JP2004138497A - 岩盤計測用の弾性波発生方法と装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】肉体的労力や機械的なハンマー装置に依存せず、また地表面を破砕することなしに一定の衝撃波を所定の間隔で確実に発生させる。
【解決手段】計測対象となる岩盤に正負電極41,42を所要の間隔をおいて当接する。高電圧パルス発生手段1によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせ、岩盤中に衝撃波を生じさせる。高電圧パルス発生手段と両電極とを導通する導通手段43からの電磁波検知信号を、衝撃波を計測する計測センサ8の測定開始信号とする。正負電極は、掘削孔内面の当接させる位置まで膨張する膨張体44によって径方向に変位される。
【選択図】図1
【解決手段】計測対象となる岩盤に正負電極41,42を所要の間隔をおいて当接する。高電圧パルス発生手段1によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせ、岩盤中に衝撃波を生じさせる。高電圧パルス発生手段と両電極とを導通する導通手段43からの電磁波検知信号を、衝撃波を計測する計測センサ8の測定開始信号とする。正負電極は、掘削孔内面の当接させる位置まで膨張する膨張体44によって径方向に変位される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩盤を計測するための弾性波を発生させる方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
地質縦断面図を作成するために、岩盤の力学的特性や岩盤状況が推測調査される。この調査は、一般には、岩盤に振動を起こし、その波の伝播を観測することにより行われる。具体的には、人工的に弾性波を発信し、この弾性波を地表面あるいは地中に埋設されたセンサ(速度計、加速時計)によって受信し、その到達時間を計測することで、岩盤の密度、剛性、不連続面等の違いを計測する。
【0003】
弾性波を発信させる方法として、従来は、作業員がハンマを手で持ち、岩盤の所定箇所を殴打して行うのが最も一般的である。
また、ハンマ部材を機械的に往復動させて岩盤に衝突させることにより、岩盤に弾性波を発生させる方法も考えられる。
更には、地表面の所定箇所を発破によって爆破し、その衝撃波をセンサで感知する方法も採られる。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、手動によるハンマ操作は、作業員に多大な肉体的負担を強いることになる。また、衝撃波を定間隔で発生させるのが難しい。しかも、ハンマの所定箇所に感圧センサを固定して衝撃波の開始時点を計測することから、ハンマの操作がやっかいとなる。
機械的なハンマ装置を用いる場合、ハンマ部材のストロークを大きくとる必要があるため、装置が大型化するばかりでなく、電力消費量も大となり、計測に要するコストが増大する。
発破の場合、地表面が広範囲に破砕される。また、使用時に所定官庁への届出を要し、安全性を充分に確保する必要があり、さらには暴発音による周囲環境への影響も考慮しなければならない。
【0005】
本発明の目的は、作業員の肉体的労力や機械的なハンマー装置に依存することなく、また地表面を破砕することなしに一定の衝撃波を所定の間隔で安全かつ確実に発生させる、岩盤計測用の衝撃波発生方法と装置を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、請求項1に係る本発明方法は、先ず、計測対象となる岩盤に正負電極を所要の間隔をおいて当接する。次いで、高電圧パルス発生手段によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせることによって、岩盤中に衝撃波を生じさせる、ものである。
【0007】
また、請求項2に係る本発明方法は、先ず、計測対象となる岩盤に正負電極を所要の間隔をおいて当接する。次いで、高電圧パルス発生手段によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせることによって、岩盤中に衝撃波を生じさせる。そして、両電極間に高電圧パルスを印可したときに高電圧パルス発生手段と両電極とを導通する導通手段から生じる電磁波の検知信号を、上記衝撃波を計測する計測センサの測定開始信号とする、ものである。
【0008】
正負電極は、岩盤に穿設した掘削孔内に挿入されて当接されるのが望ましい。正負電極を掘削孔に挿入し、その内壁面に当接させるには、作動流体によって膨張収縮可能な膨張体を用いると良い。作動流体は、空気、窒素その他の気体、水その他の液体であるとを問わない。
計測センサの測定開始信号は、計測センサによる測定の零点となる時を指示するための信号を意味する。
【0009】
また、本発明装置は、次の構成を備える点に特徴がある。
すなわち、請求項5に係る本発明装置は、高電圧パルス発生器と、掘削孔内に挿入されるとともに先端部に計測用センサ部と励起部とを有するパッカー部とを備える。計測用センサ部は、弾性波速度を計測するに必要なセンサから成る。励起部は、計測用センサ部の後方に所定の距離を置いて配設されており、所要の間隙を置いて対向する正負電極と、この正負電極を掘削孔内面の当接させる位置までパッカー部の径方向に変位させる膨張体と、高電圧パルス発生器と正負電極とを通電させる通電手段とを有する。そして、パッカー部には、膨張体への流体供給路と、上記センサからの出力信号をデータ処理装置に導く導線の収納路が設けられている。
【0010】
請求項6に係る本発明装置は、次の構成を備える。
すなわち、本装置は、高電圧パルス発生器と、掘削孔内に挿入されるとともに先端部に計測用センサ部と励起部とを有するパッカー部とを備える。計測用センサ部は、弾性波速度を計測するに必要なセンサから成る。励起部は、計測用センサ部の後方に所定の距離を置いて配設されており、所要の間隙を置いて対向する正負電極と、この正負電極を掘削孔内面の当接させる位置までパッカー部の径方向に変位させる膨張体と、上記高電圧パルス発生器と正負電極とを通電させる通電手段とを有する。そして、パッカー部には、上記膨張体への流体供給路と、上記センサからの出力信号をデータ処理装置に導く導線の収納路が設けられている。また、導通手段の所望位置近傍には、両電極間に高電圧パルスを印可したときに導通手段から生じる電磁波を検知する検知手段が配設され、この検知手段からの検知信号を上記計測用センサ部の測定開始信号とする。
【0011】
正負電極は、パッカー部外表面から露出し、所要の間隙を置いて対向する内方端縁を持つ電極板によって構成するのが望ましい。これらの正負電極板は、セラミック材などの絶縁材から成る介装材に支持させ、この介装材を膨張体表面に添設させるようにすると良い。
膨張体は、伸縮性に富むゴム製のチューブ材などによって形成される。
励起部を第一の膨張体によるパッカー部径方向への膨張、収縮によって変位させる一方、計測用センサ部材を、表面にセンサ本体が取付けられた第二の膨張体に作動流体を流入あるいは排出させることによってパッカー部径方向に膨張させ、センサ本体を掘削孔内面に当接させるようにすることもできる。
また、流体供給路と導線の収納路は、パッカー部の管路がこれを兼ねる構成であっても良い。
【0012】
【実施の最良の形態】
以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳説する。
図1は、本発明の一実施例に係る装置の概念構成図、図2はパッカー部の概略構成図、図3はパッカー部における励起部の側面図、図4は励起部の正負電極板の配置を示す平面図、図5は図3の断面図、図6は励起部の第一の膨張体が膨張した状態を示す説明図である。
【0013】
本装置は、高電圧パルス発生器1と、これによって発生した高電圧パルスが印可される電極を備えたパッカー部2とから成る。
高電圧パルス発生器1は、非常に高い電界電圧によって瞬間的に高電圧パルスを発生させる装置である。例えば、30m計測を行うとして、0.8μFの容量のコンデンサを有し、これに40kV以下の電圧をかけることによってパルスを1分間に1回発生させる装置などが用いられる。
【0014】
パッカー部2は、掘削孔内に挿入可能な中空筒状のパッカー部本体3(図2参照)を有し、このパッカー部本体3の先端部に計測用センサ部5と励起部4とが設けられている。
励起部4は、計測用センサ部5の後方に配設されており、正負の両電極板41,42と、これら電極板41,42を高電圧パルス発生器1と電気的に接続する同軸ケーブル43と、正負両電極板41,42を掘削孔内面に当接させる位置までパッカー部2の径方向に変位させる第一の膨張体44とを有する。
【0015】
正負両電極板41,42は、図3に見られるようにパッカー部本体3の軸方向に添って配設され、図4に示すように互いの内方端縁41a,42aが所要の間隙Sを置いて対向している。正負両電極板41,42は、外端がそれぞれの端子47に接続固定され、鋭角の三角状に形成された内方端縁41a,42aがセラミック材などの絶縁材から成る介装材45に支持固定されている。正負両電極板41,42の内方端縁頂部間の間隙Sは、高電圧パルスによる放電が効率良く行われる間隔に設定される。
【0016】
介装材45とパッカー部本体外表面との間には、第一の膨張体44が取付けられている。第一の膨張体44は、伸縮性に富むゴム製のチューブ材などによって形成され、内部に空気が流入されて膨張することで、介装材45と正負電極板41,42をパッカー部2の径方向外方に変位させて、正負電極板41,42、特に両電極板内方端縁41a,42aを掘削孔内壁面に当接させる。内部の空気を排出させることで、第一の膨張体44は収縮し、両電極板41,42を掘削孔内壁面の当接状態から解除する。
【0017】
パッカー本体3内には、図5と図6に示すように、正負両電極板41,42と上記高電圧パルス発生器1とを導通させる同軸ケーブル43と、第一の膨張体44を動作させる空気を供給する励起部エア供給菅46と、後述するセンサ部の筒状膨張体に空気を供給するセンサ部エア供給菅55と、センサ部のセンサから引出された導線54とが収納されている。導線54は、同両図に見られるようにセンサ部エア供給菅55ととともに、同軸ケーブル43からの電磁波による影響を受けないように隔壁を介した状態でパッカー部本体3下側に収納されている。
【0018】
同軸ケーブル43と励起部エア供給菅46は、励起部4が設けられている位置のパッカー本体内部から外部に引き出され、センサ部エア供給菅55と導線54は、センサ部5が設けられているパッカー本体内部から外部に引き出されている。したがって、計測用センサも、同軸ケーブル43によって電磁波障害を惹きおこされることはない。
なお、同軸ケーブル43と正負両電極板間は、導通路に先鋭な部分が形成されないようにし、また露出部分も少なくすることで、予定しない箇所からの放電を防止してある。
【0019】
計測用センサ部5は、衝撃波が発生した時点での弾性波を計測する。本実施例では、励起部4よりも先端側に、パッカー部本体3の軸方向に所定の間隔(50cm)をおいて同じ構造のものが3個設けられている。これらの計測用センサ部5は、例えば特開2002−22717に開示された構造とほぼ同様なものが用いられる。すなわち、計測用センサ部5は、図7に概略的に示すように、筒状膨張体51と、センサ52と、筒状膨張体端部の閉塞部材53と、センサの導線54と、センサ部エア供給管55とを備える。
【0020】
筒状膨張体51(第2の膨張体)は、励起部4の第1の膨張体44と同じように内部に空気が流入されたときに径方向に膨張する。センサ52は、筒状膨張体51の周面に固定されている。筒状膨張体両端部は、閉塞部材53によって密封されている。センサ部エア供給菅55は、励起部エア供給管46とともに基端部がエア圧送部7に接続され、必要に応じて筒状膨張体内に空気を供給する。センサ52からの検知出信号を外部に出力する導線54は、パッカー部本体3を通って外部に引出され、コンピュータ等の所定の解析装置もしくはデータ記録装置等のデータ処理部6に接続されている。
【0021】
筒状膨張体51の内部には、筒形状を保つためのパイプ等から成る図示しない保形体を装填しても良い。保形体は、アルミ材などの軽量な金属製素材あるいは合成樹脂材製のパイプ材から成る。筒状膨張体51は、ゴムチューブなどのゴム材単層、または、ゴム材によって形成された内層と径方向に伸縮可能なギャザー付きの外装カバー材によって形成された外層の2層から成る。
【0022】
閉塞部材53は、筒状膨張体51の両端部を密封して閉塞する。閉塞部材53には、計測用センサ52の検知信号を出力する導線が引出される。また、筒状膨張体内に流体を供給する管路が直接もしくは間接に接続される。
例えば、本実施例のように3つの計測点を設定するために計測用センサを3個個直列に連結する場合、閉塞部材53は、多数ピンを備えたコネクタで、一部に流体供給路を有するものが望ましい。
計測用センサ52には、例えば加速度センサなど弾性波速度を計測するに必要なセンサが採用される。
【0023】
図1において、図中符号8は、同軸ケーブルの所望箇所近傍に配設した電磁波検知センサである。
高電圧パルス発生器1が稼働されて同軸ケーブル43に瞬間的に高電圧の電流が流れると、この電磁波検知センサ8が検知信号をデータ処理部6に出力する。この出力信号は、計測用センサ部5の測定開始信号(測定ゼロ時間点)として機能する。
【0024】
上記した装置の使用状態について説明する。
調査対象となる岩盤に所定径の掘削孔を形成する。
掘削孔内にパッカー部2を挿入し、励起部エア供給菅路46及びセンサ部エア供給菅路55並びに同軸ケーブル43及び導線54を掘削孔内から引出す。
同軸ケーブル43を高電圧パルス発生器1に接続し、導管内の計測センサ用導線54をデータ処理部6と接続する。
【0025】
そして、励起部エア供給菅路46とセンサ部エア供給菅路55をコンプレッサなどのエア圧送部7と連通させ、エア圧送部7からエアを送り込むと、励起部4の第一の膨張体44と各計測用センサ部5の筒状膨張体51が膨張し、励起部4の正負電極板41,42と計測用センサ部5のセンサ52を掘削孔内面に圧接させる。
【0026】
この状態で、高電圧パルス発生器1をONして高電圧パルスを出力させると、励起部4の正負電極板41,42の間隙S間に放電が生じ、この放電によって衝撃波が発生する。
これと同時に高電圧パルスが出力されたときに同軸ケーブル43に生じる電磁波が検知センサ8に検知される。検知信号は、データ処理部6に入力されて計測センサ52の測定開始点として記録される。
発生した衝撃波は、岩盤中を伝って各計測センサ52に捕捉される。
【0027】
図8に、電圧(40kV)、コンデンサ容量(0.8μF)の条件で、衝撃波を発生させたときの2.5m、5m、7.5m、10m、12.5m離れた地点での振動波形を示す。各地点での図中左図は対応する図中右図上段の波形を拡大して示したものであり、右図下段の波形は、音波波形を示す。
図8から明らかなように、パルス放電による衝撃波は、音波波形とは異なる独自の波形から成り、地盤計測用の弾性波として十分利用可能な波形図を形成し得るものであることが解った。
継続的に弾性波を得る場合には、高電圧パルス発生器のコンデンサがパルス発生に必要な電荷を蓄える時間間隔を置いて行う。これにより、定間隔ごとの信号によって、所定領域の岩盤の力学的性質を正確に把握することができる。
【0028】
測定を終えた後は、第一の膨張体と筒状膨張体の空気を抜くことにより、これらが収縮してパッカー部を掘削孔の径よりも小さな元の径に復元させるので、掘削孔から引き出すことにより容易に回収できる。
【0029】
計測用センサ部材もしくは装置の構造に関し、上記したような特開2002−22717開示の構造以外のものを採用することもできる。図9から図11はその一例を示す。
【0030】
図中符号101は、アルミ製の棒材から成るロッドで、長手方向に沿って2条の溝102,103が形成されている。この溝102,103は、長手方向所定位置に、両溝が連通する広幅のセンサボックス収納室104を有する。センサボックス収納室104には、センサ105及びその付属機器が収納される。2条の溝の一方102にはセンサ用導線106が収められ、他方103にはエア供給管路107が納められている。センサボックス収納室104にはこれを取囲むようにしてゴム製の筒状体から成る膨張体108が取り付けられ、エア供給菅路107から供給されるエアによって膨張し、センサ105をロッド101の径方向外方に変位させる。なお、図中符号109は、膨張体の外方を覆う伸縮自在な外装材(例えばギャザー付きの布材など)である。
【0031】
この構造の計測用センサ部材は、上記従来例のようにコネクタによって複数のセンサ部材を連結するのではなく、ロッドの予め決められた位置にセンサ及び膨張体が配設されている。このセンサ部材によれば、コネクタを有しないのでエアの漏れあるいは水の浸入を極力防止できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明方法によれば、次の効果を奏する。
岩盤に当接した正負両電極間に高電圧パルスを印可して電極間に放電を生じさせることにより、岩盤中に衝撃波を生じさせ、この衝撃波を岩盤計測用の弾性波として利用するので、作業員の肉体的労力や機械的殴打力に頼ることなく、比較的安全な作業環境下で所定の弾性波を定間隔で自動的かつ確実に発生させることができる。
【0033】
本発明装置によれば、次の効果を奏する。
励起部の正負電極を、膨張体の膨張と収縮によって岩盤の所定箇所に当接させるようにしてあるので、掘削孔内の内壁面など狭い箇所にも正負電極を有効に当接させることができ、高電圧パルス印可による正負電極の放電から生じる衝撃力を測定対象となる岩盤に確実に生起させることができる。また、掘削孔内への装置取付け及び取外し作業も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る装置の概念構成図。
【図2】図1の装置のパッカー部の概略構成図。
【図3】図1の装置のパッカー部における励起部の側面図。
【図4】励起部の正負電極板の配置を示す平面図。
【図5】図3の断面図。
【図6】第一の膨張体が膨張した状態を示す説明図。
【図7】計測用センサ部の概念構成図。
【図8】衝撃波を発生させたときの2.5m、5m、7.5m、10m、12.5m離れた地点で計測された振動波形を、音波波形と対比して示す図(図中右図)と、右図の振動波形の拡大図(図中左図)を示す図。
【図9】本発明に用いられる計測用センサ部材の他例を示す概略説明。
【図10】図9の要部の横断面図
【図11】図9のロッドの縦断面図。
【符号の説明】
1 高電圧パルス発生器。
2 パッカー部。
3 パッカー部本体。
4 励起部。
41,42 電極板。
43 同軸ケーブル。
44 第一の膨張体。
46 励起部エア供給菅。
5 計測用センサ部。
51 筒状膨張体。
52 センサ。
54 導線。
55 センサ部エア供給菅。
6 データ処理部。
7 エア圧送部。
8 電磁波検知センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩盤を計測するための弾性波を発生させる方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
地質縦断面図を作成するために、岩盤の力学的特性や岩盤状況が推測調査される。この調査は、一般には、岩盤に振動を起こし、その波の伝播を観測することにより行われる。具体的には、人工的に弾性波を発信し、この弾性波を地表面あるいは地中に埋設されたセンサ(速度計、加速時計)によって受信し、その到達時間を計測することで、岩盤の密度、剛性、不連続面等の違いを計測する。
【0003】
弾性波を発信させる方法として、従来は、作業員がハンマを手で持ち、岩盤の所定箇所を殴打して行うのが最も一般的である。
また、ハンマ部材を機械的に往復動させて岩盤に衝突させることにより、岩盤に弾性波を発生させる方法も考えられる。
更には、地表面の所定箇所を発破によって爆破し、その衝撃波をセンサで感知する方法も採られる。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、手動によるハンマ操作は、作業員に多大な肉体的負担を強いることになる。また、衝撃波を定間隔で発生させるのが難しい。しかも、ハンマの所定箇所に感圧センサを固定して衝撃波の開始時点を計測することから、ハンマの操作がやっかいとなる。
機械的なハンマ装置を用いる場合、ハンマ部材のストロークを大きくとる必要があるため、装置が大型化するばかりでなく、電力消費量も大となり、計測に要するコストが増大する。
発破の場合、地表面が広範囲に破砕される。また、使用時に所定官庁への届出を要し、安全性を充分に確保する必要があり、さらには暴発音による周囲環境への影響も考慮しなければならない。
【0005】
本発明の目的は、作業員の肉体的労力や機械的なハンマー装置に依存することなく、また地表面を破砕することなしに一定の衝撃波を所定の間隔で安全かつ確実に発生させる、岩盤計測用の衝撃波発生方法と装置を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するために次の構成を備える。
すなわち、請求項1に係る本発明方法は、先ず、計測対象となる岩盤に正負電極を所要の間隔をおいて当接する。次いで、高電圧パルス発生手段によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせることによって、岩盤中に衝撃波を生じさせる、ものである。
【0007】
また、請求項2に係る本発明方法は、先ず、計測対象となる岩盤に正負電極を所要の間隔をおいて当接する。次いで、高電圧パルス発生手段によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせることによって、岩盤中に衝撃波を生じさせる。そして、両電極間に高電圧パルスを印可したときに高電圧パルス発生手段と両電極とを導通する導通手段から生じる電磁波の検知信号を、上記衝撃波を計測する計測センサの測定開始信号とする、ものである。
【0008】
正負電極は、岩盤に穿設した掘削孔内に挿入されて当接されるのが望ましい。正負電極を掘削孔に挿入し、その内壁面に当接させるには、作動流体によって膨張収縮可能な膨張体を用いると良い。作動流体は、空気、窒素その他の気体、水その他の液体であるとを問わない。
計測センサの測定開始信号は、計測センサによる測定の零点となる時を指示するための信号を意味する。
【0009】
また、本発明装置は、次の構成を備える点に特徴がある。
すなわち、請求項5に係る本発明装置は、高電圧パルス発生器と、掘削孔内に挿入されるとともに先端部に計測用センサ部と励起部とを有するパッカー部とを備える。計測用センサ部は、弾性波速度を計測するに必要なセンサから成る。励起部は、計測用センサ部の後方に所定の距離を置いて配設されており、所要の間隙を置いて対向する正負電極と、この正負電極を掘削孔内面の当接させる位置までパッカー部の径方向に変位させる膨張体と、高電圧パルス発生器と正負電極とを通電させる通電手段とを有する。そして、パッカー部には、膨張体への流体供給路と、上記センサからの出力信号をデータ処理装置に導く導線の収納路が設けられている。
【0010】
請求項6に係る本発明装置は、次の構成を備える。
すなわち、本装置は、高電圧パルス発生器と、掘削孔内に挿入されるとともに先端部に計測用センサ部と励起部とを有するパッカー部とを備える。計測用センサ部は、弾性波速度を計測するに必要なセンサから成る。励起部は、計測用センサ部の後方に所定の距離を置いて配設されており、所要の間隙を置いて対向する正負電極と、この正負電極を掘削孔内面の当接させる位置までパッカー部の径方向に変位させる膨張体と、上記高電圧パルス発生器と正負電極とを通電させる通電手段とを有する。そして、パッカー部には、上記膨張体への流体供給路と、上記センサからの出力信号をデータ処理装置に導く導線の収納路が設けられている。また、導通手段の所望位置近傍には、両電極間に高電圧パルスを印可したときに導通手段から生じる電磁波を検知する検知手段が配設され、この検知手段からの検知信号を上記計測用センサ部の測定開始信号とする。
【0011】
正負電極は、パッカー部外表面から露出し、所要の間隙を置いて対向する内方端縁を持つ電極板によって構成するのが望ましい。これらの正負電極板は、セラミック材などの絶縁材から成る介装材に支持させ、この介装材を膨張体表面に添設させるようにすると良い。
膨張体は、伸縮性に富むゴム製のチューブ材などによって形成される。
励起部を第一の膨張体によるパッカー部径方向への膨張、収縮によって変位させる一方、計測用センサ部材を、表面にセンサ本体が取付けられた第二の膨張体に作動流体を流入あるいは排出させることによってパッカー部径方向に膨張させ、センサ本体を掘削孔内面に当接させるようにすることもできる。
また、流体供給路と導線の収納路は、パッカー部の管路がこれを兼ねる構成であっても良い。
【0012】
【実施の最良の形態】
以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳説する。
図1は、本発明の一実施例に係る装置の概念構成図、図2はパッカー部の概略構成図、図3はパッカー部における励起部の側面図、図4は励起部の正負電極板の配置を示す平面図、図5は図3の断面図、図6は励起部の第一の膨張体が膨張した状態を示す説明図である。
【0013】
本装置は、高電圧パルス発生器1と、これによって発生した高電圧パルスが印可される電極を備えたパッカー部2とから成る。
高電圧パルス発生器1は、非常に高い電界電圧によって瞬間的に高電圧パルスを発生させる装置である。例えば、30m計測を行うとして、0.8μFの容量のコンデンサを有し、これに40kV以下の電圧をかけることによってパルスを1分間に1回発生させる装置などが用いられる。
【0014】
パッカー部2は、掘削孔内に挿入可能な中空筒状のパッカー部本体3(図2参照)を有し、このパッカー部本体3の先端部に計測用センサ部5と励起部4とが設けられている。
励起部4は、計測用センサ部5の後方に配設されており、正負の両電極板41,42と、これら電極板41,42を高電圧パルス発生器1と電気的に接続する同軸ケーブル43と、正負両電極板41,42を掘削孔内面に当接させる位置までパッカー部2の径方向に変位させる第一の膨張体44とを有する。
【0015】
正負両電極板41,42は、図3に見られるようにパッカー部本体3の軸方向に添って配設され、図4に示すように互いの内方端縁41a,42aが所要の間隙Sを置いて対向している。正負両電極板41,42は、外端がそれぞれの端子47に接続固定され、鋭角の三角状に形成された内方端縁41a,42aがセラミック材などの絶縁材から成る介装材45に支持固定されている。正負両電極板41,42の内方端縁頂部間の間隙Sは、高電圧パルスによる放電が効率良く行われる間隔に設定される。
【0016】
介装材45とパッカー部本体外表面との間には、第一の膨張体44が取付けられている。第一の膨張体44は、伸縮性に富むゴム製のチューブ材などによって形成され、内部に空気が流入されて膨張することで、介装材45と正負電極板41,42をパッカー部2の径方向外方に変位させて、正負電極板41,42、特に両電極板内方端縁41a,42aを掘削孔内壁面に当接させる。内部の空気を排出させることで、第一の膨張体44は収縮し、両電極板41,42を掘削孔内壁面の当接状態から解除する。
【0017】
パッカー本体3内には、図5と図6に示すように、正負両電極板41,42と上記高電圧パルス発生器1とを導通させる同軸ケーブル43と、第一の膨張体44を動作させる空気を供給する励起部エア供給菅46と、後述するセンサ部の筒状膨張体に空気を供給するセンサ部エア供給菅55と、センサ部のセンサから引出された導線54とが収納されている。導線54は、同両図に見られるようにセンサ部エア供給菅55ととともに、同軸ケーブル43からの電磁波による影響を受けないように隔壁を介した状態でパッカー部本体3下側に収納されている。
【0018】
同軸ケーブル43と励起部エア供給菅46は、励起部4が設けられている位置のパッカー本体内部から外部に引き出され、センサ部エア供給菅55と導線54は、センサ部5が設けられているパッカー本体内部から外部に引き出されている。したがって、計測用センサも、同軸ケーブル43によって電磁波障害を惹きおこされることはない。
なお、同軸ケーブル43と正負両電極板間は、導通路に先鋭な部分が形成されないようにし、また露出部分も少なくすることで、予定しない箇所からの放電を防止してある。
【0019】
計測用センサ部5は、衝撃波が発生した時点での弾性波を計測する。本実施例では、励起部4よりも先端側に、パッカー部本体3の軸方向に所定の間隔(50cm)をおいて同じ構造のものが3個設けられている。これらの計測用センサ部5は、例えば特開2002−22717に開示された構造とほぼ同様なものが用いられる。すなわち、計測用センサ部5は、図7に概略的に示すように、筒状膨張体51と、センサ52と、筒状膨張体端部の閉塞部材53と、センサの導線54と、センサ部エア供給管55とを備える。
【0020】
筒状膨張体51(第2の膨張体)は、励起部4の第1の膨張体44と同じように内部に空気が流入されたときに径方向に膨張する。センサ52は、筒状膨張体51の周面に固定されている。筒状膨張体両端部は、閉塞部材53によって密封されている。センサ部エア供給菅55は、励起部エア供給管46とともに基端部がエア圧送部7に接続され、必要に応じて筒状膨張体内に空気を供給する。センサ52からの検知出信号を外部に出力する導線54は、パッカー部本体3を通って外部に引出され、コンピュータ等の所定の解析装置もしくはデータ記録装置等のデータ処理部6に接続されている。
【0021】
筒状膨張体51の内部には、筒形状を保つためのパイプ等から成る図示しない保形体を装填しても良い。保形体は、アルミ材などの軽量な金属製素材あるいは合成樹脂材製のパイプ材から成る。筒状膨張体51は、ゴムチューブなどのゴム材単層、または、ゴム材によって形成された内層と径方向に伸縮可能なギャザー付きの外装カバー材によって形成された外層の2層から成る。
【0022】
閉塞部材53は、筒状膨張体51の両端部を密封して閉塞する。閉塞部材53には、計測用センサ52の検知信号を出力する導線が引出される。また、筒状膨張体内に流体を供給する管路が直接もしくは間接に接続される。
例えば、本実施例のように3つの計測点を設定するために計測用センサを3個個直列に連結する場合、閉塞部材53は、多数ピンを備えたコネクタで、一部に流体供給路を有するものが望ましい。
計測用センサ52には、例えば加速度センサなど弾性波速度を計測するに必要なセンサが採用される。
【0023】
図1において、図中符号8は、同軸ケーブルの所望箇所近傍に配設した電磁波検知センサである。
高電圧パルス発生器1が稼働されて同軸ケーブル43に瞬間的に高電圧の電流が流れると、この電磁波検知センサ8が検知信号をデータ処理部6に出力する。この出力信号は、計測用センサ部5の測定開始信号(測定ゼロ時間点)として機能する。
【0024】
上記した装置の使用状態について説明する。
調査対象となる岩盤に所定径の掘削孔を形成する。
掘削孔内にパッカー部2を挿入し、励起部エア供給菅路46及びセンサ部エア供給菅路55並びに同軸ケーブル43及び導線54を掘削孔内から引出す。
同軸ケーブル43を高電圧パルス発生器1に接続し、導管内の計測センサ用導線54をデータ処理部6と接続する。
【0025】
そして、励起部エア供給菅路46とセンサ部エア供給菅路55をコンプレッサなどのエア圧送部7と連通させ、エア圧送部7からエアを送り込むと、励起部4の第一の膨張体44と各計測用センサ部5の筒状膨張体51が膨張し、励起部4の正負電極板41,42と計測用センサ部5のセンサ52を掘削孔内面に圧接させる。
【0026】
この状態で、高電圧パルス発生器1をONして高電圧パルスを出力させると、励起部4の正負電極板41,42の間隙S間に放電が生じ、この放電によって衝撃波が発生する。
これと同時に高電圧パルスが出力されたときに同軸ケーブル43に生じる電磁波が検知センサ8に検知される。検知信号は、データ処理部6に入力されて計測センサ52の測定開始点として記録される。
発生した衝撃波は、岩盤中を伝って各計測センサ52に捕捉される。
【0027】
図8に、電圧(40kV)、コンデンサ容量(0.8μF)の条件で、衝撃波を発生させたときの2.5m、5m、7.5m、10m、12.5m離れた地点での振動波形を示す。各地点での図中左図は対応する図中右図上段の波形を拡大して示したものであり、右図下段の波形は、音波波形を示す。
図8から明らかなように、パルス放電による衝撃波は、音波波形とは異なる独自の波形から成り、地盤計測用の弾性波として十分利用可能な波形図を形成し得るものであることが解った。
継続的に弾性波を得る場合には、高電圧パルス発生器のコンデンサがパルス発生に必要な電荷を蓄える時間間隔を置いて行う。これにより、定間隔ごとの信号によって、所定領域の岩盤の力学的性質を正確に把握することができる。
【0028】
測定を終えた後は、第一の膨張体と筒状膨張体の空気を抜くことにより、これらが収縮してパッカー部を掘削孔の径よりも小さな元の径に復元させるので、掘削孔から引き出すことにより容易に回収できる。
【0029】
計測用センサ部材もしくは装置の構造に関し、上記したような特開2002−22717開示の構造以外のものを採用することもできる。図9から図11はその一例を示す。
【0030】
図中符号101は、アルミ製の棒材から成るロッドで、長手方向に沿って2条の溝102,103が形成されている。この溝102,103は、長手方向所定位置に、両溝が連通する広幅のセンサボックス収納室104を有する。センサボックス収納室104には、センサ105及びその付属機器が収納される。2条の溝の一方102にはセンサ用導線106が収められ、他方103にはエア供給管路107が納められている。センサボックス収納室104にはこれを取囲むようにしてゴム製の筒状体から成る膨張体108が取り付けられ、エア供給菅路107から供給されるエアによって膨張し、センサ105をロッド101の径方向外方に変位させる。なお、図中符号109は、膨張体の外方を覆う伸縮自在な外装材(例えばギャザー付きの布材など)である。
【0031】
この構造の計測用センサ部材は、上記従来例のようにコネクタによって複数のセンサ部材を連結するのではなく、ロッドの予め決められた位置にセンサ及び膨張体が配設されている。このセンサ部材によれば、コネクタを有しないのでエアの漏れあるいは水の浸入を極力防止できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明方法によれば、次の効果を奏する。
岩盤に当接した正負両電極間に高電圧パルスを印可して電極間に放電を生じさせることにより、岩盤中に衝撃波を生じさせ、この衝撃波を岩盤計測用の弾性波として利用するので、作業員の肉体的労力や機械的殴打力に頼ることなく、比較的安全な作業環境下で所定の弾性波を定間隔で自動的かつ確実に発生させることができる。
【0033】
本発明装置によれば、次の効果を奏する。
励起部の正負電極を、膨張体の膨張と収縮によって岩盤の所定箇所に当接させるようにしてあるので、掘削孔内の内壁面など狭い箇所にも正負電極を有効に当接させることができ、高電圧パルス印可による正負電極の放電から生じる衝撃力を測定対象となる岩盤に確実に生起させることができる。また、掘削孔内への装置取付け及び取外し作業も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る装置の概念構成図。
【図2】図1の装置のパッカー部の概略構成図。
【図3】図1の装置のパッカー部における励起部の側面図。
【図4】励起部の正負電極板の配置を示す平面図。
【図5】図3の断面図。
【図6】第一の膨張体が膨張した状態を示す説明図。
【図7】計測用センサ部の概念構成図。
【図8】衝撃波を発生させたときの2.5m、5m、7.5m、10m、12.5m離れた地点で計測された振動波形を、音波波形と対比して示す図(図中右図)と、右図の振動波形の拡大図(図中左図)を示す図。
【図9】本発明に用いられる計測用センサ部材の他例を示す概略説明。
【図10】図9の要部の横断面図
【図11】図9のロッドの縦断面図。
【符号の説明】
1 高電圧パルス発生器。
2 パッカー部。
3 パッカー部本体。
4 励起部。
41,42 電極板。
43 同軸ケーブル。
44 第一の膨張体。
46 励起部エア供給菅。
5 計測用センサ部。
51 筒状膨張体。
52 センサ。
54 導線。
55 センサ部エア供給菅。
6 データ処理部。
7 エア圧送部。
8 電磁波検知センサ
Claims (10)
- 計測対象となる岩盤に正負電極を所要の間隔をおいて当接し、
高電圧パルス発生手段によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせることによって、岩盤中に衝撃波を生じさせる、
ことを特徴とする岩盤計測用の弾性波発生方法。 - 計測対象となる岩盤に正負電極を所要の間隔をおいて当接し、
高電圧パルス発生手段によって両電極間に高電圧パルスを印可し、電極間に放電を生じさせることによって、岩盤中に衝撃波を生じさせ、
両電極間に高電圧パルスを印可したときに高電圧パルス発生手段と両電極とを導通する導通手段から生じる電磁波の検知信号を、上記衝撃波を計測する計測センサの測定開始信号とする、
ことを特徴とする岩盤計測用の弾性波発生方法。 - 前記正負電極が、岩盤に穿設した掘削孔内に挿入されて当接される、
請求項1もしくは2記載の岩盤計測用の弾性波発生方法。 - 前記正負電極を、膨張体を作動流体によって膨らませることにより、掘削孔の径方向に変位させて掘削孔内壁面に当接させる、
請求項3記載の岩盤計測用の弾性波発生方法。 - 高電圧パルス発生器と、掘削孔内に挿入されるとともに先端部に計測用センサ部と励起部とを有するパッカー部とを備え、
計測用センサ部は、弾性波速度を計測するに必要なセンサから成り、
励起部は、計測用センサ部の後方に所定の距離を置いて配設されており、所要の間隙を置いて対向する正負電極と、この正負電極を掘削孔内面の当接させる位置までパッカー部の径方向に変位させる膨張体と、上記高電圧パルス発生器と正負電極とを通電させる通電手段とを有し、
上記パッカー部には、上記膨張体への流体供給路と、上記センサからの出力信号をデータ処理装置に導く導線の収納路が設けられている、
ことを特徴とする岩盤計測用の弾性波発生装置。 - 高電圧パルス発生器と、掘削孔内に挿入されるとともに先端部に計測用センサ部と励起部とを有するパッカー部とを備え、
計測用センサ部は、弾性波速度を計測するに必要なセンサから成り、
励起部は、計測用センサ部の後方に所定の距離を置いて配設されており、所要の間隙を置いて対向する正負電極と、この正負電極を掘削孔内面の当接させる位置までパッカー部の径方向に変位させる膨張体と、上記高電圧パルス発生器と正負電極とを通電させる通電手段とを有し、
上記パッカー部には、上記膨張体への流体供給路と、上記センサからの出力信号をデータ処理装置に導く導線の収納路が設けられ、
上記導通手段の所望位置近傍には、両電極間に高電圧パルスを印可したときに導通手段から生じる電磁波を検知する検知手段が配設され、この検知手段からの検知信号を上記計測用センサ部の測定開始信号とする、
ことを特徴とする岩盤計測用の弾性波発生装置。 - 前記正負電極板が絶縁材から成る介装材に支持され、
この介装材が前記膨張体の表面に添設されている、
請求項5もしくは6記載の装置。 - 前記膨張体は、ゴム製のチューブ材から成る、
請求項5もしくは6記載の装置。 - 前記励起部が第一の膨張体によってパッカー部の径方向に膨張される一方、
前記計測用センサ部材はセンサ本体が第二の膨張体の表面に取り付けられ、作動流体によって膨張体をパッカー部径方向に膨張させることによって掘削孔内面に当接される、
請求項5もしくは6記載の装置。 - 前記流体供給路と導線の収納路とが共通する、
請求項5もしくは6記載の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002303256A JP2004138497A (ja) | 2002-10-17 | 2002-10-17 | 岩盤計測用の弾性波発生方法と装置。 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007278838A (ja) * | 2006-04-06 | 2007-10-25 | Dia Consultant:Kk | 地層移行挙動の評価方法及び装置 |
CN102817345A (zh) * | 2012-08-10 | 2012-12-12 | 东南大学 | 一种用于多功能孔压静力触探的地震波自动触发装置 |
-
2002
- 2002-10-17 JP JP2002303256A patent/JP2004138497A/ja active Pending
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