JP2004152162A - 家庭用防災システム - Google Patents

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Toshimasa Maeda
俊昌 前田
Tomoaki Yamaura
智章 山浦
Shinji Miura
信二 三浦
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Abstract

【課題】一般住宅で火災発生時の高齢者を考慮した警告システムとして、容易に且つコストをかけずに浴室や便所といった場所に警告を発する機能を提供することは、高齢者社会を迎えるにあたって非常に重要な課題である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、コストをかけず簡便に、便所・浴室及び特定寝室に火災の警告表示を行える家庭用防災システムを提供することにある。
【解決手段】火災が発生した事を検出し、その情報を給湯用機器を通して、浴室や台所に設けられた給湯用機器のリモートコントローラーで、音声及び文字情報にて警告する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水利用機器のリモートコントローラーを用いて音声若しくは文字や絵表示で火災等の警告を発する家庭用防災システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の家庭用防災システムに用いられる住宅用火災警報器は、主に火元となる台所や居室、または火災によって発生する煙を捕捉しやすい階段室等に設けられ、前記設置場所で火災が発生した時、熱や煙を捉え、音響による警報を主に前記設置場所で行う自己完結型のもの、または、複数の住宅用火災警報器を通信網で結び、該火災警報器には、移報信号を出力する出力回路が設けられ、該火災警報器の何れか1つが火災を検知した時、前記通信網で接続された全ての火災警報器を鳴動させる様に構成されたものがあった(特許文献1参照)。
【0003】
また、家庭用スプリンクラーヘッドの動作信号を出力する接点機構を、前記スプリンクラーヘッドが設けられる室内に設置した火災感知器と同一の信号線に接続し、当該信号線は、防災システム専用の、警報ブザー等の制御盤に接続される様に構成されるものがあった(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−074535号
【特許文献2】
特開2001−218863号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の防災システムにおける住宅用火災警報器では、火災検知時に、該火災警報器に設けられた音響装置を鳴動し警告・報知するか、または、前記火災検知時の動作信号を、直接または中継器を介して、前記防災システム専用の、警報ブザー等の音響装置に発して、該当の音響装置を鳴動し警告・報知したが、例えば浴室や便所といった場所には、元来、火元と成りえないという観点から、自己完結型の住宅用火災警報器が設置される事はあり得なかった。また仮に、該火災警報器や警報ブザー等の音響装置を設置しようとしても、該火災警報器や前記音響装置は、耐湿性に劣るため、仕様の大幅な変更が必要となる。これは、コストの増大を意味するものであり、従って、費用面から考えても、火災に対する効果の面から考えても、該火災警報器や前記の音響装置が、浴室や便所といった場所に設置される事はなかった。一方で、高齢者の全人口に占める割合が年々増加する中、消防白書によると、一般住宅での火災による死亡者は、近年、ほぼ一定であるが、前記死亡者に占める高齢者の割合は、年々増加している。また、死亡に至った原因を見ると、火災の発生に気付かずに逃げ遅れて死亡するケースが、非常に多い。高齢者の生活を考えると、浴室や便所といった場所で過ごす時間が増えるであろう事は、容易に想像が付き、且つ、高齢者の視覚や聴覚、及び避難に要する動作速度が、高齢者ではない世代と比べ、著しく劣る事も明白である。それ故に、高齢者が、火災発生時に近隣の通路等に設置された音響装置からの警告を確認出来ない場合があり、逃げ遅れに至るものと考えられ、例えば国土交通省告示第1301号に記載されている様に、「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」として、前記の音響装置が、便所・浴室及び特定寝室に設けられている事が推奨されるに至った。
ところで、昨今の一般住宅をみると、浴室には給湯設備やシステム浴槽のリモートコントローラーが、便所には洗浄便座やシステムトイレのリモートコントローラーが、既に設置されているケースが増えており、且つ、それらのリモートコントローラーには、音声やブザー音による音響装置のみならず、文字による表示機能が組み込まれているものがある。また、前記リモートコントローラーは、浴室や便所で使われることが想定されており、耐湿性に優れている一方、前記の音響装置や表示機能は、警告のためより寧ろ、リモートコントローラーの使用方法をガイドするために使われている。
以上の事から、一般住宅で火災発生時の高齢者を考慮した警告システムを形成するため、現状の防災システムでは達成されない、浴室や便所といった場所に警告を発する事を、容易に且つ、コストをかけずに実現する事は、高齢者社会を迎えるにあたって、非常に重要な課題である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、コストをかけず簡便に、便所・浴室及び特定寝室に火災の警告表示を行える家庭用防災システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1では、熱感知機能、または、煙感知機能を有する住宅用火災警報器の作動信号を、給湯用機器に送信する様に形成され、この作動信号を受けて、前記給湯用機器は、それらに接続されたリモートコントローラーに火災警告として文字または絵表示と音声警告、またはそれらの何れか1つの方法で警告する様に形成された給湯用機器のリモートコントローラーを防災信号の末端警告機器として組み入れた事を特徴とする家庭用防災システムであり、給湯用機器に接続されたリモートコントローラーを、防災信号の末端警告機器として兼用する事で、コストをかけず簡便に警告機器を増設する事が可能となる。
【0007】
また、請求項2では、給湯用機器に接続されるリモートコントローラーは、台所用リモートコントローラーと浴室用リモートコントローラーとから形成され、または、その何れか1つのリモートコントローラーから形成された請求項1に記載の家庭用防災システムであり、これにより、浴室や台所へ家庭用防災システムの警告機器を低コストで簡便に設ける事が出来る。
【0008】
また、請求項3では、給湯用機器に接続されるリモートコントローラーとして、台所リモートコントローラーと浴室リモートコントローラーと共に、特定寝室等に設置される3番目のリモートコントローラーを接続して成る請求項1から2に記載の家庭用防災システムであり、これにより、特定寝室に家庭用防災システムの警告機器を低コストで簡便に設ける事が出来る。
【0009】
また、請求項4では、請求項1から3において、トイレまたは温水洗浄便座のリモートコントローラーで、音声警告と文字または絵表示、またはそれらの何れか1つの方法で警告する家庭用防災システムであり、これにより、便所に家庭用防災システムの警告機器を低コストで設ける事が出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例を表す。図1において、家庭用防災システムは、居室空間天井部に設けられた煙式家庭用火災警報器1と熱式家庭用火災警報器2、および、居室空間の壁面に設けられた増設用の警報ブザー3から構成される。該煙式家庭用火災警報器1と熱式家庭用火災警報器2、および、警報ブザー3は、警報器用の通信線4で接続される。また、該熱式家庭用火災警報器2と、屋外に設置された給湯機10の制御基板13が、専用通信線5で接続される。該給湯機10の制御基板13は、リモコンコード11によって、台所リモートコントローラー12、および、図示しない浴室リモートコントローラー14とやはり図示しない第3のリモートコントローラー18に接続される。
【0011】
煙式家庭用火災警報器1、または、熱式家庭用火災警報器2が設置された居住空間で火災が発生した場合、火災による煙、または熱を、該煙式家庭用火災警報器1、または、熱式家庭用火災警報器2が検知し、信号線4を介して、警報ブザー3に、また、専用信号線5を介して給湯機10の制御基板13に火災信号を送る。この信号により、警報ブザー3は、警告音を鳴動させ、また、給湯機10の制御基板13から、台所リモートコントローラー12と浴室リモートコントローラー14、および、第3のリモートコントローラー18に、前記信号が、エラーコードとして送信され、各リモートコントローラーから火災に関する文字情報の表示と音声による警告が成される。
【0012】
図2は、本発明における、煙式家庭用火災警報器1の外観図である。煙式家庭用火災警報器1は、外装ケース30と、警報を強制的に解除する解除用ひも31、火災時に警告音を鳴動させる音響スピーカー32、および、火災時の煙を検知する煙検知機能部33から構成される。該煙検知機能部33は、図示しないLED発光素子と受光体、および、遮光板から構成される。火災時に、煙が煙検知機能部33に入ると、LED発光素子からの光が、煙により散乱し、一部の光が、受光体に入る。これにより、受光量が増加し、電気抵抗が変化するので、火災による煙の発生を検知出来る。
【0013】
図3は、本発明における、熱式家庭用火災警報器2の外観図である。熱式家庭用火災警報器2は、外装ケース35と、警報を強制的に解除する解除用ひも36、火災時に警告音を鳴動させる音響スピーカー37、および、火災時の熱を検知する熱検知機能部38から構成される。該熱検知機能部38は、図示しない可溶絶縁体で外周を被覆絶縁された2本の鋼線で構成される。火災による熱を受けると、前記鋼線の可溶絶縁体は溶け落ち、2本の鋼線が接触して、電気的回路を短絡する。これにより、火災による熱の発生を検知出来る。
【0014】
図4は、給湯機10の、台所リモートコントローラー12である。前記台所リモートコントローラー12は、複数個の操作スイッチと状態表示部、及び、音声スピーカー41から構成されている。給湯機10の制御基板13から送られたエラーコードのうち、火災信号に該当するエラーコードを受けた場合、文字表示部53に、文字警告表示40にて、火災に関する文字警告情報を表示し、音声スピーカー41にて、音声で火災に関する警告を出す。この台所リモートコントローラー12には、通常の給湯機の操作スイッチである、運転スイッチ54やお湯はりスイッチ55、および、給湯温度の切替優先権を設定する優先スイッチ56の他に、煙式家庭用火災警報器1や熱式家庭用火災警報器2、または、警報ブザー3の通電状態や動作状況の確認、専用通信線の断線や短絡を確認する確認スイッチ57から構成される。また、図示はしないが、浴室と寝室にも、同様のリモートコントローラーを設置しているため、火災に関する警告を、文字表示と音声警告で行う。これにより、従来は、設置が困難であった、浴室への警告機器を、新設する事無く、設ける事が可能となり、同様に、特定寝室に、低コストで、警告機器を設ける事が可能となる。
【0015】
また、詳細の図は示さないが、温水暖房便座17のリモートコントローラー16にも、同様の警告機能を設けてある。このため、便所でも、低コストで、且つ、簡便に、家庭用防災システムの警告機器を設ける事が可能となる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、煙式家庭用火災警報器、または、熱式家庭用火災警報器により検出した火災信号を、給湯用設備に接続された、リモートコントローラーに、火災警告として、文字または絵表示と音声警告、またはそれらの何れか1つの方法で警告させる事により、従来より低価格で、家庭用防災システムの警告機器を構成する事が可能になる。
【0017】
請求項2では、給湯用設備に接続するリモートコントローラーが、台所リモートコントローラー12と浴室リモートコントローラー14、または、その何れか1つのリモートコントローラーから形成する事が可能であり、これにより、従来は、コスト上、警告機器の単独設置が困難だった、浴室への家庭用防災システムの警告機器を、低コストで設ける事が可能になると共に、様々な居室以外の住空間、例えば、台所や脱衣場といった場所にも、簡便に、警告機器として設置する事が可能となる。これにより、高齢者等、視覚・聴覚が衰えた方でも、火災に関する警告を、認知する事が容易になる。
【0018】
請求項3では、第3のリモートコントローラー18を給湯用設備に設ける事で、特定寝室等に、簡便、且つ、低コストで、家庭用防災システムの警告機器を設ける事が可能になる。
【0019】
請求項4では、トイレ、または、温水洗浄便座のリモートコントローラーに警告機能を設ける事で、従来では、あまり設置されなかった、便所へ、家庭用防災システムの警告機器を、低コストで設ける事が可能になる。これにより、高齢者等、視覚・聴覚が衰えた方でも、火災に関する警告を、便所で認知する事が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム図
【図2】本発明の実施の形態における煙式家庭用火災報知器を示す外観面図
【図3】本発明の実施の形態における熱式家庭用火災報知器を示す外観面図
【図4】本発明の実施の形態における台所リモートコントローラーの外観図
【符号の説明】
1 煙式家庭用火災報知器
2 熱式家庭用火災報知器
3 警報ブザー
4 通信線
5 専用通信線
10 給湯機
11 リモコンコード
12 台所リモートコントローラー
13 制御基板
15 末端給水装置(トイレ)
16 リモートコントローラー
17 温水暖房便座
21 メーターボックス
22 ヘッダーボックス(分水盤)
23給水配管
24 給湯配管
25 末端給水装置
30 外装ケース(煙式家庭用火災警報器)
31 解除用ひも(煙式家庭用火災警報器)
32 音響スイーカー(煙式家庭用火災警報器)
33 煙検知機能部
35 外装ケース(熱式家庭用火災警報器)
36 解除用ひも(熱式家庭用火災警報器)
37 音響スピーカー(熱式家庭用火災警報器)
38 熱検知機能部
40 文字警告表示部
41 音声スピーカー
53 リモコン文字表示部
54 運転スイッチ
55 お湯はりスイッチ
56 優先スイッチ
57 確認スイッチ
ページ( )

Claims (4)

  1. 熱感知機能、または、煙感知機能を有する住宅用火災警報器の作動信号を、給湯用機器に送信する様に形成され、この作動信号を受けて、前記給湯用機器は、それらに接続されたリモートコントローラーに火災警告として文字または絵表示と音声警告、またはそれらの何れか1つの方法で警告する様に形成された給湯用機器のリモートコントローラーを防災信号の末端警告機器として組み入れた事を特徴とする家庭用防災システム。
  2. 給湯用機器に接続されるリモートコントローラーは、台所用リモートコントローラーと浴室用リモートコントローラーとから形成され、または、その何れか1つのリモートコントローラーから形成された請求項1に記載の家庭用防災システム。
  3. 給湯用機器に接続されるリモートコントローラーとして、台所リモートコントローラーと浴室リモートコントローラーと共に、特定寝室等に設置される3番目のリモートコントローラーを接続して成る請求項1から2に記載の家庭用防災システム。
  4. トイレまたは温水洗浄便座のリモートコントローラーで、音声警告と文字または絵表示、またはそれらの何れか1つの方法で警告する請求項1から3に記載の家庭用防災システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011150616A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Hochiki Corp 防災システム
US11423752B2 (en) * 2020-11-30 2022-08-23 Carrier Corporation Fire detection in an occupied compartment

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