JP2004134197A - 電極タブ及び電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】発火事故等が起こっても、生産ロット表示が消えずに残っている。
【解決手段】導電性金属からなる電極タブ本体に、生産ロットが表示されている。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性金属からなる電極タブ本体に、生産ロットが表示されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極タブ及びそれを用いた電池パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パソコン等の情報機器や携帯電話等の移動通信機器、ビデオカメラ等、携帯型電子機器の需要が急増している。このような電子機器の電源として、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の密閉式小形二次電池が多く使用されており、その中でもリチウムイオン二次電池は高電圧、高エネルギー密度、軽量といった特性が活かされ、多種多様な分野で採用されている。
【0003】
このような電池の構造として、少なくとも2個以上の単セル電池を電極タブにより直列或いは並列に接続し、これを硬質ゴムや樹脂材、例えばポリカーボネートやABS樹脂により形成された収納ケース内に収めてパック化し、電池パックとされているものが多くみられる。
【0004】
ところで、このような電池パックには、通常、生産ロットが付されている。この生産ロットは、当該電池が、いつ、どこの生産ラインで生産されたのか等の情報を表すものであり、例えば事故が起きたような場合に、その原因究明、対策のために必要な情報となる。
【0005】
従来は、生産ロットをラベルに印刷し、電池パックケースに貼り付けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異常な状況下において発火事故などが発生した場合にはラベル自体が燃えてしまうため、事故原因の解析時に生産ロットが分からず原因究明に多くの時間が掛かると同時に、対策の信頼性も十分ではなかった。
【0007】
本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、発火事故等が起こっても、生産ロット表示が消えずに残っている電極タブ及び電池パックを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電極タブは、導電性金属板からなる電極タブ本体に、凹凸が形成されることにより生産ロットを表示する生産ロット表示部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明に係る電極タブでは、電極タブ自体に凹凸により生産ロットが表示されているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。
【0010】
また、本発明の電池パックは、複数の電池が電極タブによって接続されるとともに、ケース内に収納されてなり、上記電極タブは、導電性金属板からなる電極タブ本体に、凹凸が形成されることにより生産ロットを表示する生産ロット表示部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような本発明に係る電池パックでは、電極タブ自体に凹凸により生産ロットが表示されているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがなく、容易に生産ロットがわかる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した電極タブ及び電池パックの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1に、本発明の電極タブの一構成例を示す。この電極タブ1は、金属板からなり、例えば後述するような電池パック20の内部において、各電池21間を接続するものである。なお、この電極タブ1は、正極タブであっても負極タブであってもよい。
【0014】
そして、本発明の電極タブ1は、所定の形状に打ち抜かれた金属板からなる電極タブ本体2に、凹凸が形成されることで生産ロットを表示する生産ロット表示部3が設けられている。従来のようなラベルではなく、金属製の電極タブ1に、凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3を設けることにより、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがないので、原因解析時に容易に生産ロットを判別することができる。
【0015】
電極タブ本体2は、例えばニッケル、銅、鉄、ステンレス等といった導電性金属板からなり、特にニッケルからなることが好ましい。
【0016】
電極タブ本体2の厚みとしては、薄すぎると、電気抵抗が大きくなってしまうし、厚すぎると、ケース内に収まりきらなくなってしまう。そのため、電極タブ本体2の厚みは、0.14mm〜0.16mmの範囲であることが好ましい。
【0017】
また、電極タブ本体2の幅については、電気抵抗を考慮すると、電極タブ本体2に流れる電流1Aあたり1mmの幅を有することが好ましい。例えば、電極タブ本体2に流れる電流が5Aの場合、電極タブ本体2の幅は5mmとする。
【0018】
生産ロット表示部3は、電極タブ本体2の溶接個所4以外の個所に設けられる。生産ロット表示部3は、凹凸が形成されることにより生産ロットを示す文字を表示している。この際、文字の大きさは、肉眼で確認しやすい大きさの2〜3mm程度とする。
【0019】
生産ロットの表示形式は、特に限定されるものではないが、アルファベット、ひらがな、カタカナ、数字、記号等の各種文字を組み合わせることにより、生産年月日、製造所、組み立てライン等、管理に必要な情報を表示すればよい。
【0020】
具体的には、例えば「020731SFK−B」と表示する。ここで、「02」は西暦(2002年)、「07」は製造月、「31」は製造日、「SFK」は製造所略称、「−B」は組立てライン名を示す。
【0021】
電極タブ本体2への、生産ロット表示部3を構成する凹凸の形成方法としては、特に限定されるものではないが、プレス機を用いて電極タブ本体に圧力をかけて凹凸を形成することが好ましい。具体的には、生産ロットを示す文字を、予め金属性の刻印型に凹凸で彫り込んでおき、この刻印型を用いて、プレス機により電極タブ本体2をプレスすることにより、生産ロットを示す文字を凹凸によって表示する。なお、電極タブ本体2への刻印は、金属板を所定の形状に打ち抜いて電極タブ本体2とした後、当該電極タブを電池に溶接する前に行う。
【0022】
使用するプレス機としては、エアー式又はモータ駆動式の装置を用いることが好ましい。小型で騒音が少なく、組み立てラインで使用することができる。
【0023】
プレス機10の構成例を図2に示す。このプレス機10は、固定部材11に固定された刻印型12と、固定部材11を支持するアーム13と、アーム13を上下に動かす駆動手段14と、ガイド15とを備える。駆動手段14としては、モータやエアポンプ等が挙げられる。ガイド15は、生産ロット表示部3を所定位置に形成するためのもので、電極タブ本体2の外形に合わせた形状を有している。
【0024】
電極タブ本体2をガイドにセットし、駆動手段14でアーム13を動かすことにより刻印型12を上下に動かしてプレスする。プレス圧力は、例えば20kg程度とする。また、凹凸の深さは、電極タブ本体2の表面から10μm程度とする。
【0025】
刻印型12は、図3に示すように、入駒になっていて、固定部材11にネジ16で固定する入れ子構造となっている。刻印型を入れ子構造とすることで、製造年月日の変更、ライン変更などによるロット番号の変更に簡単に対応することができる。
【0026】
このような電極タブ1では、金属製の電極タブ本体2に、凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3を設けているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。
【0027】
つぎに、このような電極タブ1を用いた電池パックについて説明する。
【0028】
図4に示すように、この電池パック20は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器等に設けられた装着部に装着され、電子機器等に対して所定の電圧の電力を安定して供給することが可能なものである。
【0029】
そして、この電池パック20は、発電要素となる略円柱状の12個の電池21a〜21lと、電池21a〜電池21lと電気的に接続されて電池21a〜電池21lに対して充放電制御等を行う回路基板22とを有し、これら電池21a〜電池21l及び回路基板22が略箱状の収納ケース23に収納されるものである。
【0030】
この電池パック20は、電池21a〜電池21lが3個づつ並列で接続されて一体化された電池モジュール24a,24b,24c,24dをそれぞれ構成し、これら電池モジュール24a〜電池モジュール24dが回路基板22に並列に接続された状態で収納されている。具体的に、電池モジュール24aは電池21a〜電池21cで構成され、電池モジュール24bは電池21d〜電池21fで構成され、電池モジュール24cは電池21g〜電池21iで構成され、電池モジュール24dは電池21j〜電池21lで構成されている。なお、ここでは、電池21a〜電池21lが3個づつの並列に接続された電池モジュール24a〜電池モジュール24dについて説明するが、このことに限定されることはなく、例えば電池21a〜電池21lが複数個直列に接続された電池モジュールであっても良い。また、不特定の電池21a〜電池21lを示す場合は、単に電池21と記すものとする。
【0031】
電池パック20においては、電池21a〜電池21lを3個づつの並列に接続させて電池モジュール24a〜電池モジュール24dを構成させるのに、正極タブ25及び負極タブ26を用いている。これらの正極タブ25及び負極タブ26は、電池21a〜電池21lのそれぞれ対極となる両端面の同極同士を、それぞれ抵抗溶接法等で溶接することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを構成させている。
【0032】
具体的に、電池21a〜電池21cの一端面同士を正極タブ25で並列に接続し、電池21a〜電池21cの他端面同士を負極タブ26で並列に接続することで電池モジュール24aを構成している。なお、電池21d〜電池21fが電池モジュール24bを構成する場合、電池21g〜電池21iが電池モジュール24cを構成する場合、電池21j〜電池21lが電池モジュール24aを構成する場合も、正極タブ25及び負極タブ26を同じように接続させている。
【0033】
このようにして構成される電池モジュール24aでは、電池21a〜電池21cの両端面に正極タブ25及び負極タブ26が溶接されていることから、外周方向に回転することが防止された電池21a〜電池21cが互いに隣接した状態で強固に固定されることになる。なお、以下では、電池モジュール24b〜電池モジュール24dが電池モジュール24aと同様な構成となり、同様の作用効果が得られることから、主に電池モジュール24aを例に挙げて説明する。
【0034】
電池モジュール24aを構成する正極タブ25及び負極タブ26は、電池21a〜電池21cの端面に溶接される基体部25a,26aと、例えば絶縁性樹脂で被覆された線状の導電性金属等からなるリード線27が接続され、基体部25a,26aの端部から突出する接続部25b,26bとによって構成されている。そして、正極タブ25及び負極タブ26は、基体部25a,26bの主面が電池21a〜電池21cの両端面に相対するように配置され、接続部25bが電池21cの一端面と外周面との境界部で曲げられて電池21cの外周面に沿うようにされ、接続部26bが電池21cの他端面と外周面との境界部で曲げられて電池21cの外周面に沿うようにされている。なお、正極タブ25及び負極タブ26においては、リード線27が複数接続される場合、基体部25a,26aの端部よりリード線27の数に応じた数の接続部25b,26bを複数突出させることも可能である。
【0035】
このとき、電池モジュール24aにおいては、正極タブ25の接続部25bが、隣接する電池21bの外周面と電池21cの外周面との間に形成される空間に対応する電池21cの外周面に沿うようにされている。また、負極タブ26の接続部26bは、隣接する電池21bの外周面と電池21cの外周面との間に形成される空間に対応する電池21cの外周面に沿うようにされている。
【0036】
すなわち、電池モジュール24aでは、それぞれ略円柱状の電池21bの外周面と電池21cの外周面とを隣接させることで形成される空間が収納ケース23内でデッドスペースとなり、このデッドスペースに正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bが配置されることになる。
【0037】
ここで、本発明の電池パック20では、電極タブ、すなわち正極タブ25及び/又は負極タブ26に、凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3が設けられている。金属製の電極タブに凹凸により生産ロットを表示することで、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。
【0038】
生産ロット表示部3は、少なくとも1つの電極タブに設けられていればよく、すべての電極タブに設けられている必要はない。なお、いずれの電極タブに生産ロット表示部を設けるかは特に限定されないが、表示の読み取りを容易にするために、外側に配される電池タブに設けることが好ましい。ここでは、電池モジュール24cの負極タブ26に生産ロット表示部3を設けた例を示している。
【0039】
なお、他の電池モジュールにおいても、隣接する電池21と電池21との間に形成されるデッドスペースに、電池21の外周面に沿うように電池21eの端面と外周面との境界部でそれぞれ曲げられた正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bがそれぞれ配置される。
【0040】
以上のことより、電池モジュール24b〜電池モジュール24dにおいても、電池モジュール24aと同様に小型化を図ることができる。
【0041】
したがって、電池パック20では、収納ケース23内の小型化された電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納される空間を省スペース化でき、小型化できる。
【0042】
また、電池パック20では、リード線27が接続される正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bが電池モジュール24b〜電池モジュール24dに設けられるデッドスペースに配置されていることから、リード線27をデッドスペースで引き回して配線することが可能である。
【0043】
そして、電池モジュール24a〜電池モジュール24dは、正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bに接続されたリード線27を介して回路基板22に並列に接続される。
【0044】
電池モジュール24a〜電池モジュール24dが並列に接続される回路基板22は、導電性金属等からなりリード線27が接続されるランド部等を有する図示しないパターン配線や、このパターン配線にリード線27を介して接続され、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに対して充放電制御や、過放電及び/又は過充電保護等を行う図示しない電子回路等が絶縁性樹脂等からなる板状のベース部28上に設けられている。
【0045】
また、回路基板22には、例えばはんだ付け等によりパターン配線等に電気的に接続されるコネクタ29も取り付けられている。コネクタ29は、電池パック20が電子機器に接続される際に、電子機器に設けられた外部端子等と係合して電気的に接続されることにより、電子機器等に対して電気の供給する供給口として機能する。また、コネクタ29は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dを充電する際に、例えばAC電源等が接続される接続部となる。この回路基板22は、例えば略箱状の収納ケース23の側壁とベース部28の主面とが相対した状態で収納ケース23の側壁に沿うように収納ケース23内に収納される。
【0046】
電池モジュール24a〜電池モジュール24d及び回路基板22が収納される収納ケース23は、例えばポリカーボネートやABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の絶縁性樹脂等からなり、上部ケース23a及び下部ケース23bにより構成されている。上部ケース23a及び下部ケース23bは、それぞれ略矩形状の主面の外周縁部に沿って側壁が立設された形状であり、互いの側壁を突き合わすことで略箱状の収納ケース23となる。
【0047】
この収納ケース23には、回路基板22に設けられたコネクタ29を外部に露出させるための開口部が、上部ケース23a及び下部ケース23bの側壁に形成された切り欠き部23c,23dにより形成されている。
【0048】
この収納ケース23は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納される側の面を4等分に仕切る電池仕切壁30が設けられている。そして、収納ケース23では、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが電池仕切壁30で仕切られた4つのスペースにそれぞれ収納されることになり、電池仕切壁30が介在されることで電池モジュール24a〜電池モジュール24d同士が内部でぶつかり合うことを防止できる。
【0049】
また、この収納ケース23には、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納された際に、電池21の外周面と接触することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを保持する電池保持片31が、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納される側の面に複数設けられている。この収納ケース23では、電池保持片31が電池仕切壁30で仕切られた4つのスペース全てに複数設けられており、電池保持片31の電池21aの外周面に沿った曲面を有する接触面14aが電池21の外周面に接触することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを適切に保持させる。なお、収納ケース23においては、例えば接着剤等の接着部材等を併用することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを更に強固に固定させることも可能である。
【0050】
これにより、電池パック20では、収納ケース23内部に設けられた電池仕切壁30及び電池保持片31により、4個の電池モジュール24a〜電池モジュール24dを内部にガタツキ無く収納させることが可能になる。
【0051】
また、この電池パック20では、例えば落下等の衝撃を受けた場合に、電池モジュール24a〜電池モジュール24dの間に介在された電池仕切壁30が緩衝材として機能することから、電池モジュール24a〜電池モジュール24d同士がぶつかり合って起こる電池21の形状変形や電池特性劣化等を抑制できる。
【0052】
そして、このような構成の電池パック20には、上述した電池モジュール24a〜電池モジュール24d、回路基板22、リード線27等の他に、例えば電池モジュール24b,24dと回路基板22との接触や、電池モジュール24a〜電池モジュール24dとリード線27との接触を防止する絶縁用インシュレータ32、リード線27を電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースに保持させる保持用インシュレータ33、電池モジュール24a〜電池モジュール24dの温度変化を検知して所定の温度以上になったら電流を遮断する温度ヒューズ素子34等も収納されている。
【0053】
絶縁用インシュレータ32は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、不燃紙等といったシート状の絶縁性材料等からなり、電池モジュール24a〜電池モジュール24dとリード線27との間や、電池モジュール24b,5dと回路基板22との間に配置される。
【0054】
これにより、電池パック20では、例えば落下等の衝撃を受けた際に、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが回路基板22やリード線27に接触することを絶縁用インシュレータ32が防ぐことから、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが回路基板22やリード線27と接触して起こる電池21の外部短絡を防止できる。
【0055】
保持用インシュレータ33は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、不燃紙等といったシート状の絶縁性材料等からなる。この保持用インシュレータ33は、シート状の絶縁性材料が電池モジュール24a〜電池モジュール24dにおける隣接する電池21の外周面同士が接する接線で谷折りされることで形成される第1の片部33aと第2の片部33bとによって構成されている。
【0056】
この保持用インシュレータ33は、第1の片部33aの主面が隣接する電池21の一方の外周面に沿うようにされ、第2の片部33bの主面が隣接する電池21の他方の外周面に沿うようにされている。すなわち、保持用インシュレータ33は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースで電池21の外周面に沿うように配置されている。
【0057】
これにより、電池パック20では、保持用インシュレータ33の第1の片部33aと第2の片部33bとの間に形成される空間にリード線27や温度ヒューズ素子34を配置させることで、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースにリード線27や温度ヒューズ素子34を保持させることが可能となる。
【0058】
また、電池パック20では、例えば落下等の衝撃を受けた際に、保持用インシュレータ33がリード線27や温度ヒューズ素子34に対して緩衝材として機能することから、リード線27と正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bとの接続が外れたり、温度ヒューズ素子34が劣化したりすることを抑制できる。
【0059】
温度ヒューズ素子34は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースに保持用インシュレータ33を介して配置されている。この温度ヒューズ素子34は、例えば電池パック20の誤作動で電池モジュール24a〜電池モジュール24dが過充電状態、又は過放電状態になった場合に、電池モジュール24a〜電池モジュール24dの温度を検知して所定の温度に達したときに電流を遮断させて、これ以上、過充電や過放電が進行しないようにする保護素子である。
【0060】
以上のような構成部分を有することで、電池パックは、複数の電池が接続されて電池モジュールが構成され、この電池モジュールに対する充放電がコネクタを介してなされるようになる。また、電池パック20には、収納ケース23aの外周に例えばラベル35が取り付けられている。
【0061】
以上のような構成を有する電池パック20では、金属製の電極タブにり凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3が設けられているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。これにより容易に生産ロットを知ることができるので、原因解析をスムーズに行うことができ、信頼性に優れたものとなる。
【0062】
なお、上述した実施の形態では、金属タブ本体にプレスによって生産ロットを表示する凹凸を形成する場合を例に挙げて説明したが、凹凸の形成方法はこれに限定されず、例えばレーザ刻印や打刻等の刻印法であっても構わない。
【0063】
また、電極タブの形状も特に限定されることはなく、必要に応じて種々の形状とすることができる。また、その一部が折り曲げられていても構わない。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更が可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、金属製の電極タブに、凹凸により生産ロットを表示しているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。これにより本発明では、容易に生産ロットを知ることができるので、原因解析をスムーズに行うことができ、信頼性に優れた電極タブ及びそれを用いた電池パックを実現することができる。
【0066】
また、電極タブに生産ロットをプレスにより形成する際に用いる刻印型を入れ子構造とすることで、製造年月日、ライン変更など、簡単に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極タブの一例を示す平面図である。
【図2】電極タブに生産ロット表示部を形成するプレス機の構成を模式的に示す図である。
【図3】刻印型が固定部材に固定された様子を模式的に示す図である
【図4】本発明の電極タブを用いた電池パックの一構成例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 電極タブ、 2 電極タブ本体、 3 生産ロット表示部、 20電池パック
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極タブ及びそれを用いた電池パックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パソコン等の情報機器や携帯電話等の移動通信機器、ビデオカメラ等、携帯型電子機器の需要が急増している。このような電子機器の電源として、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の密閉式小形二次電池が多く使用されており、その中でもリチウムイオン二次電池は高電圧、高エネルギー密度、軽量といった特性が活かされ、多種多様な分野で採用されている。
【0003】
このような電池の構造として、少なくとも2個以上の単セル電池を電極タブにより直列或いは並列に接続し、これを硬質ゴムや樹脂材、例えばポリカーボネートやABS樹脂により形成された収納ケース内に収めてパック化し、電池パックとされているものが多くみられる。
【0004】
ところで、このような電池パックには、通常、生産ロットが付されている。この生産ロットは、当該電池が、いつ、どこの生産ラインで生産されたのか等の情報を表すものであり、例えば事故が起きたような場合に、その原因究明、対策のために必要な情報となる。
【0005】
従来は、生産ロットをラベルに印刷し、電池パックケースに貼り付けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異常な状況下において発火事故などが発生した場合にはラベル自体が燃えてしまうため、事故原因の解析時に生産ロットが分からず原因究明に多くの時間が掛かると同時に、対策の信頼性も十分ではなかった。
【0007】
本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、発火事故等が起こっても、生産ロット表示が消えずに残っている電極タブ及び電池パックを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電極タブは、導電性金属板からなる電極タブ本体に、凹凸が形成されることにより生産ロットを表示する生産ロット表示部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明に係る電極タブでは、電極タブ自体に凹凸により生産ロットが表示されているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。
【0010】
また、本発明の電池パックは、複数の電池が電極タブによって接続されるとともに、ケース内に収納されてなり、上記電極タブは、導電性金属板からなる電極タブ本体に、凹凸が形成されることにより生産ロットを表示する生産ロット表示部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような本発明に係る電池パックでは、電極タブ自体に凹凸により生産ロットが表示されているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがなく、容易に生産ロットがわかる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した電極タブ及び電池パックの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1に、本発明の電極タブの一構成例を示す。この電極タブ1は、金属板からなり、例えば後述するような電池パック20の内部において、各電池21間を接続するものである。なお、この電極タブ1は、正極タブであっても負極タブであってもよい。
【0014】
そして、本発明の電極タブ1は、所定の形状に打ち抜かれた金属板からなる電極タブ本体2に、凹凸が形成されることで生産ロットを表示する生産ロット表示部3が設けられている。従来のようなラベルではなく、金属製の電極タブ1に、凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3を設けることにより、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがないので、原因解析時に容易に生産ロットを判別することができる。
【0015】
電極タブ本体2は、例えばニッケル、銅、鉄、ステンレス等といった導電性金属板からなり、特にニッケルからなることが好ましい。
【0016】
電極タブ本体2の厚みとしては、薄すぎると、電気抵抗が大きくなってしまうし、厚すぎると、ケース内に収まりきらなくなってしまう。そのため、電極タブ本体2の厚みは、0.14mm〜0.16mmの範囲であることが好ましい。
【0017】
また、電極タブ本体2の幅については、電気抵抗を考慮すると、電極タブ本体2に流れる電流1Aあたり1mmの幅を有することが好ましい。例えば、電極タブ本体2に流れる電流が5Aの場合、電極タブ本体2の幅は5mmとする。
【0018】
生産ロット表示部3は、電極タブ本体2の溶接個所4以外の個所に設けられる。生産ロット表示部3は、凹凸が形成されることにより生産ロットを示す文字を表示している。この際、文字の大きさは、肉眼で確認しやすい大きさの2〜3mm程度とする。
【0019】
生産ロットの表示形式は、特に限定されるものではないが、アルファベット、ひらがな、カタカナ、数字、記号等の各種文字を組み合わせることにより、生産年月日、製造所、組み立てライン等、管理に必要な情報を表示すればよい。
【0020】
具体的には、例えば「020731SFK−B」と表示する。ここで、「02」は西暦(2002年)、「07」は製造月、「31」は製造日、「SFK」は製造所略称、「−B」は組立てライン名を示す。
【0021】
電極タブ本体2への、生産ロット表示部3を構成する凹凸の形成方法としては、特に限定されるものではないが、プレス機を用いて電極タブ本体に圧力をかけて凹凸を形成することが好ましい。具体的には、生産ロットを示す文字を、予め金属性の刻印型に凹凸で彫り込んでおき、この刻印型を用いて、プレス機により電極タブ本体2をプレスすることにより、生産ロットを示す文字を凹凸によって表示する。なお、電極タブ本体2への刻印は、金属板を所定の形状に打ち抜いて電極タブ本体2とした後、当該電極タブを電池に溶接する前に行う。
【0022】
使用するプレス機としては、エアー式又はモータ駆動式の装置を用いることが好ましい。小型で騒音が少なく、組み立てラインで使用することができる。
【0023】
プレス機10の構成例を図2に示す。このプレス機10は、固定部材11に固定された刻印型12と、固定部材11を支持するアーム13と、アーム13を上下に動かす駆動手段14と、ガイド15とを備える。駆動手段14としては、モータやエアポンプ等が挙げられる。ガイド15は、生産ロット表示部3を所定位置に形成するためのもので、電極タブ本体2の外形に合わせた形状を有している。
【0024】
電極タブ本体2をガイドにセットし、駆動手段14でアーム13を動かすことにより刻印型12を上下に動かしてプレスする。プレス圧力は、例えば20kg程度とする。また、凹凸の深さは、電極タブ本体2の表面から10μm程度とする。
【0025】
刻印型12は、図3に示すように、入駒になっていて、固定部材11にネジ16で固定する入れ子構造となっている。刻印型を入れ子構造とすることで、製造年月日の変更、ライン変更などによるロット番号の変更に簡単に対応することができる。
【0026】
このような電極タブ1では、金属製の電極タブ本体2に、凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3を設けているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。
【0027】
つぎに、このような電極タブ1を用いた電池パックについて説明する。
【0028】
図4に示すように、この電池パック20は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器等に設けられた装着部に装着され、電子機器等に対して所定の電圧の電力を安定して供給することが可能なものである。
【0029】
そして、この電池パック20は、発電要素となる略円柱状の12個の電池21a〜21lと、電池21a〜電池21lと電気的に接続されて電池21a〜電池21lに対して充放電制御等を行う回路基板22とを有し、これら電池21a〜電池21l及び回路基板22が略箱状の収納ケース23に収納されるものである。
【0030】
この電池パック20は、電池21a〜電池21lが3個づつ並列で接続されて一体化された電池モジュール24a,24b,24c,24dをそれぞれ構成し、これら電池モジュール24a〜電池モジュール24dが回路基板22に並列に接続された状態で収納されている。具体的に、電池モジュール24aは電池21a〜電池21cで構成され、電池モジュール24bは電池21d〜電池21fで構成され、電池モジュール24cは電池21g〜電池21iで構成され、電池モジュール24dは電池21j〜電池21lで構成されている。なお、ここでは、電池21a〜電池21lが3個づつの並列に接続された電池モジュール24a〜電池モジュール24dについて説明するが、このことに限定されることはなく、例えば電池21a〜電池21lが複数個直列に接続された電池モジュールであっても良い。また、不特定の電池21a〜電池21lを示す場合は、単に電池21と記すものとする。
【0031】
電池パック20においては、電池21a〜電池21lを3個づつの並列に接続させて電池モジュール24a〜電池モジュール24dを構成させるのに、正極タブ25及び負極タブ26を用いている。これらの正極タブ25及び負極タブ26は、電池21a〜電池21lのそれぞれ対極となる両端面の同極同士を、それぞれ抵抗溶接法等で溶接することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを構成させている。
【0032】
具体的に、電池21a〜電池21cの一端面同士を正極タブ25で並列に接続し、電池21a〜電池21cの他端面同士を負極タブ26で並列に接続することで電池モジュール24aを構成している。なお、電池21d〜電池21fが電池モジュール24bを構成する場合、電池21g〜電池21iが電池モジュール24cを構成する場合、電池21j〜電池21lが電池モジュール24aを構成する場合も、正極タブ25及び負極タブ26を同じように接続させている。
【0033】
このようにして構成される電池モジュール24aでは、電池21a〜電池21cの両端面に正極タブ25及び負極タブ26が溶接されていることから、外周方向に回転することが防止された電池21a〜電池21cが互いに隣接した状態で強固に固定されることになる。なお、以下では、電池モジュール24b〜電池モジュール24dが電池モジュール24aと同様な構成となり、同様の作用効果が得られることから、主に電池モジュール24aを例に挙げて説明する。
【0034】
電池モジュール24aを構成する正極タブ25及び負極タブ26は、電池21a〜電池21cの端面に溶接される基体部25a,26aと、例えば絶縁性樹脂で被覆された線状の導電性金属等からなるリード線27が接続され、基体部25a,26aの端部から突出する接続部25b,26bとによって構成されている。そして、正極タブ25及び負極タブ26は、基体部25a,26bの主面が電池21a〜電池21cの両端面に相対するように配置され、接続部25bが電池21cの一端面と外周面との境界部で曲げられて電池21cの外周面に沿うようにされ、接続部26bが電池21cの他端面と外周面との境界部で曲げられて電池21cの外周面に沿うようにされている。なお、正極タブ25及び負極タブ26においては、リード線27が複数接続される場合、基体部25a,26aの端部よりリード線27の数に応じた数の接続部25b,26bを複数突出させることも可能である。
【0035】
このとき、電池モジュール24aにおいては、正極タブ25の接続部25bが、隣接する電池21bの外周面と電池21cの外周面との間に形成される空間に対応する電池21cの外周面に沿うようにされている。また、負極タブ26の接続部26bは、隣接する電池21bの外周面と電池21cの外周面との間に形成される空間に対応する電池21cの外周面に沿うようにされている。
【0036】
すなわち、電池モジュール24aでは、それぞれ略円柱状の電池21bの外周面と電池21cの外周面とを隣接させることで形成される空間が収納ケース23内でデッドスペースとなり、このデッドスペースに正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bが配置されることになる。
【0037】
ここで、本発明の電池パック20では、電極タブ、すなわち正極タブ25及び/又は負極タブ26に、凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3が設けられている。金属製の電極タブに凹凸により生産ロットを表示することで、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。
【0038】
生産ロット表示部3は、少なくとも1つの電極タブに設けられていればよく、すべての電極タブに設けられている必要はない。なお、いずれの電極タブに生産ロット表示部を設けるかは特に限定されないが、表示の読み取りを容易にするために、外側に配される電池タブに設けることが好ましい。ここでは、電池モジュール24cの負極タブ26に生産ロット表示部3を設けた例を示している。
【0039】
なお、他の電池モジュールにおいても、隣接する電池21と電池21との間に形成されるデッドスペースに、電池21の外周面に沿うように電池21eの端面と外周面との境界部でそれぞれ曲げられた正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bがそれぞれ配置される。
【0040】
以上のことより、電池モジュール24b〜電池モジュール24dにおいても、電池モジュール24aと同様に小型化を図ることができる。
【0041】
したがって、電池パック20では、収納ケース23内の小型化された電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納される空間を省スペース化でき、小型化できる。
【0042】
また、電池パック20では、リード線27が接続される正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bが電池モジュール24b〜電池モジュール24dに設けられるデッドスペースに配置されていることから、リード線27をデッドスペースで引き回して配線することが可能である。
【0043】
そして、電池モジュール24a〜電池モジュール24dは、正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bに接続されたリード線27を介して回路基板22に並列に接続される。
【0044】
電池モジュール24a〜電池モジュール24dが並列に接続される回路基板22は、導電性金属等からなりリード線27が接続されるランド部等を有する図示しないパターン配線や、このパターン配線にリード線27を介して接続され、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに対して充放電制御や、過放電及び/又は過充電保護等を行う図示しない電子回路等が絶縁性樹脂等からなる板状のベース部28上に設けられている。
【0045】
また、回路基板22には、例えばはんだ付け等によりパターン配線等に電気的に接続されるコネクタ29も取り付けられている。コネクタ29は、電池パック20が電子機器に接続される際に、電子機器に設けられた外部端子等と係合して電気的に接続されることにより、電子機器等に対して電気の供給する供給口として機能する。また、コネクタ29は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dを充電する際に、例えばAC電源等が接続される接続部となる。この回路基板22は、例えば略箱状の収納ケース23の側壁とベース部28の主面とが相対した状態で収納ケース23の側壁に沿うように収納ケース23内に収納される。
【0046】
電池モジュール24a〜電池モジュール24d及び回路基板22が収納される収納ケース23は、例えばポリカーボネートやABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の絶縁性樹脂等からなり、上部ケース23a及び下部ケース23bにより構成されている。上部ケース23a及び下部ケース23bは、それぞれ略矩形状の主面の外周縁部に沿って側壁が立設された形状であり、互いの側壁を突き合わすことで略箱状の収納ケース23となる。
【0047】
この収納ケース23には、回路基板22に設けられたコネクタ29を外部に露出させるための開口部が、上部ケース23a及び下部ケース23bの側壁に形成された切り欠き部23c,23dにより形成されている。
【0048】
この収納ケース23は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納される側の面を4等分に仕切る電池仕切壁30が設けられている。そして、収納ケース23では、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが電池仕切壁30で仕切られた4つのスペースにそれぞれ収納されることになり、電池仕切壁30が介在されることで電池モジュール24a〜電池モジュール24d同士が内部でぶつかり合うことを防止できる。
【0049】
また、この収納ケース23には、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納された際に、電池21の外周面と接触することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを保持する電池保持片31が、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが収納される側の面に複数設けられている。この収納ケース23では、電池保持片31が電池仕切壁30で仕切られた4つのスペース全てに複数設けられており、電池保持片31の電池21aの外周面に沿った曲面を有する接触面14aが電池21の外周面に接触することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを適切に保持させる。なお、収納ケース23においては、例えば接着剤等の接着部材等を併用することで電池モジュール24a〜電池モジュール24dを更に強固に固定させることも可能である。
【0050】
これにより、電池パック20では、収納ケース23内部に設けられた電池仕切壁30及び電池保持片31により、4個の電池モジュール24a〜電池モジュール24dを内部にガタツキ無く収納させることが可能になる。
【0051】
また、この電池パック20では、例えば落下等の衝撃を受けた場合に、電池モジュール24a〜電池モジュール24dの間に介在された電池仕切壁30が緩衝材として機能することから、電池モジュール24a〜電池モジュール24d同士がぶつかり合って起こる電池21の形状変形や電池特性劣化等を抑制できる。
【0052】
そして、このような構成の電池パック20には、上述した電池モジュール24a〜電池モジュール24d、回路基板22、リード線27等の他に、例えば電池モジュール24b,24dと回路基板22との接触や、電池モジュール24a〜電池モジュール24dとリード線27との接触を防止する絶縁用インシュレータ32、リード線27を電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースに保持させる保持用インシュレータ33、電池モジュール24a〜電池モジュール24dの温度変化を検知して所定の温度以上になったら電流を遮断する温度ヒューズ素子34等も収納されている。
【0053】
絶縁用インシュレータ32は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、不燃紙等といったシート状の絶縁性材料等からなり、電池モジュール24a〜電池モジュール24dとリード線27との間や、電池モジュール24b,5dと回路基板22との間に配置される。
【0054】
これにより、電池パック20では、例えば落下等の衝撃を受けた際に、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが回路基板22やリード線27に接触することを絶縁用インシュレータ32が防ぐことから、電池モジュール24a〜電池モジュール24dが回路基板22やリード線27と接触して起こる電池21の外部短絡を防止できる。
【0055】
保持用インシュレータ33は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、不燃紙等といったシート状の絶縁性材料等からなる。この保持用インシュレータ33は、シート状の絶縁性材料が電池モジュール24a〜電池モジュール24dにおける隣接する電池21の外周面同士が接する接線で谷折りされることで形成される第1の片部33aと第2の片部33bとによって構成されている。
【0056】
この保持用インシュレータ33は、第1の片部33aの主面が隣接する電池21の一方の外周面に沿うようにされ、第2の片部33bの主面が隣接する電池21の他方の外周面に沿うようにされている。すなわち、保持用インシュレータ33は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースで電池21の外周面に沿うように配置されている。
【0057】
これにより、電池パック20では、保持用インシュレータ33の第1の片部33aと第2の片部33bとの間に形成される空間にリード線27や温度ヒューズ素子34を配置させることで、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースにリード線27や温度ヒューズ素子34を保持させることが可能となる。
【0058】
また、電池パック20では、例えば落下等の衝撃を受けた際に、保持用インシュレータ33がリード線27や温度ヒューズ素子34に対して緩衝材として機能することから、リード線27と正極タブ25及び負極タブ26の接続部25b,26bとの接続が外れたり、温度ヒューズ素子34が劣化したりすることを抑制できる。
【0059】
温度ヒューズ素子34は、電池モジュール24a〜電池モジュール24dに設けられたデッドスペースに保持用インシュレータ33を介して配置されている。この温度ヒューズ素子34は、例えば電池パック20の誤作動で電池モジュール24a〜電池モジュール24dが過充電状態、又は過放電状態になった場合に、電池モジュール24a〜電池モジュール24dの温度を検知して所定の温度に達したときに電流を遮断させて、これ以上、過充電や過放電が進行しないようにする保護素子である。
【0060】
以上のような構成部分を有することで、電池パックは、複数の電池が接続されて電池モジュールが構成され、この電池モジュールに対する充放電がコネクタを介してなされるようになる。また、電池パック20には、収納ケース23aの外周に例えばラベル35が取り付けられている。
【0061】
以上のような構成を有する電池パック20では、金属製の電極タブにり凹凸により生産ロットを表示する生産ロット表示部3が設けられているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。これにより容易に生産ロットを知ることができるので、原因解析をスムーズに行うことができ、信頼性に優れたものとなる。
【0062】
なお、上述した実施の形態では、金属タブ本体にプレスによって生産ロットを表示する凹凸を形成する場合を例に挙げて説明したが、凹凸の形成方法はこれに限定されず、例えばレーザ刻印や打刻等の刻印法であっても構わない。
【0063】
また、電極タブの形状も特に限定されることはなく、必要に応じて種々の形状とすることができる。また、その一部が折り曲げられていても構わない。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更が可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、金属製の電極タブに、凹凸により生産ロットを表示しているので、万が一の異常事態において発火が起こった場合でも、燃えたりして表示が消えることがない。これにより本発明では、容易に生産ロットを知ることができるので、原因解析をスムーズに行うことができ、信頼性に優れた電極タブ及びそれを用いた電池パックを実現することができる。
【0066】
また、電極タブに生産ロットをプレスにより形成する際に用いる刻印型を入れ子構造とすることで、製造年月日、ライン変更など、簡単に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極タブの一例を示す平面図である。
【図2】電極タブに生産ロット表示部を形成するプレス機の構成を模式的に示す図である。
【図3】刻印型が固定部材に固定された様子を模式的に示す図である
【図4】本発明の電極タブを用いた電池パックの一構成例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 電極タブ、 2 電極タブ本体、 3 生産ロット表示部、 20電池パック
Claims (12)
- 導電性金属板からなる電極タブ本体に、凹凸が形成されることにより生産ロットを表示する生産ロット表示部が設けられていることを特徴とする電極タブ。
- 上記凹凸は、刻印によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の電極タブ。
- 上記凹凸は、プレスにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の電極タブ。
- 上記生産ロット表記部は、アルファベット、数字、ひらがな、カタカナ又は各種の記号の組み合わせにより表示されていることを特徴とする請求項1記載の電極タブ。
- 上記電極タブ本体が、ニッケル板であることを特徴とする請求項1記載の電極タブ。
- 上記電極タブ本体の厚みが、0.14mm〜0.16mmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の電極タブ。
- 複数の電池が電極タブによって接続されるとともに、ケース内に収納されてなる電池パックであって、
上記電極タブは、導電性金属板からなる電極タブ本体に、凹凸が形成されることにより生産ロットを表示する生産ロット表示部が設けられていることを特徴とする電池パック。 - 上記凹凸は、刻印によって形成されていることを特徴とする請求項7記載の電池パック。
- 上記凹凸は、プレスにより形成されていることを特徴とする請求項7記載の電池パック。
- 上記生産ロットが、アルファベット、数字、ひらがな、カタカナ又は各種の記号の組み合わせにより表示されていることを特徴とする請求項7記載の電池パック。
- 上記電極タブ本体が、ニッケル板であることを特徴とする請求項7記載の電池パック。
- 上記電極タブ本体の厚みが、0.14mm〜0.16mmの範囲であることを特徴とする請求項7記載の電池パック。
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