JP2004150340A - ターボ分子ポンプおよびその故障予測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ室2内に静翼3を設け、動翼5を取り付けたロータシャフト4aを、ラジアル磁気軸受7a,7bとスラスト磁気軸受8とを介して前記ロータ室2内で回転可能に支持し、前記ロータシャフト4aを高速回転させるモータ11をポンプP内に備えたターボ分子ポンプPにおいて、前記ロータシャフト4aの軸変位を検出する変位センサ7b’と、前記軸変位がパルス的なものであるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断の結果、前記軸変位がパルス的なものである場合にはその回数をカウントをする積算手段と、を具備していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセスで使用されるターボ分子ポンプおよびその故障予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体プロセスは、光学的処理や化学的処理等からなる様々な工程により実現される。光学的処理の代表例としては、ウェハ面への回路パターン焼き付けを行う露光処理が挙げられ、化学的処理では例えば、ウェハ面において薄膜を作製する等の表面処理、エッチング処理、洗浄処理等が挙げられる。また、これらの処理を実現するためには、光学的処理においては露光装置、化学的処理においては様々な化学薬品やこれを安全に取り扱うための各種機器が用いられる。これら様々な工程又は各種装置および機器においては、半導体の更なる高集積化等への要求が高まりつつある中で、それぞれが技術的に高度な水準を要求されており、また更なる発展をも図るべく関係各所にて鋭意研究、開発が進行することとなっている。
【0003】
その中で特に具体的技術を挙げると、化学的処理工程に注目すれば、基板表面に溝を形成するエッチング技術がある。このエッチングとは、ウェハ等の基板上に対して原料ガスを供給するとともにプラズマを発生させ、当該基板上で化学反応を経て、その基板に所望の溝を形成する技術である。この技術は、ゲートの薄膜化、配線間容量低減等の半導体高集積化を実現するためには欠くことのできないものとなっている。
【0004】
ところで、上記エッチングを実現するためには、ガスの安定した供給を実現するための機器、また、基板面上の化学反応を有効に進行させるよう、その基板面周囲の領域をクリアに保つ環境保持用の機器等が必要となってくる。なお、エッチングにおいて使用されるガスとは、一般に極めて毒性が高いものが多く、その取り扱いには十分な注意が必要となっている。したがって、ガス供給用機器、またそれを回収する機器に関してはその点に対する配慮が不可欠である。また、「基板面周囲の領域をクリアに保つ」方法としては、具体的には真空雰囲気を現出させる手段が一般的にとられ、したがって、それを実現するため真空排気系が用意されることとなる。
【0005】
上記真空排気系としては、一般に大気圧からの多段階排気を可能とするようロータリポンプ、デフュージョンポンプ、ターボ分子ポンプ等、複数のポンプにより構成されたものが利用される。このうち、ターボ分子ポンプをも含めた構成となる真空排気系では、その真空度が約10−10Torrにまでも達する超高真空が実現される。なお、ターボ分子ポンプとは、周知のように、毎分約数万rpmで回転するロータにより気体分子をたたいて排気するような構成を備えたものである。
【0006】
従来、ターボ分子ポンプの異常直前の事象を記憶し、この記憶した結果を異常の原因調査に寄与できるようにしようとしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−74063号公報(図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1のものでは、将来起こるであろう故障(たとえば、動翼の破損など)を予測することができなかったため、最悪の場合、動翼が破損して、ターボ分子ポンプを停止させてしまうとともに、装置全体を停止させてしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、故障を予測することができるターボ分子ポンプおよびその故障予測方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載のターボ分子ポンプは、ロータ室内に静翼を設け、動翼を取り付けたロータシャフトを、ラジアル磁気軸受とスラスト磁気軸受とを介して前記ロータ室内で回転可能に支持し、前記ロータシャフトを高速回転させるモータをポンプ内に備えたターボ分子ポンプにおいて、前記ロータシャフトの軸変位を検出する変位センサと、前記軸変位がパルス的なものであるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断の結果、前記軸変位がパルス的なものである場合にはその回数をカウントをする積算手段と、を具備していることを特徴とする。
【0011】
このようなターボ分子ポンプによれば、ロータシャフトの軸変位を変位センサで検出し、その軸変位がパルス的なものであるかどうかを判断手段で判断し、その結果、軸変位がパルス的なものであった場合には、そのことを信号として積算手段に送るとともに、その回数を積算手段でカウントする。
すなわち、ロータシャフトに起こったパルス的な軸変位の回数が、積算手段に記憶されることとなる。
【0012】
請求項2に記載のターボ分子ポンプは、前記積算手段によりカウントされた積算回数が所定回数を超えた場合、あるいは前記積算手段によりカウントされた回数が所定時間内で所定回数を超えた場合に警報を発する警報手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
このようなターボ分子ポンプによれば、積算手段によりカウントされた積算回数が所定回数を超えた場合、あるいは積算手段によりカウントされた回数が所定時間内で所定回数を超えた場合、警報手段により警報が発せられるようになっている。
【0014】
請求項3に記載のターボ分子ポンプの故障予測方法は、ロータ室内に静翼を設け、動翼を取り付けたロータシャフトを、ラジアル磁気軸受とスラスト磁気軸受とを介して前記ロータ室内で回転可能に支持し、前記ロータシャフトを高速回転させるモータをポンプ内に備えたターボ分子ポンプにおいて、前記ロータシャフトの軸変位を検出する段階と、前記軸変位がパルス的なものであるか否かを判断する段階と、前記軸変位がパルス的なものである場合にはその回数をカウントをする段階と、を具備していることを特徴とする。
【0015】
このようなターボ分子ポンプの故障予測方法によれば、ロータシャフトの軸変位を検出し、その軸変位がパルス的なものであるかどうかを判断し、その結果、軸変位がパルス的なものであった場合には、その回数をカウントする。
すなわち、ロータシャフトに起こったパルス的な軸変位の回数をカウントしていく。
【0016】
請求項4に記載のターボ分子ポンプの故障予測方法は、前記積算手段によりカウントされた積算回数が所定回数を超えた場合、あるいは前記積算手段によりカウントされた回数が所定時間内で所定回数を超えた場合に警報を発する段階と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
このようなターボ分子ポンプの故障予測方法によれば、カウントした回数が所定回数を超えた場合、あるいはカウントした回数が所定時間内で所定回数を超えた場合、警報が発せられるようになっている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
回転真空ポンプの一種であるターボ分子ポンプは、半導体製造装置を真空引きする場合などに広く使用されている。図1はターボ分子ポンプの概略構造を示している。
【0019】
このターボ分子ポンプPは、ケーシング1内部に各種部品が備えられた構成となっており、このケーシング1においては、その上半部1aに吸気口1c、下半部1bに排気口1dがそれぞれ形成されている。
【0020】
ケーシング1内部におけるロータ室2には、ロータ4が配設されている。ロータ4は、鉛直に立設されたロータシャフト4aと、当該ロータシャフト4a周囲に放射状に配置された動翼5とを備えた構成となっている。また、ケーシング上半部1aには静翼3が固定されている。このロータ4は、高速回転する部材であるため、一般には軽量かつ応力強度の高いアルミニウム合金等をその材質として選択するのが好ましい。
【0021】
ロータシャフト4aの下端部には、スラスト磁気ディスク6が備えられている。このスラスト磁気ディスク6の上面および下面には、これらに対向した形でスラスト磁気軸受8が設けられている。また、ロータシャフト4aとケーシング下半部1bとの対向面における上方および下方には、それぞれラジアル磁気軸受7a,7bが設けられている。さらに、ロータシャフト4a上端部にラジアル用上部保護軸受として設けられたボールベアリング9、同下端ネック部にはラジアルおよびスラスト用下部保護軸受として設けられたボールベアリング10が設けられている。そして、ケーシング下半部1bには、ロータ駆動用モータ11が設けられている。
【0022】
一方、ラジアル磁気軸受7a,7bおよびスラスト磁気軸受8にはそれぞれ位置センサ(変位センサ)7a’,7b’,8’が設けられており、これら磁気軸受7a,7b,8の電磁石に流す電流値を、位置センサ7a’,7b’,8’からの信号でフィードバック制御することで発生電磁力を調整し、ロータ4を非接触で支持して軸受としての動作をするようにしている。
【0023】
真空排気の際には、モータ11を駆動してロータ4を回転させると、ロータ4の回転により動翼5と静翼3との間で圧縮が行われたあと、排気口1dの方向へ流れて真空排気される。
【0024】
さて、本発明者は、上述したようなターボ分子ポンプPの試験運転を繰り返し行っていくうちに、反応生成物の付着時(特に、プロセスが終了し、モータ負荷が下がる時)に発生するロータシャフト4aのパルス的な変動の発生回数と、ターボ分子ポンプPの故障時期(実際の試験ではターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至った時点)との間に相関関係があることを新たに見出した。
すなわち、ロータシャフト4aのこのようなパルス的な変動をカウンタ(積算計)でカウント(積算)することにより、ターボ分子ポンプPの故障時期を予測することができるようになったのである。
なお、ここでいう反応生成物とは、たとえば塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、五塩化タングステン(WCl5)、ヨウ化インジウム(InI3)などである。
【0025】
ロータシャフト4aのパルス的な変動とは、たとえば図2に示すようなものである。図2は、1400リットルクラスのターボ分子ポンプPを使って試験運転したときの、ある時刻(図では18時23分00秒〜18時25分00秒の間)におけるロータシャフト4aの振動値[μm]、モータ電流値(mA)、および回転数(r.p.s.)の変化を示すグラフである。図2に示す試験運転では、ロータシャフト4aが毎秒約519回転(毎分31,140回転)で運転されていることがわかる。また、18時23分30秒にプロセスが終了してモータの負荷が減ったために、モータ電流値が約1430mA(1.43A)から約660mAに時間とともに下がっていくことが読みとれる。
【0026】
18時23分55秒に前述したロータシャフト4aのパルス的な変動(この場合、1秒間に約1回の大きな振幅、いわゆる1秒パルス)を見ることができる。このとき、約2.5μmで安定していた振動値が約11μmまで急激に上昇するとともに、約660mAであったモータ電流値が約900mAまで急激に上昇していることがわかる。
ここで、このような振動値のパルス的な変動は、たとえばターボ分子ポンプPに隣接して設けられた弁(バルブ)が閉まることによっても起こる。しかしながら、ターボ分子ポンプPに隣接して設けられた弁が閉まる場合にはモータ電流値のパルス的な変動は検出されないため、故障の要因となる変動なのかそれとも隣接して設けられた弁が閉まるなどといった外乱による変動なのかを電流値の変化を見ることによって判別することができる。
なお図2において、18時24分10秒以降、ロータシャフト4aの振動値が約4.5μmで落ち着いているように見えるが、時間の経過とともに徐々に低下していき、元の振動値(約2.5μm)に最終的に戻る。また、振動値はラジアル磁気軸受7bの下方に設けられた位置センサ(変位センサ)7b’の電圧を測ることにより得ることができる。たとえば、電圧の値が0.089Vのとき振動値は9μmとなる。
【0027】
つぎに、このようなパルス的な変動をカウントしていく本発明によるロジックを、図3を用いて説明する。
このロジックは、制御部(判断手段)21と、第2の制御部22と、カウンタ(積算手段)Cと、警報器(警報手段)Aと、表示器Dとを主たる要素として構成されたものである。
制御部21には常時、振動値、モータ電流、およびモータ回転数のデータが常時送られてくる。制御部21では、モータ電流値が0.7A以上、モータ電流値が2.0A以下、モータ回転数が519r.p.s.以上であるという条件がすべてそろっている時を定常プロセス状態と定義し、その状態で振動値が9μm以上となったものをパルス的な変動として認識(判断)する。
そして、30秒後に制御部21からパルス的な変動があったことを伝える信号が第2の制御部22に送られるとともに、その時(制御部21からパルス的な変動があったことを伝える信号が送られる時)のモータ電流のデータが第2の制御部に送信される。このときのモータ電流値が2.0A以下であった場合、故障の要因となる軸変位(軸振動)が1回発生したとして、カウンタCに信号が送られて、カウントされる。カウントは運転開始時から今までの累計を記憶しておくことができるとともに、日毎に発生した回数をそれぞれ記憶しておくことができるようになっている。
モータ電流値が2.0A以下であることを条件としていれるのは、真空チャンバーのクリーニング工程時に、モータ電流値が2.0Aよりも高くなるからである。すなわち、クリーニング工程時に起こるロータシャフト4aのパルス的な変動をカウントしないようにするためである。
【0028】
カウンタCでのカウントが、運転開始から何日目に何回行われたか、そしてそのカウントの累積がいくらになったか、そしてその時のモータ電流値がいくらであるかを示したものが図4である。図4において●はその日1日にカウンタCでカウントされた回数(振動頻度)、■はその日までにカウンタCでカウントされた総回数(振動累積回数)、および◆はその日におけるモータ電流値を示している。
なお、データの最終日、すなわち運転を開始して380日目に、その日10回目のカウント(トータルして77回目のカウント)が行われたとき、ターボ分子ポンプPの動翼が破損してターボ分子ポンプPが停止した。
【0029】
図4に示すように、カウンタCでカウントされた回数の総回数が急激に増加し始めた日(300日目)からしばらくして(80日後に)ターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至っている。また、カウンタCでカウントされた回数が1日10回に達した日(330日目)からしばらくして(50日後に)ターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至っている。
【0030】
したがって、カウンタCでカウントされた回数の総回数が急激に増加し始めた日、あるいはカウンタCでカウントされた回数が1日10回に達した日から近いうちに(そう遠くない日に)ターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至ることが予測可能となる。
なお、電流値の上昇を見てターボ分子ポンプPの故障を予測することも不可能ではないが、電流値よりも急激に上昇する振動頻度あるいは振動累積回数を見ることにより、より確実に故障を予測することができる。
【0031】
本試験運転に使用した1400リットルクラスのターボ分子ポンプPの場合には、上記のような傾向があることがわかったので、たとえばカウンタCでカウントされた回数の総回数が急激に増加し始めた日から60日後、あるいはカウンタCでカウントされた回数が1日10回に達した日から30日後にターボ分子ポンプPの運転を停止して、部品交換等の保守整備作業を実施するなどして、ターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至ってしまうことを未然に防止することができる。
【0032】
このように、ターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至るであろう日を的確に予測することができるため、故障前の点検あるいは部品交換が可能となり、故障による装置の停止を回避することができる(予防保全)。
また、その時々にあわせて最も効率の良いメンテナンスが可能となり、ターボ分子ポンプPおよび装置全体を常に良好な状態に維持することができる。
さらに、メンテナンスの時期が明確になるため、その時期に合わせて必要な予備部品を用意しておけばよく、計画的な準備が可能となる。
【0033】
また、図3に示すように、カウンタCに蓄積された結果(言い換えれば、図4に示すようなグラフ)を表示器Dに表示させて、ユーザに注意喚起を促すようにしておけばさらに好適である。
このように構成しておくことで、ユーザが一々カウンタCにアクセスして確認作業を行う必要が無くなり、監視作業の簡略化を図ることができる。
【0034】
さらに、カウンタCでカウントされた回数の総回数が急激に増加し始めたこと、あるいはカウンタCでカウントされた回数が1日10回に達したことを意味する信号を警報器Aに送り、警報音や音声などでユーザに知らせるようにしておけばさらに好適である。
このように構成しておくことにより、ユーザが表示器Dに表示された表示を見落としたり見誤ったとしても確実にターボ分子ポンプPの動翼が破壊に至るであろう日を把握することができ、人為的ミスをなくすことができるとともに、確実な保守点検作業を行うことができるようになる。
【0035】
なお、上述した振動値、モータ電流、およびモータ回転数の値は上記のものに限定されるものではなく、ターボ分子ポンプPの大きさや使用条件などによっても変わるものである。
【0036】
また、ターボ分子ポンプPは図1に示すようなものに限定されるものではなく、同様の構成を有するものであれば、いかなる形態を有するものであっても良い。
【0037】
さらに、上述した実施形態ではロータシャフト4aの軸変位をラジアル磁気軸受7bの下方に設けられた位置センサ(変位センサ)7b’により検知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラジアル磁気軸受7aの上方に設けられた位置センサ(変位センサ)7a’や、スラスト磁気軸受8の下方に設けられた位置センサ(変位センサ)8aによっても検知可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明のターボ分子ポンプおよびその故障予測方法によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載のターボ分子ポンプまたは請求項3に記載のターボ分子ポンプの故障予測方法によれば、ロータシャフトに起こったパルス的な軸変位の回数をカウントし、その数を容易に知ることができるので、その回数を見ただけでターボ分子ポンプの故障時期を予測することができるとともに、故障前の点検あるいは部品交換が可能となり、故障による装置の停止を回避することができる。
また、その時々にあわせて最も効率の良いメンテナンスが可能となり、ターボ分子ポンプおよび装置全体を常に良好な状態に維持することができる。
さらに、メンテナンスの時期が明確になるため、その時期に合わせて必要な予備部品を用意しておけばよく、計画的な準備が可能となる。
【0039】
請求項2に記載のターボ分子ポンプまたは請求項4に記載のターボ分子ポンプの故障予測方法によれば、カウントした回数が所定回数を超えた場合、あるいはカウントした回数が所定時間内で所定回数を超えた場合、警報が発せられるようになっているので、故障時期を確実に把握することができ、人為的ミスをなくすことができるとともに、確実な保守点検作業を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるターボ分子ポンプの縦断側面図である。
【図2】ロータシャフトに起こるパルス的な軸変位を説明するためのグラフである。
【図3】本発明によるロジックを説明するための概略構成図である。
【図4】ターボ分子ポンプの運転開始から動翼が破壊するまでに起こったパルス的な軸変位の回数を示したグラフである。
【符号の説明】
2 ロータ室
3 静翼
4a ロータシャフト
5 動翼
7a ラジアル磁気軸受
7b ラジアル磁気軸受
7b’位置センサ(変位センサ)
8 スラスト磁気軸受
11 モータ
21 制御部(判断手段)
A 警報器(警報手段)
C カウンタ(積算手段)
Claims (4)
- ロータ室内に静翼を設け、動翼を取り付けたロータシャフトを、ラジアル磁気軸受とスラスト磁気軸受とを介して前記ロータ室内で回転可能に支持し、前記ロータシャフトを高速回転させるモータをポンプ内に備えたターボ分子ポンプにおいて、
前記ロータシャフトの軸変位を検出する変位センサと、
前記軸変位がパルス的なものであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断の結果、前記軸変位がパルス的なものである場合にはその回数をカウントをする積算手段と、を具備していることを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 前記積算手段によりカウントされた積算回数が所定回数を超えた場合、あるいは前記積算手段によりカウントされた回数が所定時間内で所定回数を超えた場合に警報を発する警報手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のターボ分子ポンプ。
- ロータ室内に静翼を設け、動翼を取り付けたロータシャフトを、ラジアル磁気軸受とスラスト磁気軸受とを介して前記ロータ室内で回転可能に支持し、前記ロータシャフトを高速回転させるモータをポンプ内に備えたターボ分子ポンプにおいて、
前記ロータシャフトの軸変位を検出する段階と、
前記軸変位がパルス的なものであるか否かを判断する段階と、
前記軸変位がパルス的なものである場合にはその回数をカウントをする段階と、を具備していることを特徴とするターボ分子ポンプの故障予測方法。 - 前記積算手段によりカウントされた積算回数が所定回数を超えた場合、あるいは前記積算手段によりカウントされた回数が所定時間内で所定回数を超えた場合に警報を発する段階と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載のターボ分子ポンプの故障予測方法。
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