスチレンとは、一般の透明ポリスチレンであり、塊状ラジカル重合法、縣濁重合法又はアニオン重合法等の既知の重合法により得られたものである。このポリスチレンは、基材層に０〜８０％の範囲で含有されるのが好ましい。本発明の多層シートの（Ａ）基材層と（Ｂ）表層の剥離強度は、（Ａ）基材層の（ａ）ポリスチレン及び（ｂ）スチレン−ブタジエングラフト共重合体と、（ｃ）スチレン系ブロック共重合体の組成比によって制御される。従って剥離強度のみの観点からは、（ａ）ポリスチレンを含有しなくても（ｂ）スチレン−ブタジエングラフト共重合体の含有量を調整することで、前記の本発明の剥離強度の範囲を得ることができるが、容器の剛性が必要な場合に８０％を越えない範囲で用いることが好ましい。８０％を超えると、基材層が脆くなり、容器の衝撃強度が低下するため、使用中に容器の割れを生じる恐れがある。
【００１６】
次に（Ａ）基材層に用いる（ｂ）スチレン−ブタジエングラフト共重合体は、ゴム成分を２〜１５％含有するいわゆる耐衝撃性ポリスチレンである。基材層の含有量は、２０〜９８％が好ましい。含有量が２０％未満では基材層の衝撃強度の補強効果が小さく、使用中に容器の割れを生じる恐れがあり好ましくない。また、９８％を超えると表層との接着性が弱く、多層シートを作る段階で基材層と表層が剥離することがあり好ましくない。
【００１７】
前記の（ａ）ポリスチレン及び（ｂ）スチレン−ブタジエングラフト共重合体のメルトインデックスは、溶融押出性と熱成形性などの点からいずれも０．５〜１０ｇ／１０分の範囲が好ましく、より好ましくは１〜６ｇ／１０分の範囲である。
【００１８】
又、（Ａ）基材層に用いる（ｃ）スチレン系ブロック共重合体とは、スチレン系単量体及び共役ジエン単量体の連鎖を有した共重合体又はそれらの水素添加物であり、一般的には、その重合体中のスチレン系単量体の比率は１０〜９０％で、重量平均分子量は６万〜２５万の範囲のものである。尚、本発明においてスチレン系単量体とは、スチレン又は、α−メチルスチレン等であり、共役ジエン系単量体とは、ブタジエン又はイソプレン等である。
【００１９】
前記の（ｃ）スチレン系ブロック共重合体の、スチレン系単量体及び共役ジエン系単量体の連鎖の形態は特に限定されるものではなく、それぞれの単量体の連鎖が連結した共重合体のみならず、例えば前記の連鎖を複数回繰り返したいわゆる「マルチブロック共重合体」であっても良く、一方で、スチレン系単量体及びジエン系単量体からなる連鎖を３〜５個、多官能性化合物により結合させたいわゆる「星型ブロック共重合体」であっても良い。又、その分子構造としては、それぞれの連鎖が完全連鎖もしくは、特開昭４８−４８４５６に見られる如く、スチレン系連鎖とジエン系連鎖の間に、それらの連鎖の比率が連続的に変化した遷移部を有するいわゆる「テーパードブロック構造」を持つもののいずれでもよい。具体例としては、電気化学工業社製のデンカＳＴＲ−ＴＲ、デンカ−クリアレン、ＪＳＲ社製ＪＳＲ−ＴＲ、旭化成社製タフプレン、ソルプレン、アサフレックス、タフテック、フィルップス社製ソルプレン、Ｋレジン、シェル化学社製カリフレックスＴＲ、クレイトンＧ、クラレ社製セプトン等があげられる。
【００２０】
また、前記のようにこれらのブロック共重合体を水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレン（ＳＥＢＳ）、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン（ＳＥＰＳ）などの飽和型スチレン系ブロック共重合体が使用できる。
【００２１】
この（ｃ）スチレン系ブロック共重合体の基材層への含有量は２〜７％が好ましい。含有量が２％未満では基材層と表層との接着性が極端に弱くなり、シートを製膜する段階の冷却、巻き取り時、又はロール状に巻かれたシートを搬送する際に剥離する危険がある。更に容器にした後も使用前の保管中に意図せずに剥離してしまう可能性が有る。一方、７％を超えると、この多層シートを熱成形により容器成形したときに、表層の剥離強度が高くなりすぎて容易に剥離できず迅速な剥離作業が困難となるか、表層を剥離する際に途中で切れたりする不具合が発生しうまく剥離できない。
【００２２】
本発明の（Ｂ）表層に用いる樹脂は、医療用に使用でき、前記のように（Ａ）基材層と適切な剥離強度を有するものであれば良く、そのような樹脂としてポリオレフィン系樹脂が使用できる。更に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂又はエチレン酢酸ビニル共重合体等が使用できるが、基材との密着性からポリプロピレン系樹脂又は高圧法低密度ポリエチレンが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンを単独重合することによって得られるプロピレン単独重合体、または２０％以下のコモノマー、例えばエチレン、アクリル酸エステル、マレイン酸等の不飽和有機酸およびその無水物、炭素数は４〜１２個のα−オレフィン等の単量体単位をプロピレンと共重合して得られる共重合体が挙げられる。該重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でもグラフト共重合体でも良い。また、これらを単独で使用しても２種以上を使用しても良い。
【００２３】
本発明の多層シートの（Ｂ）表層は、帯電防止剤を含有していてその表面抵抗率が１０^１２Ω／□以下である。この値を超えると、後述するこの多層シートを熱成形することによって得られた容器の（Ｂ）表層を（Ａ）基材層から剥離する際に、（Ｂ）表層が手にまつわりつき、作業性に問題を生じることが有る。この現象は作業が行われる温湿度環境によって異なるが、表面抵抗率が１０^１２Ω／□以下であれば、通常の環境においてまつわりつきが問題となることはない。
【００２４】
前記の帯電防止剤としては、（Ｂ）表層の表面抵抗率が１０^１２Ω／□以下となるものであれば用いることは可能であるが、剥離強度への影響が少ない事や、剥離によって発生した（Ａ）基材層の無菌面に付着するものでないものが好ましい。この観点から高分子型帯電防止剤が特に好ましい。
【００２５】
本発明において高分子型帯電防止剤とは、少なくとも１種の単量体単位が化学結合による多数の繰り返しの連鎖構造を有している帯電防止剤であって、その分子量は１０００以上が一般的である。
【００２６】
本発明の高分子型帯電防止剤の例としては、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエーテルエステルアミド、幹ポリマーがポリアミド、枝ポリマーがポリアルキレンエーテルとポリエステルとのブロックポリマーからなるグラフトポリマー、カプロラクタム、イミド環を形成しうる多価カルボン酸成分、有機ジイソシアネート及びポリエチレングリコールの共重合体、α−オレフィンと無水マレイン酸とポリオキシアルキレンアリルエーテルとの共重合体、ポリエチレンエーテル、イソシアネート及びグリコールから成るポリマー等を挙げることができ、これらの少なくとも１種を用いることにより、持続性の高い帯電防止効果が得られる。又、これらのうちでポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマーが、他の高分子型帯電防止剤と比較して少量の添加量で十分な帯電防止効果が得られる点で更に好ましい。これらの帯電防止剤としては、前記成分を主成分とする市販の帯電防止剤を用いることが出来る。
【００２７】
（Ｂ）表層の帯電防止剤の含有量は、表面抵抗率が１０^１２Ω／□以下になるように設定するが、一般的には表層の樹脂組成物を１００％としたとき高分子型帯電防止剤の場合、１０〜２０％が目安である。１０％未満では、十分な表面抵抗率が得られず、２０％を越えると剥離した後の（Ａ）基材層面に付着する可能性が懸念される。
【００２８】
本発明の多層シートの各層には、必要に応じて剥離強度や剥離面への付着等の問題の無い範囲で、公知の添加剤、たとえば、着色剤、熱安定剤、酸化防止剤などの安定剤、滑剤、充填剤もしくは可塑剤などを配合することができる。
【００２９】
本発明の基材層の厚みは、熱成形が可能で、形状維持できる厚さが必要であるが、厚すぎると成形性や経済性の面で好ましくなく、１５０〜１５００μｍの範囲が好ましい。特に好ましくは、２００〜１０００μｍの範囲である。また、表層の厚みは、薄すぎると破断し、厚すぎても剥離調整が困難となり、経済的にも好ましくなく、１０〜１００μｍの範囲が好ましい。更に好ましくは、２０〜８０μｍの範囲である。
【００３０】
本発明の医療用易剥離多層シートの製造には、共押出、押出ラミネート又はドライラミネートなどの各種の積層化手法が使用可能である。共押出法としては、通常の複数台の押出機で、フィードブロック法またはマルチマニホールド法などの既知の多層積層法を採用し、Ｔダイ法による共押出製膜で製造することが一般であり、界面の無菌状態の確保と製造コスト面から好ましい。
【００３１】
本発明の医療用易剥離多層シートは、ストレート法、ドレープ法又はプラグアシスト法などの通常真空成形や圧空成形、熱盤成形などの熱成形で成形することで所望の容器を得ることができる。また、剥離のきっかけを作るため、容器をシートから打ち抜く際に、容器のコーナー部の基材をハーフカットまたは全体にミシン目を設けることもできる。
【００３２】
本発明のトレー、ボウル及びバット等の容器の使用方法は、使用直前に基材層から表層を剥離して、無菌状態にある基材層の表面を有する容器として、その表面に必要に応じて、医療器具や患部に直接触れる可能性のある部材等を収納しておくのに用いる。又、これらの容器を予め滅菌する方法は、特に限定されるものではないが、通常各種の医療器具等と一緒にプラスチック製の医療用キットパックとして滅菌処理される。
【００３３】
【実施例】
以下本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
（実施例１）基材層として、ポリスチレン（東洋スチレン社製、ＧＰＰＳ、商品名；トーヨースチロールＨＲＭ２３）５０％、スチレン−ブタジエングラフト共重合体（東洋スチレン社製、ＨＩＰＳ、商品名；トーヨースチロールＥ６４０Ｎ）４６％、及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体（ＪＳＲ社製、商品名；ＴＲ２０００、スチレン４０％、ブタジエン６０％）４％を予めブレンドし、単軸押出機（シリンダ径６５ｍｍ、Ｌ／Ｄ＝３２）にて、押出温度１７０〜２１０℃で溶融混練押出し、一方、表層としてポリプロピレン（サンアロマー社製、ランダムコポリマー、商品名；ＰＦ６２１Ｓ）８５％、帯電防止剤（三洋化成社、ペレスタット３２０：ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー）１５％を予めブレンドし、単軸押出機（シリンダ径４０ｍｍ、Ｌ／Ｄ＝２４）にて、押出温度２１０〜２２０℃で溶融押出し、フィードブロック法にて積層し、幅８００ｍｍのＴダイにて基材層２２０μｍ、表層３０μｍの厚さの２層シートを作製した。得られた２層シートを真空成形機（浅野研究社製）により、縦１７ｃｍ、横１２ｃｍ、高さ０．８ｃｍの図２に示す形状の容器に表層が内側になるように成形した。
【００３４】
（実施例２〜４）基材層の樹脂組成比を表１のように変更した以外は、実施例１と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
（実施例５）基材層の樹脂組成比を表１のように変更し、基材層を４００μｍとした以外は、実施例１と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
（実施例６）基材層の樹脂組成比を表１のように変更し、基材層を４００μｍ、表層を７０μｍとした以外は、実施例１と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
【００３５】
（比較例１〜２）基材層の樹脂組成比を表１のように変更した以外は、実施例１と同様に多層シートの作製及び容器成形を行った。
（比較例３）基材層の樹脂組成比を表１のように変更し、基材層４００μｍ、表層１５０μｍとした以外は、実施例１と同様に多層シートの作製及び容器成形及び特性評価を行った。
（比較例４）基材層及び表層の樹脂組成比を表１のように変更した以外は、実施例１と同様に多層シートを作成及び容器成形を行った。
【００３６】
（特性評価）各実施例及び比較例で得られた多層シート及び該成形容器の特性を、以下の方法で評価した。
（１）剥離強度および剥離性
底面（平面部）の基材層と表層間の１８０度剥離強度（２５ｍｍ幅）を、ＪＩＳ−Ｋ６８５４−２に準じて引張速度３００ｍｍ／分で測定した。又、容器の基材層と表層の剥離性を、手剥離によって以下の基準で評価した。
○ ：スムーズに剥離が可能。
△ ：やや剥離が重いが手で剥離可能。
× ：剥離時に破れが生じるかもしくは剥離できない。
− ：容器成形時に剥離発生。
（２）表面抵抗率
三菱化学社製ハイレスタ−ＵＰ（ＭＣＰ−ＨＴ４５０，ＪボックスＵタイプ）を使用し、印加電圧５００Ｖ、測定時間６０秒の条件で、サンプルを環境温度２３℃、環境湿度５５％にて２４時間放置した後、表層側の表面抵抗率の測定を行った。
（３）剥離帯電性
容器の基材層から表層を手で剥離した際の静電気の帯電性について以下の基準で評価した。
○ ：手にまとわりつかない。
△ ：剥離した直後は手にまとわりつくが、すぐに離れる。
× ：手にまとわりついて離れない。
（４）容器の落下試験
容器内に３００ｇの重りを載せ、高さ５０ｃｍからフランジ部を下に向け垂直に床面に落下した際に容器に割れの発生の有無で評価した。（サンプル数：１０）
○ ：割れの発生全く無し。
△ ：一部割れが発生。
【００３７】
以上の評価結果を表１に示した。実施例１、２及び４〜６の多層シート及び容器は、表１に示すように適度の剥離強度を有し、剥離帯電性及び容器の剥離性も良好であった。実施例３の多層シート及び容器は、剥離強度が高めであったが、容器の剥離性、剥離帯電性は使用可能な程度であった。又、実施例４の容器は、前記のように剥離性は良好だが、容器の落下試験で割れの発生するものがあり、取り扱いに注意を要するものであった。
【００３８】
比較例１及び比較例３の多層シートは、剥離強度が低いことにより、容器成形時に剥離が発生してしまい容器特性の評価ができなかった。又、比較例２の多層シート及び容器は、剥離強度が高く、容器から表層を剥がすのが困難で、コーナー部等で表層の破れが発生した。実施例４は表層剥離時に静電気が帯電し、剥離した表層が手にまとわりついた。
【００３９】
【表１】

【００４０】
【発明の効果】
本発明により得られた多層シートおよび成形品は、必要な時に表層を手早く剥離し取り除くことができ、容易に無菌表面を発生させることができるので、医療現場で使用されるトレー、ボウル、バット等のプラスチック製器具等に有用であり、使用時点まで再度汚染される危険がない。又、一方で生化学関連のシャーレ等の器具などにも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の基本的な易剥離多層シートの一例の断面図である。
【図２】本発明の易剥離多層シートを熱成形した容器の一例の斜視図である。
【図３】本発明の代表的なトレーの断面図である。
【符号の説明】
１基材層
２表層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a container such as a plastic tray used for storing or carrying medical instruments, and more particularly to a plastic container having a sterile surface for storing instruments used for surgery or examination. In the present invention, the unit representing the composition of the resin composition is a value based on mass unless otherwise specified.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, medical instruments such as surgical instruments, examination instruments, and treatment instruments are previously disinfected or sterilized in order to prevent secondary infection to patients during various operations, examinations, and treatments performed in operating rooms and examination rooms in hospitals. Prepared and used clean. In recent years, in the medical field, various medical instruments used in medical treatment, especially medical instruments that require sterilization such as syringes, gauze, cotton balls, tweezers and hemostatic tape, and these instruments are arranged and stored, Containers such as trays, bowls and bats for cleaning used instruments and storing the excised diseased parts, etc. shall be packed in plastic bags, sealed, and sterilized as a medical kit pack for use. (See, for example, Non-Patent Document 1). Since this medical kit pack is pre-set for each required operation, the trouble of having to prepare and prepare necessary medical equipment before starting work is reduced, and it should be used immediately after opening. It can be disposed of as it is after use, and is effectively used in terms of rationalization of sterilization work, simplification of sterilization equipment, prevention of hospital-acquired infection, and the like.
[0003]
However, the method of sterilizing as a kit pack is effective for improving the efficiency of medical work as described above, but since various instruments are treated with the same kit pack, containers such as inner trays of these instruments are once used. Despite the sterilization operation, there is a risk of contamination from dust in the working environment, blood generated at an operating site or a treatment room, etc. when used after being taken out of the kit pack. Therefore, there has been a demand for a means for securely and simply maintaining the surface in a sterile state immediately after use after being taken out of a sterilized kit pack. On the other hand, for containers such as trays used in an examination room, there is a possibility that dust may adhere to the surface of the container such as a tray once sterilized before use, or bacteria in the air may adhere to the surface. Until just before use, a simple means for protecting the surface has been required.
[0004]
On the other hand, containers having a surface layer coated with an easily peelable thin film and having a sterile surface by peeling the thin film have been proposed (see Patent Documents 1 to 3). These inventions are not intended for use in which the thin film is peeled off in the case of surgery or the like at a medical site after sterilization with the kit pack described above, and is not used for the purpose of the present invention. Was not sufficient in terms of the ease of peeling work. Further, for a container for storing an organ or the like extracted by a surgical operation or a medical device which is a use of the present invention, a sterile surface is created by peeling a surface layer of the container which has been previously sterilized with a kit pack or the like immediately before storing the organ or the like. And a multilayer sheet for molding the container have been proposed (Japanese Patent Application No. 2002-173699). The container of the present invention is excellent in that the surface layer is easily peelable, but when the surface layer is peeled from the base layer, there is a problem that the peeled surface layer film is clung to the hand, and the peeling work is performed. Further improvement was required in terms of sex.
[0005]
[Patent Document 1] JP-A-63-143943 [Patent Document 2] JP-A-1-250246 [Patent Document 3] JP-A-3-210252 [Non-Patent Document 1] Masayoshi Furuhashi, Sterilization and Disinfection Manual, Nippon Medical Shimpo, January 1999, 1st edition, 272 pages
[Problems to be solved by the invention]
The present invention relates to a container for storing a medical device, a member that may directly touch an affected part, or the like, and a container capable of maintaining a surface of the container in a sterile state until immediately before using the container. An object of the present invention is to provide a container with improved workability and a multilayer sheet for molding the container.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies with the aim of solving the above problems, and as a result, in a container in which the base layer and the surface layer can be easily separated at the interface, when the surface layer is separated from the base layer, The present inventors have found that the peeling charge is attached to the hand and that the above problem can be solved by appropriately setting the surface resistivity of the surface layer.
[0008]
That is, the present invention has at least two thermoplastic resin layers of (A) a base material layer and (B) a surface layer, and has the following requirements (a) and (b): It is.
(A): 180 degree peel strength between (A) base material layer and (B) surface layer is 0.10 to 2.0 N / 25 mm.
(B): (B) The surface layer contains an antistatic agent and is made of a thermoplastic resin composition having a surface resistivity of 10 ¹² Ω / □ or less.
Further, it is preferable that (A) the base layer contains the following components (a), (b) and (c), and (B) the surface layer is made of a polyolefin resin.
(A): polystyrene 0-80%
(B): styrene-butadiene graft copolymer 20 to 98%
(C): Styrenic block copolymer 2 to 7%
[0009]
On the other hand, it is preferable that the surface layer is a medical easily peelable multilayer sheet containing a polymer type antistatic agent. Further, it is preferable that the (A) base material layer is 150 to 1500 μm and the (B) surface layer has a thickness of 10 to 100 μm. In the present invention, a method for producing these multilayer sheets by co-extrusion, and a thermoformed molded sheet having a 180 ° peel strength between (A) the base layer and (B) the surface layer of 0.15 to 3 are provided. 0.0N / 25 mm.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION Hereinafter, the multilayer sheet for medical instruments and molded articles of the present invention, and a method for producing them will be described in detail.
[0011]
Plastic devices such as trays, bowls, and bats, which are generally used for medical devices, are formed from plastic materials in the form of a sheet and then thermoformed such as vacuum forming, or manufactured directly from raw material pellets by injection molding. The kits are collected into sets called kit packs for each purpose of use, sterilized in kit units, and stored until use. FIG. 3 shows a typical shape of the tray. However, as described above, various devices are stored in the kit at the same time, and there is a risk that the kit will be contaminated again after use after opening.
[0012]
The multilayer sheet of the present invention comprises a base layer (1) and a surface layer (2), as shown in FIG. In addition, in the molded product shown in FIG. 2 formed by thermoforming from this sheet, the peel strength between the surface layer (2) and the base material layer (1) is adjusted to 0.15 to 3.0 N / 25 mm. Therefore, the surface layer (2) can be easily peeled off from the base material layer (1), and the surface of the base material (1) can be easily sterilized by using the molded body composed of the remaining base material layer (1) as a container. You can get a container. That is, the interface between the base material layer (1) and the surface layer (2) is treated at a high temperature sufficient for sterilization when the multilayer sheet is formed by co-extrusion and becomes in a close contact state. Until the surface layer (2) is peeled off from 1), the aseptic state is maintained. The surface layer (2) can be provided on both sides of the base material layer (1) as necessary.
[0013]
The peel strength referred to in the present invention is a 180 ° peel strength between (A) the base layer and (B) the surface layer measured by the JIS-K6854-2 method. 0 N / 25 mm, preferably 0.10 to 1.5 N / 25 mm. When the thickness is less than 0.10 N / 25 mm, the base layer and the surface layer are separated at the stage of forming a multilayer sheet at the time of cooling, winding, or transporting the rolled sheet. On the other hand, if it exceeds 2.0 N / 25 mm, when the multilayer sheet is formed into a container by thermoforming, the peel strength in the container becomes too high.
[0014]
On the other hand, the 180-degree peel strength between the (A) base material layer and the (B) surface layer in the container obtained by thermoforming the multilayer sheet is 0.15 to 3.0 N / 25 mm from the viewpoint of practicality, and is preferably. 0.15 to 2.0 N / 25 mm. If it is less than 0.15 N / 25 mm, it may unintentionally peel during handling before use. On the other hand, if the peel strength exceeds 3.0 N / 25 mm, it will require a great deal of force to quickly remove the surface layer from the base material layer immediately before use of the container, making rapid work difficult. Further, when the peeling strength is strong, the peeling by hand cannot be performed.
[0015]
The resin used for the base layer (A) in the present invention may be any resin that can be used for medical purposes and can adjust the peel strength with the surface layer as described above. A composition containing a) polystyrene, (b) a styrene-butadiene graft copolymer, and (c) a styrene-based block copolymer is preferred. Here, (a) polystyrene is a general transparent polystyrene, which is obtained by a known polymerization method such as a bulk radical polymerization method, a suspension polymerization method, or an anion polymerization method. This polystyrene is preferably contained in the substrate layer in the range of 0 to 80%. The peel strength between (A) the base layer and (B) the surface layer of the multilayer sheet of the present invention is as follows: (A) the polystyrene and (b) styrene-butadiene graft copolymer of the base layer; It is controlled by the composition ratio of the system block copolymer. Therefore, from the viewpoint of only the peel strength, it is possible to obtain the above-mentioned range of the peel strength of the present invention by adjusting the content of the (b) styrene-butadiene graft copolymer even if (a) does not contain polystyrene. However, if the rigidity of the container is required, it is preferable to use it in a range not exceeding 80%. If it exceeds 80%, the base material layer becomes brittle and the impact strength of the container is reduced, so that the container may be cracked during use.
[0016]
Next, (A) the styrene-butadiene graft copolymer used for the base layer is a so-called impact-resistant polystyrene containing 2 to 15% of a rubber component. The content of the base material layer is preferably from 20 to 98%. If the content is less than 20%, the effect of reinforcing the impact strength of the base material layer is small, and the container may be cracked during use, which is not preferable. On the other hand, if it exceeds 98%, the adhesiveness to the surface layer is weak, and the base layer and the surface layer may peel off at the stage of forming the multilayer sheet, which is not preferable.
[0017]
The melt index of the (a) polystyrene and (b) styrene-butadiene graft copolymer is preferably in the range of 0.5 to 10 g / 10 min, more preferably from the viewpoint of melt extrudability and thermoformability. Is in the range of 1 to 6 g / 10 minutes.
[0018]
The (A) styrene-based block copolymer used for the base layer (A) is a copolymer having a chain of a styrene-based monomer and a conjugated diene monomer or a hydrogenated product thereof. Generally, the ratio of the styrene monomer in the polymer is 10 to 90%, and the weight average molecular weight is in the range of 60,000 to 250,000. In the present invention, the styrene-based monomer is styrene or α-methylstyrene, and the conjugated diene-based monomer is butadiene or isoprene.
[0019]
The form of the chain of the styrene-based monomer and the conjugated diene-based monomer of the styrene-based block copolymer (c) is not particularly limited. Not only the coalescence but also a so-called “multi-block copolymer” in which the above-mentioned chain is repeated a plurality of times, for example, while 3 to 5 chains composed of a styrene monomer and a diene monomer are used. And a so-called “star-shaped block copolymer” bonded by a polyfunctional compound. Further, the molecular structure is such that each chain is a complete chain or a transition in which the ratio of these chains is continuously changed between a styrene-based chain and a diene-based chain as shown in JP-A-48-48456. Any of those having a so-called “tapered block structure” having a portion may be used. Specific examples include Denka STR-TR and Denka-Clearen manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd., JSR-TR manufactured by JSR Co., Ltd. Califlex TR, Clayton G, and Kuraray Septon.
[0020]
As described above, a saturated styrene block copolymer such as styrene-ethylenebutylene-styrene (SEBS) or styrene-ethylenepropylene-styrene (SEPS) obtained by hydrogenating these block copolymers can be used.
[0021]
The content of the (c) styrene block copolymer in the base material layer is preferably 2 to 7%. If the content is less than 2%, the adhesiveness between the base material layer and the surface layer becomes extremely weak, and the sheet is peeled off at the time of cooling and winding at the stage of forming a sheet, or at the time of transporting the rolled sheet. There is danger. Furthermore, even after being made into a container, there is a possibility that it may be unintentionally peeled off during storage before use. On the other hand, when the content exceeds 7%, when the multilayer sheet is formed into a container by thermoforming, the peel strength of the surface layer becomes too high to be easily peeled, making it difficult to perform a quick peeling operation. A problem occurs that the film is cut off in the middle, and it cannot be peeled off properly.
[0022]
The resin used for the surface layer (B) of the present invention can be used for medical purposes, and as long as it has the appropriate peel strength from the base layer (A) as described above, a polyolefin resin may be used as such a resin. Can be used. Further, as the polyolefin-based resin, a polypropylene-based resin, a polyethylene-based resin, an ethylene-vinyl acetate copolymer, or the like can be used, but a polypropylene-based resin or a high-pressure low-density polyethylene is preferable from the viewpoint of adhesion to a substrate. The polypropylene-based resin is a propylene homopolymer obtained by homopolymerizing propylene, or a comonomer of 20% or less, for example, an unsaturated organic acid such as ethylene, acrylate, or maleic acid, and an anhydride thereof, and has 4 carbon atoms. And copolymers obtained by copolymerizing from 12 to 12 monomer units such as α-olefins with propylene. The polymer may be a random copolymer, a block copolymer, or a graft copolymer. These may be used alone or in combination of two or more.
[0023]
The surface layer (B) of the multilayer sheet of the present invention contains an antistatic agent and has a surface resistivity of 10 ¹² Ω / □ or less. When the value exceeds this value, when the (B) surface layer of the container obtained by thermoforming the multilayer sheet described below is peeled from the (A) base material layer, the (B) surface layer sticks to the hand, resulting in workability. May cause problems. This phenomenon varies depending on the temperature and humidity environment in which the work is performed, but if the surface resistivity is 10 ¹² Ω / □ or less, the mess does not pose a problem in a normal environment.
[0024]
As the antistatic agent, any one can be used as long as the surface resistivity of the surface layer (B) is 10 ¹² Ω / □ or less, but it has little effect on the peel strength or is generated by peeling. What does not adhere to the sterile surface of the base layer (A) is preferred. From this viewpoint, a polymer type antistatic agent is particularly preferred.
[0025]
In the present invention, the polymer type antistatic agent is an antistatic agent in which at least one monomer unit has a multiplicity of repeating chain structures due to chemical bonds, and its molecular weight is generally 1,000 or more. It is.
[0026]
Examples of the polymer type antistatic agent of the present invention include polyolefin and polyether block polymer, polyetheresteramide, trunk polymer of polyamide, branch polymer of polyalkylene ether and polyester of block polymer, caprolactam , A polyvalent carboxylic acid component capable of forming an imide ring, a copolymer of an organic diisocyanate and polyethylene glycol, a copolymer of an α-olefin, maleic anhydride and a polyoxyalkylene allyl ether, polyethylene ether, isocyanate and glycol Polymers and the like can be mentioned, and by using at least one of them, a highly persistent antistatic effect can be obtained. Among these, a block polymer of polyolefin and polyether is more preferable because a sufficient antistatic effect can be obtained with a small amount of addition as compared with other polymer type antistatic agents. As these antistatic agents, commercially available antistatic agents containing the above components as main components can be used.
[0027]
(B) The content of the antistatic agent in the surface layer is set so that the surface resistivity is 10 ¹² Ω / □ or less. In general, when the resin composition in the surface layer is 100%, the polymer type charging agent is used. In the case of an inhibitor, the standard is 10 to 20%. If it is less than 10%, sufficient surface resistivity cannot be obtained, and if it exceeds 20%, there is a concern that it may adhere to the (A) substrate layer surface after peeling.
[0028]
Each layer of the multi-layer sheet of the present invention may have a known additive, such as a colorant, a heat stabilizer, or an antioxidant, as long as there is no problem such as peel strength or adhesion to the peeled surface, if necessary. Agents, lubricants, fillers, plasticizers, and the like.
[0029]
The thickness of the base material layer of the present invention needs to be a thickness that can be thermoformed and maintain its shape. However, if the thickness is too large, it is not preferable in terms of moldability and economy, and a range of 150 to 1500 μm is preferable. Particularly preferably, it is in the range of 200 to 1000 μm. If the thickness of the surface layer is too small, it will break, and if it is too thick, it will be difficult to adjust the peeling. More preferably, it is in the range of 20 to 80 μm.
[0030]
Various lamination techniques such as coextrusion, extrusion lamination, and dry lamination can be used for the production of the easily peelable multilayer sheet for medical use of the present invention. As the co-extrusion method, it is common to employ a known multiple laminating method such as a feed block method or a multi-manifold method using a plurality of ordinary extruders, and to manufacture by co-extrusion film formation by a T-die method. It is preferable from the viewpoint of ensuring the sterility of the interface and the production cost.
[0031]
The easily peelable multilayer sheet for medical use of the present invention can be formed into a desired container by molding by ordinary vacuum forming such as a straight method, a drape method or a plug assist method, or thermoforming such as air-pressure forming or hot plate forming. Further, in order to create a trigger for peeling, when the container is punched from the sheet, the base material at the corner of the container can be half-cut or perforated entirely.
[0032]
The method of using containers such as trays, bowls, and bats of the present invention is such that the surface layer is peeled off from the base material layer immediately before use, and the surface of the base material layer is in a sterile state. It is used to store medical instruments and members that may directly touch the affected part. The method of pre-sterilizing these containers is not particularly limited, but is usually sterilized as a plastic medical kit pack together with various medical instruments and the like.
[0033]
【Example】
Hereinafter, examples of the present invention will be described in comparison with comparative examples.
(Example 1) As a base material layer, 50% of polystyrene (GPPS, manufactured by Toyo Styrene Co., trade name; Toyostyrol HRM23), styrene-butadiene graft copolymer (HIPS, manufactured by Toyo Styrene Co., trade name; Toyostyrol E640N) ) And 4% of a styrene-butadiene block copolymer (trade name: TR2000, styrene 40%, butadiene 60%, manufactured by JSR Corporation) were previously blended, and a single screw extruder (cylinder diameter 65 mm, L / D = 32), melt-kneading and extruding at an extrusion temperature of 170 to 210 ° C., on the other hand, 85% of polypropylene (manufactured by Sun Allomer, random copolymer, trade name: PF621S) as an outer layer, an antistatic agent (Sanyo Chemical Co., Pelestat 320: polyolefin) 15% of polyether block polymer) In a single-screw extruder (cylinder diameter 40 mm, L / D = 24), melt extrusion is performed at an extrusion temperature of 210 to 220 ° C., laminated by a feed block method, and a base layer 220 μm and a surface layer are formed by a 800 mm wide T-die. A two-layer sheet having a thickness of 30 μm was produced. The obtained two-layer sheet was formed into a container having a length of 17 cm, a width of 12 cm and a height of 0.8 cm and having a shape shown in FIG.
[0034]
(Examples 2 to 4) A multilayer sheet was produced and a container was formed in the same manner as in Example 1 except that the resin composition ratio of the base material layer was changed as shown in Table 1.
(Example 5) Production of a multilayer sheet and container molding were performed in the same manner as in Example 1 except that the resin composition ratio of the base material layer was changed as shown in Table 1 and the base material layer was changed to 400 µm.
(Example 6) Production of a multilayer sheet and container molding were performed in the same manner as in Example 1 except that the resin composition ratio of the base material layer was changed as shown in Table 1, and the base material layer was changed to 400 µm and the surface layer was changed to 70 µm. Was.
[0035]
(Comparative Examples 1-2) Except having changed the resin composition ratio of the base material layer as shown in Table 1, production of a multilayer sheet and molding of a container were performed in the same manner as in Example 1.
(Comparative Example 3) Production of a multilayer sheet, molding of a container, and evaluation of properties were performed in the same manner as in Example 1 except that the resin composition ratio of the base material layer was changed as shown in Table 1, and the base material layer was 400 µm and the surface layer was 150 µm. went.
(Comparative Example 4) A multilayer sheet was formed and container molding was performed in the same manner as in Example 1 except that the resin composition ratio of the base layer and the surface layer was changed as shown in Table 1.
[0036]
(Evaluation of Characteristics) The characteristics of the multilayer sheet and the molded container obtained in each of Examples and Comparative Examples were evaluated by the following methods.
(1) Peeling Strength and Peeling A 180-degree peeling strength (25 mm width) between the base material layer and the surface layer on the bottom surface (flat portion) was measured at a tensile speed of 300 mm / min according to JIS-K6854-2. In addition, the peelability between the substrate layer and the surface layer of the container was evaluated by manual peeling according to the following criteria.
: Smooth peeling is possible.
Δ: Peeling is somewhat heavy, but peeling by hand is possible.
×: The film is torn during peeling or cannot be peeled.
-: Peeling occurred during container molding.
(2) Surface resistivity Using a Hiresta UP (MCP-HT450, J box U type) manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, under the conditions of an applied voltage of 500 V and a measurement time of 60 seconds, the sample was placed at an environmental temperature of 23 ° C. and an environmental humidity of 55%. For 24 hours, the surface resistivity of the surface layer was measured.
(3) Peelability The electrostatic chargeability when the surface layer was manually peeled from the base material layer of the container was evaluated according to the following criteria.
: Does not cling to hands.
B: Immediately after peeling, it clings to the hand, but leaves immediately.
×: It does not separate because it clings to the hand.
(4) Drop Test of Container A 300 g weight was placed in the container, and the container was evaluated for the occurrence of cracks in the container when the container was vertically dropped from a height of 50 cm with the flange portion facing down and the container was vertically dropped. (Number of samples: 10)
: No cracking occurred.
Δ: Some cracks occurred.
[0037]
Table 1 shows the evaluation results. The multilayer sheets and containers of Examples 1, 2 and 4 to 6 had an appropriate peel strength as shown in Table 1, and had good peeling chargeability and container peelability. Although the multilayer sheet and the container of Example 3 had high peel strength, the container had sufficient peelability and peeling chargeability. Further, the container of Example 4 had good peelability as described above, but some of the containers cracked in a drop test of the container, so that care was required in handling.
[0038]
Since the multilayer sheets of Comparative Examples 1 and 3 had low peel strength, peeling occurred during molding of the container, and the container characteristics could not be evaluated. In addition, the multilayer sheet and the container of Comparative Example 2 had high peel strength, it was difficult to peel the surface layer from the container, and the surface layer was torn at corners and the like. In Example 4, static electricity was charged when the surface layer was peeled off, and the peeled surface layer was clinged to the hand.
[0039]
[Table 1]

[0040]
【The invention's effect】
The multilayer sheet and the molded article obtained by the present invention can quickly peel off and remove the surface layer when necessary, and can easily generate a sterile surface. It is useful for plastic instruments and the like, and there is no danger of recontamination until the point of use. On the other hand, it can also be used for biochemical-related instruments such as petri dishes.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an example of a basic easily peelable multilayer sheet of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view of an example of a container obtained by thermoforming the easily peelable multilayer sheet of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a representative tray of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Base material layer 2 Surface layer

Claims

An easily peelable multilayer sheet for a medical device, which has at least two thermoplastic resin layers, (A) a base layer and (B) a surface layer, and satisfies the following requirements (A) and (B).
(A): 180 degree peel strength between (A) base material layer and (B) surface layer is 0.10 to 2.0 N / 25 mm.
(B): (B) The surface layer contains an antistatic agent and is made of a thermoplastic resin composition having a surface resistivity of 10 ¹² Ω / □ or less.

The easily peelable multilayer for medical devices according to claim 1, wherein (A) the base layer contains the following components (a), (b) and (c), and (B) the surface layer is made of a polyolefin-based resin. Sheet.
(A): polystyrene 0-80%
(B): styrene-butadiene graft copolymer 20 to 98%
(C): Styrenic block copolymer 2 to 7%

The easily peelable multilayer sheet for medical use according to claim 1 or 2, wherein (B) the surface layer contains a polymer type antistatic agent.

The easily peelable multilayer sheet for medical instruments according to any one of claims 1 to 3, wherein (A) the base layer has a thickness of 150 to 1500 µm, and (B) the surface layer has a thickness of 10 to 100 µm.

The multilayer sheet according to any one of claims 1 to 4, which is thermoformed, and has a 180-degree peel strength between (A) the base layer and (B) the surface layer of 0.15 to 3.0 N / 25 mm. A medical device container.

A method for producing a multilayer sheet for medical instruments, comprising forming the multilayer sheet according to any one of claims 1 to 4 by a coextrusion method.