JP2004147776A - 遊技機の回転表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交差する複数の回転軸線回りに回転される回転体の回転駆動を簡単な構成により実現させた遊技機の回転表示装置を得る。
【解決手段】回転体120を回転体軸116に軸線H回りに回転可能に支持し、回転体軸116はステッピングモータ16により軸線Hと交差する軸線V回りに回転駆動される回転体支持部材94に取り付ける。回転体120の側端部には軸線Hと同軸的にマイタギヤ128を取り付け、このマイタギヤ128は回転体支持部材94に軸線Vと平行な軸線上に設けられたマイタギヤ114に噛み合わせることで、回転体支持部材94の回転による回転体120の軸線V回りの回転に伴い、マイタギヤ114を介してマイタギヤ128を回転させ回転体120を軸線H回りに回転させる。
【選択図】 図7
【解決手段】回転体120を回転体軸116に軸線H回りに回転可能に支持し、回転体軸116はステッピングモータ16により軸線Hと交差する軸線V回りに回転駆動される回転体支持部材94に取り付ける。回転体120の側端部には軸線Hと同軸的にマイタギヤ128を取り付け、このマイタギヤ128は回転体支持部材94に軸線Vと平行な軸線上に設けられたマイタギヤ114に噛み合わせることで、回転体支持部材94の回転による回転体120の軸線V回りの回転に伴い、マイタギヤ114を介してマイタギヤ128を回転させ回転体120を軸線H回りに回転させる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機の回転表示装置に係り、詳しくは、抽選図柄等の表示情報が設けられた回転体に照明による演出効果を加えた遊技機の回転表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やパチスロ機等の遊技機では、抽選時の図柄や各種情報を表示するため、あるいは視覚的な演出効果を高めるためなどに、表示情報を設けた球体を回転させて表示する回転式の表示装置(以下、「回転表示装置」という)を搭載した機種がある。
【0003】
この球体を回転表示器(回転体)として用いた回転表示装置には、球体が交差する2つの軸線回りにそれぞれ独立して回転されるものがある。その場合、球体を一方の回転軸線回りに回転させるための駆動源(モータ)を球体内に配置したものがあり、さらに、球体表面に設けた抽選図柄等を照明するための発光部(ランプ)も球体内に備えて球体を支持する固定軸上に配設している。また、発光部に接続される電力供給用のリード線を外部電源等から球体内へ引き込むため、固定軸を中空としてリード線を固定軸内へ挿通させている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2883852号 (第4〜5頁、第8頁、第2図、第21図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1等に示される従来例では、球体を2軸で回転させるための駆動源及び回転機構が回転方向毎に個別に設けられ各々独立しているため、球体を2軸回転させて、例えば1軸回転による図柄表示とは異なる複雑な動きを得るには、2つの駆動源を同時に駆動させなければならず制御や機構が複雑となる。
【0006】
また、球体内に設けた駆動源が球体の図柄表示部位と重なる軸線上に配置されることで、球体内に設ける発光部をその図柄表示部位と重なる軸線上、すなわち、図柄表示部位の真後ろに配置することができず、さらに、発光部からの照明光は駆動源に遮られてしまうため、遊技者が最も注目する表示情報を十分に照明できない問題がある。また、発光部が固定軸上に配置され球体表面の表示情報までの距離が短くされているため、光照射範囲の狭いLED等では表示情報全体を均等に照明することができない。
【0007】
また、発光部へ接続される電力供給用のリード線については、球体内(固定軸)から出された引き出し側が球体の回転に伴いねじれたり絡み合う問題がある。さらに、リード線を中空の固定軸内に通すことで固定軸径は大きくり、そのため装置が大型化されてしまう。
【0008】
本発明は上記事実を考慮して、交差する複数の回転軸線回りに回転される回転体の回転駆動を簡単な構成により実現させ、また、回転体に設けられた表示情報の照明を良好にするとともに照明用発光部の接続配線のねじれなどを防ぎ、さらに装置全体を小型化することができる遊技機の回転表示装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、表示情報が設けられ交差する複数の回転軸線回りに回転可能な回転体と、前記回転体を回転駆動するための駆動手段と、前記駆動手段により前記回転体が前記複数の回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転される回転力を他の回転軸線回りに回転させる回転力に変換して回転体に伝達する伝動手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明では、図柄等の表示情報が設けられた回転体が、駆動手段によって交差する複数の回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転されると、その回転力は、伝動手段により回転体を他の回転軸線回りに回転させる回転力に変換されて回転体に伝達される。これにより、回転体は複数の回転軸線回りに回転駆動される。このように、駆動源を一つとした簡単な構成により、回転体の複数の回転軸線回りに回転駆動が実現される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、表示情報が設けられた回転体と、前記回転体を第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1支持手段と、前記第1支持手段を前記第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2支持手段と、前記第2支持手段を前記第2回転軸線回りに回転させる駆動手段と、前記回転体に前記第1回転軸線と同軸的に取り付けられた第1歯車と、前記第2回転軸線と同軸的又は平行な軸線上に設けられ前記第1歯車と噛合されて第1歯車を介して前記回転体を前記第1回転軸線回りに回転させる第2歯車と、を含む回転機構手段と、を有することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明では、図柄等の表示情報が設けられた回転体は、第1支持手段に支持されて第1回転軸線回りに回転可能とされ、且つ、第1支持手段が第2支持手段に支持され第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能とされることで、回転体自体も第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能とされる。ここで、モータ等の駆動手段が駆動し、第2支持手段が第2回転軸線回りに回転すると、それに伴い回転体は第2回転軸線回りに回転する。また、回転体に第1回転軸線と同軸的に取り付けられた回転機構手段の一方の第1歯車は、第2回転軸線と同軸的又は平行に設けられた回転機構手段の他方の第2歯車に噛合されているため、回転体が上記第2回転軸線回りに回転すると、それに伴い、第1回転軸線回りにも回転する。これにより、駆動源を一つとした簡単な構成により、回転体の2つの軸線回りの回転駆動が実現される。
【0013】
また、回転体内に駆動源を設ける必要がないため、回転体を内側から照明するための照明手段については、回転体内での配置自由度が高くなる。さらに、照明光が駆動源等に遮られることもないため、回転体に設けた表示情報の照明が良好になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、表示情報が設けられた回転体と、前記回転体を回転軸線回りに回転可能に支持する支持手段と、前記回転体の内部に設けられ回転体を内側から照明する照明手段と、前記支持手段を貫通して前記回転体の内部へ引き込まれ前記照明手段と電気的に接続された接続配線と、を有することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明では、表示情報を設けた回転体が支持手段に支持されて回転軸線回りに回転可能とされ、回転体の内部に設けられた照明手段へ電気的に接続される接続配線は、支持手段を貫通して回転体の内部へ引き込まれる。照明手段は、この接続配線を介し電力が供給されて発光し、回転体を内側から照明する。
【0016】
このように、照明手段への接続配線を支持手段を貫通して回転体の内部へ引き込むことにより、回転体の固定軸を中空とする必要がなくなり、固定軸径を小さくして装置全体を小型化することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、表示情報が設けられた回転体と、前記回転体を第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1支持手段と、前記第1支持手段を前記第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2支持手段と、前記第2支持手段を前記第2回転軸線回りに回転させる駆動手段と、前記回転体に前記第1回転軸線と同軸的に取り付けられた第1歯車と、前記第2回転軸線と同軸的又は平行な軸線上に設けられ前記第1歯車と噛合されて第1歯車を介して前記回転体を前記第1回転軸線回りに回転させる第2歯車と、を含む回転機構手段と、前記回転体の内部に設けられ、回転体を内側から照明する照明手段と、前記第1支持手段を貫通して前記回転体の内部へ引き込まれその引き込まれた一端が前記照明手段と電気的に接続された接続配線と、前記第2回転軸線と同軸的に設けられ第2回転軸線回りに摺動しながら互いに相対回転可能とされた対となる摺動部材を備え、その対となる摺接部材の一方に前記接続配線の他端が電気的に接続された電気的接続手段と、を有することを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明では、第1回転軸線回り及び第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りにそれぞれ回転可能とされた回転体は、回転体を内側から照明する照明手段を回転体内部に備え、照明手段には、第1支持手段を貫通して外部から回転体の内部へ引き込まれた接続配線の一端が電気的に接続される。また、回転体の外部へ引き出された接続配線の他端は、電気的接続手段に設けられた対となる摺動部材の一方に電気的に接続される。
【0019】
この電気的接続手段が備える対となる摺動部材は、第2回転軸線回りに摺動しながら互いに相対回転可能であるため、回転体が第2回転軸線回りに回転する場合でも、例えば、電源側に接続された他方の摺動部材から一方の摺動部材への送電が可能である。これにより、一方の摺動部材から接続配線を介して照明手段に電力を供給し照明手段を発光させることができる。
【0020】
このような電気的接続手段を用いることにより、回転体の第2回転軸線回りの回転では、回転体の外部へ引き出された接続配線の他端側は回転体とともに回転できるようになり、したがって、接続配線のねじれなどが防がれる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の遊技機の回転表示装置において、前記支持手段は固定軸を備え、その固定軸に前記照明手段が取り付けられその取付部は固定軸の軸心から後方へオフセットされていることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の発明では、照明手段が取り付けられる固定軸の取付部を固定軸の軸心から後方へオフセットすることで、照明手段からの光による照明範囲が拡大される。これにより、例えば、光照射角度の狭いLED等を照明手段に用いることができて、照明手段の選択自由度が高まる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項3記載の遊技機の回転表示装置において、前記照明手段は複数の光源を備え、その複数の光源は前記回転体の周面と同心円状に配置されていることを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の発明では、照明手段が備える複数の光源を、回転体の周面と同心円状に配置することにより、各光源からの光により照明されるそれぞれの照明範囲や明るさをほぼ同じにすることができる。これにより、回転体の表示部位(表示情報)をほぼ均一に照明することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施形態では、パチンコ機等に搭載されて遊技に関する図柄を表示する球体式の回転表示装置を例に説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1〜図8には、本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置が示されている。また、図9〜図11には、その回転表示装置に組み込まれた各種部材が示されている。
【0027】
図1〜図8に示されるように、回転表示装置10は装置本体を構成するベース12を備えている。図1及び図3に示されるように、ベース12は正面視八角形の箱状とされ、正面側に向けられた奥壁面12Aの略中央部に円形の開口14が形成されている。この開口14の後側(ベース12の後面12B)にはステッピングモータ16が配置されている。
【0028】
ステッピングモータ16は薄型の円盤状で、モータハウジング17の前面にモータ軸18と同軸的に円形の凸段部19が設けられている。図7及び図8に示されるように、ステッピングモータ16は、モータハウジング17の凸段部19がベース12の開口14に嵌め入れられることで、モータ軸18が開口14の中心を前後方向に通る軸線V上に位置決めされ、図示しないネジによりベース12の後面12Bに取り付けられている。
【0029】
モータ軸18は筒状とされて、モータハウジング17に一対のベアリング20を介して回転可能に取り付けられており、空洞部21の後端側にはスリップリング22が嵌挿されている。
【0030】
図9に示されるように、スリップリング22は略円柱形とされた樹脂(絶縁材料)製のケース28を備えている。ケース28には、図示しないベアリングを介して回転軸30が回転可能に取り付けられている。回転軸30は中空とされ、ケース28内に収容された収容端側には2極の集電環32が固着されている。集電環32の各極には、2本のリード線34がそれぞれ電気的に接続されており、それらリード線34は、回転軸30内を挿通されて回転軸30の先端から外部へ引き出され、その引き出し側先端は、図示しない表示装置制御基板の照明用電源回路に接続されている。
【0031】
また、ケース28の内周面には、2個(2極)のブラシ36が固着されている。各ブラシ36の先端部は、集電環32の対応する各極外周面にそれぞれ圧接しており、集電環32との相対回転時には摺動するようになっている。
【0032】
ケース28の外周面には基板38が固着されている。基板38には2本のリード線40が接続されており、各リード線40は基板38を介して対応するブラシ36にそれぞれ電気的に接続されている。なお、リード線40の接続端側は基板38に接着・固定されており、外力等が加わっても断線しないよう処理されている。
【0033】
このような構成からなるスリップリング22は、ケース28がモータ軸18の空洞部21に嵌め入れられ回転軸30が軸線Vと同軸的に配置されて、モータ軸18に取り付けられている。また、ステッピングモータ16の後面には、中心部に円形の貫通孔24が形成された固定円板26が取り付けられており、ケース28の端面から後方へ突出されたステッピングモータ16の回転軸30は、先端部が貫通孔24に嵌め入れられて回転不能とされている。これにより、スリップリング22はモータ軸18の回転に伴いケース28側が軸線V回りに回転し、その際にはブラシ36と集電環32とが相対回転して摺動する。
【0034】
図3に示されるように、ベース12の奥壁面12Aには、開口14と同心に開口14よりも少し大径の周リブ42が設けられており、この周リブ42にはリングギヤ・ユニット44が組み付けられるようになっている。
【0035】
リングギヤ・ユニット44は、周リブ42の外径よりも内径が大きくされたリングギヤ50と、リングギヤ50とほぼ同じ大きさのリング状とされてリングギヤ50の後面に図示しないネジにより取り付けられる回転位置検出板52と、リングギヤ50と回転位置検出板52との間に配置されてリングギヤ50及び回転位置検出板52に一体化されるベアリング54とにより構成されている。
【0036】
リングギヤ50は、リング本体の外周面と、前面内周縁部に突設された周リブの外周面とにそれぞれギヤ部46、48が形成されており、図7及び図8に示されるように、後面には軸心と同軸的に円形の凹段部56が形成されている。この凹段部56にはベアリング54のアウターレース58が内挿されており、インナーレース60についてはベース12の周リブ42に外挿されている。また、周リブ42内には、フランジ62を備えるリング状のベアリング押さえ64が前方から嵌め入れられてネジ止め固定されている。このベアリング押さえ64のフランジ62がベアリング54のインナーレース60前面に接してベアリング54の周リブ42からの抜け止めがなされ、ベアリング54を含むリングギヤ・ユニット44がベース12の周リブ42に取り付けられている。またこれにより、リングギヤ50と回転位置検出板52とがベアリング54を介して共に軸線V回りに回転自在とされる。
【0037】
図3に示されるように、ベース12の奥壁面12A右側端部には円形の開口66が形成されており、開口66の後側にはステッピングモータ68が配置されている。このステッピングモータ68は箱型とされ、モータハウジング69の前面にモータ軸70と同軸的に円形の凸段部72が設けられている。図7及び図8に示されるように、ステッピングモータ68は、モータハウジング69の凸段部72がベース12の開口66に嵌め入れられることで、モータ軸70が開口66の中心に位置決めされ、図示しないネジによりベース12の後面12Bに取り付けられている。また、モータ軸70の先端部には駆動ギヤ74が固着されている。なお、このステッピングモータ68と前述したステッピングモータ16とは、表示装置制御基板のモータ制御回路にそれぞれ接続されて、モータ制御回路から送られる各制御信号により個別に回転駆動されるようになっている。
【0038】
また、開口66の左側にはベース12の奥壁面12Aからボス76が突設されており、このボス76には中継ギヤ78が取り付けられている。中継ギヤ78の軸心部には段つき孔80が形成されており、段つき孔80の前後縁部に設けられた段部には一対のベアリング82が内挿されている。中継ギヤ78は、このベアリング82を介してボス76に回転自在に取り付けられており、ギヤ部右側は駆動ギヤ74と噛み合わせられ、ギヤ部左側はリングギヤ50のギヤ部46と噛み合わせられている。これにより、ステッピングモータ68が駆動されると、モータ軸70とともに駆動ギヤ74が回転し、中継ギヤ78を介してリングギヤ50が軸線V回りに回転される。
【0039】
一方、ベース12の奥壁面12A左側端部には矩形の開口84が形成されている。この開口84には、表示装置制御基板と電気的に接続された透過型のフォトセンサ86が取り付けられている。フォトセンサ86は、コ字型の投受光部88が開口84を後側から貫通して奥壁面12A側へ突出され、回転位置検出板52の外周縁に設けられた周リブ90に入り込んでいる。他方、周リブ90には、周方向に沿って所定の間隔で配置された複数のスリット92が形成されている(図3参照)。これにより、リングギヤ50の回転時には、回転位置検出板52のスリット92が投受光部88を通過する際にフォトセンサ86に検出され、表示装置制御基板モータ制御回路は、その検出情報と表示制御プログラム等に基づいてステッピングモータ68の制御信号を生成する。
【0040】
また、ステッピングモータ16のモータ軸18には、回転体支持部材94が取り付けられている。図3に示されるように、回転体支持部材94は略半球形の器状とされており、開口部95を正面側とし半球形の頂部となる後端部がリングギヤ・ユニット44及びベース12の開口14内に収められモータ軸18先端面にネジ止め固定されて、ステッピングモータ16により直接軸線V回りに回転されるようになっている。また、回転体支持部材94の前端部近傍には、周方向に沿って外側へ突出されたフランジ96が一体的に設けられてリングギヤ・ユニット44の前方に位置しており、フランジ96にはスリット98が形成されている。
【0041】
一方、ベース12の左側面12Cの前縁部には、矩形の切り欠き100が形成されている。この切り欠き100には、フォトセンサ86と同じく表示装置制御基板と電気的に接続された透過型のフォトセンサ102が取り付けられている。フォトセンサ102に設けられたコ字型の投受光部104は、右側(ベース12内側)へ向けられ切り欠き100に嵌め込まれて回転体支持部材94のフランジ96に入り込んでいる。これにより、回転体支持部材94の回転時には、スリット98が投受光部104を通過する際にフォトセンサ102に検出され、表示装置制御基板モータ制御回路は、その検出情報と表示制御プログラム等に基づいてステッピングモータ16の制御信号を生成する。
【0042】
また、回転体支持部材94のフランジ96基端部(図7では回転体支持部材94の回転位置により右側に位置している)には、軸線Vと平行な向きに段つき孔106が形成されている。段つき孔106の前後縁部に設けられた段部には一対のベアリング108が内挿されており、この一対のベアリング108には軸110が嵌挿されて回転自在に取り付けられている。
【0043】
軸110の後端部には、スパーギヤ(平歯車)112が固着されて、スパーギヤ112のギヤ部はリングギヤ50のギヤ部48に噛み合わせられており、軸110の前端部にはマイタギヤ(かさ歯車)114が固着されている。これにより、リングギヤ50と回転体支持部材94とが軸線V回りに相対回転されると、その相対回転に伴い、リングギヤ50のギヤ部48に噛み合っているスパーギヤ112が回転して軸110を介しマイタギヤ114が回転される。
【0044】
さらに、回転体支持部材94の前面側には、軸線Vと直交する軸線Hと同軸的に回転体軸116が配置されている。回転体支持部材94のフランジ96基端部前面には、開口部95の径方向で対向する2組のボス117R、117Lが突設されており、回転体軸116は、この2組のボス117R、117Lに取り付けられた一対の軸受け118R、118Lに両端部が支持されて、回転体支持部材94に固定的に取り付けられている。また、回転体軸116には、図1に示すような球状の回転体120が取り付けられている。
【0045】
回転体120は、球体を構成する中空の本体122を備えている。本体122は、透明又は乳白色等の半透明の光透過性を有する樹脂材料で形成されており、図3に示されるように、回転体軸116(軸線H)を挟んで2分割される構造となっている。この回転体120の表面には、複数の図柄123が印刷又はラベル等によって設けられており(図7参照)、それら複数の図柄123は、軸線H回りの周方向(図1の矢印A方向)に所定の間隔で配列されている。なお、図1では、回転体120の表面に設けられた図柄123を二点鎖線による帯状の領域で示している。
【0046】
また、本体122の左右側端部には、側板124R、124Lがそれぞれ取り付けられている。図7に示されるように、側板124R、124Lの軸心部には貫通孔126R、126Lがそれぞれ形成されており、この貫通孔126R、126Lを通して回転体軸116が回転体120内に挿通されている。
【0047】
側板124Rの外側面軸心部には、マイタギヤ128が軸線Hと同軸的に配置されて固着されている。マイタギヤ128の軸心部には段付き孔130が形成されており、この段付き孔130と側板124Rの貫通孔126Rとには一対のベアリング132が内挿され、一対のベアリング132の間には回転体軸116に外挿されたスリーブ134が配置されている。この一対のベアリング132を介して回転体120の右側端部は、すなわち、側板124R及びマイタギヤ128は、回転体軸116に回転自在に軸支されている。また、マイタギヤ128は回転体支持部材94に設けられたマイタギヤ114に噛み合わせられている。
【0048】
一方、回転体120の左側端部には、円盤状の回転体支持部材136が配置されている。図10に示されるように、回転体支持部材136は外周縁部に略V字形の切り欠き138が形成されており、軸心部には断面D字形の貫通孔140が形成されている。他方、図7に示されるように、回転体軸116の左側には、軸外周部を一部平面状に切除して形成された段部139が1箇所設けらており、本実施の形態では、段部139は回転体軸116の前側(図7では下側)に位置している。
【0049】
回転体支持部材136は、この回転体軸116の左側に、切り欠き138を後側に配置した向きで貫通孔140が挿通され取り付けられている。また、その取付状態では、回転体支持部材136は側板124Lの貫通孔126L内に配置されるとともに、断面D字形の貫通孔140が回転体軸116の段部139に係合して回転不能とされている。
【0050】
この回転体支持部材136と側板124Lの貫通孔126との間には、ベアリング142が嵌め入れられている。さらに、回転体120の左側面部となる回転体支持部材136の外側面及び側板124Lの外側面には、ベアリング押さえ板144及び2個のベアリング押さえ補助板146がそれぞれ取り付けられている。
【0051】
図11に示されるように、ベアリング押さえ板144の外周縁部には、回転体支持部材136の切り欠き138と同形状の略V字形の切り欠き148が形成されており、軸心部には断面D字形の貫通孔150が形成されている。このベアリング押さえ板144も、切り欠き148を後側に配置した向きで貫通孔150が回転体軸116の左側に挿通され、貫通孔150を回転体軸116の段部139に係合させることで回転体軸116に回転不能に取り付けられている。
【0052】
このように、回転体支持部材136とベアリング押さえ板144とは、回転体軸116に対する回転方向での取り付け向きが一義的に決まるようになっておりこれにより、図6及び図8に示されるように、回転体支持部材136の切り欠き138とベアリング押さえ板144の切り欠き148とは回転体軸116の後側に定められて重なり合い、これら切り欠き138、148によって、回転体120の左側端部には回転体120の内部と外部を繋ぐ貫通孔が形成されている。
【0053】
なお、本実施の形態では、回転体軸116に形成する段部139を1箇所のみとした場合で説明したが、段部の数はこれに限定されるものではない。回転体軸116に対し回転体支持部材136及びベアリング押さえ板144が一義的に位置決め可能であれば、例えば、回転体軸116の周方向に段部を複数箇所形成するなどしてもよい。
【0054】
また、ベアリング142は、ベアリング押さえ板144と2個のベアリング押さえ補助板146とによって回転体支持部材136の貫通孔126L内からの抜け止めがなされており、これにより、回転体120の左側端部は、すなわち側板124Lは、回転体支持部材136及びベアリング142を介して回転体軸116に回転自在に軸支されている。
【0055】
したがって、回転体軸116に左右側端部が回転自在に軸支された回転体120は、マイタギヤ114の回転に伴いマイタギヤ128が回転されてH軸線回りに回転される。さらに、回転体120は回転体軸116を介して回転体支持部材94に取り付けられているため、回転体支持部材94がV軸線回りに回転するのに伴いV軸線回りにも回転される。
【0056】
次に、回転体120の内部構造について説明する。図3に示されるように、回転体120内に収容された回転体軸116の中央部前面側には、軸外周部を一部平面状に切除して形成された照明用光源取付凹部152が設けられている。照明用光源取付凹部152には、前面に白色や銀色等の光反射率を高めるコーティングが施されたリフレクタ(バックライトカバー)154が固着されており、リフレクタ154の前面中央にはLED基板156が取り付けられている(図7及び図8参照)。
【0057】
図4に示されるように、LED基板156の前面中央には、3個のLED158がほぼ正三角形状に配置されて実装されている。また、図7に示されるように、LED基板156の後面には、LED基板156の配線パターンにより各LED158と電気的に接続されたコネクタ160が実装されている。このコネクタ160には、前述したスリップリング22のリード線40先端に繋がれたコネクタ162が接続されている。
【0058】
スリップリング22からLED基板156までのリード線40の配線経路については、スリップリング22の基板38に接続されたリード線40の基端側は、モータ軸18の前面に形成された溝部164(図3参照)を通されてモータ軸18の空洞部21から外部へ引き出され、回転体支持部材94の外周面に沿わされて前方へ引き回される。そこから、回転体支持部材94のフランジ96に形成された貫通孔166へ通されてフランジ96前面側に引き出され、図1及び図4に示されるように、回転体支持部材94の開口部95前面縁部に設けられた周リブ168と、貫通孔166の外側に位置してフランジ96前面に突設されたガイドリブ170との間を通されて回転体120の左側端部まで引き回される。さらに、図2及び図7に示されるように、周リブ168と2本のボス117Lとの間を通され、ベアリング押さえ板144の切り欠き148からベアリング142の内側と回転体支持部材136の切り欠き138との間を通されて回転体120の内部に引き込まれている。
【0059】
なお、このリード線40の経路途中にコネクタを設けるなどして、回転表示装置10の組立及びメンテナンス性を向上させるようにしてもよい。
【0060】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0061】
まず、回転表示装置10に装備された回転体120の動作について説明する。表示装置制御基板からの制御信号によりステッピングモータ16が駆動されてモータ軸18とともに回転体支持部材94が軸線V回りに回転すると、回転体支持部材94に軸支された回転体120も回転体支持部材94と共に軸線V回り(図1の矢印B方向)に回転する。このときの回転体120を正面から見ると、回転体120の表面に設けられている図柄123は時計又は反時計回転方向に回転して見える。
【0062】
また、この回転時に、ステッピングモータ68の回転が停止されてリングギヤ50(リングギヤ・ユニット44)が静止していると、回転体120が軸線V回りに回転するのに伴い、リングギヤ50のギヤ部48に噛合されたスパーギヤ112が回転して軸110を介しマイタギヤ114が回転する。さらに、マイタギヤ114に噛合されたマイタギヤ128が軸線H回りに回転し、ここで回転方向が変換されて回転体120は軸線H回り(図1の矢印A方向)に回転する。これを正面から見ると、回転体120の表面に設けられている図柄123は上方向又は下方向にスクロールして見える。そのため、ステッピングモータ16のみの回転駆動では、図柄123が回転と直線移動との組み合わせられた複雑な動きをする。
【0063】
一方、ステッピングモータ68が駆動された場合は、モータ軸70とともに駆動ギヤ74が回転すると、中継ギヤ78を介してリングギヤ50が回転し、ギヤ部48に噛合されたスパーギヤ112が回転して、上述したように、回転体120は軸線H回りに回転する。これにより、回転体120を正面から見ると、図柄123がスクロールして見える。ただし、軸線H(回転体軸116)は、回転体支持部材94の回転・停止角度により正面視方向において傾くため、その傾きに応じて図柄123のスクロール方向は変化する。
【0064】
また、図柄123のスクロールはこのステッピングモータ68により制御されるため、上述したステッピングモータ16の回転駆動による図柄123の回転動作時に、ステッピングモータ16に同期させてステッピングモータ68を所定方向に所定速度で回転駆動させることにより、図柄123をスクロールさせず回転動作のみさせることもできる。
【0065】
このように、本実施形態の回転表示装置10では、回転体120が回転体軸116に軸支されて軸線H回りに回転・停止可能とされ、さらに回転体軸116が回転体支持部材94に支持されて軸線Hと交差する軸線V回りに回転・停止可能とされているため、それら2つの軸線回りの回転・停止が組み合わせられた複雑な回転動作をし、それに伴う図柄123の複数な動きが回転体120の正面側(図柄表示部位)を見る遊技者に観察される。そして、複数の図柄123のうち、回転体120の正面側で停止された所定の図柄123が遊技者に視認される。これにより、単純に1つの軸線回りに回転する回転体等に比べて表示態様の視覚的な演出効果が高められる。
【0066】
ただし、前述したように、本実施形態の回転表示装置10は、ステッピングモータ16のみで回転体120を2つの軸線回りに回転させる回転機構を備えている。そのため、ステッピングモータ68とその回転駆動力を伝達する回転機構を省き、リングギヤ50のギヤ部48を固定的に設けることで構成を簡素化することができる。例えば、ステッピングモータ68、中継ギヤ78、リングギヤ・ユニット44、及びベアリング押さえ64を取り除き、代わりに、リングギヤ50のギヤ部48をベース12の奥壁面12Aに一体的に設けるなどによっても、ステッピングモータ16の駆動のみで回転体120を軸線H及び軸線V回りに回転・停止させることができる。
【0067】
また、表示図柄の照明については、表示装置制御基板の照明用電源回路からリード線34に送られる電力は、スリップリング22を介しリード線40へ送電されてLED基板156のLED158に供給される。これにより、各LED158が発光して光が前方へ放射状に照射され、回転体120の前面側所定領域が内側から照明される。そして、光透過性材料とされた回転体120の本体122を透過した光により図柄123が照明される。なお、この図柄123については、照明されていない場合でも外光により視認することができる。
【0068】
またここでは、スリップリング22が備える集電環32とブラシ36とは、軸線V回りに摺動しながら互いに相対回転可能であるため、回転体120が軸線V回りに回転する場合でも、電源側に接続された集電環32からブラシ36への送電が可能である。これにより、回転体120の軸線V回りの回転時にも、LED158に電力を供給して図柄を照明することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態に係る回転表示装置10では、ステッピングモータ16のみの駆動源を一つとした簡単な構成により、回転体120の2つの軸線回りの回転駆動が実現される。また、回転体120内に駆動源を設ける必要がないため、回転体120を内側から照明するためのLED158の配置自由度が高くなる。さらに、照明光が駆動源等に遮られることもないため、回転体120に設けられた図柄123の照明も良好になる。
【0070】
また、本実施の形態では、回転体120の内部に設けたLED158へ電力を供給するため、リード線40は、ベアリング押さえ板144及び回転体支持部材136を貫通させて回転体120の内部へ引き込んでいる。これにより、回転体の固定軸を中空とすることなく、回転体軸116の径寸法を小さくして装置全体を小型化することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、スリップリング22を用いたことにより、回転体120の軸線V回りの回転では、回転体120の外部へ引き出されたリード線40の基端側(電力供給側)は回転体120とともに回転できるようになり、したがって、リード線40のねじれなどが防がれる。
【0072】
なお、本実施の形態で説明した、一つの駆動源(ステッピングモータ16)で回転体120の2軸回転駆動を実現させる回転機構手段については、他の構成に置き換え可能である。例えば、回転体120のマイタギヤ128が噛み合うマイタギヤ114をリング状(冠歯車)に構成して軸線Vと同軸的に設けるなどしてもよく、またその場合は、スパーギヤ112や軸110等を省いてより簡単な構成とすることができる。
【0073】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、照明用光源の位置を変更したものであるが、上記第1の実施形態と同一構成については同じ符合を付してその説明を省略する。
【0074】
図12に示されるように、第2の実施形態に係る回転表示装置200では、回転体120を支持する回転体軸は分割され回転体120内に収容された中央部分が欠落した構造とされている。この回転体軸202R、202Lは、第1の実施形態と同じく、軸受け118R、118Lにそれぞれ支持されて軸線H上に配置されるとともに、回転体支持部材94の前面側に固定的に取り付けられて回転体120を軸線H回りに回転可能に軸支している。
【0075】
回転体軸202R、202Lの対向する各端面には、一対の基板取付板204R、204Lがそれぞれ固着されて対向配置されている。この一対の基板取付板204R、204LはL型とされ、軸線Hよりも後方へ配置された先端側の屈曲部が基板取付部206R、206Lとなっている。LED基板156は、その基板取付部206R、206LにLED158実装面を正面側に向けて取り付けられている。
【0076】
このように、第2の実施形態に係る回転表示装置200では、回転体軸202R、202Lに取り付ける照明用光源の取付部(基板取付部206R、206L)を回転体軸116の軸心(軸線H)から後方へオフセットしたことにより、LED158が発光すると、図12の二点鎖線Lで示した範囲に光が照射され、照明用光源に同じLED158を用いた第1の実施形態に比べて、図柄表示部位の照明範囲が拡大される。したがって、光照射角度の狭いLED等を用いる場合でも広範囲な照明が可能であり、照明用光源の選択自由度も高まる。
【0077】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態も、照明用光源についての変形例であり、第1の実施形態と同一構成については同じ符合を付してその説明を省略する。
【0078】
図13に示されるように、第3の実施形態に係る回転表示装置300では、回転体軸116の照明用光源取付凹部152に取り付けられたリフレクタ302が半球形とされている。
【0079】
このリフレクタ302は、光反射面とされた外周面302Aが回転体120の内周面120Aと同心円状に配置されており、軸線Vが通る中心部に1箇所と、その中心により描かれる同一円周上に90度間隔で配置された4箇所とに計5個の貫通孔304が形成されている(図14参照)。
【0080】
リフレクタ302の内周面302B基端部側には基板取付部306が設けられており、基板取付部306にはランプ基板308が取り付けられている。このランプ基板308の前面には5個のランプ310がマウントされており、各ランプ310は、リフレクタ302の貫通孔304にそれぞれ挿入されリフレクタ302の外周面302A側へ露出されて、回転体120の内周面と同心円状に配置されている。
【0081】
また、ランプ基板308の後面には、ランプ基板308の配線パターンにより各ランプ310と電気的に接続されたコネクタ312が実装されており、コネクタ312にはリード線40のコネクタ162が接続されている。
【0082】
以上の構成により、第3の実施形態に係る回転表示装置300では、リード線40からランプ基板308に電力が供給されて各ランプ310が発光すると、図14に模式的に示したように、各ランプ310からの光により回転体120が照明されるそれぞれの照明範囲Lや明るさがほぼ同じとなる。これにより、回転体120の図柄表示部位をほぼ均一に照明することができる。さらに、本実施の形態では、リフレクタ302による反射光も加わって、図柄表示部位全体がより均一に照明される。
【0083】
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0084】
例えば、回転体の回転軸線(軸線V及び軸線H)は第1〜第3実施形態のように直交したものに限らず、斜交したものでもよい。また、回転体を3つ以上の回転軸線回りに回転させることも可能であり、その場合は、3つ以上ある回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転される回転力を、伝動手段により、他の回転軸線回りの回転力に変換して回転体に伝達することにより、単一駆動源による回転体の3軸以上の回転駆動を実現することができる。また、伝動手段については、ギヤに限らず、例えば、摩擦接触により動力を伝えるローラ等の他の手段を用いることができる。
【0085】
また、回転体120を軸線V回りに回転可能に支持する回転体支持部材94については、ステッピングモータ16のモータ軸18に取り付けて直接回転駆動するようにしているが、間接的に回転駆動することも可能である。その場合は、例えば、回転体支持部材94をベース12に軸線V回りに回転可能に取り付け、中継ギヤ等を介して回転力を伝達することができる。
【0086】
また、本発明は、パチンコ機に限らずパチスロ機等の他の遊技機に搭載される回転表示装置にも適用することができる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の遊技機の回転表示装置は上記構成としたので、交差する複数の回転軸線回りに回転される回転体の回転駆動を簡単な構成により実現できる。また、回転体に設けられた表示情報の照明を良好にするとともに照明用発光部の接続配線のねじれなどを防止ぎ、さらに装置全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した正面側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置の回転体左側部近傍を部分的に示した斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した正面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した左側面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図4の8−8線断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るスリップリングを示した、(A)が正面図、(B)が一部破断した平面図、(C)が左側面図、(D)が右側面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る回転体支持部材を示した、(A)が正面図、(B)が平面図、(C)が背面図、(D)が(A)の10D−10D線断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るベアリング押さえ板を示した、(A)が正面図、(B)が左側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る回転表示装置を示した水平断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る回転表示装置を示した水平断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る回転表示装置を示した正面図である。
【符号の説明】
10 回転表示装置
16 ステッピングモータ(駆動手段)
22 スリップリング(電気的接続手段)
32 集電環(対となる摺動部材)
36 ブラシ(対となる摺動部材)
40 リード線(接続配線)
50 リングギヤ(伝動手段)
94 回転体支持部材(第2支持手段)
110 軸(伝動手段)
112 スパーギヤ(伝動手段)
114 マイタギヤ(伝動手段/回転機構手段/第2歯車)
116 回転体軸(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
118R、118L 軸受け(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
120 回転体
120A 内周面(周面)
123 図柄(表示情報)
128 マイタギヤ(伝動手段/回転機構手段/第1歯車)
132 ベアリング(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
136 回転体支持部材(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
142 ベアリング(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
144 ベアリング押さえ板(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
156 LED基板(照明手段)
158 LED(照明手段)
200 回転表示装置
202R、202L 回転体軸(固定軸)
206R、206L 基板取付部(取付部)
300 回転表示装置
308 ランプ基板(照明手段)
310 ランプ(照明手段/複数の光源)
H 軸線(請求項1の他の回転軸線/請求項2及び請求項4の第1回転軸線/請求項3の回転軸線)
V 軸線(請求項1の何れかの回転軸線/第2回転軸線)
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機の回転表示装置に係り、詳しくは、抽選図柄等の表示情報が設けられた回転体に照明による演出効果を加えた遊技機の回転表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やパチスロ機等の遊技機では、抽選時の図柄や各種情報を表示するため、あるいは視覚的な演出効果を高めるためなどに、表示情報を設けた球体を回転させて表示する回転式の表示装置(以下、「回転表示装置」という)を搭載した機種がある。
【0003】
この球体を回転表示器(回転体)として用いた回転表示装置には、球体が交差する2つの軸線回りにそれぞれ独立して回転されるものがある。その場合、球体を一方の回転軸線回りに回転させるための駆動源(モータ)を球体内に配置したものがあり、さらに、球体表面に設けた抽選図柄等を照明するための発光部(ランプ)も球体内に備えて球体を支持する固定軸上に配設している。また、発光部に接続される電力供給用のリード線を外部電源等から球体内へ引き込むため、固定軸を中空としてリード線を固定軸内へ挿通させている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2883852号 (第4〜5頁、第8頁、第2図、第21図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1等に示される従来例では、球体を2軸で回転させるための駆動源及び回転機構が回転方向毎に個別に設けられ各々独立しているため、球体を2軸回転させて、例えば1軸回転による図柄表示とは異なる複雑な動きを得るには、2つの駆動源を同時に駆動させなければならず制御や機構が複雑となる。
【0006】
また、球体内に設けた駆動源が球体の図柄表示部位と重なる軸線上に配置されることで、球体内に設ける発光部をその図柄表示部位と重なる軸線上、すなわち、図柄表示部位の真後ろに配置することができず、さらに、発光部からの照明光は駆動源に遮られてしまうため、遊技者が最も注目する表示情報を十分に照明できない問題がある。また、発光部が固定軸上に配置され球体表面の表示情報までの距離が短くされているため、光照射範囲の狭いLED等では表示情報全体を均等に照明することができない。
【0007】
また、発光部へ接続される電力供給用のリード線については、球体内(固定軸)から出された引き出し側が球体の回転に伴いねじれたり絡み合う問題がある。さらに、リード線を中空の固定軸内に通すことで固定軸径は大きくり、そのため装置が大型化されてしまう。
【0008】
本発明は上記事実を考慮して、交差する複数の回転軸線回りに回転される回転体の回転駆動を簡単な構成により実現させ、また、回転体に設けられた表示情報の照明を良好にするとともに照明用発光部の接続配線のねじれなどを防ぎ、さらに装置全体を小型化することができる遊技機の回転表示装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、表示情報が設けられ交差する複数の回転軸線回りに回転可能な回転体と、前記回転体を回転駆動するための駆動手段と、前記駆動手段により前記回転体が前記複数の回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転される回転力を他の回転軸線回りに回転させる回転力に変換して回転体に伝達する伝動手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明では、図柄等の表示情報が設けられた回転体が、駆動手段によって交差する複数の回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転されると、その回転力は、伝動手段により回転体を他の回転軸線回りに回転させる回転力に変換されて回転体に伝達される。これにより、回転体は複数の回転軸線回りに回転駆動される。このように、駆動源を一つとした簡単な構成により、回転体の複数の回転軸線回りに回転駆動が実現される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、表示情報が設けられた回転体と、前記回転体を第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1支持手段と、前記第1支持手段を前記第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2支持手段と、前記第2支持手段を前記第2回転軸線回りに回転させる駆動手段と、前記回転体に前記第1回転軸線と同軸的に取り付けられた第1歯車と、前記第2回転軸線と同軸的又は平行な軸線上に設けられ前記第1歯車と噛合されて第1歯車を介して前記回転体を前記第1回転軸線回りに回転させる第2歯車と、を含む回転機構手段と、を有することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明では、図柄等の表示情報が設けられた回転体は、第1支持手段に支持されて第1回転軸線回りに回転可能とされ、且つ、第1支持手段が第2支持手段に支持され第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能とされることで、回転体自体も第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能とされる。ここで、モータ等の駆動手段が駆動し、第2支持手段が第2回転軸線回りに回転すると、それに伴い回転体は第2回転軸線回りに回転する。また、回転体に第1回転軸線と同軸的に取り付けられた回転機構手段の一方の第1歯車は、第2回転軸線と同軸的又は平行に設けられた回転機構手段の他方の第2歯車に噛合されているため、回転体が上記第2回転軸線回りに回転すると、それに伴い、第1回転軸線回りにも回転する。これにより、駆動源を一つとした簡単な構成により、回転体の2つの軸線回りの回転駆動が実現される。
【0013】
また、回転体内に駆動源を設ける必要がないため、回転体を内側から照明するための照明手段については、回転体内での配置自由度が高くなる。さらに、照明光が駆動源等に遮られることもないため、回転体に設けた表示情報の照明が良好になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、表示情報が設けられた回転体と、前記回転体を回転軸線回りに回転可能に支持する支持手段と、前記回転体の内部に設けられ回転体を内側から照明する照明手段と、前記支持手段を貫通して前記回転体の内部へ引き込まれ前記照明手段と電気的に接続された接続配線と、を有することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明では、表示情報を設けた回転体が支持手段に支持されて回転軸線回りに回転可能とされ、回転体の内部に設けられた照明手段へ電気的に接続される接続配線は、支持手段を貫通して回転体の内部へ引き込まれる。照明手段は、この接続配線を介し電力が供給されて発光し、回転体を内側から照明する。
【0016】
このように、照明手段への接続配線を支持手段を貫通して回転体の内部へ引き込むことにより、回転体の固定軸を中空とする必要がなくなり、固定軸径を小さくして装置全体を小型化することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、表示情報が設けられた回転体と、前記回転体を第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1支持手段と、前記第1支持手段を前記第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2支持手段と、前記第2支持手段を前記第2回転軸線回りに回転させる駆動手段と、前記回転体に前記第1回転軸線と同軸的に取り付けられた第1歯車と、前記第2回転軸線と同軸的又は平行な軸線上に設けられ前記第1歯車と噛合されて第1歯車を介して前記回転体を前記第1回転軸線回りに回転させる第2歯車と、を含む回転機構手段と、前記回転体の内部に設けられ、回転体を内側から照明する照明手段と、前記第1支持手段を貫通して前記回転体の内部へ引き込まれその引き込まれた一端が前記照明手段と電気的に接続された接続配線と、前記第2回転軸線と同軸的に設けられ第2回転軸線回りに摺動しながら互いに相対回転可能とされた対となる摺動部材を備え、その対となる摺接部材の一方に前記接続配線の他端が電気的に接続された電気的接続手段と、を有することを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明では、第1回転軸線回り及び第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りにそれぞれ回転可能とされた回転体は、回転体を内側から照明する照明手段を回転体内部に備え、照明手段には、第1支持手段を貫通して外部から回転体の内部へ引き込まれた接続配線の一端が電気的に接続される。また、回転体の外部へ引き出された接続配線の他端は、電気的接続手段に設けられた対となる摺動部材の一方に電気的に接続される。
【0019】
この電気的接続手段が備える対となる摺動部材は、第2回転軸線回りに摺動しながら互いに相対回転可能であるため、回転体が第2回転軸線回りに回転する場合でも、例えば、電源側に接続された他方の摺動部材から一方の摺動部材への送電が可能である。これにより、一方の摺動部材から接続配線を介して照明手段に電力を供給し照明手段を発光させることができる。
【0020】
このような電気的接続手段を用いることにより、回転体の第2回転軸線回りの回転では、回転体の外部へ引き出された接続配線の他端側は回転体とともに回転できるようになり、したがって、接続配線のねじれなどが防がれる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の遊技機の回転表示装置において、前記支持手段は固定軸を備え、その固定軸に前記照明手段が取り付けられその取付部は固定軸の軸心から後方へオフセットされていることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の発明では、照明手段が取り付けられる固定軸の取付部を固定軸の軸心から後方へオフセットすることで、照明手段からの光による照明範囲が拡大される。これにより、例えば、光照射角度の狭いLED等を照明手段に用いることができて、照明手段の選択自由度が高まる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項3記載の遊技機の回転表示装置において、前記照明手段は複数の光源を備え、その複数の光源は前記回転体の周面と同心円状に配置されていることを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の発明では、照明手段が備える複数の光源を、回転体の周面と同心円状に配置することにより、各光源からの光により照明されるそれぞれの照明範囲や明るさをほぼ同じにすることができる。これにより、回転体の表示部位(表示情報)をほぼ均一に照明することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施形態では、パチンコ機等に搭載されて遊技に関する図柄を表示する球体式の回転表示装置を例に説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1〜図8には、本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置が示されている。また、図9〜図11には、その回転表示装置に組み込まれた各種部材が示されている。
【0027】
図1〜図8に示されるように、回転表示装置10は装置本体を構成するベース12を備えている。図1及び図3に示されるように、ベース12は正面視八角形の箱状とされ、正面側に向けられた奥壁面12Aの略中央部に円形の開口14が形成されている。この開口14の後側(ベース12の後面12B)にはステッピングモータ16が配置されている。
【0028】
ステッピングモータ16は薄型の円盤状で、モータハウジング17の前面にモータ軸18と同軸的に円形の凸段部19が設けられている。図7及び図8に示されるように、ステッピングモータ16は、モータハウジング17の凸段部19がベース12の開口14に嵌め入れられることで、モータ軸18が開口14の中心を前後方向に通る軸線V上に位置決めされ、図示しないネジによりベース12の後面12Bに取り付けられている。
【0029】
モータ軸18は筒状とされて、モータハウジング17に一対のベアリング20を介して回転可能に取り付けられており、空洞部21の後端側にはスリップリング22が嵌挿されている。
【0030】
図9に示されるように、スリップリング22は略円柱形とされた樹脂(絶縁材料)製のケース28を備えている。ケース28には、図示しないベアリングを介して回転軸30が回転可能に取り付けられている。回転軸30は中空とされ、ケース28内に収容された収容端側には2極の集電環32が固着されている。集電環32の各極には、2本のリード線34がそれぞれ電気的に接続されており、それらリード線34は、回転軸30内を挿通されて回転軸30の先端から外部へ引き出され、その引き出し側先端は、図示しない表示装置制御基板の照明用電源回路に接続されている。
【0031】
また、ケース28の内周面には、2個(2極)のブラシ36が固着されている。各ブラシ36の先端部は、集電環32の対応する各極外周面にそれぞれ圧接しており、集電環32との相対回転時には摺動するようになっている。
【0032】
ケース28の外周面には基板38が固着されている。基板38には2本のリード線40が接続されており、各リード線40は基板38を介して対応するブラシ36にそれぞれ電気的に接続されている。なお、リード線40の接続端側は基板38に接着・固定されており、外力等が加わっても断線しないよう処理されている。
【0033】
このような構成からなるスリップリング22は、ケース28がモータ軸18の空洞部21に嵌め入れられ回転軸30が軸線Vと同軸的に配置されて、モータ軸18に取り付けられている。また、ステッピングモータ16の後面には、中心部に円形の貫通孔24が形成された固定円板26が取り付けられており、ケース28の端面から後方へ突出されたステッピングモータ16の回転軸30は、先端部が貫通孔24に嵌め入れられて回転不能とされている。これにより、スリップリング22はモータ軸18の回転に伴いケース28側が軸線V回りに回転し、その際にはブラシ36と集電環32とが相対回転して摺動する。
【0034】
図3に示されるように、ベース12の奥壁面12Aには、開口14と同心に開口14よりも少し大径の周リブ42が設けられており、この周リブ42にはリングギヤ・ユニット44が組み付けられるようになっている。
【0035】
リングギヤ・ユニット44は、周リブ42の外径よりも内径が大きくされたリングギヤ50と、リングギヤ50とほぼ同じ大きさのリング状とされてリングギヤ50の後面に図示しないネジにより取り付けられる回転位置検出板52と、リングギヤ50と回転位置検出板52との間に配置されてリングギヤ50及び回転位置検出板52に一体化されるベアリング54とにより構成されている。
【0036】
リングギヤ50は、リング本体の外周面と、前面内周縁部に突設された周リブの外周面とにそれぞれギヤ部46、48が形成されており、図7及び図8に示されるように、後面には軸心と同軸的に円形の凹段部56が形成されている。この凹段部56にはベアリング54のアウターレース58が内挿されており、インナーレース60についてはベース12の周リブ42に外挿されている。また、周リブ42内には、フランジ62を備えるリング状のベアリング押さえ64が前方から嵌め入れられてネジ止め固定されている。このベアリング押さえ64のフランジ62がベアリング54のインナーレース60前面に接してベアリング54の周リブ42からの抜け止めがなされ、ベアリング54を含むリングギヤ・ユニット44がベース12の周リブ42に取り付けられている。またこれにより、リングギヤ50と回転位置検出板52とがベアリング54を介して共に軸線V回りに回転自在とされる。
【0037】
図3に示されるように、ベース12の奥壁面12A右側端部には円形の開口66が形成されており、開口66の後側にはステッピングモータ68が配置されている。このステッピングモータ68は箱型とされ、モータハウジング69の前面にモータ軸70と同軸的に円形の凸段部72が設けられている。図7及び図8に示されるように、ステッピングモータ68は、モータハウジング69の凸段部72がベース12の開口66に嵌め入れられることで、モータ軸70が開口66の中心に位置決めされ、図示しないネジによりベース12の後面12Bに取り付けられている。また、モータ軸70の先端部には駆動ギヤ74が固着されている。なお、このステッピングモータ68と前述したステッピングモータ16とは、表示装置制御基板のモータ制御回路にそれぞれ接続されて、モータ制御回路から送られる各制御信号により個別に回転駆動されるようになっている。
【0038】
また、開口66の左側にはベース12の奥壁面12Aからボス76が突設されており、このボス76には中継ギヤ78が取り付けられている。中継ギヤ78の軸心部には段つき孔80が形成されており、段つき孔80の前後縁部に設けられた段部には一対のベアリング82が内挿されている。中継ギヤ78は、このベアリング82を介してボス76に回転自在に取り付けられており、ギヤ部右側は駆動ギヤ74と噛み合わせられ、ギヤ部左側はリングギヤ50のギヤ部46と噛み合わせられている。これにより、ステッピングモータ68が駆動されると、モータ軸70とともに駆動ギヤ74が回転し、中継ギヤ78を介してリングギヤ50が軸線V回りに回転される。
【0039】
一方、ベース12の奥壁面12A左側端部には矩形の開口84が形成されている。この開口84には、表示装置制御基板と電気的に接続された透過型のフォトセンサ86が取り付けられている。フォトセンサ86は、コ字型の投受光部88が開口84を後側から貫通して奥壁面12A側へ突出され、回転位置検出板52の外周縁に設けられた周リブ90に入り込んでいる。他方、周リブ90には、周方向に沿って所定の間隔で配置された複数のスリット92が形成されている(図3参照)。これにより、リングギヤ50の回転時には、回転位置検出板52のスリット92が投受光部88を通過する際にフォトセンサ86に検出され、表示装置制御基板モータ制御回路は、その検出情報と表示制御プログラム等に基づいてステッピングモータ68の制御信号を生成する。
【0040】
また、ステッピングモータ16のモータ軸18には、回転体支持部材94が取り付けられている。図3に示されるように、回転体支持部材94は略半球形の器状とされており、開口部95を正面側とし半球形の頂部となる後端部がリングギヤ・ユニット44及びベース12の開口14内に収められモータ軸18先端面にネジ止め固定されて、ステッピングモータ16により直接軸線V回りに回転されるようになっている。また、回転体支持部材94の前端部近傍には、周方向に沿って外側へ突出されたフランジ96が一体的に設けられてリングギヤ・ユニット44の前方に位置しており、フランジ96にはスリット98が形成されている。
【0041】
一方、ベース12の左側面12Cの前縁部には、矩形の切り欠き100が形成されている。この切り欠き100には、フォトセンサ86と同じく表示装置制御基板と電気的に接続された透過型のフォトセンサ102が取り付けられている。フォトセンサ102に設けられたコ字型の投受光部104は、右側(ベース12内側)へ向けられ切り欠き100に嵌め込まれて回転体支持部材94のフランジ96に入り込んでいる。これにより、回転体支持部材94の回転時には、スリット98が投受光部104を通過する際にフォトセンサ102に検出され、表示装置制御基板モータ制御回路は、その検出情報と表示制御プログラム等に基づいてステッピングモータ16の制御信号を生成する。
【0042】
また、回転体支持部材94のフランジ96基端部(図7では回転体支持部材94の回転位置により右側に位置している)には、軸線Vと平行な向きに段つき孔106が形成されている。段つき孔106の前後縁部に設けられた段部には一対のベアリング108が内挿されており、この一対のベアリング108には軸110が嵌挿されて回転自在に取り付けられている。
【0043】
軸110の後端部には、スパーギヤ(平歯車)112が固着されて、スパーギヤ112のギヤ部はリングギヤ50のギヤ部48に噛み合わせられており、軸110の前端部にはマイタギヤ(かさ歯車)114が固着されている。これにより、リングギヤ50と回転体支持部材94とが軸線V回りに相対回転されると、その相対回転に伴い、リングギヤ50のギヤ部48に噛み合っているスパーギヤ112が回転して軸110を介しマイタギヤ114が回転される。
【0044】
さらに、回転体支持部材94の前面側には、軸線Vと直交する軸線Hと同軸的に回転体軸116が配置されている。回転体支持部材94のフランジ96基端部前面には、開口部95の径方向で対向する2組のボス117R、117Lが突設されており、回転体軸116は、この2組のボス117R、117Lに取り付けられた一対の軸受け118R、118Lに両端部が支持されて、回転体支持部材94に固定的に取り付けられている。また、回転体軸116には、図1に示すような球状の回転体120が取り付けられている。
【0045】
回転体120は、球体を構成する中空の本体122を備えている。本体122は、透明又は乳白色等の半透明の光透過性を有する樹脂材料で形成されており、図3に示されるように、回転体軸116(軸線H)を挟んで2分割される構造となっている。この回転体120の表面には、複数の図柄123が印刷又はラベル等によって設けられており(図7参照)、それら複数の図柄123は、軸線H回りの周方向(図1の矢印A方向)に所定の間隔で配列されている。なお、図1では、回転体120の表面に設けられた図柄123を二点鎖線による帯状の領域で示している。
【0046】
また、本体122の左右側端部には、側板124R、124Lがそれぞれ取り付けられている。図7に示されるように、側板124R、124Lの軸心部には貫通孔126R、126Lがそれぞれ形成されており、この貫通孔126R、126Lを通して回転体軸116が回転体120内に挿通されている。
【0047】
側板124Rの外側面軸心部には、マイタギヤ128が軸線Hと同軸的に配置されて固着されている。マイタギヤ128の軸心部には段付き孔130が形成されており、この段付き孔130と側板124Rの貫通孔126Rとには一対のベアリング132が内挿され、一対のベアリング132の間には回転体軸116に外挿されたスリーブ134が配置されている。この一対のベアリング132を介して回転体120の右側端部は、すなわち、側板124R及びマイタギヤ128は、回転体軸116に回転自在に軸支されている。また、マイタギヤ128は回転体支持部材94に設けられたマイタギヤ114に噛み合わせられている。
【0048】
一方、回転体120の左側端部には、円盤状の回転体支持部材136が配置されている。図10に示されるように、回転体支持部材136は外周縁部に略V字形の切り欠き138が形成されており、軸心部には断面D字形の貫通孔140が形成されている。他方、図7に示されるように、回転体軸116の左側には、軸外周部を一部平面状に切除して形成された段部139が1箇所設けらており、本実施の形態では、段部139は回転体軸116の前側(図7では下側)に位置している。
【0049】
回転体支持部材136は、この回転体軸116の左側に、切り欠き138を後側に配置した向きで貫通孔140が挿通され取り付けられている。また、その取付状態では、回転体支持部材136は側板124Lの貫通孔126L内に配置されるとともに、断面D字形の貫通孔140が回転体軸116の段部139に係合して回転不能とされている。
【0050】
この回転体支持部材136と側板124Lの貫通孔126との間には、ベアリング142が嵌め入れられている。さらに、回転体120の左側面部となる回転体支持部材136の外側面及び側板124Lの外側面には、ベアリング押さえ板144及び2個のベアリング押さえ補助板146がそれぞれ取り付けられている。
【0051】
図11に示されるように、ベアリング押さえ板144の外周縁部には、回転体支持部材136の切り欠き138と同形状の略V字形の切り欠き148が形成されており、軸心部には断面D字形の貫通孔150が形成されている。このベアリング押さえ板144も、切り欠き148を後側に配置した向きで貫通孔150が回転体軸116の左側に挿通され、貫通孔150を回転体軸116の段部139に係合させることで回転体軸116に回転不能に取り付けられている。
【0052】
このように、回転体支持部材136とベアリング押さえ板144とは、回転体軸116に対する回転方向での取り付け向きが一義的に決まるようになっておりこれにより、図6及び図8に示されるように、回転体支持部材136の切り欠き138とベアリング押さえ板144の切り欠き148とは回転体軸116の後側に定められて重なり合い、これら切り欠き138、148によって、回転体120の左側端部には回転体120の内部と外部を繋ぐ貫通孔が形成されている。
【0053】
なお、本実施の形態では、回転体軸116に形成する段部139を1箇所のみとした場合で説明したが、段部の数はこれに限定されるものではない。回転体軸116に対し回転体支持部材136及びベアリング押さえ板144が一義的に位置決め可能であれば、例えば、回転体軸116の周方向に段部を複数箇所形成するなどしてもよい。
【0054】
また、ベアリング142は、ベアリング押さえ板144と2個のベアリング押さえ補助板146とによって回転体支持部材136の貫通孔126L内からの抜け止めがなされており、これにより、回転体120の左側端部は、すなわち側板124Lは、回転体支持部材136及びベアリング142を介して回転体軸116に回転自在に軸支されている。
【0055】
したがって、回転体軸116に左右側端部が回転自在に軸支された回転体120は、マイタギヤ114の回転に伴いマイタギヤ128が回転されてH軸線回りに回転される。さらに、回転体120は回転体軸116を介して回転体支持部材94に取り付けられているため、回転体支持部材94がV軸線回りに回転するのに伴いV軸線回りにも回転される。
【0056】
次に、回転体120の内部構造について説明する。図3に示されるように、回転体120内に収容された回転体軸116の中央部前面側には、軸外周部を一部平面状に切除して形成された照明用光源取付凹部152が設けられている。照明用光源取付凹部152には、前面に白色や銀色等の光反射率を高めるコーティングが施されたリフレクタ(バックライトカバー)154が固着されており、リフレクタ154の前面中央にはLED基板156が取り付けられている(図7及び図8参照)。
【0057】
図4に示されるように、LED基板156の前面中央には、3個のLED158がほぼ正三角形状に配置されて実装されている。また、図7に示されるように、LED基板156の後面には、LED基板156の配線パターンにより各LED158と電気的に接続されたコネクタ160が実装されている。このコネクタ160には、前述したスリップリング22のリード線40先端に繋がれたコネクタ162が接続されている。
【0058】
スリップリング22からLED基板156までのリード線40の配線経路については、スリップリング22の基板38に接続されたリード線40の基端側は、モータ軸18の前面に形成された溝部164(図3参照)を通されてモータ軸18の空洞部21から外部へ引き出され、回転体支持部材94の外周面に沿わされて前方へ引き回される。そこから、回転体支持部材94のフランジ96に形成された貫通孔166へ通されてフランジ96前面側に引き出され、図1及び図4に示されるように、回転体支持部材94の開口部95前面縁部に設けられた周リブ168と、貫通孔166の外側に位置してフランジ96前面に突設されたガイドリブ170との間を通されて回転体120の左側端部まで引き回される。さらに、図2及び図7に示されるように、周リブ168と2本のボス117Lとの間を通され、ベアリング押さえ板144の切り欠き148からベアリング142の内側と回転体支持部材136の切り欠き138との間を通されて回転体120の内部に引き込まれている。
【0059】
なお、このリード線40の経路途中にコネクタを設けるなどして、回転表示装置10の組立及びメンテナンス性を向上させるようにしてもよい。
【0060】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0061】
まず、回転表示装置10に装備された回転体120の動作について説明する。表示装置制御基板からの制御信号によりステッピングモータ16が駆動されてモータ軸18とともに回転体支持部材94が軸線V回りに回転すると、回転体支持部材94に軸支された回転体120も回転体支持部材94と共に軸線V回り(図1の矢印B方向)に回転する。このときの回転体120を正面から見ると、回転体120の表面に設けられている図柄123は時計又は反時計回転方向に回転して見える。
【0062】
また、この回転時に、ステッピングモータ68の回転が停止されてリングギヤ50(リングギヤ・ユニット44)が静止していると、回転体120が軸線V回りに回転するのに伴い、リングギヤ50のギヤ部48に噛合されたスパーギヤ112が回転して軸110を介しマイタギヤ114が回転する。さらに、マイタギヤ114に噛合されたマイタギヤ128が軸線H回りに回転し、ここで回転方向が変換されて回転体120は軸線H回り(図1の矢印A方向)に回転する。これを正面から見ると、回転体120の表面に設けられている図柄123は上方向又は下方向にスクロールして見える。そのため、ステッピングモータ16のみの回転駆動では、図柄123が回転と直線移動との組み合わせられた複雑な動きをする。
【0063】
一方、ステッピングモータ68が駆動された場合は、モータ軸70とともに駆動ギヤ74が回転すると、中継ギヤ78を介してリングギヤ50が回転し、ギヤ部48に噛合されたスパーギヤ112が回転して、上述したように、回転体120は軸線H回りに回転する。これにより、回転体120を正面から見ると、図柄123がスクロールして見える。ただし、軸線H(回転体軸116)は、回転体支持部材94の回転・停止角度により正面視方向において傾くため、その傾きに応じて図柄123のスクロール方向は変化する。
【0064】
また、図柄123のスクロールはこのステッピングモータ68により制御されるため、上述したステッピングモータ16の回転駆動による図柄123の回転動作時に、ステッピングモータ16に同期させてステッピングモータ68を所定方向に所定速度で回転駆動させることにより、図柄123をスクロールさせず回転動作のみさせることもできる。
【0065】
このように、本実施形態の回転表示装置10では、回転体120が回転体軸116に軸支されて軸線H回りに回転・停止可能とされ、さらに回転体軸116が回転体支持部材94に支持されて軸線Hと交差する軸線V回りに回転・停止可能とされているため、それら2つの軸線回りの回転・停止が組み合わせられた複雑な回転動作をし、それに伴う図柄123の複数な動きが回転体120の正面側(図柄表示部位)を見る遊技者に観察される。そして、複数の図柄123のうち、回転体120の正面側で停止された所定の図柄123が遊技者に視認される。これにより、単純に1つの軸線回りに回転する回転体等に比べて表示態様の視覚的な演出効果が高められる。
【0066】
ただし、前述したように、本実施形態の回転表示装置10は、ステッピングモータ16のみで回転体120を2つの軸線回りに回転させる回転機構を備えている。そのため、ステッピングモータ68とその回転駆動力を伝達する回転機構を省き、リングギヤ50のギヤ部48を固定的に設けることで構成を簡素化することができる。例えば、ステッピングモータ68、中継ギヤ78、リングギヤ・ユニット44、及びベアリング押さえ64を取り除き、代わりに、リングギヤ50のギヤ部48をベース12の奥壁面12Aに一体的に設けるなどによっても、ステッピングモータ16の駆動のみで回転体120を軸線H及び軸線V回りに回転・停止させることができる。
【0067】
また、表示図柄の照明については、表示装置制御基板の照明用電源回路からリード線34に送られる電力は、スリップリング22を介しリード線40へ送電されてLED基板156のLED158に供給される。これにより、各LED158が発光して光が前方へ放射状に照射され、回転体120の前面側所定領域が内側から照明される。そして、光透過性材料とされた回転体120の本体122を透過した光により図柄123が照明される。なお、この図柄123については、照明されていない場合でも外光により視認することができる。
【0068】
またここでは、スリップリング22が備える集電環32とブラシ36とは、軸線V回りに摺動しながら互いに相対回転可能であるため、回転体120が軸線V回りに回転する場合でも、電源側に接続された集電環32からブラシ36への送電が可能である。これにより、回転体120の軸線V回りの回転時にも、LED158に電力を供給して図柄を照明することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態に係る回転表示装置10では、ステッピングモータ16のみの駆動源を一つとした簡単な構成により、回転体120の2つの軸線回りの回転駆動が実現される。また、回転体120内に駆動源を設ける必要がないため、回転体120を内側から照明するためのLED158の配置自由度が高くなる。さらに、照明光が駆動源等に遮られることもないため、回転体120に設けられた図柄123の照明も良好になる。
【0070】
また、本実施の形態では、回転体120の内部に設けたLED158へ電力を供給するため、リード線40は、ベアリング押さえ板144及び回転体支持部材136を貫通させて回転体120の内部へ引き込んでいる。これにより、回転体の固定軸を中空とすることなく、回転体軸116の径寸法を小さくして装置全体を小型化することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、スリップリング22を用いたことにより、回転体120の軸線V回りの回転では、回転体120の外部へ引き出されたリード線40の基端側(電力供給側)は回転体120とともに回転できるようになり、したがって、リード線40のねじれなどが防がれる。
【0072】
なお、本実施の形態で説明した、一つの駆動源(ステッピングモータ16)で回転体120の2軸回転駆動を実現させる回転機構手段については、他の構成に置き換え可能である。例えば、回転体120のマイタギヤ128が噛み合うマイタギヤ114をリング状(冠歯車)に構成して軸線Vと同軸的に設けるなどしてもよく、またその場合は、スパーギヤ112や軸110等を省いてより簡単な構成とすることができる。
【0073】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、照明用光源の位置を変更したものであるが、上記第1の実施形態と同一構成については同じ符合を付してその説明を省略する。
【0074】
図12に示されるように、第2の実施形態に係る回転表示装置200では、回転体120を支持する回転体軸は分割され回転体120内に収容された中央部分が欠落した構造とされている。この回転体軸202R、202Lは、第1の実施形態と同じく、軸受け118R、118Lにそれぞれ支持されて軸線H上に配置されるとともに、回転体支持部材94の前面側に固定的に取り付けられて回転体120を軸線H回りに回転可能に軸支している。
【0075】
回転体軸202R、202Lの対向する各端面には、一対の基板取付板204R、204Lがそれぞれ固着されて対向配置されている。この一対の基板取付板204R、204LはL型とされ、軸線Hよりも後方へ配置された先端側の屈曲部が基板取付部206R、206Lとなっている。LED基板156は、その基板取付部206R、206LにLED158実装面を正面側に向けて取り付けられている。
【0076】
このように、第2の実施形態に係る回転表示装置200では、回転体軸202R、202Lに取り付ける照明用光源の取付部(基板取付部206R、206L)を回転体軸116の軸心(軸線H)から後方へオフセットしたことにより、LED158が発光すると、図12の二点鎖線Lで示した範囲に光が照射され、照明用光源に同じLED158を用いた第1の実施形態に比べて、図柄表示部位の照明範囲が拡大される。したがって、光照射角度の狭いLED等を用いる場合でも広範囲な照明が可能であり、照明用光源の選択自由度も高まる。
【0077】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態も、照明用光源についての変形例であり、第1の実施形態と同一構成については同じ符合を付してその説明を省略する。
【0078】
図13に示されるように、第3の実施形態に係る回転表示装置300では、回転体軸116の照明用光源取付凹部152に取り付けられたリフレクタ302が半球形とされている。
【0079】
このリフレクタ302は、光反射面とされた外周面302Aが回転体120の内周面120Aと同心円状に配置されており、軸線Vが通る中心部に1箇所と、その中心により描かれる同一円周上に90度間隔で配置された4箇所とに計5個の貫通孔304が形成されている(図14参照)。
【0080】
リフレクタ302の内周面302B基端部側には基板取付部306が設けられており、基板取付部306にはランプ基板308が取り付けられている。このランプ基板308の前面には5個のランプ310がマウントされており、各ランプ310は、リフレクタ302の貫通孔304にそれぞれ挿入されリフレクタ302の外周面302A側へ露出されて、回転体120の内周面と同心円状に配置されている。
【0081】
また、ランプ基板308の後面には、ランプ基板308の配線パターンにより各ランプ310と電気的に接続されたコネクタ312が実装されており、コネクタ312にはリード線40のコネクタ162が接続されている。
【0082】
以上の構成により、第3の実施形態に係る回転表示装置300では、リード線40からランプ基板308に電力が供給されて各ランプ310が発光すると、図14に模式的に示したように、各ランプ310からの光により回転体120が照明されるそれぞれの照明範囲Lや明るさがほぼ同じとなる。これにより、回転体120の図柄表示部位をほぼ均一に照明することができる。さらに、本実施の形態では、リフレクタ302による反射光も加わって、図柄表示部位全体がより均一に照明される。
【0083】
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0084】
例えば、回転体の回転軸線(軸線V及び軸線H)は第1〜第3実施形態のように直交したものに限らず、斜交したものでもよい。また、回転体を3つ以上の回転軸線回りに回転させることも可能であり、その場合は、3つ以上ある回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転される回転力を、伝動手段により、他の回転軸線回りの回転力に変換して回転体に伝達することにより、単一駆動源による回転体の3軸以上の回転駆動を実現することができる。また、伝動手段については、ギヤに限らず、例えば、摩擦接触により動力を伝えるローラ等の他の手段を用いることができる。
【0085】
また、回転体120を軸線V回りに回転可能に支持する回転体支持部材94については、ステッピングモータ16のモータ軸18に取り付けて直接回転駆動するようにしているが、間接的に回転駆動することも可能である。その場合は、例えば、回転体支持部材94をベース12に軸線V回りに回転可能に取り付け、中継ギヤ等を介して回転力を伝達することができる。
【0086】
また、本発明は、パチンコ機に限らずパチスロ機等の他の遊技機に搭載される回転表示装置にも適用することができる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の遊技機の回転表示装置は上記構成としたので、交差する複数の回転軸線回りに回転される回転体の回転駆動を簡単な構成により実現できる。また、回転体に設けられた表示情報の照明を良好にするとともに照明用発光部の接続配線のねじれなどを防止ぎ、さらに装置全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した正面側から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置の回転体左側部近傍を部分的に示した斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した正面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る回転表示装置を示した左側面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図4の8−8線断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るスリップリングを示した、(A)が正面図、(B)が一部破断した平面図、(C)が左側面図、(D)が右側面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る回転体支持部材を示した、(A)が正面図、(B)が平面図、(C)が背面図、(D)が(A)の10D−10D線断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るベアリング押さえ板を示した、(A)が正面図、(B)が左側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る回転表示装置を示した水平断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る回転表示装置を示した水平断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る回転表示装置を示した正面図である。
【符号の説明】
10 回転表示装置
16 ステッピングモータ(駆動手段)
22 スリップリング(電気的接続手段)
32 集電環(対となる摺動部材)
36 ブラシ(対となる摺動部材)
40 リード線(接続配線)
50 リングギヤ(伝動手段)
94 回転体支持部材(第2支持手段)
110 軸(伝動手段)
112 スパーギヤ(伝動手段)
114 マイタギヤ(伝動手段/回転機構手段/第2歯車)
116 回転体軸(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
118R、118L 軸受け(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
120 回転体
120A 内周面(周面)
123 図柄(表示情報)
128 マイタギヤ(伝動手段/回転機構手段/第1歯車)
132 ベアリング(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
136 回転体支持部材(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
142 ベアリング(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
144 ベアリング押さえ板(請求項2及び請求項4の第1支持手段/請求項3の支持手段)
156 LED基板(照明手段)
158 LED(照明手段)
200 回転表示装置
202R、202L 回転体軸(固定軸)
206R、206L 基板取付部(取付部)
300 回転表示装置
308 ランプ基板(照明手段)
310 ランプ(照明手段/複数の光源)
H 軸線(請求項1の他の回転軸線/請求項2及び請求項4の第1回転軸線/請求項3の回転軸線)
V 軸線(請求項1の何れかの回転軸線/第2回転軸線)
Claims (6)
- 表示情報が設けられ交差する複数の回転軸線回りに回転可能な回転体と、
前記回転体を回転駆動するための駆動手段と、
前記駆動手段により前記回転体が前記複数の回転軸線の何れかの回転軸線回りに回転される回転力を他の回転軸線回りに回転させる回転力に変換して回転体に伝達する伝動手段と、
を有することを特徴とする遊技機の回転表示装置。 - 表示情報が設けられた回転体と、
前記回転体を第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1支持手段と、
前記第1支持手段を前記第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2支持手段と、
前記第2支持手段を前記第2回転軸線回りに回転させる駆動手段と、
前記回転体に前記第1回転軸線と同軸的に取り付けられた第1歯車と、前記第2回転軸線と同軸的又は平行な軸線上に設けられ前記第1歯車と噛合されて第1歯車を介して前記回転体を前記第1回転軸線回りに回転させる第2歯車と、を含む回転機構手段と、
を有することを特徴とする遊技機の回転表示装置。 - 表示情報が設けられた回転体と、
前記回転体を回転軸線回りに回転可能に支持する支持手段と、
前記回転体の内部に設けられ回転体を内側から照明する照明手段と、
前記支持手段を貫通して前記回転体の内部へ引き込まれ前記照明手段と電気的に接続された接続配線と、
を有することを特徴とする遊技機の回転表示装置。 - 表示情報が設けられた回転体と、
前記回転体を第1回転軸線回りに回転可能に支持する第1支持手段と、
前記第1支持手段を前記第1回転軸線と交差する第2回転軸線回りに回転可能に支持する第2支持手段と、
前記第2支持手段を前記第2回転軸線回りに回転させる駆動手段と、
前記回転体に前記第1回転軸線と同軸的に取り付けられた第1歯車と、前記第2回転軸線と同軸的又は平行な軸線上に設けられ前記第1歯車と噛合されて第1歯車を介して前記回転体を前記第1回転軸線回りに回転させる第2歯車と、を含む回転機構手段と、
前記回転体の内部に設けられ、回転体を内側から照明する照明手段と、
前記第1支持手段を貫通して前記回転体の内部へ引き込まれその引き込まれた一端が前記照明手段と電気的に接続された接続配線と、
前記第2回転軸線と同軸的に設けられ第2回転軸線回りに摺動しながら互いに相対回転可能とされた対となる摺動部材を備え、その対となる摺接部材の一方に前記接続配線の他端が電気的に接続された電気的接続手段と、
を有することを特徴とする遊技機の回転表示装置。 - 前記支持手段は固定軸を備え、その固定軸に前記照明手段が取り付けられその取付部は固定軸の軸心から後方へオフセットされていることを特徴とする請求項3記載の遊技機の回転表示装置。
- 前記照明手段は複数の光源を備え、その複数の光源は前記回転体の周面と同心円状に配置されていることを特徴とする請求項3記載の遊技機の回転表示装置。
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2002
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