JP2004133710A - 発電事業リスク管理支援システム - Google Patents
発電事業リスク管理支援システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004133710A JP2004133710A JP2002297958A JP2002297958A JP2004133710A JP 2004133710 A JP2004133710 A JP 2004133710A JP 2002297958 A JP2002297958 A JP 2002297958A JP 2002297958 A JP2002297958 A JP 2002297958A JP 2004133710 A JP2004133710 A JP 2004133710A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power generation
- power
- amount
- business
- fuel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 238000010248 power generation Methods 0.000 title claims abstract description 286
- 239000000446 fuel Substances 0.000 claims description 88
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 claims description 42
- 238000003745 diagnosis Methods 0.000 claims description 39
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims description 10
- 238000009434 installation Methods 0.000 claims description 6
- 230000001174 ascending effect Effects 0.000 claims description 3
- 238000007726 management method Methods 0.000 description 29
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 7
- 230000005611 electricity Effects 0.000 description 7
- 101000685663 Homo sapiens Sodium/nucleoside cotransporter 1 Proteins 0.000 description 6
- 101000821827 Homo sapiens Sodium/nucleoside cotransporter 2 Proteins 0.000 description 6
- 102100023116 Sodium/nucleoside cotransporter 1 Human genes 0.000 description 6
- 102100021541 Sodium/nucleoside cotransporter 2 Human genes 0.000 description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 4
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 4
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 4
- 238000005457 optimization Methods 0.000 description 4
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 3
- 239000000295 fuel oil Substances 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 239000003345 natural gas Substances 0.000 description 2
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 1
- 239000010779 crude oil Substances 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y04—INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
- Y04S—SYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
- Y04S10/00—Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
- Y04S10/50—Systems or methods supporting the power network operation or management, involving a certain degree of interaction with the load-side end user applications
Landscapes
- Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
【課題】発電事業者のリスクを評価して、リスク管理を適切に支援することができるようにする。
【解決手段】発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入されている。発電設備に付属する端末装置11は発電設備から売電された電力量をカウントして、電力量が予め規定された電力量を越えた際、電力量と予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定し、発電設備を納入した事業者に支払い料の支払いを決定する。さらに、電力量が予め規定された電力量以下であると、端末装置は予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求する。例えば、保険契約は発電設備を納入した事業者と保険事業者との間で締結されており、保険金は発電設備を納入した事業者に支払われる。
【選択図】 図1
【解決手段】発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入されている。発電設備に付属する端末装置11は発電設備から売電された電力量をカウントして、電力量が予め規定された電力量を越えた際、電力量と予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定し、発電設備を納入した事業者に支払い料の支払いを決定する。さらに、電力量が予め規定された電力量以下であると、端末装置は予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求する。例えば、保険契約は発電設備を納入した事業者と保険事業者との間で締結されており、保険金は発電設備を納入した事業者に支払われる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発電事業のリスクを管理するためのシステムに関し、特に、発電設備をリース又は買い受けて発電事業を行う事業者のリスクを管理支援するためのリスク管理支援システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力自由化に伴って、独立系発電事業者(卸発電事業者:IPP)及び自家発電設備を有する事業者が発電(売電)事業に新規参入する機会が増加しているものの、このような新規発電事業は、電力会社に比べて発電事業に関するノウハウを有しておらず、しかも発電事業に係る設備投資(初期投資)は膨大であることを考慮すると、新規発電事業者が、既存の電力会社等と契約して、発電事業を行おうとしても、初期投資に見合った売電を行うことができるか否か定かではなく、新規発電事業者にとって新規参入のリスクが大きい。
【0003】
ところが、新規発電事業参入者にとって、発電事業に係るリスクを管理して、初期投資に見合った売電を行うことは困難であり、この結果、発電事業に新規参入することを躊躇してしまうことが多い。
【0004】
一方、発電設備をリース又は販売する会社(以下単に販売会社という)にとっても、新規発電事業者に発電設備をリース又は販売する際に、新規発電事業者のリスクを管理する手法を有しておらず、発電設備のリース又は販売を効果的に行うことが難しい。
【0005】
さらに、新規発電事業者等は発電に使用する燃料価格(発電用燃料、例えば、原油)変動に対しても、電力事業者のようにそのリスクを管理して回避することが難しく、この点においても、新規発電事業者が発電事業に新規参入することを躊躇してしまうことになる。
【0006】
ところで、エネルギー供給者における補償料発生リスク、供給不能リスクの低減、及び顧客におけるエネルギーコストの低減を可能とするエネルギー供給システムが知られている。ここでは、エネルギー供給網を介して、仲介者と、複数のエネルギー供給者と、複数の顧客との間でエネルギーを供給する際、所定の時期における顧客の実使用量と契約量とにずれが生じると、仲介者は、ずれに対する補償料支払いを、顧客全体で総計し、全体として補償料を最適化し、各顧客の補償料を算出することが行われており、これによって、補償料発生リスク等を低減するようにしている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−44868公報(段落(0030)〜(0037)他、第3図他)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されたエネルギー供給システムでは、複数のエネルギー供給者間で補償料発生リスクを分担しているだけであって、新規発電事業者にとって新規参入の際の初期投資等に係るリスクを管理することはできないという課題がある。
【0009】
さらに、前述のように、特許文献1では、燃料価格変動に対してリスク管理を行うことが難しいという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、新規発電事業者のリスクを評価して、リスク管理を適切に支援することのできる発電事業リスク管理支援システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、前記発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入されており、前記発電設備から売電された電力量をカウントするカウント手段と、前記電力量が予め規定された電力量を越えた際、前記電力量と前記予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定し、前記発電設備を納入した事業者に前記支払い料の支払いを決定する支払い料算定手段とを有し、前記電力量が前記予め規定された電力量以下であると前記支払い料算定手段は予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにしたことを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。
【0012】
このようにして、発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入して、発電設備から売電された電力量をカウントし、電力量が予め規定された電力量を越えた際、電力量と予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定して、発電設備を納入した事業者に支払い料の支払いを決定するようにすれば、発電事業者は、初期投資を低減することができ、しかも、納入事業者は、納入価格等をディスカウントしても売電量に応じた支払いを受けることができ、発電事業に係るリスクをヘッジできることになり、しかも、電力量が予め規定された電力量以下であると、予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにして、保険金を発電設備を納入した事業者に支払うようにしてので、納入業者にとっては売電量にかかわらずリスクをヘッジできることになる。
【0013】
例えば、前記保険契約は前記発電設備を納入した事業者と前記保険事業者との間で締結されており、前記保険金は前記発電設備を納入した事業者に支払われる。また、前記電力量が前記予め規定された電力量を越えた際、前記支払い料算定手段は、前記電力量と前記予め規定された電力量との差に応じて前記支払い料の料率を変化させて前記支払い料を決定するようにしてもよい。
【0014】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、前記発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入した事業者に備えられた仲介業者コンピュータを有し、該仲介業者コンピュータは前記前記発電事業を行う発電事業者に備えられた発電事業者コンピュータと燃料を販売する燃料事業者に備えられた燃料事業者コンピュータとにネットワークを介して接続され、前記仲介業者コンピュータでは前記発電設備で使用する燃料を所定の価格で購入する権利を発電事業者コールオプションとして販売しており、前記発電事業者コンピュータから前記コールオプションの購入があると、前記仲介業者コンピュータは予め締結された燃料供給契約に応じた価格で前記コールオプションで示される燃料量に応じた燃料を購入する権利を仲介業者コールオプションとして前記燃料事業者コンピュータに購入要求しており、前記発電事業者コンピュータは前記燃料の市場価格に応じて前記発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定して、該発電事業者コールオプションの行使があると、前記仲介事業者コンピュータは燃料会社コンピュータに仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達するようにしたことを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。このようにすれば、発電事業者及び仲介業者ともに燃料価格変動におけるリスクをヘッジできる。
【0015】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられており、発電要求量と前記燃料毎の価格とに応じて前記複数の発電設備を選択的に運用制御する運用制御装置をすることを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。
【0016】
このようにして、発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられている際、発電要求量と燃料毎の価格とに応じて、複数の発電設備を選択的に運用制御するようにしたから、発電設備を効率的にしかも最もコストを最小とするように運用でき、その結果、複数の発電設備を有する発電事業者のリスクヘッジを行うことができる。
【0017】
例えば、前記運用制御装置は、前記燃料毎に発電コストを算出する発電コスト算出手段と、前記発電コストの安い順に前記複数の発電設備から順次発電設備を選択して、該選択された選択発電設備に係る最大発電量が要求発電量以上であるか否かを判定し、前記選択された発電設備に係る最大発電量が前記要求発電量以上であると前記選択された発電設備の全てを運用するように指示する運用手段とを有しており、さらに、前記運用手段は、複数の選択された発電設備を運用指示する際には、前記要求発電量を満足し、前記選択された発電設備毎にその使用される燃料の量と当該燃料毎の単価とに基づいて求められる発電設備毎の燃料コストの合計が最小となるように前記選択された発電設備の発電量を規定する。
【0018】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、前記発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入する際に前記発電設備の詳細な保守診断を行う権利を保守診断コールオプションとして付加して販売しており、前記保守診断コールオプションが行使される時期と少なくとも前記発電設備の設置環境、前記発電設備を構成する機器毎の故障発生確率を示す故障発生確率密度数、及び機器取替えコストとに基づいて前記保守診断コールオプション価格を決定するコンピュータを有することを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。このようにすれば、発電事業者は故障によるリスクを低減でき、納入業者は発電設備に付加価値を付与することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0020】
まず、図1を参照して、本発明によるリスク管理支援システムの第1の例について説明する。図示のリスク管理支援システムは、発電事業者端末装置(以下単に端末装置と呼ぶ)11を備えており、この端末装置11は、ネットワーク(例えば、インターネット)12を介して販売会社コンピュータシステム(サーバー)13及び保険会社コンピュータシステム14に接続される。
【0021】
販売会社は、発電事業を行おうとする事業者(以下新規参入事業者と呼ぶ)に対して、発電設備15をリース又は販売することになるが、この際、販売会社は新規事業者に対して種々のメニューを提示することになる。例えば、発電設備の販売に当たっては、販売価格を通常の価格よりも安くして(所謂ディスカウント販売)、新規参入事業者の初期投資を軽減するとともに、事業実績(例えば、売電量)に応じて販売会社に支払う金額(出来高払い料)を決定する。このディスカウント販売による価格は、出来高支払い料にリンクしており、ディスカウント販売価格が高ければ(つまり、割引率が低ければ)、出来高支払い料は低く設定される。
【0022】
さらに、出来高支払い料は、例えば、売電量に応じて変化し、予め規定された売電量以下の際には、出来高払い料はゼロとされ、後述するように、予め規定された売電量を越えると、売電量に応じて出来高支払い量が変化するようにしてなっている。
【0023】
このようにして、ディスカウント販売価格と出来高払い量とのペアが種々設定されて、メニューとして新規参入事業者に提示されることになる。なお、リース契約においても、ディスカウント販売と同様にして、基本リース料及び出来高リース料が設定されることになる(つまり、ディスカウント販売価格が基本リース料、出来高支払い料が出来高リース料に対応することになる)。
【0024】
以下の説明では、ディスカウント販売価格及び基本リース料を総称して基本料、出来高支払い料及び出来高リース料を総称して付加支払い料と呼ぶことにする)。
【0025】
上述してメニューから新規参入事業者が一つのメニューを選択すると、当該選択メニューに応じた契約が結ばれて、販売会社は発電設備を新規参入事業者に販売又はリースして、当該発電設備の据え付け工事等を行うことになる。この際、電力会社と新規参入事業者との間で所謂売電契約が結ばれて、新規参入事業者の発電設備が電力会社の配電網(以下商用電力網と呼ぶ)に接続されることになる。
【0026】
発電設備15と商用電力網16との接続点Pには、当該接続点Pにおける電力量を計測するための電力量計測装置17が接続される。つまり、電力量計測装置17によって売電量が計測される。さらに、発電設備15に付随して前述の端末装置11が新規参入事業者に配置され、電力量計測装置17で計測された売電量は端末装置11に与えられる。
【0027】
一方、販売会社は保険会社と保険契約を結んで、予め定められた額の付加支払い料が得られない場合には、予め定められた額の付加支払い料と実際の付加支払い料との差額を保険金として支払旨を約定する。そして、販売会社に当該保険契約に対する保険料を支払うことになる。例えば、付加支払い料がゼロである(実際の付加支払い料に相当する)際にのみ、予め定められた付加支払い料に相当する保険金を支払う旨約定される。
【0028】
ここで、図2及び図3も参照して、端末装置11には、売電量積算部11a、付加支払い料算出部11b、記憶部11c、及び通信制御部11dを有しており、記憶部11cには、新規参入事業者と販売会社との間で締結された契約に基づく売電量と付加支払い料との関係を規定する売電量−付加支払い料データが格納されている。例えば、図2に示すように、縦軸に売電量(所定期間(例えば、一日、一週間、又は一ヵ月)の売電積算量)と付加支払い料率との関係を示すグラフFが売電量−付加支払い料データとして格納されている。
【0029】
図示の例では、前述のように、電力量計測装置17で計測された売電量(計測売電量)は端末装置11に与えられており(ステップS1)、売電量積算部11aでは、所定期間毎の売電量(トータル売電量)を求める(ステップS2)。つまり、売電量積算部11aでは、計測売電量を所定の期間積算してトータル売電量を求める。そして、このトータル売電量は付加支払い料算出部11bに与えられる。
【0030】
図2においては、予め規定された売電量(第1の売電量)Q1が設定されており、この第1の売電量Q1は、新規参入事業者が発電によって収益を得られる分岐点に相当する(つまり、損益分岐点に対応する)。そして、第1の売電量Q1以下であると付加支払い料率は0%に設定されている。
【0031】
一方、第1の売電料Q1から第2の売電量Q2までは、付加支払い料率は、例えば、10%に設定されており、第2の売電料Q2から第3の売電量Q3までは、付加支払い料率は、例えば、15%に設定され、第3の売電料Q3から第4の売電量Q4までは、付加支払い料率は、例えば、20%に設定されている。つまり、第1の売電量Q1から第N(Nは2以上の整数)の売電量において、第(n−1)の売電量Q(n−1)と第nの売電量Qn(nは2からNまでのいずれかの整数)の区間R(n−1)において、Nが増加するについて、付加支払い料率U(n−1)が増加するように、売電量−付加支払い料データが規定されていることになる。
【0032】
付加支払い料算出部11bでは、記憶部11cから売電量−付加支払い料データを読みだして、売電量−付加支払い料データに応じてトータル売電量TQが第1の売電量Q1以下であるか否かを判定する(ステップS3)。トータル売電量TQ≦第1の売電量Q1であると、付加支払い料率は0%となり(ステップS4)、付加支払い料がゼロとなる。
【0033】
一方、トータル売電量>第1の売電量Q1であると、付加支払い料算出部11bでは、トータル売電量に対応する付加支払い料率を求める(ステップS5)。そして、このようにして求められた付加支払い料率に応じて付加支払い料を求める(ステップS6)。例えば、付加支払い料算出部11bでは、(トータル売電量−第1の売電量)=差売電量を求めて、この差売電量に単価(例えば、1kw/時当たりの単価)を乗算した後、前述のように得られた付加支払い料率を乗算して、付加支払い料を求めることになる。
【0034】
付加支払い料算出部11bでは、付加支払い料がゼロであると、その旨(付加支払い料ゼロ通知)通信制御部11dを介して保険会社コンピュータシステム14に送る(ステップS7)。保険会社コンピュータシステム14では、付加支払い料ゼロ通知を受けると、前述の約定で定められた保険金を支払う処理を実行することになる(ステップS8)。例えば、図示はされていないが、銀行のコンピュータシステムに対して支払い通知を行い、当該銀行から販売会社の口座に振込が行われることになる。
【0035】
なお、保険会社コンピュータシステム14から販売会社コンピュータシステム13に対して保険金が支払われる旨の通知を行うようにしてもよい。
【0036】
一方、付加支払い料が支払われる際には、付加支払い料算出部11bでは、付加支払い料の支払い通知を販売会社コンピュータシステム13に通知する(ステップS9)。なお、この支払い通知には付加支払い料(額)が含まれている。販売会社コンピュータシステム13では、支払い通知を受けると、新規参入事業者に対して請求を行うことになる。
【0037】
このようにして、新規参入事業者は低価格で発電設備をリース又は買い受けることができ、しかもリース契約等で定められた売電量に応じて付加支払い料を支払えばよいから、発電事業に新規参入する際の初期投資を低減することができるばかりでなく、リスクを低減することができることになる。
【0038】
一方、販売会社においても、売電量に応じた付加支払い料を得ることができるから、低価格で発電設備をリース又は販売しても、損失を被ることが少なく、しかも売電量に応じた付加支払い料が得られない場合には、保険契約に応じた保険金を得ることができ、リスクを低減できることになる。
【0039】
以上のように、上述の例によれば、新規参入事業者及び販売会社ともにリスクヘッジを行うことができるという効果がある。
【0040】
なお、上述の例では、端末装置12が支払い料を決定するようにしたが、販売会社コンピュータシステム13がトータル売電量を受けて、このトータル売電量に応じて、前述のようにして、付加支払い料を決定するようにしてもよい。この際には、付加支払い料がゼロであると、その旨(付加支払い料ゼロ通知)が販売会社コンピュータシステム13から保険会社コンピュータシステム14に通知されることになる。また、販売会社コンピュータシステム13が売電量を受けてトータル売電量を算出するようにしてもよい。
【0041】
次に、本発明によるリスク管理支援システムの第2の例について説明する。図4を参照して、図示の例は、発電事業者が燃料価格変動によるリスクのヘッジを管理支援する際に用いられるシステムであり、発電事業者コンピュータ21、仲介業者コンピュータ22、及び燃料会社コンピュータ23が相互にネットワーク(例えば、インターネット)24で接続されている(なお、図示の例では、発電事業者コンピュータ21は一台のみ示されているが、実際には複数存在するものとする)。
【0042】
例えば、仲介業者コンピュータ22はインターネット24上にホームページを掲載しており、このホームページでは、燃料を所定の価格で購入する権利(所謂コールオプション)の販売が行われている。前述のように、新規参入事業者である発電事業者は仲介業者である販売会社(発電設備販売会社)から発電設備をリース又は買い受けた際、予めIDコードを付与されており、発電事業コンピュータ21ではIDコードを用いて前述のホームページ上からコールオプションを購入することができる。
【0043】
ここで、図5も参照して、発電事業者(例えば、新規参入事業者)がコールオプションを購入する際には、IDコードを用いてホームページからコールオプション購入画面をアクセスする(ステップP1)。そして、発電事業者はコールオプション購入画面から燃料の価格及び量で規定されたコールオプション(以下発電事業者コールオプションと呼ぶ)を購入する(ステップP2)。
【0044】
一方、中間業者は燃料会社と燃料を一括購入する契約(権利:一括購入契約)を締結しており、発電事業者がコールオプションを購入都度、仲介業者は燃料会社に対して、コールオプション毎に当該コールオプションで示される燃料量に応じた燃料(権利)を購入する(ステップP3:この権利もコールオプション(以下仲介業者コールオプションと呼ぶ)である)。これらコールオプションはネットワーク上で行われ、仲介事業者コールオプションは、一括購入であるため、発電事業者コールオプションよりも低価格である。
【0045】
上述のようにして、コールオプションを購入した後、発電事業は燃料の市場価格を参照して、発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定することになる。例えば、市場価格が発電事業者コールオプション以下であれば(ステップP4)、市場から燃料を調達することになる(ステップP5)が、市場価格が発電事業者コールオプションを越えると、発電事業者はコールオプションを行使して(ステップP6)、仲介業者から燃料を購入することになる。つまり、発電事業者コンピュータ21はネットワーク25上で常に燃料の市場価格を監視して、市場価格>発電事業者コールオプション価格となると、仲介事業者コンピュータ22に対してIDコードとともに発電事業者コールオプションを行使する旨を送信する(ステップP7)。
【0046】
これによって、仲介業者コンピュータ22では、燃料会社コンピュータ23に対して仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達し、当該仲介事業者コールオプションに係る燃料量及び価格で発電事業者コールオプションを行使した発電事業者に燃料を納入することを伝える(ステップP8)。そして、燃料会社から発電事業者コールオプションを行使した発電事業者に燃料が納入される(ステップP9)。
【0047】
このようにして、発電事業者、仲介会社、及び燃料会社の三者でコールオプションの購入を行うことによって、発電事業者及び仲介御者ともに燃料購入に係るリスクをヘッジして、燃料の安定調達が行えることになる。
【0048】
ところで、複数の発電事業者が互いに異なる種類の燃料(例えば、天然ガス、重油等)を使用する発電設備を有している際には、各発電事業者は使用する燃料の価格が変動すると、他の燃料を使用できない関係上、燃料価格変動というリスクに晒されることになる。一方、仲介業者は複数の発電事業者に対してコールオプションを販売している関係上、燃料会社から燃料を一括購入する際、各燃料種における価格変動を平滑化することができることになる。つまり、各発電事業者にとっては使用する燃料価格変動を抑えることができることになる。
【0049】
図6を参照して、本発明によるリスク管理支援システムの第3の例について説明する。いま、発電事業者(例えば、新規参入事業者)は、互いに異なる種類の燃料を使用する発電設備を有しているものとする。つまり、発電事業者は互いに異なる燃料種(例えば、天然ガス、重油等)を使用する第1〜第Mの発電設備31−1〜31−M(Mは2以上の整数)を有しているものとし、第1〜第Mの発電設備31−1〜31−Mはそれぞれ第1〜第Mの燃料種V1〜VMを使用するものとする。
【0050】
発電設備(以下単に機器と呼ぶ)31−1〜31−Mにはコンピュータシステムである制御装置32が接続されており、この制御装置32によって、後述するようにして、機器31−1〜31−Mが運用制御される。さらに、制御装置32には、ネットワーク等を介して各燃料種の価格(燃焼種価格情報)が入力される。図示のように、制御装置32は、発電コスト比較部32a及び機器駆動制御部32bを有している。
【0051】
ここで、図7も参照して、発電コスト比較部32aでは、燃料種価格情報に応じて、各燃料種毎の発電コストを求める(ステップT1)。つまり、発電コスト比較部32aでは、第1〜第Mの燃料種V1〜VM毎に、燃料種価格情報に応じてその発電コストC1〜CMを求めて、発電コストの最も安い順に並べて、発電コスト情報として機器制御部32bに与える(ステップT2)。
【0052】
機器制御部32bでは、発電コスト情報に応じて最も発電コストが安い機器(以下第1の発電コスト機器と呼ぶ)を選定して(ステップT3:機器制御部32aには、予め燃料種と機器の関係を示す情報が設定されている)、現在の発電要求量WRが第1の発電コスト機器の最大発電量W1以下であるか否かを調べる(ステップT4)。この結果、WR≦W1であれば、機器制御部32bは第1の発電コスト機器のみを駆動制御して、第1の発電コスト機器を100%運用することになる(ステップT5)。
【0053】
一方、WR>W1であると、機器制御部32bでは、発電コスト情報に応じて次に発電コストが安い機器(以下第2の発電コスト機器と呼ぶ)を選定して(ステップT6)、第2の発電コスト機器の最大発電量W2が(WR−W1)以上であるか否かを調べる(ステップT7)。そして、(WR−W1)≦W2であれば、機器制御部32bは第2の発電コスト機器も駆動制御して、第1及び第2の発電コスト機器を組み合わせて運用することになる(ステップT8)。
【0054】
WR=D,W1=f(x),W2=g(y)とすると(f(x)及びg(x)は関数であり、0から100%まで変化し、xは第1の発電コスト機器で使用される燃料種の使用量、xは第2の発電コスト機器で使用される燃料種の使用量を表す)、D=f(x)+g(x)で表される。
【0055】
第1の発電コスト機器で使用される燃料種の単位量当たりのコストをa、第2の発電コスト機器で使用される燃料種の単位量当たりのコストをbとすると、C(発電コスト)=a×x+b×yとなり、機器制御部32bでは、組み合わせ運用の際には、Dを満足して、Cが最小となる燃料使用量x,yの組み合わせを最適化演算手法によって算出することになる。そして、最適化手法によって得られた結果に応じた割合で第1及び第2の発電コスト機器を運用することになる。
【0056】
一方、(WR−W1)>W2であると、機器駆動制御部32bでは、他に機器(発電設備)が存在するか否かを調べて(ステップT9)、他に機器があれば、前述したようにして、当該他の機器のうち最も発電コストの安い機器を選定して、この選定機器の最大発電量と(WR−W1−W2)とを比較した結果に応じて当該選定機器を運用することになる(ステップT10)。そして、機器駆動制御部32bでは、発電要求量が満されたか否かを判定して(ステップT11)、発電要求量が満たされていないとないと、ステップT9に戻り、最終的に、最大発電コストの機器まで使用することになる。
【0057】
最大発電コストの機器まで使用しても、発電要求量が満たされないと(つまり、発電要求量が満たされない状態で、他に機器が存在しないと)、機器駆動制御部32bは通信制御装置33を介してネットワーク経由でその旨売電を行う電力会社等に連絡することになる(ステップT12)。
【0058】
なお、上述の説明では、発電事業者毎に制御装置32を備えて運用制御を行う例について説明したが、販売会社に運用制御システム(図示せず)を備えて、各発電事業者毎に発電要求量をネットワーク経由で入手して、運用制御システムが上述したようにして、各発電事業者毎に運用すべき機器を選択して、各発電事業者に運用情報として与えるようにしてもよい。この際には、各発電事業者では運用情報に基づいて各機器を運用することになる。
【0059】
本発明によるリスク管理支援システムの第4の例について説明する。この例では、発電設備をリース又は販売した際、当該発電設備について保守診断を受ける権利(保守診断コールオプション)を販売する。つまり、発電設備に保守診断コールオプションを付加して発電設備をリース又は販売する。この際、保守診断コールオプションは、通常の価格よりもディスカウントされる。そして、発電事業者は、当該保守診断コールオプションで規定される時期に保守診断コールオプションを行使して、保守診断を受けることになる。
【0060】
販売会社では、保守診断コールオプションの価格について、当該発電設備毎にその価格を設定することになる。つまり、発電設備の構成機器及び設置場所等に基づいて規定される故障確率に応じて保守診断コールオプションの価格を決定いることになる。
【0061】
図8を参照して、販売会社には、図示の保守診断最適化システムが備えられており、このシステムは、入力装置41、表示装置42、中央演算装置(CPU)43、部品(機器)履歴データベース44、損傷(故障)確率密度関数データベース45、及びコストデータベース46が備えられている。
【0062】
機器履歴データベース44には、発電設備を構成する機器毎の使用開始年月日が記憶されており、故障確率密度関数データベース45には、発電設備を構成する機器ついて、当該機器が故障する故障時間の確率分布を示す故障確率密度関数が使用条件(設置環境等)を考慮して記憶されている。コストデータベース46には、発電設備を構成する機器毎に、当該機器の取り替えに必要な取り替えコスト、当該機器の検査に必要な検査コスト、当該機器が故障した際に生じる被害コストが記憶されている。
【0063】
ここで、保守診断とは、発電設備の保守診断を行って、保守診断結果に応じて当該機器を取り替えるかそのまま使用を継続するかを決定するものであり、保守診断コールオプションは、この保守診断費用に係る価格を所定の割引率で割り引いた価格に設定される。
【0064】
まず、CPU43では、発電設備の機器の保守診断を行わずに、機器を取り替える際の非診断コスト期待値CNT1は、機器を取り替えた際に、発電設備の廃却までに故障する故障発生確率をP01とすると、下記の数1によって算出される。
【0065】
【数1】
CNT1=(a0+c0)・P01+a0・(1−P01)
【0066】
ここで、a0は機器を取り替えるために必要な費用(コスト)であり、c0は取り替えた機器が故障した際に生じる故障コストであり、a0及びc0はいずれもコストデータベース46に格納されている。故障発生確率P01は、当該機器が故障する確率の故障確率密度関数p(t)と、発電設備を廃却する廃却年月日texとを用いて求められる。
【0067】
廃却年月日texは、例えば、オペレータによって入力装置41から与えられるパラメータであり、CPU43はこのパラメータに基づいて故障確率密度関数データベース45をアクセスして、故障確率密度関数p(t)を取得する。
【0068】
一方、機器を検査することなく、そのまま使用を継続した際の非検査放置コスト期待値CNT2は、発電設備の廃却までに故障する故障発生確率をP02とすると、下記の数2によって算出される。
【0069】
【数2】
CNT2=c1・P02
【0070】
ここで、c1は、機器が継続して使用された際に当該機器が故障したときに生じる故障コストであり、コストデータベース46に格納されている。故障発生確率P02は、当該機器が故障する確率の故障確率密度関数p(t)、継続使用される当該機器の使用期間T、及び発電設備を廃却する廃却年月日texに基づいて算出される。使用期間Tは、機器履歴データベース44に格納された当該機器の使用開始年月日に応じて求められる。
【0071】
このようにして、非診断コスト期待値CNT1及び非検査放置コスト期待値CNT2を求めた後、CPU43では、保守診断コールオプション価格の設定を行う。つまり、当該保守診断コールオプションを行使すれば、保守診断結果に応じて当該機器を取り替えるかそのまま使用を継続するかを決定することができ、保守診断結果には、当該機器が後どのくらい使用できるか否かの情報が含まれている。(保守診断コールオプションの価格+保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用)<CNT1,CNT2に設定すればよい。
【0072】
保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用は、機器毎の故障確率密度関数に応じて、使用期間Tによって変化するから、故障確率密度関数p(t)、使用期間T、機器の取り替えに必要な取り替えコストから求められることになる。このようにして、保守診断コールオプション価格を設定した後、その価格を表示装置42に表示する。
【0073】
コールオプション価格を設定する際には、下記の事項が考慮される。いま、発電設備の耐用年数をA1とすると、(A1/2)年後に保守診断を行うことが基準であるとされる。
【0074】
一般に、使用年数が経過するに伴って、機器が故障する確率が高くなるから、つまり、機器を取り替える確率が高くなるから、基準である(A1/2)よりも後(A1/2を含む)で保守診断コールオプションを行使する契約の際には、前述の(保守診断コールオプションの価格+保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用)<CNT1,CNT2に応じて保守診断コールオプションの価格設定を行う。
【0075】
一方、基準である(A1/2)よりも前で保守診断コールオプションを行使する契約の際には、前述の(保守診断コールオプションの価格+保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用)<CNT1,CNT2で得られる価格からさらに割り引くようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入して、発電設備から売電された電力量をカウントし、電力量が予め規定された電力量を越えた際、電力量と予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定して、発電設備を納入した事業者に支払い料の支払いを決定するようにしたので、発電事業者は、初期投資を低減することができ、しかも、納入事業者は、納入価格等をディスカウントしても売電量に応じた支払いを受けることができ、発電事業に係るリスクをヘッジできるという効果がある。
【0077】
さらに、電力量が予め規定された電力量以下であると、予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにして、保険金を発電設備を納入した事業者に支払うようにしてので、納入業者にとっては売電量にかかわらずリスクをヘッジできるという効果がある。
【0078】
本発明では、発電事業者がコールオプションを購入すると、仲介業者はコールオプションで示される燃料量に応じた燃料を購入する仲介業者コールオプションとして燃料事業者に購入要求して、燃料の市場価格に応じて発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定し、発電事業者コールオプションの行使があると、仲介事業者は燃料事業者に仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達するようにしたから、発電事業者及び仲介業者ともに燃料価格変動におけるリスクをヘッジできるという効果がある。
【0079】
本発明では、発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられている際、発電要求量と燃料毎の価格とに応じて、複数の発電設備を選択的に運用制御するようにしたから、発電設備を効率的にしかも最もコストを最小とするように運用でき、その結果、複数の発電設備を有する発電事業者のリスクヘッジを行うことができるという効果がある。
【0080】
本発明では、発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入する際に、発電設備の詳細な保守診断を行う権利を保守診断コールオプションとして付加して販売して、この際、保守診断コールオプションが行使される時期と少なくとも発電設備の設置環境、発電設備を構成する機器毎の故障発生確率を示す故障発生確率密度数、及び機器取替えコストとに基づいて保守診断コールオプションを決定するようにしたから、発電事業者は故障によるリスクを低減でき、納入業者は発電設備に付加価値を付与することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第1の例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す発電事業リスク管理支援システムで用いられる売電量−付加支払い料データの一例を示す図である。
【図3】図1に示す発電事業リスク管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第2の例を示すブロック図である。
【図5】図4に示す発電事業リスク管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第3の例を示すブロック図である。
【図7】図6に示す発電事業リスク管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第4の例である保守診断最適化システムの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 端末装置
11a 売電量積算部
11b 付加支払い料算出部
11c 記憶部
11d 通信制御部
12 ネットワーク
13,14 コンピュータシステム
15 発電設備
16 商用電力網
17 電力量計測装置
【発明の属する技術分野】
本発明は発電事業のリスクを管理するためのシステムに関し、特に、発電設備をリース又は買い受けて発電事業を行う事業者のリスクを管理支援するためのリスク管理支援システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力自由化に伴って、独立系発電事業者(卸発電事業者:IPP)及び自家発電設備を有する事業者が発電(売電)事業に新規参入する機会が増加しているものの、このような新規発電事業は、電力会社に比べて発電事業に関するノウハウを有しておらず、しかも発電事業に係る設備投資(初期投資)は膨大であることを考慮すると、新規発電事業者が、既存の電力会社等と契約して、発電事業を行おうとしても、初期投資に見合った売電を行うことができるか否か定かではなく、新規発電事業者にとって新規参入のリスクが大きい。
【0003】
ところが、新規発電事業参入者にとって、発電事業に係るリスクを管理して、初期投資に見合った売電を行うことは困難であり、この結果、発電事業に新規参入することを躊躇してしまうことが多い。
【0004】
一方、発電設備をリース又は販売する会社(以下単に販売会社という)にとっても、新規発電事業者に発電設備をリース又は販売する際に、新規発電事業者のリスクを管理する手法を有しておらず、発電設備のリース又は販売を効果的に行うことが難しい。
【0005】
さらに、新規発電事業者等は発電に使用する燃料価格(発電用燃料、例えば、原油)変動に対しても、電力事業者のようにそのリスクを管理して回避することが難しく、この点においても、新規発電事業者が発電事業に新規参入することを躊躇してしまうことになる。
【0006】
ところで、エネルギー供給者における補償料発生リスク、供給不能リスクの低減、及び顧客におけるエネルギーコストの低減を可能とするエネルギー供給システムが知られている。ここでは、エネルギー供給網を介して、仲介者と、複数のエネルギー供給者と、複数の顧客との間でエネルギーを供給する際、所定の時期における顧客の実使用量と契約量とにずれが生じると、仲介者は、ずれに対する補償料支払いを、顧客全体で総計し、全体として補償料を最適化し、各顧客の補償料を算出することが行われており、これによって、補償料発生リスク等を低減するようにしている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−44868公報(段落(0030)〜(0037)他、第3図他)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されたエネルギー供給システムでは、複数のエネルギー供給者間で補償料発生リスクを分担しているだけであって、新規発電事業者にとって新規参入の際の初期投資等に係るリスクを管理することはできないという課題がある。
【0009】
さらに、前述のように、特許文献1では、燃料価格変動に対してリスク管理を行うことが難しいという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、新規発電事業者のリスクを評価して、リスク管理を適切に支援することのできる発電事業リスク管理支援システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、前記発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入されており、前記発電設備から売電された電力量をカウントするカウント手段と、前記電力量が予め規定された電力量を越えた際、前記電力量と前記予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定し、前記発電設備を納入した事業者に前記支払い料の支払いを決定する支払い料算定手段とを有し、前記電力量が前記予め規定された電力量以下であると前記支払い料算定手段は予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにしたことを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。
【0012】
このようにして、発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入して、発電設備から売電された電力量をカウントし、電力量が予め規定された電力量を越えた際、電力量と予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定して、発電設備を納入した事業者に支払い料の支払いを決定するようにすれば、発電事業者は、初期投資を低減することができ、しかも、納入事業者は、納入価格等をディスカウントしても売電量に応じた支払いを受けることができ、発電事業に係るリスクをヘッジできることになり、しかも、電力量が予め規定された電力量以下であると、予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにして、保険金を発電設備を納入した事業者に支払うようにしてので、納入業者にとっては売電量にかかわらずリスクをヘッジできることになる。
【0013】
例えば、前記保険契約は前記発電設備を納入した事業者と前記保険事業者との間で締結されており、前記保険金は前記発電設備を納入した事業者に支払われる。また、前記電力量が前記予め規定された電力量を越えた際、前記支払い料算定手段は、前記電力量と前記予め規定された電力量との差に応じて前記支払い料の料率を変化させて前記支払い料を決定するようにしてもよい。
【0014】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、前記発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入した事業者に備えられた仲介業者コンピュータを有し、該仲介業者コンピュータは前記前記発電事業を行う発電事業者に備えられた発電事業者コンピュータと燃料を販売する燃料事業者に備えられた燃料事業者コンピュータとにネットワークを介して接続され、前記仲介業者コンピュータでは前記発電設備で使用する燃料を所定の価格で購入する権利を発電事業者コールオプションとして販売しており、前記発電事業者コンピュータから前記コールオプションの購入があると、前記仲介業者コンピュータは予め締結された燃料供給契約に応じた価格で前記コールオプションで示される燃料量に応じた燃料を購入する権利を仲介業者コールオプションとして前記燃料事業者コンピュータに購入要求しており、前記発電事業者コンピュータは前記燃料の市場価格に応じて前記発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定して、該発電事業者コールオプションの行使があると、前記仲介事業者コンピュータは燃料会社コンピュータに仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達するようにしたことを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。このようにすれば、発電事業者及び仲介業者ともに燃料価格変動におけるリスクをヘッジできる。
【0015】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられており、発電要求量と前記燃料毎の価格とに応じて前記複数の発電設備を選択的に運用制御する運用制御装置をすることを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。
【0016】
このようにして、発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられている際、発電要求量と燃料毎の価格とに応じて、複数の発電設備を選択的に運用制御するようにしたから、発電設備を効率的にしかも最もコストを最小とするように運用でき、その結果、複数の発電設備を有する発電事業者のリスクヘッジを行うことができる。
【0017】
例えば、前記運用制御装置は、前記燃料毎に発電コストを算出する発電コスト算出手段と、前記発電コストの安い順に前記複数の発電設備から順次発電設備を選択して、該選択された選択発電設備に係る最大発電量が要求発電量以上であるか否かを判定し、前記選択された発電設備に係る最大発電量が前記要求発電量以上であると前記選択された発電設備の全てを運用するように指示する運用手段とを有しており、さらに、前記運用手段は、複数の選択された発電設備を運用指示する際には、前記要求発電量を満足し、前記選択された発電設備毎にその使用される燃料の量と当該燃料毎の単価とに基づいて求められる発電設備毎の燃料コストの合計が最小となるように前記選択された発電設備の発電量を規定する。
【0018】
本発明によれば、発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、前記発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入する際に前記発電設備の詳細な保守診断を行う権利を保守診断コールオプションとして付加して販売しており、前記保守診断コールオプションが行使される時期と少なくとも前記発電設備の設置環境、前記発電設備を構成する機器毎の故障発生確率を示す故障発生確率密度数、及び機器取替えコストとに基づいて前記保守診断コールオプション価格を決定するコンピュータを有することを特徴とする発電事業リスク管理支援システムが得られる。このようにすれば、発電事業者は故障によるリスクを低減でき、納入業者は発電設備に付加価値を付与することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0020】
まず、図1を参照して、本発明によるリスク管理支援システムの第1の例について説明する。図示のリスク管理支援システムは、発電事業者端末装置(以下単に端末装置と呼ぶ)11を備えており、この端末装置11は、ネットワーク(例えば、インターネット)12を介して販売会社コンピュータシステム(サーバー)13及び保険会社コンピュータシステム14に接続される。
【0021】
販売会社は、発電事業を行おうとする事業者(以下新規参入事業者と呼ぶ)に対して、発電設備15をリース又は販売することになるが、この際、販売会社は新規事業者に対して種々のメニューを提示することになる。例えば、発電設備の販売に当たっては、販売価格を通常の価格よりも安くして(所謂ディスカウント販売)、新規参入事業者の初期投資を軽減するとともに、事業実績(例えば、売電量)に応じて販売会社に支払う金額(出来高払い料)を決定する。このディスカウント販売による価格は、出来高支払い料にリンクしており、ディスカウント販売価格が高ければ(つまり、割引率が低ければ)、出来高支払い料は低く設定される。
【0022】
さらに、出来高支払い料は、例えば、売電量に応じて変化し、予め規定された売電量以下の際には、出来高払い料はゼロとされ、後述するように、予め規定された売電量を越えると、売電量に応じて出来高支払い量が変化するようにしてなっている。
【0023】
このようにして、ディスカウント販売価格と出来高払い量とのペアが種々設定されて、メニューとして新規参入事業者に提示されることになる。なお、リース契約においても、ディスカウント販売と同様にして、基本リース料及び出来高リース料が設定されることになる(つまり、ディスカウント販売価格が基本リース料、出来高支払い料が出来高リース料に対応することになる)。
【0024】
以下の説明では、ディスカウント販売価格及び基本リース料を総称して基本料、出来高支払い料及び出来高リース料を総称して付加支払い料と呼ぶことにする)。
【0025】
上述してメニューから新規参入事業者が一つのメニューを選択すると、当該選択メニューに応じた契約が結ばれて、販売会社は発電設備を新規参入事業者に販売又はリースして、当該発電設備の据え付け工事等を行うことになる。この際、電力会社と新規参入事業者との間で所謂売電契約が結ばれて、新規参入事業者の発電設備が電力会社の配電網(以下商用電力網と呼ぶ)に接続されることになる。
【0026】
発電設備15と商用電力網16との接続点Pには、当該接続点Pにおける電力量を計測するための電力量計測装置17が接続される。つまり、電力量計測装置17によって売電量が計測される。さらに、発電設備15に付随して前述の端末装置11が新規参入事業者に配置され、電力量計測装置17で計測された売電量は端末装置11に与えられる。
【0027】
一方、販売会社は保険会社と保険契約を結んで、予め定められた額の付加支払い料が得られない場合には、予め定められた額の付加支払い料と実際の付加支払い料との差額を保険金として支払旨を約定する。そして、販売会社に当該保険契約に対する保険料を支払うことになる。例えば、付加支払い料がゼロである(実際の付加支払い料に相当する)際にのみ、予め定められた付加支払い料に相当する保険金を支払う旨約定される。
【0028】
ここで、図2及び図3も参照して、端末装置11には、売電量積算部11a、付加支払い料算出部11b、記憶部11c、及び通信制御部11dを有しており、記憶部11cには、新規参入事業者と販売会社との間で締結された契約に基づく売電量と付加支払い料との関係を規定する売電量−付加支払い料データが格納されている。例えば、図2に示すように、縦軸に売電量(所定期間(例えば、一日、一週間、又は一ヵ月)の売電積算量)と付加支払い料率との関係を示すグラフFが売電量−付加支払い料データとして格納されている。
【0029】
図示の例では、前述のように、電力量計測装置17で計測された売電量(計測売電量)は端末装置11に与えられており(ステップS1)、売電量積算部11aでは、所定期間毎の売電量(トータル売電量)を求める(ステップS2)。つまり、売電量積算部11aでは、計測売電量を所定の期間積算してトータル売電量を求める。そして、このトータル売電量は付加支払い料算出部11bに与えられる。
【0030】
図2においては、予め規定された売電量(第1の売電量)Q1が設定されており、この第1の売電量Q1は、新規参入事業者が発電によって収益を得られる分岐点に相当する(つまり、損益分岐点に対応する)。そして、第1の売電量Q1以下であると付加支払い料率は0%に設定されている。
【0031】
一方、第1の売電料Q1から第2の売電量Q2までは、付加支払い料率は、例えば、10%に設定されており、第2の売電料Q2から第3の売電量Q3までは、付加支払い料率は、例えば、15%に設定され、第3の売電料Q3から第4の売電量Q4までは、付加支払い料率は、例えば、20%に設定されている。つまり、第1の売電量Q1から第N(Nは2以上の整数)の売電量において、第(n−1)の売電量Q(n−1)と第nの売電量Qn(nは2からNまでのいずれかの整数)の区間R(n−1)において、Nが増加するについて、付加支払い料率U(n−1)が増加するように、売電量−付加支払い料データが規定されていることになる。
【0032】
付加支払い料算出部11bでは、記憶部11cから売電量−付加支払い料データを読みだして、売電量−付加支払い料データに応じてトータル売電量TQが第1の売電量Q1以下であるか否かを判定する(ステップS3)。トータル売電量TQ≦第1の売電量Q1であると、付加支払い料率は0%となり(ステップS4)、付加支払い料がゼロとなる。
【0033】
一方、トータル売電量>第1の売電量Q1であると、付加支払い料算出部11bでは、トータル売電量に対応する付加支払い料率を求める(ステップS5)。そして、このようにして求められた付加支払い料率に応じて付加支払い料を求める(ステップS6)。例えば、付加支払い料算出部11bでは、(トータル売電量−第1の売電量)=差売電量を求めて、この差売電量に単価(例えば、1kw/時当たりの単価)を乗算した後、前述のように得られた付加支払い料率を乗算して、付加支払い料を求めることになる。
【0034】
付加支払い料算出部11bでは、付加支払い料がゼロであると、その旨(付加支払い料ゼロ通知)通信制御部11dを介して保険会社コンピュータシステム14に送る(ステップS7)。保険会社コンピュータシステム14では、付加支払い料ゼロ通知を受けると、前述の約定で定められた保険金を支払う処理を実行することになる(ステップS8)。例えば、図示はされていないが、銀行のコンピュータシステムに対して支払い通知を行い、当該銀行から販売会社の口座に振込が行われることになる。
【0035】
なお、保険会社コンピュータシステム14から販売会社コンピュータシステム13に対して保険金が支払われる旨の通知を行うようにしてもよい。
【0036】
一方、付加支払い料が支払われる際には、付加支払い料算出部11bでは、付加支払い料の支払い通知を販売会社コンピュータシステム13に通知する(ステップS9)。なお、この支払い通知には付加支払い料(額)が含まれている。販売会社コンピュータシステム13では、支払い通知を受けると、新規参入事業者に対して請求を行うことになる。
【0037】
このようにして、新規参入事業者は低価格で発電設備をリース又は買い受けることができ、しかもリース契約等で定められた売電量に応じて付加支払い料を支払えばよいから、発電事業に新規参入する際の初期投資を低減することができるばかりでなく、リスクを低減することができることになる。
【0038】
一方、販売会社においても、売電量に応じた付加支払い料を得ることができるから、低価格で発電設備をリース又は販売しても、損失を被ることが少なく、しかも売電量に応じた付加支払い料が得られない場合には、保険契約に応じた保険金を得ることができ、リスクを低減できることになる。
【0039】
以上のように、上述の例によれば、新規参入事業者及び販売会社ともにリスクヘッジを行うことができるという効果がある。
【0040】
なお、上述の例では、端末装置12が支払い料を決定するようにしたが、販売会社コンピュータシステム13がトータル売電量を受けて、このトータル売電量に応じて、前述のようにして、付加支払い料を決定するようにしてもよい。この際には、付加支払い料がゼロであると、その旨(付加支払い料ゼロ通知)が販売会社コンピュータシステム13から保険会社コンピュータシステム14に通知されることになる。また、販売会社コンピュータシステム13が売電量を受けてトータル売電量を算出するようにしてもよい。
【0041】
次に、本発明によるリスク管理支援システムの第2の例について説明する。図4を参照して、図示の例は、発電事業者が燃料価格変動によるリスクのヘッジを管理支援する際に用いられるシステムであり、発電事業者コンピュータ21、仲介業者コンピュータ22、及び燃料会社コンピュータ23が相互にネットワーク(例えば、インターネット)24で接続されている(なお、図示の例では、発電事業者コンピュータ21は一台のみ示されているが、実際には複数存在するものとする)。
【0042】
例えば、仲介業者コンピュータ22はインターネット24上にホームページを掲載しており、このホームページでは、燃料を所定の価格で購入する権利(所謂コールオプション)の販売が行われている。前述のように、新規参入事業者である発電事業者は仲介業者である販売会社(発電設備販売会社)から発電設備をリース又は買い受けた際、予めIDコードを付与されており、発電事業コンピュータ21ではIDコードを用いて前述のホームページ上からコールオプションを購入することができる。
【0043】
ここで、図5も参照して、発電事業者(例えば、新規参入事業者)がコールオプションを購入する際には、IDコードを用いてホームページからコールオプション購入画面をアクセスする(ステップP1)。そして、発電事業者はコールオプション購入画面から燃料の価格及び量で規定されたコールオプション(以下発電事業者コールオプションと呼ぶ)を購入する(ステップP2)。
【0044】
一方、中間業者は燃料会社と燃料を一括購入する契約(権利:一括購入契約)を締結しており、発電事業者がコールオプションを購入都度、仲介業者は燃料会社に対して、コールオプション毎に当該コールオプションで示される燃料量に応じた燃料(権利)を購入する(ステップP3:この権利もコールオプション(以下仲介業者コールオプションと呼ぶ)である)。これらコールオプションはネットワーク上で行われ、仲介事業者コールオプションは、一括購入であるため、発電事業者コールオプションよりも低価格である。
【0045】
上述のようにして、コールオプションを購入した後、発電事業は燃料の市場価格を参照して、発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定することになる。例えば、市場価格が発電事業者コールオプション以下であれば(ステップP4)、市場から燃料を調達することになる(ステップP5)が、市場価格が発電事業者コールオプションを越えると、発電事業者はコールオプションを行使して(ステップP6)、仲介業者から燃料を購入することになる。つまり、発電事業者コンピュータ21はネットワーク25上で常に燃料の市場価格を監視して、市場価格>発電事業者コールオプション価格となると、仲介事業者コンピュータ22に対してIDコードとともに発電事業者コールオプションを行使する旨を送信する(ステップP7)。
【0046】
これによって、仲介業者コンピュータ22では、燃料会社コンピュータ23に対して仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達し、当該仲介事業者コールオプションに係る燃料量及び価格で発電事業者コールオプションを行使した発電事業者に燃料を納入することを伝える(ステップP8)。そして、燃料会社から発電事業者コールオプションを行使した発電事業者に燃料が納入される(ステップP9)。
【0047】
このようにして、発電事業者、仲介会社、及び燃料会社の三者でコールオプションの購入を行うことによって、発電事業者及び仲介御者ともに燃料購入に係るリスクをヘッジして、燃料の安定調達が行えることになる。
【0048】
ところで、複数の発電事業者が互いに異なる種類の燃料(例えば、天然ガス、重油等)を使用する発電設備を有している際には、各発電事業者は使用する燃料の価格が変動すると、他の燃料を使用できない関係上、燃料価格変動というリスクに晒されることになる。一方、仲介業者は複数の発電事業者に対してコールオプションを販売している関係上、燃料会社から燃料を一括購入する際、各燃料種における価格変動を平滑化することができることになる。つまり、各発電事業者にとっては使用する燃料価格変動を抑えることができることになる。
【0049】
図6を参照して、本発明によるリスク管理支援システムの第3の例について説明する。いま、発電事業者(例えば、新規参入事業者)は、互いに異なる種類の燃料を使用する発電設備を有しているものとする。つまり、発電事業者は互いに異なる燃料種(例えば、天然ガス、重油等)を使用する第1〜第Mの発電設備31−1〜31−M(Mは2以上の整数)を有しているものとし、第1〜第Mの発電設備31−1〜31−Mはそれぞれ第1〜第Mの燃料種V1〜VMを使用するものとする。
【0050】
発電設備(以下単に機器と呼ぶ)31−1〜31−Mにはコンピュータシステムである制御装置32が接続されており、この制御装置32によって、後述するようにして、機器31−1〜31−Mが運用制御される。さらに、制御装置32には、ネットワーク等を介して各燃料種の価格(燃焼種価格情報)が入力される。図示のように、制御装置32は、発電コスト比較部32a及び機器駆動制御部32bを有している。
【0051】
ここで、図7も参照して、発電コスト比較部32aでは、燃料種価格情報に応じて、各燃料種毎の発電コストを求める(ステップT1)。つまり、発電コスト比較部32aでは、第1〜第Mの燃料種V1〜VM毎に、燃料種価格情報に応じてその発電コストC1〜CMを求めて、発電コストの最も安い順に並べて、発電コスト情報として機器制御部32bに与える(ステップT2)。
【0052】
機器制御部32bでは、発電コスト情報に応じて最も発電コストが安い機器(以下第1の発電コスト機器と呼ぶ)を選定して(ステップT3:機器制御部32aには、予め燃料種と機器の関係を示す情報が設定されている)、現在の発電要求量WRが第1の発電コスト機器の最大発電量W1以下であるか否かを調べる(ステップT4)。この結果、WR≦W1であれば、機器制御部32bは第1の発電コスト機器のみを駆動制御して、第1の発電コスト機器を100%運用することになる(ステップT5)。
【0053】
一方、WR>W1であると、機器制御部32bでは、発電コスト情報に応じて次に発電コストが安い機器(以下第2の発電コスト機器と呼ぶ)を選定して(ステップT6)、第2の発電コスト機器の最大発電量W2が(WR−W1)以上であるか否かを調べる(ステップT7)。そして、(WR−W1)≦W2であれば、機器制御部32bは第2の発電コスト機器も駆動制御して、第1及び第2の発電コスト機器を組み合わせて運用することになる(ステップT8)。
【0054】
WR=D,W1=f(x),W2=g(y)とすると(f(x)及びg(x)は関数であり、0から100%まで変化し、xは第1の発電コスト機器で使用される燃料種の使用量、xは第2の発電コスト機器で使用される燃料種の使用量を表す)、D=f(x)+g(x)で表される。
【0055】
第1の発電コスト機器で使用される燃料種の単位量当たりのコストをa、第2の発電コスト機器で使用される燃料種の単位量当たりのコストをbとすると、C(発電コスト)=a×x+b×yとなり、機器制御部32bでは、組み合わせ運用の際には、Dを満足して、Cが最小となる燃料使用量x,yの組み合わせを最適化演算手法によって算出することになる。そして、最適化手法によって得られた結果に応じた割合で第1及び第2の発電コスト機器を運用することになる。
【0056】
一方、(WR−W1)>W2であると、機器駆動制御部32bでは、他に機器(発電設備)が存在するか否かを調べて(ステップT9)、他に機器があれば、前述したようにして、当該他の機器のうち最も発電コストの安い機器を選定して、この選定機器の最大発電量と(WR−W1−W2)とを比較した結果に応じて当該選定機器を運用することになる(ステップT10)。そして、機器駆動制御部32bでは、発電要求量が満されたか否かを判定して(ステップT11)、発電要求量が満たされていないとないと、ステップT9に戻り、最終的に、最大発電コストの機器まで使用することになる。
【0057】
最大発電コストの機器まで使用しても、発電要求量が満たされないと(つまり、発電要求量が満たされない状態で、他に機器が存在しないと)、機器駆動制御部32bは通信制御装置33を介してネットワーク経由でその旨売電を行う電力会社等に連絡することになる(ステップT12)。
【0058】
なお、上述の説明では、発電事業者毎に制御装置32を備えて運用制御を行う例について説明したが、販売会社に運用制御システム(図示せず)を備えて、各発電事業者毎に発電要求量をネットワーク経由で入手して、運用制御システムが上述したようにして、各発電事業者毎に運用すべき機器を選択して、各発電事業者に運用情報として与えるようにしてもよい。この際には、各発電事業者では運用情報に基づいて各機器を運用することになる。
【0059】
本発明によるリスク管理支援システムの第4の例について説明する。この例では、発電設備をリース又は販売した際、当該発電設備について保守診断を受ける権利(保守診断コールオプション)を販売する。つまり、発電設備に保守診断コールオプションを付加して発電設備をリース又は販売する。この際、保守診断コールオプションは、通常の価格よりもディスカウントされる。そして、発電事業者は、当該保守診断コールオプションで規定される時期に保守診断コールオプションを行使して、保守診断を受けることになる。
【0060】
販売会社では、保守診断コールオプションの価格について、当該発電設備毎にその価格を設定することになる。つまり、発電設備の構成機器及び設置場所等に基づいて規定される故障確率に応じて保守診断コールオプションの価格を決定いることになる。
【0061】
図8を参照して、販売会社には、図示の保守診断最適化システムが備えられており、このシステムは、入力装置41、表示装置42、中央演算装置(CPU)43、部品(機器)履歴データベース44、損傷(故障)確率密度関数データベース45、及びコストデータベース46が備えられている。
【0062】
機器履歴データベース44には、発電設備を構成する機器毎の使用開始年月日が記憶されており、故障確率密度関数データベース45には、発電設備を構成する機器ついて、当該機器が故障する故障時間の確率分布を示す故障確率密度関数が使用条件(設置環境等)を考慮して記憶されている。コストデータベース46には、発電設備を構成する機器毎に、当該機器の取り替えに必要な取り替えコスト、当該機器の検査に必要な検査コスト、当該機器が故障した際に生じる被害コストが記憶されている。
【0063】
ここで、保守診断とは、発電設備の保守診断を行って、保守診断結果に応じて当該機器を取り替えるかそのまま使用を継続するかを決定するものであり、保守診断コールオプションは、この保守診断費用に係る価格を所定の割引率で割り引いた価格に設定される。
【0064】
まず、CPU43では、発電設備の機器の保守診断を行わずに、機器を取り替える際の非診断コスト期待値CNT1は、機器を取り替えた際に、発電設備の廃却までに故障する故障発生確率をP01とすると、下記の数1によって算出される。
【0065】
【数1】
CNT1=(a0+c0)・P01+a0・(1−P01)
【0066】
ここで、a0は機器を取り替えるために必要な費用(コスト)であり、c0は取り替えた機器が故障した際に生じる故障コストであり、a0及びc0はいずれもコストデータベース46に格納されている。故障発生確率P01は、当該機器が故障する確率の故障確率密度関数p(t)と、発電設備を廃却する廃却年月日texとを用いて求められる。
【0067】
廃却年月日texは、例えば、オペレータによって入力装置41から与えられるパラメータであり、CPU43はこのパラメータに基づいて故障確率密度関数データベース45をアクセスして、故障確率密度関数p(t)を取得する。
【0068】
一方、機器を検査することなく、そのまま使用を継続した際の非検査放置コスト期待値CNT2は、発電設備の廃却までに故障する故障発生確率をP02とすると、下記の数2によって算出される。
【0069】
【数2】
CNT2=c1・P02
【0070】
ここで、c1は、機器が継続して使用された際に当該機器が故障したときに生じる故障コストであり、コストデータベース46に格納されている。故障発生確率P02は、当該機器が故障する確率の故障確率密度関数p(t)、継続使用される当該機器の使用期間T、及び発電設備を廃却する廃却年月日texに基づいて算出される。使用期間Tは、機器履歴データベース44に格納された当該機器の使用開始年月日に応じて求められる。
【0071】
このようにして、非診断コスト期待値CNT1及び非検査放置コスト期待値CNT2を求めた後、CPU43では、保守診断コールオプション価格の設定を行う。つまり、当該保守診断コールオプションを行使すれば、保守診断結果に応じて当該機器を取り替えるかそのまま使用を継続するかを決定することができ、保守診断結果には、当該機器が後どのくらい使用できるか否かの情報が含まれている。(保守診断コールオプションの価格+保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用)<CNT1,CNT2に設定すればよい。
【0072】
保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用は、機器毎の故障確率密度関数に応じて、使用期間Tによって変化するから、故障確率密度関数p(t)、使用期間T、機器の取り替えに必要な取り替えコストから求められることになる。このようにして、保守診断コールオプション価格を設定した後、その価格を表示装置42に表示する。
【0073】
コールオプション価格を設定する際には、下記の事項が考慮される。いま、発電設備の耐用年数をA1とすると、(A1/2)年後に保守診断を行うことが基準であるとされる。
【0074】
一般に、使用年数が経過するに伴って、機器が故障する確率が高くなるから、つまり、機器を取り替える確率が高くなるから、基準である(A1/2)よりも後(A1/2を含む)で保守診断コールオプションを行使する契約の際には、前述の(保守診断コールオプションの価格+保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用)<CNT1,CNT2に応じて保守診断コールオプションの価格設定を行う。
【0075】
一方、基準である(A1/2)よりも前で保守診断コールオプションを行使する契約の際には、前述の(保守診断コールオプションの価格+保守診断によって機器を取り替えた際に係る費用)<CNT1,CNT2で得られる価格からさらに割り引くようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入して、発電設備から売電された電力量をカウントし、電力量が予め規定された電力量を越えた際、電力量と予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定して、発電設備を納入した事業者に支払い料の支払いを決定するようにしたので、発電事業者は、初期投資を低減することができ、しかも、納入事業者は、納入価格等をディスカウントしても売電量に応じた支払いを受けることができ、発電事業に係るリスクをヘッジできるという効果がある。
【0077】
さらに、電力量が予め規定された電力量以下であると、予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにして、保険金を発電設備を納入した事業者に支払うようにしてので、納入業者にとっては売電量にかかわらずリスクをヘッジできるという効果がある。
【0078】
本発明では、発電事業者がコールオプションを購入すると、仲介業者はコールオプションで示される燃料量に応じた燃料を購入する仲介業者コールオプションとして燃料事業者に購入要求して、燃料の市場価格に応じて発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定し、発電事業者コールオプションの行使があると、仲介事業者は燃料事業者に仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達するようにしたから、発電事業者及び仲介業者ともに燃料価格変動におけるリスクをヘッジできるという効果がある。
【0079】
本発明では、発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられている際、発電要求量と燃料毎の価格とに応じて、複数の発電設備を選択的に運用制御するようにしたから、発電設備を効率的にしかも最もコストを最小とするように運用でき、その結果、複数の発電設備を有する発電事業者のリスクヘッジを行うことができるという効果がある。
【0080】
本発明では、発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入する際に、発電設備の詳細な保守診断を行う権利を保守診断コールオプションとして付加して販売して、この際、保守診断コールオプションが行使される時期と少なくとも発電設備の設置環境、発電設備を構成する機器毎の故障発生確率を示す故障発生確率密度数、及び機器取替えコストとに基づいて保守診断コールオプションを決定するようにしたから、発電事業者は故障によるリスクを低減でき、納入業者は発電設備に付加価値を付与することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第1の例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す発電事業リスク管理支援システムで用いられる売電量−付加支払い料データの一例を示す図である。
【図3】図1に示す発電事業リスク管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第2の例を示すブロック図である。
【図5】図4に示す発電事業リスク管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第3の例を示すブロック図である。
【図7】図6に示す発電事業リスク管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明による発電事業リスク管理支援システムの第4の例である保守診断最適化システムの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 端末装置
11a 売電量積算部
11b 付加支払い料算出部
11c 記憶部
11d 通信制御部
12 ネットワーク
13,14 コンピュータシステム
15 発電設備
16 商用電力網
17 電力量計測装置
Claims (8)
- 発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、
前記発電事業を行う発電事業者には発電設備が通常の価格よりも安価に納入されており、
前記発電設備から売電された電力量をカウントするカウント手段と、
前記電力量が予め規定された電力量を越えた際、前記電力量と前記予め規定された電力量との差に応じた金額を支払い料として算定し、前記発電設備を納入した事業者に前記支払い料の支払いを決定する支払い料算定手段とを有し、
前記電力量が前記予め規定された電力量以下であると、前記支払い料算定手段は予め締結された保険契約に応じて保険事業者に保険金の支払いを要求するようにしたことを特徴とする発電事業リスク管理支援システム。 - 前記保険契約は、前記発電設備を納入した事業者と前記保険事業者との間で締結されており、
前記保険金は前記発電設備を納入した事業者に支払われるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の発電事業リスク管理支援システム。 - 前記電力量が前記予め規定された電力量を越えた際、前記支払い料算定手段は、前記電力量と前記予め規定された電力量との差に応じて前記支払い料の料率を変化させて前記支払い料を決定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の発電事業リスク管理支援システム
- 発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、
前記発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入した事業者に備えられた仲介業者コンピュータを有し、
該仲介業者コンピュータは前記前記発電事業を行う発電事業者に備えられた発電事業者コンピュータと燃料を販売する燃料事業者に備えられた燃料事業者コンピュータとにネットワークを介して接続され、
前記仲介業者コンピュータでは前記発電設備で使用する燃料を所定の価格で購入する権利を発電事業者コールオプションとして販売しており、
前記発電事業者コンピュータから前記コールオプションの購入があると、前記仲介業者コンピュータは予め締結された燃料供給契約に応じた価格で前記コールオプションで示される燃料量に応じた燃料を購入する権利を仲介業者コールオプションとして前記燃料事業者コンピュータに購入要求しており、
前記発電事業者コンピュータは前記燃料の市場価格に応じて前記発電事業者コールオプションを行使するか否かを決定して、該発電事業者コールオプションの行使があると、前記仲介事業者コンピュータは燃料会社コンピュータに仲介事業者コールオプションを行使する旨伝達するようにしたことを特徴とする発電事業リスク管理支援システム。 - 発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、
発電事業を行う発電事業者には互いに異なる種類の燃料を用いる複数の発電設備が備えられており、
発電要求量と前記燃料毎の価格とに応じて前記複数の発電設備を選択的に運用制御する運用制御装置をすることを特徴とする発電事業リスク管理支援システム。 - 前記運用制御装置は、
前記燃料毎に発電コストを算出する発電コスト算出手段と、
前記発電コストの安い順に前記複数の発電設備から順次発電設備を選択して、該選択された選択発電設備に係る最大発電量が要求発電量以上であるか否かを判定し、前記選択された発電設備に係る最大発電量が前記要求発電量以上であると前記選択された発電設備の全てを運用するように指示する運用手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の発電事業リスク管理支援システム。 - 前記運用手段は、複数の選択された発電設備を運用指示する際には、前記要求発電量を満足し、前記選択された発電設備毎にその使用される燃料の量と当該燃料毎の単価とに基づいて求められる発電設備毎の燃料コストの合計が最小となるように前記選択された発電設備の発電量を規定するようにしたことを特徴とする請求項5又は6に記載の発電事業リスク管理支援システム。
- 発電事業におけるリスク管理を支援するためのリスク管理支援システムであって、
前記発電事業を行う発電事業者に発電設備を納入する際に前記発電設備の詳細な保守診断を行う権利を保守診断コールオプションとして付加して販売しており、
前記保守診断コールオプションが行使される時期と少なくとも前記発電設備の設置環境、前記発電設備を構成する機器毎の故障発生確率を示す故障発生確率密度数、及び機器取替えコストとに基づいて前記保守診断コールオプション価格を決定するコンピュータを有することを特徴とする発電事業リスク管理支援システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002297958A JP2004133710A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | 発電事業リスク管理支援システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002297958A JP2004133710A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | 発電事業リスク管理支援システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004133710A true JP2004133710A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32287522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002297958A Withdrawn JP2004133710A (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | 発電事業リスク管理支援システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004133710A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007241438A (ja) * | 2006-03-06 | 2007-09-20 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム |
CN102521497A (zh) * | 2011-12-05 | 2012-06-27 | 广东省电力调度中心 | 电网运行风险处理方法与系统 |
CN103366096A (zh) * | 2013-07-22 | 2013-10-23 | 广东电网公司电力调度控制中心 | 电力通信设备风险评估方法 |
JP2017188042A (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社L&Sコンサルティング | 燃料販売支援システム |
-
2002
- 2002-10-10 JP JP2002297958A patent/JP2004133710A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007241438A (ja) * | 2006-03-06 | 2007-09-20 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラム |
CN102521497A (zh) * | 2011-12-05 | 2012-06-27 | 广东省电力调度中心 | 电网运行风险处理方法与系统 |
CN103366096A (zh) * | 2013-07-22 | 2013-10-23 | 广东电网公司电力调度控制中心 | 电力通信设备风险评估方法 |
JP2017188042A (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社L&Sコンサルティング | 燃料販売支援システム |
WO2017175861A1 (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社L&Sコンサルティング | 燃料販売支援システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20070050230A1 (en) | Computer facilitated ordering, tracking, and reporting system | |
US7246080B2 (en) | Apparatus, system and method for measuring and monitoring supply chain risk | |
US8131598B2 (en) | System and method of selecting freight forwarding companies | |
Degraeve et al. | Constructing a total cost of ownership supplier selection methodology based on activity-based costing and mathematical programming | |
JP2006313492A (ja) | 釣り用品のメンテナンス費用見積もりシステムおよび釣り用品のメンテナンス費用見積もりプログラム | |
US8386345B2 (en) | Method and system for generating invoices with entitlements | |
US20100049587A1 (en) | System and Method for Using Lifecycle Telecommunications Expense Management (TEM) Data to Predict the Outcome of Changes to Telecommunications Infrastructure | |
EP1321875A1 (en) | Commodity order acceptance and transportation system, method and recording medium | |
WO2012114481A1 (ja) | 部品出荷数予測システム、及びプログラム | |
JP2004133710A (ja) | 発電事業リスク管理支援システム | |
JP4129959B2 (ja) | 取引システムおよび取引方法 | |
US20080133424A1 (en) | System and method for negotiating a contract | |
KR20070104493A (ko) | Erp시스템 기반의 감사정보 시스템 및 이를 이용한감사정보 운영 방법, 그 프로그램이 기록된 기록매체 | |
KR20060086619A (ko) | Erp시스템 기반의 감사정보 시스템 및 이를 이용한감사정보 운영 방법, 그 프로그램이 기록된 기록매체 | |
JP5322868B2 (ja) | 電源設備導入支援装置 | |
JP6327800B2 (ja) | コンピュータ | |
KR20030094302A (ko) | 과금 처리 장치, 과금 처리방법, 거래 지원 장치 및 거래지원 방법 | |
JP2005301397A (ja) | 燃料業務処理システム及び燃料業務処理プログラム | |
JP2020144730A (ja) | 保守管理装置、システム、方法、及びプログラム | |
JP2008204168A (ja) | 商品流通管理システム | |
US20230316295A1 (en) | Warranty system and method | |
Lu et al. | Prediction model for warranty costs: a case study of a LCD monitor company | |
JP2004220122A (ja) | 予算執行管理方法及び予算執行管理プログラム | |
JP4238981B2 (ja) | 建物内機器類のリースによる調達の支援システム | |
JP2010224809A (ja) | 温室効果ガス排出権取引装置、温室効果ガス排出権取引方法、及び温室効果ガス排出権取引システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |