JP2004146295A - X線管装置及びこれを用いたx線画像診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】X線放射窓部の絶縁油流れの剥離域での熱伝達率を向上し、局部加熱による外囲器、特にそのX線放射窓の損傷防止、また絶縁油の劣化を防止して多量のX線を長時間放射することのできるX線管装置及びこれを用いたX線画像診断装置を提供する。
【解決手段】強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、X線管を収納する管容器内へ冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具と、X線放射窓の周囲に絶縁油の流れを偏向させる案内板とを管容器に設けた。このX線管装置をX線CT装置などのX線画像診断装置に搭載して大出力、長時間撮影に対応した。
【選択図】 図1
【解決手段】強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、X線管を収納する管容器内へ冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具と、X線放射窓の周囲に絶縁油の流れを偏向させる案内板とを管容器に設けた。このX線管装置をX線CT装置などのX線画像診断装置に搭載して大出力、長時間撮影に対応した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線管装置に係り、特にX線を放射する放射窓部分の冷却効率の向上に好適なX線管装置及びこれを用いたX線画像診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線管から放射されるX線を被検体に照射して撮影するX線撮影装置及びX線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT装置と呼ぶ)などのX線画像診断装置は、医用画像診断装置の分野で非常に多く用いられている。近年、これらのX線画像診断装置には、新しい撮影法に対応するために多量のX線を長時間に亘って出力する、いわゆる高負荷率のX線発生装置が必要となってきた。特に、X線CT装置においては、“短時間で広い範囲のスキャンが可能”、“体軸方向に連続したデータが得られ、これによって三次元画像の生成が可能になる”等の特徴により、ヘリカルスキャンやスパイラルスキャンと呼ばれる螺旋CTが普及している。
【0003】
このような螺旋スキャンを実現するためには、X線管とX線検出器を支持したスキャナ回転盤を連続して回転させる必要があり、そのためにはスキャナ回転盤に搭載したX線管から連続して多量のX線を放射する必要があるので、このX線管の発熱を抑制するための冷却手段が必要となる。
【0004】
したがって、X線管装置は、図12に示すようにX線管装置本体10と絶縁油を強制循環して冷却する冷却器1とで構成され、上記螺旋スキャンX線CT装置に用いる場合はこれらはスキャナ回転盤に搭載されることになる。
【0005】
前記X線管装置本体10は、フィラメント2を有するマイナス電位の陰極3、ターゲット4を有するプラス電位の陽極5、X線放射窓6を有するアース電位のX線管真空外囲器7、及び陽極5を回転駆動するステータコイル8を備えてなるX線管球9と、このX線管球を収納する管容器10とで構成され、管容器10内は絶縁及び冷却を目的として絶縁油が満たされている。なお、管容器の一端部には絶縁油入口11が、他端部には絶縁油出口12が、それぞれ設けられている。
【0006】
また、絶縁油を強制冷却する冷却器1は、熱交換器13と、この熱交換器13に送風する冷却ファン14と、前記絶縁油出口12とポンプ15間を連結する第一のホース16と、前記ポンプ15と熱交換器13間を連結する第二のホース17と、前記熱交換器13と絶縁油入口間11を連結する第三のホース18とで構成されている。
【0007】
このように構成されたX線管装置において、上記X線管の発熱は次のようにして発生する。すなわち、X線管球9の陰極3と陽極5間には百数十kVの高電圧が印加され、高温に加熱されたフィラメント2から放出された熱電子がターゲット4に衝突する。このときターゲット表面からX線と二次電子が発生し、衝突時のエネルギの99%は熱に変換され、この熱は主に輻射により真空外囲器7に放散する。二次電子はターゲットに近いベリリウム製の放射窓6とSUS製の真空外囲器7に入射し、両者を局所的に加熱する。
【0008】
このように局所的に加熱される放射窓6と真空外囲器7を冷却するための従来の冷却技術は、X線管装置に冷却器を備え、強制的に絶縁油を循環冷却する方法をとっていた。
【0009】
すなわち、管容器内のX線管の発生熱は絶縁油に放散され、管容器の一端部に取り付けられた絶縁油出口12から冷却器1を通って冷却され、再び管容器10の他端部の絶縁油入口11から管容器10内に流入するようになっている。X線管真空外囲器とX線放射窓は図13に示すようにろう付けライン19によりろう付けされて固着されており、ターゲット4上で発生した二次電子は放射窓6、X線管真空外囲器7に衝突して両者を加熱するのであるが、二次電子の加熱による熱流束は図13に示すように楕円状の分布を持ち、中心部ほど熱流束が高くなる。したがって、図13に示すX線管真空外囲器7とX線放射窓6とのろう付けライン19の温度を低くすることが、信頼性を確保する上で重要であり、輻射による加熱と二次電子による加熱の両者を受ける図13のA,B点の冷却が重要である。
管容器内部の前記特定発熱部を冷却する従来の技術として、例えば特許文献1に記載されているものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−189285号公報。
【0011】
この従来技術は、図3に示すように絶縁湯入口部11から管容器10に入る絶縁油の流れの向きを上記真空外囲器7と放射窓6の特定発熱部の方に偏向するための偏向具、或いは偏向パイプによる偏向手段20を設けて前記絶縁油を特定発熱部に導いて冷却を促進している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、螺旋CTはスキャンを連続して行うために撮影時間が長くなり、さらに、近年においては、モーションアーチファクトがなく、心臓の診断も可能とするためにスキャン時間はますます高速化する傾向にあり、1スキャン時間が0.5秒以下のものが要望されるようになってきた。
【0013】
したがって、1スキャン時間が0.5秒に対応するためには、前記スキャナを0.5秒で1回転させなければならないので、それよりも低速の従来の装置に比べてスキャナ回転時間に反比例して単位時間当たりのX線量を多くしなければならない。
【0014】
すなわち、粒状ノイズの少ない良好な断層画像を得るためには、X線管の陽極と陰極間に流す電流(以下、管電流と呼ぶ)をスキャナ回転速度に反比例して多く流し、十分なX線量を発生させて被検体にX線を放射する必要があり、管電流は従来のものよりも大きくなる。このために、スキャン時間の高速化による管電流の増大と螺旋スキャンによる撮影時間の長時間化とにより、X線管装置にはますます大容量のものが必要となってきた。
【0015】
このような要求に対して、上記従来の特開平10−189285号公報に開示されている技術では従来以上の冷却効率を上げることは困難である。
すなわち、線放射窓を冷却するための上記偏向手段(偏向具、或いは偏向パイプ)20は、放電を防止するために管容器10の内面に設ける必要がある。しかし、管容器の内面は円筒状であるため上記特開平10−189285号公報の図3に示されているように、途中で流路を90度曲げたような形状とすると、管容器内面に隙間無
したがって、加工を容易にするためには元々真っ直ぐな流路を円筒面内面に沿って放射窓に対して斜めに取り付ける構造としなければならない。
【0016】
このように、単に斜めに取り付けただけでは冷却された絶縁油を上記局部に十分に流すことができない。
また、陰極側から偏向具を用いて斜めに流入絶縁油の向きを変更しただけでは、放射窓部を含めた真空外囲器の局所的な温度上昇を十分に防止することができないことが懸念され、上記大容量化への対応が困難なものとなる。
【0017】
特に、真空外囲器10から数mm円筒状に突出しているX線放射窓部6の後流側に図14に示すような絶縁油の流れの剥離が生じるために、放射窓部のうち剥離域内に入る部位、特にB点での熱伝達率を十分に上げることが困難である。したがって、上記大容量化による発熱量が増加した場合には、X線放射窓部の温度が規定値を上回って上昇し、X線放射窓部が損傷したり、絶縁油の劣化が加速するおそれがある。
【0018】
本発明の目的は、X線放射窓部の絶縁油流れの剥離域での熱伝達率を向上し、局部加熱による外囲器、特にそのX線放射窓の損傷防止、また絶縁油の劣化を防止して多量のX線を長時間放射することのできるX線管装置及びこれを用いたX線画像診断装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、X線管を収納する管容器内へ冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具と、X線放射窓の周囲に絶縁油の流れを偏向させる案内板とを管容器に設けたものである。
【0020】
また本発明は上記目的を達成するために、強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具を管容器に設け、放射窓の周囲のX線管球上に放熱フィンを設け、放熱フィンの一部は絶縁油の流れを偏向させる案内板となるように設けたものである。
【0021】
さらに本発明は上記目的を達成するために、強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向をX線放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具を設け、流入方向偏向具の向きは、流入口と放射窓中心とを管容器内面に沿って螺旋状に結んだ軌道から、流入口を基準として±4度以内にしたものである。
さらにまた本発明は上記目的を達成するために、上記のX線管装置をX線CT装置などのX線画像診断装置に搭載したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお図面の符号に関しては、同一機能のものには同一符号を付すことにする。
【0023】
図1は本発明によるX線管装置本体の第一の実施例の断面図である。図1において、絶縁油入口11から管容器10に入った絶縁油は、絶縁油流入方向偏向具20を通過後、案内板21に導かれてX線管真空外囲器7と管容器10との隙間をX線放射窓6方向に斜めに流入する。A点側の流れは、A点後流の二次電子による発熱が小さい領域で放射窓6から剥離する。B点側の流れは管容器10側から設置された案内板21により流路が曲げられ、B点においても絶縁油の流れが放射窓6に付着して流れて、B点後流の二次電子による発熱が小さい領域で放射窓6から剥離する流れとなる。
【0024】
本実施例によれば、本来温度が高くなるB点で案内板21の作用により絶縁油の剥離が抑えられるため、熱伝達率が増加してB点での温度が下がり、ベリリウム製の放射窓6とSUS製のX線管外囲器7とのろう付け接合部の信頼性が向上する効果がある。
【0025】
また本実施例によれば、案内板21を追加することにより、偏向具20の取り付け角度に誤差が生じた場合であっても、B点への流れが安定して生じるため、B点での温度の安定性が向上する効果もある。
【0026】
案内板21は図2に示すようにA点側に併せて設ける構造としても良い。この場合A点後流の放射窓6の温度をより低下させる効果がある。
【0027】
或いは図3、及び図4に示すように案内板として渦発生体22を管容器10に設けて、X線放射窓6の後流での絶縁油流れの剥離を抑える構造としても同様の効果がある。
【0028】
図5は本発明によるX線管装置本体の第二の実施例の断面図である。
【0029】
図5において23,23a,23bはX線管真空外囲器7上に設けた放熱用のフィンである。X線管真空外囲器7の温度はX線発生時には200℃を超える高温となる場合もあるため、X線管真空外囲器7上にフィンを設けて伝熱面積を増加させれば、周囲の絶縁油への放熱が促進され、X線管真空外囲器7の温度がフィン無し時の場合に比べて下がる効果が得られる。フィン23a,23bを図5に示すように設けることにより、A,B点付近の絶縁油の流れはフィン23a,23bによりその流路が曲げられ、B点においては絶縁油の流れがX線放射窓6に付着して流れて、B点後流では二次電子による発熱が小さい領域で放射窓6から剥離する流れとなり、またA点後流では剥離点がより後流側に移動する流れとなる。
【0030】
本実施例によれば、本来温度が高くなるA,B点でフィンの作用により絶縁油の剥離が抑えられるため、熱伝達率が増加し、A,B点での温度が下がり、ベリリウム製の放射窓6とSUS製のX線管外囲器とのろう付け接合部の信頼性が向上する効果がある。
【0031】
次に、本発明によるX線管装置本体の第三の実施例を図6,7,8,9を用いて説明する。図6,7,9,8において、24は偏向具20の中心線、25,26は偏向具端点、27は接線、228はX線管軸中心である。
【0032】
偏向具20は管容器10内側の円筒内面に密着して設置されるが、円筒内面に沿って偏向具端点24から偏向具端点25までを中心線24が最短距離で結ぶように偏向具20の形状を決めれば、中心線24の軌道は管容器10の内面に沿った螺旋軌道となる。
【0033】
偏向具端点20から管容器10内に流入した絶縁油は、前記中心線24を延長した螺旋軌道にほぼ沿って流れるため、螺旋軌道の延長線上に放射窓6の中心が存在するように偏向具20の取り付け角度αを決めれば良い。偏向具20の取り付け角度αは図8,9に示すように、管容器10内面に外接する仮想的な平面P上において、偏向具20の中心線24の接線27とX線管中心軸28に平行な直線とで形成される角度と定義する。
【0034】
また図9に示すように、管容器内面の半径をR、絶縁油入口11とX線放射窓6の中心とのX線管中心軸28方向の距離をL、図7に示すように絶縁油入口11と放射窓中心とのなす角度をθとすると、中心線24が螺旋軌道であるとした場合の偏向具20の取り付け角αは
tanα=R×θ/L:α(rad)、θ(rad) (1)
(1)式で与えられる。取り付け角αを小さくすれば、図14の放射窓6のB点に偏向具20から流入する絶縁油が直接供給されなくなり、急激に温度が上昇する。逆に取り付け角αを大きくすれば、図14の放射窓6のA点に偏向具20から流入する絶縁油が直接供給されなくなり、急激に温度が上昇する。上記の関係を模式的に図10に示す。
【0035】
(1)式から求めたαの単位をラジアンから度に換算して、(1)式から得られる値に対して取り付け角を±4度以内にすればA,B点共に偏向具20から管容器10内に流入した絶縁油がX線放射窓6の両側に安定して供給され放射窓温度の信頼性が維持される。
【0036】
本実施例によれば、偏向具20から管容器10に流入する絶縁油の向きを、簡便な方法で決定でき、放射窓6の信頼性が向上する効果がある。
【0037】
図11は本発明による上記実施例のX線管装置をX線CT装置のスキャナに搭載した実施例である。図11において、29はX線CT装置のスキャナガントリで、このガントリには被検体32を撮影位置に挿入配置する開口部34を有するスキャナ回転盤35が回転可能に支持され、該スキャナ回転盤35には本発明のX線管装置31とX線検出器33が前記被検体32を挟んで対向する位置に配置されている。さらに前記スキャナ回転盤34には、前記X線管装置31を冷却する冷却器1が搭載され、該冷却器1と前記X線管装置31との間で第三のホース18により絶縁油を循環させる。また、ガントリ29の天井部にはX線管装置31、及び冷却器1などから排出される熱を外部に排気する冷却ファン30が設けられている。なお、36はX線検出器33の出力を増幅しこれをディジタル値に変換するプリアンプである。
【0038】
このような構成のスキャナガントリを有するX線CT装置は、図示省略の操作器からの操作指令により前記スキャナ回転盤35を前記被検体32の体軸周りに回転させ、前記X線管装置31から前記被検体にX線を照射し、該被検体を透過したX線をX線検出器33に入力して電気信号に変換する。この検出した電気信号をプリアンプ36で増幅してこれをディジタル値に変換し、図示省略の画像処理装置で画像処理して所望の断層画像を作成して表示装置(図示省略)に表示し診断に供する。
本実施例によるX線CT装置は、X線管装置のX線放射窓の温度を低減することができるため、被検者32の断層画像を短時間でより多く撮影できる効果がある。
【0039】
なお、上記実施例は本発明によるX線管装置をX線CT装置に用いた例について説明したが、X線CT装置以外のその他の一般のX線撮影装置やX線透視撮影装置などのX線画像診断装置に用いても上記と同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のX線管装置は、X線放射窓後流部に位置する高温度部の絶縁油の剥離を管容器に設けた案内板、或いはX線管真空外囲器に設けたフィンで抑えるように構成したので、X線放射窓接合部の温度を所定以下にすることがてせきる。
【0041】
また、本発明のX線管装置は、絶縁油入口部に設けた絶縁油の偏向具の取り付け角度を最適に値に設定し、該偏向具からの絶縁油を前記X線放射窓部に確実に流入させようにしたので、高温となるX線放射窓部の温度を所定以下にすることができる。したがって、大容量、高信頼性のX線管装置が得られ、このX線管装置をX線CT装置などのX線画像診断装置に用いることにより、大出力、長時間の撮影及び患者スループットが向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線管装置の本体の第一の実施例の断面図である。
【図2】図1の第一の実施例における別の案内板を用いた実施例である。
【図3】図1の第一の実施例における別の案内板を用いた実施例である。
【図4】図1の第一の実施例における別の案内板を用いた実施例である。
【図5】本発明によるX線管装置本体の第二の実施例の断面図である。
【図6】本発明によるX線管装置本体の第三の実施例の斜視図である。
【図7】図6の第三の実施例のX線管装置を視点aから見た図である。
【図8】図6の第三の実施例におけるX線管装置の偏向具中心線の接線とX線管中心軸との関係を示す図。
【図9】図6の第三の実施例のX線管装置を視点bから見た断面図である。
【図10】図6の第三の実施例のX線管装置の偏向具の取り付け角度と放射窓温度との関係の模式図である。
【図11】本発明によるX線管装置をX線CT装置のスキャナに搭載した実施例を示す図である。
【図12】従来のX線管装置を表す断面図である。
【図13】従来のX線管装置を表す断面図である。
【図14】従来のX線管装置を表す断面図である。
【符号の説明】
1:冷却器、2:フィラメント、3:陰極、4:ターゲット、5:陽極、6:X線放射窓、7:X線管真空外囲器、8:ステータコイル、9:X線管球、10:管容器、11:絶縁油入口、12:絶縁油出口、13:熱交換器、14:冷却ファン、15:ポンプ、16〜18:ホース、19:ろう付けライン、20:偏向具、21:案内板、22:渦発生体、23:フィン、23a:フィン、23b:フィン、29:X線CT装置のスキャナガントリ、30:冷却ファン、31:X線管装置、32:被検者、33:X線検出器、34:スキャナ開口部、35:スキャナ回転盤、36:プリアンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線管装置に係り、特にX線を放射する放射窓部分の冷却効率の向上に好適なX線管装置及びこれを用いたX線画像診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線管から放射されるX線を被検体に照射して撮影するX線撮影装置及びX線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT装置と呼ぶ)などのX線画像診断装置は、医用画像診断装置の分野で非常に多く用いられている。近年、これらのX線画像診断装置には、新しい撮影法に対応するために多量のX線を長時間に亘って出力する、いわゆる高負荷率のX線発生装置が必要となってきた。特に、X線CT装置においては、“短時間で広い範囲のスキャンが可能”、“体軸方向に連続したデータが得られ、これによって三次元画像の生成が可能になる”等の特徴により、ヘリカルスキャンやスパイラルスキャンと呼ばれる螺旋CTが普及している。
【0003】
このような螺旋スキャンを実現するためには、X線管とX線検出器を支持したスキャナ回転盤を連続して回転させる必要があり、そのためにはスキャナ回転盤に搭載したX線管から連続して多量のX線を放射する必要があるので、このX線管の発熱を抑制するための冷却手段が必要となる。
【0004】
したがって、X線管装置は、図12に示すようにX線管装置本体10と絶縁油を強制循環して冷却する冷却器1とで構成され、上記螺旋スキャンX線CT装置に用いる場合はこれらはスキャナ回転盤に搭載されることになる。
【0005】
前記X線管装置本体10は、フィラメント2を有するマイナス電位の陰極3、ターゲット4を有するプラス電位の陽極5、X線放射窓6を有するアース電位のX線管真空外囲器7、及び陽極5を回転駆動するステータコイル8を備えてなるX線管球9と、このX線管球を収納する管容器10とで構成され、管容器10内は絶縁及び冷却を目的として絶縁油が満たされている。なお、管容器の一端部には絶縁油入口11が、他端部には絶縁油出口12が、それぞれ設けられている。
【0006】
また、絶縁油を強制冷却する冷却器1は、熱交換器13と、この熱交換器13に送風する冷却ファン14と、前記絶縁油出口12とポンプ15間を連結する第一のホース16と、前記ポンプ15と熱交換器13間を連結する第二のホース17と、前記熱交換器13と絶縁油入口間11を連結する第三のホース18とで構成されている。
【0007】
このように構成されたX線管装置において、上記X線管の発熱は次のようにして発生する。すなわち、X線管球9の陰極3と陽極5間には百数十kVの高電圧が印加され、高温に加熱されたフィラメント2から放出された熱電子がターゲット4に衝突する。このときターゲット表面からX線と二次電子が発生し、衝突時のエネルギの99%は熱に変換され、この熱は主に輻射により真空外囲器7に放散する。二次電子はターゲットに近いベリリウム製の放射窓6とSUS製の真空外囲器7に入射し、両者を局所的に加熱する。
【0008】
このように局所的に加熱される放射窓6と真空外囲器7を冷却するための従来の冷却技術は、X線管装置に冷却器を備え、強制的に絶縁油を循環冷却する方法をとっていた。
【0009】
すなわち、管容器内のX線管の発生熱は絶縁油に放散され、管容器の一端部に取り付けられた絶縁油出口12から冷却器1を通って冷却され、再び管容器10の他端部の絶縁油入口11から管容器10内に流入するようになっている。X線管真空外囲器とX線放射窓は図13に示すようにろう付けライン19によりろう付けされて固着されており、ターゲット4上で発生した二次電子は放射窓6、X線管真空外囲器7に衝突して両者を加熱するのであるが、二次電子の加熱による熱流束は図13に示すように楕円状の分布を持ち、中心部ほど熱流束が高くなる。したがって、図13に示すX線管真空外囲器7とX線放射窓6とのろう付けライン19の温度を低くすることが、信頼性を確保する上で重要であり、輻射による加熱と二次電子による加熱の両者を受ける図13のA,B点の冷却が重要である。
管容器内部の前記特定発熱部を冷却する従来の技術として、例えば特許文献1に記載されているものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−189285号公報。
【0011】
この従来技術は、図3に示すように絶縁湯入口部11から管容器10に入る絶縁油の流れの向きを上記真空外囲器7と放射窓6の特定発熱部の方に偏向するための偏向具、或いは偏向パイプによる偏向手段20を設けて前記絶縁油を特定発熱部に導いて冷却を促進している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、螺旋CTはスキャンを連続して行うために撮影時間が長くなり、さらに、近年においては、モーションアーチファクトがなく、心臓の診断も可能とするためにスキャン時間はますます高速化する傾向にあり、1スキャン時間が0.5秒以下のものが要望されるようになってきた。
【0013】
したがって、1スキャン時間が0.5秒に対応するためには、前記スキャナを0.5秒で1回転させなければならないので、それよりも低速の従来の装置に比べてスキャナ回転時間に反比例して単位時間当たりのX線量を多くしなければならない。
【0014】
すなわち、粒状ノイズの少ない良好な断層画像を得るためには、X線管の陽極と陰極間に流す電流(以下、管電流と呼ぶ)をスキャナ回転速度に反比例して多く流し、十分なX線量を発生させて被検体にX線を放射する必要があり、管電流は従来のものよりも大きくなる。このために、スキャン時間の高速化による管電流の増大と螺旋スキャンによる撮影時間の長時間化とにより、X線管装置にはますます大容量のものが必要となってきた。
【0015】
このような要求に対して、上記従来の特開平10−189285号公報に開示されている技術では従来以上の冷却効率を上げることは困難である。
すなわち、線放射窓を冷却するための上記偏向手段(偏向具、或いは偏向パイプ)20は、放電を防止するために管容器10の内面に設ける必要がある。しかし、管容器の内面は円筒状であるため上記特開平10−189285号公報の図3に示されているように、途中で流路を90度曲げたような形状とすると、管容器内面に隙間無
したがって、加工を容易にするためには元々真っ直ぐな流路を円筒面内面に沿って放射窓に対して斜めに取り付ける構造としなければならない。
【0016】
このように、単に斜めに取り付けただけでは冷却された絶縁油を上記局部に十分に流すことができない。
また、陰極側から偏向具を用いて斜めに流入絶縁油の向きを変更しただけでは、放射窓部を含めた真空外囲器の局所的な温度上昇を十分に防止することができないことが懸念され、上記大容量化への対応が困難なものとなる。
【0017】
特に、真空外囲器10から数mm円筒状に突出しているX線放射窓部6の後流側に図14に示すような絶縁油の流れの剥離が生じるために、放射窓部のうち剥離域内に入る部位、特にB点での熱伝達率を十分に上げることが困難である。したがって、上記大容量化による発熱量が増加した場合には、X線放射窓部の温度が規定値を上回って上昇し、X線放射窓部が損傷したり、絶縁油の劣化が加速するおそれがある。
【0018】
本発明の目的は、X線放射窓部の絶縁油流れの剥離域での熱伝達率を向上し、局部加熱による外囲器、特にそのX線放射窓の損傷防止、また絶縁油の劣化を防止して多量のX線を長時間放射することのできるX線管装置及びこれを用いたX線画像診断装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、X線管を収納する管容器内へ冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具と、X線放射窓の周囲に絶縁油の流れを偏向させる案内板とを管容器に設けたものである。
【0020】
また本発明は上記目的を達成するために、強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具を管容器に設け、放射窓の周囲のX線管球上に放熱フィンを設け、放熱フィンの一部は絶縁油の流れを偏向させる案内板となるように設けたものである。
【0021】
さらに本発明は上記目的を達成するために、強制的に絶縁油を循環冷却する冷却器を備えたX線管装置において、管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向をX線放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具を設け、流入方向偏向具の向きは、流入口と放射窓中心とを管容器内面に沿って螺旋状に結んだ軌道から、流入口を基準として±4度以内にしたものである。
さらにまた本発明は上記目的を達成するために、上記のX線管装置をX線CT装置などのX線画像診断装置に搭載したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお図面の符号に関しては、同一機能のものには同一符号を付すことにする。
【0023】
図1は本発明によるX線管装置本体の第一の実施例の断面図である。図1において、絶縁油入口11から管容器10に入った絶縁油は、絶縁油流入方向偏向具20を通過後、案内板21に導かれてX線管真空外囲器7と管容器10との隙間をX線放射窓6方向に斜めに流入する。A点側の流れは、A点後流の二次電子による発熱が小さい領域で放射窓6から剥離する。B点側の流れは管容器10側から設置された案内板21により流路が曲げられ、B点においても絶縁油の流れが放射窓6に付着して流れて、B点後流の二次電子による発熱が小さい領域で放射窓6から剥離する流れとなる。
【0024】
本実施例によれば、本来温度が高くなるB点で案内板21の作用により絶縁油の剥離が抑えられるため、熱伝達率が増加してB点での温度が下がり、ベリリウム製の放射窓6とSUS製のX線管外囲器7とのろう付け接合部の信頼性が向上する効果がある。
【0025】
また本実施例によれば、案内板21を追加することにより、偏向具20の取り付け角度に誤差が生じた場合であっても、B点への流れが安定して生じるため、B点での温度の安定性が向上する効果もある。
【0026】
案内板21は図2に示すようにA点側に併せて設ける構造としても良い。この場合A点後流の放射窓6の温度をより低下させる効果がある。
【0027】
或いは図3、及び図4に示すように案内板として渦発生体22を管容器10に設けて、X線放射窓6の後流での絶縁油流れの剥離を抑える構造としても同様の効果がある。
【0028】
図5は本発明によるX線管装置本体の第二の実施例の断面図である。
【0029】
図5において23,23a,23bはX線管真空外囲器7上に設けた放熱用のフィンである。X線管真空外囲器7の温度はX線発生時には200℃を超える高温となる場合もあるため、X線管真空外囲器7上にフィンを設けて伝熱面積を増加させれば、周囲の絶縁油への放熱が促進され、X線管真空外囲器7の温度がフィン無し時の場合に比べて下がる効果が得られる。フィン23a,23bを図5に示すように設けることにより、A,B点付近の絶縁油の流れはフィン23a,23bによりその流路が曲げられ、B点においては絶縁油の流れがX線放射窓6に付着して流れて、B点後流では二次電子による発熱が小さい領域で放射窓6から剥離する流れとなり、またA点後流では剥離点がより後流側に移動する流れとなる。
【0030】
本実施例によれば、本来温度が高くなるA,B点でフィンの作用により絶縁油の剥離が抑えられるため、熱伝達率が増加し、A,B点での温度が下がり、ベリリウム製の放射窓6とSUS製のX線管外囲器とのろう付け接合部の信頼性が向上する効果がある。
【0031】
次に、本発明によるX線管装置本体の第三の実施例を図6,7,8,9を用いて説明する。図6,7,9,8において、24は偏向具20の中心線、25,26は偏向具端点、27は接線、228はX線管軸中心である。
【0032】
偏向具20は管容器10内側の円筒内面に密着して設置されるが、円筒内面に沿って偏向具端点24から偏向具端点25までを中心線24が最短距離で結ぶように偏向具20の形状を決めれば、中心線24の軌道は管容器10の内面に沿った螺旋軌道となる。
【0033】
偏向具端点20から管容器10内に流入した絶縁油は、前記中心線24を延長した螺旋軌道にほぼ沿って流れるため、螺旋軌道の延長線上に放射窓6の中心が存在するように偏向具20の取り付け角度αを決めれば良い。偏向具20の取り付け角度αは図8,9に示すように、管容器10内面に外接する仮想的な平面P上において、偏向具20の中心線24の接線27とX線管中心軸28に平行な直線とで形成される角度と定義する。
【0034】
また図9に示すように、管容器内面の半径をR、絶縁油入口11とX線放射窓6の中心とのX線管中心軸28方向の距離をL、図7に示すように絶縁油入口11と放射窓中心とのなす角度をθとすると、中心線24が螺旋軌道であるとした場合の偏向具20の取り付け角αは
tanα=R×θ/L:α(rad)、θ(rad) (1)
(1)式で与えられる。取り付け角αを小さくすれば、図14の放射窓6のB点に偏向具20から流入する絶縁油が直接供給されなくなり、急激に温度が上昇する。逆に取り付け角αを大きくすれば、図14の放射窓6のA点に偏向具20から流入する絶縁油が直接供給されなくなり、急激に温度が上昇する。上記の関係を模式的に図10に示す。
【0035】
(1)式から求めたαの単位をラジアンから度に換算して、(1)式から得られる値に対して取り付け角を±4度以内にすればA,B点共に偏向具20から管容器10内に流入した絶縁油がX線放射窓6の両側に安定して供給され放射窓温度の信頼性が維持される。
【0036】
本実施例によれば、偏向具20から管容器10に流入する絶縁油の向きを、簡便な方法で決定でき、放射窓6の信頼性が向上する効果がある。
【0037】
図11は本発明による上記実施例のX線管装置をX線CT装置のスキャナに搭載した実施例である。図11において、29はX線CT装置のスキャナガントリで、このガントリには被検体32を撮影位置に挿入配置する開口部34を有するスキャナ回転盤35が回転可能に支持され、該スキャナ回転盤35には本発明のX線管装置31とX線検出器33が前記被検体32を挟んで対向する位置に配置されている。さらに前記スキャナ回転盤34には、前記X線管装置31を冷却する冷却器1が搭載され、該冷却器1と前記X線管装置31との間で第三のホース18により絶縁油を循環させる。また、ガントリ29の天井部にはX線管装置31、及び冷却器1などから排出される熱を外部に排気する冷却ファン30が設けられている。なお、36はX線検出器33の出力を増幅しこれをディジタル値に変換するプリアンプである。
【0038】
このような構成のスキャナガントリを有するX線CT装置は、図示省略の操作器からの操作指令により前記スキャナ回転盤35を前記被検体32の体軸周りに回転させ、前記X線管装置31から前記被検体にX線を照射し、該被検体を透過したX線をX線検出器33に入力して電気信号に変換する。この検出した電気信号をプリアンプ36で増幅してこれをディジタル値に変換し、図示省略の画像処理装置で画像処理して所望の断層画像を作成して表示装置(図示省略)に表示し診断に供する。
本実施例によるX線CT装置は、X線管装置のX線放射窓の温度を低減することができるため、被検者32の断層画像を短時間でより多く撮影できる効果がある。
【0039】
なお、上記実施例は本発明によるX線管装置をX線CT装置に用いた例について説明したが、X線CT装置以外のその他の一般のX線撮影装置やX線透視撮影装置などのX線画像診断装置に用いても上記と同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のX線管装置は、X線放射窓後流部に位置する高温度部の絶縁油の剥離を管容器に設けた案内板、或いはX線管真空外囲器に設けたフィンで抑えるように構成したので、X線放射窓接合部の温度を所定以下にすることがてせきる。
【0041】
また、本発明のX線管装置は、絶縁油入口部に設けた絶縁油の偏向具の取り付け角度を最適に値に設定し、該偏向具からの絶縁油を前記X線放射窓部に確実に流入させようにしたので、高温となるX線放射窓部の温度を所定以下にすることができる。したがって、大容量、高信頼性のX線管装置が得られ、このX線管装置をX線CT装置などのX線画像診断装置に用いることにより、大出力、長時間の撮影及び患者スループットが向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線管装置の本体の第一の実施例の断面図である。
【図2】図1の第一の実施例における別の案内板を用いた実施例である。
【図3】図1の第一の実施例における別の案内板を用いた実施例である。
【図4】図1の第一の実施例における別の案内板を用いた実施例である。
【図5】本発明によるX線管装置本体の第二の実施例の断面図である。
【図6】本発明によるX線管装置本体の第三の実施例の斜視図である。
【図7】図6の第三の実施例のX線管装置を視点aから見た図である。
【図8】図6の第三の実施例におけるX線管装置の偏向具中心線の接線とX線管中心軸との関係を示す図。
【図9】図6の第三の実施例のX線管装置を視点bから見た断面図である。
【図10】図6の第三の実施例のX線管装置の偏向具の取り付け角度と放射窓温度との関係の模式図である。
【図11】本発明によるX線管装置をX線CT装置のスキャナに搭載した実施例を示す図である。
【図12】従来のX線管装置を表す断面図である。
【図13】従来のX線管装置を表す断面図である。
【図14】従来のX線管装置を表す断面図である。
【符号の説明】
1:冷却器、2:フィラメント、3:陰極、4:ターゲット、5:陽極、6:X線放射窓、7:X線管真空外囲器、8:ステータコイル、9:X線管球、10:管容器、11:絶縁油入口、12:絶縁油出口、13:熱交換器、14:冷却ファン、15:ポンプ、16〜18:ホース、19:ろう付けライン、20:偏向具、21:案内板、22:渦発生体、23:フィン、23a:フィン、23b:フィン、29:X線CT装置のスキャナガントリ、30:冷却ファン、31:X線管装置、32:被検者、33:X線検出器、34:スキャナ開口部、35:スキャナ回転盤、36:プリアンプ
Claims (4)
- 陰極と、陽極ターゲットと、ロータとを真空外囲器中に内包し、前記真空外囲器に放射窓を備えたX線管球を管容器に絶縁油で封入して構成されるX線管と、前記X線管に強制的に絶縁油を循環供給するポンプと、前記絶縁油の熱を放熱する熱交換器とを配管で機能的に接続し、前記熱交換器を空冷するためのファンを備えた冷却器とから構成されるX線管装置において、前記管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を前記放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具と、前記放射窓の周囲に絶縁油の流れを偏向させる案内板とを前記管容器に設けたことを特徴とするX線管装置。
- 陰極と、陽極ターゲットと、ロータとを真空外囲器中に内包し、前記真空外囲器に放射窓を備えたX線管球を管容器に絶縁油で封入して構成されるX線管と、 前記X線管に強制的に絶縁油を循環供給するポンプと、前記絶縁油の熱を放熱する熱交換器とを配管で機能的に接続し、前記熱交換器を空冷するためのファンを備えた冷却器とから構成されるX線管装置において、前記管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を前記放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具を管容器に設け、前記放射窓の周囲の前記X線管球上に放熱フィンを設ける共に該放熱フィンの一部は絶縁油の流れを偏向させる案内板となる構成のX線管装置。
- 陰極と、陽極ターゲットと、ロータとを真空外囲器中に内包し、前記真空外囲器に放射窓を備えたX線管球を管容器に絶縁油で封入して構成されるX線管と、前記X線管に強制的に絶縁油を循環供給するポンプと、前記絶縁油の熱を放熱する熱交換器とを配管で機能的に接続し、前記熱交換器を空冷するためのファンを備えた冷却器とから構成されるX線管装置において、前記管容器内へ前記冷却器からの絶縁油が流入する際、その方向を前記放射窓部分へ向ける絶縁油流入方向偏向具を設け、前記流入方向偏向具の向きは、流入口と放射窓中心とを管容器内面に沿って螺旋状に結んだ軌道から、流入口を基準として±4度以内にあることを特徴とするX線管装置。
- 請求項1乃至3項のうちいずれか1項に記載のX線管装置を搭載したX線画像診断装置。
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JP2002312360A JP2004146295A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | X線管装置及びこれを用いたx線画像診断装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10811213B2 (en) | 2017-09-15 | 2020-10-20 | Canon Medical Systems Corporation | X-ray CT apparatus and insert |
-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002312360A patent/JP2004146295A/ja active Pending
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US10811213B2 (en) | 2017-09-15 | 2020-10-20 | Canon Medical Systems Corporation | X-ray CT apparatus and insert |
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