【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子・電気機器の基幹材料である樹脂の再利用に関するものである。詳しくは、回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤からなる再生ポリプロピレン樹脂に関する。さらに、回収ポリプロピレン樹脂中の異物により物性低下が起こる再生ポリプロピレン樹脂の特性改善方法、および前記再生ポリプロピレン樹脂を用いた樹脂マテリアルリサイクル方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年の環境問題、資源・エネルギー問題に伴い、容器リサイクル法、家電リサイクル法が法定化されるなど、リサイクルの重要性が高まっている。金属・ガラスのマテリアルリサイクル技術は実用レベルでほぼ確立されたといえるが、廃樹脂は、焼却、埋め立て処理がされているのが現状であり、樹脂のマテリアルリサイクルは技術・コストを含めた問題点が克服できていない。将来的には、家電リサイクル法における再商品化率の引き上げが予想され、樹脂のマテリアルリサイクルが必須となると思われる。
【０００３】
廃樹脂は、リサイクルセンターに集められた家電製品を手解体、破砕、分別、洗浄などの工程を経た後、得られる。しかし、これら回収工程では、再生樹脂から異物を完全に除去することは困難である。再生樹脂中の異物は、樹脂強度・伸び・衝撃値など物性低化の原因となる。そのため、要求特性の低い部品などへの適用といったカスケードリサイクルが主体となり、同一製品から同一製品への適用といったクローズドリサイクル用途への展開が困難であった。
【０００４】
廃樹脂を溶媒に溶かして異物を取り除く方法が提案されている。例えば、スチレン系樹脂からなる廃樹脂を加温下の良溶媒に溶解させて溶液を形成し、この溶液をろ過して異物を除去し、減圧乾燥、溶融押出の工程を経て再生用樹脂を得るという方法が提案されている（特許文献１参照）。しかしながら、この技術により再生ポリプロピレン樹脂から異物を取り除くためには、熱キシレンが必要で、かつポリプロピレンの溶解性が低いことから専用のプラントが必要となり、また、有機溶媒を大量使用するため、危険性が非常に高く、廃液処理に関する２次公害が発生するという問題点がある。
【０００５】
また、バージン材との混合によって製品の品質を保持する方法が数多く提案されている。例えば、廃樹脂２０〜３０％にバージン材を７０〜８０％の混合比からなる再生成形品を製造することが提案されている（特許文献２参照）。しかしながら、これらの方法においては、バージン材の混合に伴い物性は向上するものの、物性の低下したリサイクル材を混合する限り、バージン材同等の物性には至らないという欠点がある。
【０００６】
さらに、相溶化剤やカップリング剤を用いた樹脂改質方法が提案されている。例えば、廃樹脂に低粘度ポリマー、カップリング剤と有機過酸化物を混練して、機械的特性の改善を図ることが提案されている（特許文献３参照）。しかし、カップリング剤は、異物には結合するが、回収樹脂がポリプロピレン、ポリエチレンなど反応基を有しない高分子鎖とは反応しない。そのため、異物混入樹脂の改質効果は不充分であった。また、リサイクル改質剤を調整するための工程が必要であり、工程数やコスト面が問題となっていた。
【０００７】
【特許文献１】
特開平６−３２９３８号公報（２頁２欄、段落番号［０００６］）
【特許文献２】
特開２０００−１５９９００号公報（２頁２欄、段落番号［０００８］）
【特許文献３】
特開２００１−７２７９６号公報（３頁３欄、段落番号［０００６］）
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、異物混入による再生ポリプロピレン樹脂の物性低下に際して、機械物性を回復させるための方法および再生ポリプロピレン樹脂を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応機を有する樹脂系相溶化剤からなる再生ポリプロピレン樹脂により、機械物性が低下した再生ポリプロピレン樹脂をバージン樹脂と同等以上に向上できることを見いだし、本発明を提案するに至った。
【００１０】
すなわち、本発明の第１の再生ポリプロピレン樹脂は、回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤からなる再生ポリプロピレン樹脂である。
【００１１】
本発明の第２の再生ポリプロピレン樹脂は、第１の再生ポリプロピレン樹脂において、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤の反応基が、活性シラン基である再生ポリプロピレン樹脂である。
【００１２】
本発明の第３の再生ポリプロピレン樹脂は、第１の再生ポリプロピレン樹脂において、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤が、回収ポリプロピレン樹脂との相溶化作用、および異物との相互作用を有する再生ポリプロピレン樹脂である。
【００１３】
本発明の第４の再生ポリプロピレン樹脂は、第１または２の再生ポリプロピレン樹脂において、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤を再生ポリプロピレン樹脂中に、０．２重量％以上含有する再生ポリプロピレン樹脂である。
【００１４】
【発明の実施の形態】
本発明は、回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤からなる再生ポリプロピレン樹脂に関する。
【００１５】
本発明で用いられる樹脂系相溶化剤は、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有するものなので、異物との相互作用により機械的性質を向上させる点でポリプロピレン樹脂のリサイクルにおいて非常に好適に用いることができる。
【００１６】
つぎに、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤について詳細に説明する。
【００１７】
樹脂系相溶化剤に用いられるポリプロピレン樹脂は、ホモポリプロピレン重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体などがあげられる。なかでも、回収ポリプロピレン樹脂への分散性の点で、ホモポリプロピレン重合体が好ましい。
【００１８】
樹脂系相溶化剤に用いられるポリプロピレン樹脂のメルトフローレート（ＭＦＲ）は７（ｇ／１０分）以上が好ましい。ＭＦＲが７（ｇ／１０分）未満では回収ポリプロピレン樹脂中への分散性が悪くなる傾向がある。
【００１９】
前記樹脂系相溶化剤に用いられるポリプロピレン樹脂骨格中の反応基は、活性シラン基、チタネート基、塩化クロム基があげられる。なかでも、１原子あたりに結合可能な官能基数の点で、活性シラン基が好ましい。
【００２０】
ここで、活性シラン基とは、シリコン原子にアルコキシ基、アセトキシ基、メルカプト基、マレイン酸基などのうちの１種類が結合したものをいい、なかでも、金属くずのような異物との相互作用性の点で、アルコキシ基が好ましい。
【００２１】
前記反応基は、ポリプロピレン樹脂骨格中に存在することが好ましいが、ここで、骨格中とは、反応基がポリプロピレンの炭素原子に化学的に結合していることをいう。
【００２２】
このような樹脂系相溶化剤として、ＸＰＭ−８００ＨＭ（三菱化学（株）社製）、ポリプロピレン系シラン架橋ポリマーがあげられる。
【００２３】
また、前記樹脂系相溶化剤には、エチレン−α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマーなどの公知の樹脂、ゴム成分やガラス、タルクなどのフィラーを含有してもよい。
【００２４】
前記樹脂系相溶化剤を再生ポリプロピレン樹脂中に、０．２重量％以上含有することが好ましく、０．５重量％以上がより好ましく、１重量％以上がとくに好ましい。含有量の上限は、３０重量％以下が好ましく、２０重量％以下がより好ましい。含有量が０．２重量％未満では、物性向上の効果が少ない傾向があり、３０重量％を越えると前記樹脂系相溶化剤同士の反応が起こり、架橋構造をとりリサイクルが不可能となる傾向がある。
【００２５】
つぎに、回収ポリプロピレン樹脂とは、熱可塑性廃樹脂から取り出したポリプロピレン樹脂をいうが、かならずしもこれらには限られない。
【００２６】
回収ポリプロピレン樹脂におけるポリプロピレン樹脂とは、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体などがあげられる。なかでも、樹脂系相溶化剤との相溶性の点で、ホモポリプロピレンが好ましい。
【００２７】
回収ポリプロピレン樹脂に、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤を含有させることにより、再生ポリプロピレン樹脂の物性を著しく向上させることができる。
【００２８】
市場から回収された回収ポリプロピレン樹脂には多くの異物が付着しており、これらの異物が応力の集中部となり、回収ポリプロピレン樹脂の機械特性は低下する。本発明に用いるポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤は、これら物性劣化した回収ポリプロピレン樹脂に含まれている金属などの異物と反応し、機械物性を著しく向上させるものである。ここで、異物とは回収ポリプロピレン樹脂中に含まれる異物をいい、具体的には金属片、メッキくず、繊維、他種樹脂、塗装片があげられる。なかでも、とくに異物が金属片、メッキくずのような無機物質であると前記樹脂系相溶化剤との相互作用が大きくリサイクル効果がある。
【００２９】
前記樹脂系相溶化剤は、回収プロピレン樹脂との相溶化作用、および異物との相互作用を有することが好ましい。
【００３０】
回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤を含有するときには、触媒を併用することが好ましい。触媒の具体例としては、ＸＰＭ−８００ＨＭ用触媒（三菱化学（株）社製）があげられる。触媒の含有量は、再生ポリプロピレン樹脂中に、２〜１０重量％が好ましく、４〜６重量％がより好ましい。触媒の含有量が２重量％未満では機械的性質の改善の効果が小さくなる傾向があり、１０重量％をこえると樹脂系相溶化剤同士が架橋する傾向がある。
【００３１】
回収ポリプロピレン樹脂に前記樹脂系相溶化剤を含有するには、回収ポリプロピレン樹脂をホッパーに投入する工程で行なうことができる。この他にも、単軸もしくは二軸の溶融混練機を用いていったん再生ペレットを得た後に、射出成形機のホッパーに投入し、成形することも可能である。すなわち、回収ポリプロピレン樹脂に対する前記樹脂系相溶化剤の添加は、溶融成形の工程と添加剤混合工程を具備していれば、一部の工程はなくても、また、記載以外の工程が併設されていてもよい。
【００３２】
また、再生ポリプロピレン樹脂の耐久性や機械物性を安定させるため、酸化防止剤、光安定剤、銅害防止剤、抗菌剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤や、回収ポリプロピレン樹脂と相溶するバージン樹脂を添加することもできる。
【００３３】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体的に説明するため、以下に実施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例で用いられた評価および物性の測定は以下に示す方法で行なった。
【００３４】
（１）引張強度および引張伸び
ＩＳＯ５２７に準じて測定した。
（２）曲げ強度および曲げ弾性率
ＩＳＯ１７８に準じて測定した。
（３）シャルピー衝撃値
ＩＳＯ１７９に準じて測定した。
【００３５】
（試料作製方法）
使用済み洗濯機を解体し、ポリプロピレン樹脂からなる洗濯槽を取り出し、破砕、水洗、乾燥の工程を経て、フレーク状の回収ポリプロピレン樹脂（以下、ｒＰＰという）を得た。
【００３６】
つぎに、ｒＰＰ １００重量部に対し、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基として活性シラン基を有する樹脂系相溶化剤（三菱化学（株）社製「ＸＰＭ−８００ＨＭ」）５重量部、およびＸＰＭ−８００ＨＭ用触媒０．２５重量部をドライブレンドし、射出成形機のホッパーに投入し、成形温度２３０℃、金型温度４０℃の条件でＩＳＯ準拠の物性測定用試験片を成形し、物性測定を行なった。結果を表１に示した。比較のためｒＰＰおよびバージンポリプロピレン樹脂の特性を合わせて示した。なお、前記ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基として活性シラン基を有する樹脂系相溶化剤に用いたポリプロピレン樹脂のＭＦＲは１６（ｇ／１０分）であった。
【００３７】
【表１】
【００３８】
実施例１は、比較例１［回収ポリプロピレン樹脂（ｒＰＰ）］に比べ物性が改善されていた。また、比較例２［バージンポリプロピレン樹脂（ｖＰＰ）］と比べ物性が同等以上になっていた。特に、曲げ弾性率の向上が大きかった。実施例１のリサイクル性を確認するため再溶融を行ない、均一に溶融することを確認した。比較例１の物性低下は、試験片の破断面観察から金属類や異種樹脂のような異物が原因と推察される。また、実施例１で用いた前記樹脂系相溶化剤は、ｒＰＰとの相溶化作用、および異物との相互作用を有しているものであった。
【００３９】
つぎに、ｒＰＰ １００重量部に対しＸＰＭ−８００ＨＭ、およびＸＰＭ−８００ＨＭ用触媒の含有量を変化させたほかは実施例１と同様にして物性測定用試験片を作製し、各機械特性を測定した。結果を表２に示した。
【００４０】
【表２】
【００４１】
実施例２〜５は、比較例１に比べ、全ての物性が向上していた。また、比較例２（ｖＰＰ）と比べると、実施例６以外で曲げ弾性率が向上していた。実施例２〜５のリサイクル性は、実施例１と同様の方法で行ない、均一に溶融することを確認した。実施例６は、ＸＰＭ−８００ＨＭの含有量が少ないが、引張伸びの値が向上した。実施例７は、ＸＰＭ−８００ＨＭの含有量が多く、弾性率は充分に高くなり、引張伸び、シャルピー衝撃値も充分に改善された。また、リサイクル性について実施例１と同様の方法で行なった結果、一部に架橋構造が見られたが、再度のリサイクルが可能であることがわかった。
【００４２】
以上の結果より、回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤を所定量含有してなる本発明に関わる再生ポリプロピレン樹脂、再生ポリプロピレン樹脂の改質方法、およびリサイクル方法は、再生ポリエステル樹脂の物性の改善に非常に有効であり、再生ポリエステル樹脂材料の製品適用への可能性を充分に示唆するものであることが確認された。
【００４３】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第１の再生ポリプロピレン樹脂によれば、回収ポリプロピレン樹脂、およびポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤からなるので、物性が低下した回収ポリプロピレン樹脂をバージン樹脂と同等以上に改善された再生ポリプロピレン樹脂が提供できる。
【００４４】
本発明の第２の再生ポリプロピレン樹脂によれば、第１の再生ポリプロピレン樹脂において、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤の反応基が、活性シラン基であるので、樹脂物性の向上が期待できるため、回収ポリプロピレン樹脂のマテリアルリサイクル率の向上に大いに貢献し、再商品化率の向上とコストダウンが図ることができる。
【００４５】
本発明の第３の再生ポリプロピレン樹脂によれば、第１の再生ポリプロピレン樹脂において、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤が、回収ポリプロピレン樹脂との相溶化作用、および異物との相互作用を有するので、物性の向上が優れている。
【００４６】
本発明の第４の再生ポリプロピレン樹脂によれば、第１または２の再生ポリプロピレン樹脂において、ポリプロピレン樹脂骨格中に反応基を有する樹脂系相溶化剤を再生ポリプロピレン樹脂中に、０．２重量％以上含有しているので、物性向上の効果が優れている。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to the reuse of resin, which is a key material for electronic and electrical equipment. Specifically, the present invention relates to a recovered polypropylene resin and a recycled polypropylene resin comprising a resin-based compatibilizer having a reactive group in a polypropylene resin skeleton. Further, the present invention relates to a method for improving characteristics of a recycled polypropylene resin in which physical properties are reduced by foreign matters in a recovered polypropylene resin, and a resin material recycling method using the recycled polypropylene resin.
[0002]
[Prior art]
With the recent environmental problems, resource and energy problems, the Recycling Law for Containers and the Recycling Law for Home Appliances have been enacted, and the importance of recycling has increased. Although it can be said that material recycling technologies for metals and glass have been almost established at the practical level, waste resins are currently incinerated and landfilled, and material recycling of resins has problems including technology and costs. I have not been able to overcome it. In the future, the recycling rate under the Home Appliance Recycling Law is expected to increase, and material recycling of resins will be essential.
[0003]
Waste resin is obtained after the home appliances collected at the recycling center have undergone processes such as manual disassembly, crushing, sorting, and washing. However, in these recovery steps, it is difficult to completely remove foreign matter from the recycled resin. Foreign matter in the recycled resin causes deterioration in physical properties such as resin strength, elongation and impact value. For this reason, cascade recycling such as application to parts with low required characteristics is mainly performed, and it has been difficult to develop closed recycling applications such as application from the same product to the same product.
[0004]
A method has been proposed in which waste resin is dissolved in a solvent to remove foreign matter. For example, a waste resin composed of a styrene-based resin is dissolved in a good solvent under heating to form a solution, the solution is filtered to remove foreign substances, and dried under reduced pressure to obtain a resin for regeneration through a melt extrusion process. (See Patent Document 1). However, in order to remove foreign matter from recycled polypropylene resin using this technology, hot xylene is required, and a special plant is required due to the low solubility of polypropylene. Is very high, and there is a problem that secondary pollution related to waste liquid treatment occurs.
[0005]
In addition, many methods have been proposed for maintaining product quality by mixing with virgin materials. For example, it has been proposed to produce a recycled molded product having a mixing ratio of 70 to 80% of a virgin material to 20 to 30% of a waste resin (see Patent Document 2). However, in these methods, although the physical properties are improved with the mixing of the virgin material, there is a drawback that the physical properties equivalent to the virgin material are not obtained as long as a recycled material having reduced physical properties is mixed.
[0006]
Furthermore, a resin modification method using a compatibilizer or a coupling agent has been proposed. For example, it has been proposed to knead a waste resin with a low-viscosity polymer, a coupling agent and an organic peroxide to improve mechanical properties (see Patent Document 3). However, the coupling agent binds to the foreign matter but does not react with the polymer chain having no reactive group such as polypropylene or polyethylene. Therefore, the effect of modifying the resin mixed with foreign matters was insufficient. In addition, a process for adjusting the recycle modifier is required, and the number of processes and cost are problematic.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-6-32938 (page 2, column 2, paragraph number [0006])
[Patent Document 2]
JP 2000-159900 A (page 2, column 2, paragraph number [0008])
[Patent Document 3]
JP 2001-72796 A (page 3, column 3, paragraph [0006])
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and an object of the present invention is to provide a method and a recycled polypropylene resin for restoring mechanical properties when the physical properties of the recycled polypropylene resin are deteriorated due to inclusion of foreign matter.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The recovered polypropylene resin, and a recycled polypropylene resin comprising a resin-based compatibilizer having a reactor in the polypropylene resin skeleton, can find that the recycled polypropylene resin having reduced mechanical properties can be improved to be equal to or more than a virgin resin, and propose the present invention. I came to.
[0010]
That is, the first recycled polypropylene resin of the present invention is a recycled polypropylene resin comprising a recovered polypropylene resin and a resin-based compatibilizer having a reactive group in a polypropylene resin skeleton.
[0011]
The second recycled polypropylene resin of the present invention is the first recycled polypropylene resin in which the reactive group of the resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton is an active silane group.
[0012]
In the third recycled polypropylene resin of the present invention, in the first recycled polypropylene resin, a resin-based compatibilizer having a reactive group in a polypropylene resin skeleton has a compatibilizing action with the recovered polypropylene resin and an interaction with foreign matter. Is a recycled polypropylene resin having
[0013]
The fourth recycled polypropylene resin of the present invention is the first or second recycled polypropylene resin, wherein the recycled polypropylene resin contains a resin-based compatibilizer having a reactive group in a polypropylene resin skeleton in an amount of 0.2% by weight or more. It is a recycled polypropylene resin.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention relates to a recycled polypropylene resin comprising a recovered polypropylene resin and a resin-based compatibilizer having a reactive group in a polypropylene resin skeleton.
[0015]
Since the resin-based compatibilizer used in the present invention has a reactive group in the polypropylene resin skeleton, it is very suitably used in recycling polypropylene resin in that mechanical properties are improved by interaction with foreign substances. it can.
[0016]
Next, the resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton will be described in detail.
[0017]
Examples of the polypropylene resin used as the resin compatibilizer include a homopolypropylene polymer, an ethylene-propylene block copolymer, and an ethylene-propylene random copolymer. Among them, a homopolypropylene polymer is preferred from the viewpoint of dispersibility in the recovered polypropylene resin.
[0018]
The melt flow rate (MFR) of the polypropylene resin used as the resin compatibilizer is preferably 7 (g / 10 minutes) or more. If the MFR is less than 7 (g / 10 minutes), the dispersibility in the recovered polypropylene resin tends to be poor.
[0019]
The reactive group in the polypropylene resin skeleton used for the resin-based compatibilizer includes an active silane group, a titanate group, and a chromium chloride group. Among them, an active silane group is preferable in terms of the number of functional groups that can be bonded per atom.
[0020]
Here, the active silane group refers to a silicon atom in which one of an alkoxy group, an acetoxy group, a mercapto group, a maleic acid group and the like is bonded, and in particular, an interaction with a foreign substance such as metal scrap. In terms of properties, an alkoxy group is preferred.
[0021]
The reactive group is preferably present in the polypropylene resin skeleton. Here, “in the skeleton” means that the reactive group is chemically bonded to a carbon atom of the polypropylene.
[0022]
Examples of such a resin-based compatibilizer include XPM-800HM (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) and a polypropylene-based silane crosslinked polymer.
[0023]
The resin-based compatibilizer may contain a known resin such as an ethylene-α-olefin copolymer or a styrene-based elastomer, a rubber component, or a filler such as glass or talc.
[0024]
The resin-based compatibilizer is preferably contained in the recycled polypropylene resin in an amount of 0.2% by weight or more, more preferably 0.5% by weight or more, and particularly preferably 1% by weight or more. The upper limit of the content is preferably 30% by weight or less, more preferably 20% by weight or less. If the content is less than 0.2% by weight, the effect of improving the physical properties tends to be small, and if it exceeds 30% by weight, a reaction between the resin-based compatibilizers occurs, and a cross-linking structure is formed, making recycling impossible. There is.
[0025]
Next, the recovered polypropylene resin refers to a polypropylene resin extracted from a thermoplastic waste resin, but is not necessarily limited to these.
[0026]
Examples of the polypropylene resin in the recovered polypropylene resin include a homopolypropylene, an ethylene-propylene block copolymer, and an ethylene-propylene random copolymer. Among them, homopolypropylene is preferred from the viewpoint of compatibility with the resin-based compatibilizer.
[0027]
By making the recovered polypropylene resin contain a resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton, the physical properties of the recycled polypropylene resin can be significantly improved.
[0028]
Many foreign substances adhere to the recovered polypropylene resin recovered from the market, and these foreign substances become concentrated portions of stress, and the mechanical properties of the recovered polypropylene resin deteriorate. The resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton used in the present invention reacts with a foreign substance such as a metal contained in the recovered polypropylene resin whose physical properties have been deteriorated, and significantly improves the mechanical properties. Here, the foreign material refers to a foreign material contained in the recovered polypropylene resin, and specifically includes metal pieces, plating waste, fibers, other resins, and painted pieces. In particular, when the foreign matter is an inorganic substance such as a metal piece or a plating waste, the interaction with the resin-based compatibilizer is large and a recycle effect is obtained.
[0029]
The resin-based compatibilizer preferably has a compatibilizing action with the recovered propylene resin and an interaction with foreign matter.
[0030]
When the recovered polypropylene resin and the resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton are contained, it is preferable to use a catalyst in combination. A specific example of the catalyst is an XPM-800HM catalyst (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation). The content of the catalyst in the recycled polypropylene resin is preferably 2 to 10% by weight, more preferably 4 to 6% by weight. If the content of the catalyst is less than 2% by weight, the effect of improving the mechanical properties tends to decrease, and if it exceeds 10% by weight, the resin-based compatibilizers tend to cross-link with each other.
[0031]
In order to contain the above-mentioned resin-based compatibilizer in the recovered polypropylene resin, it is possible to carry out the step of charging the recovered polypropylene resin into a hopper. Alternatively, it is also possible to obtain a regenerated pellet by using a single-screw or twin-screw melt kneader, and then put it into a hopper of an injection molding machine to perform molding. That is, if the resin-based compatibilizer is added to the recovered polypropylene resin, if there is a melt-molding step and an additive mixing step, some steps may be omitted, and steps other than those described may be added. May be.
[0032]
In addition, in order to stabilize the durability and mechanical properties of recycled polypropylene resin, it is compatible with additives such as antioxidants, light stabilizers, copper damage inhibitors, antibacterial agents, antistatic agents, coloring agents, etc. Virgin resin may be added.
[0033]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples. The evaluation and physical properties used in the following Examples and Comparative Examples were measured by the following methods.
[0034]
(1) Tensile strength and tensile elongation Measured according to ISO527.
(2) Flexural strength and flexural modulus Measured according to ISO178.
(3) Charpy impact value Measured according to ISO179.
[0035]
(Sample preparation method)
The used washing machine was disassembled, the washing tub made of polypropylene resin was taken out, and crushed, washed with water and dried to obtain a flake-shaped recovered polypropylene resin (hereinafter referred to as rPP).
[0036]
Next, with respect to 100 parts by weight of rPP, 5 parts by weight of a resin-based compatibilizer having an active silane group as a reactive group in a polypropylene resin skeleton (“XPM-800HM” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation), and XPM-800HM 0.25 parts by weight of the catalyst for use was dry-blended and put into a hopper of an injection molding machine, and a test piece for measuring physical properties compliant with ISO was formed at a molding temperature of 230 ° C. and a mold temperature of 40 ° C., and the physical properties were measured. Was. The results are shown in Table 1. For comparison, the properties of rPP and virgin polypropylene resin are also shown. The MFR of the polypropylene resin used as the resin compatibilizer having an active silane group as a reactive group in the polypropylene resin skeleton was 16 (g / 10 minutes).
[0037]
[Table 1]
Example 1 had improved physical properties as compared with Comparative Example 1 [recovered polypropylene resin (rPP)]. In addition, physical properties were equal to or higher than Comparative Example 2 [virgin polypropylene resin (vPP)]. In particular, the improvement in flexural modulus was significant. Re-melting was performed to confirm the recyclability of Example 1, and it was confirmed that melting was uniform. The decrease in the physical properties of Comparative Example 1 is presumed to be due to foreign matters such as metals and different kinds of resins from observation of the fracture surface of the test piece. Further, the resin-based compatibilizer used in Example 1 had a compatibilizing action with rPP and an interaction with foreign matter.
[0039]
Next, a test piece for measuring physical properties was prepared in the same manner as in Example 1 except that the content of the XPM-800HM and the XPM-800HM catalyst was changed with respect to 100 parts by weight of rPP, and each mechanical property was measured. . The results are shown in Table 2.
[0040]
[Table 2]
In Examples 2 to 5, all the physical properties were improved as compared with Comparative Example 1. Further, as compared with Comparative Example 2 (vPP), the flexural modulus was improved in the cases other than Example 6. The recyclability of Examples 2 to 5 was performed in the same manner as in Example 1, and it was confirmed that the materials were uniformly melted. In Example 6, the content of XPM-800HM was small, but the value of tensile elongation was improved. In Example 7, the content of XPM-800HM was large, the elastic modulus was sufficiently high, and the tensile elongation and the Charpy impact value were sufficiently improved. The recyclability was measured in the same manner as in Example 1. As a result, although a crosslinked structure was observed in part, it was found that recyclability was possible.
[0042]
From the above results, the recovered polypropylene resin, the recycled polypropylene resin according to the present invention containing a predetermined amount of a resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton, a method for modifying the recycled polypropylene resin, and a recycling method Has been confirmed to be very effective in improving the physical properties of the recycled polyester resin and sufficiently suggesting the possibility of applying the recycled polyester resin material to products.
[0043]
【The invention's effect】
As described above, according to the first recycled polypropylene resin of the present invention, since the recovered polypropylene resin and the resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton are used, the recovered polypropylene resin having reduced physical properties can be virgin. It is possible to provide a recycled polypropylene resin improved to be equal to or more than the resin.
[0044]
According to the second recycled polypropylene resin of the present invention, in the first recycled polypropylene resin, the reactive group of the resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton is an active silane group. Since the improvement can be expected, it greatly contributes to the improvement of the material recycling rate of the recovered polypropylene resin, and the improvement of the recycling rate and the cost reduction can be achieved.
[0045]
According to the third recycled polypropylene resin of the present invention, in the first recycled polypropylene resin, the resin-based compatibilizer having a reactive group in the polypropylene resin skeleton has a compatibilizing action with the recovered polypropylene resin, and has an effect on the foreign matter with the foreign matter. Because of the interaction, the improvement of the physical properties is excellent.
[0046]
According to the fourth recycled polypropylene resin of the present invention, in the first or second recycled polypropylene resin, a resin-based compatibilizer having a reactive group in a polypropylene resin skeleton is contained in the recycled polypropylene resin in an amount of 0.2% by weight or more. Since it is contained, the effect of improving physical properties is excellent.