JP2004132407A - ヒンジ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の技術は、カム面が、曲面またはほぼ曲面にならざるを得ず、カム面の加工が非常に困難である。このような形状を切削により加工することは非常に困難であり、生産コストが高価になる。
【解決手段】受話部と送話部とを開閉自在に連結し、閉状態から開状態までの任意の角度で、受話部が開放された場合に、受話部が、角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、圧縮バネ56の軸方向の復元力と、カム面55とを利用し、角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるヒンジ装置を得る。
【選択図】 図3
【解決手段】受話部と送話部とを開閉自在に連結し、閉状態から開状態までの任意の角度で、受話部が開放された場合に、受話部が、角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、圧縮バネ56の軸方向の復元力と、カム面55とを利用し、角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるヒンジ装置を得る。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は折り畳み型携帯電話機等に用いられるヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は、特許文献1の図3で示されるような形状のスライド駒4を使用することによって、第1部材または第2部材を開放すると第1部材または第2部材が閉方向に付勢される範囲の近傍において、第1部材または第2部材を開放した場合に、第1部材または第2部材が通話角度まで開くものである。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−164368
【特許文献2】
特開平9−284165
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術は、カム面が、曲面またはほぼ曲面にならざるを得ず、このような形状を切削により加工することは非常に困難であり、生産コストが高価になる。この発明は上記課題を解決するためになされたもので、バネ要素の軸方向と回転方向の復元力を利用することによって、加工の容易なカムを用いたヒンジ装置を実現し生産コストを抑えることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るヒンジ装置は、第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、圧縮バネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるようにしたものである。
【0006】
また、第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、ねじりバネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、前記ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1に係るヒンジ装置の使用される折り畳み型携帯電話機を開いた状態を表す正面図である。
【0008】
図1に基づいて、実施の形態1に係るヒンジ装置の使用される折り畳み型携帯電話機の構成について説明する。
図1において、10は携帯電話機、20は携帯電話機10の一部であって、使用者が、相手からの通話を受け取る第1の部材である受話部、30は携帯電話機10の一部であって、使用者が相手に送信する第2の部材である送話部、40は受話部20と送話部30とを回転自在に連結するヒンジ装置で、受話部20と送話部30を2点において連結し、その2点の一方は第1のトルク発生装置50であり、他方は第2のトルク発生装置60である。
【0009】
なお、図1において、受話部20はディスプレイ21とレシーバ22とを備えている。また、送話部30はプッシュボタン31とマイク32とを備えている。
【0010】
図2は、受話部20と送話部30とを分解し、携帯電話機10のヒンジ装置40の付近を拡大して表す拡大分解斜視図である。なお、図2には、第1のトルク発生装置50と第2のトルク発生装置60とは記載されていない。
【0011】
図2に基づいて、実施の形態1に係るヒンジ装置40等の構成について説明する。
図2において、23は受話部20の端部である受話部端部、41aは、ヒンジ装置40の一部であって、送話部30に設けられ、第1のトルク発生装置50が取り付けられる取り付け部、41bは、ヒンジ装置40の一部であって、送話部30に設けられ、第2のトルク発生装置60が取り付けられる取り付け部、42aは、取り付け部41aに設けられ、第1のトルク発生装置50の取り付け部41aへの取り付けのために、第1のトルク発生装置50が挿入される挿入孔、42bは、取り付け部41bに設けられ、第2のトルク発生装置60の取り付け部41bへの取り付けのために、第2のトルク発生装置60が挿入される挿入孔、43は、ヒンジ装置40の一部であって、受話部20に設けられ、第1のトルク発生装置50と第2のトルク発生装置60とが取り付けられる取り付け部、44aは、第1のトルク発生装置50の取り付け部43への取り付けのために、第1のトルク発生装置50が挿入される挿入孔である。また、取り付け部43は、挿入孔44aの他に、第2のトルク発生装置60の取り付け部43への取り付けのために、第2のトルク発生装置60が挿入される挿入孔44b(図2において図示せず)を有する。45は送話部30に設けられた回転止めで、受話部20と送話部30とから構成される角度が160°になった時点で受話部20と送話部30とから構成される角度がそれ以上開かないように、受話部端部23が当接する勾配面となっている。
【0012】
図3は、第1のトルク発生装置50を分解して表す分解斜視図である。
第1のトルク発生装置50の構成を図2または図3に基づいて説明する。図3において、51は、孔51aを有し、送話部30の挿入孔42aに嵌挿して固定される筐体、52は、孔51aを通じて受話部20の挿入孔44aに嵌挿して固定される固定部52aと、カム機構に用いられるカム用突起部52bとを有し、筐体51の内部に、第1のトルク発生装置50の軸方向aに直交する面b上での回転方向で、回転自在となるように配置されるカム用部材、53は、カム用部材52が筐体51に対して回転する場合に、その回転による、筐体51とカム用部材52との摩擦を低減する低摩擦板、54は、筐体51内に、面b上での回転方向で、回転不能に配置され、軸方向aで、スライド自在に配置されるスライド駒、55はスライド駒54に設けられ、受話部20と送話部30との連結が閉状態近傍である場合に受話部20を開放したとき、受話部20を閉方向へ付勢するとともに、開状態近傍である場合に受話部20を開放したとき、受話部20を開方向へ付勢するように形成されるカム面、56は、圧縮バネ要素として、スライド駒54と筐体51とを連結する圧縮バネである。
【0013】
図4は、第1のトルク発生装置50が、挿入孔42aおよび挿入孔44aに挿入された状態で、携帯電話機10を拡大して切断して表した拡大断面図である。また、図4において、カム用突起部52bは、カム面55上で窪んだ部分に当接されている。
【0014】
図5は、第2のトルク発生装置60を分解して表す分解斜視図である。
第2のトルク発生装置60の構成を図2または図5に基づいて説明する。図5において、61は、孔61aを有し、送話部30の挿入孔42bに嵌挿して固定される筐体、62は、孔61aを通じて受話部20の挿入孔44b(図2において図示せず)に嵌挿して固定される固定部62aを有し、筐体61の内部に、第2のトルク発生装置60の軸方向aに直交する面b上での回転方向で、回転自在となるように配置される固定板、63は、固定板62が筐体61に対して回転する場合に、その回転による、筐体61と固定板62との摩擦を低減する低摩擦板、64は、固定板62と接続されるねじりバネ要素で、ねじりバネ64aと案内棒64bとを有する。なお、案内棒64bは、ねじりバネ64aの姿勢を補助するものである。65はねじりバネ要素64と接続され、筐体61の内部に固定される固定板である。
【0015】
図6は、第2のトルク発生装置60が、挿入孔42bおよび挿入孔44bに挿入された状態で、携帯電話機10を拡大して切断して表した拡大断面図である。図6に記載された案内棒64bは、図5に記載された案内棒64bの形状から、一部加工されたものであり、案内棒64bの左端および右端がつぶれている。このつぶれた部分は、案内棒64bを固定板62または固定板65にかしめ止めするためのかしめ部64cまたはかしめ部64dである。
【0016】
図7は、送話部30と受話部20とを回転させた場合の携帯電話機10の様子を描いた図である。
なお、以降、「角度」について説明することがあるが、受話部20についての「角度」は、受話部20と送話部30とから構成される角度をいい、カム用部材52についての「角度」は、閉状態から、カム用部材52とスライド駒54とが回転方向にずれた角度をいう。なお、受話部20と送話部30とから構成される角度が任意の角度θであるときは、カム用部材52とスライド駒54とが回転方向にずれた角度もθである。
【0017】
図7において、(a)は閉状態で、カム用部材52および受話部20についての角度は0°である。(b)はカム用部材52および受話部20についての角度が閉状態(a)から第1角度αまで開いた状態、(c)はカム用部材52および受話部20についての角度が閉状態(a)から、第1角度αを越える第2角度βまで開いた状態、(d)はカム用部材52および受話部20についての角度が閉状態(a)から第2角度βを越える第3角度γまで開いた状態、(e)は開状態(e)で、カム用部材52および受話部20についての角度は160°である。
【0018】
図7において、閉状態(a)でのカム用部材52および受話部20についての角度は0°、カム用部材52および受話部20についての角度である第1角度αは25°、カム用部材52および受話部20についての角度である第2角度βは90°、カム用部材52および受話部20についての角度である第3角度γは150°、開状態(e)でのカム用部材52および受話部20の角度は160°としている。また、開状態(e)でのカム用部材52および受話部20の角度が160°であって、開状態(e)でのねじりバネ64aのねじりが0°であることから、閉状態(a)でのねじりバネ64aのねじりが160°となっている。
【0019】
また、開状態(e)での角度が160°とされているのは、携帯電話機10の使用者が、この携帯電話機10を通話に使用している間に、使用の快適を感じる角度が160°であることを根拠としている。
したがって、開状態(e)での角度が160°でなくても、ヒンジ装置40の動作に影響を与えるものではない。
【0020】
なお、第1角度α、第2角度β、第3角度γまたは開状態での角度が、25°、90°または150°と定められているのも、使用者の利用上の便利さのためであって、その角度でなくとも、ヒンジ装置40の動作に影響を与えるものではない。ただし、角度の大小関係は、以下の関係が成り立っていることを前提としている。
閉状態での角度<第1角度α<第2角度β<第3角度γ<開状態での角度
【0021】
図8〜図12は、スライド駒54について、カム用突起部52bがカム面55上を移動した場合に、カム用突起部52bと接触するカム面55上の部分の断面を展開して描いた展開断面図である。また、図8〜図12は、カム用部材52が回転して図8〜図12における左右方向に移動した場合に、スライド駒54が、図8〜図12での上下方向にスライドする動作をそれぞれ所定の場合について表している。なお、図8〜図12では、開方向(i)は右方向で、閉方向(ii)は左方向で表している。
【0022】
図において、55aは、カム面55の平坦な部分であって、圧縮バネ56がほぼ完全に開放された場合に、カム用突起部52bが当接する開放用平坦面、55bは、カム面55の勾配のついた部分である勾配面、55cはカム面55の平坦な部分であって、圧縮バネ56がほぼ完全に蓄勢された場合に、カム用突起部52bが当接する蓄勢用平坦面である。
【0023】
図8は閉状態(a)の場合の展開断面図、図9は状態(b)の場合の展開断面図、図10は状態(c)の場合の展開断面図、図11は状態(d)の場合の展開断面図、図12は開状態(e)の場合の展開断面図である。
【0024】
図13は、受話部20を開放した場合、すなわち手を離した時の角度と、手を離した後、自動に受話部20が開方向(i)へ開く角度、すなわち自動に得られる本体角度の関係を表した図である。
【0025】
各状態での携帯電話機10の動作を説明する。
閉状態(a)での携帯電話機10の動作を図7に基づいて説明する。
閉状態(a)では、携帯電話機10は閉じたままである。手を離していても自動に受話部20は開かない。これは、ヒンジ装置40の内部において、第1のトルク発生装置50から発生する第1のトルクが、第2のトルク発生装置60から発生する第2のトルクよりも大きいからである。
【0026】
閉状態(a)での第1のトルク発生装置50の動作を図3および図8に基づいて説明する。閉状態(a)では、第1のトルク発生装置50は閉方向(ii)へ第1のトルクを発生させる。これは、閉状態(a)では、圧縮バネ56が開放されるからである。
【0027】
閉状態(a)で、圧縮バネ56が開放される動作について図3および図8に基づいて説明する。この開放は、カム用突起部52bを開放用平坦面55aに当接させた場合に、圧縮バネ56を自然長の状態または圧縮された状態にしておくことにより、カム用突起部52bが、勾配面55bと接触する閉状態(a)の場合には、スライド駒54が図8での下方向へ押されて蓄勢された圧縮バネ56によって起こる。
【0028】
なお、第1のトルクが第2のトルクよりも大きい場合で、カム用突起部52bが、勾配面55bに当接されているときであっても、閉状態(a)であれば、カム用突起部52bは勾配面55b上に静止し得る。受話部20と送話部30とが接触しているので、受話部20または送話部30がこれ以上回転しないからである。
【0029】
閉状態(a)での第2のトルク発生装置60の動作を図5に基づいて説明する。閉状態(a)では、第2のトルク発生装置60は開方向(i)へ第2のトルクを発生させる。閉状態(a)では、ねじりバネ64aが160°ねじられて蓄勢されているので、ねじりバネ64aが開方向(i)へ、開放されようとするからである。
【0030】
第1のトルクと第2のトルクの大きさを調節する方法を説明する。第1のトルクと第2のトルクとの大きさは、図8における勾配面55bの角度の調節、圧縮バネ56またはねじりバネ64aの材質を任意のものに選択することによって、閉状態(a)で、第1のトルクを第2のトルクよりも大きくする。
【0031】
閉状態(a)から状態(b)までの区間での携帯電話機10の動作を説明する。図13に示すように、閉状態(a)から状態(b)までの区間とは手を離す角度が0°から25°の場合である。この場合、携帯電話機10が自動的に得られる本体角度は0°になる。
【0032】
受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20は閉方向(ii)へ付勢される。それはこの区間ではヒンジ装置40の内部において、第1のトルク発生装置50から発生する第1のトルクが、第2のトルク発生装置60から発生する第2のトルクを上回り、受話部20と送話部30とが接触していないからである。
【0033】
また、この区間に受話部20が留まることはなく、受話部20は閉状態(a)に収束する。
この区間での第1のトルク発生装置50および第2のトルク発生装置60の動作は閉状態(a)の場合と同様であるので説明を省略する。
【0034】
状態(b)から状態(c)までの区間での携帯電話機10の動作を説明する。即ち、図13に示すように、手を離す角度が25°から90°までの区間である。
【0035】
携帯電話機10の、受話部20を回転させて、この区間で開放した場合、受話部20は開方向(i)へ付勢される。また、手を離した角度によって、受話部20の回転が収束する角度が異なる。図13において例示する数字に基づいて説明すると、25°〜30°までの間は、受話部20が160°まで開く。一方、30°〜90°までは、手を離した角度に応じた角度となる。
【0036】
この区間では、ヒンジ装置40の内部において、第1のトルク発生装置50が発生する第1のトルクは小さく、一方で、第2のトルク発生装置60からは、携帯電話機10の動作に十分な大きさの第2のトルクが発生している。
【0037】
25°から30°までの間は、受話部20が収束する角度が160°となるのは、ここで開放された場合は、受話部20が後述する状態(d)から開状態(e)の区間まで開き、その後は受話部20が状態(d)から開状態(e)までの区間で行われる動作に従うからである。
【0038】
この区間での第1のトルク発生装置50の動作を図3、図9および図10に基づいて説明する。
この区間では、カム用部材52とスライド駒54との位置関係は、図9から図10の中間にある。
【0039】
この区間において、第1のトルク発生装置50は、カム用突起部52bが、蓄勢用平坦面55c上に位置している。したがって、圧縮バネ56は、図9および図10での上方向へ開放しようとしても、スライド駒54の上方向への移動が、カム用突起部52bに妨げられるため、圧縮バネ56は開放されない。したがって、第1のトルクは小さい。
【0040】
この区間での第2のトルク発生装置60の動作について説明する。
第2のトルク発生装置60では、ねじりバネ64aが開放されるので、第2のトルクが発生する。
ここでの第2のトルクは、第1のトルクと比べて十分大きい。したがって、ヒンジ装置40からは、開方向(i)への付勢力が発生する。
【0041】
状態(c)から状態(d)までの区間での携帯電話機10の動作を図7および図13に基づいて説明する。
携帯電話機10の、受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20はその角度位置に留まる。
【0042】
この区間でのヒンジ装置40の動作を説明する。
ヒンジ装置40では、第1のトルク発生装置50からは第1のトルクが小さい。一方、第2のトルク発生装置60からは第2のトルクが発生する。
【0043】
なお、この区間で発生する第2のトルクは、状態(b)から状態(c)までの区間で発生する第2のトルクよりも小さい。開状態(e)に近づくにしたがって、ねじりバネ64aの蓄勢が開放されるからである。
【0044】
また、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部52bとカム面55との間に発生する動摩擦力によって、カム用突起部52bの開方向(i)への移動が静止しない程度の大きさに、ねじりバネ64a、カム用突起部52bまたはカム面55の材質または形状を調節する。
【0045】
一方、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部52bとカム面55との間に発生する静止摩擦力によって、カム用突起部52bの静止状態が開方向(i)への移動状態とならない程度の大きさとなるよう、ねじりバネ64a、カム用突起部52bまたはカム面55の材質または形状を調節する。
【0046】
状態(d)から開状態(e)までの区間での携帯電話機10の動作を図7および図13に基づいて説明する。
受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20は開方向(i)へ付勢される。図13に基づけば、手を離す角度が150°から160°である場合は、受話部20の角度は160°に収束する。
【0047】
この区間でのヒンジ装置40の動作を図3、図5、図11および図12に基づいて説明する。
この区間は、第1のトルク発生装置50から開方向(i)に第1のトルクが発生し、第2のトルク発生装置60から開方向(i)にわずかな第2のトルクが発生する。したがって、ヒンジ装置40からは、開方向(i)のトルクが発生する。
【0048】
第1のトルク発生装置50の動作を図3、図11および図12に基づいて説明する。この区間においては、カム用部材52とスライド駒54との接触状態は、状態(d)と開状態(e)との中間にある。
したがって、カム用突起部52bは勾配面55bに位置し、蓄勢されていた圧縮バネ56が開放されるので、スライド駒54が、図11および図12での上方向へスライドし、第1のトルクが発生する。
【0049】
第2のトルク発生装置60の動作を図5に基づいて説明する。第2のトルク発生装置60から発生する第2のトルクは、受話部20を開方向(i)へ付勢するが、ねじりバネ64aの蓄勢がほとんどないため、実質的にはほとんど第2のトルクが発生しない。
【0050】
開状態(e)での携帯電話機10の動作を図7および図13に基づいて説明する。
開状態(e)では、受話部20が160°開いた状態で静止している。この状態は、ヒンジ装置40の内部において、開方向(i)へ働く第1のトルクおよび第2のトルクによる受話部20の回転を、回転止め45が受話部端部23を止めることによって実現している。
【0051】
この実施の形態1の効果を説明する。
この実施の形態は、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置40において、圧縮バネ56の軸方向の復元力と、カム面55とを利用し、その角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素64の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるので、第1部材または第2部材を開放した場合に、受話部20または送話部30が閉方向に付勢される範囲の近傍において、受話部20または送話部30を開放した場合に、受話部20または送話部30が通話角度まで開くヒンジ装置40のカム面55の形状が簡単になるため、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図ることができるとともに、カム面55の加工が容易になり、ひいてはヒンジ装置40の生産コストを抑えることができる。
【0052】
この実施の形態1は、第1のトルクは、開方向(i)および閉方向(ii)へ発生し、第2のトルクは、開方向(i)または閉方向(ii)へ発生するので、第1のトルクと第2のトルクを組み合わせることによって、方向および大きさが多様なトルクを発生するヒンジ装置40を実現することができる。
【0053】
この実施の形態1は、閉状態(a)で、ねじりバネ要素64が蓄勢され、角度が、閉状態(a)から開状態(e)の中間に有る場合に、ねじりバネ要素64が開放されて第2のトルクを発生させ、角度が、閉状態(a)から開状態(e)の中間に有る場合に、圧縮バネ56が蓄勢され、角度が閉状態(a)の近傍にある場合に、ねじりバネ要素64が開放されて、閉方向(a)へ、前記第2のトルクを上回る第1のトルクを発生させるので、閉状態(a)の近傍で、受話部20が開放された場合は、受話部20が閉方向(ii)へ付勢され、閉状態(a)から開状態(e)の中間で、受話部20が開放された場合は、受話部20が開方向(i)へ付勢されるヒンジ装置40を実現することができる。
【0054】
この実施の形態1は、第1のトルクは、送話部30に対して固定され、孔を有する筐体51と、この筐体51内部に、この筐体51の内壁に対して回転自在に配置され、孔51aを通して、受話部20に対して固定され、カム用突起部52bを有するカム用部材52と、カム用突起部52bが当接され、筐体51に対して回転不能に取り付けられ、角度に応じて筐体51をスライドするスライド駒54と、このスライド駒54と、筐体51の内壁との間に取り付けられる圧縮バネ56とを備えるので、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成されるヒンジ装置40を実現することが出来る。
【0055】
この実施の形態1は、第2のトルクは、送話部30に対して固定され、孔61aを有する筐体61と、この筐体61の内部に、この筐体61の内壁に対して回転自在に配置され、孔61aを通して、受話部に対して固定される固定板62と、この固定板62と筐体61の内壁である固定板65との間に取り付けられるねじりバネ要素64とを備えるので、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成され、加工が容易で、生産コストを抑えたヒンジ装置40を実現することができる。
【0056】
実施の形態2.
この実施の形態2は、実施の形態1と異なり、1種類のみのトルク発生装置を備えている点に特徴を有する。
【0057】
図14(a)は実施の形態2に係るトルク発生装置70の構成を表す分解斜視図、図14(b)は実施の形態2のトルク発生装置70の一部を図14(a)と異なる方向から眺めた斜視図である。
【0058】
実施の形態2のトルク発生装置70の構成を図14(a)および図14(b)に基づいて説明する。
71は孔71aを有し、送話部30に固定される筐体、72は、筐体71の内部に、トルク発生装置70の軸方向aに直交する面b上での回転方向で、回転自在となるように配置され、孔71aを通じて受話部20に固定される固定部72aとスライド用孔72bとを有する固定板、73は筐体71内を固定板72が回転する場合に、固定板72と筐体71の内壁との間に発生する摩擦を低減する低摩擦板、74は、図14での面b上では回転不能に配置され、スライド用孔74aを有する固定駒、75は固定駒74に設けられ、カム面55と同様の形状のカム面、76はカム用突起部76aと、スライド用孔72bおよびスライド用孔74a内において軸方向aにスライド自在のスライド軸76bとを有し、図14での面b上で回転自在に配置され、筐体71内をスライドするよう配置されるスライド回転板、77は、スライド回転板76に接続され、ねじりバネ77aと案内棒77bとを有するねじりバネ要素、78は、ねじりバネ要素77と接続され、筐体71の内部に固定される固定板、79は、筐体71の内部に各部品72〜78を配置した状態で、折り曲げられる折り曲げ部である。
【0059】
トルク発生装置70を用いた携帯電話機の動作を説明する。
トルク発生装置70を用いた携帯電話機は、実施の形態1の携帯電話機10と同様、図13に示す動作を行う。
【0060】
図7での閉状態(a)から開状態(e)までの各状態について、トルク発生装置70の動作を説明する。
図15〜図19は、固定駒74について、カム用突起部76aがカム面75上を移動した場合に、カム用突起部76aと接触するカム面75上の部分の断面を展開して描いた展開断面図である。また、図15〜図19は、スライド回転板76が回転して図15〜図19における左右方向に移動すると共に、図15〜図19での上下方向にスライドする動作をそれぞれ所定の場合について表している。なお、図15〜図19では、開方向(i)は右方向で、閉方向(ii)は左方向で表している。
【0061】
図において、75aは、カム面75の平坦な部分であって、ねじりバネ77aが軸方向に完全に開放された場合に、カム用突起部76aが当接する開放用平坦面、75bは、カム面75の勾配のついた部分である勾配面、75cはカム面75の平坦な部分であって、ねじりバネ77aが軸方向に完全に蓄勢された場合に、カム用突起部76aが当接する蓄勢用平坦面である。
【0062】
図15は閉状態(a)の場合の展開断面図、図16は状態(b)の場合の展開断面図、図17は状態(c)の場合の展開断面図、図18は状態(d)の場合の展開断面図、図19は開状態(e)の場合の展開断面図である。
【0063】
閉状態(a)で第1のトルクが発生する動作を図14および図15に基づいて説明する。閉状態(a)では、軸方向に圧縮されて蓄勢されたねじりバネ77aが軸方向に開放される。なお、この開放のために、カム用突起部76aを開放用平坦面75aに当接させた場合に、ねじりバネ77aを軸方向が自然長の状態または軸方向に圧縮された状態にしておく。また、固定駒74は、筐体71内にスライド不能に配置されているので、固定駒74が、図15において、上下方向にスライドすることはない。したがって、スライド回転板76が、図15の上方向へ移動しようとすると、スライド回転板76は、図15の左方向へ移動するため、閉方向(ii)へ第1のトルクが発生する。
【0064】
閉状態(a)で、第2のトルクが発生する動作を図14に基づいて説明する。閉状態(a)では、ねじりバネ77aは軸方向に圧縮されるとともに、160°ねじられている。したがって、ねじりバネ77aが回転方向に開放しようとして、開方向(i)へ第2のトルクが発生する。
【0065】
また、図15における勾配面75bの角度の調節または、ねじりバネ77aのねじり方向および軸方向の性質を考慮して、材料を選択することによって、閉状態(a)で、第1のトルクを第2のトルクよりも大きくする。
【0066】
閉状態(a)から状態(b)までの区間でのヒンジ装置の動作を説明する。受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20は閉方向(ii)へ付勢されるのは、この区間ではヒンジ装置の内部において、第1のトルクが、第2のトルクを上回るからである。
【0067】
また、この区間に受話部20が留まることはなく、受話部20は閉状態(a)に収束する。
この区間でのトルク発生装置70の動作は閉状態(a)の場合と同様であるので説明を省略する。
状態(b)から状態(c)までの区間でのトルク発生装置70の動作を説明する。
【0068】
この区間でのトルク発生装置70の動作を図14、図16および図17に基づいて説明する。
この区間では、固定駒74とスライド回転板76との位置関係は、図16から図17の中間にある。
【0069】
この区間において、トルク発生装置70は、カム用突起部76aが、蓄勢用平坦面75cに当接している。したがって、ねじりバネ77aは、図16および図17での上方向へ開放しようとしても、スライド回転板76の上方向への移動が固定駒74に妨げられるため、ねじりバネ77aは軸方向に開放されない。したがって、第1のトルクは小さい。
【0070】
この区間での第2のトルクは、ねじりバネ77aの回転方向の蓄勢が開放されることによって発生する。
ここでの第2のトルクは、第1のトルクと比べて十分大きい。したがって、この区間では、この実施の形態でのヒンジ装置から、開方向(i)への付勢力が発生する。
【0071】
状態(c)から状態(d)までの区間でのヒンジ装置の動作を図14、図17または図18に基づいて説明する。
この区間において、このヒンジ装置では、第1のトルクは小さい。一方、十分大きな第2のトルクが発生する。このとき、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクは、開方向(i)へ働く。
【0072】
なお、この区間で発生する第2のトルクは、状態(b)から状態(c)までの区間で発生する第2のトルクよりも小さい。開状態(e)に近づくに従って、ねじりバネ77aの回転方向の蓄勢が開放されるからである。
【0073】
また、ねじりバネ77a、カム用突起部76aまたはカム面75の材質または形状を調節する等して、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部76aと蓄勢用平坦面75cとの間に発生する動摩擦力によって、カム用突起部76aの開方向(i)への移動が静止しない程度の大きさにする。
【0074】
一方、先述の調整によって、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部76aとカム面75との間に発生する静止摩擦力によって、カム用突起部76aの静止状態が開方向(i)への移動状態とならない程度の大きさとなるようにもする。
【0075】
状態(d)から開状態(e)までの区間でのこの実施の形態にかかるヒンジ装置の動作を図14、図18および図19に基づいて説明する。
この区間は、十分大きな第1のトルクが開方向(i)に発生し、第2のトルクが開方向(i)に僅かに発生する。したがって、このヒンジ装置からは、開方向(i)のトルクが発生する。
【0076】
第1のトルクが発生する動作を図2、図14、図18および図19に基づいて説明する。この区間においては、カム用突起部76aとカム面75との接触状態は、状態(d)と開状態(e)との中間にある。
【0077】
したがって、カム用突起部76aは勾配面75bに当接し、軸方向に蓄勢されていたねじりバネ77aが開放されるので、スライド回転板76が、図18および図19での上方向へスライドし、第1のトルクが発生する。
【0078】
第2のトルクが発生する動作を図14に基づいて説明する。第2のトルクは、受話部20を開方向(i)へ付勢するが、ねじりバネ77aの蓄勢がほとんどないため、実質的にはほとんど発生しない。
【0079】
開状態(e)での、この実施の形態のヒンジ装置の動作を図14および図19に基づいて説明する。
開状態(e)では、受話部20が160°開いた状態で静止している。この状態は、このヒンジ装置の内部において、開方向(i)に働く第1のトルクおよび第2のトルクによる受話部20の回転を、回転止め45が受話部端部23を止めることによって実現している。
【0080】
この実施の形態2の効果を説明する。
この実施の形態2は、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、その閉状態からその開状態までの任意の角度で、受話部20または送話部30が開放された場合に、受話部20または送話部30が、その角度に応じて、その角度位置に留まると共に、受話部20または送話部30が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、ねじりバネ要素77の軸方向の復元力と、カム面75とを利用し、その角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素77の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるので、カム面75は形状が簡単になるため、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図ることができるとともに、カム面75の加工が容易になり、ひいては生産コストを抑えることができる。
【0081】
この実施の形態2は、第1のトルクおよび第2のトルクは、送話部30に対して固定され、孔71aを有する筐体71と、この筐体71の内部に、この筐体71の内壁に対して回転自在に配置され、孔71aを通して、受話部20に対して固定される固定板72と、この固定板72とともに、筐体71の内壁に対して回転自在に配置され、筐体71の内部をスライド自在に配置され、カム用突起部76aを有するスライド回転板76と、カム面75を有し、このカム面75にカム用突起部76aが当接され、筐体71の内壁に対して回転不能に配置され、筐体71内をスライド不能に配置された固定駒74と、スライド回転板76と筐体71の内壁との間に取り付けられるねじりバネ要素77とを備えるトルク発生装置70から発生するので、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図り、生産コストを抑えて、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成されるヒンジ装置を実現することができる。
【0082】
【発明の効果】
この発明は、第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、圧縮バネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるので、第1部材または第2部材を開放すると第1部材または第2部材が閉方向に付勢される範囲の近傍において、第1部材または第2部材を開放した場合に、第1部材または第2部材が通話角度まで開くカム面の形状が簡単になるため、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図ることができるとともに、カム面の加工が容易になり、ひいてはヒンジ装置の生産コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る携帯電話機の構成図である。
【図2】実施の形態1に係るヒンジ装置の拡大分解斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る第1のトルク発生装置の分解斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る第1のトルク発生装置周辺の断面図である。
【図5】実施の形態1に係る第2のトルク発生装置の分解斜視図である。
【図6】実施の形態1に係る第2のトルク発生装置周辺の断面図である。
【図7】実施の形態1に係る携帯電話機の動作説明図である。
【図8】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図9】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図10】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
である。
【図11】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図12】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図13】実施の形態1に係る携帯電話機の、手を離す角度と自動に得られる本体角度の関係図である。
【図14】実施の形態2に係るトルク発生装置の分解斜視図である。
【図15】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図16】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図17】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図18】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図19】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【符号の説明】
20 受話部 30 送話部
40 ヒンジ装置 55、75 カム面
56 圧縮バネ 64、77 ねじりバネ要素
51a、61a、71a 孔 51、61、71 筐体
52b、76a カム用突起部 52 カム用部材
62、72 固定板 54 スライド駒
74 固定駒
【発明の属する技術分野】
この発明は折り畳み型携帯電話機等に用いられるヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は、特許文献1の図3で示されるような形状のスライド駒4を使用することによって、第1部材または第2部材を開放すると第1部材または第2部材が閉方向に付勢される範囲の近傍において、第1部材または第2部材を開放した場合に、第1部材または第2部材が通話角度まで開くものである。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−164368
【特許文献2】
特開平9−284165
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術は、カム面が、曲面またはほぼ曲面にならざるを得ず、このような形状を切削により加工することは非常に困難であり、生産コストが高価になる。この発明は上記課題を解決するためになされたもので、バネ要素の軸方向と回転方向の復元力を利用することによって、加工の容易なカムを用いたヒンジ装置を実現し生産コストを抑えることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るヒンジ装置は、第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、圧縮バネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるようにしたものである。
【0006】
また、第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、ねじりバネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、前記ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1に係るヒンジ装置の使用される折り畳み型携帯電話機を開いた状態を表す正面図である。
【0008】
図1に基づいて、実施の形態1に係るヒンジ装置の使用される折り畳み型携帯電話機の構成について説明する。
図1において、10は携帯電話機、20は携帯電話機10の一部であって、使用者が、相手からの通話を受け取る第1の部材である受話部、30は携帯電話機10の一部であって、使用者が相手に送信する第2の部材である送話部、40は受話部20と送話部30とを回転自在に連結するヒンジ装置で、受話部20と送話部30を2点において連結し、その2点の一方は第1のトルク発生装置50であり、他方は第2のトルク発生装置60である。
【0009】
なお、図1において、受話部20はディスプレイ21とレシーバ22とを備えている。また、送話部30はプッシュボタン31とマイク32とを備えている。
【0010】
図2は、受話部20と送話部30とを分解し、携帯電話機10のヒンジ装置40の付近を拡大して表す拡大分解斜視図である。なお、図2には、第1のトルク発生装置50と第2のトルク発生装置60とは記載されていない。
【0011】
図2に基づいて、実施の形態1に係るヒンジ装置40等の構成について説明する。
図2において、23は受話部20の端部である受話部端部、41aは、ヒンジ装置40の一部であって、送話部30に設けられ、第1のトルク発生装置50が取り付けられる取り付け部、41bは、ヒンジ装置40の一部であって、送話部30に設けられ、第2のトルク発生装置60が取り付けられる取り付け部、42aは、取り付け部41aに設けられ、第1のトルク発生装置50の取り付け部41aへの取り付けのために、第1のトルク発生装置50が挿入される挿入孔、42bは、取り付け部41bに設けられ、第2のトルク発生装置60の取り付け部41bへの取り付けのために、第2のトルク発生装置60が挿入される挿入孔、43は、ヒンジ装置40の一部であって、受話部20に設けられ、第1のトルク発生装置50と第2のトルク発生装置60とが取り付けられる取り付け部、44aは、第1のトルク発生装置50の取り付け部43への取り付けのために、第1のトルク発生装置50が挿入される挿入孔である。また、取り付け部43は、挿入孔44aの他に、第2のトルク発生装置60の取り付け部43への取り付けのために、第2のトルク発生装置60が挿入される挿入孔44b(図2において図示せず)を有する。45は送話部30に設けられた回転止めで、受話部20と送話部30とから構成される角度が160°になった時点で受話部20と送話部30とから構成される角度がそれ以上開かないように、受話部端部23が当接する勾配面となっている。
【0012】
図3は、第1のトルク発生装置50を分解して表す分解斜視図である。
第1のトルク発生装置50の構成を図2または図3に基づいて説明する。図3において、51は、孔51aを有し、送話部30の挿入孔42aに嵌挿して固定される筐体、52は、孔51aを通じて受話部20の挿入孔44aに嵌挿して固定される固定部52aと、カム機構に用いられるカム用突起部52bとを有し、筐体51の内部に、第1のトルク発生装置50の軸方向aに直交する面b上での回転方向で、回転自在となるように配置されるカム用部材、53は、カム用部材52が筐体51に対して回転する場合に、その回転による、筐体51とカム用部材52との摩擦を低減する低摩擦板、54は、筐体51内に、面b上での回転方向で、回転不能に配置され、軸方向aで、スライド自在に配置されるスライド駒、55はスライド駒54に設けられ、受話部20と送話部30との連結が閉状態近傍である場合に受話部20を開放したとき、受話部20を閉方向へ付勢するとともに、開状態近傍である場合に受話部20を開放したとき、受話部20を開方向へ付勢するように形成されるカム面、56は、圧縮バネ要素として、スライド駒54と筐体51とを連結する圧縮バネである。
【0013】
図4は、第1のトルク発生装置50が、挿入孔42aおよび挿入孔44aに挿入された状態で、携帯電話機10を拡大して切断して表した拡大断面図である。また、図4において、カム用突起部52bは、カム面55上で窪んだ部分に当接されている。
【0014】
図5は、第2のトルク発生装置60を分解して表す分解斜視図である。
第2のトルク発生装置60の構成を図2または図5に基づいて説明する。図5において、61は、孔61aを有し、送話部30の挿入孔42bに嵌挿して固定される筐体、62は、孔61aを通じて受話部20の挿入孔44b(図2において図示せず)に嵌挿して固定される固定部62aを有し、筐体61の内部に、第2のトルク発生装置60の軸方向aに直交する面b上での回転方向で、回転自在となるように配置される固定板、63は、固定板62が筐体61に対して回転する場合に、その回転による、筐体61と固定板62との摩擦を低減する低摩擦板、64は、固定板62と接続されるねじりバネ要素で、ねじりバネ64aと案内棒64bとを有する。なお、案内棒64bは、ねじりバネ64aの姿勢を補助するものである。65はねじりバネ要素64と接続され、筐体61の内部に固定される固定板である。
【0015】
図6は、第2のトルク発生装置60が、挿入孔42bおよび挿入孔44bに挿入された状態で、携帯電話機10を拡大して切断して表した拡大断面図である。図6に記載された案内棒64bは、図5に記載された案内棒64bの形状から、一部加工されたものであり、案内棒64bの左端および右端がつぶれている。このつぶれた部分は、案内棒64bを固定板62または固定板65にかしめ止めするためのかしめ部64cまたはかしめ部64dである。
【0016】
図7は、送話部30と受話部20とを回転させた場合の携帯電話機10の様子を描いた図である。
なお、以降、「角度」について説明することがあるが、受話部20についての「角度」は、受話部20と送話部30とから構成される角度をいい、カム用部材52についての「角度」は、閉状態から、カム用部材52とスライド駒54とが回転方向にずれた角度をいう。なお、受話部20と送話部30とから構成される角度が任意の角度θであるときは、カム用部材52とスライド駒54とが回転方向にずれた角度もθである。
【0017】
図7において、(a)は閉状態で、カム用部材52および受話部20についての角度は0°である。(b)はカム用部材52および受話部20についての角度が閉状態(a)から第1角度αまで開いた状態、(c)はカム用部材52および受話部20についての角度が閉状態(a)から、第1角度αを越える第2角度βまで開いた状態、(d)はカム用部材52および受話部20についての角度が閉状態(a)から第2角度βを越える第3角度γまで開いた状態、(e)は開状態(e)で、カム用部材52および受話部20についての角度は160°である。
【0018】
図7において、閉状態(a)でのカム用部材52および受話部20についての角度は0°、カム用部材52および受話部20についての角度である第1角度αは25°、カム用部材52および受話部20についての角度である第2角度βは90°、カム用部材52および受話部20についての角度である第3角度γは150°、開状態(e)でのカム用部材52および受話部20の角度は160°としている。また、開状態(e)でのカム用部材52および受話部20の角度が160°であって、開状態(e)でのねじりバネ64aのねじりが0°であることから、閉状態(a)でのねじりバネ64aのねじりが160°となっている。
【0019】
また、開状態(e)での角度が160°とされているのは、携帯電話機10の使用者が、この携帯電話機10を通話に使用している間に、使用の快適を感じる角度が160°であることを根拠としている。
したがって、開状態(e)での角度が160°でなくても、ヒンジ装置40の動作に影響を与えるものではない。
【0020】
なお、第1角度α、第2角度β、第3角度γまたは開状態での角度が、25°、90°または150°と定められているのも、使用者の利用上の便利さのためであって、その角度でなくとも、ヒンジ装置40の動作に影響を与えるものではない。ただし、角度の大小関係は、以下の関係が成り立っていることを前提としている。
閉状態での角度<第1角度α<第2角度β<第3角度γ<開状態での角度
【0021】
図8〜図12は、スライド駒54について、カム用突起部52bがカム面55上を移動した場合に、カム用突起部52bと接触するカム面55上の部分の断面を展開して描いた展開断面図である。また、図8〜図12は、カム用部材52が回転して図8〜図12における左右方向に移動した場合に、スライド駒54が、図8〜図12での上下方向にスライドする動作をそれぞれ所定の場合について表している。なお、図8〜図12では、開方向(i)は右方向で、閉方向(ii)は左方向で表している。
【0022】
図において、55aは、カム面55の平坦な部分であって、圧縮バネ56がほぼ完全に開放された場合に、カム用突起部52bが当接する開放用平坦面、55bは、カム面55の勾配のついた部分である勾配面、55cはカム面55の平坦な部分であって、圧縮バネ56がほぼ完全に蓄勢された場合に、カム用突起部52bが当接する蓄勢用平坦面である。
【0023】
図8は閉状態(a)の場合の展開断面図、図9は状態(b)の場合の展開断面図、図10は状態(c)の場合の展開断面図、図11は状態(d)の場合の展開断面図、図12は開状態(e)の場合の展開断面図である。
【0024】
図13は、受話部20を開放した場合、すなわち手を離した時の角度と、手を離した後、自動に受話部20が開方向(i)へ開く角度、すなわち自動に得られる本体角度の関係を表した図である。
【0025】
各状態での携帯電話機10の動作を説明する。
閉状態(a)での携帯電話機10の動作を図7に基づいて説明する。
閉状態(a)では、携帯電話機10は閉じたままである。手を離していても自動に受話部20は開かない。これは、ヒンジ装置40の内部において、第1のトルク発生装置50から発生する第1のトルクが、第2のトルク発生装置60から発生する第2のトルクよりも大きいからである。
【0026】
閉状態(a)での第1のトルク発生装置50の動作を図3および図8に基づいて説明する。閉状態(a)では、第1のトルク発生装置50は閉方向(ii)へ第1のトルクを発生させる。これは、閉状態(a)では、圧縮バネ56が開放されるからである。
【0027】
閉状態(a)で、圧縮バネ56が開放される動作について図3および図8に基づいて説明する。この開放は、カム用突起部52bを開放用平坦面55aに当接させた場合に、圧縮バネ56を自然長の状態または圧縮された状態にしておくことにより、カム用突起部52bが、勾配面55bと接触する閉状態(a)の場合には、スライド駒54が図8での下方向へ押されて蓄勢された圧縮バネ56によって起こる。
【0028】
なお、第1のトルクが第2のトルクよりも大きい場合で、カム用突起部52bが、勾配面55bに当接されているときであっても、閉状態(a)であれば、カム用突起部52bは勾配面55b上に静止し得る。受話部20と送話部30とが接触しているので、受話部20または送話部30がこれ以上回転しないからである。
【0029】
閉状態(a)での第2のトルク発生装置60の動作を図5に基づいて説明する。閉状態(a)では、第2のトルク発生装置60は開方向(i)へ第2のトルクを発生させる。閉状態(a)では、ねじりバネ64aが160°ねじられて蓄勢されているので、ねじりバネ64aが開方向(i)へ、開放されようとするからである。
【0030】
第1のトルクと第2のトルクの大きさを調節する方法を説明する。第1のトルクと第2のトルクとの大きさは、図8における勾配面55bの角度の調節、圧縮バネ56またはねじりバネ64aの材質を任意のものに選択することによって、閉状態(a)で、第1のトルクを第2のトルクよりも大きくする。
【0031】
閉状態(a)から状態(b)までの区間での携帯電話機10の動作を説明する。図13に示すように、閉状態(a)から状態(b)までの区間とは手を離す角度が0°から25°の場合である。この場合、携帯電話機10が自動的に得られる本体角度は0°になる。
【0032】
受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20は閉方向(ii)へ付勢される。それはこの区間ではヒンジ装置40の内部において、第1のトルク発生装置50から発生する第1のトルクが、第2のトルク発生装置60から発生する第2のトルクを上回り、受話部20と送話部30とが接触していないからである。
【0033】
また、この区間に受話部20が留まることはなく、受話部20は閉状態(a)に収束する。
この区間での第1のトルク発生装置50および第2のトルク発生装置60の動作は閉状態(a)の場合と同様であるので説明を省略する。
【0034】
状態(b)から状態(c)までの区間での携帯電話機10の動作を説明する。即ち、図13に示すように、手を離す角度が25°から90°までの区間である。
【0035】
携帯電話機10の、受話部20を回転させて、この区間で開放した場合、受話部20は開方向(i)へ付勢される。また、手を離した角度によって、受話部20の回転が収束する角度が異なる。図13において例示する数字に基づいて説明すると、25°〜30°までの間は、受話部20が160°まで開く。一方、30°〜90°までは、手を離した角度に応じた角度となる。
【0036】
この区間では、ヒンジ装置40の内部において、第1のトルク発生装置50が発生する第1のトルクは小さく、一方で、第2のトルク発生装置60からは、携帯電話機10の動作に十分な大きさの第2のトルクが発生している。
【0037】
25°から30°までの間は、受話部20が収束する角度が160°となるのは、ここで開放された場合は、受話部20が後述する状態(d)から開状態(e)の区間まで開き、その後は受話部20が状態(d)から開状態(e)までの区間で行われる動作に従うからである。
【0038】
この区間での第1のトルク発生装置50の動作を図3、図9および図10に基づいて説明する。
この区間では、カム用部材52とスライド駒54との位置関係は、図9から図10の中間にある。
【0039】
この区間において、第1のトルク発生装置50は、カム用突起部52bが、蓄勢用平坦面55c上に位置している。したがって、圧縮バネ56は、図9および図10での上方向へ開放しようとしても、スライド駒54の上方向への移動が、カム用突起部52bに妨げられるため、圧縮バネ56は開放されない。したがって、第1のトルクは小さい。
【0040】
この区間での第2のトルク発生装置60の動作について説明する。
第2のトルク発生装置60では、ねじりバネ64aが開放されるので、第2のトルクが発生する。
ここでの第2のトルクは、第1のトルクと比べて十分大きい。したがって、ヒンジ装置40からは、開方向(i)への付勢力が発生する。
【0041】
状態(c)から状態(d)までの区間での携帯電話機10の動作を図7および図13に基づいて説明する。
携帯電話機10の、受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20はその角度位置に留まる。
【0042】
この区間でのヒンジ装置40の動作を説明する。
ヒンジ装置40では、第1のトルク発生装置50からは第1のトルクが小さい。一方、第2のトルク発生装置60からは第2のトルクが発生する。
【0043】
なお、この区間で発生する第2のトルクは、状態(b)から状態(c)までの区間で発生する第2のトルクよりも小さい。開状態(e)に近づくにしたがって、ねじりバネ64aの蓄勢が開放されるからである。
【0044】
また、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部52bとカム面55との間に発生する動摩擦力によって、カム用突起部52bの開方向(i)への移動が静止しない程度の大きさに、ねじりバネ64a、カム用突起部52bまたはカム面55の材質または形状を調節する。
【0045】
一方、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部52bとカム面55との間に発生する静止摩擦力によって、カム用突起部52bの静止状態が開方向(i)への移動状態とならない程度の大きさとなるよう、ねじりバネ64a、カム用突起部52bまたはカム面55の材質または形状を調節する。
【0046】
状態(d)から開状態(e)までの区間での携帯電話機10の動作を図7および図13に基づいて説明する。
受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20は開方向(i)へ付勢される。図13に基づけば、手を離す角度が150°から160°である場合は、受話部20の角度は160°に収束する。
【0047】
この区間でのヒンジ装置40の動作を図3、図5、図11および図12に基づいて説明する。
この区間は、第1のトルク発生装置50から開方向(i)に第1のトルクが発生し、第2のトルク発生装置60から開方向(i)にわずかな第2のトルクが発生する。したがって、ヒンジ装置40からは、開方向(i)のトルクが発生する。
【0048】
第1のトルク発生装置50の動作を図3、図11および図12に基づいて説明する。この区間においては、カム用部材52とスライド駒54との接触状態は、状態(d)と開状態(e)との中間にある。
したがって、カム用突起部52bは勾配面55bに位置し、蓄勢されていた圧縮バネ56が開放されるので、スライド駒54が、図11および図12での上方向へスライドし、第1のトルクが発生する。
【0049】
第2のトルク発生装置60の動作を図5に基づいて説明する。第2のトルク発生装置60から発生する第2のトルクは、受話部20を開方向(i)へ付勢するが、ねじりバネ64aの蓄勢がほとんどないため、実質的にはほとんど第2のトルクが発生しない。
【0050】
開状態(e)での携帯電話機10の動作を図7および図13に基づいて説明する。
開状態(e)では、受話部20が160°開いた状態で静止している。この状態は、ヒンジ装置40の内部において、開方向(i)へ働く第1のトルクおよび第2のトルクによる受話部20の回転を、回転止め45が受話部端部23を止めることによって実現している。
【0051】
この実施の形態1の効果を説明する。
この実施の形態は、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置40において、圧縮バネ56の軸方向の復元力と、カム面55とを利用し、その角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素64の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるので、第1部材または第2部材を開放した場合に、受話部20または送話部30が閉方向に付勢される範囲の近傍において、受話部20または送話部30を開放した場合に、受話部20または送話部30が通話角度まで開くヒンジ装置40のカム面55の形状が簡単になるため、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図ることができるとともに、カム面55の加工が容易になり、ひいてはヒンジ装置40の生産コストを抑えることができる。
【0052】
この実施の形態1は、第1のトルクは、開方向(i)および閉方向(ii)へ発生し、第2のトルクは、開方向(i)または閉方向(ii)へ発生するので、第1のトルクと第2のトルクを組み合わせることによって、方向および大きさが多様なトルクを発生するヒンジ装置40を実現することができる。
【0053】
この実施の形態1は、閉状態(a)で、ねじりバネ要素64が蓄勢され、角度が、閉状態(a)から開状態(e)の中間に有る場合に、ねじりバネ要素64が開放されて第2のトルクを発生させ、角度が、閉状態(a)から開状態(e)の中間に有る場合に、圧縮バネ56が蓄勢され、角度が閉状態(a)の近傍にある場合に、ねじりバネ要素64が開放されて、閉方向(a)へ、前記第2のトルクを上回る第1のトルクを発生させるので、閉状態(a)の近傍で、受話部20が開放された場合は、受話部20が閉方向(ii)へ付勢され、閉状態(a)から開状態(e)の中間で、受話部20が開放された場合は、受話部20が開方向(i)へ付勢されるヒンジ装置40を実現することができる。
【0054】
この実施の形態1は、第1のトルクは、送話部30に対して固定され、孔を有する筐体51と、この筐体51内部に、この筐体51の内壁に対して回転自在に配置され、孔51aを通して、受話部20に対して固定され、カム用突起部52bを有するカム用部材52と、カム用突起部52bが当接され、筐体51に対して回転不能に取り付けられ、角度に応じて筐体51をスライドするスライド駒54と、このスライド駒54と、筐体51の内壁との間に取り付けられる圧縮バネ56とを備えるので、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成されるヒンジ装置40を実現することが出来る。
【0055】
この実施の形態1は、第2のトルクは、送話部30に対して固定され、孔61aを有する筐体61と、この筐体61の内部に、この筐体61の内壁に対して回転自在に配置され、孔61aを通して、受話部に対して固定される固定板62と、この固定板62と筐体61の内壁である固定板65との間に取り付けられるねじりバネ要素64とを備えるので、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成され、加工が容易で、生産コストを抑えたヒンジ装置40を実現することができる。
【0056】
実施の形態2.
この実施の形態2は、実施の形態1と異なり、1種類のみのトルク発生装置を備えている点に特徴を有する。
【0057】
図14(a)は実施の形態2に係るトルク発生装置70の構成を表す分解斜視図、図14(b)は実施の形態2のトルク発生装置70の一部を図14(a)と異なる方向から眺めた斜視図である。
【0058】
実施の形態2のトルク発生装置70の構成を図14(a)および図14(b)に基づいて説明する。
71は孔71aを有し、送話部30に固定される筐体、72は、筐体71の内部に、トルク発生装置70の軸方向aに直交する面b上での回転方向で、回転自在となるように配置され、孔71aを通じて受話部20に固定される固定部72aとスライド用孔72bとを有する固定板、73は筐体71内を固定板72が回転する場合に、固定板72と筐体71の内壁との間に発生する摩擦を低減する低摩擦板、74は、図14での面b上では回転不能に配置され、スライド用孔74aを有する固定駒、75は固定駒74に設けられ、カム面55と同様の形状のカム面、76はカム用突起部76aと、スライド用孔72bおよびスライド用孔74a内において軸方向aにスライド自在のスライド軸76bとを有し、図14での面b上で回転自在に配置され、筐体71内をスライドするよう配置されるスライド回転板、77は、スライド回転板76に接続され、ねじりバネ77aと案内棒77bとを有するねじりバネ要素、78は、ねじりバネ要素77と接続され、筐体71の内部に固定される固定板、79は、筐体71の内部に各部品72〜78を配置した状態で、折り曲げられる折り曲げ部である。
【0059】
トルク発生装置70を用いた携帯電話機の動作を説明する。
トルク発生装置70を用いた携帯電話機は、実施の形態1の携帯電話機10と同様、図13に示す動作を行う。
【0060】
図7での閉状態(a)から開状態(e)までの各状態について、トルク発生装置70の動作を説明する。
図15〜図19は、固定駒74について、カム用突起部76aがカム面75上を移動した場合に、カム用突起部76aと接触するカム面75上の部分の断面を展開して描いた展開断面図である。また、図15〜図19は、スライド回転板76が回転して図15〜図19における左右方向に移動すると共に、図15〜図19での上下方向にスライドする動作をそれぞれ所定の場合について表している。なお、図15〜図19では、開方向(i)は右方向で、閉方向(ii)は左方向で表している。
【0061】
図において、75aは、カム面75の平坦な部分であって、ねじりバネ77aが軸方向に完全に開放された場合に、カム用突起部76aが当接する開放用平坦面、75bは、カム面75の勾配のついた部分である勾配面、75cはカム面75の平坦な部分であって、ねじりバネ77aが軸方向に完全に蓄勢された場合に、カム用突起部76aが当接する蓄勢用平坦面である。
【0062】
図15は閉状態(a)の場合の展開断面図、図16は状態(b)の場合の展開断面図、図17は状態(c)の場合の展開断面図、図18は状態(d)の場合の展開断面図、図19は開状態(e)の場合の展開断面図である。
【0063】
閉状態(a)で第1のトルクが発生する動作を図14および図15に基づいて説明する。閉状態(a)では、軸方向に圧縮されて蓄勢されたねじりバネ77aが軸方向に開放される。なお、この開放のために、カム用突起部76aを開放用平坦面75aに当接させた場合に、ねじりバネ77aを軸方向が自然長の状態または軸方向に圧縮された状態にしておく。また、固定駒74は、筐体71内にスライド不能に配置されているので、固定駒74が、図15において、上下方向にスライドすることはない。したがって、スライド回転板76が、図15の上方向へ移動しようとすると、スライド回転板76は、図15の左方向へ移動するため、閉方向(ii)へ第1のトルクが発生する。
【0064】
閉状態(a)で、第2のトルクが発生する動作を図14に基づいて説明する。閉状態(a)では、ねじりバネ77aは軸方向に圧縮されるとともに、160°ねじられている。したがって、ねじりバネ77aが回転方向に開放しようとして、開方向(i)へ第2のトルクが発生する。
【0065】
また、図15における勾配面75bの角度の調節または、ねじりバネ77aのねじり方向および軸方向の性質を考慮して、材料を選択することによって、閉状態(a)で、第1のトルクを第2のトルクよりも大きくする。
【0066】
閉状態(a)から状態(b)までの区間でのヒンジ装置の動作を説明する。受話部20を回転させて、この区間で受話部20を開放した場合、受話部20は閉方向(ii)へ付勢されるのは、この区間ではヒンジ装置の内部において、第1のトルクが、第2のトルクを上回るからである。
【0067】
また、この区間に受話部20が留まることはなく、受話部20は閉状態(a)に収束する。
この区間でのトルク発生装置70の動作は閉状態(a)の場合と同様であるので説明を省略する。
状態(b)から状態(c)までの区間でのトルク発生装置70の動作を説明する。
【0068】
この区間でのトルク発生装置70の動作を図14、図16および図17に基づいて説明する。
この区間では、固定駒74とスライド回転板76との位置関係は、図16から図17の中間にある。
【0069】
この区間において、トルク発生装置70は、カム用突起部76aが、蓄勢用平坦面75cに当接している。したがって、ねじりバネ77aは、図16および図17での上方向へ開放しようとしても、スライド回転板76の上方向への移動が固定駒74に妨げられるため、ねじりバネ77aは軸方向に開放されない。したがって、第1のトルクは小さい。
【0070】
この区間での第2のトルクは、ねじりバネ77aの回転方向の蓄勢が開放されることによって発生する。
ここでの第2のトルクは、第1のトルクと比べて十分大きい。したがって、この区間では、この実施の形態でのヒンジ装置から、開方向(i)への付勢力が発生する。
【0071】
状態(c)から状態(d)までの区間でのヒンジ装置の動作を図14、図17または図18に基づいて説明する。
この区間において、このヒンジ装置では、第1のトルクは小さい。一方、十分大きな第2のトルクが発生する。このとき、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクは、開方向(i)へ働く。
【0072】
なお、この区間で発生する第2のトルクは、状態(b)から状態(c)までの区間で発生する第2のトルクよりも小さい。開状態(e)に近づくに従って、ねじりバネ77aの回転方向の蓄勢が開放されるからである。
【0073】
また、ねじりバネ77a、カム用突起部76aまたはカム面75の材質または形状を調節する等して、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部76aと蓄勢用平坦面75cとの間に発生する動摩擦力によって、カム用突起部76aの開方向(i)への移動が静止しない程度の大きさにする。
【0074】
一方、先述の調整によって、第1のトルクと第2のトルクとを合わせたトルクの大きさは、カム用突起部76aとカム面75との間に発生する静止摩擦力によって、カム用突起部76aの静止状態が開方向(i)への移動状態とならない程度の大きさとなるようにもする。
【0075】
状態(d)から開状態(e)までの区間でのこの実施の形態にかかるヒンジ装置の動作を図14、図18および図19に基づいて説明する。
この区間は、十分大きな第1のトルクが開方向(i)に発生し、第2のトルクが開方向(i)に僅かに発生する。したがって、このヒンジ装置からは、開方向(i)のトルクが発生する。
【0076】
第1のトルクが発生する動作を図2、図14、図18および図19に基づいて説明する。この区間においては、カム用突起部76aとカム面75との接触状態は、状態(d)と開状態(e)との中間にある。
【0077】
したがって、カム用突起部76aは勾配面75bに当接し、軸方向に蓄勢されていたねじりバネ77aが開放されるので、スライド回転板76が、図18および図19での上方向へスライドし、第1のトルクが発生する。
【0078】
第2のトルクが発生する動作を図14に基づいて説明する。第2のトルクは、受話部20を開方向(i)へ付勢するが、ねじりバネ77aの蓄勢がほとんどないため、実質的にはほとんど発生しない。
【0079】
開状態(e)での、この実施の形態のヒンジ装置の動作を図14および図19に基づいて説明する。
開状態(e)では、受話部20が160°開いた状態で静止している。この状態は、このヒンジ装置の内部において、開方向(i)に働く第1のトルクおよび第2のトルクによる受話部20の回転を、回転止め45が受話部端部23を止めることによって実現している。
【0080】
この実施の形態2の効果を説明する。
この実施の形態2は、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、その閉状態からその開状態までの任意の角度で、受話部20または送話部30が開放された場合に、受話部20または送話部30が、その角度に応じて、その角度位置に留まると共に、受話部20または送話部30が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、ねじりバネ要素77の軸方向の復元力と、カム面75とを利用し、その角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素77の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるので、カム面75は形状が簡単になるため、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図ることができるとともに、カム面75の加工が容易になり、ひいては生産コストを抑えることができる。
【0081】
この実施の形態2は、第1のトルクおよび第2のトルクは、送話部30に対して固定され、孔71aを有する筐体71と、この筐体71の内部に、この筐体71の内壁に対して回転自在に配置され、孔71aを通して、受話部20に対して固定される固定板72と、この固定板72とともに、筐体71の内壁に対して回転自在に配置され、筐体71の内部をスライド自在に配置され、カム用突起部76aを有するスライド回転板76と、カム面75を有し、このカム面75にカム用突起部76aが当接され、筐体71の内壁に対して回転不能に配置され、筐体71内をスライド不能に配置された固定駒74と、スライド回転板76と筐体71の内壁との間に取り付けられるねじりバネ要素77とを備えるトルク発生装置70から発生するので、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図り、生産コストを抑えて、受話部20と送話部30とを開閉自在に連結し、閉状態(a)からその開状態(e)までの任意の角度で、受話部20が開放された場合に、受話部20が、その角度に応じて、この角度位置に留まると共に、受話部20が開方向(i)若しくは閉方向(ii)へ付勢され、また、第1角度αの近傍で、受話部20を開放した場合に、受話部20が開状態(e)になるまで、開方向(i)へ付勢されるよう構成されるヒンジ装置を実現することができる。
【0082】
【発明の効果】
この発明は、第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、圧縮バネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させるので、第1部材または第2部材を開放すると第1部材または第2部材が閉方向に付勢される範囲の近傍において、第1部材または第2部材を開放した場合に、第1部材または第2部材が通話角度まで開くカム面の形状が簡単になるため、複雑なカム形状に起因する摩耗を防いでヒンジの高寿命化を図ることができるとともに、カム面の加工が容易になり、ひいてはヒンジ装置の生産コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る携帯電話機の構成図である。
【図2】実施の形態1に係るヒンジ装置の拡大分解斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る第1のトルク発生装置の分解斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る第1のトルク発生装置周辺の断面図である。
【図5】実施の形態1に係る第2のトルク発生装置の分解斜視図である。
【図6】実施の形態1に係る第2のトルク発生装置周辺の断面図である。
【図7】実施の形態1に係る携帯電話機の動作説明図である。
【図8】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図9】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図10】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
である。
【図11】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図12】実施の形態1に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図13】実施の形態1に係る携帯電話機の、手を離す角度と自動に得られる本体角度の関係図である。
【図14】実施の形態2に係るトルク発生装置の分解斜視図である。
【図15】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図16】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図17】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図18】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【図19】実施の形態2に係るカム面とカム用突起部との動作説明用展開断面図である。
【符号の説明】
20 受話部 30 送話部
40 ヒンジ装置 55、75 カム面
56 圧縮バネ 64、77 ねじりバネ要素
51a、61a、71a 孔 51、61、71 筐体
52b、76a カム用突起部 52 カム用部材
62、72 固定板 54 スライド駒
74 固定駒
Claims (9)
- 第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、
圧縮バネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、
ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させることを特徴とするヒンジ装置。 - 前記第1のトルクは、前記開方向および前記閉方向へ発生し、前記第2のトルクは、前記開方向または前記閉方向へ発生することを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
- 前記閉状態で、前記ねじりバネ要素が蓄勢され、前記角度が、前記閉状態から前記開状態の中間に有る場合に、前記ねじりバネ要素が開放されて第2のトルクを発生させ、
前記角度が、前記閉状態から前記開状態の中間に有る場合に、前記圧縮バネ要素が蓄勢され、前記角度が前記閉状態の近傍にある場合に、前記圧縮バネ要素が開放されて、前記閉方向へ、前記第2のトルクを上回る第1のトルクを発生させることを特徴とする請求項1または請求項2記載のヒンジ装置。 - 前記第1のトルクは、
前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材に対して固定され、孔を有する筐体と、
この筐体内部に、この筐体の内壁に対して回転自在に配置され、前記孔を通して、前記第1の部材または前記第2の部材の他方の部材に対して固定され、カム機構用の突起部を有するカム用部材と、
前記突起部が当接され、前記筐体に対して回転不能に取り付けられ、前記角度に応じて前記筐体内部をスライドするスライド駒と、
このスライド駒と、前記ヒンジ部品用筐体の内壁との間に取り付けられる圧縮バネ要素とを備える装置から発生することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のヒンジ装置。 - 前記第2のトルクは、
前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材に対して固定され、孔を有する筐体と、
この筐体の内部に、この筐体の内壁に対して回転自在に配置され、前記孔を通して、前記第1の部材または前記第2の部材の他方の部材に対して固定される固定板と、
この固定板と前記筐体の内壁との間に取り付けられるねじりバネ要素とを備える装置から発生することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載のヒンジ装置。 - 第1部材と第2部材とを開閉自在に連結し、前記閉状態から前記開状態までの任意の角度で、前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材が開放された場合に、前記部材が、前記角度に応じて、この角度位置に留まると共に、前記部材が開方向若しくは閉方向へ付勢されるよう構成されたヒンジ装置において、
ねじりバネ要素の軸方向の復元力と、カム面とを利用し、前記角度に応じる第1のトルクを発生させると共に、
前記ねじりバネ要素の回転方向の復元力を利用して第2のトルクを発生させることを特徴とするヒンジ装置。 - 前記第1のトルクは、前記開方向および前記閉方向へ発生し、
前記第2のトルクは、前記開方向または前記閉方向へ発生することを特徴とする請求項6記載のヒンジ装置。 - 前記閉状態で、前記ねじりバネ要素が回転方向に蓄勢され、前記角度が、前記閉状態から前記開状態の中間に有る場合に、前記ねじりバネ要素が回転方向に開放されて第2のトルクを発生させ、
前記角度が、前記閉状態から前記開状態の中間に有る場合に、前記ねじりバネ要素が、軸方向に蓄勢され、前記角度が前記閉状態の近傍にある場合に、前記ねじりバネ要素が軸方向に開放されて、前記閉方向へ、前記第2のトルクを上回る第1のトルクを発生させることを特徴とする請求項6または請求項7記載のヒンジ装置。 - 前記第1のトルクおよび前記第2のトルクは、
前記第1の部材または前記第2の部材のいずれか一方の部材に対して固定され、孔を有する筐体と、
この筐体の内部に、この筐体の内壁に対して回転自在に配置され、前記孔を通して、前記第1の部材または前記第2の部材の他方の部材に対して固定される固定板と、
この固定板とともに、前記筐体の内壁に対して回転自在に配置され、前記筐体の内部をスライド自在に配置され、カム機構用の突起部を有するスライド回転板と、
カム面を有し、このカム面に前記突起部が当接され、前記筐体の内壁に対して回転不能に配置され、前記筐体内をスライド不能に配置された固定駒と、
前記スライド回転板と前記筐体の内壁との間に取り付けられるねじりバネ要素とを備える装置から発生することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか一項記載のヒンジ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2002-10-08 JP JP2002295308A patent/JP2004132407A/ja active Pending
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