JP2004133311A - 光変調器 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い変調帯域を有し、小振幅のマイクロ波で高速変調が可能な光変調器を実現する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板の一面側に、光導波路と、その光導波路にマイクロ波の電界を印加する進行波電極とを有する光変調器において、基板11より誘電率が低い空気による低誘電率部25を、進行波電極の中心導体15(15a)と光導波路12(12d、12e)との間の位置または進行波電極のアース導体16(16a)、17と光導波路12(12d、12e)との間の位置の少なくとも一方の位置で、基板11の一面側から反対面側へ向かって所定深さHで設けた。
【選択図】 図4
【解決手段】電気光学効果を有する基板の一面側に、光導波路と、その光導波路にマイクロ波の電界を印加する進行波電極とを有する光変調器において、基板11より誘電率が低い空気による低誘電率部25を、進行波電極の中心導体15(15a)と光導波路12(12d、12e)との間の位置または進行波電極のアース導体16(16a)、17と光導波路12(12d、12e)との間の位置の少なくとも一方の位置で、基板11の一面側から反対面側へ向かって所定深さHで設けた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路にマイクロ波等の高周波信号の電界を印加して、光導波路を伝搬する光を位相変調する光変調器において、広い変調帯域を実現し、また、小振幅で駆動できるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムに用いる高速な光変調器として、リチウムナイオベート(LiNbO3:以下LNと記す)基板の表面にチタン(Ti)を熱拡散して光導波路を形成するとともに、その光導波路を挟むようにして進行波電極を設け、この進行波電極に入力された高周波信号の電界を光導波路に印加して、光導波路を伝搬する光の位相を変調するいわゆるTi:LiNbO3型の光変調器(LN光変調器)が広く使用されている。
【0003】
このLN基板は異方性を有しており、LN基板を用いた光変調器には、zカット基板を用いるタイプと、xカットあるいはyカット基板を用いるタイプとがある。
【0004】
また、この種の光変調器としては、1本の光導波路に入射された光の位相を変調して出射するものと、入射された光を2分岐して、その分岐された少なくとも一方の光の位相を他方の光に対して180°だけ移相して合波することで、振幅変調して出射するものとがある。
【0005】
図19〜図21は、xカットLN基板を用いた従来の振幅変調型の光変調器10の構造を示している。
【0006】
これらの図において、光変調器10は、横長矩形のxカットのLN基板(以下、単に基板と記す)11を有しており、その一面11a側にはTiを熱拡散して形成された光導波路12が設けられている。
【0007】
光導波路12は、基板11の一端側から中央方向に直線状に延びた第1光導波路12a、第1光導波路12aの先端に設けられたY分岐路12b、12c、Y分岐路12b、12cから互いに平行に延びた第2光導波路12dおよび第3光導波路12e、第2光導波路12dと第3光導波路12eの先端に設けられたY合波路12f、12g、Y合波路12f、12gの合波点から基板11の他端側まで直線状に延びた第4光導波路12hとによって構成されている。
【0008】
この光導波路12は、図示しない光ファイバ等を介して第1光導波路12aに入射された光Pを互いに等しい位相と振幅の光に分けて第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを伝搬させ、その合波光P′を第4光導波路12hを介して基板11の他端側から出射する。
【0009】
また、基板11の一面11a側には、進行波電極14がパターン形成されている。この進行波電極14は、中心導体15の両側に第1アース導体16と第2アース導体17が形成された対称型のコプレーナ型導波路(CPW)であり、その中心導体15は、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの間ほぼ中間位置を通り所定幅で両光導波路と平行に延びた第1導体部15aと、この第1導体部15aの両端から基板11の一方の側縁まで延びた第2導体部15bおよび第3導体部15cとによって略コの字状に形成されている。
【0010】
また、第1アース導体16は、中心導体15の第1導体部15aとの間で第2光導波路12dを挟んだ位置で中心導体15の第1導体部15aより広い幅をもって第2光導波路12dと平行に形成された第1導体部16aと、この第1導体部16aの両端から基板11の一方の側縁まで延びた第2導体部16bおよび第3導体部16cとによって略コの字状に形成されている。
【0011】
また、第2アース導体17は、中心導体15の第1導体部15aとの間で第3光導波路12eを挟んだ位置で中心導体15の第1導体部15aより広い幅をもって第3導波路12eと平行に形成されている。
【0012】
中心導体15の第2導体部15bには変調用のマイクロ波信号Mが図示しない同軸ケーブル等を介して入力され、そのマイクロ波信号Mが光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eに挟まれた第1導体部15aを伝搬して第3導体部15cから出力される。第3導体部15cから出力されたマイクロ波M′は図示しない終端回路で終端される。
【0013】
なお、第1アース導体16の第2導体部16b、第3導体部16cおよび第2アース導体17は、この光変調器10を収容するケース(図示せず)等のアースラインに接続されている。
【0014】
このように形成された光変調器10において、進行波電極14の一端側に供給されたマイクロ波信号Mがその中心導体15の第1導体部15aを伝搬する際に、図22に示しているように、第1導体部15aから第1アース導体16の第1導体部16aおよび第2アース導体17へ向かう電気力線Ea、Ebが生じ、この電気力線のうち、基板11内を通る電気力線Ebの一部が、光導波路12の第2光導波路12d、第3光導波路12eを通過するため、基板11の電気光学効果により、光導波路12の第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを伝搬する光に位相差が与えられる。
【0015】
ここで、進行波電極14にマイクロ波信号Mを供給したときに、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを伝搬する光に対して180°の位相差が与えられるようにしておけば、その合波光P′の単一モード成分は相殺され、光導波路12の第4光導波路12hから光が出射されない状態となる(なお、合波部において高次モード光が生成されるが、高次モード光は第4光導波路12hを伝搬できない)。
【0016】
したがって、進行波電極14に対するマイクロ波信号Mの供給を2値のデータ信号によってオンオフすれば、データ信号の「1」、「0」に応じて強度変調された光を第4光導波路12hから出力することができる。
【0017】
この種の光変調器では、変調帯域が広く、小振幅のマイクロ波信号で所定変調が得られることが要求されている。
【0018】
この光変調器10の光変調帯域Δfは、近似的に、
Δf=1.4c0/(πL|nm−n0|) (GHz)
で表されることが知られている。
【0019】
ここで、c0は真空中の光速、Lは電気信号であるマイクロ波と光の相互作用長、nmは進行波電極14を伝搬するマイクロ波の等価屈折率、n0は光導波路12を伝搬する光の等価屈折率である。なお、上記構造の光変調器10の場合、相互作用長Lは、光導波路12の第2光導波路12d、第3光導波路12eと、進行波電極14の中心導体15の第1導体部15aとが並行している部分の長さである。
【0020】
上記式から、光変調帯域Δfを広くするためには、|nm−n0|の値を小さくする、即ち、進行波電極14を伝搬するマイクロ波の等価屈折率nmと光導波路12を伝搬する光の等価屈折率n0とを近づければよいことが判る。
【0021】
一方、xカットの基板11の比誘電率は異方性を有しており、基板表面に垂直な方向の比誘電率が約43、基板表面に平行な方向の比誘電率が約28で、平均的な比誘電率εsは約36となり、空気の比誘電率に比べて極めて大きい。
【0022】
進行波電極14の厚みTが非常に小さい場合、中心導体15と両アース導体16、17との間の電気力線のうち、空気中を通過する電気力線Eaと基板11内を通過する電気力線Ebとはほぼ等量となり、このときのマイクロ波の等価屈折率nmは、
nm=(εs+1)1/2≒4.2
となる。
【0023】
これに対し、光の等価屈折率は約2.2であるので、光変調帯域Δfと相互作用長Lとの積Δf・Lは約6.4GHz・cmとなる。
【0024】
この光変調帯域Δfと相互作用長Lとの積Δf・Lが、光変調器の変調帯域の広さを評価する際に用いられる値である。
【0025】
また、進行波電極14を伝搬するマイクロ波の電界分布をE(x、y)、光導波路を伝搬する光の界分布をφ(x、y)とし、電界分布E(x、y)と光のパワー|φ(x、y)|2の重なり積分をΓと定義して、
Γ=∫∫E(x、y)|φ(x、y)|2dxdy
と置くと、このxカットの基板11を用いた光変調器10の半波長電圧(光に180°の位相差を与えるために必要なマイクロ波の振幅Vとπとの積)Vπと相互作用長Lとの積Vπ・Lは、この重なり積分Γに反比例する。
【0026】
つまり、
Vπ・L∝1/Γ (V・cm)
と表される。
【0027】
この値Vπ・Lが、光変調器の感度を評価する際に用いられる値であり、重なり積分Γが大きい程、即ち、光導波路を通過する電気力線が多い程、Vπ・Lの値が小さくなり、相互作用長Lが一定であれば小振幅のマイクロ波信号で所定の位相差を与えることができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の光変調器10のΔf・Lは約6.4GHz・cmとなっているが、データ伝送に要求される速度は年々増加しており、このΔf・Lの値では、その要求に対応できなくなっている。
【0029】
これを解決するための方法として、上記相互作用長Lを短くすることが考えられるが、この相互作用長Lを短くするとマイクロ波の電界による光への位相変調効果(感度)が小さくなってしまう。
【0030】
また、別の方法として、図23に示しているように、進行波電極14の厚みTを大きくして、空気中を通過する電気力線Eaの量を増加させることで、マイクロ波の等価屈折率nmを下げて、光の等価屈折率n0に近づけることが考えられる。
【0031】
しかしながら、このように進行波電極14の厚みTを大きくした場合、進行波電極14の特性インピーダンスが所定値(例えば50Ω)よりかなり小さくなって、マイクロ波を正しく伝送できなくなる。
【0032】
即ち、マイクロ波の等価屈折率nmと光の等価屈折率n0とがほぼ一致する条件下では、進行波電極14の厚みTを例えば40μmのように極めて厚くすることが必要となり、そのときの特性インピーダンスは30Ω以下となってしまい、外部回路(同軸ケーブル等)との整合性が悪くなり、しかも、このように厚い進行波電極14を製造する際には、歩留りが悪くなるという問題があった。
【0033】
また、進行波電極14の厚みTを大きくして、所定の特性インピーダンスを維持するために、中心導体15と第1アース導体16、第2アース導体17との間隔を広げることも考えられるが、これでは光導波路12の第2光導波路12d、第3光導波路12eと、各導体15、16、17との距離も広がってしまい、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eへの電界の影響も小さくなって位相変調効果が低減し、これを補うために印加するマイクロ波の振幅を大きくしなければならない。
【0034】
本発明は、これらの課題を解決し、広い変調帯域を有し、小振幅のマイクロ波で高速変調が可能な光変調器を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光変調器は、
電気光学効果を有する基板(11)と、
該基板の一面側に形成された光導波路(12、32)と、
前記基板の一面側で前記光導波路の両側に形成された中心導体(15、35)とアース導体(16、17、36)とを有し、前記中心導体の一端側に入力された高周波信号を他端側へ伝搬させるとともに、該高周波信号の電界を前記光導波路に印加して、該光導波路を伝搬する光の位相を変調する進行波電極(14、34)とを備えた光変調器において、
前記基板より誘電率が低い低誘電率部(25、45)を、前記進行波電極の中心導体と前記光導波路との間の位置または前記アース導体と前記光導波路との間の位置の少なくとも一方の位置で、前記基板の一面側から反対面側へ向かって所定深さで設けたことを特徴としている。
【0036】
また、本発明の請求項2の光変調器は、請求項1の光変調器において、
前記低誘電率部が、前記基板の一面側から反対面側に向かって所定深さで形成された溝(21〜24、41、42)の内部の空気層を含むことを特徴としている。
【0037】
また、本発明の請求項3の光変調器は、請求項2の光変調器において、
前記進行波電極の中心導体は、前記溝で挟まれたリッジ部(11b)に形成されていることを特徴としている。
【0038】
また、本発明の請求項4の光変調器は、請求項2または請求項3の光変調器において、
前記光導波路は、前記溝で挟まれたリッジ部(11c、11d)に形成されていることを特徴としている。
【0039】
また、本発明の請求項5の光変調器は、請求項1〜4の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側と同一の高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0040】
また、本発明の請求項6の光変調器は、請求項1〜4の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側から突出する高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0041】
また、本発明の請求項7の光変調器は、請求項1〜4の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側と前記低誘電率部の底部との間の高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0042】
また、本発明の請求項8の光変調器は、請求項1〜3の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記低誘電率部の底部と同一の高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0043】
また、本発明の請求項9の光変調器は、請求項1〜8の光変調器において、
前記進行波電極の中心導体またはアース導体の少なくとも一方と、前記基板の一面側との間に、該基板より誘電率が低いバッファ層(28)が設けられていることを特徴としている。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3は、本発明を適用した光変調器20の構造を示している。なお、この光変調器20において、前記した従来の光変調器10と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
この光変調器20は、前記した光変調器10と同様に、横長矩形のxカットのLN基板(以下、単に基板と記す)11の一面11a側に、Tiの熱拡散で形成された第1光導波路12a、Y分岐路12b、12c、第2光導波路12d、第3光導波路12e、Y合波路12f、12gおよび第4光導波路12hからなる光導波路12と、中心導体15、第1アース導体16および第2アース導体17からなるマイクロ波の進行波電極14が設けられている。
【0046】
なお、この実施形態および後述する各実施形態では、変調用の高周波信号がマイクロ波の場合について説明するが、変調用の高周波信号がミリ波あるいは準ミリ波等であってもよい。
【0047】
この光変調器20の基板11の一面11a側には、中心導体15の第1導体部15aと第2光導波路12dとの間、中心導体15の第1導体部15aと第3光導波路12eとの間、第2光導波路12dと第1アース導体16の第1導体部16aとの間および第3光導波路12eと第2アース導体17との間の位置で、所定深さH(例えば数μm)の溝21〜24が平行に形成されており、中心導体15の第1導体部15aは溝21、22で挟まれたリッジ部11bの上面に形成され、第2光導波路12dは、溝21、23で挟まれたリッジ部11cの上面に形成され、第3光導波路12eは、溝22、24で挟まれたリッジ部11dの上面に形成されている。
【0048】
これらの溝21〜24の中の低誘電率部25は、基板11より比誘電率が低い空気によって形成されている。
【0049】
このように構成された光変調器20では、図4に示しているように、中心導体15の第1導体部15a、第1アース導体16の第1導体部16aおよび第2アース導体17のエッジ近傍に基板11より誘電率が低い空気による低誘電率部25が設けられているので、第1導体部15aから出力されるマイクロ波の電気力線のうち、低誘電率部25を含む空気の中を通過する電気力線Ea、Ecの量が増加するとともに、第1導体部15a、第1アース導体16の第1導体部16aおよび第2アース導体17のエッジ近傍では電界強度が大きいので、強い電気力線が低誘電率部25の空気中を通過することになり、進行波電極14の厚みTが比較的薄く(例えば15μm程度)ても、マイクロ波の等価屈折率nmを光の等価屈折率n0に近づけることができる。
【0050】
この低誘電率部25によるマイクロ波についての等価屈折率nmの変化は、図5に示しているように、各溝21〜24の深さH(低誘電率部25の高さ)の増加に対して単調減少するので、マイクロ波の等価屈折率nmが光の等価屈折率n0とほぼ等しくなる深さH0に設定することで、光とマイクロ波との速度整合を達成することができ、従来に比べて格段に高速な変調が可能となる。
【0051】
また、低誘電率部25を含む空気中を通過する電気力線Ecが増すことにより、進行波電極14の特性インピーダンスが高くなるので、速度整合の条件下においても、導体間隔を広げることなくほぼ50Ωの特性インピーダンスを実現することができ、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良い。また、進行波電極14の厚みTが比較的薄くて済むので、製造が容易となり、歩留りが良くなる。
【0052】
また、溝21〜24の深さHを大きくすると、基板11内を通過する電気力線Ebの量が減り、その分低誘電率部25を含む空気中に生じる電気力線が増して、光導波路12d、12e内を通過する電気力線Ecの量が増える。
【0053】
このため、図6に示しているように、溝21〜24の深さHが大きくなるにつれて、前記したマイクロ波と光の重なり積分Γの値が大きくなり、その結果、Vπ・L値が小さくなり、マイクロ波の振幅に対する感度が高くなり、小振幅で必要な変調をかけることができる。
【0054】
なお、上記した光変調器20では、光導波路12の上面の高さと、基板11の一面11aのうちの進行波電極14が形成されている部分の高さとを同一に示しているが、厳密には、進行波電極14が形成されている部分の高さとリッジ部11bの高さとが等しい場合に、熱拡散によって光導波路を形成すると、僅かな(数100オームストロング程度)の盛り上がりができ、両者の高さは完全に同一ではなく、ほぼ同一と言える。ただし、本発明では、この状態を光導波路の上面の高さと進行波電極が形成されている基板11の一面との高さが同一であるものとする。また、本明細書において、各光導波路の「上面」とは、基板の姿勢に関わらず、その光導波路を形成している基板11の面の部分を示すものとし、各部の「高さ」とは、基板の厚さ方向に沿った位置を示すものとする。
【0055】
また、図7に示すように、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さが、基板11の一面11aのうちの進行波電極14が形成されている部分の高さより高くなるように設ける、即ち、基板11の一面11aのうち進行波電極14が形成されている部分の高さより高い位置まで突出するリッジ部11c、11dの上面に第2光導波路12dと第3光導波路12eを設けることも可能である。
【0056】
このように構成した場合、第2光導波路12dが、中心導体15の第1導体部15aおよび第1アース導体16の第1導体部16aに対して高さ方向(基板11の厚さ方向)の位置で重なり合い、また、第3光導波路12eが、中心導体15の第1導体部15aおよび第2アース導体17に対して高さ方向(基板11の厚さ方向)の位置で重なり合うため、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを通過する電気力線Ecの量がさらに増加し、その結果、より小振幅のマイクロ波で上記の光変調が可能となる。
【0057】
図8は、基板11の一面11aのうち進行波電極14が形成されている部分の高さに対するリッジ部11c、11dの突出長ΔHとVπ・L値の関係を示しており、リッジ部11c、11dの突出長ΔHが大きくなるにつれて、Vπ・L値が単調減少している。
【0058】
また、図9に示すように、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さをさらに高くした場合には、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを通過する電気力線Ecの量がさらに増加し、その結果、さらに小振幅のマイクロ波で上記の光変調が可能となる。なお、突出長ΔHの上限は、進行波電極14の上面の高さまでであり、これ以上大きくすると、光導波路12d、12eを通過する電気力線の量が減少する。
【0059】
ただし、図7および図9の断面構造のものは、図4の断面構造のものに比べて基板11のリッジ部11c、11dを通過する電気力線の量が増加するので、マイクロ波の等価屈折率nmの低減効果が若干少なくなり、変調帯域は若干狭くなる。つまり、図7、図9に示した例は、変調帯域よりもマイクロ波の振幅の低減(変調感度)を優先する場合に適している。
【0060】
また、図10に示すように、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さが、基板11の一面11aのうちの進行波電極14が設けられている部分の高さと低誘電率部25の底部(溝21〜24の底部)の高さとの間となるようにする、即ち、基板11の一面11aのうち進行波電極14が設けられている部分の高さより低く且つ溝21〜24の底部より高く形成されたリッジ部11c、11dの上面に第2光導波路12dと第3光導波路12eを設けることも可能である。
【0061】
このように構成した場合、低誘電率部25を含めた空気の中を通過する電気力線の量Eaが前記した各例のものより多くなるため、マイクロ波の等価屈折率nmの低減効果がさらに大きくなり、より速度整合が達成しやすくなる。
【0062】
また、図11に示しているように、リッジ部11b、11cの高さをゼロとして、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さが低誘電率部25の底部の高さと同一となるようにした場合には、マイクロ波の等価屈折率nmの低減効果がさらに大きくなり、さらに速度整合が達成しやすくなる。なお、この場合も、前記したように、厳密には、熱拡散による盛り上がりのために第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さと低誘電率部25の底部の高さは完全に同一ではなく、ほぼ同一と言える。ただし、本発明では、この状態を光導波路の上面の高さと低誘電率部25の底部の高さとが同一であるものとする。
【0063】
ただし、上記図10、図11の断面構造のものは、図4の断面構造のものに比て第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを通過する電気力線Ecの量が減少するので、マイクロ波の振幅低減効果は低くなる。つまり、図10、図11の例は、マイクロ波の振幅低減(変調感度)よりも変調帯域を優先する場合に適している。
【0064】
また、上記各実施例では、基板11の一面11a側に所定深さで形成した4本の溝21〜24によって、中心導体15の第1導体部15aと第2光導波路12dとの間、中心導体15の第1導体部15aと第3光導波路12eとの間、第2光導波路12dと第1アース導体16の第1導体部16aの間および第3光導波路12eと第2アース導体17との間の位置に、基板11より誘電率が低い空気による低誘電率部25を設けていたが、これは本発明を限定するものではなく、例えば図12に示すように、中心導体15の第1導体部15aと第2光導波路12d、第3光導波路12eの間にだけ低誘電率部25を設けてもよい。
【0065】
また、図13に示すように、第1のアース導体16の第1導体部16aと第2光導波路12dとの間および第2アース導体17と第3光導波路12eとの間にのみ低誘電率部25を設けてもよい。
【0066】
この図12や図13のように構成した場合でも、低誘電率部25が設けられているので、前記同様にマイクロ波の等価屈折率を低減できるとともに、進行波電極14の特性インピーダンスを高くすることができ、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。
【0067】
なお、図12、図13の断面構造のものにおいても、前記した各例と同様に、第2光導波路12dと第3光導波路12eの高さ位置を任意に設定することができる。
【0068】
また、前記各実施例では、基板11の一面11aに進行波電極14を直にパターン形成していたが、図14に示すように、基板11の一面11a側の表面全体にSiO2やSiNxや等のように、比誘電率が基板11より低い材料によるバッファ層28を設け、このバッファ層28の上に進行波電極14をパターン形成してもよい。
【0069】
このように比誘電率が基板11より低いバッファ層28を設けた場合、マイクロ波の等価屈折率nmが低下し、特性インピーダンスが高くなるので、光とマイクロ波の速度整合がさらに達成し易くなるとともに、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。さらに、マイクロ波の伝搬損失も低減されるので、より一層の広帯域変調が可能となる。
【0070】
なお、このバッファ層28は、前記した各実施例のみならず、本発明の全ての実施例についても設けることができる。また、バッファ層28は、上記のように基板11の表面全体に設ける場合だけでなく、中心導体15と基板11の一面11a側との間だけ、アース導体16、17と基板11の一面11a側との間だけ、あるいは、中心導体15およびアース導体16、17と基板11の一面11a側との間だけに設けてもよい。
【0071】
また、前記した各実施例では、光導波路にマイクロ波の電界を印加するための進行波電極14として、中心導体15の両側にアース導体16、17を等しい間隔で形成した対称型のコプレーナ型導波路(CPW)を用いていたが、中心導体15に対するアース導体16、17の間隔が異なる非対称型のコプレーナ型導波路(CPW)を用いた光変調器についても本発明を同様に適用できる。
【0072】
また、前記各実施例では、第1光導波路12aから分岐された第2光導波路12dと第3光導波路12eに、逆向きのマイクロ波の電界を印加して、両光導波路12d、12eを伝搬する光の位相を互いに逆方向に移相して、合波光が相殺されるようにしていたが、第2光導波路12dと第3光導波路12eのいずれか一方の光導波路に対してだけマイクロ波の電界を印加して、その光導波路を伝搬する光の位相を例えば180°だけ移相して、合波光が相殺されるように構成された光変調器にも本発明を適用できる。この場合には、上記したコプレーナ型導波路(CPW)を用いる方法の他に、アース導体が1つだけの非対称コプレーナストリップ線路(ACPS)を用いることができる。
【0073】
また、上記のような振幅変調だけでなく、一つの光導波路に対してマイクロ波の電界を印加して、その光導波路を伝搬する光の位相を変調する位相変調型の光変調器についても本発明を適用できる。
【0074】
図15、図16は、本発明を適用した位相変調型の光変調器30を示している。
【0075】
この光変調器30のxカットの基板11の一面11aには、Tiの熱拡散によって形成され、基板11の一端から他端側まで直線上に延びた一本の光導波路32と、この光導波路32にマイクロ波の電界を印加するための非対称コプレーナストリップ型の進行波電極34とが設けられている。
【0076】
この進行波電極34は、中心導体35とアース導体36とからなり、中心導体35は、光導波路32に沿って平行に形成された第1導体部35aと、第1導体部35aの両端から基板11の一方の側端まで延びた第2導体部35bおよび第3導体部35cによって略コの字状に形成されている。
【0077】
また、アース導体36は、中心導体35との間で光導波路32を挟む位置に中心導体35より広い幅で形成された第1導体部36aと、第1導体部36aの両端から基板11の一方の側端まで延びた第2導体部36bおよび第3導体部36cによって略コの字状に形成されている。
【0078】
光導波路32と中心導体35の第1導体部35aとの間、および光導波路32とアース導体36の第1導体部36aとの間には、前記同様に、所定深さHに形成された溝41、42が形成され、それらの溝41、42内に空気による低誘電率部45が設けられている。
【0079】
このため、前記した光変調器の場合と同様に、進行波電極34の厚さを増すことなく、マイクロ波の等価屈折率を低減することができ、速度整合を実現しやすくなり、高速な位相変調が可能となる。
【0080】
また、この光変調器30でも、溝41との間で中心導体35の第1導体部35aを挟む溝43を設けて、その溝43内の空気による低誘電率部45によって、第1導体部35aから低誘電率部45を含む空気層へ電気力線を出しているので、マイクロ波の等価屈折率の低減効果が高くなる。
【0081】
また、低誘電率部45を設けたことにより、進行波電極34の特性インピーダンスが高くなり、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。
【0082】
なお、この光変調器30の場合においても、図12、図13に示した断面構造のように溝の数を減らしてもよく、このように溝の数を減らした場合であっても、本発明としての効果はあることは言うまでもない。また、進行波電極34として、前述の対称型CPWあるいは非対称型CPWを用いてもよい。
【0083】
また、上記した各実施例では、基板11に設けた溝21〜24、41、42によって空気の低誘電率部25、45を形成していたが、低誘電率部は、基板11より低い誘電率を有するものであれば、空気以外のものであってもよく、低誘電率の部材(例えば、SiO2、SiNx、ポリイミド等)を前記した溝の内部に挿入しても良いし、これらと空気とが共存したものであってもよい。
【0084】
また、前記した各実施例では、低誘電率部25、45を形成する溝21〜24、41、42の幅と深さを等しく設定していたが、これらの幅や深さはそれぞれ異なっていてもよい。
【0085】
また、溝のエッジが中心導体、アース導体あるいは光導波路のエッジと一致している必要はなく、例えば中心導体やアース導体の一部が溝にオーバラップする構造でもよい。このように中心導体やアース導体の一部を溝にオーバラップさせると、マイクロ波の等価屈折率をより下げることができるので、マイクロ波と光の速度整合を容易に実現できる。さらに、マイクロ波と光の相互作用効率が高くなり、一層、小振幅化することができる。また、進行波電極の特性インピーダンスを高くし、ほぼ50Ωに整合できるという利点もある。
【0086】
なお、各溝の幅を広げると、溝の深さを大きくした場合と同じ効果があるので、最適設計のためには、他の各部の寸法とともに、溝の深さ、幅を最適化する必要がある。
【0087】
また、2つの光導波路12d、12eの高さが異なるように設定してもよい。このようにすると、2つの光導波路12d、12eについての前記した重なり積分Γの値が異なるので、出射する光パルスに意図的にチャーピングを生じさせることができる。
【0088】
また、前記した各実施例では、中心導体が一本だけの進行波電極14、34を用いていたが、中心導体が2本のプッシュプル型の進行波電極を用いた光変調器にも本発明を適用できる。
【0089】
また、前記した各実施例では、基板11としてxカットのLN基板を用いていたが、yカットのLN基板あるいはxカットとyカットの中間等各種方位のLN基板を用いた光変調器にも本発明を同様に適用でき、LN基板以外で電気光学効果をもつ基板を用いたものにも適用できる。
【0090】
また、上記した各実施例において、進行波電極14、34の各導体による光の吸収損失を抑えるために、進行波電極14、34と光導波路12、32とが重なり合う部分に、SiO2やSiNx等からなるバッファ層を設けてもよい。
【0091】
また、上記した各実施例では、基板11の一面11aのうち、進行波電極14、34の中心導体15、35が形成されている部分の高さと、アース導体16、17、36が形成されている部分の高さが同一であったが、両者の間に段差を設けてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、基板の一面側に形成された光導波路と、基板の一面側で光導波路の両側に形成された中心導体とアース導体とを有し、中心導体の一端側に入力された高周波信号を他端側へ伝搬させるとともに、その高周波信号の電界を光導波路に印加して、光導波路を伝搬する光の位相を変調する進行波電極とを備えた光変調器において、基板より誘電率が低い低誘電率部を、進行波電極の中心導体と光導波路との間の位置またはアース導体と光導波路との間の位置の少なくとも一方の位置で、基板の一面側から反対面側へ向かって所定深さで設けている。
【0093】
このため、中心導体からアース導体へ向かう電気力線のうち、低誘電率部を通過する量が増加して、高周波信号の等価屈折率が低くなる。
【0094】
したがって、進行波電極の厚さを増すことなく高周波信号の等価屈折率を光の等価屈折率に近づけることができ、その低誘電率部の深さ等を調整することで、光と高周波信号との速度整合を容易に実現でき、変調帯域を格段に広くすることができる。
【0095】
また、光導波路の上面が、進行波電極が形成されている部分の基板の一面側と同一の高さとなるようにしたものでは、低誘電率部と空気層とを通過する電気力線の増加量と、光導波路を通過する電気力線の増加量とを適度にバランスさせることができ、広い変調帯域と供給する高周波信号の小振幅化とを両立することができる。
【0096】
また、光導波路の上面が、進行波電極が形成されている部分の基板の一面側から突出する高さとなるようにしたものでは、光導波路を通過する電気力線の量をより増加させることができ、より小振幅の高周波信号で所定の変調を行なうことができる。
【0097】
また、光導波路の上面が、進行波電極が形成されている部分の基板の一面側と低誘電率部の底部との間の高さとなるようにしたものでは、低誘電率部を通過する電気力線の量をより増加させることができ、変調帯域をさらに広くすることができる。
【0098】
また、光導波路の上面が、低誘電率部の底部と同一の高さとなるようにしたものでは、低誘電率部を通過する電気力線の量をより増加させることができ、変調帯域をさらに広くすることができる。
【0099】
また、進行波電極の中心導体またはアース導体の少なくとも一方と、基板の一面側との間に、その基板より誘電率が低いバッファ層を設けたものでは、高周波信号の等価屈折率が低下し、特性インピーダンスが高くなるので、光と高周波信号の速度整合がさらに達成し易くなるとともに、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。また、高周波信号の伝搬損失も低減されるので、より一層の広帯域光変調が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の斜視図
【図2】実施形態の平面図
【図3】図2のA−A線概略断面図
【図4】実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図5】溝の深さに対するマイクロ波の等価屈折率nmの変化を表す図
【図6】溝の深さに対するVπ・L値の変化を表す図
【図7】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図8】光導波路の突出長に対するVπ・L値の変化を表す図
【図9】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図10】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図11】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図12】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図13】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図14】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図15】他の実施形態の斜視図
【図16】他の実施形態の平面図
【図17】図16のB−B線概略断面図
【図18】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図19】従来の光変調器の斜視図
【図20】従来の光変調器の平面図
【図21】図20のC−C線概略断面図
【図22】従来装置の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図23】従来装置の断面構造と電界の分布の例を示す図
【符号の説明】
11……LN基板、11b〜11d……リッジ部、12……光導波路、12a……第1光導波路、12b、12c……Y分岐路、12d……第2光導波路、12e……第3光導波路、12f、12g……Y合波路、12h……第4光導波路、14……進行波電極、15……中心導体、15a……第1導体部、15b……第2導体部、15c……第3導体部、16……第1アース導体、16a……第1導体部、16b……第2導体部、16c……第3導体部、17……第2アース導体、20……光変調器、21〜24……溝、25……低誘電率部、28……バッファ層、30……光変調器、32……光導波路、34……進行波電極、35……中心導体、35a……第1導体部、35b……第2導体部、35c……第3導体部、36……アース導体、41、42……溝、45……低誘電率部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路にマイクロ波等の高周波信号の電界を印加して、光導波路を伝搬する光を位相変調する光変調器において、広い変調帯域を実現し、また、小振幅で駆動できるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムに用いる高速な光変調器として、リチウムナイオベート(LiNbO3:以下LNと記す)基板の表面にチタン(Ti)を熱拡散して光導波路を形成するとともに、その光導波路を挟むようにして進行波電極を設け、この進行波電極に入力された高周波信号の電界を光導波路に印加して、光導波路を伝搬する光の位相を変調するいわゆるTi:LiNbO3型の光変調器(LN光変調器)が広く使用されている。
【0003】
このLN基板は異方性を有しており、LN基板を用いた光変調器には、zカット基板を用いるタイプと、xカットあるいはyカット基板を用いるタイプとがある。
【0004】
また、この種の光変調器としては、1本の光導波路に入射された光の位相を変調して出射するものと、入射された光を2分岐して、その分岐された少なくとも一方の光の位相を他方の光に対して180°だけ移相して合波することで、振幅変調して出射するものとがある。
【0005】
図19〜図21は、xカットLN基板を用いた従来の振幅変調型の光変調器10の構造を示している。
【0006】
これらの図において、光変調器10は、横長矩形のxカットのLN基板(以下、単に基板と記す)11を有しており、その一面11a側にはTiを熱拡散して形成された光導波路12が設けられている。
【0007】
光導波路12は、基板11の一端側から中央方向に直線状に延びた第1光導波路12a、第1光導波路12aの先端に設けられたY分岐路12b、12c、Y分岐路12b、12cから互いに平行に延びた第2光導波路12dおよび第3光導波路12e、第2光導波路12dと第3光導波路12eの先端に設けられたY合波路12f、12g、Y合波路12f、12gの合波点から基板11の他端側まで直線状に延びた第4光導波路12hとによって構成されている。
【0008】
この光導波路12は、図示しない光ファイバ等を介して第1光導波路12aに入射された光Pを互いに等しい位相と振幅の光に分けて第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを伝搬させ、その合波光P′を第4光導波路12hを介して基板11の他端側から出射する。
【0009】
また、基板11の一面11a側には、進行波電極14がパターン形成されている。この進行波電極14は、中心導体15の両側に第1アース導体16と第2アース導体17が形成された対称型のコプレーナ型導波路(CPW)であり、その中心導体15は、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの間ほぼ中間位置を通り所定幅で両光導波路と平行に延びた第1導体部15aと、この第1導体部15aの両端から基板11の一方の側縁まで延びた第2導体部15bおよび第3導体部15cとによって略コの字状に形成されている。
【0010】
また、第1アース導体16は、中心導体15の第1導体部15aとの間で第2光導波路12dを挟んだ位置で中心導体15の第1導体部15aより広い幅をもって第2光導波路12dと平行に形成された第1導体部16aと、この第1導体部16aの両端から基板11の一方の側縁まで延びた第2導体部16bおよび第3導体部16cとによって略コの字状に形成されている。
【0011】
また、第2アース導体17は、中心導体15の第1導体部15aとの間で第3光導波路12eを挟んだ位置で中心導体15の第1導体部15aより広い幅をもって第3導波路12eと平行に形成されている。
【0012】
中心導体15の第2導体部15bには変調用のマイクロ波信号Mが図示しない同軸ケーブル等を介して入力され、そのマイクロ波信号Mが光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eに挟まれた第1導体部15aを伝搬して第3導体部15cから出力される。第3導体部15cから出力されたマイクロ波M′は図示しない終端回路で終端される。
【0013】
なお、第1アース導体16の第2導体部16b、第3導体部16cおよび第2アース導体17は、この光変調器10を収容するケース(図示せず)等のアースラインに接続されている。
【0014】
このように形成された光変調器10において、進行波電極14の一端側に供給されたマイクロ波信号Mがその中心導体15の第1導体部15aを伝搬する際に、図22に示しているように、第1導体部15aから第1アース導体16の第1導体部16aおよび第2アース導体17へ向かう電気力線Ea、Ebが生じ、この電気力線のうち、基板11内を通る電気力線Ebの一部が、光導波路12の第2光導波路12d、第3光導波路12eを通過するため、基板11の電気光学効果により、光導波路12の第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを伝搬する光に位相差が与えられる。
【0015】
ここで、進行波電極14にマイクロ波信号Mを供給したときに、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを伝搬する光に対して180°の位相差が与えられるようにしておけば、その合波光P′の単一モード成分は相殺され、光導波路12の第4光導波路12hから光が出射されない状態となる(なお、合波部において高次モード光が生成されるが、高次モード光は第4光導波路12hを伝搬できない)。
【0016】
したがって、進行波電極14に対するマイクロ波信号Mの供給を2値のデータ信号によってオンオフすれば、データ信号の「1」、「0」に応じて強度変調された光を第4光導波路12hから出力することができる。
【0017】
この種の光変調器では、変調帯域が広く、小振幅のマイクロ波信号で所定変調が得られることが要求されている。
【0018】
この光変調器10の光変調帯域Δfは、近似的に、
Δf=1.4c0/(πL|nm−n0|) (GHz)
で表されることが知られている。
【0019】
ここで、c0は真空中の光速、Lは電気信号であるマイクロ波と光の相互作用長、nmは進行波電極14を伝搬するマイクロ波の等価屈折率、n0は光導波路12を伝搬する光の等価屈折率である。なお、上記構造の光変調器10の場合、相互作用長Lは、光導波路12の第2光導波路12d、第3光導波路12eと、進行波電極14の中心導体15の第1導体部15aとが並行している部分の長さである。
【0020】
上記式から、光変調帯域Δfを広くするためには、|nm−n0|の値を小さくする、即ち、進行波電極14を伝搬するマイクロ波の等価屈折率nmと光導波路12を伝搬する光の等価屈折率n0とを近づければよいことが判る。
【0021】
一方、xカットの基板11の比誘電率は異方性を有しており、基板表面に垂直な方向の比誘電率が約43、基板表面に平行な方向の比誘電率が約28で、平均的な比誘電率εsは約36となり、空気の比誘電率に比べて極めて大きい。
【0022】
進行波電極14の厚みTが非常に小さい場合、中心導体15と両アース導体16、17との間の電気力線のうち、空気中を通過する電気力線Eaと基板11内を通過する電気力線Ebとはほぼ等量となり、このときのマイクロ波の等価屈折率nmは、
nm=(εs+1)1/2≒4.2
となる。
【0023】
これに対し、光の等価屈折率は約2.2であるので、光変調帯域Δfと相互作用長Lとの積Δf・Lは約6.4GHz・cmとなる。
【0024】
この光変調帯域Δfと相互作用長Lとの積Δf・Lが、光変調器の変調帯域の広さを評価する際に用いられる値である。
【0025】
また、進行波電極14を伝搬するマイクロ波の電界分布をE(x、y)、光導波路を伝搬する光の界分布をφ(x、y)とし、電界分布E(x、y)と光のパワー|φ(x、y)|2の重なり積分をΓと定義して、
Γ=∫∫E(x、y)|φ(x、y)|2dxdy
と置くと、このxカットの基板11を用いた光変調器10の半波長電圧(光に180°の位相差を与えるために必要なマイクロ波の振幅Vとπとの積)Vπと相互作用長Lとの積Vπ・Lは、この重なり積分Γに反比例する。
【0026】
つまり、
Vπ・L∝1/Γ (V・cm)
と表される。
【0027】
この値Vπ・Lが、光変調器の感度を評価する際に用いられる値であり、重なり積分Γが大きい程、即ち、光導波路を通過する電気力線が多い程、Vπ・Lの値が小さくなり、相互作用長Lが一定であれば小振幅のマイクロ波信号で所定の位相差を与えることができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の光変調器10のΔf・Lは約6.4GHz・cmとなっているが、データ伝送に要求される速度は年々増加しており、このΔf・Lの値では、その要求に対応できなくなっている。
【0029】
これを解決するための方法として、上記相互作用長Lを短くすることが考えられるが、この相互作用長Lを短くするとマイクロ波の電界による光への位相変調効果(感度)が小さくなってしまう。
【0030】
また、別の方法として、図23に示しているように、進行波電極14の厚みTを大きくして、空気中を通過する電気力線Eaの量を増加させることで、マイクロ波の等価屈折率nmを下げて、光の等価屈折率n0に近づけることが考えられる。
【0031】
しかしながら、このように進行波電極14の厚みTを大きくした場合、進行波電極14の特性インピーダンスが所定値(例えば50Ω)よりかなり小さくなって、マイクロ波を正しく伝送できなくなる。
【0032】
即ち、マイクロ波の等価屈折率nmと光の等価屈折率n0とがほぼ一致する条件下では、進行波電極14の厚みTを例えば40μmのように極めて厚くすることが必要となり、そのときの特性インピーダンスは30Ω以下となってしまい、外部回路(同軸ケーブル等)との整合性が悪くなり、しかも、このように厚い進行波電極14を製造する際には、歩留りが悪くなるという問題があった。
【0033】
また、進行波電極14の厚みTを大きくして、所定の特性インピーダンスを維持するために、中心導体15と第1アース導体16、第2アース導体17との間隔を広げることも考えられるが、これでは光導波路12の第2光導波路12d、第3光導波路12eと、各導体15、16、17との距離も広がってしまい、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eへの電界の影響も小さくなって位相変調効果が低減し、これを補うために印加するマイクロ波の振幅を大きくしなければならない。
【0034】
本発明は、これらの課題を解決し、広い変調帯域を有し、小振幅のマイクロ波で高速変調が可能な光変調器を提供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光変調器は、
電気光学効果を有する基板(11)と、
該基板の一面側に形成された光導波路(12、32)と、
前記基板の一面側で前記光導波路の両側に形成された中心導体(15、35)とアース導体(16、17、36)とを有し、前記中心導体の一端側に入力された高周波信号を他端側へ伝搬させるとともに、該高周波信号の電界を前記光導波路に印加して、該光導波路を伝搬する光の位相を変調する進行波電極(14、34)とを備えた光変調器において、
前記基板より誘電率が低い低誘電率部(25、45)を、前記進行波電極の中心導体と前記光導波路との間の位置または前記アース導体と前記光導波路との間の位置の少なくとも一方の位置で、前記基板の一面側から反対面側へ向かって所定深さで設けたことを特徴としている。
【0036】
また、本発明の請求項2の光変調器は、請求項1の光変調器において、
前記低誘電率部が、前記基板の一面側から反対面側に向かって所定深さで形成された溝(21〜24、41、42)の内部の空気層を含むことを特徴としている。
【0037】
また、本発明の請求項3の光変調器は、請求項2の光変調器において、
前記進行波電極の中心導体は、前記溝で挟まれたリッジ部(11b)に形成されていることを特徴としている。
【0038】
また、本発明の請求項4の光変調器は、請求項2または請求項3の光変調器において、
前記光導波路は、前記溝で挟まれたリッジ部(11c、11d)に形成されていることを特徴としている。
【0039】
また、本発明の請求項5の光変調器は、請求項1〜4の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側と同一の高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0040】
また、本発明の請求項6の光変調器は、請求項1〜4の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側から突出する高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0041】
また、本発明の請求項7の光変調器は、請求項1〜4の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側と前記低誘電率部の底部との間の高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0042】
また、本発明の請求項8の光変調器は、請求項1〜3の光変調器において、
前記光導波路の上面が、前記低誘電率部の底部と同一の高さとなるようにしたことを特徴としている。
【0043】
また、本発明の請求項9の光変調器は、請求項1〜8の光変調器において、
前記進行波電極の中心導体またはアース導体の少なくとも一方と、前記基板の一面側との間に、該基板より誘電率が低いバッファ層(28)が設けられていることを特徴としている。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3は、本発明を適用した光変調器20の構造を示している。なお、この光変調器20において、前記した従来の光変調器10と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
この光変調器20は、前記した光変調器10と同様に、横長矩形のxカットのLN基板(以下、単に基板と記す)11の一面11a側に、Tiの熱拡散で形成された第1光導波路12a、Y分岐路12b、12c、第2光導波路12d、第3光導波路12e、Y合波路12f、12gおよび第4光導波路12hからなる光導波路12と、中心導体15、第1アース導体16および第2アース導体17からなるマイクロ波の進行波電極14が設けられている。
【0046】
なお、この実施形態および後述する各実施形態では、変調用の高周波信号がマイクロ波の場合について説明するが、変調用の高周波信号がミリ波あるいは準ミリ波等であってもよい。
【0047】
この光変調器20の基板11の一面11a側には、中心導体15の第1導体部15aと第2光導波路12dとの間、中心導体15の第1導体部15aと第3光導波路12eとの間、第2光導波路12dと第1アース導体16の第1導体部16aとの間および第3光導波路12eと第2アース導体17との間の位置で、所定深さH(例えば数μm)の溝21〜24が平行に形成されており、中心導体15の第1導体部15aは溝21、22で挟まれたリッジ部11bの上面に形成され、第2光導波路12dは、溝21、23で挟まれたリッジ部11cの上面に形成され、第3光導波路12eは、溝22、24で挟まれたリッジ部11dの上面に形成されている。
【0048】
これらの溝21〜24の中の低誘電率部25は、基板11より比誘電率が低い空気によって形成されている。
【0049】
このように構成された光変調器20では、図4に示しているように、中心導体15の第1導体部15a、第1アース導体16の第1導体部16aおよび第2アース導体17のエッジ近傍に基板11より誘電率が低い空気による低誘電率部25が設けられているので、第1導体部15aから出力されるマイクロ波の電気力線のうち、低誘電率部25を含む空気の中を通過する電気力線Ea、Ecの量が増加するとともに、第1導体部15a、第1アース導体16の第1導体部16aおよび第2アース導体17のエッジ近傍では電界強度が大きいので、強い電気力線が低誘電率部25の空気中を通過することになり、進行波電極14の厚みTが比較的薄く(例えば15μm程度)ても、マイクロ波の等価屈折率nmを光の等価屈折率n0に近づけることができる。
【0050】
この低誘電率部25によるマイクロ波についての等価屈折率nmの変化は、図5に示しているように、各溝21〜24の深さH(低誘電率部25の高さ)の増加に対して単調減少するので、マイクロ波の等価屈折率nmが光の等価屈折率n0とほぼ等しくなる深さH0に設定することで、光とマイクロ波との速度整合を達成することができ、従来に比べて格段に高速な変調が可能となる。
【0051】
また、低誘電率部25を含む空気中を通過する電気力線Ecが増すことにより、進行波電極14の特性インピーダンスが高くなるので、速度整合の条件下においても、導体間隔を広げることなくほぼ50Ωの特性インピーダンスを実現することができ、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良い。また、進行波電極14の厚みTが比較的薄くて済むので、製造が容易となり、歩留りが良くなる。
【0052】
また、溝21〜24の深さHを大きくすると、基板11内を通過する電気力線Ebの量が減り、その分低誘電率部25を含む空気中に生じる電気力線が増して、光導波路12d、12e内を通過する電気力線Ecの量が増える。
【0053】
このため、図6に示しているように、溝21〜24の深さHが大きくなるにつれて、前記したマイクロ波と光の重なり積分Γの値が大きくなり、その結果、Vπ・L値が小さくなり、マイクロ波の振幅に対する感度が高くなり、小振幅で必要な変調をかけることができる。
【0054】
なお、上記した光変調器20では、光導波路12の上面の高さと、基板11の一面11aのうちの進行波電極14が形成されている部分の高さとを同一に示しているが、厳密には、進行波電極14が形成されている部分の高さとリッジ部11bの高さとが等しい場合に、熱拡散によって光導波路を形成すると、僅かな(数100オームストロング程度)の盛り上がりができ、両者の高さは完全に同一ではなく、ほぼ同一と言える。ただし、本発明では、この状態を光導波路の上面の高さと進行波電極が形成されている基板11の一面との高さが同一であるものとする。また、本明細書において、各光導波路の「上面」とは、基板の姿勢に関わらず、その光導波路を形成している基板11の面の部分を示すものとし、各部の「高さ」とは、基板の厚さ方向に沿った位置を示すものとする。
【0055】
また、図7に示すように、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さが、基板11の一面11aのうちの進行波電極14が形成されている部分の高さより高くなるように設ける、即ち、基板11の一面11aのうち進行波電極14が形成されている部分の高さより高い位置まで突出するリッジ部11c、11dの上面に第2光導波路12dと第3光導波路12eを設けることも可能である。
【0056】
このように構成した場合、第2光導波路12dが、中心導体15の第1導体部15aおよび第1アース導体16の第1導体部16aに対して高さ方向(基板11の厚さ方向)の位置で重なり合い、また、第3光導波路12eが、中心導体15の第1導体部15aおよび第2アース導体17に対して高さ方向(基板11の厚さ方向)の位置で重なり合うため、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを通過する電気力線Ecの量がさらに増加し、その結果、より小振幅のマイクロ波で上記の光変調が可能となる。
【0057】
図8は、基板11の一面11aのうち進行波電極14が形成されている部分の高さに対するリッジ部11c、11dの突出長ΔHとVπ・L値の関係を示しており、リッジ部11c、11dの突出長ΔHが大きくなるにつれて、Vπ・L値が単調減少している。
【0058】
また、図9に示すように、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さをさらに高くした場合には、第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを通過する電気力線Ecの量がさらに増加し、その結果、さらに小振幅のマイクロ波で上記の光変調が可能となる。なお、突出長ΔHの上限は、進行波電極14の上面の高さまでであり、これ以上大きくすると、光導波路12d、12eを通過する電気力線の量が減少する。
【0059】
ただし、図7および図9の断面構造のものは、図4の断面構造のものに比べて基板11のリッジ部11c、11dを通過する電気力線の量が増加するので、マイクロ波の等価屈折率nmの低減効果が若干少なくなり、変調帯域は若干狭くなる。つまり、図7、図9に示した例は、変調帯域よりもマイクロ波の振幅の低減(変調感度)を優先する場合に適している。
【0060】
また、図10に示すように、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さが、基板11の一面11aのうちの進行波電極14が設けられている部分の高さと低誘電率部25の底部(溝21〜24の底部)の高さとの間となるようにする、即ち、基板11の一面11aのうち進行波電極14が設けられている部分の高さより低く且つ溝21〜24の底部より高く形成されたリッジ部11c、11dの上面に第2光導波路12dと第3光導波路12eを設けることも可能である。
【0061】
このように構成した場合、低誘電率部25を含めた空気の中を通過する電気力線の量Eaが前記した各例のものより多くなるため、マイクロ波の等価屈折率nmの低減効果がさらに大きくなり、より速度整合が達成しやすくなる。
【0062】
また、図11に示しているように、リッジ部11b、11cの高さをゼロとして、光導波路12の第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さが低誘電率部25の底部の高さと同一となるようにした場合には、マイクロ波の等価屈折率nmの低減効果がさらに大きくなり、さらに速度整合が達成しやすくなる。なお、この場合も、前記したように、厳密には、熱拡散による盛り上がりのために第2光導波路12dと第3光導波路12eの上面の高さと低誘電率部25の底部の高さは完全に同一ではなく、ほぼ同一と言える。ただし、本発明では、この状態を光導波路の上面の高さと低誘電率部25の底部の高さとが同一であるものとする。
【0063】
ただし、上記図10、図11の断面構造のものは、図4の断面構造のものに比て第2光導波路12dおよび第3光導波路12eを通過する電気力線Ecの量が減少するので、マイクロ波の振幅低減効果は低くなる。つまり、図10、図11の例は、マイクロ波の振幅低減(変調感度)よりも変調帯域を優先する場合に適している。
【0064】
また、上記各実施例では、基板11の一面11a側に所定深さで形成した4本の溝21〜24によって、中心導体15の第1導体部15aと第2光導波路12dとの間、中心導体15の第1導体部15aと第3光導波路12eとの間、第2光導波路12dと第1アース導体16の第1導体部16aの間および第3光導波路12eと第2アース導体17との間の位置に、基板11より誘電率が低い空気による低誘電率部25を設けていたが、これは本発明を限定するものではなく、例えば図12に示すように、中心導体15の第1導体部15aと第2光導波路12d、第3光導波路12eの間にだけ低誘電率部25を設けてもよい。
【0065】
また、図13に示すように、第1のアース導体16の第1導体部16aと第2光導波路12dとの間および第2アース導体17と第3光導波路12eとの間にのみ低誘電率部25を設けてもよい。
【0066】
この図12や図13のように構成した場合でも、低誘電率部25が設けられているので、前記同様にマイクロ波の等価屈折率を低減できるとともに、進行波電極14の特性インピーダンスを高くすることができ、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。
【0067】
なお、図12、図13の断面構造のものにおいても、前記した各例と同様に、第2光導波路12dと第3光導波路12eの高さ位置を任意に設定することができる。
【0068】
また、前記各実施例では、基板11の一面11aに進行波電極14を直にパターン形成していたが、図14に示すように、基板11の一面11a側の表面全体にSiO2やSiNxや等のように、比誘電率が基板11より低い材料によるバッファ層28を設け、このバッファ層28の上に進行波電極14をパターン形成してもよい。
【0069】
このように比誘電率が基板11より低いバッファ層28を設けた場合、マイクロ波の等価屈折率nmが低下し、特性インピーダンスが高くなるので、光とマイクロ波の速度整合がさらに達成し易くなるとともに、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。さらに、マイクロ波の伝搬損失も低減されるので、より一層の広帯域変調が可能となる。
【0070】
なお、このバッファ層28は、前記した各実施例のみならず、本発明の全ての実施例についても設けることができる。また、バッファ層28は、上記のように基板11の表面全体に設ける場合だけでなく、中心導体15と基板11の一面11a側との間だけ、アース導体16、17と基板11の一面11a側との間だけ、あるいは、中心導体15およびアース導体16、17と基板11の一面11a側との間だけに設けてもよい。
【0071】
また、前記した各実施例では、光導波路にマイクロ波の電界を印加するための進行波電極14として、中心導体15の両側にアース導体16、17を等しい間隔で形成した対称型のコプレーナ型導波路(CPW)を用いていたが、中心導体15に対するアース導体16、17の間隔が異なる非対称型のコプレーナ型導波路(CPW)を用いた光変調器についても本発明を同様に適用できる。
【0072】
また、前記各実施例では、第1光導波路12aから分岐された第2光導波路12dと第3光導波路12eに、逆向きのマイクロ波の電界を印加して、両光導波路12d、12eを伝搬する光の位相を互いに逆方向に移相して、合波光が相殺されるようにしていたが、第2光導波路12dと第3光導波路12eのいずれか一方の光導波路に対してだけマイクロ波の電界を印加して、その光導波路を伝搬する光の位相を例えば180°だけ移相して、合波光が相殺されるように構成された光変調器にも本発明を適用できる。この場合には、上記したコプレーナ型導波路(CPW)を用いる方法の他に、アース導体が1つだけの非対称コプレーナストリップ線路(ACPS)を用いることができる。
【0073】
また、上記のような振幅変調だけでなく、一つの光導波路に対してマイクロ波の電界を印加して、その光導波路を伝搬する光の位相を変調する位相変調型の光変調器についても本発明を適用できる。
【0074】
図15、図16は、本発明を適用した位相変調型の光変調器30を示している。
【0075】
この光変調器30のxカットの基板11の一面11aには、Tiの熱拡散によって形成され、基板11の一端から他端側まで直線上に延びた一本の光導波路32と、この光導波路32にマイクロ波の電界を印加するための非対称コプレーナストリップ型の進行波電極34とが設けられている。
【0076】
この進行波電極34は、中心導体35とアース導体36とからなり、中心導体35は、光導波路32に沿って平行に形成された第1導体部35aと、第1導体部35aの両端から基板11の一方の側端まで延びた第2導体部35bおよび第3導体部35cによって略コの字状に形成されている。
【0077】
また、アース導体36は、中心導体35との間で光導波路32を挟む位置に中心導体35より広い幅で形成された第1導体部36aと、第1導体部36aの両端から基板11の一方の側端まで延びた第2導体部36bおよび第3導体部36cによって略コの字状に形成されている。
【0078】
光導波路32と中心導体35の第1導体部35aとの間、および光導波路32とアース導体36の第1導体部36aとの間には、前記同様に、所定深さHに形成された溝41、42が形成され、それらの溝41、42内に空気による低誘電率部45が設けられている。
【0079】
このため、前記した光変調器の場合と同様に、進行波電極34の厚さを増すことなく、マイクロ波の等価屈折率を低減することができ、速度整合を実現しやすくなり、高速な位相変調が可能となる。
【0080】
また、この光変調器30でも、溝41との間で中心導体35の第1導体部35aを挟む溝43を設けて、その溝43内の空気による低誘電率部45によって、第1導体部35aから低誘電率部45を含む空気層へ電気力線を出しているので、マイクロ波の等価屈折率の低減効果が高くなる。
【0081】
また、低誘電率部45を設けたことにより、進行波電極34の特性インピーダンスが高くなり、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。
【0082】
なお、この光変調器30の場合においても、図12、図13に示した断面構造のように溝の数を減らしてもよく、このように溝の数を減らした場合であっても、本発明としての効果はあることは言うまでもない。また、進行波電極34として、前述の対称型CPWあるいは非対称型CPWを用いてもよい。
【0083】
また、上記した各実施例では、基板11に設けた溝21〜24、41、42によって空気の低誘電率部25、45を形成していたが、低誘電率部は、基板11より低い誘電率を有するものであれば、空気以外のものであってもよく、低誘電率の部材(例えば、SiO2、SiNx、ポリイミド等)を前記した溝の内部に挿入しても良いし、これらと空気とが共存したものであってもよい。
【0084】
また、前記した各実施例では、低誘電率部25、45を形成する溝21〜24、41、42の幅と深さを等しく設定していたが、これらの幅や深さはそれぞれ異なっていてもよい。
【0085】
また、溝のエッジが中心導体、アース導体あるいは光導波路のエッジと一致している必要はなく、例えば中心導体やアース導体の一部が溝にオーバラップする構造でもよい。このように中心導体やアース導体の一部を溝にオーバラップさせると、マイクロ波の等価屈折率をより下げることができるので、マイクロ波と光の速度整合を容易に実現できる。さらに、マイクロ波と光の相互作用効率が高くなり、一層、小振幅化することができる。また、進行波電極の特性インピーダンスを高くし、ほぼ50Ωに整合できるという利点もある。
【0086】
なお、各溝の幅を広げると、溝の深さを大きくした場合と同じ効果があるので、最適設計のためには、他の各部の寸法とともに、溝の深さ、幅を最適化する必要がある。
【0087】
また、2つの光導波路12d、12eの高さが異なるように設定してもよい。このようにすると、2つの光導波路12d、12eについての前記した重なり積分Γの値が異なるので、出射する光パルスに意図的にチャーピングを生じさせることができる。
【0088】
また、前記した各実施例では、中心導体が一本だけの進行波電極14、34を用いていたが、中心導体が2本のプッシュプル型の進行波電極を用いた光変調器にも本発明を適用できる。
【0089】
また、前記した各実施例では、基板11としてxカットのLN基板を用いていたが、yカットのLN基板あるいはxカットとyカットの中間等各種方位のLN基板を用いた光変調器にも本発明を同様に適用でき、LN基板以外で電気光学効果をもつ基板を用いたものにも適用できる。
【0090】
また、上記した各実施例において、進行波電極14、34の各導体による光の吸収損失を抑えるために、進行波電極14、34と光導波路12、32とが重なり合う部分に、SiO2やSiNx等からなるバッファ層を設けてもよい。
【0091】
また、上記した各実施例では、基板11の一面11aのうち、進行波電極14、34の中心導体15、35が形成されている部分の高さと、アース導体16、17、36が形成されている部分の高さが同一であったが、両者の間に段差を設けてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、基板の一面側に形成された光導波路と、基板の一面側で光導波路の両側に形成された中心導体とアース導体とを有し、中心導体の一端側に入力された高周波信号を他端側へ伝搬させるとともに、その高周波信号の電界を光導波路に印加して、光導波路を伝搬する光の位相を変調する進行波電極とを備えた光変調器において、基板より誘電率が低い低誘電率部を、進行波電極の中心導体と光導波路との間の位置またはアース導体と光導波路との間の位置の少なくとも一方の位置で、基板の一面側から反対面側へ向かって所定深さで設けている。
【0093】
このため、中心導体からアース導体へ向かう電気力線のうち、低誘電率部を通過する量が増加して、高周波信号の等価屈折率が低くなる。
【0094】
したがって、進行波電極の厚さを増すことなく高周波信号の等価屈折率を光の等価屈折率に近づけることができ、その低誘電率部の深さ等を調整することで、光と高周波信号との速度整合を容易に実現でき、変調帯域を格段に広くすることができる。
【0095】
また、光導波路の上面が、進行波電極が形成されている部分の基板の一面側と同一の高さとなるようにしたものでは、低誘電率部と空気層とを通過する電気力線の増加量と、光導波路を通過する電気力線の増加量とを適度にバランスさせることができ、広い変調帯域と供給する高周波信号の小振幅化とを両立することができる。
【0096】
また、光導波路の上面が、進行波電極が形成されている部分の基板の一面側から突出する高さとなるようにしたものでは、光導波路を通過する電気力線の量をより増加させることができ、より小振幅の高周波信号で所定の変調を行なうことができる。
【0097】
また、光導波路の上面が、進行波電極が形成されている部分の基板の一面側と低誘電率部の底部との間の高さとなるようにしたものでは、低誘電率部を通過する電気力線の量をより増加させることができ、変調帯域をさらに広くすることができる。
【0098】
また、光導波路の上面が、低誘電率部の底部と同一の高さとなるようにしたものでは、低誘電率部を通過する電気力線の量をより増加させることができ、変調帯域をさらに広くすることができる。
【0099】
また、進行波電極の中心導体またはアース導体の少なくとも一方と、基板の一面側との間に、その基板より誘電率が低いバッファ層を設けたものでは、高周波信号の等価屈折率が低下し、特性インピーダンスが高くなるので、光と高周波信号の速度整合がさらに達成し易くなるとともに、外部回路との特性インピーダンスの整合性が良くなる。また、高周波信号の伝搬損失も低減されるので、より一層の広帯域光変調が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の斜視図
【図2】実施形態の平面図
【図3】図2のA−A線概略断面図
【図4】実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図5】溝の深さに対するマイクロ波の等価屈折率nmの変化を表す図
【図6】溝の深さに対するVπ・L値の変化を表す図
【図7】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図8】光導波路の突出長に対するVπ・L値の変化を表す図
【図9】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図10】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図11】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図12】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図13】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図14】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図15】他の実施形態の斜視図
【図16】他の実施形態の平面図
【図17】図16のB−B線概略断面図
【図18】他の実施形態の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図19】従来の光変調器の斜視図
【図20】従来の光変調器の平面図
【図21】図20のC−C線概略断面図
【図22】従来装置の断面構造と電界の分布の例を示す図
【図23】従来装置の断面構造と電界の分布の例を示す図
【符号の説明】
11……LN基板、11b〜11d……リッジ部、12……光導波路、12a……第1光導波路、12b、12c……Y分岐路、12d……第2光導波路、12e……第3光導波路、12f、12g……Y合波路、12h……第4光導波路、14……進行波電極、15……中心導体、15a……第1導体部、15b……第2導体部、15c……第3導体部、16……第1アース導体、16a……第1導体部、16b……第2導体部、16c……第3導体部、17……第2アース導体、20……光変調器、21〜24……溝、25……低誘電率部、28……バッファ層、30……光変調器、32……光導波路、34……進行波電極、35……中心導体、35a……第1導体部、35b……第2導体部、35c……第3導体部、36……アース導体、41、42……溝、45……低誘電率部
Claims (9)
- 電気光学効果を有する基板(11)と、
該基板の一面側に形成された光導波路(12、32)と、
前記基板の一面側で前記光導波路の両側に形成された中心導体(15、35)とアース導体(16、17、36)とを有し、前記中心導体の一端側に入力された高周波信号を他端側へ伝搬させるとともに、該高周波信号の電界を前記光導波路に印加して、該光導波路を伝搬する光の位相を変調する進行波電極(14、34)とを備えた光変調器において、
前記基板より誘電率が低い低誘電率部(25、45)を、前記進行波電極の中心導体と前記光導波路との間の位置または前記アース導体と前記光導波路との間の位置の少なくとも一方の位置で、前記基板の一面側から反対面側へ向かって所定深さで設けたことを特徴とする光変調器。 - 前記低誘電率部が、前記基板の一面側から反対面側に向かって所定深さで形成された溝(21〜24、41、42)の内部の空気層を含むことを特徴とする請求項1記載の光変調器。
- 前記進行波電極の中心導体は、前記溝で挟まれたリッジ部(11b)に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光変調器。
- 前記光導波路は、前記溝で挟まれたリッジ部(11c、11d)に形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の光変調器。
- 前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側と同一の高さとなるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光変調器。
- 前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側から突出する高さとなるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光変調器。
- 前記光導波路の上面が、前記進行波電極が形成されている部分の前記基板の一面側と前記低誘電率部の底部との間の高さとなるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光変調器。
- 前記光導波路の上面が、前記低誘電率部の底部と同一の高さとなるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光変調器。
- 前記進行波電極の中心導体またはアース導体の少なくとも一方と、前記基板の一面側との間に、該基板より誘電率が低いバッファ層(28)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光変調器。
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