JP2004148773A - 電子機器筐体および該筐体の製造に用いる射出成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂からなる母材に対して繊維状補強材を混合して得られる成形材料2を、キャビティ33´へ射出充填することにより成形し、成形体1を得る射出成形法で使用する射出成形装置3´において、キャビティ33´は、当該キャビティ33´内へ成形材料2を流入するための流入口であるゲート部330と、複数のオーバーフロー部332´とを有し、1つのオーバーフロー部332´は、ゲート部330に対し第1の方位に設けられ、かつ別の少なくとも1つのオーバーフロー部332´は、第1の方位に交差する第2の方位に設けられている。これにより、繊維状補強材の指向性が緩和され、成形体1における特性異方性の増大を抑制することができる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器筐体および該筐体の製造に用いる射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、PDA、ノートパソコンなどの小型電子機器に対し、機器全体の薄型軽量化を図るため、電子機器筐体の薄肉化が要求されている。電子機器筐体の薄肉化を達成するためには、たとえば筐体形成材料として合成樹脂を用いて一般的な成形方法である射出成形を行う場合、射出成形時において高い射出圧力や射出速度が必要となるとともに、合成樹脂として高い流動性や機械強度が求められる。
【0003】
射出成形時における高い射出圧力や射出速度の要求は、高出力で高速射出可能な油圧サーボを用いることにより満たされていたが、近年はDCサーボモータの発達により保守が比較的容易でエネルギー効率や制御性に優れた電気サーボや高性能アキュムレータを用いても上述の要求が満たされるようになってきた。
【0004】
一方、合成樹脂としては、その機械強度を向上させるために樹脂からなる母材に対してガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填材を添加した繊維強化樹脂が用いられる。この繊維強化樹脂を用いることにより、前記繊維状充填材を添加しない樹脂と比較して、たとえば曲げ弾性率は2〜5倍に向上する。このような繊維強化樹脂を用いて射出成形を行う技術の一例として、ガスアシスト射出成型用樹脂組成物および成形方法に関する技術が公知となっている。(たとえば、特許文献1参照。)
【0005】
射出成形は、キャビティ内へ樹脂を流入するための流入口であるゲート部から樹脂を流入することにより行われる。ゲート部の形状としては、サイドゲートやピンゲートなどが挙げられる。
【0006】
ゲート部としてサイドゲートを用いた場合は、サイドゲートからキャビティ内へ繊維強化樹脂が流入する際に繊維状補強材が屈曲しないので、繊維状補強材が切断される程度は小さい。しかし、キャビティに流入した繊維強化樹脂に含まれる繊維状補強材の指向性が増大(つまり、成形体の補強方向などの特性についての異方性が増大)し易いため、その配向した繊維の軸方向からの力に対する強度低下や成形体の反りが発生し易い。ゲート部としてピンゲートを用いた場合は、ピンゲートを設けた位置から放射状に繊維状補強材が並ぶので、指向性が低く、成形体の機械強度の異方性は小さい。しかし、ピンゲートからキャビティ内へ繊維強化樹脂が流入する際に繊維状補強材が屈曲するので、繊維状補強材の切断が著しい。特に、より成形体の機械強度の向上に有効なアスペクト比(繊維の直径と長さの比)の大きい繊維状補強材を用いる場合において補強効果の減少が大きい。
【0007】
ところで、樹脂材料と比較して金型への充填性の低い金属材料の射出成形(マグネシウムのチクソモールドやアルミニウムのダイカストなど)では、溶湯のキャビティへの充填不足を解消するため、キャビティと連通するオーバーフロー部を設けた金型が用いられる場合がある。(例えば、特許文献2および3参照。)これにより、金型内のガス(空気など)や金属溶湯の酸化による不良部分は、前記オーバーフロー部に押し出されるため、充填抵抗が抑制されるとともに、溶湯のキャビティへの充填を、より確実にすることができる。成形後、オーバーフロー部に形成された不要部分は、プレスやカッターにより切断し、その切断面はヤスリがけやブラスト処理により仕上げられる。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−49937号公報
【特許文献2】
特開平7−314477号公報
【特許文献3】
特開2002−96356号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、キャビティに流入する繊維強化樹脂内の繊維の指向性を緩和することを抑制する技術は開示されていない。特許文献2および特許文献3においては、オーバーフロー部を用いて成形材料の流動方向を積極的に変化させる技術は開示されていない。
【0010】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、オーバーフロー部を用いて成形材料の流動方向を積極的に変化させることにより、キャビティに流入する繊維強化樹脂内の繊維の指向性を緩和することができる射出成形装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によれば、樹脂からなる母材に対して繊維状補強材を混合して得られる成形材料を、キャビティへ射出充填することにより成形し、成形体を得る射出成形法で使用する射出成形装置であって、キャビティは、キャビティ内へ成形材料を流入するための流入口であるゲート部と、複数のオーバーフロー部とを備え、少なくとも1つのオーバーフロー部は、ゲート部に対し第1の方位に設けられ、かつ少なくとも他の1つのオーバーフロー部は、ゲート部に対して第1の方位に交差する第2の方位に設けられていることを特徴とする射出成形装置が提供される。
【0012】
このような構成の射出成形装置を用いて射出成形を行えば、たとえば成形材料の流入口としてサイドゲートを用いた場合において生じ易い問題、つまり繊維状充填材の指向性が高まる問題に起因する成形体における特性異方性の増大を抑制することができる。たとえば、サイドゲートからキャビティ内への成形材料の流入方向の延長上にオーバーフロー部を設け、かつ前記流入方向に交差する方向の延長上に別のオーバーフロー部を設けることにより、キャビティ内に射出された成形材料が相互に交差する方向へも流れ易くなる。これにより、繊維状補強材の指向性が緩和され、成形体における特性異方性が減少する。したがって、成形体の機械強度や収縮率の異方性が小さくなり、特定方向からの力に対する強度低下や成形体の反りおよび寸法変化の発生が抑制できる。加えて、サイドゲートを用いたとしても繊維状補強材の指向性が高まり難くなるため、成形材料の流入口としてサイドゲートを用いることにより、ピンゲートを用いた場合に生じる問題、つまりピンゲートからキャビティへ成形材料を流入する際に繊維状補強材が屈曲して切断される問題に起因する成形体の機械強度の低下を抑制することができる。
【0013】
好ましくは、オーバーフロー部は、オーバーフロー部へ成形材料が流入する際、略直角に流れ方向が屈曲するように構成されている。このような構成にしたことにより、成形材料がオーバーフロー部に流入する際に、成形材料に含まれる繊維状補強材が略直角に屈曲することにより切断される。そのため、成形後、オーバーフロー部の切断除去を行う工程において、その切断除去がより容易に行うことができるとともに、成形体にかかる負担も低減できる。
【0014】
好ましくは、キャビティは、成形体を別の成形体に係合させることにより外部から視認できなくなる係合部を有し、オーバーフロー部は、前記係合部に連通するように設けられている。このような構成にしたことにより、オーバーフロー部を切断除去した後の切断面は、別の成形体と係合することにより外部から視認できなくなる。そのため、オーバーフロー部の切断除去工程後に切断面を研磨するなどの二次加工の必要性がなくなり、作業効率が向上する。
【0015】
好ましくは、ゲート部は、サイドゲートであり、サイドゲートにおけるゲート開口部の横幅は、繊維状補強材の長さの1倍〜10倍である。このような構成にしたことにより、成形材料がキャビティ内へ流入する際に繊維状補強材に対して負担がかかりにくくなり、切断され難くなる。したがって、補強効果の減少は抑制できる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態においては、成形体は、幅方向および長さ方向の中間部に開口部を有し、ゲート部は、前記開口部に対応する箇所に設けられている。このような構成にしたことにより、たとえば側面にゲート部を設けた場合と比較して、ゲート部からキャビティ内へ流入する成形材料が種々の方向に広がりやすくなり、ゲート部に対して相互に交差する2方位に設けたオーバーフロー部とも相俟って成形材料に含まれる繊維状補強材の指向性が緩和される。したがって、成形体における特性異方性を減少させるのに効果的である。また、ゲート部を前記中間部に設けたことで比較的均等な充填圧により充填することも可能となる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態においては、熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する結晶性樹脂である。なお、熱可塑性を有する結晶性樹脂としては、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニルサルファイドが挙げられる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態においては、繊維状補強材は、アスペクト比が100以上である。このように、アスペクト比の大きい繊維状補強材を用いると成形体の補強効果も大きくなる。なお、繊維状補強材としては、ガラス繊維および/または炭素繊維などが挙げられる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態においては、成形材料は、アスペクト比が10以下の短繊維状および/または球状の追加補強材を有している。このように等方的に補強可能な追加補強材を用いることにより、たとえば比較的大きいアスペクト比を有する繊維状補強材が局所的に一方向に配向することに起因する成形体の局所的な特性異方性も緩和することができる。なお、追加補強材としては、酸化亜鉛ウィスカおよび/またはガラスビーズなどが挙げられる。
【0020】
本発明の第2の側面において提供される電子機器筐体は、前記射出成形装置を用いて前記射出成形法を行うことにより成形されることを特徴としている。
【0021】
このようにして成形された電子機器筐体は、当該筐体内に含まれる繊維状補強材が多方向に向かって延びるように広がっている。したがって、電子機器筐体の機械強度や収縮率の異方性が小さく、当該筐体の反りや寸法変化も小さい。加えて、ゲート部としてサイドゲートを用いた場合は、サイドゲートからキャビティ内への成形材料の流入時に繊維状補強材の切断の程度が小さい。そのため、当該筐体は、比較的長い繊維状補強材を有しており、機械強度が比較的大きい。
【0022】
本発明のその他の利点および特徴については、以下に行う発明の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照して具体的に説明する。なお、本発明の技術で成形する成形体として携帯電話の筐体を例に説明する。
【0024】
図1(a),(b)は、本発明に係る成形体の一例としての携帯電話筐体を構成する成形体1(正しくは成形材料2の射出成形体)の平面図(a)および側面図(b)である。なお、図1に示した成形体1は、全体として略矩形状の形状を有しているが、形状はこれに限られない。
【0025】
図1(a),(b)に示したように成形体1は、開口部10と、接合部11とを有している。
【0026】
開口部10は、携帯電話を作製する際に筐体の内部に組み込まれる表示部(図示せず)を筐体の外部から視認できるようにするために設けられている。なお、図1に示した開口部10は、略矩形状で、かつ段10aが設けられているが、開口部10の形状などはこれに限られない。
【0027】
係合部11は、成形体1とともに携帯電話の筐体を構成する別の成形体(図示せず)と係合するために設けられている。成形体1と別の成形体(図示せず)とが係合している状態において、係合部11は、外部から視認することができないように構成されることが好ましい。なお、係合部11の形状や配置などは、別の成形体(図示せず)との係合状態が安定するように任意に定めればよい。
【0028】
成形材料2は、樹脂からなる母材に対して繊維状補強材を混合することにより得られる繊維強化樹脂である。樹脂としては、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニルサルファイドなどの群から選択される熱可塑性樹脂が好ましい。繊維状補強材としては、ガラス繊維、炭素繊維などが好ましく、アスペクト比が100以上であれば、より好ましい。
【0029】
成形材料2として用いられる繊維強化樹脂に対して、アスペクト比が10以下の短繊維状および/または球状の追加補強材をさらに加えてもよい。アスペクト比が10以下の短繊維状の追加補強材としては、酸化亜鉛ウィスカなどが挙げられ、球状の追加補強材としては、ガラスビーズなどが挙げられる。
【0030】
以上に示した形状を有する成形体1を成形するための射出成形装置3を図2〜図4を用いて説明するが、本実施形態においては、ランナ(図示せず)の先端を射出成形装置3の型内スプル30に当てる構造とした。ランナ(図示せず)は、射出装置(図示せず)からの溶融樹脂を複数分岐するものである。なお、各図によく表れているように本実施形態においては、後述する上型31と下型32とを型締め装置(図示せず)で型締めした状態で説明する。
【0031】
図2は、本実施形態における射出成形装置3の平面図である。図3は、図2のIII−III線断面図であり、図4は、図2のIV−IV線断面図である。なお、図2〜4のいずれの図においても、型内スプル30から成形材料2が少しだけ流入した状態を表している。
【0032】
図3によく表れているように、射出成形装置3は、上型31と、下型32とを有しており、上型31と下型32とを型締めすることによりキャビティ33が構成される。キャビティ33は、ゲート部330と、成形体1を成形するための成形体規定部331と、オーバーフロー部332とを有している。
【0033】
ゲート部330は、型内スプル30から供給される成形材料2をキャビティ33内に流入するための流入口である。ゲート部330の形状としては、サイドゲート、フィンゲートなどが挙げられる。サイドゲートおよびフィンゲートにおけるゲート開口部330aの断面形状は、一般的に矩形状であり、その横幅は、成形材料2に含まれる繊維状補強材の長さの1〜10倍であることが好ましい。ここで、横幅とは矩形状のゲート開口部330aにおいて、図2に示した矢印AB方向へ延びる幅を示す。なお、サイドゲートとは、キャビティ33内への成形材料2の流入方向が成形体の肉厚方向に直交するようになったゲートをいうのに対し、ピンゲートは、キャビティ33内への成形材料2の流入方向が成形体の肉厚方向であるゲートをいう。
【0034】
本実施形態においては、ゲート部330を開口部10の段10aに相当する部分と連通するように設けることが好ましい。このような位置に設けることにより、ゲート部330で固まった成形材料2を成形体1から切断した際に生じる切断面は、成形体1の外部から視認し難くなる。これにより、切断面の二次加工(研磨など)において高い精度が要求されず、作業効率が向上する。加えて、図2に示したように、開口部10のほぼ中央部にゲート部330を対向するように2箇所に設けたことで、キャビティ33に対して成形材料2を比較的均等な充填圧により充填することが可能となる。ただし、ゲート部330の配置場所および配置数は上述のものに限られない。
【0035】
オーバーフロー部332は、図2によく表れているように、ゲート部330に対して第1方向(たとえば、矢印C方向)に位置するように少なくとも1つ設けられ、かつゲート部330に対して前記第1方向に交差する第2方向(たとえば、矢印D方向)に位置するように少なくとも他の1つ(図面上は9つ)が設けられている。また、オーバーフロー部332は、成形体規定部331に連通するように、かつオーバーフロー部332へ成形材料2が流入する際、略直角に流れ方向が屈曲するように設けられている。なお、オーバーフロー部332の形状や大きさ、配置場所などは、上述の条件の範囲内で任意に定めればよい。
【0036】
このような構成にしたことにより、たとえばオーバーフロー部332の少なくとも1つがゲート部330からキャビティ33内への成形材料2の流入方向(矢印EF方向)の延長上に位置するように設けられた場合においても、矢印EF方向に交差する方向の延長上に位置するように少なくとも他の1つのオーバーフロー部332が設けられることになる。そのため、キャビティ内に射出された成形材料が前記交差する方向へ流れ易くなり、繊維状補強材の指向性が緩和されるので、成形体における特性異方性が減少する。したがって、成形体の機械強度や収縮率の異方性が小さくなり、特定方向からの力に対する強度低下や成形体の反りおよび寸法変化の発生が抑制できる。加えて、サイドゲートを用いたとしても繊維状補強材の指向性が緩和されるため、成形材料の流入口としてサイドゲートを用いることにより、ピンゲートを用いた場合に生じる問題、つまりピンゲートからキャビティへ成形材料を流入する際に繊維状補強材が屈曲して切断される問題に起因する成形体の機械強度の低下を抑制することができる。さらに、オーバーフロー部へ成形材料が流入する際に略直角に流れ方向が屈曲するようにオーバーフロー部を設けたことにより、成形材料がオーバーフロー部に流入する際に、成形材料に含まれる繊維状補強材が略直角に屈曲し、切断される。そのため、成形後、オーバーフロー部の切断除去を行う工程において、その切断除去がより容易に行うことができるとともに、成形体にかかる負担も低減できる。
【0037】
本発明の第2の実施形態に係る射出成形装置3´を、図5〜図7を参照して具体的に説明する。これらの図においては、先に説明した射出成形装置3と同一または同種の部材または要素については、同一の符号を付してあり、それらのものについての重複説明は省略するものとする。なお、 射出成形装置3´を用いて成形される成形体は、最終的に図1(a),(b)に示した成形体1と同様のものとなる。
【0038】
以上に示した形状を有する成形体1を成形するための射出成形装置3´を図5〜図7を用いて説明する。なお、各図によく表れているように本実施形態においては、後述する上型31´と下型32´とを型締め装置(図示せず)で型締めした状態で説明する。
【0039】
図5は、本実施形態における射出成形装置3´の平面図である。図6は、図2のVI−VI線断面図であり、図7は、図5のVII−VII線断面図である。なお、図5〜7のいずれの図においても、型内スプル30から成形材料2が少しだけ流入した状態を表している。
【0040】
図6によく表れているように、射出成形装置3´は、上型31´と、下型32´とを有しており、上型31´と下型32´とを型締めすることによりキャビティ33´が構成される。キャビティ33´は、ゲート部330と、成形体規定部331´と、オーバーフロー部332´とを有している。
【0041】
成形体規定部331´は、係合部規定部331a´を有している。係合部規定部331a´は、携帯電話の筐体を構成する成形体1と別の成形体(図示せず)とを組み合わせると筐体の外部から視認できなくなる部分に係合部13が形成されるように構成されている。
【0042】
オーバーフロー部332´は、図5に示したように、ゲート部330に対して第1方向(たとえば、矢印C方向)に位置するように少なくとも1つ設けられ、かつゲート部330に対して前記第1方向に交差する第2方向(たとえば、矢印D方向)に位置するように少なくとも他の1つ(図面上は9つ)が設けられている。また、オーバーフロー部332´は、係合部規定部331a´に連通するように、かつオーバーフロー部332´へ成形材料2が流入する際、略直角に流れ方向が屈曲するように設けられている。なお、オーバーフロー部332の形状や大きさ、配置場所などは、上述の条件の範囲内で任意に定めればよい。
【0043】
以上のような構成としたことにより、オーバーフロー部332´で固まった成形材料2を切断除去した後の切断面は、成形体1と別の成形体(図示せず)とを係合することにより外部から視認できなくなる。そのため、切断面を研磨するなどの二次加工の必要性がなく、作業効率が向上する。
【0044】
【実施例】
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
【0045】
【実施例1〜10】
<成形材料の作製>
所定の重量比率で母材とフィラーとを攪拌混合することにより成形材料を調整した。母材としては、ポリアミド(PA、比重1.15)、ポリプロピレン(PP、比重0.9)、ポリフェニルサルファイド(PPS、比重1.2)を使用した。フィラーとしては、繊維状充填材であるガラスファイバ(GF、比重2)、短繊維状の追加補強材である酸化亜鉛ウィスカ(ZnO、比重5.8)、球状の追加補強材であるガラスビーズ(GB、比重2)を使用した。成形材料(No.1)は、PAを40wt%、GFを60wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.2)は、PAを25wt%、GFを60wt%、ZnOを15wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.3)は、PAを50wt%、GFを45wt%、ZnOを5wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.4)は、PAを25wt%、GFを60wt%、GBを15wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.5)は、PAを50wt%、GFを45wt%、GBを5wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.6)は、PAを70wt%、GFを30wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.7)は、PPを25wt%、GFを60wt%、ZnOを15wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.8)は、PPSを25wt%、GFを60wt%、ZnOを15wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.9)は、PPSを50wt%、GFを45wt%、ZnOを5wt%含む繊維強化樹脂である。成形材料(No.10)は、PPSを70wt%、GFを30wt%含む繊維強化樹脂である。なお、各成形材料の組成および比重の一覧を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
<射出成形装置の作製>
図6および図7に示したように、射出成形装置は、上型と、下型とからなり、上型と下型とを型締めすることによりキャビティが構成されるように作製した。このキャビティは、サイドゲートと、成形体規定部と、円柱状のオーバーフロー部とを有している。
【0048】
サイドゲートは、型内スプルから供給される成形材料を成形体規定部に流入するための流入口であり、成形体規定部との境界をなす開口部分の形状は、矩形状(縦0.3mm、横10mm)である。サイドゲートは、図5および図6に示したように、段に相当する部分と連通し、かつ対向するように2箇所に設けた。
【0049】
成形体規定部は、成形体本体と、成形体本体に設けられた係合部とを成形するための空間部として設けた。成形体本体は、成形体(縦110mm、横50mm、高さ10mm)を成形できるように構成された。係合部は、図5に良く表れているように、計5箇所に設けられた。
【0050】
オーバーフロー部は、図5に示したように、サイドゲートに対して第1方向(たとえば、矢印C方向)に位置するように1つ設けられ、かつサイドゲートに対して前記第1方向に交差する第2方向(たとえば、矢印D方向)に位置するように他の7つが設けられた。また、オーバーフロー部は、係合部規定部に連通するように、かつオーバーフロー部へ成形材料が流入する際、略直角に流れ方向が屈曲するように設けられた。各オーバーフロー部の形状は、円柱状(直径0.8mm、高さ2mm)とした。
【0051】
<サンプル成形体の作製>
上述の成形材料(No.1〜10)および射出成形装置を用いて射出成形を行うことにより、最終的に図1に示すような形状のサンプル成形体(100mm×50mm×10mm)を成形した。
【0052】
<曲げ強さの縦横比の測定>
上述のようにして得られたサンプル成形体における縦方向(図5における矢印EF方向)と横方向(図5における矢印AB方向)との曲げ強さの比を測定し、その結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
<反りの測定>
上述のようにして得られたサンプル成形体の反りの程度を測定し、その結果を表3に示した。
【0055】
【表3】
【0056】
<変位の測定>
上述のようにして得られたサンプル成形体の正面中央部に10kgfの荷重を加えた場合のサンプル成形体の変位量を測定し、その結果を反りの測定結果とともに表3に示した。
【0057】
【比較例1〜10】
<サンプル成形体の作製>
射出成形装置にオーバーフロー部を設けない以外は、実施例1〜10と同様にして本比較例のサンプル成形体を作製した。
【0058】
<曲げ強さの縦横比の測定>
上述のようにして得られたサンプル成形体における縦方向(図5における矢印EF方向)と横方向(図5における矢印AB方向)との曲げ強さの比を測定し、その結果を実施例における曲げ強さの縦横比の測定結果とともに表2に示した。
【0059】
<評価>
表2を参照すると良くわかるように、実施例1〜10の方が比較例1〜10に比べ、曲げ強さの縦横比が1に近づく、つまり曲げ強さの方向性が小さくなることがわかった。これにより、成形材料の流入口としてサイドゲートを用いた際に生じ易い問題、つまり繊維状充填材の指向性が高まる問題に起因する成形体における特性異方性の増大が抑制されたことがわかる。
【0060】
表3を参照すると良くわかるように、母材としてPAを用いた成形材料により成形されたサンプル成形体の反りおよび変位は、短繊維状あるいは球状の追加補強材(酸化亜鉛あるいはガラスビーズ)を含む成形材料により成形された実施例2〜5のサンプル成形体の方が追加補強材を含まない成形材料により成形された実施例1,6のサンプル成形体より小さくなることがわかった。母材としてPPSを用いた成形材料により成形されたサンプル成形体の反りも、母材としてPAを用いた場合と同様に追加補強材を含む方が小さくなった。これらは、等方的に補強可能な追加補強材を用いることにより、アスペクト比の比較的大きい繊維状補強材が局所的に一方向に配向することに起因する成形体の局所的な特性異方性も緩和されたためと考えられる。
【0061】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0062】
(付記1)樹脂からなる母材に対して繊維状補強材を混合して得られる成形材料を、キャビティへ射出充填することにより成形し、成形体を得る射出成形法で使用する射出成形装置であって、
前記キャビティは、前記キャビティ内へ前記成形材料を流入するための流入口であるゲート部と、複数のオーバーフロー部とを有し、少なくとも1つのオーバーフロー部は、前記ゲート部に対し第1の方位に設けられ、かつ少なくとも他の1つのオーバーフロー部は、前記ゲート部に対して前記第1の方位に交差する第2の方位に設けられていることを特徴とする、射出成形装置。
(付記2)前記オーバーフロー部は、当該オーバーフロー部へ前記成形材料が流入する際、略直角に流れ方向が屈曲するように構成されている、付記1に記載の射出成形装置。
(付記3)前記キャビティは、前記成形体を別の成形体に係合させることにより外部から視認できなくなる係合部を有し、
前記オーバーフロー部は、前記係合部に連通するように設けられている、付記1に記載の射出成形装置。
(付記4)前記ゲート部は、サイドゲートであり、
前記サイドゲートにおけるゲート開口部の横幅は、前記繊維状補強材の長さの1倍〜10倍である、付記1〜3のいずれか1つに記載の射出成形装置。
(付記5)前記成形体は、幅方向および長さ方向の中間部に開口部を有し、
前記ゲート部は、前記開口部に対応する箇所に設けられている、付記1に記載の射出成形装置。
(付記6)前記樹脂は、熱可塑性樹脂である、付記1〜5のいずれか1つに記載の射出成形装置。
(付記7)前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニルサルファイドからなる群より選択される、付記6に記載の射出成形装置。
(付記8)前記繊維状補強材は、アスペクト比が100以上である、付記1〜7のいずれか1つに記載の射出成形装置。
(付記9)前記繊維状補強材は、ガラス繊維および/または炭素繊維である、付記1〜8のいずれか1つに記載の射出成形装置。
(付記10)前記成形材料は、アスペクト比が10以下の短繊維状および/または球状の追加補強材を有している、付記8に記載の射出成形装置。
(付記11)前記追加補強材は、酸化亜鉛ウィスカおよび/またはガラスビーズである、付記10に記載の射出成形装置。
(付記12)付記1〜11のいずれか1つに記載の射出成形装置を用いて前記射出成形法を行うことにより成形されることを特徴とする、電子機器筐体。
【0063】
【発明の効果】
本発明によると、樹脂からなる母材に対して繊維状補強材を混合して得られる成形材料を、キャビティへ射出充填することにより成形し、成形体を得る射出成形法で使用する射出成形装置において、キャビティへの成形材料の流れ出し方向に対して交差する方向へ延びるオーバーフロー部を設けたことにより、繊維状補強材の指向性が緩和され、成形体における特性異方性の増大を抑制することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の射出成形装置をもちいて製造される成形体を示しており、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る射出成形装置の平面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る射出成形装置の平面図である。
【図6】図5の線VI−VIに沿った断面図である。
【図7】図5の線VII−VIIに沿った断面図である。
【符号の説明】
1 成形体(電子機器筐体)
2 成形材料
3,3´ 射出成形装置
10 開口部
10a 段
11 係合部
12 外表面
30 型内スプル
30a 開口部
31,31´ 上型
32,32´ 下型
33,33´ キャビティ
330 ゲート部(サイドゲート)
330a ゲート開口部
331 成形体規定部
331a´ 接合部規定部(接合部)
332,332´ オーバーフロー部
Claims (5)
- 樹脂からなる母材に対して繊維状補強材を混合して得られる成形材料を、キャビティへ射出充填することにより成形し、成形体を得る射出成形法で使用する射出成形装置であって、
前記キャビティは、前記キャビティ内へ前記成形材料を流入するための流入口であるゲート部と、複数のオーバーフロー部とを有し、少なくとも1つのオーバーフロー部は、前記ゲート部に対し第1の方位に設けられ、かつ少なくとも他の1つのオーバーフロー部は、前記ゲート部に対して前記第1の方位に交差する第2の方位に設けられていることを特徴とする、射出成形装置。 - 前記オーバーフロー部は、当該オーバーフロー部へ前記成形材料が流入する際、略直角に流れ方向が屈曲するように構成されている、請求項1に記載の射出成形装置。
- 前記キャビティは、前記成形体を別の成形体に係合させることにより外部から視認できなくなる係合部を有し、
前記オーバーフロー部は、前記係合部に連通するように設けられている、請求項1に記載の射出成形装置。 - 前記ゲート部は、サイドゲートであり、
前記サイドゲートにおけるゲート開口部の横幅は、前記繊維状補強材の長さの1倍〜10倍である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の射出成形装置。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の射出成形装置を用いて前記射出成形法を行うことにより成形されることを特徴とする、電子機器筐体。
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