JP2004152007A - オゾン発生装置及びこの装置を内蔵した自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で、周囲の温度に最適な量のオゾンを発生させることができるオゾン発生装置と、この装置を使用し効果的に殺菌、消毒できる自動販売機を提供する。
【解決手段】オゾン発生装置1は、オゾン発生回路16とオゾン発生回路を駆動する駆動回路13を備え、さらに温度計測回路11を備え、温度計測回路11で計測した温度に基づいてオゾン発生回路16から発生されるオゾン発生量を制御する。駆動回路13は温度計測回路11に基づいてタイミング発生回路12から出力されるタイミング信号により、オゾン発生回路16の駆動時間と停止時間を変化させデューティを変えることによりオゾン発生量を制御する。自動販売機20は、このオゾン発生装置1を筐体21内に内蔵する。
【選択図】 図3
【解決手段】オゾン発生装置1は、オゾン発生回路16とオゾン発生回路を駆動する駆動回路13を備え、さらに温度計測回路11を備え、温度計測回路11で計測した温度に基づいてオゾン発生回路16から発生されるオゾン発生量を制御する。駆動回路13は温度計測回路11に基づいてタイミング発生回路12から出力されるタイミング信号により、オゾン発生回路16の駆動時間と停止時間を変化させデューティを変えることによりオゾン発生量を制御する。自動販売機20は、このオゾン発生装置1を筐体21内に内蔵する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌処理や消毒処理等に使用するオゾン発生装置に係り、特に、自動販売機等の筐体内に内蔵され、筐体内の消毒や殺菌、脱臭等の他に害虫を寄せ付けにくくする機能を有するオゾン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のオゾン発生装置は、病院等の院内感染対策用として、また救急車内の殺菌用として、さらに福祉用具の殺菌用として、あるいは他の種々の用途に使用されている。このオゾン発生装置は、例えば放電管等のオゾン発生体に高電圧を印加して放電を起こさせることにより、酸素を酸化してオゾンを発生させるものが主である。
【0003】
また、従来から多種多様の自動販売機があり、例えば食品や飲料を販売する自動販売機としては、例えば飲料を缶やペットボトルで販売する形式のものと、飲料をカップに注入して、又は麺類を加熱して容器に入れて販売する形式のものがある。前者の形式の自動販売機は、飲料をペットボトル等で保存するため特に衛生上の問題はないが、後者の形式の自動販売機は、食料や飲料を直接容器に入れて販売するため、消毒等の衛生上の管理が必要となっている。
【0004】
前者の形式の自動販売機の場合、機内に収容されるペットボトル等の個数に限界があり、1台の自動販売機で販売できる数量が限られる。後者の形式の自動販売機の場合、購入者が例えば飲料を選択してからカップに注入するため、販売容量が大きいというメリットがある。すなわち、カップは重ねて保存できるため内蔵量を多くすることができ、販売容量を大きくすることができる。また、使用済みのカップの回収はペットボトル等に比べて容易であり、作業者が一人で管理できる台数が多く、管理費が安くできるという長所もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したオゾン発生装置は、放電管で放電させてオゾンを連続的に発生する装置が主であり、オゾン濃度が上昇し過ぎたときには電源を落としてオゾン発生を停止している。このため、オゾン濃度が低くなると手動で電源を入れてオゾンを再度発生させなければならない。また、例えば、強・中・弱の切換スイッチを取付け、強は連続運転、中・弱はそれぞれON・OFF時間を固定して、断続運転することによりオゾンの発生量を切換えるものもあるが、このタイプのものは手動にて切換えるため、操作が煩雑となる。
【0006】
また、前記した後者の形式のカップ式自動販売機は、飲料や食料を直接カップに注入するため、前記したとおり自動販売機内の清掃が必要であり、販売機内の消毒や、ゴキブリ等の害虫の侵入を防ぐ対策が必要であった。すなわち、カップ式自動販売機内は熱源等があって内部が暖かいため細菌が繁殖しやすく、特に冬はゴキブリの格好のすみかとなっている。ゴキブリ等を寄せ付けなくするために殺虫剤を散布すると殺虫剤の臭いが食品や飲料に移る虞があるとともに、散布量を多くすると食品等に影響を与える虞がある。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小型で自動販売機等の内部に容易に設置でき、周囲の温度を計測して計測温度に基づいてオゾンの発生量を変化させることができ、自動販売機等の筐体内の周囲環境を効果的に殺菌消毒できるとともに脱臭でき、害虫を近づけなくすることができ、管理が容易に行え管理費用を低減できるオゾン発生装置を提供することにある。
【0008】
また、前記のオゾン発生装置を使用し、オゾンの異臭が食料や飲料に移ることが少なく、機内の温度に基づいて、例えば高温時にはオゾンの発生量を増やし、低温時にはオゾンの発生量を減らして効率良く殺菌消毒を行うとともに、脱臭することができ、ゴキブリ等の害虫を近づけにくくすることができ、維持管理費用を低減できる自動販売機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係るオゾン発生装置は、オゾン発生手段と、このオゾン発生手段を駆動する駆動回路を備え、さらに温度計測手段を備え、駆動回路は温度計測手段で計測した温度に基づいてオゾン発生手段から発生されるオゾン発生量を制御することを特徴とする。例えば、周囲の温度が高いときはオゾンの発生量を増やし、低いときにはオゾンの発生量を減らすように制御すると好ましい。
【0010】
前記のごとく構成された本発明のオゾン発生装置は、温度計測手段からの温度計測値によりオゾン発生量を制御し、例えば夏で温度が高いときには腐敗が進みやすいためオゾン発生量を増やして消毒、殺菌を強力に行い、冬で温度が低いときにはオゾン発生量を減らして、必要最低限の消毒、殺菌を行うことができる。このため、消毒や殺菌を効率良く行うことができ、余分なオゾンを発生しないため内部機器の酸化による損傷を防止でき、消費電力を低減することができる。また、周囲を脱臭してゴキブリ等の害虫が近づくことを防止し、装置周囲を清潔に保つことができる。
【0011】
また、本発明に係るオゾン発生装置の好ましい具体的な態様としては、前記駆動回路は、温度計測手段で計測した温度に基づいてオゾン発生手段の駆動時間と停止時間を変化させることによりオゾン発生量を制御することを特徴とする。例えば前記駆動装置は、温度計測手段の温度情報に基づいてタイミング発生装置が駆動時間と停止時間を変化させ、高温を計測したときオゾン発生量を増加するように駆動時間を長くして停止時間を短くし、また低温を計測したときにはオゾン発生量を低減するよう駆動時間を短くして停止時間を長くするようにデューティを変化させて制御する。この構成によれば、簡単な構成でオゾンの発生量を制御でき、所定時間内の希望するオゾン濃度を容易に達成することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る自動販売機は、前記のオゾン発生装置を筐体内に内蔵し、温度計測手段で計測した筐体内の温度に基づいてオゾン発生量を制御する。また、前記オゾン発生装置は、そのケースに固定したマグネットキャッチにより、前記筐体内に固定されることが好ましい。
【0013】
このように構成された本発明の自動販売機は、筐体内の温度を計測して、その温度に適するオゾン量を発生させるため、季節の変化等により筐体内の温度が変化しても必要最低限のオゾン量を発生し、筐体内の食品に不快な臭気を与えることを防止でき、害虫の侵入を効果的に防止することができる。また、筐体内のオゾン濃度を最適にできるため、筐体内の各種機器が酸化される可能性を低減でき、自動販売機を安定して運転でき、耐久性を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るオゾン発生装置の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るオゾン発生装置の前方と後方の斜視図、図2は、図1の一部を破断した平面図と、一部を破断した正面図である。図1,2において、オゾン発生装置1は直方体状のケース2内に後述する電源回路10、温度計測手段として温度計測回路11、タイミング発生回路12、駆動回路13、報知回路14、及びオゾン発生体として放電管15を有するオゾン発生回路16(オゾン発生手段)を備える電気回路を内蔵している。
【0015】
ケース2は例えばステンレススチール等の金属板材から形成され、50×40×150mm程度の小型のケースであり、長手方向の一端部は区切られて多数のスリットが形成された開放空間3となっており、ケースの内部空間とケース外とが連通している。また、開放空間3と隣接する閉塞空間4は後述する電気回路が内蔵され、開放空間3にはオゾンを発生するオゾン発生体として放電管15が配置されている。ケース2にはオゾン発生装置1に電源を供給する100V用のプラグ5が接続されている。
【0016】
放電管15としては、セラミックスのパイプ内にタングステン電極を対向させ、封止用ガラスで封止して対向電極をパイプ内に封入した低温プラズマ発生体を用いている。この放電管15は湿気による放電量の低下を最低限に抑え、安定した放電を可能とするもので、使用中に表面に異物が付着しても洗浄すれば元の状態に戻り、安定して放電することができる。また電極が露出していないため、経時変化で電極が消耗することが少なく、長期間の使用が可能である。
【0017】
放電管15はケースの開放空間3内に固定され、ケース2のスリット部分を水没させることにより放電管15の表面に異物が付着しても洗浄することができるように、ケース2の外面には水没可能な領域を示す指示線6が印刷や塗装等により形成されている。したがって、指示線6まで水没させても内部の電気回路に影響を与えないように構成されている。
【0018】
ここで、オゾン発生装置1の電気回路について、図3を参照して説明する。オゾン発生装置1は、電源回路10と、温度センサ11aを有する温度計測回路11と、温度計測回路11からの温度情報が入力され、その情報に基づいてタイミング信号を発生するタイミング発生回路12と、タイミング発生回路12からのタイミング信号が入力され駆動信号を出力する駆動回路13と、発光ダイオード14aを有しタイミング信号により発光して動作状態を示す報知回路14と、昇圧回路16aと放電管15とから構成され前記の駆動信号によりオゾンを発生するオゾン発生回路16とを備えている。
【0019】
なお、図示していないが、交流100Vにプラグ5が接続されると、各部に電源電圧を供給する電源が備えられており、オゾン発生回路16を含む各回路に所定の電圧が供給される。オゾン発生装置1は図1に示すプラグ5をコンセントに差し込むことにより動作するものであるが、電源スイッチを備えて、この電源スイッチを投入して動作させるように構成してもよい。
【0020】
温度計測回路11の温度センサ11aはサーミスタが使用され、ケース2の通気スリット2a(図1b参照)に近接するケース2内のプリント基板(図示せず)上に固定され、通気スリット2aを通して流通する周辺の空気の温度を計測する。温度センサ11aは温度が上昇すると抵抗値が下がるタイプのものを使用しており、図4に抵抗Rで示すように抵抗が温度により変化する。なお、図4において、横軸は温度、左縦軸は1時間当たりのオゾン濃度、右縦軸はサーミスタの抵抗値である。
【0021】
タイミング発生回路12はタイマーIC12a等で構成され、温度計測回路11からの入力に応じてデューティを変化させたタイミング信号を発生する。
駆動回路13はタイミング発生回路12のタイミング信号に基づいてオゾンを発生させる駆動信号を出力するものである。駆動回路13からの駆動信号はオゾン発生回路16の昇圧回路16aに接続され、ここで昇圧された高電圧が放電管15に供給され、放電管15は放電し酸素を酸化してオゾンを発生させる。タイミング発生回路12からの出力は報知回路14に供給され、報知回路14は発光ダイオード14aが発光してオゾンが発生していることを表示する。
【0022】
タイミング発生回路12は、本実施形態では、駆動状態のON時間と停止状態のOFF時間を変化させることによりオゾン発生量を制御する。すなわち、駆動時間と停止時間を調整する駆動信号のデューティを変更することにより、オゾン発生量を調整するように構成している。デューティを100%として連続的に駆動してオゾンを発生させると、オゾンの発生量は最大となり、デューティを低くするとオゾンの発生量を減らすことができるように構成されている。
【0023】
すなわち、本実施形態ではタイミング発生回路12は、図5に示すように、ON時間を2.29秒に固定し、OFF時間を変えることによりタイミング信号のデューティを変化させ、OFF時間を「0」としてデューティを100%ON、すなわち連続駆動としたとき、1時間当たりの周囲のオゾン濃度が4mg/hとなるように設定されている。そして、例えば温度が0℃のときにはON時間が2.29秒でOFF時間が13.8秒であり、デューティは約14.2%ONに設定され、オゾン濃度が0.57mg/hとなり、温度が40℃のときにはON時間が2.29秒でOFF時間が1.7秒であり、デューティは約57.6%ONに設定され、オゾン濃度が2.31mg/hとなるように設定され、途中の温度では図4にDで示すように、略リニアに近い状態でオゾン濃度が変化するように設定されている。このように、ケース2外の周囲温度が高いときにはデューティを大きくしてオゾン濃度を高め、周囲温度が低いときにはデューティを小さくしてオゾン濃度を低くする。なお、ON時間が2.29秒に限られるものでなく、任意の時間とすることができる。
【0024】
オゾン発生装置1は図1,2に示すように、ケース2の外側に永久磁石を備えたマグネットキャッチ7を固定してある。このマグネットキャッチ7は、例えば図6に示すように、カップ式の自動販売機20の筐体21の内部にオゾン発生装置1を設置するためのものであり、オゾン発生装置1を自動販売機20の磁性材からなる金属製筐体21の壁面や底面に吸着して固定することができる強力なものを使用している。
【0025】
前記の如く構成された本実施形態のオゾン発生装置1の動作について以下に説明する。プラグ5をコンセントに投入し、電源回路10から温度計測回路11に直流電圧が供給させると、温度センサ11aは周囲の温度により抵抗値が変化し、温度に基づいて変化した出力電流がタイミング発生回路12に入力される。タイミング発生回路12は、計測温度に基づいてデューティを変化させたタイミング信号を駆動回路13に出力する。駆動回路13はこのタイミング信号に基づいて、所定のパルス幅を有する駆動信号をオゾン発生回路16に供給し、オゾン発生回路16では駆動信号に基づいて昇圧して放電管15を放電させる。放電管15の放電により発生したオゾンは、開放空間3のスリットからケース2の外部に放出され、周囲の空間の消毒や脱臭を行う。
【0026】
例えば季節が夏で周辺の温度が35℃の場合、駆動回路13は放電管15を2.29秒ONさせ、2.1秒OFFさせるというようにデューティが約51.9%ONで放電を行い、このサイクルを繰り返して駆動する。この場合は、オゾンの1時間当たりの発生量は2.07mg/hとなる。また、季節が冬で周辺の温度が5℃の場合、駆動回路13は放電管15を2.29秒ONで放電させ、10.3秒OFFさせるというようにデューティが約18.2%ONで放電を行い、このサイクルを繰り返して駆動する。このときのオゾンの1時間当たりの発生量は0.73mg/hとなる。
【0027】
本実施形態では、0℃における駆動は、40℃での駆動の場合の約1/3〜1/4の能力で駆動することとなる。放電は低温、低湿ほど転換効率が高く、夏には転換効率が低いため、夏に冬と同じ程度の残留オゾン濃度を得ようとすると、前記のような能力で駆動することが好ましい。
【0028】
このようにして、本実施形態のオゾン発生装置1は周囲の温度を計測して、その温度に基づいてオゾンを効率良く発生させることができる。したがって、このオゾン発生装置1を図6に示すように自動販売機20の筐体21内に設置すると、筐体21内の温度を計測して、その温度に最適なオゾン量を筐体21内に発生させることができる。このため、温度が高いときには多量にオゾンを発生させて筐体内を強力に殺菌消毒するモードで運転し、温度が低いときには少量のオゾンを発生させて弱めに殺菌消毒を行う害虫忌避を主体としたモードで自動運転する。このように、オゾンの発生量は必要最低限に制御されており、自動販売機20内の機器がオゾンにより酸化されて損傷することを防止でき、耐久性を向上させることができるとともに消費電力を低減できる。
【0029】
オゾン発生体である放電管15に酸化物や異物が付着した場合は、定期的に綿棒を用いて掃除する。付着がひどい場合は、ケース2のスリットを形成した開放空間3の部分を、例えば水を入れた容器内に水没させて水洗することにより酸化物や異物を除去することができる。このように掃除、あるいは洗浄することにより放電管15は初期の状態に復帰して、安定してオゾンを発生することができるようになる。
【0030】
放電管15よりオゾンが発生すると、その周囲はオゾンの脱臭力により臭気が分解され、ゴキブリの集合フェロモンを消失することができる。オゾンがゴキブリの集合フェロモンを消失することは、「衛生動物」 Vol.32 No.1p.29−36 1981年発行 に記載されている。このように、オゾンがゴキブリの誘引要因である臭気を分解することにより、オゾンの発生源の周辺にゴキブリが近づくことを防止することができる。すなわち、ゴキブリは相互に情報交換ができなくなり、集団生活が乱れて生存に適さない環境となり、成長、繁殖ができにくくなる。したがって、本発明のオゾン発生装置1を設置すると、設置した自動販売機20等の筐体21内はゴキブリ等の害虫の生息しにくい環境となり、通風用のスリット等からの害虫の侵入を防止することができる。
【0031】
また、害虫の忌避効果を得るために、薬剤を散布しないため、殺虫剤等の危険物質が自動販売機20内の食品や飲料の容器に付着して人間の口に入ることがなく、自動販売機等の装置の安全性を高めることができる。オゾンは害虫を殺さないため、自動販売器内に死骸が残らず衛生上好ましい。さらに、薬剤を散布しても薬効成分は徐々に消失するが、オゾンを発生させることにより害虫を長期間にわたって近づけなくすることができる。
【0032】
オゾンは通常、大気中に0.05ppm以下の濃度で存在しており、適度な存在が空気を爽やかにし、快適な環境を提供するものである。また、オゾンは短時間で酸素に戻るため、残留性がなく安心して使用できるものである。オゾンによる殺菌効果は、例えば25℃の温度で、黄色ブドウ球菌やセレウス菌を0.01ppmの濃度のオゾンに暴露させたとき、3時間以上で完全に死滅することが報告されている。
【0033】
前記のように、オゾンを周囲の温度によって濃度を変化させて発生させることにより、薬剤等の散布による二次被害の心配もなく、殺菌、防カビ、脱臭、害虫の忌避を効果的に行うことができる。さらに、薬剤を散布する場合は、例えば年に数回薬剤を散布する必要があり、その都度費用が発生するが、本発明のオゾン発生装置1は、2W(24℃環境下)程度の僅かな電力で駆動でき、消毒等の維持管理費用を大幅に低減できる。
【0034】
自動販売機の多くには換気用のファンが2個付いており、1個はホットの飲料を注入するたびに所定時間作動するものであり、他の1個は筐体内が所定の温度を超えると作動して冷却させるものである。これらのファンの風量は大きく、作動中はオゾン発生装置を駆動させてもオゾン濃度は低下するがオゾンの流出経路は殺菌されるため、細菌の繁殖しやすい個所を流出経路にすると、ファンの作動時に殺菌することができる。
【0035】
本発明のオゾン発生装置1は小型軽量であり、そのケース2に固着したマグネットキャッチ7により自動販売機20等の各種装置の筐体21内に自由に固定することができるので、殺菌を目的としてオゾンの流出経路を変更するべく、固定場所を自由に変更できる。例えば、冬はゴキブリのすみかとなりやすいコーヒー粕や洗浄液を溜めておく場所の近くにオゾン発生装置を固定し、夏は殺菌・脱臭の効果を出しやすい飲み物を作る場所の近くに固定して、効果的に殺菌することができる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、オゾンの発生量を制御するのに、タイミング信号のデューティを変更する例を示したが、放電管が放電可能な高電圧の範囲において、電圧を変化させることによってオゾンの発生量を制御するようにしてもよい。
【0037】
また、温度計測手段として、サーミスタ温度センサの例を示したが、熱電対型のセンサ等の各種の温度センサを適宜使用することができる。オゾン発生装置を自動販売機の筐体内に内蔵するのに、マグネットキャッチにより固定する例を示したが、ビス止め等、他の手段を用いて固定するようにしてもよい。オゾンを発生させるタイミング信号をタイマーICで形成するタイミング発生回路の例を示したが、マイクロコンピュータを使用してタイミング信号を形成するように構成してもよいのは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明のオゾン発生装置は、周囲の温度を計測してオゾンの発生量を制御できるので、効率良く殺菌や脱臭を行うことができ、害虫が近寄ることを防止することができる。また、本発明のオゾン発生装置を自動販売機内に設置すると、殺菌、脱臭、及び害虫の忌避という効果を得ることができ、内部の食品や飲料の味が変わることを防止できる。そして、内部の機器に損傷を与えることが少ないため、自動販売機の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオゾン発生装置の一実施形態を示し、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図。
【図2】(a)は図1の一部を破断した平面図、(b)は一部を破断した正面図。
【図3】本発明に係るオゾン発生装置の電気回路図。
【図4】気温に対する温度センサの抵抗値と、本発明のオゾン発生装置が所定時間内に発生するオゾン濃度との関係を示すグラフ図。
【図5】ON時間とOFF時間とデューティと、所定時間内のオゾン濃度との関係を示す表図。
【図6】本発明に係るオゾン発生装置を内蔵した自動販売機の概略正面図。
【符号の説明】
1 オゾン発生装置、 2 ケース、
7 マグネットキャッチ、
11 温度計測回路、 11a 温度センサ、
12 タイミング発生回路、
12a タイマーIC、
13 駆動回路、
15 放電管(オゾン発生体)、
16 オゾン発生回路、
20 自動販売機、 21 筐体
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌処理や消毒処理等に使用するオゾン発生装置に係り、特に、自動販売機等の筐体内に内蔵され、筐体内の消毒や殺菌、脱臭等の他に害虫を寄せ付けにくくする機能を有するオゾン発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のオゾン発生装置は、病院等の院内感染対策用として、また救急車内の殺菌用として、さらに福祉用具の殺菌用として、あるいは他の種々の用途に使用されている。このオゾン発生装置は、例えば放電管等のオゾン発生体に高電圧を印加して放電を起こさせることにより、酸素を酸化してオゾンを発生させるものが主である。
【0003】
また、従来から多種多様の自動販売機があり、例えば食品や飲料を販売する自動販売機としては、例えば飲料を缶やペットボトルで販売する形式のものと、飲料をカップに注入して、又は麺類を加熱して容器に入れて販売する形式のものがある。前者の形式の自動販売機は、飲料をペットボトル等で保存するため特に衛生上の問題はないが、後者の形式の自動販売機は、食料や飲料を直接容器に入れて販売するため、消毒等の衛生上の管理が必要となっている。
【0004】
前者の形式の自動販売機の場合、機内に収容されるペットボトル等の個数に限界があり、1台の自動販売機で販売できる数量が限られる。後者の形式の自動販売機の場合、購入者が例えば飲料を選択してからカップに注入するため、販売容量が大きいというメリットがある。すなわち、カップは重ねて保存できるため内蔵量を多くすることができ、販売容量を大きくすることができる。また、使用済みのカップの回収はペットボトル等に比べて容易であり、作業者が一人で管理できる台数が多く、管理費が安くできるという長所もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したオゾン発生装置は、放電管で放電させてオゾンを連続的に発生する装置が主であり、オゾン濃度が上昇し過ぎたときには電源を落としてオゾン発生を停止している。このため、オゾン濃度が低くなると手動で電源を入れてオゾンを再度発生させなければならない。また、例えば、強・中・弱の切換スイッチを取付け、強は連続運転、中・弱はそれぞれON・OFF時間を固定して、断続運転することによりオゾンの発生量を切換えるものもあるが、このタイプのものは手動にて切換えるため、操作が煩雑となる。
【0006】
また、前記した後者の形式のカップ式自動販売機は、飲料や食料を直接カップに注入するため、前記したとおり自動販売機内の清掃が必要であり、販売機内の消毒や、ゴキブリ等の害虫の侵入を防ぐ対策が必要であった。すなわち、カップ式自動販売機内は熱源等があって内部が暖かいため細菌が繁殖しやすく、特に冬はゴキブリの格好のすみかとなっている。ゴキブリ等を寄せ付けなくするために殺虫剤を散布すると殺虫剤の臭いが食品や飲料に移る虞があるとともに、散布量を多くすると食品等に影響を与える虞がある。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、小型で自動販売機等の内部に容易に設置でき、周囲の温度を計測して計測温度に基づいてオゾンの発生量を変化させることができ、自動販売機等の筐体内の周囲環境を効果的に殺菌消毒できるとともに脱臭でき、害虫を近づけなくすることができ、管理が容易に行え管理費用を低減できるオゾン発生装置を提供することにある。
【0008】
また、前記のオゾン発生装置を使用し、オゾンの異臭が食料や飲料に移ることが少なく、機内の温度に基づいて、例えば高温時にはオゾンの発生量を増やし、低温時にはオゾンの発生量を減らして効率良く殺菌消毒を行うとともに、脱臭することができ、ゴキブリ等の害虫を近づけにくくすることができ、維持管理費用を低減できる自動販売機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係るオゾン発生装置は、オゾン発生手段と、このオゾン発生手段を駆動する駆動回路を備え、さらに温度計測手段を備え、駆動回路は温度計測手段で計測した温度に基づいてオゾン発生手段から発生されるオゾン発生量を制御することを特徴とする。例えば、周囲の温度が高いときはオゾンの発生量を増やし、低いときにはオゾンの発生量を減らすように制御すると好ましい。
【0010】
前記のごとく構成された本発明のオゾン発生装置は、温度計測手段からの温度計測値によりオゾン発生量を制御し、例えば夏で温度が高いときには腐敗が進みやすいためオゾン発生量を増やして消毒、殺菌を強力に行い、冬で温度が低いときにはオゾン発生量を減らして、必要最低限の消毒、殺菌を行うことができる。このため、消毒や殺菌を効率良く行うことができ、余分なオゾンを発生しないため内部機器の酸化による損傷を防止でき、消費電力を低減することができる。また、周囲を脱臭してゴキブリ等の害虫が近づくことを防止し、装置周囲を清潔に保つことができる。
【0011】
また、本発明に係るオゾン発生装置の好ましい具体的な態様としては、前記駆動回路は、温度計測手段で計測した温度に基づいてオゾン発生手段の駆動時間と停止時間を変化させることによりオゾン発生量を制御することを特徴とする。例えば前記駆動装置は、温度計測手段の温度情報に基づいてタイミング発生装置が駆動時間と停止時間を変化させ、高温を計測したときオゾン発生量を増加するように駆動時間を長くして停止時間を短くし、また低温を計測したときにはオゾン発生量を低減するよう駆動時間を短くして停止時間を長くするようにデューティを変化させて制御する。この構成によれば、簡単な構成でオゾンの発生量を制御でき、所定時間内の希望するオゾン濃度を容易に達成することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る自動販売機は、前記のオゾン発生装置を筐体内に内蔵し、温度計測手段で計測した筐体内の温度に基づいてオゾン発生量を制御する。また、前記オゾン発生装置は、そのケースに固定したマグネットキャッチにより、前記筐体内に固定されることが好ましい。
【0013】
このように構成された本発明の自動販売機は、筐体内の温度を計測して、その温度に適するオゾン量を発生させるため、季節の変化等により筐体内の温度が変化しても必要最低限のオゾン量を発生し、筐体内の食品に不快な臭気を与えることを防止でき、害虫の侵入を効果的に防止することができる。また、筐体内のオゾン濃度を最適にできるため、筐体内の各種機器が酸化される可能性を低減でき、自動販売機を安定して運転でき、耐久性を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るオゾン発生装置の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るオゾン発生装置の前方と後方の斜視図、図2は、図1の一部を破断した平面図と、一部を破断した正面図である。図1,2において、オゾン発生装置1は直方体状のケース2内に後述する電源回路10、温度計測手段として温度計測回路11、タイミング発生回路12、駆動回路13、報知回路14、及びオゾン発生体として放電管15を有するオゾン発生回路16(オゾン発生手段)を備える電気回路を内蔵している。
【0015】
ケース2は例えばステンレススチール等の金属板材から形成され、50×40×150mm程度の小型のケースであり、長手方向の一端部は区切られて多数のスリットが形成された開放空間3となっており、ケースの内部空間とケース外とが連通している。また、開放空間3と隣接する閉塞空間4は後述する電気回路が内蔵され、開放空間3にはオゾンを発生するオゾン発生体として放電管15が配置されている。ケース2にはオゾン発生装置1に電源を供給する100V用のプラグ5が接続されている。
【0016】
放電管15としては、セラミックスのパイプ内にタングステン電極を対向させ、封止用ガラスで封止して対向電極をパイプ内に封入した低温プラズマ発生体を用いている。この放電管15は湿気による放電量の低下を最低限に抑え、安定した放電を可能とするもので、使用中に表面に異物が付着しても洗浄すれば元の状態に戻り、安定して放電することができる。また電極が露出していないため、経時変化で電極が消耗することが少なく、長期間の使用が可能である。
【0017】
放電管15はケースの開放空間3内に固定され、ケース2のスリット部分を水没させることにより放電管15の表面に異物が付着しても洗浄することができるように、ケース2の外面には水没可能な領域を示す指示線6が印刷や塗装等により形成されている。したがって、指示線6まで水没させても内部の電気回路に影響を与えないように構成されている。
【0018】
ここで、オゾン発生装置1の電気回路について、図3を参照して説明する。オゾン発生装置1は、電源回路10と、温度センサ11aを有する温度計測回路11と、温度計測回路11からの温度情報が入力され、その情報に基づいてタイミング信号を発生するタイミング発生回路12と、タイミング発生回路12からのタイミング信号が入力され駆動信号を出力する駆動回路13と、発光ダイオード14aを有しタイミング信号により発光して動作状態を示す報知回路14と、昇圧回路16aと放電管15とから構成され前記の駆動信号によりオゾンを発生するオゾン発生回路16とを備えている。
【0019】
なお、図示していないが、交流100Vにプラグ5が接続されると、各部に電源電圧を供給する電源が備えられており、オゾン発生回路16を含む各回路に所定の電圧が供給される。オゾン発生装置1は図1に示すプラグ5をコンセントに差し込むことにより動作するものであるが、電源スイッチを備えて、この電源スイッチを投入して動作させるように構成してもよい。
【0020】
温度計測回路11の温度センサ11aはサーミスタが使用され、ケース2の通気スリット2a(図1b参照)に近接するケース2内のプリント基板(図示せず)上に固定され、通気スリット2aを通して流通する周辺の空気の温度を計測する。温度センサ11aは温度が上昇すると抵抗値が下がるタイプのものを使用しており、図4に抵抗Rで示すように抵抗が温度により変化する。なお、図4において、横軸は温度、左縦軸は1時間当たりのオゾン濃度、右縦軸はサーミスタの抵抗値である。
【0021】
タイミング発生回路12はタイマーIC12a等で構成され、温度計測回路11からの入力に応じてデューティを変化させたタイミング信号を発生する。
駆動回路13はタイミング発生回路12のタイミング信号に基づいてオゾンを発生させる駆動信号を出力するものである。駆動回路13からの駆動信号はオゾン発生回路16の昇圧回路16aに接続され、ここで昇圧された高電圧が放電管15に供給され、放電管15は放電し酸素を酸化してオゾンを発生させる。タイミング発生回路12からの出力は報知回路14に供給され、報知回路14は発光ダイオード14aが発光してオゾンが発生していることを表示する。
【0022】
タイミング発生回路12は、本実施形態では、駆動状態のON時間と停止状態のOFF時間を変化させることによりオゾン発生量を制御する。すなわち、駆動時間と停止時間を調整する駆動信号のデューティを変更することにより、オゾン発生量を調整するように構成している。デューティを100%として連続的に駆動してオゾンを発生させると、オゾンの発生量は最大となり、デューティを低くするとオゾンの発生量を減らすことができるように構成されている。
【0023】
すなわち、本実施形態ではタイミング発生回路12は、図5に示すように、ON時間を2.29秒に固定し、OFF時間を変えることによりタイミング信号のデューティを変化させ、OFF時間を「0」としてデューティを100%ON、すなわち連続駆動としたとき、1時間当たりの周囲のオゾン濃度が4mg/hとなるように設定されている。そして、例えば温度が0℃のときにはON時間が2.29秒でOFF時間が13.8秒であり、デューティは約14.2%ONに設定され、オゾン濃度が0.57mg/hとなり、温度が40℃のときにはON時間が2.29秒でOFF時間が1.7秒であり、デューティは約57.6%ONに設定され、オゾン濃度が2.31mg/hとなるように設定され、途中の温度では図4にDで示すように、略リニアに近い状態でオゾン濃度が変化するように設定されている。このように、ケース2外の周囲温度が高いときにはデューティを大きくしてオゾン濃度を高め、周囲温度が低いときにはデューティを小さくしてオゾン濃度を低くする。なお、ON時間が2.29秒に限られるものでなく、任意の時間とすることができる。
【0024】
オゾン発生装置1は図1,2に示すように、ケース2の外側に永久磁石を備えたマグネットキャッチ7を固定してある。このマグネットキャッチ7は、例えば図6に示すように、カップ式の自動販売機20の筐体21の内部にオゾン発生装置1を設置するためのものであり、オゾン発生装置1を自動販売機20の磁性材からなる金属製筐体21の壁面や底面に吸着して固定することができる強力なものを使用している。
【0025】
前記の如く構成された本実施形態のオゾン発生装置1の動作について以下に説明する。プラグ5をコンセントに投入し、電源回路10から温度計測回路11に直流電圧が供給させると、温度センサ11aは周囲の温度により抵抗値が変化し、温度に基づいて変化した出力電流がタイミング発生回路12に入力される。タイミング発生回路12は、計測温度に基づいてデューティを変化させたタイミング信号を駆動回路13に出力する。駆動回路13はこのタイミング信号に基づいて、所定のパルス幅を有する駆動信号をオゾン発生回路16に供給し、オゾン発生回路16では駆動信号に基づいて昇圧して放電管15を放電させる。放電管15の放電により発生したオゾンは、開放空間3のスリットからケース2の外部に放出され、周囲の空間の消毒や脱臭を行う。
【0026】
例えば季節が夏で周辺の温度が35℃の場合、駆動回路13は放電管15を2.29秒ONさせ、2.1秒OFFさせるというようにデューティが約51.9%ONで放電を行い、このサイクルを繰り返して駆動する。この場合は、オゾンの1時間当たりの発生量は2.07mg/hとなる。また、季節が冬で周辺の温度が5℃の場合、駆動回路13は放電管15を2.29秒ONで放電させ、10.3秒OFFさせるというようにデューティが約18.2%ONで放電を行い、このサイクルを繰り返して駆動する。このときのオゾンの1時間当たりの発生量は0.73mg/hとなる。
【0027】
本実施形態では、0℃における駆動は、40℃での駆動の場合の約1/3〜1/4の能力で駆動することとなる。放電は低温、低湿ほど転換効率が高く、夏には転換効率が低いため、夏に冬と同じ程度の残留オゾン濃度を得ようとすると、前記のような能力で駆動することが好ましい。
【0028】
このようにして、本実施形態のオゾン発生装置1は周囲の温度を計測して、その温度に基づいてオゾンを効率良く発生させることができる。したがって、このオゾン発生装置1を図6に示すように自動販売機20の筐体21内に設置すると、筐体21内の温度を計測して、その温度に最適なオゾン量を筐体21内に発生させることができる。このため、温度が高いときには多量にオゾンを発生させて筐体内を強力に殺菌消毒するモードで運転し、温度が低いときには少量のオゾンを発生させて弱めに殺菌消毒を行う害虫忌避を主体としたモードで自動運転する。このように、オゾンの発生量は必要最低限に制御されており、自動販売機20内の機器がオゾンにより酸化されて損傷することを防止でき、耐久性を向上させることができるとともに消費電力を低減できる。
【0029】
オゾン発生体である放電管15に酸化物や異物が付着した場合は、定期的に綿棒を用いて掃除する。付着がひどい場合は、ケース2のスリットを形成した開放空間3の部分を、例えば水を入れた容器内に水没させて水洗することにより酸化物や異物を除去することができる。このように掃除、あるいは洗浄することにより放電管15は初期の状態に復帰して、安定してオゾンを発生することができるようになる。
【0030】
放電管15よりオゾンが発生すると、その周囲はオゾンの脱臭力により臭気が分解され、ゴキブリの集合フェロモンを消失することができる。オゾンがゴキブリの集合フェロモンを消失することは、「衛生動物」 Vol.32 No.1p.29−36 1981年発行 に記載されている。このように、オゾンがゴキブリの誘引要因である臭気を分解することにより、オゾンの発生源の周辺にゴキブリが近づくことを防止することができる。すなわち、ゴキブリは相互に情報交換ができなくなり、集団生活が乱れて生存に適さない環境となり、成長、繁殖ができにくくなる。したがって、本発明のオゾン発生装置1を設置すると、設置した自動販売機20等の筐体21内はゴキブリ等の害虫の生息しにくい環境となり、通風用のスリット等からの害虫の侵入を防止することができる。
【0031】
また、害虫の忌避効果を得るために、薬剤を散布しないため、殺虫剤等の危険物質が自動販売機20内の食品や飲料の容器に付着して人間の口に入ることがなく、自動販売機等の装置の安全性を高めることができる。オゾンは害虫を殺さないため、自動販売器内に死骸が残らず衛生上好ましい。さらに、薬剤を散布しても薬効成分は徐々に消失するが、オゾンを発生させることにより害虫を長期間にわたって近づけなくすることができる。
【0032】
オゾンは通常、大気中に0.05ppm以下の濃度で存在しており、適度な存在が空気を爽やかにし、快適な環境を提供するものである。また、オゾンは短時間で酸素に戻るため、残留性がなく安心して使用できるものである。オゾンによる殺菌効果は、例えば25℃の温度で、黄色ブドウ球菌やセレウス菌を0.01ppmの濃度のオゾンに暴露させたとき、3時間以上で完全に死滅することが報告されている。
【0033】
前記のように、オゾンを周囲の温度によって濃度を変化させて発生させることにより、薬剤等の散布による二次被害の心配もなく、殺菌、防カビ、脱臭、害虫の忌避を効果的に行うことができる。さらに、薬剤を散布する場合は、例えば年に数回薬剤を散布する必要があり、その都度費用が発生するが、本発明のオゾン発生装置1は、2W(24℃環境下)程度の僅かな電力で駆動でき、消毒等の維持管理費用を大幅に低減できる。
【0034】
自動販売機の多くには換気用のファンが2個付いており、1個はホットの飲料を注入するたびに所定時間作動するものであり、他の1個は筐体内が所定の温度を超えると作動して冷却させるものである。これらのファンの風量は大きく、作動中はオゾン発生装置を駆動させてもオゾン濃度は低下するがオゾンの流出経路は殺菌されるため、細菌の繁殖しやすい個所を流出経路にすると、ファンの作動時に殺菌することができる。
【0035】
本発明のオゾン発生装置1は小型軽量であり、そのケース2に固着したマグネットキャッチ7により自動販売機20等の各種装置の筐体21内に自由に固定することができるので、殺菌を目的としてオゾンの流出経路を変更するべく、固定場所を自由に変更できる。例えば、冬はゴキブリのすみかとなりやすいコーヒー粕や洗浄液を溜めておく場所の近くにオゾン発生装置を固定し、夏は殺菌・脱臭の効果を出しやすい飲み物を作る場所の近くに固定して、効果的に殺菌することができる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、オゾンの発生量を制御するのに、タイミング信号のデューティを変更する例を示したが、放電管が放電可能な高電圧の範囲において、電圧を変化させることによってオゾンの発生量を制御するようにしてもよい。
【0037】
また、温度計測手段として、サーミスタ温度センサの例を示したが、熱電対型のセンサ等の各種の温度センサを適宜使用することができる。オゾン発生装置を自動販売機の筐体内に内蔵するのに、マグネットキャッチにより固定する例を示したが、ビス止め等、他の手段を用いて固定するようにしてもよい。オゾンを発生させるタイミング信号をタイマーICで形成するタイミング発生回路の例を示したが、マイクロコンピュータを使用してタイミング信号を形成するように構成してもよいのは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明のオゾン発生装置は、周囲の温度を計測してオゾンの発生量を制御できるので、効率良く殺菌や脱臭を行うことができ、害虫が近寄ることを防止することができる。また、本発明のオゾン発生装置を自動販売機内に設置すると、殺菌、脱臭、及び害虫の忌避という効果を得ることができ、内部の食品や飲料の味が変わることを防止できる。そして、内部の機器に損傷を与えることが少ないため、自動販売機の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオゾン発生装置の一実施形態を示し、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図。
【図2】(a)は図1の一部を破断した平面図、(b)は一部を破断した正面図。
【図3】本発明に係るオゾン発生装置の電気回路図。
【図4】気温に対する温度センサの抵抗値と、本発明のオゾン発生装置が所定時間内に発生するオゾン濃度との関係を示すグラフ図。
【図5】ON時間とOFF時間とデューティと、所定時間内のオゾン濃度との関係を示す表図。
【図6】本発明に係るオゾン発生装置を内蔵した自動販売機の概略正面図。
【符号の説明】
1 オゾン発生装置、 2 ケース、
7 マグネットキャッチ、
11 温度計測回路、 11a 温度センサ、
12 タイミング発生回路、
12a タイマーIC、
13 駆動回路、
15 放電管(オゾン発生体)、
16 オゾン発生回路、
20 自動販売機、 21 筐体
Claims (4)
- オゾン発生手段と、該オゾン発生手段を駆動する駆動回路を備えるオゾン発生装置であって、
該オゾン発生装置は温度計測手段をさらに備え、前記駆動回路は前記温度計測手段で計測した温度に基づいて前記オゾン発生手段から発生されるオゾン発生量を制御することを特徴とするオゾン発生装置。 - 前記駆動回路は、前記温度計測手段で計測した温度に基づいて前記オゾン発生手段の駆動時間と停止時間を変化させることによりオゾン発生量を制御することを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
- 請求項1又は2に記載のオゾン発生装置を筐体内に内蔵し、前記温度計測手段で計測した前記筐体内の温度に基づいてオゾン発生量を制御することを特徴とする自動販売機。
- 前記オゾン発生装置は、そのケースに固定したマグネットキャッチにより、前記筐体内に固定されることを特徴とする請求項3に記載の自動販売機。
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JP2002316418A JP2004152007A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | オゾン発生装置及びこの装置を内蔵した自動販売機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008188043A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Ihi Shibaura Machinery Corp | 殺菌ガス浸透装置 |
EP2644207A1 (en) * | 2012-03-27 | 2013-10-02 | Adamowy.pl Adam Chojnacki | Device for gas disinfection |
CN112370544A (zh) * | 2020-11-26 | 2021-02-19 | 图灵通诺(北京)科技有限公司 | 无人售货柜的消毒灭菌方法及无人售货柜消毒灭菌系统 |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002316418A patent/JP2004152007A/ja active Pending
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