【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は強力な磁石を用いてスチール製の柱や機器に磁気吸着させ、重量物を吊したり固定するために用いられるマグネットホルダーに関わり、特に強力な希土類磁石を用いて保持力を大きくした上に小型化し取り付け取り外しが容易に行えるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
スチール製の柱や事務機器あるいは冷蔵庫等の家電機器の前面あるいは側面等に、重量物を固定したり吊す目的で、大型のフェライト磁石を用いたマグネットホルダーが開発され市販されている。これらの多くが、外径50mm以上、厚さ5mm以上のディスク状あるいはドーナツ状のフェライト磁石を用いている。そして、磁石はスチール製のキャップ状ヨークで覆われ、磁気吸着力を増すように工夫されている。それらの多くはヨークの中心部にハンガーが取り付けられ、10kg以上の重量物を吊すことが可能なものも市販されている。
【0003】
あるいは、ダイヤルゲージ等の精密測定器を取り付けるベースとして、脱着が容易に行えるよう、切替レバー付きのマグネットホルダーも使われている。これらは例えば、″マグネットチャック″、″マグネチックインジケーターホルダー″とか″マグネチックスタンド″と呼ばれている。これらのホルダーは、断面が図7に示すような構造となっている(例えば、非特許文献1参照。)。
すなわち、中央部の円筒状のフェライト磁石34の両側に、2個の互いに磁気的に絶縁されているヨーク71a,71bを配置し、切替レバー(図示省略)を用いて、フェライト磁石34の向きを90度回転させることができる構造となっている。例えば図7(a)の状態は吸着状態を示す図で、磁石34のN極から発生した磁束は片側のヨーク71aから被接合体91の内部を通り。反対側のヨーク71bを介して磁石34のS極に戻るため、強力な磁気吸着力を発揮する。そして、図7(b)は解放の状態を示す図で、この状態では磁束がそれぞれのヨーク71a,71b内を通り外側に漏れないため、マグネットホルダーの磁気吸着力はほとんど無くなる。
これらのマグネットホルダーには、通常フェライト磁石が使用されている。
【0004】
一方、近年Nd系焼結磁石の生産量はパソコン周辺機器やオーディオ家電機器の小型化、高性能化にともない着実に需要が増え、生産量が増えている。それにともない、生産工程で発生する寸法不良やチッピング等の原因で発生する不良品の数量も増えており、これらの有効利用方法が種々検討されている。しかしながら、それらの多くが再溶解して磁石の原料合金に戻す方法であったり(例えば、特許文献1参照。)、あるいは粉砕して再度磁石を造り直す方法であったため(例えば、特許文献2参照。)、コストパフォーマンスが悪いのを承知で、地球環境への負荷を低減するためやむを得ず実施されているのが実情であった。
さらに、ほとんどのNd系磁石はニッケルメッキなどの表面処理を施されて使われており、そのような不良品や使用済みの磁石をリサイクルする場合、それらのメッキを取り除く必要があり、さらに経済性が悪く、やむを得ず廃棄処分か酸で溶解して鉱石と同じ工程に戻して再利用されているのが実情であった。
【0005】
特に、Nd磁石の中でもハードディスクドライブ(HDD)のVCMの使用比率が高い。そして、VCM磁石の場合、他の用途の磁石以上に品質基準が厳しく、不良品の発生量も多い。さらに、使用済みパソコンの内蔵HDD、あるいは外付けのHDDさらにはその他のHDD内蔵機器の廃棄にともない発生するVCM磁石スクラップの有効利用についても今後の課題とされていた。
【0006】
【非特許文献1】
新コロナシリーズ 磁石の世界 加藤哲男著 コロナ社 86頁1997年6月20日初版第2刷
【特許文献1】
【特許文献2】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の大型のリング形状のフェライト磁石にキャップ状のヨークを被せた構成のマグネットホルダーは重量物を吊すことが可能な反面、取り外しが極めて難しい。そのため、ドライバー等の工具を用いて無理に取り外さざるを得ない場合もあり、マグネットホルダーを磁気吸着させている相手材(以下、被接合体と呼ぶ)の表面を傷つけ易いといった問題点が存在した。また、磁気吸着させる場合も、指先をマグネットホルダーと被接合体の間に挟まれ易く危険といった問題点も存在した。
【0008】
また、図7に示すような切替レバー付きのマグネットホルダーは取り外しは簡単なものの、その構造から厚くなりまた複雑なため、高価であり、精密測定器を固定するのに用いる等、特殊な用途に限定されていた。また、フェライト磁石を使用しているため、強力な磁気吸着力を得ようとする場合には、大型になることは避けられなかった。
【0009】
本発明のマグネットホルダーは上述の問題点に着眼して発明されたものであり、その目的は、小型で簡単な構造を有し、強力な磁気吸着力を付与したにも拘わらず被接合体からの取り外しを容易にし、かつ安全に被接合体に固定できるように工夫したマグネットホルダーを実現することにある。
さらに、上記の問題を解決することによりフェライト磁石に替わり強力なNd系磁石を用いることも可能にし、より小型で薄く、かつより磁気吸着力の強いマグネットホルダーを実現させることを目的とする。
【0010】
さらに、Nd系磁石の生産工程で、あるいは使用済みの家電やパソコン周辺機器等のエレクトロニクス機器から大量に発生するNd系磁石スクラップを有効に活用し、環境負荷の低減に役立つリサイクル、リユース技術を確立すると同時に安価なマグネットホルダーを実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のマグネットホルダーは、円形のキャップ状ヨークの内側に内周面にネジが切られた円筒体形状の小径ヨークが固定されており、該キャップ状ヨークの中心に穴が開けられており、該キャップ状ヨークと該小径ヨークとの間のリング状の空間に磁石が配置されており、さらに外周にネジが切られた非磁性材料製のディスク状のプランジャーが前記小径ヨークに噛合してある。そのため、プランジャーを回転させることにより、あるいはプランジャーを固定しキャップ状ヨークを回転させることにより、キャップ状ヨーク、小径ヨークおよび磁石を被接合体面に接近させたり浮かせたりすることにより、磁気吸着力を加減できるように構成したマグネットホルダーとした。
【0012】
上記のようにネジを利用しているため、大型のマグネットホルダーでもあるいは磁石として強力なNd磁石を用いた場合でも、小さな回転トルクでキャップ状ヨークおよびキャップ状ヨークの内側に配置した磁石を被接合体面から離すことができる。そのような状態では、磁気吸着力が顕著に低減するため、簡単にかつ安全に脱着が可能となる。
【0013】
本発明のマグネットホルダーにおいては、プランジャーにフックあるいは接続金具を固定し、そのフックあるいは接続金具をキャップ状ヨークの中心部の穴を貫通させた構造とするのが好ましい。
このような構造とすれば、マグネットホルダーの脱着の際、これらのフックや接続金具の部分を介して小径ヨークよりプランジャーを回転させ押し出し、磁気吸着力を弱めることができるので、小さな力で容易にマグネットホルダーの脱着が行えるようになる。
【0014】
また本発明のマグネットホルダーにおいては、キャップ状ヨークの縁部の端面と小径ヨークの端面がほぼ同一面であり、前記プランジャーを小径ヨーク内に最も引っ込めた状態において、キャップ状ヨークの縁部の端面と小径ヨークの端面より、プランジャーの端面が僅かに突出するように構成するのが望ましい。
【0015】
あるいは、プランジャーの端面がキャップ状ヨークの縁部の端面や小径ヨークの端面より後退可能な構成とし、前記プランジャーの先端部に回転自在にディスク状の当板を設けるのが望ましい。このようにすることで、キャップ状ヨークを固定して、プランジャーを回転させて押し出すとき、回転トルクを小さくできると同時に被接合体面を保護することが可能となる。
【0016】
本発明のマグネットホルダーにおいては、キャップ状ヨークと小径ヨークの間のリング状空間に収納可能なリング状磁石を組み込むことができる。
あるいは、リング状の磁石に変えて空間部に収容可能な複数個の磁石を組み込むこともできる。磁石の形状にとらわれず、使用する磁石の選択肢を広げることができる利点がある。
【0017】
また、本発明のマグネットホルダーにおいては、磁石にNd系焼結磁石を使用することができる。Nd系焼結磁石を使用することにより、吸着力を一層高めたマグネットホルダーとなり、それによりマグネットホルダーの小型化も可能になる利点がある。
Nd系焼結磁石としては、使用済の機器から取り出した磁石あるいは磁石の製造工程で発生するスクラップを用いることができる。これらの磁石は価格が安価であるとともに、資源のリサイクルにも寄与する利点がある。
【0018】
さらに、Nd系焼結磁石としてハードディスクドライブ用のVCM磁石を使用することができる。ハードディスクドライブ用のVCM磁石は他の用途の磁石以上に品質基準が厳しく、不良品の発生量も多い。そのため価格が安価である上に、HDD内蔵機器の廃棄にともない発生するVCM磁石スクラップの有効利用に寄与する利点が大きい。
【0019】
さらに本発明のマグネットホルダーにおいては、プランジャーの外径がキャップ状ヨークの外径の1/5以上2/3以下とするのが好ましい。
マグネットホルダーをこのように構成することにより、十分な磁気吸着力を確保すると同時に安定して脱着操作ができるようにすることができる。
【0020】
また、本発明のマグネットホルダーにおいては、小径ヨークの代わりに同一形状の非磁性材料製の円筒形状の部品を用いると同時に、非磁性材料製のプランジャーの代わりに同一形状の軟質磁性材料製のプランジャーを用いることができる。
この場合は、被接合体面に吸着させプランジャーを小径ヨークに引き込んだ状態では、磁束はプランジャー内も通過するので、プランジャーもヨークとして働く。その反対にキャップ状ヨークからプランジャーを押し出した場合、キャップ状ヨークと磁石が被接合体面から離れると同時に、キャップ状ヨークが磁性材料製のプランジャーから切り離されて磁気回路が遮断されるため、磁気吸着力が弱まるので脱着操作が容易になる。
【0021】
【実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係わる本発明のマグネットホルダーを斜下方から眺めた斜視図を示し、図2は中心を通る断面図を示したものである。
図1および図2に示すよう本発明のマグネットホルダー1は円形のキャップ状ヨーク11の内側にリング状の磁石31を配置してある。そしてリング状磁石31の内側にキャップ状ヨーク11と中心が一致し、かつ磁気吸着面側の端面がキャップ状ヨーク11の端面とほぼ同一面となるようにした円筒体形状の小径ヨーク21がキャップ状ヨーク11に固定され、さらに小径ヨーク21の内周面にはネジが切られており、該小径ヨーク21にネジが外周に切られたディスク状のプランジャー41を噛合させてある。
【0022】
さらに、図1、図2に示す本発明のマグネットホルダーでは、プランジャー41にフック51あるいは接続金具が固定されており、そのフック51あるいは接続金具がキャップ状ヨーク11の中心部の穴11cを貫通している。
そのため、フック51を用いてプランジャー41をキャップ状ヨーク11に対して相対的に回転させることが可能となる。そして、マグネットホルダーの脱着の際、これらのフックや接続金具の部分を介して、小径ヨーク12よりプランジャー41を回転させ押し出し、磁気吸着力を弱めることができる。
【0023】
すなわち、例えば右ネジが切られている場合プランジャー41の端面41aを被接合体面に押し当てた状態で、フック51を用いてプランジャーの回転を固定した状態で、キャップ状ヨーク11を反時計方向に回転させることにより、キャップ状ヨーク11の端面11aと小径ヨーク21の端面21aならびに磁石31の端面31aは被接合体面91aから離れる。図1に示した斜視図はそのような状態すなわちプランジャー41が押し出されて解放された状態を示す。このような状態では磁気吸着力が弱まるため容易にかつ安全にマグネットホルダーを外すことができる。
【0024】
一方、プランジャー41を押し出した状態で、被接合体面91aにマグネットホルダー1を押し当てた後に、前述の操作とは反対の操作を行い、プランジャー41を小径ヨーク21内に引き込ませることにより、磁気吸着力が弱い状態から強い状態に変えることが可能となる。そのため安全にマグネットホルダーを被接合体面91aに吸着させることができる。図2に示した断面図はそのような吸着状態を示す。
【0025】
以上述べてきた本発明のマグネットホルダーにおいては、さらにプランジャー41の外径をキャップ状ヨーク11の外径の1/5以上でかつ2/3以下とするのが好ましい。マグネットホルダーをこのように構成することにより、十分な磁気吸着力を確保すると同時に安定して脱着操作ができるようにすることができる。
【0026】
なぜならばプランジャー41の外径がキャップ状ヨーク11の外径の1/5未満では、例えば、プランジャー41の端面を被接合体面91aに押し当てた状態で、キャップ状ヨーク11を回転させることによりキャップ状ヨーク11を被接合体面91aから離そうとするとき、マグネットホルダーが不安定で倒れやすく、取り外しがスムーズに行い難くなるからである。さらに望ましくは1/4以下とするのが望ましい。
【0027】
一方、プランジャー41の外径がキャップ状ヨーク11の外径の2/3を越えると、キャップ状ヨーク11と小径ヨーク21との間に構成される空間部が小さくなり、したがって、組み込める磁石の体積が減り、磁気吸着力が小さくなるからである。さらに、十分な磁気吸着力を確保するためには1/2以下とするのが望ましい。
【0028】
さらに、本発明のマグネットホルダーでは、小径ヨーク21の代わりに同一形状の非磁性材料製の円筒形状の部品を用いると同時に、非磁性材料製のプランジャーの代わりに同一形状の軟質磁性材料製のプランジャーを用いることができる。この場合は、被接合体面に吸着させプランジャー41を小径ヨーク21に引き込んだ状態では、磁束はプランジャー内も通過する。すなわちプランジャー41もヨークとして働く。そして、その反対にキャップ状ヨークからプランジャーを押し出した場合、キャップ状ヨーク11と磁石31が被接合体面から離れると同時に、キャップ状ヨーク11が磁性材料製のプランジャー41から切り離され磁気回路が遮断されるため磁気吸着力が弱まる。そのため脱着操作が容易になる。
【0029】
小径ヨークよりプランジャーの方が概して断面積を大きくしやすい。そのため軟質磁性材料製のプランジャーを用いた方式の場合、先に述べた軟質磁性材料製の小径ヨークを用いる方式と比べて、特にNd系磁石を用いる場合、ヨーク内の磁気飽和を招くことなく磁気吸着力を大きくし易い利点がある。
【0030】
なお、キャップ状ヨークや内側の小径ヨーク等に用いる材料としては、例えば電磁軟鉄材料、軟鋼、炭素鋼等を用いることができる。あるいは、磁性ステンレス鋼であるSUS430等のフェライト系ステンレス鋼を用いることができる。特にSUS444等のC、N等の侵入型不純物元素を低減したフェライト系ステンレス鋼がより最適な材料として選択しうる。特に、フェライト系ステンレス鋼は耐食性が優れており、メッキ等の表面処理を施すことなく使用できる利点がある。
【0031】
特にNd磁石を用いる場合は、フェライト磁石を用いる場合よりキャップ状ヨークの厚さを増すことで、ヨーク中の磁気飽和を避け、磁気吸着力を十分大きくすることが可能となる。
【0032】
非磁性のプランジャーに用いる材料としては、例えば黄銅、アルミニウム、アルミニウム合金、あるいは非磁性ステンレス鋼であるSUS304やSUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼等を用いることができる。
【0033】
なお、キャップ状ヨーク11と小径ヨーク21の端面11a,21aはともに、例えば、図2の断面図に示すように、プランジャー41を完全に引き込んだ状態で、プランジャーの端面41aより僅かに後退させるのが望ましい。
例えば、被接合体面91aからマグネットホルダーを外そうとして、プランジャー41の端面41aを被接合体面91aに押し当てた状態で、キャップ状ヨーク11を反時計方向に回転させる場合、上記のような設計とすることにより、キャップ状ヨーク11と小径ヨーク21の端面11a、21aを被接合体面91aに接することなく回転させることが可能となり、被接合体面に疵をつける心配がなくなるからである。具体的にはその後退の程度は、0.1〜1.0mm程度とするのが望ましい。0.1mm未満では、被接合体面に触れる可能性があり、1.0mm以上では磁気吸着力が小さくなるからである。さらに望ましくはその後退の程度は、0.2mm〜0.6mmとする。
【0034】
本発明で使用する磁石材料には特に制限はなく、金属磁石、フェライト磁石、鋳造磁石、焼結磁石等その種類は問わない。
さらにそれらの中で、特に組み込む磁石材料をNd系焼結磁石とすれば、より吸着力を高めたマグネットホルダーとすることができる。それにより、マグネットホルダーの小型化も可能となる。
【0035】
さらに、Nd系焼結磁石として、使用済の機器から取り出した磁石あるいは磁石の製造工程で発生するスクラップを用いるのが好ましい。それによりNd系磁石のスクラップの有効利用を図ると同時に、マグネットホルダーのコストの低減を計ることができる。
【0036】
なお、磁石を組み込んだ後、例えば2液硬化性のプラスチック等を流し込みキャップ状ヨークの端面と同じレベルとなるように埋め込むことができる。それにより、特にNd系磁石を組み込む場合のように、脆く、耐食性が低い材料においても、耐久性を一段と高めることができる。さらに、その表面に摩擦係数が大きいゴムの薄板等を貼り付けることにより、被接合体面上で滑りにくくして、耐吊り下げ荷重を増すと同時に被接合体面への当たりを和らげることができる。
【0037】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態のマグネットホルダーは、上述のリング状磁石の代わりにキャップ状ヨークの内側と小径ヨークの外側の間の空間部に収納可能な、同一方向に着磁した複数個の磁石を組み込んだことを特徴とする。このようにすることで、磁石の形状にとらわれることなく、使用する磁石の選択肢を広げることができる。
【0038】
リング状磁石の代わりに用いる磁石について以下にさらに詳細に説明する。
キャップ状ヨークの内側と小径ヨークの外側の間の空間部に、同一方向に着磁した複数個の磁石を組み込むことが可能であり、これらの磁石として例えばディスク状、直方体形状の磁石を用いることができる。また、必ずしもこのような形に限定されず、空間部に納まる形状の磁石であれば特に限定されない。さらに個々の磁石が薄い場合、着磁方向を合わせて重ねて用いることもできる。このような構成とすることで使用する磁石の選択肢が著しく広がる。
図3は、6個のディスク状磁石32をキャップ状ヨーク11と小径ヨーク21の間の空間にはめ込んだ様子を斜下方から眺めた斜視図である。
【0039】
なお、空間部に収納する磁石の総体積が大きいほどマグネットホルダーの磁気吸着力を大きくすることが可能となる。言い換えれば、マグネットの量を加減することにより、マグネットホルダーの磁気吸着力の調整が可能である。
また、組み込む磁石の厚さは、重ねない場合は単体の磁石の厚さが、重ねる場合は重ねた状態での合計厚さがキャップ状ヨークの内側と小径ヨークの外側の間の空間部の内高を越えない範囲で厚めとすることにより、磁気吸着力を大きくすることができる。
【0040】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、使用する磁石がハードディスクドライブ用のVCM磁石であることを特徴とするマグネットホルダーである。VCM磁石は生産量も多く、また仕様が厳しいことからスクラップの発生量も多い。一方、VCMは一般的に扇形をしており、その特殊な形状から、再利用が困難であった。本発明のマグネットホルダーの場合、リング状磁石の代替としてVCM磁石をそのまま用いることが可能であり、VCM磁石の有効な再利用方法を提供することができる。
【0041】
図6は、図4に示すような形状のVCM磁石33をそれぞれ2枚重ねて、120°回転対称に計6枚キャップ状ヨーク12と小径ヨーク22の間の空間にはめ込んだ様子を吸着面側から見た平面図を示したものである。図5には中心部を通る断面図を示した。
小径ヨークには図5に示すように、プランジャー42の先端に回転自在に当板42aを組み込んである。当板の裏側には例えばフッ素樹脂製(PTFE)の薄板のように摩擦係数の小さい材料42bを張ることにより、回転トルクを小さくすることができる。さらに必要に応じてスラスト荷重用ボールベアリングを組み込むことができる。一方、当板の表側にはゴムのような摩擦係数が大きく柔らかいクッション材料42cを張るのが望ましい。
この場合、キャップ状ヨーク12を手で押さえ、フック52を用いてプランジャー42を回転させ押し込んでも、当板42aは被接合体面上で静止状態を保ち、被接合体面に疵をつけることはなく、また摩擦力が小さいため回転トルクを小さくできる利がある。
【0042】
なお、図5に示すマグネットホルダーの例では、小径ヨーク22にはボス22bを設け、キャップ状ヨークへの固定をし易くすると同時に小径ヨークの内周面に切ったネジの有効長さを増し、プランジャーの可動範囲が大きくなるように設計してある。特に、強力なNd系磁石を用いる場合、キャップ状ヨークの高さは小さくしても十分強力な磁気吸着力を発揮する。そのような場合においても、図5のような設計とすることで、プランジャーの可動範囲を大きく取れ、磁気吸着力を十分弱めることが可能となる。
なお、図5に示したマグネットホルダーでは小径ヨーク22をキャップ状ヨークの中心部に開けた穴に填め込み、ボス部の周囲をハンダ付等の方法でキャップ状ヨークに固定してある。ただし、このような例に限定されず、小径ヨークはキャップ状ヨークにねじ込み方式で固定しても良い。あるいは、キャップ状ヨークと小径ヨークを一体物から切削加工して製作しても良い。
【0043】
【実施例】
(実施例1)
図1及び図2に示す構造のマグネットホルダー1を製作した。キャップ状ヨーク11は軟鋼製でありその寸法は外径76mm、外形高さ10.4mm、内高8.2mm、縁部の厚さ2.0mmである。キャップ状ヨーク11の中心部には、直径20mmのキリ穴11cを開けた。
小径ヨーク21は電磁軟鉄丸棒を用いて作製し、その寸法は外径30mm、高さ8.2mm、厚さ3mmのリング状とし、内側にピッチ1.5mmのネジを切った。そのようにして作製した小径ヨーク21をキャップ状ヨーク11の内側中央部に中心を一致させてハンダ付けした。
そして、黄銅製の丸棒を素材として、小径ヨーク21のネジに噛み合うように表面にネジを切った、外径(ネジ山部の径)25.4mm、高さ8.4mmの円盤状のプランジャー41を作製した。プランジャー41には図に示すようなL字状のフック51をM4のネジ3本を用いて固定した。
【0044】
さらに、キャップ状ヨーク11と小径ヨーク21の間の空間部に、外径70mm、内径32mm、高さ(厚さ)8mmのフェライト系磁石31を組み込んだ。このようにして作製したマグネットホルダー1の磁気吸着力を厚さ3mmの鋼板を用いて測定した。磁気吸着力は、プランジャーを小径ヨークに引き込んだ状態(引込状態)、そしてプランジャーをキャップ状ヨークおよび小径ヨークの端面から6mm押し出した状態(押出状態;押出量6mm)で求めた。その結果、引込状態では160Nと十分な磁気吸着力を示した。一方、押出状態での磁気吸着力は6Nと極めて小さくなり、その状態では極めて容易にかつ安全に脱着が可能であった。
また、プランジャーが引込状態で鋼板に吸着させたマグネットホルダーから、プランジャーを引き出すための回転トルクは、ネジを利用しているため約0.6N・mと極めて小さく、極めて容易に取り外せることが確認できた。
ちなみにJIS B 4648“六角棒スパナ”によれば、対辺間距離2mmの六角棒スパナの許容トルクは1.9N・mであり、その許容トルクより小さい本発明のマグネットホルダーは取り外しに必要なトルクが極めて小さいことが分かる。
【0045】
(比較例1)
実施例1と同じ形状寸法および同じ材質を用いたキャップ状ヨークと小径ヨークに実施例1と同じ形状寸法のフェライト系磁石を組み込んだ。但し、プランジャーは組み込まなかった。このようにして作製したマグネットホルダー2の磁気吸着力は磁石とヨークの構成が全く同じであるため、実施例1と同じであった。しかしながら、プランジャーは組み込んでいないため、磁気吸着力の加減調整は不可能であり、脱着はかなり難しく、十分慎重に行う必要があった。
【0046】
(実施例2)
実施例1と同じようにして作製したキャップ状ヨークと小径ヨークならびにプランジャーを用いて、それに直径16mm、高さ(厚さ)8mmのディスク状のNd系磁石を回転対称に6個組み込み、図3に斜視図で示すようなマグネットホルダー3を作製した。
【0047】
このようにして作製したマグネットホルダー3の磁気吸着力を、実施例1と同様にプランジャーの引込状態及び押出状態(押出量6mm)で求めた。その結果、引込状態では450Nと極めて強力な磁気吸着力を示した。一方、押出状態での磁気吸着力は12Nと極めて小さくなり、その状態では容易にかつ安全に脱着が可能であった。
また、実施例1と同様に求めたプランジャーを押し出すのに必要な回転トルクは、ネジを利用しているため約1.8N・mと十分小さく、容易に取り外せることが確認できた。
【0048】
(比較例2)
実施例1と同じようにして作製したキャップ状ヨークと小径ヨークならびにプランジャーを用いて、それに実施例2と同様に直径16mm、高さ(厚さ)8mmのディスク状のNd系磁石を回転対称に6個組み込んだ。但し、プランジャーは組み込まなかった。このようにして作製したマグネットホルダー4の磁気吸着力は磁石とヨークの構成が全く同じであるため、実施例2と同じであった。しかしながら、プランジャーは組み込んでいないため、磁気吸着力の加減調整は不可能であり、脱着は極めて難しく、ドライバーやペンチ等の工具を用いて強引に外す必要があった。
【0049】
(実施例3)
軟鋼製の丸棒から旋盤加工で、外径56mm、外形高さ6.0mm、内高4.0mm、縁部の厚さ2.0mmのキャップ状ヨーク12を作製した。キャップ状ヨーク12の中心部に、直径20.1mmのキリ穴を開けた。小径ヨーク22は電磁軟鉄丸棒を用いて、図5断面図に示すように部分的に厚いボス部22bを設けキャップ状ヨークに突き当てて止まるように設計した。そして、その状態で、吸着面側の端面がキャップ状ヨークの端面と同一面となるようにした。その寸法はボス部の外径:30mm、本体部の外径:20.0mm、高さ:8.0mm、本体部厚さ:2.5mmとし、内周面にピッチ1.2mmのネジを切った。そのようにして作製した小径ヨーク22をキャップ状ヨーク12のキリ穴に填め込み、ボス部の周囲をロウ付けにより固定した。そして、黄銅製の丸棒を素材として、小径ヨーク22に噛み合うように表面にネジを切った外径(ネジ山部の径)16.4mm、高さ8.0mmのプランジャーを作製し、それに図5に示すようなL字状のフックをM4のネジで固定した。なお、プランジャーの先端には弗素樹脂(PTFE)製の薄板42bを介して、当板42aを回転自在に配置し、その表面にはゴムの薄板42cを当てた。
【0050】
このようにして作製したキャップ状ヨークと小径ヨークの間の空間部に、図4に示す形状のVCM磁石スクラップ33を2枚重ね、120度回転対称に3箇所合計6個組み込み、図6に接合面側から見た平面図で示すようなマグネットホルダー5を作製した。なお、VCM磁石33の概略寸法は、外周側の曲率半径:約24mm、内周側の曲率半径:約8mm、中央部の横幅:14.8mm、両端の直線部の成す角度:約90°、厚さ:1.6mmであり、単重は5.8gであった。
【0051】
このようにして作製したマグネットホルダー5の磁気吸着力を実施例1と同様にプランジャーの引込状態、そして押出量を4mmとした状態で求めた。その結果、引込状態では280Nと極めて強力な磁気吸着力を示した。一方、押出状態での磁気吸着力は10Nと極めて小さくなり、その状態では容易にかつ安全に脱着が可能であった。
また、実施例1と同様に求めたプランジャーを引き出すための回転トルクは、ネジを利用しているため約1.4N・mと十分小さく、容易に取り外せることが確認できた。
【0052】
(実施例4)
実施例1と同材質、同寸法のキャップ状ヨークを用いて、小径ヨークの代わりに非磁性の黄銅製丸棒を用いて、実施例1と同じ形状寸法の部品を作製し、キャップ状ヨークの内側中央部にハンダ付けした。一方プランジャーは電磁軟鉄棒を素材として実施例1と同一形状寸法のものを製作した。さらに、実施例3と同じVCM磁石スクラップ33を5枚重ね90度回転対称に4箇所合計20個組み込んだ。
【0053】
このようにして作製したマグネットホルダー6の磁気吸着力を、実施例1と同様にプランジャーの引込状態及び押出状態(押出量6mm)で求めた。その結果、引込状態では530Nと極めて強力な磁気吸着力を示した。一方、押出状態での磁気吸着力は15Nと極めて小さくなり、その状態では容易にかつ安全に脱着が可能であった。
また、実施例1と同様にして求めたプランジャーを押し出すのに必要な回転トは、ネジを利用しているため約2.3N・mと十分小さく、容易に取り外せることが確認できた。
ちなみにJIS B 4648“六角棒スパナ”によれば、対辺間距離2.5mmの六角棒スパナの許容トルクは3.8N・mであり、その許容トルクより小さい本発明のマグネットホルダーは取り外しに必要なトルクが極めて小さいことが分かる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマグネットホルダーは極めて大きな磁気吸着力を有するにもかかわらず被接合体からの取り外しが容易である。また、安全に取り付けることもできる。
さらに、Nd系磁石の生産工程で、あるいは使用済みの家電やエレクトロニクス関連機器から大量に発生するNd系磁石スクラップを有効に活用し、リユース、リサイクルを可能にするため、地球環境への負荷低減にも役立ち、かつ貴重かつ高価なNd系磁石を使っているにもかかわらず、安価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるマグネットホルダーの斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係わるマグネットホルダーの中心を通る断面図である。
【図3】第2の実施形態に係わるマグネットホルダーの斜視図である。
【図4】第3の実施形態に用いたVCM磁石の概略形状を示す図である。
【図5】第3の実施形態に係わるマグネットホルダーの中心を通る断面図である。
【図6】第3の実施形態に係わるマグネットホルダーを吸着面側から見た平面図である
【図7】従来の切替レバー付きのマグネットホルダーの原理図を示す図である。
【符号の説明】
11、12 キャップ状ヨーク
21、22 小径ヨーク
31、32、33、34 磁石
41、42 プランジャー
51、52 フック[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnet holder that is magnetically attracted to steel columns and equipment using a strong magnet, and is used for hanging or fixing a heavy object, and particularly, a holding force is increased by using a strong rare earth magnet. It has been devised so that it can be easily mounted and removed because it is smaller.
[0002]
[Prior art]
Magnet holders using large ferrite magnets have been developed and marketed for the purpose of fixing or suspending heavy objects on the front or side surfaces of steel pillars, office equipment, or home appliances such as refrigerators. Most of them use a disk-shaped or donut-shaped ferrite magnet having an outer diameter of 50 mm or more and a thickness of 5 mm or more. The magnet is covered with a cap-shaped yoke made of steel, and is designed to increase the magnetic attraction force. Many of them have a hanger attached to the center of the yoke, and some are capable of suspending heavy objects of 10 kg or more.
[0003]
Alternatively, a magnet holder with a switching lever is also used as a base on which a precision measuring device such as a dial gauge is attached so that the device can be easily attached and detached. These are called, for example, "magnet chuck", "magnetic indicator holder" or "magnetic stand". These holders have a cross section as shown in FIG. 7 (for example, see Non-Patent Document 1).
That is, two yokes 71a and 71b which are magnetically insulated from each other are arranged on both sides of the cylindrical ferrite magnet 34 at the center, and the orientation of the ferrite magnet 34 is changed by using a switching lever (not shown). It has a structure that can be rotated 90 degrees. For example, the state of FIG. 7A shows the attracted state, and the magnetic flux generated from the N pole of the magnet 34 passes through the inside of the joined body 91 from one yoke 71a. Since the magnet returns to the south pole of the magnet 34 via the yoke 71b on the opposite side, a strong magnetic attraction force is exhibited. FIG. 7B shows a released state. In this state, the magnetic flux does not leak to the outside through the respective yokes 71a and 71b, so that the magnetic attraction of the magnet holder is almost eliminated.
Usually, a ferrite magnet is used for these magnet holders.
[0004]
On the other hand, in recent years, the production amount of Nd-based sintered magnets has been steadily increasing with the miniaturization and high performance of personal computer peripheral devices and audio home appliances, and the production amount has increased. Along with this, the quantity of defective products generated due to dimensional defects, chipping and the like generated in the production process is increasing, and various methods for effectively utilizing these are being studied. However, most of them are methods of remelting and returning to a raw material alloy of a magnet (for example, see Patent Document 1), or a method of crushing and re-creating a magnet (for example, see Patent Document 2). )), Knowing that the cost performance is poor, the fact was that it was unavoidably implemented to reduce the burden on the global environment.
Furthermore, most Nd-based magnets are used after being subjected to a surface treatment such as nickel plating. When recycling such defective products or used magnets, it is necessary to remove those platings, which further reduces the cost. However, it was unavoidable that the waste was dissolved or dissolved with acid and returned to the same process as the ore for reuse.
[0005]
In particular, the use ratio of VCM in a hard disk drive (HDD) is high among Nd magnets. In the case of VCM magnets, quality standards are stricter than those for other uses, and the amount of defective products is large. Further, effective use of the VCM magnet scrap generated due to disposal of the internal HDD of the used personal computer, the external HDD, and other HDD internal devices has been considered as a future subject.
[0006]
[Non-patent document 1]
New Corona Series The World of Magnets Tetsuo Kato, Corona Publishing, 86 pages, June 20, 1997 First edition, 2nd printing
[Patent Document 1]
[Patent Document 2]
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The magnet holder having the configuration in which the cap-shaped yoke is covered on the large ring-shaped ferrite magnet described above can suspend a heavy object, but is extremely difficult to remove. For this reason, there is a case where it has to be forcibly removed using a tool such as a screwdriver, and there is a problem that the surface of a mating material (hereinafter, referred to as a workpiece) to which the magnet holder is magnetically attracted is easily damaged. . Also, in the case of magnetic attraction, there is also a problem that the fingertip is easily caught between the magnet holder and the object to be joined, which is dangerous.
[0008]
Although the magnet holder with a switching lever as shown in FIG. 7 is easy to remove, it is thick and complicated due to its structure, so it is expensive and is used for fixing special measuring instruments. Was limited. In addition, since a ferrite magnet is used, in order to obtain a strong magnetic attraction force, an increase in size was inevitable.
[0009]
The magnet holder of the present invention has been invented in view of the above-mentioned problems, and its object is to have a small and simple structure, and to provide a strong magnetic attraction force. An object of the present invention is to realize a magnet holder that is devised so as to make it easy to remove and to safely fix it to a body to be joined.
Further, by solving the above problems, it is possible to use a strong Nd-based magnet instead of a ferrite magnet, and to realize a magnet holder that is smaller, thinner, and stronger in magnetic attraction.
[0010]
Establish recycling and reuse technologies that help reduce environmental impact by effectively utilizing Nd-based magnet scrap generated in the production process of Nd-based magnets or in large quantities from used electronics such as home appliances and personal computer peripherals. At the same time to realize an inexpensive magnet holder.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the magnet holder of the present invention, a small-diameter cylindrical yoke threaded on an inner peripheral surface is fixed inside a circular cap-shaped yoke. A hole is formed, a magnet is arranged in a ring-shaped space between the cap-shaped yoke and the small-diameter yoke, and a disk-shaped plunger made of a nonmagnetic material threaded on the outer periphery is further provided. It is engaged with the small diameter yoke. Therefore, by rotating the plunger, or by fixing the plunger and rotating the cap-shaped yoke, the cap-shaped yoke, the small-diameter yoke and the magnet are brought close to or floated on the surface of the object to be joined, so that the magnetic attraction force is increased. The magnet holder was designed to be able to adjust the size.
[0012]
Since the screws are used as described above, even if a large magnet holder or a strong Nd magnet is used as the magnet, the cap-shaped yoke and the magnet arranged inside the cap-shaped yoke can be joined with a small rotating torque. Can be separated from body surface. In such a state, the magnetic attraction force is remarkably reduced, so that the detachment can be easily and safely performed.
[0013]
In the magnet holder of the present invention, it is preferable that a hook or a connection fitting is fixed to the plunger, and the hook or the connection fitting passes through a hole in the center of the cap-shaped yoke.
With this structure, when attaching and detaching the magnet holder, the plunger can be rotated and pushed out from the small-diameter yoke via these hooks and connection fittings to weaken the magnetic attraction force, making it easy with a small force. The magnet holder can be attached and detached.
[0014]
Further, in the magnet holder of the present invention, the end face of the edge of the cap-shaped yoke and the end face of the small-diameter yoke are substantially flush, and when the plunger is retracted most into the small-diameter yoke, the edge of the cap-shaped yoke is It is desirable that the end face of the plunger slightly protrudes from the end face and the end face of the small diameter yoke.
[0015]
Alternatively, it is preferable that the end face of the plunger is configured to be able to retreat from the end face of the edge of the cap-shaped yoke or the end face of the small-diameter yoke, and a disc-shaped abutment is provided at the tip of the plunger so as to be rotatable. By doing so, when the cap-shaped yoke is fixed and the plunger is rotated and pushed out, the rotational torque can be reduced and at the same time, the surface of the joined object can be protected.
[0016]
In the magnet holder of the present invention, a ring-shaped magnet that can be accommodated in a ring-shaped space between the cap-shaped yoke and the small-diameter yoke can be incorporated.
Alternatively, a plurality of magnets that can be accommodated in the space can be incorporated instead of the ring-shaped magnet. There is an advantage that the choice of the magnet to be used can be expanded regardless of the shape of the magnet.
[0017]
Further, in the magnet holder of the present invention, an Nd-based sintered magnet can be used as the magnet. The use of the Nd-based sintered magnet results in a magnet holder having a further increased attraction force, which has the advantage that the size of the magnet holder can be reduced.
As the Nd-based sintered magnet, a magnet taken out of a used device or a scrap generated in a magnet manufacturing process can be used. These magnets have an advantage that they are inexpensive and contribute to resource recycling.
[0018]
Further, a VCM magnet for a hard disk drive can be used as the Nd-based sintered magnet. VCM magnets for hard disk drives have stricter quality standards than magnets used for other purposes, and generate more defective products. Therefore, it is inexpensive and has a great advantage that it contributes to the effective use of the VCM magnet scrap generated when the HDD built-in device is discarded.
[0019]
Further, in the magnet holder of the present invention, it is preferable that the outer diameter of the plunger is not less than 1/5 and not more than 2/3 of the outer diameter of the cap-shaped yoke.
By configuring the magnet holder in this manner, it is possible to secure a sufficient magnetic attraction force and at the same time stably perform the detaching operation.
[0020]
In the magnet holder of the present invention, a cylindrical part made of a nonmagnetic material of the same shape is used instead of the small-diameter yoke, and a soft magnetic material of the same shape is used instead of the plunger made of the nonmagnetic material. A plunger can be used.
In this case, in a state where the plunger is drawn into the small-diameter yoke while being attracted to the surface of the body to be joined, the magnetic flux also passes through the plunger, so that the plunger also functions as a yoke. On the other hand, when the plunger is pushed out from the cap-shaped yoke, the cap-shaped yoke and the magnet are separated from the surface of the body to be joined, and at the same time, the cap-shaped yoke is cut off from the plunger made of a magnetic material, thereby interrupting the magnetic circuit. Since the magnetic attraction force is weakened, the desorption operation becomes easy.
[0021]
Embodiment
An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings.
(1st Embodiment)
FIG. 1 is a perspective view of the magnet holder according to the first embodiment of the present invention viewed obliquely from below, and FIG. 2 is a cross-sectional view passing through the center.
As shown in FIGS. 1 and 2, the magnet holder 1 of the present invention has a ring-shaped magnet 31 disposed inside a circular cap-shaped yoke 11. A small-diameter cylindrical yoke 21 whose center is aligned with the cap-shaped yoke 11 inside the ring-shaped magnet 31 and whose end surface on the magnetic attraction surface side is substantially the same as the end surface of the cap-shaped yoke 11 is a cap. The small-diameter yoke 21 is fixed to the inner yoke 21, and the inner peripheral surface of the yoke 21 is threaded. A disk-shaped plunger 41 whose outer periphery is threaded is engaged with the small-diameter yoke 21.
[0022]
Further, in the magnet holder of the present invention shown in FIGS. 1 and 2, the hook 51 or the connection fitting is fixed to the plunger 41, and the hook 51 or the connection fitting passes through the hole 11 c in the center of the cap-shaped yoke 11. are doing.
Therefore, the plunger 41 can be relatively rotated with respect to the cap-shaped yoke 11 using the hook 51. When the magnet holder is attached or detached, the plunger 41 can be rotated and pushed out from the small-diameter yoke 12 via these hooks and connection fittings to reduce the magnetic attraction force.
[0023]
That is, for example, when the right-hand thread is cut, the cap-shaped yoke 11 is rotated counterclockwise in a state where the rotation of the plunger is fixed using the hook 51 while the end face 41 a of the plunger 41 is pressed against the surface of the body to be joined. By rotating in the direction, the end surface 11a of the cap-shaped yoke 11, the end surface 21a of the small-diameter yoke 21, and the end surface 31a of the magnet 31 are separated from the surface 91a to be joined. The perspective view shown in FIG. 1 shows such a state, that is, a state in which the plunger 41 is pushed out and released. In such a state, since the magnetic attraction force is weakened, the magnet holder can be easily and safely removed.
[0024]
On the other hand, in a state where the plunger 41 is pushed out, after the magnet holder 1 is pressed against the surface 91a to be joined, an operation opposite to the above-described operation is performed, and the plunger 41 is pulled into the small-diameter yoke 21. It is possible to change from a state where the magnetic attraction force is weak to a state where it is strong. Therefore, the magnet holder can be safely attracted to the surface 91a to be joined. The sectional view shown in FIG. 2 shows such an adsorption state.
[0025]
In the above-described magnet holder of the present invention, it is preferable that the outer diameter of the plunger 41 is not less than 5 and not more than / of the outer diameter of the cap-shaped yoke 11. By configuring the magnet holder in this manner, it is possible to secure a sufficient magnetic attraction force and at the same time stably perform the detaching operation.
[0026]
If the outer diameter of the plunger 41 is less than 1/5 of the outer diameter of the cap-shaped yoke 11, for example, the cap-shaped yoke 11 is rotated while the end face of the plunger 41 is pressed against the surface 91a to be joined. This is because when the cap-shaped yoke 11 is to be separated from the surface 91a to be joined, the magnet holder is unstable and easily falls down, making it difficult to remove the magnet holder smoothly. More preferably, it is desirable to set it to 1/4 or less.
[0027]
On the other hand, when the outer diameter of the plunger 41 exceeds / of the outer diameter of the cap-shaped yoke 11, the space formed between the cap-shaped yoke 11 and the small-diameter yoke 21 becomes smaller, and therefore, the This is because the volume is reduced and the magnetic attraction force is reduced. Further, in order to secure a sufficient magnetic attraction force, it is desirable to set it to 以下 or less.
[0028]
Further, in the magnet holder of the present invention, a cylindrical part made of a nonmagnetic material having the same shape is used instead of the small-diameter yoke 21, and a soft magnetic material made of the same shape is used instead of the plunger made of the nonmagnetic material. A plunger can be used. In this case, in a state where the plunger 41 is drawn into the small-diameter yoke 21 by being attracted to the surface of the body to be joined, the magnetic flux also passes through the plunger. That is, the plunger 41 also functions as a yoke. On the contrary, when the plunger is pushed out from the cap-shaped yoke, the cap-shaped yoke 11 and the magnet 31 are separated from the surface of the body to be joined, and at the same time, the cap-shaped yoke 11 is cut off from the plunger 41 made of a magnetic material, and the magnetic circuit is opened. Because it is cut off, the magnetic attraction force weakens. Therefore, the detaching operation becomes easy.
[0029]
Plungers generally have a larger cross-sectional area than small-diameter yokes. Therefore, in the case of using a plunger made of a soft magnetic material, compared with the above-described method using a small-diameter yoke made of a soft magnetic material, particularly when using an Nd-based magnet, magnetic saturation in the yoke does not occur. There is an advantage that the magnetic attraction force can be easily increased.
[0030]
In addition, as a material used for the cap-shaped yoke, the inner small-diameter yoke, and the like, for example, an electromagnetic soft iron material, mild steel, carbon steel, or the like can be used. Alternatively, a ferritic stainless steel such as SUS430, which is a magnetic stainless steel, can be used. In particular, ferritic stainless steel in which interstitial impurities such as C and N are reduced, such as SUS444, can be selected as a more optimal material. In particular, ferritic stainless steel has excellent corrosion resistance, and has an advantage that it can be used without performing surface treatment such as plating.
[0031]
In particular, when an Nd magnet is used, by increasing the thickness of the cap-shaped yoke as compared with the case of using a ferrite magnet, magnetic saturation in the yoke can be avoided, and the magnetic attraction force can be sufficiently increased.
[0032]
As the material used for the nonmagnetic plunger, for example, brass, aluminum, an aluminum alloy, or austenitic stainless steel such as SUS304 or SUS316, which is a nonmagnetic stainless steel, can be used.
[0033]
Both the end faces 11a and 21a of the cap-shaped yoke 11 and the small-diameter yoke 21 are slightly retracted from the end face 41a of the plunger in a state where the plunger 41 is completely retracted, for example, as shown in the sectional view of FIG. It is desirable to make it.
For example, when the cap-shaped yoke 11 is rotated counterclockwise in a state where the end face 41a of the plunger 41 is pressed against the surface 91a to be joined in order to remove the magnet holder from the surface 91a to be joined, the above design is adopted. By doing so, it becomes possible to rotate the end surfaces 11a and 21a of the cap-shaped yoke 11 and the small-diameter yoke 21 without coming into contact with the surface 91a to be joined, and there is no fear that the surface of the object is scratched. Specifically, the degree of retreat is desirably about 0.1 to 1.0 mm. If the thickness is less than 0.1 mm, there is a possibility that the surface of the body to be joined may be touched. More desirably, the degree of retreat is 0.2 mm to 0.6 mm.
[0034]
There is no particular limitation on the magnet material used in the present invention, and any type such as a metal magnet, a ferrite magnet, a cast magnet, and a sintered magnet can be used.
Further, among them, if the magnet material to be incorporated is an Nd-based sintered magnet, a magnet holder having a higher attraction force can be obtained. Thereby, the size of the magnet holder can be reduced.
[0035]
Further, as the Nd-based sintered magnet, it is preferable to use a magnet taken out of a used device or a scrap generated in a manufacturing process of the magnet. Thereby, the scrap of the Nd-based magnet can be effectively used, and at the same time, the cost of the magnet holder can be reduced.
[0036]
After assembling the magnet, for example, a two-liquid curable plastic or the like can be poured into the magnet and embedded so as to be at the same level as the end surface of the cap-shaped yoke. As a result, the durability can be further enhanced even in a brittle material having low corrosion resistance, such as when an Nd-based magnet is incorporated. Further, by attaching a rubber thin plate or the like having a large coefficient of friction to the surface, it is possible to prevent slipping on the surface of the object to be joined, to increase a hanging load resistance, and at the same time, to reduce contact with the surface of the object to be joined.
[0037]
(Second embodiment)
The magnet holder according to the second embodiment of the present invention has a plurality of magnetized magnets in the same direction that can be accommodated in the space between the inside of the cap-shaped yoke and the outside of the small-diameter yoke instead of the ring-shaped magnet. It is characterized by incorporating a magnet. By doing so, it is possible to expand the choices of the magnets to be used, regardless of the shape of the magnets.
[0038]
The magnet used in place of the ring magnet will be described in more detail below.
In the space between the inside of the cap-shaped yoke and the outside of the small-diameter yoke, it is possible to incorporate a plurality of magnets magnetized in the same direction. For example, a disk-shaped or rectangular parallelepiped magnet is used as these magnets. Can be. Further, the shape is not necessarily limited to such a shape, and is not particularly limited as long as it is a magnet that fits in the space. Further, when the individual magnets are thin, the magnets can be used in an overlapping manner with their magnetization directions aligned. With such a configuration, the choice of magnets to be used is significantly widened.
FIG. 3 is a perspective view of a state in which six disk-shaped magnets 32 are fitted into the space between the cap-shaped yoke 11 and the small-diameter yoke 21 as viewed obliquely from below.
[0039]
Note that the larger the total volume of the magnets housed in the space, the larger the magnetic attraction force of the magnet holder can be. In other words, by adjusting the amount of the magnet, the magnetic attraction force of the magnet holder can be adjusted.
Also, the thickness of the magnet to be incorporated is the thickness of the single magnet when not overlapped, and the total thickness in the overlapped state when overlapped is the inner thickness of the space between the inside of the cap-shaped yoke and the outside of the small-diameter yoke. By increasing the thickness within a range not exceeding the height, the magnetic attraction force can be increased.
[0040]
(Third embodiment)
A third embodiment of the present invention is a magnet holder, wherein the magnet used is a VCM magnet for a hard disk drive. VCM magnets have a large production volume and a large amount of scrap due to strict specifications. On the other hand, VCMs are generally fan-shaped, and their special shape makes it difficult to reuse them. In the case of the magnet holder of the present invention, a VCM magnet can be used as it is instead of the ring-shaped magnet, and an effective method of reusing the VCM magnet can be provided.
[0041]
FIG. 6 shows a state in which two VCM magnets 33 each having a shape as shown in FIG. 4 are superimposed on each other, and a total of six VCM magnets 120 are rotationally symmetrically fitted in the space between the cap-shaped yoke 12 and the small-diameter yoke 22. FIG. FIG. 5 shows a cross-sectional view passing through the center.
As shown in FIG. 5, a contact plate 42a is rotatably mounted at the tip of the plunger 42 in the small diameter yoke. The rotational torque can be reduced by stretching a material 42b having a small friction coefficient on the back side of the plate, for example, a thin plate made of fluororesin (PTFE). Further, a ball bearing for thrust load can be incorporated as required. On the other hand, it is desirable to spread a soft cushion material 42c having a large friction coefficient such as rubber on the front side of the plate.
In this case, even if the cap-shaped yoke 12 is pressed by hand, and the plunger 42 is rotated and pushed in using the hook 52, the abutment plate 42a remains stationary on the surface of the object to be bonded and does not damage the surface of the object to be bonded. In addition, since the frictional force is small, there is an advantage that the rotational torque can be reduced.
[0042]
In the example of the magnet holder shown in FIG. 5, the small-diameter yoke 22 is provided with a boss 22b to facilitate fixing to the cap-shaped yoke and increase the effective length of the screw cut on the inner peripheral surface of the small-diameter yoke. The plunger is designed to have a large movable range. In particular, when a strong Nd-based magnet is used, a sufficiently strong magnetic attraction force is exhibited even if the height of the cap-shaped yoke is small. Even in such a case, by adopting the design as shown in FIG. 5, the movable range of the plunger can be widened, and the magnetic attraction force can be sufficiently reduced.
In the magnet holder shown in FIG. 5, the small-diameter yoke 22 is fitted in a hole formed in the center of the cap-shaped yoke, and the periphery of the boss is fixed to the cap-shaped yoke by a method such as soldering. However, the present invention is not limited to such an example, and the small-diameter yoke may be fixed to the cap-shaped yoke by a screwing method. Alternatively, the cap-shaped yoke and the small-diameter yoke may be manufactured by cutting from an integral body.
[0043]
【Example】
(Example 1)
A magnet holder 1 having the structure shown in FIGS. 1 and 2 was manufactured. The cap-shaped yoke 11 is made of mild steel and has dimensions of an outer diameter of 76 mm, an outer height of 10.4 mm, an inner height of 8.2 mm, and a thickness of 2.0 mm at the edge. A drill hole 11c having a diameter of 20 mm was formed in the center of the cap-shaped yoke 11.
The small-diameter yoke 21 was manufactured using an electromagnetic soft iron round bar, and the dimensions were a ring shape with an outer diameter of 30 mm, a height of 8.2 mm, and a thickness of 3 mm, and a thread with a pitch of 1.5 mm was cut inside. The small-diameter yoke 21 manufactured in this manner was soldered so that the center was aligned with the center of the inside of the cap-shaped yoke 11.
A disk-shaped plan having an outer diameter (diameter of a thread portion) of 25.4 mm and a height of 8.4 mm is formed by using a brass-made round bar as a material and threading the surface so as to mesh with the screw of the small-diameter yoke 21. A jar 41 was made. An L-shaped hook 51 as shown in the figure was fixed to the plunger 41 using three M4 screws.
[0044]
Further, a ferrite magnet 31 having an outer diameter of 70 mm, an inner diameter of 32 mm, and a height (thickness) of 8 mm was incorporated in a space between the cap-shaped yoke 11 and the small-diameter yoke 21. The magnetic attraction force of the magnet holder 1 thus manufactured was measured using a steel plate having a thickness of 3 mm. The magnetic attraction force was determined in a state where the plunger was pulled into the small-diameter yoke (retracted state) and a state where the plunger was extruded by 6 mm from the end surfaces of the cap-shaped yoke and the small-diameter yoke (extruded state; extrusion amount: 6 mm). As a result, in the retracted state, a sufficient magnetic attraction force of 160 N was exhibited. On the other hand, the magnetic attraction force in the extruded state was as extremely small as 6 N, and in this state, it was possible to attach and detach very easily and safely.
In addition, the rotation torque for pulling out the plunger from the magnet holder that has been attracted to the steel sheet while the plunger is retracted is extremely small, about 0.6 Nm, because of the use of screws, making it extremely easy to remove. It could be confirmed.
By the way, according to JIS B 4648 "Hexagon key spanner", the allowable torque of the hexagonal key spanner with the distance between opposite sides of 2 mm is 1.9 Nm, and the torque of the magnet holder of the present invention smaller than the allowable torque is required for removal. It turns out that it is very small.
[0045]
(Comparative Example 1)
A ferrite magnet having the same shape and dimensions as in Example 1 was incorporated into a cap-shaped yoke and a small-diameter yoke using the same shape and size and the same material as in Example 1. However, the plunger was not incorporated. The magnetic attraction force of the magnet holder 2 thus manufactured was the same as that of the first embodiment because the configuration of the magnet and the yoke was completely the same. However, since the plunger is not incorporated, it is impossible to adjust the magnetic attraction force, and the attachment / detachment is extremely difficult, so that it has to be performed carefully.
[0046]
(Example 2)
Using a cap-shaped yoke, a small-diameter yoke, and a plunger manufactured in the same manner as in Example 1, six disk-shaped Nd-based magnets having a diameter of 16 mm and a height (thickness) of 8 mm were incorporated in a rotationally symmetric manner. 3, a magnet holder 3 as shown in a perspective view was produced.
[0047]
The magnetic attraction force of the magnet holder 3 manufactured in this manner was determined in the same manner as in Example 1 in the retracted state and the extruded state of the plunger (extrusion amount: 6 mm). As a result, in the retracted state, a very strong magnetic attraction force of 450 N was exhibited. On the other hand, the magnetic attraction force in the extruded state was extremely small at 12 N, and it was possible to easily and safely detach in this state.
In addition, the rotational torque required to push out the plunger obtained in the same manner as in Example 1 was sufficiently small at about 1.8 N · m because the screw was used, and it was confirmed that the screw could be easily removed.
[0048]
(Comparative Example 2)
Using a cap-shaped yoke, a small-diameter yoke, and a plunger manufactured in the same manner as in Example 1, a disk-shaped Nd-based magnet having a diameter of 16 mm and a height (thickness) of 8 mm was rotationally symmetric as in Example 2. 6 pieces were incorporated. However, the plunger was not incorporated. The magnetic attraction force of the magnet holder 4 manufactured in this manner was the same as that of Example 2 because the configurations of the magnet and the yoke were completely the same. However, since the plunger is not incorporated, it is impossible to adjust the magnetic attraction force, and it is extremely difficult to attach and detach the magnetic attraction force, and it has been necessary to forcibly remove it using a tool such as a screwdriver or pliers.
[0049]
(Example 3)
A cap-shaped yoke 12 having an outer diameter of 56 mm, an outer height of 6.0 mm, an inner height of 4.0 mm, and an edge thickness of 2.0 mm was produced from a mild steel round bar by lathe processing. A hole having a diameter of 20.1 mm was formed in the center of the cap-shaped yoke 12. The small-diameter yoke 22 is designed to use a magnetic soft iron round bar, provide a partially thick boss portion 22b as shown in the cross-sectional view of FIG. 5, and stop against the cap-shaped yoke. Then, in this state, the end face on the suction face side was made to be flush with the end face of the cap-shaped yoke. The dimensions are 30 mm for the outer diameter of the boss, 20.0 mm for the outer diameter of the main body, 8.0 mm for the height, 2.5 mm for the main body thickness, and 1.2 mm pitch screws are cut on the inner peripheral surface. Was. The small-diameter yoke 22 manufactured as described above was fitted into a drilled hole of the cap-shaped yoke 12, and the periphery of the boss was fixed by brazing. Then, using a brass round bar as a raw material, a plunger having an outer diameter (diameter of the thread portion) of 16.4 mm and a height of 8.0 mm, which is threaded on the surface so as to mesh with the small-diameter yoke 22, is manufactured. An L-shaped hook as shown in FIG. 5 was fixed with M4 screws. A plunger 42a is rotatably arranged at the tip of the plunger via a thin plate 42b made of fluororesin (PTFE), and a thin rubber plate 42c is applied to the surface thereof.
[0050]
In the space between the cap-shaped yoke and the small-diameter yoke produced in this manner, two VCM magnet scraps 33 having the shape shown in FIG. A magnet holder 5 as shown in a plan view seen from the surface side was manufactured. The approximate dimensions of the VCM magnet 33 are as follows: a radius of curvature on the outer peripheral side: about 24 mm, a radius of curvature on the inner peripheral side: about 8 mm, a lateral width at the center: 14.8 mm, and an angle formed by straight sections at both ends: about 90 ° The thickness was 1.6 mm, and the unit weight was 5.8 g.
[0051]
The magnetic attraction force of the magnet holder 5 thus produced was determined in the same manner as in Example 1 with the plunger retracted and the extruded amount set at 4 mm. As a result, in the retracted state, a very strong magnetic attraction force of 280 N was exhibited. On the other hand, the magnetic attraction force in the extruded state was extremely small at 10 N, and in this state, the desorption was easy and safe.
Further, the rotational torque for pulling out the plunger obtained in the same manner as in Example 1 was sufficiently small at about 1.4 N · m because the screw was used, and it was confirmed that the plunger can be easily removed.
[0052]
(Example 4)
Using a cap-shaped yoke of the same material and dimensions as in Example 1, a non-magnetic brass round bar is used in place of the small-diameter yoke, and a component having the same shape and dimensions as those of Example 1 is manufactured. Soldered to the center inside. On the other hand, a plunger having the same shape and dimensions as in Example 1 was manufactured using an electromagnetic soft iron rod as a material. Further, the same five VCM magnet scraps 33 as those of the third embodiment were stacked on each other, and a total of twenty VCM magnet scraps were installed at four positions in a 90-degree rotational symmetry.
[0053]
The magnetic attraction force of the magnet holder 6 thus produced was determined in the same manner as in Example 1 in the retracted state and the extruded state of the plunger (extrusion amount: 6 mm). As a result, in the retracted state, a very strong magnetic attraction force of 530 N was exhibited. On the other hand, the magnetic attraction force in the extruded state was as extremely small as 15 N, and it was possible to easily and safely desorb in this state.
In addition, the rotation required for pushing out the plunger obtained in the same manner as in Example 1 was sufficiently small at about 2.3 N · m because the screw was used, and it was confirmed that it could be easily removed.
By the way, according to JIS B 4648 "Hexagon key spanner", the allowable torque of the hexagonal key spanner with the distance between opposite sides of 2.5 mm is 3.8 Nm, and the magnet holder of the present invention smaller than the allowable torque is necessary for removal. It can be seen that the torque is extremely small.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, the magnet holder of the present invention has an extremely large magnetic attraction force, but can be easily removed from the object. Also, it can be safely mounted.
Furthermore, in order to make effective use of Nd-based magnet scrap generated in the Nd-based magnet production process or from used home appliances and electronics-related equipment, and to enable reuse and recycling, the burden on the global environment is reduced. Can be used, and the price can be reduced despite the use of valuable and expensive Nd-based magnets.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a magnet holder according to a first embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view passing through the center of the magnet holder according to the first embodiment.
FIG. 3 is a perspective view of a magnet holder according to a second embodiment.
FIG. 4 is a diagram showing a schematic shape of a VCM magnet used in a third embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view passing through the center of a magnet holder according to a third embodiment.
FIG. 6 is a plan view of a magnet holder according to a third embodiment as viewed from a suction surface side.
FIG. 7 is a diagram showing the principle of a conventional magnet holder with a switching lever.
[Explanation of symbols]
11, 12 Cap-shaped yoke
21, 22 Small diameter yoke
31, 32, 33, 34 magnet
41, 42 plunger
51, 52 hook