JP2004144643A - ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトコンベアで搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能なベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置及びその方法並びに移動速度を正確に把握するためのベルトコンベアの移動速度測定方法を提供する。
【解決手段】ベルトコンベア11で搬送中の固体原料12の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、固体原料12の表面までの距離からベルトコンベア11上の固体原料12の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段19と、ベルトコンベア11の移動速度の測定手段20と、測定手段20の計測結果及び固体原料12の表面高さから固体原料12の表面の各位置の3次元座標を計算して固体原料12の積載形状を決定し、空荷状態のベルトコンベア11の形状からベルトコンベア11上の固体原料12の搬送体積を求める搬送量演算手段21とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ベルトコンベア11で搬送中の固体原料12の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、固体原料12の表面までの距離からベルトコンベア11上の固体原料12の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段19と、ベルトコンベア11の移動速度の測定手段20と、測定手段20の計測結果及び固体原料12の表面高さから固体原料12の表面の各位置の3次元座標を計算して固体原料12の積載形状を決定し、空荷状態のベルトコンベア11の形状からベルトコンベア11上の固体原料12の搬送体積を求める搬送量演算手段21とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトコンベアで不定形の固体原料を搬送する際の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルトコンベアを用いて土砂を搬送する設備においては、土砂の搬送費用の見積や、工程等の施工管理を行なう上で、ベルトコンベアで搬送した土砂の搬送量、特に土砂の搬送体積を正確に計量することが必須となる。
ベルトコンベアで搬送する土砂の搬送体積を計量する実用化された方法として、ベルトコンベアにベルトスケールを組み込み、ベルトコンベアで搬送する土砂重量を連続的に測定し、単位時間当たりのベルトコンベアによる土砂搬送重量を求めて、土砂比重(単位体積重量)から単位時間当たりのベルトコンベアによる搬送土量(体積)を求める重量計測方式が採用されている。しかし、ベルトスケールによるベルトコンベアの搬送量の重量計測方式は、所定長さ当たりのベルトコンベア重量に比べてその上に積載する土砂の重量が軽い場合は測定誤差が大きくなり、しかも、土砂の含有水分量の変動によっても測定誤差が変動する。また、土砂搬送重量を土砂の比重で除すことにより体積を求めるので、土質の変化に応じて土砂比重を正確に測定しなければ、正確な搬送土量の測定ができないという問題がある。更に、ベルトコンベアの張力変化によっても測定誤差が生じる等の問題がある。このため、ベルトコンベアで搬送される土砂の重量を測定せずに、搬送土量を求める方法が考案されている。
【0003】
搬送土量を求める方法として、ベルトコンベアで搬送される搬送土砂の横断面が進行方向に一定であるという仮定の下に、横断面の断面積に移動速度を乗じて単位時間当たりのベルトコンベアの搬送土量を算出する方式がある。そして、ベルトコンベア上の搬送土砂の横断面の断面積を求める方法としては、搬送土面上の複数点の高さを求めて断面積を求める方法と、横断面の形状を求めてその画像処理から断面積を求める方法がある。
搬送土面上の複数点の高さを求めて断面積を求める方法には、ベルトコンベアの上方にベルトコンベア幅方向に一定ピッチで設置した複数の非接触型の距離計(例えば、レーザ光を用いた光波距離計、もしくは超音波を用いた超音波距離計)で搬送土面までの垂直距離をそれぞれ測定し、各垂直距離から搬送土面の各点の高さを求めて横断面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献1〜3参照)、あるいはベルトコンベアの上方の定点にベルトコンベアを横切って一方の端部から他方の端部まで走査可能な光波距離計を設置して所定の角度毎に順次レーザ光を照射して定点と搬送土面上の複数の点との間の距離を順次測定し、レーザ光を照射したときの角度とそのとき得られた距離から横断面の断面積を算出して、予め求めておいた空荷状態のベルトコンベアの横断面の断面積を差し引いて実質的な搬送土面の断面積を算出する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
画像処理により搬送土砂の横断面の断面積を求める方法には、ベルトコンベアの上方からスリット光源によりスリット光束をベルトコンベアの進行方向と直角方向に搬送土面を横切るように照射し搬送土面形状を撮像装置で撮影して画像メモリに蓄え、搬送土面の輪郭を抽出し撮像装置の撮影角度を補正して搬送土面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献5〜9参照)、ベルトコンベアの上方の1点からベルトコンベアの進行方向を直角に横切るように扇に広がるレーザ光を搬送土面に照射し、レーザ光の搬送土面上の形状を撮像装置で撮影して画像メモリに蓄え、搬送土面の輪郭を抽出し撮像装置の撮影角度を補正して搬送土面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献10参照)、あるいは、ベルトコンベアの上方から電磁波等の断面探索波を搬送土面に照射し、搬送土面で反射した反射波の有する搬送土砂の横断面情報から2値化画像を作成し、土砂に相当する画像領域の画素数をカウントして、搬送土面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献11参照)がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−363500号公報
【特許文献2】
特開昭62−174498号公報
【特許文献3】
特開昭62−265514号公報
【特許文献4】
特開2002−31987号公報
【特許文献5】
特開昭60−105904号公報
【特許文献6】
特開昭60−230005号公報
【特許文献7】
特開昭62−298723号公報
【特許文献8】
特開平2−124409号公報
【特許文献9】
特開平8−75435号公報
【特許文献10】
特開平8−244954号公報
【特許文献11】
特開平8−122039号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、搬送土面上の複数点の座標を求めて搬送土砂の横断面の断面積を求める方法では、ベルトコンベア上の搬送土砂の横断面の複数点の高さを計測するだけなので、搬送土面の凹凸を反映した異常値すなわちノイズを拾い易い。このため、ベルトコンベア上の搬送土砂の横断面の断面積に移動速度を乗じて、ベルトコンベアの単位時間当たりの搬送土量を算出する場合、断面積の誤差が累積し搬送土量の誤差は非常に大きくなって正確さを欠くことになる。更に、移動速度の算出がベルトコンベアの搬送ローラの回転を検出する回転速度検出器、あるいはベルトコンベアに取付けられたベルト一定移動量検出センサからの信号に基づいて行なわれるため、ベルトにスリップ等が生じると移動速度の算出に誤差が生じる。このため、移動速度の誤差が累積して大雑把な搬送土量しか測定できないという問題がある。
【0007】
画像処理により搬送土砂の横断面の断面積を求める方法では、スリット状の光束を搬送土面に照射して、搬送土面に対する入射光と、撮像装置で受光される反射光とをベルトコンベアの進行方向に対して適当な傾き角度を保って検出することにより横断面の形状を把握している。このため、搬送土面を斜めから撮像する際に、搬送土面の山谷形状に応じて谷の部分が山の部分で遮られて計測不能になる場合がある。また、このような状態で搬送土面の輪郭を撮影すると、撮像装置と搬送土面との間の遠近差に基づき撮像画面の中心より下側ではベルトコンベアの幅方向が実際より狭く写し出されて画像に歪みが生じる。また、スリット状の光束は外乱に弱いため、スリット状の光束を凹凸の激しい搬送土面に照射して反射光を撮像装置で受光する場合、搬送土面の凹凸により輪郭が1本の線として明確に検出できなかったり、輪郭が欠落する箇所が生じたりする。このため、搬送土面の輪郭抽出から断面積を算出する場合、大きな誤差が生じることになる。更に、長期間の使用ではスリット光束の光源、撮像装置、及びベルトコンベアのベルトとの相対位置関係が、衝撃、振動その他の要因のため使用中に徐々にずれてくることがある。しかし、そのずれを簡単に確認する方法がなく、精度の高い測定を安定して行なうためには、測定機の維持管理に非常に多くの労力と費用を必要とすることになる。
【0008】
また、ベルトコンベアの上方から電磁波等の断面探索波を搬送土面に照射してその反射波を検出して画像処理から搬送土面の断面積を算出する方式でも、横断面の形状を正確に把握することが難しく、断面積の算出には大きな誤差が発生する。更に、移動速度の算出がベルトコンベアの搬送ローラの回転を検出する回転速度検出器、あるいはベルトコンベアに取付けられたベルト一定移動量検出センサからの信号に基づいて行なわれるため、ベルトにスリップ等が発生することにより求めた移動距離には誤差が生じるという問題が加わる。従って、搬送土砂の断面積に移動速度を乗じて搬送土量を求める場合、大雑把な土量しか測定できないという問題点がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能なベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度を正確に把握するためのベルトコンベアの移動速度測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置は、不定形の固体原料を搬送しているベルトコンベアの上に隙間を有して配置され、該固体原料の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、前記距離計測手段を用いて前記ベルトコンベア上の前記固体原料の表面までの距離を微小時間間隔で計測し、該ベルトコンベア上の該固体原料の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段と、前記ベルトコンベアの移動速度の測定手段と、前記測定手段の計測結果、及び前記距離計測手段で計測されたそれぞれの前記距離から求まる前記固体原料の表面高さを用いて前記ベルトコンベア上の該固体原料の表面の各位置の座標を計算して該固体原料の積載形状を決定し、空荷状態の前記ベルトコンベアの形状から該ベルトコンベア上の前記固体原料の搬送体積を求める搬送量演算手段とを有する。ここで、固体原料とは、粉体、粒体、及びこれらの混合物、並びに瓦礫の集合体をいう。
【0010】
非接触型の距離計測手段、例えば光波距離計を、ベルトコンベアの上方に設けられた取付け部材に固定し、取付け部材内に設定した定点を、適当な水平面上に投影した位置を原点とする。そして、原点を通ってベルトコンベア幅方向にx軸を、原点を通ってベルトコンベアの移動方向にy軸を、原点を通って鉛直上方向にz軸をそれぞれ設定した座標系を採用すると、距離計測が行なわれた各位置をこの座標系内の複数の点として一義的に表すことができる。このことは、ベルトコンベアで搬送される固体原料の表面が、座標系内の複数の点の集合として表示されることを示している。従って、これらの複数の点を通る曲面を求めると、この曲面で固体原料の表面の形状を近似することができる。なお、複数の点を通る曲面は、例えば二次曲面近似あるいはガウス関数和近似により決定することができる。
固体原料の表面形状を曲面の方程式として表すことができると、この曲面で覆われた領域の体積を解析的に求めることができる。ここで、空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を別途求めておくと、曲面で覆われた領域の体積から空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を差し引くことにより、取付け部材の下を通過した領域の固体原料の実質的な体積を計算することができる。なお、体積を解析的に求めるため、離散的なデータを用いた体積測定に伴う極めて大なる誤差の累積を解消することができると共に、体積計算を計算機により容易に実行することができる。また、曲面の方程式を最小自乗法を適用して体積測定誤差が基本的に0になるように求めるため、ノイズの除去が容易で精度の高い体積測定が可能となる。
【0011】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記測定手段は前記ベルトコンベアの上方に該ベルトコンベアの進行方向に一定間隔離れて配置され前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1及び第2の距離計と、該第1の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状、及び該第2の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって該固体原料の表面の同一箇所が該第1の距離計の下を通過してから該第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、前記ベルトコンベアの移動速度を算出する演算部を備えることが好ましい。
【0012】
例えば、光波距離計等の非接触型の第1及び第2の距離計をベルトコンベアの進行方向に一定距離(例えば、2〜10m、望ましくは5〜7m)だけ離して配置し、例えば、5〜20msの微小時間毎に距離計測を行なう。ただし、1回の計測に際しては、サンプリングレート、例えば0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行なったものの平均値を用いる。また、第2の距離計は、第1の距離計が測定した固体原料の表面と実質的に同一位置の計測を行なうので、第1の距離計で得られた固体原料の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が、第1及び第2の距離計の間の距離とベルトコンベアの移動速度で決まる時間だけ遅れて得られることになる。従って、第1及び第2の距離計は予め決められた一定距離だけ離して設置されているので、第1の距離計の計測から得られた固体原料の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計で計測される時間差を求めると、第1及び第2の距離計の間の距離を用いてベルトコンベアの移動速度を決定することができる。ここで、第1の距離計で得られた固体原料の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計の計測で得られる時間差は、第1の距離計で得られたデータ群と第2の距離計で得られたデータ群の相互相関関数の第1極大値を検出することにより求められる。
【0013】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲でベルトコンベアの幅方向に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を備えることができる。
ベルトコンベアの上方にベルトコンベアに交叉してベルトコンベアの幅の範囲に複数の距離計を配置して距離計群を構成し、固体原料の表面までの垂直距離を計測することにより、固体原料の表面で距離計測が行なわれた位置の座標を容易に決定することができる。
【0014】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることが好ましい。
距離計群をベルトコンベアの進行方向に適当な距離、例えば30〜50cm間隔ずつ離して複数設置することにより、固体原料の表面の距離計測を行う位置の数を増やすことができる。
【0015】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記第1の距離計は、前記距離計測手段の前記距離計群の構成要素である複数の前記距離計のいずれか1つと兼用されていることが好ましい。
距離計群の構成要素である複数の距離計、ベルトコンベアの移動速度の測定手段に設けた第1及び第2の距離計は、いずれも固体原料の表面までの垂直距離を計測するので、第1及び第2の距離計のいずれか一方を距離計群の構成要素である複数の距離計の中のいずれか1つと兼用させることができる。
【0016】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を備えるようにすることができる。
例えば、光波距離計を距離計として使用して、ベルトコンベアの幅方向の一端側から他端側の範囲が計測領域となるように距離計の計測方向を傾けながら、所定の俯角毎に光波(レーザ光)を照射する。これによって、距離計から固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切る、すなわちベルトコンベアの幅方向に横切る線上に並ぶ複数位置までの各距離を計測することができる。そして、距離計から各位置に対する俯角を考慮することにより、各位置での固体原料の表面高さを求めることができる。
【0017】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることが好ましい。
距離計をベルトコンベアの進行方向に適当な距離、例えば30〜50cm間隔ずつ離して複数設置し、これらの距離計を同期させて稼働することにより、固体原料の表面の距離計測を行う位置の数を増やすことができる。
【0018】
前記目的に沿う本発明に係るベルトコンベアの移動速度測定方法は、ベルトコンベアで不定形の固体原料を搬送する際に用いるベルトコンベアの移動速度測定方法であって、前記ベルトコンベアの上方に該ベルトコンベアの進行方向に一定間隔離して非接触型の第1及び第2の距離計を配置して前記固体原料の表面までの垂直距離を計測し、該第1の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状、及び該第2の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって該固体原料の表面の同一箇所が該第1の距離計の下を通過してから該第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、前記ベルトコンベアの移動速度を算出する。
【0019】
第1及び第2の距離計はベルトコンベアの進行方向に一定距離離して配置されているため、第2の距離計は、第1の距離計が測定した固体原料の表面と実質的に同一位置の計測を行なう。ただし、1回の計測に際しては、サンプリングレート、例えば0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行なったものの平均値を用いる。その結果、第1の距離計の計測から得られたデータ群と実質的に同一のデータ群が、第1の距離計で計測が開始した時刻から遅れて第2の距離計の計測からも得られる。なお、第1の距離計で得られたデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計で得られるまでの時間は、第1の距離計で得られたデータ群と第2の距離計で得られたデータ群の相互相関関数の第1極大値を検出することにより求められる。
ここで、第1の距離計で計測が開始してから第1の距離計で得られたデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計の計測から得られるまでの時間差は、第1の距離計と第2の距離計の間の距離とベルトコンベアの移動速度で決まる。従って、この時間差を求めることにより、ベルトコンベアの移動速度を求めることができる。
【0020】
前記目的に沿う本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法において、ベルトコンベアで搬送している固体原料の表面を該ベルトコンベアの進行方向に対して横切る複数位置までの距離を、該ベルトコンベア上で該ベルトコンベアの幅の範囲に配置された複数の非接触型の距離計、又は該ベルトコンベア上に配置され該ベルトコンベアの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を用いて、微小時間間隔で計測しながら、前記ベルトコンベアの移動速度を測定する第1工程と、前記複数位置までの距離から求まる前記固体原料の表面高さ、及び前記ベルトコンベアの移動速度から、前記ベルトコンベア上の前記固体原料の表面の各位置の座標を計算して該固体原料の積載形状を近似決定する第2工程と、前記固体原料の積載形状と空荷状態の前記ベルトコンベアの形状から該ベルトコンベア上の前記固体原料の搬送体積を求める第3工程とを有する。
ここで、前記固体原料の積載形状を二次曲面あるいはガウス関数和で近似することができる。
【0021】
例えばベルトコンベアの上方に定点を設定しこの定点を適当な水平面上に投影した位置を原点として、原点を通ってベルトコンベア幅方向にx軸を、原点を通ってベルトコンベアの移動方向にy軸を、原点を通って鉛直上方向にz軸をそれぞれ設定した座標系を採用すると、距離計測が行なわれた各位置をこの座標系内の複数の点として一義的に表すことができる。従って、これらの複数の点を通る曲面を求めると、この曲面で固体原料の表面の形状を近似することができる。固体原料の表面形状を曲面の方程式として表すことができると、この曲面で覆われた領域の体積を解析的に求めることができる。ここで、空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を別途求めておくと、曲面で覆われた領域の体積から空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を差し引くことにより、固体原料の実質的な体積を計算することができる。
【0022】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法において、前記固体原料の積載形状を二次曲面で近似する際に該固体原料の表面に無視できない位大きな凹凸部が1つ以上存在する場合、該各凹凸部を除いた滑部領域の積載形状を近似する二次曲面を求めて該滑部領域に対応する滑部搬送体積を求め、かつ該各凹凸部の積載形状を近似する二次曲面をそれぞれ求めて該各凹凸部に対応する凹凸部搬送体積を求めて、前記滑部搬送体積と前記各凹凸部搬送体積の和で前記固体原料の搬送体積を求めることが好ましい。
ここで、凹凸部とは、窪み、あるいは盛り上がった山のいずれかの形状を指す。また、無視できない位大きなとは、窪み、あるいは盛り上がった山を平面視したときに平面に現れる最大長が、例えば30〜50cm、この平面からの深さ又は高さが15〜25cmの大きさである場合を念頭においているが、窪みや盛り上がった山が想定した大きさ以上となっても対応可能である。
【0023】
固体原料の表面に1つ以上の無視できない位大きな凹凸部が存在する場合、この凹凸部を含んで固体原料の表面形状(積載形状)を1つの二次曲面で近似すると、近似の精度が低下する。このため、固体原料の表面を該凹凸部と、該凹凸部を除いた残りの領域(滑部領域)とに分割して、該凹凸部の積載形状を近似する二次曲面と、滑部領域の積載形状を近似する二次曲面とをそれぞれ求める。そして、滑部領域に対応する滑部搬送体積と該凹凸部に対応する該凹凸部搬送体積をそれぞれ求めて、これらを加え合わせることによりベルトコンベアで搬送している固体原料の搬送体積を求める。
【0024】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図2は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図、図3はベルトコンベアの進行方向から見た土砂の断面形状を示す説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図5は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図、図6は本発明の第3の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法における土砂の表面状態の説明図、図7は本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図8は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図、図9は本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図10は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10は、ベルトコンベア11の上に隙間を有して配置されベルトコンベア11で搬送される不定形の固体原料の一例である土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段に設けられた距離計群12aを構成する距離計の一例である複数の光波距離計13〜17と、各光波距離計13〜17が固定設置されている取付け部材18と、光波距離計13〜17で計測した距離からベルトコンベア11上の土砂12の表面上の各位置の表面高さを求めて記録するデータ収録手段19を有している。また、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10は、ベルトコンベア11の移動速度の測定手段20の計測結果、及び土砂12の各位置での表面高さを用いてベルトコンベア11上の土砂12の表面の各位置の座標を計算して土砂12の積載形状を決定し、空荷状態のベルトコンベア11の形状を考慮してベルトコンベア11上の土砂12の搬送体積を求める搬送量演算手段21とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0026】
取付け部材18は、例えば、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材22と、支持材22を上部側で連結する水平梁材23を備えた門型構造とする。そして、各光波距離計13〜17は、水平梁材23のベルトコンベア11の幅の範囲に相当する領域に一定ピッチで設置されて、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるようになっている。
データ収録手段19は、光波距離計13〜17を微小時間間隔、例えば5〜20ms毎に駆動させて土砂12の表面までの距離を計測し表面高さを求めて記録し、マルチボード等の通信手段でそのデータを搬送量演算手段21に送信する機能を有している。なお、データ収録手段19は、コンピュータに上記機能を発現させるプログラムを搭載させることにより構成することができる。
【0027】
ベルトコンベア11の移動速度の測定手段20は、第1の距離計として兼用した中央の光波距離計15と、光波距離計15から一定距離離れてベルトコンベア11を内側に収納している門型構造体24の中央に設けられて、光波距離計15が計測した位置と実質的に同一位置を計測する第2の距離計の一例である光波距離計25と、各光波距離計15、25に対して、例えば5〜20msの微小時間間隔で距離計測を行なわせる機能を備えた計測制御部26と、各光波距離計15、25の計測から得られた土砂12の表面形状を示すデータ群を用いて相互相関関数の第1極大値を検出し、光波距離計15の計測から得られた土砂12の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が光波距離計25で計測される機能を備えた時間差計測部27と、得られた時間差と各光波距離計15、25の間隔からベルトコンベア11の移動速度を算出する機能を備えた演算部28を有している。なお、計測制御部26、時間差計測部27、及び演算部28は、コンピュータに上記機能を発現させるプログラムを搭載させることにより構成することができる。
【0028】
搬送量演算手段21は、測定手段20で得られたベルトコンベア11の移動速度と、データ収録手段19から出力された土砂12の表面高さのデータを用いてベルトコンベア11上の土砂12の表面の各位置の座標を計算する機能を備えた座標算出部29と、算出された座標から、例えば二次曲面近似を行なって土砂12の表面の形状を求めてこの二次曲面で覆われた領域の体積を算出し、空荷状態のベルトコンベア11の形状を考慮してベルトコンベア11上の土砂12の実質体積を算出する機能を備えた搬送体積算出部30を有している。ここで、搬送量演算手段21はコンピュータに上記の各機能を発現するプログラムを搭載させることにより構成することができる。
なお、搬送量演算手段21には、土砂12の表面までの距離、土砂12の表面高さ、ベルトコンベア11の移動速度、二次曲面で覆われた領域の体積、土砂12の実質体積などの処理結果を出力するための表示器31と印刷機32、データ収録手段19及び搬送量演算手段21の操作指令を行なうキーボード33が接続されている。
【0029】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10を使用したベルトコンベアの移動速度測定方法を含むベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明する。
図1に示すベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10において、取付け部材18の水平梁材23には距離計群12aを構成する光波距離計13〜17が、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるように、ベルトコンベア11の幅方向の範囲内に、例えば等間隔に設置されている。このため、図2に示すように、x軸上に等間隔で並んだ5点の位置に相当する土砂12の表面までの距離が、例えば5〜20msの微小時間毎に同時に計測できる。計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各位置での土砂12の高さが算出されて記録される。
【0030】
光波距離計15では、例えばサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回距離計測を行ない、その平均値を5〜20msの微小時間間隔毎に時間差計測部27に転送する。また、光波距離計15からベルトコンベア11の進行方向に、例えば、2〜10m、望ましくは5〜7m離れた位置に設置された光波距離計25においても、光波距離計15に同期して、例えばサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回連続した距離計測を行ない、その平均値を5〜20msの微小時間間隔毎に時間差計測部27に転送する。時間差計測部27では転送されたデータから第1及び第2のデータ群を形成して、(1)式に示す相互相関関数φk を逐次演算する。ここに、{rj }、{sj }はそれぞれ光波距離計15、25による第1及び第2のデータ群である。
【0031】
【数1】
【0032】
光波距離計25では、光波距離計15で距離計測された土砂12の表面部位と同一の部位が、各光波距離計15、25の間隔とベルトコンベア11の移動速度で決まる時間だけ遅れて距離計測される。このため、(1)式の相互相関関数φk の第1極大値を与えるkを求めると、このkから光波距離計15で第1のデータ群が形成された部位が、光波距離計25の直下を通過するまでの時間差が求まる。従って、得られた時間差が演算部28に転送されると、各光波距離計15、25の距離から、第1のデータ群が形成された土砂12の部位が光波距離計15を通過してから光波距離計25を通過するまでの速度、すなわちベルトコンベア11の移動速度が算出される。算出されたベルトコンベア11の移動速度は、座標算出器29に転送される(以上、第1工程)。
【0033】
座標算出器29では、転送されたベルトコンベア11の移動速度と、各位置での土砂12の高さデータから、各位置の前記した座標系における座標を計算する。ここで、図2に示すように、x座標の値は、光波距離計13〜17の設置位置から決定できる。また、y座標の値は、距離計測を行う微小時間間隔とベルトコンベア11の移動速度から算出できる。更に、z座標の値は転送された各距離計測された位置での高さデータを使用できる。各位置の座標値が決定されると、その結果は搬送体積算出器30に転送される。
【0034】
搬送体積算出器30では、先ず各位置の全座標値から土砂12の表面形状を、例えば、(2)式に示すような二次曲面f(x,y)で近似する。ここで、g1 (x,y)=1、g2 (x,y)=x、g3 (x,y)=y、g4 (x,y)=x2 、g5 (x,y)=xy、g6 (x,y)=y2 である。また、展開係数ci の推定は、各点の座標値(xj ,yj ,zj )(j=1〜M)を用いて、(3)式で示される2乗偏差を最小化することにより行なう。なお、(2)式ではg1 〜g6 の6個の関数を用いて近似したが、gi の個数は6より多くても少なくてもよい。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
最適推定値c* =(c* 1 ,c* 2 ,・・・,c* 6 )は(3)式をci で微分しゼロとおくことにより求まり、(4)式で表される。ただし、zは、各位置の座標値で作られる観測値ベクトルz=(z1 ,z2 ,・・・,zM )T である。また、Gは(k,l)要素がgkl=gl (xk ,yk )で定義される(M×6)行列である(以上、第2工程)。
【0038】
【数4】
【0039】
図3にx軸と平行な断面での土砂12の断面形状を示す。土砂12の体積を求めるには、土砂断面34がベルトの両側部35、36と接する境界線を求める必要がある。図3において、これらの境界線の近くで、両側部35、36のベルト形状は、図3の左側(B2 )ではz=ax+bにより、また右側(B1 )ではz=−ax+bにより与えられるので、ベルトの両側部35、36と接する境界線はそれぞれ(5)式と(6)式により与えられる。
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
これらの境界線は、yの値を変化させれば、それに応じてxの値が求まるので、(xk ,yk )(1≦k≦K)となる形のデータが得られる。このため、これらを最小2乗法により、それぞれyに関する2次関数で表し、この結果(7)式が得られる。
【0043】
【数7】
【0044】
また、取付け部材18を通過した土砂12の長さLy は、1回毎の体積測定に用いるベルトコンベア進行方向の距離測定回数、距離計測を行う微小時間間隔とベルトコンベア11の移動速度から求まるので、取付け部材18を通過した土砂12の搬送体積Vは(8)式で求められる。なお、x1 (y)、x2 (y)は(7)式で与えられるyの2次関数である。つまり、x1 (y)=b11y2 +b12y+b13、x2 (y)=b21y2 +b22y+b23である。また、s(x)はベルトコンベア11の断面ベルト形状を示す関数である。
【0045】
【数8】
【0046】
以上のように、取付け部材18を通過した土砂12の長さLy を一つの算出単位として逐次体積を算出し、これらを累積することで、搬送する土砂12の総体積を算出することができる(以上、第3工程)。
ここで、予め土量が確定している土砂12を、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10を使用して搬送しながら土砂12の総体積を算出し、得られた体積の誤差を求めた。例えば、確定土量2473m3 に対して計測土量は2518.74m3 となり誤差は1.85%、確定土量3081m3 に対して計測土量は3061.806m3 となり誤差は−0.62%、確定土量3136m3 に対して計測土量は3078.005m3 となり誤差は−1.85%となった。従って、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10を使用して、土砂12を搬送しながら±2%の範囲内で土砂12の総体積を算出することができる。
【0047】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37は、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10と比較して、距離計測手段が土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切って走査可能な非接触型の距離計の一例である光波距離計38を備え、ベルトコンベア11の移動速度の測定手段は土砂12の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1の距離計39と、前述した第2の距離計25を有していることが特徴となっている。光波距離計38及び第1の距離計39は、門型構造体24の手前に一定間隔離れて設置された取付け部材40に固定配置されている。そのため、第1の実施の形態のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10で使用するのと同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。光波距離計38は、取付け部材40の中央に取付けられて、ベルトコンベア11の幅方向の一端側から他端側の範囲が計測領域となるように計測方向を傾けながら、例えば5〜20msの微小時間間隔で、すなわち所定の俯角毎に光波(レーザ光)を照射する。これによって、光波距離計38から土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切る線上に並ぶ複数位置までの各距離を計測することができる。また、第1の距離計39は、例えば5〜20msの微小時間毎に距離計測を行う。ただし、1回の計測に際してはサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回測定を行ったものの平均値を用いる。更に、取付け部材40は、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材41と支持材41を上部側で連結する水平梁材42を備えた門型の構造体とすることができる。そして、光波距離計38は水平梁材42の中央に設けられている。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37を使用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明するが、搬送量自動計測装置37では、ベルトコンベア11で搬送される土砂12の表面までの距離の計測方法が異なるだけで、ベルトコンベア11の移動速度の測定方法、距離を求めて土砂12の体積を算出する方法は、搬送量自動計測装置10と実質的に同一である。このため、土砂12の表面までの距離の計測方法についてのみ説明する。
図4に示すように、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37において、ベルトコンベア11の進行方向にy軸、ベルトコンベア11の幅方向(取付け部材40の水平梁材42の軸方向)にx軸、x軸及びy軸の交点を通って垂直方向にz軸となるように座標系を設定し、計測を開始する。光波距離計38は土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切るように走査しながら、例えば5〜20msの微小時間毎に土砂12の表面までの距離を計測するので、図5に示すように、ベルトコンベア11上の土砂12の表面を斜めに横切るように並んだ各点までの距離が順次計測される。そして、計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各点での土砂12の高さが算出され記録される。
【0049】
光波距離計39では、例えば、5〜20msの微小時間毎に距離計測を行う。ただし、1回の計測に際しては、サンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行ったものの平均値を用いる。平均値は5〜20msの微小時間毎に時間差計測部27に転送する。また、光波距離計39からベルトコンベア11の進行方向に、例えば、2〜10m、望ましくは5〜7m離れた位置に設置された光波距離計25においても、光波距離計39に同期して、例えばサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行ったものの平均値を5〜20msの微小時間毎に時間差計測部27に転送する。そして、時間差計測部27では、光波距離計39、25からそれぞれ転送されたデータから第1及び第2のデータ群を形成して、(1)式に示す相互相関関数φk を逐次演算する。
【0050】
続いて本発明の第1及び第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10、37を用いた第3の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について説明する。
図6に示すように、第3の実施の形態に係る搬送物の搬送量自動計測方法は、ベルトコンベア11で搬送される土砂43の表面44に、例えば1個の無視できない位大きな凹凸部45(この場合は窪み)が存在している場合に、この表面44の形状を二次曲面で近似して土砂43の体積を求めるものである。表面44に無視できない位大きな凹凸部45が存在する場合、この表面44を1つの二次曲面で近似すると近似精度は悪くなる。そこで、表面44を、無視できない位大きな凹凸部45の表面46と、該凹凸部45を除いた残りの領域(滑部領域) 47の表面48とに分割すると、表面46と表面48はそれぞれ滑らかな表面と考えることができるので、各表面46、48をそれぞれ異なった二次曲面で近似できる。その結果、表面44で覆われた土砂43の体積を、表面46の形状を近似する二次曲面で覆われる該凹凸部搬送体積、及び表面48の形状を近似する二次曲面で覆われる滑部搬送体積の和として求める。
ここで、表面44の各位置までの距離を計測して各位置の座標が求まっているので、各表面46、48の形状を近似する二次曲面は第1及び第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法と実質的に同一の方法で求めることができる。更に、各表面46、48を近似する二次曲面が求まると、表面46の形状を近似する二次曲面で覆われる凹凸部搬送体積、及び表面48の形状を近似する二次曲面で覆われる滑部搬送体積は、第1及び第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法と実質的に同一の方法で求めることができる。
【0051】
図7に示すように、本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置49は、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10と比較して、距離計群12aの他に距離計群12aからベルトコンベア11の進行方向に、例えば30〜50cmの間隔を空けて配置された距離計群50を構成する距離計の一例である複数の光波距離計51〜55と、各光波距離計51〜55が固定設置されている取付け部材56が設けられていることが特徴となっている。そのため、第1の実施の形態のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10で使用するのと同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
取付け部材56は、例えば、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材57と、支持材57を上部側で連結する水平梁材58を備えた門型構造とする。そして、各光波距離計51〜55は、水平梁材58のベルトコンベア11の幅の範囲に相当する領域に一定ピッチで設置されて、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるようになっている。そして、各光波距離計51〜55はデータ収録手段19により微小時間間隔、例えば5〜20ms毎に駆動させて土砂12の表面までの距離を計測し表面高さを求めて記録され、マルチボード等の通信手段でそのデータを搬送量演算手段21に送信している。
なお、距離計群50を構成する各光波距離計51〜55を、距離計群12aを構成する各光波距離計13〜17に対して、x軸方向に関してそれぞれ同一位置となるように設置したが、各光波距離計51〜55を、各光波距離計13〜17に対してx軸方向に少しずらして設置(すなわち、各光波距離計13〜17、51〜55を千鳥状に設置)することもできる。
【0052】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置49を使用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明するが、搬送量自動計測装置49では、ベルトコンベア11の移動速度の測定方法、ベルトコンベア11で搬送される土砂12の表面までの距離の計測方法、距離を求めて土砂12の体積を算出する方法は、搬送量自動計測装置10と実質的に同一である。このため、2つの距離計群12a、50による土砂12の表面までの距離の計測方法についてのみ説明する。
図8に示すように、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置49において、ベルトコンベア11の進行方向にy軸、ベルトコンベア11の幅方向(各水平梁材23、58の軸方向)にx軸、x軸及びy軸の交点を通って垂直方向にz軸となるように座標系を設定し、計測を開始する。距離計群12aの各光波距離計13〜17、及び距離計群50の各光波距離計51〜55は、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるように、ベルトコンベア11の幅方向の範囲内に、例えば等間隔に設置されている。このため、距離計群12aによりx軸方向に等間隔に並んだ5点の位置(図8では○で示す)に相当する土砂12の表面までの距離が、例えば5〜20msの微小時間毎に同時に計測される。また、距離計群50によりx軸方向に等間隔に並んだ異なる5点の位置(図8では●で示す)に相当する土砂12の表面までの距離が、例えば5〜20msの微小時間毎に同時に計測される。計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各点での土砂12の高さが算出され記録される。その結果、第1の実施の形態(図2参照)と比較して、土砂12の表面の距離計測位置の数が2倍となり、土砂12の表面形状データをよりきめ細かく採取することができ、土砂12の表面形状(積載形状)の計測精度が向上する。
【0053】
図9に示すように、本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置59は、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37と比較して、光波距離計38からベルトコンベア11の進行方向に、例えば30〜50cmの間隔を空けて配置され、ベルトコンベア11の幅方向に横切って走査可能な非接触型の距離計の一例である光波距離計60と、光波距離計60が固定設置されている取付け部材61が設けられていることが特徴となっている。なお、取付け部材61は、例えば、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材62と、支持材62を上部側で連結する水平梁材63を備えた門型構造とする。そして、光波距離計60は、水平梁材63の中央に取付けられて、ベルトコンベア11の幅方向の一端側から他端側の範囲が計測領域となるように計測方向を傾けながら、例えば5〜20msの微小時間間隔で、すなわち所定の俯角毎に光波(レーザ光)を照射する。これによって、光波距離計60から土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切る線上に並ぶ複数位置までの各距離を計測することができる。そのため、第2の実施の形態のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37で使用するのと同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】
次に、本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置59を使用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明するが、搬送量自動計測装置59では、ベルトコンベア11の移動速度の測定方法、ベルトコンベア11で搬送される土砂12の表面までの距離の計測方法、距離を求めて土砂12の体積を算出する方法は、搬送量自動計測装置37と実質的に同一である。このため、2つの距離計38、60による土砂12の表面までの距離の計測方法についてのみ説明する。図10に示すように、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置59において、ベルトコンベア11の進行方向にy軸、ベルトコンベア11の幅方向(各水平梁材42、63の軸方向)にx軸、x軸及びy軸の交点を通って垂直方向にz軸となるように座標系を設定し、各光波距離計38、60を同期させて計測を開始する。各光波距離計38、60は、土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切るように走査しながら、例えば5〜20msの微小時間毎に土砂12の表面までの距離を計測するので、図10に示すように、光波距離計38ではベルトコンベア11上の土砂12の表面を斜めに横切るように並んだ各点(図10では○で示す)までの距離が順次計測される。また、光波距離計60ではベルトコンベア11上の土砂12の表面を、光波距離計38で計測された点とは異なる位置で斜めに横切るように並んだ各点(図10では●で示す)までの距離が順次計測される。そして、計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各点での土砂12の高さが算出され記録される。その結果、第2の実施の形態(図5参照)と比較して、土砂12の表面の距離計測位置の数が2倍となり、土砂12の表面形状データをよりきめ細かく採取することができ、土砂12の表面形状(積載形状)の計測精度が向上する。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度測定方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、固体原料の表面までの垂直距離を計測するために5台の光波距離計を用いたが、光波距離計の台数はこれより少なくても多くてもよく、ベルトコンベアの幅に応じて任意に設定することができる。また、各点での距離計測に当ってサンプリングレートを0.1〜0.2msとしたが、これより短くしても、長くしてもよい。土砂の表面形状を近似する際に二次曲面近似を使用したが、ガウス関数和を使用して近似することも可能である。更に、光波距離計をベルトコンベアの進行方向に1段あるいは2段に設けたが、3段以上設けることもできる。データ収録手段、ベルトコンベアの移動速度の測定手段、及び搬送量演算手段を1台のコンピュータで構成したが、データ収録手段とベルトコンベアの移動速度の測定手段、及び搬送量演算手段をそれぞれ1台のコンピュータで構成するようにすることもできる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜9記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、不定形の固体原料を搬送しているベルトコンベアの上に隙間を有して配置され、固体原料の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、距離計測手段を用いてベルトコンベア上の固体原料の表面までの距離を微小時間間隔で計測し、ベルトコンベア上の固体原料の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段と、ベルトコンベアの移動速度の測定手段と、測定手段の計測結果、及び距離計測手段で計測されたそれぞれの距離から求まる固体原料の表面高さを用いてベルトコンベア上の固体原料の表面の各位置の3次元座標を計算して固体原料の積載形状を決定し、空荷状態のベルトコンベアの形状からベルトコンベア上の固体原料の搬送体積を求める搬送量演算手段とを有するので、ベルトコンベアで搬送される固体原料の表面形状を曲面で近似して体積を算出することができ、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能となる。
【0057】
特に、請求項2記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、ベルトコンベアの移動速度の測定手段はベルトコンベアの上方にベルトコンベアの進行方向に一定間隔離れて配置され固体原料の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1及び第2の距離計と、第1の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状、及び第2の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって固体原料の表面の同一箇所が第1の距離計の下を通過してから第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、ベルトコンベアの移動速度を算出する演算部を備えるので、稼働中のベルトコンベアの移動速度を逐次精度よく測定することが可能となる。
【0058】
請求項3及び5記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を備えるので、固体原料の表面で距離計測が行なわれた位置の座標を簡単に決定することができ、固体原料の形状を容易に決定することが可能となる。
【0059】
請求項4及び6記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群をベルトコンベアの進行方向に複数段備えるので、固体原料の表面形状データをよりきめ細かく採取でき、固体原料の形状を精度よく決定することが可能となる。
請求項7記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、第1の距離計は、距離計測手段の構成要素である複数の距離計のいずれか1つと兼用されているので、距離計の台数を減少させることができ、装置の製造コストを低減させることができる。また、距離計の台数を減少させることで処理データ数を減少させることが可能となって、処理時間を短縮することが可能となる。
【0060】
請求項8記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を備えるので、1台の距離計を用いて固体原料の表面の複数位置の座標を決定することができ、装置の製造コストを低減させることができる。
請求項9記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計をベルトコンベアの進行方向に複数段備えるので、固体原料の表面形状データをよりきめ細かく採取でき、固体原料の形状を精度よく決定することが可能となる。
【0061】
請求項10記載のベルトコンベアの移動速度測定方法においては、ベルトコンベアの上方にベルトコンベアの進行方向に一定間隔離して非接触型の第1及び第2の距離計を配置して固体原料の表面までの垂直距離を計測し、第1の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状、及び第2の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって固体原料の表面の同一箇所が第1の距離計の下を通過してから第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、ベルトコンベアの移動速度を算出するので、稼働中のベルトコンベアの移動速度を逐次精度よく測定することが可能となる。
【0062】
請求項11〜13記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法においては、ベルトコンベアで搬送している固体原料の表面のベルトの進行方向に対して横切る複数位置までの距離を、ベルトコンベア上でベルトコンベアの幅の範囲に配置された複数の非接触型の距離計、又はベルトコンベア上に配置されベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を用いて、微小時間間隔で計測しながらベルトコンベアの移動速度を測定する第1工程と、複数位置までの距離から求まる固体原料の表面高さ、及びベルトコンベアの移動速度から、ベルトコンベア上の固体原料の表面の各位置の座標を計算して固体原料の積載形状を近似決定する第2工程と、固体原料の積載形状と空荷状態のベルトコンベアの形状からベルトコンベア上の固体原料の搬送体積を求める第3工程とを有するので、ベルトコンベアで搬送される固体原料の表面形状を曲面で近似して体積を算出することができ、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能となる。
【0063】
特に、請求項12記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法においては、固体原料の積載形状を二次曲面あるいはガウス関数和で近似するので、固体原料の積載形状を解析的に近似でき、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を素早く、正確に計測することが可能となる。
【0064】
請求項13記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法においては、固体原料の積載形状を二次曲面で近似する際に固体原料の表面に無視できない位大きな凹凸部が1つ以上存在する場合、該各凹凸部を除いた滑部領域の積載形状を近似する二次曲面を求めてその領域に対応する滑部搬送体積を求め、かつ該各凹凸部の積載形状を近似する二次曲面をそれぞれ求めて該各凹凸部領域に対応する該各凹凸部搬送体積を求めて、滑部搬送体積と該各凹凸部搬送体積の和で固体原料の搬送体積を求めるので、固体原料の表面が複雑な積載形状となっていても固体原料の積載形状を部分的に二次曲面近似して、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図である。
【図2】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置を用いた距離計測の方法における距離計測点の配置を示す説明図である。
【図3】ベルトコンベアの進行方向から見た土砂の断面形状を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法を示す説明図である。
【図5】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置を用いた距離計測の方法における距離計測点の配置を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法における土砂の表面状態の説明図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図である。
【図8】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図である。
【図10】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図である。
【符号の説明】
10:搬送量自動計測装置、11:ベルトコンベア、12:土砂、12a:距離計群、13〜17:光波距離計、18:取付け部材、19:データ収録手段、20:測定手段、21:搬送量演算手段、22:支持材、23:水平梁材、24:門型構造体、25:光波距離計、26:計測制御部、27:時間差計測部、28:演算部、29:座標算出部、30:搬送体積算出部、31:表示器、32:印刷機、33:キーボード、34:土砂断面、35、36:両側部、37:搬送量自動計測装置、38:光波距離計、39:第1の距離計、40:取付け部材、41:支持材、42:水平梁材、43:土砂、44:表面、45:凹凸部、46:表面、47:残りの領域、48:表面、49:搬送量自動計測装置、50:距離計群、51〜55:光波距離計、56:取付け部材、57:支持材、58:水平梁材、59:搬送量自動計測装置、60:光波距離計、61:取付け部材、62:支持材、63:水平梁材
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトコンベアで不定形の固体原料を搬送する際の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルトコンベアを用いて土砂を搬送する設備においては、土砂の搬送費用の見積や、工程等の施工管理を行なう上で、ベルトコンベアで搬送した土砂の搬送量、特に土砂の搬送体積を正確に計量することが必須となる。
ベルトコンベアで搬送する土砂の搬送体積を計量する実用化された方法として、ベルトコンベアにベルトスケールを組み込み、ベルトコンベアで搬送する土砂重量を連続的に測定し、単位時間当たりのベルトコンベアによる土砂搬送重量を求めて、土砂比重(単位体積重量)から単位時間当たりのベルトコンベアによる搬送土量(体積)を求める重量計測方式が採用されている。しかし、ベルトスケールによるベルトコンベアの搬送量の重量計測方式は、所定長さ当たりのベルトコンベア重量に比べてその上に積載する土砂の重量が軽い場合は測定誤差が大きくなり、しかも、土砂の含有水分量の変動によっても測定誤差が変動する。また、土砂搬送重量を土砂の比重で除すことにより体積を求めるので、土質の変化に応じて土砂比重を正確に測定しなければ、正確な搬送土量の測定ができないという問題がある。更に、ベルトコンベアの張力変化によっても測定誤差が生じる等の問題がある。このため、ベルトコンベアで搬送される土砂の重量を測定せずに、搬送土量を求める方法が考案されている。
【0003】
搬送土量を求める方法として、ベルトコンベアで搬送される搬送土砂の横断面が進行方向に一定であるという仮定の下に、横断面の断面積に移動速度を乗じて単位時間当たりのベルトコンベアの搬送土量を算出する方式がある。そして、ベルトコンベア上の搬送土砂の横断面の断面積を求める方法としては、搬送土面上の複数点の高さを求めて断面積を求める方法と、横断面の形状を求めてその画像処理から断面積を求める方法がある。
搬送土面上の複数点の高さを求めて断面積を求める方法には、ベルトコンベアの上方にベルトコンベア幅方向に一定ピッチで設置した複数の非接触型の距離計(例えば、レーザ光を用いた光波距離計、もしくは超音波を用いた超音波距離計)で搬送土面までの垂直距離をそれぞれ測定し、各垂直距離から搬送土面の各点の高さを求めて横断面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献1〜3参照)、あるいはベルトコンベアの上方の定点にベルトコンベアを横切って一方の端部から他方の端部まで走査可能な光波距離計を設置して所定の角度毎に順次レーザ光を照射して定点と搬送土面上の複数の点との間の距離を順次測定し、レーザ光を照射したときの角度とそのとき得られた距離から横断面の断面積を算出して、予め求めておいた空荷状態のベルトコンベアの横断面の断面積を差し引いて実質的な搬送土面の断面積を算出する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
画像処理により搬送土砂の横断面の断面積を求める方法には、ベルトコンベアの上方からスリット光源によりスリット光束をベルトコンベアの進行方向と直角方向に搬送土面を横切るように照射し搬送土面形状を撮像装置で撮影して画像メモリに蓄え、搬送土面の輪郭を抽出し撮像装置の撮影角度を補正して搬送土面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献5〜9参照)、ベルトコンベアの上方の1点からベルトコンベアの進行方向を直角に横切るように扇に広がるレーザ光を搬送土面に照射し、レーザ光の搬送土面上の形状を撮像装置で撮影して画像メモリに蓄え、搬送土面の輪郭を抽出し撮像装置の撮影角度を補正して搬送土面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献10参照)、あるいは、ベルトコンベアの上方から電磁波等の断面探索波を搬送土面に照射し、搬送土面で反射した反射波の有する搬送土砂の横断面情報から2値化画像を作成し、土砂に相当する画像領域の画素数をカウントして、搬送土面の断面積を算出する方法(例えば、特許文献11参照)がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−363500号公報
【特許文献2】
特開昭62−174498号公報
【特許文献3】
特開昭62−265514号公報
【特許文献4】
特開2002−31987号公報
【特許文献5】
特開昭60−105904号公報
【特許文献6】
特開昭60−230005号公報
【特許文献7】
特開昭62−298723号公報
【特許文献8】
特開平2−124409号公報
【特許文献9】
特開平8−75435号公報
【特許文献10】
特開平8−244954号公報
【特許文献11】
特開平8−122039号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、搬送土面上の複数点の座標を求めて搬送土砂の横断面の断面積を求める方法では、ベルトコンベア上の搬送土砂の横断面の複数点の高さを計測するだけなので、搬送土面の凹凸を反映した異常値すなわちノイズを拾い易い。このため、ベルトコンベア上の搬送土砂の横断面の断面積に移動速度を乗じて、ベルトコンベアの単位時間当たりの搬送土量を算出する場合、断面積の誤差が累積し搬送土量の誤差は非常に大きくなって正確さを欠くことになる。更に、移動速度の算出がベルトコンベアの搬送ローラの回転を検出する回転速度検出器、あるいはベルトコンベアに取付けられたベルト一定移動量検出センサからの信号に基づいて行なわれるため、ベルトにスリップ等が生じると移動速度の算出に誤差が生じる。このため、移動速度の誤差が累積して大雑把な搬送土量しか測定できないという問題がある。
【0007】
画像処理により搬送土砂の横断面の断面積を求める方法では、スリット状の光束を搬送土面に照射して、搬送土面に対する入射光と、撮像装置で受光される反射光とをベルトコンベアの進行方向に対して適当な傾き角度を保って検出することにより横断面の形状を把握している。このため、搬送土面を斜めから撮像する際に、搬送土面の山谷形状に応じて谷の部分が山の部分で遮られて計測不能になる場合がある。また、このような状態で搬送土面の輪郭を撮影すると、撮像装置と搬送土面との間の遠近差に基づき撮像画面の中心より下側ではベルトコンベアの幅方向が実際より狭く写し出されて画像に歪みが生じる。また、スリット状の光束は外乱に弱いため、スリット状の光束を凹凸の激しい搬送土面に照射して反射光を撮像装置で受光する場合、搬送土面の凹凸により輪郭が1本の線として明確に検出できなかったり、輪郭が欠落する箇所が生じたりする。このため、搬送土面の輪郭抽出から断面積を算出する場合、大きな誤差が生じることになる。更に、長期間の使用ではスリット光束の光源、撮像装置、及びベルトコンベアのベルトとの相対位置関係が、衝撃、振動その他の要因のため使用中に徐々にずれてくることがある。しかし、そのずれを簡単に確認する方法がなく、精度の高い測定を安定して行なうためには、測定機の維持管理に非常に多くの労力と費用を必要とすることになる。
【0008】
また、ベルトコンベアの上方から電磁波等の断面探索波を搬送土面に照射してその反射波を検出して画像処理から搬送土面の断面積を算出する方式でも、横断面の形状を正確に把握することが難しく、断面積の算出には大きな誤差が発生する。更に、移動速度の算出がベルトコンベアの搬送ローラの回転を検出する回転速度検出器、あるいはベルトコンベアに取付けられたベルト一定移動量検出センサからの信号に基づいて行なわれるため、ベルトにスリップ等が発生することにより求めた移動距離には誤差が生じるという問題が加わる。従って、搬送土砂の断面積に移動速度を乗じて搬送土量を求める場合、大雑把な土量しか測定できないという問題点がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能なベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度を正確に把握するためのベルトコンベアの移動速度測定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置は、不定形の固体原料を搬送しているベルトコンベアの上に隙間を有して配置され、該固体原料の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、前記距離計測手段を用いて前記ベルトコンベア上の前記固体原料の表面までの距離を微小時間間隔で計測し、該ベルトコンベア上の該固体原料の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段と、前記ベルトコンベアの移動速度の測定手段と、前記測定手段の計測結果、及び前記距離計測手段で計測されたそれぞれの前記距離から求まる前記固体原料の表面高さを用いて前記ベルトコンベア上の該固体原料の表面の各位置の座標を計算して該固体原料の積載形状を決定し、空荷状態の前記ベルトコンベアの形状から該ベルトコンベア上の前記固体原料の搬送体積を求める搬送量演算手段とを有する。ここで、固体原料とは、粉体、粒体、及びこれらの混合物、並びに瓦礫の集合体をいう。
【0010】
非接触型の距離計測手段、例えば光波距離計を、ベルトコンベアの上方に設けられた取付け部材に固定し、取付け部材内に設定した定点を、適当な水平面上に投影した位置を原点とする。そして、原点を通ってベルトコンベア幅方向にx軸を、原点を通ってベルトコンベアの移動方向にy軸を、原点を通って鉛直上方向にz軸をそれぞれ設定した座標系を採用すると、距離計測が行なわれた各位置をこの座標系内の複数の点として一義的に表すことができる。このことは、ベルトコンベアで搬送される固体原料の表面が、座標系内の複数の点の集合として表示されることを示している。従って、これらの複数の点を通る曲面を求めると、この曲面で固体原料の表面の形状を近似することができる。なお、複数の点を通る曲面は、例えば二次曲面近似あるいはガウス関数和近似により決定することができる。
固体原料の表面形状を曲面の方程式として表すことができると、この曲面で覆われた領域の体積を解析的に求めることができる。ここで、空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を別途求めておくと、曲面で覆われた領域の体積から空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を差し引くことにより、取付け部材の下を通過した領域の固体原料の実質的な体積を計算することができる。なお、体積を解析的に求めるため、離散的なデータを用いた体積測定に伴う極めて大なる誤差の累積を解消することができると共に、体積計算を計算機により容易に実行することができる。また、曲面の方程式を最小自乗法を適用して体積測定誤差が基本的に0になるように求めるため、ノイズの除去が容易で精度の高い体積測定が可能となる。
【0011】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記測定手段は前記ベルトコンベアの上方に該ベルトコンベアの進行方向に一定間隔離れて配置され前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1及び第2の距離計と、該第1の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状、及び該第2の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって該固体原料の表面の同一箇所が該第1の距離計の下を通過してから該第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、前記ベルトコンベアの移動速度を算出する演算部を備えることが好ましい。
【0012】
例えば、光波距離計等の非接触型の第1及び第2の距離計をベルトコンベアの進行方向に一定距離(例えば、2〜10m、望ましくは5〜7m)だけ離して配置し、例えば、5〜20msの微小時間毎に距離計測を行なう。ただし、1回の計測に際しては、サンプリングレート、例えば0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行なったものの平均値を用いる。また、第2の距離計は、第1の距離計が測定した固体原料の表面と実質的に同一位置の計測を行なうので、第1の距離計で得られた固体原料の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が、第1及び第2の距離計の間の距離とベルトコンベアの移動速度で決まる時間だけ遅れて得られることになる。従って、第1及び第2の距離計は予め決められた一定距離だけ離して設置されているので、第1の距離計の計測から得られた固体原料の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計で計測される時間差を求めると、第1及び第2の距離計の間の距離を用いてベルトコンベアの移動速度を決定することができる。ここで、第1の距離計で得られた固体原料の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計の計測で得られる時間差は、第1の距離計で得られたデータ群と第2の距離計で得られたデータ群の相互相関関数の第1極大値を検出することにより求められる。
【0013】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲でベルトコンベアの幅方向に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を備えることができる。
ベルトコンベアの上方にベルトコンベアに交叉してベルトコンベアの幅の範囲に複数の距離計を配置して距離計群を構成し、固体原料の表面までの垂直距離を計測することにより、固体原料の表面で距離計測が行なわれた位置の座標を容易に決定することができる。
【0014】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることが好ましい。
距離計群をベルトコンベアの進行方向に適当な距離、例えば30〜50cm間隔ずつ離して複数設置することにより、固体原料の表面の距離計測を行う位置の数を増やすことができる。
【0015】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記第1の距離計は、前記距離計測手段の前記距離計群の構成要素である複数の前記距離計のいずれか1つと兼用されていることが好ましい。
距離計群の構成要素である複数の距離計、ベルトコンベアの移動速度の測定手段に設けた第1及び第2の距離計は、いずれも固体原料の表面までの垂直距離を計測するので、第1及び第2の距離計のいずれか一方を距離計群の構成要素である複数の距離計の中のいずれか1つと兼用させることができる。
【0016】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を備えるようにすることができる。
例えば、光波距離計を距離計として使用して、ベルトコンベアの幅方向の一端側から他端側の範囲が計測領域となるように距離計の計測方向を傾けながら、所定の俯角毎に光波(レーザ光)を照射する。これによって、距離計から固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切る、すなわちベルトコンベアの幅方向に横切る線上に並ぶ複数位置までの各距離を計測することができる。そして、距離計から各位置に対する俯角を考慮することにより、各位置での固体原料の表面高さを求めることができる。
【0017】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることが好ましい。
距離計をベルトコンベアの進行方向に適当な距離、例えば30〜50cm間隔ずつ離して複数設置し、これらの距離計を同期させて稼働することにより、固体原料の表面の距離計測を行う位置の数を増やすことができる。
【0018】
前記目的に沿う本発明に係るベルトコンベアの移動速度測定方法は、ベルトコンベアで不定形の固体原料を搬送する際に用いるベルトコンベアの移動速度測定方法であって、前記ベルトコンベアの上方に該ベルトコンベアの進行方向に一定間隔離して非接触型の第1及び第2の距離計を配置して前記固体原料の表面までの垂直距離を計測し、該第1の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状、及び該第2の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって該固体原料の表面の同一箇所が該第1の距離計の下を通過してから該第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、前記ベルトコンベアの移動速度を算出する。
【0019】
第1及び第2の距離計はベルトコンベアの進行方向に一定距離離して配置されているため、第2の距離計は、第1の距離計が測定した固体原料の表面と実質的に同一位置の計測を行なう。ただし、1回の計測に際しては、サンプリングレート、例えば0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行なったものの平均値を用いる。その結果、第1の距離計の計測から得られたデータ群と実質的に同一のデータ群が、第1の距離計で計測が開始した時刻から遅れて第2の距離計の計測からも得られる。なお、第1の距離計で得られたデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計で得られるまでの時間は、第1の距離計で得られたデータ群と第2の距離計で得られたデータ群の相互相関関数の第1極大値を検出することにより求められる。
ここで、第1の距離計で計測が開始してから第1の距離計で得られたデータ群と実質的に同一のデータ群が第2の距離計の計測から得られるまでの時間差は、第1の距離計と第2の距離計の間の距離とベルトコンベアの移動速度で決まる。従って、この時間差を求めることにより、ベルトコンベアの移動速度を求めることができる。
【0020】
前記目的に沿う本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法において、ベルトコンベアで搬送している固体原料の表面を該ベルトコンベアの進行方向に対して横切る複数位置までの距離を、該ベルトコンベア上で該ベルトコンベアの幅の範囲に配置された複数の非接触型の距離計、又は該ベルトコンベア上に配置され該ベルトコンベアの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を用いて、微小時間間隔で計測しながら、前記ベルトコンベアの移動速度を測定する第1工程と、前記複数位置までの距離から求まる前記固体原料の表面高さ、及び前記ベルトコンベアの移動速度から、前記ベルトコンベア上の前記固体原料の表面の各位置の座標を計算して該固体原料の積載形状を近似決定する第2工程と、前記固体原料の積載形状と空荷状態の前記ベルトコンベアの形状から該ベルトコンベア上の前記固体原料の搬送体積を求める第3工程とを有する。
ここで、前記固体原料の積載形状を二次曲面あるいはガウス関数和で近似することができる。
【0021】
例えばベルトコンベアの上方に定点を設定しこの定点を適当な水平面上に投影した位置を原点として、原点を通ってベルトコンベア幅方向にx軸を、原点を通ってベルトコンベアの移動方向にy軸を、原点を通って鉛直上方向にz軸をそれぞれ設定した座標系を採用すると、距離計測が行なわれた各位置をこの座標系内の複数の点として一義的に表すことができる。従って、これらの複数の点を通る曲面を求めると、この曲面で固体原料の表面の形状を近似することができる。固体原料の表面形状を曲面の方程式として表すことができると、この曲面で覆われた領域の体積を解析的に求めることができる。ここで、空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を別途求めておくと、曲面で覆われた領域の体積から空荷状態のベルトコンベアの形状の体積を差し引くことにより、固体原料の実質的な体積を計算することができる。
【0022】
本発明に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法において、前記固体原料の積載形状を二次曲面で近似する際に該固体原料の表面に無視できない位大きな凹凸部が1つ以上存在する場合、該各凹凸部を除いた滑部領域の積載形状を近似する二次曲面を求めて該滑部領域に対応する滑部搬送体積を求め、かつ該各凹凸部の積載形状を近似する二次曲面をそれぞれ求めて該各凹凸部に対応する凹凸部搬送体積を求めて、前記滑部搬送体積と前記各凹凸部搬送体積の和で前記固体原料の搬送体積を求めることが好ましい。
ここで、凹凸部とは、窪み、あるいは盛り上がった山のいずれかの形状を指す。また、無視できない位大きなとは、窪み、あるいは盛り上がった山を平面視したときに平面に現れる最大長が、例えば30〜50cm、この平面からの深さ又は高さが15〜25cmの大きさである場合を念頭においているが、窪みや盛り上がった山が想定した大きさ以上となっても対応可能である。
【0023】
固体原料の表面に1つ以上の無視できない位大きな凹凸部が存在する場合、この凹凸部を含んで固体原料の表面形状(積載形状)を1つの二次曲面で近似すると、近似の精度が低下する。このため、固体原料の表面を該凹凸部と、該凹凸部を除いた残りの領域(滑部領域)とに分割して、該凹凸部の積載形状を近似する二次曲面と、滑部領域の積載形状を近似する二次曲面とをそれぞれ求める。そして、滑部領域に対応する滑部搬送体積と該凹凸部に対応する該凹凸部搬送体積をそれぞれ求めて、これらを加え合わせることによりベルトコンベアで搬送している固体原料の搬送体積を求める。
【0024】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図2は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図、図3はベルトコンベアの進行方向から見た土砂の断面形状を示す説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図5は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図、図6は本発明の第3の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法における土砂の表面状態の説明図、図7は本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図8は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図、図9は本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図、図10は同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10は、ベルトコンベア11の上に隙間を有して配置されベルトコンベア11で搬送される不定形の固体原料の一例である土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段に設けられた距離計群12aを構成する距離計の一例である複数の光波距離計13〜17と、各光波距離計13〜17が固定設置されている取付け部材18と、光波距離計13〜17で計測した距離からベルトコンベア11上の土砂12の表面上の各位置の表面高さを求めて記録するデータ収録手段19を有している。また、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10は、ベルトコンベア11の移動速度の測定手段20の計測結果、及び土砂12の各位置での表面高さを用いてベルトコンベア11上の土砂12の表面の各位置の座標を計算して土砂12の積載形状を決定し、空荷状態のベルトコンベア11の形状を考慮してベルトコンベア11上の土砂12の搬送体積を求める搬送量演算手段21とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0026】
取付け部材18は、例えば、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材22と、支持材22を上部側で連結する水平梁材23を備えた門型構造とする。そして、各光波距離計13〜17は、水平梁材23のベルトコンベア11の幅の範囲に相当する領域に一定ピッチで設置されて、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるようになっている。
データ収録手段19は、光波距離計13〜17を微小時間間隔、例えば5〜20ms毎に駆動させて土砂12の表面までの距離を計測し表面高さを求めて記録し、マルチボード等の通信手段でそのデータを搬送量演算手段21に送信する機能を有している。なお、データ収録手段19は、コンピュータに上記機能を発現させるプログラムを搭載させることにより構成することができる。
【0027】
ベルトコンベア11の移動速度の測定手段20は、第1の距離計として兼用した中央の光波距離計15と、光波距離計15から一定距離離れてベルトコンベア11を内側に収納している門型構造体24の中央に設けられて、光波距離計15が計測した位置と実質的に同一位置を計測する第2の距離計の一例である光波距離計25と、各光波距離計15、25に対して、例えば5〜20msの微小時間間隔で距離計測を行なわせる機能を備えた計測制御部26と、各光波距離計15、25の計測から得られた土砂12の表面形状を示すデータ群を用いて相互相関関数の第1極大値を検出し、光波距離計15の計測から得られた土砂12の表面形状を示すデータ群と実質的に同一のデータ群が光波距離計25で計測される機能を備えた時間差計測部27と、得られた時間差と各光波距離計15、25の間隔からベルトコンベア11の移動速度を算出する機能を備えた演算部28を有している。なお、計測制御部26、時間差計測部27、及び演算部28は、コンピュータに上記機能を発現させるプログラムを搭載させることにより構成することができる。
【0028】
搬送量演算手段21は、測定手段20で得られたベルトコンベア11の移動速度と、データ収録手段19から出力された土砂12の表面高さのデータを用いてベルトコンベア11上の土砂12の表面の各位置の座標を計算する機能を備えた座標算出部29と、算出された座標から、例えば二次曲面近似を行なって土砂12の表面の形状を求めてこの二次曲面で覆われた領域の体積を算出し、空荷状態のベルトコンベア11の形状を考慮してベルトコンベア11上の土砂12の実質体積を算出する機能を備えた搬送体積算出部30を有している。ここで、搬送量演算手段21はコンピュータに上記の各機能を発現するプログラムを搭載させることにより構成することができる。
なお、搬送量演算手段21には、土砂12の表面までの距離、土砂12の表面高さ、ベルトコンベア11の移動速度、二次曲面で覆われた領域の体積、土砂12の実質体積などの処理結果を出力するための表示器31と印刷機32、データ収録手段19及び搬送量演算手段21の操作指令を行なうキーボード33が接続されている。
【0029】
次に、本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10を使用したベルトコンベアの移動速度測定方法を含むベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明する。
図1に示すベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10において、取付け部材18の水平梁材23には距離計群12aを構成する光波距離計13〜17が、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるように、ベルトコンベア11の幅方向の範囲内に、例えば等間隔に設置されている。このため、図2に示すように、x軸上に等間隔で並んだ5点の位置に相当する土砂12の表面までの距離が、例えば5〜20msの微小時間毎に同時に計測できる。計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各位置での土砂12の高さが算出されて記録される。
【0030】
光波距離計15では、例えばサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回距離計測を行ない、その平均値を5〜20msの微小時間間隔毎に時間差計測部27に転送する。また、光波距離計15からベルトコンベア11の進行方向に、例えば、2〜10m、望ましくは5〜7m離れた位置に設置された光波距離計25においても、光波距離計15に同期して、例えばサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回連続した距離計測を行ない、その平均値を5〜20msの微小時間間隔毎に時間差計測部27に転送する。時間差計測部27では転送されたデータから第1及び第2のデータ群を形成して、(1)式に示す相互相関関数φk を逐次演算する。ここに、{rj }、{sj }はそれぞれ光波距離計15、25による第1及び第2のデータ群である。
【0031】
【数1】
【0032】
光波距離計25では、光波距離計15で距離計測された土砂12の表面部位と同一の部位が、各光波距離計15、25の間隔とベルトコンベア11の移動速度で決まる時間だけ遅れて距離計測される。このため、(1)式の相互相関関数φk の第1極大値を与えるkを求めると、このkから光波距離計15で第1のデータ群が形成された部位が、光波距離計25の直下を通過するまでの時間差が求まる。従って、得られた時間差が演算部28に転送されると、各光波距離計15、25の距離から、第1のデータ群が形成された土砂12の部位が光波距離計15を通過してから光波距離計25を通過するまでの速度、すなわちベルトコンベア11の移動速度が算出される。算出されたベルトコンベア11の移動速度は、座標算出器29に転送される(以上、第1工程)。
【0033】
座標算出器29では、転送されたベルトコンベア11の移動速度と、各位置での土砂12の高さデータから、各位置の前記した座標系における座標を計算する。ここで、図2に示すように、x座標の値は、光波距離計13〜17の設置位置から決定できる。また、y座標の値は、距離計測を行う微小時間間隔とベルトコンベア11の移動速度から算出できる。更に、z座標の値は転送された各距離計測された位置での高さデータを使用できる。各位置の座標値が決定されると、その結果は搬送体積算出器30に転送される。
【0034】
搬送体積算出器30では、先ず各位置の全座標値から土砂12の表面形状を、例えば、(2)式に示すような二次曲面f(x,y)で近似する。ここで、g1 (x,y)=1、g2 (x,y)=x、g3 (x,y)=y、g4 (x,y)=x2 、g5 (x,y)=xy、g6 (x,y)=y2 である。また、展開係数ci の推定は、各点の座標値(xj ,yj ,zj )(j=1〜M)を用いて、(3)式で示される2乗偏差を最小化することにより行なう。なお、(2)式ではg1 〜g6 の6個の関数を用いて近似したが、gi の個数は6より多くても少なくてもよい。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
最適推定値c* =(c* 1 ,c* 2 ,・・・,c* 6 )は(3)式をci で微分しゼロとおくことにより求まり、(4)式で表される。ただし、zは、各位置の座標値で作られる観測値ベクトルz=(z1 ,z2 ,・・・,zM )T である。また、Gは(k,l)要素がgkl=gl (xk ,yk )で定義される(M×6)行列である(以上、第2工程)。
【0038】
【数4】
【0039】
図3にx軸と平行な断面での土砂12の断面形状を示す。土砂12の体積を求めるには、土砂断面34がベルトの両側部35、36と接する境界線を求める必要がある。図3において、これらの境界線の近くで、両側部35、36のベルト形状は、図3の左側(B2 )ではz=ax+bにより、また右側(B1 )ではz=−ax+bにより与えられるので、ベルトの両側部35、36と接する境界線はそれぞれ(5)式と(6)式により与えられる。
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
これらの境界線は、yの値を変化させれば、それに応じてxの値が求まるので、(xk ,yk )(1≦k≦K)となる形のデータが得られる。このため、これらを最小2乗法により、それぞれyに関する2次関数で表し、この結果(7)式が得られる。
【0043】
【数7】
【0044】
また、取付け部材18を通過した土砂12の長さLy は、1回毎の体積測定に用いるベルトコンベア進行方向の距離測定回数、距離計測を行う微小時間間隔とベルトコンベア11の移動速度から求まるので、取付け部材18を通過した土砂12の搬送体積Vは(8)式で求められる。なお、x1 (y)、x2 (y)は(7)式で与えられるyの2次関数である。つまり、x1 (y)=b11y2 +b12y+b13、x2 (y)=b21y2 +b22y+b23である。また、s(x)はベルトコンベア11の断面ベルト形状を示す関数である。
【0045】
【数8】
【0046】
以上のように、取付け部材18を通過した土砂12の長さLy を一つの算出単位として逐次体積を算出し、これらを累積することで、搬送する土砂12の総体積を算出することができる(以上、第3工程)。
ここで、予め土量が確定している土砂12を、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10を使用して搬送しながら土砂12の総体積を算出し、得られた体積の誤差を求めた。例えば、確定土量2473m3 に対して計測土量は2518.74m3 となり誤差は1.85%、確定土量3081m3 に対して計測土量は3061.806m3 となり誤差は−0.62%、確定土量3136m3 に対して計測土量は3078.005m3 となり誤差は−1.85%となった。従って、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10を使用して、土砂12を搬送しながら±2%の範囲内で土砂12の総体積を算出することができる。
【0047】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37は、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10と比較して、距離計測手段が土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切って走査可能な非接触型の距離計の一例である光波距離計38を備え、ベルトコンベア11の移動速度の測定手段は土砂12の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1の距離計39と、前述した第2の距離計25を有していることが特徴となっている。光波距離計38及び第1の距離計39は、門型構造体24の手前に一定間隔離れて設置された取付け部材40に固定配置されている。そのため、第1の実施の形態のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10で使用するのと同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。光波距離計38は、取付け部材40の中央に取付けられて、ベルトコンベア11の幅方向の一端側から他端側の範囲が計測領域となるように計測方向を傾けながら、例えば5〜20msの微小時間間隔で、すなわち所定の俯角毎に光波(レーザ光)を照射する。これによって、光波距離計38から土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切る線上に並ぶ複数位置までの各距離を計測することができる。また、第1の距離計39は、例えば5〜20msの微小時間毎に距離計測を行う。ただし、1回の計測に際してはサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回測定を行ったものの平均値を用いる。更に、取付け部材40は、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材41と支持材41を上部側で連結する水平梁材42を備えた門型の構造体とすることができる。そして、光波距離計38は水平梁材42の中央に設けられている。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37を使用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明するが、搬送量自動計測装置37では、ベルトコンベア11で搬送される土砂12の表面までの距離の計測方法が異なるだけで、ベルトコンベア11の移動速度の測定方法、距離を求めて土砂12の体積を算出する方法は、搬送量自動計測装置10と実質的に同一である。このため、土砂12の表面までの距離の計測方法についてのみ説明する。
図4に示すように、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37において、ベルトコンベア11の進行方向にy軸、ベルトコンベア11の幅方向(取付け部材40の水平梁材42の軸方向)にx軸、x軸及びy軸の交点を通って垂直方向にz軸となるように座標系を設定し、計測を開始する。光波距離計38は土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切るように走査しながら、例えば5〜20msの微小時間毎に土砂12の表面までの距離を計測するので、図5に示すように、ベルトコンベア11上の土砂12の表面を斜めに横切るように並んだ各点までの距離が順次計測される。そして、計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各点での土砂12の高さが算出され記録される。
【0049】
光波距離計39では、例えば、5〜20msの微小時間毎に距離計測を行う。ただし、1回の計測に際しては、サンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行ったものの平均値を用いる。平均値は5〜20msの微小時間毎に時間差計測部27に転送する。また、光波距離計39からベルトコンベア11の進行方向に、例えば、2〜10m、望ましくは5〜7m離れた位置に設置された光波距離計25においても、光波距離計39に同期して、例えばサンプリングレート0.1〜0.2msで10〜20回の測定を行ったものの平均値を5〜20msの微小時間毎に時間差計測部27に転送する。そして、時間差計測部27では、光波距離計39、25からそれぞれ転送されたデータから第1及び第2のデータ群を形成して、(1)式に示す相互相関関数φk を逐次演算する。
【0050】
続いて本発明の第1及び第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10、37を用いた第3の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について説明する。
図6に示すように、第3の実施の形態に係る搬送物の搬送量自動計測方法は、ベルトコンベア11で搬送される土砂43の表面44に、例えば1個の無視できない位大きな凹凸部45(この場合は窪み)が存在している場合に、この表面44の形状を二次曲面で近似して土砂43の体積を求めるものである。表面44に無視できない位大きな凹凸部45が存在する場合、この表面44を1つの二次曲面で近似すると近似精度は悪くなる。そこで、表面44を、無視できない位大きな凹凸部45の表面46と、該凹凸部45を除いた残りの領域(滑部領域) 47の表面48とに分割すると、表面46と表面48はそれぞれ滑らかな表面と考えることができるので、各表面46、48をそれぞれ異なった二次曲面で近似できる。その結果、表面44で覆われた土砂43の体積を、表面46の形状を近似する二次曲面で覆われる該凹凸部搬送体積、及び表面48の形状を近似する二次曲面で覆われる滑部搬送体積の和として求める。
ここで、表面44の各位置までの距離を計測して各位置の座標が求まっているので、各表面46、48の形状を近似する二次曲面は第1及び第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法と実質的に同一の方法で求めることができる。更に、各表面46、48を近似する二次曲面が求まると、表面46の形状を近似する二次曲面で覆われる凹凸部搬送体積、及び表面48の形状を近似する二次曲面で覆われる滑部搬送体積は、第1及び第2の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法と実質的に同一の方法で求めることができる。
【0051】
図7に示すように、本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置49は、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10と比較して、距離計群12aの他に距離計群12aからベルトコンベア11の進行方向に、例えば30〜50cmの間隔を空けて配置された距離計群50を構成する距離計の一例である複数の光波距離計51〜55と、各光波距離計51〜55が固定設置されている取付け部材56が設けられていることが特徴となっている。そのため、第1の実施の形態のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置10で使用するのと同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
取付け部材56は、例えば、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材57と、支持材57を上部側で連結する水平梁材58を備えた門型構造とする。そして、各光波距離計51〜55は、水平梁材58のベルトコンベア11の幅の範囲に相当する領域に一定ピッチで設置されて、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるようになっている。そして、各光波距離計51〜55はデータ収録手段19により微小時間間隔、例えば5〜20ms毎に駆動させて土砂12の表面までの距離を計測し表面高さを求めて記録され、マルチボード等の通信手段でそのデータを搬送量演算手段21に送信している。
なお、距離計群50を構成する各光波距離計51〜55を、距離計群12aを構成する各光波距離計13〜17に対して、x軸方向に関してそれぞれ同一位置となるように設置したが、各光波距離計51〜55を、各光波距離計13〜17に対してx軸方向に少しずらして設置(すなわち、各光波距離計13〜17、51〜55を千鳥状に設置)することもできる。
【0052】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置49を使用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明するが、搬送量自動計測装置49では、ベルトコンベア11の移動速度の測定方法、ベルトコンベア11で搬送される土砂12の表面までの距離の計測方法、距離を求めて土砂12の体積を算出する方法は、搬送量自動計測装置10と実質的に同一である。このため、2つの距離計群12a、50による土砂12の表面までの距離の計測方法についてのみ説明する。
図8に示すように、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置49において、ベルトコンベア11の進行方向にy軸、ベルトコンベア11の幅方向(各水平梁材23、58の軸方向)にx軸、x軸及びy軸の交点を通って垂直方向にz軸となるように座標系を設定し、計測を開始する。距離計群12aの各光波距離計13〜17、及び距離計群50の各光波距離計51〜55は、直下を通過する土砂12の表面までの垂直距離が計測できるように、ベルトコンベア11の幅方向の範囲内に、例えば等間隔に設置されている。このため、距離計群12aによりx軸方向に等間隔に並んだ5点の位置(図8では○で示す)に相当する土砂12の表面までの距離が、例えば5〜20msの微小時間毎に同時に計測される。また、距離計群50によりx軸方向に等間隔に並んだ異なる5点の位置(図8では●で示す)に相当する土砂12の表面までの距離が、例えば5〜20msの微小時間毎に同時に計測される。計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各点での土砂12の高さが算出され記録される。その結果、第1の実施の形態(図2参照)と比較して、土砂12の表面の距離計測位置の数が2倍となり、土砂12の表面形状データをよりきめ細かく採取することができ、土砂12の表面形状(積載形状)の計測精度が向上する。
【0053】
図9に示すように、本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置59は、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37と比較して、光波距離計38からベルトコンベア11の進行方向に、例えば30〜50cmの間隔を空けて配置され、ベルトコンベア11の幅方向に横切って走査可能な非接触型の距離計の一例である光波距離計60と、光波距離計60が固定設置されている取付け部材61が設けられていることが特徴となっている。なお、取付け部材61は、例えば、内側にベルトコンベア11を通過させるようにベルトコンベア11の両側に設けられた1対の支持材62と、支持材62を上部側で連結する水平梁材63を備えた門型構造とする。そして、光波距離計60は、水平梁材63の中央に取付けられて、ベルトコンベア11の幅方向の一端側から他端側の範囲が計測領域となるように計測方向を傾けながら、例えば5〜20msの微小時間間隔で、すなわち所定の俯角毎に光波(レーザ光)を照射する。これによって、光波距離計60から土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切る線上に並ぶ複数位置までの各距離を計測することができる。そのため、第2の実施の形態のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置37で使用するのと同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】
次に、本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置59を使用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法について詳細に説明するが、搬送量自動計測装置59では、ベルトコンベア11の移動速度の測定方法、ベルトコンベア11で搬送される土砂12の表面までの距離の計測方法、距離を求めて土砂12の体積を算出する方法は、搬送量自動計測装置37と実質的に同一である。このため、2つの距離計38、60による土砂12の表面までの距離の計測方法についてのみ説明する。図10に示すように、ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置59において、ベルトコンベア11の進行方向にy軸、ベルトコンベア11の幅方向(各水平梁材42、63の軸方向)にx軸、x軸及びy軸の交点を通って垂直方向にz軸となるように座標系を設定し、各光波距離計38、60を同期させて計測を開始する。各光波距離計38、60は、土砂12の表面をベルトコンベア11の幅方向に横切るように走査しながら、例えば5〜20msの微小時間毎に土砂12の表面までの距離を計測するので、図10に示すように、光波距離計38ではベルトコンベア11上の土砂12の表面を斜めに横切るように並んだ各点(図10では○で示す)までの距離が順次計測される。また、光波距離計60ではベルトコンベア11上の土砂12の表面を、光波距離計38で計測された点とは異なる位置で斜めに横切るように並んだ各点(図10では●で示す)までの距離が順次計測される。そして、計測された各距離はデータ収録手段19に転送されて各点での土砂12の高さが算出され記録される。その結果、第2の実施の形態(図5参照)と比較して、土砂12の表面の距離計測位置の数が2倍となり、土砂12の表面形状データをよりきめ細かく採取することができ、土砂12の表面形状(積載形状)の計測精度が向上する。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置及びその方法並びにベルトコンベアの移動速度測定方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、固体原料の表面までの垂直距離を計測するために5台の光波距離計を用いたが、光波距離計の台数はこれより少なくても多くてもよく、ベルトコンベアの幅に応じて任意に設定することができる。また、各点での距離計測に当ってサンプリングレートを0.1〜0.2msとしたが、これより短くしても、長くしてもよい。土砂の表面形状を近似する際に二次曲面近似を使用したが、ガウス関数和を使用して近似することも可能である。更に、光波距離計をベルトコンベアの進行方向に1段あるいは2段に設けたが、3段以上設けることもできる。データ収録手段、ベルトコンベアの移動速度の測定手段、及び搬送量演算手段を1台のコンピュータで構成したが、データ収録手段とベルトコンベアの移動速度の測定手段、及び搬送量演算手段をそれぞれ1台のコンピュータで構成するようにすることもできる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜9記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、不定形の固体原料を搬送しているベルトコンベアの上に隙間を有して配置され、固体原料の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、距離計測手段を用いてベルトコンベア上の固体原料の表面までの距離を微小時間間隔で計測し、ベルトコンベア上の固体原料の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段と、ベルトコンベアの移動速度の測定手段と、測定手段の計測結果、及び距離計測手段で計測されたそれぞれの距離から求まる固体原料の表面高さを用いてベルトコンベア上の固体原料の表面の各位置の3次元座標を計算して固体原料の積載形状を決定し、空荷状態のベルトコンベアの形状からベルトコンベア上の固体原料の搬送体積を求める搬送量演算手段とを有するので、ベルトコンベアで搬送される固体原料の表面形状を曲面で近似して体積を算出することができ、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能となる。
【0057】
特に、請求項2記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、ベルトコンベアの移動速度の測定手段はベルトコンベアの上方にベルトコンベアの進行方向に一定間隔離れて配置され固体原料の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1及び第2の距離計と、第1の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状、及び第2の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって固体原料の表面の同一箇所が第1の距離計の下を通過してから第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、ベルトコンベアの移動速度を算出する演算部を備えるので、稼働中のベルトコンベアの移動速度を逐次精度よく測定することが可能となる。
【0058】
請求項3及び5記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を備えるので、固体原料の表面で距離計測が行なわれた位置の座標を簡単に決定することができ、固体原料の形状を容易に決定することが可能となる。
【0059】
請求項4及び6記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群をベルトコンベアの進行方向に複数段備えるので、固体原料の表面形状データをよりきめ細かく採取でき、固体原料の形状を精度よく決定することが可能となる。
請求項7記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、第1の距離計は、距離計測手段の構成要素である複数の距離計のいずれか1つと兼用されているので、距離計の台数を減少させることができ、装置の製造コストを低減させることができる。また、距離計の台数を減少させることで処理データ数を減少させることが可能となって、処理時間を短縮することが可能となる。
【0060】
請求項8記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を備えるので、1台の距離計を用いて固体原料の表面の複数位置の座標を決定することができ、装置の製造コストを低減させることができる。
請求項9記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置においては、距離計測手段は、固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計をベルトコンベアの進行方向に複数段備えるので、固体原料の表面形状データをよりきめ細かく採取でき、固体原料の形状を精度よく決定することが可能となる。
【0061】
請求項10記載のベルトコンベアの移動速度測定方法においては、ベルトコンベアの上方にベルトコンベアの進行方向に一定間隔離して非接触型の第1及び第2の距離計を配置して固体原料の表面までの垂直距離を計測し、第1の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状、及び第2の距離計で計測された垂直距離から求まる固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって固体原料の表面の同一箇所が第1の距離計の下を通過してから第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、ベルトコンベアの移動速度を算出するので、稼働中のベルトコンベアの移動速度を逐次精度よく測定することが可能となる。
【0062】
請求項11〜13記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法においては、ベルトコンベアで搬送している固体原料の表面のベルトの進行方向に対して横切る複数位置までの距離を、ベルトコンベア上でベルトコンベアの幅の範囲に配置された複数の非接触型の距離計、又はベルトコンベア上に配置されベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を用いて、微小時間間隔で計測しながらベルトコンベアの移動速度を測定する第1工程と、複数位置までの距離から求まる固体原料の表面高さ、及びベルトコンベアの移動速度から、ベルトコンベア上の固体原料の表面の各位置の座標を計算して固体原料の積載形状を近似決定する第2工程と、固体原料の積載形状と空荷状態のベルトコンベアの形状からベルトコンベア上の固体原料の搬送体積を求める第3工程とを有するので、ベルトコンベアで搬送される固体原料の表面形状を曲面で近似して体積を算出することができ、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能となる。
【0063】
特に、請求項12記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法においては、固体原料の積載形状を二次曲面あるいはガウス関数和で近似するので、固体原料の積載形状を解析的に近似でき、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を素早く、正確に計測することが可能となる。
【0064】
請求項13記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法においては、固体原料の積載形状を二次曲面で近似する際に固体原料の表面に無視できない位大きな凹凸部が1つ以上存在する場合、該各凹凸部を除いた滑部領域の積載形状を近似する二次曲面を求めてその領域に対応する滑部搬送体積を求め、かつ該各凹凸部の積載形状を近似する二次曲面をそれぞれ求めて該各凹凸部領域に対応する該各凹凸部搬送体積を求めて、滑部搬送体積と該各凹凸部搬送体積の和で固体原料の搬送体積を求めるので、固体原料の表面が複雑な積載形状となっていても固体原料の積載形状を部分的に二次曲面近似して、ベルトコンベア上を搬送される搬送物の搬送量を正確に計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図である。
【図2】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置を用いた距離計測の方法における距離計測点の配置を示す説明図である。
【図3】ベルトコンベアの進行方向から見た土砂の断面形状を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法を示す説明図である。
【図5】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置を用いた距離計測の方法における距離計測点の配置を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法における土砂の表面状態の説明図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図である。
【図8】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るベルトコンベアの移動速度の測定方法及びベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法を適用したベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置の説明図である。
【図10】同ベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置における距離計測の方法での距離計測点の配置を示す説明図である。
【符号の説明】
10:搬送量自動計測装置、11:ベルトコンベア、12:土砂、12a:距離計群、13〜17:光波距離計、18:取付け部材、19:データ収録手段、20:測定手段、21:搬送量演算手段、22:支持材、23:水平梁材、24:門型構造体、25:光波距離計、26:計測制御部、27:時間差計測部、28:演算部、29:座標算出部、30:搬送体積算出部、31:表示器、32:印刷機、33:キーボード、34:土砂断面、35、36:両側部、37:搬送量自動計測装置、38:光波距離計、39:第1の距離計、40:取付け部材、41:支持材、42:水平梁材、43:土砂、44:表面、45:凹凸部、46:表面、47:残りの領域、48:表面、49:搬送量自動計測装置、50:距離計群、51〜55:光波距離計、56:取付け部材、57:支持材、58:水平梁材、59:搬送量自動計測装置、60:光波距離計、61:取付け部材、62:支持材、63:水平梁材
Claims (13)
- 不定形の固体原料を搬送しているベルトコンベアの上に隙間を有して配置され、該固体原料の表面を横切る複数位置までの距離を計測する非接触型の距離計測手段と、
前記距離計測手段を用いて前記ベルトコンベア上の前記固体原料の表面までの距離を微小時間間隔で計測し、該ベルトコンベア上の該固体原料の各位置での表面高さを求めて記録するデータ収録手段と、
前記ベルトコンベアの移動速度の測定手段と、
前記測定手段の計測結果、及び前記距離計測手段で計測されたそれぞれの前記距離から求まる前記固体原料の表面高さを用いて前記ベルトコンベア上の該固体原料の表面の各位置の座標を計算して該固体原料の積載形状を決定し、空荷状態の前記ベルトコンベアの形状から該ベルトコンベア上の前記固体原料の搬送体積を求める搬送量演算手段とを有することを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。 - 請求項1記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記測定手段は前記ベルトコンベアの上方に該ベルトコンベアの進行方向に一定間隔離れて配置され前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する非接触型の第1及び第2の距離計と、該第1の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状、及び該第2の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって該固体原料の表面の同一箇所が該第1の距離計の下を通過してから該第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、前記ベルトコンベアの移動速度を算出する演算部を備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項1記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項1記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項2記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項2記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記ベルトコンベアの幅の範囲に配置されて前記固体原料の表面までの垂直距離を計測する複数の非接触型の距離計からなる距離計群を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項5及び6のいずれか1項に記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記第1の距離計は、前記距離計測手段の前記距離計群の構成要素である複数の前記距離計のいずれか1つと兼用されていることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置において、前記距離計測手段は、前記固体原料の表面をベルトの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を前記ベルトコンベアの進行方向に複数段備えることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測装置。
- ベルトコンベアで不定形の固体原料を搬送する際に用いるベルトコンベアの移動速度測定方法であって、
前記ベルトコンベアの上方に該ベルトコンベアの進行方向に一定間隔離して非接触型の第1及び第2の距離計を配置して前記固体原料の表面までの垂直距離を計測し、該第1の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状、及び該第2の距離計で計測された垂直距離から求まる該固体原料の表面形状から相互相関関数の計算を行なって該固体原料の表面の同一箇所が該第1の距離計の下を通過してから該第2の距離計の下を通過するまでの時間を求めて、前記ベルトコンベアの移動速度を算出することを特徴とするベルトコンベアの移動速度測定方法。 - ベルトコンベアで搬送している固体原料の表面を該ベルトコンベアの進行方向に対して横切る複数位置までの距離を、該ベルトコンベア上で該ベルトコンベアの幅の範囲に配置された複数の非接触型の距離計、又は該ベルトコンベア上に配置され該ベルトコンベアの進行方向に対して横切って走査する非接触型の距離計を用いて、微小時間間隔で計測しながら、前記ベルトコンベアの移動速度を測定する第1工程と、
前記複数位置までの距離から求まる前記固体原料の表面高さ、及び前記ベルトコンベアの移動速度から、前記ベルトコンベア上の前記固体原料の表面の各位置の座標を計算して該固体原料の積載形状を近似決定する第2工程と、
前記固体原料の積載形状と空荷状態の前記ベルトコンベアの形状から該ベルトコンベア上の前記固体原料の搬送体積を求める第3工程とを有することを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法。 - 請求項11記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法において、前記固体原料の積載形状を二次曲面あるいはガウス関数和で近似することを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法。
- 請求項12記載のベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法において、前記固体原料の積載形状を二次曲面で近似する際に該固体原料の表面に無視できない位大きな凹凸部が1つ以上存在する場合、該各凹凸部を除いた滑部領域の積載形状を近似する二次曲面を求めて該滑部領域に対応する滑部搬送体積を求め、かつ該各凹凸部の積載形状を近似する二次曲面をそれぞれ求めて該各凹凸部に対応する凹凸部搬送体積を求めて、前記滑部搬送体積と前記各凹凸部搬送体積の和で前記固体原料の搬送体積を求めることを特徴とするベルトコンベア搬送物の搬送量自動計測方法。
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