JP2004131619A - 研磨用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅膜、タンタル化合物のバリア層、SiO2の絶縁層を有する半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、タンタル化合物の研磨レートが銅に比べて充分に大きく、SiO2の研磨は実質的に殆んど起こらない研磨用組成物を提供する。
【解決手段】研磨材として一次粒子の平均粒径が30nmであるコロイダルシリカと平均粒径30nm、23℃、1MHzの比誘電率が2.9のポリメチルメタクリレート、シュウ酸、過酸化水素、ベンゾトリアゾールを0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて研磨用組成物を得た。
【解決手段】研磨材として一次粒子の平均粒径が30nmであるコロイダルシリカと平均粒径30nm、23℃、1MHzの比誘電率が2.9のポリメチルメタクリレート、シュウ酸、過酸化水素、ベンゾトリアゾールを0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて研磨用組成物を得た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、各種メモリーハードディスク用基板等の研磨に使用される研磨用組成物に関し、特に半導体のデバイスウエハーの表面平坦化加工に好適に用いられる研磨用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス業界の最近の著しい発展により、トランジスター、IC、LSI、超LSIと進化してきており、これら半導体素子に於ける回路の集積度が急激に増大するに伴って半導体デバイスのデザインルールは年々微細化が進み、デバイス製造プロセスでの焦点深度は浅くなり、パターン形成面の平坦性はますます厳しくなってきている。
【0003】
一方で配線の微細化による配線抵抗の増大をカバーするために、配線材料としてアルミニウムやタングステンからより電気抵抗の小さな銅配線が検討されてきている。しかしながら銅を配線層や配線間の相互接続に用いる場合には、絶縁膜上に配線溝や孔を形成した後、スパッタリングやメッキによって銅膜を形成して不要な部分を化学的機械的研磨法(CMP)によって絶縁膜上の不要な銅が取り除かれる。
【0004】
かかるプロセスでは銅が絶縁膜中に拡散してデバイス特性を低下させるので、通常は銅の拡散防止のために絶縁膜上にバリア層としてタンタルやタンタルナイトライドの層を設けることが一般的になっている。
【0005】
このようにして最上層に銅膜を形成させたデバイスの平坦化CMPプロセスにおいては、初めに不要な部分の銅膜を絶縁層上に形成されたタンタル化合物の表面層まで研磨し、次のステップでは絶縁膜上のタンタル化合物の層を研磨しSiO2面が出たところで研磨が終了していなければならない。このようなプロセスを図1に示したが、かかるプロセスにおけるCMP研磨では銅、タンタル化合物、SiO2などの異種材料に対して研磨レートに選択的性があることが必要である。
【0006】
即ちステップ1では銅に対する研磨レートが高く、タンタル化合物に対してはほとんど研磨能力がない程度の選択性が必要である。さらにステップ2ではタンタル化合物に対する研磨レートは大きいが銅、SiO2に対する研磨レートが小さいほどSiO2の削りすぎを防止できるので好ましい。
【0007】
このプロセスを理想的には一つの研磨材で研磨できることが望まれるが、異種材料に対する研磨レートの選択比をプロセスの途中で変化させることはできないのでプロセスを2ステップに分けて異なる選択性を有する2つのスラリーでそれぞれのCMP工程を実施する。通常溝や孔の銅膜の削りすぎ(ディッシング、リセス、エロージョン)を防ぐためにステップ1ではタンタル化合物上の銅膜は少し残した状態で研磨を終了させる。ついでステップ2ではSiO2層をストッパーとして残ったわずかな銅とタンタル化合物を研磨除去する。
【0008】
ステップ2に用いられる研磨用組成物に対しては、ステップ1で研磨された状態から主としてタンタル化合物を選択的に研磨するために必要な研磨レートは500〜1000(Å/min.)程度であり、銅、SiO2の研磨レートについてはそれぞれ0〜100(Å/min.)、0〜10(Å/min.)が望ましいとされている。
【0009】
このような2ndステップ研磨用の研磨用組成物としては、コロイダルシリカ、過酸化水素、ベンゾトリアゾール、シュウ酸と水とを含有しKOHなどでpH2〜5に調整した研磨用組成物が特許文献1に記載されているが、タンタル化合物に対して銅の研磨レートより大きくなっているがその比が3程度であり、選択性が充分とは言えなかった。
【0010】
また、砥粒に有機粒子と無機粒子を併用した2ndステップ研磨用組成物として、過酸化水素、酢酸、KOH、マレイン酸塩などが配合された組成物が特許文献2に示されているが、タンタル化合物と銅との
研磨選択比が1.1程度であり、1stステップでの銅の研磨をアンダーポリッシングで止め、2ndステップで銅とタンタル化合物を一緒に研磨する場合には好ましい選択比ではあるがタンタル化合物のみを選択的に研磨し、銅やSiO2はできるだけ研磨しないようにする用途には不向きであった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−247853号公報
【特許文献2】
特開2001−196336号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、銅膜、タンタル化合物のバリア層、SiO2の絶縁層を有する半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、タンタル化合物の研磨レートが銅に比べて充分に大きく、SiO2の研磨は実質的に殆んど起こらない研磨用組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)研磨材、(B)有機酸、(C)酸化剤、(D)酸化防止剤、および(E)水を含有する研磨用組成物であって、(A)研磨材が、平均粒径1nm−100nmの範囲にある有機粒子と平均粒径が5nm−100nmの範囲にあるフュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、およびコロイダルアルミナのうち少なくとも1種類からなる無機粒子の混合物であり、有機粒子の23℃、1MHzで測定された時の比誘電率が2.4〜7.5であり、有機粒子と無機粒子の重量配合比は60/40〜5/95の範囲にあり、研磨用組成物中の濃度が2〜10重量%であり、(B)有機酸の主成分がシュウ酸であり、研磨用組成物中の濃度が0.01〜1.0重量%であり、(C)酸化剤が過酸化水素であり、研磨用組成物中の濃度が0.03〜1.0重量%であり、(D)酸化防止剤がベンゾトリアゾールまたはその誘導体であり、研磨組成物中の濃度が0.01〜1.0重量%であることを特徴とする研磨用組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明はかかる上記の問題点を解決するために種々検討した結果、特定の弾性率の樹脂粒子からなる有機砥粒と無機砥粒、有機酸、過酸化水素、ベンゾトリアゾール化合物、及び水からなる研磨用組成物を用いることで、タンタル化合物の研磨レートが銅に比べて充分に大きく、しかもSiO2の研磨レートを充分に小さくできることを見いだし、発明を完成するに至ったものである。
【0015】
本発明に用いられる研磨材は特定の平均粒径並びに特定の配合比の特定の樹脂からなる有機粒子と無機粒子混合物である。
本発明に用いられる有機粒子は、有機高分子化合物であり、例えば、ビニルモノマーの乳化重合などによって得られる有機高分子化合物の微粒子やポリエステル,ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールなど重縮合によって得られる有機高分子の微粒子やフェノール樹脂、メラミン樹脂などの付加縮合によって得られる有機高分子の微粒子をあげることができ、単独或いは任意に組み合わせ用いることができる。好ましくは比較的安価で粒径の揃った極性の低いビニル系高分子である。その有機高分子化合物は、微粒子形状で用いられ、その平均粒径は1〜100nmの範囲にある有機高分子化合物からなるものである。平均粒径が1nm未満であると研磨速度が小さくなるので好ましくなく、100nmを越えるとTaと銅、SiO2との研磨選択比が相対的に小さくなるので好ましくない。
【0016】
さらにはこの微粒子の比誘電率が23℃、1MHzで測定した時に2.4〜7.5の範囲にあることが好ましい。比誘電率が2.4未満であると有機の層間絶縁膜上にパーティクルとして残りやすくなるので半導体の信頼性上好ましくなく、7.5を超えるとスラリー中の分散安定性が低下するので好ましくない。銅膜表面にスクラッチ入りやすくなったり、タンタルとの研磨選択比が小さくなるので好ましくない。
【0017】
本発明に用いる無機粒子はフュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、およびコロイダルアルミナのうち少なくとも1種類からなる無機粒子の混合物であり、
これらのものを単独或いは任意に組み合わせ用いることができる。組み合わせや比率などは特に限定されるものではない。平均粒径は5〜100nmであることが望ましい。平均粒径が5nm未満であると研磨速度が小さくなるので好ましくなく、100nmを越えるとTaと銅、SiO2との研磨選択比が相対的に小さくなるので好ましくない。
【0018】
有機粒子と無機粒子の重量配合比は60/40〜5/95の範囲にあることが好ましい。この範囲よりも有機粒子の割合が少ないとSiO2膜の研磨レートを抑える効果が小さいので好ましくなく、この範囲よりも有機粒子が多いとタンタル膜を研磨する際の研磨速度が低下するので好ましくない。
【0019】
研磨材の研磨用組成物中の濃度は2〜10重量%であることが望ましい。研磨材の濃度が小さくなりすぎると機械的な研磨能力が減少し研磨レートが低下するので好ましくなく、濃度が高すぎると機械的研磨能力が増大してタンタル化合物、銅、SiO2の研磨の選択性が低下するので好ましくない。
【0020】
本発明の研磨用組成物は有機酸を含有する。有機酸はシュウ酸であることが好ましい。研磨用組成物中の濃度は0.01〜1.0重量%であることが望ましい。0.01重量%未満であるとタンタル化合物膜の研磨レートが小さくなるために好ましくなく1.0重量%を超えると銅膜研磨レートが大きくなり制御できなくなるので好ましくない。
【0021】
本発明の研磨用組成物は酸化剤を含有するが酸化剤としては過酸化水素が好ましい。過酸化水素はタンタル化合物膜に対して酸化作用を発揮し、イオン化を促進することによってタンタル化合物膜の研磨レートを高める働きがあるが、研磨用組成物中の濃度は0.03〜1.0重量%であることが望ましい。この範囲の濃度から高くなっても低くなり過ぎてもタンタル化合物膜の研磨レートが低下するので好ましくない。
【0022】
本発明の研磨用組成物は酸化防止剤としてベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有し、研磨組成物中の濃度は0.01〜1.0重量%である。0.01重量%未満であると銅膜の研磨レートを抑える効果に乏しくなるので好ましくなく、1.0重量%を超えるとタンタル化合物膜の研磨レートが極端に減少するので好ましくない。
【0023】
本発明の研磨用組成物の媒体は水であり、イオン性不純物や金属イオンを極力減らしたものであることが望ましい。
【0024】
本発明の研磨用組成物は上記の各成分、研磨材、有機酸、酸化剤、酸化防止剤、を水に混合、溶解、分散させて製造する。過酸化水素は、研磨直前に前記の混合液に添加、混合するが予め混合しておくことも可能である。それらの混合方法は、任意の装置で行うことができる。例えば、翼式回転攪拌機、超音波分散機、ビーズミル分散機、ニーダー、ボールミルなどが適用可能である。
【0025】
また上記成分以外に種々の研磨助剤を配合してもよい。このような研磨助剤の例としては、分散助剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、防かび剤等が挙げられるが、これらはスラリーの分散貯蔵安定性、研磨速度の向上の目的で加えられる。分散助剤としてはヘキサメタリン酸ソーダ等が挙げられる。もちろん各種界面活性剤などを添加して分散性を向上させることができることは言うまでもない。pH調整剤としてはアンモニアなどの塩基性化合物や酢酸、塩酸、硝酸等の酸性化合物が挙げられる。消泡剤としては流動パラフィン、ジメチルシリコーンオイル、ステアリン酸モノ、ジグリセリド混合物、ソルビタンモノパルミチエート、等が挙げられる。
【0026】
【実施例】
本発明を実施例で具体的に説明する。
<実施例1>
研磨材として一次粒子の平均粒径が30nmであるコロイダルシリカと平均粒径30nm、23℃、1MHzの比誘電率が2.9のポリメチルメタクリレート、シュウ酸、過酸化水素、ベンゾトリアゾールが表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて研磨用組成物を得、研磨特性を評価した結果を表1に示した。
【0027】
<研磨評価>
被研磨物は8インチのシリコンウエハー上SiO2膜、タンタル化合物膜、銅膜のベタ膜を形成したものを用意し各膜の研磨レートを測定し、選択比を求めた。
【0028】
研磨は定盤径600mmの片面研磨機を用いた。研磨機の定盤にはロデール社製(米国)のポリウレタン製研磨パッドIC−1000/Suba400を専用の両面テープで張り付け、研磨用組成物(スラリー)を流しながら研磨した。荷重は3psi、定盤の回転数を70rpm、ウエハー回転数72rpm、研磨材組成物の流量を150ml/minとした。
【0029】
<実施例2〜6、比較例1〜9>
表1に示された配合によって研磨組成物を調整し研磨特性を評価した。
結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば銅膜、タンタル膜を含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいてタンタル化合物膜を優先的に研磨可能な研磨液組成物が得られ、半導体デバイスを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅膜を形成させたデバイスの研磨プロセスの模式図
【符号の説明】
1 Cu
2 Ta
3 SiO2
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、各種メモリーハードディスク用基板等の研磨に使用される研磨用組成物に関し、特に半導体のデバイスウエハーの表面平坦化加工に好適に用いられる研磨用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス業界の最近の著しい発展により、トランジスター、IC、LSI、超LSIと進化してきており、これら半導体素子に於ける回路の集積度が急激に増大するに伴って半導体デバイスのデザインルールは年々微細化が進み、デバイス製造プロセスでの焦点深度は浅くなり、パターン形成面の平坦性はますます厳しくなってきている。
【0003】
一方で配線の微細化による配線抵抗の増大をカバーするために、配線材料としてアルミニウムやタングステンからより電気抵抗の小さな銅配線が検討されてきている。しかしながら銅を配線層や配線間の相互接続に用いる場合には、絶縁膜上に配線溝や孔を形成した後、スパッタリングやメッキによって銅膜を形成して不要な部分を化学的機械的研磨法(CMP)によって絶縁膜上の不要な銅が取り除かれる。
【0004】
かかるプロセスでは銅が絶縁膜中に拡散してデバイス特性を低下させるので、通常は銅の拡散防止のために絶縁膜上にバリア層としてタンタルやタンタルナイトライドの層を設けることが一般的になっている。
【0005】
このようにして最上層に銅膜を形成させたデバイスの平坦化CMPプロセスにおいては、初めに不要な部分の銅膜を絶縁層上に形成されたタンタル化合物の表面層まで研磨し、次のステップでは絶縁膜上のタンタル化合物の層を研磨しSiO2面が出たところで研磨が終了していなければならない。このようなプロセスを図1に示したが、かかるプロセスにおけるCMP研磨では銅、タンタル化合物、SiO2などの異種材料に対して研磨レートに選択的性があることが必要である。
【0006】
即ちステップ1では銅に対する研磨レートが高く、タンタル化合物に対してはほとんど研磨能力がない程度の選択性が必要である。さらにステップ2ではタンタル化合物に対する研磨レートは大きいが銅、SiO2に対する研磨レートが小さいほどSiO2の削りすぎを防止できるので好ましい。
【0007】
このプロセスを理想的には一つの研磨材で研磨できることが望まれるが、異種材料に対する研磨レートの選択比をプロセスの途中で変化させることはできないのでプロセスを2ステップに分けて異なる選択性を有する2つのスラリーでそれぞれのCMP工程を実施する。通常溝や孔の銅膜の削りすぎ(ディッシング、リセス、エロージョン)を防ぐためにステップ1ではタンタル化合物上の銅膜は少し残した状態で研磨を終了させる。ついでステップ2ではSiO2層をストッパーとして残ったわずかな銅とタンタル化合物を研磨除去する。
【0008】
ステップ2に用いられる研磨用組成物に対しては、ステップ1で研磨された状態から主としてタンタル化合物を選択的に研磨するために必要な研磨レートは500〜1000(Å/min.)程度であり、銅、SiO2の研磨レートについてはそれぞれ0〜100(Å/min.)、0〜10(Å/min.)が望ましいとされている。
【0009】
このような2ndステップ研磨用の研磨用組成物としては、コロイダルシリカ、過酸化水素、ベンゾトリアゾール、シュウ酸と水とを含有しKOHなどでpH2〜5に調整した研磨用組成物が特許文献1に記載されているが、タンタル化合物に対して銅の研磨レートより大きくなっているがその比が3程度であり、選択性が充分とは言えなかった。
【0010】
また、砥粒に有機粒子と無機粒子を併用した2ndステップ研磨用組成物として、過酸化水素、酢酸、KOH、マレイン酸塩などが配合された組成物が特許文献2に示されているが、タンタル化合物と銅との
研磨選択比が1.1程度であり、1stステップでの銅の研磨をアンダーポリッシングで止め、2ndステップで銅とタンタル化合物を一緒に研磨する場合には好ましい選択比ではあるがタンタル化合物のみを選択的に研磨し、銅やSiO2はできるだけ研磨しないようにする用途には不向きであった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−247853号公報
【特許文献2】
特開2001−196336号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、銅膜、タンタル化合物のバリア層、SiO2の絶縁層を有する半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいて、タンタル化合物の研磨レートが銅に比べて充分に大きく、SiO2の研磨は実質的に殆んど起こらない研磨用組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)研磨材、(B)有機酸、(C)酸化剤、(D)酸化防止剤、および(E)水を含有する研磨用組成物であって、(A)研磨材が、平均粒径1nm−100nmの範囲にある有機粒子と平均粒径が5nm−100nmの範囲にあるフュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、およびコロイダルアルミナのうち少なくとも1種類からなる無機粒子の混合物であり、有機粒子の23℃、1MHzで測定された時の比誘電率が2.4〜7.5であり、有機粒子と無機粒子の重量配合比は60/40〜5/95の範囲にあり、研磨用組成物中の濃度が2〜10重量%であり、(B)有機酸の主成分がシュウ酸であり、研磨用組成物中の濃度が0.01〜1.0重量%であり、(C)酸化剤が過酸化水素であり、研磨用組成物中の濃度が0.03〜1.0重量%であり、(D)酸化防止剤がベンゾトリアゾールまたはその誘導体であり、研磨組成物中の濃度が0.01〜1.0重量%であることを特徴とする研磨用組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明はかかる上記の問題点を解決するために種々検討した結果、特定の弾性率の樹脂粒子からなる有機砥粒と無機砥粒、有機酸、過酸化水素、ベンゾトリアゾール化合物、及び水からなる研磨用組成物を用いることで、タンタル化合物の研磨レートが銅に比べて充分に大きく、しかもSiO2の研磨レートを充分に小さくできることを見いだし、発明を完成するに至ったものである。
【0015】
本発明に用いられる研磨材は特定の平均粒径並びに特定の配合比の特定の樹脂からなる有機粒子と無機粒子混合物である。
本発明に用いられる有機粒子は、有機高分子化合物であり、例えば、ビニルモノマーの乳化重合などによって得られる有機高分子化合物の微粒子やポリエステル,ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールなど重縮合によって得られる有機高分子の微粒子やフェノール樹脂、メラミン樹脂などの付加縮合によって得られる有機高分子の微粒子をあげることができ、単独或いは任意に組み合わせ用いることができる。好ましくは比較的安価で粒径の揃った極性の低いビニル系高分子である。その有機高分子化合物は、微粒子形状で用いられ、その平均粒径は1〜100nmの範囲にある有機高分子化合物からなるものである。平均粒径が1nm未満であると研磨速度が小さくなるので好ましくなく、100nmを越えるとTaと銅、SiO2との研磨選択比が相対的に小さくなるので好ましくない。
【0016】
さらにはこの微粒子の比誘電率が23℃、1MHzで測定した時に2.4〜7.5の範囲にあることが好ましい。比誘電率が2.4未満であると有機の層間絶縁膜上にパーティクルとして残りやすくなるので半導体の信頼性上好ましくなく、7.5を超えるとスラリー中の分散安定性が低下するので好ましくない。銅膜表面にスクラッチ入りやすくなったり、タンタルとの研磨選択比が小さくなるので好ましくない。
【0017】
本発明に用いる無機粒子はフュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、およびコロイダルアルミナのうち少なくとも1種類からなる無機粒子の混合物であり、
これらのものを単独或いは任意に組み合わせ用いることができる。組み合わせや比率などは特に限定されるものではない。平均粒径は5〜100nmであることが望ましい。平均粒径が5nm未満であると研磨速度が小さくなるので好ましくなく、100nmを越えるとTaと銅、SiO2との研磨選択比が相対的に小さくなるので好ましくない。
【0018】
有機粒子と無機粒子の重量配合比は60/40〜5/95の範囲にあることが好ましい。この範囲よりも有機粒子の割合が少ないとSiO2膜の研磨レートを抑える効果が小さいので好ましくなく、この範囲よりも有機粒子が多いとタンタル膜を研磨する際の研磨速度が低下するので好ましくない。
【0019】
研磨材の研磨用組成物中の濃度は2〜10重量%であることが望ましい。研磨材の濃度が小さくなりすぎると機械的な研磨能力が減少し研磨レートが低下するので好ましくなく、濃度が高すぎると機械的研磨能力が増大してタンタル化合物、銅、SiO2の研磨の選択性が低下するので好ましくない。
【0020】
本発明の研磨用組成物は有機酸を含有する。有機酸はシュウ酸であることが好ましい。研磨用組成物中の濃度は0.01〜1.0重量%であることが望ましい。0.01重量%未満であるとタンタル化合物膜の研磨レートが小さくなるために好ましくなく1.0重量%を超えると銅膜研磨レートが大きくなり制御できなくなるので好ましくない。
【0021】
本発明の研磨用組成物は酸化剤を含有するが酸化剤としては過酸化水素が好ましい。過酸化水素はタンタル化合物膜に対して酸化作用を発揮し、イオン化を促進することによってタンタル化合物膜の研磨レートを高める働きがあるが、研磨用組成物中の濃度は0.03〜1.0重量%であることが望ましい。この範囲の濃度から高くなっても低くなり過ぎてもタンタル化合物膜の研磨レートが低下するので好ましくない。
【0022】
本発明の研磨用組成物は酸化防止剤としてベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有し、研磨組成物中の濃度は0.01〜1.0重量%である。0.01重量%未満であると銅膜の研磨レートを抑える効果に乏しくなるので好ましくなく、1.0重量%を超えるとタンタル化合物膜の研磨レートが極端に減少するので好ましくない。
【0023】
本発明の研磨用組成物の媒体は水であり、イオン性不純物や金属イオンを極力減らしたものであることが望ましい。
【0024】
本発明の研磨用組成物は上記の各成分、研磨材、有機酸、酸化剤、酸化防止剤、を水に混合、溶解、分散させて製造する。過酸化水素は、研磨直前に前記の混合液に添加、混合するが予め混合しておくことも可能である。それらの混合方法は、任意の装置で行うことができる。例えば、翼式回転攪拌機、超音波分散機、ビーズミル分散機、ニーダー、ボールミルなどが適用可能である。
【0025】
また上記成分以外に種々の研磨助剤を配合してもよい。このような研磨助剤の例としては、分散助剤、防錆剤、消泡剤、pH調整剤、防かび剤等が挙げられるが、これらはスラリーの分散貯蔵安定性、研磨速度の向上の目的で加えられる。分散助剤としてはヘキサメタリン酸ソーダ等が挙げられる。もちろん各種界面活性剤などを添加して分散性を向上させることができることは言うまでもない。pH調整剤としてはアンモニアなどの塩基性化合物や酢酸、塩酸、硝酸等の酸性化合物が挙げられる。消泡剤としては流動パラフィン、ジメチルシリコーンオイル、ステアリン酸モノ、ジグリセリド混合物、ソルビタンモノパルミチエート、等が挙げられる。
【0026】
【実施例】
本発明を実施例で具体的に説明する。
<実施例1>
研磨材として一次粒子の平均粒径が30nmであるコロイダルシリカと平均粒径30nm、23℃、1MHzの比誘電率が2.9のポリメチルメタクリレート、シュウ酸、過酸化水素、ベンゾトリアゾールが表1に示された濃度になるように0.5μmのカートリッジフィルターで濾過されたイオン交換水に混合し、高速ホモジナイザーで攪拌して均一に分散させて研磨用組成物を得、研磨特性を評価した結果を表1に示した。
【0027】
<研磨評価>
被研磨物は8インチのシリコンウエハー上SiO2膜、タンタル化合物膜、銅膜のベタ膜を形成したものを用意し各膜の研磨レートを測定し、選択比を求めた。
【0028】
研磨は定盤径600mmの片面研磨機を用いた。研磨機の定盤にはロデール社製(米国)のポリウレタン製研磨パッドIC−1000/Suba400を専用の両面テープで張り付け、研磨用組成物(スラリー)を流しながら研磨した。荷重は3psi、定盤の回転数を70rpm、ウエハー回転数72rpm、研磨材組成物の流量を150ml/minとした。
【0029】
<実施例2〜6、比較例1〜9>
表1に示された配合によって研磨組成物を調整し研磨特性を評価した。
結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば銅膜、タンタル膜を含む半導体デバイスのCMP加工プロセスにおいてタンタル化合物膜を優先的に研磨可能な研磨液組成物が得られ、半導体デバイスを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】銅膜を形成させたデバイスの研磨プロセスの模式図
【符号の説明】
1 Cu
2 Ta
3 SiO2
Claims (1)
- (A)研磨材、(B)有機酸、(C)酸化剤、(D)酸化防止剤、および(E)水を含有する研磨用組成物であって、(A)研磨材が、平均粒径1nm−100nmの範囲にある有機粒子と平均粒径が5nm−100nmの範囲にあるフュームドシリカ、コロイダルシリカ、フュームドアルミナ、およびコロイダルアルミナのうち少なくとも1種類からなる無機粒子の混合物であり、有機粒子の23℃、1MHzで測定された時の比誘電率が2.4〜7.5であり、有機粒子と無機粒子の重量配合比は60/40〜5/95の範囲にあり、研磨用組成物中の濃度が2〜10重量%であり、(B)有機酸の主成分がシュウ酸であり、研磨用組成物中の濃度が0.01〜1.0重量%であり、(C)酸化剤が過酸化水素であり、研磨用組成物中の濃度が0.03〜1.0重量%であり、(D)酸化防止剤がベンゾトリアゾールまたはその誘導体であり、研磨組成物中の濃度が0.01〜1.0重量%であることを特徴とする研磨用組成物。
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CN113146425A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-07-23 | 刘仁兴 | 一种深度拉丝的金属拉丝工艺 |
-
2002
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CN113146425A (zh) * | 2021-02-09 | 2021-07-23 | 刘仁兴 | 一种深度拉丝的金属拉丝工艺 |
CN113146425B (zh) * | 2021-02-09 | 2022-09-09 | 河南恒创能科金属制品有限公司 | 一种深度拉丝的金属拉丝工艺 |
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