JP2004153775A - 送受信制御装置、送受信制御方法および送受信制御プログラム - Google Patents
送受信制御装置、送受信制御方法および送受信制御プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てられる送受信制御装置を提供する。
【解決手段】送受信制御装置4は、コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーを格納する通信ポリシーデータベース45と、通信ポリシーデータベース45に格納された通信ポリシーの中からオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーをオブジェクト毎に決定し、設定する通信ポリシー設定監視部40と、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース予約確保部47と、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御する送受信制御部41とを備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】送受信制御装置4は、コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーを格納する通信ポリシーデータベース45と、通信ポリシーデータベース45に格納された通信ポリシーの中からオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーをオブジェクト毎に決定し、設定する通信ポリシー設定監視部40と、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース予約確保部47と、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御する送受信制御部41とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットに接続された情報配信サーバから移動通信端末に対してコンテンツを送受信する技術は従来から知られている(例えば特許文献1)。これらの技術においては、一定の通信ポリシー(通信プロトコルやQoSなど)に従ってコンテンツが送受信され、送受信されたコンテンツの内容に応じて情報量が算出されるとともに、送受信されたコンテンツのデータ量に応じて通信料が算出され、このように算出された情報料や通信料について課金処理が行われていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−78192号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今、情報配信サーバから配信されるコンテンツの内容やコンテンツの受信態様(どの様な通信形態でコンテンツを受信するか、どの様な場所でコンテンツを受信するかなど)の多様化に伴って、コンテンツを受信するユーザのニーズの多様化してきた。
【0005】
例えば、昨今、ストリーミング映像、静止画像、テキストなどの複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツの送受信が頻繁に行われるようになってきている。このようなマルチメディアコンテンツを受信するユーザの中には、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したいと考えるユーザもいれば、ストリーミング映像については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいと考えるユーザもいる。
【0006】
また、コンテンツを受信するユーザの中には、高額の料金を支払ってもよいから移動中であろうが家にいるときであろうがコンテンツを最高の通信品質で受信したいと考えるユーザもいれば、移動中は通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいと考えるユーザもいる。
【0007】
さらに、複数のコネクション、複数のセッションあるいは複数のトンネルを同時利用して複数のオブジェクトや複数のコンテンツを受信する場合、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したいと考えるユーザもいれば、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいと考えるユーザもいる。
【0008】
これに対して、一定の通信ポリシーに従ってコンテンツの送受信を行う上記従来の技術は、送信装置(例えば情報配信サーバ)から受信装置(例えば移動通信端末)に対してコンテンツを送信するに際し、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができない。
【0009】
また、一定の通信ポリシーに従ってコンテンツの送受信を行う上記従来の技術は、ストリーミング映像については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しい、移動中は通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというように、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができず、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができない。
【0010】
そこで本発明は、送信装置から受信装置に対してコンテンツを送信するに際し、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができるとともに、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てられる送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の送受信制御装置は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置であって、上記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御方法は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法であって、上記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた上記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御プログラムは、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された上記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御手段として機能させることを特徴としている。
【0014】
コンテンツを構成するオブジェクトを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御することで、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御装置は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置にであって、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御方法は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法であって、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御プログラムは、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段として機能させることを特徴としている。
【0018】
位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御装置は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置であって、上記送信装置と上記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御方法は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法であって、上記送信装置と上記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御プログラムは、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された上記送信装置と上記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段として機能させることを特徴としている。
【0022】
セッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0023】
本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0024】
通信リソースの使用状態に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、通信リソースの使用状態に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0025】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記送信装置と上記受信装置とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0026】
送信装置と受信装置とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、送信装置または受信装置の位置に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、送信装置または受信装置の位置を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0027】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0028】
既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、現時点における通信ポリシーの達成度に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、現時点における通信ポリシーの達成度を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0029】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0030】
オブジェクトまたはコンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0031】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる第1の通信ポリシーを決定し、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる第2の通信ポリシーを決定し、設定し、上記第1の通信ポリシーと上記第2の通信ポリシーとが異なる場合、上記通信リソースの使用状態の変化に応じて、上記第2の通信ポリシーが上記第1の通信ポリシーに近づくように、上記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことを特徴とすることも考えられる。
【0032】
上記第2の通信ポリシーが上記第1の通信ポリシーに近づくように、上記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことで、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮して通信ポリシーを設定することができ、その結果、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0033】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信リソース確保手段は、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、一定の条件を満たした将来の時点における上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを予約確保し、上記送受信制御手段は、上記通信リソース確保手段によって予約確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御することを特徴とすることも考えられる。
【0034】
一定の条件を満たした将来の時点におけるオブジェクトまたはコンテンツの送受信に用いる通信リソースを予約確保することで、通信リソースの使用状態やユーザからの要求などに応じて効率よく通信リソースを確保することが可能となる。その結果、オブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0035】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、通信形態に関するポリシー設定項目であるセッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数、セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当情報、通信プロトコル、コンテンツもしくはオブジェクトのデータ構造、コンテンツもしくはオブジェクトのデータ変換手法、当該通信ポリシーが適用されるための条件通信品質およびその保証手法に関するポリシー設定項目である使用する通信帯域およびその保証手法、目標とするスループットおよびその保証手法、許容されるジッターおよびその保証手法、許容される遅延時間およびその保証手法、許容されるパケット廃棄率およびその保証手法、情報の到達度合およびその保証手法、通信料金に関するポリシー設定項目である課金規則のうち少なくとも一つが含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、上記ポリシー設定項目のうち少なくとも1つを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0036】
通信ポリシーとしてこれらのポリシー設定項目を決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信を効果的に制御することができる。
【0037】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、上記使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大通信帯域を指定したベストエフォートモード、最小通信帯域を指定したプレミアムベストエフォートモード、最大通信帯域と最小通信帯域との双方を指定したプレミアムベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0038】
使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に使用する通信帯域を効果的に制御することができる。
【0039】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大スループットを指定したベストエフォートモード、最小スループットを指定したプレミアムベストエフォートモード、最大スループットと最小スループットとを指定したプレミアムベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0040】
目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるスループットを効果的に制御することができる。
【0041】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を、各パケットの最大許容ジッター時間間隔を指定するモード、または所定量のパケットの送信完了時間の最大許容ジッター時間間隔を指定するモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0042】
許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるジッターを効果的に制御することができる。
【0043】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、各パケットの最大許容遅延時間を指定するモード、または所定量のパケットの送信完了時間の最大許容遅延時間を指定するモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0044】
許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信における遅延時間を効果的に制御することができる。
【0045】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大許容パケット廃棄率を指定するモード、またはベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0046】
許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるパケット廃棄率を効果的に制御することができる。
【0047】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を、1つの送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード、互いに異なる複数の送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0048】
セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるセッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数を効果的に制御することができる。
【0049】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、通信プロトコルに関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、通信プロトコルに関するポリシー設定項目を、HTTPプロトコル、RTPプロトコル、トンネリングプロトコルのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0050】
通信プロトコルに関するポリシー設定項目を上記いずれかの通信プロトコルに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に用いる通信プロトコルを効果的に制御することができる。
【0051】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記送信装置、上記受信装置、または上記オブジェクトもしくは上記コンテンツの送受信経路上の中継装置から送信される通信ポリシーに関する要求に応じて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0052】
送信装置、受信装置、中継装置から送信される要求に応じて通信ポリシーを決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信の実行中であっても、送信装置、受信装置、中継装置のユーザの要求(例えば、コンテンツに映像が乱れてきたから通信品質を落として通信料金を安くしてもらいたいという受信装置のユーザの要求)に応じて、逐次、送信装置、受信装置、中継装置のユーザの要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0053】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには複数のポリシー設定項目が含まれており、上記複数のポリシー設定項目それぞれには優先度が付されており、上記通信ポリシー設定手段は、上記優先度に基づいて上記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0054】
複数のポリシー設定項目それぞれに優先度を付しておき、当該優先度に基づいて複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、通信帯域については必ずしも通信ポリシーが達成されなくても良い(優先度低)が、遅延時間については必ず通信ポリシーが達成されるようにしてほしい(優先度高)などというユーザのきめ細かな要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0055】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記送受信制御手段は、上記送信装置、上記受信装置および上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路上の中継装置のうちいずれか2以上の物理的装置に分散して配置されており、上記2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながら、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を制御することを特徴とすることも考えられる。
【0056】
送受信制御手段を2以上の物理的装置に分散して配置し、2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながらオブジェクトまたはコンテンツの送受信を制御することで、送受信制御手段の負荷を分散することができる。
【0057】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて上記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0058】
ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、例えばすべてのポリシー設定項目について要求可能なユーザ階級、特定のポリシー設定項目についての要求が制限されているユーザ階級など、ユーザ階級に応じた通信ポリシーの設定ができる。
【0059】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記送信装置と上記受信装置とのあいだにセッション、コネクション、またはトンネルが張られた状態で一定時間データの送受信が行われない場合、通信リソースの使用状態を緩和するように上記通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことを特徴とすることも考えられる。
【0060】
一定時間データの送受信が行われない場合に通信リソースの使用状態を緩和するように通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことで、通信リソースが無駄に占有することが防止され、通信リソースの有効利用が図れる。
【0061】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記通信ポリシーに含まれるポリシー設定項目について要求する達成目標値を設け、上記ポリシー設定項目の保証手法として、ギャランティモード、ベストエフォートモード、制限なしのベストエフォートモード、下限を指定したベストエフォートモード、上限を指定したベストエフォートモード、上限と下限を指定したベストエフォートモード、通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、オークション方式による優先度の差別化モードのいずれか1つを選択し、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態と上記達成目標値と実現値との許容乖離度とに基づいて上記達成目標値を算出し、設定し、上記送受信制御手段は、上記ポリシー設定手段によって設定された上記達成目標値を上記ポリシー設定項目について各時点において実現すべき目標値として、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を制御することを特徴とすることも考えられる。
【0062】
ポリシー設定項目について達成目標値を設け、ポリシー設定項目の保証手法として上記いずれかのモードを用いることで、達成目標値を用いてオブジェクトまたはコンテンツの送受信を好適に制御することができる。
【0063】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記送受信制御手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信タイミング、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に利用するセッション、セッションにおける上記オブジェクトまたは上記コンテンツの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位の変更方法、送受信データの同期タイミングを制御する機能と、上記オブジェクトまたは上記コンテンツについて算出された送受信完了予定時刻と上記ポリシー設定項目の実現値とを参照し、上記達成目標値を修正する機能と、保証手法としてギャランティモードまたは下限を指定したいずれかのモード設定されているポリシー設定項目については下限を確実に保証するとともに、それ以外のポリシー設定項目については上記達成目標値を目標とするベストエフォートで保証するように、上記オブジェクトまたは上記コンテンツに通信リソースを割り当てて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を行う送受信機能と、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に応じて上記オブジェクトまたは上記コンテンツに対する上記通信リソースの割り当てを変更することにより、上記達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御する達成度合制御機能とを有することを特徴とすることも考えられる。
【0064】
上述のごとく、オブジェクトまたはコンテンツに関する種々のパラメタを制御し、送受信完了予定時刻とポリシー設定項目の実現値とを参照して達成目標値を修正し、設定されているモードにしたがって通信ポリシーを保証しながらオブジェクトまたはコンテンツに通信リソースを割り当ててオブジェクトまたはコンテンツの送受信を行うとともに、オブジェクトまたはコンテンツの送受信順位に対する優先度に応じてオブジェクトまたはコンテンツに対する通信リソースの割り当てを変更することによって達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効果的に行うことができる。
【0065】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記送受信制御手段は、上記通信ポリシーまたは上記オブジェクトもしくは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に基づいて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位を制御する送受信順位制御機能と、経時的に変化する上記達成目標値に基づいて、上記オブジェクトまたは上記コンテンツ送受信順位を調整する送受信順位調整機能と、上記送受信順位を調整する比率を調整する比率調整機能とを有することを特徴とすることも考えられる。
【0066】
オブジェクトまたはコンテンツ送受信順位を調整し、送受信順位を調整する比率を調整することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信をさらに効果的に行うことができる。
【0067】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、上記通信ポリシーの決定方法と上記通信ポリシーの適用方法と上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度とを指定するメタポリシーを設定するメタポリシー設定手段をさらに備えたことを特徴とすることも考えられる。
【0068】
通信ポリシーの決定方法、通信ポリシーの適用方法、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度を指定するメタポリシーを設定することで、メタポリシーに応じた通信ポリシーの設定が可能となる。
【0069】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記メタポリシー設定手段は、ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を算出し、算出された達成目標値を上記ユーザに通知し、上記ユーザによって許可されると上記算出された達成目標値を設定するモード、ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を仮の達成目標値として設定し、通信リソースの空き状況に応じて、上記仮の達成目標値が上記ユーザから要求された達成目標値に近づくように上記仮の達成目標値を変更していくモードのいずれかのモードを上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に応じて選択し、上記通信ポリシー設定手段は、上記メタポリシー設定手段によって選択されたモードに従って、上記達成目標値を設定しなおすことを特徴とすることも考えられる。
【0070】
メタポリシー設定手段が通信リソースの使用状態に応じて上記いずれかのモードを選択し、選択されたモードに従って通信ポリシー設定手段が達成目標値を設定しなおすことで、通信リソースの使用状態に応じて好適な達成目標値の設定が可能となる。
【0071】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して要求する達成目標値を設け、上記ポリシー設定項目に対して、通信料金の最小化に向けたベストエフォートモード、通信料金の上限値、下限値の少なくとも一方を指定するモード、通信料金の発生手法の制限なしモードのうちいずれか1つのモードを選択するとともに、上記ポリシー設定項目の通信料金の予定金額あるいは実績金額に応じて、上記ポリシー設定項目の項目値または上記ポリシー設定項目の達成目標値を変更することを特徴とすることも考えられる。
【0072】
ポリシー設定項目に対して上記いずれかのモードを選択し、ポリシー設定項目の通信料金の予定金額あるいは実績金額に応じてポリシー設定項目の項目値またはポリシー設定項目の達成目標値を変更することで、通信料金を考慮した好適な通信ポリシーの設定が可能となる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかる配信制御装置(送受信制御装置)、配信制御方法(送受信制御方法)及び配信制御プログラム(送受信制御プログラム)について図面を用いて説明する。
【0074】
まず、はじめに、本実施形態にかかる配信制御装置が利用される情報配信システムの構成を説明する。図1は、本実施形態にかかる配信制御装置を含む情報配信システムのブロック図である。情報配信システム50は、マルチメディアコンテンツの送受信を行うための情報配信システムであって、マルチメディアコンテンツの送受信を行う通信システム52と、通信システム52におけるマルチメディアコンテンツの送受信を制御する配信制御装置4とを備えている。また、通信システム52は、通信端末装置1(受信装置)、配信中継装置2、及び情報配信サーバ装置3(送信装置)を含んで構成されている。
【0075】
通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツを送受信する端末装置である。通信端末装置1は、配信中継装置2と有線接続される場合と無線接続される場合がある。また、通信端末装置1は、配信中継装置2と無線接続される場合、移動端末と称されることがある。
【0076】
通信端末装置1は、例えば▲1▼携帯電話、▲2▼PHS、▲3▼次世代携帯電話、▲4▼携帯電話/PHS/次世代携帯電話の通信機能付きPDA、▲5▼携帯電話、PHS、次世代携帯電話の通信機能とパーソナルコンピュータとを接続した装置として構成される。
【0077】
通信端末装置1は、情報配信サーバ装置3から送信されたマルチメディアコンテンツをある指定された通信品質(QoS)で受信したり、指定された通信品質で情報配信サーバ装置3、配信中継装置2に対して送信することができるように構成されている。
【0078】
情報配信サーバ装置3は、通信端末装置1に対して送信するマルチメディアコンテンツが登録されているサーバ装置であり、必要に応じてマルチメディアコンテンツを通信端末装置1に送信する。また、情報配信サーバ装置3は、通信端末装置1、配信中継装置2あるいは他の情報配信サーバ装置から送信されてきたマルチメディアコンテンツを受信し、受信されたマルチメディアコンテンツを処理したり、通信端末装置1に対して送信するマルチメディアコンテンツとして登録する。
【0079】
配信中継装置2は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間で送受信されるマルチメディアコンテンツを中継する。また、マルチメディアコンテンツを中継する際、通信端末装置1、配信制御装置4もしくは情報配信サーバ装置3からの要求に応じて、または通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況(処理状況)に応じて、適宜、マルチメディアコンテンツのデータを変換し、指定された通信品質を維持するように、あるいは指定された通信品質に変更するといった配信中継制御を行うことができる。
【0080】
情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路Aと通信端末装置1と配信中継装置2との間の通信路Bとが異なる種類の通信路となっている場合や、通信路Aと通信路Bとが同じ種類の通信路ではあるがマルチメディアコンテンツを送受信する通信品質、通信形態などが両社で異なる場合においては、配信中継装置2は、通信路Aと通信路Bとを相互に接続するゲートウェイ装置として機能する。
【0081】
情報配信システム50で配信対象となるマルチメディアコンテンツは、1または複数のオブジェクトから構成される。また、マルチメディアコンテンツは、複数のマルチメディアコンテンツの組み合わせによっても構成することができる。
【0082】
オブジェクト単位とは、情報の送信側や、情報の受信側が、ある情報を送信する場合に、1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位である。又、提供情報、処理情報をオブジェクト単位毎にしたものを「オブジェクト」という。
【0083】
オブジェクト単位には、例えば、情報を構成するデータによって情報を区切るデータ単位がある。データ単位には、例えば、情報を構成するデータの種類によって情報を区切る類型単位、情報を構成するデータの容量によって情報を区切る容量単位がある。データの種類には、テキストデータ、静止画像データ、動画像データ、音声データ、プログラムデータなどがある。
【0084】
例えば、コンテンツの構成要素として内容的まとまりを持ったデータ集合をオブジェクトとすることもできる。すなわち、例えば、コンテンツの構成要素となるテキストデータ、静止画像データ、動画像(映像)データ、音声(ディジタル音声(VoIP)、アナログ音声)データ、音楽データ、3次元CGデータ、地図データ、アプリケーションプログラムデータ、データベースの構成データをオブジェクトとすることもできる(この場合、コンテンツの送受信単位としてまとまりをもったデータ集合であるパケットは含まない概念である)。例えば、図17に示すようなホームページ54(コンテンツ)の場合、当該ホームページ54の構成要素として内容的まとまりを持ったデータ集合であるストリーミング映像56,58、テキスト60、静止画像62(正確には、ストリーミング映像56,58、テキスト60、静止画像62それぞれを構成するデータ)がオブジェクトとなる。
【0085】
又、オブジェクト単位には、送信側と受信側との間のコネクション、セッション、トンネルによって情報を区切るコネクション単位、セッション単位、トンネル単位がある。更に、オブジェクト単位には、1回の呼でネットワークに接続している間を1つの単位とする呼単位がある。又、オブジェクト単位には、1つの提供情報や処理情報の送信開始から受信完了までを1つのアクセスとし、アクセスによって情報を区切るアクセス単位がある。アクセス単位には、アクセスの回数によって情報を区切るアクセス数単位、アクセスしている時間によって情報を区切るアクセス時間単位がある。
【0086】
オブジェクト単位には、時間によって情報を区切る時間単位がある。時間単位には、例えば、情報を、送信開始時刻から送信完了時刻までの間の時刻によって区切る単位、情報を送信開始から一定時間毎に区切る単位などがある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を受信する端末装置が存在する領域毎に区切る領域単位がある。オブジェクト単位には、領域に存在する端末装置の数や無線通信装置の数によって情報を区切る数単位がある。更に、オブジェクト単位には、課金対象毎に情報を区切る課金対象単位がある。
【0087】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を送信する配信サーバの通信部、処理サーバの通信部のような情報送信手段毎に区切る情報送信手段単位がある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する管理サーバの通信部、中継装置の通信部のような中継手段毎に区切る中継手段単位がある。更に、オブジェクト単位には、提供情報や処理情報毎に情報を区切る提供情報単位、処理情報単位がある。又、オブジェクト単位には、処理サーバの処理部が行う処理によって情報を区切る処理単位がある。例えば、処理単位には、処理部が提供情報の一部を翻訳する場合に、情報を翻訳する部分と、翻訳しない部分に区切る単位がある。
【0088】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を受信する端末装置の通信部、無線通信部のような提供情報受信手段毎に区切る提供情報受信手段単位がある。又、オブジェクト単位には、情報をユーザ毎に区切るユーザ単位がある。例えば、ユーザ単位には、情報をユーザID毎に区切るユーザID単位がある。
【0089】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する無線通信装置の無線通信部のような無線通信手段毎に区切る無線通信手段単位がある。例えば、無線通信手段単位には、情報をタグID毎に区切るタグID単位がある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する無線通信装置が付けられている対象物、対象領域毎に区切る対象物単位、対象領域単位がある。対象物単位、対象領域単位には、情報をモノID毎に区切るモノID単位、領域ID毎に区切る領域ID単位がある。
【0090】
又、オブジェクト単位には、グループ毎に情報を区切るコミュニティ単位がある。コミュニティ単位には、情報を、その情報を中継する複数の無線通信装置が形成するタググループ毎に区切るタググループ単位がある。タググループ単位には、情報をタググループID毎に区切るタググループID単位がある。又、コミュニティ単位には、情報を、その情報を受信する複数の端末装置が形成する端末グループ毎に区切る端末グループ単位がある。端末グループ単位には、情報を端末グループID毎に区切る端末グループID単位がある。
【0091】
図2は、図1に示した通信システム52におけるマルチメディアコンテンツの送受信の一例を示す模式図である。ここでは、オブジェクトA、B、Cという3つのオブジェクトから構成されたマルチメディアコンテンツの送受信の例を示している。図2に示す例では、オブジェクトA、B、Cは、いずれも同一の情報配信サーバ装置3に登録されており、この情報配信サーバ装置3から配信中継装置2を介して通信端末装置1へとオブジェクトA、B、Cが送信されることによって、マルチメディアコンテンツが送受信される。
【0092】
図3は、図1に示した通信システム52におけるマルチメディアコンテンツの送受信の他の例を示す模式図である。ここでは、図2と同様に、オブジェクトA、B、Cの3つのオブジェクトから構成されたマルチメディアコンテンツの送受信の例を示している。図3の例では、オブジェクトA、B、Cは、それぞれ異なる情報配信サーバ装置3a、3b、3cそれぞれに登録されており、これらの情報配信サーバ装置3a、3b、3cから配信中継装置2を介して通信端末装置1へとオブジェクトA、B、Cが送信されることによって、マルチメディアコンテンツが送受信される。
【0093】
情報配信システム50には、図1に示すように、さらに、配信制御装置4が設置されている。配信制御装置4は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1とのあいだで行われるマルチメディアコンテンツの送受信を制御するとともに、マルチメディアコンテンツの送受信に伴って発生した通信料金の課金処理を行う。ここで、通信料金とは、通信リソースの使用料金、マルチメディアコンテンツやオブジェクト自体の使用料金、その他通信リソースを使用するために発生した諸費用に関する料金をいう。
【0094】
続いて、本実施形態にかかる配信制御装置について詳しく説明する。まず、本実施形態にかかる配信制御装置の構成について説明する。配信制御装置4は、通信ポリシー設定監視部40(通信ポリシー設定手段)と、通信リソース予約確保部47(通信リソース確保手段)と、送受信制御部41(送受信制御手段)と、課金処理部42と、メタポリシー設定部43(メタポリシー設定手段)と、通信ポリシーデータベース45(格納手段)と、課金対応データベース46とを備えて構成される。
【0095】
通信ポリシーデータベース45には、マルチメディアコンテンツを受信するユーザごとに、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシー(あるいは通信ポリシーを決定するために必要な情報)が格納されている。ここで「オブジェクトを単位として適用可能」とは、「オブジェクト種別を単位として適用可能」という概念を含んでいる。
【0096】
ここで、通信ポリシーとは、送信装置から受信装置に対してデータを送受信する際に決めなければならないデータ送受信処理規則をいい、具体的には例えば下記の項目(以下、ポリシー設定項目という)が含まれる。なお、通信ポリシーに下記のポリシー設定項目のすべてを含む必要はない。
【0097】
(1)セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数
ここで「コネクション」とは、2つのプロセス(通信プログラム)のエンドポイントの組み合わせによって管理されるプロセス間(対応する装置間、例えば、通信端末装置と配信中継装置との間、配信中継装置と情報配信サーバ装置との間、配信中継装置とアクセス中継装置(アクセス中継装置については後述する)との間など)でデータの送受信を行うための仮想通信路をいう。さらに、「コネクションの確立」とは、通信環境を上記プロセス間の通信が可能な接続状態に設定し、その通信環境下で適用される通信ポリシーを設定して上記仮想通信路を確立することをいう。ただし、通信ポリシーを設定せずに仮想通信路を確立した後、上記コネクションに対して通信ポリシーを設定することができる。
【0098】
また、ここで「セッション」とは、通信の開始から終了までの一連の処理手順、通信方法、管理方法を定めた論理的な接続状態をいい、例えば、上記通信ポリシーの適用を定めた論理的な接続状態などが該当する。セッションは、識別子(セッションID)によって一意に特定することが可能である。セッションには、コネクションの概念のない論理的な接続状態であるセッションとコネクションの概念を持つ論理的な接続状態であるセッションが存在する。
【0099】
「コネクションの概念を持つ論理的な接続状態であるセッション」とは、コネクション上で行われる通信の開始から終了までの一連の処理手順、通信方法、管理方法を定めた論理的な接続状態をいう。この場合、コネクション上でやりとりされるデータの送受信状況が監視され、コネクション上に張られたセッションに設定された処理手順、通信方法、管理方法にしたがってデータの送受信処理が行われる。さらに、通信ポリシーの設定変更を行うためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度合の監視、通信ポリシーに基づいたデータ送受信制御は、セッションに対して設定された通信ポリシーにしたがって行われる。
【0100】
一方「コネクションの概念のない論理的な接続状態であるセッション」とは、コネクションを張らないで行われる通信の開始から終了までの一連の処理手順、通信方法、管理方法を定めた論理的な接続状態をいう。この場合、トランスポート層上でやりとりされるデータの送受信状況が監視され、トランスポート層上に張られたセッションに設定された処理手順、通信方法、管理方法にしたがってデータの送受信処理が行われる。またこの場合であっても、通信ポリシーの設定変更を行うためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度合の監視、通信ポリシーに基づいたデータ伝送制御は、セッションに対して設定された通信ポリシーにしたがって行われる。
【0101】
また、ここで「トンネル」とは、ある通信プロトコルAの環境において、通信プロトコルAとは異なる通信プロトコルBのデータを通す仕組みをいう。例えば、通信プロトコルBのパケットを通信プロトコルAでカプセル化し、通信プロトコルBのパケットがあたかも通信プロトコルAのパケットであるかのように見せかけて、プロトコルAの環境において通信プロトコルBのパケットを通す仕組みがトンネルに該当する。トンネルを用いることにより、ユーザが自由に設定したIPアドレスを用いてデータの送受信を行うことが可能となる。
【0102】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を、1つの送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード
▲2▼互いに異なる複数の送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード
などが設定される。
【0103】
(2)セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当情報
ここで、「割当情報」とは、コンテンツまたはオブジェクトを送信する際のセッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当方法をタイムスケジュールとともに示した情報をいう。例えば、「サブセットデータ1とサブセットデータ2とから構成されるオブジェクトを送信するにあたって、サブセットデータ1の送信については、時刻T1からT2まではセッション1・トンネル1を使用し、時刻T2以降はセッション2・トンネル2を使用する。また、サブセットデータ2の送信については、時刻T3から送信を開始し、セッション3・トンネル1とセッション4・トンネル4とを同時に使用する(セッション多重)。」という情報が割当情報に該当する。
【0104】
(3)通信プロトコル
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼HTTPプロトコル
▲2▼RTPプロトコル
▲3▼トンネリングプロトコル
などが設定される。
【0105】
(4)コンテンツもしくはオブジェクトのデータ構造
【0106】
(5)コンテンツもしくはオブジェクトのデータ変換手法、
ここで、「データ変換」とは、データ内容、データ構造、データ品質、データ表現形式、記述フォーマット、パケットペイロードフォーマットのうち少なくとも1つを変換することをいい、例えば、特定の内容を有する音声データから同一の内容を有するテキストデータへの変換、ストリーミング映像のフレームレートの変換、テキストデータと静止画像データと動画像データとから構成されるコンテンツからテキストデータと静止画像データとからなるコンテンツへの変換(この場合、動画像データは消去あるいはある瞬間の映像を静止画像データとする)などが考えられる。また、「データ変換手法」とは、データ変換の内容およびデータ変換を行うための条件(例えば「通信品質が特定の閾値以下に下がったらストリーミング映像のフレームレートを半分にする」など)をいう。
【0107】
(6)当該通信ポリシーが適用されるための条件
当該通信ポリシーが適用されるための条件としては、例えば、「ネットワークの輻輳度があらかじめ定めた一定値以上になったら当該通信ポリシーを適用する」というような条件が該当する。
【0108】
(7)使用する通信帯域およびその保証手法
「通信帯域」とは、単位時間に流れるデータ量であり、以下の式で表される。
通信帯域(bps)=通信速度(bps)×通信幅
ここで、「通信幅」とは、並行して利用できる通信路の数である。
【0109】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼最大通信帯域を指定したベストエフォートモード
▲2▼最小通信帯域を指定したプレミアムベストエフォートモード
▲3▼最大通信帯域と最小通信帯域との双方を指定したプレミアムベストエフォートモード
などが設定される。
【0110】
ここで「プレミアム」なモードとは、通信端末装置、配信中継装置、配信サーバ装置あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、これらの装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて、あらかじめ設定された上限値あるいは下限値によって規定される範囲内で、ポリシー設定項目の項目値が変動することを許容したモードである。
【0111】
特に「プレミアムベストエフォートモード」とは、通信端末装置、配信中継装置、配信サーバ装置あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、これらの装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて、あらかじめ設定された上限値あるいは下限値によって規定される範囲内で、ポリシー設定項目の項目値がベストエフォートに変動することを許容したモードである。
【0112】
(8)目標とするスループットおよびその保証手法
ここで、「スループット」とは、オブジェクトまたはコンテンツの送受信において、所定量のデータを送受信完了するまでの平均データ転送速度をいう。
【0113】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼最大スループットを指定したベストエフォートモード
▲2▼最小スループットを指定したプレミアムベストエフォートモード
▲3▼最大スループットと最小スループットとを指定したプレミアムベストエフォートモード
などが設定される。
【0114】
(9)許容されるジッターおよびその保証手法
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼各パケットの最大許容ジッター時間間隔を指定するモード
▲2▼所定量のパケットの送信完了時間の最大許容ジッター時間間隔を指定するモード
などが設定される。
【0115】
(10)許容される遅延時間およびその保証手法
ここで、「遅延時間」とは、目標RTT値からのずれの度合をいう。
【0116】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼各パケットの最大許容遅延時間を指定するモード
▲2▼所定量のパケットの送信完了時間の最大許容遅延時間を指定するモード
などが設定される。
【0117】
(11)許容されるパケット廃棄率およびその保証手法
ここで「パケット廃棄率」とは、受信したパケットの総量に対して、データ誤りなどによって廃棄されたパケットの量が占める割合をいう。
【0118】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼最大許容パケット廃棄率を指定するモード
▲2▼ベストエフォートモード
などが設定される。
【0119】
(12)情報の到達度合およびその保証手法
ここで「情報の到達度合」とは、送信装置から送信されたデータの総量に対して、受信装置によって正常なデータとして受信されたデータの量が占める割合である。ここで「正常なデータとして受信されたデータの量」とは、送信されたデータの総量からパケットロス、パケット廃棄、パケット遅延によって正常なデータとして受信されなかったデータの量を差し引いた量である。
【0120】
(13)課金規則
本ポリシー設定項目については、通信料金の課金規則が設定される。ここで、「通信料金」とは、通信リソースの使用料金、マルチメディアコンテンツやオブジェクト自体の使用料、通信リソースを予約使用するための予約料、通信ポリシーを適用するためのサービス料、送受信データの中継処理料金、データ変換処理料金、送信したデータのデータ量(例えば、バイト数)や送信したデータの種類(データが構成するコンテンツあるいはオブジェクト)に応じて発生する送信費用その他通信リソースを使用するために発生した諸費用に関する料金をいう。
【0121】
また、本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼発生する通信料金が最小になるように、適用可能なポリシー設定項目を選択するモード
▲2▼発生する通信料金がある一定値以下になるように、適用可能なポリシー設定項目を選択するモード
▲3▼発生する通信料金に上限を設けないモード
などの設定もできる。
【0122】
同様に、本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼End−Endで送受信したデータの送信に提供したあるいは予約確保した通信リソースに応じて課金するモード
▲2▼End−Endで送受信したデータの送受信で実現された通信ポリシー(通信品質)に応じて課金するモード
▲3▼End−Endで送受信したデータの送受信で予め予約確保した通信ポリシー(通信品質等)に対する実現された通信ポリシー(通信品質等)の達成度に応じて課金するモード
▲4▼End−Endで送受信するデータの内容に応じて課金するモード
▲5▼送信者と配信中継者と通信端末利用者間のネゴシエーションにより決定された課金単価で送受信されるデータ量に応じて課金するモード
▲6▼End−Endで送受信するある一定量のデータ量に応じて課金するモードなどの設定もできる。
【0123】
(14)通信ポリシーの達成度合
ここで「通信ポリシーの達成度合」とは、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目それぞれが目標値を達成する度合である。
【0124】
(15)通信ポリシーの許容乖離度
ここで「通信ポリシーの許容乖離度」とは、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目それぞれの実現値と目標値との間に許容される乖離度合である。
【0125】
(16)配信スケジュール
配信スケジュールとしては、例えば、オブジェクトまたはコンテンツの送信開始予定時刻の指定、送信完了予定時刻の指定、到達完了予定時刻の指定、ポリシー設定項目の適用タイミングなどが設定される。
【0126】
(17)同期タイミングの制御手法
同期タイミング制御手法としては、例えば、複合コンテンツをマルチアクセスにてダウンロードする場合の各コンテンツ(または各オブジェクト)のダウンロードタイミング、各コンテンツ(または各オブジェクト)について設定された通信ポリシーのポリシー設定項目の相互調整手法などが設定される。
【0127】
(18)データの収納形式
ここで、「データ収納形式」とは、パケット内へのデータの収納ルールをいい、例えば、パケットパケットにデータを収納するときに重要度の高いデータから順番にパケットの先頭アドレスから詰め込んでいくなどのルールが該当する。
【0128】
(19)その他
オブジェクトの到達完了時刻が目標到達時刻からどれだけ遅れたかを示す度合およびその保証方法など、上記以外のポリシー設定項目を設けてもよい。
【0129】
その他、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目のうち、通信品質に関するポリシー設定項目の保証方法については、ポリシー設定項目について要求する達成目標値を設けた上で、一般的に以下のような保証方法を用いてもよい。
▲1▼ギャランティモード、
▲2▼ベストエフォートモード、
▲3▼制限なしのベストエフォートモード、
▲4▼下限を指定したベストエフォートモード、
▲5▼上限を指定したベストエフォートモード、
▲6▼上限と下限を指定したベストエフォートモード、
▲7▼通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、
▲8▼通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、
▲9▼オークション方式による優先度の差別化モード
【0130】
ここで、「オークション方式による優先度の差別化モード」とは、利用したい通信品質や通信ポリシーについて、ユーザが希望の通信料金を合わせて要求し、そのときの最も高い通信料金を申請したユーザに対して、その通信ポリシー(通信リソース)を提供するモードをいう。この場合、ユーザの申請する通信料金の高さに応じて、より品質が高い通信リソースを提供することができる。ただし、通信リソースの提供については、一定の枠を設けておくことが好ましい。
【0131】
ここで、「保証方法」とは、設定項目値が、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、同装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて、データ通信に割り当てている通信リソースをどのように保証するかを示したもので、上記各方式にしたがって、割り当てる通信リソースが変更されるため、この方式におけるリソース割り当ての優先性を決定する方式をさす。
【0132】
特に、通信ポリシーのポリシー設定項目として、プレミアムベストエフォートな設定項目を設定した場合には、上記保証手法にしたがって、上記状況の変化に応じて割り当て直される通信リソースが決まる。また、例えば、UDP通信の上に仮想コネクションを保持した通信、例えば各セッションごとにステート情報を保持するコンテキストデータを生成保管しUDP通信の上に仮想コネクションを保持した通信が可能である。
【0133】
通信ポリシーを構成するポリシー設定項目のうち、通信品質に関するポリシー設定項目の保証方法については、通信料金との関係から、以下のような保証方法を用いることもできる。
▲1▼通信料金の最小化に向けたベストエフォートモード
▲2▼通信料金の上限値、下限値の少なくとも一方を指定するモード
▲3▼通信料金の制限が無いモード
【0134】
また、ここで、通信帯域、スループット、ジッター、遅延時間、パケット廃棄率、情報の到達度合などの通信品質は、上りと下りのデータの送受信に対して個別に決定し、変更することも可能である。例えば、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの、上り(アップロード)の送受信に割り当てる通信帯域等の通信品質について定めた通信ポリシーと、下り(ダウンロード)の送受信のために割り当てる通信帯域等の通信品質について定めた通信ポリシーとを、通信リソースの空き状況とネットワーク(通信路)の輻輳状況に応じて適宜決定あるいは変更してもよい。また、上りに割り当てる通信品質(通信帯域)と下りに割り当てる通信品質(通信帯域)の比率を、アクセスするオブジェクト、マルチメディアコンテンツのデータ量に応じて変更しても良い。
【0135】
また、通信ポリシーについては、以下のようなことを考慮しても良い。すなわち、また、コネクション又はトンネル又はセッションの何れかが確立された状態で、ある一定時間データの送受信が行われない場合、例えば課金体系によって段階的に作られた上限、下限付プレミアムベストエフォートな通信リソースを低料金、低品質の通信リソースへ、一時的に割当を変更するといった、通信リソースの割当を通信端末装置或いは情報配信サーバ装置のデータ送受信状況に応じて動的に変更するルールを通信ポリシーとして設定して利用し課金することが可能である。この際、一定時間の長さや通信リソースを落とし込むレベル、最低帯域保障などの設定値を、個々のユーザの課金体系によって詳細に設定できる。上記設定値は、一時的に割当を変更した後は、元のリソースを確保できるか保証はされない場合もあり、また割当て変更が解除されてもとの状態に戻るまで時間がかかる場合がある。
【0136】
また、データ送信に際して、データ送信者あるいはデータ受信者が、データ送信、あるいは受信時に適用する通信ポリシーを予約確保するとき、あるいは、プレミアムベストエフォートな設定項目を設定した場合に、割り当てる通信リソースを状況に応じて、例えば、設定項目値が、通信端末あるいは配信中継装置あるいは配信サーバ装置あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、同装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて変更するときに、割り当てるあるいは割り当て直す通信リソースを、(1)要求するタイミングの早いものを優先して割り当てる方式、(2)データ送信者あるいは受信者に与えられた優先度、送信するデータ、あるいはオブジェクト単位に設定された優先度にしたがって優先する方式、(3)データ送信者あるいは受信者の申請した課金単価、支払う通信料金にしたがって、もっとも高額な課金単価、あるいは支払う通信料を申請した申請者を優先して通信ポリシーを実現する度合いが高くなるように通信リソースを割り当てるオークション方式、(4)利用者均等にリソースを割り当てる方式、を使い分けて決定する。
【0137】
通信リソースは適用している通信ポリシーの設定項目値の許容変更量にしたがって変更される。通信リソースの割り当て量を同許容量を超えて大きく変更する場合は、通信ポリシーを変更して、通信リソースを再割り当てする。
【0138】
また、最適で最小の通信リソースをタイムリーに割り当てて、最適な通信QoSでオブジェクトの送受信を行うために、通信リソースの空き状況に応じて、通信ポリシーに従って同通信リソースの予約確保を行う。通信QoSとは、通信ポリシーの各種設定項目を合わせたQoSをさし、通信ポリシーにて実現される通信の手法、通信の形態をいう。
【0139】
極力数多くのオブジェクトの同時利用を実現するために、オブジェクト単位に通信品質若しくはその保証手法、通信料金の発生手法等を通信ポリシーとして設定し、ネットワークの輻輳状況若しくは通信リソースの負荷状況/使用状況に応じて、移動機、配信中継装置、配信サーバ装置の3者で協調して、適用する最適な通信リソースを、例えば上限、下限付のプレミアムベストエフォートな通信QoSを適宜予約確保する。
【0140】
ネットワークの輻輳状況が悪化した場合など、輻輳状況の変化に応じて、オブジェクト毎に適用された個々の通信ポリシーに固有の調整の仕方(手法)で通信品質(QoS)を調整する。
【0141】
また、通信状況に関する所定の比較値には、要求、適用又は設定された際の上記通信ポリシーの達成度合や維持度合、変化度合、通信リソースの輻輳状況又は上記通信状況の変化度合などが含まれる。
【0142】
また、通信ポリシー設定項目「配信プロトコル(通信プロトコル)」の設定例として、ルール:配信中継装置と通信端末装置(移動端末装置)との間でのマルチメディアコンテンツデータの送受信プロトコルは、配送データのデータサイズがある一定値以上の場合は、トランスポート層プロトコルとして、UDPプロトコルを選択し、同データサイズがある一定値以下の場合は、TCPプロトコルを使用する。
【0143】
配送データのデータサイズが途中、ある一定値A以下からある一定値以上に変化すると、変化に応じて配送プロトコルをUDPプロトコルからTCPプロトコルに変更する。再送発生率がある一定値B以上になった場合、配送プロトコルをTCPプロトコルに変更し、ある一定値以下に下がった場合は、UDPプロトコルに変更する。
【0144】
通信品質であるパケットの誤り率、ジッタ−、遅延、スループットがある一定値以上、あるいはある一定値以下に変化すると、UDPプロトコルからTCPプロトコルへ、あるいはTCPプロトコルからUDPプロトコルに、トランスポートプロトコルを動的に変更する。
【0145】
上記ある一定値、ルールは、通信ポリシーとして、通信端末装置、配信中継装置、配信サーバ装置のネゴシエーションにより、オブジェクト単位に設定する。
【0146】
通信ポリシーに設定された上記ルールにしたがって、オブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、マルチメディアコンテンツ単位、コネクション単位、セッション単位、あるいはトンネル単位に、トランスポートプロトコルをTCPプロトコル、あるいはUDPプロトコルに動的に切り替える。
【0147】
UDPプロトコルが選択された場合は、通信ポリシーにおいて設定された、セッションレベルの送受信制御手法とセッション制御プロトコルが選択される。
【0148】
図18は、通信ポリシーデータベース45の一例を示す図である。通信ポリシーデータベース45には、図18に示すように、マルチメディアコンテンツを受信するユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクト(例えばテキストa1、ストリーミング映像a2)を単位として適用可能な通信ポリシー(例えば通信ポリシーA1、通信ポリシーA2)が格納されている。
【0149】
図1に戻って、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベースに格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する。より具体的には、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベース45に格納されている通信ポリシーの中からコンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを選択(決定)し、設定する。図18の例を用いて説明すると、通信ポリシー設定監視部40は、ユーザAが通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間でテキストa1を送受信する場合、通信ポリシーA1を選択し、設定する。一方、ユーザAが通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間でストリーミング映像a2を送受信する場合、通信ポリシーA2を選択し、設定する。
【0150】
通信ポリシー設定監視部40は、さらに、
▲1▼オブジェクトの送受信経路における通信リソースの使用状態
▲2▼通信端末装置1と情報配信サーバ装置3とのうち少なくとも一方の位置情報
▲3▼既に設定されている通信ポリシーの達成度
▲4▼オブジェクトの送受信に要求されるリアルタイム性
などを考慮して、通信ポリシーを選択(決定)し、設定するような構成であってもよい。
【0151】
ここで「送受信経路における通信リソースの使用状態」は、送受信経路における通信ネットワークの輻輳状態、送受信経路上に存在する送信装置、中継装置、受信装置の負荷状態を含む概念である。
【0152】
また、ここで「要求されるリアルタイム性」とは、送信装置がオブジェクトをいち早く送信したいと望む度合であり、また、受信装置がオブジェクトの早期送信を要求する度合である。要求されるリアルタイム性Yは、例えば以下の式で求められる。
Y=y1+y2+y3+y4+y6+y7
y1=A(1)×p1[未送信データ量]/([送信完了予定時刻]−[現在時刻])
y2=A(2)×p2[未送信データ量]/[現時点において算出し直した送信完了予定時刻]
y3=A(3)×p3[未送信データ量]/[送信処理完了までの所要予定時間]
y4=A(4)×p4[未送信データ量]/[送信レート]
y5=A(5)×p5[未送信データ量]/[許容遅延時間(RTT)]
y6=A(6)×p6[未送信データ量]/[許容ジッター]
y7=A(7)×p7[未送信データ量]×[課金単価]
ここで、パラメータA(i)(1≦i≦7)は、それぞれの項目値の要求されるリアルタイム性の評価に寄与する重み付けであると同時に、項目値の次元(ディメンジョン/単位)を要求されるリアルタイム性の次元に変更するための係数であり、下記の関数g(ai,bi,ci,di,ei,fi)(1≦i≦7)により求められる。
A(i)=g(ai([通信ポリシー達成度]),bi([端末移動速度]),ci([端末位置情報]),di([通信リソース使用状況]),ei([ネットワークのトラヒック状況]),fi([課金総額]))
【0153】
まず、A(1)は、送信完了予定時刻−現在時刻が短いほど、要求されるリアルタイム性が高いオブジェクトであることを示すときの重み付けパラメータである。この送信完了予定時刻−現在時刻が、送信対象オブジェクトの要求されるリアルタイム性に寄与する程度を他の項目と比較しながら決定するものである。この決定に際しては、送信時の外部要因を考慮して、送信時の通信環境に即応させることを目的として、通信ポリシー達成度、端末移動速度、端末位置情報、通信リソース使用状況、ネットワークのトラヒック状況、発生した現時点までの課金総額それぞれの影響度をa1([通信ポリシー達成度]),b1([端末移動速度]),c1([端末位置情報]),d1([通信リソース使用状況]),e1([ネットワークのトラヒック状況]),f1([課金総額])によって斟酌したパラメタを引数とした関数g(a1,b1,c1,d1,e1,f1)を実行することによってA(1)を算出する。なお、A(2)〜A(7)も同様に算出する。
【0154】
さらに、A(1)は、未送信データ量が多いほど、各データに対して要求されるリアルタイム性が高くなることから、[未送信データ量]を掛けて未送信データ量を考慮したパラメタ値とする。さらに、各項目値間での要求されるリアルタイム性に与える影響度を考慮して、p1という重み付けをかけて項目間調整を行う。ここで、p2〜p7同様の意味を持つ。
【0155】
上式に示す要求されるリアルタイム性の中の、
y1=A(1)×p1[未送信データ量]/([送信完了予定時刻]−[現在時刻])
の示す意味について説明する。
【0156】
分母にくる項目は、その項目が大きくなるにしたがって、要求されるリアルタイム性が小さくなるような項目とし、分子に記載している項目は、その項目値が大きくなるにしたがって、要求されるリアルタイム性が大きくなる項目とする。したがって、未送信データ量が多いほど、要求されるリアルタイム性は大きくなる。
【0157】
例えば、要求されるリアルタイム性を提供すべき通信帯域で判定する場合について説明する。
【0158】
オブジェクト単位に送信完了時刻を設定した場合、送信完了予定時刻が現在時刻との差分が大きいほど、要求されるリアルタイム性(データの着信を求める緊急度)は小さいと考える。差分が大きいということは、それだけ送信に費やすことのできる時間が多いため、データの送信のために必要とする通信帯域はそれだけ小さくて済む。また、オブジェクトのデータサイズが大きいほど、決められた時間までに送信しなければならないデータ量が多いことになるため、それだけ要求される通信帯域が大きくなる。したがって、オブジェクトのデータサイズが大きいほど要求されるリアルタイム性は大きくなる。この場合、要求されるリアルタイム性は、オブジェクトデータの送信時に要求される通信帯域によってあらわすことができ、しかも要求される通信帯域は、オブジェクトの未送信データ量÷(送信完了時刻―現在時刻)により算出される。
【0159】
したがって、送信処理がネットワークの輻輳や通信リソースの使用状況、負荷状況が悪化して、オブジェクトの送信処理が予定通り(配信スケジュール通り)に進まなくなった場合、未送信データが予定以上に多く残り、送信処理を完了させなければならない送信完了予定時刻と現在時刻の差分がさらに小さくなってくることになるため、オブジェクトの未送信データの送信処理に対して要求されるリアルタイム性はなおいっそう高くなる。
【0160】
このような場合、要求されるリアルタイム性が次第に高くなってくるため、送信完了予定時刻を優先して守るという通信ポリシーを採用している場合、要求される通信帯域を割り当ててもらえる通信サービスでそのサービスの利用にあたっての通信リソースに空きがあれば、同送信サービスに段階的に切り替えて、通信料金が高くなるけれど要求されるルあるタイム性に応じた通信帯域を割り当てることにより、送信完了予定時刻を死守するような制御を行う。同送信サービスに通信リソースの空きがない場合は、さらに高額でサービス利用にあたっての通信リソースに空きがある送信処理サービスを策定することになる。
【0161】
通信ポリシーに通信料金に関する制約ルールとして、1パケットあたりの送信単価の上限を設けている場合、上限の送信単価にて利用できる通信帯域が、要求されるリアルタイム性を満足することのできる通信帯域を割り当てることができないため、このような場合、送信完了予定時刻を変更するか、送信オブジェクトのデータのデータ品質を制御して未送信データ量を低減して当初の送信完了予定時刻にオブジェクトの送信処理が完了するような配信(送信)制御を行う。
【0162】
このような対処法も通信ポリシーとして設定しておくことになるが、動的に対処法を通信ポリシーに加えてもよい。
【0163】
また、送信単価等の通信費を考慮しない場合は、通信費の上限という制約はなくなるが、要求されるリアルタイム性に相応の通信帯域を割り当てることのできる送信システムの空き状況を判定して、割り当てる通信帯域を制御する。
【0164】
ユーザの指示する配信期限、配信期間、配信開始等の要求に応じて通信ポリシーを設定し、同通信ポリシーに応じて、上記観測情報(ユーザ端末の位置情報、タグ(無線通信装置)の位置情報、通信ポリシー達成度、ネットワークの輻輳(トラヒック)状況、通信リソースの使用状況、送信データの要求されるリアルタイム性、時刻、ユーザ状態)を考慮して、配信(送信)制御を行う。
【0165】
ネットワーク監視者の判断に基づいて、ネットワークトラヒック、通信リソースの使用状況、ネットワーク/通信設備の負荷を負荷分散するような配信(送信)制御を通信ポリシーにしたがって、送信データの要求されるリアルタイム性を考慮の上実施する。
【0166】
また、ユーザの位置、通話中、会議中、移動中、あるエリア内にいる、あるタグの交信エリア内、移動機の交信エリア圏内、等のユーザの状態に応じた通信ポリシーを設定しておき、ユーザ状態に応じて、適宜適用する通信ポリシーを選択し、アクセス/提供するサービス内容、サービス品質、コンテンツを決定し、選択した通信ポリシーにしたがって配信(送信)制御する。ユーザの状態に応じて、例えば配信を停止し、ユーザの状態が変化したら送信を開始するといった通信ポリシーを設定し、データの要求されるリアルタイム性を考慮して、通信ポリシーを適用して送信制御を行う。
【0167】
配信予約に対して、ネットワークから取得可能なコンテンツを、ユーザ状態(通話中、待ち受け中、位置、同時アクセスしているコンテンツの数、移動機の通信リソースの使用状況、パケット通信により送受信している単位時間あたりのデータ量等)に応じて、サービス内容、サービス品質を決定して、通信ポリシーにしたがって送信制御する。
【0168】
通話中である場合は、通話が終了した後にデータを配信するもの、通話中に同時的に配信するコンテンツ等を予め通信ポリシーに登録して送信制御を行う。ユーザ端末の位置に応じて、配信するコンテンツ、適用する通信ポリシー、通信ポリシーの適用制限、サービス品質制限、送信するデータの要求されるリアルタイム性等を考慮して制御する。
【0169】
また、通信ポリシーとして、ネットワーク(通信路)設備、通信リソース、の閑散な使用状況を狙い撃ちした利用を指定した通信ポリシーを予約設定することにより、ネットワークリソース、通信リソースの有効利用を実現することができる。
【0170】
ユーザからの非リアルタイムコンテンツの配信要求に対しても、通信ポリシーを設定することにより、効果的な配信を実現することができる。
【0171】
特に、ユーザが配信要求する非リアルタイムコンテンツの要求されるリアルタイム性を考慮した配信制御を行うことにより、ユーザにストレスを感じさせることなく、ネットワークリソース、設備を効率的に使用したコンテンツの配信制御ができる。
【0172】
通信ポリシーのポリシー設定項目として、いつでもよいとか(送信完了期限を指定しない)、送信完了期限、配信期間等を、ネットワークの閑散時間帯を優先するように(ネットワークトラヒック量がある値以下のとき)、統計的トラヒックデータと指定された配信時期(配信開始完了、配送期間の要求/要望)にしたがって、ネットワークのトラヒック状況と通信リソースの使用状況、と配信データの要求されるリアルタイム性(配信完了期限を設定時に考慮する必要が発生する)を考慮して配信(送信)制御を行う。
【0173】
リアルタイム性を要求する度合いに応じて、通信リソースを割り当て、QoSを保証することでサービスを展開することになるが、まったくリアルタイム性が要求されない非リアルタイム性コンテンツについては、他のユーザが使用時に提供される通信品質、コンテンツ品質に制限を加えないように、遊休の通信リソースを優先して割り当てを行う。他のユーザからのリソースの予約要求が発生して、通信リソースが枯渇してくると、非リアルタイム性コンテンツは、通信リソースを一時解放して、リアルタイム性コンテンツ(データ)に、同コンテンツ(データ)の要求されるリアルタイム性に応じて通信リソースを提供する。通信リソースに空きができたときにのみ、通信リソースを割り当てて、コンテンツの送信を行うといった通信ポリシーが有効である。
【0174】
送信開始予定時刻は、予め配信スケジュールに登録される時刻である。オブジェクトの送信に必要な通信リソースが確保されていない場合は、通信リソースの確保が完了するまで、原則延期される。延期される時間の最大許容時間は、通信ポリシーに設定されている。要求されるリアルタイム性が高いオブジェクトほど、通信リソースの予約確保が完了するように優先処理される。
【0175】
ここで、リアルタイム性については、
▲1▼送信開始予定時刻−現在時刻が短いほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲2▼送信開始前に算出した当初の送信完了予定時刻−現在時刻が短いほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲3▼現時点において算出し直した送信完了予定時刻が現在時刻に近いほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲4▼送信処理完了までの所要予定時間が少ないほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲5▼送信レートが大きいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲6▼許容遅延時間(RTT)が小さいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲5▼許容ジッターが小さいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲6▼課金単価が大きいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲7▼課金単価が大きいほど、より高価な通信リソースを割り当てることを意味するため、要求されるリアルタイム性は高く設定する。
という性質がある。
【0176】
また、要求されるリアルタイム性が同一の場合、オブジェクトの未送信データサイズが大きいほど、未送信データの個々のデータに要求されるリアルタイム性は高くなる。
【0177】
ここで、位置情報に応じた要求されるリアルタイム性について説明しておく。位置情報、特に、ある特定の閉曲線により囲まれた領域(エリア)内のユーザに対して(エリア単位に)は、要求されるリアルタイム性による送信優先性に制限を加えることができる。この場合さらに、ある方向(方位センサーより得た情報にしたがって)を向いているユーザ、ある方向に移動しているユーザに対してのみ、要求されるリアルタイム性に基づく送信優先性に制限を加えたり、逆に、優先的に、高い要求されるリアルタイム性を与えて送信優先性を高く設定することができる。また、あるエリア内の通信端末に対して、同エリア内の通信端末の数、単位時間当たりの処理量、あるコミュニティ内で発生しているトラヒック総量、に応じて、要求できる、要求されるリアルタイム性に制限を加えることができる。合わせて、あるエリア内で発生するトラヒック量に制限を加えることができる。
【0178】
通信ポリシー設定監視部40は、設定した通信ポリシーを、配信対象であるマルチメディアコンテンツ情報とともに通信ポリシーデータベース45に登録する。
【0179】
通信ポリシー設定監視部40は、また、マルチメディアコンテンツの送受信の実行中における通信ポリシーの達成度合を監視する。
【0180】
通信リソース予約確保部47は、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいて、オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する。この場合、通信リソース予約確保部47は、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいて、一定の条件(例えば、「明日の0時になったら」とか「ネットワークの輻輳度が30%以下になったら」とかいう条件)を満たした将来の時点におけるオブジェクトの送受信に用いる通信リソースを予約確保する機能をも有している。
【0181】
送受信制御部41は、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいて、通信リソース予約確保部47によって確保された(あるいは予約確保された)通信リソースを用いたオブジェクトの送受信を制御する。より具体的には、送受信制御部41は、通信ポリシー設定監視部40の指示によって通信ポリシーデータベース45に登録されている通信ポリシーを読み出し、通信ポリシーにしたがって、マルチメディアコンテンツを構成する1または複数のオブジェクトのそれぞれの送受信を制御する。
【0182】
詳細には、送受信制御部41は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の通信路、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路、または配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路において、各装置間のそれぞれの通信路において設定された通信ポリシーにしたがって、1または複数のセッションにおけるデータの送受信を同時的かつ動的に制御する。そして、配信対象となっているマルチメディアコンテンツを構成している1または複数のオブジェクトを、それぞれが登録されている情報配信サーバ装置3から配信中継装置2を介して通信端末装置1へと送信する。
【0183】
適用される通信ポリシーは、マルチメディアコンテンツを構成する各オブジェクトを情報配信サーバ装置3から通信端末装置1へとダウンロード送信する際、あるいは通信端末装置1から情報配信サーバ装置3へとアップロード送信する際に用いられる通信形態、通信品質およびその保証手法、課金規則、データ変換手法、各種オブジェクト間の同期のタイミング制御手法などを規定するものであり、通常、上述した1または複数のポリシー設定項目から構成される。
【0184】
課金対応データベース46には、図6に示すように、通信ポリシーに応じた通信料金の算出規則(通信ポリシーと通信料金との対応表)が格納されている。
【0185】
課金処理部42は、マルチメディアコンテンツの送受信によって発生した通信料金を算出して課金処理を行う。具体的には、課金処理部42は、課金対応データベース46を参照し、通信ポリシー設定監視部40によって上述のごとく設定された通信ポリシーに従って通信料金を算出して課金処理を行う。
【0186】
図6に示した課金対応データベース46では、通信帯域、スループット、ジッター、遅延時間、到達度合、再送率、到達完了時刻、及びセッション数などの通信ポリシーのポリシー設定項目に対し、ギャランティモードまたはベストエフォートモードに対応する通信料金、達成目標値に対応する通信料金、及び目標値関数に対応する通信料金がそれぞれ示されている(例えば、通信帯域に対する通信料金A〜G参照)。マルチメディアコンテンツの送受信に対する通信料金は、これらの各項目に対する通信料金を参照して算出される。なお、各項目に対する通信料金は、具体的な料金の値、または料金を算出するための計算則などによって指定される。
【0187】
この場合、課金処理部42は、通信料金の課金先を、マルチメディアコンテンツ単位、オブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、オブジェクトを構成するデータ毎に設定することができるように構成されている。
【0188】
課金処理部42による通信料金の算出手法(あるいは課金手法)としては、例えば以下の手法が考えられる。
【0189】
(1)マルチメディアオブジェクトを送受信したときの通信ポリシーの達成度合に応じて通信料金を算出する。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信における通信ポリシーの達成度合に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0190】
(2)通信ポリシーとして設定されたポリシー設定項目の項目数、ユーザ階級を示す情報であるランク、優先度、通信品質の劣化度合、各ポリシー設定項目の達成度合に応じて通信料金を算出する。これにより、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目の具体的な内容に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0191】
(3)マルチメディアコンテンツを構成する1または複数のオブジェクトのそれぞれの送受信において実現された、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の通信路または配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路でのスループットまたはその特性に応じて通信料金を算出する。これにより、スループットに応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0192】
(4)送受信制御部41が複数のセッション間で同期を取りながら複数のオブジェクトのそれぞれを同時的に送受信している場合、送受信制御部41が複数のオブジェクトのそれぞれを同時的に送受信することによって発生した処理負荷に対する同期調整料を通信料金に加算する。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信における具体的な通信状況に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0193】
(5)マルチメディアコンテンツの送受信に際して、コネクション、トンネル、セッションのそれぞれに設定された通信ポリシー、あるいは通信ポリシーの達成度合に応じて、発生した通信料金を計算する。
【0194】
(6)通信ポリシーのポリシー設定項目に対する達成目標値を算出するための目標値関数を設けた場合、達成目標値の算出に適用する目標値関数に応じて通信料金を算出する。これにより、各ポリシー設定項目に対する達成目標値の算出方法に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0195】
(7)情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の通信路、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路、または配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路のそれぞれについて設定された通信ポリシーに対し、各装置間のそれぞれの通信路に対して課金先及び通信料金基準を設定し、各通信路で実現された通信ポリシーの達成度合に応じて、通信料金を算出する。これにより、各通信路での通信状況に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0196】
(8)情報配信サーバ装置から送出されたデータ量、すなわち、配信中継装置が情報配信サーバ装置から受信し中継送信したオブジェクトデータまたは中継送信した中継データを課金対象データとして通信料金を算出する。この場合、UDPで中継しようがTCPで中継しようが、一切関係なく、中継したオブジェクトのデータを課金対象データとして通信料金を算出する。ただし、通信料金の単価は、上記いずれかの手法にて算出する。したがって、通信端末へ送信されたオブジェクト毎のデータ量に対して、それぞれのデータが送信された時に実現された通信品質、中継事業者の設備の通信リソースの使用単価、オブジェクトデータの内容等に応じて、さらには、利用者の利用実績に応じて、通信料金の単価が計算され、通信料金が計算される。
【0197】
ここで、サーバ情報配信サーバ装置3から通信端末装置1に向かってオブジェクトを送信(ダウンロード)する場合は、配信中継装置2が情報配信サーバ装置3から受信し、通信端末装置1に向けて中継送信したオブジェクトのデータ量がパケットキャプチャ等によりカウントされ、オブジェクト毎に登録された課金先に対して課金処理がなされる。一方、通信端末装置1から情報配信サーバ装置3に対してオブジェクトをアップロードする場合は、配信中継装置2が通信端末装置1から受信し、情報配信サーバ装置3に向けて中継送信したオブジェクトのデータ量がパケットキャプチャ等によりカウントされ、オブジェクト毎に登録された課金先に対して課金処理がなされる。このように、送信元から送信され、配信中継装置から受信先へ中継送信されたオブジェクトのデータサイズによって、通信料金の算出時の課金対象データ量が算出される。
【0198】
(9)オブジェクトの送受信のために送受信されたパケットのデータサイズが送信元から送信されたオブジェクトのデータサイズから算出され、算出したデータサイズの通信料金を、送受信のために発生したコストとして通信料金に加算する。
【0199】
(10)認証処理その他特定の処理に対して、当該処理を行うためのコストを通信料金に加算する。
【0200】
(11)正常にオブジェクトの送受信が行われなかった場合は、正常なオブジェクトデータの送受信ができなくなった原因を作ったもの、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3のいずれか送受信処理が途絶える問題を発生したものがそれまでに送受信したオブジェクトデータの通信料金を負担する。
【0201】
(12)再送については、TCPトランスポートプロトコルによる場合は再送は課金対象外とし、UDPトランスポートプロトコルによる場合は原則課金対象として通信料金に加算する。
【0202】
(13)UDPトランスポートプロトコル採用時、セッションレベルにおける送受信制御のなかで、再送を指示したデータサイズが算定できる場合は、課金対象とすることも非課金とすることもでき、ネゴシエーションにて通信ポリシー策定時に決定する。
【0203】
(14)ユーザの利用実績に応じて、課金対象とするか非課金とするかを決定する。
【0204】
(15)ある特定のチェックポイントを通過するパケットデータのすべてを課金対象として、チェックポイントを通過したパケットのデータ量のみにて通信料金を計算する。
【0205】
(16)配信中継装置2において、中継したマルチメディアコンテンツデータを収納したパケットで通信端末装置1あるいは情報配信サーバ装置3に到達確認のとれたパケットと、同パケットを送受信するために必要なパケットを課金対象として、中継した課金対象パケットのデータ量のみにて通信料金を計算する。例えば、TCP/IP上でHTTPによりデータの送受信を行うシステムに対して以下に示す課金方法を指定する。ただし、トランスポート層にUDPを採用した場合は適用できない。
▲1▼マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトへのアクセス時に発生するすべての通信料金を、同コンテンツあるいは同オブジェクトのアクセス先に設定されている課金先に、課金処理する。
▲2▼配信中継装置2では、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトをダウンロードする場合、上りデータは、再送データを除いたデータを課金対象とし、下りデータは、TCP−ACKの受信を契機に送達確認がとれたデータを課金対象とする。また、アップロードする場合は、下りデータは、再送データを除いたデータを課金対象とし、上りデータは、TCP−ACKの受信を契機に送達確認がとれたデータを課金対象とする。ここで、下りとは、情報配信サーバ装置3から通信端末装置1に向けてマルチメディアコンテンツを送信する場合を指し、上りとは、通信端末装置1から配信中継装置2を経由して、情報配信サーバ装置3あるいは通信端末装置1に向けてマルチメディアコンテンツを送信する場合を指す。本方式は、受信Ackにより、課金パケットのデータサイズをカウントする方式である。
▲3▼課金対象とするパケットの種類は、TCPパケット:SYN(Synchronize sequence number)、ACK(Acknowledgment field significant)、FIN(No more data from sender)、RST(Reset the from connection)である。
【0206】
(17)配信中継装置2において、マルチメディアコンテンツデータを収納したパケットで通信端末装置1あるいは情報配信サーバ装置3に向けて送受信中継したパケットの中再送パケットを除いたパケットを課金対象として、▲1▼中継した課金対象パケットのデータ量から計算した通信料金、▲2▼同コンテンツのアクセスのために送受信が必要となる▲1▼以外のパケットの送受信データサイズは、予めマルチメディアコンテンツサイズが決まると、論理的に決定することが可能であるため、この論理的に算出したパケットの送受信サイズを計算することによって算出した通信料金、▲3▼パケットの送受信のために使用した通信リソースの使用料、適用された通信ポリシー、あるいは同通信ポリシーの適用に際して実現された通信ポリシーの達成度に応じて発生する通信料金を加算して、TOTALの通信料金を計算する。
【0207】
例えば、TCP上、あるいはUDP上でHTTPによりデータの送受信を行うシステムに対して以下に示す課金方法を指定する。配信中継装置2では、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトをダウンロードあるいはアップロードする場合、マルチメディアコンテンツデータを収納したパケットのみをカウント対象とし、Ack受信したパケットを課金対象としてカウントするのではなく、上り、下り共に、再送同パケットを除いた同パケットを課金対象とする。
【0208】
(18)使用単価に以下のような制約を付けることができる。例えば、各種パケットの送受信単価、通信リソースの使用単価等に対するマルチメディアコンテンツのアクセス利用時の、上限額あるいは下限額等を設定し、通信ポリシーの選択あるいは通信リソースの予約確保のためのネゴシエーション時において、同条件を満足するように、通信ポリシーの各通信ポリシー設定項目を選択し、また通信リソースの予約確保を実施する。通信端末装置1、配信中継装置2、情報サービス中継通信サーバ、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置などの間で、ネゴシエーションを行って、通信ポリシーを設定、変更する。
【0209】
例えば、同制約例として、
▲1▼指定したマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの送受信時のパケットの送受信単価の上限値あるいは下限値の設定
▲2▼指定したマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトを送受信する時間帯に対して許容するパケットの送受信単価の上限値あるいは下限値の設定
▲3▼通信ポリシーのネゴシエーション時の要求する通信形態、通信品質、通信品質の保証手法の各々の予約確保における通信料金の総額あるいはパケット単位当たりの発生上限額あるいは発生下限額の設定
などが考えられる。
【0210】
(19)以下に示すように、通信ポリシーの設定項目であるデータの到達性というQoSに基づいて課金する。
【0211】
データの到達性というポリシー設定項目において100%と指定すると、受信データに欠落があってはならないため、欠落したパケットデータについては必ず再送保証することになる。到達性90%とは、10%のデータがロスあるいは欠損してもよいと宣言してデータの送信を行うものである。
【0212】
UDP転送する場合、例えば、通信ポリシーの設定項目の到達性により再送処理の発生頻度が変わるが、到達性を満足した送信が達成された場合は、送信データの内到達性として指定されたオブジェクトデータのデータ量を課金対象とみなす方法と情報配信サーバ装置から送信されたすべてのデータを課金対象とする方法がある。前者は、到達性として保証したデータのみ課金対象とする方法で、後者は、送信するがデータが送信先に到達するのは、到達性で示す割合しか保証しないけれど、送信パケットのすべてを到達しようが未達となろうが課金対象とする方法である。両者ともに、到達保証されない分のデータが到達すると得をしたという感覚を与え、到達を保証しない分をロスすることがあり得るが、その不確実性分を料金に反映させ低価格に設定することにより、ユーザに価格面でのメリットを感じさせる効果がある。
【0213】
そのときのオブジェクトデータの送信通信料は、同データ量と、通信ポリシーの設定項目から算出した通信単価から計算される。到達性の項目値が高い値が設定されるほど通信単価は高く設定される。
【0214】
ただし、UDP転送して何も到達性を向上させるための特別な処理を実施しない場合の到達性を下限とした到達性の料金設定を行うことになる。この下限との差分が課金単価に反映されることになる。
【0215】
そのデータを送信するために要したデータ転送量は、論理的なシーケンスにより算出し、送信のために必要となった通信料金として換算カウントする。到達性に指定した項目値に応じた通信料金を通信リソースの使用単価を考慮しながら算出し合算してTOTALの通信料金を算出する。
【0216】
再送の発生原因が通信端末装置と情報配信サーバ装置でない限り再送のために要した料金は、配信中継装置の運営業者が負担する。
【0217】
このような課金の計算手法を採用することにより、到達性の監視をして配信中継装置が配信中継したデータサイズをパケットキャプチャするだけで到達性というQoSに基づいた課金処理が容易で効率的に実現できる。
【0218】
また、課金処理部42は、通信ポリシーの達成度合またはマルチメディアコンテンツの送受信での送受信データ量の少なくとも1つに応じて、適用された通信ポリシーに基づく通信料金基準となる課金単価を設定または変更することができるようになっている。
【0219】
メタポリシー設定部43は、マルチメディアコンテンツの送受信を行う通信システム52におけるネットワークの輻輳状況または通信リソースの使用状況、および通信システム52内の各装置における処理状況に応じた通信ポリシー設定監視部43の処理の制御則としてメタポリシーを設定する。例えば、メタポリシー設定部43は、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、通信ポリシーの決定方法と通信ポリシーの適用方法と通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度とを指定する。ここで「ポリシー設定項目を達成する優先度」とは、複数のポリシー設定項目が通信ポリシーとして設定されている場合に、ネットワークの輻輳状況または通信リソースの使用状況、通信システム52内の各装置における処理状況、通信ポリシーの達成状況などに応じて、どのポリシー設定項目を優先して実現していくのかを定めた指標である。
【0220】
また、メタポリシー設定部43は、例えば、
▲1▼ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を算出し、算出された達成目標値をユーザに通知し、ユーザによって許可されると当該算出された達成目標値を設定するモード
▲2▼ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を仮の達成目標値として設定し、通信リソースの空き状況に応じて、仮の達成目標値が上記ユーザから要求された達成目標値に近づくように仮の達成目標値を変更していくモード
のいずれかのモードを、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態に応じて選択する。
【0221】
ここで、通信ポリシー設定監視部40は、メタポリシー設定部43によって設定されたメタポリシーに従って達成目標値を設定しなおし、通信ポリシーを決定し、設定する。例えば、上記▲2▼のモードが設定された場合、通信ポリシー設定監視部40は、図19に示すように、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる第1通信ポリシー(情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との2者の要求から2者が満足する通信ポリシー)を決定し、また、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる第2通信ポリシーを決定し、設定し、第1通信ポリシーと第2通信ポリシーとが異なる場合、通信リソースの使用状態の変化に応じて、第2通信ポリシーが第1通信ポリシーに近づくように、上記第2通信ポリシーを決定しなおし(調整し)、設定しなおす。
【0222】
また、この第1通信ポリシー及び第2通信ポリシーを用いる方法と、ポリシー設定項目に対して優先度を設定する方法(詳細は後述する)とを併用することも可能である。すなわち、第2通信ポリシーから第1通信ポリシーへの通信ポリシーの調整に関し、その調整方法を優先度に応じて制御することができる。具体的には、例えば、システム内の通信リソースの空き状況に応じ、第2通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して設定された優先度に基づいて、それぞれのポリシー設定項目に対する変化度合を設定または変更する方法がある。あるいは、ポリシー設定項目の変化度合以外の調整用のパラメータを優先度に応じて設定または変更しても良い。
【0223】
上述したように、配信制御装置4は、通信システム内の所定装置の動作、例えば、配信中継装置2におけるマルチメディアコンテンツの送受信の中継を、通信ポリシーにしたがって制御することにより、マルチメディアコンテンツの送受信を制御する。また、配信制御装置4は、マルチメディアコンテンツの配信中継サービス提供時に、要求または実現された通信ポリシーにしたがって通信料金を算出して課金する。発生した通信料金に応じて、通信ポリシーのポリシー設定項目あるいはポリシー設定項目の目標値を変更する。
【0224】
一方、配信中継装置2は、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、またはオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路上の中継装置から送信される通信ポリシーに関する様々な要求、例えばマルチメディアコンテンツの送受信の通信帯域、遅延時間(RTT値)、ジッター、スループット、達成完了時刻などの、通信ポリシーに関する新たな要求、あるいは要求した通信ポリシーの維持達成を目的とした通信ポリシーの達成状況を、適宜受け付ける。配信中継装置2は、受け付けた要求あるいは通信ポリシー達成状況を適宜配信制御装置4に通知する。配信制御装置4の通信ポリシー設定監視部40では、受け取った要求にしたがって、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1とネゴシエーションして適用する通信ポリシーを再策定し、新たに適用する通信ポリシーを配信中継装置2に通知する。配信中継装置2は、通知された通信ポリシーにしたがって、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1間のマルチメディアコンテンツの送受信中継制御を行う。
【0225】
また、配信制御装置4は、受け取った通信ポリシーの達成状況にしたがって、適用されている通信ポリシーの達成度合を向上させるため、配信中継装置2における実現目標値としてのポリシー設定項目の目標値を変更し、配信中継装置2に通知する。配信中継装置2は、配信制御装置4から受け取った新たなポリシー設定項目目標値にしたがって、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1間のマルチメディアコンテンツの送受信中継制御を行う。
【0226】
図4は、図1に示した情報配信システムの具体的な構成例を示すブロック図である。図4に示す情報配信システムでは、通信端末装置1として、移動パケット通信網のパケット通信サービスを受ける移動機1aが用いられている。この移動機1aは、移動パケット通信網に接続されるほか、移動電話網にも接続されており、移動電話の通信サービスを受けることも可能となっている。
【0227】
移動機1aは、ユーザが音声通話を行うための音声入出力部、基地局5との無線通信を行う無線部、液晶パネル等で構成された情報表示部、数字入力、文字入力等の情報入力操作が行われる操作部等を設けるほか、これら各部を制御するマイクロコンピュータを内蔵している。また、移動機1aは、マルチメディアコンテンツ閲覧用のソフトウェア(いわゆるブラウザ)を搭載しており、情報配信サーバ装置3から移動通信網を介して供給されるオブジェクト等のデータに基づいて、マルチメディアコンテンツを表示させる。
【0228】
また、移動機1aは、例えば、モバイル通信網において、パケット通信サービスを受け、音声通話を行うための音声入出力手段、モバイル通信網に接続して無線通信を行う無線通信手段、映像、イメージ、3次元CG、地図、テキスト等からなるマルチメディア情報(マルチメディアコンテンツ)を表示する表示手段、テキスト、イメージ、映像、音声(アナログ音声、VoIP)、音楽、3次元CG、地図、プログラム(iアプリ(iアプリはNTTドコモの登録商標))、各種データ(バイナリデータ)等からなるマルチメディアコンテンツの入力操作を行う入力操作手段、モバイル通信網より受信したマルチメディアコンテンツを格納するメモリ、モバイル通信網より受信したプログラムや既内蔵されたプログラムを実行して上記移動端末の各手段の制御を行うマイクロコンピュータが内蔵されている。
【0229】
この場合、マルチメディアコンテンツとして情報配信サーバ装置3からダウンロードしたプログラムを上記メモリに格納して実行するといった利用が可能となる。
【0230】
また、移動パケット通信網は、基地局5、配信中継装置2であるゲートウェイサーバ2a、加入者データベース6、配信制御装置4、及びこれらを接続する通信回線によって構成されている。基地局5は、地上を例えば半径500m等の範囲で分割した所定間隔で配置されており、各々が形成する無線ゾーンに在圏した移動機1aとの間で無線通信を行う。
【0231】
ゲートウェイサーバ2aは、移動機1a側の通信システムである移動パケット通信網と、情報配信サーバ装置3側の通信システムである専用線やインターネット、有線通信網などの他のネットワークとを相互接続するための移動パケット関門中継交換局に備えられたコンピュータシステムである。
【0232】
このゲートウェイサーバ2aは、ネットワーク間で異なる通信プロトコルの変換を行うとともに、情報配信サーバ装置3と移動機1aとの間でのマルチメディアコンテンツの送受信を中継する。なお、基地局5とゲートウェイサーバ2aとの間には、必要に応じて、パケット加入者処理装置が設けられる(特開2000−78192号公報参照)。
【0233】
加入者データベース6は、移動機1aを利用する移動パケット通信網の加入者の登録情報からなる加入者登録情報ファイル、及び情報配信者である情報配信サーバ装置3の登録情報からなる情報配信者登録情報ファイルを保持している。加入者登録情報ファイルには、各加入者に対応する移動機1aの電話番号や、氏名などの加入者の属性データが格納されている。また、情報配信者登録情報ファイルには、各情報配信者に対応する事業者名や、ネットワーク上のアドレスなどのデータが格納されている。なお、配信制御装置4、及び情報配信サーバ装置3については、図1に関して上述した通りである。
【0234】
続いて、本実施形態にかかる配信制御装置及び配信制御装置が利用される情報配信システムの動作について説明する。図5は、図1に示した情報配信システム50における情報配信方法の一例を示す図である。まず、通信端末装置1は、配信中継装置2(または図示しないパケット加入者処理装置)に対してパケット登録を行う(ステップS100)。このパケット登録とは、通信端末装置1が移動パケット通信網との間でパケット交換を可能とするためにあらかじめ行う登録手続きである。このパケット登録が完了すると、通信端末装置1は、配信中継装置2に対して回線接続要求信号を送信する(S101)。一方、配信中継装置2は、回線接続が可能な場合、回線接続応答信号を通信端末装置1へと返送する(S102)。これにより、通信端末装置1と配信中継装置2との間でパケット交換が可能となる。
【0235】
通信端末装置1と配信中継装置2との接続が確立したら、通信端末装置1は、接続したい情報配信サーバ装置3またはダウンロードしたいマルチメディアコンテンツを指定して、接続要求信号を送信する(S103)。配信中継装置2は、これを受けて、指定された情報配信サーバ装置3との間でリンクを確立し(S104)、通信端末装置1からの接続要求信号を情報配信サーバ装置3へと通知する。
【0236】
ここで、「リンク」とは、パケット方式おけるパケットリンクであり、また回線交換方式における回線接続のことを指す。「リンクを確立」とは、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置等、各装置間において通信路が通信可能状態であることを確認し、各上記装置において通信開始前の準備処理を完了させ、データの送受信が可能となる状態にすることをいう。
【0237】
なお、パケットリンク方式による接続処理とは、通信端末装置が配信中継装置あるいはアクセス中継装置あるいは情報配信サーバ装置に対して、パケット登録を行ってパケット交換が可能な状態にすることである。また、パケット登録とは、通信端末装置がパケット通信網等の各種通信網との間でパケット交換を可能とするために予め行う各種登録手続きである。
【0238】
また、ここで「回線接続」とは、パケット方式におけるパケットリンクの確立と回線交換方式における回線接続の両方式の通信開始前の準備処理を意味する。これら上記両方式による処理は「コネクションの確立」の一部の処理として実施する場合がある。
【0239】
配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間でリンクが設定されると、情報配信サーバ装置3は、指定されたマルチメディアコンテンツのダウンロードに必要な通信ポリシーを、配信制御装置4の通信ポリシー設定監視部40へと通知する(S105)。
【0240】
通信ポリシー設定監視部40は、通信端末装置1に対して、情報配信サーバ装置3から要求された通信ポリシーを通知する(S106)。また、このとき、通信ポリシー設定監視部40によって監視されている各時点での通信状況、例えば通信端末装置1との間の無線通信路における輻輳状況、各装置での通信の処理状況及び負荷状況などが、合わせて通信端末装置1に通知される。通信端末装置1は、通信端末装置1の性能や処理負荷配分などを参照し、配信対象のマルチメディアコンテンツのダウンロードに割振ることが可能な通信ポリシー案を通信ポリシー設定監視部40へと通知する(S107)。
【0241】
通信ポリシー設定監視部40は、通信端末装置1から通知された通信ポリシー案を受けて、情報配信サーバ装置3に対して、通信端末装置1からの通信ポリシー案を通知する(S108)。また、このとき、通信ポリシー設定監視部40によって監視されている各時点での通信状況が、合わせて情報配信サーバ装置3に通知される。
【0242】
情報配信サーバ装置3は、先に要求した通信ポリシー、及び通信端末装置1からの通信ポリシー案を参照し、情報配信サーバ装置3としての通信ポリシー案を通信ポリシー設定監視部40へと通知する(S109)。配信制御装置4の通信ポリシー設定監視部40は、通知された通信ポリシー案を通信端末装置1に通知し(S110)、通信端末装置1側の了解または修正指示を得た後(S111)、直ちに、マルチメディアコンテンツの送受信開始の指示を情報配信サーバ装置3へと通知する(S112)。情報配信サーバ装置3は、了解または修正指示に基づいて通信ポリシーを設定し、マルチメディアコンテンツの送受信を開始する。
【0243】
まず、情報配信サーバ装置3は、1または複数のオブジェクトから構成される配信対象のマルチメディアコンテンツについて、マルチメディアコンテンツの構成情報を、配信中継装置2を介して通信端末装置1へと送信する(S113)。通信端末装置1は、構成情報を参照し、情報配信サーバ装置3との間でマルチメディアコンテンツのダウンロードに必要なコネクションを確立する(S114)。
【0244】
通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間でコネクションを確立したら、通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツの構成情報にしたがって、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトのダウンロードの開始要求信号を、そのオブジェクトに対して設定された通信ポリシー情報とともに、情報配信サーバ装置3へと送信する(S115)。情報配信サーバ装置3は、受け取った通信ポリシー情報等にしたがって、通信端末装置1へとオブジェクトの送信を開始する(S116)。なお、マルチメディアコンテンツの各オブジェクトを送信するためのセッションについては、必要に応じて確立する。
【0245】
通信端末装置1へのマルチメディアコンテンツの送受信が完了すると、通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツ受信の確認応答信号を配信中継装置2へと送信する(S117)。一方、情報配信サーバ装置3が通信端末装置1に対するマルチメディアコンテンツの送受信を完了すると、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間のコネクションが解放される(S118)。また、配信制御装置4の課金処理部42は、実行を終了したマルチメディアコンテンツの送受信について、発生した通信料金を算出し、所定の課金先に対して課金を行う。
【0246】
なお、例えば、通信端末装置1からマルチコールにて、異なる複数の情報サービスサーバ(例えばiモードサーバ)と接続し、それぞれのサーバ経由で複数の情報配信サーバ装置3と複数のコネクションを確立して、設定された通信ポリシーにしたがって、異なる複数のマルチメディアコンテンツへと同時的にアクセスすることも可能である。
【0247】
続いて、上述した情報配信方法について、マルチメディアコンテンツの送受信におけるオブジェクトの送受信制御方法についてさらに詳しく説明する。
【0248】
配信制御装置4の送受信制御部41は、マルチメディアコンテンツを構成するそれぞれのオブジェクトに適用する通信ポリシー、通信ポリシーを適用するタイミング、及びオブジェクトの送受信の順序をあらかじめ定めた送受信のダウンロードスケジュールにしたがい、設定された通信ポリシーを適用して1または複数のオブジェクトのそれぞれの送受信を制御する。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信を効率的に実行することができる。
【0249】
送受信制御部41は、マルチメディアコンテンツの構成情報にあるダウンロードスケジュールにしたがって、オブジェクトの送信要求を対応する通信ポリシーとともに情報配信サーバ装置3へと送信して、オブジェクトのダウンロードの指示要求を出す。このとき、複数のオブジェクトのダウンロードが同時的に指示されている場合には、それぞれのオブジェクトについて使用するセッションIDを指定して複数のセッションを確立し、複数のオブジェクトのダウンロードの要求をそれぞれ対応する情報配信サーバ装置3に同時的に要求する。
【0250】
なお、オブジェクトのダウンロードの要求においては、要求する通信ポリシーが達成できない場合について、(1)通信ポリシー設定監視部40が決定した通信ポリシーによって送受信を開始することをあらかじめ了承するモード、(2)再度、通信ポリシー設定監視部40が設定した通信ポリシーを通知してもらって許可した場合に限り、オブジェクトの送受信を開始するモード、及び(3)オブジェクトの送受信を中止するモードに分けて要求を行うことが好ましい。
【0251】
また、送受信制御部41は、情報配信サーバ装置3から送信されてくるオブジェクトデータ(パケットデータ)を、設定された通信ポリシーにしたがって、配信中継装置2を介して通信端末装置1へと送信する。
【0252】
このとき、必要があれば、送受信制御部41は、各オブジェクトデータについて優先度を判定し、判定された優先度を参照してデータの送受信を行うことが好ましい。すなわち、送受信制御部41は、配信中継装置2において受信した情報配信サーバ装置3からのオブジェクトデータについて、設定されている優先度が高いデータを優先度が高いデータと判定し、または、設定されている通信ポリシーを参照してデータの優先度を判定する。そして、配信中継装置2において、優先度が高いと判定されたデータから優先的に送受信を中継する。
【0253】
一方、通信ポリシー設定監視部40は、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトの送受信が実行されている間、その実行状況を監視する。通信ポリシー設定監視部40は、指定されたセッションでのオブジェクトの送受信が設定された通信ポリシーによって実行されているかどうかを監視する。また、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目について、設定された項目内容に対して、オブジェクトの送受信に実際に用いられた項目内容を監視して、通信ポリシーデータベース45に登録する。
【0254】
また、通信ポリシー設定監視部40は、ネットワークの輻輳状況、システム内の通信リソースの使用状況、システム内の各装置での通信の処理状況及び負荷状況などの通信状況を監視する。ここで、ネットワークの監視については、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間(エンド−エンド間)の通信路、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路、及び配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路のそれぞれに対して監視を行う。
【0255】
また、通信ポリシー設定監視部40は、オブジェクトの送受信を実行する前後においても、通信システムでの通信状況を監視することが好ましい。この場合、各時点での通信状況を参照して、通信ポリシーの設定等を行うことができる。また、オブジェクトの送受信の実行中においては、各時点での通信状況に応じて通信ポリシーが制御される。
【0256】
このような通信ポリシーの制御では、通信ポリシー設定監視部40において、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して要求する達成目標値を設けておくことが好ましい。このように達成目標値を設定することにより、各ポリシー設定項目を好適に制御することができる。
【0257】
具体的には、例えば、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム内の通信リソースの使用状況、システム内の各装置での通信の処理状況、及び達成目標値と実現値との許容乖離度に基づいて、達成目標値を算出して設定する。そして、送受信制御部41は、この設定された達成目標値を、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目について各時点で実現する目標値として、各オブジェクトの送受信を制御する。達成目標値の算出方法については、達成目標値の算出に適用する目標値関数を設けておき(例えば図22参照)、目標値関数の関数値を各時点での達成目標値として設定する方法を用いることができる。
【0258】
また、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム内の通信リソースの使用状況、システム内の各装置での通信の処理状況を監視し、その変化に応じて達成目標値を設定または変更することによって、達成目標値を動的に制御しても良い。例えば、通信ポリシー設定監視部40は、通信の輻輳状況及び処理状況を監視して、その変化または一定値以上の変動を検出する。または、通信ポリシーの達成目標値と実現値との乖離度が、あらかじめ設定された許容乖離度を超えたことを検出する。
【0259】
この場合、通信ポリシー設定監視部40は、許容乖離度を超えたポリシー設定項目について、その設定項目に対する新たな達成目標値を算出して、達成目標値を更新する。送受信制御部41は、更新された達成目標値を参照して、オブジェクトの送受信を行う。
【0260】
また、各種のポリシー設定項目における通信料金又は通信料金の発生手法の予定あるいは実績発生総額に応じて、要求するポリシー設定項目、またはポリシー設定項目の達成目標値を動的に変更することとしても良い。これにより、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目、またはポリシー設定項目に対する達成目標値を好適に制御することができる。
【0261】
また、メタポリシー設定部43によって行われるメタポリシー設定動作は、要求したポリシー達成目標値に対して、(a)現在提供できる通信リソースをチェックして、提供可能なポリシー達成目標値を提言し、ユーザが許可するとそのポリシー達成目標値が採択されるモード、及び、(b)現在提供できる通信リソースでは達成できないポリシー達成目標値であっても、ユーザの要求するポリシー達成目標値として受理し、現在のリソース状況から提供できる達成目標値を設定し、リソースの空き状況に応じて、適宜仮の達成目標値を変更し、ポリシー達成目標値へと達成目標値を近づけるモード、のいずれか1つのモードを選択することとしても良い。
【0262】
この場合、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム内の通信リソースの使用状況、及びシステム内の各装置での通信の処理状況に応じて、上記したモードを選択することが好ましい。また、選択されたモードに対応して、通信ポリシー設定監視部40が、ポリシー達成目標値、及び達成目標値を設定し直すことが好ましい。
【0263】
ポリシー設定項目に対して達成目標値を設定した場合でのオブジェクトの送受信制御は、例えば以下のように行われる。
【0264】
送受信制御部41は、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトのデータの送受信タイミング、送受信に利用するセッション、セッションでの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、送受信順位の変更方法、送受信順位の優先度、及び送受信データの同期タイミング、を含む送受信タイミングを制御する。そして、マルチメディアコンテンツに含まれる所定のデータに対して設定または動的に算出された送受信完了予定時刻、及び通信ポリシーを構成するポリシー設定項目の実現値を参照し、必要に応じて、達成目標値及び許容乖離度を調整する。
【0265】
さらに、ギャランティモードまたは下限を指定したモードについては確実に保証し、それ以外の目標設定値についてはベストエフォートで保証するように通信リソースを割振ってオブジェクトの送受信処理を行う。そして、達成目標値に向けたオブジェクト毎での通信ポリシーの達成度合を、オブジェクト毎の優先度に応じて通信リソースの割振りを調整することによって制御する。
【0266】
また、オブジェクトのデータの送受信順位については、送受信順位を、通信ポリシーまたは各データの送受信順位に対する優先度に基づいて制御する。また、要求または動的に算出した達成目標値に応じて、送受信順位を調整する。そして、必要に応じて、送受信順位を調整する比率を調整する。このような送受信制御方法によれば、達成目標値及び通信ポリシーの達成度合に応じて、あるいはオブジェクトの送受信順位に応じて、マルチメディアコンテンツの送受信を好適に制御することができる。
【0267】
続いて、本実施形態にかかる配信制御装置の効果について説明する。配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40がコンテンツを構成するオブジェクトを単位として通信ポリシーを設定し、通信リソース予約確保部47が当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、送受信制御部41が当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御する。したがって、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。その結果、マルチメディアコンテンツの送受信を効率良く行うことが可能となる。
【0268】
また、配信制御装置4においては、課金処理部42が、オブジェクト単位に与えられた通信ポリシーに基づいて、あるいはオブジェクト単位に与えられた通信ポリシーにしたがって実行された送受信における通信ポリシーの達成度合に基づいて、マルチメディアコンテンツの送受信に対して課金する通信料金を算出する。したがって、実行された通信条件や通信状況を反映した通信料金を算出することができるので、通信料金の課金を好適に行うことが可能となる。
【0269】
例えば、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトとしては、上述のごとくテキストデータ、イメージデータ、アプリケーションプログラムなどの様々なデータがある。このため、オブジェクトを情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間で送受信する際の通信ポリシーの適用では、オブジェクトの類型や個々のオブジェクトのデータ量などにより、効率良くオブジェクトを送受信するための好適な通信ポリシーが異なってくる場合がある。
【0270】
これに対して、上述のようにオブジェクト単位で通信ポリシーを設定するとともに、オブジェクト単位の通信ポリシーまたはその達成度合から通信料金を算出することにより、マルチメディアコンテンツの送受信、及びそれによって発生する通信料金の課金を好適に行うことが可能となる。
【0271】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が通信リソースの使用状態に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、通信リソースの使用状態に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0272】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が、情報配信サーバ装置3と通信端末装置2とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて通信ポリシーを決定し、設定する。したがって、情報配信サーバ装置3または通信端末装置2の位置に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、情報配信サーバ装置3と通信端末装置2の位置を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0273】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、現時点における通信ポリシーの達成度に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、現時点における通信ポリシーの達成度を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0274】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40がオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に要求されるリアルタイム性に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に要求されるリアルタイム性を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0275】
また、配信制御装置4においては、上記第2の通信ポリシー(通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる通信ポリシー)が上記第1の通信ポリシー(通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる通信ポリシー)に近づくように、通信ポリシー設定監視部40が上記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすこともできる。したがって、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮して通信ポリシーを設定することができる。その結果、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0276】
また、配信制御装置4においては、通信リソース予約確保部47が、一定の条件を満たした将来の時点におけるオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に用いる通信リソースを予約確保することもできる。したがって、通信リソースの使用状態やユーザからの要求などに応じて効率よく通信リソースを確保することが可能となる。その結果、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0277】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1、配信中継装置2から送信される要求に応じて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信の実行中であっても、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1、配信中継装置2のユーザの要求(例えば、コンテンツに映像が乱れてきたから通信品質を落として通信料金を安くしてもらいたいという通信端末装置1のユーザの要求)に応じて、逐次、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1、配信中継装置2のユーザの要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0278】
また、配信制御装置4においては、メタポリシー設定部43が、通信ポリシーの決定方法、通信ポリシーの適用方法、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度などを指定するメタポリシーを設定する。したがって、メタポリシーに応じた通信ポリシーの設定が可能となる。
【0279】
また、配信制御装置4においては、メタポリシー設定部43が通信リソースの使用状態に応じて達成目標値に関するモードを選択し、選択されたモードに従って通信ポリシー設定監視部40が達成目標値を設定しなおす。したがって、通信リソースの使用状態に応じて好適な達成目標値の設定が可能となる。
【0280】
また、配信制御装置4においては、課金処理部42が、通信料金の課金先を、マルチメディアコンテンツ単位、オブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、オブジェクトを構成するデータ毎に設定することができるように構成されている。異なる複数の事業者が運営する複数のオブジェクトデータにより構成されたマルチメディアコンテンツを送受信しても、それぞれのオブジェクトに設定された課金先に課金することができるなど、異なる事業者間のさまざまなマルチメディアコンテンツを容易に相互利用することが可能となり、また、マルチメディアコンテンツ作成の分業化、流通を促進する効果がある。
【0281】
以下、本実施形態にかかる配信制御装置4の変形例について説明する。配信制御装置4は、配信制御プログラムをコンピュータにインストールすることによって構成することもできる。この場合、配信制御プログラムは、上述した通信ポリシー設定監視部40、送受信制御部41、課金処理部42、メタポリシー設定部43、通信リソース予約確保部47それぞれの機能をコンピュータに実現させるプログラムである。
【0282】
また、上記配信制御装置4においては、通信ポリシーデータベース45に、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の情報配信サーバ装置(送信装置)または通信端末装置(受信装置)の集合を単位として適用可能な通信ポリシー(通信ポリシーに関する情報)を格納しておき、通信ポリシー設定監視部40が、通信ポリシーデータベース45に格納された通信ポリシーに基づいて、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の情報配信サーバ装置または通信端末装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定するように構成してもよい。
【0283】
ここで「情報配信サーバ装置または通信端末装置の位置情報」とは、情報配信サーバ装置または通信端末装置の位置(例えば緯度や経度)、移動方向(例えば真北を0°とした方位)、移動速度のいずれか一つを含む概念である。また、ここで「ユーザ設定によって決定される複数の情報配信サーバ装置または通信端末装置の集合」には、例えば、特定のサービスにユーザ登録しているユーザの利用する通信端末装置の集合などが含まれる。
【0284】
図20は、この場合の通信ポリシーデータベース45の一例を示す図である。通信ポリシーデータベース45には、図20に示すように、マルチメディアコンテンツを受信するユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに、ユーザの使用する通信端末装置1の位置情報(緯度、経度、方位)を単位として適用可能な通信ポリシー(例えば通信ポリシーA1、通信ポリシーA2、通信ポリシーA3)が格納されている。
【0285】
この場合、通信ポリシー設定監視部40が、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として通信ポリシーを設定し、通信リソース予約確保部47が、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、送受信制御部41が、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御する。従って、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0286】
また、上記配信制御装置4においては、通信ポリシーデータベース45に、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシー(通信ポリシーに関する情報)を格納しておき、通信ポリシー設定監視部40が、通信ポリシーデータベース45に格納された通信ポリシーに基づいて、セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定するように構成してもよい。
【0287】
図21は、この場合の通信ポリシーデータベース45の一例を示す図である。通信ポリシーデータベース45には、図21に示すように、マルチメディアコンテンツを受信するユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに、セッション(例えばセッション1、セッション2)を単位として適用可能な通信ポリシー(例えば通信ポリシーA1、通信ポリシーA2)が格納されている。
【0288】
この場合、通信ポリシー設定監視部40が、セッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、通信リソース予約確保部47が、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、送受信制御部41が、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御する。従って、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0289】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれに優先度が付されている場合、通信ポリシー設定監視部40が、優先度に基づいて通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定するようにしてもよい。すなわち、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム50内の通信リソースの使用状況に応じて通信ポリシーを構成するポリシー設定項目のそれぞれに対する優先度を設定しておき、オブジェクト単位に設定される通信ポリシーの1または複数のポリシー設定項目について、それぞれのポリシー設定項目の設定を制御する際に、通信ポリシー設定監視部40がこれらの優先度を参照する。
【0290】
ポリシー設定項目毎に設定される優先度を利用した通信ポリシーの制御方法としては、通信ポリシー設定監視部40が、ネットワークの輻輳状況に応じ、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して設定された優先度に基づいて、それぞれのポリシー設定項目に対する維持度合を設定または変更する方法がある。あるいは、ポリシー設定項目の維持度合以外の制御用のパラメータを優先度に応じて設定または変更しても良い。ここで、ポリシー設定項目の維持度合とは、各ポリシー設定項目の内容を維持する度合である。
【0291】
また、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対してベストエフォートモードが設定されている場合には、マルチメディアコンテンツ単位またはオブジェクト単位に設定された優先度に基づいて、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム50内の通信リソースの使用状況に応じた通信ポリシーのポリシー設定項目の変化度合を設定または変更することが好ましい。あるいは、マルチメディアコンテンツ単位またはオブジェクト単位に設定された優先度に基づいて、通信ポリシーでの通信品質の劣化度合を設定または変更することが好ましい。これにより、ベストエフォートモードでの通信ポリシーの制御を好適に行うことができる。
【0292】
図22は、優先度が付されたポリシー設定項目の一例を示す図である。図22に示す例ではポリシー設定項目である「通信帯域」の優先度が1、ポリシー設定項目である「遅延時間」の優先度が2となっていることから、通信ポリシー設定監視部40は、優先度の高いポリシー設定項目である「遅延時間」に関する通信ポリシーを優先して通信ポリシーの決定を行う。
【0293】
複数のポリシー設定項目それぞれに優先度を付しておき、当該優先度に基づいて複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、通信帯域については必ずしも通信ポリシーが達成されなくても良い(優先度低)が、遅延時間については必ず通信ポリシーが達成されるようにしてほしい(優先度高)などというユーザのきめ細かな要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0294】
また、上記実施形態においては、説明の便宜上、配信制御装置4が物理的な1つの装置に内包されるものとしてとして説明してきたが、配信制御装置4における各機能要素(通信ポリシー設定監視部40、送受信制御部41、課金処理部42、メタポリシー設定部43、通信ポリシーデータベース45、課金対応データベース46、通信リソース予約確保部47)の全部または一部は、物理的に分離された他の装置に設けられていても良い。
【0295】
例えば、送受信制御部41が、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2あるいはオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路上に存在する他の中継装置のうちいずれか2以上の物理的装置に分散して配置されていてもよい。この場合、送受信制御部41は、上記2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながら、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)の送受信を制御することになる。送受信制御部41を2以上の物理的装置に分散して配置し、2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながらオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を制御することで、送受信制御部41の負荷を分散することができる。
【0296】
なお、図1に示した情報配信システム50では、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間に、配信中継装置2を設置している。これにより、移動通信システムに接続された通信端末装置1と、有線通信システムに接続された情報配信サーバ装置3との間でマルチメディアコンテンツの送受信を行う場合等も含めて、様々な形態の通信システム52においてマルチメディアコンテンツの送受信を行うことができる。ただし、この配信中継装置2については、不要であれば配信中継装置2を設けず、情報配信サーバ装置3から通信端末装置1へと直接にマルチメディアコンテンツの送受信を行う構成としても良い。
【0297】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が、ユーザ階級(換言すれば、通信ポリシーに含まれるポリシー設定項目に関するユーザの制約度合)を示す情報であるランクに基づいて上記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することもできる。
【0298】
ここで、「ランク」について説明しておく。「ランク」とは、上述の如くユーザ階級を示す情報であり、階級の高さに応じて、利用できるポリシー設定項目に制限を設けるために用いられる。したがって、ユーザは、ユーザに与えられたランク以下のランクが付されているポリシー設定項目の設定利用ができることになる。ユーザに与えられるランクは、ユーザの属性、通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス利用契約内容といった静的な(固定的な)要因によって与えられるランクと、ユーザの利用状況(通信ポリシーを適用したデータの送受信量、適用回数など)、通信リソースの使用状況、ネットワークのトラヒック状況(輻輳状況)、利用するサービスの課金の高さ、通信ポリシー達成状況、送信データの送信時に要求されるリアルタイム性、ユーザの存在しているエリア、ユーザの向いている(あるいは移動している)方向といった動的な要因に応じて与えられる。
【0299】
静的な要因にて与えられるランクは、原則変更されないものであるが、動的要因に基づいて通信ポリシー適用時に利用できるポリシー設定項目に制限が設けられることがある。
【0300】
一方、動的要因にて与えられるランクは、適宜状況に応じて、与えられるランクが変動するものである。通信ポリシー適用時/予約設定時には、静的要因と動的要因に基づいて与えられるランクを組み合わせて、例えば、静的要因と動的要因に基づいて与えられるランクのうち高い方のランクによって、利用できるポリシー設定項目が決定される。
【0301】
ランクは、ユーザ単位、送信オブジェクト単位に決定されるが、送信データの送信処理時に動的に決定される要求されるリアルタイム性にしたがって割り当てられるランクは、送信処理しようとするデータ単位に動的に割り当てる。したがって、緊急性の高い、リアルタイム性の高いデータの送信優先性に応じたランクを動的に割り当てることによって、優先送信するためのポリシー設定項目の利用が可能となるため、送信対象データの送信処理を優先処理することができる。
【0302】
ランクによって、予め通信ポリシーとして利用できるポリシー設定項目として設定していなくても利用できるポリシー設定項目を設けておくことにより、送信処理時の状況に応じて送信処理に適用するランクを調整することにより、適用する通信ポリシーを動的に変更することが可能となる。すべての送信処理を通信ポリシーにしたがって処理することが可能となる。
【0303】
この場合、複数のポリシー設定項目のそれぞれに対して設定されたランクについて、通信ネットワークの輻輳状況または情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じ、それぞれのランクを設定または変更することが好ましい。
【0304】
ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、例えばすべてのポリシー設定項目について要求可能なユーザ階級、特定のポリシー設定項目についての要求が制限されているユーザ階級など、ユーザ階級に応じた通信ポリシーの設定ができる。
【0305】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1とのあいだにセッション、コネクション、またはトンネルが張られた状態で一定時間データの送受信が行われない場合、通信リソースの使用状態を緩和するように上記通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすこともできる。
【0306】
一定時間データの送受信が行われない場合に通信リソースの使用状態を緩和するように通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことで、通信リソースが無駄に占有することが防止され、通信リソースの有効利用が図れる。
【0307】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40がポリシー設定項目の保証手法(例えばギャランティモード、ベストエフォートモード、制限なしのベストエフォートモード、下限を指定したベストエフォートモード、上限を指定したベストエフォートモード、上限と下限を指定したベストエフォートモード、通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、オークション方式による優先度の差別化モード)が選択した場合、通信ポリシー設定監視部40がオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態と、上記ポリシー設定項目の達成目標値と実現値との許容乖離度とに基づいて上記達成目標値を算出し、設定し、送受信制御部41が、通信ポリシー設定監視部40によって設定された上記達成目標値を上記ポリシー設定項目について各時点において実現すべき目標値として、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)の送受信を制御することもできる。
【0308】
ポリシー設定項目について達成目標値を設け、達成目標値を用いてオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を制御することで、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を好適に制御することができる。
【0309】
また、配信制御装置4においては、送受信制御部41は、さらに、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)の送受信タイミング、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に利用するセッション、セッションにおける上記オブジェクトまたは上記コンテンツの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位の変更方法、送受信データの同期タイミングを制御する機能と、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)について算出された送受信完了予定時刻と上記ポリシー設定項目の実現値とを参照し、上記達成目標値を修正する機能と、保証手法としてギャランティモードまたは下限を指定したいずれかのモード設定されているポリシー設定項目については下限を確実に保証するとともに、それ以外のポリシー設定項目については上記達成目標値を目標とするベストエフォートで保証するように、上記オブジェクトまたは上記コンテンツに通信リソースを割り当てて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を行う送受信機能と、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に応じて上記オブジェクトまたは上記コンテンツに対する上記通信リソースの割り当てを変更することにより、上記達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御する達成度合制御機能とを有するように構成することもできる。
【0310】
上述のごとく、オブジェクトまたはコンテンツに関する種々のパラメタを制御し、送受信完了予定時刻とポリシー設定項目の実現値とを参照して達成目標値を修正し、設定されているモードにしたがって通信ポリシーを保証しながらオブジェクトまたはコンテンツに通信リソースを割り当ててオブジェクトまたはコンテンツの送受信を行うとともに、オブジェクトまたはコンテンツの送受信順位に対する優先度に応じてオブジェクトまたはコンテンツに対する通信リソースの割り当てを変更することによって達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効果的に行うことができる。
【0311】
また、配信制御装置4においては、送受信制御部41が、上記通信ポリシーまたは上記オブジェクトもしくは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に基づいて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位を制御する送受信順位制御機能と、経時的に変化する上記達成目標値に基づいて、上記オブジェクトまたは上記コンテンツ送受信順位を調整する送受信順位調整機能と、上記送受信順位を調整する比率を調整する比率調整機能とを有するように構成することもできる。
【0312】
オブジェクトまたはコンテンツ送受信順位を調整し、送受信順位を調整する比率を調整することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信をさらに効果的に行うことができる。
【0313】
また、上記実施形態においては、オブジェクト単位に設定されるポリシー設定項目とは別に、マルチメディアコンテンツ単位に設定されるポリシー設定項目を設けても良い。そのような項目としては、例えば、同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数、及びその保証方法、マルチメディアコンテンツ全体の到達完了時刻及びその保証方法、オブジェクト間の同期の実現方法及びその保証方法などがある。また、これらの項目についても、コンテンツ単位ではなくオブジェクト単位又は、マルチメディアコンテンツ単位、又はコネクション単位又は、トンネル単位又は、セッション単位に設定しても良い。
【0314】
また、上記実施形態においては、通信ポリシーの一部を、マルチメディアコンテンツ自体に、その構成情報として内包させることもできる。そのような通信ポリシーとしては、例えば、オブジェクト毎のレンダリングの方法及びタイミング、オブジェクト間のレンダリング時の同期のタイミングの指示、オブジェクト毎のオブジェクトを構成するデータやレンダラーなどのプログラムのダウンロード方法及びタイミングなどがある。また、これらの通信ポリシーについても、マルチメディアコンテンツに構成情報として内包せず、情報配信サーバ装置3や配信中継装置2、通信端末装置1においてオブジェクトデータと構成情報とを分離して実現し、利用時にリンクさせることも可能である。
【0315】
また、上記実施形態において、上記した配信プロトコルについては、送受信するオブジェクトの類型に応じて、好適なプロトコルが選択されることが好ましい。例えば、テキストやイメージに対するHTTPプロトコル、映像に対するRTPプロトコル、データに対するトンネリングプロトコルなどである。
【0316】
ここで、配信プロトコルとして、トンネリングプロトコルが設定されたオブジェクトを送受信する場合には、トンネルが確立される。そして、トンネル内に確立されたセッションを通じて、コネクション、トンネル、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、オブジェクトの送受信が行われる。
【0317】
また、配信プロトコルとして、トンネリングプロトコル以外のプロトコルが設定されたオブジェクトを送受信する場合には、コネクション確立後にセッションを確立し、セッションを通じて、コネクション、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、オブジェクトの送受信が行われる。
【0318】
配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベース45に登録されている情報等を参照して、マルチメディアコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーをオブジェクト単位に設定する。このとき、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベース45の情報に加えて、通信システムを構成している各装置からの要求を参照して通信ポリシーを設定することとしても良い。
【0319】
すなわち、通信ポリシー設定監視部40は、(1)情報配信サーバ装置3からの要求に応じて通信ポリシーを設定する設定方法、(2)情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との2者からの要求に応じて、2者と協調して通信ポリシーを設定する設定方法、または、(3)情報配信サーバ装置3と配信中継装置2と通信端末装置1との3者からの要求に応じて、3者と協調して通信ポリシーを設定する設定方法、のいずれかの設定方法を用いて、適用する通信ポリシーを設定することもできる。これにより、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、及び通信端末装置1のそれぞれでの通信の処理状況や各装置の通信性能等に応じて、好適な通信ポリシーを設定することができる。
【0320】
この場合、通信ポリシー設定監視部40は、マルチメディアコンテンツの送受信中において、通信ポリシーを動的に設定しても良い。例えば、オブジェクトの送受信を制御する送受信制御部41が、ネットワークの輻輳状況に応じ、通信ポリシー設定監視部40に対してオブジェクト単位に通信ポリシーの変更要求を行うことが好ましい。また、通信ポリシー設定監視部40が、ネットワークの輻輳状況に応じ、オブジェクト単位に通信ポリシーを動的に設定または変更することが好ましい。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信の実行中における通信状況に応じて、各時点での好適な通信ポリシーをオブジェクト単位に動的に設定することができる。
【0321】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40は、通信状況自体に限らず、通信状況の変化度合に応じて、通信ポリシーを設定または変更することとしても良い。
【0322】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシーデータベース45に、通信ポリシーを適用するために適用ルールをオブジェクト単位にあらかじめ定めておいても良い。このように、通信ポリシーを制御するための適用ルールを用いることにより、通信ポリシーの制御を簡易かつ確実に実行することができる。この場合、通信ポリシー設定監視部40は、ネットワークまたは情報配信サーバ装置3の輻輳状況に応じ、オブジェクト単位に定められた適用ルールにしたがって、オブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを設定または変更する。
【0323】
また、配信制御装置4において、メタポリシー設定部43については、あらかじめ通信ポリシーの適用方法等が定められている場合には、メタポリシー設定部43を設けなくても良い。また、通信ポリシーについても、配信制御装置4内の通信ポリシー設定監視部40で設定する構成に限らず、外部から指示または要求された通信ポリシーによって通信を制御しても良い。
【0324】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置を他の情報配信システムに適用した例について説明する。図7は、情報配信システムのブロック図である。情報配信システム64は、マルチメディアコンテンツの送受信が行われる情報配信システムであり、マルチメディアコンテンツを送受信する通信を行う通信システム66と、通信システム66におけるマルチメディアコンテンツの送受信を制御する配信制御装置4とを備えている。
【0325】
ここで、配信制御装置4の構成は、図1に示した情報配信システムにおける配信制御装置4と同様であり、図7においては図示を省略している。また、通信システムは、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置7、及び中継通信装置8を含んで構成されている。これらのうち、通信端末装置1、配信中継装置2、及び情報配信サーバ装置3の構成及び動作等については、図1に関して上述したものと同様である。
【0326】
アクセス中継装置7は、通信端末装置1がモバイル通信網に接続され、かつ、情報配信サーバ装置3がプライベートネットワークに接続されている場合などに、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間に設置される。このアクセス中継装置7は、通信端末装置1からモバイル通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3が接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、プライベートネットワークとの接続処理及びデータの中継を行う。これにより、通信端末装置1と、情報配信サーバ装置3との間で、マルチメディアコンテンツを確実に送受信することができる。
【0327】
このようなアクセス中継装置7を用いて実行されるマルチメディアコンテンツの送受信では、例えば、アクセス中継装置7に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間、あるいは通信端末装置1とアクセス中継装置7との間で通信を行うためのコネクションを、通信端末装置1が要求する通信ポリシーにしたがって確立する。
【0328】
このとき、コネクションを介して行われる通信に対して適用する、同時利用するセッション数、同時利用するトンネル数、同時利用するコネクション数、または配信プロトコルのうちの少なくとも1つの項目からなる通信形態と、通信品質と、通信品質の保証方法と、優先度とからなる通信ポリシーが、コネクション毎に設定されることが好ましい。このような通信ポリシーをコネクション毎に設定することにより、マルチメディアコンテンツの送受信、及びそれに対応する通信料金の課金を、好適に実行することができる。
【0329】
ここで、通信ポリシーに含まれる通信品質は、好ましくは、通信帯域、スループット、許容遅延時間、ジッター、または到達度である。また、通信形態は、好ましくは、同時利用するセッション数、同時利用するトンネル数、同時利用するコネクション数、または配信プロトコル、のうちの少なくとも1つの項目からなる。また、通信品質の保証方法は、好ましくは、ギャランティ型、ベストエフォート型、または輻輳状況に応じて設定した保証度合である。
【0330】
また、通信端末装置1とアクセス中継装置7との間に位置する配信中継装置2は、通信端末装置1から受付けたプライベートネットワークへの接続要求に応じて、通信端末装置1毎に、通信端末装置1との間に第1のトンネルを確立し、第1のトンネルを介して行われる通信に対して適用する通信ポリシーを設定することが好ましい。
【0331】
さらに、配信中継装置2は、接続要求のあったプライベートネットワーク毎に、プライベートネットワークのアクセス中継装置7との間に第2のトンネルを確立し、第2のトンネルを介して行われる通信に対して適用する通信ポリシーを設定することが好ましい。これにより、配信中継装置2と、プライベートネットワークへのアクセス中継装置7とを介したマルチメディアコンテンツの送受信を好適に実行することができる。
【0332】
具体的には、例えば、配信中継装置2は、通信端末装置1からのプライベートネットワークへの接続要求毎に、通信端末装置1とプライベートネットワークとの間に仮想的なコネクションを確立し、コネクションに対して、コネクションを介したパケットの送受信に際して適用する通信ポリシーを設定する。そして、コネクションにコネクション識別子を付与し、コネクション識別子を、通信端末装置1及びプライベートネットワークへの中継を行うアクセス中継装置7に通知する。
【0333】
さらに、配信中継装置2は、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第1のトンネルを通信端末装置1との間に確立するか、あるいは、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択する。また、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第2のトンネルをアクセス中継装置7との間に確立するか、あるいは、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択する。
【0334】
アクセス中継装置7は、送信する通信端末装置1向けのパケットに送信時に利用するコネクション識別子を付与して、確立あるいは選択した第2のトンネルを介して配信中継装置2に第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって送信する。そして、配信中継装置2は、第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているコネクション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがってパケットを通信端末装置1に向けて送信する。
【0335】
なお、上記した例のように、装置間に確立されたトンネルを利用してマルチメディアコンテンツの送受信を行う場合には、確立したトンネル内に、固有の通信ポリシーを設定した1または複数のセッションを確立し、セッションに設定された通信ポリシーにしたがってデータの送受信制御を行って、データの送受信を行うことが好ましい。
【0336】
また、オブジェクト毎に、オブジェクトの送受信時に最適な通信ポリシーが設定されている既設のセッションを選択するか、または、新規にオブジェクトに設定されている通信ポリシーを実現できる最適な通信ポリシーを通信ポリシー設定監視部40にしたがって設定したセッションを、既設あるいは新規に確立したトンネル内に確立し、セッションに設定された通信ポリシーにしたがってデータの送受信制御を行って、データの送受信を行うことが好ましい。これにより、トンネル内でのデータの送受信を効率的に行うことができる。
【0337】
また、トンネルを利用するときは、コネクションに設定された通信ポリシーが、コネクション上に確立したトンネルに継承され、トンネルに固有に設定された通信ポリシーと継承したコネクションに設定された通信ポリシーが、トンネル内に確立したセッションに継承され、セッションに固有に設定した通信ポリシーと継承したコネクション、トンネルに設定された通信ポリシーが、セッションによるデータの送受信に適用されることが好ましい。
【0338】
また、トンネルを利用しないときは、コネクションに設定された通信ポリシーが、コネクション上に確立されたセッションに継承され、セッションに固有に設定された通信ポリシーと継承された通信ポリシーが、セッションによるデータの送受信に適用されることが好ましい。これにより、トンネルを利用する場合、及びトンネルを利用しない場合のいずれにおいても、データの送受信を好適に行うことができる。
【0339】
また、第1のトンネルに設定された通信ポリシーと、第2のトンネルに設定された通信ポリシーとが異なる場合、第1のトンネルから第2のトンネルにデータが中継される場合、また、第2のトンネルから第1のトンネルにデータが中継される場合、配信中継装置2において、送信先の通信路の通信ポリシーにポリシー変換を行って、データを送受信することが好ましい。これにより、配信中継装置2を介したマルチメディアコンテンツの送受信を好適に実行することができる。
【0340】
図7に示した情報配信システム64は、アクセス中継装置7に加えて、中継通信装置8を備えている。中継通信装置8は、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間で、データの中継配信等を行う。
【0341】
具体的には、中継通信装置8は、通信端末装置1が、常時はプライベートネットワークに接続されていない通信端末装置である場合に、通信端末装置1から送信された、プライベートネットワークに対する接続要求を受付けた配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求を受付けると、配信中継装置2とプライベートネットワークとの間にコネクションを確立する。また、通信端末装置1から配信中継装置2を経由して送信されてくるパケット、あるいはプライベートネットワークから受け取った通信端末装置1宛のパケットを中継送信するときに適用する通信ポリシーを設定する。
【0342】
そして、通信端末装置1から配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットをプライベートネットワークに通信ポリシーにしたがって中継送信し、また、プライベートネットワークから受け取った通信端末装置1宛のパケットを固定通信網あるいはモバイル通信網を介して配信中継装置2に通信ポリシーにしたがって中継送信する。これにより、通信端末装置1と、情報配信サーバ装置3との間で、マルチメディアコンテンツを確実に送受信することができる。
【0343】
また、中継通信装置8は、配信中継装置2との間にトンネルを確立し、トンネルを用いて複数の通信端末装置1との間で、通信端末装置1毎に異なる通信ポリシーを適用してパケットの送受信を行うことが好ましい。これにより、通信端末装置1が複数ある場合に、通信端末装置1と、情報配信サーバ装置3との間で、マルチメディアコンテンツの送受信を各通信端末装置1について好適に行うことができる。
【0344】
図8は、図7に示した情報配信システムのさらに具体的な構成例を示すブロック図である。なお、図8においては、配信中継装置2からみて通信端末装置1側にある各装置(例えば図4に示した例での移動機1a及び基地局5)については、図示を省略している。
【0345】
情報配信システム64においては、配信制御装置4に含まれる通信ポリシー設定監視部40、送受信制御部41、課金処理部42、メタポリシー設定部43及び通信リソース予約確保部47が、配信中継装置2内に設けられている。また、送受信制御部41は、HTTP向け送受信制御部、ストリーミング映像向け送受信制御部、VoIP向け送受信制御部、トンネリング向け送受信制御部、その他の送受信制御部など、複数の送受信制御部を含んで構成されている。
【0346】
このような送受信制御部41により、マルチメディアコンテンツの送受信は、選択された配信プロトコルに応じて制御される。すなわち、HTTPプロトコルが選択されると、HTTPプロトコル専用のHTTP向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。また、ストリーミング映像向けプロトコルが選択されると、ストリーミング映像向けプロトコル専用のストリーミング映像向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。
【0347】
また、VoIP向けプロトコルが選択されると、VoIP向けプロトコル専用のVoIP向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。また、トンネリングプロトコルが選択されると、トンネリングプロトコル専用のトンネリング向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。また、これら以外のプロトコルが配信プロトコルとして選択された場合も、同様に対応する送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。
【0348】
また、この配信中継装置2に対し、各種の情報配信サーバ装置31〜36が接続されている。
【0349】
情報配信サーバ装置31は、専用線を利用し、中継通信装置である情報サービス中継通信サーバ(例えばiモードサーバ)8aを介して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置32は、インターネットを利用し、中継通信装置である情報サービス中継通信サーバ8a、またはストリーミングコンテンツ中継通信サーバ8bを介して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置33は、ISDNやADSLなどの有線通信網を利用し、ストリーミングコンテンツ中継通信サーバ8bを介して配信中継装置2に接続されている。
【0350】
また、情報配信サーバ装置34は、プライベートネットワーク及びアクセス中継装置7aを介し、インターネットを利用して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置35は、プライベートネットワーク及びアクセス中継装置7bを介し、有線通信網を利用して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置36は、プライベートネットワーク及びアクセス中継装置7cを介し、さらに移動機5b及び基地局5aを介して配信中継装置2に接続されている。
【0351】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。図9は情報配信システムのブロック図であり、図10は図9に示す情報配信システムのうち通信端末装置1、配信中継装置2(配信制御装置が内包される)、情報配信サーバ装置3の詳細構成図である。図9及び図10に示す情報配信システムでは、受信端末と送信端末間、ノード間にコネクションを確立して、同コネクションあるいは、同コネクションを使って流すフロー単位あるいはセッション単位に、通信ポリシーを決定し設定するとともに、その通信ポリシーを実現するために必要な通信リソースを通信リソース予約確保手段にて予約確保してデータの送受信を行う。また、フローあるいはセッションをつかって送受信するオブジェクト単位に通信ポリシーを決定して設定し、通信ポリシーの実現に必要な通信リソースを通信リソース予約確保手段にて予約確保することも可能な構成となっている。
【0352】
また、受信端末と送信端末間、ノード間に、コネクションを確立しなくても、UDPというようなコネクションレス型のトランスポート層のプロトコルを用いたマルチメディアコンテンツあるいはデータの送受信に対して、予め上記通信ポリシーを設定して、通信ポリシーの適用に必要な通信リソースを通信リソース予約確保手段にて予約確保する。また、通信ポリシーの実現に必要な通信リソースを、通信リソースの空き状況、あるいはネットワークの輻輳状況に応じて予約確保してデータの送受信を行う。
【0353】
コネクションを確立することなくデータを送受信するなどの場合に、予め実現しようとする通信品質を上記通信ポリシーとして予約確保して品質保証する。
【0354】
要求している通信品質の達成度が悪化した場合は、マルチメディアコンテンツの送受信に使用するプロトコルを、動的に変更する。
【0355】
例えば、マルチメディアコンテンツを、トランスポート層のプロトコルをTCPで送受信していたが、スループットが著しく遅いため、要求している通信品質(通信品質、通信帯域等)の達成度が著しく遅くなった場合、トランスポート層のプロトコルをUDPに代えて送受信することにより、通信品質(スループット、通信速度、通信帯域)の達成度を改善しようとしても、送信プロトコルを変更することを予め予約しておくことができないため、送受信を一時停止させ使用するプロトコルを変更してから送受信を再開しなければならないという問題があった。
【0356】
この問題を解決するために、通信ポリシーの通信形態に、通信ポリシーの設定項目の達成度に応じて、適宜データの送受信に使うプロトコルを変更するルールを登録し、通信ポリシーを通信ポリシー策定監視手段において、状況によっては、通信端末装置、または配信中継装置、または情報配信サーバ装置、またはアクセス中継装置間でネゴシエーションして、オブジェクト等のデータ転送に適用する通信ポリシーとして設定し、その通信ポリシーの実現にあたって、必要となる通信リソースの予約確保を通信リソース予約確保手段において、確保する。
【0357】
例えば、要求した通信品質の達成度に応じて、適用するトランスポートプロトコルを、UDPからTCPに変更したり、あるいはTCPからUDPに変更するといったルール、または、通信リソースの空き状況、ネットワークトラフィック状況、要求した通信品質の達成度に応じて、上記IPトンネルを介したデータ送信に変更するというルールを通信ポリシーの通信形態として通信ポリシー策定監視手段にて設定し、通信ポリシーの実現に必要な通信リソースの予約確保を通信リソース予約確保手段にて、通信端末装置、または配信中継装置、または情報配信サーバ装置、またはアクセス中継装置の各装置の通信リソースを必要に応じて予約確保する。
【0358】
マルチメディアコンテンツを送受信する1つ又は複数の情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置との間で上記マルチメディアコンテンツを送受信する1つ又は複数の通信端末装置と、所定の上記情報配信サーバ装置若しくは上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムの1構成例として、図9に示す情報配信システムは、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、またはマルチメディアコンテンツ単位毎に、通信形態、通信品質若しくはその保証手法又は通信料金若しくはその発生手法の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーを要求、適用又は設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシーに応じて上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間に張られたセッション、コネクション、フロー又はトンネルの少なくともいずれか1つを介して1つ又は複数のオブジェクトを送受信する送受信制御手段(中継ゲートウェイ部)とを装備する。
【0359】
また、上記情報配信システムにおいて、上記オブジェクト単位、上記オブジェクトの類型単位、または上記マルチメディアコンテンツ単位毎に、上記通信ポリシーにしたがってネットワークまたは上記情報配信システム内の通信リソースを予約確保するあるいは予約確保し直す通信リソース予約確保手段を備えてシステムを構成する場合がある。
【0360】
上記通信リソース予約確保手段は、ネットワークまたは上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況(あるいは空き状況)に応じて、上記通信ポリシーの対象とする上記オブジェクト、上記オブジェクトの類型、または上記マルチメディアコンテンツのそれぞれの送受信のために、割り当て可能な上記通信リソースの中から通信リソースを予約確保してあるいは予約確保し直して割り当てるあるいは割り当て直す機能を有する。
【0361】
図9において示すように、通信端末装置1は、1つあるいは複数のオブジェクトから構成されるマルチメディアコンテンツを、モバイル通信網N4、配信中継装置2、第2ネットワークN5を経由して、情報配信サーバ装置3から受信したり、コンテンツを上記通信経路を介して、情報配信サーバ装置3に送信する通信端末装置(移動端末装置)である。通信端末装置1は、例えば、携帯電話、FOMA(NTTドコモの登録商標)、携帯電話やFOMAを通信機構とするコンピュータ等を指し、上記情報配信システム内において同時的に複数個の利用が可能である。
【0362】
また、通信端末装置1は、オブジェクト毎に指定した通信品質で、1つあるいは複数のオブジェクトを同時並行して送信あるいは受信することができる。
【0363】
配信中継装置2は、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3間のデータの送信中継処理や、通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法からなる通信ポリシーを予約確保して同通信ポリシーにてマルチアクセス/マルチセッションを介して同時並行して行う、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3間のデータの送信中継処理や、同通信ポリシー予約確保型マルチアクセス/マルチセッションサービス提供時の課金処理等、を行う配信中継装置である。情報配信サーバ装置3側の通信路が第2ネットワークN5であり、通信端末装置1側の通信路がモバイル通信網N4であるなど、異なる種類の通信路を相互接続するゲートウェイとして機能する。
【0364】
中継ゲートウェイ部210(図10をあわせて参照)では、原則、配信中継するオブジェクトデータに要求される通信ポリシー毎に、配信中継を担う送受信制御部を設ける。そして、受け付けたパケットに指定あるいは予約確保された通信ポリシーを実現して配信中継することのできる送受信制御部を選択して中継送信処理を行う。
【0365】
図9では、その典型的な例として、HTTP向け送受信制御部、ストリーミング映像向け送受信制御部、VoIP向け送受信制御部、トンネリング向け送受信制御部等を示している。
【0366】
同中継ゲートウェイ部では、その他の通信ポリシーを実現する送受信機能を有した送受信制御部を適宜設けることにより、より要求される通信ポリシーの達成度を向上させることが可能である。
【0367】
また、上記送受信制御部において、例えば、予め提供する通信速度を9.6Kbps、28.8Kbps、32Kbps(ギャランティ型)、64Kbps(ギャランティ型)、128Kbps、384Kbpsといった通信速度を提供する送受信制御部を用意しておき、通信端末装置、情報配信サーバ装置、通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス提供部間でネゴシエーションして最適な通信速度を策定し該当する送受信制御部を選択して、マルチメディアコンテンツの送信中継処理を行う。
【0368】
さらには、要求される通信ポリシーが多少異なる場合であっても、送受信制御部の機構上、パラメータを変更するだけで実現できる場合など、通信リソース、システム構成を大幅に変更することなく、実現できるものは、ある1つの送受信制御部に集約して実現する。
【0369】
通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス提供部201において、マルチメディアコンテンツの送受信処理の開始前に、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3とネゴシエーションを行って、送受信要求された、あるいは送受信しようとするマルチメディアコンテンツの送受信時に適用する最適な通信ポリシーを策定する。
【0370】
さらに、課金サービス提供部205では、例えば、送受信するオブジェクトに適用された通信ポリシーに応じて設定される定額通信料金と課金レートと、送受信制御部から通知された、送受信制御部においてキャプチャされた中継パケットの数とその種類を用いて、通信料金を算出し、パケットに収納された課金先に課金処理がなされる。
【0371】
情報配信サーバ装置3は、N5で示す第2ネットワークを経由して配信中継装置2と接続されている情報配信サーバ装置である。情報配信サーバ装置3には、必要に応じて通信端末装置1に向けて送受信するマルチメディアコンテンツが登録されている。マルチメディアコンテンツは、オブジェクト単位で異なる複数の情報配信サーバ装置に分散登録保管することが可能である。
【0372】
通信ポリシー予約確保型マルチアクセス/マルチセッションサービスを利用する場合、送受信しようとするマルチメディアコンテンツを構成する各オブジェクト毎に、最適な通信ポリシーを予め予約確保しておき、送受信時に予約確保した通信ポリシーにしたがって、複数のオブジェクトを同時並行して送受信することが可能となる。しかも、送受信するオブジェクトは、異なる情報配信サーバ装置に登録されているものや異なるサーバにおいてリアルタイムに作成されるオブジェクトであってもよい。通信端末装置1上で再構成してレンダリングされる。
【0373】
また、情報配信サーバ装置3では、通信端末装置1から送信されてくるマルチメディアコンテンツを受信して取り込み、取り込んだ同コンテンツを他ユーザに向けて送受信することも可能である。
【0374】
モバイル通信網N4は、通信端末装置1と基地局間の無線接続を行い、モバイル通信網ゲートウェイ交換装置を介して通信端末装置1と配信中継装置2間を接続するモバイル通信網である。モバイル通信網1とモバイル通信網2は、それぞれ異なる方式にて通信端末装置1と基地局間の無線接続を行ってもよい。
【0375】
モバイル通信網ゲートウェイ交換装置(交換装置)は、モバイル通信網N4と配信中継装置2との接続、データ中継処理を行う装置である。しかも、同モバイル通信網ゲートウェイ装置では、複数の異なる通信品質で送信されてくるオブジェクトデータの通信品質を劣化させることなく、それぞれのオブジェクトを中継配信する機能を持ち合わせている。配信中継装置2と連動した中継処理を行う。
【0376】
例えば、提供するサービスとして、決められた複数個の通信品質を提供する場合は、それぞれの提供する通信品質毎に、モバイル通信網ゲートウェイ交換装置を設置することが考えられる。
【0377】
第2ネットワークN5は、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間を接続するネットワークである。
【0378】
第2ネットワークN5は、専用線、インターネット、ISDN、ADSL等の有線通信網、モバイル通信網、情報サービス中継通信サーバ、ストリーミングコンテンツ中継通信サーバ、またはアクセス中継装置のいずれかの組み合わせにより構成される。
【0379】
オブジェクトの送受信に際して要求される通信品質が類似な通信品質(同一機構によって容易かつかなりのパーセンテージの通信リソースを共有することが可能)であるオブジェクトごとに中継サーバを設け、中継サーバにてQoS変換を行って目的とする通信品質を実現することにより、情報配信サーバ装置3に要求される通信品質を実現する機構がなくても、通信端末装置1に、要求される通信品質にてマルチメディアコンテンツの送受信が可能となる。
【0380】
類似の通信品質を1台の中継サーバにて実現することにより、中継サーバの設置台数を低減させる効果がある。
【0381】
情報サービス中継通信サーバは、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間で、例えば、iモードのようなホームページの閲覧のための一括あるいは部分ダウンロード型コンテンツのようなデータの送受信中継処理を指定された通信ポリシーにしたがって行う。例えば、HTTPデータ送受信中継処理を行う。
【0382】
ストリーミングコンテンツ中継通信サーバは、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間で、ストリーミング映像、ストリーミングミュージック、VoIP、等のストリーミングコンテンツの送受信中継処理を指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって行う。この場合の送受信中継処理とは、同ストリーミングコンテンツ中継通信サーバに一時同コンテンツを溜め込み、設定、指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって送受信処理を行うことをいう。
【0383】
アクセス中継装置は、配信中継装置2から受け取った回線接続要求、またはコネクション確立要求にしたがって、配信中継装置2と回線接続あるいはパケットリンクを確立し、またコネクション確立を行う。
【0384】
アクセス中継装置は、以下に示すようなトンネルを介してPPPフレームを通信端末装置1との間で、指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって送受信する。またアクセス中継装置は、アクセス中継装置と接続されているサーバ(PC)等とのIPパケットのルーティングを行い、プライベートなローカルアドレスにて通信端末装置1とPCとの接続、データ転送を可能とする。
【0385】
通信端末装置1と配信中継装置2との間、配信中継装置2とアクセス中継装置との間、または通信端末装置1とアクセス中継装置との間でIPトンネルを確立し、通信端末装置1とアクセス中継装置との間にPPPコネクション(例えばPPTPコネクション)を張り、PPPフレームをエンキャプシュレートしてIPトンネルを介して指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって、通信端末装置1とアクセス中継装置との間のデータ転送を行う。
【0386】
また、IPトンネル上にIPパケットをエンキャプシュレートし、通信端末装置1とアクセス中継装置との間でコネクションあるいはセッションを確立して、IPパケットを指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって転送する。
【0387】
次いで、通信端末装置が通信ポリシー予約型マルチアクセスサービスを利用した場合の、通信端末装置1の情報配信サーバ装置3に対するマルチメディアコンテンツのダウンロード要求に応じて、情報配信サーバ装置3から同コンテンツがダウンロードされるPULL型情報配信の基本動作について、図9と図10を用いて説明する。なお、図中において、各機能ブロック間での通常の実線は、専用線を示している。また、矢印の実線は専用線接続、または同一装置内に実装することを示している。
【0388】
図9のモバイル通信網の通信方式は、パケット通信方式または回線交換方式を想定している。本発明の情報配信システム装置では、通信端末装置1と配信中継装置2間あるいは配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間において、通信ポリシー設定変更のためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度状況の監視、通信ポリシーに基づいたデータ伝送制御を行うプロトコルとして、以下に示す通信ポリシー予約型送信制御プロトコルを採用する。
【0389】
同通信ポリシー予約型送信制御プロトコルは、コネクションの概念のない論理的な接続状態であるセッションとコネクションの概念を持つ論理的な接続状態であるセッションを使い分けたデータ伝送制御を行うアプリケーション層のプロトコルである。
【0390】
すなわち、通信ポリシー設定変更のためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度状況の監視、通信ポリシーに基づいたデータ伝送制御を、コネクションの概念のない、またはコネクションの概念のあるセッションという論理的な接続状態を持つアプリケーション層のプロトコルによって実現する。
【0391】
同通信ポリシー予約型送信制御プロトコルの下位階層のトランスポート層プロトコルとして、コネクション型プロトコル(代表的にはTCP)、あるいはコネクションレス型プロトコル(代表的にはUDP)を通信ポリシーにおいて自由に選択して適用することが可能である。
【0392】
通信端末装置1と配信中継装置2間あるいは配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間において、通信可能状態、例えば、パケット交換可能な状態に、リンクが確立されると、通信ポリシー予約型送信制御プロトコルを用いて、例えば、(1)通信ポリシー設定変更のためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度状況の監視のためのセッションを常時1つ確立し、(2)通信ポリシーに基づくデータ送受信を行うためのセッションをマルチメディアコンテンツ送受信時に適用する通信ポリシーにしたがって必要数を確立する。
【0393】
ここで、通信ポリシーに基づいたデータ転送時のセッションの使い方について図11を用いて説明する。
【0394】
通信端末装置と配信中継装置間等においてセッションを複数個確立して通信ポリシーに基づいてマルチメディアコンテンツのダウンロードを行う場合、図11に示すように、以下の4つの形態でシステムを構成することが可能である。
(a)1つのセッションで▲1▼1個のオブジェクトの通信ポリシーの設定変更のためのネゴシエーション及び通信ポリシーの達成度監視、▲2▼通信ポリシーに基づく1個のオブジェクトのデータ伝送という2つの機能を時分割あるいは使い分けて実現する手法。
(b)1つのセッションで上記▲1▼の機能を実現し、他の1つのセッションで上記▲2▼の機能を実現する手法。したがって、オブジェクト1個を送受信する際には、2つのセッションを占有する。
(c)1つのセッションで複数個のオブジェクトの上記▲1▼の機能を実現し、他の1つのセッションで1個のオブジェクトのデータ伝送を実現する手法。したがって、▲1▼の機能を実現した1つのセッションで、▲2▼の機能を実現する複数個のセッションの通信ポリシー、送受信制御を行うことが可能となる。
(d)上記(a)、(b)、(c)を自由に組み合わせる手法。
【0395】
各セッションのそれぞれの通信/データの送受信において使用するトランスポート層のトランスポートプロトコルとして、コネクション型(例えば、TCP)、あるいはコネクションレス型のトランスポートプロトコル(例えば、UDP、UDPベースのRTP等)を通信ポリシーの設定項目である通信形態にしたがって適宜選択、あるいは変更して、同通信ポリシーを実現するのに必要な通信リソースを適宜予約確保あるいは予約確保し直して、通信/データの送受信を行う。
【0396】
例えば、通信形態では、ネットワークの輻輳状況、通信リソースの空き状況、通信品質の達成度、送信データの誤り率、パケットロス率、データの再送発生率、等の状況に応じて、適宜使用するあるいは選択し直すプロトコル、特に、トランスポート層のトランスポートプロトコルとして、コネクション型(例えば、TCP)、あるいはコネクションレス型のトランスポートプロトコル(例えば、UDP、UDPベースのRTP等)または、トンネルをルールとして規定する。
【0397】
各セッションのフロー単位あるいは、各セッションを通して送受信するオブジェクト単位に、トランスポートプロトコルを選択あるいは変更してもよい。
【0398】
続いて、上記図9及び図10に示す情報配信システムにおいて、通信端末装置1が2つの異なる情報配信サーバ装置3に登録されている異なるマルチメディアコンテンツを同時にダウンロードする場合について、図12を参照して説明する。
【0399】
まず、通信端末装置1は、通信端末装置1とモバイル通信網との間でパケット交換を可能とするための諸処理を行う(ステップS1)。諸処理が完了すると、通信端末装置1は、モバイル通信網に対して接続要求信号を送信する(ステップS2)。接続要求は直ちに配信中継装置2に送信される(ステップS3)。配信中継装置2が接続可能な場合は、接続応答「OK」信号をモバイル通信網ゲートウェイ交換装置を介して通信端末装置1に返送する(ステップS4、ステップS5)。以上のシーケンスにて、通信端末装置1と配信中継装置2との間での通信(パケット交換)が可能状態となる(リンクの確立)。
【0400】
ここでは、データ伝送につき、通信端末装置1と配信中継装置2との間では、トランスポート層にコネクションレス型トランスポートプロトコル(例えば、UDP)を採用し、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間では、トランスポート層にコネクション型トランスポートプロトコル(例えば、TCP)を採用した場合について説明する。
【0401】
リンク確立後、通信端末装置1の要求に応じて、通信ポリシー決定のために、通信端末装置1と配信中継装置2との間に、1個のセッションを確立し、さらに、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間に1個のセッションを確立する。このとき、通信端末装置1と配信中継装置2との間に対しては、例えば、ネゴシエーションに用いるトランスポートプロトコルは、コネクションレス型でフロー制御のないTCPと同等のシーケンスを採用し、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間では、コネクション型のTCPを採用する。
【0402】
(1)予め通信端末装置1(移動機)、配信中継装置2の中継ゲートウェイ部210、情報配信サーバ装置3の間でマルチメディアコンテンツの送受信に際して、通信ポリシー(通信帯域、ジッタ−、遅延等)を予約確保してから、指定された通信品質で複数のマルチメディアコンテンツを同時的にダウンロード、アップロードする。
【0403】
(2)通信ポリシー設定項目として、マルチメディアコンテンツのアクセスに際して発生する通信料金、適用する課金に対する条件を加えて、実現する通信ポリシーの決定を予約し、サービスの提供を行う。
【0404】
(3)通信ポリシーは、ギャランティ型、ベストエフォート型、プレミアムベストエフォート型に分けた形態で予約確保することが可能である。
【0405】
(4)通信ポリシーとして、転送プロトコルの切り替え、使い分け条件を設定することが可能である。
【0406】
配送コンテンツの内容によって、UDPのようなコネクションレス型トランスポートプロトコル、TCPのようなコネクション型プロトコルを適宜切り替えることもできる。
【0407】
(5)オブジェクト単位に通信ポリシーを予約確保して、複数のオブジェクトの同時並行したマルチアクセスサービスを提供する。
【0408】
(6)要求あるいは予約確保した通信ポリシーの達成度に応じた課金を行う機能も提供可能である。
【0409】
(7)要求あるいは予約確保した通信ポリシーの実現に必要な通信リソースの割り当て方、同単価に応じて課金を行う機能も提供可能である。
【0410】
例えば、通信端末装置1(移動機)と中継ゲートウェイブ210(GMMS)との間と、中継ゲートウェイ部210と情報配信サーバ装置3との間とで別々の通信ポリシーを設定あるいは予約確保してサービスを提供する場合、前者の区間をUDPプロトコルをベースにして通信ポリシーを設定あるいは予約確保し、後者の区間をTCPプロトコルをベースにして前者とは異なる通信ポリシーを設定あるいは予約確保して、複数のマルチメディアコンテンツ、オブジェクトの同時並行したマルチアクセスサービスを提供することも可能である。
【0411】
あるいは、前者、後者の区間共に、UDPプロトコルをベースにしてそれぞれ異なるあるいは同じ通信ポリシーを設定あるいは予約確保して複数のマルチメディアコンテンツ、オブジェクトの同時並行したマルチアクセスサービスを提供することも可能である。ある一定の範囲を設定した中でのQoSが状況に応じて変化するが、ある一定の品質を保証したプレミアムベストエフォートな品質を保証することができる。この場合、要求項目値に幅を持たせる、すなわち、プレミアムベストエフォートな項目値設定を行うことも可能である。
【0412】
このように、ある一定の範囲を設けた通信品質を保証することが可能となるため、予測が困難な状況下で極力多くのユーザの予約確保を受け付けることが可能となる。
【0413】
例えば、最低保証帯域の保証サービスの場合、最低帯域の値を通信リソースの空き状況に応じて、変更することにより、より多くのユーザへのサービスが提供できる。
【0414】
さらに、通信品質に上限を設けることにより、不必要な品質を通信に割り当てるという無駄を排除することができる。これも多くのユーザにサービスを提供することにつながる。
【0415】
また、通信品質の上限値を通信リソースの空き状況に応じて変動させることもできる。プレミアムベストエフォートな項目値を予約確保することによって、より多くのユーザに対してサービスを提供することが可能となる。
【0416】
また、要求する通信ポリシーと提供できる通信ポリシーとにギャップがある場合、提供できる通信ポリシーを要求する通信ポリシーに徐々に近づける技術を採用することもできる、例えば、プレミアムベストエフォートの項目値を設定した場合、状況に応じて、設定値を変更するのであるが、変更のさせかたを通信ポリシーにしたがって、決定する。また、この変更の仕方をユーザの要求、あるいは転送対象コンテンツに応じて決定することもできる。この場合、この変更ルールにしたがって、実現目標項目値を変更していく。
【0417】
また、通信ポリシーにしたがって、状況の変化に応じて達成目標値を自律協調して変更指定行くこともできる。
【0418】
さらに、限られた通信リソースで提供できる収容顧客数を利用状況から適宜調整することもできる。
【0419】
ギャランティ型サービス、プレミアムベストエフォートサービスへのリソースの割り当て方を調整するようにしても良い。
【0420】
次いで、2つのアクセス先である情報配信サーバ装置3、配信中継装置2とセッションを確立し、通信ポリシーの策定処理の開始準備を行う。
【0421】
通信端末装置1は、接続要求信号を2つのアクセス先となる情報配信サーバ装置3に送信する。それぞれの情報配信サーバ装置3がマルチメディアコンテンツへのアクセスを許可する場合は、接続OK応答信号を配信中継装置2を経由して通信端末装置1に返信する。
【0422】
セッション確立後、通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツのダウンロード時に実現したい通信品質、通信品質の保証手法、通信料金の上限、通信料金の発生のさせ方を通信ポリシーとした通信ポリシー要求信号を配信中継装置2、情報配信サーバ装置3に送信する。
【0423】
この情報配信システムにおいて、予め通信端末装置1(移動機)、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3の間でマルチメディアコンテンツの送受信に際して、上記通信ポリシーを予約確保してから、指定された通信品質で複数のマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトを同時並行してダウンロードあるいはアップロードする。
【0424】
図10に示すように、通信端末装置1の通信端末側プロセス部104は、通信端末装置のマルチメディアコンテンツの利用に際し、マルチメディアコンテンツのダウンロード、アップロードの指示、同コンテンツの送受信時に適用する通信ポリシーの要求/予約確保の指示、通信網のトラフィックの輻輳状況あるいは通信リソースの使用状況に応じて通信ポリシーの変更指示等の一連のマルチメディアコンテンツのアクセス利用に際して必要となる通信を行うための必要な処理/管理を行う。
【0425】
また、通信端末装置1の通信端末側送受信管理部101は、通信端末側プロセス部104の指示にしたがって、マルチメディアコンテンツのダウンロード、アップロードの要求を通信端末側送受信制御部110に対して行い、通信端末側送受信制御部110から受け取ったパケットデータを通信端末側プロセス部104へ送り、予約確保した通信ポリシーの達成状況を監視し、通信ポリシーの達成状況に応じて、通信端末側プロセス部104に対して、通信ポリシーの見直し要求及び指示を行う。通信端末側送受信管理部101は、例えば、ダウンロードするオブジェクトと通信ポリシーの適用スケジュールを指定して要求を通信端末側送受信制御部110に対して行う。
【0426】
通信端末装置1の通信端末側通信リソース予約確保部102は、通信端末側プロセス部104の指示にしたがって、マルチメディアコンテンツの送受信について通信端末側通信ポリシー策定監視部103がネゴシエーションにより決定した通信ポリシーを実現するのに必要な通信端末装置1の通信リソースの予約確保のための処理を行う。
【0427】
通信端末装置1の通信端末側通信ポリシー策定監視部103は、通信端末側プロセス部104の指示にしたがって、これからダウンロードしようとするマルチメディアコンテンツ、あるいは情報配信サーバ装置3に対してアップロードしようとするマルチメディアコンテンツに適用する通信ポリシーを自通信端末装置1の空きの通信リソースを考慮しながら、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3との間でネゴシエーションして、同マルチメディアコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3の3者の合意のもとに適用する通信ポリシーを決定する。
【0428】
通信端末装置1の通信端末側送受信制御部114は、▲1▼通信端末側送受信管理部101の指示にしたがって行うマルチメディアコンテンツのダウンロード、アクセスと、▲2▼通信端末側通信ポリシー策定監視部103の指示にしたがって行う通信ポリシーの決定ネゴシエーションのためのメッセージの送受信処理のためのセッションを確立するセッション処理部である。
【0429】
Push型サービスの場合は、配信中継装置2側からセッションの確立が行われる。Pull型の場合は、通信端末装置1から配信中継装置2に向かってセッションの確立を行う。
【0430】
転送要求するオブジェクトと適用する通信ポリシーを示す識別子を配信中継装置2に通知してセッション確立要求を出す。要求した通信ポリシーを実現するのに必要な通信リソースの割り当てを行う。配信中継装置2の通信リソースの割り当てが完了すると、セッション確立応答が返送される。通信リソースの割り当てに失敗すると、割り当てが失敗したポリシー設定項目を収納したセッション確立NG応答が返される。
【0431】
NG応答が送られてきた場合は、再度通信ポリシー策定監視部に通信ポリシーの設定変更を要求する。
【0432】
セッションの確立が成功すると、セッション処理部は、通信ポリシーにしたがって、トランスポートプロトコルを選択し、コネクション型プロトコルを選択した場合は、コネクション型処理部に、コネクションの確立を指示し、同コネクションを介してデータの転送を行う送受信則を通信ポリシーにしたがって指示する。
【0433】
同コネクション型処理部は、指示にしたがって配信中継装置2との間に指定された個数の複数のコネクションを確立する。コネクション確立後、直ちにコネクション型トランスポートプロトコルを用いて、データ送受信処理を行う。
【0434】
また、配信中継装置2においては、通信ポリシーの変換処理、及びデータの変換処理を行う機能も有している。ここでは、通信ポリシーの変換処理及びデータの変換処理について詳しく説明する。
【0435】
例えば、情報配信サーバ装置3に登録されているマルチメディアコンテンツ1あるいはオブジェクト1を、通信端末装置1(移動機)でレンダリング(再生)できるように、マルチメディアコンテンツ1あるいはオブジェクト1をデータ変換して送受信するにあたって、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間で送受信時に適用する通信ポリシーAと、配信中継装置2と通信端末1間でのデータ送受信に適用する通信ポリシーBとして、それぞれの送信コンテンツあるいは送信オブジェクトのデータに応じて最適な通信ポリシーを適用する。
【0436】
配信中継装置2では、情報配信サーバ装置3に登録されているマルチメディアコンテンツデータあるいはオブジェクトデータを、送信先となる通信端末装置1で再生できる許容データへ変換し、データ変換したマルチメディアコンテンツ2あるいはオブジェクト2を通信端末装置1で最適な再生を実現するのに必要な、配信中継装置2から通信端末1への送出時に適用しなければならない通信ポリシー2への通信ポリシー変換処理を行う。情報配信サーバ装置3では、同データ変換処理と同通信ポリシー変換とを実現することのできる最適な通信ポリシーAを適用して配信中継装置2へ向けてマルチメディアコンテンツ1を送受信する。
【0437】
また、複数の情報配信サーバ装置3に登録されている複数のマルチメディアコンテンツ、あるいは複数のオブジェクトを通信端末装置1(移動機)でレンダリング(再生)できるように、それぞれのデータを変換して統合あるいは合成して、通信端末装置1に送受信するにあたって、情報配信サーバ装置3に登録されている各コンテンツあるいは各オブジェクトごとに、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2間のデータ送受信に対して、通信ポリシーを設定あるいは適用する。配信中継装置2では、受信した複数のマルチメディアコンテンツあるいは複数のオブジェクトを、それぞれ通信端末1で再生できるデータにデータ変換処理を行い、統合処理、同期調整処理、送信スケジュールの決定処理、あるいは合成処理して、通信端末で同複数のマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトを統合再生あるいは合成再生するにあたって最適な通信ポリシーへ変換して、データを通信端末装置1に向けて送信する。
【0438】
複数のサーバからオブジェクトを同時並行して配信中継装置2に向けてそれぞれの通信ポリシーAにて送信を行い、配信中継装置2において、受信している複数のオブジェクトデータを通信端末装置1で再生できるデータに適宜データ変換を行って、さらに通信端末装置1で再生するにあたって最適な通信ポリシーに変換して、例えば、複数のセッションを同時利用するといった通信形態、通信品質、通信品質の保証方法、通信料金、通信料金の発生手法(送信するデータに適用する課金の選択手法等)といった通信ポリシーを、通信リソースの空き状況、通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて適宜決定し、決定した最適な通信ポリシーBに変換して、通信端末装置1に向けてデータ変換したオブジェクトデータ、マルチメディアコンテンツデータ、統合データ、あるいは合成データを送信する。
【0439】
また、配信中継装置2は、通信ポリシーBを決定するにあたって、通信ポリシーAを制約条件として通信ポリシーを決定する場合と、最適な通信ポリシーBを実現することができるように、情報配信サーバ装置3に対して、通信ポリシーAを設定、変更(適用し直す)するように要求し、それぞれの情報配信サーバ装置3は、それぞれの配信オブジェクトあるいは配信コンテンツの送信に適用する通信ポリシーを通信ポリシーAに適宜要求に応じて変更して送受信処理を行う。
【0440】
この場合、課金処理部42は、通信料金に、データ変換処理のために発生する変換サービス料金をも含めることとする。この場合、通信料金の発生額に応じた、データ変換するオブジェクトの再生品質、送受信総データ量、データ変換したデータの送受信時に適用する通信ポリシーの決定制御を行う。再生品質が決定すると同再生品質での再生(レンダリング)を可能にするデータへマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトをデータ変換する。
【0441】
オブジェクトの再生品質と送受信時に適用する通信ポリシーとは密接な関係がある。送信コンテンツがビデオ映像(動画)である場合、例えば、再生するフレームレート、画質、画面サイズ、解像度と送信費用上限等が決まると、送受信時に実現しなければならない通信ポリシーの設定項目である通信帯域、ジッター、再送率、パケットロス率、同期タイミングの制御手法、パケット送信する送信プロトコル(例えば、トランスポートプロトコルとしてUDPを採用するのかTCPを採用するのか、また、トンネリングプロトコルを採用するのか)、通信形態としてアクセス先(送信元)がISP等のサービスプロバイダーが立ち上げている情報配信サーバ装置である場合は、URL等を指定してアクセス先を決定し、IPトンネル等を使用しない通信形態を採用し、アクセス先にアクセス中継装置を設定した企業内あるいは各家庭の個人のPC等である場合は、プライベートIP等を用いた通信が可能になるため、アクセス中継装置と通信端末装置1あるいは配信中継装置2の間にトンネルを確立してトンネリングプロトコルを採用した通信形態を採用、同時に使用するセッションの数、といった通信形態の選択、課金体系、通信料金の発生額などが決定される。
【0442】
セッション毎に通信ポリシーを設定し、同通信ポリシーに基づいたデータ通信の送受信制御とその管理が可能であるため、複合コンテンツ(オブジェクト)をダウンロードして再生する場合、各コンテンツ(オブジェクト)毎にセッションを指定し通信端末の処理能力に合わせて再生できるデータにデータ変換して、各コンテンツ(オブジェクト)毎に通信ポリシーを設定して、各コンテンツ(オブジェクト)間の同期制御を行いつつ、各コンテンツ(オブジェクト)の送受信制御をセッション毎に行う。複合コンテンツ(オブジェクト)の場合、コンテンツ(オブジェクト)間の同期制御が可能になるようなそれぞれの再生品質と通信路の輻輳や通信リソースの空き状況に応じて再生品質をどうするか、それに合わせて通信ポリシーをどのように設定するか等を通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3との間でネゴシエーションを行って決定し、決定した通信ポリシーを実現できるように通信リソースを予約確保する。
【0443】
ここでいう再生品質とは、通信端末装置1上で受信したマルチメディアコンテンツを再生したときの、画質、解像度、フレームレート、データ欠損率、音質、遅延等を指し、通信品質とは異なる概念である。
【0444】
また、通信端末装置1での再生品質を高めるサービスの一環として、情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバに極力早くマルチメディアコンテンツデータを送信してバッファーに貯めておき、適宜通信端末で再生できるデータへのデータ変換を行っておき、同バッファーから必要なデータを予約した通信ポリシーにしたがって送信し、予定した再生品質での再生を実現することができる。同バッファーに送信するデータがないからといって、通信品質が損なわれ再生品質が劣化するという事態を極力防止することができる。
【0445】
情報配信サーバ装置3と情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバとの間、情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバと配信中継装置2との間、配信中継装置2と通信端末装置1との間のそれぞれに設定する通信ポリシーは、データ変換処理効率と送信データのバッファー滞留率を考慮しながら決定する必要がある。情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバと情報配信サーバ装置3の機能を一体として1つの情報配信サーバ装置として構成することも可能である。
【0446】
また、オブジェクトの配信サーバである情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間をUDPプロトコル等のトランスポートプロトコルでセッションレベルにて送信制御を行う配信プロトコルにてオブジェクトを送受信する場合に、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間をセッションレベルにおいてある通信ポリシーAに基づいてデータの送受信制御をオブジェクト単位に行い、配信中継装置2において、通信端末装置1で同オブジェクトを再生でき、かつ、通信ポリシーとして設定した通信料金の上限を超えない通信料金でデータの送信サービスを享受できるように再生品質を制御し、配信中継装置2と通信端末装置1間をセッションレベルにおいて通信ポリシーAとは異なる同再生品質を実現する通信ポリシーBにポリシー変換処理を行い、同通信ポリシーBに基づいてUDPプロトコル等のトランスポートプロトコルを用いて、セッションレベルにおいて送受信制御を行い、オブジェクトを送受信する。
【0447】
また、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間においては、TCPトランスポートプロトコル等を用いて、送達確認を行いながら、セッションレベルにおいて通信ポリシーAに基づく送受信制御を行ってオブジェクトのデータ送受信処理を行ってもよい。
【0448】
この場合、配信中継装置2では、TCPからUDPへのプロトコル変換を含めた通信ポリシー変換を行って、送受信中継処理を行うことになる。
【0449】
中継ゲートウェイ部210の中継側送受信管理部211は、通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス提供部201の中継側通信ポリシー策定監視部203が策定した通信ポリシーを受け取った中継ゲートウェイ部210の中継側通信ポリシー策定監視部212の指示にしたがって、中継側送受信制御部214の中継側インターフェース処理部215に、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2間で実現する通信ポリシー1と、配信中継装置2と通信端末装置1間で実現する通信ポリシー2とを指示する。
【0450】
中継側インターフェース処理部215は、中継側共通インターフェース処理部216に、通信ポリシー1と通信ポリシー2とのポリシー変換処理を行うことを指示し、中継側第1インターフェース処理部224に、セッションレベルにおいて実施する中継送受信制御時の制御ルールとなる通信ポリシー1を通知する。
【0451】
サーバ側送受信管理部302は、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2とのネゴシエーションにより双方合意の下に決定した通信ポリシー2と、アプリケーション(サーバ側プロセス部)から適宜発生する送信要求された送信データをサーバ側送受信制御部310に通知する。
【0452】
サーバ側通信インターフェース処理部311では、サーバ側送受信管理部302から受け取った、通信ポリシー2と適宜通知されてくる送信データから、通信ポリシー2にしたがって、送信パケットを構成する。セッションヘッダーに、送出するデータに適用する通信ポリシーが通信ポリシー2であることを示す通信ポリシーIDを付加し、さらに、送信時に適用する、フロー制御(送信帯域、ジッター、遅延時間等)、再送制御等の通信ポリシーにしたがった送信指示事項を示す送信制御パラメータをセッションヘッダーに付加して、同送信指示とともにサーバ側TCP処理部312に通知する。
【0453】
サーバ側TCP処理部312は、受け取った送信指示にしたがって、受け取ったデータにTCPヘッダーを付加して、アクセス処理部313を通して配信中継装置2に向けて送信する。
【0454】
情報配信サーバ装置3と配信中継装置2とのネゴシエーションにより双方合意の下に決定した通信ポリシー2にしたがって、サーバのTCP処理部312から送信されてくるデータを、アクセス処理部220を経由して中継側第2TCP処理部218にて受信処理を行う。中継側第2インターフェース処理部217が、通信ポリシー2にしたがった受信処理の管理を行う。
【0455】
中継側第2TCP処理部218は、中継側第2インターフェース部217にサーバから受信したデータを通知する。受け取ったデータのセッションヘッダーをチェックして、受信パケットに適用されている通信ポリシーが何であるかを通信ポリシーIDにより確認する。
【0456】
中継側第2インターフェース処理部217では、データの通知状況から通信ポリシー2の達成状況を監視し、適宜、中継側第2TCP処理部218を通してサーバにデータ送信の送信制御パラメータの変更を要求する。
【0457】
中継側第1インターフェース処理部224は、中継側共通インターフェース処理部216から受け取った情報配信サーバ装置3から送信されてきたデータを受け取り、通信端末装置1とのネゴシエーションで策定し適用することになった通信ポリシーを示す通信ポリシーIDをセッションヘッダーに登録し、さらにセッションレベルにおいて送信時に適用する通信ポリシーの送信制御パラメータ値をセッションヘッダーに登録したパケットと、通信ポリシーにしたがった送信指示を、適用している通信ポリシーに基づいたタイミングで第1UDP処理部222に通知する。第1UDP処理部222は、受け取ったパケットと送信指示に基づいて、直ちにUDPヘッダーを受け取ったパケットに付加して、直ちに、アクセス処理部221に通知し、アクセス処理部221からモバイル通信網N4を経由して通信端末装置1に向けて送出される。
【0458】
第1UDP処理部222とアクセス処理部221での処理に要する時間は、中継側送受信管理部211の監視により算出し、同算出結果と適用する通信ポリシーに規定されている通信品質を考慮して、第1インターフェース処理部224において、上記送信指示を出すタイミングを制御する。
【0459】
第1インターフェース処理部224は、受信確認、フロー制御(送信帯域、ジッター、遅延時間等)、再送制御等の通信ポリシーにしたがった送信指示をUDP処理部222に通知し、UDP処理部222では受け取った送信指示にしたがった送信処理を行う。
【0460】
なお、プロトコルを機能毎にモジュール化したモデルの例として、OSIの7階層モデルの他、TCP/IPインターネットの階層モデルがある。図13は、(a)TCP/IPインターネット階層モデルと(b)OSI7階層モデルとの対応関係について示す図である。また、図14は、階層とサービスとの対応関係について示す図である。
【0461】
図9及び図10等に示したネットワークモデルは、OSIの7階層モデルとTCP/IPインターネットの階層モデルとの両モデルに対応した機能をそれぞれの機能ブロックで実現する。例えば、図10ではOSI7階層モデルに則ってモデルが示されているが、TCP/IPインターネット階層モデルに対応した構成として、機能ブロック111、224、217、311はアプリケーション層を実現し、機能ブロック114、221、220、313はインターネット層、またはネットワークインターフェース層を実現し、TCP、UDP処理モジュール112,113,218,219,222,223,312,315はトランスポート層に相当する。
【0462】
UDPにてデータを送受信する場合、送達確認、指定した通信品質の実現、再送制御等の機能は、UDPの上位のセッションレベルにおいて実現する。ここでは、送達確認の実現手法について説明する。図15は、送達確認の実現手法について示す図である。
【0463】
(1)送信側から1パケットのデータが送信され、受信側で受信する度に受信確認応答(ACK)を送信側に返す。すなわち、すべての送信したパケットの送達確認を行う方法である。
【0464】
通信ポリシーで設定/指定された通信品質の実現に必要な制御パラメータを適宜必要に応じて、受信確認応答に含める。例えば、受信確認応答に、パケットを受信した時刻であるタイムスタンプを挿入する。
【0465】
パケットを送出した時刻から受信確認応答を受信するまで受信待ちで待機する時間をtと設定しておき、tを超えた場合は、送信側ではパケットロスと判定する。
【0466】
パケットロスと判定されたパケットについては、アプリケーションに応じて設定することになるが、通信ポリシーとして設定された仕様にしたがってパケットロスが発生した場合の処理を行う。パケットロス発生時の再送については、以下において示す。
【0467】
(2)受信側にて2パケットを受信する度に、2つめのパケットを受信したこを示す1個の上記受信確認応答を返す。
【0468】
受信側にて1個目のパケットを受信したことを確認し、次いで2個目のパケットを受信したことを確認した後に、同パケットを受信したことを示す受信確認応答を返す。また、この受信確認応答において、1個目パケットの受信確認情報を含めることも可能である。
【0469】
(3)受信側にて3パケットを受信する度に、1個の上記受信確認応答を返す。
【0470】
(4)以下受信側にてnパケット(nは1以上の自然数)を受信する度に、1個の上記受信確認応答を返す。
【0471】
受信側にて、n個のパケットを受信した後に、n番目に受信したパケットのみの受信確認情報、あるいは、1〜n番目のパケットの任意の数のパケットの受信確認情報を収納した1個の受信確認応答を送信側に送信する。
【0472】
上記(1)〜(4)にて示すように、受信側にて受信するパケットの数を指定し、その指定した数のパケットを受信する度に1個の受信確認応答を送信側に送信することにより、送達確認を行う。指定する数が小さいほど受信データの品質の質は高くなる。が、受信確認応答を返す数が多くなるため、通信速度等の通信品質が低下する。しかし、指定する数が大きいほど、データ転送速度は大きくなり、リアルタイム性を重視するデータの転送に好適な通信ポリシーとなる。ただし、指定する数が大きいほど、パケットの送達度合が減少するため、送信されたが受信できないといったデータの発生する確率が高くなる。
【0473】
このような特性を有することを踏まえ、オブジェクト毎に、最適な上記特性は異なるため、オブジェクトの転送に向いた特性を示すnを適宜、通信ポリシーにおいて指定することにより、さまざまな特性を持つオブジェクトに最適な通信品質にてデータを送受信することが可能となる。
【0474】
また、送信側から送信するパケットにシーケンス番号を割り当てることにより、送信時刻をサーバ側で管理したり、受信側で受信したパケットから例えばオブジェクトを再生するに際し、パケットの送信順に割り当てたシーケンス番号、あるいはサーバにてパケットに適宜割り当てたシーケンス番号順にパケットデータを処理する必要がある場合は、送受信制御部においてパケットのシーケンス番号順に並べ替えを行って受信処理を行わせることができる。
【0475】
この送受信制御部において行う処理をセッションレベルにおいてサポートすることも可能である。この場合、アプリケーション側では、シーケンス番号順にデータが渡されることになる。これも通信ポリシーにおいて指定して、使い分けを行う。この使い分けは、通信料金に反映され、課金の対象となる。
【0476】
(5)(1)〜(4)で示した送達確認を、mサイクル繰り返した後、h個のパケットを受信する間は受信確認応答を送信側に送信しないという方法。m、hは整数とする。これは、送達確認する回数を減少させることができるため、より送受信処理効率を上げることができる。
【0477】
次いで、受信確認応答が受信待ちタイマー値以内に受信できなかった場合は、パケットロスと判定する。パケットロスと判定されたパケットの再送は、▲1▼通信ポリシーにて指定された再送回数を上限とした再送を行う、▲2▼通信ポリシーにて指定された再送限界時刻を上限として、同時刻を越えては再送を行わない、という通信ポリシーにしたがって、セッションレベルにおいて再送制御を行う。これらの再送処理は、受信確認応答に含まれている送達情報を用いて行う。
【0478】
受信確認応答に、パケットの受信時刻タイムスタンプを挿入するなどパケットの受信時の状況、指定された通信ポリシーの達成度、あるいは送信時への要望(送信速度を上げろ、ジッターもっと小さくしろ、遅延を抑えるように送信しろ、といった要望)等を送達情報として収納して送信側に返送する。達成度の判定あるいは送信側への要求の作成時に、ギャランティ型の場合は、明確な1個の数値が目標となり同数値に対する達成度判定等を行うことになるが、プレミアムベストエフォートな設定値の場合は、上限と下限という目標設定値に幅を持たせるところに特徴がある。
【0479】
パケットの送信側では、この受信確認応答に収納されている送達情報を参照して指定された通信品質を維持するようにセッションレベルにおいて送信制御を行う。
【0480】
データの特定のために、セッションID、オブジェクトID、通信ポリシーID、シーケンス番号等は受信確認応答に含めることができる。
【0481】
この送達情報を参照して、送信速度を変更するフロー制御を行ったり、ジッター値の変更を行って、送信パラメータを適宜変更して、送信制御を行って通信ポリシーの達成度を上げる。
【0482】
上記通信区間Aにおいて、上記送信側が配信中継装置2である場合、配信中継装置2では、変更した送信制御パラメータにしたがって、情報配信サーバ装置3に受信確認応答に同送信制御情報を収納して送信し、データ送信の送信制御を行うように指示する。
【0483】
受信確認応答には、同受信確認応答を受け取った送信側からの送信側受信確認応答を要求するものと要求しないものがある。
【0484】
送信側受信確認応答を要求する受信確認応答では、過去の履歴情報であるとか、受信したパケットのシーケンス番号あるいは再送を要求するシーケンス番号、ある指定された時刻からある指定された時刻までに受信したパケットサイズ等確実に送りたい情報を送信する。
【0485】
Nを指定してK個(N<K)のパケットをブロック送信して、送信を一時停止させ、N個単位で送られてくる受信確認応答を受信するまでは、新たな送信を停止する。ブロック送信後、受信確認応答を受信し、同受信確認応答に送信停止要求、送信中止要求、あるいは再送要求が送達情報に含まれていない場合は、新たなN個の送信を行う。
【0486】
最初に受信したパケットのシーケンス番号にN−1を加えたシーケンス番号あるいは同番号以上のシーケンス番号のパケットを受信した段階で、受信装置で新たなN個のパケットの受信が可能状態であるか、あるいは受信可能状態になった時点で、受信確認応答を送信側に送信する。このとき適用している通信ポリシーにしたがって、再送要求しない場合は、未受信パケットのシーケンス番号のみあるいはブランクを送達情報として通知する。
【0487】
再送しないという通信ポリシーで、しかも、パケットの到着順を考慮することなく送信したオブジェクトデータの再構成ができる場合は、パケットにシーケンス番号は付与しない。このときは、適用している通信ポリシーの設定項目の達成度(達成状況)、送信制御要求等を送達情報として送信側に通知する。
【0488】
同送達確認情報により送信中のオブジェクトに適用している通信ポリシーの設定項目の目標設定値に近づけるように送信制御する。
【0489】
ポリシー設定項目の達成度は、受信端末上で観測される受信データのポリシー設定項目の移動平均、目標設定値との乖離状況を考慮して算出する。
【0490】
再送要求が含まれている場合、特に指示がない場合は、通信ポリシーに設定された仕様にしたがって再送処理を行う。また、複数個の再送処理方法が通信ポリシーに登録されている場合に、再送要求側が適宜指定した再送処理方法にて再送を指示したい場合は、その中でどの処理方法を適用して再送を行うかを受信確認応答時に適宜選択して指示事項として受信確認応答に含める。特に指示しない場合は、通信ポリシーに登録されている方法にて再送処理が適用される。
【0491】
再送処理としては、再送回数の上限回数を指定する再送処理、再送処理を行う期限(時刻)、ある指定したシーケンス番号の送信が行われるまでの間に再送処理を行うことを指定するなど、ある指定したシーケンス番号以降の送信を再送処理が完了するまで送信を止めるなどの、再送処理等が考えられる。
【0492】
再送要求されたパケットは、受信確認応答で要求されたパケットを一括りとしてまとめ、要求されたパケットを要求された手法にて再送処理が完了した時点で、受信確認応答を待つ。受信側は、再送要求したデータについては、送信側から要求したすべてのパケットを受信するか、受信待ちタイマー値を超えた場合に受信確認応答を送信側に返す。このとき受信確認応答には、再度再送を要求するパケットのシーケンス番号が記載されている。
【0493】
この再度の再送要求がなくなると再送処理は完了したとみなす。再送要求があっても通信ポリシーに設定されている再送回数を超えた場合は再送処理は完了したとみなし再送は行われない。
【0494】
送信停止要求を受け取った場合は、送信処理を一時停止したまま、送信開始要求が来るのを待つ。
【0495】
送信側が配信中継装置2である場合、配信中継装置2の受信バッファーに常に中継送信することのできるパケットデータが常蓄されているとは限らない。受信バッファーに蓄積されている未送信データを通信端末に向けて送信しようとしたときに未送信パケットデータが存在しない場合は、通信ポリシーを達成することが困難となるといった問題が発生する。
【0496】
したがって、送信しようとする前までに、送信データが受信バッファーに蓄積された状態になるように、情報配信サーバ装置に対してオブジェクトデータを送信制御するように要求する。
【0497】
通信区間Aと通信区間Bが同等の通信ポリシーであり、同一のUDPトランスポートプロトコルである場合は、通信端末装置1からの受信確認応答より受け取った送達情報に、配信中継装置2の処理状況を加味して情報配信サーバ装置3に対して要求する送信要求を算出し、情報配信サーバ装置に向けて送信し送信制御の要求を通知する。
【0498】
通信区間Aと通信区間Bが異なる通信ポリシーである場合は、通信区間Bから通信区間Aに中継するにあたって、パケットデータのデータ構造を変更する場合は、受信バッファーから送信バッファーにパケットデータを変更して移動させる。したがって、受信してから送信バッファーにパケットをデータ変換して登録する処理遅延を考慮して、通信区間Aで通信ポリシーを実現するにあたって、送信バッファーの未送信データが常に存在するように、通信区間Bの情報配信サーバ装置3に対して送信要求する。情報配信サーバ装置3では受け取った送信要求を考慮して適用している通信ポリシーにしたがって、オブジェクトの送信制御を行う。
【0499】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。本例は通信ポリシーに従ってデータ変換を行う例である。
【0500】
通信ポリシーのポリシー設定項目として、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1の要求、要望に応じて通信端末装置1で再生できる形式への変換、通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの空き状況と連動したデータの品質(QoS)制御を目的としたデータ変換手法とその変換手法の選択手法を登録/設定しておく。
【0501】
オブジェクトの送信を開始するまでに、通信ポリシーの適用に際して使用する可能性のあるデータ変換手法が使用できるように予め利用予約を、通信ポリシーの決定ネゴシエーション時に行う。同予約も、通信ポリシーに設定する通信品質の保証手法として、データ変換を行いたいときに、確実な使用を保証するモード、プレミアムベストエフォートな優先性で使えるモード、ベストエフォートな優先性で使えるモードに分けた予約を可能とする。これらの使用者数の調整は料金の設定手法により対処する。
【0502】
情報配信システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて、適用される通信ポリシーが変更され、選択された通信ポリシーに設定されているデータ構造、データ品質、データ表現形式、ペイロードフォーマットに適応したデータ等に送信対象オブジェクトデータがデータ変換される。データ変換された送信オブジェクトデータを、通信ポリシーに設定されている通信プロトコルにて、通信ポリシーに設定されているペイロードフォーマットにしたがってパケット化して送信する。
【0503】
通信ポリシーに設定されたデータ構造、データ品質、データ表現形式、データ変換手法等は、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2の3者のネゴシエーションにて決定されたものである。情報配信サーバ装置3が送信するオブジェクトの元データから、通信端末装置1で再生するレンダラー等が処理できるデータへ向けて、各中継ノードにおいて中継ノードの前後で適用される通信ポリシーが変更される場合、あるいは、中継ノードの前後で、通信ポリシーは変更されないが通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況(通信ポリシーを実現するために必要となる通信リソースの空き状況が中継ノードの前後で)が変化する場合にデータ変換が行われる。
【0504】
データ変換は、通信ポリシーに定められたデータ変換手法の適用方法にしたがって、情報配信システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて選択したデータ変換手法を用いて行われる。同データ変換手法では、通信ポリシーで定められた通信品質、通信形態、通信品質の保証手法に最適な、データ構造、データ品質、データ表現形式、パケットのペイロードフォーマット等に、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて適宜データ変換される。
【0505】
ポリシー変換すると、同変換の前後で通信ポリシーに設定されているデータ構造、データ品質、データ表現形式等が異なる場合は、通信ポリシーに設定されているデータ変換手法によりデータ変換もなされる。
【0506】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。本例も通信ポリシーに従ってデータ変換を行う例である。
【0507】
送信データに適用する通信ポリシーの適用条件と通信ポリシーからなる通信ポリシークラスを設定登録しておき、既存の通信ポリシーを適用するときは、送信データに既存の通信ポリシークラスを割り当てる。
【0508】
情報配信サーバ装置3からデータを送信時あるいは中継ノードに流入あるいは送出されるときに、適用する通信ポリシーは、送信データに、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況をメッセージとして投げると、現在適用する通信ポリシーが返ってくる。この通信ポリシーにしたがって、送信データの送信制御を行う。
【0509】
送信データに割り当てた通信ポリシークラスを示す通信ポリシーIDを送信データのパケットヘッダーに登録しておく。同パケットヘッダーに登録されている通信ポリシーIDから適用する通信ポリシークラスを抽出する。抽出された通信ポリシークラスに通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況等の情報を与えることにより、現在適用する通信ポリシーを策定し、さらに各通信ポリシーのポリシー設定項目値を読み取ることができる。
【0510】
したがって、送信データにはパケットヘッダーに適用する通信ポリシーIDを付加しておくだけで容易に、さまざまな通信ポリシーを適用するノード、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて適用する最適な通信ポリシーを探し出して決定し、設定することが可能となる。
【0511】
ここで、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況が、中継ノードの前後で変化する場合の、ストリーミング映像あるいはストリーミング音声を中継送信するときに、通信ポリシーにしたがって送信データがデータ変換されて中継送信される場合の動作について説明する。
【0512】
ストリーミング映像あるいはストリーミングサウンド(音声)は、単位時間あたりに通信端末装置に送達しなければならないフレーム数を一定とする通信ポリシーで送信する場合を考える。
【0513】
各フレームにおいて構成されるデータを階層的に詳細度により分類し、上位の階層のデータからより多くの下位の階層のデータを使うほど、プログレッシブにより詳細な映像表示、より高品質な音声/音楽をレンダリングできるデータ構造にそれぞれのストリーミング映像、サウンドを変換しておく。
【0514】
そしてパケットの先頭から順に階層の上位のデータからパケットに収納する。このように生成したパケットを送信する場合を考える。例えば、
(1)想定した通信路の輻輳状況である場合は、中継ノードにてはデータ変換されずに中継送信される。
(2)想定した輻輳状況より高度な輻輳状況に陥った場合は、中継されるデータは、中継ノードにて通信ポリシーにしたがってデータ変換される。
【0515】
想定した輻輳状況より高度な輻輳状況に陥った場合は、輻輳度が高くなったので、単位時間あたりに転送できるデータ帯域が減少するため、パケットの後部情報をカットするというデータ変換を行って、1フレームあたりに転送するデータサイズを低減することによって、通信路のデータ送信帯域の減少分を補って、単位時間あたりのフレーム数を変化させることなくデータを中継送信する。この場合、通信端末に送達されるデータ量が低減されるため、再生される映像の詳細度が粗いものとなり、品質の悪い映像となるが、映像の切り替わるタイミングは変化しない違和感のない映像が再生される。
【0516】
VoIPのような音声の場合も同様で、音質が悪いものとなるが、再生タイミングは、変化しない違和感のない音声が再生される。
【0517】
輻輳状況の変化が大きいほど、パケットのデータのカットされる率が高くなるようなデータ変換を行うというデータ変換手法を通信ポリシーとして設定していれば、輻輳状況が変化してもフレームレートを変化させない映像を送ることができる。
【0518】
また、ある一定値以上輻輳状況が変化すると、フレームレートを下げて、映像品質をある一定のレベル以上に維持するようなデータ変換を行うようなデータ変換手法を通信ポリシーに設定することもできる。
【0519】
ストリーミング映像の場合は、例えば、1フレームおきに1フレームを間引くといったデータ変換処理を中継ノードで行うことにより、フレームレートを変更する。間引くフレーム数が多くなるほど、映像の切り替わり方の滑らかさがぎこちないものとなっていくが、映像(物体移動等)の再生速度は変化しない。
【0520】
ストリーミング音声の場合も同様で、音の移り変わりのなめらかさが変化し、途切れ途切れの音になり聞きづらいものとなるが、音声の再生速度は変化しない。
【0521】
このような、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金といった通信ポリシーと連動させたデータ変換を通信ポリシーとして取り込み、送信制御することによって、ユーザの希望するマルチメディアコンテンツ品質を満足するようなデータの中継送信が可能となる。
【0522】
(3)中継ノードの前後で、適用する通信ポリシーが異なる場合、通信ポリシーの適用が替わるタイミングで新たに適用される通信ポリシーにしたがってデータ変換される。この場合は、適用される通信品質に合わせて、データ変換を行うことになる。
【0523】
例えば、中継ノードの前後で適用される通信ポリシーの通信帯域が小さくなるような場合を想定する。この場合、通信帯域が中継ノードを境にして、小さくなるため、上記(2)のようにネットワークの輻輳レベルが高くなった場合と同様な状況になる。
【0524】
したがって、上記(2)と同様なデータ変換を行うことによって、上記(2)と同様な効果を生む。すなわち、中継ノードが受信するデータのフレームレートは高いが、中継ノードから送出されるフレームレートは、間引きによるデータ変換を行うことにより、低減される。
【0525】
また、フレームレートを維持する通信ポリシーの場合は、中継ノードで受信した各フレームのデータを減少するというデータ変換を行って、送信帯域の減少分を補い、中継送信するデータ量を低減する。
【0526】
(4)中継ノードに高速なデータ変換装置が装備されている場合、中継ノードにおいて、送信帯域の減少分をデータの圧縮によってカバーする手法が考えられる。
【0527】
中継ノードにおけるデータの中継スループットを損なうことのないデータ変換処理速度で受信したデータの圧縮処理(データ変換)を実現することにより、全く映像品質を損なうことのないデータを送信することができる。ただし、通信端末装置のビュワーにおいて、圧縮されたデータであっても圧縮しない場合と同等のレンダリング性能を実現することができる場合に限る。
【0528】
この通信端末のビュワーの処理性能と中継ノードでのデータ変換処理性能を考慮して、ネットワークの輻輳に対するデータ変換手法を通信ポリシーとして設定する。なお、データ変換ルールの例を図16(a)〜(d)に示す。
【0529】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。本例も通信ポリシーに従ってデータ変換を行う例である。
【0530】
通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、(1)情報配信サーバ装置3と通信端末装置1の要求、要望に応じて、受信装置で再生あるいは処理できるデータへの変換処理と、(2)通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの空き状況に応じたデータの品質(QoS)制御とを適宜組み合わせあるいは使い分けてデータを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を送信するデータ、オブジェクト、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定し、該通信ポリシー適用下でのデータの送信あるいは中継送信あるいは受信時において、送受信装置、すなわち、情報配信サーバ装置3あるいは途中の配信中継装置2あるいは通信端末装置1あるいはアクセス中継装置において、データを通信路(ネットワーク)の輻輳状況あるいは通信リソースの空き状況に応じて、適宜動的に上記データ変換を行う。
【0531】
あるいは、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、(1)送信装置から受信装置に向けて送信されるデータを、送信装置と受信装置の要求、要望に応じて変換するデータ変換処理と、(2)送信装置から受信装置に向けて送信されるデータを、受信装置で再生あるいは処理できるデータへ変換するデータ変換処理と、(3)通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの空き状況に応じたデータの品質(QoS)を制御するためのデータ変換処理と、を適宜組み合わせあるいは使い分けてデータを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を送信するデータ、オブジェクト、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定し、該通信ポリシー適用下でのデータの送信あるいは中継送信あるいは受信時において、送受信装置、すなわち、情報配信サーバ装置3あるいは途中の配信中継装置2あるいは通信端末装置1あるいはアクセス中継装置において、データを通信路(ネットワーク)の輻輳状況あるいは通信リソースの空き状況に応じて、適宜動的にデータ変換を行う。
【0532】
また、送信者と受信者の要求に応じて、第1の通信ポリシーにしたがって送信されてきたデータ1を第2の通信ポリシーにポリシー変換してデータ2を送出するシステムにおいて、データ1をデータ2にデータ変換する該データ変換処理負荷を考慮して、第1の通信ポリシーと第2の通信ポリシーを決定し、設定する。
【0533】
あるいは、送信者と受信者の要求に応じて、第1の通信ポリシーにしたがって送信されてきたデータ1を第2の通信ポリシーにポリシー変換してデータ2を送出するシステムにおいて、システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて、データ2のデータ品質を決定し、その他の通信ポリシー設定項目を極力維持するように努める。
【0534】
なお、上記情報配信サーバ装置3は、上記通信端末装置1をもって代替することができる。また、送信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができる。また、受信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができる。
【0535】
また、データ変換処理する対象は、データそのもの、データのデータ構造、データ品質、データ表現形式/記述フォーマット、パケットペイロードフォーマットなどである。
【0536】
ここで、通信ポリシーにデータ変換手法を取り込んだ場合について詳しく説明する。
【0537】
通信ポリシー設定監視部40(図1参照)は、上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、▲1▼情報配信サーバ装置3と通信端末装置1の要求、要望に応じて受信装置(例えば通信端末装置1)で再生あるいは処理できるデータへの変換処理と、▲2▼通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの使用状況に応じたデータの品質(QoS)制御とを適宜組み合わせあるいは使い分けて、上記データを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を、送信する上記データ、オブジェクト、コンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定する。
【0538】
また、上記通信ポリシー設定監視部40(図1参照)は、上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、▲1▼送信装置から受信装置に向けて送信されるデータを、送信装置と受信装置の要求、要望に応じて変換するデータ変換処理と、▲2▼送信装置から受信装置に向けて送信される上記データを、受信装置で再生あるいは処理できるデータへ変換するデータ変換処理と、▲3▼通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの使用状況に応じた上記データの品質(QoS)を制御するためのデータ変換処理とを適宜組み合わせあるいは使い分けて、上記データを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を、送信する上記データ、オブジェクト、コンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定する。
【0539】
同通信ポリシー適用下での上記データの送信あるいは中継送信、あるいは受信時に、上記情報配信サーバ装置3あるいは途中の上記配信中継装置2あるいは上記通信端末装置1あるいは上記アクセス中継装置の送信装置において、上記データを通信路(ネットワーク)の輻輳状況あるいは通信リソースの使用状況に応じて、適宜動的に上記データ変換を行う。
【0540】
送信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができ、また、受信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができる。
【0541】
また、上記通信ポリシー設定監視部40では、送信者と受信者の要求に応じて、通信ポリシーAにしたがって送信されてきたデータaを通信ポリシーBにポリシー変換してデータbを送出する場合において、データAをデータBにデータ変換する同データ変換処理負荷を考慮して、通信ポリシーAと通信ポリシーBを決定し、設定する。
【0542】
また、上記通信ポリシー設定監視部40では、送信者と受信者の要求に応じて、通信ポリシーAにしたがって送信されてきたデータaを通信ポリシーBにポリシー変換してデータbを送出する場合において、その他の通信ポリシーのポリシー設定項目の達成度を極力落とすことなく、システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの使用状況に応じて、データbのデータ品質を決定する。
【0543】
通信ポリシー設定監視部40においてデータ変換手法をポリシー設定項目として設定し、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置のいずれかの送信装置において、同通信ポリシーにしたがって送信データを適宜、データ変換部のデータ変換処理モジュールの処理能力、送信装置/データ変換部のデータ変換処理(負荷)状況、通信リソースの使用状況、あるいは通信路の輻輳状況に応じてデータ変換(あるいは、データ変換手法を選択してデータ変換)して送信する。
【0544】
通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置の通信ポリシー設定監視部40において、通信ポリシー決定時、要求されるデータ変換を実現する複数のデータ変換手法を検索し、送受信制御部41において、同データ変換手法のデータ変換部のデータ変換処理モジュールの処理能力、送信装置/データ変換部のデータ変換処理(負荷)状況、通信リソースの使用状況、あるいは通信路の輻輳状況、または同データ変換手法の処理状況に応じて、適用するデータ変換手法の動的な変更と、同データ変換手法を用いてデータ変換するデータの品質制御を行う。
【0545】
続いて、プライベートネットワークを利用したデータの送受信に配信制御装置4を適用する場合について説明する。
【0546】
上記通信端末装置1(移動機)から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、上記通信端末装置1と上記情報配信サーバ装置3との間あるいは上記通信端末装置1と上記アクセス中継装置との間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する、同時利用セッション数、あるいは同時利用トンネル数、あるいは同時利用コネクション数、あるいは通信プロトコル、パケットのデータ収納形式その他の上記オブジェクトのデータ構造、パケットのデータ品質、上記データ構造のデータ変換手法、上記データ変換手法の選択手法、適用する通信ポリシーの選択手法の項目の内少なくとも1つの項目からなる通信形態、通信品質、通信品質の保証の仕方、優先度と、発生する通信料金に関する制約条件等からなる通信ポリシーをコネクション毎に設定する。
【0547】
また、上記情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の上記コンテンツの配信中継サービスを提供する配信中継装置2は、通信端末装置1から受付けた上記プライベートネットワークへの接続要求に応じて、各通信端末装置1毎に、同通信端末装置1との間に第1のトンネルを確立し、同第1のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定する。次いで、接続要求を受け付けた上記プライベートネットワーク毎に、同プライベートネットワークの上記アクセス中継装置との間に第2のトンネルを確立し、同第2のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定する。
【0548】
上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式における接続処理を行って、上記通信端末装置1と上記情報配信サーバ装置3との間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーをコネクション毎に設定する。配信中継装置2は、情報配信サーバ装置3から受け取ったコンテンツデータ(オブジェクトデータ)を、情報配信サーバ装置3の要求あるいは通信端末装置1の要求に応じて、配信中継装置2の処理状況を考慮して、データ変換(メディア変換)を行い、さらに通信ポリシー変換(通信QoS変換)を行って、通信端末装置1に向けて中継配信する。
【0549】
配信中継装置2の処理状況を考慮するのは、データ変換処理の負荷が大きい場合には、通信ポリシーを決めても、決めた通信ポリシーを実現できるようなデータ中継処理ができない場合があるためである。したがって、配信中継装置2で同データ変換を行っても、配信中継装置2で、送信時の情報配信サーバ装置1と配信中継装置2との間で実現する通信ポリシーAから、配信中継装置2と通信端末装置1との間で実現する通信ポリシーBへの通信ポリシーの変換処理が確実に行われるように、通信ポリシーA、通信ポリシーB、通信ポリシー変換手法、データ変換手法を決定する。同通信ポリシーA、通信ポリシーB、通信ポリシー変換手法、データ変換手法をオブジェクト(コンテンツ)データを送信する前に、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3の間でネゴシエーションを行って決定し、同通信ポリシーA、通信ポリシーB、通信ポリシー変換手法、データ変換手法を実現できるように、通信リソース(配信中継装置2、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1等の設備/機能等)を予約確保することにより、効果的で、思い通りの、ストレスのないコンテンツの送信、再生利用を行うことが可能となる。ここで配信中継装置2を例に説明したが、これに限定されるものではなく、各送信装置(ここでは、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置、その他の通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間に構成される各装置を含むものとする。)で送信すべきデータを送信する場合に、各処理状況を考慮して行う場合にも適用できるということは言うまでもない。
【0550】
常時は上記プライベートネットワークに接続されていない通信端末装置1から送信された、上記プライベートネットワークに対する接続要求を受付けた上記配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求、あるいはパケットリンク方式による接続要求をアクセス中継装置において受付けると、同アクセス中継装置は、同配信中継装置2と上記プライベートネットワークとの間にコネクションを確立するとともに、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケット、あるいは上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1のパケットを中継送信するときに適用する上記通信ポリシーを設定し、同アクセス中継装置内の中継通信手段において、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットを上記プライベートネットワークに上記通信ポリシーにしたがって必要に応じてデータ(メディア)変換を行って中継送信し、また、上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1宛のパケットを固定網あるいは公衆移動体無線通信網を介して同配信中継装置2に上記通信ポリシーにしたがって必要に応じてデータ(メディア)変換して中継送信する。
【0551】
また、同中継通信手段は、上記配信中継装置2との間にトンネルを確立し、同トンネルを用いて複数の上記通信端末装置1との間で、通信端末装置1ごとに異なる通信ポリシーを適用してパケットの送受信を行なう。
【0552】
上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1からの上記プライベートネットワークへの接続要求毎に、同通信端末装置1と同プライベートネットワークとの間に仮想的なコネクションを確立し、同コネクションに対して、同コネクションを介したパケットの送受信に際して適用する上記通信ポリシーを設定し、同コネクションにコネクション識別子を付与し、同コネクション識別子を同通信端末装置1および同プライベートネットワークへの中継を行なう上記アクセス中継装置に通知し、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを同通信端末装置1との間に確立するかあるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択し、また、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを同アクセス中継装置との間に確立するか、あるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択し、上記アクセス中継装置は、送信する同通信端末装置1向けパケットに送信時に利用するコネクション識別子を付与して、上記確立あるいは選択した第2のトンネルを介して同配信中継装置2に同第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって必要に応じてデータ(メディア)変換して送信し、上記配信中継装置2は、上記第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているコネクション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、同第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって同パケットを必要に応じてデータ(メディア)変換して通信端末装置に向けて送信する。
【0553】
上記確立したトンネル内に、固有の上記通信ポリシーを設定した1つあるいは複数のセッションを確立し、同セッションに設定された同通信ポリシーにしたがって、必要に応じてデータのデータ(メディア)変換を行って送受信制御を行ない、データを送受信する。
【0554】
この場合、上記オブジェクト毎に、同オブジェクトの送受信時に最適な通信ポリシーが設定されている既設のセッションを選択するか、新規に同オブジェクトに設定されている通信ポリシーを実現できる最適な通信ポリシーを上記通信ポリシー設定監視部40によって設定されたセッションを、既設あるいは新規に確立した上記トンネル内に確立し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって必要に応じて同オブジェクトのデータのデータ変換を行い送受信制御を行ない、データの送受信を行なう。
【0555】
また、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置のいずれかの送信装置、または上記送受信制御部41は、データ変換部のデータ変換処理モジュールの処理能力、送信装置/データ変換部のデータ変換処理(負荷)状況、通信リソースの使用状況、あるいは通信路の輻輳状況に応じて、送信データのデータ変換手法の変更要求、あるいはその他ポリシー設定項目、同設定項目の項目値の変更要求からなる通信ポリシーの変更を通信ポリシー設定監視部40に要求する。
【0556】
トンネル利用時は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立したトンネルに継承され、トンネルに固有に設定された通信ポリシーと上記継承したコネクションに設定された通信ポリシーが、同トンネル内に確立した(張った)セッションに継承され、同セッションに固有に設定した上記通信ポリシーと同継承したコネクション、トンネルに設定された上記通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用され、トンネルを利用しない場合は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立されたセッションに継承され、同セッションに固有に設定された通信ポリシーと同継承された通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用される。
【0557】
上記第1のトンネルに設定された通信ポリシーと上記第2のトンネルに設定された通信ポリシーが異なる場合、第1のトンネルから第2のトンネルにデータが中継される場合、また、第2のトンネルから第1のトンネルにデータを中継する場合、配信中継装置において、送出先通信路の通信ポリシーにポリシー変換を行なって同データを必要に応じてデータ変換し送受信する。
【0558】
上記通信端末装置1(移動機)から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、上記通信端末装置1と上記情報配信サーバ装置3との間あるいは上記アクセス中継装置間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する同時利用セッション数、あるいは同時利用トンネル数、あるいは同時利用コネクション数、あるいは通信プロトコル等の項目の内少なくとも1つの項目からなる通信形態と通信品質と通信品質の保証の仕方と優先度からなる通信ポリシーをコネクション毎に設定する。
【0559】
上記情報配信システムにおいては、上記情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の上記コンテンツの配信中継サービスを提供する配信中継装置2を有し、同配信中継装置2は、通信端末装置1から受付けた上記プライベートネットワークへの接続要求に応じて、各通信端末装置1毎に、同通信端末装置1との間に第1のトンネルを確立し、同第1のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定するとともに、接続要求のあった上記プライベートネットワーク毎に、同プライベートネットワークの上記アクセス中継装置との間に第2のトンネルを確立し、同第2のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定する。
【0560】
同配信中継装置2は、上記通信端末装置から受付けた上記プライベートネットワークに接続された情報配信サーバ装置3への接続要求に応じて、上記通信端末装置1との間の通信において適用する第1の通信ポリシーを決定・設定し、決定・設定した同通信ポリシーに応じて上記通信端末装置1との間にトンネルを確立し、同トンネルを介して行なわれる通信に対して上記第1の通信ポリシーを適用し、上記プライベートネットワークと上記配信中継装置2との接続処理あるいはデータの中継処理を行う上記アクセス中継装置間の通信に適用する第2の通信ポリシーを決定・設定し、設定した同第2の通信ポリシーに応じて、上記アクセス中継装置間にトンネルを確立し、同トンネルを介して行なわれる通信に対して上記第2の通信ポリシーを適用する。
【0561】
配信中継装置2では、上記通信端末装置1から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、上記移動端末と上記情報配信サーバ装置間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する同時利用セッション数、あるいは同時利用トンネル数、あるいは同時利用コネクション数、あるいは通信プロトコル等の項目の内少なくとも1つの項目からなる通信形態と通信品質と通信品質の保証手法からなる通信ポリシーをコネクション毎に設定する。
【0562】
アクセス中継装置では、通信端末装置(移動機)から送信された、上記プライベートネットワークに対する接続要求を受付けた上記配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求あるいは、パケットリンクによる接続要求を受け付けると、同配信中継装置2と上記プライベートネットワークとの間にコネクションを確立するとともに、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケット、あるいは上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1宛のパケットを中継送信するときに適用する上記通信ポリシーを設定し、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットを上記プライベートネットワークに上記通信ポリシーにしたがって中継送信し、また、上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1のパケットを固定網あるいは公衆移動体無線通信網を介して同配信中継装置2に上記通信ポリシーにしたがって中継送信する中継通信手段を備える。
【0563】
また、上記アクセス中継装置は、上記通信端末装置1から送信されたアクセス中継装置への接続要求に応じて上記配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求あるいはパケットリンクによる接続要求を受付けると、同配信中継装置2との間の通信に適用する第1の通信ポリシーを決定・設定し、設定した第1の通信ポリシーに応じて同配信中継装置2との間にコネクションまたはセッションまたはトンネルを確立し、同時に、必要に応じてプライベートネットワークに接続されている情報配信サーバ装置3との間の通信に適用する第2の通信ポリシーを決定・設定し、設定した第2通信ポリシーに応じて同情報配信サーバ装置3との間にコネクションあるいはセッションあるいはトンネルを確立し、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットに対して第2通信ポリシーを適用し、また上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1宛のパケットを中継送信するときには第1通信ポリシーを適用して中継送信する。
【0564】
上記中継通信手段は、上記配信中継装置2との間にトンネルを確立し、同トンネルを用いて複数の上記通信端末装置1との間で、通信端末装置1ごとに異なる通信ポリシーを適用してパケットの送受信を行なう。
【0565】
上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1からの上記プライベートネットワークへの接続要求毎に、同通信端末装置1と同プライベートネットワークとの間に仮想的なコネクションを確立し、同コネクションに対して、同コネクションを介したパケットの送受信に際して適用する上記通信ポリシーを設定し、同コネクションにコネクション識別子を付与し、同コネクション識別子を同通信端末装置1および同プライベートネットワークへの中継を行なう上記アクセス中継装置に通知し、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを同通信端末装置1との間に確立するかあるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択し、また、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを同アクセス中継装置との間に確立するか、あるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択し、上記アクセス中継装置は、送信する同通信端末装置1向けパケットに送信時に利用するコネクション識別子を付与して、上記確立あるいは選択した第2のトンネルを介して同配信中継装置2に同第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって送信し、上記配信中継装置2は、上記第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているコネクション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、同第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって、同パケットを必要に応じてデータ(メディア)変換して通信端末装置1に向けて送信する。
【0566】
また、上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1からの上記アクセス中継装置への接続要求に応じて、同通信端末装置1と同アクセス中継装置との間に仮想的なセッションを確立し、同セッションに対して、同セッションを介したパケットの送受信に際して適用する上記通信ポリシーを設定し、同セッションにセッション識別子を付与し、同セッション識別子を同通信端末装置1および同プライベートネットワークに接続された情報配信サーバ装置3への中継を行なう上記アクセス中継装置に通知し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって上記第1のトンネルを同通信端末装置1との間に確立するかあるいは、同セッションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択し、また、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって上記第2のトンネルを同アクセス中継装置との間に確立するか、あるいは、同セッションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択し、上記アクセス中継装置は、送信する同通信端末装置1向けパケットに送信時に利用するセッション識別子を付与して、上記確立あるいは選択した第2のトンネルを介して同配信中継装置2に同第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって送信し、上記配信中継装置2は、上記第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているセッション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、同第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって同パケットを上記通信端末装置1に向けて送信する。このとき、トランスポートプロトコルとして、コネクションレス型のUDPを採用した場合にも、トンネルを介してデータを送信することが可能となる。
【0567】
上記確立したトンネル内に、固有の、上記通信ポリシーを設定した1つあるいは複数のセッションを確立し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、必要に応じてデータ変換してデータの送受信制御を行って、データの送受信を行う。
【0568】
上記オブジェクト毎に、同オブジェクトの送受信時に最適な通信ポリシーが設定されている既設のセッションを選択するか、新規に同オブジェクトに設定されている通信ポリシーを実現できる最適な通信ポリシーを上記通信ポリシー設定手段にしたがって設定したセッションを、既設あるいは新規に確立した上記トンネル内に確立し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、必要に応じてデータの送受信制御をなって、データの送受信を行う。
【0569】
本実施の形態で示す情報配信システムでは、上記通信ポリシー設定手段により、上記通信ポリシーを設定または変更する。また、上記送受信制御手段により、データの送受信制御を行い、ネットワーク/通信路/配信中継装置の輻輳状況に応じて、通信ポリシーを適宜変更要求する。また、上記通信ポリシー設定監視部、上記メタポリシー設定部、上記送信制御部により、通信ポリシーの設定あるいは変更、データの送受信制御、データの送受信を行なう。
【0570】
トンネル利用時は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立したトンネルに継承され、トンネルに固有に設定された通信ポリシーと上記継承したコネクションに設定された通信ポリシーが、同トンネル内に確立した(張った)セッションに継承され、同セッションに固有に設定した通信ポリシーと同継承したコネクション、トンネルに設定された通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用され、トンネルを利用しない場合は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立されたセッションに継承され、同セッションに固有に設定された通信ポリシーと同継承された通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用される。
【0571】
上記第1のトンネルに設定された通信ポリシーと上記第2のトンネルに設定された通信ポリシーが異なる場合、第1のトンネルから第2のトンネルにデータが中継される場合、また、第2のトンネルから第1のトンネルにデータを中継する場合、配信中継装置において、送出先通信路の通信ポリシーにポリシー変換を行なって、必要に応じてデータ(メディア)変換してデータを送受信する。
【0572】
本実施の形態で示す情報配信システムでは、課金処理部42が、上記マルチメディアコンテンツの送受信に際して、上記コネクション、上記トンネル、上記セッションの各々に設定された上記通信ポリシーあるいは同通信ポリシーの達成度に応じて発生した通信料金を計算し、同マルチメディアコンテンツに指定された課金先に課金する。
【0573】
例えば、移動機から複数の通信接続を行い異なる複数のサーバと接続して、それぞれのサーバ経由で複数の情報配信サーバ装置と複数のコネクションを確立して、異なる複数のマルチメディアコンテンツへ同時的にアクセスすることが可能となる。
【0574】
また、通信ポリシーの通信料金についてのポリシー設定項目にて、利用者の予算(例えば、通信料金の上限等)に応じて適用する通信ポリシーを決定することができる。したがって、通信路の輻輳状況、通信リソースの使用状況に応じて、利用者の予算や好みに合わせて無駄のない最適な通信リソースをオブジェクト単位あるいはデータに割り当て、オブジェクトあるいはデータを最適なデータ品質、データに変換して、同オブジェクトあるいは同データを送信することができる。
【0575】
よって、通信ポリシー設定監視部40において、利用者の予算や好みを通信ポリシーとして反映して通信ポリシーを好適に適用することにより、利用者の予算や好みに合わせたデータの送受信制御を本発明の上記各装置において実現することができる。
【0576】
通信ポリシーの設定項目の通信プロトコルとして、トンネリングプロトコルが設定された上記オブジェクトを送受信する場合、上記実施の形態に示すトンネルが確立され、同トンネル内に確立されたセッションを通じて、コネクション、トンネル、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、上記実施の形態に示すようにオブジェクトの送受信が行なわれる。
【0577】
通信ポリシーの設定項目の通信プロトコルとして、トンネリングプロトコルを除くプロトコルが設定されているオブジェクトを送受信する場合は、コネクション確立後、セッションを確立して(張って)、セッションを通じて、コネクション、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、トンネリングプロトコル向け送受信制御部において、オブジェクトの送受信が行われる。
【0578】
HTTPプロトコルが選択されると、HTTPプロトコル専用の送受信制御部により送受信制御が行なわれ、ストリーミング映像向けプロトコルが選択されると同ストリーミング映像向けプロトコル専用の送受信制御部が選択されオブジェクトの送受信制御を行う。
【0579】
また、VoIP向けプロトコルが選択されると同VoIP向けプロトコル専用の送受信制御部が選択され同オブジェクトの送受信が行なわれる。上記送受信制御部は、上記送受信制御手段と同等の機能を包含するものである。
【0580】
第1のネットワークに接続された1つ以上の上記通信端末装置と、第2のネットワークに接続された1つ以上の上記情報配信サーバ装置間の接続、データの中継を第3のネットワークを介して行うにあたって、第1および第3のネットワークに接続され両ネットワークの接続処理とデータの中継を行う上記配信中継装置と、第3および第2のネットワークに接続され両ネットワークの接続処理とデータの中継を行うアクセス中継装置を設け、アクセス中継装置において、1つまたは複数の上記装置と上記アクセス中継装置の間で通信を行うためのコネクション、セッション、またはトンネルを上記通信ポリシーにしたがって確立し、また、1つまたは複数の上記装置と上記アクセス中継装置の間に張られたコネクション、セッション、またはトンネルに対して上記通信ポリシーを適宜動的に、要求に応じて、または、ネットワークの輻輳状況、通信リソースの使用状況あるいは、上記情報配信システム内の各上記装置の負荷状況に応じて、設定あるいは再設定し、同設定あるいは再設定された同通信ポリシーを、設定対象である同コネクション、セッション、またはトンネルを介したデータの中継処理あるいは中継処理の制御に適用する。
【0581】
例えば、第1のネットワークは、公衆移動体無線通信網(無線LANを含む)、第2のネットワークは、インターネット、ADSL、ISDN等の有線通信網、公衆移動体無線通信網(無線LANを含む)等の公衆網により構成し、第3のネットワークは、各種プライベートネットワークにより構成する。
【0582】
さらに、他の実施形態にかかる配信制御装置を含む情報配信システムの構成例について説明する。
【0583】
マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成する。この場合、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位又はオブジェクトの類型単位に適用する通信形態又は通信品質又は通信品質の保証手法又は通信料金の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じて策定して、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する適宜調整変更を通信ポリシー設定手段において行い、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、又は、上記配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路を介して上記各々の装置間に張られた1つ又は複数のコネクションまたはセッションまたはトンネルを同時的に利用して、1つ又は複数の上記オブジェクトを同時的に、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位又はオブジェクトの類型単位に適用された各々の上記通信ポリシーにしたがって、送受信制御手段において送受信制御する。
【0584】
また、マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成する。
【0585】
この場合、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、又は、上記配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路を介して上記各々の装置間で通信を行うためのコネクションを、上記通信端末装置又は上記情報配信サーバ装置又は配信中継装置が要求する、上記コネクションを介して行われる通信に対して適用して、あるいはコネクションとは無関係に適評して同時的利用するセッション数、同時利用するコネクション数、又は同時利用するトンネル数、又は配信プロトコルの内少なくとも1つの項目からなる通信手法又は、通信品質又は、通信品質の保証手法又は、通信料金の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーにしたがって確立し、上記通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じて策定し、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する通信ポリシーを適宜調整変更し、上記コネクション毎、又は上記トンネル数、又は上記セッション毎に、通信ポリシー設定手段において、設定し直す。
【0586】
また、マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成し、さらに、上記通信端末装置からモバイル通信網を介して受け付けた、上記情報配信サーバ装置が接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理及びデータの中継を行うアクセス中継装置を設けた構成とする。
【0587】
この場合、通信ポリシー設定手段では、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位又はオブジェクトの類型単位に適用する通信形態又は通信品質又は通信品質の保証手法又は通信料金の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて策定し、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する通信ポリシーを適宜調整変更し、同オブジェクト又は同オブジェクトの類型にて適用し直す。
【0588】
また、上記通信端末装置から上記アクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行った後、上記通信端末装置と上記情報配信サーバ装置との間、若しくは、上記通信端末装置と上記アクセス中継装置との間で通信を行うためのコネクション、又はトンネル、又はセッションを通信ポリシー設定手段において設定された通信ポリシーにしたがって確立し、確立された1つ又は複数のコネクション、トンネル、セッションを同時的に利用して1つ又は複数の上記オブジェクトを同時的に、それぞれの上記オブジェクトに設定された若しくは要求された各々の上記通信ポリシーにしたがって、送受信制御する送受信制御手段において送受信制御する。
【0589】
また、マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成し、さらに、上記通信端末装置からモバイル通信網を介して受け付けた、上記情報配信サーバ装置が接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理及びデータの中継を行うアクセス中継装置を設ける。
【0590】
上記情報配信システムでは、上記通信端末装置から上記アクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行った後、上記通信端末装置と上記情報配信サーバ装置との間、若しくは、上記通信端末装置と上記アクセス中継装置との間で通信を行うためのコネクションを上記通信端末装置が要求する上記通信ポリシーにしたがって確立し、上記通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じて策定し、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する通信ポリシーを適宜調整変更し、上記コネクション毎、又は上記トンネル毎、又は上記セッション毎に適用し直す。
【0591】
コンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記コンテンツを受信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、オブジェクト毎にそれぞれ所定の上記情報配信サーバ装置に登録されている1または複数のオブジェクトから構成されたマルチメディアコンテンツが送受信される場合において、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、または、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、または上記情報配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路における上記マルチメディアコンテンツの送受信に際し、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位またはオブジェクトの類型単位に、適用する、通信方法または通信品質、または通信品質の保証方法についての通信ポリシーを通信ポリシー策定手段において策定し、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、または、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、または、上記情報配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路において、各装置間のそれぞれの通信路において設定された上記通信ポリシーにしたがって1つまたは複数のセッションを同時的かつ動的に制御して、上記マルチメディアコンテンツを構成する1つまたは複数の上記オブジェクトのそれぞれを送受信制御手段において送受信制御する。
【0592】
【発明の効果】
本発明の送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムは、コンテンツを構成するオブジェクトを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御することで、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0593】
また、本発明の送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムは、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0594】
また、本発明の送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムは、セッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】配信制御装置を含む情報配信システムのブロック図である。
【図2】図1に示した通信システムにおけるマルチメディアコンテンツの送受信の一例を示す模式図である。
【図3】図1に示した通信システムにおけるマルチメディアコンテンツの送受信の他の例を示す模式図である。
【図4】図1に示した情報配信システムの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示した情報配信システムにおける情報配信方法の一例を示す図である。
【図6】課金対応データベースの構成図である。
【図7】情報配信システムのブロック図である。
【図8】図7に示した情報配信システムの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図9】情報配信システムのブロック図である。
【図10】情報配信システムの他の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図11】通信ポリシーに基づいたデータ転送時のセッションの使い方について示す図である。
【図12】マルチメディアコンテンツのダウンロード方法の一例を示す図である。
【図13】(a)TCP/IPインターネット階層モデル、(b)OSI7階層モデル、及びそれらの対応関係について示す図である。
【図14】階層とサービスとの対応関係について示す図である。
【図15】送達確認の実現手法について示す図である。
【図16】データ変換ルールの例を示す図である。
【図17】マルチメディアコンテンツの例を示す図である。
【図18】通信ポリシーデータベースの一例を示す図である。
【図19】第1通信ポリシーと第2通信ポリシーの一例を示す図である。
【図20】通信ポリシーデータベースの一例を示す図である。
【図21】通信ポリシーデータベースの一例を示す図である。
【図22】優先度が付されたポリシー設定項目の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…通信端末装置、1a…移動機、2…配信中継装置、2a…ゲートウェイサーバ、3、3a〜3c、31〜36…情報配信サーバ装置、4…配信制御装置、40…通信ポリシー設定監視部、41…送受信制御部、42…課金処理部、43…メタポリシー設定部、45…通信ポリシーデータベース、46…課金対応データベース、47…通信リソース予約確保部、5…基地局、5a…基地局、5b…移動機、6…加入者データベース、7、7a〜7c…アクセス中継装置、8…中継通信装置、8a…情報サービス中継通信サーバ、8b…ストリーミングコンテンツ中継通信サーバ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットに接続された情報配信サーバから移動通信端末に対してコンテンツを送受信する技術は従来から知られている(例えば特許文献1)。これらの技術においては、一定の通信ポリシー(通信プロトコルやQoSなど)に従ってコンテンツが送受信され、送受信されたコンテンツの内容に応じて情報量が算出されるとともに、送受信されたコンテンツのデータ量に応じて通信料が算出され、このように算出された情報料や通信料について課金処理が行われていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−78192号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今、情報配信サーバから配信されるコンテンツの内容やコンテンツの受信態様(どの様な通信形態でコンテンツを受信するか、どの様な場所でコンテンツを受信するかなど)の多様化に伴って、コンテンツを受信するユーザのニーズの多様化してきた。
【0005】
例えば、昨今、ストリーミング映像、静止画像、テキストなどの複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツの送受信が頻繁に行われるようになってきている。このようなマルチメディアコンテンツを受信するユーザの中には、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したいと考えるユーザもいれば、ストリーミング映像については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいと考えるユーザもいる。
【0006】
また、コンテンツを受信するユーザの中には、高額の料金を支払ってもよいから移動中であろうが家にいるときであろうがコンテンツを最高の通信品質で受信したいと考えるユーザもいれば、移動中は通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいと考えるユーザもいる。
【0007】
さらに、複数のコネクション、複数のセッションあるいは複数のトンネルを同時利用して複数のオブジェクトや複数のコンテンツを受信する場合、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したいと考えるユーザもいれば、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいと考えるユーザもいる。
【0008】
これに対して、一定の通信ポリシーに従ってコンテンツの送受信を行う上記従来の技術は、送信装置(例えば情報配信サーバ)から受信装置(例えば移動通信端末)に対してコンテンツを送信するに際し、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができない。
【0009】
また、一定の通信ポリシーに従ってコンテンツの送受信を行う上記従来の技術は、ストリーミング映像については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しい、移動中は通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというように、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができず、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができない。
【0010】
そこで本発明は、送信装置から受信装置に対してコンテンツを送信するに際し、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができるとともに、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てられる送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の送受信制御装置は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置であって、上記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御方法は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法であって、上記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた上記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御プログラムは、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された上記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御手段として機能させることを特徴としている。
【0014】
コンテンツを構成するオブジェクトを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御することで、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御装置は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置にであって、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御方法は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法であって、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御プログラムは、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段として機能させることを特徴としている。
【0018】
位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御装置は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置であって、上記送信装置と上記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御方法は、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法であって、上記送信装置と上記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、上記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、上記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の送受信制御プログラムは、送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された上記送信装置と上記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、上記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、上記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段として機能させることを特徴としている。
【0022】
セッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0023】
本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0024】
通信リソースの使用状態に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、通信リソースの使用状態に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0025】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記送信装置と上記受信装置とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0026】
送信装置と受信装置とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、送信装置または受信装置の位置に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、送信装置または受信装置の位置を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0027】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0028】
既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、現時点における通信ポリシーの達成度に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、現時点における通信ポリシーの達成度を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0029】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0030】
オブジェクトまたはコンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0031】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる第1の通信ポリシーを決定し、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる第2の通信ポリシーを決定し、設定し、上記第1の通信ポリシーと上記第2の通信ポリシーとが異なる場合、上記通信リソースの使用状態の変化に応じて、上記第2の通信ポリシーが上記第1の通信ポリシーに近づくように、上記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことを特徴とすることも考えられる。
【0032】
上記第2の通信ポリシーが上記第1の通信ポリシーに近づくように、上記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことで、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮して通信ポリシーを設定することができ、その結果、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0033】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信リソース確保手段は、上記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、一定の条件を満たした将来の時点における上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを予約確保し、上記送受信制御手段は、上記通信リソース確保手段によって予約確保された通信リソースを用いた上記コンテンツの送受信を制御することを特徴とすることも考えられる。
【0034】
一定の条件を満たした将来の時点におけるオブジェクトまたはコンテンツの送受信に用いる通信リソースを予約確保することで、通信リソースの使用状態やユーザからの要求などに応じて効率よく通信リソースを確保することが可能となる。その結果、オブジェクトまたはコンテンツの送受信を効率よく行うことができる。
【0035】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、通信形態に関するポリシー設定項目であるセッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数、セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当情報、通信プロトコル、コンテンツもしくはオブジェクトのデータ構造、コンテンツもしくはオブジェクトのデータ変換手法、当該通信ポリシーが適用されるための条件通信品質およびその保証手法に関するポリシー設定項目である使用する通信帯域およびその保証手法、目標とするスループットおよびその保証手法、許容されるジッターおよびその保証手法、許容される遅延時間およびその保証手法、許容されるパケット廃棄率およびその保証手法、情報の到達度合およびその保証手法、通信料金に関するポリシー設定項目である課金規則のうち少なくとも一つが含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、上記ポリシー設定項目のうち少なくとも1つを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0036】
通信ポリシーとしてこれらのポリシー設定項目を決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信を効果的に制御することができる。
【0037】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、上記使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大通信帯域を指定したベストエフォートモード、最小通信帯域を指定したプレミアムベストエフォートモード、最大通信帯域と最小通信帯域との双方を指定したプレミアムベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0038】
使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に使用する通信帯域を効果的に制御することができる。
【0039】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大スループットを指定したベストエフォートモード、最小スループットを指定したプレミアムベストエフォートモード、最大スループットと最小スループットとを指定したプレミアムベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0040】
目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるスループットを効果的に制御することができる。
【0041】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を、各パケットの最大許容ジッター時間間隔を指定するモード、または所定量のパケットの送信完了時間の最大許容ジッター時間間隔を指定するモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0042】
許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるジッターを効果的に制御することができる。
【0043】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、各パケットの最大許容遅延時間を指定するモード、または所定量のパケットの送信完了時間の最大許容遅延時間を指定するモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0044】
許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信における遅延時間を効果的に制御することができる。
【0045】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大許容パケット廃棄率を指定するモード、またはベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0046】
許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるパケット廃棄率を効果的に制御することができる。
【0047】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を、1つの送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード、互いに異なる複数の送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモードのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0048】
セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を上記いずれかのモードに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信におけるセッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数を効果的に制御することができる。
【0049】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには、通信プロトコルに関するポリシー設定項目が含まれており、上記通信ポリシー設定手段は、通信プロトコルに関するポリシー設定項目を、HTTPプロトコル、RTPプロトコル、トンネリングプロトコルのいずれかに決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0050】
通信プロトコルに関するポリシー設定項目を上記いずれかの通信プロトコルに決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信に用いる通信プロトコルを効果的に制御することができる。
【0051】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記送信装置、上記受信装置、または上記オブジェクトもしくは上記コンテンツの送受信経路上の中継装置から送信される通信ポリシーに関する要求に応じて、上記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0052】
送信装置、受信装置、中継装置から送信される要求に応じて通信ポリシーを決定し、設定することで、オブジェクトまたはコンテンツの送受信の実行中であっても、送信装置、受信装置、中継装置のユーザの要求(例えば、コンテンツに映像が乱れてきたから通信品質を落として通信料金を安くしてもらいたいという受信装置のユーザの要求)に応じて、逐次、送信装置、受信装置、中継装置のユーザの要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0053】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシーには複数のポリシー設定項目が含まれており、上記複数のポリシー設定項目それぞれには優先度が付されており、上記通信ポリシー設定手段は、上記優先度に基づいて上記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0054】
複数のポリシー設定項目それぞれに優先度を付しておき、当該優先度に基づいて複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、通信帯域については必ずしも通信ポリシーが達成されなくても良い(優先度低)が、遅延時間については必ず通信ポリシーが達成されるようにしてほしい(優先度高)などというユーザのきめ細かな要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0055】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記送受信制御手段は、上記送信装置、上記受信装置および上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路上の中継装置のうちいずれか2以上の物理的装置に分散して配置されており、上記2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながら、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を制御することを特徴とすることも考えられる。
【0056】
送受信制御手段を2以上の物理的装置に分散して配置し、2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながらオブジェクトまたはコンテンツの送受信を制御することで、送受信制御手段の負荷を分散することができる。
【0057】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて上記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することを特徴とすることも考えられる。
【0058】
ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、例えばすべてのポリシー設定項目について要求可能なユーザ階級、特定のポリシー設定項目についての要求が制限されているユーザ階級など、ユーザ階級に応じた通信ポリシーの設定ができる。
【0059】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記送信装置と上記受信装置とのあいだにセッション、コネクション、またはトンネルが張られた状態で一定時間データの送受信が行われない場合、通信リソースの使用状態を緩和するように上記通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことを特徴とすることも考えられる。
【0060】
一定時間データの送受信が行われない場合に通信リソースの使用状態を緩和するように通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことで、通信リソースが無駄に占有することが防止され、通信リソースの有効利用が図れる。
【0061】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記通信ポリシーに含まれるポリシー設定項目について要求する達成目標値を設け、上記ポリシー設定項目の保証手法として、ギャランティモード、ベストエフォートモード、制限なしのベストエフォートモード、下限を指定したベストエフォートモード、上限を指定したベストエフォートモード、上限と下限を指定したベストエフォートモード、通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、オークション方式による優先度の差別化モードのいずれか1つを選択し、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態と上記達成目標値と実現値との許容乖離度とに基づいて上記達成目標値を算出し、設定し、上記送受信制御手段は、上記ポリシー設定手段によって設定された上記達成目標値を上記ポリシー設定項目について各時点において実現すべき目標値として、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を制御することを特徴とすることも考えられる。
【0062】
ポリシー設定項目について達成目標値を設け、ポリシー設定項目の保証手法として上記いずれかのモードを用いることで、達成目標値を用いてオブジェクトまたはコンテンツの送受信を好適に制御することができる。
【0063】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記送受信制御手段は、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信タイミング、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に利用するセッション、セッションにおける上記オブジェクトまたは上記コンテンツの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位の変更方法、送受信データの同期タイミングを制御する機能と、上記オブジェクトまたは上記コンテンツについて算出された送受信完了予定時刻と上記ポリシー設定項目の実現値とを参照し、上記達成目標値を修正する機能と、保証手法としてギャランティモードまたは下限を指定したいずれかのモード設定されているポリシー設定項目については下限を確実に保証するとともに、それ以外のポリシー設定項目については上記達成目標値を目標とするベストエフォートで保証するように、上記オブジェクトまたは上記コンテンツに通信リソースを割り当てて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を行う送受信機能と、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に応じて上記オブジェクトまたは上記コンテンツに対する上記通信リソースの割り当てを変更することにより、上記達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御する達成度合制御機能とを有することを特徴とすることも考えられる。
【0064】
上述のごとく、オブジェクトまたはコンテンツに関する種々のパラメタを制御し、送受信完了予定時刻とポリシー設定項目の実現値とを参照して達成目標値を修正し、設定されているモードにしたがって通信ポリシーを保証しながらオブジェクトまたはコンテンツに通信リソースを割り当ててオブジェクトまたはコンテンツの送受信を行うとともに、オブジェクトまたはコンテンツの送受信順位に対する優先度に応じてオブジェクトまたはコンテンツに対する通信リソースの割り当てを変更することによって達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効果的に行うことができる。
【0065】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記送受信制御手段は、上記通信ポリシーまたは上記オブジェクトもしくは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に基づいて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位を制御する送受信順位制御機能と、経時的に変化する上記達成目標値に基づいて、上記オブジェクトまたは上記コンテンツ送受信順位を調整する送受信順位調整機能と、上記送受信順位を調整する比率を調整する比率調整機能とを有することを特徴とすることも考えられる。
【0066】
オブジェクトまたはコンテンツ送受信順位を調整し、送受信順位を調整する比率を調整することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信をさらに効果的に行うことができる。
【0067】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、上記通信ポリシーの決定方法と上記通信ポリシーの適用方法と上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度とを指定するメタポリシーを設定するメタポリシー設定手段をさらに備えたことを特徴とすることも考えられる。
【0068】
通信ポリシーの決定方法、通信ポリシーの適用方法、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度を指定するメタポリシーを設定することで、メタポリシーに応じた通信ポリシーの設定が可能となる。
【0069】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記メタポリシー設定手段は、ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を算出し、算出された達成目標値を上記ユーザに通知し、上記ユーザによって許可されると上記算出された達成目標値を設定するモード、ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を仮の達成目標値として設定し、通信リソースの空き状況に応じて、上記仮の達成目標値が上記ユーザから要求された達成目標値に近づくように上記仮の達成目標値を変更していくモードのいずれかのモードを上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に応じて選択し、上記通信ポリシー設定手段は、上記メタポリシー設定手段によって選択されたモードに従って、上記達成目標値を設定しなおすことを特徴とすることも考えられる。
【0070】
メタポリシー設定手段が通信リソースの使用状態に応じて上記いずれかのモードを選択し、選択されたモードに従って通信ポリシー設定手段が達成目標値を設定しなおすことで、通信リソースの使用状態に応じて好適な達成目標値の設定が可能となる。
【0071】
また、本発明の送受信制御装置においては、上記通信ポリシー設定手段は、上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して要求する達成目標値を設け、上記ポリシー設定項目に対して、通信料金の最小化に向けたベストエフォートモード、通信料金の上限値、下限値の少なくとも一方を指定するモード、通信料金の発生手法の制限なしモードのうちいずれか1つのモードを選択するとともに、上記ポリシー設定項目の通信料金の予定金額あるいは実績金額に応じて、上記ポリシー設定項目の項目値または上記ポリシー設定項目の達成目標値を変更することを特徴とすることも考えられる。
【0072】
ポリシー設定項目に対して上記いずれかのモードを選択し、ポリシー設定項目の通信料金の予定金額あるいは実績金額に応じてポリシー設定項目の項目値またはポリシー設定項目の達成目標値を変更することで、通信料金を考慮した好適な通信ポリシーの設定が可能となる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかる配信制御装置(送受信制御装置)、配信制御方法(送受信制御方法)及び配信制御プログラム(送受信制御プログラム)について図面を用いて説明する。
【0074】
まず、はじめに、本実施形態にかかる配信制御装置が利用される情報配信システムの構成を説明する。図1は、本実施形態にかかる配信制御装置を含む情報配信システムのブロック図である。情報配信システム50は、マルチメディアコンテンツの送受信を行うための情報配信システムであって、マルチメディアコンテンツの送受信を行う通信システム52と、通信システム52におけるマルチメディアコンテンツの送受信を制御する配信制御装置4とを備えている。また、通信システム52は、通信端末装置1(受信装置)、配信中継装置2、及び情報配信サーバ装置3(送信装置)を含んで構成されている。
【0075】
通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツを送受信する端末装置である。通信端末装置1は、配信中継装置2と有線接続される場合と無線接続される場合がある。また、通信端末装置1は、配信中継装置2と無線接続される場合、移動端末と称されることがある。
【0076】
通信端末装置1は、例えば▲1▼携帯電話、▲2▼PHS、▲3▼次世代携帯電話、▲4▼携帯電話/PHS/次世代携帯電話の通信機能付きPDA、▲5▼携帯電話、PHS、次世代携帯電話の通信機能とパーソナルコンピュータとを接続した装置として構成される。
【0077】
通信端末装置1は、情報配信サーバ装置3から送信されたマルチメディアコンテンツをある指定された通信品質(QoS)で受信したり、指定された通信品質で情報配信サーバ装置3、配信中継装置2に対して送信することができるように構成されている。
【0078】
情報配信サーバ装置3は、通信端末装置1に対して送信するマルチメディアコンテンツが登録されているサーバ装置であり、必要に応じてマルチメディアコンテンツを通信端末装置1に送信する。また、情報配信サーバ装置3は、通信端末装置1、配信中継装置2あるいは他の情報配信サーバ装置から送信されてきたマルチメディアコンテンツを受信し、受信されたマルチメディアコンテンツを処理したり、通信端末装置1に対して送信するマルチメディアコンテンツとして登録する。
【0079】
配信中継装置2は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間で送受信されるマルチメディアコンテンツを中継する。また、マルチメディアコンテンツを中継する際、通信端末装置1、配信制御装置4もしくは情報配信サーバ装置3からの要求に応じて、または通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況(処理状況)に応じて、適宜、マルチメディアコンテンツのデータを変換し、指定された通信品質を維持するように、あるいは指定された通信品質に変更するといった配信中継制御を行うことができる。
【0080】
情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路Aと通信端末装置1と配信中継装置2との間の通信路Bとが異なる種類の通信路となっている場合や、通信路Aと通信路Bとが同じ種類の通信路ではあるがマルチメディアコンテンツを送受信する通信品質、通信形態などが両社で異なる場合においては、配信中継装置2は、通信路Aと通信路Bとを相互に接続するゲートウェイ装置として機能する。
【0081】
情報配信システム50で配信対象となるマルチメディアコンテンツは、1または複数のオブジェクトから構成される。また、マルチメディアコンテンツは、複数のマルチメディアコンテンツの組み合わせによっても構成することができる。
【0082】
オブジェクト単位とは、情報の送信側や、情報の受信側が、ある情報を送信する場合に、1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位である。又、提供情報、処理情報をオブジェクト単位毎にしたものを「オブジェクト」という。
【0083】
オブジェクト単位には、例えば、情報を構成するデータによって情報を区切るデータ単位がある。データ単位には、例えば、情報を構成するデータの種類によって情報を区切る類型単位、情報を構成するデータの容量によって情報を区切る容量単位がある。データの種類には、テキストデータ、静止画像データ、動画像データ、音声データ、プログラムデータなどがある。
【0084】
例えば、コンテンツの構成要素として内容的まとまりを持ったデータ集合をオブジェクトとすることもできる。すなわち、例えば、コンテンツの構成要素となるテキストデータ、静止画像データ、動画像(映像)データ、音声(ディジタル音声(VoIP)、アナログ音声)データ、音楽データ、3次元CGデータ、地図データ、アプリケーションプログラムデータ、データベースの構成データをオブジェクトとすることもできる(この場合、コンテンツの送受信単位としてまとまりをもったデータ集合であるパケットは含まない概念である)。例えば、図17に示すようなホームページ54(コンテンツ)の場合、当該ホームページ54の構成要素として内容的まとまりを持ったデータ集合であるストリーミング映像56,58、テキスト60、静止画像62(正確には、ストリーミング映像56,58、テキスト60、静止画像62それぞれを構成するデータ)がオブジェクトとなる。
【0085】
又、オブジェクト単位には、送信側と受信側との間のコネクション、セッション、トンネルによって情報を区切るコネクション単位、セッション単位、トンネル単位がある。更に、オブジェクト単位には、1回の呼でネットワークに接続している間を1つの単位とする呼単位がある。又、オブジェクト単位には、1つの提供情報や処理情報の送信開始から受信完了までを1つのアクセスとし、アクセスによって情報を区切るアクセス単位がある。アクセス単位には、アクセスの回数によって情報を区切るアクセス数単位、アクセスしている時間によって情報を区切るアクセス時間単位がある。
【0086】
オブジェクト単位には、時間によって情報を区切る時間単位がある。時間単位には、例えば、情報を、送信開始時刻から送信完了時刻までの間の時刻によって区切る単位、情報を送信開始から一定時間毎に区切る単位などがある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を受信する端末装置が存在する領域毎に区切る領域単位がある。オブジェクト単位には、領域に存在する端末装置の数や無線通信装置の数によって情報を区切る数単位がある。更に、オブジェクト単位には、課金対象毎に情報を区切る課金対象単位がある。
【0087】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を送信する配信サーバの通信部、処理サーバの通信部のような情報送信手段毎に区切る情報送信手段単位がある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する管理サーバの通信部、中継装置の通信部のような中継手段毎に区切る中継手段単位がある。更に、オブジェクト単位には、提供情報や処理情報毎に情報を区切る提供情報単位、処理情報単位がある。又、オブジェクト単位には、処理サーバの処理部が行う処理によって情報を区切る処理単位がある。例えば、処理単位には、処理部が提供情報の一部を翻訳する場合に、情報を翻訳する部分と、翻訳しない部分に区切る単位がある。
【0088】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を受信する端末装置の通信部、無線通信部のような提供情報受信手段毎に区切る提供情報受信手段単位がある。又、オブジェクト単位には、情報をユーザ毎に区切るユーザ単位がある。例えば、ユーザ単位には、情報をユーザID毎に区切るユーザID単位がある。
【0089】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する無線通信装置の無線通信部のような無線通信手段毎に区切る無線通信手段単位がある。例えば、無線通信手段単位には、情報をタグID毎に区切るタグID単位がある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する無線通信装置が付けられている対象物、対象領域毎に区切る対象物単位、対象領域単位がある。対象物単位、対象領域単位には、情報をモノID毎に区切るモノID単位、領域ID毎に区切る領域ID単位がある。
【0090】
又、オブジェクト単位には、グループ毎に情報を区切るコミュニティ単位がある。コミュニティ単位には、情報を、その情報を中継する複数の無線通信装置が形成するタググループ毎に区切るタググループ単位がある。タググループ単位には、情報をタググループID毎に区切るタググループID単位がある。又、コミュニティ単位には、情報を、その情報を受信する複数の端末装置が形成する端末グループ毎に区切る端末グループ単位がある。端末グループ単位には、情報を端末グループID毎に区切る端末グループID単位がある。
【0091】
図2は、図1に示した通信システム52におけるマルチメディアコンテンツの送受信の一例を示す模式図である。ここでは、オブジェクトA、B、Cという3つのオブジェクトから構成されたマルチメディアコンテンツの送受信の例を示している。図2に示す例では、オブジェクトA、B、Cは、いずれも同一の情報配信サーバ装置3に登録されており、この情報配信サーバ装置3から配信中継装置2を介して通信端末装置1へとオブジェクトA、B、Cが送信されることによって、マルチメディアコンテンツが送受信される。
【0092】
図3は、図1に示した通信システム52におけるマルチメディアコンテンツの送受信の他の例を示す模式図である。ここでは、図2と同様に、オブジェクトA、B、Cの3つのオブジェクトから構成されたマルチメディアコンテンツの送受信の例を示している。図3の例では、オブジェクトA、B、Cは、それぞれ異なる情報配信サーバ装置3a、3b、3cそれぞれに登録されており、これらの情報配信サーバ装置3a、3b、3cから配信中継装置2を介して通信端末装置1へとオブジェクトA、B、Cが送信されることによって、マルチメディアコンテンツが送受信される。
【0093】
情報配信システム50には、図1に示すように、さらに、配信制御装置4が設置されている。配信制御装置4は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1とのあいだで行われるマルチメディアコンテンツの送受信を制御するとともに、マルチメディアコンテンツの送受信に伴って発生した通信料金の課金処理を行う。ここで、通信料金とは、通信リソースの使用料金、マルチメディアコンテンツやオブジェクト自体の使用料金、その他通信リソースを使用するために発生した諸費用に関する料金をいう。
【0094】
続いて、本実施形態にかかる配信制御装置について詳しく説明する。まず、本実施形態にかかる配信制御装置の構成について説明する。配信制御装置4は、通信ポリシー設定監視部40(通信ポリシー設定手段)と、通信リソース予約確保部47(通信リソース確保手段)と、送受信制御部41(送受信制御手段)と、課金処理部42と、メタポリシー設定部43(メタポリシー設定手段)と、通信ポリシーデータベース45(格納手段)と、課金対応データベース46とを備えて構成される。
【0095】
通信ポリシーデータベース45には、マルチメディアコンテンツを受信するユーザごとに、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシー(あるいは通信ポリシーを決定するために必要な情報)が格納されている。ここで「オブジェクトを単位として適用可能」とは、「オブジェクト種別を単位として適用可能」という概念を含んでいる。
【0096】
ここで、通信ポリシーとは、送信装置から受信装置に対してデータを送受信する際に決めなければならないデータ送受信処理規則をいい、具体的には例えば下記の項目(以下、ポリシー設定項目という)が含まれる。なお、通信ポリシーに下記のポリシー設定項目のすべてを含む必要はない。
【0097】
(1)セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数
ここで「コネクション」とは、2つのプロセス(通信プログラム)のエンドポイントの組み合わせによって管理されるプロセス間(対応する装置間、例えば、通信端末装置と配信中継装置との間、配信中継装置と情報配信サーバ装置との間、配信中継装置とアクセス中継装置(アクセス中継装置については後述する)との間など)でデータの送受信を行うための仮想通信路をいう。さらに、「コネクションの確立」とは、通信環境を上記プロセス間の通信が可能な接続状態に設定し、その通信環境下で適用される通信ポリシーを設定して上記仮想通信路を確立することをいう。ただし、通信ポリシーを設定せずに仮想通信路を確立した後、上記コネクションに対して通信ポリシーを設定することができる。
【0098】
また、ここで「セッション」とは、通信の開始から終了までの一連の処理手順、通信方法、管理方法を定めた論理的な接続状態をいい、例えば、上記通信ポリシーの適用を定めた論理的な接続状態などが該当する。セッションは、識別子(セッションID)によって一意に特定することが可能である。セッションには、コネクションの概念のない論理的な接続状態であるセッションとコネクションの概念を持つ論理的な接続状態であるセッションが存在する。
【0099】
「コネクションの概念を持つ論理的な接続状態であるセッション」とは、コネクション上で行われる通信の開始から終了までの一連の処理手順、通信方法、管理方法を定めた論理的な接続状態をいう。この場合、コネクション上でやりとりされるデータの送受信状況が監視され、コネクション上に張られたセッションに設定された処理手順、通信方法、管理方法にしたがってデータの送受信処理が行われる。さらに、通信ポリシーの設定変更を行うためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度合の監視、通信ポリシーに基づいたデータ送受信制御は、セッションに対して設定された通信ポリシーにしたがって行われる。
【0100】
一方「コネクションの概念のない論理的な接続状態であるセッション」とは、コネクションを張らないで行われる通信の開始から終了までの一連の処理手順、通信方法、管理方法を定めた論理的な接続状態をいう。この場合、トランスポート層上でやりとりされるデータの送受信状況が監視され、トランスポート層上に張られたセッションに設定された処理手順、通信方法、管理方法にしたがってデータの送受信処理が行われる。またこの場合であっても、通信ポリシーの設定変更を行うためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度合の監視、通信ポリシーに基づいたデータ伝送制御は、セッションに対して設定された通信ポリシーにしたがって行われる。
【0101】
また、ここで「トンネル」とは、ある通信プロトコルAの環境において、通信プロトコルAとは異なる通信プロトコルBのデータを通す仕組みをいう。例えば、通信プロトコルBのパケットを通信プロトコルAでカプセル化し、通信プロトコルBのパケットがあたかも通信プロトコルAのパケットであるかのように見せかけて、プロトコルAの環境において通信プロトコルBのパケットを通す仕組みがトンネルに該当する。トンネルを用いることにより、ユーザが自由に設定したIPアドレスを用いてデータの送受信を行うことが可能となる。
【0102】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を、1つの送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード
▲2▼互いに異なる複数の送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード
などが設定される。
【0103】
(2)セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当情報
ここで、「割当情報」とは、コンテンツまたはオブジェクトを送信する際のセッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当方法をタイムスケジュールとともに示した情報をいう。例えば、「サブセットデータ1とサブセットデータ2とから構成されるオブジェクトを送信するにあたって、サブセットデータ1の送信については、時刻T1からT2まではセッション1・トンネル1を使用し、時刻T2以降はセッション2・トンネル2を使用する。また、サブセットデータ2の送信については、時刻T3から送信を開始し、セッション3・トンネル1とセッション4・トンネル4とを同時に使用する(セッション多重)。」という情報が割当情報に該当する。
【0104】
(3)通信プロトコル
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼HTTPプロトコル
▲2▼RTPプロトコル
▲3▼トンネリングプロトコル
などが設定される。
【0105】
(4)コンテンツもしくはオブジェクトのデータ構造
【0106】
(5)コンテンツもしくはオブジェクトのデータ変換手法、
ここで、「データ変換」とは、データ内容、データ構造、データ品質、データ表現形式、記述フォーマット、パケットペイロードフォーマットのうち少なくとも1つを変換することをいい、例えば、特定の内容を有する音声データから同一の内容を有するテキストデータへの変換、ストリーミング映像のフレームレートの変換、テキストデータと静止画像データと動画像データとから構成されるコンテンツからテキストデータと静止画像データとからなるコンテンツへの変換(この場合、動画像データは消去あるいはある瞬間の映像を静止画像データとする)などが考えられる。また、「データ変換手法」とは、データ変換の内容およびデータ変換を行うための条件(例えば「通信品質が特定の閾値以下に下がったらストリーミング映像のフレームレートを半分にする」など)をいう。
【0107】
(6)当該通信ポリシーが適用されるための条件
当該通信ポリシーが適用されるための条件としては、例えば、「ネットワークの輻輳度があらかじめ定めた一定値以上になったら当該通信ポリシーを適用する」というような条件が該当する。
【0108】
(7)使用する通信帯域およびその保証手法
「通信帯域」とは、単位時間に流れるデータ量であり、以下の式で表される。
通信帯域(bps)=通信速度(bps)×通信幅
ここで、「通信幅」とは、並行して利用できる通信路の数である。
【0109】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼最大通信帯域を指定したベストエフォートモード
▲2▼最小通信帯域を指定したプレミアムベストエフォートモード
▲3▼最大通信帯域と最小通信帯域との双方を指定したプレミアムベストエフォートモード
などが設定される。
【0110】
ここで「プレミアム」なモードとは、通信端末装置、配信中継装置、配信サーバ装置あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、これらの装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて、あらかじめ設定された上限値あるいは下限値によって規定される範囲内で、ポリシー設定項目の項目値が変動することを許容したモードである。
【0111】
特に「プレミアムベストエフォートモード」とは、通信端末装置、配信中継装置、配信サーバ装置あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、これらの装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて、あらかじめ設定された上限値あるいは下限値によって規定される範囲内で、ポリシー設定項目の項目値がベストエフォートに変動することを許容したモードである。
【0112】
(8)目標とするスループットおよびその保証手法
ここで、「スループット」とは、オブジェクトまたはコンテンツの送受信において、所定量のデータを送受信完了するまでの平均データ転送速度をいう。
【0113】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼最大スループットを指定したベストエフォートモード
▲2▼最小スループットを指定したプレミアムベストエフォートモード
▲3▼最大スループットと最小スループットとを指定したプレミアムベストエフォートモード
などが設定される。
【0114】
(9)許容されるジッターおよびその保証手法
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼各パケットの最大許容ジッター時間間隔を指定するモード
▲2▼所定量のパケットの送信完了時間の最大許容ジッター時間間隔を指定するモード
などが設定される。
【0115】
(10)許容される遅延時間およびその保証手法
ここで、「遅延時間」とは、目標RTT値からのずれの度合をいう。
【0116】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼各パケットの最大許容遅延時間を指定するモード
▲2▼所定量のパケットの送信完了時間の最大許容遅延時間を指定するモード
などが設定される。
【0117】
(11)許容されるパケット廃棄率およびその保証手法
ここで「パケット廃棄率」とは、受信したパケットの総量に対して、データ誤りなどによって廃棄されたパケットの量が占める割合をいう。
【0118】
本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼最大許容パケット廃棄率を指定するモード
▲2▼ベストエフォートモード
などが設定される。
【0119】
(12)情報の到達度合およびその保証手法
ここで「情報の到達度合」とは、送信装置から送信されたデータの総量に対して、受信装置によって正常なデータとして受信されたデータの量が占める割合である。ここで「正常なデータとして受信されたデータの量」とは、送信されたデータの総量からパケットロス、パケット廃棄、パケット遅延によって正常なデータとして受信されなかったデータの量を差し引いた量である。
【0120】
(13)課金規則
本ポリシー設定項目については、通信料金の課金規則が設定される。ここで、「通信料金」とは、通信リソースの使用料金、マルチメディアコンテンツやオブジェクト自体の使用料、通信リソースを予約使用するための予約料、通信ポリシーを適用するためのサービス料、送受信データの中継処理料金、データ変換処理料金、送信したデータのデータ量(例えば、バイト数)や送信したデータの種類(データが構成するコンテンツあるいはオブジェクト)に応じて発生する送信費用その他通信リソースを使用するために発生した諸費用に関する料金をいう。
【0121】
また、本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼発生する通信料金が最小になるように、適用可能なポリシー設定項目を選択するモード
▲2▼発生する通信料金がある一定値以下になるように、適用可能なポリシー設定項目を選択するモード
▲3▼発生する通信料金に上限を設けないモード
などの設定もできる。
【0122】
同様に、本ポリシー設定項目については、例えば、
▲1▼End−Endで送受信したデータの送信に提供したあるいは予約確保した通信リソースに応じて課金するモード
▲2▼End−Endで送受信したデータの送受信で実現された通信ポリシー(通信品質)に応じて課金するモード
▲3▼End−Endで送受信したデータの送受信で予め予約確保した通信ポリシー(通信品質等)に対する実現された通信ポリシー(通信品質等)の達成度に応じて課金するモード
▲4▼End−Endで送受信するデータの内容に応じて課金するモード
▲5▼送信者と配信中継者と通信端末利用者間のネゴシエーションにより決定された課金単価で送受信されるデータ量に応じて課金するモード
▲6▼End−Endで送受信するある一定量のデータ量に応じて課金するモードなどの設定もできる。
【0123】
(14)通信ポリシーの達成度合
ここで「通信ポリシーの達成度合」とは、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目それぞれが目標値を達成する度合である。
【0124】
(15)通信ポリシーの許容乖離度
ここで「通信ポリシーの許容乖離度」とは、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目それぞれの実現値と目標値との間に許容される乖離度合である。
【0125】
(16)配信スケジュール
配信スケジュールとしては、例えば、オブジェクトまたはコンテンツの送信開始予定時刻の指定、送信完了予定時刻の指定、到達完了予定時刻の指定、ポリシー設定項目の適用タイミングなどが設定される。
【0126】
(17)同期タイミングの制御手法
同期タイミング制御手法としては、例えば、複合コンテンツをマルチアクセスにてダウンロードする場合の各コンテンツ(または各オブジェクト)のダウンロードタイミング、各コンテンツ(または各オブジェクト)について設定された通信ポリシーのポリシー設定項目の相互調整手法などが設定される。
【0127】
(18)データの収納形式
ここで、「データ収納形式」とは、パケット内へのデータの収納ルールをいい、例えば、パケットパケットにデータを収納するときに重要度の高いデータから順番にパケットの先頭アドレスから詰め込んでいくなどのルールが該当する。
【0128】
(19)その他
オブジェクトの到達完了時刻が目標到達時刻からどれだけ遅れたかを示す度合およびその保証方法など、上記以外のポリシー設定項目を設けてもよい。
【0129】
その他、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目のうち、通信品質に関するポリシー設定項目の保証方法については、ポリシー設定項目について要求する達成目標値を設けた上で、一般的に以下のような保証方法を用いてもよい。
▲1▼ギャランティモード、
▲2▼ベストエフォートモード、
▲3▼制限なしのベストエフォートモード、
▲4▼下限を指定したベストエフォートモード、
▲5▼上限を指定したベストエフォートモード、
▲6▼上限と下限を指定したベストエフォートモード、
▲7▼通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、
▲8▼通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、
▲9▼オークション方式による優先度の差別化モード
【0130】
ここで、「オークション方式による優先度の差別化モード」とは、利用したい通信品質や通信ポリシーについて、ユーザが希望の通信料金を合わせて要求し、そのときの最も高い通信料金を申請したユーザに対して、その通信ポリシー(通信リソース)を提供するモードをいう。この場合、ユーザの申請する通信料金の高さに応じて、より品質が高い通信リソースを提供することができる。ただし、通信リソースの提供については、一定の枠を設けておくことが好ましい。
【0131】
ここで、「保証方法」とは、設定項目値が、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、同装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて、データ通信に割り当てている通信リソースをどのように保証するかを示したもので、上記各方式にしたがって、割り当てる通信リソースが変更されるため、この方式におけるリソース割り当ての優先性を決定する方式をさす。
【0132】
特に、通信ポリシーのポリシー設定項目として、プレミアムベストエフォートな設定項目を設定した場合には、上記保証手法にしたがって、上記状況の変化に応じて割り当て直される通信リソースが決まる。また、例えば、UDP通信の上に仮想コネクションを保持した通信、例えば各セッションごとにステート情報を保持するコンテキストデータを生成保管しUDP通信の上に仮想コネクションを保持した通信が可能である。
【0133】
通信ポリシーを構成するポリシー設定項目のうち、通信品質に関するポリシー設定項目の保証方法については、通信料金との関係から、以下のような保証方法を用いることもできる。
▲1▼通信料金の最小化に向けたベストエフォートモード
▲2▼通信料金の上限値、下限値の少なくとも一方を指定するモード
▲3▼通信料金の制限が無いモード
【0134】
また、ここで、通信帯域、スループット、ジッター、遅延時間、パケット廃棄率、情報の到達度合などの通信品質は、上りと下りのデータの送受信に対して個別に決定し、変更することも可能である。例えば、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの、上り(アップロード)の送受信に割り当てる通信帯域等の通信品質について定めた通信ポリシーと、下り(ダウンロード)の送受信のために割り当てる通信帯域等の通信品質について定めた通信ポリシーとを、通信リソースの空き状況とネットワーク(通信路)の輻輳状況に応じて適宜決定あるいは変更してもよい。また、上りに割り当てる通信品質(通信帯域)と下りに割り当てる通信品質(通信帯域)の比率を、アクセスするオブジェクト、マルチメディアコンテンツのデータ量に応じて変更しても良い。
【0135】
また、通信ポリシーについては、以下のようなことを考慮しても良い。すなわち、また、コネクション又はトンネル又はセッションの何れかが確立された状態で、ある一定時間データの送受信が行われない場合、例えば課金体系によって段階的に作られた上限、下限付プレミアムベストエフォートな通信リソースを低料金、低品質の通信リソースへ、一時的に割当を変更するといった、通信リソースの割当を通信端末装置或いは情報配信サーバ装置のデータ送受信状況に応じて動的に変更するルールを通信ポリシーとして設定して利用し課金することが可能である。この際、一定時間の長さや通信リソースを落とし込むレベル、最低帯域保障などの設定値を、個々のユーザの課金体系によって詳細に設定できる。上記設定値は、一時的に割当を変更した後は、元のリソースを確保できるか保証はされない場合もあり、また割当て変更が解除されてもとの状態に戻るまで時間がかかる場合がある。
【0136】
また、データ送信に際して、データ送信者あるいはデータ受信者が、データ送信、あるいは受信時に適用する通信ポリシーを予約確保するとき、あるいは、プレミアムベストエフォートな設定項目を設定した場合に、割り当てる通信リソースを状況に応じて、例えば、設定項目値が、通信端末あるいは配信中継装置あるいは配信サーバ装置あるいはアクセス中継装置の通信リソースの空き状況、同装置間の通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて変更するときに、割り当てるあるいは割り当て直す通信リソースを、(1)要求するタイミングの早いものを優先して割り当てる方式、(2)データ送信者あるいは受信者に与えられた優先度、送信するデータ、あるいはオブジェクト単位に設定された優先度にしたがって優先する方式、(3)データ送信者あるいは受信者の申請した課金単価、支払う通信料金にしたがって、もっとも高額な課金単価、あるいは支払う通信料を申請した申請者を優先して通信ポリシーを実現する度合いが高くなるように通信リソースを割り当てるオークション方式、(4)利用者均等にリソースを割り当てる方式、を使い分けて決定する。
【0137】
通信リソースは適用している通信ポリシーの設定項目値の許容変更量にしたがって変更される。通信リソースの割り当て量を同許容量を超えて大きく変更する場合は、通信ポリシーを変更して、通信リソースを再割り当てする。
【0138】
また、最適で最小の通信リソースをタイムリーに割り当てて、最適な通信QoSでオブジェクトの送受信を行うために、通信リソースの空き状況に応じて、通信ポリシーに従って同通信リソースの予約確保を行う。通信QoSとは、通信ポリシーの各種設定項目を合わせたQoSをさし、通信ポリシーにて実現される通信の手法、通信の形態をいう。
【0139】
極力数多くのオブジェクトの同時利用を実現するために、オブジェクト単位に通信品質若しくはその保証手法、通信料金の発生手法等を通信ポリシーとして設定し、ネットワークの輻輳状況若しくは通信リソースの負荷状況/使用状況に応じて、移動機、配信中継装置、配信サーバ装置の3者で協調して、適用する最適な通信リソースを、例えば上限、下限付のプレミアムベストエフォートな通信QoSを適宜予約確保する。
【0140】
ネットワークの輻輳状況が悪化した場合など、輻輳状況の変化に応じて、オブジェクト毎に適用された個々の通信ポリシーに固有の調整の仕方(手法)で通信品質(QoS)を調整する。
【0141】
また、通信状況に関する所定の比較値には、要求、適用又は設定された際の上記通信ポリシーの達成度合や維持度合、変化度合、通信リソースの輻輳状況又は上記通信状況の変化度合などが含まれる。
【0142】
また、通信ポリシー設定項目「配信プロトコル(通信プロトコル)」の設定例として、ルール:配信中継装置と通信端末装置(移動端末装置)との間でのマルチメディアコンテンツデータの送受信プロトコルは、配送データのデータサイズがある一定値以上の場合は、トランスポート層プロトコルとして、UDPプロトコルを選択し、同データサイズがある一定値以下の場合は、TCPプロトコルを使用する。
【0143】
配送データのデータサイズが途中、ある一定値A以下からある一定値以上に変化すると、変化に応じて配送プロトコルをUDPプロトコルからTCPプロトコルに変更する。再送発生率がある一定値B以上になった場合、配送プロトコルをTCPプロトコルに変更し、ある一定値以下に下がった場合は、UDPプロトコルに変更する。
【0144】
通信品質であるパケットの誤り率、ジッタ−、遅延、スループットがある一定値以上、あるいはある一定値以下に変化すると、UDPプロトコルからTCPプロトコルへ、あるいはTCPプロトコルからUDPプロトコルに、トランスポートプロトコルを動的に変更する。
【0145】
上記ある一定値、ルールは、通信ポリシーとして、通信端末装置、配信中継装置、配信サーバ装置のネゴシエーションにより、オブジェクト単位に設定する。
【0146】
通信ポリシーに設定された上記ルールにしたがって、オブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、マルチメディアコンテンツ単位、コネクション単位、セッション単位、あるいはトンネル単位に、トランスポートプロトコルをTCPプロトコル、あるいはUDPプロトコルに動的に切り替える。
【0147】
UDPプロトコルが選択された場合は、通信ポリシーにおいて設定された、セッションレベルの送受信制御手法とセッション制御プロトコルが選択される。
【0148】
図18は、通信ポリシーデータベース45の一例を示す図である。通信ポリシーデータベース45には、図18に示すように、マルチメディアコンテンツを受信するユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクト(例えばテキストa1、ストリーミング映像a2)を単位として適用可能な通信ポリシー(例えば通信ポリシーA1、通信ポリシーA2)が格納されている。
【0149】
図1に戻って、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベースに格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する。より具体的には、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベース45に格納されている通信ポリシーの中からコンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを選択(決定)し、設定する。図18の例を用いて説明すると、通信ポリシー設定監視部40は、ユーザAが通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間でテキストa1を送受信する場合、通信ポリシーA1を選択し、設定する。一方、ユーザAが通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間でストリーミング映像a2を送受信する場合、通信ポリシーA2を選択し、設定する。
【0150】
通信ポリシー設定監視部40は、さらに、
▲1▼オブジェクトの送受信経路における通信リソースの使用状態
▲2▼通信端末装置1と情報配信サーバ装置3とのうち少なくとも一方の位置情報
▲3▼既に設定されている通信ポリシーの達成度
▲4▼オブジェクトの送受信に要求されるリアルタイム性
などを考慮して、通信ポリシーを選択(決定)し、設定するような構成であってもよい。
【0151】
ここで「送受信経路における通信リソースの使用状態」は、送受信経路における通信ネットワークの輻輳状態、送受信経路上に存在する送信装置、中継装置、受信装置の負荷状態を含む概念である。
【0152】
また、ここで「要求されるリアルタイム性」とは、送信装置がオブジェクトをいち早く送信したいと望む度合であり、また、受信装置がオブジェクトの早期送信を要求する度合である。要求されるリアルタイム性Yは、例えば以下の式で求められる。
Y=y1+y2+y3+y4+y6+y7
y1=A(1)×p1[未送信データ量]/([送信完了予定時刻]−[現在時刻])
y2=A(2)×p2[未送信データ量]/[現時点において算出し直した送信完了予定時刻]
y3=A(3)×p3[未送信データ量]/[送信処理完了までの所要予定時間]
y4=A(4)×p4[未送信データ量]/[送信レート]
y5=A(5)×p5[未送信データ量]/[許容遅延時間(RTT)]
y6=A(6)×p6[未送信データ量]/[許容ジッター]
y7=A(7)×p7[未送信データ量]×[課金単価]
ここで、パラメータA(i)(1≦i≦7)は、それぞれの項目値の要求されるリアルタイム性の評価に寄与する重み付けであると同時に、項目値の次元(ディメンジョン/単位)を要求されるリアルタイム性の次元に変更するための係数であり、下記の関数g(ai,bi,ci,di,ei,fi)(1≦i≦7)により求められる。
A(i)=g(ai([通信ポリシー達成度]),bi([端末移動速度]),ci([端末位置情報]),di([通信リソース使用状況]),ei([ネットワークのトラヒック状況]),fi([課金総額]))
【0153】
まず、A(1)は、送信完了予定時刻−現在時刻が短いほど、要求されるリアルタイム性が高いオブジェクトであることを示すときの重み付けパラメータである。この送信完了予定時刻−現在時刻が、送信対象オブジェクトの要求されるリアルタイム性に寄与する程度を他の項目と比較しながら決定するものである。この決定に際しては、送信時の外部要因を考慮して、送信時の通信環境に即応させることを目的として、通信ポリシー達成度、端末移動速度、端末位置情報、通信リソース使用状況、ネットワークのトラヒック状況、発生した現時点までの課金総額それぞれの影響度をa1([通信ポリシー達成度]),b1([端末移動速度]),c1([端末位置情報]),d1([通信リソース使用状況]),e1([ネットワークのトラヒック状況]),f1([課金総額])によって斟酌したパラメタを引数とした関数g(a1,b1,c1,d1,e1,f1)を実行することによってA(1)を算出する。なお、A(2)〜A(7)も同様に算出する。
【0154】
さらに、A(1)は、未送信データ量が多いほど、各データに対して要求されるリアルタイム性が高くなることから、[未送信データ量]を掛けて未送信データ量を考慮したパラメタ値とする。さらに、各項目値間での要求されるリアルタイム性に与える影響度を考慮して、p1という重み付けをかけて項目間調整を行う。ここで、p2〜p7同様の意味を持つ。
【0155】
上式に示す要求されるリアルタイム性の中の、
y1=A(1)×p1[未送信データ量]/([送信完了予定時刻]−[現在時刻])
の示す意味について説明する。
【0156】
分母にくる項目は、その項目が大きくなるにしたがって、要求されるリアルタイム性が小さくなるような項目とし、分子に記載している項目は、その項目値が大きくなるにしたがって、要求されるリアルタイム性が大きくなる項目とする。したがって、未送信データ量が多いほど、要求されるリアルタイム性は大きくなる。
【0157】
例えば、要求されるリアルタイム性を提供すべき通信帯域で判定する場合について説明する。
【0158】
オブジェクト単位に送信完了時刻を設定した場合、送信完了予定時刻が現在時刻との差分が大きいほど、要求されるリアルタイム性(データの着信を求める緊急度)は小さいと考える。差分が大きいということは、それだけ送信に費やすことのできる時間が多いため、データの送信のために必要とする通信帯域はそれだけ小さくて済む。また、オブジェクトのデータサイズが大きいほど、決められた時間までに送信しなければならないデータ量が多いことになるため、それだけ要求される通信帯域が大きくなる。したがって、オブジェクトのデータサイズが大きいほど要求されるリアルタイム性は大きくなる。この場合、要求されるリアルタイム性は、オブジェクトデータの送信時に要求される通信帯域によってあらわすことができ、しかも要求される通信帯域は、オブジェクトの未送信データ量÷(送信完了時刻―現在時刻)により算出される。
【0159】
したがって、送信処理がネットワークの輻輳や通信リソースの使用状況、負荷状況が悪化して、オブジェクトの送信処理が予定通り(配信スケジュール通り)に進まなくなった場合、未送信データが予定以上に多く残り、送信処理を完了させなければならない送信完了予定時刻と現在時刻の差分がさらに小さくなってくることになるため、オブジェクトの未送信データの送信処理に対して要求されるリアルタイム性はなおいっそう高くなる。
【0160】
このような場合、要求されるリアルタイム性が次第に高くなってくるため、送信完了予定時刻を優先して守るという通信ポリシーを採用している場合、要求される通信帯域を割り当ててもらえる通信サービスでそのサービスの利用にあたっての通信リソースに空きがあれば、同送信サービスに段階的に切り替えて、通信料金が高くなるけれど要求されるルあるタイム性に応じた通信帯域を割り当てることにより、送信完了予定時刻を死守するような制御を行う。同送信サービスに通信リソースの空きがない場合は、さらに高額でサービス利用にあたっての通信リソースに空きがある送信処理サービスを策定することになる。
【0161】
通信ポリシーに通信料金に関する制約ルールとして、1パケットあたりの送信単価の上限を設けている場合、上限の送信単価にて利用できる通信帯域が、要求されるリアルタイム性を満足することのできる通信帯域を割り当てることができないため、このような場合、送信完了予定時刻を変更するか、送信オブジェクトのデータのデータ品質を制御して未送信データ量を低減して当初の送信完了予定時刻にオブジェクトの送信処理が完了するような配信(送信)制御を行う。
【0162】
このような対処法も通信ポリシーとして設定しておくことになるが、動的に対処法を通信ポリシーに加えてもよい。
【0163】
また、送信単価等の通信費を考慮しない場合は、通信費の上限という制約はなくなるが、要求されるリアルタイム性に相応の通信帯域を割り当てることのできる送信システムの空き状況を判定して、割り当てる通信帯域を制御する。
【0164】
ユーザの指示する配信期限、配信期間、配信開始等の要求に応じて通信ポリシーを設定し、同通信ポリシーに応じて、上記観測情報(ユーザ端末の位置情報、タグ(無線通信装置)の位置情報、通信ポリシー達成度、ネットワークの輻輳(トラヒック)状況、通信リソースの使用状況、送信データの要求されるリアルタイム性、時刻、ユーザ状態)を考慮して、配信(送信)制御を行う。
【0165】
ネットワーク監視者の判断に基づいて、ネットワークトラヒック、通信リソースの使用状況、ネットワーク/通信設備の負荷を負荷分散するような配信(送信)制御を通信ポリシーにしたがって、送信データの要求されるリアルタイム性を考慮の上実施する。
【0166】
また、ユーザの位置、通話中、会議中、移動中、あるエリア内にいる、あるタグの交信エリア内、移動機の交信エリア圏内、等のユーザの状態に応じた通信ポリシーを設定しておき、ユーザ状態に応じて、適宜適用する通信ポリシーを選択し、アクセス/提供するサービス内容、サービス品質、コンテンツを決定し、選択した通信ポリシーにしたがって配信(送信)制御する。ユーザの状態に応じて、例えば配信を停止し、ユーザの状態が変化したら送信を開始するといった通信ポリシーを設定し、データの要求されるリアルタイム性を考慮して、通信ポリシーを適用して送信制御を行う。
【0167】
配信予約に対して、ネットワークから取得可能なコンテンツを、ユーザ状態(通話中、待ち受け中、位置、同時アクセスしているコンテンツの数、移動機の通信リソースの使用状況、パケット通信により送受信している単位時間あたりのデータ量等)に応じて、サービス内容、サービス品質を決定して、通信ポリシーにしたがって送信制御する。
【0168】
通話中である場合は、通話が終了した後にデータを配信するもの、通話中に同時的に配信するコンテンツ等を予め通信ポリシーに登録して送信制御を行う。ユーザ端末の位置に応じて、配信するコンテンツ、適用する通信ポリシー、通信ポリシーの適用制限、サービス品質制限、送信するデータの要求されるリアルタイム性等を考慮して制御する。
【0169】
また、通信ポリシーとして、ネットワーク(通信路)設備、通信リソース、の閑散な使用状況を狙い撃ちした利用を指定した通信ポリシーを予約設定することにより、ネットワークリソース、通信リソースの有効利用を実現することができる。
【0170】
ユーザからの非リアルタイムコンテンツの配信要求に対しても、通信ポリシーを設定することにより、効果的な配信を実現することができる。
【0171】
特に、ユーザが配信要求する非リアルタイムコンテンツの要求されるリアルタイム性を考慮した配信制御を行うことにより、ユーザにストレスを感じさせることなく、ネットワークリソース、設備を効率的に使用したコンテンツの配信制御ができる。
【0172】
通信ポリシーのポリシー設定項目として、いつでもよいとか(送信完了期限を指定しない)、送信完了期限、配信期間等を、ネットワークの閑散時間帯を優先するように(ネットワークトラヒック量がある値以下のとき)、統計的トラヒックデータと指定された配信時期(配信開始完了、配送期間の要求/要望)にしたがって、ネットワークのトラヒック状況と通信リソースの使用状況、と配信データの要求されるリアルタイム性(配信完了期限を設定時に考慮する必要が発生する)を考慮して配信(送信)制御を行う。
【0173】
リアルタイム性を要求する度合いに応じて、通信リソースを割り当て、QoSを保証することでサービスを展開することになるが、まったくリアルタイム性が要求されない非リアルタイム性コンテンツについては、他のユーザが使用時に提供される通信品質、コンテンツ品質に制限を加えないように、遊休の通信リソースを優先して割り当てを行う。他のユーザからのリソースの予約要求が発生して、通信リソースが枯渇してくると、非リアルタイム性コンテンツは、通信リソースを一時解放して、リアルタイム性コンテンツ(データ)に、同コンテンツ(データ)の要求されるリアルタイム性に応じて通信リソースを提供する。通信リソースに空きができたときにのみ、通信リソースを割り当てて、コンテンツの送信を行うといった通信ポリシーが有効である。
【0174】
送信開始予定時刻は、予め配信スケジュールに登録される時刻である。オブジェクトの送信に必要な通信リソースが確保されていない場合は、通信リソースの確保が完了するまで、原則延期される。延期される時間の最大許容時間は、通信ポリシーに設定されている。要求されるリアルタイム性が高いオブジェクトほど、通信リソースの予約確保が完了するように優先処理される。
【0175】
ここで、リアルタイム性については、
▲1▼送信開始予定時刻−現在時刻が短いほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲2▼送信開始前に算出した当初の送信完了予定時刻−現在時刻が短いほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲3▼現時点において算出し直した送信完了予定時刻が現在時刻に近いほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲4▼送信処理完了までの所要予定時間が少ないほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲5▼送信レートが大きいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲6▼許容遅延時間(RTT)が小さいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲5▼許容ジッターが小さいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲6▼課金単価が大きいほど、要求されるリアルタイム性は高くなる。
▲7▼課金単価が大きいほど、より高価な通信リソースを割り当てることを意味するため、要求されるリアルタイム性は高く設定する。
という性質がある。
【0176】
また、要求されるリアルタイム性が同一の場合、オブジェクトの未送信データサイズが大きいほど、未送信データの個々のデータに要求されるリアルタイム性は高くなる。
【0177】
ここで、位置情報に応じた要求されるリアルタイム性について説明しておく。位置情報、特に、ある特定の閉曲線により囲まれた領域(エリア)内のユーザに対して(エリア単位に)は、要求されるリアルタイム性による送信優先性に制限を加えることができる。この場合さらに、ある方向(方位センサーより得た情報にしたがって)を向いているユーザ、ある方向に移動しているユーザに対してのみ、要求されるリアルタイム性に基づく送信優先性に制限を加えたり、逆に、優先的に、高い要求されるリアルタイム性を与えて送信優先性を高く設定することができる。また、あるエリア内の通信端末に対して、同エリア内の通信端末の数、単位時間当たりの処理量、あるコミュニティ内で発生しているトラヒック総量、に応じて、要求できる、要求されるリアルタイム性に制限を加えることができる。合わせて、あるエリア内で発生するトラヒック量に制限を加えることができる。
【0178】
通信ポリシー設定監視部40は、設定した通信ポリシーを、配信対象であるマルチメディアコンテンツ情報とともに通信ポリシーデータベース45に登録する。
【0179】
通信ポリシー設定監視部40は、また、マルチメディアコンテンツの送受信の実行中における通信ポリシーの達成度合を監視する。
【0180】
通信リソース予約確保部47は、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいて、オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する。この場合、通信リソース予約確保部47は、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいて、一定の条件(例えば、「明日の0時になったら」とか「ネットワークの輻輳度が30%以下になったら」とかいう条件)を満たした将来の時点におけるオブジェクトの送受信に用いる通信リソースを予約確保する機能をも有している。
【0181】
送受信制御部41は、通信ポリシー設定監視部40によって設定された通信ポリシーに基づいて、通信リソース予約確保部47によって確保された(あるいは予約確保された)通信リソースを用いたオブジェクトの送受信を制御する。より具体的には、送受信制御部41は、通信ポリシー設定監視部40の指示によって通信ポリシーデータベース45に登録されている通信ポリシーを読み出し、通信ポリシーにしたがって、マルチメディアコンテンツを構成する1または複数のオブジェクトのそれぞれの送受信を制御する。
【0182】
詳細には、送受信制御部41は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の通信路、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路、または配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路において、各装置間のそれぞれの通信路において設定された通信ポリシーにしたがって、1または複数のセッションにおけるデータの送受信を同時的かつ動的に制御する。そして、配信対象となっているマルチメディアコンテンツを構成している1または複数のオブジェクトを、それぞれが登録されている情報配信サーバ装置3から配信中継装置2を介して通信端末装置1へと送信する。
【0183】
適用される通信ポリシーは、マルチメディアコンテンツを構成する各オブジェクトを情報配信サーバ装置3から通信端末装置1へとダウンロード送信する際、あるいは通信端末装置1から情報配信サーバ装置3へとアップロード送信する際に用いられる通信形態、通信品質およびその保証手法、課金規則、データ変換手法、各種オブジェクト間の同期のタイミング制御手法などを規定するものであり、通常、上述した1または複数のポリシー設定項目から構成される。
【0184】
課金対応データベース46には、図6に示すように、通信ポリシーに応じた通信料金の算出規則(通信ポリシーと通信料金との対応表)が格納されている。
【0185】
課金処理部42は、マルチメディアコンテンツの送受信によって発生した通信料金を算出して課金処理を行う。具体的には、課金処理部42は、課金対応データベース46を参照し、通信ポリシー設定監視部40によって上述のごとく設定された通信ポリシーに従って通信料金を算出して課金処理を行う。
【0186】
図6に示した課金対応データベース46では、通信帯域、スループット、ジッター、遅延時間、到達度合、再送率、到達完了時刻、及びセッション数などの通信ポリシーのポリシー設定項目に対し、ギャランティモードまたはベストエフォートモードに対応する通信料金、達成目標値に対応する通信料金、及び目標値関数に対応する通信料金がそれぞれ示されている(例えば、通信帯域に対する通信料金A〜G参照)。マルチメディアコンテンツの送受信に対する通信料金は、これらの各項目に対する通信料金を参照して算出される。なお、各項目に対する通信料金は、具体的な料金の値、または料金を算出するための計算則などによって指定される。
【0187】
この場合、課金処理部42は、通信料金の課金先を、マルチメディアコンテンツ単位、オブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、オブジェクトを構成するデータ毎に設定することができるように構成されている。
【0188】
課金処理部42による通信料金の算出手法(あるいは課金手法)としては、例えば以下の手法が考えられる。
【0189】
(1)マルチメディアオブジェクトを送受信したときの通信ポリシーの達成度合に応じて通信料金を算出する。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信における通信ポリシーの達成度合に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0190】
(2)通信ポリシーとして設定されたポリシー設定項目の項目数、ユーザ階級を示す情報であるランク、優先度、通信品質の劣化度合、各ポリシー設定項目の達成度合に応じて通信料金を算出する。これにより、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目の具体的な内容に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0191】
(3)マルチメディアコンテンツを構成する1または複数のオブジェクトのそれぞれの送受信において実現された、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の通信路または配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路でのスループットまたはその特性に応じて通信料金を算出する。これにより、スループットに応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0192】
(4)送受信制御部41が複数のセッション間で同期を取りながら複数のオブジェクトのそれぞれを同時的に送受信している場合、送受信制御部41が複数のオブジェクトのそれぞれを同時的に送受信することによって発生した処理負荷に対する同期調整料を通信料金に加算する。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信における具体的な通信状況に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0193】
(5)マルチメディアコンテンツの送受信に際して、コネクション、トンネル、セッションのそれぞれに設定された通信ポリシー、あるいは通信ポリシーの達成度合に応じて、発生した通信料金を計算する。
【0194】
(6)通信ポリシーのポリシー設定項目に対する達成目標値を算出するための目標値関数を設けた場合、達成目標値の算出に適用する目標値関数に応じて通信料金を算出する。これにより、各ポリシー設定項目に対する達成目標値の算出方法に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0195】
(7)情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の通信路、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路、または配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路のそれぞれについて設定された通信ポリシーに対し、各装置間のそれぞれの通信路に対して課金先及び通信料金基準を設定し、各通信路で実現された通信ポリシーの達成度合に応じて、通信料金を算出する。これにより、各通信路での通信状況に応じて、好適に通信料金の課金を行うことができる。
【0196】
(8)情報配信サーバ装置から送出されたデータ量、すなわち、配信中継装置が情報配信サーバ装置から受信し中継送信したオブジェクトデータまたは中継送信した中継データを課金対象データとして通信料金を算出する。この場合、UDPで中継しようがTCPで中継しようが、一切関係なく、中継したオブジェクトのデータを課金対象データとして通信料金を算出する。ただし、通信料金の単価は、上記いずれかの手法にて算出する。したがって、通信端末へ送信されたオブジェクト毎のデータ量に対して、それぞれのデータが送信された時に実現された通信品質、中継事業者の設備の通信リソースの使用単価、オブジェクトデータの内容等に応じて、さらには、利用者の利用実績に応じて、通信料金の単価が計算され、通信料金が計算される。
【0197】
ここで、サーバ情報配信サーバ装置3から通信端末装置1に向かってオブジェクトを送信(ダウンロード)する場合は、配信中継装置2が情報配信サーバ装置3から受信し、通信端末装置1に向けて中継送信したオブジェクトのデータ量がパケットキャプチャ等によりカウントされ、オブジェクト毎に登録された課金先に対して課金処理がなされる。一方、通信端末装置1から情報配信サーバ装置3に対してオブジェクトをアップロードする場合は、配信中継装置2が通信端末装置1から受信し、情報配信サーバ装置3に向けて中継送信したオブジェクトのデータ量がパケットキャプチャ等によりカウントされ、オブジェクト毎に登録された課金先に対して課金処理がなされる。このように、送信元から送信され、配信中継装置から受信先へ中継送信されたオブジェクトのデータサイズによって、通信料金の算出時の課金対象データ量が算出される。
【0198】
(9)オブジェクトの送受信のために送受信されたパケットのデータサイズが送信元から送信されたオブジェクトのデータサイズから算出され、算出したデータサイズの通信料金を、送受信のために発生したコストとして通信料金に加算する。
【0199】
(10)認証処理その他特定の処理に対して、当該処理を行うためのコストを通信料金に加算する。
【0200】
(11)正常にオブジェクトの送受信が行われなかった場合は、正常なオブジェクトデータの送受信ができなくなった原因を作ったもの、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3のいずれか送受信処理が途絶える問題を発生したものがそれまでに送受信したオブジェクトデータの通信料金を負担する。
【0201】
(12)再送については、TCPトランスポートプロトコルによる場合は再送は課金対象外とし、UDPトランスポートプロトコルによる場合は原則課金対象として通信料金に加算する。
【0202】
(13)UDPトランスポートプロトコル採用時、セッションレベルにおける送受信制御のなかで、再送を指示したデータサイズが算定できる場合は、課金対象とすることも非課金とすることもでき、ネゴシエーションにて通信ポリシー策定時に決定する。
【0203】
(14)ユーザの利用実績に応じて、課金対象とするか非課金とするかを決定する。
【0204】
(15)ある特定のチェックポイントを通過するパケットデータのすべてを課金対象として、チェックポイントを通過したパケットのデータ量のみにて通信料金を計算する。
【0205】
(16)配信中継装置2において、中継したマルチメディアコンテンツデータを収納したパケットで通信端末装置1あるいは情報配信サーバ装置3に到達確認のとれたパケットと、同パケットを送受信するために必要なパケットを課金対象として、中継した課金対象パケットのデータ量のみにて通信料金を計算する。例えば、TCP/IP上でHTTPによりデータの送受信を行うシステムに対して以下に示す課金方法を指定する。ただし、トランスポート層にUDPを採用した場合は適用できない。
▲1▼マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトへのアクセス時に発生するすべての通信料金を、同コンテンツあるいは同オブジェクトのアクセス先に設定されている課金先に、課金処理する。
▲2▼配信中継装置2では、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトをダウンロードする場合、上りデータは、再送データを除いたデータを課金対象とし、下りデータは、TCP−ACKの受信を契機に送達確認がとれたデータを課金対象とする。また、アップロードする場合は、下りデータは、再送データを除いたデータを課金対象とし、上りデータは、TCP−ACKの受信を契機に送達確認がとれたデータを課金対象とする。ここで、下りとは、情報配信サーバ装置3から通信端末装置1に向けてマルチメディアコンテンツを送信する場合を指し、上りとは、通信端末装置1から配信中継装置2を経由して、情報配信サーバ装置3あるいは通信端末装置1に向けてマルチメディアコンテンツを送信する場合を指す。本方式は、受信Ackにより、課金パケットのデータサイズをカウントする方式である。
▲3▼課金対象とするパケットの種類は、TCPパケット:SYN(Synchronize sequence number)、ACK(Acknowledgment field significant)、FIN(No more data from sender)、RST(Reset the from connection)である。
【0206】
(17)配信中継装置2において、マルチメディアコンテンツデータを収納したパケットで通信端末装置1あるいは情報配信サーバ装置3に向けて送受信中継したパケットの中再送パケットを除いたパケットを課金対象として、▲1▼中継した課金対象パケットのデータ量から計算した通信料金、▲2▼同コンテンツのアクセスのために送受信が必要となる▲1▼以外のパケットの送受信データサイズは、予めマルチメディアコンテンツサイズが決まると、論理的に決定することが可能であるため、この論理的に算出したパケットの送受信サイズを計算することによって算出した通信料金、▲3▼パケットの送受信のために使用した通信リソースの使用料、適用された通信ポリシー、あるいは同通信ポリシーの適用に際して実現された通信ポリシーの達成度に応じて発生する通信料金を加算して、TOTALの通信料金を計算する。
【0207】
例えば、TCP上、あるいはUDP上でHTTPによりデータの送受信を行うシステムに対して以下に示す課金方法を指定する。配信中継装置2では、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトをダウンロードあるいはアップロードする場合、マルチメディアコンテンツデータを収納したパケットのみをカウント対象とし、Ack受信したパケットを課金対象としてカウントするのではなく、上り、下り共に、再送同パケットを除いた同パケットを課金対象とする。
【0208】
(18)使用単価に以下のような制約を付けることができる。例えば、各種パケットの送受信単価、通信リソースの使用単価等に対するマルチメディアコンテンツのアクセス利用時の、上限額あるいは下限額等を設定し、通信ポリシーの選択あるいは通信リソースの予約確保のためのネゴシエーション時において、同条件を満足するように、通信ポリシーの各通信ポリシー設定項目を選択し、また通信リソースの予約確保を実施する。通信端末装置1、配信中継装置2、情報サービス中継通信サーバ、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置などの間で、ネゴシエーションを行って、通信ポリシーを設定、変更する。
【0209】
例えば、同制約例として、
▲1▼指定したマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの送受信時のパケットの送受信単価の上限値あるいは下限値の設定
▲2▼指定したマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトを送受信する時間帯に対して許容するパケットの送受信単価の上限値あるいは下限値の設定
▲3▼通信ポリシーのネゴシエーション時の要求する通信形態、通信品質、通信品質の保証手法の各々の予約確保における通信料金の総額あるいはパケット単位当たりの発生上限額あるいは発生下限額の設定
などが考えられる。
【0210】
(19)以下に示すように、通信ポリシーの設定項目であるデータの到達性というQoSに基づいて課金する。
【0211】
データの到達性というポリシー設定項目において100%と指定すると、受信データに欠落があってはならないため、欠落したパケットデータについては必ず再送保証することになる。到達性90%とは、10%のデータがロスあるいは欠損してもよいと宣言してデータの送信を行うものである。
【0212】
UDP転送する場合、例えば、通信ポリシーの設定項目の到達性により再送処理の発生頻度が変わるが、到達性を満足した送信が達成された場合は、送信データの内到達性として指定されたオブジェクトデータのデータ量を課金対象とみなす方法と情報配信サーバ装置から送信されたすべてのデータを課金対象とする方法がある。前者は、到達性として保証したデータのみ課金対象とする方法で、後者は、送信するがデータが送信先に到達するのは、到達性で示す割合しか保証しないけれど、送信パケットのすべてを到達しようが未達となろうが課金対象とする方法である。両者ともに、到達保証されない分のデータが到達すると得をしたという感覚を与え、到達を保証しない分をロスすることがあり得るが、その不確実性分を料金に反映させ低価格に設定することにより、ユーザに価格面でのメリットを感じさせる効果がある。
【0213】
そのときのオブジェクトデータの送信通信料は、同データ量と、通信ポリシーの設定項目から算出した通信単価から計算される。到達性の項目値が高い値が設定されるほど通信単価は高く設定される。
【0214】
ただし、UDP転送して何も到達性を向上させるための特別な処理を実施しない場合の到達性を下限とした到達性の料金設定を行うことになる。この下限との差分が課金単価に反映されることになる。
【0215】
そのデータを送信するために要したデータ転送量は、論理的なシーケンスにより算出し、送信のために必要となった通信料金として換算カウントする。到達性に指定した項目値に応じた通信料金を通信リソースの使用単価を考慮しながら算出し合算してTOTALの通信料金を算出する。
【0216】
再送の発生原因が通信端末装置と情報配信サーバ装置でない限り再送のために要した料金は、配信中継装置の運営業者が負担する。
【0217】
このような課金の計算手法を採用することにより、到達性の監視をして配信中継装置が配信中継したデータサイズをパケットキャプチャするだけで到達性というQoSに基づいた課金処理が容易で効率的に実現できる。
【0218】
また、課金処理部42は、通信ポリシーの達成度合またはマルチメディアコンテンツの送受信での送受信データ量の少なくとも1つに応じて、適用された通信ポリシーに基づく通信料金基準となる課金単価を設定または変更することができるようになっている。
【0219】
メタポリシー設定部43は、マルチメディアコンテンツの送受信を行う通信システム52におけるネットワークの輻輳状況または通信リソースの使用状況、および通信システム52内の各装置における処理状況に応じた通信ポリシー設定監視部43の処理の制御則としてメタポリシーを設定する。例えば、メタポリシー設定部43は、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、通信ポリシーの決定方法と通信ポリシーの適用方法と通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度とを指定する。ここで「ポリシー設定項目を達成する優先度」とは、複数のポリシー設定項目が通信ポリシーとして設定されている場合に、ネットワークの輻輳状況または通信リソースの使用状況、通信システム52内の各装置における処理状況、通信ポリシーの達成状況などに応じて、どのポリシー設定項目を優先して実現していくのかを定めた指標である。
【0220】
また、メタポリシー設定部43は、例えば、
▲1▼ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を算出し、算出された達成目標値をユーザに通知し、ユーザによって許可されると当該算出された達成目標値を設定するモード
▲2▼ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を仮の達成目標値として設定し、通信リソースの空き状況に応じて、仮の達成目標値が上記ユーザから要求された達成目標値に近づくように仮の達成目標値を変更していくモード
のいずれかのモードを、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態に応じて選択する。
【0221】
ここで、通信ポリシー設定監視部40は、メタポリシー設定部43によって設定されたメタポリシーに従って達成目標値を設定しなおし、通信ポリシーを決定し、設定する。例えば、上記▲2▼のモードが設定された場合、通信ポリシー設定監視部40は、図19に示すように、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる第1通信ポリシー(情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との2者の要求から2者が満足する通信ポリシー)を決定し、また、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる第2通信ポリシーを決定し、設定し、第1通信ポリシーと第2通信ポリシーとが異なる場合、通信リソースの使用状態の変化に応じて、第2通信ポリシーが第1通信ポリシーに近づくように、上記第2通信ポリシーを決定しなおし(調整し)、設定しなおす。
【0222】
また、この第1通信ポリシー及び第2通信ポリシーを用いる方法と、ポリシー設定項目に対して優先度を設定する方法(詳細は後述する)とを併用することも可能である。すなわち、第2通信ポリシーから第1通信ポリシーへの通信ポリシーの調整に関し、その調整方法を優先度に応じて制御することができる。具体的には、例えば、システム内の通信リソースの空き状況に応じ、第2通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して設定された優先度に基づいて、それぞれのポリシー設定項目に対する変化度合を設定または変更する方法がある。あるいは、ポリシー設定項目の変化度合以外の調整用のパラメータを優先度に応じて設定または変更しても良い。
【0223】
上述したように、配信制御装置4は、通信システム内の所定装置の動作、例えば、配信中継装置2におけるマルチメディアコンテンツの送受信の中継を、通信ポリシーにしたがって制御することにより、マルチメディアコンテンツの送受信を制御する。また、配信制御装置4は、マルチメディアコンテンツの配信中継サービス提供時に、要求または実現された通信ポリシーにしたがって通信料金を算出して課金する。発生した通信料金に応じて、通信ポリシーのポリシー設定項目あるいはポリシー設定項目の目標値を変更する。
【0224】
一方、配信中継装置2は、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、またはオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路上の中継装置から送信される通信ポリシーに関する様々な要求、例えばマルチメディアコンテンツの送受信の通信帯域、遅延時間(RTT値)、ジッター、スループット、達成完了時刻などの、通信ポリシーに関する新たな要求、あるいは要求した通信ポリシーの維持達成を目的とした通信ポリシーの達成状況を、適宜受け付ける。配信中継装置2は、受け付けた要求あるいは通信ポリシー達成状況を適宜配信制御装置4に通知する。配信制御装置4の通信ポリシー設定監視部40では、受け取った要求にしたがって、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1とネゴシエーションして適用する通信ポリシーを再策定し、新たに適用する通信ポリシーを配信中継装置2に通知する。配信中継装置2は、通知された通信ポリシーにしたがって、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1間のマルチメディアコンテンツの送受信中継制御を行う。
【0225】
また、配信制御装置4は、受け取った通信ポリシーの達成状況にしたがって、適用されている通信ポリシーの達成度合を向上させるため、配信中継装置2における実現目標値としてのポリシー設定項目の目標値を変更し、配信中継装置2に通知する。配信中継装置2は、配信制御装置4から受け取った新たなポリシー設定項目目標値にしたがって、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1間のマルチメディアコンテンツの送受信中継制御を行う。
【0226】
図4は、図1に示した情報配信システムの具体的な構成例を示すブロック図である。図4に示す情報配信システムでは、通信端末装置1として、移動パケット通信網のパケット通信サービスを受ける移動機1aが用いられている。この移動機1aは、移動パケット通信網に接続されるほか、移動電話網にも接続されており、移動電話の通信サービスを受けることも可能となっている。
【0227】
移動機1aは、ユーザが音声通話を行うための音声入出力部、基地局5との無線通信を行う無線部、液晶パネル等で構成された情報表示部、数字入力、文字入力等の情報入力操作が行われる操作部等を設けるほか、これら各部を制御するマイクロコンピュータを内蔵している。また、移動機1aは、マルチメディアコンテンツ閲覧用のソフトウェア(いわゆるブラウザ)を搭載しており、情報配信サーバ装置3から移動通信網を介して供給されるオブジェクト等のデータに基づいて、マルチメディアコンテンツを表示させる。
【0228】
また、移動機1aは、例えば、モバイル通信網において、パケット通信サービスを受け、音声通話を行うための音声入出力手段、モバイル通信網に接続して無線通信を行う無線通信手段、映像、イメージ、3次元CG、地図、テキスト等からなるマルチメディア情報(マルチメディアコンテンツ)を表示する表示手段、テキスト、イメージ、映像、音声(アナログ音声、VoIP)、音楽、3次元CG、地図、プログラム(iアプリ(iアプリはNTTドコモの登録商標))、各種データ(バイナリデータ)等からなるマルチメディアコンテンツの入力操作を行う入力操作手段、モバイル通信網より受信したマルチメディアコンテンツを格納するメモリ、モバイル通信網より受信したプログラムや既内蔵されたプログラムを実行して上記移動端末の各手段の制御を行うマイクロコンピュータが内蔵されている。
【0229】
この場合、マルチメディアコンテンツとして情報配信サーバ装置3からダウンロードしたプログラムを上記メモリに格納して実行するといった利用が可能となる。
【0230】
また、移動パケット通信網は、基地局5、配信中継装置2であるゲートウェイサーバ2a、加入者データベース6、配信制御装置4、及びこれらを接続する通信回線によって構成されている。基地局5は、地上を例えば半径500m等の範囲で分割した所定間隔で配置されており、各々が形成する無線ゾーンに在圏した移動機1aとの間で無線通信を行う。
【0231】
ゲートウェイサーバ2aは、移動機1a側の通信システムである移動パケット通信網と、情報配信サーバ装置3側の通信システムである専用線やインターネット、有線通信網などの他のネットワークとを相互接続するための移動パケット関門中継交換局に備えられたコンピュータシステムである。
【0232】
このゲートウェイサーバ2aは、ネットワーク間で異なる通信プロトコルの変換を行うとともに、情報配信サーバ装置3と移動機1aとの間でのマルチメディアコンテンツの送受信を中継する。なお、基地局5とゲートウェイサーバ2aとの間には、必要に応じて、パケット加入者処理装置が設けられる(特開2000−78192号公報参照)。
【0233】
加入者データベース6は、移動機1aを利用する移動パケット通信網の加入者の登録情報からなる加入者登録情報ファイル、及び情報配信者である情報配信サーバ装置3の登録情報からなる情報配信者登録情報ファイルを保持している。加入者登録情報ファイルには、各加入者に対応する移動機1aの電話番号や、氏名などの加入者の属性データが格納されている。また、情報配信者登録情報ファイルには、各情報配信者に対応する事業者名や、ネットワーク上のアドレスなどのデータが格納されている。なお、配信制御装置4、及び情報配信サーバ装置3については、図1に関して上述した通りである。
【0234】
続いて、本実施形態にかかる配信制御装置及び配信制御装置が利用される情報配信システムの動作について説明する。図5は、図1に示した情報配信システム50における情報配信方法の一例を示す図である。まず、通信端末装置1は、配信中継装置2(または図示しないパケット加入者処理装置)に対してパケット登録を行う(ステップS100)。このパケット登録とは、通信端末装置1が移動パケット通信網との間でパケット交換を可能とするためにあらかじめ行う登録手続きである。このパケット登録が完了すると、通信端末装置1は、配信中継装置2に対して回線接続要求信号を送信する(S101)。一方、配信中継装置2は、回線接続が可能な場合、回線接続応答信号を通信端末装置1へと返送する(S102)。これにより、通信端末装置1と配信中継装置2との間でパケット交換が可能となる。
【0235】
通信端末装置1と配信中継装置2との接続が確立したら、通信端末装置1は、接続したい情報配信サーバ装置3またはダウンロードしたいマルチメディアコンテンツを指定して、接続要求信号を送信する(S103)。配信中継装置2は、これを受けて、指定された情報配信サーバ装置3との間でリンクを確立し(S104)、通信端末装置1からの接続要求信号を情報配信サーバ装置3へと通知する。
【0236】
ここで、「リンク」とは、パケット方式おけるパケットリンクであり、また回線交換方式における回線接続のことを指す。「リンクを確立」とは、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置等、各装置間において通信路が通信可能状態であることを確認し、各上記装置において通信開始前の準備処理を完了させ、データの送受信が可能となる状態にすることをいう。
【0237】
なお、パケットリンク方式による接続処理とは、通信端末装置が配信中継装置あるいはアクセス中継装置あるいは情報配信サーバ装置に対して、パケット登録を行ってパケット交換が可能な状態にすることである。また、パケット登録とは、通信端末装置がパケット通信網等の各種通信網との間でパケット交換を可能とするために予め行う各種登録手続きである。
【0238】
また、ここで「回線接続」とは、パケット方式におけるパケットリンクの確立と回線交換方式における回線接続の両方式の通信開始前の準備処理を意味する。これら上記両方式による処理は「コネクションの確立」の一部の処理として実施する場合がある。
【0239】
配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間でリンクが設定されると、情報配信サーバ装置3は、指定されたマルチメディアコンテンツのダウンロードに必要な通信ポリシーを、配信制御装置4の通信ポリシー設定監視部40へと通知する(S105)。
【0240】
通信ポリシー設定監視部40は、通信端末装置1に対して、情報配信サーバ装置3から要求された通信ポリシーを通知する(S106)。また、このとき、通信ポリシー設定監視部40によって監視されている各時点での通信状況、例えば通信端末装置1との間の無線通信路における輻輳状況、各装置での通信の処理状況及び負荷状況などが、合わせて通信端末装置1に通知される。通信端末装置1は、通信端末装置1の性能や処理負荷配分などを参照し、配信対象のマルチメディアコンテンツのダウンロードに割振ることが可能な通信ポリシー案を通信ポリシー設定監視部40へと通知する(S107)。
【0241】
通信ポリシー設定監視部40は、通信端末装置1から通知された通信ポリシー案を受けて、情報配信サーバ装置3に対して、通信端末装置1からの通信ポリシー案を通知する(S108)。また、このとき、通信ポリシー設定監視部40によって監視されている各時点での通信状況が、合わせて情報配信サーバ装置3に通知される。
【0242】
情報配信サーバ装置3は、先に要求した通信ポリシー、及び通信端末装置1からの通信ポリシー案を参照し、情報配信サーバ装置3としての通信ポリシー案を通信ポリシー設定監視部40へと通知する(S109)。配信制御装置4の通信ポリシー設定監視部40は、通知された通信ポリシー案を通信端末装置1に通知し(S110)、通信端末装置1側の了解または修正指示を得た後(S111)、直ちに、マルチメディアコンテンツの送受信開始の指示を情報配信サーバ装置3へと通知する(S112)。情報配信サーバ装置3は、了解または修正指示に基づいて通信ポリシーを設定し、マルチメディアコンテンツの送受信を開始する。
【0243】
まず、情報配信サーバ装置3は、1または複数のオブジェクトから構成される配信対象のマルチメディアコンテンツについて、マルチメディアコンテンツの構成情報を、配信中継装置2を介して通信端末装置1へと送信する(S113)。通信端末装置1は、構成情報を参照し、情報配信サーバ装置3との間でマルチメディアコンテンツのダウンロードに必要なコネクションを確立する(S114)。
【0244】
通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間でコネクションを確立したら、通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツの構成情報にしたがって、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトのダウンロードの開始要求信号を、そのオブジェクトに対して設定された通信ポリシー情報とともに、情報配信サーバ装置3へと送信する(S115)。情報配信サーバ装置3は、受け取った通信ポリシー情報等にしたがって、通信端末装置1へとオブジェクトの送信を開始する(S116)。なお、マルチメディアコンテンツの各オブジェクトを送信するためのセッションについては、必要に応じて確立する。
【0245】
通信端末装置1へのマルチメディアコンテンツの送受信が完了すると、通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツ受信の確認応答信号を配信中継装置2へと送信する(S117)。一方、情報配信サーバ装置3が通信端末装置1に対するマルチメディアコンテンツの送受信を完了すると、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間のコネクションが解放される(S118)。また、配信制御装置4の課金処理部42は、実行を終了したマルチメディアコンテンツの送受信について、発生した通信料金を算出し、所定の課金先に対して課金を行う。
【0246】
なお、例えば、通信端末装置1からマルチコールにて、異なる複数の情報サービスサーバ(例えばiモードサーバ)と接続し、それぞれのサーバ経由で複数の情報配信サーバ装置3と複数のコネクションを確立して、設定された通信ポリシーにしたがって、異なる複数のマルチメディアコンテンツへと同時的にアクセスすることも可能である。
【0247】
続いて、上述した情報配信方法について、マルチメディアコンテンツの送受信におけるオブジェクトの送受信制御方法についてさらに詳しく説明する。
【0248】
配信制御装置4の送受信制御部41は、マルチメディアコンテンツを構成するそれぞれのオブジェクトに適用する通信ポリシー、通信ポリシーを適用するタイミング、及びオブジェクトの送受信の順序をあらかじめ定めた送受信のダウンロードスケジュールにしたがい、設定された通信ポリシーを適用して1または複数のオブジェクトのそれぞれの送受信を制御する。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信を効率的に実行することができる。
【0249】
送受信制御部41は、マルチメディアコンテンツの構成情報にあるダウンロードスケジュールにしたがって、オブジェクトの送信要求を対応する通信ポリシーとともに情報配信サーバ装置3へと送信して、オブジェクトのダウンロードの指示要求を出す。このとき、複数のオブジェクトのダウンロードが同時的に指示されている場合には、それぞれのオブジェクトについて使用するセッションIDを指定して複数のセッションを確立し、複数のオブジェクトのダウンロードの要求をそれぞれ対応する情報配信サーバ装置3に同時的に要求する。
【0250】
なお、オブジェクトのダウンロードの要求においては、要求する通信ポリシーが達成できない場合について、(1)通信ポリシー設定監視部40が決定した通信ポリシーによって送受信を開始することをあらかじめ了承するモード、(2)再度、通信ポリシー設定監視部40が設定した通信ポリシーを通知してもらって許可した場合に限り、オブジェクトの送受信を開始するモード、及び(3)オブジェクトの送受信を中止するモードに分けて要求を行うことが好ましい。
【0251】
また、送受信制御部41は、情報配信サーバ装置3から送信されてくるオブジェクトデータ(パケットデータ)を、設定された通信ポリシーにしたがって、配信中継装置2を介して通信端末装置1へと送信する。
【0252】
このとき、必要があれば、送受信制御部41は、各オブジェクトデータについて優先度を判定し、判定された優先度を参照してデータの送受信を行うことが好ましい。すなわち、送受信制御部41は、配信中継装置2において受信した情報配信サーバ装置3からのオブジェクトデータについて、設定されている優先度が高いデータを優先度が高いデータと判定し、または、設定されている通信ポリシーを参照してデータの優先度を判定する。そして、配信中継装置2において、優先度が高いと判定されたデータから優先的に送受信を中継する。
【0253】
一方、通信ポリシー設定監視部40は、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトの送受信が実行されている間、その実行状況を監視する。通信ポリシー設定監視部40は、指定されたセッションでのオブジェクトの送受信が設定された通信ポリシーによって実行されているかどうかを監視する。また、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目について、設定された項目内容に対して、オブジェクトの送受信に実際に用いられた項目内容を監視して、通信ポリシーデータベース45に登録する。
【0254】
また、通信ポリシー設定監視部40は、ネットワークの輻輳状況、システム内の通信リソースの使用状況、システム内の各装置での通信の処理状況及び負荷状況などの通信状況を監視する。ここで、ネットワークの監視については、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間(エンド−エンド間)の通信路、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間の通信路、及び配信中継装置2と通信端末装置1との間の通信路のそれぞれに対して監視を行う。
【0255】
また、通信ポリシー設定監視部40は、オブジェクトの送受信を実行する前後においても、通信システムでの通信状況を監視することが好ましい。この場合、各時点での通信状況を参照して、通信ポリシーの設定等を行うことができる。また、オブジェクトの送受信の実行中においては、各時点での通信状況に応じて通信ポリシーが制御される。
【0256】
このような通信ポリシーの制御では、通信ポリシー設定監視部40において、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して要求する達成目標値を設けておくことが好ましい。このように達成目標値を設定することにより、各ポリシー設定項目を好適に制御することができる。
【0257】
具体的には、例えば、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム内の通信リソースの使用状況、システム内の各装置での通信の処理状況、及び達成目標値と実現値との許容乖離度に基づいて、達成目標値を算出して設定する。そして、送受信制御部41は、この設定された達成目標値を、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目について各時点で実現する目標値として、各オブジェクトの送受信を制御する。達成目標値の算出方法については、達成目標値の算出に適用する目標値関数を設けておき(例えば図22参照)、目標値関数の関数値を各時点での達成目標値として設定する方法を用いることができる。
【0258】
また、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム内の通信リソースの使用状況、システム内の各装置での通信の処理状況を監視し、その変化に応じて達成目標値を設定または変更することによって、達成目標値を動的に制御しても良い。例えば、通信ポリシー設定監視部40は、通信の輻輳状況及び処理状況を監視して、その変化または一定値以上の変動を検出する。または、通信ポリシーの達成目標値と実現値との乖離度が、あらかじめ設定された許容乖離度を超えたことを検出する。
【0259】
この場合、通信ポリシー設定監視部40は、許容乖離度を超えたポリシー設定項目について、その設定項目に対する新たな達成目標値を算出して、達成目標値を更新する。送受信制御部41は、更新された達成目標値を参照して、オブジェクトの送受信を行う。
【0260】
また、各種のポリシー設定項目における通信料金又は通信料金の発生手法の予定あるいは実績発生総額に応じて、要求するポリシー設定項目、またはポリシー設定項目の達成目標値を動的に変更することとしても良い。これにより、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目、またはポリシー設定項目に対する達成目標値を好適に制御することができる。
【0261】
また、メタポリシー設定部43によって行われるメタポリシー設定動作は、要求したポリシー達成目標値に対して、(a)現在提供できる通信リソースをチェックして、提供可能なポリシー達成目標値を提言し、ユーザが許可するとそのポリシー達成目標値が採択されるモード、及び、(b)現在提供できる通信リソースでは達成できないポリシー達成目標値であっても、ユーザの要求するポリシー達成目標値として受理し、現在のリソース状況から提供できる達成目標値を設定し、リソースの空き状況に応じて、適宜仮の達成目標値を変更し、ポリシー達成目標値へと達成目標値を近づけるモード、のいずれか1つのモードを選択することとしても良い。
【0262】
この場合、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム内の通信リソースの使用状況、及びシステム内の各装置での通信の処理状況に応じて、上記したモードを選択することが好ましい。また、選択されたモードに対応して、通信ポリシー設定監視部40が、ポリシー達成目標値、及び達成目標値を設定し直すことが好ましい。
【0263】
ポリシー設定項目に対して達成目標値を設定した場合でのオブジェクトの送受信制御は、例えば以下のように行われる。
【0264】
送受信制御部41は、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトのデータの送受信タイミング、送受信に利用するセッション、セッションでの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、送受信順位の変更方法、送受信順位の優先度、及び送受信データの同期タイミング、を含む送受信タイミングを制御する。そして、マルチメディアコンテンツに含まれる所定のデータに対して設定または動的に算出された送受信完了予定時刻、及び通信ポリシーを構成するポリシー設定項目の実現値を参照し、必要に応じて、達成目標値及び許容乖離度を調整する。
【0265】
さらに、ギャランティモードまたは下限を指定したモードについては確実に保証し、それ以外の目標設定値についてはベストエフォートで保証するように通信リソースを割振ってオブジェクトの送受信処理を行う。そして、達成目標値に向けたオブジェクト毎での通信ポリシーの達成度合を、オブジェクト毎の優先度に応じて通信リソースの割振りを調整することによって制御する。
【0266】
また、オブジェクトのデータの送受信順位については、送受信順位を、通信ポリシーまたは各データの送受信順位に対する優先度に基づいて制御する。また、要求または動的に算出した達成目標値に応じて、送受信順位を調整する。そして、必要に応じて、送受信順位を調整する比率を調整する。このような送受信制御方法によれば、達成目標値及び通信ポリシーの達成度合に応じて、あるいはオブジェクトの送受信順位に応じて、マルチメディアコンテンツの送受信を好適に制御することができる。
【0267】
続いて、本実施形態にかかる配信制御装置の効果について説明する。配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40がコンテンツを構成するオブジェクトを単位として通信ポリシーを設定し、通信リソース予約確保部47が当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、送受信制御部41が当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御する。したがって、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。その結果、マルチメディアコンテンツの送受信を効率良く行うことが可能となる。
【0268】
また、配信制御装置4においては、課金処理部42が、オブジェクト単位に与えられた通信ポリシーに基づいて、あるいはオブジェクト単位に与えられた通信ポリシーにしたがって実行された送受信における通信ポリシーの達成度合に基づいて、マルチメディアコンテンツの送受信に対して課金する通信料金を算出する。したがって、実行された通信条件や通信状況を反映した通信料金を算出することができるので、通信料金の課金を好適に行うことが可能となる。
【0269】
例えば、マルチメディアコンテンツを構成するオブジェクトとしては、上述のごとくテキストデータ、イメージデータ、アプリケーションプログラムなどの様々なデータがある。このため、オブジェクトを情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間で送受信する際の通信ポリシーの適用では、オブジェクトの類型や個々のオブジェクトのデータ量などにより、効率良くオブジェクトを送受信するための好適な通信ポリシーが異なってくる場合がある。
【0270】
これに対して、上述のようにオブジェクト単位で通信ポリシーを設定するとともに、オブジェクト単位の通信ポリシーまたはその達成度合から通信料金を算出することにより、マルチメディアコンテンツの送受信、及びそれによって発生する通信料金の課金を好適に行うことが可能となる。
【0271】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が通信リソースの使用状態に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、通信リソースの使用状態に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0272】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が、情報配信サーバ装置3と通信端末装置2とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて通信ポリシーを決定し、設定する。したがって、情報配信サーバ装置3または通信端末装置2の位置に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、情報配信サーバ装置3と通信端末装置2の位置を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0273】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、現時点における通信ポリシーの達成度に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、現時点における通信ポリシーの達成度を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0274】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40がオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に要求されるリアルタイム性に応じて通信ポリシーを変化させることができる。その結果、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に要求されるリアルタイム性を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0275】
また、配信制御装置4においては、上記第2の通信ポリシー(通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる通信ポリシー)が上記第1の通信ポリシー(通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる通信ポリシー)に近づくように、通信ポリシー設定監視部40が上記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすこともできる。したがって、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮して通信ポリシーを設定することができる。その結果、逐次変化する通信リソースの使用状態を考慮した状態でオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0276】
また、配信制御装置4においては、通信リソース予約確保部47が、一定の条件を満たした将来の時点におけるオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信に用いる通信リソースを予約確保することもできる。したがって、通信リソースの使用状態やユーザからの要求などに応じて効率よく通信リソースを確保することが可能となる。その結果、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を効率よく行うことができる。
【0277】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1、配信中継装置2から送信される要求に応じて通信ポリシーを決定し、設定することもできる。したがって、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信の実行中であっても、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1、配信中継装置2のユーザの要求(例えば、コンテンツに映像が乱れてきたから通信品質を落として通信料金を安くしてもらいたいという通信端末装置1のユーザの要求)に応じて、逐次、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1、配信中継装置2のユーザの要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0278】
また、配信制御装置4においては、メタポリシー設定部43が、通信ポリシーの決定方法、通信ポリシーの適用方法、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度などを指定するメタポリシーを設定する。したがって、メタポリシーに応じた通信ポリシーの設定が可能となる。
【0279】
また、配信制御装置4においては、メタポリシー設定部43が通信リソースの使用状態に応じて達成目標値に関するモードを選択し、選択されたモードに従って通信ポリシー設定監視部40が達成目標値を設定しなおす。したがって、通信リソースの使用状態に応じて好適な達成目標値の設定が可能となる。
【0280】
また、配信制御装置4においては、課金処理部42が、通信料金の課金先を、マルチメディアコンテンツ単位、オブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、オブジェクトを構成するデータ毎に設定することができるように構成されている。異なる複数の事業者が運営する複数のオブジェクトデータにより構成されたマルチメディアコンテンツを送受信しても、それぞれのオブジェクトに設定された課金先に課金することができるなど、異なる事業者間のさまざまなマルチメディアコンテンツを容易に相互利用することが可能となり、また、マルチメディアコンテンツ作成の分業化、流通を促進する効果がある。
【0281】
以下、本実施形態にかかる配信制御装置4の変形例について説明する。配信制御装置4は、配信制御プログラムをコンピュータにインストールすることによって構成することもできる。この場合、配信制御プログラムは、上述した通信ポリシー設定監視部40、送受信制御部41、課金処理部42、メタポリシー設定部43、通信リソース予約確保部47それぞれの機能をコンピュータに実現させるプログラムである。
【0282】
また、上記配信制御装置4においては、通信ポリシーデータベース45に、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の情報配信サーバ装置(送信装置)または通信端末装置(受信装置)の集合を単位として適用可能な通信ポリシー(通信ポリシーに関する情報)を格納しておき、通信ポリシー設定監視部40が、通信ポリシーデータベース45に格納された通信ポリシーに基づいて、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の情報配信サーバ装置または通信端末装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定するように構成してもよい。
【0283】
ここで「情報配信サーバ装置または通信端末装置の位置情報」とは、情報配信サーバ装置または通信端末装置の位置(例えば緯度や経度)、移動方向(例えば真北を0°とした方位)、移動速度のいずれか一つを含む概念である。また、ここで「ユーザ設定によって決定される複数の情報配信サーバ装置または通信端末装置の集合」には、例えば、特定のサービスにユーザ登録しているユーザの利用する通信端末装置の集合などが含まれる。
【0284】
図20は、この場合の通信ポリシーデータベース45の一例を示す図である。通信ポリシーデータベース45には、図20に示すように、マルチメディアコンテンツを受信するユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに、ユーザの使用する通信端末装置1の位置情報(緯度、経度、方位)を単位として適用可能な通信ポリシー(例えば通信ポリシーA1、通信ポリシーA2、通信ポリシーA3)が格納されている。
【0285】
この場合、通信ポリシー設定監視部40が、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として通信ポリシーを設定し、通信リソース予約確保部47が、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、送受信制御部41が、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御する。従って、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0286】
また、上記配信制御装置4においては、通信ポリシーデータベース45に、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシー(通信ポリシーに関する情報)を格納しておき、通信ポリシー設定監視部40が、通信ポリシーデータベース45に格納された通信ポリシーに基づいて、セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定するように構成してもよい。
【0287】
図21は、この場合の通信ポリシーデータベース45の一例を示す図である。通信ポリシーデータベース45には、図21に示すように、マルチメディアコンテンツを受信するユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに、セッション(例えばセッション1、セッション2)を単位として適用可能な通信ポリシー(例えば通信ポリシーA1、通信ポリシーA2)が格納されている。
【0288】
この場合、通信ポリシー設定監視部40が、セッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、通信リソース予約確保部47が、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、送受信制御部41が、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御する。従って、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0289】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれに優先度が付されている場合、通信ポリシー設定監視部40が、優先度に基づいて通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定するようにしてもよい。すなわち、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム50内の通信リソースの使用状況に応じて通信ポリシーを構成するポリシー設定項目のそれぞれに対する優先度を設定しておき、オブジェクト単位に設定される通信ポリシーの1または複数のポリシー設定項目について、それぞれのポリシー設定項目の設定を制御する際に、通信ポリシー設定監視部40がこれらの優先度を参照する。
【0290】
ポリシー設定項目毎に設定される優先度を利用した通信ポリシーの制御方法としては、通信ポリシー設定監視部40が、ネットワークの輻輳状況に応じ、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して設定された優先度に基づいて、それぞれのポリシー設定項目に対する維持度合を設定または変更する方法がある。あるいは、ポリシー設定項目の維持度合以外の制御用のパラメータを優先度に応じて設定または変更しても良い。ここで、ポリシー設定項目の維持度合とは、各ポリシー設定項目の内容を維持する度合である。
【0291】
また、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対してベストエフォートモードが設定されている場合には、マルチメディアコンテンツ単位またはオブジェクト単位に設定された優先度に基づいて、通信ネットワークの輻輳状況又は情報配信システム50内の通信リソースの使用状況に応じた通信ポリシーのポリシー設定項目の変化度合を設定または変更することが好ましい。あるいは、マルチメディアコンテンツ単位またはオブジェクト単位に設定された優先度に基づいて、通信ポリシーでの通信品質の劣化度合を設定または変更することが好ましい。これにより、ベストエフォートモードでの通信ポリシーの制御を好適に行うことができる。
【0292】
図22は、優先度が付されたポリシー設定項目の一例を示す図である。図22に示す例ではポリシー設定項目である「通信帯域」の優先度が1、ポリシー設定項目である「遅延時間」の優先度が2となっていることから、通信ポリシー設定監視部40は、優先度の高いポリシー設定項目である「遅延時間」に関する通信ポリシーを優先して通信ポリシーの決定を行う。
【0293】
複数のポリシー設定項目それぞれに優先度を付しておき、当該優先度に基づいて複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、通信帯域については必ずしも通信ポリシーが達成されなくても良い(優先度低)が、遅延時間については必ず通信ポリシーが達成されるようにしてほしい(優先度高)などというユーザのきめ細かな要求に見合った通信ポリシーを設定することができる。
【0294】
また、上記実施形態においては、説明の便宜上、配信制御装置4が物理的な1つの装置に内包されるものとしてとして説明してきたが、配信制御装置4における各機能要素(通信ポリシー設定監視部40、送受信制御部41、課金処理部42、メタポリシー設定部43、通信ポリシーデータベース45、課金対応データベース46、通信リソース予約確保部47)の全部または一部は、物理的に分離された他の装置に設けられていても良い。
【0295】
例えば、送受信制御部41が、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2あるいはオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路上に存在する他の中継装置のうちいずれか2以上の物理的装置に分散して配置されていてもよい。この場合、送受信制御部41は、上記2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながら、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)の送受信を制御することになる。送受信制御部41を2以上の物理的装置に分散して配置し、2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながらオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を制御することで、送受信制御部41の負荷を分散することができる。
【0296】
なお、図1に示した情報配信システム50では、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間に、配信中継装置2を設置している。これにより、移動通信システムに接続された通信端末装置1と、有線通信システムに接続された情報配信サーバ装置3との間でマルチメディアコンテンツの送受信を行う場合等も含めて、様々な形態の通信システム52においてマルチメディアコンテンツの送受信を行うことができる。ただし、この配信中継装置2については、不要であれば配信中継装置2を設けず、情報配信サーバ装置3から通信端末装置1へと直接にマルチメディアコンテンツの送受信を行う構成としても良い。
【0297】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40が、ユーザ階級(換言すれば、通信ポリシーに含まれるポリシー設定項目に関するユーザの制約度合)を示す情報であるランクに基づいて上記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することもできる。
【0298】
ここで、「ランク」について説明しておく。「ランク」とは、上述の如くユーザ階級を示す情報であり、階級の高さに応じて、利用できるポリシー設定項目に制限を設けるために用いられる。したがって、ユーザは、ユーザに与えられたランク以下のランクが付されているポリシー設定項目の設定利用ができることになる。ユーザに与えられるランクは、ユーザの属性、通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス利用契約内容といった静的な(固定的な)要因によって与えられるランクと、ユーザの利用状況(通信ポリシーを適用したデータの送受信量、適用回数など)、通信リソースの使用状況、ネットワークのトラヒック状況(輻輳状況)、利用するサービスの課金の高さ、通信ポリシー達成状況、送信データの送信時に要求されるリアルタイム性、ユーザの存在しているエリア、ユーザの向いている(あるいは移動している)方向といった動的な要因に応じて与えられる。
【0299】
静的な要因にて与えられるランクは、原則変更されないものであるが、動的要因に基づいて通信ポリシー適用時に利用できるポリシー設定項目に制限が設けられることがある。
【0300】
一方、動的要因にて与えられるランクは、適宜状況に応じて、与えられるランクが変動するものである。通信ポリシー適用時/予約設定時には、静的要因と動的要因に基づいて与えられるランクを組み合わせて、例えば、静的要因と動的要因に基づいて与えられるランクのうち高い方のランクによって、利用できるポリシー設定項目が決定される。
【0301】
ランクは、ユーザ単位、送信オブジェクト単位に決定されるが、送信データの送信処理時に動的に決定される要求されるリアルタイム性にしたがって割り当てられるランクは、送信処理しようとするデータ単位に動的に割り当てる。したがって、緊急性の高い、リアルタイム性の高いデータの送信優先性に応じたランクを動的に割り当てることによって、優先送信するためのポリシー設定項目の利用が可能となるため、送信対象データの送信処理を優先処理することができる。
【0302】
ランクによって、予め通信ポリシーとして利用できるポリシー設定項目として設定していなくても利用できるポリシー設定項目を設けておくことにより、送信処理時の状況に応じて送信処理に適用するランクを調整することにより、適用する通信ポリシーを動的に変更することが可能となる。すべての送信処理を通信ポリシーにしたがって処理することが可能となる。
【0303】
この場合、複数のポリシー設定項目のそれぞれに対して設定されたランクについて、通信ネットワークの輻輳状況または情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じ、それぞれのランクを設定または変更することが好ましい。
【0304】
ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定することで、例えばすべてのポリシー設定項目について要求可能なユーザ階級、特定のポリシー設定項目についての要求が制限されているユーザ階級など、ユーザ階級に応じた通信ポリシーの設定ができる。
【0305】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40は、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1とのあいだにセッション、コネクション、またはトンネルが張られた状態で一定時間データの送受信が行われない場合、通信リソースの使用状態を緩和するように上記通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすこともできる。
【0306】
一定時間データの送受信が行われない場合に通信リソースの使用状態を緩和するように通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおすことで、通信リソースが無駄に占有することが防止され、通信リソースの有効利用が図れる。
【0307】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40がポリシー設定項目の保証手法(例えばギャランティモード、ベストエフォートモード、制限なしのベストエフォートモード、下限を指定したベストエフォートモード、上限を指定したベストエフォートモード、上限と下限を指定したベストエフォートモード、通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、オークション方式による優先度の差別化モード)が選択した場合、通信ポリシー設定監視部40がオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信経路における通信リソースの使用状態と、上記ポリシー設定項目の達成目標値と実現値との許容乖離度とに基づいて上記達成目標値を算出し、設定し、送受信制御部41が、通信ポリシー設定監視部40によって設定された上記達成目標値を上記ポリシー設定項目について各時点において実現すべき目標値として、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)の送受信を制御することもできる。
【0308】
ポリシー設定項目について達成目標値を設け、達成目標値を用いてオブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を制御することで、オブジェクト(またはコンテンツ)の送受信を好適に制御することができる。
【0309】
また、配信制御装置4においては、送受信制御部41は、さらに、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)の送受信タイミング、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信に利用するセッション、セッションにおける上記オブジェクトまたは上記コンテンツの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位の変更方法、送受信データの同期タイミングを制御する機能と、上記オブジェクト(または上記コンテンツ)について算出された送受信完了予定時刻と上記ポリシー設定項目の実現値とを参照し、上記達成目標値を修正する機能と、保証手法としてギャランティモードまたは下限を指定したいずれかのモード設定されているポリシー設定項目については下限を確実に保証するとともに、それ以外のポリシー設定項目については上記達成目標値を目標とするベストエフォートで保証するように、上記オブジェクトまたは上記コンテンツに通信リソースを割り当てて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信を行う送受信機能と、上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に応じて上記オブジェクトまたは上記コンテンツに対する上記通信リソースの割り当てを変更することにより、上記達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御する達成度合制御機能とを有するように構成することもできる。
【0310】
上述のごとく、オブジェクトまたはコンテンツに関する種々のパラメタを制御し、送受信完了予定時刻とポリシー設定項目の実現値とを参照して達成目標値を修正し、設定されているモードにしたがって通信ポリシーを保証しながらオブジェクトまたはコンテンツに通信リソースを割り当ててオブジェクトまたはコンテンツの送受信を行うとともに、オブジェクトまたはコンテンツの送受信順位に対する優先度に応じてオブジェクトまたはコンテンツに対する通信リソースの割り当てを変更することによって達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信を効果的に行うことができる。
【0311】
また、配信制御装置4においては、送受信制御部41が、上記通信ポリシーまたは上記オブジェクトもしくは上記コンテンツの送受信順位に対する優先度に基づいて上記オブジェクトまたは上記コンテンツの送受信順位を制御する送受信順位制御機能と、経時的に変化する上記達成目標値に基づいて、上記オブジェクトまたは上記コンテンツ送受信順位を調整する送受信順位調整機能と、上記送受信順位を調整する比率を調整する比率調整機能とを有するように構成することもできる。
【0312】
オブジェクトまたはコンテンツ送受信順位を調整し、送受信順位を調整する比率を調整することで、送受信順位に対する優先度に応じたオブジェクトまたはコンテンツの送受信をさらに効果的に行うことができる。
【0313】
また、上記実施形態においては、オブジェクト単位に設定されるポリシー設定項目とは別に、マルチメディアコンテンツ単位に設定されるポリシー設定項目を設けても良い。そのような項目としては、例えば、同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数、及びその保証方法、マルチメディアコンテンツ全体の到達完了時刻及びその保証方法、オブジェクト間の同期の実現方法及びその保証方法などがある。また、これらの項目についても、コンテンツ単位ではなくオブジェクト単位又は、マルチメディアコンテンツ単位、又はコネクション単位又は、トンネル単位又は、セッション単位に設定しても良い。
【0314】
また、上記実施形態においては、通信ポリシーの一部を、マルチメディアコンテンツ自体に、その構成情報として内包させることもできる。そのような通信ポリシーとしては、例えば、オブジェクト毎のレンダリングの方法及びタイミング、オブジェクト間のレンダリング時の同期のタイミングの指示、オブジェクト毎のオブジェクトを構成するデータやレンダラーなどのプログラムのダウンロード方法及びタイミングなどがある。また、これらの通信ポリシーについても、マルチメディアコンテンツに構成情報として内包せず、情報配信サーバ装置3や配信中継装置2、通信端末装置1においてオブジェクトデータと構成情報とを分離して実現し、利用時にリンクさせることも可能である。
【0315】
また、上記実施形態において、上記した配信プロトコルについては、送受信するオブジェクトの類型に応じて、好適なプロトコルが選択されることが好ましい。例えば、テキストやイメージに対するHTTPプロトコル、映像に対するRTPプロトコル、データに対するトンネリングプロトコルなどである。
【0316】
ここで、配信プロトコルとして、トンネリングプロトコルが設定されたオブジェクトを送受信する場合には、トンネルが確立される。そして、トンネル内に確立されたセッションを通じて、コネクション、トンネル、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、オブジェクトの送受信が行われる。
【0317】
また、配信プロトコルとして、トンネリングプロトコル以外のプロトコルが設定されたオブジェクトを送受信する場合には、コネクション確立後にセッションを確立し、セッションを通じて、コネクション、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、オブジェクトの送受信が行われる。
【0318】
配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベース45に登録されている情報等を参照して、マルチメディアコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーをオブジェクト単位に設定する。このとき、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーデータベース45の情報に加えて、通信システムを構成している各装置からの要求を参照して通信ポリシーを設定することとしても良い。
【0319】
すなわち、通信ポリシー設定監視部40は、(1)情報配信サーバ装置3からの要求に応じて通信ポリシーを設定する設定方法、(2)情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との2者からの要求に応じて、2者と協調して通信ポリシーを設定する設定方法、または、(3)情報配信サーバ装置3と配信中継装置2と通信端末装置1との3者からの要求に応じて、3者と協調して通信ポリシーを設定する設定方法、のいずれかの設定方法を用いて、適用する通信ポリシーを設定することもできる。これにより、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、及び通信端末装置1のそれぞれでの通信の処理状況や各装置の通信性能等に応じて、好適な通信ポリシーを設定することができる。
【0320】
この場合、通信ポリシー設定監視部40は、マルチメディアコンテンツの送受信中において、通信ポリシーを動的に設定しても良い。例えば、オブジェクトの送受信を制御する送受信制御部41が、ネットワークの輻輳状況に応じ、通信ポリシー設定監視部40に対してオブジェクト単位に通信ポリシーの変更要求を行うことが好ましい。また、通信ポリシー設定監視部40が、ネットワークの輻輳状況に応じ、オブジェクト単位に通信ポリシーを動的に設定または変更することが好ましい。これにより、マルチメディアコンテンツの送受信の実行中における通信状況に応じて、各時点での好適な通信ポリシーをオブジェクト単位に動的に設定することができる。
【0321】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシー設定監視部40は、通信状況自体に限らず、通信状況の変化度合に応じて、通信ポリシーを設定または変更することとしても良い。
【0322】
また、配信制御装置4においては、通信ポリシーデータベース45に、通信ポリシーを適用するために適用ルールをオブジェクト単位にあらかじめ定めておいても良い。このように、通信ポリシーを制御するための適用ルールを用いることにより、通信ポリシーの制御を簡易かつ確実に実行することができる。この場合、通信ポリシー設定監視部40は、ネットワークまたは情報配信サーバ装置3の輻輳状況に応じ、オブジェクト単位に定められた適用ルールにしたがって、オブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを設定または変更する。
【0323】
また、配信制御装置4において、メタポリシー設定部43については、あらかじめ通信ポリシーの適用方法等が定められている場合には、メタポリシー設定部43を設けなくても良い。また、通信ポリシーについても、配信制御装置4内の通信ポリシー設定監視部40で設定する構成に限らず、外部から指示または要求された通信ポリシーによって通信を制御しても良い。
【0324】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置を他の情報配信システムに適用した例について説明する。図7は、情報配信システムのブロック図である。情報配信システム64は、マルチメディアコンテンツの送受信が行われる情報配信システムであり、マルチメディアコンテンツを送受信する通信を行う通信システム66と、通信システム66におけるマルチメディアコンテンツの送受信を制御する配信制御装置4とを備えている。
【0325】
ここで、配信制御装置4の構成は、図1に示した情報配信システムにおける配信制御装置4と同様であり、図7においては図示を省略している。また、通信システムは、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置7、及び中継通信装置8を含んで構成されている。これらのうち、通信端末装置1、配信中継装置2、及び情報配信サーバ装置3の構成及び動作等については、図1に関して上述したものと同様である。
【0326】
アクセス中継装置7は、通信端末装置1がモバイル通信網に接続され、かつ、情報配信サーバ装置3がプライベートネットワークに接続されている場合などに、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間に設置される。このアクセス中継装置7は、通信端末装置1からモバイル通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3が接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、プライベートネットワークとの接続処理及びデータの中継を行う。これにより、通信端末装置1と、情報配信サーバ装置3との間で、マルチメディアコンテンツを確実に送受信することができる。
【0327】
このようなアクセス中継装置7を用いて実行されるマルチメディアコンテンツの送受信では、例えば、アクセス中継装置7に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間、あるいは通信端末装置1とアクセス中継装置7との間で通信を行うためのコネクションを、通信端末装置1が要求する通信ポリシーにしたがって確立する。
【0328】
このとき、コネクションを介して行われる通信に対して適用する、同時利用するセッション数、同時利用するトンネル数、同時利用するコネクション数、または配信プロトコルのうちの少なくとも1つの項目からなる通信形態と、通信品質と、通信品質の保証方法と、優先度とからなる通信ポリシーが、コネクション毎に設定されることが好ましい。このような通信ポリシーをコネクション毎に設定することにより、マルチメディアコンテンツの送受信、及びそれに対応する通信料金の課金を、好適に実行することができる。
【0329】
ここで、通信ポリシーに含まれる通信品質は、好ましくは、通信帯域、スループット、許容遅延時間、ジッター、または到達度である。また、通信形態は、好ましくは、同時利用するセッション数、同時利用するトンネル数、同時利用するコネクション数、または配信プロトコル、のうちの少なくとも1つの項目からなる。また、通信品質の保証方法は、好ましくは、ギャランティ型、ベストエフォート型、または輻輳状況に応じて設定した保証度合である。
【0330】
また、通信端末装置1とアクセス中継装置7との間に位置する配信中継装置2は、通信端末装置1から受付けたプライベートネットワークへの接続要求に応じて、通信端末装置1毎に、通信端末装置1との間に第1のトンネルを確立し、第1のトンネルを介して行われる通信に対して適用する通信ポリシーを設定することが好ましい。
【0331】
さらに、配信中継装置2は、接続要求のあったプライベートネットワーク毎に、プライベートネットワークのアクセス中継装置7との間に第2のトンネルを確立し、第2のトンネルを介して行われる通信に対して適用する通信ポリシーを設定することが好ましい。これにより、配信中継装置2と、プライベートネットワークへのアクセス中継装置7とを介したマルチメディアコンテンツの送受信を好適に実行することができる。
【0332】
具体的には、例えば、配信中継装置2は、通信端末装置1からのプライベートネットワークへの接続要求毎に、通信端末装置1とプライベートネットワークとの間に仮想的なコネクションを確立し、コネクションに対して、コネクションを介したパケットの送受信に際して適用する通信ポリシーを設定する。そして、コネクションにコネクション識別子を付与し、コネクション識別子を、通信端末装置1及びプライベートネットワークへの中継を行うアクセス中継装置7に通知する。
【0333】
さらに、配信中継装置2は、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第1のトンネルを通信端末装置1との間に確立するか、あるいは、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択する。また、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第2のトンネルをアクセス中継装置7との間に確立するか、あるいは、コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択する。
【0334】
アクセス中継装置7は、送信する通信端末装置1向けのパケットに送信時に利用するコネクション識別子を付与して、確立あるいは選択した第2のトンネルを介して配信中継装置2に第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって送信する。そして、配信中継装置2は、第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているコネクション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがってパケットを通信端末装置1に向けて送信する。
【0335】
なお、上記した例のように、装置間に確立されたトンネルを利用してマルチメディアコンテンツの送受信を行う場合には、確立したトンネル内に、固有の通信ポリシーを設定した1または複数のセッションを確立し、セッションに設定された通信ポリシーにしたがってデータの送受信制御を行って、データの送受信を行うことが好ましい。
【0336】
また、オブジェクト毎に、オブジェクトの送受信時に最適な通信ポリシーが設定されている既設のセッションを選択するか、または、新規にオブジェクトに設定されている通信ポリシーを実現できる最適な通信ポリシーを通信ポリシー設定監視部40にしたがって設定したセッションを、既設あるいは新規に確立したトンネル内に確立し、セッションに設定された通信ポリシーにしたがってデータの送受信制御を行って、データの送受信を行うことが好ましい。これにより、トンネル内でのデータの送受信を効率的に行うことができる。
【0337】
また、トンネルを利用するときは、コネクションに設定された通信ポリシーが、コネクション上に確立したトンネルに継承され、トンネルに固有に設定された通信ポリシーと継承したコネクションに設定された通信ポリシーが、トンネル内に確立したセッションに継承され、セッションに固有に設定した通信ポリシーと継承したコネクション、トンネルに設定された通信ポリシーが、セッションによるデータの送受信に適用されることが好ましい。
【0338】
また、トンネルを利用しないときは、コネクションに設定された通信ポリシーが、コネクション上に確立されたセッションに継承され、セッションに固有に設定された通信ポリシーと継承された通信ポリシーが、セッションによるデータの送受信に適用されることが好ましい。これにより、トンネルを利用する場合、及びトンネルを利用しない場合のいずれにおいても、データの送受信を好適に行うことができる。
【0339】
また、第1のトンネルに設定された通信ポリシーと、第2のトンネルに設定された通信ポリシーとが異なる場合、第1のトンネルから第2のトンネルにデータが中継される場合、また、第2のトンネルから第1のトンネルにデータが中継される場合、配信中継装置2において、送信先の通信路の通信ポリシーにポリシー変換を行って、データを送受信することが好ましい。これにより、配信中継装置2を介したマルチメディアコンテンツの送受信を好適に実行することができる。
【0340】
図7に示した情報配信システム64は、アクセス中継装置7に加えて、中継通信装置8を備えている。中継通信装置8は、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間で、データの中継配信等を行う。
【0341】
具体的には、中継通信装置8は、通信端末装置1が、常時はプライベートネットワークに接続されていない通信端末装置である場合に、通信端末装置1から送信された、プライベートネットワークに対する接続要求を受付けた配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求を受付けると、配信中継装置2とプライベートネットワークとの間にコネクションを確立する。また、通信端末装置1から配信中継装置2を経由して送信されてくるパケット、あるいはプライベートネットワークから受け取った通信端末装置1宛のパケットを中継送信するときに適用する通信ポリシーを設定する。
【0342】
そして、通信端末装置1から配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットをプライベートネットワークに通信ポリシーにしたがって中継送信し、また、プライベートネットワークから受け取った通信端末装置1宛のパケットを固定通信網あるいはモバイル通信網を介して配信中継装置2に通信ポリシーにしたがって中継送信する。これにより、通信端末装置1と、情報配信サーバ装置3との間で、マルチメディアコンテンツを確実に送受信することができる。
【0343】
また、中継通信装置8は、配信中継装置2との間にトンネルを確立し、トンネルを用いて複数の通信端末装置1との間で、通信端末装置1毎に異なる通信ポリシーを適用してパケットの送受信を行うことが好ましい。これにより、通信端末装置1が複数ある場合に、通信端末装置1と、情報配信サーバ装置3との間で、マルチメディアコンテンツの送受信を各通信端末装置1について好適に行うことができる。
【0344】
図8は、図7に示した情報配信システムのさらに具体的な構成例を示すブロック図である。なお、図8においては、配信中継装置2からみて通信端末装置1側にある各装置(例えば図4に示した例での移動機1a及び基地局5)については、図示を省略している。
【0345】
情報配信システム64においては、配信制御装置4に含まれる通信ポリシー設定監視部40、送受信制御部41、課金処理部42、メタポリシー設定部43及び通信リソース予約確保部47が、配信中継装置2内に設けられている。また、送受信制御部41は、HTTP向け送受信制御部、ストリーミング映像向け送受信制御部、VoIP向け送受信制御部、トンネリング向け送受信制御部、その他の送受信制御部など、複数の送受信制御部を含んで構成されている。
【0346】
このような送受信制御部41により、マルチメディアコンテンツの送受信は、選択された配信プロトコルに応じて制御される。すなわち、HTTPプロトコルが選択されると、HTTPプロトコル専用のHTTP向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。また、ストリーミング映像向けプロトコルが選択されると、ストリーミング映像向けプロトコル専用のストリーミング映像向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。
【0347】
また、VoIP向けプロトコルが選択されると、VoIP向けプロトコル専用のVoIP向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。また、トンネリングプロトコルが選択されると、トンネリングプロトコル専用のトンネリング向け送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。また、これら以外のプロトコルが配信プロトコルとして選択された場合も、同様に対応する送受信制御部によってデータの送受信制御が行われる。
【0348】
また、この配信中継装置2に対し、各種の情報配信サーバ装置31〜36が接続されている。
【0349】
情報配信サーバ装置31は、専用線を利用し、中継通信装置である情報サービス中継通信サーバ(例えばiモードサーバ)8aを介して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置32は、インターネットを利用し、中継通信装置である情報サービス中継通信サーバ8a、またはストリーミングコンテンツ中継通信サーバ8bを介して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置33は、ISDNやADSLなどの有線通信網を利用し、ストリーミングコンテンツ中継通信サーバ8bを介して配信中継装置2に接続されている。
【0350】
また、情報配信サーバ装置34は、プライベートネットワーク及びアクセス中継装置7aを介し、インターネットを利用して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置35は、プライベートネットワーク及びアクセス中継装置7bを介し、有線通信網を利用して配信中継装置2に接続されている。また、情報配信サーバ装置36は、プライベートネットワーク及びアクセス中継装置7cを介し、さらに移動機5b及び基地局5aを介して配信中継装置2に接続されている。
【0351】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。図9は情報配信システムのブロック図であり、図10は図9に示す情報配信システムのうち通信端末装置1、配信中継装置2(配信制御装置が内包される)、情報配信サーバ装置3の詳細構成図である。図9及び図10に示す情報配信システムでは、受信端末と送信端末間、ノード間にコネクションを確立して、同コネクションあるいは、同コネクションを使って流すフロー単位あるいはセッション単位に、通信ポリシーを決定し設定するとともに、その通信ポリシーを実現するために必要な通信リソースを通信リソース予約確保手段にて予約確保してデータの送受信を行う。また、フローあるいはセッションをつかって送受信するオブジェクト単位に通信ポリシーを決定して設定し、通信ポリシーの実現に必要な通信リソースを通信リソース予約確保手段にて予約確保することも可能な構成となっている。
【0352】
また、受信端末と送信端末間、ノード間に、コネクションを確立しなくても、UDPというようなコネクションレス型のトランスポート層のプロトコルを用いたマルチメディアコンテンツあるいはデータの送受信に対して、予め上記通信ポリシーを設定して、通信ポリシーの適用に必要な通信リソースを通信リソース予約確保手段にて予約確保する。また、通信ポリシーの実現に必要な通信リソースを、通信リソースの空き状況、あるいはネットワークの輻輳状況に応じて予約確保してデータの送受信を行う。
【0353】
コネクションを確立することなくデータを送受信するなどの場合に、予め実現しようとする通信品質を上記通信ポリシーとして予約確保して品質保証する。
【0354】
要求している通信品質の達成度が悪化した場合は、マルチメディアコンテンツの送受信に使用するプロトコルを、動的に変更する。
【0355】
例えば、マルチメディアコンテンツを、トランスポート層のプロトコルをTCPで送受信していたが、スループットが著しく遅いため、要求している通信品質(通信品質、通信帯域等)の達成度が著しく遅くなった場合、トランスポート層のプロトコルをUDPに代えて送受信することにより、通信品質(スループット、通信速度、通信帯域)の達成度を改善しようとしても、送信プロトコルを変更することを予め予約しておくことができないため、送受信を一時停止させ使用するプロトコルを変更してから送受信を再開しなければならないという問題があった。
【0356】
この問題を解決するために、通信ポリシーの通信形態に、通信ポリシーの設定項目の達成度に応じて、適宜データの送受信に使うプロトコルを変更するルールを登録し、通信ポリシーを通信ポリシー策定監視手段において、状況によっては、通信端末装置、または配信中継装置、または情報配信サーバ装置、またはアクセス中継装置間でネゴシエーションして、オブジェクト等のデータ転送に適用する通信ポリシーとして設定し、その通信ポリシーの実現にあたって、必要となる通信リソースの予約確保を通信リソース予約確保手段において、確保する。
【0357】
例えば、要求した通信品質の達成度に応じて、適用するトランスポートプロトコルを、UDPからTCPに変更したり、あるいはTCPからUDPに変更するといったルール、または、通信リソースの空き状況、ネットワークトラフィック状況、要求した通信品質の達成度に応じて、上記IPトンネルを介したデータ送信に変更するというルールを通信ポリシーの通信形態として通信ポリシー策定監視手段にて設定し、通信ポリシーの実現に必要な通信リソースの予約確保を通信リソース予約確保手段にて、通信端末装置、または配信中継装置、または情報配信サーバ装置、またはアクセス中継装置の各装置の通信リソースを必要に応じて予約確保する。
【0358】
マルチメディアコンテンツを送受信する1つ又は複数の情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置との間で上記マルチメディアコンテンツを送受信する1つ又は複数の通信端末装置と、所定の上記情報配信サーバ装置若しくは上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムの1構成例として、図9に示す情報配信システムは、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位、オブジェクトの類型単位、またはマルチメディアコンテンツ単位毎に、通信形態、通信品質若しくはその保証手法又は通信料金若しくはその発生手法の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーを要求、適用又は設定する通信ポリシー設定手段と、上記通信ポリシーに応じて上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間に張られたセッション、コネクション、フロー又はトンネルの少なくともいずれか1つを介して1つ又は複数のオブジェクトを送受信する送受信制御手段(中継ゲートウェイ部)とを装備する。
【0359】
また、上記情報配信システムにおいて、上記オブジェクト単位、上記オブジェクトの類型単位、または上記マルチメディアコンテンツ単位毎に、上記通信ポリシーにしたがってネットワークまたは上記情報配信システム内の通信リソースを予約確保するあるいは予約確保し直す通信リソース予約確保手段を備えてシステムを構成する場合がある。
【0360】
上記通信リソース予約確保手段は、ネットワークまたは上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況(あるいは空き状況)に応じて、上記通信ポリシーの対象とする上記オブジェクト、上記オブジェクトの類型、または上記マルチメディアコンテンツのそれぞれの送受信のために、割り当て可能な上記通信リソースの中から通信リソースを予約確保してあるいは予約確保し直して割り当てるあるいは割り当て直す機能を有する。
【0361】
図9において示すように、通信端末装置1は、1つあるいは複数のオブジェクトから構成されるマルチメディアコンテンツを、モバイル通信網N4、配信中継装置2、第2ネットワークN5を経由して、情報配信サーバ装置3から受信したり、コンテンツを上記通信経路を介して、情報配信サーバ装置3に送信する通信端末装置(移動端末装置)である。通信端末装置1は、例えば、携帯電話、FOMA(NTTドコモの登録商標)、携帯電話やFOMAを通信機構とするコンピュータ等を指し、上記情報配信システム内において同時的に複数個の利用が可能である。
【0362】
また、通信端末装置1は、オブジェクト毎に指定した通信品質で、1つあるいは複数のオブジェクトを同時並行して送信あるいは受信することができる。
【0363】
配信中継装置2は、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3間のデータの送信中継処理や、通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法からなる通信ポリシーを予約確保して同通信ポリシーにてマルチアクセス/マルチセッションを介して同時並行して行う、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3間のデータの送信中継処理や、同通信ポリシー予約確保型マルチアクセス/マルチセッションサービス提供時の課金処理等、を行う配信中継装置である。情報配信サーバ装置3側の通信路が第2ネットワークN5であり、通信端末装置1側の通信路がモバイル通信網N4であるなど、異なる種類の通信路を相互接続するゲートウェイとして機能する。
【0364】
中継ゲートウェイ部210(図10をあわせて参照)では、原則、配信中継するオブジェクトデータに要求される通信ポリシー毎に、配信中継を担う送受信制御部を設ける。そして、受け付けたパケットに指定あるいは予約確保された通信ポリシーを実現して配信中継することのできる送受信制御部を選択して中継送信処理を行う。
【0365】
図9では、その典型的な例として、HTTP向け送受信制御部、ストリーミング映像向け送受信制御部、VoIP向け送受信制御部、トンネリング向け送受信制御部等を示している。
【0366】
同中継ゲートウェイ部では、その他の通信ポリシーを実現する送受信機能を有した送受信制御部を適宜設けることにより、より要求される通信ポリシーの達成度を向上させることが可能である。
【0367】
また、上記送受信制御部において、例えば、予め提供する通信速度を9.6Kbps、28.8Kbps、32Kbps(ギャランティ型)、64Kbps(ギャランティ型)、128Kbps、384Kbpsといった通信速度を提供する送受信制御部を用意しておき、通信端末装置、情報配信サーバ装置、通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス提供部間でネゴシエーションして最適な通信速度を策定し該当する送受信制御部を選択して、マルチメディアコンテンツの送信中継処理を行う。
【0368】
さらには、要求される通信ポリシーが多少異なる場合であっても、送受信制御部の機構上、パラメータを変更するだけで実現できる場合など、通信リソース、システム構成を大幅に変更することなく、実現できるものは、ある1つの送受信制御部に集約して実現する。
【0369】
通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス提供部201において、マルチメディアコンテンツの送受信処理の開始前に、通信端末装置1と情報配信サーバ装置3とネゴシエーションを行って、送受信要求された、あるいは送受信しようとするマルチメディアコンテンツの送受信時に適用する最適な通信ポリシーを策定する。
【0370】
さらに、課金サービス提供部205では、例えば、送受信するオブジェクトに適用された通信ポリシーに応じて設定される定額通信料金と課金レートと、送受信制御部から通知された、送受信制御部においてキャプチャされた中継パケットの数とその種類を用いて、通信料金を算出し、パケットに収納された課金先に課金処理がなされる。
【0371】
情報配信サーバ装置3は、N5で示す第2ネットワークを経由して配信中継装置2と接続されている情報配信サーバ装置である。情報配信サーバ装置3には、必要に応じて通信端末装置1に向けて送受信するマルチメディアコンテンツが登録されている。マルチメディアコンテンツは、オブジェクト単位で異なる複数の情報配信サーバ装置に分散登録保管することが可能である。
【0372】
通信ポリシー予約確保型マルチアクセス/マルチセッションサービスを利用する場合、送受信しようとするマルチメディアコンテンツを構成する各オブジェクト毎に、最適な通信ポリシーを予め予約確保しておき、送受信時に予約確保した通信ポリシーにしたがって、複数のオブジェクトを同時並行して送受信することが可能となる。しかも、送受信するオブジェクトは、異なる情報配信サーバ装置に登録されているものや異なるサーバにおいてリアルタイムに作成されるオブジェクトであってもよい。通信端末装置1上で再構成してレンダリングされる。
【0373】
また、情報配信サーバ装置3では、通信端末装置1から送信されてくるマルチメディアコンテンツを受信して取り込み、取り込んだ同コンテンツを他ユーザに向けて送受信することも可能である。
【0374】
モバイル通信網N4は、通信端末装置1と基地局間の無線接続を行い、モバイル通信網ゲートウェイ交換装置を介して通信端末装置1と配信中継装置2間を接続するモバイル通信網である。モバイル通信網1とモバイル通信網2は、それぞれ異なる方式にて通信端末装置1と基地局間の無線接続を行ってもよい。
【0375】
モバイル通信網ゲートウェイ交換装置(交換装置)は、モバイル通信網N4と配信中継装置2との接続、データ中継処理を行う装置である。しかも、同モバイル通信網ゲートウェイ装置では、複数の異なる通信品質で送信されてくるオブジェクトデータの通信品質を劣化させることなく、それぞれのオブジェクトを中継配信する機能を持ち合わせている。配信中継装置2と連動した中継処理を行う。
【0376】
例えば、提供するサービスとして、決められた複数個の通信品質を提供する場合は、それぞれの提供する通信品質毎に、モバイル通信網ゲートウェイ交換装置を設置することが考えられる。
【0377】
第2ネットワークN5は、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間を接続するネットワークである。
【0378】
第2ネットワークN5は、専用線、インターネット、ISDN、ADSL等の有線通信網、モバイル通信網、情報サービス中継通信サーバ、ストリーミングコンテンツ中継通信サーバ、またはアクセス中継装置のいずれかの組み合わせにより構成される。
【0379】
オブジェクトの送受信に際して要求される通信品質が類似な通信品質(同一機構によって容易かつかなりのパーセンテージの通信リソースを共有することが可能)であるオブジェクトごとに中継サーバを設け、中継サーバにてQoS変換を行って目的とする通信品質を実現することにより、情報配信サーバ装置3に要求される通信品質を実現する機構がなくても、通信端末装置1に、要求される通信品質にてマルチメディアコンテンツの送受信が可能となる。
【0380】
類似の通信品質を1台の中継サーバにて実現することにより、中継サーバの設置台数を低減させる効果がある。
【0381】
情報サービス中継通信サーバは、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間で、例えば、iモードのようなホームページの閲覧のための一括あるいは部分ダウンロード型コンテンツのようなデータの送受信中継処理を指定された通信ポリシーにしたがって行う。例えば、HTTPデータ送受信中継処理を行う。
【0382】
ストリーミングコンテンツ中継通信サーバは、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間で、ストリーミング映像、ストリーミングミュージック、VoIP、等のストリーミングコンテンツの送受信中継処理を指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって行う。この場合の送受信中継処理とは、同ストリーミングコンテンツ中継通信サーバに一時同コンテンツを溜め込み、設定、指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって送受信処理を行うことをいう。
【0383】
アクセス中継装置は、配信中継装置2から受け取った回線接続要求、またはコネクション確立要求にしたがって、配信中継装置2と回線接続あるいはパケットリンクを確立し、またコネクション確立を行う。
【0384】
アクセス中継装置は、以下に示すようなトンネルを介してPPPフレームを通信端末装置1との間で、指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって送受信する。またアクセス中継装置は、アクセス中継装置と接続されているサーバ(PC)等とのIPパケットのルーティングを行い、プライベートなローカルアドレスにて通信端末装置1とPCとの接続、データ転送を可能とする。
【0385】
通信端末装置1と配信中継装置2との間、配信中継装置2とアクセス中継装置との間、または通信端末装置1とアクセス中継装置との間でIPトンネルを確立し、通信端末装置1とアクセス中継装置との間にPPPコネクション(例えばPPTPコネクション)を張り、PPPフレームをエンキャプシュレートしてIPトンネルを介して指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって、通信端末装置1とアクセス中継装置との間のデータ転送を行う。
【0386】
また、IPトンネル上にIPパケットをエンキャプシュレートし、通信端末装置1とアクセス中継装置との間でコネクションあるいはセッションを確立して、IPパケットを指定あるいは予約確保された通信ポリシーにしたがって転送する。
【0387】
次いで、通信端末装置が通信ポリシー予約型マルチアクセスサービスを利用した場合の、通信端末装置1の情報配信サーバ装置3に対するマルチメディアコンテンツのダウンロード要求に応じて、情報配信サーバ装置3から同コンテンツがダウンロードされるPULL型情報配信の基本動作について、図9と図10を用いて説明する。なお、図中において、各機能ブロック間での通常の実線は、専用線を示している。また、矢印の実線は専用線接続、または同一装置内に実装することを示している。
【0388】
図9のモバイル通信網の通信方式は、パケット通信方式または回線交換方式を想定している。本発明の情報配信システム装置では、通信端末装置1と配信中継装置2間あるいは配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間において、通信ポリシー設定変更のためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度状況の監視、通信ポリシーに基づいたデータ伝送制御を行うプロトコルとして、以下に示す通信ポリシー予約型送信制御プロトコルを採用する。
【0389】
同通信ポリシー予約型送信制御プロトコルは、コネクションの概念のない論理的な接続状態であるセッションとコネクションの概念を持つ論理的な接続状態であるセッションを使い分けたデータ伝送制御を行うアプリケーション層のプロトコルである。
【0390】
すなわち、通信ポリシー設定変更のためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度状況の監視、通信ポリシーに基づいたデータ伝送制御を、コネクションの概念のない、またはコネクションの概念のあるセッションという論理的な接続状態を持つアプリケーション層のプロトコルによって実現する。
【0391】
同通信ポリシー予約型送信制御プロトコルの下位階層のトランスポート層プロトコルとして、コネクション型プロトコル(代表的にはTCP)、あるいはコネクションレス型プロトコル(代表的にはUDP)を通信ポリシーにおいて自由に選択して適用することが可能である。
【0392】
通信端末装置1と配信中継装置2間あるいは配信中継装置2と情報配信サーバ装置3間において、通信可能状態、例えば、パケット交換可能な状態に、リンクが確立されると、通信ポリシー予約型送信制御プロトコルを用いて、例えば、(1)通信ポリシー設定変更のためのネゴシエーション、通信ポリシーの達成度状況の監視のためのセッションを常時1つ確立し、(2)通信ポリシーに基づくデータ送受信を行うためのセッションをマルチメディアコンテンツ送受信時に適用する通信ポリシーにしたがって必要数を確立する。
【0393】
ここで、通信ポリシーに基づいたデータ転送時のセッションの使い方について図11を用いて説明する。
【0394】
通信端末装置と配信中継装置間等においてセッションを複数個確立して通信ポリシーに基づいてマルチメディアコンテンツのダウンロードを行う場合、図11に示すように、以下の4つの形態でシステムを構成することが可能である。
(a)1つのセッションで▲1▼1個のオブジェクトの通信ポリシーの設定変更のためのネゴシエーション及び通信ポリシーの達成度監視、▲2▼通信ポリシーに基づく1個のオブジェクトのデータ伝送という2つの機能を時分割あるいは使い分けて実現する手法。
(b)1つのセッションで上記▲1▼の機能を実現し、他の1つのセッションで上記▲2▼の機能を実現する手法。したがって、オブジェクト1個を送受信する際には、2つのセッションを占有する。
(c)1つのセッションで複数個のオブジェクトの上記▲1▼の機能を実現し、他の1つのセッションで1個のオブジェクトのデータ伝送を実現する手法。したがって、▲1▼の機能を実現した1つのセッションで、▲2▼の機能を実現する複数個のセッションの通信ポリシー、送受信制御を行うことが可能となる。
(d)上記(a)、(b)、(c)を自由に組み合わせる手法。
【0395】
各セッションのそれぞれの通信/データの送受信において使用するトランスポート層のトランスポートプロトコルとして、コネクション型(例えば、TCP)、あるいはコネクションレス型のトランスポートプロトコル(例えば、UDP、UDPベースのRTP等)を通信ポリシーの設定項目である通信形態にしたがって適宜選択、あるいは変更して、同通信ポリシーを実現するのに必要な通信リソースを適宜予約確保あるいは予約確保し直して、通信/データの送受信を行う。
【0396】
例えば、通信形態では、ネットワークの輻輳状況、通信リソースの空き状況、通信品質の達成度、送信データの誤り率、パケットロス率、データの再送発生率、等の状況に応じて、適宜使用するあるいは選択し直すプロトコル、特に、トランスポート層のトランスポートプロトコルとして、コネクション型(例えば、TCP)、あるいはコネクションレス型のトランスポートプロトコル(例えば、UDP、UDPベースのRTP等)または、トンネルをルールとして規定する。
【0397】
各セッションのフロー単位あるいは、各セッションを通して送受信するオブジェクト単位に、トランスポートプロトコルを選択あるいは変更してもよい。
【0398】
続いて、上記図9及び図10に示す情報配信システムにおいて、通信端末装置1が2つの異なる情報配信サーバ装置3に登録されている異なるマルチメディアコンテンツを同時にダウンロードする場合について、図12を参照して説明する。
【0399】
まず、通信端末装置1は、通信端末装置1とモバイル通信網との間でパケット交換を可能とするための諸処理を行う(ステップS1)。諸処理が完了すると、通信端末装置1は、モバイル通信網に対して接続要求信号を送信する(ステップS2)。接続要求は直ちに配信中継装置2に送信される(ステップS3)。配信中継装置2が接続可能な場合は、接続応答「OK」信号をモバイル通信網ゲートウェイ交換装置を介して通信端末装置1に返送する(ステップS4、ステップS5)。以上のシーケンスにて、通信端末装置1と配信中継装置2との間での通信(パケット交換)が可能状態となる(リンクの確立)。
【0400】
ここでは、データ伝送につき、通信端末装置1と配信中継装置2との間では、トランスポート層にコネクションレス型トランスポートプロトコル(例えば、UDP)を採用し、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間では、トランスポート層にコネクション型トランスポートプロトコル(例えば、TCP)を採用した場合について説明する。
【0401】
リンク確立後、通信端末装置1の要求に応じて、通信ポリシー決定のために、通信端末装置1と配信中継装置2との間に、1個のセッションを確立し、さらに、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間に1個のセッションを確立する。このとき、通信端末装置1と配信中継装置2との間に対しては、例えば、ネゴシエーションに用いるトランスポートプロトコルは、コネクションレス型でフロー制御のないTCPと同等のシーケンスを採用し、配信中継装置2と情報配信サーバ装置3との間では、コネクション型のTCPを採用する。
【0402】
(1)予め通信端末装置1(移動機)、配信中継装置2の中継ゲートウェイ部210、情報配信サーバ装置3の間でマルチメディアコンテンツの送受信に際して、通信ポリシー(通信帯域、ジッタ−、遅延等)を予約確保してから、指定された通信品質で複数のマルチメディアコンテンツを同時的にダウンロード、アップロードする。
【0403】
(2)通信ポリシー設定項目として、マルチメディアコンテンツのアクセスに際して発生する通信料金、適用する課金に対する条件を加えて、実現する通信ポリシーの決定を予約し、サービスの提供を行う。
【0404】
(3)通信ポリシーは、ギャランティ型、ベストエフォート型、プレミアムベストエフォート型に分けた形態で予約確保することが可能である。
【0405】
(4)通信ポリシーとして、転送プロトコルの切り替え、使い分け条件を設定することが可能である。
【0406】
配送コンテンツの内容によって、UDPのようなコネクションレス型トランスポートプロトコル、TCPのようなコネクション型プロトコルを適宜切り替えることもできる。
【0407】
(5)オブジェクト単位に通信ポリシーを予約確保して、複数のオブジェクトの同時並行したマルチアクセスサービスを提供する。
【0408】
(6)要求あるいは予約確保した通信ポリシーの達成度に応じた課金を行う機能も提供可能である。
【0409】
(7)要求あるいは予約確保した通信ポリシーの実現に必要な通信リソースの割り当て方、同単価に応じて課金を行う機能も提供可能である。
【0410】
例えば、通信端末装置1(移動機)と中継ゲートウェイブ210(GMMS)との間と、中継ゲートウェイ部210と情報配信サーバ装置3との間とで別々の通信ポリシーを設定あるいは予約確保してサービスを提供する場合、前者の区間をUDPプロトコルをベースにして通信ポリシーを設定あるいは予約確保し、後者の区間をTCPプロトコルをベースにして前者とは異なる通信ポリシーを設定あるいは予約確保して、複数のマルチメディアコンテンツ、オブジェクトの同時並行したマルチアクセスサービスを提供することも可能である。
【0411】
あるいは、前者、後者の区間共に、UDPプロトコルをベースにしてそれぞれ異なるあるいは同じ通信ポリシーを設定あるいは予約確保して複数のマルチメディアコンテンツ、オブジェクトの同時並行したマルチアクセスサービスを提供することも可能である。ある一定の範囲を設定した中でのQoSが状況に応じて変化するが、ある一定の品質を保証したプレミアムベストエフォートな品質を保証することができる。この場合、要求項目値に幅を持たせる、すなわち、プレミアムベストエフォートな項目値設定を行うことも可能である。
【0412】
このように、ある一定の範囲を設けた通信品質を保証することが可能となるため、予測が困難な状況下で極力多くのユーザの予約確保を受け付けることが可能となる。
【0413】
例えば、最低保証帯域の保証サービスの場合、最低帯域の値を通信リソースの空き状況に応じて、変更することにより、より多くのユーザへのサービスが提供できる。
【0414】
さらに、通信品質に上限を設けることにより、不必要な品質を通信に割り当てるという無駄を排除することができる。これも多くのユーザにサービスを提供することにつながる。
【0415】
また、通信品質の上限値を通信リソースの空き状況に応じて変動させることもできる。プレミアムベストエフォートな項目値を予約確保することによって、より多くのユーザに対してサービスを提供することが可能となる。
【0416】
また、要求する通信ポリシーと提供できる通信ポリシーとにギャップがある場合、提供できる通信ポリシーを要求する通信ポリシーに徐々に近づける技術を採用することもできる、例えば、プレミアムベストエフォートの項目値を設定した場合、状況に応じて、設定値を変更するのであるが、変更のさせかたを通信ポリシーにしたがって、決定する。また、この変更の仕方をユーザの要求、あるいは転送対象コンテンツに応じて決定することもできる。この場合、この変更ルールにしたがって、実現目標項目値を変更していく。
【0417】
また、通信ポリシーにしたがって、状況の変化に応じて達成目標値を自律協調して変更指定行くこともできる。
【0418】
さらに、限られた通信リソースで提供できる収容顧客数を利用状況から適宜調整することもできる。
【0419】
ギャランティ型サービス、プレミアムベストエフォートサービスへのリソースの割り当て方を調整するようにしても良い。
【0420】
次いで、2つのアクセス先である情報配信サーバ装置3、配信中継装置2とセッションを確立し、通信ポリシーの策定処理の開始準備を行う。
【0421】
通信端末装置1は、接続要求信号を2つのアクセス先となる情報配信サーバ装置3に送信する。それぞれの情報配信サーバ装置3がマルチメディアコンテンツへのアクセスを許可する場合は、接続OK応答信号を配信中継装置2を経由して通信端末装置1に返信する。
【0422】
セッション確立後、通信端末装置1は、マルチメディアコンテンツのダウンロード時に実現したい通信品質、通信品質の保証手法、通信料金の上限、通信料金の発生のさせ方を通信ポリシーとした通信ポリシー要求信号を配信中継装置2、情報配信サーバ装置3に送信する。
【0423】
この情報配信システムにおいて、予め通信端末装置1(移動機)、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3の間でマルチメディアコンテンツの送受信に際して、上記通信ポリシーを予約確保してから、指定された通信品質で複数のマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトを同時並行してダウンロードあるいはアップロードする。
【0424】
図10に示すように、通信端末装置1の通信端末側プロセス部104は、通信端末装置のマルチメディアコンテンツの利用に際し、マルチメディアコンテンツのダウンロード、アップロードの指示、同コンテンツの送受信時に適用する通信ポリシーの要求/予約確保の指示、通信網のトラフィックの輻輳状況あるいは通信リソースの使用状況に応じて通信ポリシーの変更指示等の一連のマルチメディアコンテンツのアクセス利用に際して必要となる通信を行うための必要な処理/管理を行う。
【0425】
また、通信端末装置1の通信端末側送受信管理部101は、通信端末側プロセス部104の指示にしたがって、マルチメディアコンテンツのダウンロード、アップロードの要求を通信端末側送受信制御部110に対して行い、通信端末側送受信制御部110から受け取ったパケットデータを通信端末側プロセス部104へ送り、予約確保した通信ポリシーの達成状況を監視し、通信ポリシーの達成状況に応じて、通信端末側プロセス部104に対して、通信ポリシーの見直し要求及び指示を行う。通信端末側送受信管理部101は、例えば、ダウンロードするオブジェクトと通信ポリシーの適用スケジュールを指定して要求を通信端末側送受信制御部110に対して行う。
【0426】
通信端末装置1の通信端末側通信リソース予約確保部102は、通信端末側プロセス部104の指示にしたがって、マルチメディアコンテンツの送受信について通信端末側通信ポリシー策定監視部103がネゴシエーションにより決定した通信ポリシーを実現するのに必要な通信端末装置1の通信リソースの予約確保のための処理を行う。
【0427】
通信端末装置1の通信端末側通信ポリシー策定監視部103は、通信端末側プロセス部104の指示にしたがって、これからダウンロードしようとするマルチメディアコンテンツ、あるいは情報配信サーバ装置3に対してアップロードしようとするマルチメディアコンテンツに適用する通信ポリシーを自通信端末装置1の空きの通信リソースを考慮しながら、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3との間でネゴシエーションして、同マルチメディアコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3の3者の合意のもとに適用する通信ポリシーを決定する。
【0428】
通信端末装置1の通信端末側送受信制御部114は、▲1▼通信端末側送受信管理部101の指示にしたがって行うマルチメディアコンテンツのダウンロード、アクセスと、▲2▼通信端末側通信ポリシー策定監視部103の指示にしたがって行う通信ポリシーの決定ネゴシエーションのためのメッセージの送受信処理のためのセッションを確立するセッション処理部である。
【0429】
Push型サービスの場合は、配信中継装置2側からセッションの確立が行われる。Pull型の場合は、通信端末装置1から配信中継装置2に向かってセッションの確立を行う。
【0430】
転送要求するオブジェクトと適用する通信ポリシーを示す識別子を配信中継装置2に通知してセッション確立要求を出す。要求した通信ポリシーを実現するのに必要な通信リソースの割り当てを行う。配信中継装置2の通信リソースの割り当てが完了すると、セッション確立応答が返送される。通信リソースの割り当てに失敗すると、割り当てが失敗したポリシー設定項目を収納したセッション確立NG応答が返される。
【0431】
NG応答が送られてきた場合は、再度通信ポリシー策定監視部に通信ポリシーの設定変更を要求する。
【0432】
セッションの確立が成功すると、セッション処理部は、通信ポリシーにしたがって、トランスポートプロトコルを選択し、コネクション型プロトコルを選択した場合は、コネクション型処理部に、コネクションの確立を指示し、同コネクションを介してデータの転送を行う送受信則を通信ポリシーにしたがって指示する。
【0433】
同コネクション型処理部は、指示にしたがって配信中継装置2との間に指定された個数の複数のコネクションを確立する。コネクション確立後、直ちにコネクション型トランスポートプロトコルを用いて、データ送受信処理を行う。
【0434】
また、配信中継装置2においては、通信ポリシーの変換処理、及びデータの変換処理を行う機能も有している。ここでは、通信ポリシーの変換処理及びデータの変換処理について詳しく説明する。
【0435】
例えば、情報配信サーバ装置3に登録されているマルチメディアコンテンツ1あるいはオブジェクト1を、通信端末装置1(移動機)でレンダリング(再生)できるように、マルチメディアコンテンツ1あるいはオブジェクト1をデータ変換して送受信するにあたって、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間で送受信時に適用する通信ポリシーAと、配信中継装置2と通信端末1間でのデータ送受信に適用する通信ポリシーBとして、それぞれの送信コンテンツあるいは送信オブジェクトのデータに応じて最適な通信ポリシーを適用する。
【0436】
配信中継装置2では、情報配信サーバ装置3に登録されているマルチメディアコンテンツデータあるいはオブジェクトデータを、送信先となる通信端末装置1で再生できる許容データへ変換し、データ変換したマルチメディアコンテンツ2あるいはオブジェクト2を通信端末装置1で最適な再生を実現するのに必要な、配信中継装置2から通信端末1への送出時に適用しなければならない通信ポリシー2への通信ポリシー変換処理を行う。情報配信サーバ装置3では、同データ変換処理と同通信ポリシー変換とを実現することのできる最適な通信ポリシーAを適用して配信中継装置2へ向けてマルチメディアコンテンツ1を送受信する。
【0437】
また、複数の情報配信サーバ装置3に登録されている複数のマルチメディアコンテンツ、あるいは複数のオブジェクトを通信端末装置1(移動機)でレンダリング(再生)できるように、それぞれのデータを変換して統合あるいは合成して、通信端末装置1に送受信するにあたって、情報配信サーバ装置3に登録されている各コンテンツあるいは各オブジェクトごとに、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2間のデータ送受信に対して、通信ポリシーを設定あるいは適用する。配信中継装置2では、受信した複数のマルチメディアコンテンツあるいは複数のオブジェクトを、それぞれ通信端末1で再生できるデータにデータ変換処理を行い、統合処理、同期調整処理、送信スケジュールの決定処理、あるいは合成処理して、通信端末で同複数のマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトを統合再生あるいは合成再生するにあたって最適な通信ポリシーへ変換して、データを通信端末装置1に向けて送信する。
【0438】
複数のサーバからオブジェクトを同時並行して配信中継装置2に向けてそれぞれの通信ポリシーAにて送信を行い、配信中継装置2において、受信している複数のオブジェクトデータを通信端末装置1で再生できるデータに適宜データ変換を行って、さらに通信端末装置1で再生するにあたって最適な通信ポリシーに変換して、例えば、複数のセッションを同時利用するといった通信形態、通信品質、通信品質の保証方法、通信料金、通信料金の発生手法(送信するデータに適用する課金の選択手法等)といった通信ポリシーを、通信リソースの空き状況、通信路のトラフィックの輻輳状況に応じて適宜決定し、決定した最適な通信ポリシーBに変換して、通信端末装置1に向けてデータ変換したオブジェクトデータ、マルチメディアコンテンツデータ、統合データ、あるいは合成データを送信する。
【0439】
また、配信中継装置2は、通信ポリシーBを決定するにあたって、通信ポリシーAを制約条件として通信ポリシーを決定する場合と、最適な通信ポリシーBを実現することができるように、情報配信サーバ装置3に対して、通信ポリシーAを設定、変更(適用し直す)するように要求し、それぞれの情報配信サーバ装置3は、それぞれの配信オブジェクトあるいは配信コンテンツの送信に適用する通信ポリシーを通信ポリシーAに適宜要求に応じて変更して送受信処理を行う。
【0440】
この場合、課金処理部42は、通信料金に、データ変換処理のために発生する変換サービス料金をも含めることとする。この場合、通信料金の発生額に応じた、データ変換するオブジェクトの再生品質、送受信総データ量、データ変換したデータの送受信時に適用する通信ポリシーの決定制御を行う。再生品質が決定すると同再生品質での再生(レンダリング)を可能にするデータへマルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトをデータ変換する。
【0441】
オブジェクトの再生品質と送受信時に適用する通信ポリシーとは密接な関係がある。送信コンテンツがビデオ映像(動画)である場合、例えば、再生するフレームレート、画質、画面サイズ、解像度と送信費用上限等が決まると、送受信時に実現しなければならない通信ポリシーの設定項目である通信帯域、ジッター、再送率、パケットロス率、同期タイミングの制御手法、パケット送信する送信プロトコル(例えば、トランスポートプロトコルとしてUDPを採用するのかTCPを採用するのか、また、トンネリングプロトコルを採用するのか)、通信形態としてアクセス先(送信元)がISP等のサービスプロバイダーが立ち上げている情報配信サーバ装置である場合は、URL等を指定してアクセス先を決定し、IPトンネル等を使用しない通信形態を採用し、アクセス先にアクセス中継装置を設定した企業内あるいは各家庭の個人のPC等である場合は、プライベートIP等を用いた通信が可能になるため、アクセス中継装置と通信端末装置1あるいは配信中継装置2の間にトンネルを確立してトンネリングプロトコルを採用した通信形態を採用、同時に使用するセッションの数、といった通信形態の選択、課金体系、通信料金の発生額などが決定される。
【0442】
セッション毎に通信ポリシーを設定し、同通信ポリシーに基づいたデータ通信の送受信制御とその管理が可能であるため、複合コンテンツ(オブジェクト)をダウンロードして再生する場合、各コンテンツ(オブジェクト)毎にセッションを指定し通信端末の処理能力に合わせて再生できるデータにデータ変換して、各コンテンツ(オブジェクト)毎に通信ポリシーを設定して、各コンテンツ(オブジェクト)間の同期制御を行いつつ、各コンテンツ(オブジェクト)の送受信制御をセッション毎に行う。複合コンテンツ(オブジェクト)の場合、コンテンツ(オブジェクト)間の同期制御が可能になるようなそれぞれの再生品質と通信路の輻輳や通信リソースの空き状況に応じて再生品質をどうするか、それに合わせて通信ポリシーをどのように設定するか等を通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3との間でネゴシエーションを行って決定し、決定した通信ポリシーを実現できるように通信リソースを予約確保する。
【0443】
ここでいう再生品質とは、通信端末装置1上で受信したマルチメディアコンテンツを再生したときの、画質、解像度、フレームレート、データ欠損率、音質、遅延等を指し、通信品質とは異なる概念である。
【0444】
また、通信端末装置1での再生品質を高めるサービスの一環として、情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバに極力早くマルチメディアコンテンツデータを送信してバッファーに貯めておき、適宜通信端末で再生できるデータへのデータ変換を行っておき、同バッファーから必要なデータを予約した通信ポリシーにしたがって送信し、予定した再生品質での再生を実現することができる。同バッファーに送信するデータがないからといって、通信品質が損なわれ再生品質が劣化するという事態を極力防止することができる。
【0445】
情報配信サーバ装置3と情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバとの間、情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバと配信中継装置2との間、配信中継装置2と通信端末装置1との間のそれぞれに設定する通信ポリシーは、データ変換処理効率と送信データのバッファー滞留率を考慮しながら決定する必要がある。情報サービス中継通信サーバあるいはストリーミングコンテンツ中継通信サーバと情報配信サーバ装置3の機能を一体として1つの情報配信サーバ装置として構成することも可能である。
【0446】
また、オブジェクトの配信サーバである情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間をUDPプロトコル等のトランスポートプロトコルでセッションレベルにて送信制御を行う配信プロトコルにてオブジェクトを送受信する場合に、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間をセッションレベルにおいてある通信ポリシーAに基づいてデータの送受信制御をオブジェクト単位に行い、配信中継装置2において、通信端末装置1で同オブジェクトを再生でき、かつ、通信ポリシーとして設定した通信料金の上限を超えない通信料金でデータの送信サービスを享受できるように再生品質を制御し、配信中継装置2と通信端末装置1間をセッションレベルにおいて通信ポリシーAとは異なる同再生品質を実現する通信ポリシーBにポリシー変換処理を行い、同通信ポリシーBに基づいてUDPプロトコル等のトランスポートプロトコルを用いて、セッションレベルにおいて送受信制御を行い、オブジェクトを送受信する。
【0447】
また、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2との間においては、TCPトランスポートプロトコル等を用いて、送達確認を行いながら、セッションレベルにおいて通信ポリシーAに基づく送受信制御を行ってオブジェクトのデータ送受信処理を行ってもよい。
【0448】
この場合、配信中継装置2では、TCPからUDPへのプロトコル変換を含めた通信ポリシー変換を行って、送受信中継処理を行うことになる。
【0449】
中継ゲートウェイ部210の中継側送受信管理部211は、通信ポリシー予約型マルチアクセスサービス提供部201の中継側通信ポリシー策定監視部203が策定した通信ポリシーを受け取った中継ゲートウェイ部210の中継側通信ポリシー策定監視部212の指示にしたがって、中継側送受信制御部214の中継側インターフェース処理部215に、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2間で実現する通信ポリシー1と、配信中継装置2と通信端末装置1間で実現する通信ポリシー2とを指示する。
【0450】
中継側インターフェース処理部215は、中継側共通インターフェース処理部216に、通信ポリシー1と通信ポリシー2とのポリシー変換処理を行うことを指示し、中継側第1インターフェース処理部224に、セッションレベルにおいて実施する中継送受信制御時の制御ルールとなる通信ポリシー1を通知する。
【0451】
サーバ側送受信管理部302は、情報配信サーバ装置3と配信中継装置2とのネゴシエーションにより双方合意の下に決定した通信ポリシー2と、アプリケーション(サーバ側プロセス部)から適宜発生する送信要求された送信データをサーバ側送受信制御部310に通知する。
【0452】
サーバ側通信インターフェース処理部311では、サーバ側送受信管理部302から受け取った、通信ポリシー2と適宜通知されてくる送信データから、通信ポリシー2にしたがって、送信パケットを構成する。セッションヘッダーに、送出するデータに適用する通信ポリシーが通信ポリシー2であることを示す通信ポリシーIDを付加し、さらに、送信時に適用する、フロー制御(送信帯域、ジッター、遅延時間等)、再送制御等の通信ポリシーにしたがった送信指示事項を示す送信制御パラメータをセッションヘッダーに付加して、同送信指示とともにサーバ側TCP処理部312に通知する。
【0453】
サーバ側TCP処理部312は、受け取った送信指示にしたがって、受け取ったデータにTCPヘッダーを付加して、アクセス処理部313を通して配信中継装置2に向けて送信する。
【0454】
情報配信サーバ装置3と配信中継装置2とのネゴシエーションにより双方合意の下に決定した通信ポリシー2にしたがって、サーバのTCP処理部312から送信されてくるデータを、アクセス処理部220を経由して中継側第2TCP処理部218にて受信処理を行う。中継側第2インターフェース処理部217が、通信ポリシー2にしたがった受信処理の管理を行う。
【0455】
中継側第2TCP処理部218は、中継側第2インターフェース部217にサーバから受信したデータを通知する。受け取ったデータのセッションヘッダーをチェックして、受信パケットに適用されている通信ポリシーが何であるかを通信ポリシーIDにより確認する。
【0456】
中継側第2インターフェース処理部217では、データの通知状況から通信ポリシー2の達成状況を監視し、適宜、中継側第2TCP処理部218を通してサーバにデータ送信の送信制御パラメータの変更を要求する。
【0457】
中継側第1インターフェース処理部224は、中継側共通インターフェース処理部216から受け取った情報配信サーバ装置3から送信されてきたデータを受け取り、通信端末装置1とのネゴシエーションで策定し適用することになった通信ポリシーを示す通信ポリシーIDをセッションヘッダーに登録し、さらにセッションレベルにおいて送信時に適用する通信ポリシーの送信制御パラメータ値をセッションヘッダーに登録したパケットと、通信ポリシーにしたがった送信指示を、適用している通信ポリシーに基づいたタイミングで第1UDP処理部222に通知する。第1UDP処理部222は、受け取ったパケットと送信指示に基づいて、直ちにUDPヘッダーを受け取ったパケットに付加して、直ちに、アクセス処理部221に通知し、アクセス処理部221からモバイル通信網N4を経由して通信端末装置1に向けて送出される。
【0458】
第1UDP処理部222とアクセス処理部221での処理に要する時間は、中継側送受信管理部211の監視により算出し、同算出結果と適用する通信ポリシーに規定されている通信品質を考慮して、第1インターフェース処理部224において、上記送信指示を出すタイミングを制御する。
【0459】
第1インターフェース処理部224は、受信確認、フロー制御(送信帯域、ジッター、遅延時間等)、再送制御等の通信ポリシーにしたがった送信指示をUDP処理部222に通知し、UDP処理部222では受け取った送信指示にしたがった送信処理を行う。
【0460】
なお、プロトコルを機能毎にモジュール化したモデルの例として、OSIの7階層モデルの他、TCP/IPインターネットの階層モデルがある。図13は、(a)TCP/IPインターネット階層モデルと(b)OSI7階層モデルとの対応関係について示す図である。また、図14は、階層とサービスとの対応関係について示す図である。
【0461】
図9及び図10等に示したネットワークモデルは、OSIの7階層モデルとTCP/IPインターネットの階層モデルとの両モデルに対応した機能をそれぞれの機能ブロックで実現する。例えば、図10ではOSI7階層モデルに則ってモデルが示されているが、TCP/IPインターネット階層モデルに対応した構成として、機能ブロック111、224、217、311はアプリケーション層を実現し、機能ブロック114、221、220、313はインターネット層、またはネットワークインターフェース層を実現し、TCP、UDP処理モジュール112,113,218,219,222,223,312,315はトランスポート層に相当する。
【0462】
UDPにてデータを送受信する場合、送達確認、指定した通信品質の実現、再送制御等の機能は、UDPの上位のセッションレベルにおいて実現する。ここでは、送達確認の実現手法について説明する。図15は、送達確認の実現手法について示す図である。
【0463】
(1)送信側から1パケットのデータが送信され、受信側で受信する度に受信確認応答(ACK)を送信側に返す。すなわち、すべての送信したパケットの送達確認を行う方法である。
【0464】
通信ポリシーで設定/指定された通信品質の実現に必要な制御パラメータを適宜必要に応じて、受信確認応答に含める。例えば、受信確認応答に、パケットを受信した時刻であるタイムスタンプを挿入する。
【0465】
パケットを送出した時刻から受信確認応答を受信するまで受信待ちで待機する時間をtと設定しておき、tを超えた場合は、送信側ではパケットロスと判定する。
【0466】
パケットロスと判定されたパケットについては、アプリケーションに応じて設定することになるが、通信ポリシーとして設定された仕様にしたがってパケットロスが発生した場合の処理を行う。パケットロス発生時の再送については、以下において示す。
【0467】
(2)受信側にて2パケットを受信する度に、2つめのパケットを受信したこを示す1個の上記受信確認応答を返す。
【0468】
受信側にて1個目のパケットを受信したことを確認し、次いで2個目のパケットを受信したことを確認した後に、同パケットを受信したことを示す受信確認応答を返す。また、この受信確認応答において、1個目パケットの受信確認情報を含めることも可能である。
【0469】
(3)受信側にて3パケットを受信する度に、1個の上記受信確認応答を返す。
【0470】
(4)以下受信側にてnパケット(nは1以上の自然数)を受信する度に、1個の上記受信確認応答を返す。
【0471】
受信側にて、n個のパケットを受信した後に、n番目に受信したパケットのみの受信確認情報、あるいは、1〜n番目のパケットの任意の数のパケットの受信確認情報を収納した1個の受信確認応答を送信側に送信する。
【0472】
上記(1)〜(4)にて示すように、受信側にて受信するパケットの数を指定し、その指定した数のパケットを受信する度に1個の受信確認応答を送信側に送信することにより、送達確認を行う。指定する数が小さいほど受信データの品質の質は高くなる。が、受信確認応答を返す数が多くなるため、通信速度等の通信品質が低下する。しかし、指定する数が大きいほど、データ転送速度は大きくなり、リアルタイム性を重視するデータの転送に好適な通信ポリシーとなる。ただし、指定する数が大きいほど、パケットの送達度合が減少するため、送信されたが受信できないといったデータの発生する確率が高くなる。
【0473】
このような特性を有することを踏まえ、オブジェクト毎に、最適な上記特性は異なるため、オブジェクトの転送に向いた特性を示すnを適宜、通信ポリシーにおいて指定することにより、さまざまな特性を持つオブジェクトに最適な通信品質にてデータを送受信することが可能となる。
【0474】
また、送信側から送信するパケットにシーケンス番号を割り当てることにより、送信時刻をサーバ側で管理したり、受信側で受信したパケットから例えばオブジェクトを再生するに際し、パケットの送信順に割り当てたシーケンス番号、あるいはサーバにてパケットに適宜割り当てたシーケンス番号順にパケットデータを処理する必要がある場合は、送受信制御部においてパケットのシーケンス番号順に並べ替えを行って受信処理を行わせることができる。
【0475】
この送受信制御部において行う処理をセッションレベルにおいてサポートすることも可能である。この場合、アプリケーション側では、シーケンス番号順にデータが渡されることになる。これも通信ポリシーにおいて指定して、使い分けを行う。この使い分けは、通信料金に反映され、課金の対象となる。
【0476】
(5)(1)〜(4)で示した送達確認を、mサイクル繰り返した後、h個のパケットを受信する間は受信確認応答を送信側に送信しないという方法。m、hは整数とする。これは、送達確認する回数を減少させることができるため、より送受信処理効率を上げることができる。
【0477】
次いで、受信確認応答が受信待ちタイマー値以内に受信できなかった場合は、パケットロスと判定する。パケットロスと判定されたパケットの再送は、▲1▼通信ポリシーにて指定された再送回数を上限とした再送を行う、▲2▼通信ポリシーにて指定された再送限界時刻を上限として、同時刻を越えては再送を行わない、という通信ポリシーにしたがって、セッションレベルにおいて再送制御を行う。これらの再送処理は、受信確認応答に含まれている送達情報を用いて行う。
【0478】
受信確認応答に、パケットの受信時刻タイムスタンプを挿入するなどパケットの受信時の状況、指定された通信ポリシーの達成度、あるいは送信時への要望(送信速度を上げろ、ジッターもっと小さくしろ、遅延を抑えるように送信しろ、といった要望)等を送達情報として収納して送信側に返送する。達成度の判定あるいは送信側への要求の作成時に、ギャランティ型の場合は、明確な1個の数値が目標となり同数値に対する達成度判定等を行うことになるが、プレミアムベストエフォートな設定値の場合は、上限と下限という目標設定値に幅を持たせるところに特徴がある。
【0479】
パケットの送信側では、この受信確認応答に収納されている送達情報を参照して指定された通信品質を維持するようにセッションレベルにおいて送信制御を行う。
【0480】
データの特定のために、セッションID、オブジェクトID、通信ポリシーID、シーケンス番号等は受信確認応答に含めることができる。
【0481】
この送達情報を参照して、送信速度を変更するフロー制御を行ったり、ジッター値の変更を行って、送信パラメータを適宜変更して、送信制御を行って通信ポリシーの達成度を上げる。
【0482】
上記通信区間Aにおいて、上記送信側が配信中継装置2である場合、配信中継装置2では、変更した送信制御パラメータにしたがって、情報配信サーバ装置3に受信確認応答に同送信制御情報を収納して送信し、データ送信の送信制御を行うように指示する。
【0483】
受信確認応答には、同受信確認応答を受け取った送信側からの送信側受信確認応答を要求するものと要求しないものがある。
【0484】
送信側受信確認応答を要求する受信確認応答では、過去の履歴情報であるとか、受信したパケットのシーケンス番号あるいは再送を要求するシーケンス番号、ある指定された時刻からある指定された時刻までに受信したパケットサイズ等確実に送りたい情報を送信する。
【0485】
Nを指定してK個(N<K)のパケットをブロック送信して、送信を一時停止させ、N個単位で送られてくる受信確認応答を受信するまでは、新たな送信を停止する。ブロック送信後、受信確認応答を受信し、同受信確認応答に送信停止要求、送信中止要求、あるいは再送要求が送達情報に含まれていない場合は、新たなN個の送信を行う。
【0486】
最初に受信したパケットのシーケンス番号にN−1を加えたシーケンス番号あるいは同番号以上のシーケンス番号のパケットを受信した段階で、受信装置で新たなN個のパケットの受信が可能状態であるか、あるいは受信可能状態になった時点で、受信確認応答を送信側に送信する。このとき適用している通信ポリシーにしたがって、再送要求しない場合は、未受信パケットのシーケンス番号のみあるいはブランクを送達情報として通知する。
【0487】
再送しないという通信ポリシーで、しかも、パケットの到着順を考慮することなく送信したオブジェクトデータの再構成ができる場合は、パケットにシーケンス番号は付与しない。このときは、適用している通信ポリシーの設定項目の達成度(達成状況)、送信制御要求等を送達情報として送信側に通知する。
【0488】
同送達確認情報により送信中のオブジェクトに適用している通信ポリシーの設定項目の目標設定値に近づけるように送信制御する。
【0489】
ポリシー設定項目の達成度は、受信端末上で観測される受信データのポリシー設定項目の移動平均、目標設定値との乖離状況を考慮して算出する。
【0490】
再送要求が含まれている場合、特に指示がない場合は、通信ポリシーに設定された仕様にしたがって再送処理を行う。また、複数個の再送処理方法が通信ポリシーに登録されている場合に、再送要求側が適宜指定した再送処理方法にて再送を指示したい場合は、その中でどの処理方法を適用して再送を行うかを受信確認応答時に適宜選択して指示事項として受信確認応答に含める。特に指示しない場合は、通信ポリシーに登録されている方法にて再送処理が適用される。
【0491】
再送処理としては、再送回数の上限回数を指定する再送処理、再送処理を行う期限(時刻)、ある指定したシーケンス番号の送信が行われるまでの間に再送処理を行うことを指定するなど、ある指定したシーケンス番号以降の送信を再送処理が完了するまで送信を止めるなどの、再送処理等が考えられる。
【0492】
再送要求されたパケットは、受信確認応答で要求されたパケットを一括りとしてまとめ、要求されたパケットを要求された手法にて再送処理が完了した時点で、受信確認応答を待つ。受信側は、再送要求したデータについては、送信側から要求したすべてのパケットを受信するか、受信待ちタイマー値を超えた場合に受信確認応答を送信側に返す。このとき受信確認応答には、再度再送を要求するパケットのシーケンス番号が記載されている。
【0493】
この再度の再送要求がなくなると再送処理は完了したとみなす。再送要求があっても通信ポリシーに設定されている再送回数を超えた場合は再送処理は完了したとみなし再送は行われない。
【0494】
送信停止要求を受け取った場合は、送信処理を一時停止したまま、送信開始要求が来るのを待つ。
【0495】
送信側が配信中継装置2である場合、配信中継装置2の受信バッファーに常に中継送信することのできるパケットデータが常蓄されているとは限らない。受信バッファーに蓄積されている未送信データを通信端末に向けて送信しようとしたときに未送信パケットデータが存在しない場合は、通信ポリシーを達成することが困難となるといった問題が発生する。
【0496】
したがって、送信しようとする前までに、送信データが受信バッファーに蓄積された状態になるように、情報配信サーバ装置に対してオブジェクトデータを送信制御するように要求する。
【0497】
通信区間Aと通信区間Bが同等の通信ポリシーであり、同一のUDPトランスポートプロトコルである場合は、通信端末装置1からの受信確認応答より受け取った送達情報に、配信中継装置2の処理状況を加味して情報配信サーバ装置3に対して要求する送信要求を算出し、情報配信サーバ装置に向けて送信し送信制御の要求を通知する。
【0498】
通信区間Aと通信区間Bが異なる通信ポリシーである場合は、通信区間Bから通信区間Aに中継するにあたって、パケットデータのデータ構造を変更する場合は、受信バッファーから送信バッファーにパケットデータを変更して移動させる。したがって、受信してから送信バッファーにパケットをデータ変換して登録する処理遅延を考慮して、通信区間Aで通信ポリシーを実現するにあたって、送信バッファーの未送信データが常に存在するように、通信区間Bの情報配信サーバ装置3に対して送信要求する。情報配信サーバ装置3では受け取った送信要求を考慮して適用している通信ポリシーにしたがって、オブジェクトの送信制御を行う。
【0499】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。本例は通信ポリシーに従ってデータ変換を行う例である。
【0500】
通信ポリシーのポリシー設定項目として、情報配信サーバ装置3と通信端末装置1の要求、要望に応じて通信端末装置1で再生できる形式への変換、通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの空き状況と連動したデータの品質(QoS)制御を目的としたデータ変換手法とその変換手法の選択手法を登録/設定しておく。
【0501】
オブジェクトの送信を開始するまでに、通信ポリシーの適用に際して使用する可能性のあるデータ変換手法が使用できるように予め利用予約を、通信ポリシーの決定ネゴシエーション時に行う。同予約も、通信ポリシーに設定する通信品質の保証手法として、データ変換を行いたいときに、確実な使用を保証するモード、プレミアムベストエフォートな優先性で使えるモード、ベストエフォートな優先性で使えるモードに分けた予約を可能とする。これらの使用者数の調整は料金の設定手法により対処する。
【0502】
情報配信システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて、適用される通信ポリシーが変更され、選択された通信ポリシーに設定されているデータ構造、データ品質、データ表現形式、ペイロードフォーマットに適応したデータ等に送信対象オブジェクトデータがデータ変換される。データ変換された送信オブジェクトデータを、通信ポリシーに設定されている通信プロトコルにて、通信ポリシーに設定されているペイロードフォーマットにしたがってパケット化して送信する。
【0503】
通信ポリシーに設定されたデータ構造、データ品質、データ表現形式、データ変換手法等は、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2の3者のネゴシエーションにて決定されたものである。情報配信サーバ装置3が送信するオブジェクトの元データから、通信端末装置1で再生するレンダラー等が処理できるデータへ向けて、各中継ノードにおいて中継ノードの前後で適用される通信ポリシーが変更される場合、あるいは、中継ノードの前後で、通信ポリシーは変更されないが通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況(通信ポリシーを実現するために必要となる通信リソースの空き状況が中継ノードの前後で)が変化する場合にデータ変換が行われる。
【0504】
データ変換は、通信ポリシーに定められたデータ変換手法の適用方法にしたがって、情報配信システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて選択したデータ変換手法を用いて行われる。同データ変換手法では、通信ポリシーで定められた通信品質、通信形態、通信品質の保証手法に最適な、データ構造、データ品質、データ表現形式、パケットのペイロードフォーマット等に、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて適宜データ変換される。
【0505】
ポリシー変換すると、同変換の前後で通信ポリシーに設定されているデータ構造、データ品質、データ表現形式等が異なる場合は、通信ポリシーに設定されているデータ変換手法によりデータ変換もなされる。
【0506】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。本例も通信ポリシーに従ってデータ変換を行う例である。
【0507】
送信データに適用する通信ポリシーの適用条件と通信ポリシーからなる通信ポリシークラスを設定登録しておき、既存の通信ポリシーを適用するときは、送信データに既存の通信ポリシークラスを割り当てる。
【0508】
情報配信サーバ装置3からデータを送信時あるいは中継ノードに流入あるいは送出されるときに、適用する通信ポリシーは、送信データに、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況をメッセージとして投げると、現在適用する通信ポリシーが返ってくる。この通信ポリシーにしたがって、送信データの送信制御を行う。
【0509】
送信データに割り当てた通信ポリシークラスを示す通信ポリシーIDを送信データのパケットヘッダーに登録しておく。同パケットヘッダーに登録されている通信ポリシーIDから適用する通信ポリシークラスを抽出する。抽出された通信ポリシークラスに通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況等の情報を与えることにより、現在適用する通信ポリシーを策定し、さらに各通信ポリシーのポリシー設定項目値を読み取ることができる。
【0510】
したがって、送信データにはパケットヘッダーに適用する通信ポリシーIDを付加しておくだけで容易に、さまざまな通信ポリシーを適用するノード、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて適用する最適な通信ポリシーを探し出して決定し、設定することが可能となる。
【0511】
ここで、通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況が、中継ノードの前後で変化する場合の、ストリーミング映像あるいはストリーミング音声を中継送信するときに、通信ポリシーにしたがって送信データがデータ変換されて中継送信される場合の動作について説明する。
【0512】
ストリーミング映像あるいはストリーミングサウンド(音声)は、単位時間あたりに通信端末装置に送達しなければならないフレーム数を一定とする通信ポリシーで送信する場合を考える。
【0513】
各フレームにおいて構成されるデータを階層的に詳細度により分類し、上位の階層のデータからより多くの下位の階層のデータを使うほど、プログレッシブにより詳細な映像表示、より高品質な音声/音楽をレンダリングできるデータ構造にそれぞれのストリーミング映像、サウンドを変換しておく。
【0514】
そしてパケットの先頭から順に階層の上位のデータからパケットに収納する。このように生成したパケットを送信する場合を考える。例えば、
(1)想定した通信路の輻輳状況である場合は、中継ノードにてはデータ変換されずに中継送信される。
(2)想定した輻輳状況より高度な輻輳状況に陥った場合は、中継されるデータは、中継ノードにて通信ポリシーにしたがってデータ変換される。
【0515】
想定した輻輳状況より高度な輻輳状況に陥った場合は、輻輳度が高くなったので、単位時間あたりに転送できるデータ帯域が減少するため、パケットの後部情報をカットするというデータ変換を行って、1フレームあたりに転送するデータサイズを低減することによって、通信路のデータ送信帯域の減少分を補って、単位時間あたりのフレーム数を変化させることなくデータを中継送信する。この場合、通信端末に送達されるデータ量が低減されるため、再生される映像の詳細度が粗いものとなり、品質の悪い映像となるが、映像の切り替わるタイミングは変化しない違和感のない映像が再生される。
【0516】
VoIPのような音声の場合も同様で、音質が悪いものとなるが、再生タイミングは、変化しない違和感のない音声が再生される。
【0517】
輻輳状況の変化が大きいほど、パケットのデータのカットされる率が高くなるようなデータ変換を行うというデータ変換手法を通信ポリシーとして設定していれば、輻輳状況が変化してもフレームレートを変化させない映像を送ることができる。
【0518】
また、ある一定値以上輻輳状況が変化すると、フレームレートを下げて、映像品質をある一定のレベル以上に維持するようなデータ変換を行うようなデータ変換手法を通信ポリシーに設定することもできる。
【0519】
ストリーミング映像の場合は、例えば、1フレームおきに1フレームを間引くといったデータ変換処理を中継ノードで行うことにより、フレームレートを変更する。間引くフレーム数が多くなるほど、映像の切り替わり方の滑らかさがぎこちないものとなっていくが、映像(物体移動等)の再生速度は変化しない。
【0520】
ストリーミング音声の場合も同様で、音の移り変わりのなめらかさが変化し、途切れ途切れの音になり聞きづらいものとなるが、音声の再生速度は変化しない。
【0521】
このような、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金といった通信ポリシーと連動させたデータ変換を通信ポリシーとして取り込み、送信制御することによって、ユーザの希望するマルチメディアコンテンツ品質を満足するようなデータの中継送信が可能となる。
【0522】
(3)中継ノードの前後で、適用する通信ポリシーが異なる場合、通信ポリシーの適用が替わるタイミングで新たに適用される通信ポリシーにしたがってデータ変換される。この場合は、適用される通信品質に合わせて、データ変換を行うことになる。
【0523】
例えば、中継ノードの前後で適用される通信ポリシーの通信帯域が小さくなるような場合を想定する。この場合、通信帯域が中継ノードを境にして、小さくなるため、上記(2)のようにネットワークの輻輳レベルが高くなった場合と同様な状況になる。
【0524】
したがって、上記(2)と同様なデータ変換を行うことによって、上記(2)と同様な効果を生む。すなわち、中継ノードが受信するデータのフレームレートは高いが、中継ノードから送出されるフレームレートは、間引きによるデータ変換を行うことにより、低減される。
【0525】
また、フレームレートを維持する通信ポリシーの場合は、中継ノードで受信した各フレームのデータを減少するというデータ変換を行って、送信帯域の減少分を補い、中継送信するデータ量を低減する。
【0526】
(4)中継ノードに高速なデータ変換装置が装備されている場合、中継ノードにおいて、送信帯域の減少分をデータの圧縮によってカバーする手法が考えられる。
【0527】
中継ノードにおけるデータの中継スループットを損なうことのないデータ変換処理速度で受信したデータの圧縮処理(データ変換)を実現することにより、全く映像品質を損なうことのないデータを送信することができる。ただし、通信端末装置のビュワーにおいて、圧縮されたデータであっても圧縮しない場合と同等のレンダリング性能を実現することができる場合に限る。
【0528】
この通信端末のビュワーの処理性能と中継ノードでのデータ変換処理性能を考慮して、ネットワークの輻輳に対するデータ変換手法を通信ポリシーとして設定する。なお、データ変換ルールの例を図16(a)〜(d)に示す。
【0529】
続いて、本発明の実施形態にかかる配信制御装置をさらに他の情報配信システムに適用した例について説明する。本例も通信ポリシーに従ってデータ変換を行う例である。
【0530】
通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、(1)情報配信サーバ装置3と通信端末装置1の要求、要望に応じて、受信装置で再生あるいは処理できるデータへの変換処理と、(2)通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの空き状況に応じたデータの品質(QoS)制御とを適宜組み合わせあるいは使い分けてデータを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を送信するデータ、オブジェクト、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定し、該通信ポリシー適用下でのデータの送信あるいは中継送信あるいは受信時において、送受信装置、すなわち、情報配信サーバ装置3あるいは途中の配信中継装置2あるいは通信端末装置1あるいはアクセス中継装置において、データを通信路(ネットワーク)の輻輳状況あるいは通信リソースの空き状況に応じて、適宜動的に上記データ変換を行う。
【0531】
あるいは、通信ポリシー設定監視部40は、通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、(1)送信装置から受信装置に向けて送信されるデータを、送信装置と受信装置の要求、要望に応じて変換するデータ変換処理と、(2)送信装置から受信装置に向けて送信されるデータを、受信装置で再生あるいは処理できるデータへ変換するデータ変換処理と、(3)通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの空き状況に応じたデータの品質(QoS)を制御するためのデータ変換処理と、を適宜組み合わせあるいは使い分けてデータを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を送信するデータ、オブジェクト、マルチメディアコンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定し、該通信ポリシー適用下でのデータの送信あるいは中継送信あるいは受信時において、送受信装置、すなわち、情報配信サーバ装置3あるいは途中の配信中継装置2あるいは通信端末装置1あるいはアクセス中継装置において、データを通信路(ネットワーク)の輻輳状況あるいは通信リソースの空き状況に応じて、適宜動的にデータ変換を行う。
【0532】
また、送信者と受信者の要求に応じて、第1の通信ポリシーにしたがって送信されてきたデータ1を第2の通信ポリシーにポリシー変換してデータ2を送出するシステムにおいて、データ1をデータ2にデータ変換する該データ変換処理負荷を考慮して、第1の通信ポリシーと第2の通信ポリシーを決定し、設定する。
【0533】
あるいは、送信者と受信者の要求に応じて、第1の通信ポリシーにしたがって送信されてきたデータ1を第2の通信ポリシーにポリシー変換してデータ2を送出するシステムにおいて、システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの空き状況に応じて、データ2のデータ品質を決定し、その他の通信ポリシー設定項目を極力維持するように努める。
【0534】
なお、上記情報配信サーバ装置3は、上記通信端末装置1をもって代替することができる。また、送信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができる。また、受信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができる。
【0535】
また、データ変換処理する対象は、データそのもの、データのデータ構造、データ品質、データ表現形式/記述フォーマット、パケットペイロードフォーマットなどである。
【0536】
ここで、通信ポリシーにデータ変換手法を取り込んだ場合について詳しく説明する。
【0537】
通信ポリシー設定監視部40(図1参照)は、上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、▲1▼情報配信サーバ装置3と通信端末装置1の要求、要望に応じて受信装置(例えば通信端末装置1)で再生あるいは処理できるデータへの変換処理と、▲2▼通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの使用状況に応じたデータの品質(QoS)制御とを適宜組み合わせあるいは使い分けて、上記データを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を、送信する上記データ、オブジェクト、コンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定する。
【0538】
また、上記通信ポリシー設定監視部40(図1参照)は、上記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目として、▲1▼送信装置から受信装置に向けて送信されるデータを、送信装置と受信装置の要求、要望に応じて変換するデータ変換処理と、▲2▼送信装置から受信装置に向けて送信される上記データを、受信装置で再生あるいは処理できるデータへ変換するデータ変換処理と、▲3▼通信ポリシーにて適用しようとする通信形態、通信品質、通信品質の保証手法、通信料金、通信料金の発生手法、通信路の輻輳状況、または通信リソースの使用状況に応じた上記データの品質(QoS)を制御するためのデータ変換処理とを適宜組み合わせあるいは使い分けて、上記データを変換するデータ変換手法とそのデータ変換手法の選択手法を、送信する上記データ、オブジェクト、コンテンツあるいはオブジェクトの類型ごとに設定する。
【0539】
同通信ポリシー適用下での上記データの送信あるいは中継送信、あるいは受信時に、上記情報配信サーバ装置3あるいは途中の上記配信中継装置2あるいは上記通信端末装置1あるいは上記アクセス中継装置の送信装置において、上記データを通信路(ネットワーク)の輻輳状況あるいは通信リソースの使用状況に応じて、適宜動的に上記データ変換を行う。
【0540】
送信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができ、また、受信装置は、情報配信サーバ装置3、配信中継装置2、通信端末装置1、またはアクセス中継装置でもって代替することができる。
【0541】
また、上記通信ポリシー設定監視部40では、送信者と受信者の要求に応じて、通信ポリシーAにしたがって送信されてきたデータaを通信ポリシーBにポリシー変換してデータbを送出する場合において、データAをデータBにデータ変換する同データ変換処理負荷を考慮して、通信ポリシーAと通信ポリシーBを決定し、設定する。
【0542】
また、上記通信ポリシー設定監視部40では、送信者と受信者の要求に応じて、通信ポリシーAにしたがって送信されてきたデータaを通信ポリシーBにポリシー変換してデータbを送出する場合において、その他の通信ポリシーのポリシー設定項目の達成度を極力落とすことなく、システム内の通信路の輻輳状況、通信リソースの使用状況に応じて、データbのデータ品質を決定する。
【0543】
通信ポリシー設定監視部40においてデータ変換手法をポリシー設定項目として設定し、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置のいずれかの送信装置において、同通信ポリシーにしたがって送信データを適宜、データ変換部のデータ変換処理モジュールの処理能力、送信装置/データ変換部のデータ変換処理(負荷)状況、通信リソースの使用状況、あるいは通信路の輻輳状況に応じてデータ変換(あるいは、データ変換手法を選択してデータ変換)して送信する。
【0544】
通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置の通信ポリシー設定監視部40において、通信ポリシー決定時、要求されるデータ変換を実現する複数のデータ変換手法を検索し、送受信制御部41において、同データ変換手法のデータ変換部のデータ変換処理モジュールの処理能力、送信装置/データ変換部のデータ変換処理(負荷)状況、通信リソースの使用状況、あるいは通信路の輻輳状況、または同データ変換手法の処理状況に応じて、適用するデータ変換手法の動的な変更と、同データ変換手法を用いてデータ変換するデータの品質制御を行う。
【0545】
続いて、プライベートネットワークを利用したデータの送受信に配信制御装置4を適用する場合について説明する。
【0546】
上記通信端末装置1(移動機)から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、上記通信端末装置1と上記情報配信サーバ装置3との間あるいは上記通信端末装置1と上記アクセス中継装置との間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する、同時利用セッション数、あるいは同時利用トンネル数、あるいは同時利用コネクション数、あるいは通信プロトコル、パケットのデータ収納形式その他の上記オブジェクトのデータ構造、パケットのデータ品質、上記データ構造のデータ変換手法、上記データ変換手法の選択手法、適用する通信ポリシーの選択手法の項目の内少なくとも1つの項目からなる通信形態、通信品質、通信品質の保証の仕方、優先度と、発生する通信料金に関する制約条件等からなる通信ポリシーをコネクション毎に設定する。
【0547】
また、上記情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の上記コンテンツの配信中継サービスを提供する配信中継装置2は、通信端末装置1から受付けた上記プライベートネットワークへの接続要求に応じて、各通信端末装置1毎に、同通信端末装置1との間に第1のトンネルを確立し、同第1のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定する。次いで、接続要求を受け付けた上記プライベートネットワーク毎に、同プライベートネットワークの上記アクセス中継装置との間に第2のトンネルを確立し、同第2のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定する。
【0548】
上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式における接続処理を行って、上記通信端末装置1と上記情報配信サーバ装置3との間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーをコネクション毎に設定する。配信中継装置2は、情報配信サーバ装置3から受け取ったコンテンツデータ(オブジェクトデータ)を、情報配信サーバ装置3の要求あるいは通信端末装置1の要求に応じて、配信中継装置2の処理状況を考慮して、データ変換(メディア変換)を行い、さらに通信ポリシー変換(通信QoS変換)を行って、通信端末装置1に向けて中継配信する。
【0549】
配信中継装置2の処理状況を考慮するのは、データ変換処理の負荷が大きい場合には、通信ポリシーを決めても、決めた通信ポリシーを実現できるようなデータ中継処理ができない場合があるためである。したがって、配信中継装置2で同データ変換を行っても、配信中継装置2で、送信時の情報配信サーバ装置1と配信中継装置2との間で実現する通信ポリシーAから、配信中継装置2と通信端末装置1との間で実現する通信ポリシーBへの通信ポリシーの変換処理が確実に行われるように、通信ポリシーA、通信ポリシーB、通信ポリシー変換手法、データ変換手法を決定する。同通信ポリシーA、通信ポリシーB、通信ポリシー変換手法、データ変換手法をオブジェクト(コンテンツ)データを送信する前に、通信端末装置1、配信中継装置2、情報配信サーバ装置3の間でネゴシエーションを行って決定し、同通信ポリシーA、通信ポリシーB、通信ポリシー変換手法、データ変換手法を実現できるように、通信リソース(配信中継装置2、情報配信サーバ装置3、通信端末装置1等の設備/機能等)を予約確保することにより、効果的で、思い通りの、ストレスのないコンテンツの送信、再生利用を行うことが可能となる。ここで配信中継装置2を例に説明したが、これに限定されるものではなく、各送信装置(ここでは、通信端末装置1、情報配信サーバ装置3、アクセス中継装置、その他の通信端末装置1と情報配信サーバ装置3との間に構成される各装置を含むものとする。)で送信すべきデータを送信する場合に、各処理状況を考慮して行う場合にも適用できるということは言うまでもない。
【0550】
常時は上記プライベートネットワークに接続されていない通信端末装置1から送信された、上記プライベートネットワークに対する接続要求を受付けた上記配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求、あるいはパケットリンク方式による接続要求をアクセス中継装置において受付けると、同アクセス中継装置は、同配信中継装置2と上記プライベートネットワークとの間にコネクションを確立するとともに、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケット、あるいは上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1のパケットを中継送信するときに適用する上記通信ポリシーを設定し、同アクセス中継装置内の中継通信手段において、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットを上記プライベートネットワークに上記通信ポリシーにしたがって必要に応じてデータ(メディア)変換を行って中継送信し、また、上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1宛のパケットを固定網あるいは公衆移動体無線通信網を介して同配信中継装置2に上記通信ポリシーにしたがって必要に応じてデータ(メディア)変換して中継送信する。
【0551】
また、同中継通信手段は、上記配信中継装置2との間にトンネルを確立し、同トンネルを用いて複数の上記通信端末装置1との間で、通信端末装置1ごとに異なる通信ポリシーを適用してパケットの送受信を行なう。
【0552】
上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1からの上記プライベートネットワークへの接続要求毎に、同通信端末装置1と同プライベートネットワークとの間に仮想的なコネクションを確立し、同コネクションに対して、同コネクションを介したパケットの送受信に際して適用する上記通信ポリシーを設定し、同コネクションにコネクション識別子を付与し、同コネクション識別子を同通信端末装置1および同プライベートネットワークへの中継を行なう上記アクセス中継装置に通知し、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを同通信端末装置1との間に確立するかあるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択し、また、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを同アクセス中継装置との間に確立するか、あるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択し、上記アクセス中継装置は、送信する同通信端末装置1向けパケットに送信時に利用するコネクション識別子を付与して、上記確立あるいは選択した第2のトンネルを介して同配信中継装置2に同第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって必要に応じてデータ(メディア)変換して送信し、上記配信中継装置2は、上記第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているコネクション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、同第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって同パケットを必要に応じてデータ(メディア)変換して通信端末装置に向けて送信する。
【0553】
上記確立したトンネル内に、固有の上記通信ポリシーを設定した1つあるいは複数のセッションを確立し、同セッションに設定された同通信ポリシーにしたがって、必要に応じてデータのデータ(メディア)変換を行って送受信制御を行ない、データを送受信する。
【0554】
この場合、上記オブジェクト毎に、同オブジェクトの送受信時に最適な通信ポリシーが設定されている既設のセッションを選択するか、新規に同オブジェクトに設定されている通信ポリシーを実現できる最適な通信ポリシーを上記通信ポリシー設定監視部40によって設定されたセッションを、既設あるいは新規に確立した上記トンネル内に確立し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって必要に応じて同オブジェクトのデータのデータ変換を行い送受信制御を行ない、データの送受信を行なう。
【0555】
また、通信端末装置1あるいは配信中継装置2あるいは情報配信サーバ装置3あるいはアクセス中継装置のいずれかの送信装置、または上記送受信制御部41は、データ変換部のデータ変換処理モジュールの処理能力、送信装置/データ変換部のデータ変換処理(負荷)状況、通信リソースの使用状況、あるいは通信路の輻輳状況に応じて、送信データのデータ変換手法の変更要求、あるいはその他ポリシー設定項目、同設定項目の項目値の変更要求からなる通信ポリシーの変更を通信ポリシー設定監視部40に要求する。
【0556】
トンネル利用時は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立したトンネルに継承され、トンネルに固有に設定された通信ポリシーと上記継承したコネクションに設定された通信ポリシーが、同トンネル内に確立した(張った)セッションに継承され、同セッションに固有に設定した上記通信ポリシーと同継承したコネクション、トンネルに設定された上記通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用され、トンネルを利用しない場合は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立されたセッションに継承され、同セッションに固有に設定された通信ポリシーと同継承された通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用される。
【0557】
上記第1のトンネルに設定された通信ポリシーと上記第2のトンネルに設定された通信ポリシーが異なる場合、第1のトンネルから第2のトンネルにデータが中継される場合、また、第2のトンネルから第1のトンネルにデータを中継する場合、配信中継装置において、送出先通信路の通信ポリシーにポリシー変換を行なって同データを必要に応じてデータ変換し送受信する。
【0558】
上記通信端末装置1(移動機)から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置3の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、上記通信端末装置1と上記情報配信サーバ装置3との間あるいは上記アクセス中継装置間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する同時利用セッション数、あるいは同時利用トンネル数、あるいは同時利用コネクション数、あるいは通信プロトコル等の項目の内少なくとも1つの項目からなる通信形態と通信品質と通信品質の保証の仕方と優先度からなる通信ポリシーをコネクション毎に設定する。
【0559】
上記情報配信システムにおいては、上記情報配信サーバ装置3と通信端末装置1との間の上記コンテンツの配信中継サービスを提供する配信中継装置2を有し、同配信中継装置2は、通信端末装置1から受付けた上記プライベートネットワークへの接続要求に応じて、各通信端末装置1毎に、同通信端末装置1との間に第1のトンネルを確立し、同第1のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定するとともに、接続要求のあった上記プライベートネットワーク毎に、同プライベートネットワークの上記アクセス中継装置との間に第2のトンネルを確立し、同第2のトンネルを介して行なわれる通信に対して適用する上記通信ポリシーを設定する。
【0560】
同配信中継装置2は、上記通信端末装置から受付けた上記プライベートネットワークに接続された情報配信サーバ装置3への接続要求に応じて、上記通信端末装置1との間の通信において適用する第1の通信ポリシーを決定・設定し、決定・設定した同通信ポリシーに応じて上記通信端末装置1との間にトンネルを確立し、同トンネルを介して行なわれる通信に対して上記第1の通信ポリシーを適用し、上記プライベートネットワークと上記配信中継装置2との接続処理あるいはデータの中継処理を行う上記アクセス中継装置間の通信に適用する第2の通信ポリシーを決定・設定し、設定した同第2の通信ポリシーに応じて、上記アクセス中継装置間にトンネルを確立し、同トンネルを介して行なわれる通信に対して上記第2の通信ポリシーを適用する。
【0561】
配信中継装置2では、上記通信端末装置1から公衆移動体無線通信網を介して受付けた、情報配信サーバ装置の接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理とデータの中継を行なうアクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行って、上記移動端末と上記情報配信サーバ装置間で通信を行なうためのコネクションを通信端末装置1の要求する通信ポリシーにしたがって確立し、同コネクションを介して行なわれる通信に対して適用する同時利用セッション数、あるいは同時利用トンネル数、あるいは同時利用コネクション数、あるいは通信プロトコル等の項目の内少なくとも1つの項目からなる通信形態と通信品質と通信品質の保証手法からなる通信ポリシーをコネクション毎に設定する。
【0562】
アクセス中継装置では、通信端末装置(移動機)から送信された、上記プライベートネットワークに対する接続要求を受付けた上記配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求あるいは、パケットリンクによる接続要求を受け付けると、同配信中継装置2と上記プライベートネットワークとの間にコネクションを確立するとともに、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケット、あるいは上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1宛のパケットを中継送信するときに適用する上記通信ポリシーを設定し、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットを上記プライベートネットワークに上記通信ポリシーにしたがって中継送信し、また、上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1のパケットを固定網あるいは公衆移動体無線通信網を介して同配信中継装置2に上記通信ポリシーにしたがって中継送信する中継通信手段を備える。
【0563】
また、上記アクセス中継装置は、上記通信端末装置1から送信されたアクセス中継装置への接続要求に応じて上記配信中継装置2が送信してきたダイヤルアップ接続要求あるいはパケットリンクによる接続要求を受付けると、同配信中継装置2との間の通信に適用する第1の通信ポリシーを決定・設定し、設定した第1の通信ポリシーに応じて同配信中継装置2との間にコネクションまたはセッションまたはトンネルを確立し、同時に、必要に応じてプライベートネットワークに接続されている情報配信サーバ装置3との間の通信に適用する第2の通信ポリシーを決定・設定し、設定した第2通信ポリシーに応じて同情報配信サーバ装置3との間にコネクションあるいはセッションあるいはトンネルを確立し、同通信端末装置1から同配信中継装置2を経由して送信されてくるパケットに対して第2通信ポリシーを適用し、また上記プライベートネットワークから受け取った同通信端末装置1宛のパケットを中継送信するときには第1通信ポリシーを適用して中継送信する。
【0564】
上記中継通信手段は、上記配信中継装置2との間にトンネルを確立し、同トンネルを用いて複数の上記通信端末装置1との間で、通信端末装置1ごとに異なる通信ポリシーを適用してパケットの送受信を行なう。
【0565】
上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1からの上記プライベートネットワークへの接続要求毎に、同通信端末装置1と同プライベートネットワークとの間に仮想的なコネクションを確立し、同コネクションに対して、同コネクションを介したパケットの送受信に際して適用する上記通信ポリシーを設定し、同コネクションにコネクション識別子を付与し、同コネクション識別子を同通信端末装置1および同プライベートネットワークへの中継を行なう上記アクセス中継装置に通知し、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを同通信端末装置1との間に確立するかあるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択し、また、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを同アクセス中継装置との間に確立するか、あるいは、同コネクションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択し、上記アクセス中継装置は、送信する同通信端末装置1向けパケットに送信時に利用するコネクション識別子を付与して、上記確立あるいは選択した第2のトンネルを介して同配信中継装置2に同第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって送信し、上記配信中継装置2は、上記第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているコネクション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、同第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって、同パケットを必要に応じてデータ(メディア)変換して通信端末装置1に向けて送信する。
【0566】
また、上記配信中継装置2は、上記通信端末装置1からの上記アクセス中継装置への接続要求に応じて、同通信端末装置1と同アクセス中継装置との間に仮想的なセッションを確立し、同セッションに対して、同セッションを介したパケットの送受信に際して適用する上記通信ポリシーを設定し、同セッションにセッション識別子を付与し、同セッション識別子を同通信端末装置1および同プライベートネットワークに接続された情報配信サーバ装置3への中継を行なう上記アクセス中継装置に通知し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって上記第1のトンネルを同通信端末装置1との間に確立するかあるいは、同セッションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第1のトンネルを既設の第1のトンネルの中から選択し、また、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって上記第2のトンネルを同アクセス中継装置との間に確立するか、あるいは、同セッションに設定された通信ポリシーを満足する通信ポリシーが設定された上記第2のトンネルを既設の第2のトンネルの中から選択し、上記アクセス中継装置は、送信する同通信端末装置1向けパケットに送信時に利用するセッション識別子を付与して、上記確立あるいは選択した第2のトンネルを介して同配信中継装置2に同第2のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって送信し、上記配信中継装置2は、上記第2のトンネルを介して送信されてくるパケットに付与されているセッション識別子に対応する第1のトンネルを選択し、同第1のトンネルに設定された通信ポリシーにしたがって同パケットを上記通信端末装置1に向けて送信する。このとき、トランスポートプロトコルとして、コネクションレス型のUDPを採用した場合にも、トンネルを介してデータを送信することが可能となる。
【0567】
上記確立したトンネル内に、固有の、上記通信ポリシーを設定した1つあるいは複数のセッションを確立し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、必要に応じてデータ変換してデータの送受信制御を行って、データの送受信を行う。
【0568】
上記オブジェクト毎に、同オブジェクトの送受信時に最適な通信ポリシーが設定されている既設のセッションを選択するか、新規に同オブジェクトに設定されている通信ポリシーを実現できる最適な通信ポリシーを上記通信ポリシー設定手段にしたがって設定したセッションを、既設あるいは新規に確立した上記トンネル内に確立し、同セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、必要に応じてデータの送受信制御をなって、データの送受信を行う。
【0569】
本実施の形態で示す情報配信システムでは、上記通信ポリシー設定手段により、上記通信ポリシーを設定または変更する。また、上記送受信制御手段により、データの送受信制御を行い、ネットワーク/通信路/配信中継装置の輻輳状況に応じて、通信ポリシーを適宜変更要求する。また、上記通信ポリシー設定監視部、上記メタポリシー設定部、上記送信制御部により、通信ポリシーの設定あるいは変更、データの送受信制御、データの送受信を行なう。
【0570】
トンネル利用時は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立したトンネルに継承され、トンネルに固有に設定された通信ポリシーと上記継承したコネクションに設定された通信ポリシーが、同トンネル内に確立した(張った)セッションに継承され、同セッションに固有に設定した通信ポリシーと同継承したコネクション、トンネルに設定された通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用され、トンネルを利用しない場合は、コネクションに設定された通信ポリシーが、同コネクション上に確立されたセッションに継承され、同セッションに固有に設定された通信ポリシーと同継承された通信ポリシーが、同セッションによるデータの送受信に適用される。
【0571】
上記第1のトンネルに設定された通信ポリシーと上記第2のトンネルに設定された通信ポリシーが異なる場合、第1のトンネルから第2のトンネルにデータが中継される場合、また、第2のトンネルから第1のトンネルにデータを中継する場合、配信中継装置において、送出先通信路の通信ポリシーにポリシー変換を行なって、必要に応じてデータ(メディア)変換してデータを送受信する。
【0572】
本実施の形態で示す情報配信システムでは、課金処理部42が、上記マルチメディアコンテンツの送受信に際して、上記コネクション、上記トンネル、上記セッションの各々に設定された上記通信ポリシーあるいは同通信ポリシーの達成度に応じて発生した通信料金を計算し、同マルチメディアコンテンツに指定された課金先に課金する。
【0573】
例えば、移動機から複数の通信接続を行い異なる複数のサーバと接続して、それぞれのサーバ経由で複数の情報配信サーバ装置と複数のコネクションを確立して、異なる複数のマルチメディアコンテンツへ同時的にアクセスすることが可能となる。
【0574】
また、通信ポリシーの通信料金についてのポリシー設定項目にて、利用者の予算(例えば、通信料金の上限等)に応じて適用する通信ポリシーを決定することができる。したがって、通信路の輻輳状況、通信リソースの使用状況に応じて、利用者の予算や好みに合わせて無駄のない最適な通信リソースをオブジェクト単位あるいはデータに割り当て、オブジェクトあるいはデータを最適なデータ品質、データに変換して、同オブジェクトあるいは同データを送信することができる。
【0575】
よって、通信ポリシー設定監視部40において、利用者の予算や好みを通信ポリシーとして反映して通信ポリシーを好適に適用することにより、利用者の予算や好みに合わせたデータの送受信制御を本発明の上記各装置において実現することができる。
【0576】
通信ポリシーの設定項目の通信プロトコルとして、トンネリングプロトコルが設定された上記オブジェクトを送受信する場合、上記実施の形態に示すトンネルが確立され、同トンネル内に確立されたセッションを通じて、コネクション、トンネル、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、上記実施の形態に示すようにオブジェクトの送受信が行なわれる。
【0577】
通信ポリシーの設定項目の通信プロトコルとして、トンネリングプロトコルを除くプロトコルが設定されているオブジェクトを送受信する場合は、コネクション確立後、セッションを確立して(張って)、セッションを通じて、コネクション、セッションに設定された通信ポリシーにしたがって、トンネリングプロトコル向け送受信制御部において、オブジェクトの送受信が行われる。
【0578】
HTTPプロトコルが選択されると、HTTPプロトコル専用の送受信制御部により送受信制御が行なわれ、ストリーミング映像向けプロトコルが選択されると同ストリーミング映像向けプロトコル専用の送受信制御部が選択されオブジェクトの送受信制御を行う。
【0579】
また、VoIP向けプロトコルが選択されると同VoIP向けプロトコル専用の送受信制御部が選択され同オブジェクトの送受信が行なわれる。上記送受信制御部は、上記送受信制御手段と同等の機能を包含するものである。
【0580】
第1のネットワークに接続された1つ以上の上記通信端末装置と、第2のネットワークに接続された1つ以上の上記情報配信サーバ装置間の接続、データの中継を第3のネットワークを介して行うにあたって、第1および第3のネットワークに接続され両ネットワークの接続処理とデータの中継を行う上記配信中継装置と、第3および第2のネットワークに接続され両ネットワークの接続処理とデータの中継を行うアクセス中継装置を設け、アクセス中継装置において、1つまたは複数の上記装置と上記アクセス中継装置の間で通信を行うためのコネクション、セッション、またはトンネルを上記通信ポリシーにしたがって確立し、また、1つまたは複数の上記装置と上記アクセス中継装置の間に張られたコネクション、セッション、またはトンネルに対して上記通信ポリシーを適宜動的に、要求に応じて、または、ネットワークの輻輳状況、通信リソースの使用状況あるいは、上記情報配信システム内の各上記装置の負荷状況に応じて、設定あるいは再設定し、同設定あるいは再設定された同通信ポリシーを、設定対象である同コネクション、セッション、またはトンネルを介したデータの中継処理あるいは中継処理の制御に適用する。
【0581】
例えば、第1のネットワークは、公衆移動体無線通信網(無線LANを含む)、第2のネットワークは、インターネット、ADSL、ISDN等の有線通信網、公衆移動体無線通信網(無線LANを含む)等の公衆網により構成し、第3のネットワークは、各種プライベートネットワークにより構成する。
【0582】
さらに、他の実施形態にかかる配信制御装置を含む情報配信システムの構成例について説明する。
【0583】
マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成する。この場合、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位又はオブジェクトの類型単位に適用する通信形態又は通信品質又は通信品質の保証手法又は通信料金の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じて策定して、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する適宜調整変更を通信ポリシー設定手段において行い、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、又は、上記配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路を介して上記各々の装置間に張られた1つ又は複数のコネクションまたはセッションまたはトンネルを同時的に利用して、1つ又は複数の上記オブジェクトを同時的に、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位又はオブジェクトの類型単位に適用された各々の上記通信ポリシーにしたがって、送受信制御手段において送受信制御する。
【0584】
また、マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成する。
【0585】
この場合、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、又は、上記配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路を介して上記各々の装置間で通信を行うためのコネクションを、上記通信端末装置又は上記情報配信サーバ装置又は配信中継装置が要求する、上記コネクションを介して行われる通信に対して適用して、あるいはコネクションとは無関係に適評して同時的利用するセッション数、同時利用するコネクション数、又は同時利用するトンネル数、又は配信プロトコルの内少なくとも1つの項目からなる通信手法又は、通信品質又は、通信品質の保証手法又は、通信料金の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーにしたがって確立し、上記通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じて策定し、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する通信ポリシーを適宜調整変更し、上記コネクション毎、又は上記トンネル数、又は上記セッション毎に、通信ポリシー設定手段において、設定し直す。
【0586】
また、マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成し、さらに、上記通信端末装置からモバイル通信網を介して受け付けた、上記情報配信サーバ装置が接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理及びデータの中継を行うアクセス中継装置を設けた構成とする。
【0587】
この場合、通信ポリシー設定手段では、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位又はオブジェクトの類型単位に適用する通信形態又は通信品質又は通信品質の保証手法又は通信料金の少なくともいずれか1項目からなる通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて策定し、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する通信ポリシーを適宜調整変更し、同オブジェクト又は同オブジェクトの類型にて適用し直す。
【0588】
また、上記通信端末装置から上記アクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行った後、上記通信端末装置と上記情報配信サーバ装置との間、若しくは、上記通信端末装置と上記アクセス中継装置との間で通信を行うためのコネクション、又はトンネル、又はセッションを通信ポリシー設定手段において設定された通信ポリシーにしたがって確立し、確立された1つ又は複数のコネクション、トンネル、セッションを同時的に利用して1つ又は複数の上記オブジェクトを同時的に、それぞれの上記オブジェクトに設定された若しくは要求された各々の上記通信ポリシーにしたがって、送受信制御する送受信制御手段において送受信制御する。
【0589】
また、マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記マルチメディアコンテンツを受信若しくは、上記情報配信サーバ装置へ上記マルチメディアコンテンツを送信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、所定の1つ又は複数の上記情報配信サーバ装置に登録されている、若しくは、上記移動端末から発信される、1つ又は複数のオブジェクトから構成された上記マルチメディアコンテンツを送受信する情報配信システムを構成し、さらに、上記通信端末装置からモバイル通信網を介して受け付けた、上記情報配信サーバ装置が接続されているプライベートネットワークへの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続要求に応じて、上記プライベートネットワークとの接続処理及びデータの中継を行うアクセス中継装置を設ける。
【0590】
上記情報配信システムでは、上記通信端末装置から上記アクセス中継装置に対してダイヤルアップ回線接続あるいはパケットリンク方式による接続処理を行った後、上記通信端末装置と上記情報配信サーバ装置との間、若しくは、上記通信端末装置と上記アクセス中継装置との間で通信を行うためのコネクションを上記通信端末装置が要求する上記通信ポリシーにしたがって確立し、上記通信ポリシーを通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況に応じて策定し、上記通信端末装置若しくは上記情報配信サーバ装置の少なくともいずれか1方又は両者の要求を満足するあるいは最適な上記通信ポリシーを第1通信ポリシー、現在提供可能で上記第1通信ポリシーを極力満足する通信ポリシーを第2通信ポリシーと決定し、第2通信ポリシーを同オブジェクト又は同オブジェクトの類型に適用する通信ポリシーとし、通信ネットワークの輻輳状況又は上記情報配信システム内の通信リソースの使用状況の変化に応じて、第1通信ポリシーに極力近づけるように適用する通信ポリシーを適宜調整変更し、上記コネクション毎、又は上記トンネル毎、又は上記セッション毎に適用し直す。
【0591】
コンテンツを送受信する情報配信サーバ装置と、上記情報配信サーバ装置からの上記コンテンツを受信する通信端末装置と、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間で上記マルチメディアコンテンツの送受信を中継する配信中継装置とを含み、オブジェクト毎にそれぞれ所定の上記情報配信サーバ装置に登録されている1または複数のオブジェクトから構成されたマルチメディアコンテンツが送受信される場合において、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、または、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、または上記情報配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路における上記マルチメディアコンテンツの送受信に際し、上記マルチメディアコンテンツに対してオブジェクト単位またはオブジェクトの類型単位に、適用する、通信方法または通信品質、または通信品質の保証方法についての通信ポリシーを通信ポリシー策定手段において策定し、上記情報配信サーバ装置と上記通信端末装置との間の通信路、または、上記情報配信サーバ装置と上記配信中継装置との間の通信路、または、上記情報配信中継装置と上記通信端末装置との間の通信路において、各装置間のそれぞれの通信路において設定された上記通信ポリシーにしたがって1つまたは複数のセッションを同時的かつ動的に制御して、上記マルチメディアコンテンツを構成する1つまたは複数の上記オブジェクトのそれぞれを送受信制御手段において送受信制御する。
【0592】
【発明の効果】
本発明の送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムは、コンテンツを構成するオブジェクトを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御することで、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0593】
また、本発明の送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムは、位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0594】
また、本発明の送受信制御装置、送受信制御方法及び送受信制御プログラムは、セッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】配信制御装置を含む情報配信システムのブロック図である。
【図2】図1に示した通信システムにおけるマルチメディアコンテンツの送受信の一例を示す模式図である。
【図3】図1に示した通信システムにおけるマルチメディアコンテンツの送受信の他の例を示す模式図である。
【図4】図1に示した情報配信システムの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示した情報配信システムにおける情報配信方法の一例を示す図である。
【図6】課金対応データベースの構成図である。
【図7】情報配信システムのブロック図である。
【図8】図7に示した情報配信システムの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図9】情報配信システムのブロック図である。
【図10】情報配信システムの他の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図11】通信ポリシーに基づいたデータ転送時のセッションの使い方について示す図である。
【図12】マルチメディアコンテンツのダウンロード方法の一例を示す図である。
【図13】(a)TCP/IPインターネット階層モデル、(b)OSI7階層モデル、及びそれらの対応関係について示す図である。
【図14】階層とサービスとの対応関係について示す図である。
【図15】送達確認の実現手法について示す図である。
【図16】データ変換ルールの例を示す図である。
【図17】マルチメディアコンテンツの例を示す図である。
【図18】通信ポリシーデータベースの一例を示す図である。
【図19】第1通信ポリシーと第2通信ポリシーの一例を示す図である。
【図20】通信ポリシーデータベースの一例を示す図である。
【図21】通信ポリシーデータベースの一例を示す図である。
【図22】優先度が付されたポリシー設定項目の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…通信端末装置、1a…移動機、2…配信中継装置、2a…ゲートウェイサーバ、3、3a〜3c、31〜36…情報配信サーバ装置、4…配信制御装置、40…通信ポリシー設定監視部、41…送受信制御部、42…課金処理部、43…メタポリシー設定部、45…通信ポリシーデータベース、46…課金対応データベース、47…通信リソース予約確保部、5…基地局、5a…基地局、5b…移動機、6…加入者データベース、7、7a〜7c…アクセス中継装置、8…中継通信装置、8a…情報サービス中継通信サーバ、8b…ストリーミングコンテンツ中継通信サーバ。
Claims (34)
- 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置において、
前記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた前記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御手段と
を備えたことを特徴とする送受信制御装置。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置において、
位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段と
を備えたことを特徴とする送受信制御装置。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御装置において、
前記送信装置と前記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段と
を備えたことを特徴とする送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、前記通信ポリシーを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記送信装置と前記受信装置とのうち少なくとも一方の位置情報に基づいて、前記通信ポリシーを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
既に設定されている通信ポリシーの達成度に基づいて、前記通信ポリシーを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信に要求されるリアルタイム性に基づいて、前記通信ポリシーを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮しなければ達成しうる第1の通信ポリシーを決定し、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態を考慮した上で達成しうる第2の通信ポリシーを決定し、設定し、
前記第1の通信ポリシーと前記第2の通信ポリシーとが異なる場合、前記通信リソースの使用状態の変化に応じて、前記第2の通信ポリシーが前記第1の通信ポリシーに近づくように、前記第2の通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおす
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信リソース確保手段は、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、一定の条件を満たした将来の時点における前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを予約確保し、
前記送受信制御手段は、
前記通信リソース確保手段によって予約確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
通信形態に関するポリシー設定項目である
セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数、
セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの割当情報、
通信プロトコル、
コンテンツもしくはオブジェクトのデータ構造、
コンテンツもしくはオブジェクトのデータ変換手法、
当該通信ポリシーが適用されるための条件
通信品質およびその保証手法に関するポリシー設定項目である
使用する通信帯域およびその保証手法、
目標とするスループットおよびその保証手法、
許容されるジッターおよびその保証手法、
許容される遅延時間およびその保証手法、
許容されるパケット廃棄率およびその保証手法、
情報の到達度合およびその保証手法、
通信料金に関するポリシー設定項目である
課金規則
のうち少なくとも一つが含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、前記ポリシー設定項目のうち少なくとも1つを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
前記使用する通信帯域およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大通信帯域を指定したベストエフォートモード、最小通信帯域を指定したプレミアムベストエフォートモード、最大通信帯域と最小通信帯域との双方を指定したプレミアムベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
目標とするスループットおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大スループットを指定したベストエフォートモード、最小スループットを指定したプレミアムベストエフォートモード、最大スループットと最小スループットとを指定したプレミアムベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
許容されるジッターおよびその保証手法に関するポリシー設定項目を、各パケットの最大許容ジッター時間間隔を指定するモード、または所定量のパケットの送信完了時間の最大許容ジッター時間間隔を指定するモードのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
許容される遅延時間およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、各パケットの最大許容遅延時間を指定するモード、または所定量のパケットの送信完了時間の最大許容遅延時間を指定するモードのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
許容されるパケット廃棄率およびその保証手法に関するポリシー設定項目を、最大許容パケット廃棄率を指定するモード、またはベストエフォートモードのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
セッションもしくはコネクションもしくはトンネルの同時利用数に関するポリシー設定項目を、1つの送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモード、互いに異なる複数の送信装置と受信装置とのあいだで複数のオブジェクトそれぞれの送受信に同時利用するセッション数、トンネル数、コネクション数のうちの少なくとも1つを指定するモードのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには、
通信プロトコルに関するポリシー設定項目が含まれており、
前記通信ポリシー設定手段は、
通信プロトコルに関するポリシー設定項目を、HTTPプロトコル、RTPプロトコル、トンネリングプロトコルのいずれかに決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記送信装置、前記受信装置、または前記オブジェクトもしくは前記コンテンツの送受信経路上の中継装置から送信される通信ポリシーに関する要求に応じて、前記通信ポリシーを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシーには複数のポリシー設定項目が含まれており、前記複数のポリシー設定項目それぞれには優先度が付されており、
前記通信ポリシー設定手段は、
前記優先度に基づいて前記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記送受信制御手段は、
前記送信装置、前記受信装置および前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路上の中継装置のうちいずれか2以上の物理的装置に分散して配置されており、前記2以上の物理的装置それぞれのあいだでネゴシエーションを行いながら、前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
ユーザ階級を示す情報であるランクに基づいて前記通信ポリシーに含まれる複数のポリシー設定項目それぞれを決定し、設定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記送信装置と前記受信装置とのあいだにセッション、コネクション、またはトンネルが張られた状態で一定時間データの送受信が行われない場合、通信リソースの使用状態を緩和するように前記通信ポリシーを決定しなおし、設定しなおす
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記通信ポリシーに含まれるポリシー設定項目について要求する達成目標値を設け、
上記ポリシー設定項目の保証手法として、
ギャランティモード、
ベストエフォートモード、
制限なしのベストエフォートモード、
下限を指定したベストエフォートモード、
上限を指定したベストエフォートモード、
上限と下限を指定したベストエフォートモード、
通信リソースの空き状況に応じてベストエフォートモードからギャランティモードに切り替えるモード、
通信リソースの空き状況に応じて下限を指定しないベストエフォートモードから下限を指定するベストエフォートモードに切り替えるモード、
オークション方式による優先度の差別化モード
のいずれか1つを選択し、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態と前記達成目標値と実現値との許容乖離度とに基づいて前記達成目標値を算出し、設定し、
前記送受信制御手段は、
前記ポリシー設定手段によって設定された前記達成目標値を前記ポリシー設定項目について各時点において実現すべき目標値として、前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記送受信制御手段は、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信タイミング、前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信に利用するセッション、セッションにおける前記オブジェクトまたは前記コンテンツの多重方法、単位時間当たりの送受信データ量、前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信順位に対する優先度、前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信順位の変更方法、送受信データの同期タイミングを制御する機能と、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツについて算出された送受信完了予定時刻と前記ポリシー設定項目の実現値とを参照し、前記達成目標値を修正する機能と、
保証手法としてギャランティモードまたは下限を指定したいずれかのモード設定されているポリシー設定項目については下限を確実に保証するとともに、それ以外のポリシー設定項目については前記達成目標値を目標とするベストエフォートで保証するように、前記オブジェクトまたは前記コンテンツに通信リソースを割り当てて前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信を行う送受信機能と、
前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信順位に対する優先度に応じて前記オブジェクトまたは前記コンテンツに対する前記通信リソースの割り当てを変更することにより、前記達成目標値を基準とする通信ポリシーの達成度合を制御する達成度合制御機能と
を有することを特徴とする請求項23に記載の送受信制御装置。 - 前記送受信制御手段は、
前記通信ポリシーまたは前記オブジェクトもしくは前記コンテンツの送受信順位に対する優先度に基づいて前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信順位を制御する送受信順位制御機能と、
経時的に変化する前記達成目標値に基づいて、前記オブジェクトまたは前記コンテンツ送受信順位を調整する送受信順位調整機能と、
前記送受信順位を調整する比率を調整する比率調整機能と
を有することを特徴とする請求項23に記載の送受信制御装置。 - 前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に基づいて、前記通信ポリシーの決定方法と前記通信ポリシーの適用方法と前記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目を達成する優先度とを指定するメタポリシーを設定するメタポリシー設定手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 前記メタポリシー設定手段は、
ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を算出し、算出された達成目標値を前記ユーザに通知し、前記ユーザによって許可されると前記算出された達成目標値を設定するモード、
ユーザから要求された通信ポリシーの達成目標値が通信リソースの使用状態からみてその時点において提供不可能な場合に、通信リソースの使用状態からみてその時点において提供可能な達成目標値を仮の達成目標値として設定し、通信リソースの空き状況に応じて、前記仮の達成目標値が前記ユーザから要求された達成目標値に近づくように前記仮の達成目標値を変更していくモード
のいずれかのモードを前記オブジェクトまたは前記コンテンツの送受信経路における通信リソースの使用状態に応じて選択し、
前記通信ポリシー設定手段は、
前記メタポリシー設定手段によって選択されたモードに従って、前記達成目標値を設定しなおす
ことを特徴とする請求項26に記載の送受信制御装置。 - 前記通信ポリシー設定手段は、
前記通信ポリシーを構成するポリシー設定項目に対して要求する達成目標値を設け、前記ポリシー設定項目に対して、
通信料金の最小化に向けたベストエフォートモード、
通信料金の上限値、下限値の少なくとも一方を指定するモード、
通信料金の発生手法の制限なしモード
のうちいずれか1つのモードを選択するとともに、
前記ポリシー設定項目の通信料金の予定金額あるいは実績金額に応じて、前記ポリシー設定項目の項目値または前記ポリシー設定項目の達成目標値を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の送受信制御装置。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法において、
前記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、
前記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、
前記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、前記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、
前記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた前記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御ステップと
を備えたことを特徴とする送受信制御方法。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法において、
位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、
前記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、
前記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、
前記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する送受信制御ステップと
を備えたことを特徴とする送受信制御方法。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御方法において、
前記送信装置と前記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報を格納手段に格納しておき、
前記格納手段に格納された通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定ステップと、
前記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保ステップと、
前記通信ポリシー設定ステップにおいて設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保ステップにおいて確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する送受信制御ステップと
を備えたことを特徴とする送受信制御方法。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
格納手段に格納された前記コンテンツを構成するオブジェクトを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記コンテンツを構成するオブジェクトの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記オブジェクトの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた前記オブジェクトの送受信を制御する送受信制御手段と
して機能させることを特徴とする送受信制御プログラム。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
格納手段に格納された位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記位置情報またはユーザ設定によって決定される複数の送信装置または受信装置の集合を単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段と
して機能させることを特徴とする送受信制御プログラム。 - 送信装置と受信装置とのあいだで行われるコンテンツの送受信を制御する送受信制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
格納手段に格納された前記送信装置と前記受信装置とのあいだに張られるセッション、コネクション、またはトンネルを単位として適用可能な通信ポリシーに関する情報に基づいて、前記セッション、コネクション、またはトンネルを単位としてコンテンツの送受信に適用する通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記コンテンツの送受信に用いる通信リソースを確保する通信リソース確保手段と、
前記通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記通信リソース確保手段によって確保された通信リソースを用いた前記コンテンツの送受信を制御する送受信制御手段と
して機能させることを特徴とする送受信制御プログラム。
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