JP2004146869A - ビデオ・オン・デマンド・システム、方法、プログラムおよび該ビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に適確かつ経済的にビデオコンテンツの配信を行い得るビデオ・オン・デマンド・システムを提供する。
【解決手段】オリジナルコンテンツ11を分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを配信サーバ1はコンテンツバンク27に蓄積し、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じてコンテンツバンク27から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末5に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信する。
【選択図】 図9
【解決手段】オリジナルコンテンツ11を分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを配信サーバ1はコンテンツバンク27に蓄積し、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じてコンテンツバンク27から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末5に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信する。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオデータのオリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・システム、方法、プログラムおよび該ビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオ・オン・デマンド(VOD)は、例えばテレビや映画などの映像と音声を含むビデオデータであるコンテンツをユーザ端末からの要求に応じてユーザが即座に視聴し得るようにユーザ端末に配信するものであり、このビデオ・オン・デマンドサービスを実施するには、システムとしてビデオデータを大量に格納する大容量蓄積装置およびユーザ端末からの要求に応じてビデオデータを即時に検索して配信する配信サーバが必要である。
【0003】
特に、配信サーバは、多数のユーザ端末から同時に送信されてくる多数のコンテンツ配信要求に応答して、多数のユーザ端末に対してビデオデータをそれぞれ最初から個別に配信する必要がある。例えば、1.2GBのビデオデータのコンテンツを例えば12万のユーザ端末に配信しようとする場合には、1.2GBのコンテンツを12万のユーザ端末に対して配信する必要があるため、全体の配信データ量は、1.2GB×12万のユーザ端末=144TBのように膨大なものになり、配信サーバには大きな負荷がかかり、如何に効率良く配信処理を行うことが重要となっている。
【0004】
なお、ビデオ・オン・デマンドの負荷低減手法としては、同じビデオデータを複数のチャネルに時間をずらして配信して視聴者が待ち時間の少ないチャネルを選択するというニア・オン・デマンドもあるが、要求に即応した再生開始が困難であるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−149451号公報
【0006】
【特許文献2】
特許3140962号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ビデオ・オン・デマンド・システムでは、多数のユーザ端末から同様に送信されてくる多数のコンテンツ配信要求に応答して、多数のユーザ端末の各々に対してビデオデータを最初からそれぞれ個別かつ連続的に配信する必要があるため、全体のデータ配信量が膨大なものになり、かつ配信サーバにはコンテンツ配信要求のあったユーザ端末の数に比例した大きな負荷がかかるという問題がある。さらに、高画質でコンテンツ長の長い映画等のコンテンツでは負荷は増大するため、これらのコンテンツを効率的かつ経済的に配信処理を行うことができるビデオ・オン・デマンド・システムが要望されている。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対する応答の即時性を維持しながら各ユーザ端末に適確かつ経済的にビデオコンテンツの配信を行い得るビデオ・オン・デマンド・システム、方法、プログラムおよび該ビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・システムであって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与する分割手段と、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成する圧縮手段とを有し、配信サーバが、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積する蓄積手段と、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信する配信手段と、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信する同報転送手段とを有し、ユーザ端末が、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信する要求送信手段と、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信する受信手段と、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積する蓄積手段と、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従ってユーザが切れ目を意識することなく再生する再生手段とを有することを要旨とする。
【0010】
請求項1記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するため、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0011】
また、請求項2記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド方法であって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバにおいては、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、ユーザ端末においては、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生することを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するため、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0013】
更に、請求項3記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムであって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバにおいては、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、ユーザ端末においては、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生することを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するため、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0015】
請求項4記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバにおいては、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、ユーザ端末においては、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生するビデオ・オン・デマンド・プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録することを要旨とする。
【0016】
請求項4記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録媒体に記録している。
【0017】
請求項5記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記配信サーバと複数のユーザ端末との間に設けられる分散サーバであって、該分散サーバは、配信要求の高い分割圧縮コンテンツを利用予測する予測手段と、この利用予測により予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信し、キャッシュ方式で記憶する記憶手段と、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に対応する分割圧縮コンテンツが前記記憶手段に記憶されていた場合、この記憶されている分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信する配信手段とを有することを要旨とする。
【0018】
請求項5記載の本発明にあっては、配信サーバと複数のユーザ端末との間に分散サーバを設け、配信サーバで配信要求の高いと利用予測された分割圧縮コンテンツを該分散サーバで配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信してキャッシュ方式で記憶し、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に応じて分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信するため、配信サーバおよびネットワークの負荷を軽減できるとともに、即時性を向上することができる。
【0019】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項1記載の発明において、視聴が予測されるコンテンツまたはコンテンツ内の共通部分の分割圧縮コンテンツを配信サーバおよびネットワークの軽負荷時にユーザ端末に事前に個別転送または同報転送で配信しておく事前配信手段を有することを要旨とする。
【0020】
請求項7記載の本発明は、請求項1記載の発明において、ユーザ端末における分割圧縮コンテンツの再生をユーザが認知しない程度に低速度化する低速度化手段を有することを要旨とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。同図に示すビデオ・オン・デマンド・システムは、多数のビデオデータであるオリジナルコンテンツを後述するように分割圧縮した分割圧縮コンテンツを蓄積している蓄積手段を構成する大容量蓄積装置であるコンテンツバンク27および該コンテンツバンク27に蓄積されている分割圧縮コンテンツを配信する配信サーバ1、および該配信サーバ1にネットワーク3を介して接続された多数のユーザ端末5から構成されている。なお、ネットワーク3には複数のノードが設けられ、配信サーバ1は複数のノードを介して多数のユーザ端末5に分割圧縮コンテンツを配信するようになっている。なお、ネットワーク3は、情報転送の平均実効速度が、転送される映像音声符号データの再生速度よりも速い情報ネットワークである。
【0022】
更に詳しくは、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいては、ビデオデータなどのオリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバ1は、この複数の圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応してコンテンツバンク27に蓄積しておき、ネットワークを介したユーザ端末5からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツをコンテンツバンク27から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末5に配信するとともに、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末5からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末5に同報転送するようになっている。
【0023】
また、ユーザ端末5は、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバ1に対してネットワーク3を介して送信し、コンテンツ配信要求に対して配信サーバ1から配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生するようになっている。
【0024】
図2は、本発明の他の実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。同図に示すビデオ・オン・デマンド・システムは、図1に示した実施形態においてネットワーク3を構成するノードに分散サーバ8を設けた点が異なるのみであり、その他の構成および作用は図1の実施形態と同じである。
【0025】
図2の実施形態における分散サーバ8は、配信要求の高い分割圧縮コンテンツを蓄積しておき、ユーザ端末5からの要求に応じて分散サーバ8から個別配信し、これにより配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を軽減しようとするものである。すなわち、分割圧縮コンテンツについてのユーザ端末5からの配信サーバ1への個別配信要求の度合いにより分散サーバ8からの個別転送の方が効率的であると分散サーバ8が判断した場合には、分散サーバ8は、配信サーバ1に分割圧縮コンテンツの転送要求を行って、配信サーバ1から分割圧縮コンテンツを受け取って蓄積しておき、ユーザ端末5からの配信要求に応じて分散サーバ8から個別転送を行い、これにより配信サーバ1と分散サーバ8との間のネットワーク3の負荷を軽減するものである。
【0026】
図2に示す実施形態の分散サーバ8は、具体的には、配信サーバ1とユーザ端末5との間に設けられるものであって、個別転送で配信される可能性の高い分割圧縮コンテンツまたは頻繁に配信される可能性の高い分割圧縮コンテンツを利用予測する予測手段と、この利用予測により予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予め受信し、キャッシュ方式で記憶する記憶手段と、ユーザ端末5からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に対応する分割圧縮コンテンツが記憶手段に記憶されていた場合、この記憶されている分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信する配信手段とを有するものである。
【0027】
配信サーバ1は、図3に示すように、ユーザデータベース(DB)21、メニューリストデータベース(DB)23、プレイリストデータベース(DB)25、前記コンテンツバンク27、ネットワークインタフェース29、ユーザDB検索構成制御部31、メニューリストDB検索制御部33、プレイリストDB検索制御部35、端末群状態収集整理部37、およびコンテンツ転送制御部39から構成されている。
【0028】
ユーザデータベース21は、VODサービスを受けるユーザ端末5の管理情報および計画的配信のための嗜好や視聴時間性などのデータを格納し、利用上で利便性の向上や配信の効率化に利用するものである。
【0029】
更に詳しくは、図6に配信サーバ1のユーザDB検索構成制御部31とユーザ端末5およびユーザインタフェース制御部54との間の情報の流れを示す。
【0030】
メニューリストデータベース23は、現在配信サーバ1が提供可能なコンテンツについて情報の一覧、具体的には現在配信サーバ1が提供可能なコンテンツに関する基本的な情報、効率的計画配信に使用する付随情報、およびユーザ端末5でのメニュー表示に使用する表示データ情報から構成されている。
【0031】
更に詳しくは、図7に配信サーバ1のメニューリストDB検索構成制御部33とユーザ端末5のメニューリスト記憶制御部55との間の情報の流れを示す。
【0032】
プレイリストデータベース25は、再生対象となったコンテンツ全体をユーザ端末5で連続的に一貫再生するために必要な複数の分割圧縮コンテンツのリスト情報を蓄積し、一連の分割圧縮コンテンツの組合せと機能、転送判断に使用する付随情報から構成される。
【0033】
更に詳しくは、図8に配信サーバ1のプレイリストDB検索構成制御部35およびコンテンツ転送制御部39とユーザ端末5のメニューリスト記憶制御部55、プレイリスト記憶制御部59、コンテンツ転送制御部61、およびコンテンツ再生制御部63との間の情報の流れを示す。
【0034】
次に、図4を参照して、ユーザ端末5の構成について説明する。ユーザ端末5は、ネットワーク3に接続され、配信サーバ1からネットワーク3を介して配信されるコンテンツデータである分割圧縮コンテンツを受信するネットワークインタフェース53、このネットワークインタフェース53を介して受信した分割圧縮コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部51、このコンテンツ蓄積部51に蓄積された分割圧縮コンテンツを転送制御するコンテンツ転送制御部61、コンテンツの再生制御を行うコンテンツ再生制御部63、コンテンツ蓄積部51に蓄積された分割圧縮コンテンツの映像音声を復号化する映像音声復号化機能部65、この映像音声復号化機能部65で復号化された映像音声を出力する映像音声出力機能部67、メニューリストの記憶制御を行うメニューリスト記憶制御部55、プレイリストの記憶制御を行うプレイリスト記憶制御部59、メニュー画面を生成するメニュー画面生成部57、ユーザ操作を入力する操作入力機能部69から構成されている。
【0035】
次に、図9および図10を参照して、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの基本的動作原理について説明する。
【0036】
本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムは、上述したように、ビデオデータなどのオリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバ1が、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応してコンテンツバンク27に蓄積しておき、ネットワークを介したユーザ端末5からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツをコンテンツバンク27から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末5に配信するとともに、この分割圧縮コンテンツの配信において、該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末5からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末5に同報転送で配信することに特徴があるものであり、この同報転送することにより、配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を著しく軽減しようとするものである。
【0037】
すなわち、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムは、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮し、この分割圧縮コンテンツの配信において他のユーザ端末5に配信しようとする分割圧縮コンテンツと同じものがある場合には、この分割圧縮コンテンツを同報転送により各ユーザ端末5に配信しようとすることに特徴がある。
【0038】
図9では、オリジナルコンテンツ11を分割して、複数の分割コンテンツ11aa,11bb,11cc,11ddを生成し、この複数の分割コンテンツ11aa,11bb,11cc,11ddを一連の連続番号に従って連続再生可能な形でそれぞれ圧縮符号化して複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを生成し、この複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを配信サーバ1のコンテンツバンク27に格納する。
【0039】
そして、配信サーバ1は、ユーザ端末5からコンテンツ配信要求を受信すると、このコンテンツ配信要求に該当する分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを読み出し、ユーザ端末5からの要求に応じて順番に配信するようになっている。
【0040】
また、図9および図10では、配信サーバ1は、コンテンツバンク27に格納した第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを第1〜第4のユーザ端末5a,5b,5c,5dにそれぞれ順次配信する場合について図示している。詳しくは、配信サーバ1は、第1〜第4のユーザ端末5a〜5dからそれぞれ異なる第1〜第4のコンテンツ配信要求タイミングで順次送信された複数のコンテンツ配信要求に応答して複数の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを順次第1〜第4のユーザ端末5a,5b,5c,5dに配信する場合について図示している。なお、上記第1〜第4のコンテンツ配信要求タイミングは、図10において各ユーザ端末5内に黒塗りの三角マークで示す第1〜第4のコンテンツ配信要求を行ったタイミングに対応するものである。
【0041】
図9および図10において、配信サーバ1がコンテンツバンク27に格納している複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを第1のユーザ端末5aに配信する場合に着目すると、第1のユーザ端末5aが第1のコンテンツ配信要求タイミングで第1のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)を送信したことに応答して、配信サーバ1は、複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dのうちの第1の分割圧縮コンテンツ11aを配信タイミングtaaで第1のユーザ端末5aに送信し、それから再生に間に合うタイミング(間隔)を置いた配信タイミングtabで第2の分割圧縮コンテンツ11bを第1のユーザ端末5aに配信し、更に再生に間に合うタイミング(間隔)を置いた配信タイミングtacで第3の分割圧縮コンテンツ11cを第1のユーザ端末5aに配信し、最後に配信タイミングtadで第4の分割圧縮コンテンツ11dを第1のユーザ端末5aに配信する。
【0042】
なお、第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dがそれぞれ配信タイミングで第1のユーザ端末5aに配信されると、この各配信に続いて第1のユーザ端末5aでは該第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを直ぐに再生開始する。
【0043】
詳しくは、ユーザ端末5aにおいては、上述したように配信タイミングtaa,tab,tac,tadで順次配信される第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dをそれぞれのネットワークインタフェース53で順次受信すると、この受信した各分割圧縮コンテンツ11aをそれぞれのコンテンツ蓄積部51に一旦蓄積し、それから分割番号に従った再生順にそれぞれの映像音声出力機能部67から映像音声信号として再生出力するようになっている。
【0044】
なお、図9および図10では、上述した第1〜第4の分割圧縮コンテンツの配信は、それぞれ個別転送、2端末同報転送、3端末同報転送、4端末同報転送のように図示されているが、上述した第1〜第4の分割圧縮コンテンツの配信は、後述するように、それぞれこのように個別転送または複数の端末への同報転送で行われているものの一部であることを示しているものである。
【0045】
第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dが配信タイミングtaa,tab,tac,tadで順次第1のユーザ端末5aに配信される場合において、配信タイミングtabよりも少し早い第2のコンテンツ配信要求タイミングで第2のユーザ端末5bから第2のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)が送信され、配信サーバ1は、この第2のコンテンツ配信要求に応答して第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを順次配信開始するが、ここでまず第2のコンテンツ配信要求タイミングに即応して配信タイミングtbaで第1の分割圧縮コンテンツ11aを個別転送で第2のユーザ端末5bに配信する。そして、この個別転送による第2のユーザ端末5bに配信された第1の分割圧縮コンテンツ11aは、第2のユーザ端末5bですぐに再生開始される。
【0046】
それから、この配信タイミングtbaの直後の配信タイミングtabで上述したように第1のユーザ端末5aに第2の分割圧縮コンテンツ11bを配信しているので、この配信タイミングtabで第1のユーザ端末5aに配信される第2の分割圧縮コンテンツ11bを同じ配信タイミングで第2のユーザ端末5bにも同報転送で配信する。すなわち、配信タイミングtabでは、第2の分割圧縮コンテンツ11bを第1および第2のユーザ端末5a,5bの両方に同報転送で配信し、これにより別々に配信する場合に比べて配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を軽減しているものである。しかしながら、第2のユーザ端末5bでは、この第2の分割圧縮コンテンツ11bを受信しても、まだ先に受信した第1の分割圧縮コンテンツ11aを再生中であるので、この第2の分割圧縮コンテンツ11bは第2のユーザ端末5bで直ぐに再生されずにコンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積され、第1の分割圧縮コンテンツ11aの再生が終了した時点から点線で示すように再生される。
【0047】
以下同様であるが、次に、配信タイミングtabよりも遅れて続く第3のコンテンツ配信要求タイミングで第3のユーザ端末5cから第3のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)が送信されるので、配信サーバ1は、この第3のコンテンツ配信要求に応答し、配信タイミングtcaで第1の分割圧縮コンテンツ11aを第3のユーザ端末5cに個別転送で配信する。
【0048】
それから、次の配信タイミングtacでは、配信サーバ1は、第1のユーザ端末5aに第3の分割圧縮コンテンツ11cを配信するが、この第3の分割圧縮コンテンツ11cを同じ配信タイミングtacで第2および第3のユーザ端末5b,5cにも同報転送で配信する。しかしながら、第2および第3のユーザ端末5b,5cでは、この第3の分割圧縮コンテンツ11cを受信しても、まだ先に受信した分割圧縮コンテンツ11b,11aを再生中であるので、この第3の分割圧縮コンテンツ11cは各ユーザ端末5で直ぐに再生されずにコンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積され、先に受信した分割圧縮コンテンツ11bの再生が終了し、第3の分割圧縮コンテンツ11cの再生時点になった場合に点線で示すように再生されることになる。
【0049】
次に、配信タイミングtacよりも少し遅れて続く第4のコンテンツ配信要求タイミングで第4のユーザ端末5dから第4のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)が送信されるので、配信サーバ1は、この第4のコンテンツ配信要求に応答し、配信タイミングtdaで第1の分割圧縮コンテンツ11aを第4のユーザ端末5dに個別転送で配信する。第4のユーザ端末5dでは、この第1の分割圧縮コンテンツ11aを受信すると、コンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積してから、直ぐに再生開始する。
【0050】
次に、前記配信タイミングtdaよりも遅れて続く配信タイミングtcbでは、第3のユーザ端末5cに対して第2の分割圧縮コンテンツ11bを直ぐに配信しなければならない状況にあるので、第3のユーザ端末5cに第2の分割圧縮コンテンツ11bを配信しようとするが、この場合に第4のユーザ端末5dにも同じ第2の分割圧縮コンテンツ11bを同報転送で配信する。
【0051】
次に、配信タイミングtadでは、配信サーバ1は、第1のユーザ端末5aに第4の分割圧縮コンテンツ11dを配信するが、この第4の分割圧縮コンテンツ11dを同じ配信タイミングtadで第2、第3および第4のユーザ端末5b,5c,5dにも同報転送で配信する。しかしながら、第2、第3および第4のユーザ端末5b,5c,5dでは、この第4の分割圧縮コンテンツ11dを受信しても、まだ先に受信した分割圧縮コンテンツ11c,11b,11aを再生中であるので、この第4の分割圧縮コンテンツ11dは各ユーザ端末5で直ぐに再生されずにコンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積され、先に受信した分割圧縮コンテンツ11c,11b,11aの再生が終了し、第4の分割圧縮コンテンツ11dの再生時点になった場合に点線で示すように再生されることになる。
【0052】
そして、最後に、配信タイミングtddにおいて、第4のユーザ端末5dに対して第4の分割圧縮コンテンツ11dを直ぐに配信しなければならない状況にあるので、第4のユーザ端末5dに対して第4の分割圧縮コンテンツ11dを個別転送で配信する。
【0053】
上述した結果、第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを第1〜第4のユーザ端末5a〜5dに配信する場合には、本実施形態の配信サーバ1は、個別転送を5回行うが、同報転送を4回、詳しくは、2端末同報転送を2回、3端末同報転送を1回、および4端末同報転送を1回行うことができ、これによりそれぞれを個別転送で別々に配信する場合に比べて配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を軽減することができるようになっている。
【0054】
上述した分割圧縮コンテンツの個別転送または同報転送による配信では、配信サーバ1は、ユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応答して該当する分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信するが、この場合の要求優先度として下記に説明するように、ユーザ端末5におけるコンテンツの再生状態とその進展に従って、6レベルに区分した段階型要求優先度を決定し、この要求優先度を配信サーバ1に対するコンテンツ配信要求に含ませて送信している。そして、配信サーバ1は、このコンテンツ配信要求に含まれている要求優先度に基づいて分割圧縮コンテンツを個別転送で配信するかまたは同報転送で配信するかを決定している。
【0055】
この6レベル要求優先度は、即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEに分類されている。
【0056】
即時レベルSは、ユーザ端末5において既に分割圧縮コンテンツの再生が開始しており、転送の中断が許されない分割圧縮コンテンツであることを示す。最優先レベルAは、まもなく再生が開始され、早急に転送が必要な分割圧縮コンテンツであることを示す。優先レベルBは、現在再生中の分割圧縮コンテンツの次に再生が予定されていて、最優先レベルAに次いで早急に転送が必要な分割圧縮コンテンツであることを示す。通常レベルCは、再生が予定されているため、配信サーバ1の能力が許せば転送すべき分割圧縮コンテンツであることを示す。待機レベルDは、ユーザ端末5として蓄積可能な状態にあり、受信することが可能な分割圧縮コンテンツであることを示す。空き利用レベルEは、現在の一連の再生計画外で使用するような分割圧縮コンテンツであり、時間的逼迫性が全くなく、配信サーバ1の余力で受信すべき分割圧縮コンテンツであることを示す。
【0057】
次に、図11を参照して、上述した即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEからなる要求優先度を用いた例について説明する。
【0058】
図11では、配信サーバ1において、オリジナルコンテンツ11を複数の分割コンテンツ11aa〜11hhに分割し、この複数の分割コンテンツ11aa〜11hhを圧縮して、複数の分割圧縮コンテンツ11a〜11hを生成してコンテンツバンク27に蓄積している状態で、ユーザ端末5からのコンテンツ配信要求に応答して分割圧縮コンテンツ11a〜11hを順に転送する場合において、まず第1の分割圧縮コンテンツ11aがユーザ端末5に転送され、ユーザ端末5において再生している状態が図11において白抜きの三角マークで再生点として図示されている。この再生点において、ユーザ端末5は、コンテンツ配信要求を配信サーバ1に送信するに当たり、図示のように、第2の分割圧縮コンテンツ11bに対しては即時レベルSの要求優先度を付与し、第3の分割圧縮コンテンツ11cに対しては優先レベルB(または最優先レベルA)を付与し、第4および第5の分割圧縮コンテンツ11d,11eに対しては通常レベルCを付与し、残りの第6〜第8の分割圧縮コンテンツ11f〜11hに対しては待機レベルDを付与してコンテンツ配信要求を配信サーバ1に送信することになる。配信サーバ1は、このような要求優先度を付与されたコンテンツ配信要求を受信すると、これらの要求優先度に応じて各分割圧縮コンテンツ11をユーザ端末5に他のユーザ端末5に対する分割圧縮コンテンツ11との要求優先度を考慮して個別転送または他のユーザ端末5への分割圧縮コンテンツ11と同報転送で配信する。
【0059】
次に、図12に示す要求優先度と配信サーバ1の動作の対表を参照して、上記要求優先度に基づく配信サーバ1の動作を規定した例について説明する。
【0060】
図12では、要求優先度である即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEの各々についてユーザ端末5の状態がそれぞれ再生中、再生接近、次再生、再生予定、蓄積可、代替手段有のように示されている。これに対して転送モードがI:緊急転送、II:個別転送、III、IV:同報転送、V:空帯域利用のように定義され、このそれぞれの転送モードに対して強制帯域確保、転送中断禁止、転送中断禁止、転送中断許容のように定義されている。
【0061】
このような定義に対して、同表において◎、○、↑で示すように、◎の場合には、転送開始のトリガおよび転送中の主導となり、○の場合には、他の転送に従属し、同報受信を行い、↑の場合には、転送開始後の要求優先度のレベルの変化により転送モードのレベルを上げるようになっている。
【0062】
なお、個別転送は、要求クライアントであるユーザ端末5が1台でもあれば、分割圧縮コンテンツの転送、すなわち配信を開始するものであり、同報転送は、複数のクライアントであるユーザ端末5からコンテンツ配信要求を受信した場合に分割圧縮コンテンツの配信を開始するものであり、空帯域利用は、配信サーバ1に余力が極めて大きい時にその能力を活用して分割圧縮コンテンツを配信するものである。
【0063】
すなわち、要求優先度が高い即時レベルSおよび最優先レベルAでは、個別転送を容認し、これに次ぐ要求優先度の優先レベルBは同報転送のトリガとなることを容認する。更に、要求優先度の低い通常レベルCは、一旦転送開始しても、途中で中断を転送条件とし、要求優先度の最低の待機レベルDは、同報転送の追従側でしか転送されないものである。また、空き利用レベルEは、コンテンツ配信要求に逼迫性を持たないものであり、システム帯域の有効利用を図ることができるものである。
【0064】
次に、図13を参照して、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの配信の効率化について説明する。
【0065】
図13では、一例として2時間のオリジナルコンテンツ11を12分割し、10分の1分割コンテンツを100MBに圧縮し、12個の分割圧縮コンテンツ11a〜11lを10分間隔毎に100のユーザ端末5に配信し、2時間の間に計1200人が視聴を開始する場合を示している。
【0066】
まず、第1の分割圧縮コンテンツ11aを最初に要求のあった100のユーザ端末5に配信する。それから、10分後に、第2の分割圧縮コンテンツ11bを次の100のユーザ端末5に配信する。以降、同様にして10分間隔で第12の分割圧縮コンテンツ11lを最後の100のユーザ端末5に配信するが、第2の分割圧縮コンテンツ11bの配信時には最初の100のユーザ端末5より10分後の要求のあった別の100のユーザ端末5に配信開始する。この配信において、第1の分割圧縮コンテンツ11aは最初の100のユーザ端末5への配信と同様に個別転送で配信するが、第2の分割圧縮コンテンツ11bは、最初の100のユーザ端末5への第2の分割圧縮コンテンツ11bの配信時に同報転送で配信する。また、第3の分割圧縮コンテンツ11c以降に関しても、同報転送可能なユーザ端末5に対しては同報転送で配信する。
【0067】
このような配信処理の結果、全体の配信データ量は、100MB(第1の分割圧縮コンテンツ11a)×1200のユーザ端末5+100MB(第2の分割圧縮コンテンツ11b)×6回転送+100MB(第3の分割圧縮コンテンツ11c)×4回転送+100MB×3回転送+100MB×3回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×1回転送=122.9GBとなる。
【0068】
これに対して従来技術では、1.2GBのオリジナルコンテンツ11を分割せずに、1200のユーザ端末5に配信するので、全体の配信データ量は、1.2GB×1200のユーザ端末5=1440GBとなる。
【0069】
先に説明した本実施形態の配信データ量=122.9GBと従来技術とを比較すると、122.9/1440≒1/12となり、1/12の配信効率が得られることになる。すなわち、ユーザ端末5の数が多い程、第1の分割圧縮コンテンツ11aの個別配信に比べ、第2以降の分割圧縮コンテンツ11bの転送効率が向上することがわかる。
【0070】
次に、図14を参照して、配信効率の一般形について説明する。この説明では、オリジナルコンテンツ11の長さをL、分割数をn、第1の分割圧縮コンテンツ11aの配信間隔をl、l間隔での平均同時要求のユーザ端末5の数をm、第1の分割圧縮コンテンツ11aの配信回数をa(ユーザ端末5の総数はm×aとなる)、分割圧縮コンテンツの順番をx(1≦x≦n)とする。なお、ネットワーク3には十分な空きがあり、最短時間で配信することを前提とする。
【0071】
まず最初に、コンテンツ配信要求のあったmのユーザ端末5に対して第1の分割圧縮コンテンツ11aを個別転送する。そして、第2以降の分割圧縮コンテンツ11に関してはmのユーザ端末5の単位に同報転送を行う。
【0072】
次に、コンテンツ配信要求のあったmのユーザ端末5に対して第1の分割圧縮コンテンツ11aを個別転送する。第2以降の分割圧縮コンテンツ11に関しては同報転送で配信する。他のユーザ端末5と同報転送で配信することにより効率化を図る。
【0073】
従って、配信負荷に関して、次の関係式が成り立つ。
【0074】
【数1】
図15は、コンテンツ分割数に対する配信効率向上率を同時視聴者数が1,10,50,100,500,1000の場合について示すグラフである。同図に示すグラフからわかるように、同時視聴者数が1および10のように少ない場合には、あまり変化はないが、それ以外では、コンテンツ分割数が増大するにつれて、配信効率向上率が上昇し、この傾向は同時視聴者数が多い程、配信効率向上率が増大するようになっている。従って、コンテンツ分割数を大きくし、かつ同時視聴者数が多い方が配信効率が向上することがわかる。
【0075】
次に、図16〜図19に示すフローチャートを参照して、本実施形態のユーザ端末5および配信サーバ1の動作について説明する。
【0076】
まず、図16および図17のフローチャートを参照して、ユーザ端末5の動作について説明する。なお、図16および図17はユーザ端末5の継続した動作を示しているフローチャートであり、図16の飛び越し記号「イ」から図17の飛び越し記号「イ」に動作が続いているものである。
【0077】
図16では、まずユーザ端末5の配信サーバ1に対するコンテンツ再生要求、すなわちコンテンツ配信要求では(ステップS11)、プレイリスト転送要求を送信し、配信サーバ1からプレイリストを受信する(ステップS13)。ユーザ端末5は、プレイリストを受信すると、プレイリストおよび端末蓄積データ状態と再生状態より要求レベルである要求優先度を設定する(ステップS15)。そして、分散サーバ8があるか否かについての判定を行う(ステップS17)。分散サーバ8がある場合には、要求レベルの要求優先度を分散サーバ8に報告し(ステップS19)、分散サーバ8から応答があるか否かを判定する(ステップS21)。
【0078】
ステップS21の判定において、分散サーバ8から応答がない場合には、要求レベルを配信サーバ1に報告し(ステップS23)、配信サーバ1から配信応答があるか否かについての判定を行う(ステップS25)。配信サーバ1から配信応答がある場合およびステップS21の判定で分散サーバ8から応答があった場合には、当該分割圧縮コンテンツを配信サーバ1または分散サーバ8から受信開始する(ステップS27)。そして、要求レベル変更、すなわち受信待ち状態から受信中状態への変更を配信サーバ1または分散サーバ8に報告する(ステップS29)。
【0079】
ここで図17のステップS31に進んで、ユーザ端末5において再生が開始されているか否かの判定を行う(ステップS31)。再生が行われていない場合には、(最初の)分割圧縮コンテンツの再生を開始する(ステップS33)。
【0080】
そして、分割圧縮コンテンツの再生中において、現在の再生部分は、引き続いて再生を継続可能であるか否かの判定を行う(ステップS35)。再生を継続可能でない場合には、最後の分割圧縮コンテンツであるか否かの判定を行い(ステップS37)、そうである場合には、分割圧縮コンテンツなどの不要データを消去し(ステップS47)、本再生処理を終了する。
【0081】
また、ステップS37の判定において、最後の分割圧縮コンテンツでない場合には、次の分割圧縮コンテンツを途切れずに続けて再生する(ステップS39)。それから、ユーザ自身による手動操作があったか否可の判定を行い(ステップS41)、あった場合には、その手動操作が「再生停止」であるか否かを判定する(ステップS43)。手動操作が「再生停止」である場合には、分割圧縮コンテンツなどの不要データを消去し(ステップS47)、本再生処理を終了する。
【0082】
ステップS43の判定において、手動操作が「再生停止」でない場合には、例えば「一時停止」、「解除再開」などのような手動操作に従う処理を行い、ステップS15に戻って同じ動作を繰り返し行う(ステップS45)。
【0083】
次に、図18および図19のフローチャートを参照して、配信サーバ1の動作について説明する。なお、図18および図19は配信サーバ1の継続した動作を示しているフローチャートであり、図18の飛び越し記号「ハ」から図19の飛び越し記号「ハ」におよび図19の飛び越し記号「ニ」から図18の飛び越し記号「ニ」に動作が続いているものである。
【0084】
図18では、配信サーバ1のプロセス起動処理が行われる(ステップS111)。ここでは、まず転送モードIのスループットが再生速度以上になるように転送モードIV、Vの中断、再開を制御する(ステップS112)。それから、ユーザ端末5から要求レベルの報告があり、クライアント要求状態読込更新処理゛行われる(ステップS113)。
【0085】
それから、分散サーバ8として機能しているか否かについての判定が行われる(ステップS114)。分散サーバ8として機能している場合には、ユーザ端末5からの要求を統計的に評価し、キャッシュの要否判定を行い、同報受信で実行し(ステップS121)、要求変化の該当部分をキャッシュに蓄積しているか否かについての判定を行う(ステップS123)。キャッシュに蓄積していない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返すが、キャッシュに蓄積している場合およびステップS114の判定で分散サーバ8として機能していない場合には、即時レベルSへの要求変化があるか否かについての判定を行う(ステップS115)。
【0086】
即時レベルSへの要求変化がある場合には、即時レベルSに応答して転送モードIで転送を開始するかあるいはすでに転送開始済の場合は、継続中の転送モードIに変更する(ステップS119)。
【0087】
次に、最優先レベルAへの要求変化があるか否かについての判定を行う(ステップS141)。最優先レベルAへの要求変化がない場合には、図19のステップS157に進むが、最優先レベルAへの要求変化がある場合には、該当部分の転送を既に開始しているか否かについて判定を行う(ステップS145)。開始していない場合には、必要に応じて転送モードIV、Vを中断し、最優先レベルAの要求に対する転送の帯域を確保し(ステップS147)、該当部分に対する他の要求があるか否かについての判定を行う(ステップS151)。
【0088】
該当部分に対する他の要求がない場合には、転送モードIIで該当部分の転送を開始し(ステップS153)、また該当部分に対する他の要求がある場合には、転送モードIIIで該当部分の転送を開始して(ステップS155)、図19のステップS157に進む。
【0089】
図19のステップS157においては、優先レベルBへの要求変化があるか否かについて判定が行われる。そして、優先レベルBへの要求変化がない場合には、ステップS181に進み、また優先レベルBへの要求変化がある場合には、該当部分の転送がモードIVで実施中であるか否かについての判定が行われ(ステップS161)、該当部分の転送がモードIVで実施中である場合には、転送モードIIIに変更し、中断中の場合は、転送を再開し(ステップS167)、ステップS181に進む。また、ステップS161の判定が該当部分の転送がモードIVで実施中でない場合には、該当部分に対する通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEの要求があるか否かの判定を行い(ステップS163)、ない場合には、ステップS181に進み、またある場合には、転送モードIIIで該当部分の転送を開始し(ステップS169)、ステップS181に進む。
【0090】
ステップS181では、通常レベルCへの要求変化があるか否かについての判定が行われ、通常レベルCへの要求変化がない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返されるが、通常レベルCへの要求変化がある場合には、十分な余裕帯域があるか否かについて判定が行われる(ステップS185)。十分な余裕帯域がない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返されるが、十分な余裕帯域がある場合には、該当部分の通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEの要求が規定数以上あるか否かについての判定を行い(ステップS187)、該要求が規定数以上ない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返し、また該要求が規定数以上ある場合には、転送モードIVで該当部分の転送を開始し(ステップS189)、最初のステップS112に戻り最初から繰り返し行う。
【0091】
次に、図20〜図25を参照して、本実施形態の他の処理機能について説明する。
【0092】
まず、図20を参照して、利用予測、事前配信および事前蓄積処理機能について説明する。
【0093】
この処理では、分割圧縮コンテンツの配信要求がユーザ端末5から行われる前に、利用予測により事前配信し、ユーザ端末5において事前蓄積しておくことにより、更なる効率的配信と応答性の向上を図るものである。
【0094】
具体的には、ユーザ端末5において十分な蓄積容量がある場合には、視聴が予測されるコンテンツについて、その先頭部分は配信サーバ1およびネットワーク3が軽負荷で余力がある時に(例えば、深夜や早朝など)、事前に配信しておいて、転送負荷の多い個別配信をシステムに余裕の少ない時(休日の昼間や夜)などを避けて分散させることができる。この事前配信判断は、例えば「ドキュメンタリ」というジャンル別や、「ディズニー(登録商標)」などのカテゴリ別など、特定のコンテンツについて視聴者個別の嗜好性に基づく方法またはシリーズものについて次回のコンテンツなど連携性に基づく方法などが考えられる。また、極めて視聴確率が高いものについては、先頭だけでなく、続く分割圧縮コンテンツの一部または全部を事前配信する方法もある。
【0095】
すなわち、図20(a)に示すように、システム負荷の軽い深夜早朝などの空白期に異なるコンテンツA,Bの先頭部分を事前に個別転送を行っておくことにより、有効な時間的負荷を分散することができ、その他はシステム繁忙期でも同報転送が可能となる。
【0096】
このように事前配信を行わない場合には、図20(b)に示すように、サービスが混み合うシステム繁忙期に個別転送が行われ、システムの能力消費が大きくなり、負荷低減の観点から好ましくない。
【0097】
次に、図21を参照して、分割圧縮コンテンツの事前配信を複数のユーザ端末に同報転送で配信し、効率的配信を行う処理機能について説明する。
【0098】
例えば、コンテンツに人気があり、極めて多くの視聴者に見られると予測されるものである場合、事前配信部分を、予測される視聴者全体に同報転送で配信することにより、当該部分の配信についてより負荷を低減できる。
【0099】
すなわち、図21に示すように、コンテンツA,Bが人気の高い同じコンテンツをユーザが視聴する場合には、例えば深夜や早朝などの空白期に先頭の通常では個別転送される分割圧縮コンテンツを事前に同報転送で配信して、個別転送を排除し、効率化を図ることができる。
【0100】
次に、図22を参照して、共通使用可能な分割圧縮コンテンツを事前同報配信する処理機能について説明する。
【0101】
分割圧縮コンテンツ内の異なる連続コンテンツの再生において共通使用できる部分を設定し、この部分を事前に同報転送で配信し、効率化を図る。例えば、コンテンツの先頭部分のコンテンツなどが様々なコンテンツで同様に使用できる場合、例えばVODサービスのオープニング画面、映画会社・配給会社のオープニングロゴ、シリーズドラマのオープニングタイトル、またはコンテンツ前に流れるCMなどのような部分について、上述した図20,21で説明した事前個別転送または事前同報転送を適用し、これにより複数のコンテンツ再生に必要な先頭部分を集約でき、ユーザ端末の蓄積容量消費を削減できる。また、図21で説明した事前同報を適用できる対象コンテンツを増やすことも可能である。なお、当該部分は視聴者が視聴を要望しているものではないが、違和感なく見過ごせる扱いの共通コンテンツとすることで、システム内での活用度を高め、配信効率を高めることができる。
【0102】
すなわち、図22に示すように、先頭の共通部分が同じであるが、本編の異なるコンテンツA,Bのうち、先頭の共通部分を例えば深夜や早朝などの空白期などに事前に同報転送で配信しておくことにより、最小限の端末蓄積容量で負荷低減を実現できる。
【0103】
次に、図23を参照して、ユーザ端末における再生速度の低速度化について説明する。すなわち、ユーザ端末において分割圧縮コンテンツの再生中に、その再生速度を人間の視聴ではわからない程度に低速化し、後に続く同報性配信の集積効果を上げて効率的配信を行うものである。
【0104】
ユーザ端末における分割圧縮コンテンツの再生を視聴者が認知しない程度でも、低速度化すれば、その後に続く分割圧縮コンテンツの配信要求時期を遅らせることができ、負荷低減が計れる。また、これにより遅れて再生を開始したユーザ端末との同報転送も可能となる。
【0105】
すなわち、図23(a)に示すように、システムの余力が残り少なく、個別転送が頻発している場合、ユーザ端末での再生速度を視聴者が気づかない程度(例えば、数%)、低速化して、後に続く分割圧縮コンテンツの転送時期を遅らせ、負荷のピークを回避することができる。また、遅らせている間に他のユーザ端末からの再生要求があれば、これと同報転送で配信することができる。
【0106】
このように低速化を行わない場合には、図23(b)に示すように、遅行するユーザ端末の再生開始要求の直前に、先行するユーザ端末への転送が開始され、個別転送の増大を招き、システムの負荷を増大することになる。なお、図23において、コンテンツA,Bは同じコンテンツである。
【0107】
次に、図24を参照して、分割圧縮コンテンツのうち再生してもしなくても問題ない部分をユーザ端末の状態に応じて配信および再生を省略する処理機能について説明する。
【0108】
分割圧縮コンテンツの内容において、その展開上再生してもしなくても事実上問題ないものを設定し、ユーザ端末群のうち先行するユーザ端末には、その部分の転送および再生を実行するが、遅行するユーザ端末への転送および再生については、その部分を省略することにより、先行するユーザ端末に追いつき、当該ユーザ端末との同報性を確保し、後に続く同報転送による配信効率を向上し、負荷低減を実現する。逆に再生することにより、遅行するユーザ端末を待ち、同報性確保で負荷低減を実現することもできる。
【0109】
すなわち、図24(a)に示すように、追加的分割圧縮コンテンツa′は、先行するユーザ端末へは配信再生を行い、遅行するユーザ端末には配信再生を行わない。これにより元々同報転送でなかった分割圧縮コンテンツbを同報化し、配信効率を向上することができる。
【0110】
これに対して、配信再生を省略しない場合には、図24(b)に示すように、遅行するユーザ端末が開始要求を行った場合、先頭の分割圧縮コンテンツaのみでなく、続く分割圧縮コンテンツbも個別転送となり、配信効率が低下することになる。なお、図24において、コンテンツA,Bは同じコンテンツである。
【0111】
次に、図25を参照して、分割圧縮コンテンツとして時間的長さの異なる別素材またはオリジナル素材を時間的に延長または短縮した類似素材を適用して、後に続く同報性配信の集積効果の向上および配信効率の向上を図る処理機能について説明する。
【0112】
すなわち、図24で説明した配信再生の省略では、分割圧縮コンテンツを丸ごと追加または削除したのに対して、完全省略では不自然さがあるので、これを回避するために、図に示すように、内容を短縮したりまたは延長して作成した分割圧縮コンテンツを複数用意し、これを選択することにより部分的な効果を達成するものである。なお、図25において、コンテンツA,Bは同じコンテンツである。
【0113】
また、他の実施形態として、分割圧縮コンテンツに階層性符号化を適用し、低位のデータの優先度を上げ、高位のデータの優先度を下げて提供し、全体としてシステムの負荷が低いときには、より高品位の映像を提供し、負荷が重いときには、安定度を重視の若干品位を下げた映像の提供により、重負荷時の再生破綻を回避することも可能である。
【0114】
すなわち、分割圧縮コンテンツの考え方を時間方向のみでなく、品質方向でも活用するものである。まず、低品位の映像とこれに組み合わせることで、高品位の映像が提供できる追加情報を分ける階層性符号化を行う。それから、追加情報はシステムに余裕のあるときのみ、転送を行い、繁忙時は転送を行わない。追加情報は無くても再生は可能であるので、これにより繁忙時には最低限の映像を提供できる。また、コンテンツの分割単位を内容の転換点とすることにより、コンテンツの途中再生が可能になる。
【0115】
更に、別の実施形態として、分割圧縮コンテンツのうち、個別的配信要素が強いものについては、通信ネットワークなどの個別配信媒体を使用し、同報的要素が強い伝達については放送伝播などの同報配信媒体を使用するというように異なる媒体の特性を活用して、効率的配信を行うことができる。
【0116】
すなわち、同報配信を行うコンテンツ部分のうち、極めて多くのユーザが視聴するものについては、物理的な同報メディア(放送など)を使用するのが合理的である。例えば、視聴確率の高いコンテンツについての事前配信などはこれに相当する。コンテンツが分割されているため、コンテンツの先頭などを放送で配信し、即応再生開始に必要な部分のみ蓄積しておき、実際の視聴が始まった時点で、ネットワークでその後の分割圧縮コンテンツを同報配信することが考えられる。放送を蓄積し、後で視聴するホームサーバシステムなどとの連携を考慮したものである。
【0117】
また更に、他の実施形態として、管理情報として複数の再生順序を設け、視聴者の選択またはシステムの状態によってそのコンテンツ内容展開が複数種類となるような再生を提供可能なマルチシナリオ機能を設けるものである。
【0118】
すなわち、分割圧縮コンテンツの他の活用例として、視聴者の選択や、システムの自動処理により、見るたびに内容が変わるようなマルチシナリオのサービスが実現できる。本ビデオ・オン・デマンド・システムとの親和性が高く、個別配信、同報配信または事前配信などと併用すると、システム負荷の増大を抑えながら、VODサービスを実現できる。
【0119】
なお、上記実施形態のビデオ・オン・デマンド方法の処理手順をプログラムとして例えばCDやFDなどの記録媒体に記録して、この記録媒体をコンピュータシステムに組み込んだり、または記録媒体に記録されたプログラムを通信回線を介してコンピュータシステムにダウンロードしたり、または記録媒体からインストールし、該プログラムでコンピュータシステムを作動させることにより、ビデオ・オン・デマンド方法を実施するビデオ・オン・デマンド・システムとして機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、配信サーバはオリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを生成して蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するので、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0121】
また、本発明によれば、配信サーバと複数のユーザ端末との間に分散サーバを設け、該分散サーバで配信要求の高い分割圧縮コンテンツを利用予測し、この予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信してキャッシュ方式で記憶し、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に応じて分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信するので、配信サーバおよびネットワークの負荷を軽減できるとともに、即時性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。
【図3】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムに使用されている配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムに使用されているユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示す実施形態の分散サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】図3に示す配信サーバに使用されているユーザデータベースの構成を示す表および配信サーバとユーザ端末との間の情報の流れを示す説明図である。
【図7】図3に示す配信サーバに使用されているメニューリストデータベースの構成を示す表および配信サーバとユーザ端末との間の情報の流れを示す説明図である。
【図8】図3に示す配信サーバに使用されているプレイリストデータベースの構成を示す表および配信サーバとユーザ端末との間の情報の流れを示す説明図である。
【図9】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの基本的動作原理を示す説明図である。
【図10】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの基本的動作原理を図9とともに示す説明図である。
【図11】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEからなる要求優先度を用いた例を示す説明図である。
【図12】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて要求優先度と配信サーバの動作の対応関係を示す表である。
【図13】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて配信効率化を説明するための図である。
【図14】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて配信効率の一般形を説明するための図である。
【図15】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいてコンテンツ分割数に対する配信効率向上率を同時視聴者数が1,10,50,100,500,1000の場合について示すグラフである。
【図16】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおけるユーザ端末の作用の一部を示すフローチャートである。
【図17】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおけるユーザ端末の作用の図16に続く残りの部分を示すフローチャートである。
【図18】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおける配信サーバの作用の一部を示すフローチャートである。
【図19】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおける配信サーバの作用の図18に続く残りの部分を示すフローチャートである。
【図20】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて利用予測、事前配信および事前蓄積処理機能を示す説明図である。
【図21】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて分割圧縮コンテンツの事前配信を複数のユーザ端末に同報転送で配信し、効率的配信を行う処理機能を示す説明図である。
【図22】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて共通使用可能な分割圧縮コンテンツを事前同報配信する処理機能を示す説明図である。
【図23】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいてユーザ端末における再生速度の低速度化を示す説明図である。
【図24】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて分割圧縮コンテンツのうち再生してもしなくても問題ない部分をユーザ端末の状態に応じて配信および再生を省略する処理機能を示す説明図である。
【図25】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて分割圧縮コンテンツとして時間的長さの異なる別素材またはオリジナル素材を時間的に延長または短縮した類似素材を適用して、後に続く同報性配信の集積効果の向上および配信効率の向上を図る処理機能を示す説明図である。
【符号の説明】
1 配信サーバ
3 ネットワーク
5 ユーザ端末
8 分散サーバ
21 ユーザデータベース
23 メニューリストデータベース
25 プレイリストデータベース
27 コンテンツバンク
29,53,81 ネットワークインタフェース
37 端末群状態収集整理部
39 コンテンツ転送制御部
51 コンテンツ蓄積部
61 分割コンテンツ転送制御部
63 コンテンツ再生制御部
65 映像音声復号化機能部
67 映像音声出力機能部
83 キャッシュ蓄積機能部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオデータのオリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・システム、方法、プログラムおよび該ビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオ・オン・デマンド(VOD)は、例えばテレビや映画などの映像と音声を含むビデオデータであるコンテンツをユーザ端末からの要求に応じてユーザが即座に視聴し得るようにユーザ端末に配信するものであり、このビデオ・オン・デマンドサービスを実施するには、システムとしてビデオデータを大量に格納する大容量蓄積装置およびユーザ端末からの要求に応じてビデオデータを即時に検索して配信する配信サーバが必要である。
【0003】
特に、配信サーバは、多数のユーザ端末から同時に送信されてくる多数のコンテンツ配信要求に応答して、多数のユーザ端末に対してビデオデータをそれぞれ最初から個別に配信する必要がある。例えば、1.2GBのビデオデータのコンテンツを例えば12万のユーザ端末に配信しようとする場合には、1.2GBのコンテンツを12万のユーザ端末に対して配信する必要があるため、全体の配信データ量は、1.2GB×12万のユーザ端末=144TBのように膨大なものになり、配信サーバには大きな負荷がかかり、如何に効率良く配信処理を行うことが重要となっている。
【0004】
なお、ビデオ・オン・デマンドの負荷低減手法としては、同じビデオデータを複数のチャネルに時間をずらして配信して視聴者が待ち時間の少ないチャネルを選択するというニア・オン・デマンドもあるが、要求に即応した再生開始が困難であるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−149451号公報
【0006】
【特許文献2】
特許3140962号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ビデオ・オン・デマンド・システムでは、多数のユーザ端末から同様に送信されてくる多数のコンテンツ配信要求に応答して、多数のユーザ端末の各々に対してビデオデータを最初からそれぞれ個別かつ連続的に配信する必要があるため、全体のデータ配信量が膨大なものになり、かつ配信サーバにはコンテンツ配信要求のあったユーザ端末の数に比例した大きな負荷がかかるという問題がある。さらに、高画質でコンテンツ長の長い映画等のコンテンツでは負荷は増大するため、これらのコンテンツを効率的かつ経済的に配信処理を行うことができるビデオ・オン・デマンド・システムが要望されている。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対する応答の即時性を維持しながら各ユーザ端末に適確かつ経済的にビデオコンテンツの配信を行い得るビデオ・オン・デマンド・システム、方法、プログラムおよび該ビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・システムであって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与する分割手段と、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成する圧縮手段とを有し、配信サーバが、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積する蓄積手段と、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信する配信手段と、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信する同報転送手段とを有し、ユーザ端末が、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信する要求送信手段と、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信する受信手段と、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積する蓄積手段と、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従ってユーザが切れ目を意識することなく再生する再生手段とを有することを要旨とする。
【0010】
請求項1記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するため、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0011】
また、請求項2記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド方法であって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバにおいては、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、ユーザ端末においては、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生することを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するため、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0013】
更に、請求項3記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムであって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバにおいては、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、ユーザ端末においては、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生することを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するため、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0015】
請求項4記載の本発明は、オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバにおいては、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、ユーザ端末においては、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生するビデオ・オン・デマンド・プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録することを要旨とする。
【0016】
請求項4記載の本発明にあっては、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを配信サーバは蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録媒体に記録している。
【0017】
請求項5記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記配信サーバと複数のユーザ端末との間に設けられる分散サーバであって、該分散サーバは、配信要求の高い分割圧縮コンテンツを利用予測する予測手段と、この利用予測により予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信し、キャッシュ方式で記憶する記憶手段と、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に対応する分割圧縮コンテンツが前記記憶手段に記憶されていた場合、この記憶されている分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信する配信手段とを有することを要旨とする。
【0018】
請求項5記載の本発明にあっては、配信サーバと複数のユーザ端末との間に分散サーバを設け、配信サーバで配信要求の高いと利用予測された分割圧縮コンテンツを該分散サーバで配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信してキャッシュ方式で記憶し、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に応じて分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信するため、配信サーバおよびネットワークの負荷を軽減できるとともに、即時性を向上することができる。
【0019】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項1記載の発明において、視聴が予測されるコンテンツまたはコンテンツ内の共通部分の分割圧縮コンテンツを配信サーバおよびネットワークの軽負荷時にユーザ端末に事前に個別転送または同報転送で配信しておく事前配信手段を有することを要旨とする。
【0020】
請求項7記載の本発明は、請求項1記載の発明において、ユーザ端末における分割圧縮コンテンツの再生をユーザが認知しない程度に低速度化する低速度化手段を有することを要旨とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。同図に示すビデオ・オン・デマンド・システムは、多数のビデオデータであるオリジナルコンテンツを後述するように分割圧縮した分割圧縮コンテンツを蓄積している蓄積手段を構成する大容量蓄積装置であるコンテンツバンク27および該コンテンツバンク27に蓄積されている分割圧縮コンテンツを配信する配信サーバ1、および該配信サーバ1にネットワーク3を介して接続された多数のユーザ端末5から構成されている。なお、ネットワーク3には複数のノードが設けられ、配信サーバ1は複数のノードを介して多数のユーザ端末5に分割圧縮コンテンツを配信するようになっている。なお、ネットワーク3は、情報転送の平均実効速度が、転送される映像音声符号データの再生速度よりも速い情報ネットワークである。
【0022】
更に詳しくは、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいては、ビデオデータなどのオリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバ1は、この複数の圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応してコンテンツバンク27に蓄積しておき、ネットワークを介したユーザ端末5からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツをコンテンツバンク27から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末5に配信するとともに、この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末5からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末5に同報転送するようになっている。
【0023】
また、ユーザ端末5は、配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバ1に対してネットワーク3を介して送信し、コンテンツ配信要求に対して配信サーバ1から配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生するようになっている。
【0024】
図2は、本発明の他の実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。同図に示すビデオ・オン・デマンド・システムは、図1に示した実施形態においてネットワーク3を構成するノードに分散サーバ8を設けた点が異なるのみであり、その他の構成および作用は図1の実施形態と同じである。
【0025】
図2の実施形態における分散サーバ8は、配信要求の高い分割圧縮コンテンツを蓄積しておき、ユーザ端末5からの要求に応じて分散サーバ8から個別配信し、これにより配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を軽減しようとするものである。すなわち、分割圧縮コンテンツについてのユーザ端末5からの配信サーバ1への個別配信要求の度合いにより分散サーバ8からの個別転送の方が効率的であると分散サーバ8が判断した場合には、分散サーバ8は、配信サーバ1に分割圧縮コンテンツの転送要求を行って、配信サーバ1から分割圧縮コンテンツを受け取って蓄積しておき、ユーザ端末5からの配信要求に応じて分散サーバ8から個別転送を行い、これにより配信サーバ1と分散サーバ8との間のネットワーク3の負荷を軽減するものである。
【0026】
図2に示す実施形態の分散サーバ8は、具体的には、配信サーバ1とユーザ端末5との間に設けられるものであって、個別転送で配信される可能性の高い分割圧縮コンテンツまたは頻繁に配信される可能性の高い分割圧縮コンテンツを利用予測する予測手段と、この利用予測により予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予め受信し、キャッシュ方式で記憶する記憶手段と、ユーザ端末5からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に対応する分割圧縮コンテンツが記憶手段に記憶されていた場合、この記憶されている分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信する配信手段とを有するものである。
【0027】
配信サーバ1は、図3に示すように、ユーザデータベース(DB)21、メニューリストデータベース(DB)23、プレイリストデータベース(DB)25、前記コンテンツバンク27、ネットワークインタフェース29、ユーザDB検索構成制御部31、メニューリストDB検索制御部33、プレイリストDB検索制御部35、端末群状態収集整理部37、およびコンテンツ転送制御部39から構成されている。
【0028】
ユーザデータベース21は、VODサービスを受けるユーザ端末5の管理情報および計画的配信のための嗜好や視聴時間性などのデータを格納し、利用上で利便性の向上や配信の効率化に利用するものである。
【0029】
更に詳しくは、図6に配信サーバ1のユーザDB検索構成制御部31とユーザ端末5およびユーザインタフェース制御部54との間の情報の流れを示す。
【0030】
メニューリストデータベース23は、現在配信サーバ1が提供可能なコンテンツについて情報の一覧、具体的には現在配信サーバ1が提供可能なコンテンツに関する基本的な情報、効率的計画配信に使用する付随情報、およびユーザ端末5でのメニュー表示に使用する表示データ情報から構成されている。
【0031】
更に詳しくは、図7に配信サーバ1のメニューリストDB検索構成制御部33とユーザ端末5のメニューリスト記憶制御部55との間の情報の流れを示す。
【0032】
プレイリストデータベース25は、再生対象となったコンテンツ全体をユーザ端末5で連続的に一貫再生するために必要な複数の分割圧縮コンテンツのリスト情報を蓄積し、一連の分割圧縮コンテンツの組合せと機能、転送判断に使用する付随情報から構成される。
【0033】
更に詳しくは、図8に配信サーバ1のプレイリストDB検索構成制御部35およびコンテンツ転送制御部39とユーザ端末5のメニューリスト記憶制御部55、プレイリスト記憶制御部59、コンテンツ転送制御部61、およびコンテンツ再生制御部63との間の情報の流れを示す。
【0034】
次に、図4を参照して、ユーザ端末5の構成について説明する。ユーザ端末5は、ネットワーク3に接続され、配信サーバ1からネットワーク3を介して配信されるコンテンツデータである分割圧縮コンテンツを受信するネットワークインタフェース53、このネットワークインタフェース53を介して受信した分割圧縮コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積部51、このコンテンツ蓄積部51に蓄積された分割圧縮コンテンツを転送制御するコンテンツ転送制御部61、コンテンツの再生制御を行うコンテンツ再生制御部63、コンテンツ蓄積部51に蓄積された分割圧縮コンテンツの映像音声を復号化する映像音声復号化機能部65、この映像音声復号化機能部65で復号化された映像音声を出力する映像音声出力機能部67、メニューリストの記憶制御を行うメニューリスト記憶制御部55、プレイリストの記憶制御を行うプレイリスト記憶制御部59、メニュー画面を生成するメニュー画面生成部57、ユーザ操作を入力する操作入力機能部69から構成されている。
【0035】
次に、図9および図10を参照して、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの基本的動作原理について説明する。
【0036】
本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムは、上述したように、ビデオデータなどのオリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、配信サーバ1が、この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応してコンテンツバンク27に蓄積しておき、ネットワークを介したユーザ端末5からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツをコンテンツバンク27から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末5に配信するとともに、この分割圧縮コンテンツの配信において、該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末5からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末5に同報転送で配信することに特徴があるものであり、この同報転送することにより、配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を著しく軽減しようとするものである。
【0037】
すなわち、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムは、オリジナルコンテンツを分割してから圧縮し、この分割圧縮コンテンツの配信において他のユーザ端末5に配信しようとする分割圧縮コンテンツと同じものがある場合には、この分割圧縮コンテンツを同報転送により各ユーザ端末5に配信しようとすることに特徴がある。
【0038】
図9では、オリジナルコンテンツ11を分割して、複数の分割コンテンツ11aa,11bb,11cc,11ddを生成し、この複数の分割コンテンツ11aa,11bb,11cc,11ddを一連の連続番号に従って連続再生可能な形でそれぞれ圧縮符号化して複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを生成し、この複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを配信サーバ1のコンテンツバンク27に格納する。
【0039】
そして、配信サーバ1は、ユーザ端末5からコンテンツ配信要求を受信すると、このコンテンツ配信要求に該当する分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを読み出し、ユーザ端末5からの要求に応じて順番に配信するようになっている。
【0040】
また、図9および図10では、配信サーバ1は、コンテンツバンク27に格納した第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを第1〜第4のユーザ端末5a,5b,5c,5dにそれぞれ順次配信する場合について図示している。詳しくは、配信サーバ1は、第1〜第4のユーザ端末5a〜5dからそれぞれ異なる第1〜第4のコンテンツ配信要求タイミングで順次送信された複数のコンテンツ配信要求に応答して複数の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを順次第1〜第4のユーザ端末5a,5b,5c,5dに配信する場合について図示している。なお、上記第1〜第4のコンテンツ配信要求タイミングは、図10において各ユーザ端末5内に黒塗りの三角マークで示す第1〜第4のコンテンツ配信要求を行ったタイミングに対応するものである。
【0041】
図9および図10において、配信サーバ1がコンテンツバンク27に格納している複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dを第1のユーザ端末5aに配信する場合に着目すると、第1のユーザ端末5aが第1のコンテンツ配信要求タイミングで第1のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)を送信したことに応答して、配信サーバ1は、複数の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dのうちの第1の分割圧縮コンテンツ11aを配信タイミングtaaで第1のユーザ端末5aに送信し、それから再生に間に合うタイミング(間隔)を置いた配信タイミングtabで第2の分割圧縮コンテンツ11bを第1のユーザ端末5aに配信し、更に再生に間に合うタイミング(間隔)を置いた配信タイミングtacで第3の分割圧縮コンテンツ11cを第1のユーザ端末5aに配信し、最後に配信タイミングtadで第4の分割圧縮コンテンツ11dを第1のユーザ端末5aに配信する。
【0042】
なお、第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dがそれぞれ配信タイミングで第1のユーザ端末5aに配信されると、この各配信に続いて第1のユーザ端末5aでは該第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを直ぐに再生開始する。
【0043】
詳しくは、ユーザ端末5aにおいては、上述したように配信タイミングtaa,tab,tac,tadで順次配信される第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dをそれぞれのネットワークインタフェース53で順次受信すると、この受信した各分割圧縮コンテンツ11aをそれぞれのコンテンツ蓄積部51に一旦蓄積し、それから分割番号に従った再生順にそれぞれの映像音声出力機能部67から映像音声信号として再生出力するようになっている。
【0044】
なお、図9および図10では、上述した第1〜第4の分割圧縮コンテンツの配信は、それぞれ個別転送、2端末同報転送、3端末同報転送、4端末同報転送のように図示されているが、上述した第1〜第4の分割圧縮コンテンツの配信は、後述するように、それぞれこのように個別転送または複数の端末への同報転送で行われているものの一部であることを示しているものである。
【0045】
第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a,11b,11c,11dが配信タイミングtaa,tab,tac,tadで順次第1のユーザ端末5aに配信される場合において、配信タイミングtabよりも少し早い第2のコンテンツ配信要求タイミングで第2のユーザ端末5bから第2のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)が送信され、配信サーバ1は、この第2のコンテンツ配信要求に応答して第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを順次配信開始するが、ここでまず第2のコンテンツ配信要求タイミングに即応して配信タイミングtbaで第1の分割圧縮コンテンツ11aを個別転送で第2のユーザ端末5bに配信する。そして、この個別転送による第2のユーザ端末5bに配信された第1の分割圧縮コンテンツ11aは、第2のユーザ端末5bですぐに再生開始される。
【0046】
それから、この配信タイミングtbaの直後の配信タイミングtabで上述したように第1のユーザ端末5aに第2の分割圧縮コンテンツ11bを配信しているので、この配信タイミングtabで第1のユーザ端末5aに配信される第2の分割圧縮コンテンツ11bを同じ配信タイミングで第2のユーザ端末5bにも同報転送で配信する。すなわち、配信タイミングtabでは、第2の分割圧縮コンテンツ11bを第1および第2のユーザ端末5a,5bの両方に同報転送で配信し、これにより別々に配信する場合に比べて配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を軽減しているものである。しかしながら、第2のユーザ端末5bでは、この第2の分割圧縮コンテンツ11bを受信しても、まだ先に受信した第1の分割圧縮コンテンツ11aを再生中であるので、この第2の分割圧縮コンテンツ11bは第2のユーザ端末5bで直ぐに再生されずにコンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積され、第1の分割圧縮コンテンツ11aの再生が終了した時点から点線で示すように再生される。
【0047】
以下同様であるが、次に、配信タイミングtabよりも遅れて続く第3のコンテンツ配信要求タイミングで第3のユーザ端末5cから第3のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)が送信されるので、配信サーバ1は、この第3のコンテンツ配信要求に応答し、配信タイミングtcaで第1の分割圧縮コンテンツ11aを第3のユーザ端末5cに個別転送で配信する。
【0048】
それから、次の配信タイミングtacでは、配信サーバ1は、第1のユーザ端末5aに第3の分割圧縮コンテンツ11cを配信するが、この第3の分割圧縮コンテンツ11cを同じ配信タイミングtacで第2および第3のユーザ端末5b,5cにも同報転送で配信する。しかしながら、第2および第3のユーザ端末5b,5cでは、この第3の分割圧縮コンテンツ11cを受信しても、まだ先に受信した分割圧縮コンテンツ11b,11aを再生中であるので、この第3の分割圧縮コンテンツ11cは各ユーザ端末5で直ぐに再生されずにコンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積され、先に受信した分割圧縮コンテンツ11bの再生が終了し、第3の分割圧縮コンテンツ11cの再生時点になった場合に点線で示すように再生されることになる。
【0049】
次に、配信タイミングtacよりも少し遅れて続く第4のコンテンツ配信要求タイミングで第4のユーザ端末5dから第4のコンテンツ配信要求(三角マークで図示)が送信されるので、配信サーバ1は、この第4のコンテンツ配信要求に応答し、配信タイミングtdaで第1の分割圧縮コンテンツ11aを第4のユーザ端末5dに個別転送で配信する。第4のユーザ端末5dでは、この第1の分割圧縮コンテンツ11aを受信すると、コンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積してから、直ぐに再生開始する。
【0050】
次に、前記配信タイミングtdaよりも遅れて続く配信タイミングtcbでは、第3のユーザ端末5cに対して第2の分割圧縮コンテンツ11bを直ぐに配信しなければならない状況にあるので、第3のユーザ端末5cに第2の分割圧縮コンテンツ11bを配信しようとするが、この場合に第4のユーザ端末5dにも同じ第2の分割圧縮コンテンツ11bを同報転送で配信する。
【0051】
次に、配信タイミングtadでは、配信サーバ1は、第1のユーザ端末5aに第4の分割圧縮コンテンツ11dを配信するが、この第4の分割圧縮コンテンツ11dを同じ配信タイミングtadで第2、第3および第4のユーザ端末5b,5c,5dにも同報転送で配信する。しかしながら、第2、第3および第4のユーザ端末5b,5c,5dでは、この第4の分割圧縮コンテンツ11dを受信しても、まだ先に受信した分割圧縮コンテンツ11c,11b,11aを再生中であるので、この第4の分割圧縮コンテンツ11dは各ユーザ端末5で直ぐに再生されずにコンテンツ蓄積部51に一時的に蓄積され、先に受信した分割圧縮コンテンツ11c,11b,11aの再生が終了し、第4の分割圧縮コンテンツ11dの再生時点になった場合に点線で示すように再生されることになる。
【0052】
そして、最後に、配信タイミングtddにおいて、第4のユーザ端末5dに対して第4の分割圧縮コンテンツ11dを直ぐに配信しなければならない状況にあるので、第4のユーザ端末5dに対して第4の分割圧縮コンテンツ11dを個別転送で配信する。
【0053】
上述した結果、第1〜第4の分割圧縮コンテンツ11a〜11dを第1〜第4のユーザ端末5a〜5dに配信する場合には、本実施形態の配信サーバ1は、個別転送を5回行うが、同報転送を4回、詳しくは、2端末同報転送を2回、3端末同報転送を1回、および4端末同報転送を1回行うことができ、これによりそれぞれを個別転送で別々に配信する場合に比べて配信サーバ1およびネットワーク3の負荷を軽減することができるようになっている。
【0054】
上述した分割圧縮コンテンツの個別転送または同報転送による配信では、配信サーバ1は、ユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応答して該当する分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信するが、この場合の要求優先度として下記に説明するように、ユーザ端末5におけるコンテンツの再生状態とその進展に従って、6レベルに区分した段階型要求優先度を決定し、この要求優先度を配信サーバ1に対するコンテンツ配信要求に含ませて送信している。そして、配信サーバ1は、このコンテンツ配信要求に含まれている要求優先度に基づいて分割圧縮コンテンツを個別転送で配信するかまたは同報転送で配信するかを決定している。
【0055】
この6レベル要求優先度は、即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEに分類されている。
【0056】
即時レベルSは、ユーザ端末5において既に分割圧縮コンテンツの再生が開始しており、転送の中断が許されない分割圧縮コンテンツであることを示す。最優先レベルAは、まもなく再生が開始され、早急に転送が必要な分割圧縮コンテンツであることを示す。優先レベルBは、現在再生中の分割圧縮コンテンツの次に再生が予定されていて、最優先レベルAに次いで早急に転送が必要な分割圧縮コンテンツであることを示す。通常レベルCは、再生が予定されているため、配信サーバ1の能力が許せば転送すべき分割圧縮コンテンツであることを示す。待機レベルDは、ユーザ端末5として蓄積可能な状態にあり、受信することが可能な分割圧縮コンテンツであることを示す。空き利用レベルEは、現在の一連の再生計画外で使用するような分割圧縮コンテンツであり、時間的逼迫性が全くなく、配信サーバ1の余力で受信すべき分割圧縮コンテンツであることを示す。
【0057】
次に、図11を参照して、上述した即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEからなる要求優先度を用いた例について説明する。
【0058】
図11では、配信サーバ1において、オリジナルコンテンツ11を複数の分割コンテンツ11aa〜11hhに分割し、この複数の分割コンテンツ11aa〜11hhを圧縮して、複数の分割圧縮コンテンツ11a〜11hを生成してコンテンツバンク27に蓄積している状態で、ユーザ端末5からのコンテンツ配信要求に応答して分割圧縮コンテンツ11a〜11hを順に転送する場合において、まず第1の分割圧縮コンテンツ11aがユーザ端末5に転送され、ユーザ端末5において再生している状態が図11において白抜きの三角マークで再生点として図示されている。この再生点において、ユーザ端末5は、コンテンツ配信要求を配信サーバ1に送信するに当たり、図示のように、第2の分割圧縮コンテンツ11bに対しては即時レベルSの要求優先度を付与し、第3の分割圧縮コンテンツ11cに対しては優先レベルB(または最優先レベルA)を付与し、第4および第5の分割圧縮コンテンツ11d,11eに対しては通常レベルCを付与し、残りの第6〜第8の分割圧縮コンテンツ11f〜11hに対しては待機レベルDを付与してコンテンツ配信要求を配信サーバ1に送信することになる。配信サーバ1は、このような要求優先度を付与されたコンテンツ配信要求を受信すると、これらの要求優先度に応じて各分割圧縮コンテンツ11をユーザ端末5に他のユーザ端末5に対する分割圧縮コンテンツ11との要求優先度を考慮して個別転送または他のユーザ端末5への分割圧縮コンテンツ11と同報転送で配信する。
【0059】
次に、図12に示す要求優先度と配信サーバ1の動作の対表を参照して、上記要求優先度に基づく配信サーバ1の動作を規定した例について説明する。
【0060】
図12では、要求優先度である即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEの各々についてユーザ端末5の状態がそれぞれ再生中、再生接近、次再生、再生予定、蓄積可、代替手段有のように示されている。これに対して転送モードがI:緊急転送、II:個別転送、III、IV:同報転送、V:空帯域利用のように定義され、このそれぞれの転送モードに対して強制帯域確保、転送中断禁止、転送中断禁止、転送中断許容のように定義されている。
【0061】
このような定義に対して、同表において◎、○、↑で示すように、◎の場合には、転送開始のトリガおよび転送中の主導となり、○の場合には、他の転送に従属し、同報受信を行い、↑の場合には、転送開始後の要求優先度のレベルの変化により転送モードのレベルを上げるようになっている。
【0062】
なお、個別転送は、要求クライアントであるユーザ端末5が1台でもあれば、分割圧縮コンテンツの転送、すなわち配信を開始するものであり、同報転送は、複数のクライアントであるユーザ端末5からコンテンツ配信要求を受信した場合に分割圧縮コンテンツの配信を開始するものであり、空帯域利用は、配信サーバ1に余力が極めて大きい時にその能力を活用して分割圧縮コンテンツを配信するものである。
【0063】
すなわち、要求優先度が高い即時レベルSおよび最優先レベルAでは、個別転送を容認し、これに次ぐ要求優先度の優先レベルBは同報転送のトリガとなることを容認する。更に、要求優先度の低い通常レベルCは、一旦転送開始しても、途中で中断を転送条件とし、要求優先度の最低の待機レベルDは、同報転送の追従側でしか転送されないものである。また、空き利用レベルEは、コンテンツ配信要求に逼迫性を持たないものであり、システム帯域の有効利用を図ることができるものである。
【0064】
次に、図13を参照して、本実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの配信の効率化について説明する。
【0065】
図13では、一例として2時間のオリジナルコンテンツ11を12分割し、10分の1分割コンテンツを100MBに圧縮し、12個の分割圧縮コンテンツ11a〜11lを10分間隔毎に100のユーザ端末5に配信し、2時間の間に計1200人が視聴を開始する場合を示している。
【0066】
まず、第1の分割圧縮コンテンツ11aを最初に要求のあった100のユーザ端末5に配信する。それから、10分後に、第2の分割圧縮コンテンツ11bを次の100のユーザ端末5に配信する。以降、同様にして10分間隔で第12の分割圧縮コンテンツ11lを最後の100のユーザ端末5に配信するが、第2の分割圧縮コンテンツ11bの配信時には最初の100のユーザ端末5より10分後の要求のあった別の100のユーザ端末5に配信開始する。この配信において、第1の分割圧縮コンテンツ11aは最初の100のユーザ端末5への配信と同様に個別転送で配信するが、第2の分割圧縮コンテンツ11bは、最初の100のユーザ端末5への第2の分割圧縮コンテンツ11bの配信時に同報転送で配信する。また、第3の分割圧縮コンテンツ11c以降に関しても、同報転送可能なユーザ端末5に対しては同報転送で配信する。
【0067】
このような配信処理の結果、全体の配信データ量は、100MB(第1の分割圧縮コンテンツ11a)×1200のユーザ端末5+100MB(第2の分割圧縮コンテンツ11b)×6回転送+100MB(第3の分割圧縮コンテンツ11c)×4回転送+100MB×3回転送+100MB×3回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×2回転送+100MB×1回転送=122.9GBとなる。
【0068】
これに対して従来技術では、1.2GBのオリジナルコンテンツ11を分割せずに、1200のユーザ端末5に配信するので、全体の配信データ量は、1.2GB×1200のユーザ端末5=1440GBとなる。
【0069】
先に説明した本実施形態の配信データ量=122.9GBと従来技術とを比較すると、122.9/1440≒1/12となり、1/12の配信効率が得られることになる。すなわち、ユーザ端末5の数が多い程、第1の分割圧縮コンテンツ11aの個別配信に比べ、第2以降の分割圧縮コンテンツ11bの転送効率が向上することがわかる。
【0070】
次に、図14を参照して、配信効率の一般形について説明する。この説明では、オリジナルコンテンツ11の長さをL、分割数をn、第1の分割圧縮コンテンツ11aの配信間隔をl、l間隔での平均同時要求のユーザ端末5の数をm、第1の分割圧縮コンテンツ11aの配信回数をa(ユーザ端末5の総数はm×aとなる)、分割圧縮コンテンツの順番をx(1≦x≦n)とする。なお、ネットワーク3には十分な空きがあり、最短時間で配信することを前提とする。
【0071】
まず最初に、コンテンツ配信要求のあったmのユーザ端末5に対して第1の分割圧縮コンテンツ11aを個別転送する。そして、第2以降の分割圧縮コンテンツ11に関してはmのユーザ端末5の単位に同報転送を行う。
【0072】
次に、コンテンツ配信要求のあったmのユーザ端末5に対して第1の分割圧縮コンテンツ11aを個別転送する。第2以降の分割圧縮コンテンツ11に関しては同報転送で配信する。他のユーザ端末5と同報転送で配信することにより効率化を図る。
【0073】
従って、配信負荷に関して、次の関係式が成り立つ。
【0074】
【数1】
図15は、コンテンツ分割数に対する配信効率向上率を同時視聴者数が1,10,50,100,500,1000の場合について示すグラフである。同図に示すグラフからわかるように、同時視聴者数が1および10のように少ない場合には、あまり変化はないが、それ以外では、コンテンツ分割数が増大するにつれて、配信効率向上率が上昇し、この傾向は同時視聴者数が多い程、配信効率向上率が増大するようになっている。従って、コンテンツ分割数を大きくし、かつ同時視聴者数が多い方が配信効率が向上することがわかる。
【0075】
次に、図16〜図19に示すフローチャートを参照して、本実施形態のユーザ端末5および配信サーバ1の動作について説明する。
【0076】
まず、図16および図17のフローチャートを参照して、ユーザ端末5の動作について説明する。なお、図16および図17はユーザ端末5の継続した動作を示しているフローチャートであり、図16の飛び越し記号「イ」から図17の飛び越し記号「イ」に動作が続いているものである。
【0077】
図16では、まずユーザ端末5の配信サーバ1に対するコンテンツ再生要求、すなわちコンテンツ配信要求では(ステップS11)、プレイリスト転送要求を送信し、配信サーバ1からプレイリストを受信する(ステップS13)。ユーザ端末5は、プレイリストを受信すると、プレイリストおよび端末蓄積データ状態と再生状態より要求レベルである要求優先度を設定する(ステップS15)。そして、分散サーバ8があるか否かについての判定を行う(ステップS17)。分散サーバ8がある場合には、要求レベルの要求優先度を分散サーバ8に報告し(ステップS19)、分散サーバ8から応答があるか否かを判定する(ステップS21)。
【0078】
ステップS21の判定において、分散サーバ8から応答がない場合には、要求レベルを配信サーバ1に報告し(ステップS23)、配信サーバ1から配信応答があるか否かについての判定を行う(ステップS25)。配信サーバ1から配信応答がある場合およびステップS21の判定で分散サーバ8から応答があった場合には、当該分割圧縮コンテンツを配信サーバ1または分散サーバ8から受信開始する(ステップS27)。そして、要求レベル変更、すなわち受信待ち状態から受信中状態への変更を配信サーバ1または分散サーバ8に報告する(ステップS29)。
【0079】
ここで図17のステップS31に進んで、ユーザ端末5において再生が開始されているか否かの判定を行う(ステップS31)。再生が行われていない場合には、(最初の)分割圧縮コンテンツの再生を開始する(ステップS33)。
【0080】
そして、分割圧縮コンテンツの再生中において、現在の再生部分は、引き続いて再生を継続可能であるか否かの判定を行う(ステップS35)。再生を継続可能でない場合には、最後の分割圧縮コンテンツであるか否かの判定を行い(ステップS37)、そうである場合には、分割圧縮コンテンツなどの不要データを消去し(ステップS47)、本再生処理を終了する。
【0081】
また、ステップS37の判定において、最後の分割圧縮コンテンツでない場合には、次の分割圧縮コンテンツを途切れずに続けて再生する(ステップS39)。それから、ユーザ自身による手動操作があったか否可の判定を行い(ステップS41)、あった場合には、その手動操作が「再生停止」であるか否かを判定する(ステップS43)。手動操作が「再生停止」である場合には、分割圧縮コンテンツなどの不要データを消去し(ステップS47)、本再生処理を終了する。
【0082】
ステップS43の判定において、手動操作が「再生停止」でない場合には、例えば「一時停止」、「解除再開」などのような手動操作に従う処理を行い、ステップS15に戻って同じ動作を繰り返し行う(ステップS45)。
【0083】
次に、図18および図19のフローチャートを参照して、配信サーバ1の動作について説明する。なお、図18および図19は配信サーバ1の継続した動作を示しているフローチャートであり、図18の飛び越し記号「ハ」から図19の飛び越し記号「ハ」におよび図19の飛び越し記号「ニ」から図18の飛び越し記号「ニ」に動作が続いているものである。
【0084】
図18では、配信サーバ1のプロセス起動処理が行われる(ステップS111)。ここでは、まず転送モードIのスループットが再生速度以上になるように転送モードIV、Vの中断、再開を制御する(ステップS112)。それから、ユーザ端末5から要求レベルの報告があり、クライアント要求状態読込更新処理゛行われる(ステップS113)。
【0085】
それから、分散サーバ8として機能しているか否かについての判定が行われる(ステップS114)。分散サーバ8として機能している場合には、ユーザ端末5からの要求を統計的に評価し、キャッシュの要否判定を行い、同報受信で実行し(ステップS121)、要求変化の該当部分をキャッシュに蓄積しているか否かについての判定を行う(ステップS123)。キャッシュに蓄積していない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返すが、キャッシュに蓄積している場合およびステップS114の判定で分散サーバ8として機能していない場合には、即時レベルSへの要求変化があるか否かについての判定を行う(ステップS115)。
【0086】
即時レベルSへの要求変化がある場合には、即時レベルSに応答して転送モードIで転送を開始するかあるいはすでに転送開始済の場合は、継続中の転送モードIに変更する(ステップS119)。
【0087】
次に、最優先レベルAへの要求変化があるか否かについての判定を行う(ステップS141)。最優先レベルAへの要求変化がない場合には、図19のステップS157に進むが、最優先レベルAへの要求変化がある場合には、該当部分の転送を既に開始しているか否かについて判定を行う(ステップS145)。開始していない場合には、必要に応じて転送モードIV、Vを中断し、最優先レベルAの要求に対する転送の帯域を確保し(ステップS147)、該当部分に対する他の要求があるか否かについての判定を行う(ステップS151)。
【0088】
該当部分に対する他の要求がない場合には、転送モードIIで該当部分の転送を開始し(ステップS153)、また該当部分に対する他の要求がある場合には、転送モードIIIで該当部分の転送を開始して(ステップS155)、図19のステップS157に進む。
【0089】
図19のステップS157においては、優先レベルBへの要求変化があるか否かについて判定が行われる。そして、優先レベルBへの要求変化がない場合には、ステップS181に進み、また優先レベルBへの要求変化がある場合には、該当部分の転送がモードIVで実施中であるか否かについての判定が行われ(ステップS161)、該当部分の転送がモードIVで実施中である場合には、転送モードIIIに変更し、中断中の場合は、転送を再開し(ステップS167)、ステップS181に進む。また、ステップS161の判定が該当部分の転送がモードIVで実施中でない場合には、該当部分に対する通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEの要求があるか否かの判定を行い(ステップS163)、ない場合には、ステップS181に進み、またある場合には、転送モードIIIで該当部分の転送を開始し(ステップS169)、ステップS181に進む。
【0090】
ステップS181では、通常レベルCへの要求変化があるか否かについての判定が行われ、通常レベルCへの要求変化がない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返されるが、通常レベルCへの要求変化がある場合には、十分な余裕帯域があるか否かについて判定が行われる(ステップS185)。十分な余裕帯域がない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返されるが、十分な余裕帯域がある場合には、該当部分の通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEの要求が規定数以上あるか否かについての判定を行い(ステップS187)、該要求が規定数以上ない場合には、最初のステップS112に戻り、最初から繰り返し、また該要求が規定数以上ある場合には、転送モードIVで該当部分の転送を開始し(ステップS189)、最初のステップS112に戻り最初から繰り返し行う。
【0091】
次に、図20〜図25を参照して、本実施形態の他の処理機能について説明する。
【0092】
まず、図20を参照して、利用予測、事前配信および事前蓄積処理機能について説明する。
【0093】
この処理では、分割圧縮コンテンツの配信要求がユーザ端末5から行われる前に、利用予測により事前配信し、ユーザ端末5において事前蓄積しておくことにより、更なる効率的配信と応答性の向上を図るものである。
【0094】
具体的には、ユーザ端末5において十分な蓄積容量がある場合には、視聴が予測されるコンテンツについて、その先頭部分は配信サーバ1およびネットワーク3が軽負荷で余力がある時に(例えば、深夜や早朝など)、事前に配信しておいて、転送負荷の多い個別配信をシステムに余裕の少ない時(休日の昼間や夜)などを避けて分散させることができる。この事前配信判断は、例えば「ドキュメンタリ」というジャンル別や、「ディズニー(登録商標)」などのカテゴリ別など、特定のコンテンツについて視聴者個別の嗜好性に基づく方法またはシリーズものについて次回のコンテンツなど連携性に基づく方法などが考えられる。また、極めて視聴確率が高いものについては、先頭だけでなく、続く分割圧縮コンテンツの一部または全部を事前配信する方法もある。
【0095】
すなわち、図20(a)に示すように、システム負荷の軽い深夜早朝などの空白期に異なるコンテンツA,Bの先頭部分を事前に個別転送を行っておくことにより、有効な時間的負荷を分散することができ、その他はシステム繁忙期でも同報転送が可能となる。
【0096】
このように事前配信を行わない場合には、図20(b)に示すように、サービスが混み合うシステム繁忙期に個別転送が行われ、システムの能力消費が大きくなり、負荷低減の観点から好ましくない。
【0097】
次に、図21を参照して、分割圧縮コンテンツの事前配信を複数のユーザ端末に同報転送で配信し、効率的配信を行う処理機能について説明する。
【0098】
例えば、コンテンツに人気があり、極めて多くの視聴者に見られると予測されるものである場合、事前配信部分を、予測される視聴者全体に同報転送で配信することにより、当該部分の配信についてより負荷を低減できる。
【0099】
すなわち、図21に示すように、コンテンツA,Bが人気の高い同じコンテンツをユーザが視聴する場合には、例えば深夜や早朝などの空白期に先頭の通常では個別転送される分割圧縮コンテンツを事前に同報転送で配信して、個別転送を排除し、効率化を図ることができる。
【0100】
次に、図22を参照して、共通使用可能な分割圧縮コンテンツを事前同報配信する処理機能について説明する。
【0101】
分割圧縮コンテンツ内の異なる連続コンテンツの再生において共通使用できる部分を設定し、この部分を事前に同報転送で配信し、効率化を図る。例えば、コンテンツの先頭部分のコンテンツなどが様々なコンテンツで同様に使用できる場合、例えばVODサービスのオープニング画面、映画会社・配給会社のオープニングロゴ、シリーズドラマのオープニングタイトル、またはコンテンツ前に流れるCMなどのような部分について、上述した図20,21で説明した事前個別転送または事前同報転送を適用し、これにより複数のコンテンツ再生に必要な先頭部分を集約でき、ユーザ端末の蓄積容量消費を削減できる。また、図21で説明した事前同報を適用できる対象コンテンツを増やすことも可能である。なお、当該部分は視聴者が視聴を要望しているものではないが、違和感なく見過ごせる扱いの共通コンテンツとすることで、システム内での活用度を高め、配信効率を高めることができる。
【0102】
すなわち、図22に示すように、先頭の共通部分が同じであるが、本編の異なるコンテンツA,Bのうち、先頭の共通部分を例えば深夜や早朝などの空白期などに事前に同報転送で配信しておくことにより、最小限の端末蓄積容量で負荷低減を実現できる。
【0103】
次に、図23を参照して、ユーザ端末における再生速度の低速度化について説明する。すなわち、ユーザ端末において分割圧縮コンテンツの再生中に、その再生速度を人間の視聴ではわからない程度に低速化し、後に続く同報性配信の集積効果を上げて効率的配信を行うものである。
【0104】
ユーザ端末における分割圧縮コンテンツの再生を視聴者が認知しない程度でも、低速度化すれば、その後に続く分割圧縮コンテンツの配信要求時期を遅らせることができ、負荷低減が計れる。また、これにより遅れて再生を開始したユーザ端末との同報転送も可能となる。
【0105】
すなわち、図23(a)に示すように、システムの余力が残り少なく、個別転送が頻発している場合、ユーザ端末での再生速度を視聴者が気づかない程度(例えば、数%)、低速化して、後に続く分割圧縮コンテンツの転送時期を遅らせ、負荷のピークを回避することができる。また、遅らせている間に他のユーザ端末からの再生要求があれば、これと同報転送で配信することができる。
【0106】
このように低速化を行わない場合には、図23(b)に示すように、遅行するユーザ端末の再生開始要求の直前に、先行するユーザ端末への転送が開始され、個別転送の増大を招き、システムの負荷を増大することになる。なお、図23において、コンテンツA,Bは同じコンテンツである。
【0107】
次に、図24を参照して、分割圧縮コンテンツのうち再生してもしなくても問題ない部分をユーザ端末の状態に応じて配信および再生を省略する処理機能について説明する。
【0108】
分割圧縮コンテンツの内容において、その展開上再生してもしなくても事実上問題ないものを設定し、ユーザ端末群のうち先行するユーザ端末には、その部分の転送および再生を実行するが、遅行するユーザ端末への転送および再生については、その部分を省略することにより、先行するユーザ端末に追いつき、当該ユーザ端末との同報性を確保し、後に続く同報転送による配信効率を向上し、負荷低減を実現する。逆に再生することにより、遅行するユーザ端末を待ち、同報性確保で負荷低減を実現することもできる。
【0109】
すなわち、図24(a)に示すように、追加的分割圧縮コンテンツa′は、先行するユーザ端末へは配信再生を行い、遅行するユーザ端末には配信再生を行わない。これにより元々同報転送でなかった分割圧縮コンテンツbを同報化し、配信効率を向上することができる。
【0110】
これに対して、配信再生を省略しない場合には、図24(b)に示すように、遅行するユーザ端末が開始要求を行った場合、先頭の分割圧縮コンテンツaのみでなく、続く分割圧縮コンテンツbも個別転送となり、配信効率が低下することになる。なお、図24において、コンテンツA,Bは同じコンテンツである。
【0111】
次に、図25を参照して、分割圧縮コンテンツとして時間的長さの異なる別素材またはオリジナル素材を時間的に延長または短縮した類似素材を適用して、後に続く同報性配信の集積効果の向上および配信効率の向上を図る処理機能について説明する。
【0112】
すなわち、図24で説明した配信再生の省略では、分割圧縮コンテンツを丸ごと追加または削除したのに対して、完全省略では不自然さがあるので、これを回避するために、図に示すように、内容を短縮したりまたは延長して作成した分割圧縮コンテンツを複数用意し、これを選択することにより部分的な効果を達成するものである。なお、図25において、コンテンツA,Bは同じコンテンツである。
【0113】
また、他の実施形態として、分割圧縮コンテンツに階層性符号化を適用し、低位のデータの優先度を上げ、高位のデータの優先度を下げて提供し、全体としてシステムの負荷が低いときには、より高品位の映像を提供し、負荷が重いときには、安定度を重視の若干品位を下げた映像の提供により、重負荷時の再生破綻を回避することも可能である。
【0114】
すなわち、分割圧縮コンテンツの考え方を時間方向のみでなく、品質方向でも活用するものである。まず、低品位の映像とこれに組み合わせることで、高品位の映像が提供できる追加情報を分ける階層性符号化を行う。それから、追加情報はシステムに余裕のあるときのみ、転送を行い、繁忙時は転送を行わない。追加情報は無くても再生は可能であるので、これにより繁忙時には最低限の映像を提供できる。また、コンテンツの分割単位を内容の転換点とすることにより、コンテンツの途中再生が可能になる。
【0115】
更に、別の実施形態として、分割圧縮コンテンツのうち、個別的配信要素が強いものについては、通信ネットワークなどの個別配信媒体を使用し、同報的要素が強い伝達については放送伝播などの同報配信媒体を使用するというように異なる媒体の特性を活用して、効率的配信を行うことができる。
【0116】
すなわち、同報配信を行うコンテンツ部分のうち、極めて多くのユーザが視聴するものについては、物理的な同報メディア(放送など)を使用するのが合理的である。例えば、視聴確率の高いコンテンツについての事前配信などはこれに相当する。コンテンツが分割されているため、コンテンツの先頭などを放送で配信し、即応再生開始に必要な部分のみ蓄積しておき、実際の視聴が始まった時点で、ネットワークでその後の分割圧縮コンテンツを同報配信することが考えられる。放送を蓄積し、後で視聴するホームサーバシステムなどとの連携を考慮したものである。
【0117】
また更に、他の実施形態として、管理情報として複数の再生順序を設け、視聴者の選択またはシステムの状態によってそのコンテンツ内容展開が複数種類となるような再生を提供可能なマルチシナリオ機能を設けるものである。
【0118】
すなわち、分割圧縮コンテンツの他の活用例として、視聴者の選択や、システムの自動処理により、見るたびに内容が変わるようなマルチシナリオのサービスが実現できる。本ビデオ・オン・デマンド・システムとの親和性が高く、個別配信、同報配信または事前配信などと併用すると、システム負荷の増大を抑えながら、VODサービスを実現できる。
【0119】
なお、上記実施形態のビデオ・オン・デマンド方法の処理手順をプログラムとして例えばCDやFDなどの記録媒体に記録して、この記録媒体をコンピュータシステムに組み込んだり、または記録媒体に記録されたプログラムを通信回線を介してコンピュータシステムにダウンロードしたり、または記録媒体からインストールし、該プログラムでコンピュータシステムを作動させることにより、ビデオ・オン・デマンド方法を実施するビデオ・オン・デマンド・システムとして機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、配信サーバはオリジナルコンテンツを分割してから圧縮した複数の分割圧縮コンテンツを生成して蓄積しておき、ユーザ端末からの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この分割圧縮コンテンツを要求優先度に従ってユーザ端末に配信し、この配信で同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信するので、多数のユーザ端末から同時に送信されてくるコンテンツ配信要求に対して即時性を維持しながら各ユーザ端末に効率的かつ経済的に配信を行うことができ、配信サーバおよびネットワークに対する負荷を著しく軽減することができる。
【0121】
また、本発明によれば、配信サーバと複数のユーザ端末との間に分散サーバを設け、該分散サーバで配信要求の高い分割圧縮コンテンツを利用予測し、この予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信してキャッシュ方式で記憶し、ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に応じて分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信するので、配信サーバおよびネットワークの負荷を軽減できるとともに、即時性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るビデオ・オン・デマンド・システムの構成を示す図である。
【図3】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムに使用されている配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムに使用されているユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示す実施形態の分散サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】図3に示す配信サーバに使用されているユーザデータベースの構成を示す表および配信サーバとユーザ端末との間の情報の流れを示す説明図である。
【図7】図3に示す配信サーバに使用されているメニューリストデータベースの構成を示す表および配信サーバとユーザ端末との間の情報の流れを示す説明図である。
【図8】図3に示す配信サーバに使用されているプレイリストデータベースの構成を示す表および配信サーバとユーザ端末との間の情報の流れを示す説明図である。
【図9】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの基本的動作原理を示す説明図である。
【図10】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムの基本的動作原理を図9とともに示す説明図である。
【図11】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて即時レベルS、最優先レベルA、優先レベルB、通常レベルC、待機レベルD、空き利用レベルEからなる要求優先度を用いた例を示す説明図である。
【図12】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて要求優先度と配信サーバの動作の対応関係を示す表である。
【図13】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて配信効率化を説明するための図である。
【図14】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて配信効率の一般形を説明するための図である。
【図15】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいてコンテンツ分割数に対する配信効率向上率を同時視聴者数が1,10,50,100,500,1000の場合について示すグラフである。
【図16】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおけるユーザ端末の作用の一部を示すフローチャートである。
【図17】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおけるユーザ端末の作用の図16に続く残りの部分を示すフローチャートである。
【図18】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおける配信サーバの作用の一部を示すフローチャートである。
【図19】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおける配信サーバの作用の図18に続く残りの部分を示すフローチャートである。
【図20】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて利用予測、事前配信および事前蓄積処理機能を示す説明図である。
【図21】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて分割圧縮コンテンツの事前配信を複数のユーザ端末に同報転送で配信し、効率的配信を行う処理機能を示す説明図である。
【図22】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて共通使用可能な分割圧縮コンテンツを事前同報配信する処理機能を示す説明図である。
【図23】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいてユーザ端末における再生速度の低速度化を示す説明図である。
【図24】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて分割圧縮コンテンツのうち再生してもしなくても問題ない部分をユーザ端末の状態に応じて配信および再生を省略する処理機能を示す説明図である。
【図25】図1に示す実施形態のビデオ・オン・デマンド・システムにおいて分割圧縮コンテンツとして時間的長さの異なる別素材またはオリジナル素材を時間的に延長または短縮した類似素材を適用して、後に続く同報性配信の集積効果の向上および配信効率の向上を図る処理機能を示す説明図である。
【符号の説明】
1 配信サーバ
3 ネットワーク
5 ユーザ端末
8 分散サーバ
21 ユーザデータベース
23 メニューリストデータベース
25 プレイリストデータベース
27 コンテンツバンク
29,53,81 ネットワークインタフェース
37 端末群状態収集整理部
39 コンテンツ転送制御部
51 コンテンツ蓄積部
61 分割コンテンツ転送制御部
63 コンテンツ再生制御部
65 映像音声復号化機能部
67 映像音声出力機能部
83 キャッシュ蓄積機能部
Claims (7)
- オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・システムであって、
オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与する分割手段と、
この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成する圧縮手段と、
を有し、
配信サーバは、
この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積する蓄積手段と、
ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信する配信手段と、
この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信する同報転送手段と
を有し、
ユーザ端末は、
配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信する要求送信手段と、
前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信する受信手段と、
この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積する蓄積手段と、
この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生する再生手段と
を有することを特徴とするビデオ・オン・デマンド・システム。 - オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド方法であって、
オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、
この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、
配信サーバにおいては、
この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、
ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、
この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、
ユーザ端末においては、
配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、
前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、
この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、
この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生すること
を特徴とするビデオ・オン・デマンド方法。 - オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムであって、
オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、
この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、
配信サーバにおいては、
この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、
ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、
この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、
ユーザ端末においては、
配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、
前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、
この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、
この蓄積した圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生すること
を特徴とするビデオ・オン・デマンド・プログラム。 - オリジナルコンテンツを複数のユーザ端末からの要求に応じて配信サーバから配信するビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
オリジナルコンテンツを複数の連続した分割コンテンツに分割するとともに、この複数の分割コンテンツに一連の分割番号をそれぞれ付与し、
この一連の分割番号をそれぞれ付与された複数の分割コンテンツをそれぞれ一連の分割番号に従って連続再生可能な形で圧縮して複数の分割圧縮コンテンツを生成し、
配信サーバにおいては、
この複数の分割圧縮コンテンツの各々をそれぞれ対応する分割番号とともに該複数の分割圧縮コンテンツで構成されるオリジナルコンテンツの識別情報に対応して蓄積手段に蓄積し、
ネットワークを介したユーザ端末からのオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求に応じて該分割圧縮コンテンツを蓄積手段から読み出し、この読み出した分割圧縮コンテンツを要求優先度に従って分割番号とともにユーザ端末に配信し、
この分割圧縮コンテンツの配信において該分割圧縮コンテンツとオリジナルコンテンツの識別情報および分割番号が同じ分割圧縮コンテンツのコンテンツ配信要求が他のユーザ端末からある場合には、この同じ分割圧縮コンテンツをコンテンツ配信要求のあった複数のユーザ端末に同報転送で配信し、
ユーザ端末においては、
配信を希望するオリジナルコンテンツの識別情報、該オリジナルコンテンツのうちの配信を必要とする分割圧縮コンテンツの分割番号および該分割圧縮コンテンツの要求優先度を含むコンテンツ配信要求を配信サーバに対してネットワークを介して送信し、
前記コンテンツ配信要求に対して配信サーバから配信されてくる分割圧縮コンテンツおよび分割番号を受信し、
この受信した分割圧縮コンテンツおよび分割番号を対応して蓄積し、
この蓄積した分割圧縮コンテンツをその分割番号に従って順番に再生することを特徴とするビデオ・オン・デマンド・プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記配信サーバと複数のユーザ端末との間に設けられる分散サーバであって、
該分散サーバは、
配信要求の高い分割圧縮コンテンツを利用予測する予測手段と、
配信サーバが行う配信要求の高い分割圧縮コンテンツの利用予測により予測された分割圧縮コンテンツを配信サーバから予めまたは該分割圧縮コンテンツに対する最初のユーザアクセス時に受信し、キャッシュ方式で記憶する記憶手段と、
ユーザ端末からのコンテンツ配信要求に応じて該要求に対応する分割圧縮コンテンツが前記記憶手段に記憶されていた場合、この記憶されている分割圧縮コンテンツを配信サーバの代わりにユーザ端末に配信する配信手段と
を有することを特徴とする請求項1記載のビデオ・オン・デマンド・システム。 - 視聴が予測されるコンテンツまたはコンテンツ内の共通部分の分割圧縮コンテンツを配信サーバおよびネットワークの軽負荷時にユーザ端末に事前に個別転送または同報転送で配信しておく事前配信手段を有することを特徴とする請求項1記載のビデオ・オン・デマンド・システム。
- ユーザ端末における分割圧縮コンテンツの再生をユーザが認知しない程度に低速度化する低速度化手段を有することを特徴とする請求項1記載のビデオ・オン・デマンド・システム。
Priority Applications (1)
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