JP2004146176A - 刃形開閉器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持導体3に1対の平行配置したブレード2からなる回動側接続端子をばね8を介してピン7で接続し、支持導体3とブレード2とが電気的に接続されるとともに、ブレード2がピン7の周りに回動するようにして、ブレード2間と固定側の端子4とが接離するように構成する。ブレード2のピン7による接続部と反対側の先端近傍のブレード2間に、銅または銅合金からなる可撓性接続導体9を、ばね6を介してピン5で接続し、ブレード2間を可撓性接続導体9で電気的に接続する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、平行刃形状のブレードまたは回動側接続端子を回動させ、固定側端子とブレードまたは回動側接続端子とを接離することによって回路の開閉を行う刃形開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、刃形開閉器は、平行に配置した導電性のブレードの先端近傍において、ばねを介してブレードを支持することによってブレード間に弾力性を持たせ、支持導体にブレードを支持し、支持導体の周りにブレードを回動させ、ブレードと固定側の端子を接離させることによって回路の開閉を行う構造である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような構造に使用されるいずれの部品も、機械的強度が要求される。そこで、部品には、強度の高い鉄が用いられるが、各部品の導電性及び各部品の接続点の導電性は低いものとなっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−237553号公報(第3−4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
刃形開閉器において、開閉器の開閉を行ったときに支持導体と固定側の端子との位置ずれ等のために、固定側の端子とブレードとの接触点の一方において接触不良が発生し、その接触不良のためにアークが発生した場合、アークが生じた側では、アークによるインピーダンスの増加によって、固定側の端子と接触を保っているブレードの接触点へ電流が転流する。この転流に要する時間は、アーク点から固定側の端子と接触を保っているブレードの接触点へ至る回路のインダクタンスLとアーク電圧Vで決まり、V/Lの電流減衰(di/dt)となる。
【0006】
従来の開閉器では、前述のように、ブレードを支持し、ブレード間に弾力性を持たせる各部品の導電性が低いものとなっており、回路インダクタンスLが大きいため、電流の減衰率が小さく転流に時間がかかり、アーク消滅に要する時間が長くなる。
【0007】
アーク消滅に要する時間が長くなると、アークの熱によって、固定側の端子とブレードとの接触点が荒れやすくなり、開閉器の挿入・引出が困難になる。また、開閉器ON時の接触抵抗が高く、アークによる発熱量が多くなり、接触部が溶着に至る可能性が高くなるといった問題が生じる。
【0008】
また、接触点の荒れを抑制するために、固定側端子またはブレードの接触点の材料にクロムと銅の合金、タングステンと銅の合金などの耐弧メタルを採用すると、コストアップにつながるという問題がある。
【0009】
この発明は、上記のような問題を解決するものであり、ブレードと固定側の端子との間にアークが発生した場合、アークを短時間で消滅させることができる刃形開閉器を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る刃形開閉器は、支持導体と、該支持導体の接続部に電気的に接続されるとともに、上記接続部の周りに回動する、平行配置された1対のブレードと、該ブレードの上記接続部と反対側の先端近傍において上記ブレード間を電気的に接続する、銅または銅合金からなる接続導体と、上記ブレードが回動することにより、上記ブレード間に接離する固定側端子とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示す平面図、図2は、この発明の実施の形態1に用いられる可撓性導体を示す斜視図である。
【0012】
図1に示したように、刃形開閉器1において、平行配置された1対のブレード2は、支持導体3にピン7、ばね8によって構成される接続部で電気的に接続されるとともに、接続部のピン7の周りに回動し、固定側の端子4とブレード2間とが接離する。
【0013】
ブレード2の接続部と反対側の先端近傍には、図2に示したような可撓性導体9が設けられ、ばね6、可撓性導体9内部に配置されたスペーサ10及びブレード2を貫通するピン5によって、可撓性導体9がブレード2間に接続され、また、ばね6の押圧力によって、可撓性導体9がブレード2と電気的に接続されるように構成されている。
【0014】
可撓性導体9は、導電性のよい銅または銅合金からなり、板あるいは箔を積層したものを成形してなり、可撓性で中空であるので、ブレード2が固定側の端子4に噛み込む時やブレード2が電磁力で動くときにも柔軟に変形できる。また、軽量であるので、ブレード2の操作力を増大させる必要がない。
【0015】
また、可撓性導体9は、スペーサ10を挿入する切り込み9aとピン5が貫通する孔9bが設けられている。
【0016】
また、可撓性導体9は、図3に示すように、銅または銅合金の網を環状に成形したものとすることによって、可撓性導体9の成形を容易にすることができる。
【0017】
この実施の形態によれば、ブレード2の先端近傍に可撓性導体9を設け、一対のブレード2間を電気的に接続するようにしたので、ブレード2と固定子側の端子4との接触点の一方でアークが発生しても、電流分流点が発弧点に近くなり、また、可撓性導体9には導電性よい銅または銅合金を用いたので、転流回路のインピーダンスが小さくなり、アークの継続期間を短縮することができる。そして、アークの継続期間の短縮によって、ブレード2と固定側の端子4との接触点における荒れを抑制することができる。この接触点における荒れの抑制によって、開閉器の挿入・引出が容易になり、また、接触点における接触抵抗を低く押さえることができるので、開閉紀ONの時のアークによる発熱量を抑制し、接触点が溶着に至るのを防止することができる。さらに、耐弧メタルを接触点に採用する必要がなくなり、コストを削減することができる。
【0018】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2を示す部分断面図であり、ブレードの先端近傍を拡大して示している。同図において、図1と同一符号は同一部分または相当部分を示している。
【0019】
この実施の形態においては、ピン5が銅または銅合金製の可動導体であり、ブレード2には銅または銅合金製のコンタクト11が嵌合されている。コンタクト11は、内周面が鱗片状等の凹凸が形成されており、ピン5と摺動接触ができるようになっている。
【0020】
ピン5は、ワッシャー12及びばね6を介して、コンタクト11、ブレード2間に設けたスペーサ10、コンタクト11に挿入され、止め輪13によってブレード2に接続される。
【0021】
この実施の形態によれば、ブレード2の先端近傍において、一対のブレード2間をコンタクト11及びピン5で電気的に接続するようにしたので、ブレード2と固定側の端子4との接触点の一方でアークが発生しても、電流分流点が発弧点に近く、また、コンタクト11及びピン5には良導電性の銅または銅合金を用いたので、転流回路のインピーダンスが小さくなり、発弧で生じたアークの継続期間を短縮することができる。そして、アークの継続期間の短縮によって、ブレード2と固定側の端子4との接触点における荒れを抑制することができる。この接触点における荒れの抑制によって、開閉器の入・切操作が容易になり、また、接触点における接触抵抗を低く押さえることができるので、アークによる発熱量を抑制し、接触点が溶着に至るのを防止することができる。また、耐弧メタルを接触点に採用する必要がなくなり、コストを削減することができる。さらに、ブレード2が電磁力で多少動いても、ピン5とコンタクト11間の摺動によって、ブレード2間の電気的接続は保たれる。
【0022】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3を示す平面図であり、図1と同一符号は同一部分または相当部分を示している。
【0023】
この実施の形態は、ブレード2は1本であり、ブレード2は2本の支持導体3間にピン7、ばね8によって構成される接続部で電気的に接続されるとともに、接続部のピン7の周りに回動する。
【0024】
ブレード2の先端近傍には、一対の回動側の回動側の接続端子14がボルト15等によってブレード2に固定され、ブレード2と電気的に接続されるように構成されている。
【0025】
回動側の接続端子14は、導電性がよく、ばね性を有する銅合金からなり、ブレード2が回動することによって、固定子側の端子4と固定側の接続端子14間で接離する。
【0026】
この実施の形態によれば、ブレード2の先端近傍に導電性よいの銅合金からなる一対の回動側の接続端子14を設け、一対の回動側の接続端子14とブレード2間を電気的に接続するようにしたので、一対の回動側の接触端子14と固定側の端子4との接触点の一方でアークが発生しても、電流分流点が発弧点に近くなり、また、転流回路のインピーダンスが小さくなるので、発弧で生じたアークの継続期間を短縮することができる。そして、アークの継続期間の短縮によって、回動側の接続端子14と固定子側の端子4との接触点における荒れを抑制することができる。この接触点における荒れの抑制によって、開閉器の挿入・引出が容易になり、また、接触点における接触抵抗を低く押さえることができるので、アークによる発熱量を抑制し、接触点が溶着に至るのを防止することができる。さらに、耐弧メタルを接触点に採用する必要がなくなり、コストを削減することができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明に係る刃形開閉器によれば、支持導体と、該支持導体の接続部に電気的に接続されるとともに、上記接続部の周りに回動する、平行配置された1対のブレードと、該ブレードの上記接続部と反対側の先端近傍において上記ブレード間を電気的に接続する、銅または銅合金からなる接続導体と、上記ブレードが回動することにより、上記ブレード間に接離する固定側端子とを備えたものであるので、上記ブレード間と上記固定側端子との接触点で発弧が生じた場合、アークの継続期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に用いられる可撓性導体を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1における他の例を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態2を示す部分断面図である。
【図5】この発明の実施の形態3を示す平面図である。
【符号の説明】
1 刃形開閉器、2 ブレード、3 支持導体、4 固定側の端子、
5,7 ピン、6,8 ばね、9 可撓性導体、9a 切り込み、
9b 貫通孔、10 スペーサ、11 コンタクト、12 ワッシャー、
13 止め輪、14 回動側の接続端子、15 ボルト。
Claims (5)
- 支持導体と、該支持導体の接続部に電気的に接続されるとともに、上記接続部の周りに回動する、平行配置された1対のブレードと、該ブレードの上記接続部と反対側の先端近傍において上記ブレード間を電気的に接続する、銅または銅合金からなる接続導体と、上記ブレードが回動することにより、上記ブレード間に接離する固定側端子とを備えたことを特徴とする刃形開閉器。
- 上記接続導体は、箔の積層体または板を成形してなる可撓性の中空体であることを特徴とする請求項1記載の刃形開閉器。
- 上記接続導体は、網を環状に成形してなることを特徴とする請求項1記載の刃形開閉器。
- 上記接続導体は、上記ブレードに形成された貫通孔にばねを介して挿入され、上記ブレードに接続された銅または銅合金からなる可動導体と、上記貫通孔に嵌合され、内周面において上記可動導体と摺動接触可能なコンタクトとからなることを特徴とする請求項1記載の刃形開閉器。
- 支持導体と、該支持導体の接続部に電気的に接続されるとともに、上記接続部の周りに回動するブレードと、該ブレードの上記接続部と反対側の先端近傍において上記ブレードと電気的に接続され、ばね性を有する銅合金からなる一対の回動側接続端子と、上記回動側接続端子が回動することにより、上記回動側接続端子間に接離する固定側端子とを備えたことを特徴とする刃形開閉器。
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