JP2004146027A - 光記録媒体の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上に、情報信号部と光透過層を備えた光記録媒体において、光透過層用シートと基板を貼り合せる際に、押しシワおよび位置ズレが発生せず光学的特性の劣化を防止するとともに、シート保持機構を必要最小限に構成することができ、且つ高速度で自動的に貼り合わせを行うことができるようにする。
【解決手段】一方の面にディスク基板13を保持した基板保持器11を、該保持面が弾性ロール10の外周の空間Gを通過できるように水平に配設し、前記ディスク基板13に対向する面に光透過層用のシート14を摺動可能に保持したシート保持器12を、前記基板保持器11に対して所定角度を有して移動可能に配設し、前記各保持器11、12を弾性ロール10側に同時に同一速度で移動させ、前記基板13および前記シート14の、各一端から他端にかけて前記空間G内を通過させることによって、前記基板13とシート14を貼り合わせる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板上に、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、該情報信号部側の基板上であって、前記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを備えた光記録媒体の製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光記録媒体は、例えば基板の一主面上に、光透過性シートおよび感圧性粘着剤(接着層)を備えた光透過層用のシート(以下、カバーシートと称することもある)を貼り合わせて製造されていた。
【0003】
前記シートと基板の貼り合わせは、基板上にシートを重ね合わせた状態で、シートの外表面に弾性ローラーを垂直に動作させニップしたり、また板カムを使用して弾性ローラーを斜めに降下させてニップ動作させる方法で行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の製造方法において、弾性ローラーを垂直に動作させニップする方法は、押しシワと称される縞模様が出来てしまい、これが光学特性上重大な欠点になりうる。
【0005】
また前記板カムを使用し弾性ローラーを斜めに降下させニップ動作させる方法は、押しシワを無くすることが可能になったが、斜めに動作させるためシートと基板の位置ズレが生じやすくなった。
【0006】
また前記カバーシートを基板上面に配置し貼り合わせるためにシート保持機構を上部に配置するので、重力等の影響で落下するのを防ぐためバキューム等の吸着機構等を必要とする。
【0007】
また前記カバーシートの吸着力により、カバーシートがロールの間隙に引き込まれる際に摩擦(吸着時)抵抗を有するため、貼り合わせ時にディスク基板の重要な機械的特性である反り(Skew)に悪影響を与える。
【0008】
光記録媒体の反りが規定よりも大きくなると、正確な情報の読み書きが出来なくなり、媒体としての品質を著しく損なうこととなる。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、光透過層用のシートと基板を貼り合わせる際に、押しシワおよび位置ズレが発生せず光学的特性の劣化を防止するとともに、基板の反り量を少なくして機械的特性(Skew)を向上させ、また、シート保持機構を必要最小限に構成することができ、且つ高速度で自動的に貼り合わせを行うことができる光記録媒体の製造装置および製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の光記録媒体の製造装置は、基板上に、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、該情報信号部側の基板上であって、前記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを備えた光記録媒体の製造装置において、弾性を有するとともに所定径を有した回転可能な筒体と、前記筒体の外周表面から所定距離隔てた部位における、該筒体の中心軸と平行な軸平行線と該軸平行線に直交する第1の直交線とで形成される第1の平面上であって、前記第1の直交線に沿って、前記筒体の外周表面と前記軸平行線との間に形成される空間を通過できるように配設され、前記空間側の面に前記光透過層用のシート又は基板のうちいずれか一方を保持する第1の保持手段と、前記第1の平面の前記筒体側に対向する平面であって、前記軸平行線と、該軸平行線に直交し且つ前記第1の平面に対して所定角度を有した第2の直交線とで形成される第2の平面上に移動可能に配設され、前記第1の保持手段の保持面に対向する面に、前記シート又は基板のうちいずれか他方を摺動可能に保持する第2の保持手段とを備え、前記第1の保持手段および第2の保持手段を前記空間側に移動させて前記光透過層用のシートと基板とを貼り合わせることを特徴としている。
【0011】
また前記筒体はその中心軸が水平となるように配置され、前記第1の直交線は水平であることを特徴としている。
【0012】
また前記第1の保持手段は前記基板を保持し、前記第2の保持手段は前記光透過層用のシートを摺動可能に保持することを特徴としている。
【0013】
また前記保持される光透過層用のシート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させて前記保護材を剥離する剥離手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
また前記剥離手段、前記第1の保持手段、前記第2の保持手段は同一直線上に配設され、前記剥離手段の保護材剥離動作、前記保護材が剥離された前記シートを、前記第2の保持手段に保持させる動作、前記基板を第1の保持手段に保持させる動作、前記第1および第2の保持手段を前記空間側に移動させる動作とを連続して行うように構成されていることを特徴としている。
【0015】
また前記第1の保持手段および第2の保持手段は、各保持物の位置決めを行う位置決め手段を各々有していることを特徴としている。
【0016】
また前記第1の保持手段および第2の保持手段の移動制御はサーボモータにより行われることを特徴としている。
【0017】
また前記第2の保持手段は第1の保持手段に追従して移動できる機構に構成されていることを特徴としている。
【0018】
また前記第1の保持手段の保持面が前記空間を通過する際の、前記筒体の圧力を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
また前記筒体には、回転方向の位相を制御する位相合わせ手段が設けられていることを特徴としている。
【0020】
また前記第2の保持手段は、焼結材の吸着テーブルを有していることを特徴としている。
【0021】
また前記筒体は、軸方向両端部の径が中央部の径よりも小さく形成され、該中央部と両端部の間に形成されたテーパー部を有し、前記筒体の中央部の硬度は前記テーパー部の硬度より低く設定されていることを特徴としている。
【0022】
また前記第2の保持手段の保持面には、内周部に配設されて吸引圧力が印加される内周吸引回路と、外周部に配設されて吸引圧力が印加される外周吸引回路とが形成されていることを特徴としている。
【0023】
また前記筒体の軸方向両端に各々配設され、前記光透過層用のシートおよび基板の貼り合わせ時に前記筒体に印加される圧力を測定する圧力測定手段と、前記圧力測定手段で測定された圧力データと、最適貼り合わせ条件で光透過層用のシートと基板を貼り合わせたときに前記圧力測定手段によって測定した基準データに基づいて、製品の良否判定を行う良否判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0024】
また、本発明の光記録媒体の製造方法は、基板上に、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、該情報信号部側の基板上であって、前記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを備えた光記録媒体の製造方法において、弾性を有するとともに所定径を有した回転可能な筒体の外周表面から所定距離隔てた部位における、該筒体の中心軸と平行な軸平行線と該軸平行線に直交する第1の直交線とで形成される第1の平面上に第1の保持手段を移動可能に配設し、前記第1の平面の前記筒体側に対向する平面であって、前記軸平行線と、該軸平行線に直交し且つ前記第1の平面に対して所定角度を有した第2の直交線とで形成される第2の平面上に第2の保持手段を移動可能に配設し、前記第1の保持手段の前記第2の保持手段と対向する側の面に、前記光透過層用のシート又は基板のうちいずれか一方を保持し、前記第2の保持手段の前記第1の保持手段と対向する側の面であって且つ前記いずれか一方の保持物の保持位置に対向して、前記光透過層用のシート又は基板のうちいずれか他方を摺動可能に保持し、前記シートおよび基板を対向保持した第1の保持手段および第2の保持手段を、それらの各一端が、前記筒体の外周表面と前記軸平行線との間に形成される空間付近に位置するように、同時に移動させる第1の移動工程と、前記第1の移動工程実行後に、前記第1の保持手段の保持面が、その一端から他端にかけて前記空間を通過するように、前記第1の直交線に沿って前記第1の保持手段を移動させる第2の移動工程とを実行して、前記シートと基板とを貼り合わせることを特徴としている。
【0025】
また前記筒体はその中心軸が水平となるように配置され、前記第1の直交線は水平であることを特徴としている。
【0026】
また前記第1の保持手段は前記基板を保持し、前記第2の保持手段は前記光透過層用のシートを摺動可能に保持することを特徴としている。
【0027】
また前記保持される光透過層用のシートは、該シート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させる剥離工程を実行することによって、前記保護材が剥離されていることを特徴としている。
【0028】
また前記剥離工程、前記保護材が剥離された前記シートを前記第2の保持手段に保持させる動作、前記基板を第1の保持手段に保持させる動作、前記第1の移動工程および前記第2の移動工程を連続して実行することを特徴としている。
【0029】
また、前記第1の移動工程実行時は前記第2の保持手段によって前記光透過層用のシートを吸引し、前記第2の移動工程実行時は前記吸引を行わないことを特徴としている。
【0030】
また前記第2の保持手段が前記光透過層用のシートを保持するときは、該シートの内周部と外周部とで各々異なる吸引圧力で吸引保持することを特徴としている。
【0031】
また、最適貼り合わせ条件によって前記第2の移動工程を実行したときに前記筒体に印加される圧力を測定し、該測定データを基準データとして設定する基準データ設定処理と、前記第2の移動工程実行時に前記筒体に印加される圧力を測定する圧力測定処理と、前記圧力測定処理により測定された圧力データと、前記基準データ設定処理により設定された基準データを比較し、製品の良否を判定する良否判定処理とを実行することを特徴としている。
【0032】
上記の構成において、光透過層用のシートと基板の貼り合わせは、例えば基板を保持した第1の保持手段と、光透過層用のシートを摺動可能に保持した第2の保持手段を筒体の外周表面の空間側に移動させて行われる。
【0033】
この際、基板を保持した第1の保持手段が第1の直交線に沿って空間を通過するとき、まず基板の一端とシートの一端が、空間内において、筒体の弾性力によって第1の保持手段と筒体外周表面との間に挟まれた状態となり、さらに第1の保持手段が第1の直交線に沿って移動すると、第2の保持手段に摺動可能に保持されているシートは、第1の保持手段に保持された基板に圧着した状態で引き込まれていき、シートの一端から他端にわたって順次基板に圧着され両者の貼り合わせがなされる。
【0034】
このように筒体は移動させず、すなわち従来のように弾性ローラー(筒体)を押し当てた状態で移動させるものではないので、押しシワと称される縞模様ができることは避けられる。これによって光学特性に悪影響を与えることのない光記録媒体を製造することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面を参照しながら説明する。まず本発明の原理を図1とともに述べる。図1は光記録媒体の光透過層用のシート(カバーシート)と基板を貼り合わせるときの機器の構成及び動作の手順を示しており、10は、弾性を有し、回転可能に配設された弾性ロール(本発明の筒体)である。
【0036】
11は、前記弾性ロール10の外周表面から所定距離隔てた部位における、該弾性ロール10の中心軸と平行な軸平行線と該軸平行線に直交する第1の直交線とで形成される第1の平面(図1では水平面)上に移動可能に配設された基板保持器(本発明の第1の保持手段)である。
【0037】
この基板保持器11は前記第1の直交線に沿って、前記弾性ロール10の外周表面と前記軸平行線との間に形成される空間Gを通過できるように構成されている。
【0038】
12は、前記基板保持器11に対向する平面であって、前記軸平行線と、該軸平行線に直交し且つ前記第1の平面に対して所定角度を有した第2の直交線とで形成される第2の平面上に移動可能に配設されたシート保持器(本発明の第2の保持手段)である。
【0039】
前記基板保持器11の下側の面には、ディスク基板13が、例えば内径コレットチャックによって位置決めされ保持されている。前記シート保持器12の、前記ディスク基板13に対向する面には、感圧性粘着層および光透過性シートを有した光透過層用のシート14(カバーシート)が、感圧性粘着層を上にして保持されている。このシート保持器12は、貼り合わせ時にシート保持スライダー12aがスライドして光透過層用のシート14が摺動できるように保持している。
【0040】
まず図1(a)のように、弾性ロール10から所定距離離れた位置に、ディスク基板13、前記シート14を各々保持した基板保持器11、シート保持器12を配設する。この際、ディスク基板13と光透過層用のシート14の間にクリアランスを形成するため、シート保持器12は水平より例えば5度以下の傾きを持たせて固定している。
【0041】
次に前記保持器11、12を図示矢印方向に移動させ、図1(b)に示す貼り合わせ待機位置で一旦静止させる。すると図1(b)のように、前記保持器11、12は弾性ロール10の空間Gの直近に到達し、ディスク基板13の先端と前記シート14の先端は至近距離で対向する。
【0042】
次に基板保持器11およびシート保持器12を、同時に同一加速度、同一移動距離、同一速度で矢印方向に移動させることにより、例えば誤差5μm以内の同期動作をさせて、前記基板13および前記シート14をニップする弾性ロール10の空間Gに挿入させる。
【0043】
すると、図1(c)〜(e)のように、まずディスク基板13の一端と前記シート14の一端が、空間G内において、弾性ロール10の弾性力によって基板保持器11と弾性ロール10の外周表面との間に挟まれた状態となり、さらに基板保持器11が第1の直交線に沿って移動することによって、前記シート14がディスク基板13に圧着した状態で引き込まれていき、前記シート14の一端から他端にわたって順次ディスク基板13に圧着され両者の貼り合わせがなされる。
【0044】
前記シート保持スライダー12aは、前記図1(a)、(b)の期間、すなわち貼り合わせの直前まで前記シート14を保持しガイドし、図1(c)〜(e)の期間、すなわち貼り合わせ期間中は図示のようにスライドしてニップすることにより、貼り合わせの位置ズレ量のばらつきを極めて小さく、例えば±50μm以内に収めている。
【0045】
図2〜図6は、本発明の一実施形態例を示す光記録媒体の製造装置を表し、図2は全体構成の正面図、図3は全体構成の平面図、図4は保護材剥離部の平面図、正面図、図5はカバーシート保持器の正面図、図6はニップロール部の平面図を各々示している。
【0046】
図2および図3において、21は、光透過性シート、感圧性粘着層、保護PET(ポリエチレンテレフタレート)材から成る光透過層用のシート(カバーシート)14の保護PET材を剥離する際に保護材に貼り付け巻き取るための剥離用テープ21aを、巻き出し(供給)、及び巻き取る(回収する)剥離テープ供給/回収部である。
【0047】
22はディスク状に打抜かれた枚葉式カバーシートの所望の保護PET材を自動で剥離する保護材剥離部である。23は保護材剥離部22へ光透過層用のシートを供給/受け渡しするカバーシート供給部である。24は前記保護材剥離時に発生する静電気の電荷を除去するための除電ユニットである。
【0048】
25は、前記光透過層用のシートを保持する平面ステージと該シートを位置決めする内径コレットチャックからなるシート保持器31(図1の12に相当する)と該保持器31を動作させる駆動機構32とで構成されるカバーシート貼り合わせステージである。
【0049】
26は、ディスク基板13を前記光透過層用のシートと対向するようにディスク保持するステージと該基板を位置決めする内径コレットチャックからなる基板保持器33(図1の11に相当する)と、該保持器33を動作させる駆動機構34とで構成されるディスク基板貼り合わせステージである。
【0050】
27は、ディスク基板と光透過層用のシートを低定圧でニップし、一端から反対端に向かって順に押圧させる弾性ロール(図1の10に相当する)である。28はディスク基板をディスク基板貼り合わせステージ26に受け渡しをするディスク基板供給部である。
【0051】
前記剥離テープ供給/回収部21、カバーシート供給部23、保護材剥離部22、除電ユニット24、カバーシート貼り合わせステージ25、ディスク基板貼り合わせステージ26、弾性ロール27およびディスク基板供給部28は、一本の直線ライン上に沿って順次配置され、各動作が連続して自動的に行われるように構成されている。
【0052】
尚、前記シート保持器31は図1で述べたように、基板保持器33に対して所定角度を有して配設され、また基板保持器33は図1で述べたように弾性ロール27の外周表面の空間Gを通過するように配設されている。またシート保持器31はメカ機構によって基板保持器33に追従するように構成されている。
【0053】
前記ディスク基板供給部28には、載置するディスク基板を吸着させるための吸引穴35が用意されており、そこから上昇し上部に配置された基板保持器33へディスク基板の受け渡しを行う。
【0054】
受け渡しの際、基板供給テーブル36に吸着保持されたディスク基板上面と基板保持器33の吸着面の間には0.1mm程度のクリアランスを有し、基板保持器33側の吸引機構によりディスク基板13は基板保持器33に保持される。
【0055】
次に基板保持器33に搭載されている内径コレットチャックによりディスク基板13を±5μm以内の繰り返し精度でチャックする。この際、基板保持器33の吸着面はディスク基板13がコレットチャックによりセンタリングされ、移動し擦れてもディスク基板13に傷等を付けないよう、細かい面粗度にて加工されているものとする。
【0056】
またカバーシート供給部23のシート受け皿37には光透過層用のシート14のカールを矯正し、剥離用テープ21aへの供給位置ばらつきが無いよう、吸引穴38とセンタリングピン39を有し、±0.1μm程度の繰り返し精度で剥離用テープ21aにカバーシート14を供給(貼り付ける)する。その際カバーシート供給皿のシート載置面には剥離用テープ21aが貼り付かないよう、非粘着処理を施してある。
【0057】
次に保護材剥離部22の詳細を図4とともに述べる。保護材剥離部22の剥離ユニットには図示の二点鎖線上に剥離部テープ21aがパスされている。光透過層用のシート14を供給(貼り付ける)する際、剥離用テープ21aの非粘着面Bを受ける抑え板41にはシリコンゴム等の弾性体41aが貼り付けられてあり、光透過層用のシート14を剥離用テープ21aに押さえ付ける際の密着性を高めてある。
【0058】
光透過層用のシート14を剥離用テープ21aに貼り付けた後、光透過層用のシート14の持つコシを利用し剥離用ツメ42で剥離用テープ21aをほぼ直角に引っ張ることによりスムーズで高速な剥離を実現することができる。
【0059】
また保護材剥離部22のユニットには、光透過層用のシート14が正しく供給されたか否かを検知するセンサー45と、該シート14の保護PET材が正しく剥離されたか否かを検知するセンサー46を有し、剥離に関するトラブルを剥離動作ごとに確認している。また47は剥離用テープ21aのニップを解除するためのハンドルである。
【0060】
次に前記シート保持器31の詳細を図5とともに述べる。シート保持器31は前記保護材剥離部22の剥離スピードに同期し、図2に示すように駆動機構32によって基板保持器33の位置と保護材剥離部22の位置の間をスライド動作する。
【0061】
これによって剥離された光透過層用のシート14は毎回ほぼ同位置で受け取ることができる。また、受け取る際は光透過層用のシート14を吸引保持可能な焼結材により構成された吸引テーブル51と、貼り合わせ時の進行方向先端部を吸着、あるいは下面を受けるスライドテーブル52によりフラットな状態で吸把持される。
【0062】
次に光透過層用のシート内径部を用い該シートをセンタリングする内径コレットチャック53が上昇し、次いで該コレットチャックが開くことにより光透過層用のシートを所望の位置に位置決めする。位置決めの際は、チャック昇降シリンダー54を上昇させ、高さ出しブロック55に突き当てピン56を突き当てる事により前記コレットチャック53を上昇させ、センタリングするため該チャックのツメを開いたときのみシートの吸引を解除し、ツメが開き所望の位置にシートが移動したら吸引を再開してシートを所望の位置で確実に位置決めしたのを確認し、その後ツメを閉じ、コレットチャック53を下降させる。このような動作によって光透過層用のシート14への負荷を最小限に抑えた位置決めが可能となった。
【0063】
次に図6とともにカバーシート貼り合わせ部の詳細を述べる。光透過層用のシート14をニップ、貼り合わせる弾性ロール27は、ディスク基板13に面追従し密着できるよう自動調芯式のベアリング61a,61bで両端を保持され、更に左右のニップ圧を管理、及び制御するためにロードセル62a,62bとベロフラムシリンダー63a,63bが設けられている。
【0064】
また前記弾性ロール27の左右支持部を同期して上下動作させるためのカムフォロアを有する上下動作ブロック64a,64bと当該ブロックを上下させるための溝カムブロック65a,65bが設けられ、左右の溝カムブロック65a,65bは水平に配置されたプレート66の両端に互いに対称に取り付け固定されている。
【0065】
前記プレート66の下部には直動ユニット67が配設され、当該プレート66を前後させることにより弾性ロール27が傾くことなく上昇、下降できるように設計されている。
【0066】
また、弾性ロール27の一端にはクラッチ用ディスク68a,68bが配設され、本体ベース側に、直動ユニット付きアクチュエーター69に位相合わせ用モーター70を搭載し、その出力軸端にクラッチ用ディスク68bを配置し、各クラッチ用ディスク68a,68bにはジョイント用のマグネット71a,71bが埋設されている。
【0067】
前記弾性ロール27の回転方向での位相合わせは、弾性ロール27の片側端に設けられたクラッチ用ディスク68aに埋設されているマグネット71aと、位相合わせ用モーター70の出力軸に配置されたクラッチ用ディスク68bに埋設されているマグネット71bとの引力を利用して実現される。
【0068】
これにより、弾性ロール27の回転方向での位相を貼り合わせ開始時、常に一定に管理でき、かつ位相合わせ用モーター70を弾性ロール27と縁切りすることにより回転時の偏芯等による左右支持ユニットの負荷バランスを崩さぬようになっている。
【0069】
また、貼り合わせ基板への弾性ロール27の接触箇所を常に一定とすることで、弾性ロール27の微小な硬度バラツキによる影響、あるいは偏芯バラツキの影響を無くすることが可能となる。また、当該弾性ロール27の位相を固定化することで、微細なニップ圧力波形の比較が可能となる。
【0070】
すなわち、前述したようにクラッチ用ディスク68a,68b、マグネット71a,71bおよび位相合わせ用モーター70によって弾性ロール27の回転方向での位相を制御し、ロードセル62a,62bで検出した圧力に基づいて微細なニップ圧力波形を比較することができる。
【0071】
例えば前記ディスク基板13および光透過層用のシート14をニップ、貼り合わせたときに、ロードセル62a,62bでニップ圧を検出、測定すると、図7のような波形が得られる。図7において横軸は前記基板およびシートの移動時間(通過時間)を示し、Lは弾性ロールの軸方向一端側のロードセル62aの検出波形を示し、Lは弾性ロールの軸方向他端側のロードセル62bの検出波形を示している。
【0072】
この図7の波形に基づいて、図示LとLの波形が略同一となるように制御したり、また予め基準となるマスター波形を求めておき、その後実際の作製時のニップ圧波形との比較を行って圧力管理を実施するものである。
【0073】
このような管理を行うことで、Skew変動、膜厚等の異常を検知、管理することができる。
【0074】
上記のように構成された装置において、最表面に保護材が被覆されている光透過層用のシート14は、保護材剥離部22において、図4(b)に示すように、剥離用テープ21aの粘着面A側に押さえつけられ、該剥離用テープ21aを直角に引っ張ることによって保護材が剥離される。
【0075】
この保護材が剥離された光透過層用のシートは、シート受け皿37からシート保持器31に受け渡され、図5の吸引テーブル51、スライドテーブル52に吸引保持されるとともに内径コレットチャック53によって位置決めされる。
【0076】
また基板保持器33は、ディスク基板13が吸着保持されている基板供給テーブル36に対向する位置まで駆動機構34によって移動し、ディスク基板13を吸引するとともに内径コレットチャックによってチャックして位置決めを行い、再びシート保持器31に対向する位置まで戻ってくる。
【0077】
このように基板保持器33にディスク基板13が、シート保持器31に光透過層用のシート14が各々保持された後、両保持器31、33を前記図1(b)で述べた貼り合わせ待機位置まで移動させる。
【0078】
そしてその後、前記両保持器31、33を同時に、同一加速度、同一移動距離、同一速度で同期して図1の矢印で示す方向に移動させることによって、弾性ロール27の外周表面に形成された空間G内に図1(c)〜(e)のようにしてディスク基板13と光透過層用のシート14が挟み込まれて通過し、貼り合わせが行われる。
【0079】
以上のように本実施形態例によれば、貼り合わせる際、弾性ロール27を移動させず、基板、シート各々を位置決めし、弾性ロール27と基板保持器33の間に差し込む方式であるため、押しシワは発生しない。また基板、シートの位置を精密に合わせ、弾性ロール27と基板保持器33の間にサーボモーターによるパルス制御にて突っ込むようにしているので、貼り合わせの位置精度も安定、向上する。
【0080】
また基板と光透過層用のシートを貼り合わせる際の各々のチャッキングテーブル動作にはサーボモーターを使用し、極力同期させているため貼り合わせる前に一時停止し、各々のチャックテーブルを同じ加速で動作させるようにしたので、ズレ、ばらつきの少ない精度で貼り付けることが実現した。
【0081】
またメカ機構により基板チャックステージにカバーシートチャックテーブルが追従するため、電気的な制御をまったく必要とせず、貼り合わせ位置のばらつきを少なくできる。
【0082】
また光透過層用のシートを基板の下面に配置し貼り合わせる事でシートのカール癖などを矯正するだけの必要最小限の吸引圧、あるいは吸引圧ゼロ(吸引レス)にすることができ、光透過層用のシートがニップ、引き込まれる際の摩擦抵抗を激減できる。その結果機械的特性(Skew)を向上させることができる。
【0083】
保護材の剥離から貼り合わせ工程までの作業スペースを一直線にし、サーボ制御のオーバーラップ動作をさせることにより、枚様式カバーシートの自動剥離から基板ディスクへ貼り合わせるまでの時間を約3sec程で行うことができる。
【0084】
尚、前記実施形態例では基板保持器33を水平に移動させていたが、本発明はこれに限らず斜めや垂直方向に移動させるように構成しても良い。
【0085】
また前記実施形態例では基板保持器33を上側に、シート保持器31を下側になるように対向配設していたが、本発明はこれに限らず前記上側、下側の配置を逆にして構成しても良い。これらの場合も前記と同様の作用、効果を奏する。
【0086】
次に請求項17〜19に記載の発明の実施形態例を説明する。前記弾性ロール27は、図8に示すように、弾性体80内に芯金81が設けられ、長手方向にフラットな円筒型に形成されている。
【0087】
このような弾性ロール27を用いて円形状の光透過層用のシート14を貼り合わせる際、図9(a)のように、ニップ開始時に該シート先端部14aのみをニップし引っ張る。また前記シート14は位置決めのため、例えば図5のシート保持器31の吸引テーブル51に、微弱ながら全体的に吸引されている為、シートの反対端部14bに歪を与えてしまう場合がある。
【0088】
弾性ロール27は前述したように円筒型であるため、発生した歪を矯正することなく図9(b)のように凹凸14cを持たせたまま貼り合わせてしまい、その結果、図9(c)に示す歪14dがディスク端部に集中し、図9(d)のようにドーム状の歪14eとして残ってしまう。
【0089】
また、一度に幅方向全てを押さえつけてしまう為、光透過層とディスク基板間の空気が逃げ切れず、図10に示すようなヒョウ柄が均一に点在してしまう。この気泡は経時変化で消滅するが、現時点では不良、つまりNG品となる。
【0090】
そこで本実施形態例では、弾性ロールを、軸方向両端部の径を中央部の径よりも小さく形成し、該中央部と両端部の間にテーパー部を形成した、クラウン形状の弾性ロールとした。
【0091】
ここで図11(a)に示すように、クラウンロール85を採用した場合でも、ロール部弾性体86の硬度が全部分同じ硬度で構成されたものを使用すると、図11に示すようにロール中央部分でニップした部分14f〜14fは気泡無く貼り合わせる事が出来るが、両端部14g〜14gでは確実に貼り合わせる事が難しい。
【0092】
これは貼り合わせ後のディスク基板の機械特性を悪化させないよう極低圧力でニップする為であり、ニップ圧を強くしていけば徐々に気泡の入らない範囲は大きくなる。しかし該基板の反りは悪化してしまいNG品となってしまう。
【0093】
この対策として、貼り合わせ時間を長く取る事でもニップ圧を強くするのと同じように気泡の入らない範囲を大きくすることができる。しかし、そのためには貼り合わせで従来(想定作業時間)の5〜10倍もの時間を要する為、生産機には採用できない方法である。
【0094】
本発明はそれら不具合の発生を押さえ、かつ高速で貼り合わせる事を可能とするため、以下のように弾性ロールを構成した。
【0095】
図12(a)において、弾性ロール90は、芯金91の外周にクラウン形状のロール部弾性体92を設けて構成され、ロール部弾性体92の両端の径は中央部92aの径よりも小さく形成され、該中央部92aと両端部の間にはテーパー部92bが形成されている。
【0096】
尚図12(b)は、長手方向にフラットな円筒型に形成された弾性ロールを示している。
【0097】
図12(a)の弾性ロール90を用いて光透過層用のシート14をディスク基板13に貼り合わせるときの様子を図13に示す。図13において、弾性ロール90はクラウン形状であるため、光透過層用のシート14をディスク基板13に貼り合わせる際、中央部92aに相当する位置Paより加圧され徐々に外側方向へ貼り合わせが行われる。そして加圧範囲は徐々に図12(a)のテーパー部92bに相当する位置Pb〜Pbに広がり、該シート14と該ディスク基板13の間にある空気は徐々に外側Pc,Pcへ押し出される形になる。
【0098】
また加圧力は、加圧範囲がPa,Pb,Pbに推移する間は変わらず一定であることが理想であり、これによって前記シート14に無理なストレスを与えることなく貼り合わせることが可能となる。
【0099】
前記加圧範囲が推移している間中、加圧力が一定となるようにした実施形態例を以下に述べる。
【0100】
尚、図12aにおいて、テーパー部92bの傾斜角度θは0.1°、中央部径φaと両端部径φbの弾性ロール径の差を0.25mm、また中央部92aの幅Waを10mm、各テーパー部92bの幅Wbを65mmとした。
(実施形態例1)
図14において、芯金101に焼き付け加工される弾性体102は、貼り合わせ時光透過層用のシートへの押し付け圧(図13のPa,Pb,Pb)を一定とする為に、中央部の弾性体102aの硬度を両テーパー部の弾性体102bの硬度より低くし、その接合部は段差等が無いように滑らかになるよう研磨されている。そして全面ニップした時点で同一ニップ圧となるように前記硬度設定を行う。
(実施形態例2)
図15において、芯金111の長手方向中央部111aの径を、該芯金111の両端部の径よりも細くし、中央部111aと両端部をテーパー111bによって滑らかにつながるように形成し、これによって同一弾性体112の厚みを変化させて弾性力分布を変化させた。すなわち芯金111に巻き付け加工される弾性体112の中央部の厚みが増し、該中央部の硬度をテーパー部の硬度よりも低くすることができる。前記硬度は、全面ニップした時点で同一ニップ圧となるように設定するものである。
(実施形態例3)
図16において、芯金111は前記図15のものと同一に構成し、該芯金の中央部に低硬度の弾性体122aを焼き付け加工し、その上より同一硬度の弾性体122bを加工することで弾性力を変化させ、全面ニップした時点で、同一ニップ圧になるようにする。
【0101】
上記のように本実施形態例によれば、光透過層用のシートとディスク基板の貼り合わせ時に、該シート全面に均一に加圧することができ、中央部より外側に歪を逃がしながらニップし貼り合わせるので、前記シートにストレスを与えることがない。
【0102】
またフラットロールに比べて、気泡が封入する可能性が減少するので、より高速での貼り合わせが可能となる。
【0103】
次に請求項41、42に記載の発明の実施形態例を説明する。
【0104】
光透過性シートと光透過性を有する感圧性接着層とからなる光透過層用シートの原材料を用いてカバー層を形成する場合、カバー層形成後の記録媒体の反り(Skew)を抑える事は非常に重要なポイントとなる。
【0105】
記録媒体の反りが規定よりも大きくなると、正確な情報の読み書きが出来なくなり、記録媒体としての品質を著しく損なうこととなる。
【0106】
これまでに、PSA(感圧性粘着剤)の種類、貼り合わせ方式、貼り合わせ時の圧力、保護フィルム1(プロテクター)の有無などが反りの変動に影響を与える事が分かっていたが、カバー層をローラーを用いて貼り合わせる場合に、シートに出来るだけテンション(応力)をかけずに貼り合わせることによって、カバー形成後の記録媒体の反りを抑えることが可能であると判明した。
【0107】
カバー層形成に使用するシートの構成例は、例えば図17(a)に示すような4層構造、図17(b)に示すようなハードコート層を設けた5層構造のものが用いられる。またカバー層の貼り合わせは例えば図18のような手順で行われる。
【0108】
図18は図17(a)の4層構造のシートの貼り合わせ手順を示しており、そのうち、「(d)基板との貼り合わせ」をローラーによるプレス方式を用いて形成する場合、シートに出来る限りテンション(応力)をかけずに貼り合わせることによってカバー形成後のディスクの反りを抑えることが可能である。
【0109】
ローラープレス装置を用いてシートが基板と貼り合わされるまでの手順は図19のとおりとなる。すなわち図19において、
(1)シートを供給する
(2)剥離用テープを用いて保護フィルム1を剥離する
(3)剥離用テープを用いて保護フィルム2を剥離する
(4)2層(光透過性シート+感圧性接着層)となったシートをステージにて吸引保持する
(5)センタリング用ツメにてチャッキングを行い、シートの位置出しを行う
(6)シートの先端をローラーと基板の間に挿入する
(7)ローラーによりシート側からプレスすることでシートと基板を貼り合わ
せる。
【0110】
図19の(5)〜(7)のプロセスの概略は図20のように示される。図20(a)は図19の(5)のプロセス(図1の原理図では(a)に相当)を示し、シート14がずれないようにシート保持器12による吸引保持でシートを固定している。
【0111】
図20(b)は図19の(6)のプロセス(図1の原理図では(c)に相当)を示し、シート14の先端が弾性ロール10とディスク基板13の間に挿入されるまでシートは吸引保持されている。
【0112】
図20(c)は図19(7)のプロセス(図1の原理図では(d),(e)に相当)を示し、プレスが開始され終了するまでの間シート保持器12上のシート14を吸引保持している。
【0113】
吸引圧はシート14の構成、厚み、カール量等にもよるが、−0.2〜−5.0kPaの範囲である。
【0114】
本発明では、前記図19に示すようなプロセスにおいて、シート14の位置ズレによる貼り合わせズレを生じさせない為にも、貼り合わせ直前(シート先端が弾性ロール10とディスク基板13の間に挿入される)まではシートを吸引保持するが、弾性ロール10によるプレス開始とともに吸引圧をOFFにしてシート14にかかるテンションを無くすようにした。
【0115】
ここで従来のように前記貼り合わせ中(図19の(7)、図20(c)の状態)も光透過層用のシート14の吸引保持を行う方法と、本発明のように貼り合わせ中はシートの吸引保持を行わない方法とで貼り合わせを実施した後、出来上がった両者のディスクの反りを調べた。
【0116】
今回、光透過性シートと感圧性粘着層がインラインラミネートされ、その両側に保護フィルムが貼り合わされた4層構造からなる原材料を準備し、図2に示すローラープレス装置を用いて成膜済みの基板と貼り合わせを行った。実施形態例では前述した貼り合わせ時にシートの吸引をOFFにするモードで、従来の手法では貼り合わせ時にシートを−0.2kPaで吸引しながら貼り合わせを行った。
【0117】
出来上がったディスクの反りを半径26〜56mmまで1mm毎に測定を行い、その結果を表1および図21に示す。
【0118】
【表1】
Figure 2004146027
【0119】
Figure 2004146027
【0120】
Figure 2004146027
【0121】
また、反り(Skew)のデータを範囲毎に表示分けし、2次元状にマッピングしたものを図22に示す。
【0122】
表1、図21、図22において、貼り合わせ時にシートを吸引保持する従来の手法で貼り合わせた場合、出来上がったディスクの反りを測定すると、図21(a)のグラフ1のように、外周部にいくにつれて周内のSkew最小値がマイナス側へ広がっていき、Skewの周内変動を悪化させる要因となっていた。
【0123】
これは図22(a)のマップ1と同図(b)を見ると明らかであり、プレス開始位置を中心にマイナス側(黒部分)に変化している箇所が広がり、反対側はそれよりもややプラス側(白部分)となっており、Skewの周内変動が大きくなっていることが分かる。このプラス開始位置における反りの局所的なマイナス側への変化は、貼り合わせ時に光透過層用のシートを吸引することによって該シートにテンションを与えている事が原因であると推測出来る。
【0124】
実施形態例のように貼り合わせ時にシート吸引をOFFにすると、図21(b)のグラフ2のような反りとなる。グラフ1に比べ、外周部に向かっても周内のSkew最小値はマイナス側へ広がることも無く、結果としてSkew周内変動は小さく抑えられ良好な結果となった。また図22(c)のマップ2を見ても面内の白黒の差(Skewの差)は少なくなっていることが分かる。
【0125】
このようにSkewの周内変動を抑えることができたのは、プレス時にシートを吸引せず出来るだけテンションを与えない状態で貼り合わせたことによるものである。
【0126】
以上のように光透過性シートと光透過性を有する感圧性接着層とからなる光透過層用シートの原材料を用いてローラープレスの手法で光透過層用の層を形成する場合、貼り合わせの最中にはシートにテンションをかけず出来るだけ負荷の少ない状態で貼り合わせることにより、出来上がったディスクの反りを小さく抑える事が可能となる。
【0127】
また、前記シートの位置ズレにより貼り合わせズレを生じさせない為にも、貼り合わせ直前(シート先端がローラーと基板の間に挿入される)まではシートを吸引保持し、ローラーによりプレス開始とともに吸引圧をOFFにしてやることによりテンションを無くしてやることが、より好ましい。
【0128】
次に請求項20〜27および請求項43に記載の発明の実施形態例を説明する。図23に示すように、従来の吸引テーブル130では、0.1mmのディスク型光透過層用のシート14を位置決めする際、開閉可能で等分に配置された3つのセンタリング爪133a〜133cを、前記シート14の中央部内径孔132に挿入し、その後放射方向に開く事により該内径孔132の位置を矯正させ位置決めしている。
【0129】
そして図23(b)〜(d)のように、前記光透過層用のシート14の姿勢維持と保持を行うために、吸引テーブル130上の該シート14が載っている個所134は全面同一吸引力で吸引している。
【0130】
この際、位置決め対象物(前記シート14)に厚みがあり、ある程度の剛性があれば、図24に示すように内径部の移動量136と外径部の移動量137は等しくなるはずであるが、本発明が適用される光透過層用のシートのように0.1mmという薄物をセンタリングする際は、該シートをセンタリングさせる爪が133a′〜133c′のように開いた際、外周部の吸引力が該シートの強度(コシ)に勝り、内径側の移動量136′に対し、外周部の移動量137′は小さく、その間のシート(図示138部位)に歪を発生させてしまう。
【0131】
そこで該シートへの歪を発生させる事の無いよう、吸引圧を低圧にすると今度は該シート吸引力が微弱になりすぎ、チャック後のセンタリング位置が保持できず位置の再現性を保つことが不可能になる。
【0132】
また図28(a)〜(d)に示すように、従来のセンタリング爪143a〜143cの小径孔部(シートの内径孔)に入り込む部分の長さ(接触長144)が小さく、光透過層用のシート14の内径孔132をセンタリングした際小径孔部の周を押さえる長さが少ない為、該シート14の小径孔部付近に歪145を発生させてしまう。
【0133】
そこで本実施形態例では、光透過層用のシート吸着保持用テーブル(第2の保持手段)の多孔質材からなるバキューム面(シート保持面)への吸引回路を、従来の1系統から2系統とし、更に吸引圧力をコントロールする負圧用レギュレータを配置することで内径部と外径部の吸引力をそれぞれにコントロール可能に構成した。
【0134】
図25において151は、光透過層用のシート14が載置され、位置決め時に、例えば図5の内径コレットチャック53がシートの内径部に挿入される吸引テーブルである。
【0135】
この吸引テーブル151は、シート内径部に相当する部位と、図5のスライドテーブル52に相当する部位が切り欠かれた形状に形成されている。
【0136】
この吸引テーブル151の一方の面に設けられたプレート152には、シート内径部に沿った所定幅の内径部吸引エアー回路153と、シート外径部に沿った所定幅の外径部吸引エアー回路154が形成されている。また前記各吸引エアー回路153、154の各端部付近には、吸引用ポート153P、154Pが設けられている。
【0137】
これら各吸引用ポート153P、154Pには、図示省略の吸引用配管の一端が接続され、該吸引用配管の他端は吸引源および吸引制御装置(図示省略)に接続されている。
【0138】
また吸引テーブル151の他方の面(光透過層用のシートが載置される面)には、前記シート表面にダメージを与えないよう表面粗度を上げたプレート155が設けられている。
【0139】
このプレート155には、前記内径部吸引エアー回路153の形成位置に沿って内径部吸引孔153Hが、外径部吸引エアー回路154の形成位置に沿って外径部吸引孔154Hが各々形成されている。
【0140】
前記プレート152と155はタップ孔156と皿モミ穴157によりネジ固定され、それらは本体取り付け用穴158を用いて取り付けられている。
【0141】
また他の実施形態例としては、例えば図26(a)に示すように、吸引テーブル161の一方の面に設けたプレート162に、シート内径部に沿って所定幅の内径部吸引エアー回路163を形成し、シート外径部に沿って同心円状に所定距離隔てた2本の外径部吸引エアー回路164を形成するように構成しても良い。
【0142】
尚前記外径部吸引エアー回路164の2本の吸引エアー回路は、周方向に所定距離隔てる毎に接続部によって互いに接続されている。
【0143】
163P,164Pは、前記各吸引エアー回路163,164の各端部付近に設けられた吸引用ポートであり、これら各吸引用ポート163P、164Pには、図示省略の吸引用配管の一端が接続され、該吸引用配管の他端は吸引源および吸引制御装置(図示省略)に接続されている。
【0144】
前記プレート162は、図25の場合と同様に光透過層用のシートが載置される面のプレート165(図示省略)と一体に取り付けられ、該シートが載置される面のプレートには図25(d)と同様に、前記吸引エアー回路163,164の形成位置に沿って吸引孔が各々設けられ、且つ微小空孔からなる樹脂製多孔質材169が配設されている。
【0145】
この樹脂製多孔質材169によって光透過層用のシート表面へのダメージを減少させることができる。
【0146】
前記図25および図26(a)において、内径部吸引エアー回路の圧力は、前記シートをセンタリングチャック爪の動作により移動させる事ができ、かつセンタリング後もシートが移動しないような圧(例えば−0.4Kpa以上)に設定し、外径部吸引エアー回路は該シートの内径部がセンタリングされた際、内部に歪を発生させないようシートをフラットな姿勢にする為の必要最低限の吸引圧(例えば−0.4Kpa未満)に設定する。
【0147】
このようにする事で、センタリング時にシートの内径部と外径部の間に歪を発生させることなく、フラットな吸引、位置決めを行うことが可能となる。
【0148】
図26(b)は図26(a)の構成における吸引力の強弱を模式的に表した図である。内径側の吸引ポート付近171は吸引圧が最も高く、内径側吸引回路でもポートに遠い方172は該ポート付近よりも吸引圧力は低下する。
【0149】
同様に外径側の吸引ポート付近173は吸引圧が最も高く、外径側吸引回路でもポートに遠い方174は該ポート付近よりも吸引圧力は低下する。
【0150】
そこで図26(b)のような各吸引圧の差異を更に小さくし、またバランス良く吸引させるために、図26(c)のように構成した。図26(c)において、図26(a)と同一部分は同一符号をもって示している。
【0151】
図26(c)において図26(a)と異なる点は、内径部吸引用ポート163P′をその吸引エアー回路163の中央へ配置した点と、外径部吸引用エアー回路164は広範囲になる為、外径部吸引用ポート(164P,164P)はその吸引エアー回路164の範囲を2分割した一方側の中央(164P)に1つ、他方側の中央(164P)に1つの計2個所に配置した点にある。
【0152】
これらの構成によって、光透過層シート吸引時の吸引圧力はバランス良くなった。すなわち図26(d)は図26(c)の構成における吸引圧力の分布を模式的に表しており、内径側吸引ポート近辺181の圧力は図示のとおり広範囲となり、回路の末端部の範囲182を著しく減少させる事が可能になる。
【0153】
また、外径側吸引用ポートを2個所配置する事で、ポート付近183の範囲と吸引回路末端部184も、吸引テーブル161の移動方向に沿ったシートの中心線を境とする両側の吸引圧力を均等にする事が可能となった。
【0154】
また他の実施形態例としては、図25、図26において、前記各吸引エアー回路153,154,163,164に沿った吸引孔(153H,154H等)は設けず、光透過層用のシートが載置される面には樹脂製多孔質材169のみを配設するように構成しても良い。この場合も前記と同様の作用、効果を奏する。
【0155】
尚例えば図5のシート保持器31の吸引テーブルを図26(c)のように構成した場合の周辺装置との配置関係を図27に示す。図27(a)はシート載置面側から見た平面図であり、193は内径側の吸引用ポート163P′に接続された内径側吸引用配管、194a,194bは外径側の吸引用ポート164P,164Pに各々接続された外径側吸引用配管であり、197は光透過層先端部吸引板(スライドテーブル)である。
【0156】
図27(b)は外径側吸引用配管194bが接続されている様子を表し、図27(c)は内径側吸引用配管193が接続されている様子を表しており、これら吸引用配管は図示しない吸引源および吸引制御装置に接続されている。
【0157】
また本実施形態例では、位置決め手段である内径コレットチャック53のチャック形状(センタリング爪の形状)を、図28に示すように、従来のチャック形状143(図28(d))の内径孔における周方向の接触長144(図28(b))に対し2倍の長さの接触長200(図28(f))とし、局部的な集中荷重、及び該シートに発生する歪145の発生を防ぐ扇形のチャック形状201(図28(h))とした。
【0158】
このように、センタリング用爪の光透過層用のシート内径孔への接触長を長くする事で、チャック爪が該シートへ与える負荷を分散させ、局部的な歪の発生を抑えることが可能となる。
【0159】
尚本発明を採用することで、光ディスクメディアにおける重要なスペックであるSkew(光学特性)が0.20degから0.10程度まで改善される。
【0160】
次に請求項28〜30及び請求項44、45に記載の発明の実施形態例を説明する。前記図6においては、弾性ロール27の軸方向両端に配設したロードセル62a,62bによって前記シートと基板の貼り合わせ時のニップ圧力をそれぞれ検出、測定するように構成しているが、このニップ圧のデータ(例えば図29の波形)を保存するにはデータ収集用ツールを使用することが考えられる。
【0161】
しかしこのシステムでは、ニップ圧力の変動や異常加圧/減圧、および左右ニップ圧の差異測定等をリアルタイムで判断し、装置にフィードバックすることはできない。このためニップ圧力が必要以上に増すとディスクの重要スペックであるSkew(反り)は大きくなりNG品となる。また逆にニップ圧が低すぎると今度は貼り合わせ圧力が不十分なために気泡が発生してしまう。
【0162】
そこで本実施形態例では、前記不具合の発生をリアルタイムで瞬時に検知し、製品品質を管理することができるようにするため、以下のようにニップ圧管理システムに対応した電気回路及びソフトを付加するように構成した。
【0163】
まず図30は、前記図6で述べた光透過層用のシート貼り合わせ部の各部の平面、側面の構成を表しており、図6と同一部分同一符号をもって示している。
【0164】
図31は本実施形態例の光記録媒体の製造装置におけるニップ圧管理システムの構成を示しており、210は、図6、図30のロードセル62a,62bの負荷検出電圧(ニップ圧測定データ)が取り込まれるニップ圧管理ユニットである。
【0165】
このニップ圧管理ユニット210は、例えばニップ圧データをサンプリングするサンプリング部211、ニップ圧データを記憶するメモリ212、基準となるニップ圧のマスターデータを作成するマスターデータ設定部213、前記マスターデータとロードセル62a,62bからの測定データを比較し製品の良否判定を行う比較判定部214等を備えている。
【0166】
またニップ圧管理ユニット210は、マスターデータに対して、基準ニップ圧上限や基準ニップ圧下限のしきい値を設定したり、ニップ圧変動許容幅やニップ圧バランス許容範囲等を設定する機能を有し、さらに、弾性ロール27のニップ圧を制御する(具体的には例えば図6のベロフラムシリンダー63a,63bを制御する)機能も有している。
【0167】
また図32はニップ圧管理ユニット210が実行するニップ圧比較ソフトのフローを示している。これらの図において、まず、マスターとなるデータの入力(メモリー)を行う。これは最良な条件に調整したニップ圧力でディスクを作製する際に、基準点より時間(例えば10msec)毎、あるいは距離(例えば0.5mm)毎にサンプリングしたニップ圧データを全域でメモリーする。
【0168】
これは例えば図33に示すような、ニップ圧力管理ユニット210の操作パネルのスイッチを押すことで最後にサンプリングした該データをマスターデータとして設定するものである。
【0169】
次にステップS〜Sにおいてニップ(基板とシートの貼り合わせ)を開始し、基準位置から例えば10msec毎にニップ圧データをサンプリングする。そしてステップSにおいて、基準位置から同条件のマスターデータと比較し、規格外の場合はNG信号を出力し装置を停止させる(ステップS,S)。
【0170】
このデータサンプリングおよびマスターデータとの比較処理は、光透過層用のシートおよび基板が貼り合わせ終了位置に到達するまで繰り返し実行され、貼り合わせ終了位置に到達したら良品と判断される(ステップS,S)。
【0171】
ニップ圧力は光ディスクメディアの重要スペックであるSkewと密接な関係があり、ニップ圧力が高すぎるとSkewは悪化していく。そこでマスターデータに対し、例えば図34に示すように「基準ニップ圧上限」というg単位で設定可能なパラメーターを設定しておくことにより、この上限設定を超えるようなケースが発生した際はオペレーターに対しアラームを表示、あるいは装置を停止させNG品の製作をストップさせることが可能となる。
【0172】
また逆にニップ圧が低すぎると今度は貼り合わせ圧力が不十分なために気泡が発生してしまうので、図34のように「基準ニップ圧下限」というパラメーターを設定、管理することで前記同様にNG品の製作をストップできる。
【0173】
さらにマスターデータに対し変動許容幅を設定し、ニップ圧に公差を設けることでより細やかな状態の検知が可能になる。その可能となった検知項目は次のとおりである。
(1)貼り合わせの際の基板−光透過層間の異物はさみ込みの有無。これは例えば図35(a)のようなニップ圧波形となることから検知できる。
(2)基板セット時の表裏判別。これは基板にある積載収納用突起を検知し、図35(b)のようなニップ圧波形となることから検知できる。
(3)光透過層用のシートの貼り合わせ枚数確認。これは例えば図35(c)のようなニップ圧波形となることから、0枚、2枚以上等を検知することができる。
(4)光透過層用保護PET(ポリエチレンテレフタレート)材の有無。これは例えば図35(d)のようなニップ圧波形となることから、PET材の剥離ミスを検知することができる。
(5)ニップロールへの付着物の有無。
(6)ニップロールの変形、及び摩耗。
(7)基板、あるいは光透過層用のシートの厚み確認。
(8)連続運転時のニップ圧力の変動有無。
(9)左右ロードセルのニップ圧差異。
【0174】
以上のように本実施形態例によれば、ニップ開始点より時間毎(例えば10msec程度)、あるいは距離毎(例えば0.5mm)にリアルタイムでニップ圧力のデータをサンプリングしマスターとなる基準データと随時比較する事で、貼り合わせを行いながら瞬時に製品をチェックすることが可能となった。
【0175】
またマスターデータのサンプリング機能を有し、そのデータに対し高/低、左右差異等の変更可能な閾値を設定することにより、リアルタイムで製品の良否を判断することができる。
【0176】
また、複数個のマスターデータ、および閾値を記憶する機能を有する事により、多品種、及びロット(LOT)切り替わり時等、条件が異なるケースにも対応することができる。
【0177】
【発明の効果】
(1)以上のように請求項1〜30に記載の発明によれば、基板を保持した第1の保持手段が第1の直交線に沿って空間を通過するとき、まず基板の一端と光透過層用のシートの一端が、空間内において、筒体の弾性力によって第1の保持手段と筒体外周表面との間に挟まれた状態となり、さらに第1の保持手段が第1の直交線に沿って移動すると、第2の保持手段に摺動可能に保持されている前記シートは、第1の保持手段に保持された基板に圧着した状態で引き込まれていき、該シートの一端から他端にわたって順次基板に圧着され両者の貼り合わせがなされる。
【0178】
このように筒体は移動させず、すなわち従来のように弾性ローラー(筒体)を押し当てた状態で移動させるものではないので、押しシワと称される縞模様ができることは避けられる。これによって光学特性に悪影響を与えることのない光記録媒体を製造することができる。
(2)また請求項2に記載の発明によれば、第1の保持手段は水平に配設され、これに対して所定角度をもって配設される第2の保持手段も水平に近い角度で配設されるため、該第2の保持手段に保持する例えば光透過層用のシートが重力により落下することはあまり考慮に入れなくても良く、該シートの吸着保持力は小さくて済む。
【0179】
このため前記シートのカールぐせなどを矯正するだけの必要最小限の吸引圧、又は吸引圧ゼロにすることができ、シートが挟まれ引き込まれる際の摩擦抵抗を激減することができる。これによって基板の反り量を少なくし、光記録媒体の機械的特性(Skew)を向上させることができる。
(3)また請求項5〜8に記載の発明によれば、光透過層用のシート表面に形成された保護材の剥離およびシートと基板の貼り合わせを一つの装置で自動的に実施することができる。
(4)また請求項9、10に記載の発明によれば、剥離工程から貼り合わせ工程までの作業を極めて短い時間、例えば約3secで行うことができる。
(5)また請求項11に記載の発明によれば、光透過層用のシートと基板が正確に対向するように位置決めすることができ、貼り合わせの位置精度が極めて高くなる。また前記第1および第2の保持手段が高速に移動してもシート、基板の位置ズレは生じない。
(6)また請求項12に記載の発明によれば、サーボモーターによって、第1の保持手段と第2の保持手段を同一加速度、同一移動距離、同一速度で移動させることができ、貼り合わせの位置精度が向上するとともに貼り合わせのばらつきが極めて少なくなる。
(7)また請求項13に記載の発明によれば、メカ機構により第1の保持手段(例えば基板チャックステージ)に第2の保持手段(例えばカバーシートチャックテーブル)が追従するので、電気的な制御を全く必要とせず、貼り合わせ位置のばらつきを少なくすることができる。
(8)また請求項14に記載の発明によれば、第1の保持手段の保持面が空間を通過し、光透過層用のシートの一端から他端にわたって順次基板に圧着され貼り合わせがなされるときに、筒体の外周表面全域にわたって均一な圧力とすることができ、弾性を有する筒体の微小な硬度バラツキによる影響又は偏芯バラツキの影響を無くすことが可能となり、貼り合わせむらが生じることはない。
(9)また請求項15に記載の発明によれば、筒体の回転方向での位相を貼り合わせ開始時に一定に管理することができる。例えば筒体の回転方向位相を固定化することによって、微細なニップ圧力波形の比較が可能となり、Skew変動、膜厚等の異常を検知、管理することができる。
(10)また請求項16に記載の発明によれば、カールした光透過層用のシートであっても、焼結材からなる吸着テーブルによって確実に吸着することができる。
(11)また請求項17〜19に記載の発明によれば、光透過層用のシートとディスク基板の貼り合わせ時に、該シート全面に均一に加圧することができ、中央部より外側に歪を逃がしながらニップし貼り合わせるので、前記シートにストレスを与えることがない。またフラットロールに比べて、気泡が封入する可能性が減少するので、より高速での貼り合わせが可能となる。
(12)また請求項19に記載の発明によれば、芯体の径を中央部に相当する部位とテーパー部に相当する部位とで変えているので、筒体を、硬度の異なる複数の弾性体で構成しなくても、同一の弾性体を用いることによって筒体の中央部とテーパー部で硬度を変えることができる。このため筒体の製造コストを下げることができる。
(13)また請求項20〜27に記載の発明によれば、光透過層用のシートの吸引系統を2系統としたので、内径部の吸引力を、該シートを確実に吸着把持できる圧まで上げ、かつ外径部では該シートをフラットな姿勢に保つ必要最小限の吸引圧にまで下げる事が可能となる。それにより前記シートへの歪発生を抑えつつ位置の再現性も向上させる事が可能となる。
(14)また請求項22、23に記載の発明によれば、光透過層用のシートの内径部と外径部の各吸引圧の差異を更に小さくし、バランス良く前記シートを吸引させることができ、該シートにおける歪発生をより一層抑制することができる。
(15)また請求項24〜27に記載の発明によれば、光透過層用のシートの表面へのダメージを減少させることができ、カールしたシートの吸引保持も確実に行って、姿勢をフラットにすることができる。
(16)また請求項28〜30に記載の発明によれば、光透過層用のシートと基板の貼り合わせ実施中に、リアルタイムで瞬時に製品の良否をチェックすることができる。
(17)また請求項29に記載の発明によれば、基準データに対して基準ニップ圧上限、基準ニップ圧下限や、変動許容幅等を設定することができるので、より細やかな状態検知が可能となる。
(18)また請求項31〜34に記載の発明によれば、簡単な移動工程により第1および第2の保持手段を移動させて光透過層用のシートと基板を貼り合わせるので、押しシワと称される縞模様ができることは避けられる。これによって光学特性に悪影響を与えることのない光記録媒体を製造することができる。
(19)また請求項32に記載の発明によれば、第1の保持手段は水平に配設され、これに対して所定角度をもって配設される第2の保持手段も水平に近い角度で配設されるため、該第2の保持手段に保持する例えば光透過層用のシートが重力により落下することはあまり考慮に入れなくても良く、該シートの吸着保持力は小さくて済む。
【0180】
このため前記シートのカールぐせなどを矯正するだけの必要最小限の吸引圧、又は吸引圧ゼロにすることができ、シートが挟まれ引き込まれる際の摩擦抵抗を激減することができる。これによって基板の反り量を少なくし機械的特性(Skew)を向上させた光記録媒体を製造することができる。
(20)また請求項35〜38に記載の発明によれば、光透過層用のシート表面に形成された保護材の剥離およびシートと基板の貼り合わせを連続して実施することができる。
(21)また請求項39、40に記載の発明によれば、剥離工程から貼り合わせ工程までの作業を極めて短い時間、例えば約3secで行うことができる。
(22)また請求項41、42に記載の発明によれば、貼り合わせ中の光透過層用のシートにかかるテンションを無くすことができ、貼り合わせ後の記録媒体の反りを抑えることができる。
(23)また請求項43に記載の発明によれば、内径部の吸引力を、光透過層用のシートを確実に吸着把持できる圧力まで上げ、かつ外径部では該シートをフラットな姿勢に保つ必要最小限の吸引圧にまで下げる事が可能となる。それにより前記シートへの歪発生を抑えつつ位置の再現性も向上させる事が可能となる。
(24)また請求項44、45に記載の発明によれば、光透過層用のシートと基板の貼り合わせ実施中に、リアルタイムで瞬時に製品の良否をチェックすることができる。
(25)また請求項45に記載の発明によれば、基準データに対して基準ニップ圧上限、基準ニップ圧下限や、変動許容幅等を設定することができるので、より細やかな状態検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を表し、光記録媒体の光透過層用のシート(カバーシート)と基板を貼り合わせるときの機器の構成及び動作の手順を示す説明図。
【図2】本発明を適用した製造装置の一実施形態例の全体構成を示す正面図。
【図3】本発明を適用した製造装置の一実施形態例の全体構成を示す平面図。
【図4】本発明を適用した製造装置の一実施形態例の要部を表し、(a)は保護材剥離部の平面図、(b)は保護材剥離部の正面図。
【図5】本発明を適用した製造装置の一実施形態例の要部であるシート保持器の平面図。
【図6】本発明を適用した製造装置の一実施形態例の要部である弾性ロールとその周辺を示す構成図。
【図7】本発明を適用した製造装置により貼り合わせを行ったときのニップ圧力の波形図。
【図8】ローラープレス装置で用いるフラット型の弾性ロールの断面図。
【図9】フラット型の弾性ロールによる貼り合わせの様子を示す説明図。
【図10】フラット型の弾性ロールによる貼り合わせの不具合を示す光記録媒体の要部平面図。
【図11】クラウン形状の弾性ロールによる貼り合わせの様子を示す説明図。
【図12】弾性ロールの詳細を表し、(a)はクラウン形状の弾性ロールの断面図、(b)はフラット型の弾性ロールの断面図。
【図13】本発明のクラウン形状の弾性ロールによる貼り合わせの様子を示す説明図。
【図14】本発明のクラウン形状の弾性ロールの一実施形態例を示す断面図。
【図15】本発明のクラウン形状の弾性ロールの他の実施形態例を示す断面図。
【図16】本発明のクラウン形状の弾性ロールの他の実施形態例を示す断面図。
【図17】光記録媒体におけるカバー層形成に使用するシートの構成を示す説明図。
【図18】光記録媒体における基板とシートの貼り合わせ手順を示す説明図。
【図19】ローラープレス装置を用いてシートが基板と貼り合わされるまでの手順を示す説明図。
【図20】図19の一部のプロセスを説明する要部構成図。
【図21】(a)は従来の手法でシートと基板を貼り合わせた場合の基板の反り特性を示すグラフ、(b)は本発明の手法でシートと基板を貼り合わせた場合の基板の反り特性を示すグラフ。
【図22】(a)は図21(a)の反り(Skew)データを範囲毎に表示分けしたマップ、(b)はスキューの目盛りを示す説明図、(c)は図21(b)の反りデータを範囲毎に表示分けしたマップ。
【図23】光透過層用のシート位置決め時のシートの姿勢を示す説明図。
【図24】光透過層用のシート位置決め時の不具合を説明する平面図。
【図25】吸引回路を2系統とした発明の一実施形態例を示す要部構成図。
【図26】吸引回路を2系統とした発明の他の実施形態例を示す要部構成図。
【図27】吸引回路を2系統とした発明の他の実施形態例を示す構成図。
【図28】光透過層用のシートの位置決め手段の要部を表し、(a)〜(d)は従来のチャック形状を示す説明図、(e)〜(h)は本発明のチャック形状を示す説明図。
【図29】本発明を適用した製造装置により貼り合わせを行ったときのニップ圧力の基準データを示す波形図。
【図30】本発明を適用した製造装置の一実施形態例の要部である弾性ロールとその周辺を示す構成図。
【図31】製品の良否判定を行う手段を備えた発明の一実施形態例のブロック図。
【図32】製品の良否判定を行う手段を備えた発明の、ニップ圧比較処理のフローチャート。
【図33】製品の良否判定を行う手段を備えた発明の、ニップ圧管理ユニットの操作パネルの一例を示す説明図。
【図34】ニップ圧力のマスターデータに対してしきい値を設定する様子を説明する波形図。
【図35】本発明を適用することにより貼り合わせ時の各種状態が検知できることを表し、(a)は異物挟み込みの有無を検知した場合の説明図、(b)は基板セット時の表裏を判別した場合の説明図、(c)は光透過層用のシートの2枚貼りを検知した場合の説明図、(d)は光透過層用のシート用の保護PET材の有無を検知した場合の説明図。
【符号の説明】
10,27,90,100,110,120…弾性ロール、11,33…基板保持器、12,31…シート保持器、12a…シート保持スライダー、13…ディスク基板、14…光透過層用のシート(カバーシート)、21…剥離テープ供給/回収部、22…保護材剥離部、23…カバーシート供給部、24…除電ユニット、25…カバーシート貼り合わせステージ、26…ディスク基板貼り合わせステージ、28…ディスク基板供給部、32,34…駆動機構、35,38…吸引穴、36…テーブル、37…シート受け皿、42…剥離用ツメ、45,46…センサー、51,151,161…吸引テーブル、52…スライドテーブル、53…内径コレットチャック、54…チャック昇降シリンダー、62a,62b…ロードセル、63a,63b…ベロフラムシリンダー、67…直動ユニット、70…位相合わせ用モーター、91,101,111…芯金、92,102,112…ロール部弾性体、92a,102a,112a…中央部、92b,102b,112b…テーパー部、122a…低硬度弾性体、152,155,162プレート、153,154,163,164…吸引エアー回路、153H,154H…吸引孔、153P,154P,163P,163P′,164P,164P,164P…吸引用ポート、169…多孔質部材、193,194a,194b…吸引用配管。

Claims (45)

  1. 基板上に、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、該情報信号部側の基板上であって、前記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを備えた光記録媒体の製造装置において、
    弾性を有するとともに所定径を有した回転可能な筒体と、
    前記筒体の外周表面から所定距離隔てた部位における、該筒体の中心軸と平行な軸平行線と該軸平行線に直交する第1の直交線とで形成される第1の平面上であって、前記第1の直交線に沿って、前記筒体の外周表面と前記軸平行線との間に形成される空間を通過できるように配設され、前記空間側の面に前記光透過層用のシート又は基板のうちいずれか一方を保持する第1の保持手段と、
    前記第1の平面の前記筒体側に対向する平面であって、前記軸平行線と、該軸平行線に直交し且つ前記第1の平面に対して所定角度を有した第2の直交線とで形成される第2の平面上に移動可能に配設され、前記第1の保持手段の保持面に対向する面に、前記シート又は基板のうちいずれか他方を摺動可能に保持する第2の保持手段とを備え、
    前記第1の保持手段および第2の保持手段を前記空間側に移動させて前記光透過層用のシートと基板とを貼り合わせることを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  2. 前記筒体はその中心軸が水平となるように配置され、前記第1の直交線は水平であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  3. 前記第1の保持手段は前記基板を保持し、前記第2の保持手段は前記光透過層用のシートを摺動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  4. 前記第1の保持手段は前記基板を保持し、前記第2の保持手段は前記光透過層用のシートを摺動可能に保持することを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体の製造装置。
  5. 前記保持される光透過層用のシート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させて前記保護材を剥離する剥離手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  6. 前記保持される光透過層用のシート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させて前記保護材を剥離する剥離手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体の製造装置。
  7. 前記保持される光透過層用のシート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させて前記保護材を剥離する剥離手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体の製造装置。
  8. 前記保持される光透過層用のシート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させて前記保護材を剥離する剥離手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体の製造装置。
  9. 前記剥離手段、前記第1の保持手段、前記第2の保持手段は同一直線上に配設され、前記剥離手段の保護材剥離動作、前記保護材が剥離された前記シートを、前記第2の保持手段に保持させる動作、前記基板を第1の保持手段に保持させる動作、前記第1および第2の保持手段を前記空間側に移動させる動作とを連続して行うように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体の製造装置。
  10. 前記剥離手段、前記第1の保持手段、前記第2の保持手段は同一直線上に配設され、前記剥離手段の保護材剥離動作、前記保護材が剥離された前記シートを、前記第2の保持手段に保持させる動作、前記基板を第1の保持手段に保持させる動作、前記第1および第2の保持手段を前記空間側に移動させる動作とを連続して行うように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光記録媒体の製造装置。
  11. 前記第1の保持手段および第2の保持手段は、各保持物の位置決めを行う位置決め手段を各々有していることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  12. 前記第1の保持手段および第2の保持手段の移動制御はサーボモータにより行われることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  13. 前記第2の保持手段は第1の保持手段に追従して移動できる機構に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  14. 前記第1の保持手段の保持面が前記空間を通過する際の、前記筒体の圧力を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  15. 前記筒体には、回転方向の位相を制御する位相合わせ手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  16. 前記第2の保持手段は、焼結材の吸着テーブルを有していることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  17. 前記筒体は、軸方向両端部の径が中央部の径よりも小さく形成され、該中央部と両端部の間に形成されたテーパー部を有し、前記筒体の中央部の硬度は前記テーパー部の硬度より低く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  18. 前記筒体内には、軸方向全域にわたって同一径に形成された芯体が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の光記録媒体の製造装置。
  19. 前記筒体内には、前記中央部に相当する部位の径が、前記テーパー部に相当する部位の径よりも小さい径に形成された芯体が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の光記録媒体の製造装置。
  20. 前記第2の保持手段の保持面には、
    内周部に配設されて吸引圧力が印加される内周吸引回路と、
    外周部に配設されて吸引圧力が印加される外周吸引回路と
    が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体の製造装置。
  21. 前記内周吸引回路および外周吸引回路の各吸引圧力を個別に制御する吸引圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項20に記載の光記録媒体の製造装置。
  22. 前記内周吸引回路の中央に設けられた内径エアー吸引口と、前記外周吸引回路を2分割した各領域の各々中央に設けられた外径エアー吸引口とを備えたことを特徴とする請求項20に記載の光記録媒体の製造装置。
  23. 前記内周吸引回路の中央に設けられた内径エアー吸引口と、前記外周吸引回路を2分割した各領域の各々中央に設けられた外径エアー吸引口とを備えたことを特徴とする請求項21に記載の光記録媒体の製造装置。
  24. 前記第2の保持手段の保持面には、微細空孔を有した多孔質材が配設されていることを特徴とする請求項20に記載の光記録媒体の製造装置。
  25. 前記第2の保持手段の保持面には、微細空孔を有した多孔質材が配設されていることを特徴とする請求項21に記載の光記録媒体の製造装置。
  26. 前記第2の保持手段の保持面には、微細空孔を有した多孔質材が配設されていることを特徴とする請求項22に記載の光記録媒体の製造装置。
  27. 前記第2の保持手段の保持面には、微細空孔を有した多孔質材が配設されていることを特徴とする請求項23に記載の光記録媒体の製造装置。
  28. 前記筒体の軸方向両端に各々配設され、前記光透過層用のシートおよび基板の貼り合わせ時に前記筒体に印加される圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記圧力測定手段で測定された圧力データと、最適貼り合わせ条件で光透過層用のシートと基板を貼り合わせたときに前記圧力測定手段によって測定した基準データに基づいて、製品の良否判定を行う良否判定手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造装置。
  29. 前記良否判定手段は、前記基準データに対して所定のしきい値を設定する機能を有し、該設定されたしきい値データと前記圧力データとを比較して製品の良否判定を行うことを特徴とする請求項28に記載の光記録媒体の製造装置。
  30. 前記良否判定手段は、複数個の前記基準データ及びしきい値データを記憶する機能を有していることを特徴とする請求項29に記載の光記録媒体の製造装置。
  31. 基板上に、情報信号を記録可能および/または再生可能に構成された情報信号部と、該情報信号部側の基板上であって、前記情報信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に構成された光透過層とを備えた光記録媒体の製造方法において、
    弾性を有するとともに所定径を有した回転可能な筒体の外周表面から所定距離隔てた部位における、該筒体の中心軸と平行な軸平行線と該軸平行線に直交する第1の直交線とで形成される第1の平面上に第1の保持手段を移動可能に配設し、
    前記第1の平面の前記筒体側に対向する平面であって、前記軸平行線と、該軸平行線に直交し且つ前記第1の平面に対して所定角度を有した第2の直交線とで形成される第2の平面上に第2の保持手段を移動可能に配設し、
    前記第1の保持手段の前記第2の保持手段と対向する側の面に、前記光透過層用のシート又は基板のうちいずれか一方を保持し、
    前記第2の保持手段の前記第1の保持手段と対向する側の面であって且つ前記いずれか一方の保持物の保持位置に対向して、前記光透過層用のシート又は基板のうちいずれか他方を摺動可能に保持し、
    前記シートおよび基板を対向保持した第1の保持手段および第2の保持手段を、それらの各一端が、前記筒体の外周表面と前記軸平行線との間に形成される空間付近に位置するように、同時に移動させる第1の移動工程と、
    前記第1の移動工程実行後に、前記第1の保持手段の保持面が、その一端から他端にかけて前記空間を通過するように、前記第1の直交線に沿って前記第1の保持手段を移動させる第2の移動工程とを実行して、
    前記シートと基板とを貼り合わせることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  32. 前記筒体はその中心軸が水平となるように配置され、前記第1の直交線は水平であることを特徴とする請求項31に記載の光記録媒体の製造方法。
  33. 前記第1の保持手段は前記基板を保持し、前記第2の保持手段は前記光透過層用のシートを摺動可能に保持することを特徴とする請求項31に記載の光記録媒体の製造方法。
  34. 前記第1の保持手段は前記基板を保持し、前記第2の保持手段は前記光透過層用のシートを摺動可能に保持することを特徴とする請求項32に記載の光記録媒体の製造方法。
  35. 前記保持される光透過層用のシートは、該シート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させる剥離工程を実行することによって、前記保護材が剥離されていることを特徴とする請求項31に記載の光記録媒体の製造方法。
  36. 前記保持される光透過層用のシートは、該シート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させる剥離工程を実行することによって、前記保護材が剥離されていることを特徴とする請求項32に記載の光記録媒体の製造方法。
  37. 前記保持される光透過層用のシートは、該シート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させる剥離工程を実行することによって、前記保護材が剥離されていることを特徴とする請求項33に記載の光記録媒体の製造方法。
  38. 前記保持される光透過層用のシートは、該シート表面に形成された保護材を粘着部材に密着させた後、該粘着部材を移動させる剥離工程を実行することによって、前記保護材が剥離されていることを特徴とする請求項34に記載の光記録媒体の製造方法。
  39. 前記剥離工程、前記保護材が剥離された前記シートを前記第2の保持手段に保持させる動作、前記基板を第1の保持手段に保持させる動作、前記第1の移動工程および前記第2の移動工程を連続して実行することを特徴とする請求項37に記載の光記録媒体の製造方法。
  40. 前記剥離工程、前記保護材が剥離された前記シートを前記第2の保持手段に保持させる動作、前記基板を第1の保持手段に保持させる動作、前記第1の移動工程および前記第2の移動工程を連続して実行することを特徴とする請求項38に記載の光記録媒体の製造方法。
  41. 前記第1の移動工程実行時は前記第2の保持手段によって前記光透過層用のシートを吸引し、前記第2の移動工程実行時は前記吸引を行わないことを特徴とする請求項33に記載の光記録媒体の製造方法。
  42. 前記第1の移動工程実行時は前記第2の保持手段によって前記光透過層用のシートを吸引し、前記第2の移動工程実行時は前記吸引を行わないことを特徴とする請求項34に記載の光記録媒体の製造方法。
  43. 前記第2の保持手段が前記光透過層用のシートを保持するときは、該シートの内周部と外周部とで各々異なる吸引圧力で吸引保持することを特徴とする請求項31に記載の光記録媒体の製造方法。
  44. 最適貼り合わせ条件によって前記第2の移動工程を実行したときに前記筒体に印加される圧力を測定し、該測定データを基準データとして設定する基準データ設定処理と、
    前記第2の移動工程実行時に前記筒体に印加される圧力を測定する圧力測定処理と、
    前記圧力測定処理により測定された圧力データと、前記基準データ設定処理により設定された基準データを比較し、製品の良否を判定する良否判定処理と
    を実行することを特徴とする請求項31に記載の光記録媒体の製造方法。
  45. 前記基準データ設定処理は、前記測定データに対して所定のしきい値を設定する処理を含んでいることを特徴とする請求項44に記載の光記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI655711B (zh) * 2017-01-25 2019-04-01 日商日本麥克隆尼股份有限公司 夾持裝置以及夾持方法

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