JP2004135415A - スイッチング電源 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エネルギ蓄積インダクタンス素子として働くトランスT1の1次巻線LPに主スイッチング素子Q1が接続されてオン/オフを繰返す。2次巻線LSには、負荷との間に同期整流スイッチング素子Q2が接続され、並列に直列回路26が接続される。この直列回路26は、同期整流インダクタンス素子L1とダイオードD1とを含む。主スイッチング素子Q1のオフ期間Toffで、トランスT1の蓄積電力が放出完了する時刻t6よりも前t3に、ダイオードD1の働きによって同期整流インダクタンス素子L1は、蓄積電力の放出を、完了し、これを、電圧検出用ダイオードD2で検出して、同期整流スイッチング素子Q2をオフする制御信号を与える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC/DCコンバータなどのスイッチング電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な先行技術は、図17に示される。フライバック形スイッチング電源において、交流電源1の出力は、整流ブリッジD41で全波整流され、コンデンサC41で平滑され、直流電圧に変換される。この直流電圧は、主スイッチング素子Q41でオン/オフされ、トランスT41の1次巻線2に与えられ、2次巻線3には、トランスT41の巻数比に比例した高周波交流電圧が発生する。この2次巻線3の出力を、2次側整流ダイオードD42で整流し、コンデンサC42で平滑し、直流電圧V0を得る。2次側整流ダイオードD42として、高周波整流ダイオードが使用され、整流電圧が低い仕様には、順方向電圧降下が低いショットキーバリヤダイオード(略称SBD)が使用され、導通損失を低減することができる。
【0003】
このような図17に示される2次側整流ダイオードD42を用いたスイッチング電源では、そのスイッチング電源が用いられる電子機器の低電圧化と大電流化に伴い、スイッチング電源の全損失に占める2次側整流ダイオードD42の損失は、たとえば40%以上を占め、したがってスイッチング電源の効率を高めるには、ダイオードD42の低損失化が必須のテーマである。たとえばダイオードD42の順方向電圧降下VF(D42)が0.55Vであって、出力電圧V0が5.0Vである場合、このダイオードD42の順方向電圧降下VF(D42)分だけで、11%(=0.55/5.0)の効率を落としていることになる。このダイオードD42に順方向電流IFが10A流れる場合、ダイオードD42の導通損失Pdは、5.5W(=VF×IF=0.55V×10A)という大きな値になる。2次側整流ダイオードD42の損失は、出力電圧仕様にもよるが、25〜45%を占めるに至ることがある。
【0004】
この問題を解決する先行技術(特許文献1参照)は、図17のダイオードD42に代えて、主スイッチング素子Q41として、金属酸化膜電界効果トランジスタ(略称MOSFET)が用いられる。同期整流スイッチング素子Q42としての金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETを用いることによって、MOSFETの導通損失Pdは、ドレンとソース間のオン抵抗値RDSが、0.01Ωであり、ドレン電流IDが10Aであるとき、1.0W(=RDS×ID2=0.01Ω×10A2)となり、ダイオードD42の導通損失の約5分の1に低損失化される。このような同期整流スイッチング素子を用いて整流する回路は、同期整流回路と呼ばれる。
【0005】
前述の先行技術においてダイオードD42に代えて同期整流スイッチング素子Q42としてMOSFETを用いた構成は、新たな問題点を有する。主スイッチング素子Q41のオン期間に、トランスT41の1次巻線2にエネルギが蓄積され、その期間では、同期整流スイッチング素子Q42は完全にオフしていなければならない。もしも、同期整流スイッチング素子Q42のオンからオフになるタイミングが遅れたり、あるいはオンのままであったりすると、短絡電流が流れ、両スイッチング素子Q41,Q42の損失が増大し、破壊に至る。
【0006】
主スイッチング素子Q41のオフ期間では、オン時に蓄積されたエネルギは2次巻線3に正電圧として発生し、この主スイッチング素子Q41のオフ期間では、同期整流スイッチング素子Q42は完全にオンしていなければならない。もしも、同期整流スイッチング素子Q42がオフからオンになるタイミングが遅れたり、2次巻線3の2次電流の流れている時間に比べて同期整流スイッチング素子Q42のオンとなっている導通時間が短ければ、この同期整流スイッチング素子Q42のMOSFETに内蔵されているダイオードを、2次電流が通過することによって、損失が増大し、MOSFETの前述の導通損失が小さいという同期整流効果が失われる結果になる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5―137326
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、直流電源を周期的にオン/オフする主スイッチング素子と、トランス、コイルなどのインダクタンス成分を有するエネルギ蓄積インダクタンス素子に蓄積された電力を負荷に供給する同期整流スイッチング素子とが、同時にオンになる状態を確実に防ぎ、これによって低損失である同期整流効果を達成し、電子部品の破壊を防ぐようにしたスイッチング電源を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直流電源に接続される主スイッチング素子Q1,Q11,Q21を周期的にオン/オフして断続する電力を、主スイッチング素子のオン期間で、エネルギ蓄積インダクタンス素子T1,L10,L20に蓄積し、同期整流スイッチング素子Q2,Q12,Q22をオフし、
主スイッチング素子のオフ期間で、同期整流スイッチング素子をオンしてエネルギ蓄積インダクタンス素子の蓄積された電力を負荷に供給するスイッチング電源において、
(a)エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に接続される直列回路であって、
同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21と、
同期整流インダクタンス素子に直列接続され、主スイッチング素子のオン期間でエネルギ蓄積インダクタンス素子とともに同期整流インダクタンス素子に電力を蓄積するように、方向性結合されたダイオードD1,D11,D21とを含む直列回路と、
(b)同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、同期整流スイッチング素子をオフする同期整流用制御回路27,38,53とを含むことを特徴とするスイッチング電源である。
【0010】
本発明を簡単に述べると、スイッチング電源における2次側整流器またはDC/DCコンバータの転流ダイオードに、同期整流用スイッチング素子、たとえば金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETなどを使用する同期整流回路において、この同期整流スイッチング素子のターンオン信号が、金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETなどによって実現される主スイッチング素子のターンオン信号と重ならないように、同期整流スイッチング素子のオン/オフを制御する。エネルギ蓄積インダクタンス素子T1,L10,L20が主スイッチング素子のオン期間Tonに発生する電圧時間積S1とオフ期間Toffの電圧時間積S2とが等しく(S1=S2)、同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21がダイオードD1,D11,D21を介して主スイッチング素子のオン期間Tonに蓄積する電圧時間積S11と、オフ期間Toff1でこれを放出する時間積とが等しい(S11=S12)という現象を利用し、エネルギ蓄積インダクタンス素子T1,L10,L20の蓄積電力の放出完了前に、同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21の蓄積電力の放出が完了し、この同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21の蓄積電力の放出完了を検出して、主スイッチング素子の次のターンオン時刻t6,t16,t26よりも前t3,t13,t23に、同期整流スイッチング素子をターンオフさせることを確実にする。
【0011】
本発明に従えば、スイッチング電源のDC/DCコンバータに備えられる主スイッチング素子は、周期的にオン/オフして直流電源の電力を断続し、主スイッチング素子のオン期間で、トランスまたはコイルなどのエネルギ蓄積インダクタンスに蓄積し、このとき同期整流スイッチング素子をオフに保ち、主スイッチング素子のオフ期間で、同期整流スイッチング素子をオンしてエネルギ蓄積インダクタンス素子に蓄積されている電力を、負荷に供給する。
【0012】
エネルギ蓄積インダクタンス素子には並列に、直列回路が接続され、この直列回路は、前記同期整流インダクタンス素子と、ダイオードとを含み、この直列回路における同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点の電圧または電流を用いて、同期整流用制御回路は、同期整流スイッチング素子を、主スイッチング素子のオンよりも前t3に、オフする。これによって主スイッチング素子がオンとなった時点t6では、同期整流スイッチング素子はオフに保たれており、したがって主スイッチング素子と同期整流スイッチング素子との両者がオンになることを防ぐことができる。
【0013】
特に本発明では、エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に、直列回路が接続され、したがって主スイッチング素子のオン期間Tonで、エネルギ蓄積インダクタンス素子にエネルギが蓄積されると同時に、前記直列回路には、電圧VSが与えられ、したがって同期整流インダクタンス素子には、ダイオードの順方向電圧降下VF(D1)だけ低い電圧(−VF(D1))が、与えられることになる。主スイッチング素子のオン期間Tonにおける同期整流インダクタンス素子の電圧時間積S11(={VS−VF(D1)}・Ton)であり、この電圧時間積は、主スイッチング素子のオフ期間Toffで、同期整流インダクタンス素子に蓄積された電力が前記ダイオードを経て負荷に供給される電圧時間積S12(={V0+VF(D1)}・Toff1)と等しい。Toff1は、主スイッチング素子が遮断した時刻t2から同期整流インダクタンス素子に蓄積された電力の放出を終了する時刻t3までの時間である。
【0014】
エネルギ蓄積インダクタンス素子の電圧時間積S1は、主スイッチング素子のオン期間でVS・Tonであり、オフ期間でV0・Toffであり、これらのオン期間およびオフ期間での両電圧時間積S2は、等しい。エネルギ蓄積インダクタンス素子および周期整流インダクタンス素子は、磁気飽和しない範囲で、作用する。
【0015】
したがって主スイッチング素子のオフ期間で、エネルギ蓄積インダクタンス素子の蓄積された電力が放出を終了する時間Toffに比べて、同期整流インダクタンス素子の蓄積された電力の放出を終了するまでの時間Toff1は短い。すなわち同期整流インダクタンス素子は、ダイオードD1,D11,D21がその同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21に直列に接続されていることによって、その同期整流インダクタンス素子に蓄積された電力を放出終了する時間Toff1が、エネルギ蓄積インダクタンス素子に蓄積された電力を放出終了するまでの時間Toffに比べて短くなるので、この同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流の変化を、同期整流用制御回路27,38,53によって検出し、たとえばその接続点Aの電圧が零になった時刻t3で、同期整流スイッチング素子Q2,Q12,Q22をオンからオフにスイッチング状態を切換える。
【0016】
主スイッチング素子は、その後、すなわちエネルギ蓄積インダクタンス素子に蓄積された電力が放出終了した後の時刻t6で、再びオンになる。こうして主スイッチング素子が再びオンになる時刻t6では、同期整流スイッチング素子はすでにオフされたままの状態となっている。こうして主スイッチング素子と同期整流スイッチング素子とが同時にオンになることが防がれる。これによって主スイッチング素子と同期整流スイッチング素子とが同時にオンになる現象が発生することによる電力損失の増大および電子回路部品の破壊を防ぐことができ、同期整流スイッチング素子を、たとえばトランジスタなどの能動素子を用いて、導通損失を低下することができるという同期整流効果を上首尾に達成することができる。同期整流インダクタンス素子は、商業的に入手容易なチョークトランスなどを用いて容易に実現することができ、したがってドライブトランス、カレントトランス、トランスドライブ巻線追加などのカスタム部品を使用する必要がなく、本発明の実施が極めて容易である。
【0017】
また本発明は、直流電源と、
1次巻線と2次巻線とを有するトランスT1と、
直流電源とトランスの1次巻線との間に介在される主スイッチング素子Q1と、
主スイッチング素子を、周期的にオン/オフする主スイッチング制御回路と、
2次巻線と負荷との間に介在される同期整流スイッチング素子Q2と、
2次巻線に並列に接続される直列回路であって、
同期整流インダクタンス素子L1と、
同期整流インダクタンス素子に直列に接続され、主スイッチング素子のオン期間でトランスとともに同期整流インダクタンス素子に電力を蓄積するように方向性結合されたダイオードD1とを含む直列回路26と、
同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、同期整流スイッチング素子をオフする同期整流用制御回路27とを含むことを特徴とするフライバック形スイッチング電源である。
【0018】
また本発明は、同期整流スイッチング素子は、制御端子を有し、この制御端子の電圧に依存してオンまたはオフのスイッチング動作をし、
同期整流用制御回路27は、
同期整流インダクタンス素子とダイオードD1との接続点Aに接続され、前記ダイオードD1のオフ時に順方向となってオンするように方向性結合された電圧検出用ダイオードD2と、
電圧検出用ダイオードD2のオンに応答して、同期整流スイッチング素子の制御端子に、オフするための電圧を有する制御信号を与える同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路28とを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、図1〜図7に関連して後述されるように、フライバック形スイッチング電源において、エネルギ蓄積インダクタンス素子としてのトランスT1に、主スイッチング素子Q1のオン期間、エネルギである電力が蓄積され、主スイッチング素子の次のオフ期間で、トランスT1に蓄積された得エネルギが放出され尽くす。本発明の実施の他の形態では、トランスT1に蓄積されたエネルギの全てが放出されないうちに、次のエネルギの蓄積が行われるように構成されてもよい。
【0020】
トランスの2次巻線には、同期整流インダクタンス素子L1とダイオードD1とを含む直列回路が、並列に接続され、同期整流インダクタンス素子は、トランスと同様に、主スイッチング素子のオン/オフに伴って、電力の蓄積/放出を繰返すが、前記ダイオードD1の働きによって、同期整流インダクタンス素子の電力放出完了時刻t3(図3〜図7参照)で同期整流用制御回路は同期整流スイッチング素子Q2をオフし、その後、蓄積された電力の放出が完了して主スイッチング素子が時刻t6でオンになる。これによって同期整流スイッチング素子Q2がオフに保たれている状態で、主スイッチング素子がオンになり、したがってこれらの主スイッチング素子と同期整流スイッチング素子とのいずれもが同時にオンになる状態を回避することが確実である。
【0021】
本発明に従えば、同期整流スイッチング素子としては、たとえば金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETなどのスイッチング素子が用いられてもよい。同期整流用制御回路27は、同期整流インダクタンス素子の蓄積電力の放出完了を検出するために、直列回路26における同期整流インダクタンス素子Q2とダイオードD1との接続点Aに方向性結合された電圧検出用ダイオードD2を有し、この電圧検出用ダイオードD2がオンになることによって、同期整流スイッチング素子のゲートまたはベースなどの制御端子に、同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路から与える。本発明の実施の他の形態では、同期整流インダクタンス素子に蓄積された電力が放出され尽くす前に、前記接続点の電圧または電流を検出して、同期整流スイッチング素子のオンのための制御信号を発生するように構成してもよい。
【0022】
また本発明は、直流電源と、
1次巻線と2次巻線とを有するトランスT11と、
直流電源とトランスの1次巻線との間に介在される主スイッチング素子Q11と、
主スイッチング素子を、周期的にオン/オフする主スイッチング制御回路と、
2次巻線に並列に接続される第1同期整流スイッチング素子Q12と、
2次巻線と第1同期整流スイッチング素子との間に介在される第2同期整流スイッチング素子Q13と、
第2同期整流スイッチング素子を、主スイッチング素子のオン期間でオンし、オフ期間でオフする第2同期整流スイッチング素子用制御回路36と、
第1同期整流スイッチング素子Q12に関して2次巻線LSとは反対側で負荷との間に直列に接続されるエネルギ蓄積インダクタンス素子L10と、
エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に接続される直列回路37であって、
同期整流インダクタンス素子L11と、
同期整流インダクタンス素子に直列に接続され、主スイッチング素子のオン期間でエネルギ蓄積インダクタンス素子とともに電力を蓄積するように、方向性結合されたダイオードD11とを含む直列回路と、
同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、第1同期整流スイッチング素子Q12をオフする同期整流用制御回路38とを含むことを特徴とするフォワード形スイッチング電源である。
【0023】
また本発明は、第1同期整流スイッチング素子Q12は、制御端子を有し、この制御端子の電圧に依存してオンまたはオフのスイッチング動作をし、
同期整流用制御回路38は、
同期整流インダクタンス素子L11とダイオードD11との接続点Aに接続され、前記ダイオードのオフ時に順方向となってオンするように方向性結合された電圧検出用ダイオードD12と、
電圧検出用ダイオードD12のオンに応答して、第1同期整流スイッチング素子Q12の制御端子に、オフするための電圧を有する制御信号を与える同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路39とを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、図8〜図11に関連して後述されるように、フォワード形スイッチング電源において、入力と出力がトランスT11で絶縁され、1次巻線に設けられた主スイッチング素子Q11のオン期間Tonで、2次巻線に並列接続される第1同期整流スイッチング素子Q12をオフし、かつ2次巻線と第1同期整流スイッチング素子Q12との間に介在される第2同期整流スイッチング素子Q13をオンしてエネルギ蓄積インダクタンス素子L10に電力を蓄積し、このとき同時に、直列回路の同期整流インダクタンス素子L11にも、ダイオードD11を介して電力を蓄積する。
【0025】
主スイッチング素子Q11のオフ期間Toffで、第2同期整流スイッチング素子Q13を遮断したままに保つ。この主スイッチング素子Q11のオフ期間で、同期整流インダクタンス素子L11の蓄積電力は、ダイオードD11を介して放出されてゆき、その放出完了時刻t13は、ダイオードD11が介在されることによって、エネルギ蓄積インダクタンス素子L10の蓄積電力の放出完了時刻t16よりも早い。同期整流用制御回路38は、直列回路の同期整流インダクタンス素子L11とダイオードD11との接続点Aの電圧または電流を検出して、同期整流インダクタンス素子L11の蓄積電力の放出完了を時刻t13で検出し、第1同期整流スイッチング素子Q12をオフする。エネルギ蓄積インダクタンス素子L10の蓄積電力の放出完了後の時刻t16で、主スイッチング素子が再びオンする。こうして主スイッチング素子と第1同期整流スイッチング素子Q12とが同時にオンすることが回避される。
【0026】
フォワード形スイッチング電源の同期整流用制御回路38では、直列回路の同期整流インダクタンス素子L11とダイオードD11との接続点Aの電圧を検出する電圧検出用ダイオードD12を有し、同期整流インダクタンス素子L11の蓄積電力の放出完了時点を検出して同期整流スイッチング素子Q12の制御端子にオフのための制御信号を同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路39から与える。
【0027】
また本発明は、直流電源と、
直流電源の一端子に接続される主スイッチング素子Q21と、
主スイッチング素子を、周期的にオン/オフする主スイッチング制御回路と、主スイッチング素子と負荷との間に接続されるエネルギ蓄積インダクタンス素子L20と、
エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に接続される直列回路52であって、
同期整流インダクタンス素子L21と、
同期整流インダクタンス素子に直列に接続され、主スイッチング素子のオン期間でエネルギ蓄積インダクタンス素子とともに電力を蓄積するように、方向性結合されたダイオードD21とを含む直列回路と、
主スイッチング素子とエネルギ蓄積インダクタンス素子との接続点Aと、直流電源の他端子とに、接続される同期整流スイッチング素子Q22と、
同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、同期整流スイッチング素子をオフする同期整流用制御回路53とを含むことを特徴とするステップダウン形スイッチング電源である。
【0028】
また本発明は、同期整流スイッチング素子Q22は、制御端子を有し、この制御端子の電圧に依存してオンまたはオフのスイッチング動作をし、
同期整流用制御回路53は、
同期整流インダクタンス素子L21とダイオードD21との接続点に接続され、前記ダイオードのオフ時に順方向となってオンするように方向性結合された電圧検出用ダイオードD22と、
電圧検出用ダイオードD22のオンに応答して、同期整流スイッチング素子の制御端子に、オフするための電圧を有する制御信号を与える同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54とを含むことを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、図12〜図16に関連して後述されるように、ステップダウン形スイッチング電源において、主スイッチング素子Q21のオン期間Tonでエネルギ蓄積インダクタンス素子L21に電力を蓄積し、次のオフ期間Toffでエネルギ蓄積インダクタンス素子L20に蓄積された電力を放出し、その放出を完了し、その後再び主スイッチング素子Q21がオンになり、動作が繰返される。このオン期間Tonでは、同期整流スイッチング素子Q22はオフしており、オフ期間Toffでは、同期整流スイッチング素子Q22はオンし、しかも次に述べるように主スイッチング素子Q21のオンよりも先にオフに戻る。このエネルギ蓄積インダクタンス素子L20に、同期整流インダクタンス素子L21とダイオードD21とを含む直列回路52が、並列に接続され、主スイッチング素子Q21のオフ期間Toffで、前述のようにエネルギ蓄積インダクタンス素子L20が蓄積電力を放出するとともに、同期整流インダクタンス素子L21の蓄積電力がダイオードD21を介して放出され、同期整流インダクタンス素子L21には、ダイオードD21が上述のように直列接続されているので、これによって同期整流インダクタンス素子L21の蓄積電力の放出完了時刻t23は、エネルギ蓄積インダクタンス素子L20の蓄積電力の放出完了時刻t26よりも早い。同期整流用制御回路53は、直列回路の同期整流インダクタンス素子L21とダイオードD21との接続点Aの電圧または電流によって、同期整流インダクタンス素子L21の蓄積電力放出完了時刻t23を検出して同期整流スイッチング素子Q22をオフする。その後、前述のようにエネルギ蓄積インダクタンス素子L20の蓄積電力の放出が時刻t26で完了して主スイッチング素子Q21がオンする。したがって主スイッチング素子と同期整流スイッチング素子Q22との両者が同時にオンすることは回避される。
【0030】
本発明に従えば、同期整流インダクタンス素子L21の蓄積電力の放出完了を検出するために、同期整流用制御回路53は、直列回路の同期整流インダクタンス素子L21とダイオードD21との接続点Aの電圧を電圧検出用ダイオードD22によって検出し、同期整流インダクタンス素子L21の電力放出完了時点で、同期整流スイッチング素子Q22をオンする制御信号を、同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54から発生して制御端子に与える。
【0031】
本発明では、同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21に蓄積された電力の放出完了時刻t3,t13,t23、同期整流スイッチング素子Q2,Q12,Q22をオフする構成だけでなく、そのエネルギ蓄積インダクタンス素子L1,L11,L21に蓄積された電力の放出完了時刻t6,t16,t26よりも前において、前述の接続点の電圧または電流に依存して同期整流スイッチング素子Q2,Q12,Q22をオフする構成としてもよい。
【0032】
本発明は、前述のフライバック形、フォワード形およびステップダウン形の各スイッチング電源に関連して実施されるだけでなく、そのほかの形式、たとえばリンギングチョークRCC(Ring Choke Converter)形スイッチング電源およびその他の構成に関連しても、実施することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態のフライバック形スイッチング電源の具体的な構成を示す電気回路図であり、図2は図1に示されるフライバック形スイッチング電源の全体の構成を簡略化して示す電気回路図である。直流電源6のライン7,8は、主スイッチング素子Q1を介してフライバックトランスT1の1次巻線LPに接続される。主スイッチング素子Q1は、主スイッチング制御回路9によって周期的にオン/オフされる。トランスT1は、2次巻線LSを有する。このトランスT1は、主スイッチング素子Q1のオンによって、電力であるエネルギを蓄積するエネルギ蓄積インダクタンス素子としての働きを果たす。2次巻線LSにはライン11,12が接続され、一方のライン11には同期整流スイッチング素子Q2が接続され、たとえば接地されてもよい一方の出力端子13に接続される。他方のライン12は、他方の出力端子14に接続される。これらの出力端子13,14間には、平滑コンデンサC1が接続される。
【0034】
同期整流スイッチング素子Q2は、同期整流スイッチング制御回路15によってオン/オフして断続制御される。主スイッチング素子Q1および同期整流スイッチング素子Q2は、たとえば金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETによって実現され、それらの制御端子であるゲートに、主スイッチング制御回路9および同期整流スイッチング制御回路15から制御信号がそれぞれ与えられる。
【0035】
図2を参照して、直流電源6は、たとえば商用交流電源などの交流電源17の交流電力が、整流回路18によって全波整流され、平滑コンデンサ19によって平滑され、その直流出力がライン7,8に導出されて構成される。主スイッチング制御回路9には、トランスT1に備えられる主スイッチング制御用巻線NBの出力と、電圧誤差検出回路21からのフォトカプラ22を介するライン23の出力が与えられる。
【0036】
電圧誤差検出回路21は、出力端子13,14間の電圧を検出し、予め定める基準電圧と比較してその誤差を演算して求め、その誤差を表す信号を導出して前述のようにライン23から主スイッチング制御回路9に与える。主スイッチング制御回路9は、主スイッチング素子Q1のパルス幅変調PWMが行われているように制御信号を作成し、前記誤差が零となるように、制御信号のデューティ比を負帰還制御する。図1では、図2に示される電圧誤差検出回路21およびフォトカプラ22は、図面を簡略化するために省略されている。
【0037】
同期整流スイッチング制御回路15は、図1に具体的な構成が示されるように、トランスT1の2次巻線LSにライン25と前述のライン12とを介して並列に接続される直列回路26と、同期整流用制御回路27とを含む。
【0038】
直列回路26は、ダイオードD1と、チョークコイルなどによって実現される同期整流インダクタンス素子L1とが、接続点Aで直列に接続されて構成される。ダイオードD1のカソードは、ライン12に接続され、アノードは同期整流インダクタンス素子L1の一方の端子に接続される。この同期整流インダクタンス素子L1の他方の端子は、ライン25に接続される。同期整流用制御回路27は、電圧検出用ダイオードD2と、同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路28とを含む。電圧検出用ダイオードD2のカソードは、接続点Fで前記接続点Aに接続される。同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路28において、電圧検出用ダイオードD2のアノードは、接続点Fで抵抗R41を介してスイッチング素子であるNPNトランジスタ14のベースに接続される。ダイオードD2のアノードは、抵抗R42を介してライン12に接続される。トランジスタQ4のベース、エミッタ間には抵抗R43が接続される。
【0039】
トランジスタQ4には、スイッチング素子であるPNPトランジスタQ3が、同期整流スイッチング素子Q2と一方の出力端子13との間のライン19との間に接続される。ダイオードD2のアノードはまた、接続点Fで抵抗R31を介してトランジスタQ3のベースに接続される。抵抗R31には、ベース駆動を高速にするためのスピードアップ用コンデンサC31が接続される。トランジスタQ3のベース、エミッタ間には、抵抗R32が接続される。ライン25は、接続点Jで抵抗R31を介してスイッチング素子であるNPNトランジスタQ5のベースに接続される。抵抗R51には、ベース駆動を高速にするためのスピードアップ用コンデンサC51が並列に接続される。このトランジスタQ5のベースは、ライン29に接続される。トランジスタQ5のエミッタは、ライン29に接続される。トランジスタQ5のコレクタは、ダイオードD2のアノードに接続される。トランジスタQ3には並列に、抵抗R33が接続される。このトランジスタQ3のエミッタ出力は、制御信号として、同期整流スイッチング素子Q2の制御端子であるゲートGに与えられる。
【0040】
図3(1)は主スイッチング素子Q1のオン/オフのスイッチング状態に対応するドレン、ソース間電圧VDSを示し、後述の図5(1)に示される波形と同一である。図3(2)は、図1の直列回路26におけるダイオードD1のアノードと上記整流インダクタンス素子L1との接続点Aの電圧を示す。図3(3)は、同期整流インダクタンス素子L1の両端の電位差VL1を示す。図3(4)は同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL1,L11を示す。図3(5)は、同期整流スイッチング素子Q2のオン/オフのスイッチング状態に対応するゲート、ソース間電圧VGSを示す。
【0041】
図4(1)は、ダイオードD1のスイッチング状態を示し、図4(2)は電圧検出用、ダイオードD2のスイッチング状態を示し、図4(3)はトランジスタ素子Q5のスイッチング状態を示し、図4(4)はトランジスタQ3のスイッチング状態を示し、図4(5)はトランジスタQ4のスイッチング状態を示す。
【0042】
図5は、図1および図2に示されるフライバック形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。そのうち、図5(1)は主スイッチング素子Q1のオン/オフのスイッチング状態に対応したドレン、ソース間電圧VDSを示し、図5(2)はその主スイッチング素子Q1のドレン電流IDを示し、このドレン電流IDは、トランスT1の1次巻線LPの電流ILPと等しく、図5(3)はトランスT1の2次巻線LSの両端電圧VSを示し、図5(4)はトランスT1の2次巻線LSの同期整流スイッチング素子Q2におけるドレンDと接続されるライン11の電圧VCを示し、図5(5)は、トランスT1の2次巻線LSの電流ILSを示す。
【0043】
フライバック形スイッチング電源の基本的な動作を説明する。時刻t1〜t2において主スイッチング素子Q1がオン状態にあるとき、トランスT1の1次巻線LPには、電圧Vinが印加され、このオン期間Tonの時刻t1〜t2では、2次巻線LSに発生する電圧は、同期整流スイッチング素子Q2がオフ状態であるので(図3(5)参照)、またその同期整流スイッチング素子Q2の金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETの内蔵ダイオードとは逆方向の電圧が2次巻線LSから発生するので、ライン11,12には電流は流れない。したがって1次巻線LPに流れる電流ILPは、時刻t1〜t2のオン間をTonとし、1次巻線LPのインダクタンスを同一の参照符LPで示すと、
ILP = Vin×Ton/LP …(1)
であり、したがってトランスT1には、エネルギである電力Eが蓄積される。
E = 1/2・Vin・Ton・(Vin・Ton/LP)
= 1/2・LP・ILP2 …(2)
【0044】
次に主スイッチング素子Q1が時刻t2〜t6でオフ状態のオフ期間Toffでは、トランスT1でフライバック電圧が発生し、2次巻線LSの発生電圧は、反転し、このとき同期整流スイッチング素子Q2は、図3(5)に示されるように時刻t2〜t3で導通し、そのためオン期間t1〜t2で1次巻線LPに蓄積されたエネルギは、2次巻線LSおよび同期整流スイッチング素子Q2を通り、平滑コンデンサC1および負荷に放出されて供給される。
【0045】
トランスT1の1次側と2次側とでは、等アンペア・ターンの法則が成立する。1次巻線LPの巻数をNPとし、2次巻線LSの巻数をNSとする。
ILS = NP・ILP/NS …(3)
【0046】
したがって主スイッチング素子Q1のターンオフ直前の時刻t2のピーク電流ILP1を有する1次電流ILP(図5(2)参照)は、巻数比倍されて2次電流ILSが、ピーク電流ILS1として流れ(図5(5)参照)る。その時刻t2以降、零となるまで、2次電流ILSは減衰波形となる。したがって1次巻線LPで蓄積されたエネルギが2次巻線LSへ全て放出するのは、
0 = ILS−(VS・Toff/LS) …(4)
の関係から、オフ期間Toff(すなわち時刻t2〜t6)後に零となり、こうしてトランスT1から、蓄積した全エネルギを放出した直後の時刻t6で、主スイッチング素子Q1は、再度ターンオンし、上述の動作サイクルが繰返される。
【0047】
同期整流スイッチング素子Q2は、主スイッチング素子Q1のオン期間Ton(すなわち時刻t1〜t2)で、ターンオフさせ、非導通とさせなければならず、また主スイッチング素子Q1がオフであるオフ期間Toff(時刻t2〜t6)内で、同期整流スイッチング素子Q2をオンして導通状態としなければならない。特に主スイッチング素子Q1がターンオンのオン期間Tonで、同期整流スイッチング素子Q2がターンオフであることを保証させるには、主スイッチング素子Q1がターンオンする時刻t6よりも以前の時刻t3に、同期整流スイッチング素子Q2をターンオフさせ、これらの両者Q1,Q2がいずれもオフしている期間、すなわちデットアングルt3〜t6を設ける必要がある。本発明では、この同期整流スイッチング素子Q2のターンオフのためのゲートに与える制御信号を、主スイッチング素子Q1のターンオンの時刻t6に先立って発生させることを確実にする。
【0048】
図6は図1〜図5に示されるフライバック形スイッチング電源の動作を説明するための波形図であり、図7は図6(3)に示される同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL1,IL11の時刻t3〜t6の時間経過を拡大して示す波形図である。前述の図6において、図6(1)は主スイッチング素子Q1のオン/オフのスイッチング状態を示す図であり、図6(2)は同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL1,IL11を示し、図6(3)はその同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL1,IL11の一方出力端子13の接地電位と比較して示す図であり、図6(4)は同期整流スイッチング素子Q2のゲート、ソース間電圧VGSを示す図である。
【0049】
まず主スイッチング素子Q1のオン期間Tonの時刻t1以降、2次巻線LSによって同期整流スイッチング素子Q2のドレンDには電圧VS(前述の図5(3)参照)が発生する。
VS = NS・Vin/NP …(5)
【0050】
この電圧VSで、いち早く、トランジスタQ3,Q4をオンし、同期整流スイッチング素子Q2のゲート、ソース間電圧VGSを零にクランプして同期整流スイッチング素子Q2がオンしないように、すなわちオフしたままとなるように、保つ。2次巻線LSのライン11の電圧が高くなることによって、その電圧はライン25を介してトランジスタQ5のベースに与えられ、トランジスタQ5がオンし、したがってトランジスタQ5のベースがライン29の電圧に低下してトランジスタQ3がオンし、このときトランジスタQ4のベース電圧は、トランジスタQ5のオンによって低いので、トランジスタQ4はオフしている。トランジスタQ3のオンによって、同期整流スイッチング素子Q2のゲート、ソース間電圧VGSは、前述のように零となる。
【0051】
これと同時に、2次巻線LSからライン11,25を経て同期整流インダクタンス素子L1およびダイオードD1、さらにライン12を経て、この閉ループを、電流IL1が流れる。
IL1 = (VS−VF(D1))・Ton/L1 …(6)
【0052】
ここでVF(D1)は、ダイオードD1の順方向電圧降下であり、L1は同期整流インダクタンス素子L1のインダクタンスである。
【0053】
時刻t2では、主スイッチング素子Q1がターンオフすることによって、2次巻線LSの2次巻線電圧VS(図5(3)参照)が低下し、これによってトランジスタQ5が完全にターンオフし、その後、トランジスタQ3がオフし、トランジスタQ4がオンするので、同期整流スイッチング素子Q2のゲートGに高い電圧を有する制御信号が与えられて、同期整流スイッチング素子Q2がオンに駆動される。こうして主スイッチング素子Q1のオフ後、同期整流スイッチング素子Q2がオンになることが確実であり、両スイッチング素子Q1,Q2が同時にオン状態になることはない。
【0054】
同期整流スイッチング素子Q2が、時刻t2以降、ターンオンされることによって、トランスT1に蓄えられた2次巻線LSの電力による2次巻線電流ILSは、平滑コンデンサC1を充電し、負荷に流れて供給される。これと同時に、時刻t2では、主スイッチング素子Q1のオン期間Ton中、同期整流インダクタンス素子L1に蓄積されたエネルギは、図1の電流IL11が転流して流れる閉ループをたどり、減衰してゆく。同期整流インダクタンス素子L1からの電流IL11は、平滑コンデンサC1を充電し、ライン29からオン状態の同期整流スイッチング素子Q2を経て、ライン11,25をたどって流れる。
IL11 = −(V0+VF(D1))・Toff/L1 …(7)
【0055】
この電流IL11は、前述のオン期間Ton時に蓄積された電圧時間積S11と同一の電圧時間積S12に対応して流れ、時刻t3で零に戻る。
【0056】
さらに注目すべきは、オフ期間Toffで、同期整流インダクタンス素子L1に流れる前述の電流IL11は、時刻t3で零に戻った後、図3(4)、図6(3)および図7に示されるように、時刻t3以降、マイナス方向に流れる。これによって時刻t3以降、同期整流インダクタンス素子L1には、逆電圧が発生し、接続点Aは負電圧となる。この逆電圧の発生する動作は、後述する。接続点A1で同期整流インダクタンス素子L1による逆電圧の発生を、電圧検出用ダイオードD2のオンによって検出し(図4(2)参照)、したがって同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路28では、トランジスタQ4がターンオフされ、これと同時にトランジスタQ3がターンオンされる。したがって同期整流スイッチング素子Q2のゲートGのゲート電荷が急速に放電され、同期整流スイッチング素子Q2がターンオフされる。
【0057】
直列回路26の接続点Aで同期整流インダクタンス素子L1の働きによって前述の逆電圧が発生する動作を説明する。フライバック形スイッチング電源のトランスT1では、主スイッチング素子Q1のオン期間Tonにおける2次巻線LSに関する電圧時間積S1と、主スイッチング素子Q1のオフ期間Toffの電圧電圧時間積S2は、原理的に等しい。オン期間Tonの電圧時間積S1は、2次巻線LSの電圧VSとオン期間Tonの積(=VS×Ton)である。オフ期間Toffの電圧時間積S2は、出力電圧V0とオフ期間Toffの積(=V0×Toff)である。この基本原理を、本発明に従う同期整流インダクタンス素子L1に置換え、主スイッチング素子Q1のオン期間Tonで、電圧時間積S11(=2次巻線LSの電圧VS×Ton)を同期整流インダクタンス素子L1に蓄積する。オフ期間Toffで、出力電圧V0に転流させ、同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL11が零までオフ期間Toff1で減衰し、前述の逆電圧が発生するまでの電圧時間積S12とするとき、オン期間Tonの電圧時間積S11と、オフ期間Toff1の電圧時間積S12とは、等しい。これらの電圧時間積S11,S12は、前述のトランスT1に関する電圧時間積S1,S2とも等しい。
【0058】
図6(3)に示されるオン期間Tonの同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL1は前述の式6のとおり、時間経過に伴って右上がり傾斜であって、これによって同期整流インダクタンス素子L1が励磁される。
【0059】
主スイッチング素子Q1のターンオン時刻t1以降、トランスT1の2次巻線LSに発生する電圧VSと、そのオン時間Tonとに比例して、同期整流インダクタンス素子L1の電流IL1が増加して流れる。
【0060】
主スイッチング素子7の時刻t2〜t6のオフ期間Toffでは、時刻t2以降、同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL11は、前述の式7のとおり、右に肩下がりの傾斜を有し、励磁されて蓄積されたエネルギを放出する。
【0061】
こうして同期整流インダクタンス素子L1では、前述の式6に示される励磁されたエネルギは、出力電圧V0で転流し、オフ期間Toffで時刻t2以降、時間経過に伴って減少する。前述の式6および式7におけるダイオードD1の順方向電圧降下VF(D1)を除いた電圧時間積は、トランスT1のオン期間Tonの電圧時間積VS・Tonであり、トランスT1のオフ期間Toffの電圧時間積(=V0・Toff)と等しい。
VS・Ton = V0・Toff …(8)
【0062】
同期整流インダクタンス素子L1に関してオン期間Tonとオフ期間Toffにおける各電圧時間積は、ダイオードD1が理想ダイオードであって、すなわち順方向電圧降下VF(D1)が零であると仮定すれば、
(VS−VF(D1))・Ton = (V0+VF(D1))・Toff
…(9)
が成立し、したがってダイオードD1が前述のように理想ダイオードであると仮定したとき、ダイオードD1に関して+VF(D1)を零としたのと同様な前述の式8が、ダイオードD1に関しても成立することになる。
【0063】
しかし実際には、ダイオードD1には、順方向電圧降下VF(D1)が存在し、式6では負に、式7では正に、順方向電圧降下VF(D1)が作用するので、同期整流インダクタンス素子L1に関してオン期間Tonとオフ期間Toffとでは、電圧時間積S11,S12に、わずかな差が生じる。すなわち式6では、電圧−VF(D1)の分だけ、電流IL1の傾斜は緩やかである。これに対して式7では、電圧+VF(D1)だけ、電流IL11の傾斜は急勾配となる。したがってダイオードD1の順方向電圧降下VF(D1)を含めた電圧時間積は、式6に比べて式7の方がわずかに大きくなる。したがって式8のトランスT1に関するオフ時間Toffより短いオフ時間Toff1で、同期整流インダクタンス素子L1の蓄積された励磁エネルギの放出を時刻t3で終了し、その電流IL11は、零を経て、逆方向に流れる。
【0064】
主スイッチング素子Q1のオフ期間Toffで、時刻t2から同期整流インダクタンス素子L1が、時刻t2で転流を開始し、その後、蓄積したエネルギの放出を終了して、逆方向へ流れ始める時刻t3までのオフ期間Toff1は、
Toff1 = (VS−VF(D1))・Ton/(V0+VF(D1))…(10)
である。
【0065】
時刻t3で同期整流インダクタンス素子L1の電流IL11が逆方向に流れると、ダイオードD1が遮断し(図4(1)参照)、接続点Aの電圧VL1が低下し(図3(2)参照)、これによって電圧検出用ダイオードD2がオンし(図4(2)参照)、したがってトランジスタQ4は遮断し、トランジスタQ3がオンすることになり、同期整流スイッチング素子Q2がターンオフされる。時刻t3〜t6の期間で、同期整流インダクタンス素子L1の電流IL11への値ΔIL11(図7参照)は、電圧検出用ダイオードD2を経てトランジスタ素子Q3,Q4に流れるベース電流の和にほぼ等しい値であり、たとえば約20〜30mAである。
【0066】
この逆流する電流ΔIL11は、トランジスタ素子Q3,Q4のベースバイアス分であって、ダイオードD1を流れ、同期整流インダクタンス素子L1を経由して逆流する。逆バイアス源に能力があれば、図7に示されるように電流IL11は、時刻t3で零(0A)に到達した後、さらにライン31で示されるように逆流し続け、時刻t6で主スイッチング素子Q1がオンする時刻t6で上昇に転じてライン32のように増加していく。実際には、時刻t6よりも先に、電流IL11が時間経過に伴って増加し始め、主スイッチング素子Q1がオンする時刻t6で零となり、その時刻t6以降で、トランスT1の2次巻線LSとともに同期整流インダクタンス素子L1に電流IL1が流れて電力の蓄積が行われる。
【0067】
時刻t3〜t6における両スイッチング素子Q1,Q2をいずれもオフに保つ時刻t3〜t6を長く設定するには、ダイオードD1の順方向電圧降下VF(D1)を大きくすればよく、そのためにはたとえばダイオードD1を同一方向に複数個、直列接続してもよく、これによって図3(4)および図6(3)の点線33で示される特性を達成することができる。すなわちデッドアングルである時刻t3〜t6の時間を拡大するには、同期整流インダクタンス素子L1のオフ時の電圧時間積S12の時間t2〜t3を短縮すればよく、そのためには前述のようにダイオードD1の順方向電圧降下VF(D1)を増やせばよい。
【0068】
こうして同期整流スイッチング素子Q2のゲート、ソース間電圧VGSを、時刻t3a(図3(5)および図6(4)参照)で、時刻t3よりも、もっと早くオフすることができる。
【0069】
要約すると、トランスT1の2次巻線電流ILSが零になったことを、同期整流インダクタンス素子L1で等価的に検出することができる。したがって主スイッチング素子Q1のオフ期間Toffで時刻t2以降、同期整流インダクタンス素子L1に流れる電流IL11が零になった時刻t3で、同期整流スイッチング素子Q2を、ターンオフさせ、トランスT1のエネルギ放出を完了した2次巻線電流ILSが零となった時点、すなわち図5(5)の点Bで、同期整流スイッチング素子Q2をターンオフするのと理論的に同タイミングとなる。主スイッチング素子Q1と同期整流スイッチング素子Q2とは、ターンオンが理論的に重なることはなく、理想的な同期整流スイッチング素子Q2の制御が可能になる。
【0070】
フライバック形スイッチング電源では、前述の式1と出力電圧V0とが決定されれば、主スイッチング素子Q1のオフ時間Toffは、すでに決まっている。トランスT1では、式8に関して前述したように、
(ON時間・ON電圧) = (OFF時間・OFF電圧) …(11)
であるので、出力電圧V0でオフ期間Toffが決まる。
【0071】
同期整流インダクタンス素子L1のオン期間Tonにおける電流IL1では、前述の式6で示されるように、励磁されたエネルギは、前述の式7で減衰し、電圧(VO+VF(D1))の分だけ、トランスT1のオフ時間Toff後縁よりも先に、零(すなわち0A)を通過し、逆電圧が発生する。こうして両主スイッチング素子Q1,Q2が同時にオンすることが回避される。こうして主スイッチング素子Q1のオン/オフ時に発生する電圧時間積S1,S2から、主スイッチング素子Q1のターンオフ後縁、すなわち主スイッチング素子Q1のターンオン前縁を、チョークコイルなどの同期整流インダクタンス素子L1で等価的に検出することができる。これによって主スイッチング素子Q1のオンする時刻t6よりも前t3,t3aに、同期整流スイッチング素子Q2をターンオフすることは可能になる。しかも本発明では、トランスT1に、制御巻線を追加する必要はなく、またパルストランスおよび専用集積回路ICが不要であり、さらに動作周波数が固定/変動いずれにも柔軟に適応することができる。本発明は、前述のフライバックコンバータに限らず、オン/オフの電圧時間積が等価な回路方式に全て、実施することができる。
【0072】
このように主スイッチング素子Q1のターンオンよりも前に、同期整流スイッチング素子Q2をターンオフさせる動作を実現するには、少なくとも主スイッチング素子Q1のターンオンタイミングを、何らかの手段で予測、把握できていなければ、同期整流スイッチング素子Q2を事前にターンオフすることは不可能である。本発明が属する技術分野の当業者によれば、主スイッチング素子Q1のターンオンの時刻t1から、タイマによって設定された一定時間後に、同期整流スイッチング素子Q2をターンオフする構成を採用することが容易に考えられよう。このような構成によれば、主スイッチング素子Q1のオン/オフの周期が変われば、同期整流スイッチング素子Q2のオン期間Ton2が相対的に短くなるか、または同期整流スイッチング素子Q2のターンオンが主スイッチング素子Q1のターンオンとオーバラップするなどの問題点が生じる。
【0073】
当業者によれば、パルス幅変調TWM制御集積回路ICなどを用いた発振器を用いて三角波によるPWM変換を行い、主スイッチング素子Q1のターンオンより先に同期整流スイッチング素子Q2をターンオフさせることは原理的に可能であり、このような構成が容易に思いつくであろう。この構成は、同期整流スイッチング素子Q2のオン/オフ制御のための制御信号を2次側へ伝達する絶縁パルストランスなどを必要とする。したがって、汎用性が劣り、しかもコスト低減に劣る。本発明は、このような当業者に容易な構成における前述の問題点を全て解決する。
【0074】
図8は本発明の実施の他の形態のフォワード形スイッチング電源の具体的な構成を示す電気回路図であり、図9は図8に示されるフォワード形スイッチング電源の全体の構成を示す簡略化したブロック図である。この図8および図9に示されるフォワード形スイッチング電源は、前述の図1〜図7に示されるフライバック形スイッチング電源と類似の構成を有し、対応する部分には同一のまたは類似の参照符を用い、または英文字の添字として付して示すことがある。直流電源6には、トランスT11の1次巻線LPが、ライン7に介在された主スイッチング素子Q11を介して接続され、主スイッチング制御回路9によって周期的にオン/オフされる。トランスT11の2次巻線LSには並列に、ライン12,29に第1同期整流スイッチング素子Q12が接続される。2次巻線LSと第1同期整流スイッチング素子Q12との間には、第2同期整流スイッチング素子Q13が介在される。これらの第1および第2同期整流スイッチング素子Q12,Q13は、たとえば金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETによって実現される。
【0075】
第1および第2同期整流スイッチング素子Q12,Q13の各制御端子であるゲートには、同期整流スイッチング制御回路34を構成する2つの第1および第2同期整流スイッチング制御回路35,36からオン/オフの制御のための制御信号が与えられる。ライン12には、第1同期整流スイッチング素子Q12に関して2次巻線LSとは反対側で出力端子14、したがって負荷との間に直列に、エネルギ蓄積インダクタンス素子L10が介在されて接続される。
【0076】
第1同期整流スイッチング制御回路35は、直列回路37と、同期整流用制御回路38とを有する。直列回路37は、エネルギ蓄積インダクタンス素子L10に並列に接続される。この直列回路37は、同期整流インダクタンス素子L11と、この同期整流インダクタンス素子L11に直列に接続されるダイオードD11とを有する。同期整流インダクタンス素子L11は、たとえばチョークコイルなどによって実現することができる。
【0077】
同期整流用制御回路38は、電圧検出用ダイオードD12と、同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路39とを有する。電圧検出用ダイオードD12のカソードは、同期整流インダクタンス素子L11とダイオードD11との接続点Aに接続される。この電圧検出用ダイオードD12は、ダイオードD11のオフ時に順方向となってオンするように方向性結合される。同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路39は、電圧検出用ダイオードD12のアノードに接続されており、第1同期整流スイッチング素子Q12の制御端子であるゲートに、オフするための電圧を有する制御信号を与える。同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路39は、前述の図1に示される同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路に28に類似し、トランジスタQ3〜Q5、抵抗R31〜R52、コンデンサC31,C32を含む。
【0078】
接続点Fは抵抗R42を介して、またトランジスタQ4のコレクタは、接続端子14に接続される。トランジスタQ5のベースに接続される抵抗R51およびコンデンサC51の並列回路は、接続点Jでライン41を介して、2次巻線LSのライン12に接続される。
【0079】
第2同期整流スイッチング素子Q13のための第2同期整流スイッチング制御回路36は、そのスイッチング素子Q13のゲートとライン12とを接続する抵抗R11と、ゲート、ソース間に接続される抵抗R12とを有する。
【0080】
図10および図11は、図8および図9に示されるフォワード形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。図10(1)は主スイッチング素子Q11のオン/オフのスイッチング状態とともに、ドレンソース間の電圧VDSを示す。図10(2)は第2同期整流スイッチング素子Q13のオン/オフのスイッチング状態を示す図であり、図10(3)は第1同期整流スイッチング素子Q12のオン/オフのスイッチング状態を示す図である。図10(4)はエネルギ蓄積インダクタンス素子L10のエネルギ蓄積時の電流ILSと蓄積したエネルギを放出する負荷電流Ifとを示す図である。図10(5)は、同期整流インダクタンス素子L11への接続点Aにおける電圧を示す。図10(6)は、同期整流インダクタンス素子L11の両端の電位差VL1を示す図であり、オン期間の電圧時間積S11とオフ期間Toff1の電圧時間積S12は等しい。図10(7)は、同期整流インダクタンス素子L11に流れる電流IL1,IL11を示す。図10(8)は第1同期整流スイッチング素子Q12のオン/オフのスイッチング状態とゲート、ソース間電圧VGSを示す。図11(1)は直列回路37のダイオードD11のオン/オフのスイッチング状態を示す。図11(2)は電圧検出用ダイオードD12のオン/オフのスイッチング状態を示す。図11(3)はトランジスタQ5のオン/オフのスイッチング状態を示し、図11(4)はトランジスタQ3のオン/オフのスイッチング状態を示し、図11(5)はトランジスタQ5のオン/オフのスイッチング状態を示す。
【0081】
動作中、主スイッチング素子Q11の時刻t11〜t12におけるオン期間Tonでは、第2同期整流スイッチング素子Q13はオンし(図10(2)参照)、このとき第1同期整流スイッチング素子Q12はオフし(図10(3)参照)、エネルギ蓄積インダクタンス素子L10に、トランスT11からの電力が蓄積され、その電圧時間積S11は、図10(6)に前述のように示されている。このオン期間Tonで、エネルギ蓄積インダクタンス素子L10に電力が蓄積されると同時に、同期整流インダクタンス素子L11にも、電流IL1で示されるように(図10(7)参照)、ダイオードD11を介して流れる。エネルギ蓄積インダクタンス素子L10に供給される電力の電流ILSは、時間経過に伴って増大する(図10(4)参照)。
【0082】
主スイッチング素子Q11には、時刻t12〜t16のオフ期間Toffで、第2同期整流スイッチング素子Q13はオフし(図10(2)参照)、このとき時刻t12以降、第1同期整流スイッチング素子Q12はオンし、エネルギ蓄積インダクタンス素子L10の負荷電流IFが平滑コンデンサC1および負荷に供給され、これと同時に同期整流インダクタンス素子L11から蓄積電力が供給され、その電流IL11は時間経過に伴って減少する。
【0083】
主スイッチング素子Q11のオフ期間Toffで、同期整流インダクタンス素子L11の電流IL11は、時刻t13で零となる。こうして同期整流インダクタンス素子L11に流れるオン期間Tonとオフ期間Toff1(すなわち時刻t12〜t13)とにおける各電流IL1,IL11は、次のとおりである。
IL1 = (VS−VF(D11)−V0)・Ton/L11 …(12)
IL11 = −(V0+VF(D11))・Toff1/L11 …(13)
【0084】
フォワード形スイッチング電源においても、前述のフライバック形スイッチング電源と同様に、同期整流インダクタンス素子L11に直列にダイオードD11が接続されることによって、その順方向電圧降下VF(D11)に起因して、主スイッチング素子Q11がオンする時刻t16よりも前の時刻t13で、電流IL11が零となって第1同期整流スイッチング素子Q12がオフする。これによって主スイッチング素子Q11と第1同期整流主スイッチング素子Q12とが同時にオンすることが回避される。
【0085】
直列回路37のダイオードD11を多段化して複数個、直列接続し、式12および式13における合計の順方向電圧降下VF(D11)を増大し、これによって図10(7)および図10(8)の点線で示される特性を得て、時刻t13を、時刻t13aに早めることができる。
【0086】
図12は本発明の一形態のステップダウン形スイッチング電源の具体的な電気的構成を示す電気回路図であり、図13は図12に示されるステップダウン形スイッチング電源の全体の構成を簡略化して示す電気回路図である。図12および図13に示されるステップダウン形スイッチング電源は、前述の図1〜図11に示される実施の各形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。直流電源6の一端子が接続されるライン44には、主スイッチング素子Q21が接続され、さらにライン45には出力端子14が接続されるライン46との間に、エネルギ蓄積インダクタンス素子L20が介在されて接続される。主スイッチング素子Q21とエネルギ蓄積インダクタンス素子L20との間の接続点を構成するライン45には、直流電源6の他端子と出力端子13とを接続するライン47とに、同期整流スイッチング素子Q22が接続される。主スイッチング素子Q21および同期整流スイッチング素子Q22は、金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETによって実現される。主スイッチング制御回路48は、ライン47に接続されるとともに、出力端子14にライン49を介して接続され、ゲートに周期的にオン/オフする制御信号を発生して与える。同期整流スイッチング素子Q22のゲートには、同期整流スイッチング制御回路51から、制御信号が与えられて、オン/オフ制御される。
【0087】
同期整流スイッチング制御回路51は、エネルギ蓄積インダクタンス素子L20に並列に、ライン45,46に接続される直列回路52と、同期整流用制御回路53とを有する。同期整流用制御回路53は、電圧検出用ダイオードD22と、同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54とを有する。電圧検出用ダイオードD22のカソードは、同期整流インダクタンス素子L21とダイオードD21との接続点Aに接続される。この電圧検出用ダイオードD22のアノードは、同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54のベースに抵抗R41を介して接続点Fに接続される。トランジスタQ4のコレクタは、抵抗R44を介して接続点Fに接続されるとともに、ライン56を介して、出力端子14のライン46に接続される。トランジスタQ5のベースは、抵抗R51、コンデンサC51を介して接続点Jからライン45に接続される。
【0088】
図14および図15は、図12および図13に示されるステップダウン形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。図14(1)は同期整流インダクタンス素子L21の両端の電位差VL1を示す。主スイッチング素子Q21の時刻t21〜t22におけるオン期間Tonの電圧時間積S11は、主スイッチング素子Q21が時刻t22〜t27のオフ期間Toffで、同期整流スイッチング素子Q22が時刻t22からオフするオフ期間Toff1の電圧時間積S12と等しい。
【0089】
図14(2)は、同期整流スイッチング素子Q22のゲート、ソース間電圧VGSを示し、図14(3)はこの同期整流スイッチング素子Q22のオン/オフのスイッチング状態を示す。図14(4)は主スイッチング素子Q21のオン/オフのスイッチング状態を示す。
【0090】
図14(5)は、エネルギ蓄積インダクタンス素子L20に流れるオン期間Tonの電流ILSと、オフ期間Toffで流れる負荷電流Ifを示す。エネルギ蓄積インダクタンス素子L20は、オン期間Tonで電流ILSの時間経過に伴う増加によって蓄積したエネルギを、オフ期間Toffで時間経過に伴って負荷電流Ifが経過して放出する。
【0091】
図14(6)は、同期整流インダクタンス素子L21に流れるオン期間Tonの電流IL1とオフ期間Toffに流れる電流IL11とを示す。同期整流インダクタンス素子L21は、時刻t22以降、電力を放出し、その電流IL11は、時刻t23で逆方向に流れる。
【0092】
図15(1)は直列回路52のダイオードD21のオン/オフのスイッチング状態を示し、図15(2)は電圧検出用ダイオードD22のオン/オフのスイッチング状態を示す。さらに図15(3)はトランジスタQ5のオン/オフのスイッチング状態を示し、図15(4)はトランジスタQ3のオン/オフのスイッチング状態を示し、図15(5)はトランジスタQ4のオン/オフのスイッチング状態を示す。さらに図15(6)は同期整流インダクタンス素子L21の接続点Aにおける電圧を示す。同期整流インダクタンス素子L21に流れるオフ期間Toffの電流IL11が時刻t23で零になった後、主スイッチング素子Q21が再びオンに戻る時刻t27では、接続点Aの電圧は、図15(6)に示されるように出力電圧V0未満の負電位となり、これによって電圧検出用ダイオードD22は図15(2)に示されるようにオンし、そのため同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54は、同期整流スイッチング素子Q22の制御端子であるゲートに、トランジスタQ3のオン(図15(4)参照)、およびトランジスタQ14のオフ(図15(5)参照)によって、その同期整流スイッチング素子Q22がオフする電圧を有する制御信号を与える(図14(2)および図14(3)参照)。
【0093】
同期整流インダクタンス素子L21に、オン期間Tonで流れる電流IL1は、式14で示され、同期整流スイッチング素子Q22のオフ期間Toff1で時刻t22以降、流れる電流IL11は、式15で示される。
IL1 = (Vin−VF(D21)−V0)・Ton/L1 …(14)
IL11 = −(V0+VF(D21))・Toff1/L1 …(15)
【0094】
主スイッチング素子Q21がオンになる時刻t26よりも前の時刻t23で、同期整流スイッチング素子Q22がオフするので、両スイッチング素子Q21,22がいずれもオンになる状態を回避することができる。
【0095】
時刻t23〜t26のデッドタイムを図14(2)の時刻t23a〜t26のように大きくするには、直列回路52に備えられダイオードD21の順方向電圧降下VF(D21)を大きくすればよく、そのためには複数のダイオードD21を多段化して直列接続すればよい。こうして得られる特性は、図14(6)の点線で示される。その他の構成と動作は、前述の実施の形態と同様である。
【0096】
図16は、本発明の実施のさらに他の形態のステップダウン形スイッチング電源の具体的な構成を示す電気回路図である。図16に示される実施の形態は、前述の図12〜図15の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきは、この実施の形態では、同期整流用制御回路53に備えられる同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54に備えられたトランジスタQ4のコレクタは、ライン57を介して直流電源6と主スイッチング素子Q21との間の瀬印44に、ライン57を介して接続される。トランジスタQ4のコレクタには、電源6の出力電圧が常に印加され、このことは前述の図12〜図15の実施の形態において平滑コンデンサC1の出力電圧V0が常に与えられることと等価である。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、順方向電圧降下VF(D1)が比較的大きいダイオードを用いる代りに、金属酸化膜電界効果トランジスタMOSFETなどによって実現される導通損失が小さい能動素子である同期整流スイッチング素子Q1,Q12,Q22を用い、主スイッチング素子Q1,Q12,Q21と同期整流スイッチング素子との両者が同時にオンする状態が発生することを確実に防ぐようにしたので、電力損失の増大を防ぎ、主スイッチング素子および同期整流スイッチング素子、その他の電子回路素子の破壊を防ぐことができ、こうして導通損失が小さいという同期整流効果を上首尾に達成することができる。しかも本発明では、同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21は、商業的に入手容易なチョークコイルなどの簡単な構成で実現され、本発明の実施が容易であり、汎用性に優れたスイッチング電源が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のフライバック形スイッチング電源の具体的な構成を示す電気回路図である。
【図2】フライバック形スイッチング電源の全体の構成を簡略化して示す電気回路図である。
【図3】主スイッチング素子Q1のオン/オフのスイッチング状態に対応するドレン、ソース間電圧VDSを示す。
【図4】ダイオードD1のスイッチング状態を示す。
【図5】フライバック形スイッチング電源の動作を説明するための波形図であり、
【図6】フライバック形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。
【図7】フライバック形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。
【図8】本発明の実施の他の形態のフォワード形スイッチング電源の具体的な構成を示す電気回路図である。
【図9】フォワード形スイッチング電源の全体の構成を示す簡略化したブロック図である。
【図10】フォワード形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。
【図11】フォワード形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。
【図12】本発明の一形態のステップダウン形スイッチング電源の具体的な電気的構成を示す電気回路図である。
【図13】ステップダウン形スイッチング電源の全体の構成を簡略化して示す電気回路図である。
【図14】ステップダウン形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。
【図15】ステップダウン形スイッチング電源の動作を説明するための波形図である。
【図16】本発明の実施のさらに他の形態のステップダウン形スイッチング電源の具体的な構成を示す電気回路図である。
【図17】典型的な先行技術を示す図である。
【符号の説明】
6 直流電源
9,48 主スイッチング制御回路
15,34,51 同期整流スイッチング制御回路
26,37,52 直列回路
27,38,53 同期整流用制御回路
28,39,54 同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路
35 第1同期整流スイッチング制御回路
36 第2同期整流スイッチング制御回路
Claims (7)
- 直流電源に接続される主スイッチング素子Q1,Q11,Q21を周期的にオン/オフして断続する電力を、主スイッチング素子のオン期間で、エネルギ蓄積インダクタンス素子T1,L10,L20に蓄積し、同期整流スイッチング素子Q2,Q12,Q22をオフし、
主スイッチング素子のオフ期間で、同期整流スイッチング素子をオンしてエネルギ蓄積インダクタンス素子の蓄積された電力を負荷に供給するスイッチング電源において、
(a)エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に接続される直列回路であって、
同期整流インダクタンス素子L1,L11,L21と、
同期整流インダクタンス素子に直列接続され、主スイッチング素子のオン期間でエネルギ蓄積インダクタンス素子とともに同期整流インダクタンス素子に電力を蓄積するように、方向性結合されたダイオードD1,D11,D21とを含む直列回路と、
(b)同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、同期整流スイッチング素子をオフする同期整流用制御回路27,38,53とを含むことを特徴とするスイッチング電源。 - 直流電源と、
1次巻線と2次巻線とを有するトランスT1と、
直流電源とトランスの1次巻線との間に介在される主スイッチング素子Q1と、
主スイッチング素子を、周期的にオン/オフする主スイッチング制御回路と、
2次巻線と負荷との間に介在される同期整流スイッチング素子Q2と、
2次巻線に並列に接続される直列回路であって、
同期整流インダクタンス素子L1と、
同期整流インダクタンス素子に直列に接続され、主スイッチング素子のオン期間でトランスとともに同期整流インダクタンス素子に電力を蓄積するように方向性結合されたダイオードD1とを含む直列回路26と、
同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、同期整流スイッチング素子をオフする同期整流用制御回路27とを含むことを特徴とするフライバック形スイッチング電源。 - 同期整流スイッチング素子は、制御端子を有し、この制御端子の電圧に依存してオンまたはオフのスイッチング動作をし、
同期整流用制御回路27は、
同期整流インダクタンス素子とダイオードD1との接続点Aに接続され、前記ダイオードD1のオフ時に順方向となってオンするように方向性結合された電圧検出用ダイオードD2と、
電圧検出用ダイオードD2のオンに応答して、同期整流スイッチング素子の制御端子に、オフするための電圧を有する制御信号を与える同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路28とを含むことを特徴とする請求項2記載のフライバック形スイッチング電源。 - 直流電源と、
1次巻線と2次巻線とを有するトランスT11と、
直流電源とトランスの1次巻線との間に介在される主スイッチング素子Q11と、
主スイッチング素子を、周期的にオン/オフする主スイッチング制御回路と、
2次巻線に並列に接続される第1同期整流スイッチング素子Q12と、
2次巻線と第1同期整流スイッチング素子との間に介在される第2同期整流スイッチング素子Q13と、
第2同期整流スイッチング素子を、主スイッチング素子のオン期間でオンし、オフ期間でオフする第2同期整流スイッチング素子用制御回路36と、
第1同期整流スイッチング素子Q12に関して2次巻線LSとは反対側で負荷との間に直列に接続されるエネルギ蓄積インダクタンス素子L10と、
エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に接続される直列回路37であって、
同期整流インダクタンス素子L11と、
同期整流インダクタンス素子に直列に接続され、主スイッチング素子のオン期間でエネルギ蓄積インダクタンス素子とともに電力を蓄積するように、方向性結合されたダイオードD11とを含む直列回路と、
同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、第1同期整流スイッチング素子Q12をオフする同期整流用制御回路38とを含むことを特徴とするフォワード形スイッチング電源。 - 第1同期整流スイッチング素子Q12は、制御端子を有し、この制御端子の電圧に依存してオンまたはオフのスイッチング動作をし、
同期整流用制御回路38は、
同期整流インダクタンス素子L11とダイオードD11との接続点Aに接続され、前記ダイオードのオフ時に順方向となってオンするように方向性結合された電圧検出用ダイオードD12と、
電圧検出用ダイオードD12のオンに応答して、第1同期整流スイッチング素子Q12の制御端子に、オフするための電圧を有する制御信号を与える同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路39とを含むことを特徴とする請求項4記載のフォワード形スイッチング電源。 - 直流電源と、
直流電源の一端子に接続される主スイッチング素子Q21と、
主スイッチング素子を、周期的にオン/オフする主スイッチング制御回路と、主スイッチング素子と負荷との間に接続されるエネルギ蓄積インダクタンス素子L20と、
エネルギ蓄積インダクタンス素子に並列に接続される直列回路52であって、
同期整流インダクタンス素子L21と、
同期整流インダクタンス素子に直列に接続され、主スイッチング素子のオン期間でエネルギ蓄積インダクタンス素子とともに電力を蓄積するように、方向性結合されたダイオードD21とを含む直列回路と、
主スイッチング素子とエネルギ蓄積インダクタンス素子との接続点Aと、直流電源の他端子とに、接続される同期整流スイッチング素子Q22と、
同期整流インダクタンス素子とダイオードとの接続点Aの電圧または電流に応答して、主スイッチング素子のオンよりも前に、同期整流スイッチング素子をオフする同期整流用制御回路53とを含むことを特徴とするステップダウン形スイッチング電源。 - 同期整流スイッチング素子Q22は、制御端子を有し、この制御端子の電圧に依存してオンまたはオフのスイッチング動作をし、
同期整流用制御回路53は、
同期整流インダクタンス素子L21とダイオードD21との接続点に接続され、前記ダイオードのオフ時に順方向となってオンするように方向性結合された電圧検出用ダイオードD22と、
電圧検出用ダイオードD22のオンに応答して、同期整流スイッチング素子の制御端子に、オフするための電圧を有する制御信号を与える同期整流スイッチング素子用制御信号発生回路54とを含むことを特徴とする請求項6記載のステップダウン形スイッチング電源。
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