JP2004144656A - 造波装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】造波装置をコンパクトな構成にして、造波板の前方に大きな造波発生範囲を取ることができるにすること。
【解決手段】造波装置10は複数の造波板11を包含し、各造波板の下端は試験水槽12の底部側で架台13、ヒンジ14を介して揺動可能に支持されている。各造波板の上端は、駆動用モータ20、ボールネジ19、スライダガイド21を介して造波方向15に往復直線運動をする往復スライダ16に連結されている。上記構成の造波装置において、複数の造波板11は往復スライダ16の往復走行路の下側に配置されてコンパクト化が図れている。連結手段は、ボールスプライン17とし、造波装置のコンパクト化に加え、造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して正確な波形を発生させ、かつ造波板の揺動運動範囲を往復スライダの走行路範囲内に完全に収めるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】造波装置10は複数の造波板11を包含し、各造波板の下端は試験水槽12の底部側で架台13、ヒンジ14を介して揺動可能に支持されている。各造波板の上端は、駆動用モータ20、ボールネジ19、スライダガイド21を介して造波方向15に往復直線運動をする往復スライダ16に連結されている。上記構成の造波装置において、複数の造波板11は往復スライダ16の往復走行路の下側に配置されてコンパクト化が図れている。連結手段は、ボールスプライン17とし、造波装置のコンパクト化に加え、造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して正確な波形を発生させ、かつ造波板の揺動運動範囲を往復スライダの走行路範囲内に完全に収めるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶や海洋構造物の耐波性能試験に用いられる造波装置に関し、より詳細には、造波装置をコンパクト化して、試験水槽を有効に活用できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶や海洋構造物の耐波性能試験は、通常スケールモデルを使って、試験水槽で実施される。この時、造波装置を用いて試験水槽内に実海域の波などを発生させており、通常、最も基本的な水槽試験は、規則波(波の形が正弦波)にて実施しており、したがって正確な波形を発生させることが重要である。そこで、正確な波形を発生できる従来の造波装置として、図5及び図6に示すようなものがある。
【0003】
この従来の造波装置100は複数の造波板101を包含し(図5は一枚の造波板しか示していないが、複数の造波板が試験水槽102の幅方向(図面に対して垂直な方向)に併設されているものである)、各造波板101の下端は試験水槽102の底部側で架台103の底板103aに設けられているヒンジ104により揺動可能に支持されている。
そして、各造波板101の上端は、造波方向105(試験水槽102の長さ方向)に往復直線運動をする往復スライダ106に連結ロッド107及びフレキシブルジョイント108を介して連結されている。往復スライダ106は駆動機構のボールネジ109に螺合され、このボールネジが駆動用モータ110により正・逆回転させられることにより、往復スライダ106はスライダガイド111に沿って往復直線運動をし、これにより連結ロッド107及びフレキシブルジョイント108を介して造波板101が図5に点線で示すように揺動運動をし、波112を発生せしめる。
【0004】
この場合、往復スライダ106と一緒に水平位置で往復直線運動をする連結ロッド107と円弧運動をする造波板101とは、図6に一例を詳細に示すように、フレキシブルジョイント108により連結され、造波板101の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動が、造波板の上端101aに設けられている滑り溝113と連結ロッド109に設けられてこの滑り溝内に摺動可能に位置している滑りバー114とによって吸収され、連結ロッドと造波板との連結部位置(滑りバー114の位置であって、図5では符号5で示されている)が常に一定高さに位置することから、正確な波形を発生させることができる。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−248595号公報(第3頁第3欄第26行−第4頁第5欄第28行、図1及び図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の造波装置100は、往復スライダ106と一緒に水平位置で往復直線運動をする連結ロッド107と円弧運動をする造波板101とをフレキシブルジョイント108により連結して、造波板101の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収し、正確な波形を発生させることができるものである。
【0007】
しかしながら、限られた大きさの試験水槽102、特に既設の試験水槽においては、造波板前方の造波発生範囲を可能な限り広く取ろうする場合、造波板101が往復スライダ106の往復走行路の前方に配置されて、連結ロッド107及びフレキシブルジョイント108を介して揺動運動させられるものであることから、造波板の前方に大きな造波発生範囲を取ることができないものであった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、試験水槽、特に既設の試験水槽に配設される造波装置をコンパクトな構成にして、造波板の前方に大きな造波発生範囲を取ることができるようにし、これにより試験水槽の面積を有効に活用できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、複数の造波板を包含し、各造波板の下端を試験水槽の底部側で揺動可能に支持すると共に、各造波板の上端を造波方向に往復直線運動をする往復スライダに連結手段を介して連結してなる造波装置において、前記複数の造波板を前記往復スライダの往復走行路の下側に配置したことを特徴し、これにより、造波装置をコンパクトな構成にして、造波板前方に大きな造波発生範囲を取ることができるようにし、試験水槽、特に既設の試験水槽の面積を有効に活用できるようにしたものである。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、前記連結手段が往復スライダ側に取り付けた第1の連結部材と、前記造波板側に取り付けた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が前記造波板の円弧運動により造波板の高さ方向に相対的に移動可能であることを特徴し、これにより、造波装置のコンパクト化に加え、これら連結部材の相対的移動により造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して、正確な波形を発生させることができる。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、前記連結手段がボールスプラインであることを特徴とし、これにより、造波装置のコンパクト化及び正確な波形の発生に加え、造波板の揺動運動範囲を往復スライダの走行路範囲内に完全に収めて、試験水槽面積を一層有効に活用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳述する。
【0013】
図1は本発明による造波装置の一実施形態を示す概略側面図であり、造波装置10は複数の造波板11を包含している。なお、図1には一枚の造波板しか示されていないが、実際には複数の造波板11が試験水槽12の幅方向(図面に対して垂直な方向)に併設されている。これら複数の造波板11は、本発明にしたがって、試験水槽12内において造波方向15(試験水槽12の長さ方向)に往復直線運動をする往復スライダ16の往復走行路の下側に配置されて、揺動運動ができるようにしている。
【0014】
すなわち、各造波板11は往復スライダ16の往復走行路の下側に配置され、その各下端は試験水槽12の底部側で架台13の底板13aに設けられているヒンジ14により揺動可能に支持されている。
そして、各造波板11の上端は、造波方向15に往復直線運動をする往復スライダ16にボールスプライン17を介して連結されている。往復スライダ16は駆動機構のボールネジ19に螺合され、このボールネジが駆動用モータ20により正・逆回転させられることにより、往復スライダ16はスライダガイド21に沿って往復直線運動をし、これによりボールスプライン17を介して造波板11が図1に点線で示すように揺動運動をし、波22を発生せしめる。
【0015】
このように、複数の造波板11を往復スライダ16の往復走行路の下側に配置することにより、造波装置10をコンパクトな構成にして、造波板11の前方に大きな造波発生範囲を取ることができ、したがって試験水槽12、特に既設の試験水槽の面積を有効に活用することができる。
【0016】
次に、図2〜図4を参照し、ボールスプライン17により造波板11と往復スライダ16とを連結する構成について詳細に説明する。図2は図1のボールスプライン部分の拡大詳細図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図3のB−B線断面図である。
【0017】
これらの図において、ボールスプライン17はそれ自体周知なので詳細な説明は省略するが、そのスプライン軸17aにスライダ17bが嵌合され、このスライダに組み込まれている複数のボール(図示せず)がスプライン軸17aの転動溝を滑らかに直線運動をしながらトルク伝達ができる直動機構であり、本実施形態によれば、そのスプライン軸17aの下端が、取付板23の中央穴23aに挿入されて押え板24によりボルト31でスプライン軸17aと取付板23に固定している。この取付板23がボルト・ナットなどの締結手段25により造波板11の上端に取付けられ、これにより、スプライン軸17aが造波板11の高さ方向に延在している。
【0018】
そして、このボールスプライン17のスライダ17bは、トラニオン18の支持筒18aの内部に嵌入されて押え板26により固定されている。この押え板26は、図4に示すように、ボルト30によって支持筒18aに固定されている。トラニオン18のトラニオン軸18bの両端はブッシュ27を介して一対のリテーナ28により回転可能に支持され、これらのリテーナ28はトラニオン取付台29を介して駆動機構の往復スライダ16に連結されている。
【0019】
以上述べた構成において、往復スライダ16は、上述したように、ボールネジ19が駆動用モータ20により正・逆回転させられることにより、スライダガイド21に沿って往復直線運動をし、これによりボールスプライン17を介して造波板11が図1に点線で示すように揺動運動をし、波22を発生せしめるものであるが、この場合、ボールスプライン17のスプライン軸17aとスライダ17bとの相対的な移動により、造波板11の円弧運動による高さ方向の連結部位置(スライダ17bとトラニオン18の支持筒18aとの嵌合固定位置であって、図1では符号Sで示されている)移動を吸収し、これにより往復スライダ16と造波板11との連結部位置Sを常に一定高さに位置して、正確な波形を発生させることができる。
【0020】
また、このようなボールスプラインを用いる連結構成は、造波装置のコンパクト化及び正確な波形の発生に加え、図5及び図6に示した従来の造波装置における連結ロッド107の如き水平方向の連結ロッドを用いていないので、造波板11の揺動運動範囲を図1に示されるように往復スライダ16の走行路範囲内に完全に収めることができ、したがって、試験水槽12、特に既設の試験水槽の面積を一層有効に活用することができる。
【0021】
しかしながら、本発明において、ボールスプライン以外の他の連結手段を採用できることは勿論であり、連結手段は、往復スライダ側に取り付けられた第1の連結部材と造波板側に取り付けられた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が造波板の円弧運動により造波板の高さ方向に相対的に移動可能であり、これら連結部材の相対的移動により造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して、正確な波形を発生させることができるものであれば良い。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の本発明によれば、複数の造波板を包含し、各造波板の下端を試験水槽の底部側で揺動可能に支持すると共に、各造波板の上端を造波方向に往復直線運動をする往復スライダに連結手段を介して連結してなる造波装置において、前記複数の造波板を前記往復スライダの往復走行路の下側に配置したので、造波装置をコンパクトな構成にして、その造波板前方に大きな造波発生範囲を取ることができ、したがって試験水槽、特に既設の試験水槽の面積を有効に活用することができる。
【0023】
請求項2に記載の本発明は、前記連結手段が往復スライダ側に取り付けた第1の連結部材と、前記造波板側に取り付けた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が前記造波板の円弧運動による高さ方向に相対的に移動可能であるようにしたので、造波装置のコンパクト化に加え、これら連結部材の相対的移動により造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して、正確な波形を発生させることができる。
【0024】
請求項3に記載の本発明は、前記連結手段がボールスプラインであるので、造波装置のコンパクト化及び正確な波形の発生に加え、造波板の揺動運動範囲を往復スライダの走行路範囲内に完全に収めて、試験水槽、特に既設の試験水槽の面積を一層有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による造波装置の一実施形態を示す概略側面図である。
【図2】図1のボールスプライン部分の拡大詳細図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】従来の造波装置を示す概略側面図である。
【図6】図5のフレキシブルジョイントの一例を詳細に示す図である。
【符号の説明】
10 造波装置
11 造波板
12 試験水槽
13 架台
14 ヒンジ
15 造波方向
16 往復スライダ
17 ボールスプライン
17a スプライン軸
17b スライダ
18 トラニオン
19 ボールネジ
20 駆動用モータ
21 スライダガイド
22 波
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶や海洋構造物の耐波性能試験に用いられる造波装置に関し、より詳細には、造波装置をコンパクト化して、試験水槽を有効に活用できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶や海洋構造物の耐波性能試験は、通常スケールモデルを使って、試験水槽で実施される。この時、造波装置を用いて試験水槽内に実海域の波などを発生させており、通常、最も基本的な水槽試験は、規則波(波の形が正弦波)にて実施しており、したがって正確な波形を発生させることが重要である。そこで、正確な波形を発生できる従来の造波装置として、図5及び図6に示すようなものがある。
【0003】
この従来の造波装置100は複数の造波板101を包含し(図5は一枚の造波板しか示していないが、複数の造波板が試験水槽102の幅方向(図面に対して垂直な方向)に併設されているものである)、各造波板101の下端は試験水槽102の底部側で架台103の底板103aに設けられているヒンジ104により揺動可能に支持されている。
そして、各造波板101の上端は、造波方向105(試験水槽102の長さ方向)に往復直線運動をする往復スライダ106に連結ロッド107及びフレキシブルジョイント108を介して連結されている。往復スライダ106は駆動機構のボールネジ109に螺合され、このボールネジが駆動用モータ110により正・逆回転させられることにより、往復スライダ106はスライダガイド111に沿って往復直線運動をし、これにより連結ロッド107及びフレキシブルジョイント108を介して造波板101が図5に点線で示すように揺動運動をし、波112を発生せしめる。
【0004】
この場合、往復スライダ106と一緒に水平位置で往復直線運動をする連結ロッド107と円弧運動をする造波板101とは、図6に一例を詳細に示すように、フレキシブルジョイント108により連結され、造波板101の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動が、造波板の上端101aに設けられている滑り溝113と連結ロッド109に設けられてこの滑り溝内に摺動可能に位置している滑りバー114とによって吸収され、連結ロッドと造波板との連結部位置(滑りバー114の位置であって、図5では符号5で示されている)が常に一定高さに位置することから、正確な波形を発生させることができる。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−248595号公報(第3頁第3欄第26行−第4頁第5欄第28行、図1及び図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の造波装置100は、往復スライダ106と一緒に水平位置で往復直線運動をする連結ロッド107と円弧運動をする造波板101とをフレキシブルジョイント108により連結して、造波板101の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収し、正確な波形を発生させることができるものである。
【0007】
しかしながら、限られた大きさの試験水槽102、特に既設の試験水槽においては、造波板前方の造波発生範囲を可能な限り広く取ろうする場合、造波板101が往復スライダ106の往復走行路の前方に配置されて、連結ロッド107及びフレキシブルジョイント108を介して揺動運動させられるものであることから、造波板の前方に大きな造波発生範囲を取ることができないものであった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、試験水槽、特に既設の試験水槽に配設される造波装置をコンパクトな構成にして、造波板の前方に大きな造波発生範囲を取ることができるようにし、これにより試験水槽の面積を有効に活用できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、複数の造波板を包含し、各造波板の下端を試験水槽の底部側で揺動可能に支持すると共に、各造波板の上端を造波方向に往復直線運動をする往復スライダに連結手段を介して連結してなる造波装置において、前記複数の造波板を前記往復スライダの往復走行路の下側に配置したことを特徴し、これにより、造波装置をコンパクトな構成にして、造波板前方に大きな造波発生範囲を取ることができるようにし、試験水槽、特に既設の試験水槽の面積を有効に活用できるようにしたものである。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、前記連結手段が往復スライダ側に取り付けた第1の連結部材と、前記造波板側に取り付けた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が前記造波板の円弧運動により造波板の高さ方向に相対的に移動可能であることを特徴し、これにより、造波装置のコンパクト化に加え、これら連結部材の相対的移動により造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して、正確な波形を発生させることができる。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、前記連結手段がボールスプラインであることを特徴とし、これにより、造波装置のコンパクト化及び正確な波形の発生に加え、造波板の揺動運動範囲を往復スライダの走行路範囲内に完全に収めて、試験水槽面積を一層有効に活用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳述する。
【0013】
図1は本発明による造波装置の一実施形態を示す概略側面図であり、造波装置10は複数の造波板11を包含している。なお、図1には一枚の造波板しか示されていないが、実際には複数の造波板11が試験水槽12の幅方向(図面に対して垂直な方向)に併設されている。これら複数の造波板11は、本発明にしたがって、試験水槽12内において造波方向15(試験水槽12の長さ方向)に往復直線運動をする往復スライダ16の往復走行路の下側に配置されて、揺動運動ができるようにしている。
【0014】
すなわち、各造波板11は往復スライダ16の往復走行路の下側に配置され、その各下端は試験水槽12の底部側で架台13の底板13aに設けられているヒンジ14により揺動可能に支持されている。
そして、各造波板11の上端は、造波方向15に往復直線運動をする往復スライダ16にボールスプライン17を介して連結されている。往復スライダ16は駆動機構のボールネジ19に螺合され、このボールネジが駆動用モータ20により正・逆回転させられることにより、往復スライダ16はスライダガイド21に沿って往復直線運動をし、これによりボールスプライン17を介して造波板11が図1に点線で示すように揺動運動をし、波22を発生せしめる。
【0015】
このように、複数の造波板11を往復スライダ16の往復走行路の下側に配置することにより、造波装置10をコンパクトな構成にして、造波板11の前方に大きな造波発生範囲を取ることができ、したがって試験水槽12、特に既設の試験水槽の面積を有効に活用することができる。
【0016】
次に、図2〜図4を参照し、ボールスプライン17により造波板11と往復スライダ16とを連結する構成について詳細に説明する。図2は図1のボールスプライン部分の拡大詳細図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図3のB−B線断面図である。
【0017】
これらの図において、ボールスプライン17はそれ自体周知なので詳細な説明は省略するが、そのスプライン軸17aにスライダ17bが嵌合され、このスライダに組み込まれている複数のボール(図示せず)がスプライン軸17aの転動溝を滑らかに直線運動をしながらトルク伝達ができる直動機構であり、本実施形態によれば、そのスプライン軸17aの下端が、取付板23の中央穴23aに挿入されて押え板24によりボルト31でスプライン軸17aと取付板23に固定している。この取付板23がボルト・ナットなどの締結手段25により造波板11の上端に取付けられ、これにより、スプライン軸17aが造波板11の高さ方向に延在している。
【0018】
そして、このボールスプライン17のスライダ17bは、トラニオン18の支持筒18aの内部に嵌入されて押え板26により固定されている。この押え板26は、図4に示すように、ボルト30によって支持筒18aに固定されている。トラニオン18のトラニオン軸18bの両端はブッシュ27を介して一対のリテーナ28により回転可能に支持され、これらのリテーナ28はトラニオン取付台29を介して駆動機構の往復スライダ16に連結されている。
【0019】
以上述べた構成において、往復スライダ16は、上述したように、ボールネジ19が駆動用モータ20により正・逆回転させられることにより、スライダガイド21に沿って往復直線運動をし、これによりボールスプライン17を介して造波板11が図1に点線で示すように揺動運動をし、波22を発生せしめるものであるが、この場合、ボールスプライン17のスプライン軸17aとスライダ17bとの相対的な移動により、造波板11の円弧運動による高さ方向の連結部位置(スライダ17bとトラニオン18の支持筒18aとの嵌合固定位置であって、図1では符号Sで示されている)移動を吸収し、これにより往復スライダ16と造波板11との連結部位置Sを常に一定高さに位置して、正確な波形を発生させることができる。
【0020】
また、このようなボールスプラインを用いる連結構成は、造波装置のコンパクト化及び正確な波形の発生に加え、図5及び図6に示した従来の造波装置における連結ロッド107の如き水平方向の連結ロッドを用いていないので、造波板11の揺動運動範囲を図1に示されるように往復スライダ16の走行路範囲内に完全に収めることができ、したがって、試験水槽12、特に既設の試験水槽の面積を一層有効に活用することができる。
【0021】
しかしながら、本発明において、ボールスプライン以外の他の連結手段を採用できることは勿論であり、連結手段は、往復スライダ側に取り付けられた第1の連結部材と造波板側に取り付けられた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が造波板の円弧運動により造波板の高さ方向に相対的に移動可能であり、これら連結部材の相対的移動により造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して、正確な波形を発生させることができるものであれば良い。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の本発明によれば、複数の造波板を包含し、各造波板の下端を試験水槽の底部側で揺動可能に支持すると共に、各造波板の上端を造波方向に往復直線運動をする往復スライダに連結手段を介して連結してなる造波装置において、前記複数の造波板を前記往復スライダの往復走行路の下側に配置したので、造波装置をコンパクトな構成にして、その造波板前方に大きな造波発生範囲を取ることができ、したがって試験水槽、特に既設の試験水槽の面積を有効に活用することができる。
【0023】
請求項2に記載の本発明は、前記連結手段が往復スライダ側に取り付けた第1の連結部材と、前記造波板側に取り付けた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が前記造波板の円弧運動による高さ方向に相対的に移動可能であるようにしたので、造波装置のコンパクト化に加え、これら連結部材の相対的移動により造波板の円弧運動による高さ方向の連結部位置移動を吸収して、正確な波形を発生させることができる。
【0024】
請求項3に記載の本発明は、前記連結手段がボールスプラインであるので、造波装置のコンパクト化及び正確な波形の発生に加え、造波板の揺動運動範囲を往復スライダの走行路範囲内に完全に収めて、試験水槽、特に既設の試験水槽の面積を一層有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による造波装置の一実施形態を示す概略側面図である。
【図2】図1のボールスプライン部分の拡大詳細図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】従来の造波装置を示す概略側面図である。
【図6】図5のフレキシブルジョイントの一例を詳細に示す図である。
【符号の説明】
10 造波装置
11 造波板
12 試験水槽
13 架台
14 ヒンジ
15 造波方向
16 往復スライダ
17 ボールスプライン
17a スプライン軸
17b スライダ
18 トラニオン
19 ボールネジ
20 駆動用モータ
21 スライダガイド
22 波
Claims (3)
- 複数の造波板を包含し、各造波板の下端を試験水槽の底部側で揺動可能に支持すると共に、各造波板の上端を造波方向に往復直線運動をする往復スライダに連結手段を介して連結してなる造波装置において、前記複数の造波板を前記往復スライダの往復走行路の下側に配置したことを特徴とする造波装置。
- 請求項1に記載の造波装置において、前記連結手段が往復スライダ側に取り付けた第1の連結部材と、前記造波板側に取り付けた第2の連結部材とを包含し、これらの連結部材が前記造波板の円弧運動により造波板の高さ方向に相対的に移動可能であることを特徴とする造波装置。
- 請求項2に記載の造波装置において、前記連結手段がボールスプラインであることを特徴とする造波装置。
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- 2002-10-25 JP JP2002311066A patent/JP2004144656A/ja not_active Withdrawn
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