JP2004153283A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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謙一 黒田
Toshifumi Takeda
敏文 竹田
Hisahiro Moriuchi
久裕 森内
Masaki Shirai
正喜 白井
Jiro Sakaguchi
治朗 坂口
Akinori Matsuo
章則 松尾
Seiji Yoshida
省史 吉田
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Abstract

【課題】 広く半導体集積回路装置に適用可能な不揮発性記憶素子を提供する。
【解決手段】 不揮発性記憶素子QEは、コントロールゲートを構成する第1の半導体領域と、ドレインを構成する第2の半導体領域と、ソースを構成する第3の半導体領域と、第1の半導体領域上に形成された第1絶縁膜7と、第1半導体領域に対してその一部が第1絶縁膜を介してオーバーラップするように形成され、不揮発性記憶素子のフローティングゲート電極8を構成する導電層とを有し、トンネル電流により書き込みまたは消去が行われる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体集積回路装置に関し、例えば、リードオンリーメモリセルを含むメモリマトリックスの欠陥救済技術に利用して有効な技術に関するものである。
マスクROMの欠陥救済や記憶データの変更にEPROM(イレーザブル&エレクトリカリ・リード・オンリー・メモリ)を用いる技術が公知である。そして、上記EPROMとして単層ポリシリコンゲート構造のものを用いる技術は、例えば1990年5月21日付『電子情報通信学会技術研究報告』Vol.90、No. 47、頁51〜頁53に記載がある。また、上記EPROMとして、2層ゲート構造のものを用いる技術は、例えば特開昭61−47671号公報に記載されている。
1990年5月21日付『電子情報通信学会技術研究報告』Vol.90、No. 47、頁51〜頁53 特開昭61−47671号公報
本願発明者においては、EPROMにおけるデータ保持特性の解析を行ったところ、次のような現象が在ることを発見した。図16には、異なる構造のEPROMのデータ保持特性がそれぞれ示されている。同図において、横軸は時間を示し、縦軸はしきい値電圧の変動率〔ΔVtht ÷ΔVth0 ×100〕%を示している。ここで、ΔVth0 は、書き込み時のしきい値電圧を示し、ΔVtht はt時間経過後のしきい値電圧を示している。また、温度300°Cの空気中に放置するという環境でのデータ保持特性を調べたものである。
図16において、特性Bの素子構造は単層ポリシリコンゲート構造のEPROMであり、特性Dは2層ゲート構造のEPROMである。本願発明者においては、この両者のEPROMのデータ保持特性の違いから、2層ゲート構造におけるコントロールゲートがバリアー層として作用してフローティングゲートに蓄積された情報電荷の減少を防止しているのではないかと推測した。
このことを確かめるために、上記単層ポリシリコンからなるフローティングゲートの上部全面にアルミニュウム層を設けた単層ポリシリコンゲート構造のEPROMを形成し、そのデータ保持特性を調べると特性Aのように大幅なデータ保持特性の改善が認められた。また、2層ゲート構造で素子の上部にプラズマ−CVD法により形成された酸化膜(P−SiO)を設けた場合には特性Cのような良好なデータ保持特性が得られることが判明した。上記酸化膜(P−SiO)は、2層アルミニュウム配線のための層間絶縁膜として形成されたものである。すなわち、第1層目のアルミュウム層はBPSG膜の上に形成され、その上に上記酸化膜(P−SiO)を介して第2層目のアルミニュウム層が形成される構造の2層ゲート構造のEPROMである。
上記のような素子構造とデータ保持特性の関係を注意深く解析した結果から、データ保持特性の改善を図った単層ゲート構造の不揮発性記憶素子とそれを用いた半導体集積回路装置に関するこの発明が成されるに至った。
この発明の目的は、広く半導体集積回路装置に適用可能な不揮発性記憶素子を提供することにある。この発明の他の目的は、製造が簡単で高い信頼性のもとに欠陥救済、機能変更又はトリミングが可能にされた半導体集積回路装置を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、不揮発性記憶素子は、コントロールゲートを構成する第1の半導体領域と、ドレインを構成する第2の半導体領域と、ソースを構成する第3の半導体領域と、第1の半導体領域上に形成された第1絶縁膜と、第1半導体領域に対してその一部が第1絶縁膜を介してオーバーラップするように形成され、不揮発性記憶素子のフローティングゲート電極を構成する導電層とを有し、トンネル電流により書き込みまたは消去が行われる。
広く半導体集積回路装置に適用可能な不揮発性記憶素子が可能になる。
図1には、この発明に係る不揮発性記憶素子を説明するための製造工程断面図が、同時に形成されるNチャンネルMOSFETとPチャンネルMOSFETとともに示されている。なお、この明細書において、MOSFETは絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)の意味で用いている。
図1の(A)ないし(D)において、左側から1層ポリシリコンゲート構造の不揮発性記憶素子QE、NチャンネルMOSFETQN、PチャンネルMOSFETQPが示されている。NチャンネルMOSFETQN及びPチャンネルMOSFETQPは、上記不揮発性記憶素子QEのアドレス選択回路等の周辺回路や、この発明に係るEPROMと同じ半導体基板上に形成される他のメモリ回路やディジタル回路を構成するために用いられる。また、不揮発性記憶素子QEは、ソースとドレインに対して左側が垂直方向、右側が平行方向の断面図を示している。
図1(A)において、P型半導体基板1の一主面にP型ウェル2とN型ウェル102とが公知の手段により形成される。次いで、公知の手段により厚い厚さのフィールド絶縁膜3と、その下部に同図で点線で示されたPチャンネルストッパー4とが形成される。
図1(B)において、不揮発性記憶素子QEのコントロールゲートとなるべきN型拡散層6が形成される。このN型拡散層6は、特に制限されないが、イオン注入法により絶縁膜5を介してリンが加速エネルギー80Kevで1×1014cm-2程度注入された後、窒素中に1%程度の酸素を含んだ雰囲気で950°Cの温度で30分程度の熱処理が行われることによって形成される。もちろん、不純物は砒素のみ、あるいは砒素とリンの両方を使用してもよい。また、基本的には熱処理を行う必要はないが、イオン注入によりダメージを受けた半導体基板1のダメージ回復には、上記熱処理を行った方がよい。
次に、上記イオン注入によりダメージを受けた絶縁膜5が除去された後、熱酸化法により清浄なゲート絶縁膜7が形成される。このとき、N型拡散層6の上部のゲート絶縁膜7の膜厚は、N型拡散層6の無い領域に比べて、1ないし2割程度厚く形成される。
そして、不揮発性記憶素子QEのフローティングゲート、NチャンネルMOSFETQNとPチャンネルMOSFETQPのゲート電極となる導体層8が形成される。この導体層8は、多結晶シリコン(ポリシリコン)膜あるいは多結晶シリコン膜の上部にシリサイド膜を積層したポリサイド膜により構成される。
図1(C)に示すように、N型拡散層9と10、P型拡散層109が形成される。N型拡散層9はイオン注入法により、リンが加速エネルギー50Kevで2×1013cm-2程度注入されることにより形成される。N型拡散層10はイオン注入法により、リンが加速エネルギー50Kevで5×1015cm-2程度注入されることにより形成される。P型拡散層109はイオン注入法により、ボロンが加速エネルギー15Kevで1×1013cm-2程度注入されることにより形成される。
次に、全面にCVD絶縁膜が形成された後に、異方性エッチングによりサイドウォール11が形成される。そして、N型拡散層12とP型拡散層112が形成される。N型拡散層12はイオン注入法により、砒素が加速エネルギー80Kevで5×1015cm-2程度注入されることにより形成される。P型拡散層112はイオン注入法により、ボロンが加速エネルギー15Kevで2×1015cm-2程度注入されることにより形成される。この実施例においては、N型拡散層10をサイドウォール11の形成前に形成するよう説明したが、サイドウォール11を形成した後に形成するようにしてもよい。また、P型拡散層109の製造工程を省略し、サイドウォール11の形成前にP型拡散層112が形成されるようにしてもよい。この場合には、N型拡散層9が、マクスを用いずに全面にイオン注入することよって形成できる。
図1(D)において、不揮発性記憶素子QEは、コントロールゲートを拡散層6と10、フローティングゲート8、ゲート絶縁膜7、コントロールゲートとフローティングゲートの間の層間絶縁膜7、ソースとドレインをN型拡散層10により構成された1層ゲート構造にされる。ソースとドレインとをN型拡散層10により構成したのは、書き込み特性を向上するためのである。
N型拡散層10は、入出力を構成するNチャンネルMOSFETQNのソースとドレインと同一構成である。NチャンネルMOSFETQNは、ゲート電極8、ゲート絶縁膜7、及びソースとドレインがN型拡散層9と12により構成された、いわゆるLDD構造にされる。PチャンネルMOSFETQPは、ゲート電極8、ゲート絶縁膜7、及びソースとドレインがP型拡散層109と112により構成された、いわゆるLDD構造にされる。
それぞれの素子は、フィールド絶縁膜3とP型チャンネルストッパー4とにより分離されている。各素子は、絶縁膜13に開けられたコンタクトホールを介してアルミニュウムからなる配線15により接続される。上記不揮発性素子QEのコントロールゲートであるN型拡散層6と10は、配線15でシャントして寄生抵抗を減らしている。すなわち、配線15がワード線を構成し、各不揮発性記憶素子のコントロールゲートと接続される。N型拡散層10は、配線15とのオーミックコンタクトを良好にするために設けられる。
この実施例では、このような1層ゲート構造の不揮発性記憶素子QEのデータ保持特性を改善するために、絶縁膜13を介して上記フローティングゲート8の全面を覆うアルミニュウム層15がバリアー層として形成される。絶縁膜13は、PSG膜又はBPSG膜により構成される。特に制限されないが、上記絶縁膜13を介してフローティングゲートの全面を覆うよう形成されるバリアー層としてのアルミニュウム層15は、上記不揮発性記憶素子QEのコントロールゲートが接続されるワード線と一体的に構成される。
なお、この実施例の不揮発性記憶素子QEが、後述するようなマスクROMの欠陥救済に用いられる場合、上記NチャンネルMOSFETQNは記憶素子と類似の構造にされる。だだし、図1(A)において、マスクROMが形成される部分には、イオン注入法によりN型不純物が導入され、そこに形成されるNチャンネルMOSFETをディプレッション型にして置くものである。
図4には、上記不揮発性記憶素子QEの一実施例の素子パターン図が示されている。コントロールゲートであるN型拡散層6は、コトタクトホール14を介して同図で点線により示されたアルミニュウム層15からなるワード線WLに接続される。このアルミニュウム層15は、フローティングゲート8のバリアー層としても用いるようにするため、同図に破線によりハッチングが行われたフローティングゲート8の全面を覆うように、フローティングゲート8に沿って右方向に延びるよう形成される。
同図には、一点鎖線a−bに対して上下対称的に2つのメモリセルが示されている。すなわち、上側の不揮発性記憶素子QEのドレインは、コントクトホール14を介してアルミニュウム層15に接続される。このアルミニュウム層15は、コンタクトホール14を介して左右に延びるポリシリコン層からなるデータ線DLに接続される。また、不揮発性記憶素子QEのソースを構成するN型拡散層10は、下側の不揮発性記憶素子QEのソースと一体的に構成されて、上記バリアー層を構成するアルミニュウム層15やドレインをポリシリコン層からなるワード線に接続するアルミニュウム層と交差しない領域まで上記中心線a−bに沿って右方向に延び、そこに形成されたコンタクトホール14を介して縦方向に、言い換えるならば、ワード線と平行に延長されるアルミニュウム層からなるソース線SLに接続される。
この実施例の単層ゲート構造の不揮発性記憶素子QEは、そのフローティングゲートの上部の全面を覆うように形成されたアルミュウム層からるバリアー層が設けられる。この実施例では、後述するようなラジカルな水素の拡散によるフローティングゲートへの注入を防ぐために、フローティングゲート8のサイズを越えるよう余裕を持った大きなサイズのバリアー層とされる。
前記図16に示したデータ保持特性から、次のようなことが推測される。特性Bに比べて特性Dはデータ保持特性の改善が見られる。両者の後続的相違は、特性Bが単層ゲート構造なのに対して特性Dは2層ゲート構造である。本願発明者は、このことから、2層ゲート構造におけるコントロールゲートがフローティングゲートに浸入して保持電荷を消滅される要因を防止している作用を持つのではないかと推測した。このことを確かめるために、単層ゲート構造におけるフローティングゲート上に、バリアー層として図1(D)又は図4に示すようなアルミニュウム層を設けた素子を形成した。そして、そのデータ保持特性は特性Aに示すように大幅な保持特性の改善が認められる。
上記フローティングゲートに蓄積された情報電荷を失わせる要因の一つが、ファイナルパッシベーション膜からのラジカルな水素であると推測したのは、次のような理由からである。すなわち、図16では省略されいてるが、ファイナルパッシベーション膜としてプラズマナイトライド(P−SiN)膜を用いた場合に、CVD酸化(PSG)膜を用いた場合に比べてデータ保持特性が悪いことが認められた。両者の相違は、ラジカルな水素量に大きな差がある。そして、バリアー層としてのアルミニュウム層は、それ自体が多量の水素を含みラジカルな水素をせき止めるダムの役割を果たして、フローティングゲートへの水素の拡散を防止するものとの結論を得た。
また、バリアー層としてはポリシリコン層であってもよい。ポリシリコン層も水素を包含し易い性質を持ち、それがフローティングゲートとして用いられるときには、ファイナルパッシベーション膜から拡散してきた水素を捕獲し、情報電荷を失ってしまう。このことを逆に利用し、フローティングゲートの上に、バリアー層としてポリシリコン層を設ける。このバリアー層としてのポリシリコン層は、上記ファイナルパッシベーション膜から拡散されるラジカルな水素を先に捕獲して取り込むようになり、その下層に設けられるフローティングゲートへの拡散を防止するように作用する。この結果、前記アルミニュウム層の場合と同様に上記バリアー層としてのポリシリコン層がラジカルな水素に対していわばダムの役割を果たしてフローティングゲートへの浸入を防止するものとなる。
以上の現象は、あくまでも推測であるが、前記図16に示したデータ保持特性から明らかなように上記のようなバリアー層を設けることにより単層ゲート構造の不揮発性記憶素子のデータ保持特性の明らかな改善が認められる。
なお、上記ファイナルパッシベーション膜としてプラズマナイトライド(P−SiN)を用いた場合には、安価で紫外線を透過させないプラスチックパッケージを利用することができる。それ故、この実施例のようなバリアー層を設けることにより、データ保持特性の改善を図りつつ、安価なパッケージを用いた半導体集積回路装置を得ることができる。
図2には、この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例の素子構造断面図が示されている。この実施例は、不揮発性記憶素子が設けられる半導体集積回路装置が2層のアルミュウム配線を用いる場合に向けられている。すなわち、図1(D)のように、第1層目のアルミニュウム層15をバリアー層として利用することに代え、このアルミニュウム層15の上に形成される層間絶縁膜16の上に形成される第2層目のアルミニュウム層17をポリシリコン層8からなるフローティングゲート上の全面を覆うように形成する。この場合、この第2層目のアルミニュウム層17をワード線として利用する場合、層間絶縁膜13、16に設けられたコンタクトホール14と第1層目のアルミニュウム層15とを用いて不揮発性記憶素子QEの拡散層6,10からなるコントロールゲートに接続される。
図示しないが、第1層目のアルミニュウム層15をワード線として用いる場合、上記バリアー層として形成される第2層目のアルミニュウム層17は、電気的にはフローティング状態にして単にフローティングゲート8の上を覆うように形成される。
また、上記のような2層のアルミニュウム層が形成される場合、上記第2層目のアルミニュウム層をワード線として用い、第1層目のアルミニュウム層をデータ線として用いる構成、あるいはこれとは逆に、第1層目のアルミニュウム層をワード線として用い、第2層目のアルミニュウム層をデータ線として用いるものであってもよい。あるいは、上記2つのアルミニュウム層により共通ソース線や後述するサブワード線として用いるものであってもよい。
なお、同図にはNチャンネルMOSFETとPチャンネルMOSFETも合わせて描かれている。このNチャンネルMOSFET及びPチャンネルMOSFETは、前記図1(D)と同様であるので、その説明を省略する。
図3には、この発明に係る不揮発性記憶素子の更に他の一実施例の素子構造断面図が示されている。図16の特性図において、特性Cは2層ゲート構造の不揮発性記憶素子で、かつ2層のアルミニュウム配線とするために、第1層目のアルミニュウム層と第2層目のアルミニュウム層の間に設けられる層間絶縁膜として、プラズマ−CVD法により形成された酸化膜(P−SiO)が配置されている。
そして、同じ2層ゲート構造でも上記酸化膜(P−SiO)を持たない不揮発性記憶素子の特性Dに比べて格段に良好なデータ保持特性が得られることから、本願発明者にあっては上記酸化膜(P−SiO)そのものも前記ラジカルな水素の拡散を防ぐ作用を持つことに気付いた。すなわち、酸化膜(P−SiO)は、モノシラン(SiH4 )+酸化窒素(N2 O)を原料ガスとして、プラズマ反応室に導いて付着させるものであり、ラジカルな水素量そのものが少なく、拡散されたラジカルな水素を吸収してしまうという作用を持つものと推測される。
このことから、同図の実施例では、第1層目の層間絶縁膜13をPSG膜又はBPSG膜により構成し、第2層目の層間絶縁膜16を上記酸化膜(P−SiO)で構成し、ファイナルパッシベーション膜18として、前記プラズマナイトライド膜(P−SiN)を用いるものである。
このような層間絶縁膜の構成は、上記図3に示した2層アルミニュウム配線と同じである。それ故、層間絶縁膜(PSG又はBPSG)13の上には、第1層目のアルミニュウム層15がワード線等を構成し、図示しないが、層間絶縁膜(P−SiO)16の上には第2層目のアルミニュウム層がデータ線や共通ソース線或いは他の配線として形成されてもよい。
また、図2の実施例において、層間絶縁膜16として、上記プラズマ−CVD法により形成された酸化膜(P−SiO)を用いれば、バリアー層が酸化膜(P−SiO)とアルミニュウム層の二重にできるから図16の特性Cに匹敵するような良好なデータ保持特性が得られるものと推測できる。
以下、上記のような単層ゲート構造の不揮発性記憶素子が用いられたマスクROMの欠陥救済回路について説明する。
図6には、この発明が適用されたマスクROMの一実施例のブロック図が示されている。メモリマットMR−MATは、マスクROM用メモリ素子がマトリックス配置されて構成される。メモリマットPR−MATは、前記のような単層ゲート構造の不揮発性記憶素子がマトリックス配置された構成され、上記欠陥データの救済用に用いられる。
メモリマットMR−MATは、公知のマスクROMと同様にワード線とデータの各交点にメモリ素子が配置され、上記メモリ素子のゲートはワード線に、ドレインはデータ線に、ソースは回路の接地線に接続される。
このメモリマットMR−MATのワード線は、Xデコーダ回路XDCにより選択される。Xデコーダ回路XDCは、X系のアドレス信号Ai+1 〜An を受けるアドレスバッファADBにより形成された相補の内部アドレス信号を解読し、上記メモリマットMR−MATの1本のワード線を選択動作する。
上記メモリマットMR−MATのデータ線は、カラムスイッチゲートMR−YGTによりコモンデータ線に接続される。カラムスイッチゲートMR−YGTは、Y系のアドレス信号A0 〜Ai を受けるアドレスバッファADBにより形成された、相補の内部アドレス信号を解読するYデコーダ回路YDCにより形成されたデコード信号に従い、上記メモリマットMR−MAT内から各出力マット毎に1本のデータ線をコモンデータ線に接続動作する。
上記コモンデータ線は、センスアンプ回路MR−SAMの入力端子に接続されている。センスアンプ回路MR−SAMは、選択されたワード線とデータ線の交点にあるメモリ素子から読み出された記憶情報の増幅を行う。
メモリマットPR−MATは、前記のような単層ゲート構造の不揮発性記憶素子が、ワード線とデータ線との各交点に配置されてなり、メモリマットMR−MATにおける欠陥データに対する冗長回路として用いられる。不揮発性記憶素子のコントロールゲートは、ワード線に接続され、ドレインはデータ線に接続され、ソースは回路の接地線に接続される。この冗長メモリマットPR−MATのワード線は、後述する救済アドレス記憶回路PR−ADDにより形成される冗長ワード線選択信号が供給される。
冗長メモリマットPR−MATのデータ線は、書き込みデータ入力回路PR−PGT及びカラムスイッチゲートPR−YGTに接続される。書き込みデータ入力回路PR−PGCは、Y系のアドレス信号A0 〜Ai を受けるアドレスバッファADBにより形成された相補の内部アドレス信号と、書き込みデータ入力DIを受ける入力バッファDIBで形成されたデータ信号により、上記冗長メモリマットPR−MAT内の1本のデータ線に書き込み信号を伝える動作を行う。
上記カラムスイッチゲートPR−YGTは、上記Y系のアドレス信号A0 〜Ai を受けるアドレスバッファADBにより形成された相補の内部アドレス信号を解読するYデコーダPR−YDCの出力信号に従い、冗長メモリマットPR−MATの各出力マット毎に1本のデータ線をコモンデータ線に接続動作する。コモンデータ線は、センスアンプ回路PR−SAMの入力端子に接続される。センスアンプ回路PR−SAMは、読み出しモードのときに選択されたワード線とデータ線の交点にあるメモリセル(不揮発性記憶素子)から読み出された記憶情報の増幅を行う。
このセンスアンプ回路PR−SAMの出力信号は、センスアンプ切り換えを行うマルチプレクサ回路MPXに入力される。このマルチプレクサ回路MPXは、マスクROM用のセンスアンプ回路MR−SAMの出力信号又は上記冗長用のメモリマットPR−MAT用のセンスアンプ回路PR−SAMの出力信号のいずれかを選択して出力バッファDOBに伝える。出力バッファDOBは、マルチプレクサ回路MPXを通して伝えられた読み出しデータを出力端子DO0 〜DOm から送出する。
特に制限されないが、この実施例では、救済アドレスを記憶するのに、上記不揮発性記憶素子を用いている。救済アドレスの記憶方法は、X系アドレス信号Ai+1 〜An を受けるアドレスバッファ回路ADBで形成されたアドレス信号を救済アドレス選択回路RASにより、書き込みデータに変換し、救済アドレス記憶回路PR−ADDに配置された不揮発性記憶素子に記憶させる。特に制限されないが、救済アドレス記憶回路PR−ADDには、複数の救済ワード線の記憶が可能とされる。これら複数の救済ワード線は、救済アドレス記憶位置の変換をY系アドレス信号A0 〜Ai を受けるアドレスバッファ回路ADBにより形成された相補アドレス信号を解読する冗長ワード線選択回路RASTにて割り当てられる。
救済アドレス記憶回路PR−ADDは、救済アドレスの記憶とともに、書き込まれたアドレスのワード線選択信号/RWS1 〜/RWSp を形成し、冗長メモリマットPR−MATのワード線選択動作を行う。また、マルチプレクサ回路MPXの出力切り換え相補信号RSDA、/RSDAを形成する。本明細書においては、ロウレベルをアクティブレベルとする論理記号のオーバーバーを/に置き換えて表している。
制御回路CONTは、本半導体集積回路装置を活性化するためのチップイネーブル信号CEと、読み出し時の出力バッファ制御を行うアウトプットイネーブル信号/OEとを受け、各回路ブロック活性化信号/ce、センスアンプ回路MR−SAMの活性化信号/sac、出力バッファ回路DOBの活性化信号/docを形成するとともに、冗長用にに配置された不揮発性記憶素子(PR−MAT、PR−ADD)の書き込み用高電圧端子Vpp、特に制限されないが、書き込み制御を行うライトイネーブル信号/WEを受けて、内部書き込み制御信号/we、救済アドレス記憶用書き込み信号RS、RWNS等を形成する。
図7には、上記冗長ワード線選択回路RASTの一実施例の回路図が示されている。Y系のアドレス信号A0 〜Ah (h≦i)を受けるアドレスバッファ回路ADBにより形成された相補アドレス信号a0 ,/a0 〜ah ,/ah を受け、救済アドレス記憶回路PR−ADDの記憶用素子への書き込み時に活性化される信号RWNSにより、記憶位置の割り当て信号AST1 〜ASTj が形成される。例えば、3ビットのアドレス信号A0 〜A2 を用いると、8通りの記憶位置の割り当て信号AST1 〜AST8 を形成することができる。これにより、メモリマットMR−MATの最大8本までの欠陥ビットが存在するワード線を、冗長用メモリマットPR−MATの記憶セルに置き換えることができる。それ故、上記のような救済アドレス記憶回路PR−ADDを用いた場合には、冗長用メモリマットPR−MATには、上記8本分ワード線に対応した不揮発性記憶素子がマトリックス配置される。
図8には、上記救済アドレス選択回路RASの一実施例の回路図が示されている。救済アドレス選択回路RASは、X系アドレス信号Ai+1 〜An をそれぞれ受けるアドレスバッファ回路ADBにより形成された上記各アドレス信号ai+1 〜an を受け、救済アドレス記憶回路PR−ADDの不揮発性記憶素子への書き込み時に活性化される信号RWNSにより、入力されたアドレス信号ai+1 〜an が書き込みデータRAWai+1 〜RAWan として、救済アドレス記憶回路PR−ADDに伝えられる。記憶された救済アドレスと、X系アドレス信号Ai+1 〜An との比較を行うためのアドレス信号Cai+1 〜Can が、先に割り当てられた救済アドレス記憶部にてそれぞれ形成される。
図9には、救済アドレス記憶回路PR−ADDの一実施例の回路図が示されている。救済アドレス記憶用書き込み信号RSが、記憶素子として配置された前記のような単層ゲート構造の不揮発性記憶素子が結合されたワード線に伝えられるとともに、救済アドレス選択回路RASにて形成された記憶アドレスデータRAWai+1 〜RAWan がデータ線に伝えられることにより、メモリ素子への書き込みが行われる。
救済アドレスを記憶したメモリ素子が接続されたデータ線は、センスアンプSAの入力端子に接続されおり、読み出し動作のときにはセンスアンプSAにより増幅される。この実施例では、特に制限されないが、救済アドレス記憶用のメモリ素子として上記救済アドレスの他に、1ビットのメモリ素子が余分に設けられる。この1ビットのメモリ素子に“1”情報又は“0”情報の任意のデータを記憶させることにより、救済アドレスの記憶が行われているか否かの確認と、上記センスアンプSAの活性化信号及び救済アドレス選択回路RASのアドレス比較信号Cai+1 〜Can 形成用の活性化信号/RS1 〜/RSp が形成される。
救済アドレスを記憶したメモリ素子の読み出しが行われると、上記センスアンプSAの各出力信号は、上記アドレス比較信号Cai+1 〜Can との一致/不一致確認のために排他的論理和回路に入力される。この排他的論理和回路の出力は、上記センスアンプSAの出力と上記アドレス比較信号Cai+1 〜Can とが一致した場合に“0”となり、不一致の場合には“1”になる。救済アドレス記憶用のメモリ素子の全データが一致した場合、冗長ワード線選択信号RWS1 〜RWSp のいずれかを選択信号として活性化する。さらに、上記冗長ワード線選択信号RWS1 〜RWSp のいずれか1本が選択された場合、冗長用メモリマットPR−MATに設けられたセンスアンプ回路PR−SAMの活性化、及びマルチプレクサMPXに供給される切り換え信号RSAD,/RSADが形成される。
図10には、書き込みデータ入力回路PR−PGCの一実施例の回路図が示されている。Y系のアドレス信号A0 〜Ai を受けるアドレスバッファ回路ADBにて形成された相補の内部アドレス信号a0 ,/a0 〜ai ,/ai とデータData を解読し、書き込み信号weにより冗長用のメモリマットPR−MATの各データ線に書き込みデータDy0 〜Dyk を供給する。
図11には、冗長用のYデコーダ回路PR−YDCの一実施例の回路図が示されている。冗長用のYデコーダ回路PR−YDCは、Y系のアドレス信号A0 〜Ai を受けるアドレスバッファ回路ADBにて形成された相補の内部アドレス信号a0 ,/a0 〜ai ,/ai を解読してカラムスイッチゲートPR−YGTに供給されるカラム選択信号y0 〜yk を形成する。
図12には、冗長用のメモリマットPR−MATとカラムスイッチゲートPR−YGT及びセンスアンプ回路PR−SAMの一実施例の回路図が示されている。
図13には、上記マルチプレクサMPXの一実施例の回路図が示されている。この実施例では、3状態出力機能を持つクロックドインバータ回路が用いられる。反転の切り換え信号RSDAが活性化されると、マスクROMを構成するメモリマットMR−MATにより選択されたメモリ素子の読み出し信号を受けるクロックドインバータ回路が活性化されて、それを出力バッファ回路DOBに伝える。非反転の切り換え信号RSDAが活性化されると、冗長用のメモリマットPR−MATにより選択されたメモリ素子の読み出し信号を受けるクロックドインバータ回路が活性化されて、それを出力バッファ回路DOBに伝える。すなわち、メモリマットMR−MATに存在する欠陥ビットを含む読み出しデータに代えて、冗長用のメモリマットPR−MATに記憶された正しいデータが出力される。
図14には、この発明が適用されたマスクROMの他の一実施例の回路図が示されている。この実施例のマスクROMは、Nチャンネル型の記憶用MOSFETの直列回路が複数から構成される。上記各記憶用MOSFETQmは、記憶情報に従ってディプレッション型かエンハンスメント型かに形成される。このようなメモリ素子への記憶情報の書き込みは、前記説明したようにイオン注入法により行われる。同図において、上記ディプレッション型のMOSFETは、そのチャンネル部分に直線が付加されることにより、エンハンスメント型のMOSFETと区別される。
代表として例示的に示されている1つのデータ線D1に対応した直列回路は、カラム選択用のMOSFETT1,T2等とデータ記憶用の記憶MOSFETQ1〜Q3等から構成される。これと隣接し、代表として例示的に示されている他のデータ線D2に対応した直列回路は、カラム選択用のMOSFETT3,T4にはデータ記憶用の記憶MOSFETQ4〜Q6等が接続される。
例えば、例示的に示されているカラム選択用のMOSFETT1とT4はディプレッション型MOSFETに、T2とT3はエンハンスメント型MOSFETによりそれぞれ構成され、同図では省略された他の直列MOSFETがオン状態のとき、カラムセレクタによりT1,T3のゲートに供給される選択信号がロウレベルで、T2とT4のゲートに供給される選択信号がハイレベルのときには、T1とT2が共にオン状態となってデータ線D1に直列形態の記憶MOSFETQ1〜Q3等が接続される。また、カラムセレクタによりT1,T3のゲートに供給される選択信号がハイレベルで、T2とT4のゲートに供給される選択信号がロウレベルのときには、T3とT4が共にオン状態となってデータ線D2に直列形態の記憶MOSFETQ4〜Q6等が接続される。それ故、図示しないが、同図の各データ線D1,D2等に対して、複数からなる直列回路を並列に設けることが可能になる。
メモリアレイの各直列形態の記憶用MOSFETのうち、横方向に対応する記憶用MOSFETQmのゲートは、代表として例示的に示されているワード線W1、W2、W3等にそれぞれ共通に接続される。これらワード線W1〜W3は、Xデコーダの対応する各出力端子に接続される。
上記データ線D1,D2等は、Yデコーダを介して共通データ線CDに接続される。同図のYデコーダは、Yデコーダそのものと、その選択信号によりスイッチ制御さるスイッチ素子からなるカラムスイッチ回路とを合わせて示している。
共通データ線CDにはセンスアンプSAの入力端子に接続される。センスアンプSAは、基準電圧発生回路VRFにより形成された基準電圧を参照して、選択されたメモリセルの読み出し信号のハイレベルとロウレベルをセンス増幅する。
特に制限されないが、上記センスアンプSAの基準電圧として、上記メモリアレイ部と同様な記憶回路からなるダミーアレイによりそれぞれ形成される基準電圧を参照してそのセンス動作を行せるようにしてもよい。ダミーアレイは、記憶用MOSFETQmが全てエンハスメント型MOSFETにより構成され、そのゲートには定常的に電源電圧Vccが供給されることによって定常的にオン状態にされたものを利用できる。
この実施例における縦型ROMのアドレス選択動作を次に説明する。Xデコーダは、ロウアドレスバッファから供給される内部アドレス信号を解読して、選択レベルをロウレベルとし、非選択レベルをハイレベルとするデコード出力を形成する。例えば、ワード線の数が512本の場合、選択された1つのワード線をロウレベルに、他の残り511本のワード線を全てハイレベルにする。これによって、選択されたワード線に結合される記憶MOSFETがディプレッション型なら直列回路に電流パスが形成され、エンハンスメント型なら電流パスが形成されない。
YデコーダYDCRは、アドレスバッファを通して供給される内部アドレス信号を解読して、例えば512本の1本のデータ線を選んで共通データ線CDに接続させる。これによって、選択された1つのデータ線に対応した1つの読み出し信号がセンスアンプSAにより増幅させる。読み出しデータとして、8ビット又は16ビットのような複数ビットの単位で読み出す場合、上記同様なメモリアレイを8又は16個設けるか、あるいはYデコーダにより8本又は16本のデータ線を同時に選択し、それぞれに対応してセンスアンプ及び出力回路を設けるようにすればよい。
このような縦型ROMの欠陥救済のために、前記のような不揮発性記憶素子が用いられる。この不揮発性記憶素子を用いた救済アドレス記憶回路及び冗長用メモリマットは、前記図6等に示した回路を用いることができる。
図15には、冗長用メモリマットとその周辺回路の他の一実施例の回路図が示されている。同図の各素子に付された回路記号が、前記図14に示した素子と一部重複しているが、それぞれは別個のものであると理解されたい。
同図には、1本のワード線W1とそれに接続された複数の記憶素子Qmが代表として例示的に示されている。ワード線W1の選択回路は、レシオ型論理回路により構成される。すなわち、ナンドゲート回路Gにより形成された選択信号は、Nチャンネル駆動MOSFETQ1のゲートに供給される。このMOSFETQ1のソースは回路の接地電位に接続され、ドレイン側と電源電圧Vccとの間にはCMOSインバータ回路Nにより反転された選択信号を受けるNチャンネルMOSFETQ2が設けられる。上記駆動MOSFETQ1のドレイン出力は、ゲートに書き込み制御信号/WEが供給されたディプレッション型MOSFETQ3を介してワード線W1に接続される。ワード線W1にはディプレッション型の負荷MOSFETQ4が設けられる。このディプレッション型負荷MOSFETQ4が接続される電源端子には、書き込み動作のときには高電圧Vppが供給され、読み出し動作のときには5Vのような低い電源電圧Vccが供給される。
この実施例では、記憶素子Qmの書き込み動作のとき、非選択のワード線に設けられる記憶素子において、データ線の書き込みハイレベルによりフローティングゲートの電位が高くされることに応じてチャンネルにリーク電流が流れることを防止するために、ワード線に対応した記憶MOSFETQmのソースは共通ソース線S1に接続され、このソース線にはスイッチMOSFETQ7を介して接地電位が与えられる。
この実施例では、上記のようにレシオ型の論理回路により形成されるため、それに対応したワード線が非選択状態のときMOSFETQ1,Q3と負荷MOSFETQ4とのコンダクタンス比に従って接地電位より高いレベルにされ、上記MOSFETQ7を確実にオフ状態にさせることができない。すなわち、書き込み動作のときには、書き込み制御信号/WEがロウレベルになっており、ゲート回路Gの出力信号がハイレベルの非選択状態ときには、MOSFETQ1がオン状態になって、ワード線を回路の接地電位側のロウレベルにするが、そのレベルは上記負荷MOSFETQ4のコンダクタンスとMOSFETQ3とQ1の合成コンダクタンスとの比に従って接地電位より持ち上がってしまう。
そこで、CMOSインバータ回路N1の出力信号が供給されるサブワード線SW1を設け、上記スイッチMOSFETQ7のゲートにワード線W1に対応した選択信号を供給するものである。この構成では、ワード線W1が非選択状態になるときにはCMOSインバータ回路Nの出力信号が接地電位のようなロウレベルになり、上記スイッチMOSFETQ7を確実にオフ状態にすることができる。
これにより、ワード線W1がロウレベルのような非選択状態ときに、データ線D1〜D16等にハイレベルが供給されることによって、図示しない他のワード線に結合される記憶素子Qmへの書き込み動作のときに、書き込みが行われない非選択のワード線W1に設けられる記憶MOSFETQmにリーク電流が流れることを防止することができる。このように非選択の記憶素子Qmにチャンネル電流が流れないので、MOSFETの耐圧も向上する。これはチャンネル電流が流れる時のMOS耐圧はソースと基板とドレインで構成される寄生バイポーラ動作によるものであり、チャンネル電流が流れない時の表面ブレークダウンによるMOS耐圧よりも低いためである。
なお、ワード線の選択信号を形成するワードドライバーをCMOS回路により構成した場合には、ワード線W1によりスイッチMOSFETQ7のスイッチ制御を行う構成としてもよい。この場合には、書き込み動作時のワード線の電位が高電圧Vppのように高くされるから、スイッチMOSFETQ7はそれに応じて高耐圧化する必要がある。
この実施例では、書き込み時間の短縮化のために、代表として例示的に示されているデータ線D1のように、ラッチ回路FFを持つ書き込み回路WAが全てのデータ線D2〜D16・・・等に設けられる。記憶素子Qmは、前記図1(D)や図4に示したような単層ゲート構造の不揮発性記憶素子から構成される。それ故、そのサイズは2層ゲート構造の不揮発性記憶素子に比べてその占有面積が大きく形成される。それ故、データ線相互のピッチが比較的大きくなり、メモリマットのデータ線ピッチを犠牲にすることなく、上記のような書き込み回路WAを各データ線に設けることが可能になる。
このように各データ線に書き込み回路WAを設ける構成では、2ステップからなる書き込み動作が行われる。すなわち、第1ステップの書き込み動作は、上記ラッチ回路FFに書き込みデータを記憶させる動作である。このときには、データ入力回路DIBを通し入力されたデータは、カラムスイッチCWを介して順次データ線を選択し、それに設けられるラッチ回路FFへのデータ転送が行われる。このようにして、1つのワード線に対応した全データ線又は所定の複数のデータ線に対応したラッチ回路FFへのデータ転送が終了すると、第2ステップの書き込み動作が開始される。この第2ステップの書き込み動作は、選択ワード線の電位をワード線を書き込み高電圧にしておいて、各書き込み回路WAのラッチ回路FFに取り込まれたデータにに従いデータ線D1に書き込み高電圧を供給するスイッチMOSFETQ6のスイッチ制御を行い、記憶素子Qmのフローティングゲートに電荷の注入を行う。
この場合には、上記のように複数の記憶素子に対して一斉に書き込み電流が流れるため、書き込み電流が膨大になってしまうのを防ぐ意味でも上記のようなリーク電流の防止回路を設けることが必要になるものである。
また、上記のように複数からなる記憶素子Qmに対して一斉に書き込み動作を行う場合には、フローティングゲートに電荷の注入が行われる記憶素子Qmには比較的大きな電流が流れるからソース線S1には大電流が流れてマイグレーションによる配線の断線を防止する必要が生じる。このようなマイグレーションによる断線を防ぐためにソース線の配線幅を太してもよい。しかし、高集積化のためには、配線幅を太くするのは得策ではない。そこで、ソース線S1の一定間隔毎にスイッチMOSFETQ7を複数個設け、書き込み電流を分散させることにより、上記ソース線をそれ程太く形成することなく上記のようなマイグレーションによる断線防止が可能になる。
以上の書き込み動作は、特に制限されないが、半導体ウェハ上に回路が完成された時のプロービング工程により行われる。すなわち、プロービング工程において、マスクROMの読み出し試験を行い、その検査結果から不良ビットを検出して救済アドレスの書き込みと、救済アドレスに対応した記憶データの書き込みが行われる。欠陥救済を行う場合、このようにプロービング工程において書き込みを行うようにすることによって、マスクROMが完成された時点では、上記救済アドレスやそれに対応したデータの書き込みために特別の制御端子が不要になる。
なお、ユーザーにおいてデータの変更や修正を行うようにする場合には、半導体集積回路装置が完成された後に書き込みを行う必要があるから、適当な外部端子を設けるか、あるいは高電圧入力を含む3値入力回路を設けて、1つの端子を多重化して使うようにすればよい。
また、データ線に与えられる書き込み電圧は、電源電圧Vccから高電圧Vppに切り換えるのではなく、通常約5Vの電源電圧VccをMOSFETの耐圧の許容範囲で約7V〜8V程度に高くして同図に示すような電圧(Vcc’)にするものであってもよい。この場合には、書き込み系のMOSFETQ6,Q5を高耐圧化する必要がないから製造工程の簡略化が可能になる。そして、高電圧Vppをワード線の書き込み時の選択レベルとしてのみ用いる場合には、高電圧端子Vppから直流電流が流れなくできるから高電圧Vppを比較的簡単な内部昇圧回路により形成できる。
なお、書き込み時にデータ線に与えられる書き込み電圧が上記のように7〜8V程度と比較的低いと、書き込み時間が比較的長くされる。しかし、この実施例のように1層ゲート構造の不揮発接続性記憶素子を欠陥救済や機能変更等に用いる場合には、その書き込みデータ数は比較的少なくてよいから、単位の書き込み時間が多少長くなっても大きな問題になることはない。
上記のように1層ゲート構造の不揮発性記憶素子の書き込み動作において、そのドレインに与えられる高電圧を電源電圧VccをVcc’のように高くする方法は、上記図15の実施例のようにラッチ回路FFを用いた書き込み回路WAを利用するもの他、パッドや外部端子あるいはアドレス端子等のような他の端子と共用された外部端子からデータを入力する場合にも利用できることはいうまでもない。
図5には、上記のようなサブワード線を設けた構成の記憶素子の一実施例のパターン図が示されている。この実施例では、ソース線SLに平行にソース線SLと同じアルミニュウム層からなるサブワード線SWを配置するものである。このようにサブワード線SWを配置する構成では、その分記憶セルのサイズが大きくなるから、それを防ぐためにソース拡散層が小さく形成され、それに延びるようにソース線配線が形成される。
図17ないし図23には、この発明の他の一実施例が示されている。これらの実施例では、フローティングゲートの上部を覆うバリアー層からフローティングゲートの一部が露出した構成となっている。すなわち、バリアー層はフローティングゲート上の全面を覆うのではなく、その一部を覆う構造になっている。
先に述べたように、データ保持特性を改善するにはフローティングゲート上の全面を覆うようにバリアー層を形成することが望ましい。しかし、フローティングゲート上の全面を覆うようにすると不揮発性記憶素子のサイズをそれだけ大きくしてしまう。このため、マスクROMの救済のように大容量の単層ゲート構造の不揮発性記憶素子が必要な場合には集積度の観点から不利となる。そこで、不揮発性記憶素子のサイズを小さくするために、バリアー層からフローティングゲートの一部が露出した構成にすること、言い換えるならば、バリアー層はフローティングゲート上の全面を覆うのではなく、ワード線、データ線又はソース線の形状を可能な範囲で意図的に一部変形させてフローティングゲートの上部に延在させる。このようにすることによって、フローティングゲートが部分的にでもバリアー層によって覆われるから、その分確実にデータ保持特性を改善させることができる。
すなわち、データ保持特性を損なう原因は、ファイナルパッシベーション膜からのラジカルな水素がフローティングゲートに蓄積された電子と反応して結合する結果、蓄積された電子が減少することにあると推測される。この場合、蓄積された電子が単位時間に減少する割合は、フローティグゲートの表面の電子密度とラジカルな水素密度の積に比例すると考えられる。したがって、フローティングゲートがバリアー層から露出する面積割合が減少すれば、ラジカルな水素とフローティングゲートに蓄積された電子との反応が少なくなるので、蓄積された電子が減少する割合も減少する。この結果、上述のようにデータ保持特性の改善が図られるものとなる。
図17には、この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例の素子構造断面図が示され、図18には、その平面図が示されている。図17及び図18において、ワード線WLを構成するアルミニュウム層15は、同図において右側(ソース線側)に意図的に延在させてフローティングゲート8のバリアー層として用いるものである。
図19には、この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例の素子構造断面図が示され、図20には、その平面図が示されている。図19及び図20においては、ワード線WLを構成するアルミニュウム層15にスリットが設けられる結果、フローティングゲート8の一部が露出するようにされる。このスリットは、特に制限されないが、2つのフローティングゲートにまたがるようなワード線と平行となるような長方形にされる。上記のようにバリアー層を構成するためにワード線をフローティングゲート上の全面を覆うように延在させると、その分ワード線が太くなる。このようにワード線が太くなるとファイナルパッシベーション膜のストレスによってワード線としてのアルミニュウム層15及びアルミニュウム層15の下部絶縁膜13等にクラックが形成され、素子特性を損なう虞れがある。そこで、この実施例では上記バリアー層として作用するアルミニュウム層にスリットを設けて実質的な太さを細くして上記のようなクラックの発生を防止するものである。
上記図17ないし図20において、ワード線WLを構成するアルミニュウム層15を延在させてフローティングゲート上の一部を覆うように構成したが、これに代えてデータ線DLあるいはソース線SLを構成するアルミニュウム層15を延在させてフローティングゲート上の一部又は全面を覆うバリアー層を構成するものであってもよい。上記同様にスリットを設けてクラックの防止を図るようにしてもよい。
図21には、この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例の素子構造断面図が示され、図22には、その平面図が示されている。図21及び図22においては、ワード線WLとデータ線DLを構成するアルミニュウム層15がそれぞれ延在させられることによって、フローティングゲート8の一部をそれぞれが覆うようにされる。このように場合には、ワード線WLとデータ線DLを構成する個々のアルミニュウム層がフローティングゲートの上部を覆う割合は少ないが、ワード線WLとデータ線DLの両方をバリアー層として作用させることによって、フローティングゲート8の上部を覆う割合を実質的に大きくすることができる。このように2つに分けてバリアー層を構成すると、それぞれのアルミニウム層の太さを細くできるから、上記のようなスリットを設けることなくクラックの発生を防止できる。
上記の実施例では、共にワード線WLがアルミニュウム層15、データ線DLがポリシリコンあるいはポリサイド等の導体層8により構成される。このような構成は、データ線DLに接続される不揮発性記憶素子の数がワード線WLに接続される不揮発性記憶素子の数よりも少ない場合に都合がよい。すなわち、ワード線WLが抵抗値の小さなアルミニュウム層15により構成されているので読み出し時のワード線WLの遅延時間を小さくできるからである。
図23には、この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例の平面図が示されている。図23(A)の実施例では、ワード線WLがポリシリコンまたはポリサイド等からなる導体層8により構成される。このような構成は、ワード線WLに接続される不揮発性記憶素子の数がデータ線DLに接続される不揮発性記憶素子の数よりも少ない場合に都合がよい。データ線DLは、同図に点線で示されているようにアルミュウム層15から構成される。それ故、このデータ線DLを構成するアルミニュウム層15がフローティングゲート8の上部の一部に対して延在されるよう形成されることよってバリアー層が構成される。
図23(B)の実施例では、ワード線WLがポリシリコンまたはポリサイド等からなる導体層8により構成される。このような構成は、ワード線WLに接続される不揮発性記憶素子の数がデータ線DLに接続される不揮発性記憶素子の数よりも少ない場合に都合がよい。データ線DLとソース線SLは、同図に点線で示されているようにアルミュウム層15から構成される。この実施例では、ソース線SLを構成するアルミニュウム層15がそれを挟んで構成される2つの不揮発性記憶素子を構成する2つのフローティングゲート8の上部の一部に対してそれぞれ延在されるよう形成されることよってバリアー層が構成される。
なお、上記図21及び図22に示した実施例と同様に、データ線DLとソース線SLの両方のアルミニュウム層15がフローティングゲート8上の一部をそれぞれ分担して覆うように延在させてもよい。
図24(A)ないし(D)には、この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を説明するための製造工程断面図が、同時に形成されるNチャンネルMOSFETとPチャンネルMOSFETとともに示されている。
この実施例では、前記図1(A)ないし(D)によって示された不揮発性記憶素子とは異なり、N型拡散層6の形成工程が省略される。すなわち、この実施例の不揮発性記憶素子QEのコントロールゲートは、PチャンネルMOSFETQPを構成するN型ウェル領域102(n- )で構成している。更に、上記不揮発性記憶素子QEは、前記図1(A)ないし(D)に示した不揮発性記憶素子QEと同様にフローティングゲートの下部に延在するようにN型拡散層10が形成される。つまり、フローティングゲートとコントロールゲートとの間の容量結合はN型ウェル領域102とフローティングゲートの間の容量とN型拡散層とフローティングゲートの間の容量とで決まり、N型ウェル領域102とフローティングゲートとの間の容量のみの場合よりも容量結合を大きくできるのでセルサイズを小さくすることができる。
図25には、上記図24(A)ないし(D)に対応した不揮発性記憶素子の平面図が示されている。この場合、ディプレッション型のNチャンネルMOSFETが同一半導体基板上に形成されるときには、ディプレッション型にするのに使用するN型不純物を注入すればN型ウェル領域102とフローティングゲートの間の容量値を更に大きくする効果がある。勿論、N型ウェル領域102だけでコントロールゲートを構成してもよい。あるいはN型ウェル領域102を使用しないで、N型拡散層10のようなフローティングゲートの下部に延在する拡散層をコントロールゲートとして使用してもよい。
本実施例では、P型半導体基板に形成したN型ウェル領域をコントロールゲートに使用したが、N型半導体基板を使用する場合にはP型ウェル領域をコントロールゲートに使用したPMOS構成の不揮発性記憶素子にしてもよく、種々の変形が可能である。
本実施例によれば、製造工程を全く付加することなく、コントロールゲートを拡散層で構成した不揮発性記憶素子を得ることができるので、どのような半導体集積回路装置にも適用できる。
本実施例の不揮発性記憶素子はN型ウェル領域とN型拡散層10などの他の拡散層を分離するための距離が長くなるので、そのセルサイズは図4あるいは図5等の前記の実施例のセルサイズよりも大きくなる。しかし、後述するように、RAMの救済の場合のようにアドレス変換のみの場合には必要な不揮発性記憶素子の数も少ないので、セルサイズが少々大きくても問題はない。
図26(A)ないし(C)には、この発明に係る不揮発性記憶素子の更に他の一実施例を説明するための製造工程断面図が、同時に形成されるNチャンネルMOSFET及びPチャンネルMOSFET並びに2層ゲート構造のマスクROMを構成する記憶MOSFETQMとともに示されている。
この実施例では、マスクROMの集積度を向上させるために、隣接ワード線が異なる導体層8と108により構成される。すなわち、直列形態にされる複数の記憶MOSFETのうち、第1層目のポリシリコン層8により奇数番目のMOSFETのワード線を構成し、第2層目のポリシリコン層108により偶数番目のMOSFETのワード線を構成する。このような隣接ワード線を2層ゲート構造とすることにより、実質的なワード線の間隔(記憶MOSFETのピッチ)が狭くなるので集積度を向上させることができる。
この場合においても、欠陥救済のために使用する不揮発性記憶素子QEはコントロールゲートを拡散層により構成した1層ゲート構造としている。このようにポリシリコン層が2層構造にされるにもかかわらず、不揮発性記憶素子を1層ゲート構造とするは、次の理由によるものである。2層ゲート構造の不揮発性記憶素子は、第1層目と第2層目のポリシリコン層の間に設けられるゲート絶縁膜は、同じく2層ゲート構造のマスクROMのそれと本質的に異なる。
すなわち、マスクROMにおける2層ゲート構造は、第1層目と第2層目のゲートを単に電気的に分離するだけの目的で絶縁膜を形成すればよいのに対して、2層ゲート構造の不揮発性記憶素子ではその膜質及び膜圧が所望の書き込み/及び読み出し特性を満足するように制御された薄い絶縁膜である必要がある。それ故、2層ゲート構造の不揮発性記憶素子においては、上記フローティングゲートとコントロールゲートとの間に形成されるべき絶縁膜を形成する特別な製造工程が付加することが必要である。したがって、上記のように1層ゲート構造の不揮発性記憶素子を用いることにより、実質的な製造工程を増加させることなく、欠陥救済等を行うことができる。
図26(A)において、前記図1(A)ないし(D)に示した実施例と同様にコントロールゲートになるN型拡散層6、第1ゲート絶縁膜7と第1ゲート電極8からなるマスクROMの第1MOSFETを形成する。マスクROMの第2MOSFETとの絶縁のために、第1ゲート電極8の上部と側面には絶縁膜201と211が形成される。
図26(B)において、第2ゲート絶縁膜107と第2ゲート電極108からなるマスクROMの第2MOSFETが形成される。本実施例では不揮発性記憶素子QEのフローティングゲートとマスクROMの周辺回路を構成するNチャンネルMOSFETQNとPチャンネルMOSFETQPのゲート電極は、第2層目の導体層108で形成されている。もちろん、これらのゲート電極は第1層目の導体層8により構成してもよい。
図26(C)に示すように、前記の実施例と同様にしてこれらの各回路素子が完成される。ただし、同図においてはパッシベーション膜は省略されている。この実施例では、上述のように本来の半導体集積回路装置が2層ゲート構造であっても、不揮発性記憶素子を1層ゲート構造にすることよって製造工程が簡単となる。
図27(A)と(B)には、ダイナミック型RAMの救済に1層ゲート構造の不揮発性記憶素子を使用した場合の半導体集積回路装置の一実施例の素子構造断面図が示されている。
図27(A)のダイナミック型メモリセルは、情報記憶用キャパシタが導体層203、誘電体膜204、導体層205により構成された、いわゆるSTC構造とされる。図27(B)のダイナミック型メモリセルは、情報記憶用キャパシタがN型拡散層6、誘電体膜204、導体層205で構成された、いわゆるプレーナー構造とされる。同図においては、パッシべーション膜が省略して描かれている。
上記図27(A)及び(B)のいずれの実施例においても、前記図24(A)なしい(E)に示した実施例と同様に、1層ゲート構造の不揮発性記憶素子はN型ウェル領域102によりコントロールゲートを構成しているので、製造工程の追加はない。ダイナミック型RAMにおける欠陥救済は、アドレス変換を行うだけなので、必要な不揮発性記憶素子の数が少なくてよいからセルサイズが大きくても実質的な問題はない。
また、2層からなる配線層15と17を供えている場合には、図27(B)の断面図及び図28に示した平面図に示すように、不揮発性記憶素子のフローティングゲートの全面が、2つの層からなる配線層15と17との組み合わせによって覆われている。すなわち、この実施例では、ワード線WLが第1層目のアルミニュウム層15により構成され、データ線DLが第2層目のアルミニュウム層17から構成される。それ故、2層のアルミニュウム層15と17とが互いに重なりあってその下に設けられるフローティングゲートを覆うようにするものである。
図29には、この発明に係る不揮発性記憶素子による欠陥救済回路を内蔵したダイナミック型RAMの一実施例のブロック図が示されている。ダイナミック型RAMのメモリ部は、メモリマットDR−MAT、Yゲート回路DR−YGT、センスアンプ回路DR−SAMから構成される。メモリマットDR−MATは、図27(A)又は(B)に示すような情報記憶用キャパシタと、アドレス選択用のトランスファーMOSFETからなるメモリセルがマトリックス状に配置されて構成されている。ダイナミック型RAMの場合には、マスクROMのように後でデータを記憶させる不揮発性記憶素子は必要ではなく、メモリマットDR−MATと同じメモリセルからなるマトリックス状に配置されて構成されている予備(冗長)のメモリマットdr−MAT、Yゲート回路dr−MAT、センスアンプ回路dr−SAMから構成されている。
また、ダイナミック型RAMでは基板バイアス発生回路VBBGが内蔵される。すなわち、上記のように予備のメモリマットdr−MATがメモリマットDR−MATと同じ揮発性のメモリセルを用いること、予備のメモリマットdr−MATへの書き込み用回路がないこと、基板バイアス発生回路VBBGが搭載されている点を除けば、マスクROMのアドレス変換の場合と同じ方法によりダイナミック型RAMの欠陥救済ができる。
特に制限されないが、不揮発性記憶素子への書き込み時には基板バイアス発生回路VBBGは非活性状態にされ、半導体基板は回路の接地電位(グランド電位)に設定されている。これは不揮発性記憶素子への書き込み時に半導体基板に形成された拡散層からなるコントロールゲートに高い電圧を加えるので、PN接合の電圧が高くなりすぎないようにするためである。すなわち、これにより、PN接合に対して格別な高耐圧化を施すことなく、上記拡散層をコントロールゲートとして用いる1層ゲート構造の不揮発性記憶素子への書き込みが可能になる。もちろん、本実施例のようなダイナミック型RAMの欠陥救済と同様な方法により、スタティック型RAMの欠陥救済も実現できる。
図30には、この発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子をマイクロコンピュータの救済等に使用した場合の一実施例のブロック図が示されている。本実施例のマイクロコンピュータは、同一半導体基板上に構成されたCPU(マイクロプロセッサ)、ROM、RAM、I/O(入出力)ポートからなり、それぞれの回路ブロックはBUS(バス)により相互に接続されている。CPUには、μROM(マイクロプログラムROM)が備えられている。
救済回路は、μROM、ROM、ROM及びI/Oポートにおいてそれぞれ斜線により示されている。これらの救済回路は、前記図6ないし図15により示された回路と類似の構成となっており、μROMとROMでは不揮発性記憶素子を用いてアドレス変換とともにデータ記憶を行い、RAMでは不揮発性記憶素子を用いてアドレス変換を行っている。これらの救済方法は前記実施例と同様であるので説明を省略する。また、I/Oポートでは、例えばTTLレベルの入出力と、CMOSレベルの入出力の変更等が行われる。本実施例のようにコントロールゲートを拡散層で構成した1層ゲート構造の不揮発性記憶素子により、マイクロプロセッサに搭載したそれぞれの論理ブロックの救済、あるいはI/Oポートのような論理変更が容易に行うことができる。更に、予備のBUSを用意しておき、不良となったBUSに接続されるそれぞれの論理ブロックのアドレスを変換することも可能である。
図31には、この発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子を、従来の2層ゲート構造のEPROMに搭載した場合の一実施例の素子構造断面図が示されている。この発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子QEのコントロールゲートは、前記同様に製造工程を追加する必要のないN型ウェル領域102で構成されている。NチャンネルMOSFETQHNとPチャンネルMOSFETQHPとは、2層ゲート構造の不揮発性記憶素子(EPROM)QEPの書き込み時に使用する高耐圧MOSFETであり、第1ゲート絶縁膜7と第1ゲート電極8とから構成されている。NチャンネルMOSFETQNとPチャンネルMOSFETQPとは、通常の動作電圧で使用するMOSFETであり、第2ゲート絶縁膜107と第2ゲート電極108とから構成されている。2層ゲート構造の不揮発性記憶素子QEPは、第1ゲート電極8からなるフローティングゲートと、その上部に絶縁膜207を介して設けられる第2ゲート電極108からなるコントロールゲートとから構成されている。
上記のような2層ゲート構造のEPROMの救済のみの場合には、救済用の不揮発性記憶素子としても2層ゲート構造のEPROMを使用するのが簡単である。しかし、前記第24図に示したマイクロコンピュータのような場合には、製品開発の初期にはデータの変更が容易なEPROMをデータROMとして使用するが、一時データが決定した後は機能が同じであっても安価なマスクROMを使用する。このとき、救済を2層ゲート構造のEPROMで行っていると、2層ゲート構造のEPROMを1層ゲート構造の不揮発性記憶素子に変更しなければならず、救済回路のデバッグあるいはチップ構成(レイアウト)の大幅な変更が生じてしまう。したがって、このような場合には本実施例のように、救済回路の部分は初めから1層ゲート構造の不揮発性記憶素子を含む回路で構成しておく。これにより、例えば、データROMを2層ゲート構造のEPROMからマスクROMに変更したマイクロコンピュータを容易に得ることができる。あるいは、マイクロコンピュータに搭載する不揮発性記憶素子の数が少なくてもよい場合に便利である。
図32には、この発明に係る不揮発性記憶素子をアナログ回路を含む半導体集積回路装置のトリミングに使用する場合の一実施例の素子構造断面図が示され、図33にはトリミング回路の一実施例の回路図が示されている。アナログ回路を含む半導体集積回路装置は、図32に示すように、ディジタル部やアナログ部の演算増幅回路AMPを構成するNチャンネルMOSFETQNやPチャンネルMOSFETQPと、容量素子QC、抵抗素子QRとから構成される。
図33に示したトリミング回路は、アナログ回路で使用される基準電圧のトリミングを行うものであり、内部で発生された電圧Vinを3ビットのデータにより所望の電圧Vout に設定するものである。電圧Vout と接地電位との間には直列抵抗回路R0が設けられ、それぞれの相互端子はデコーダDECを介してオペアンプAMPの一方の端子に接続されている。トリミング回路TRC1なしいTRC3で発生させられたデータによりデコーダDECを動作させて、この抵抗比をかえてトリミングを行う。
まず、PC端子を接地電位にして、PD端子に所定データを入力してトリミングのデータを決める。次に、Vcc端子を接地電位にし、PC端子に書き込み電圧Vppを加えてPD端子に先に決めたデータを入力して不揮発性記憶素子QEの書き込みを行う。
本実施例では、データは抵抗Rを介してPD端子から直接に入力したが、前記実施例のようにしてもよい。あるいはデータ入力用の端子を1つだけ設けて、シフトレジスタによりシリアルデータをパラレルデータに変更して書き込を行うようにしてもよい。
また、アナログ回路を含む半導体集積回路装置では1V程度の電池で動作させる場合がよくある。不揮発性記憶素子QEの書き込み前のしきい値電圧は通常1V程度であり、このままでは書き込み前後の判定ができない。このような場合には、(1)不揮発性記憶素子QEのゲート電圧を書き込み前後の判定が可能な電圧、例えば3ないし5V程度に昇圧する。(2)書き込み前の状態がディプレッションモードとなるようにしておき、書き込み後にエンハンスメントモードにする。そして、ゲート電圧を接地電位にして読み出す。(3)後述する方法により、書き込み前の状態がエンハンスメントモードになるようにしておき、書き込み後にディプレッションモードにする。そして、ゲート電圧を接地電位にして読み出す。
図34には、この発明に係る不揮発性記憶素子を用いた縦型(NAND)構成にしたメモリアレイの一実施例の回路図が示され、図35には、その一部平面図が示され、図36には書き込み方法の原理図が示されている。図34において、NAND構成のメモリアレイは、不揮発性記憶素子が直列形態に接続され、データ線(又はビット線)D0,D1側にはカラムスイッチを構成するMOSFETが設けられ、他端側と回路の接地電位点との間にはスイッチMOSFETが設けられる。この構成は、基本的には記憶MOSFETが不揮発性記憶素子である点とスイッチMOSFETが設けられる点を除けば縦型のマスクROMと同様な構成である。
図35において、縦方向に延長されるアルミニュウム層からなるワード線WLが隣接する2つのデータ線DLに対応したコントロールゲートを構成する拡散層に共通にコンタクトされ、この拡散層にオーバーラップする斜線が付されたコントロールゲートが横方向に延長されるソース、ドレインを構成するデータ線DLを跨ぐように延長されることによって直列形態に接続される1層ゲート構造の不揮発性記憶素子が形成される。このようなレイアウトを採ることによって、従来の横型(NOR)構成のメモリアレイに比べて占有面積を約42%に低減できる。
図36において、直列形態にされた不揮発性記憶素子のうちソース側から順に書き込みが行われる。このとき、書き込み時に直列回路において直流電流が流れないように制御信号SWが接地電位のようなロウレベルにされてスイッチMOSFETがオフ状態にされる。そして、初期状態では不揮発性記憶素子のしきい値電圧は正の電圧(エンハンスモード)を持つようにされている。
この状態で、ワード線W7に接続された不揮発性記憶素子から書き込みが行われ、ワード線W7が接地電位のようなロウレベルに、他のワード線W6〜W1とカラムスイッチの制御電圧Y0,Y1は比較的高い電圧にされる。書き込みデータD0がロウレベルなら、コントロールゲートとドレインとの間に電界が作用しないから、フローティングゲートからドレインに向かってトンネル電流が流れず、上記しきい値電圧(Vth>0)のままである。これに対して、書き込みデータD0が比較的高い電圧にされたハイレベルなら、コントロールゲートとドレインとの間に高電界が作用してフローティングゲートからドレインに向かってトンネル電流が流れてしきい値電圧(Vth<0)に変化させる。
以下、同様にしてW6〜W0の順序で選択ワード線をロウレベルにして書き込みを行う。このような書き込み動作においては、トンネル電流しか流れないから書き込み電流は小さくなり、NOR型構成の場合のような電流クランプ等が不要となり回路構成が簡単になる。
なお、読み出し時には、制御信号SWをハイレベルにしてスイッチMOSFETをオン状態にする。この状態で、従来のメモリセルが上記のように記憶情報に従ってディプレッション型がエンハンスメント型かになっているので、従来の縦型ROMと同様にして読み出される。
図37には、この発明に係る不揮発性記憶素子を用いて電気的にも消去可能にする場合の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、データの書き込みを従来のEPROMと同様にホットキャリアを利用して行い、データの消去を前記図36に示したと同様にトンネル電流を利用する。すなわち、データの書き込みは、前記図15に示したと同様にして行う。データの消去の場合は、消去したい不揮発性記憶素子のワード線をロウレベルにする。これにより、PチャンネルMOSFETQ2がオン状態になって、ソース線にハイレベル(Vpp)を供給し、前記図36に示したのと類似のようにコントロールゲートとソース間に高電界を作用させてフローティングゲートとソース間にトンネル電流を流すようにするものである。MOSFETQ3は、制御信号RWによって書き込み時にはオフ状態、消去時にはオン状態にされる。MOSFETQ1はワード線の選択/選択に応じてオン状態にされる。
読み出し時には非選択ワード線に接続された不揮発性記憶素子のソースはMOSFETQ1のオフ状態によってオープン状態になるので、不揮発性記憶素子が過消去されてディプレッション状態になっても、記憶素子にリーク電流が流れず読み出しには問題が生じない。
図38(A)と(B)には、この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例のレイアウト図が示されている。同図の実施例は、この発明に係る不揮発性記憶素子を用いた救済回路をマスクROMに搭載した場合に向けられている。
図38(A)において、チップの中央部にパッドが設けられ、パッドとメモリマットMATの間に斜線を付したように救済回路が設けられる。
図38(B)において、チップの中央部に設けられたジグザグ状に2列に配列されたパッドの間に斜線を付したように救済回路が設けられる。
上記のような構成においては、
一)チップの中央部はパッケージに封止されたとの応力が小さいので、不揮発性記憶素子の特性変動が小さく、また、信頼性も高くできる。
二)マスクROMが大容量になると、電源線や接地線あるいは信号線が長くなる。この結果、信号遅延やノイズによる誤動作が問題になる。この対策として、パッドをチップの中央部に配置する必要がある。この場合に、救済回路を配置する位置は最もスペースを得やすいパッド周辺が望ましい。このようにすれば、チップサイズの増大を防止できる。
図39(A)と(B)には、この発明に係る半導体集積回路装置の他の一実施例のレイアウト図が示されている。同図の実施例は、この発明に係る不揮発性記憶素子を用いた救済回路をマイクロコンピュータに搭載した場合に向けられている。
図39(A)においては、斜線を付した救済回路は、チップの一つの個所にまとめられている。この構成においては、外部から救済回路へのデータ線の入力が容易に行える。
図39(B)においては、救済回路は、各救済すべき機能ブロック毎、例えばμROM、ROM、RAM、あるいはADC(アナログ/ディジタル変換回路)に分散されて配置される。この構成においては、救済回路がそれと対応する回路に近接して設けられるから、救済時の遅延時間が短くできる。
図40(A)と(B)には、不揮発性記憶素子への書き込み動作に使用するパッドの一実施例の回路図が示されている。図40(A)では、パッドを電源電圧Vccにプルアップする高抵抗値を持つようにされたPチャンネルMOSFETが設けられる。図40(B)では、パッドを回路の接地電位にプルダウンする高抵抗値を持つようにされたNチャンネルMOSFETが設けられる。
このように救済時や機能変更時において1層ゲート構造の不揮発性記憶素子への書き込み動作に使用されるパッドに対してプルアップ又はプルダウン抵抗素子を設けて、これらのパッドは直接外部端子に接続しない。このような構成とすることにより、外部端子数が増加が防止できる。また、上記のような欠陥救済や機能変更が行われた半導体集積回路装置においては、それに用いられるパッドがプルアップ又はプルダウンされて固定レベルにされるから、パッドが不所望な電位を持つことによる誤動作を防止することができる。プルアップ又はプルダウンさせる抵抗素子は、上記のような高抵抗MOSFETに代えて、ポリシリコン等を利用するものであってもよい。
図41には、トリミンド方法の一実施例を説明するためのフローチャート図が示されている。図41(A)の実施例では、外部端子又は他の端子と共用する端子により、パッケージに封止された後にトリミングデータを決定する。
図41(B)の実施例では、トリミングに使用される複数ビットのデータのうち、パッケージに封止する前、言い換えるならば、半導体ウェハ上にチップが完成された時のプロービング工程において上位ビットを決定して大まかなトリミングを行い、チップがパッケージに封止された後に残りの下位ビットを決定して微小なトリミングを行う。このようなトリミング方法を採ることによって、チップがパッケージに封止されるときの熱処理等によって発生する素子特性の微小な変動にも対応した精度のよいトリミングが可能となる。
図42には、この発明に係る不揮発性記憶素子に対してパッケージ封止後に書き込みを行う場合の一実施例のフローチャート図が示されている。チップ形成工程では、前記説明したように半導体ウェハ上において所望の半導体集積回路を形成する。
テスト工程では、不揮発性記憶素子を含む半導体集積回路のテストを行う。不揮発性記憶素子のテストは、データを書き込み前の状態とデータを書き込んだ後の状態との両方を行う。
消去工程では、不揮発性記憶素子を初期状態に戻す。すなわち、データを書き込む前の状態にする。消去動作は、不揮発性記憶素子がEPROMのときには紫外線を照射させることにより行う。この実施例の1層ゲート構造の不揮発性記憶素子は、そのフローティングゲート上にアルミニュウム等からなるバリアー層が設けられている。このアルミニュウム層自体は紫外線を透過させないが、紫外線の回折や乱反射により消去が可能である。特に、前記実施例のようにバリアー層をフローティングゲート上の一部にしか設けない場合やスリットを設けた場合には効率よく消去が可能である。ファイナルパッシベーション膜からのラジカルな水素がフローティングゲートに到達するのを防ぐようにフローティングゲート上の全面をアルミニュウムで覆うようにした場合でも、バリアー層がフローティングゲートから延在する距離が短いから上記のような紫外線の回折や乱反射によって十分消去が可能である。
なお、従来のように2層ゲート構造のEPROMにおいて、同じく欠陥救済のための2層ゲート構造のEPROMを用いてアドレス変換に用いた場合にはメモリアレイ部の消去動作によって上記アドレス変換部も消去されるのを防ぐためにアルミニュウム層をアドレス変換部の全面を覆うことが行われている。この場合には、メモリアレイ部の消去用の紫外線の回折や乱反射も考慮してアルミニュウムの遮蔽膜を大きなサイズにより形成する。したがって、同じアルミニュウム層でもこの発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子においては、ファイナルパッシベーション膜からラジカルな水素がフローティングゲートに浸入してまうのをを防ぐためのバリアー層としてのアルミニュウム層とは、その技術的思想において本質的に異なるものである。
封止工程では、半導体ウェハから個々に分離されたチップのうちテスト結果が良品とされたものをパッケージに封止する。データ記憶工程では、所望のデータを不揮発性記憶素子に記憶する。上記テスト工程において、不揮発性記憶素子のテストが行われているので、データ記憶工程では不揮発性記憶素子に対してどのようなデータを記憶しても、良好な半導体集積回路装置を得ることができる。
上記のテスト工程は、どのような不揮発性記憶素子にも有効であるが、特に、不揮発性記憶素子がEPROMであって、紫外線を透過させないプラスティック等のパッケージに封止した場合、言い換えるならば、紫外線による消去機能を不能にして不揮発性記憶素子を1回限りの書き込みに使用する場合に有効である。
この発明に係る単層ゲート構造の不揮発性記憶素子をマスクROMの欠陥救済の他、他にマスクROMのデータ変更、あるいは修正に利用するものであってもよい。さらに、不揮発性記憶素子を論理決定素子として用いたPLDに適用し、回路機能の設定/変更を行うように用いるものであってもよい。このようなマスクROMやディジタル集積回路の機能設定や変更に単層ゲート構造の不揮発性記憶素子を用いる場合には、コントロールゲートを形成する拡散層を追加するだけでよし、CMOS回路にあってはウェル領域が利用できるからそれも不要となり、2層ゲート構造の不揮発性記憶素子を用いる場合に比べて製造工程の簡略化ができる。
そして、上記1層ゲート構造の不揮発性記憶素子には、バリアー層が設けられているから、高い信頼性を得ることができる。この実施例の1層ゲート構造の不揮発性記憶素子は、それ自体で1つの半導体記憶装置を構成してもよい。しかし、2層ゲート構造の不揮発性記憶素子に比べてセルサイズが大幅に大きくなってしまう。それ故、この実施例の単層ゲート構造の不揮発性記憶素子は、上記のようなマスクROM等のメモリ回路の欠陥救済用やディジタル回路の機能設定/変更用の小容量の記憶回路に適している。
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。すなわち、
(1)拡散層により構成されたコントロールゲートに対してその一部が薄い絶縁膜を介してオーバーラップするよう形成された導体層からなるフローティングゲートの上部全面を覆うようにバリアー層を形成することにより、データ保持特性の大幅な改善が可能になる。
(2)半導体集積回路装置におけるファイナルパッシベーション膜として、プラズマCVD法により形成されたナイトライド膜により構成する場合には、安価なプラスティックパッケージを利用できるから、上記バリアー層によりデータ保持特性の改善を図りつつ、安価な半導体集積回路装置を得ることができる。
(3)上記バリアー層は、導体層又はプラブマ−CVD法により形成された酸化膜を用いることにより格別な製造工程を追加することなく、単層ゲート構造の不揮発性記憶素子のデータ保持特性を改善できる。
(4)上記バリアー層は、上記コントロールゲートが接続されるアルミニュウム層からなるワード線と一体的に構成することにより、簡単にバリアー層を形成できる。
(5)上記バリアー層が設けられた単層ゲート構造の不揮発性記憶素子を用いてマスクROM又はディジタル回路の欠陥救済又は機能設定/変更に用いることにより、製造工程の増加を防ぎつつ高い信頼性のもとに上記欠陥救済及び機能設定/変更が可能になる。
(6)アナログ回路とROM又はRAMを含む半導体集積回路装置において、パッケージに封止前にROM又はRAMの救済を行い、パッケージ封止後にアナログ回路のトリミングを行うことができる。
(7)マスクROMの欠陥救済やデータ修正変更にバリアー層が設けられた単層ゲート構造の不揮発性記憶素子を用いることにより、製造工程や占有面積を増加させることなく、高い信頼性のもとにこれらの欠陥救済やデータ修正変更が可能になる。
(8)ワード線に対応した複数からなる単層ゲート構造の不揮発性記憶素子のソースを共通ソース線に接続し、対応するワード線の選択信号によりスイッチ制御されるスイッチ素子により回路の接地電位を与えるようにすることによって、非選択ワード線の記憶素子でのリーク電流の発生を防止でき、それに伴い耐圧の向上も可能になる。
(9)上記マトリックス配置された不揮発性記憶素子は、それが結合されるデータ線に設けられたラッチ回路に保持された書き込みデータに基づいて1つのワード線に接続される複数からなるメモリセルに対して同時に書き込むようにすることよって、書き込み時間の短縮化が可能になる。
(10)上記ワード線の選択信号は、負荷MOSFETと駆動MOSFETとのコンダクタンス比に従った出力レベルを形成する駆動回路を用いることにより回路の簡素化が可能になり、不揮発性記憶素子の共通化されたソースに接地電位を与えるスイッチ素子にはCMOS回路により形成された選択信号をサブワード線を介して伝えるようにすることによってリーク電流の発生を確実に防止することができる。
(11)不揮発性記憶素子がEPROMのときのように、通常の動作を行う電圧Vccを通常状態では5Vのような比較的小さな電圧にし、書き込み動作のときには7V又は8Vのような高い電圧とする。これにより、書き込み系の回路として高耐圧MOSFETを用いる必要がなく、半導体集積回路の製造工程の簡略化が可能になる。
以上本発明者によりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、バリアー層は、フェイナルパッシベーション膜より下層であって、フローティングゲート層より上層に構成すればよい。1層ゲート構造の不揮発性記憶素子のパターンは、種々の実施形態を採ることができる。
この発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子は、書き込みをホットキャリアで行い、消去はソース又はドレインに高電圧を印加してトンネル電流で行う、あるいは書き込みと消去をトンネル電流で行う電気的に書き込みと消去が可能な不揮発性記憶素子としても利用できる。
この発明は、1層ゲート構造の不揮発性記憶素子それ自体及びそれを機能設定又は変更あるいは冗長回路等に用いる半導体集積回路装置に広く利用できる。
この発明に係る不揮発性記憶素子を説明するための一実施例の製造工程断面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を示す素子構造断面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の更に他の一実施例を示す素子構造断面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の一実施例を示す素子パターン図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を示す素子パターン図である。 この発明が適用されたマスクROMの一実施例を示すブロック図である。 図6のマスクROMにおける冗長ワード線選択回路RASTの一実施例を示す回路図である。 図6のマスクROMにおける救済アドレス選択回路RASの一実施例を示す回路図である。 図6のマスクROMにおける救済アドレス記憶回路PR−ADDの一実施例を示す回路図である。 図6のマスクROMにおける書き込みデータ入力回路PR−PGCの一実施例を示す回路図である。 図6のマスクROMにおける冗長用のYデコーダ回路PR−YDCの一実施例を示す回路図である。 図6のマスクROMにおける冗長用のメモリマットPR−MATとカラムスイッチゲートPR−YGT及びセンスアンプ回路PR−SAMの一実施例を示す回路図である。 図6のマスクROMにおけるマルチプレクサMPXの一実施例を示す回路図である。 この発明が適用されたマスクROMの他の一実施例を示す回路図である。 この発明に係る冗長用メモリマットとその周辺回路の他の一実施例を示す回路図である。 この発明を説明するための不揮発性記憶素子のデータ保持特性図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を示す素子構造断面図である。 図17の不揮発性記憶素子の平面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を示す素子構造断面図である。 図19の不揮発性記憶素子の平面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を示す素子構造断面図である。 図21の不揮発性記憶素子の平面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を示す平面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の他の一実施例を説明するための製造工程断面図である。 図24の不揮発性記憶素子の平面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子の更に他の一実施例を説明するための製造工程断面図である。 ダイナミック型RAMの救済に本願発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子を使用した場合の半導体集積回路装置の一実施例を示す素子構造断面図である。 図27(B)に対応した平面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子による欠陥救済回路を内蔵したダイナミック型RAMの一実施例を示すブロック図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子をマイクロコンピュータの救済等に使用した場合の一実施例を示すブロック図である。 この発明に係る1層ゲート構造の不揮発性記憶素子を、従来の2層ゲート構造のEPROMに搭載した場合の一実施例を示す素子構造断面図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子をアナログ回路を含む半導体集積回路装置のトリミングに使用する場合の一実施例を示す素子構造断面図である。 図32のトリミング回路の一実施例を示す回路図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子を用いた縦型構成にしたメモリアレイの一実施例を示す回路図である。 図34のメモリセルの一実施例を示す平面図である。 図34の不揮発性記憶素子の書き込み方法の一実施例を示す原理図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子を電気的にも消去可能にする場合の一実施例を示す回路図である。 この発明に係る半導体集積回路装置(マスクROM)の一実施例を示すレイアウト図である。 この発明に係る半導体集積回路装置(マイクロコンピュータ)の一実施例を示すレイアウト図である。 不揮発性記憶素子への書き込み動作に使用するパッドの一実施例を示す回路図である。 トリミング方法の一実施例を示すフローチャート図である。 この発明に係る不揮発性記憶素子に対してパッケージ封止後に書き込みを行う場合の一実施例を示すフローチャート図である。
符号の説明
QE・・不揮発性記憶素子、QN・・NチャンネルMOSFET、QP・・PチャンネルMOSFET、QHN・・高耐圧NチャンネルMOSFET、QHP・・高耐圧PチャンネルMOSFET、QD・・ダイナミック型メモリセル、QM・・マスク型メモリセル、QEP・・2層ゲート構造のEPROM、QR・・抵抗素子、QC・・容量素子、
1・・半導体基板、2,102・・ウェル領域、3・・フィールド絶縁膜、4・・チャンネルストッパー、7,107・・ゲート絶縁膜、5,11,13,16,201,211・・絶縁膜(層間絶縁層)、8,108,204,205・・導電層、15,17・・配線層、6,9,10,109,112・・拡散層、14,114・・コンタクトホール、18・・ファイナルパッシベーション膜、204・・誘電体膜、
ADB・・アドレスバッファ、MR−MAT・・マスクROM、OR−MAT・・冗長用のメモリ回路、XDC・・Xデコーダ回路、MR−YGT,PR−YGT・・カラムスイッチゲート、YDC・・Yデコーダ回路、MR−SAM,PR−SAM・・センスアンプ回路、DIB・・入力バッファ回路、DOB・・出力バッファ回路、MPX・・マルチプレクサ、RAS・・救済アドレス選択回路、R−ADD・・救済アドレス記憶回路、RAST・・冗長ワード線選択回路、CONT・・制御回路、PR−PGC・・書き込みデータ入力回路、WA・・書き込み回路、FF・・ラッチ回路、DEC・・デコーダ回路、TRC1〜TRC3・・トリミング回路、AMP・・オペアンプ、μROM・・マイクロプログラムROM、ROM・・リード・オンリー・メモリ、RAM・・ランダム・アクセス・メモリ、CPU・・マイクロプロセッサ、ADC・・アナログ/ディジタル変換回路、PORT・・入出力ポート。

Claims (1)

  1. 主面を有する半導体基板と、
    上記主面に形成された不揮発性記憶素子とを備えた半導体集積回路装置であって、
    上記不揮発性記憶素子は、
    上記半導体基板に形成され、上記不揮発性記憶素子のコントロールゲートを構成する第1の半導体領域と、
    上記半導体基板に形成され、上記不揮発性記憶素子のドレインを構成する第2の半導体領域と、
    上記半導体基板に形成され、上記不揮発性記憶素子のソースを構成する第3の半導体領域と、
    上記第1の半導体領域上に形成された第1絶縁膜と、
    上記第1半導体領域に対してその一部が上記第1絶縁膜を介してオーバーラップするように形成され、上記不揮発性記憶素子のフローティングゲート電極を構成する導電層とを有し、
    上記第1絶縁膜はほぼ均一な膜厚を有し、
    上記不揮発性記憶素子はトンネル電流により書き込みまたは消去が行われる半導体集積回路装置。
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JP2007335717A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Toppan Printing Co Ltd 不揮発性メモリ及びその製造方法
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JP2011023567A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Renesas Electronics Corp 半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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