JP2004144507A - 真空計、真空ポンプと空気調和機の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気調和機の施工に際し、正確な真空到達度を把握するとともに工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても真空度管理が十分に可能な真空計の提供するものである。
【解決手段】シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室にはコイルバネが配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、もう一室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記コイルバネの圧縮変化量を前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握できる真空計である。
【選択図】 図3
【解決手段】シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室にはコイルバネが配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、もう一室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記コイルバネの圧縮変化量を前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握できる真空計である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接続配管にて室内機と室外機を接合させるセパレート型空気調和機の施工時に必要な真空計と真空ポンプおよびそれを利用した空気調和機の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機施工方法は、室外機本体にエアパージ用として冷媒ガスを規定量よりも余分に充填し、その冷媒ガスを利用して液側2方弁から接続配管と室内機内部の空気をパージし、ガス側3方弁のサービスポートと呼ばれるバルブより冷媒ガスを大気放出して行っていた。この方式の場合には負圧状態を把握するための真空計は必要なかった。
【0003】
また、ガス側3方弁のサービスポートと呼ばれるバルブより電動式真空ポンプを使用して接続配管と室内機内部を十分に減圧状態にした後、液側2方弁から冷媒ガスを接続配管と室内機内に導入することによって行っていた。この場合には一般的にブルドン管式の真空計が使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年オゾン層の破壊、地球温暖化など環境に対する規制の高揚により空機調和機の設置時にオゾン層破壊係数、地球温暖化係数の高い冷媒ガスを大気放出することは問題である。
【0005】
それに代わり得る方法として電動式真空ポンプを使用した施工方法を指導しているが、ブルドン管式の真空計では計器の取り扱いを慎重にしなければ、衝撃によって真空計のゼロ点が変動してしまい、いざいう時に困ることがしばしばあった。また負圧状態側の最小目盛り値が大きいため、ブルドン管式の真空計によって正確な真空到達度を把握することは実質的に困難であった。図20に一般的なゲージマニホールドに使用される低圧側ゲージを示す。これからわかるように負圧側の目盛りは−250mmHgと−500mmHgでその次は−760mmHgとなっている。したがって100mmHg以下の真空度に対しては詳細な読み取りがほとんど困難である。したがって電動式真空ポンプによって運転時間の管理を行いながら、ブルドン管式の真空計によって大体の真空到達度を再確認しているといった使用方法になっていた。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を鑑みて、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても到達真空度管理が十分に可能な真空計の提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室にはコイルバネが配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、もう一室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記コイルバネの圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握できる構成である真空計である。
【0008】
上記真空計を使用することによって、空気調和機据え付け工事の際に室内機を接続配管で室外機と連結した後、電動式真空ポンプあるいは手動式真空ポンプを使用して施工作業をする時、真空ポンプによってシリンダー容器連通孔側の一室が負圧状態となることによる空間容積収縮作用力と圧縮コイルバネによるバネ作用力とが相殺されて、ある真空度の時は圧縮コイルバネが所定の圧縮変化量として位置付けされる。その結果可動軸に設けられた圧力指示目盛り値を作業者が読み取ることによって真空ポンプによる正確な真空度を簡単に把握することができる。また真空計の構成が単純なため、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても十分耐え得ることが可能な構造を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する真空計である。
【0010】
請求項2記載の発明は、シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する真空計である。
【0011】
請求項3記載の発明は、シリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する真空ポンプである。
【0012】
請求項4記載の発明は、シリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する構成である真空ポンプである。
【0013】
請求項5記載の発明は、室内機と室外機と両者を接続配管で接続して構成する空気調和機を真空ポンプを用いて据え付ける際の空気調和機の施工方法であって、前記真空ポンプはシリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握しながら、前記室内機および前記接続配管内部の負圧状態を確認する空気調和機の施工方法である。
【0014】
請求項6記載の発明は、室内機と室外機と両者を接続配管で接続して構成する空気調和機を真空ポンプを用いて据え付ける際の空気調和機の施工方法であって、前記真空ポンプはシリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握しながら、前記室内機および前記接続配管内部の負圧状態を確認する空気調和機の施工方法である。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記圧力指示目盛りが10〜100torrである真空計である。
【0016】
請求項8記載の発明は、前記圧力指示目盛りが真空度である。
【0017】
請求項9記載の発明は、前記シリンダー内部と前記隔壁板との間にグリース部材が配置されている真空計である。
【0018】
請求項10記載の発明は、前記隔壁板にOリングまたはリップパッキン部材が配設されている真空計である。
【0019】
請求項11記載の発明は、前記貫通孔に不織布またはスポンジ材が配設されている真空計である。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する.
(実施例1)
図1は実施例に示す空気調和機の冷凍サイクル構成図である。冷凍サイクルは圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5、室内機熱交換器6を代表的に部品として構成される。圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5は、室外機に配設され、室内機熱交換器6は室内機に配設されている。
【0021】
室外機には、液側2方弁7とガス側3方弁8が設けられている。室外機と室内機とを接続する接続配管9、10はそれぞれ液側2方弁7とガス側3方弁8を用いて接続されている。液側2方弁はネジ部7aを有しており、このネジ部7aを開くことで室外機側の配管と接続配管9とを連通する。またガス側3方弁8はネジ部8aとサービスポート部8bを有しており、このネジ部8aを開くことで室外機側の配管と接続配管10とを連通する。
【0022】
図2に電動式真空ポンプと真空計との接続経路を詳細に説明するための概略図を示す。
【0023】
室外機と室内機を内外接続配管9、10にて接続し、室外機のガス側3方弁8のサービスポート部8bに耐圧ホース11を介して真空計12を連結する。その経路中にはバルブ13が配設されている。さらに電動式真空ポンプ14を耐圧ホース15で連結する。
【0024】
図3、4に真空計本体の構成を詳細に説明するための概略図を示し、図3は真空計のシリンダー容器内部が常圧状態を表し、図4は真空計のシリンダー容器内部が負圧状態を示す。
【0025】
図3において、真空計12の構造は硬質塩ビ製のシリンダー容器121内部にはABS製の隔壁板122が配置され、隔壁板122の周囲にはCR製のOリング123が配設されている。シリンダー容器121と隔壁板122で構成される一室下側にSUS304製の圧縮コイルバネ124が配設され、また下部には孔125も配設され、シリンダー容器121は連通孔125を介して接続冶具126に接続されている。またシリンダー容器121と隔壁板122で構成される一室上側には隔壁板122と連結されるABS製の可動軸127が配設され、可動軸127は隔壁板122の貫通孔128を介してシリンダー容器121の外部まで突き出して伸びている。図4において圧縮コイルバネ124の配設された一室側が負圧状態となると、もう一室側が常に大気圧状態であるため、差圧によって空間容積収縮力が働く。しかし圧縮コイルバネ124のバネ力によって反発されるため、空間容積収縮力とバネ力とが相殺されてある到達真空度の場合には所定の位置に隔壁板122が固定されることになる。隔壁板122には可動軸127が連結されているので、可動軸127は隔壁板122の動きに連動する。その結果真空計の内部が負圧状態になるとともに可動軸127は作動してシリンダー容器121の外部から内部へと侵入する。この時可動軸127には圧縮コイルバネ124のバネ定数を考慮しながら、図5に示すような圧力指示目盛りが設定されており、可動軸127の動きが固定された位置での目盛り値を読み取ることで正確な到達真空度を把握することができる。
【0026】
具体的な据え付け工事手順について説明する。バルブ13を開状態として電動式真空ポンプ14と真空計12が接続された耐圧ホース11をサービスポート部8bに取り付けることで耐圧ホース11内部は室内機および接続配管9、10内部と連通状態となる。次ぎに電動式真空ポンプ14のスイッチをオンすることで運転が開始され、徐々に室内機および接続配管9、10内部が負圧状態となり、真空計12の隔壁板122が下方へ移動して一定のレベルに達した所で停止する。この時の到達真空度を可動軸127から読み取るとともにバルブ13を閉状態とし、しばらく放置して真空計12の可動軸の位置に変化がないことを確認する。ここで目盛り値に変化があれば、接続配管部に空気漏れをおこしている場所があることになるので作業を再チェックする必要がある。次ぎに液側2方弁7のネジ部7aを少し緩め、室外機側の冷媒ガスを導入することによって、接続配管9、10および室内機側配管の内部をわずかに正圧状態(約0.2kgf/cm2)とする。その後サービスポート部8bから耐圧ホース11を取り外し、再度液側2方弁7のネジ部7aを1/4回転してさらに加圧状態(3〜6kgf/cm2程度)として接続配管部の漏れを再確認する。最後に液側2方弁7のネジ部7aを完全に開放状態とするとともにガス側3方弁8のネジ部8aも完全に開放状態とすることで空気調和機の施工に関する据え付け作業が完了となる。
【0027】
本実施例では、室内熱交換器6を含む室内機側配管および接続配管9、10の内容積は1.5リットルであるものに対して、電動式真空ポンプを使用したので真空計にて5torr以下までの負圧状態を確認することができた。真空計において、シリンダー容器121内部の隔壁板122が負圧を受ける面積は9cm2とし、圧縮コイルバネ1244の自由長は170mm、バネ定数0.895N/mmとして設計した。その結果約80mmの圧縮変化量を得ることができた。
【0028】
(実施例2)
本実施例でも使用した空気調和機の冷凍サイクル構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。本実施例では下記に説明するような手動式真空ポンプを使用した。
【0029】
図6に手動式真空ポンプ本体の構成と真空計との接続経路を詳細に説明するための概略図を示す。
【0030】
室外機と室内機を内外接続配管9、10にて接続し、室外機のガス側3方弁8のサービスポート部8bに耐圧ホース16を介して真空計17を連結する。その経路中にはバルブ18が配設されている。さらに手動式真空ポンプの2つの吸気ポートが1つに連結された連結ポート部となる耐圧ホース19で連結する。その経路中にはフィルター部20が配設されている。
【0031】
図7、8に真空計本体の構成を詳細に説明するための概略図を示し、図7は真空計のシリンダー容器内部が常圧状態を表し、図8は真空計のシリンダー容器内部が負圧状態を示す。
【0032】
図7において、真空計17の構造は硬質塩ビ製のシリンダー容器171内部にはABS製の隔壁板172が配置され、隔壁板172の周囲にはCR製のUパッキン173が配設されている。シリンダー容器171と隔壁板172で構成される一室下側の下部には連通孔174が配設され、シリンダー容器171は連通孔174を介して接続冶具175に接続されている。またシリンダー容器171と隔壁板172で構成される一室上側にはSUS304製の引張コイルバネ176が配設されるとともに隔壁板172と連結されるABS製の可動軸177が配設され、可動軸177は隔壁板172の貫通孔178を介してシリンダー容器171の外部まで突き出すように伸びている。また貫通孔178の周囲にはPP製不織布179が配設され、外部からシリンダー容器171内部へのゴミ侵入を防止する役割を果たしている。引張コイルバネ176は隔壁板172とシリンダー容器171の内天面に接着固定され、隔壁板172の動きによって引張コイルバネ176を引っ張る力が働く構成となっている。図8において引張コイルバネ176の配設された一室側が負圧状態となると、もう一室側が常に大気圧状態であるため、差圧によって隔壁板172には空間容積収縮力が働く、しかし引張コイルバネ176のバネ力によって反発されるため、空間容積収縮力とバネ力とが相殺されてある到達真空度の場合には所定の位置に隔壁板172が固定されることになる。隔壁板172には可動軸177が連結されているので、可動軸177は隔壁板172の動きに連動する。その結果真空計の内部が負圧状態になるとともに可動軸177は作動してシリンダー容器171の外部から内部へと侵入する。この時可動軸177には引張コイルバネ176のバネ定数を考慮しながら、図9に示すような圧力指示目盛りとともに真空度範囲によって赤→黄→緑と色別表示が設定されており、可動軸177の動きが固定された位置での目盛り値を読み取ることで正確な到達真空度を把握することができる。
【0033】
図6において、手動式真空ポンプの構造はアルミニウム製シリンダー本体21内部にアルミニウム製ピストン22がシリンダー内部を2室に分割するように配置され、ピストン22はステンレス製支持軸23を介してアルミニウム製ハンドル24と連結されている。真空ポンプ本体の総重量はほぼ1kgである。
【0034】
シリンダー21内部をピストン22が動作する時、ピストン22の上死点位置、下死点位置になるシリンダー本体側面隔壁に逆止弁25a、25b、26a、26bを直結する構成とした。この時排気ポート用逆止弁25a、25bには図10,11に示される構造のものを使用し、吸気ポート用逆止弁26a、26bには図12に示されるものを使用した。排気ポート用逆止弁25a、25bは銅管251が2ヶ所でロール溝加工されており、溝加工部251aには真鍮製弁受け座体252が固定されている。ナイロン製弁体253は弁受け座体252にぶつかり、斜面を有した部分の弁受け座体252との面接触で動きを停止される。また逆方向には溝加工部251bで弁体の動きを停止する。したがって矢印の方向にしか空気は流れない逆止弁構造となる。吸気用逆止弁26a、26bは、銅管261が2ヶ所でロール溝加工されており、溝加工部261aには真鍮製弁受け座体262が固定されている。圧縮コイルバネ体263はフィルム板264に接合され、圧縮コイルバネ力によってナイロン製フィルム板264が真鍮製弁受け座体265にぶつかり、受け座体265とフィルム板262とが面接触で流路を閉塞し、矢印の方向にしか空気は流れない逆止弁構造となる。圧縮コイルバネ体263はSUS304製のバネ定数が0.04N/mmのものを使用することで最低作動圧力差を10torrとすることができた。真鍮製弁受け座体265は溝加工部261bで固定され、弁受け座体265の上流側流路には吸気流路面積を絞ることで弁の作動に必要な差圧を少しでも大きくする目的で、テーパー部が設けられている。
【0035】
また、支持軸23がシリンダー21隔壁と接する部分には図13に示されるように軸シール27a、27bが配設され、HNBR製Oリングを2重とすることで構成している。ピストン22にもシリンダー21内壁と接する部分に軸シール28がHNBR製Oリングで配設されている。
【0036】
フィルター部20の内部構成を図14に示した。フィルター部20本体は円筒形状を有し、内部に入った空気はすぐに壁201にぶつかって外周方向に流れが変わり、内部に固定配置された円筒パルプ膜202を通過して内部経路に入り込み、最終的に外部へと導かれる。したがって空気が外周経路から内部経路側に通過する時、ゴミが捕集される。また捕集されたゴミはフィルター部20の円筒203を透明なガラスもしくは樹脂とすることで目視確認することができる。
【0037】
次ぎに手動式真空ポンプの動作について説明する。まず、ハンドル24がa方向(上死点側)に引かれると室内機および接続配管9、10内部の空気はサービスポート部8bから耐圧ホース16、真空計17、耐圧ホース19より、吸気ポートとなる逆止弁26bを通じてシリンダー内部21bに吸引され、反対にシリンダー内部21aの空気は排気ポートとなる逆止弁25aを介して大気放出される。次ぎにハンドル24がb方向(下死点側)に押されると室内機および接続配管9、10内部の空気はサービスポート部8bから耐圧ホース16、真空計17、耐圧ホース19より、吸気ポートとなる逆止弁26aを通じてシリンダー内部21aに吸引され、反対にシリンダー内部21bの空気は排気ポートとなる逆止弁25bを介して大気放出される。次ぎは再度ハンドル24がa方向(上死点側)に引かれるというようにハンドル24が往復運動され、ピストン22が同期する。この時シリンダー内部は4つの逆止弁が切り変わりながら、ピストンがa方向、b方向いずれの方向に移動しても絶えず減圧されながら、最終的には十分な負圧状態を達成できる。厳密にはハンドル24が往復運動する時、耐圧ホース19内部とシリンダー内部の21aあるいは21bが差圧を生ずることができる限りは減圧作用機構を継続できる。したがって吸気ポートに配設される逆止弁26a、26bは最低作動圧力差の小さなものが要求される。その最低作動圧力差を決定するのは本実施例のような逆止弁では圧縮コイルバネ体263のバネ定数となる。
【0038】
手動式真空ポンプを使う初期にはシリンダー内部21aと21bとには大きな差圧を生じるが、ピストンが往復運動することでその差圧状態は次第に小さく減衰する。この時軸シール27a、27bはシリンダー21内部の負圧(30torr以下)と外気圧(760torr)との差圧状態を十分に確保し、空気漏れを極力防止するためにOリングを2重構造とすることで構成している。2重構造とすることで支持軸が動作する時に、付着してシール部への噛み込みをおこし易い異物も防止することができる。また軸シール28はOリング一つでピストン22が往復運動する時に生ずる差圧状態を十分に確保している。
【0039】
具体的な空気調和機の据え付け工事手順について説明する。バルブ18を開状態として手動式真空ポンプの耐圧ホース16をサービスポート部8bに取り付けることで耐圧ホース16内部は室内機および接続配管9、10内部と連通状態となる。次ぎに真空ポンプのハンドル24をAまたB方向に往復運動させることで、徐々に室内機および接続配管9、10内部が負圧状態となり、真空計17の隔壁板172が下方へ徐々に移動して行き、一定のレベルに達した所で停止する。この時の到達真空度を可動軸177から読み取るとともにバルブ18を閉状態とし、しばらく放置して真空計17の可動軸の位置に変化がないことを確認する。ここで目盛り値に変化があれば、接続配管部に空気漏れをおこしている場所があることになるので作業を再チェックする必要がある。次ぎに液側2方弁7のネジ部7aを少し緩め、室外機側の冷媒ガスを導入することによって、接続配管9、10および室内機側配管の内部をわずかに正圧状態(約0.2kgf/cm2)とする。その後サービスポート部8bから耐圧ホース11を取り外し、再度液側2方弁7のネジ部7aを1/4回転してさらに加圧状態(3〜6kgf/cm2程度)として接続配管部の漏れを再確認する。最後に液側2方弁7のネジ部7aを完全に開放状態とするとともにガス側3方弁8のネジ部8aも完全に開放状態とすることで空気調和機の施工に関する据え付け作業が完了となる。
【0040】
本実施例では、室内熱交換器6を含む室内機側配管および接続配管9、10の内容積は1.5リットルであるものを使用した。真空ポンプにおいてピストンが上死点に位置する時のシリンダー空間内容積を200ml(27φ×350mm)とし、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの合計空間内容積を1.5mlとした。ただし、シリンダー本体隔壁に生じるポート用流路空間もここに含むものとみなした。ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースを3mlとした。ピストンが上死点に位置する時、形成されるシリンダー空間内容積とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペース、およびシリンダー出口から吸気ポートと排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計を甲とし、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペース、およびシリンダー出口から吸気ポートと排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計を乙とすると、甲と乙の関係は 甲/乙=45である。図15はピストンが下死点に位置する時のシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの合計空間内容積およびシリンダー内デッドスペースとなる乙部分を具体的に図示したものである。吸気ポートと排気ポートがシリンダー本体の上死点位置および下死点位置で、かつ各々2個ずつの逆止弁が直結するような状態で隔壁への埋め込み構成されることでシステム構造上、減圧機構でのデッドスペースとなる部分を極力最小となるように設計した。
【0041】
この時上述の作業手順にしたがって実施し、手動式真空ポンプを使用してハンドルを40ストローク往復運動させることで28torrを達成できた。この時の減圧進行状態をストローク回数と内部圧力の関係で図16示した。50ストロークまで減圧進行状態を確認したが、到達真空度は40ストロークで平衡状態に達してそれ以上は進行しなかった。正確な真空度については別途デジタル圧力センサーを利用してモニターした。実施例の真空計において、シリンダー容器171内部の隔壁板172が負圧を受ける面積は9cm2とし、引張コイルバネ174の自由長は255mm、バネ定数0.574N/mmとして設計した。その結果約120mmの伸長変化量を得ることができた。また圧力指示目盛りには真空度範囲によって赤→黄→緑と色別表示が設定されていることで、到達真空度の読み取りを簡便にすることができた。
【0042】
実施例2では、引張コイルバネ176は隔壁板172とシリンダー容器171の内天面に接着固定され、隔壁板172の動きによって引張コイルバネ176を引っ張る力が働く構成となっているものを使用したが、引張コイルバネ176を使用する場合には接着固定されていることが必須要件であった。しかし実施例1のような圧縮コイルバネ124を使用する場合には、隔壁板122とシリンダー容器121の内面に接着固定されていても、接着固定されていなくても真空計としての機能上は問題ない。
【0043】
(実施例3)
本実施例でも使用した空気調和機の冷凍サイクル構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。また真空ポンプ本体も実施例2と同様なものを使用し、真空計29だけ異なる仕様のものを使用した。また真空計29本体の構成はほぼ実施例2と同様であり、異なる部分についてだけ説明する。図18に本実施例の真空計29を説明するための要部拡大図を示す。本実施例ではシリンダー容器291内部にABS製の隔壁板292が配置され、隔壁板292の周囲にはCR製のYパッキン293が配設されている。
【0044】
具体的な空気調和機の据え付け工事手順については実施例2と同様に実施した。本実施例の真空計によっても施工時の室内機側配管および接続配管内部の到達真空度を正確に把握することができた。
【0045】
(実施例4)
本実施例でも使用した空気調和機の冷凍サイクル構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。また真空ポンプ本体も実施例2と同様な手動式のものを使用し、真空計30だけ異なる仕様のものを使用した。また真空計30本体の構成はほぼ実施例2と同様であり、異なる部分についてだけ説明する。図19に本実施例の真空計30を説明するための要部拡大図を示す。本実施例ではシリンダー容器301内部にABS製の隔壁板302aと隔壁板302bとが2枚組みで配置され、隔壁板302aと隔壁板302bの間にはCR製のLパッキン303が配設されている。
【0046】
具体的な空気調和機の据え付け工事手順については実施例2と同様に実施した。本実施例の真空計によっても施工時の室内機側配管および接続配管内部の到達真空度を正確に把握することができた。
【0047】
冷媒がR410Aで、冷凍機油がエステル系の空気調和機に対して実施例1、2、3、4の手順で施工を完了し、圧縮機の吐出温度を115℃の過負荷条件に設定し、冷房高温条件として室内機、室外機をともに40℃として信頼性試験を5000時間行なった。その結果、特に異常は発生しなかった。
【0048】
本発明で使用した手動式真空ポンプの減圧機構では、シリンダー内部はピストンを動作させることで常時減圧状態とすることができるが、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間容積はデッドスペースとなる。シリンダー内部デッドスペースとは、ピストンとシリンダー下死点面が接した時に形成されるわずかな隙間およびシリンダー隔壁内に成形される吸気ポートと排気ポート用経路である。したがって、到達真空度に対してはシリンダー空間内容積とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計甲と、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積乙との関係が重要となる。また、ピストンが上死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間容積も上述のデッドスペースに対してはるかに大きいとピストン上死点側では真空ポンプとして機能しない、もしくは逆に負圧度を低下させるので、上死点側と下死点側に形成されるデッドスペースはほぼ均等にすることが好ましい。すなわちピストン下死点側に形成されるデッドスペースがピストン上死点側よりも到達真空度の重要な要素となるのは、支持軸の占める体積分によってシリンダー空間容積が狭くなるためである。
【0049】
ピストンが上死点に位置する時形成されるシリンダー空間内容積とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計甲とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの合計空間内容積乙の関係は、甲/乙≧40で設計し、逆止弁での漏れ量さえある程度抑制すれば、手動式真空ポンプのハンドルを往復運動させることにより30torr以下を十分達成できた。冷凍サイクルの長期信頼性を踏まえた場合には設計上に気密漏れがなくても、甲/乙≧40が必要である。甲/乙の関係は大きすぎて到達真空度に支障をきたすことはないが、手動式真空ポンプがかさばったり、重くなり携帯性が悪くなる。またハンドルを往復運動させる作業性も悪くなる。空気調和機の施工に必要となる手動式真空ポンプストローク回数は室内機側配管および接続配管の内容積とシリンダー空間内容積との関係で決まってくる。室内機側配管および接続配管の内容積が1.5リットルである場合にはシリンダー空間内容積が200mlで約40ストローク往復運動することで平行状態に達し、真空ポンプのストローク回数と真空計での圧力指示目盛り値を管理することによって作業者は空気調和機を信頼性の観点から問題なく設置できた。
【0050】
本発明の真空計は可動軸の変化量によって到達真空度の精度が異なってくる。したがって可動軸の変化量は少なくとも到達真空度に対して50mm以上が好ましく、さらには100mm以上が好ましかった。また空気調和機の施工に使用する真空計という観点から、本発明に必要な真空計の測定範囲は100torr以下であり、さらには50torr以下を正確に測定できることが必要であった。本発明の真空計隔壁板に配設できるガスシール部材はOリングあるいはリップパッキンが好ましく、リップパッキンとしては実施例で使用したUパッキン、Yパッキン、Lパッキンの他にVパッキン、Jパッキンも使用できる。硬度はOリングの場合にはスプリング式A型で60〜90程度のエラストマーが適しており、リップパッキンの場合にはそれよりも低硬度の30〜60程度のエラストマーが適していた。また材質としてはCRの他に、HNBR、EPDM、NBR等が適用できる。また本発明の真空計隔壁板に使用できるガスシール用グリース部材としては一般的に真空用として使用されるシリコーン系のものが適していた。グリース部材を使用しなくても、Oリングあるいはリップパッキンの構成によって気密性を保つことはできたが、Oリングあるいはリップパッキンを隔壁板に使用しない場合にはグリース部材を使用しないと気密性を保つことは困難であった。Oリングあるいはリップパッキンとグリース部材とをともに使用すれば隔壁板のすべり性と気密性から申し分ないものであった。
【0051】
本発明の真空計貫通孔に配設できる不織布としてはPP、PET、ナイロン繊維等で構成されるものが適していた。貫通孔に厚み1〜3mm程度の不織布が配設され、可動軸に微かに接触する程度が好ましかった。また不織布のかわりにスポンジ材を使用することも可能であった。スポンジ材の特性としては柔軟性が要求されるので、50%圧縮荷重値が10〜100g/cm2程度のものが適していた。貫通孔に不織布あるいはスポンジ材を配設することによって真空計のシリンダー容器内部へゴミ等が侵入することを防止でき、真空計の耐久性を向上させることができた。
【0052】
本発明の真空計のシリンダー容器としては硬質塩ビの他に、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルミニウム等十分な機械的強度を有するものであれば特に限定されない。また隔壁板としてもコイルバネの力に対抗できる強度を有するものであれば、シリンダー容器と同様なものが使用できる。
【0053】
本発明の手動式真空ポンプで使用できる軸シールは、硬度がスプリング式A型で60〜90程度のエラストマーである。具体的にはHNBRの他にCR、EPDM、NBR等が適用できる。また実施例では軸シールをOリング2重構造として支持軸と接触する点を2ヶ所としたが、この時外部側の接触点は支持軸がシリンダー外部にある時支持軸に付着したホコリを除去する作用をしている。また支持軸の急激な動きにも接触する点を2ヶ所以上とすることで、片方が空気の漏れを生じてももう一方の接触点で遮蔽することができた。
【0054】
本発明の手動式真空ポンプで使用できる排気ポート側の逆止弁構成としては、実施例のようなものの他に軽量小型な金属球からなる可動物がパイプ内を移動することで開閉弁構造を構成するものでもよい。樹脂でもナイロンのほかPFA、PVDF等のフッ素系樹脂、PPSも使用できる。本発明では使用される逆止弁は吸気ポート側の方が排気ポート側よりも最低作動圧力差が重要である。すなわち排気ポート側は真空ポンプを動作させると次第に圧力差が大きくなる方向であるが、吸気ポート側は逆に室内機および接続配管とシリンダー内の圧力差が小さくなるためである。したがって、吸気ポート側の逆止弁は小さな差圧でも弁閉塞が行なえるものが好ましく、具体的には最低作動圧力差10torr以下である。さらに、差圧1kgf/cm2の状態で気体漏れ量が1ml/min以下のものが好ましい。これは真空ポンプのハンドル操作を作業者が停止した途端に今までの到達真空度が急に低下するようでは作業性が悪くなるからである。具体的には実施例で使用したような圧縮コイルバネで樹脂フィルムを受け座体に押し付けることで流路を閉塞する逆止弁が好ましかった。その時の圧縮コイルバネのバネ定数は0.01〜0.04N/mmであった。バネ定数が0.01N/mm以下になると作業を行う時での真空ポンプの方向によって圧縮コイルバネが重力の影響を受けて十分な機能を発揮できない場合があった。
【0055】
実施例では手動式ハンドル部を使用して真空ポンプを動作させたが、ペダルを設けてピストンの動作をペダルと同期させるメカ機構とすることもできる。地球環境を配慮すると従来の電動式に対してハンドルあるいはペダルを利用した人力で十分な真空度が得られることは空気調和機の施工時において環境負荷低減の効果が大きい。
【0056】
本実施例では室外機本体内にドライヤーを配置したものを示した。本発明での真空ポンプでは室内機および接続配管の内部に存在する水分を電動式真空ポンプと比較すると十分に排除することは難しい。したがって、冷凍サイクル内にドライヤーを配置した空気調和機のほうが長期信頼性を保証しやすい。
【0057】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、請求項1記載の発明によれば真空計を使用することによって、空気調和機据え付け工事の際に室内機を接続配管で室外機と連結した後、電動式真空ポンプあるいは手動式真空ポンプを使用して施工作業をする時、真空ポンプによってシリンダー容器連通孔側の一室が負圧状態となることによる空間容積収縮作用力と圧縮コイルバネによるバネ作用力とが相殺されて、ある真空度の時は所定の圧縮変化量として位置付けされる。その結果、可動軸に設けられた圧力指示目盛りを作業者が読み取ることによって真空ポンプによる正確な真空度を簡単に把握することができた。また、真空計の構成が単純なため、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても十分耐え得ることが可能な構造を提供することができた。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、真空計を使用することによって、空気調和機据え付け工事の際に室内機を接続配管で室外機と連結した後、電動式真空ポンプあるいは手動式真空ポンプを使用して施工作業をする時、真空ポンプによってシリンダー容器連通孔側の一室が負圧状態となることによる空間容積収縮作用力と引張コイルバネによるバネ作用力とが相殺されて、ある真空度の時は所定の伸長変化量として位置付けされる。その結果、可動軸に設けられた圧力指示目盛りを作業者が読み取ることによって正確な真空ポンプによる真空度を簡単に把握することができた。また真空計の構成が単純なため、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても十分耐え得ることが可能な構造を提供することができた。
【0059】
請求項3,4記載の発明によれば、手動式真空ポンプの場合には電動式真空ポンプに対して到達真空度が低いため、作業者は室内機および接続配管内部の到達真空度を正確に把握する必要があったが、本構成の真空計と組み合わせることで30torr付近の真空度を、コイルバネの圧縮変化量あるいは伸長変化量として正確に把握できるようになった。
【0060】
請求項5、6記載の発明によれば、手動式真空ポンプを使用して環境にやさしい空気調和機の施工を行うことができるとともに、室内機および接続配管内部の到達真空度も作業者が十分正確に把握することができた。
【0061】
請求項7記載の発明によれば、真空計の圧力指示目盛りを1〜100torr範囲として正確に計測できるものとすることで信頼性においても問題のない空気調和機の施工を実施することができた。
【0062】
請求項8記載の発明によれば、真空計の圧力指示目盛りを到達真空度の違いによって色別表示することで作業者への利便性を大幅に向上させることができた。
【0063】
請求項9記載の発明によれば、真空計のシリンダー内部と隔壁板との間にグリース部材を配置することによってシリンダー内部で隔壁板が移動する時の摺動負荷を低下できるので摺動性が向上するとともに負圧状態となった一室へ隔壁板を介して大気が侵入するのを防止する気密性も向上できた。
【0064】
請求項10記載の発明によれば、真空計の隔壁板にOリングまたはリップパッキンが配設された構成とすることで負圧状態となった一室への大気侵入を防止する気密性をさらに向上でき、空気調和機の施工に伴う真空ポンプ作業側の真空度を正確に測定することができた。
【0065】
請求項11記載の発明によれば、真空計の貫通孔周囲に不織布またはスポンジ材が配設された構成とすることで外部からゴミ等の異物が真空計の内部へと侵入することを防止できるので、隔壁板が摺動する部分にもゴミ等の影響を防止でき、空気調和機の施工に伴う真空ポンプ作業側の真空度を正確に測定することを長期に保証することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において示す空気調和機の構成図
【図2】本発明の実施例1において示す電動式真空ポンプと真空計との接続経路図
【図3】本発明の実施例1において常圧状態を示す真空計の構成図
【図4】本発明の実施例1において負圧状態を示す真空計の構成図
【図5】図4において示す真空計の要部α拡大図
【図6】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプと真空計との接続経路図
【図7】本発明の実施例2において常圧状態を示す真空計の構成図
【図8】図7において真空計の要部β拡大図
【図9】本発明の実施例2において負圧状態を示す真空計の構成図
【図10】図9において示す真空計の要部γ拡大図
【図11】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプの排気ポートに設けられる逆止弁の構成図
【図12】図11の逆止弁におけるA−A´面の断面図
【図13】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプの吸気ポートに設けられる逆止弁の構成図
【図14】図6において示す手動式真空ポンプの要部δ拡大図
【図15】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプのフィルター部の構成図
【図16】図6において示す手動式真空ポンプの要部εにおいて、ピストンが下死点に位置する時のデッドスペースを示す具体図
【図17】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプのストローク回数と内部圧力の関係図
【図18】本発明の実施例3において示す真空計の要部拡大図
【図19】本発明の実施例4において示す真空計の要部拡大図
【図20】従来のブルドン管式低圧真空計を示す外観図
【符号の説明】
9、10 接続配管
12、17、29、30 真空計
13、18 バルブ
22 ピストン
23 支持軸
24 ハンドル
25、26 排気ポート側逆止弁
27 シリンダー用軸シール
28 ピストン用軸シール
121、171、291、301 シリンダー容器
122、172、292、302 隔壁板
124 圧縮コイルバネ
125、174 連通孔
126、175 接続冶具
127、177 可動軸、
176 引張コイルバネ
【発明の属する技術分野】
本発明は、接続配管にて室内機と室外機を接合させるセパレート型空気調和機の施工時に必要な真空計と真空ポンプおよびそれを利用した空気調和機の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機施工方法は、室外機本体にエアパージ用として冷媒ガスを規定量よりも余分に充填し、その冷媒ガスを利用して液側2方弁から接続配管と室内機内部の空気をパージし、ガス側3方弁のサービスポートと呼ばれるバルブより冷媒ガスを大気放出して行っていた。この方式の場合には負圧状態を把握するための真空計は必要なかった。
【0003】
また、ガス側3方弁のサービスポートと呼ばれるバルブより電動式真空ポンプを使用して接続配管と室内機内部を十分に減圧状態にした後、液側2方弁から冷媒ガスを接続配管と室内機内に導入することによって行っていた。この場合には一般的にブルドン管式の真空計が使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年オゾン層の破壊、地球温暖化など環境に対する規制の高揚により空機調和機の設置時にオゾン層破壊係数、地球温暖化係数の高い冷媒ガスを大気放出することは問題である。
【0005】
それに代わり得る方法として電動式真空ポンプを使用した施工方法を指導しているが、ブルドン管式の真空計では計器の取り扱いを慎重にしなければ、衝撃によって真空計のゼロ点が変動してしまい、いざいう時に困ることがしばしばあった。また負圧状態側の最小目盛り値が大きいため、ブルドン管式の真空計によって正確な真空到達度を把握することは実質的に困難であった。図20に一般的なゲージマニホールドに使用される低圧側ゲージを示す。これからわかるように負圧側の目盛りは−250mmHgと−500mmHgでその次は−760mmHgとなっている。したがって100mmHg以下の真空度に対しては詳細な読み取りがほとんど困難である。したがって電動式真空ポンプによって運転時間の管理を行いながら、ブルドン管式の真空計によって大体の真空到達度を再確認しているといった使用方法になっていた。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を鑑みて、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても到達真空度管理が十分に可能な真空計の提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室にはコイルバネが配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、もう一室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記コイルバネの圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握できる構成である真空計である。
【0008】
上記真空計を使用することによって、空気調和機据え付け工事の際に室内機を接続配管で室外機と連結した後、電動式真空ポンプあるいは手動式真空ポンプを使用して施工作業をする時、真空ポンプによってシリンダー容器連通孔側の一室が負圧状態となることによる空間容積収縮作用力と圧縮コイルバネによるバネ作用力とが相殺されて、ある真空度の時は圧縮コイルバネが所定の圧縮変化量として位置付けされる。その結果可動軸に設けられた圧力指示目盛り値を作業者が読み取ることによって真空ポンプによる正確な真空度を簡単に把握することができる。また真空計の構成が単純なため、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても十分耐え得ることが可能な構造を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する真空計である。
【0010】
請求項2記載の発明は、シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する真空計である。
【0011】
請求項3記載の発明は、シリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する真空ポンプである。
【0012】
請求項4記載の発明は、シリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する構成である真空ポンプである。
【0013】
請求項5記載の発明は、室内機と室外機と両者を接続配管で接続して構成する空気調和機を真空ポンプを用いて据え付ける際の空気調和機の施工方法であって、前記真空ポンプはシリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握しながら、前記室内機および前記接続配管内部の負圧状態を確認する空気調和機の施工方法である。
【0014】
請求項6記載の発明は、室内機と室外機と両者を接続配管で接続して構成する空気調和機を真空ポンプを用いて据え付ける際の空気調和機の施工方法であって、前記真空ポンプはシリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに圧力指示部となる可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握しながら、前記室内機および前記接続配管内部の負圧状態を確認する空気調和機の施工方法である。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記圧力指示目盛りが10〜100torrである真空計である。
【0016】
請求項8記載の発明は、前記圧力指示目盛りが真空度である。
【0017】
請求項9記載の発明は、前記シリンダー内部と前記隔壁板との間にグリース部材が配置されている真空計である。
【0018】
請求項10記載の発明は、前記隔壁板にOリングまたはリップパッキン部材が配設されている真空計である。
【0019】
請求項11記載の発明は、前記貫通孔に不織布またはスポンジ材が配設されている真空計である。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する.
(実施例1)
図1は実施例に示す空気調和機の冷凍サイクル構成図である。冷凍サイクルは圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5、室内機熱交換器6を代表的に部品として構成される。圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5は、室外機に配設され、室内機熱交換器6は室内機に配設されている。
【0021】
室外機には、液側2方弁7とガス側3方弁8が設けられている。室外機と室内機とを接続する接続配管9、10はそれぞれ液側2方弁7とガス側3方弁8を用いて接続されている。液側2方弁はネジ部7aを有しており、このネジ部7aを開くことで室外機側の配管と接続配管9とを連通する。またガス側3方弁8はネジ部8aとサービスポート部8bを有しており、このネジ部8aを開くことで室外機側の配管と接続配管10とを連通する。
【0022】
図2に電動式真空ポンプと真空計との接続経路を詳細に説明するための概略図を示す。
【0023】
室外機と室内機を内外接続配管9、10にて接続し、室外機のガス側3方弁8のサービスポート部8bに耐圧ホース11を介して真空計12を連結する。その経路中にはバルブ13が配設されている。さらに電動式真空ポンプ14を耐圧ホース15で連結する。
【0024】
図3、4に真空計本体の構成を詳細に説明するための概略図を示し、図3は真空計のシリンダー容器内部が常圧状態を表し、図4は真空計のシリンダー容器内部が負圧状態を示す。
【0025】
図3において、真空計12の構造は硬質塩ビ製のシリンダー容器121内部にはABS製の隔壁板122が配置され、隔壁板122の周囲にはCR製のOリング123が配設されている。シリンダー容器121と隔壁板122で構成される一室下側にSUS304製の圧縮コイルバネ124が配設され、また下部には孔125も配設され、シリンダー容器121は連通孔125を介して接続冶具126に接続されている。またシリンダー容器121と隔壁板122で構成される一室上側には隔壁板122と連結されるABS製の可動軸127が配設され、可動軸127は隔壁板122の貫通孔128を介してシリンダー容器121の外部まで突き出して伸びている。図4において圧縮コイルバネ124の配設された一室側が負圧状態となると、もう一室側が常に大気圧状態であるため、差圧によって空間容積収縮力が働く。しかし圧縮コイルバネ124のバネ力によって反発されるため、空間容積収縮力とバネ力とが相殺されてある到達真空度の場合には所定の位置に隔壁板122が固定されることになる。隔壁板122には可動軸127が連結されているので、可動軸127は隔壁板122の動きに連動する。その結果真空計の内部が負圧状態になるとともに可動軸127は作動してシリンダー容器121の外部から内部へと侵入する。この時可動軸127には圧縮コイルバネ124のバネ定数を考慮しながら、図5に示すような圧力指示目盛りが設定されており、可動軸127の動きが固定された位置での目盛り値を読み取ることで正確な到達真空度を把握することができる。
【0026】
具体的な据え付け工事手順について説明する。バルブ13を開状態として電動式真空ポンプ14と真空計12が接続された耐圧ホース11をサービスポート部8bに取り付けることで耐圧ホース11内部は室内機および接続配管9、10内部と連通状態となる。次ぎに電動式真空ポンプ14のスイッチをオンすることで運転が開始され、徐々に室内機および接続配管9、10内部が負圧状態となり、真空計12の隔壁板122が下方へ移動して一定のレベルに達した所で停止する。この時の到達真空度を可動軸127から読み取るとともにバルブ13を閉状態とし、しばらく放置して真空計12の可動軸の位置に変化がないことを確認する。ここで目盛り値に変化があれば、接続配管部に空気漏れをおこしている場所があることになるので作業を再チェックする必要がある。次ぎに液側2方弁7のネジ部7aを少し緩め、室外機側の冷媒ガスを導入することによって、接続配管9、10および室内機側配管の内部をわずかに正圧状態(約0.2kgf/cm2)とする。その後サービスポート部8bから耐圧ホース11を取り外し、再度液側2方弁7のネジ部7aを1/4回転してさらに加圧状態(3〜6kgf/cm2程度)として接続配管部の漏れを再確認する。最後に液側2方弁7のネジ部7aを完全に開放状態とするとともにガス側3方弁8のネジ部8aも完全に開放状態とすることで空気調和機の施工に関する据え付け作業が完了となる。
【0027】
本実施例では、室内熱交換器6を含む室内機側配管および接続配管9、10の内容積は1.5リットルであるものに対して、電動式真空ポンプを使用したので真空計にて5torr以下までの負圧状態を確認することができた。真空計において、シリンダー容器121内部の隔壁板122が負圧を受ける面積は9cm2とし、圧縮コイルバネ1244の自由長は170mm、バネ定数0.895N/mmとして設計した。その結果約80mmの圧縮変化量を得ることができた。
【0028】
(実施例2)
本実施例でも使用した空気調和機の冷凍サイクル構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。本実施例では下記に説明するような手動式真空ポンプを使用した。
【0029】
図6に手動式真空ポンプ本体の構成と真空計との接続経路を詳細に説明するための概略図を示す。
【0030】
室外機と室内機を内外接続配管9、10にて接続し、室外機のガス側3方弁8のサービスポート部8bに耐圧ホース16を介して真空計17を連結する。その経路中にはバルブ18が配設されている。さらに手動式真空ポンプの2つの吸気ポートが1つに連結された連結ポート部となる耐圧ホース19で連結する。その経路中にはフィルター部20が配設されている。
【0031】
図7、8に真空計本体の構成を詳細に説明するための概略図を示し、図7は真空計のシリンダー容器内部が常圧状態を表し、図8は真空計のシリンダー容器内部が負圧状態を示す。
【0032】
図7において、真空計17の構造は硬質塩ビ製のシリンダー容器171内部にはABS製の隔壁板172が配置され、隔壁板172の周囲にはCR製のUパッキン173が配設されている。シリンダー容器171と隔壁板172で構成される一室下側の下部には連通孔174が配設され、シリンダー容器171は連通孔174を介して接続冶具175に接続されている。またシリンダー容器171と隔壁板172で構成される一室上側にはSUS304製の引張コイルバネ176が配設されるとともに隔壁板172と連結されるABS製の可動軸177が配設され、可動軸177は隔壁板172の貫通孔178を介してシリンダー容器171の外部まで突き出すように伸びている。また貫通孔178の周囲にはPP製不織布179が配設され、外部からシリンダー容器171内部へのゴミ侵入を防止する役割を果たしている。引張コイルバネ176は隔壁板172とシリンダー容器171の内天面に接着固定され、隔壁板172の動きによって引張コイルバネ176を引っ張る力が働く構成となっている。図8において引張コイルバネ176の配設された一室側が負圧状態となると、もう一室側が常に大気圧状態であるため、差圧によって隔壁板172には空間容積収縮力が働く、しかし引張コイルバネ176のバネ力によって反発されるため、空間容積収縮力とバネ力とが相殺されてある到達真空度の場合には所定の位置に隔壁板172が固定されることになる。隔壁板172には可動軸177が連結されているので、可動軸177は隔壁板172の動きに連動する。その結果真空計の内部が負圧状態になるとともに可動軸177は作動してシリンダー容器171の外部から内部へと侵入する。この時可動軸177には引張コイルバネ176のバネ定数を考慮しながら、図9に示すような圧力指示目盛りとともに真空度範囲によって赤→黄→緑と色別表示が設定されており、可動軸177の動きが固定された位置での目盛り値を読み取ることで正確な到達真空度を把握することができる。
【0033】
図6において、手動式真空ポンプの構造はアルミニウム製シリンダー本体21内部にアルミニウム製ピストン22がシリンダー内部を2室に分割するように配置され、ピストン22はステンレス製支持軸23を介してアルミニウム製ハンドル24と連結されている。真空ポンプ本体の総重量はほぼ1kgである。
【0034】
シリンダー21内部をピストン22が動作する時、ピストン22の上死点位置、下死点位置になるシリンダー本体側面隔壁に逆止弁25a、25b、26a、26bを直結する構成とした。この時排気ポート用逆止弁25a、25bには図10,11に示される構造のものを使用し、吸気ポート用逆止弁26a、26bには図12に示されるものを使用した。排気ポート用逆止弁25a、25bは銅管251が2ヶ所でロール溝加工されており、溝加工部251aには真鍮製弁受け座体252が固定されている。ナイロン製弁体253は弁受け座体252にぶつかり、斜面を有した部分の弁受け座体252との面接触で動きを停止される。また逆方向には溝加工部251bで弁体の動きを停止する。したがって矢印の方向にしか空気は流れない逆止弁構造となる。吸気用逆止弁26a、26bは、銅管261が2ヶ所でロール溝加工されており、溝加工部261aには真鍮製弁受け座体262が固定されている。圧縮コイルバネ体263はフィルム板264に接合され、圧縮コイルバネ力によってナイロン製フィルム板264が真鍮製弁受け座体265にぶつかり、受け座体265とフィルム板262とが面接触で流路を閉塞し、矢印の方向にしか空気は流れない逆止弁構造となる。圧縮コイルバネ体263はSUS304製のバネ定数が0.04N/mmのものを使用することで最低作動圧力差を10torrとすることができた。真鍮製弁受け座体265は溝加工部261bで固定され、弁受け座体265の上流側流路には吸気流路面積を絞ることで弁の作動に必要な差圧を少しでも大きくする目的で、テーパー部が設けられている。
【0035】
また、支持軸23がシリンダー21隔壁と接する部分には図13に示されるように軸シール27a、27bが配設され、HNBR製Oリングを2重とすることで構成している。ピストン22にもシリンダー21内壁と接する部分に軸シール28がHNBR製Oリングで配設されている。
【0036】
フィルター部20の内部構成を図14に示した。フィルター部20本体は円筒形状を有し、内部に入った空気はすぐに壁201にぶつかって外周方向に流れが変わり、内部に固定配置された円筒パルプ膜202を通過して内部経路に入り込み、最終的に外部へと導かれる。したがって空気が外周経路から内部経路側に通過する時、ゴミが捕集される。また捕集されたゴミはフィルター部20の円筒203を透明なガラスもしくは樹脂とすることで目視確認することができる。
【0037】
次ぎに手動式真空ポンプの動作について説明する。まず、ハンドル24がa方向(上死点側)に引かれると室内機および接続配管9、10内部の空気はサービスポート部8bから耐圧ホース16、真空計17、耐圧ホース19より、吸気ポートとなる逆止弁26bを通じてシリンダー内部21bに吸引され、反対にシリンダー内部21aの空気は排気ポートとなる逆止弁25aを介して大気放出される。次ぎにハンドル24がb方向(下死点側)に押されると室内機および接続配管9、10内部の空気はサービスポート部8bから耐圧ホース16、真空計17、耐圧ホース19より、吸気ポートとなる逆止弁26aを通じてシリンダー内部21aに吸引され、反対にシリンダー内部21bの空気は排気ポートとなる逆止弁25bを介して大気放出される。次ぎは再度ハンドル24がa方向(上死点側)に引かれるというようにハンドル24が往復運動され、ピストン22が同期する。この時シリンダー内部は4つの逆止弁が切り変わりながら、ピストンがa方向、b方向いずれの方向に移動しても絶えず減圧されながら、最終的には十分な負圧状態を達成できる。厳密にはハンドル24が往復運動する時、耐圧ホース19内部とシリンダー内部の21aあるいは21bが差圧を生ずることができる限りは減圧作用機構を継続できる。したがって吸気ポートに配設される逆止弁26a、26bは最低作動圧力差の小さなものが要求される。その最低作動圧力差を決定するのは本実施例のような逆止弁では圧縮コイルバネ体263のバネ定数となる。
【0038】
手動式真空ポンプを使う初期にはシリンダー内部21aと21bとには大きな差圧を生じるが、ピストンが往復運動することでその差圧状態は次第に小さく減衰する。この時軸シール27a、27bはシリンダー21内部の負圧(30torr以下)と外気圧(760torr)との差圧状態を十分に確保し、空気漏れを極力防止するためにOリングを2重構造とすることで構成している。2重構造とすることで支持軸が動作する時に、付着してシール部への噛み込みをおこし易い異物も防止することができる。また軸シール28はOリング一つでピストン22が往復運動する時に生ずる差圧状態を十分に確保している。
【0039】
具体的な空気調和機の据え付け工事手順について説明する。バルブ18を開状態として手動式真空ポンプの耐圧ホース16をサービスポート部8bに取り付けることで耐圧ホース16内部は室内機および接続配管9、10内部と連通状態となる。次ぎに真空ポンプのハンドル24をAまたB方向に往復運動させることで、徐々に室内機および接続配管9、10内部が負圧状態となり、真空計17の隔壁板172が下方へ徐々に移動して行き、一定のレベルに達した所で停止する。この時の到達真空度を可動軸177から読み取るとともにバルブ18を閉状態とし、しばらく放置して真空計17の可動軸の位置に変化がないことを確認する。ここで目盛り値に変化があれば、接続配管部に空気漏れをおこしている場所があることになるので作業を再チェックする必要がある。次ぎに液側2方弁7のネジ部7aを少し緩め、室外機側の冷媒ガスを導入することによって、接続配管9、10および室内機側配管の内部をわずかに正圧状態(約0.2kgf/cm2)とする。その後サービスポート部8bから耐圧ホース11を取り外し、再度液側2方弁7のネジ部7aを1/4回転してさらに加圧状態(3〜6kgf/cm2程度)として接続配管部の漏れを再確認する。最後に液側2方弁7のネジ部7aを完全に開放状態とするとともにガス側3方弁8のネジ部8aも完全に開放状態とすることで空気調和機の施工に関する据え付け作業が完了となる。
【0040】
本実施例では、室内熱交換器6を含む室内機側配管および接続配管9、10の内容積は1.5リットルであるものを使用した。真空ポンプにおいてピストンが上死点に位置する時のシリンダー空間内容積を200ml(27φ×350mm)とし、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの合計空間内容積を1.5mlとした。ただし、シリンダー本体隔壁に生じるポート用流路空間もここに含むものとみなした。ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースを3mlとした。ピストンが上死点に位置する時、形成されるシリンダー空間内容積とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペース、およびシリンダー出口から吸気ポートと排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計を甲とし、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペース、およびシリンダー出口から吸気ポートと排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計を乙とすると、甲と乙の関係は 甲/乙=45である。図15はピストンが下死点に位置する時のシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの合計空間内容積およびシリンダー内デッドスペースとなる乙部分を具体的に図示したものである。吸気ポートと排気ポートがシリンダー本体の上死点位置および下死点位置で、かつ各々2個ずつの逆止弁が直結するような状態で隔壁への埋め込み構成されることでシステム構造上、減圧機構でのデッドスペースとなる部分を極力最小となるように設計した。
【0041】
この時上述の作業手順にしたがって実施し、手動式真空ポンプを使用してハンドルを40ストローク往復運動させることで28torrを達成できた。この時の減圧進行状態をストローク回数と内部圧力の関係で図16示した。50ストロークまで減圧進行状態を確認したが、到達真空度は40ストロークで平衡状態に達してそれ以上は進行しなかった。正確な真空度については別途デジタル圧力センサーを利用してモニターした。実施例の真空計において、シリンダー容器171内部の隔壁板172が負圧を受ける面積は9cm2とし、引張コイルバネ174の自由長は255mm、バネ定数0.574N/mmとして設計した。その結果約120mmの伸長変化量を得ることができた。また圧力指示目盛りには真空度範囲によって赤→黄→緑と色別表示が設定されていることで、到達真空度の読み取りを簡便にすることができた。
【0042】
実施例2では、引張コイルバネ176は隔壁板172とシリンダー容器171の内天面に接着固定され、隔壁板172の動きによって引張コイルバネ176を引っ張る力が働く構成となっているものを使用したが、引張コイルバネ176を使用する場合には接着固定されていることが必須要件であった。しかし実施例1のような圧縮コイルバネ124を使用する場合には、隔壁板122とシリンダー容器121の内面に接着固定されていても、接着固定されていなくても真空計としての機能上は問題ない。
【0043】
(実施例3)
本実施例でも使用した空気調和機の冷凍サイクル構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。また真空ポンプ本体も実施例2と同様なものを使用し、真空計29だけ異なる仕様のものを使用した。また真空計29本体の構成はほぼ実施例2と同様であり、異なる部分についてだけ説明する。図18に本実施例の真空計29を説明するための要部拡大図を示す。本実施例ではシリンダー容器291内部にABS製の隔壁板292が配置され、隔壁板292の周囲にはCR製のYパッキン293が配設されている。
【0044】
具体的な空気調和機の据え付け工事手順については実施例2と同様に実施した。本実施例の真空計によっても施工時の室内機側配管および接続配管内部の到達真空度を正確に把握することができた。
【0045】
(実施例4)
本実施例でも使用した空気調和機の冷凍サイクル構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。また真空ポンプ本体も実施例2と同様な手動式のものを使用し、真空計30だけ異なる仕様のものを使用した。また真空計30本体の構成はほぼ実施例2と同様であり、異なる部分についてだけ説明する。図19に本実施例の真空計30を説明するための要部拡大図を示す。本実施例ではシリンダー容器301内部にABS製の隔壁板302aと隔壁板302bとが2枚組みで配置され、隔壁板302aと隔壁板302bの間にはCR製のLパッキン303が配設されている。
【0046】
具体的な空気調和機の据え付け工事手順については実施例2と同様に実施した。本実施例の真空計によっても施工時の室内機側配管および接続配管内部の到達真空度を正確に把握することができた。
【0047】
冷媒がR410Aで、冷凍機油がエステル系の空気調和機に対して実施例1、2、3、4の手順で施工を完了し、圧縮機の吐出温度を115℃の過負荷条件に設定し、冷房高温条件として室内機、室外機をともに40℃として信頼性試験を5000時間行なった。その結果、特に異常は発生しなかった。
【0048】
本発明で使用した手動式真空ポンプの減圧機構では、シリンダー内部はピストンを動作させることで常時減圧状態とすることができるが、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間容積はデッドスペースとなる。シリンダー内部デッドスペースとは、ピストンとシリンダー下死点面が接した時に形成されるわずかな隙間およびシリンダー隔壁内に成形される吸気ポートと排気ポート用経路である。したがって、到達真空度に対してはシリンダー空間内容積とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計甲と、ピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積乙との関係が重要となる。また、ピストンが上死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間容積も上述のデッドスペースに対してはるかに大きいとピストン上死点側では真空ポンプとして機能しない、もしくは逆に負圧度を低下させるので、上死点側と下死点側に形成されるデッドスペースはほぼ均等にすることが好ましい。すなわちピストン下死点側に形成されるデッドスペースがピストン上死点側よりも到達真空度の重要な要素となるのは、支持軸の占める体積分によってシリンダー空間容積が狭くなるためである。
【0049】
ピストンが上死点に位置する時形成されるシリンダー空間内容積とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの空間内容積の合計甲とピストンが下死点に位置する時形成されるシリンダー内部デッドスペースおよびシリンダー出口から吸気ポート側と排気ポート側逆止弁2個までの合計空間内容積乙の関係は、甲/乙≧40で設計し、逆止弁での漏れ量さえある程度抑制すれば、手動式真空ポンプのハンドルを往復運動させることにより30torr以下を十分達成できた。冷凍サイクルの長期信頼性を踏まえた場合には設計上に気密漏れがなくても、甲/乙≧40が必要である。甲/乙の関係は大きすぎて到達真空度に支障をきたすことはないが、手動式真空ポンプがかさばったり、重くなり携帯性が悪くなる。またハンドルを往復運動させる作業性も悪くなる。空気調和機の施工に必要となる手動式真空ポンプストローク回数は室内機側配管および接続配管の内容積とシリンダー空間内容積との関係で決まってくる。室内機側配管および接続配管の内容積が1.5リットルである場合にはシリンダー空間内容積が200mlで約40ストローク往復運動することで平行状態に達し、真空ポンプのストローク回数と真空計での圧力指示目盛り値を管理することによって作業者は空気調和機を信頼性の観点から問題なく設置できた。
【0050】
本発明の真空計は可動軸の変化量によって到達真空度の精度が異なってくる。したがって可動軸の変化量は少なくとも到達真空度に対して50mm以上が好ましく、さらには100mm以上が好ましかった。また空気調和機の施工に使用する真空計という観点から、本発明に必要な真空計の測定範囲は100torr以下であり、さらには50torr以下を正確に測定できることが必要であった。本発明の真空計隔壁板に配設できるガスシール部材はOリングあるいはリップパッキンが好ましく、リップパッキンとしては実施例で使用したUパッキン、Yパッキン、Lパッキンの他にVパッキン、Jパッキンも使用できる。硬度はOリングの場合にはスプリング式A型で60〜90程度のエラストマーが適しており、リップパッキンの場合にはそれよりも低硬度の30〜60程度のエラストマーが適していた。また材質としてはCRの他に、HNBR、EPDM、NBR等が適用できる。また本発明の真空計隔壁板に使用できるガスシール用グリース部材としては一般的に真空用として使用されるシリコーン系のものが適していた。グリース部材を使用しなくても、Oリングあるいはリップパッキンの構成によって気密性を保つことはできたが、Oリングあるいはリップパッキンを隔壁板に使用しない場合にはグリース部材を使用しないと気密性を保つことは困難であった。Oリングあるいはリップパッキンとグリース部材とをともに使用すれば隔壁板のすべり性と気密性から申し分ないものであった。
【0051】
本発明の真空計貫通孔に配設できる不織布としてはPP、PET、ナイロン繊維等で構成されるものが適していた。貫通孔に厚み1〜3mm程度の不織布が配設され、可動軸に微かに接触する程度が好ましかった。また不織布のかわりにスポンジ材を使用することも可能であった。スポンジ材の特性としては柔軟性が要求されるので、50%圧縮荷重値が10〜100g/cm2程度のものが適していた。貫通孔に不織布あるいはスポンジ材を配設することによって真空計のシリンダー容器内部へゴミ等が侵入することを防止でき、真空計の耐久性を向上させることができた。
【0052】
本発明の真空計のシリンダー容器としては硬質塩ビの他に、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルミニウム等十分な機械的強度を有するものであれば特に限定されない。また隔壁板としてもコイルバネの力に対抗できる強度を有するものであれば、シリンダー容器と同様なものが使用できる。
【0053】
本発明の手動式真空ポンプで使用できる軸シールは、硬度がスプリング式A型で60〜90程度のエラストマーである。具体的にはHNBRの他にCR、EPDM、NBR等が適用できる。また実施例では軸シールをOリング2重構造として支持軸と接触する点を2ヶ所としたが、この時外部側の接触点は支持軸がシリンダー外部にある時支持軸に付着したホコリを除去する作用をしている。また支持軸の急激な動きにも接触する点を2ヶ所以上とすることで、片方が空気の漏れを生じてももう一方の接触点で遮蔽することができた。
【0054】
本発明の手動式真空ポンプで使用できる排気ポート側の逆止弁構成としては、実施例のようなものの他に軽量小型な金属球からなる可動物がパイプ内を移動することで開閉弁構造を構成するものでもよい。樹脂でもナイロンのほかPFA、PVDF等のフッ素系樹脂、PPSも使用できる。本発明では使用される逆止弁は吸気ポート側の方が排気ポート側よりも最低作動圧力差が重要である。すなわち排気ポート側は真空ポンプを動作させると次第に圧力差が大きくなる方向であるが、吸気ポート側は逆に室内機および接続配管とシリンダー内の圧力差が小さくなるためである。したがって、吸気ポート側の逆止弁は小さな差圧でも弁閉塞が行なえるものが好ましく、具体的には最低作動圧力差10torr以下である。さらに、差圧1kgf/cm2の状態で気体漏れ量が1ml/min以下のものが好ましい。これは真空ポンプのハンドル操作を作業者が停止した途端に今までの到達真空度が急に低下するようでは作業性が悪くなるからである。具体的には実施例で使用したような圧縮コイルバネで樹脂フィルムを受け座体に押し付けることで流路を閉塞する逆止弁が好ましかった。その時の圧縮コイルバネのバネ定数は0.01〜0.04N/mmであった。バネ定数が0.01N/mm以下になると作業を行う時での真空ポンプの方向によって圧縮コイルバネが重力の影響を受けて十分な機能を発揮できない場合があった。
【0055】
実施例では手動式ハンドル部を使用して真空ポンプを動作させたが、ペダルを設けてピストンの動作をペダルと同期させるメカ機構とすることもできる。地球環境を配慮すると従来の電動式に対してハンドルあるいはペダルを利用した人力で十分な真空度が得られることは空気調和機の施工時において環境負荷低減の効果が大きい。
【0056】
本実施例では室外機本体内にドライヤーを配置したものを示した。本発明での真空ポンプでは室内機および接続配管の内部に存在する水分を電動式真空ポンプと比較すると十分に排除することは難しい。したがって、冷凍サイクル内にドライヤーを配置した空気調和機のほうが長期信頼性を保証しやすい。
【0057】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、請求項1記載の発明によれば真空計を使用することによって、空気調和機据え付け工事の際に室内機を接続配管で室外機と連結した後、電動式真空ポンプあるいは手動式真空ポンプを使用して施工作業をする時、真空ポンプによってシリンダー容器連通孔側の一室が負圧状態となることによる空間容積収縮作用力と圧縮コイルバネによるバネ作用力とが相殺されて、ある真空度の時は所定の圧縮変化量として位置付けされる。その結果、可動軸に設けられた圧力指示目盛りを作業者が読み取ることによって真空ポンプによる正確な真空度を簡単に把握することができた。また、真空計の構成が単純なため、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても十分耐え得ることが可能な構造を提供することができた。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、真空計を使用することによって、空気調和機据え付け工事の際に室内機を接続配管で室外機と連結した後、電動式真空ポンプあるいは手動式真空ポンプを使用して施工作業をする時、真空ポンプによってシリンダー容器連通孔側の一室が負圧状態となることによる空間容積収縮作用力と引張コイルバネによるバネ作用力とが相殺されて、ある真空度の時は所定の伸長変化量として位置付けされる。その結果、可動軸に設けられた圧力指示目盛りを作業者が読み取ることによって正確な真空ポンプによる真空度を簡単に把握することができた。また真空計の構成が単純なため、施工工事に伴う荒っぽいハンドリングに対しても十分耐え得ることが可能な構造を提供することができた。
【0059】
請求項3,4記載の発明によれば、手動式真空ポンプの場合には電動式真空ポンプに対して到達真空度が低いため、作業者は室内機および接続配管内部の到達真空度を正確に把握する必要があったが、本構成の真空計と組み合わせることで30torr付近の真空度を、コイルバネの圧縮変化量あるいは伸長変化量として正確に把握できるようになった。
【0060】
請求項5、6記載の発明によれば、手動式真空ポンプを使用して環境にやさしい空気調和機の施工を行うことができるとともに、室内機および接続配管内部の到達真空度も作業者が十分正確に把握することができた。
【0061】
請求項7記載の発明によれば、真空計の圧力指示目盛りを1〜100torr範囲として正確に計測できるものとすることで信頼性においても問題のない空気調和機の施工を実施することができた。
【0062】
請求項8記載の発明によれば、真空計の圧力指示目盛りを到達真空度の違いによって色別表示することで作業者への利便性を大幅に向上させることができた。
【0063】
請求項9記載の発明によれば、真空計のシリンダー内部と隔壁板との間にグリース部材を配置することによってシリンダー内部で隔壁板が移動する時の摺動負荷を低下できるので摺動性が向上するとともに負圧状態となった一室へ隔壁板を介して大気が侵入するのを防止する気密性も向上できた。
【0064】
請求項10記載の発明によれば、真空計の隔壁板にOリングまたはリップパッキンが配設された構成とすることで負圧状態となった一室への大気侵入を防止する気密性をさらに向上でき、空気調和機の施工に伴う真空ポンプ作業側の真空度を正確に測定することができた。
【0065】
請求項11記載の発明によれば、真空計の貫通孔周囲に不織布またはスポンジ材が配設された構成とすることで外部からゴミ等の異物が真空計の内部へと侵入することを防止できるので、隔壁板が摺動する部分にもゴミ等の影響を防止でき、空気調和機の施工に伴う真空ポンプ作業側の真空度を正確に測定することを長期に保証することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において示す空気調和機の構成図
【図2】本発明の実施例1において示す電動式真空ポンプと真空計との接続経路図
【図3】本発明の実施例1において常圧状態を示す真空計の構成図
【図4】本発明の実施例1において負圧状態を示す真空計の構成図
【図5】図4において示す真空計の要部α拡大図
【図6】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプと真空計との接続経路図
【図7】本発明の実施例2において常圧状態を示す真空計の構成図
【図8】図7において真空計の要部β拡大図
【図9】本発明の実施例2において負圧状態を示す真空計の構成図
【図10】図9において示す真空計の要部γ拡大図
【図11】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプの排気ポートに設けられる逆止弁の構成図
【図12】図11の逆止弁におけるA−A´面の断面図
【図13】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプの吸気ポートに設けられる逆止弁の構成図
【図14】図6において示す手動式真空ポンプの要部δ拡大図
【図15】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプのフィルター部の構成図
【図16】図6において示す手動式真空ポンプの要部εにおいて、ピストンが下死点に位置する時のデッドスペースを示す具体図
【図17】本発明の実施例2において示す手動式真空ポンプのストローク回数と内部圧力の関係図
【図18】本発明の実施例3において示す真空計の要部拡大図
【図19】本発明の実施例4において示す真空計の要部拡大図
【図20】従来のブルドン管式低圧真空計を示す外観図
【符号の説明】
9、10 接続配管
12、17、29、30 真空計
13、18 バルブ
22 ピストン
23 支持軸
24 ハンドル
25、26 排気ポート側逆止弁
27 シリンダー用軸シール
28 ピストン用軸シール
121、171、291、301 シリンダー容器
122、172、292、302 隔壁板
124 圧縮コイルバネ
125、174 連通孔
126、175 接続冶具
127、177 可動軸、
176 引張コイルバネ
Claims (11)
- シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに、底部には連通孔が設けられ、他室には可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板と前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量を前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する構成であることを特徴とする真空計。
- シリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに、可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板と前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する構成であることを特徴とする真空計。
- シリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに、底部には連通孔が設けられ、他室には可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板と前記可動軸が連動し、前記弾性体の圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する構成であることを特徴とする真空ポンプ。
- シリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに、可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板の動きに前記可動軸が連動し、前記弾性体の伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって指示する構成であることを特徴とする真空ポンプ。
- 室内機と室外機と両者を接続配管で接続して構成する空気調和機を真空ポンプを用いて据え付ける際の空気調和機の施工方法であって、前記真空ポンプはシリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに底部には連通孔が設けられ、他室には可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板と前記可動軸が連動し、前記コイルバネの圧縮変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握しながら、前記室内機および前記接続配管内部の負圧状態を確認することを特徴とする空気調和機の施工方法。
- 室内機と室外機と両者を接続配管で接続して構成する空気調和機を真空ポンプを用いて据え付ける際の空気調和機の施工方法であって、前記真空ポンプはシリンダー内がピストンで二室に区切られ、前記区切られた二室のシリンダー上死点位置および下死点位置に各々逆止弁を配設する吸気ポートと排気ポートとを有し、それぞれの前記吸気ポートが1つに連結された連結ポート部を有し、前記連結ポート部に真空計が配置され、前記真空計はシリンダー容器の内部が隔壁板にて二室に仕切られ、前記シリンダー容器の一室には弾性体が配設されるとともに可動軸が前記隔壁板に連結され、前記可動軸は前記シリンダー容器内部から外部へと貫通孔を介して配設され、他室には底部に連通孔が設けられ、前記連結ポート部は前記ピストンをいずれの方向に動作させることによっても、前記シリンダー内二室の差圧が初期時から徐々に減衰しながら前記吸気ポート側を負圧状態とでき、前記連通孔側が負圧状態となった時の真空度を、前記隔壁板と前記可動軸が連動し、前記コイルバネの伸長変化量として前記可動軸に設けられた圧力指示目盛りによって把握しながら、前記室内機および前記接続配管内部の負圧状態を確認することを特徴とする空気調和機の施工方法
- 前記圧力指示目盛りが1〜100torrであることを特徴とする請求項1または2記載の真空計。
- 前記圧力指示目盛りが真空度によって色別表示されている特徴とする請求項1または2記載の真空計。
- 前記シリンダー内部と前記隔壁板との間にグリース部材が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の真空計。
- 前記隔壁板にOリングまたはリップパッキン部材が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の真空計。
- 前記貫通孔に不織布またはスポンジ材が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の真空計。
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JP2002306925A JP2004144507A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 真空計、真空ポンプと空気調和機の施工方法 |
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JP2011106902A (ja) * | 2009-11-16 | 2011-06-02 | Mansui:Kk | 真空検出器 |
CN103412580A (zh) * | 2013-08-28 | 2013-11-27 | 天津爱勒易医药材料有限公司 | 一种真空度恒定装置 |
CN109003860A (zh) * | 2017-06-06 | 2018-12-14 | 人民电器集团上海有限公司 | 一种可测真空度真空断路器 |
CN110132483A (zh) * | 2019-05-27 | 2019-08-16 | 北京航天雷特机电工程有限公司 | 一种真空管道的真空度测量装置 |
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2002
- 2002-10-22 JP JP2002306925A patent/JP2004144507A/ja not_active Withdrawn
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