JP2004129949A - カプセル内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】組み立て性が良く、小型化され、180°の視野範囲が得られる実用性の高いカプセル内視鏡を提供する。
【解決手段】カプセル内視鏡1は、カプセル型カバー10の内部に、ボールセミコンダクタ11、鉄芯12、バネコイル13、電磁石14及び発光ダイオード(LED)15を収納したものである。カプセル型カバー10は、本体カバー21と透明カバー22とから構成される。ボールセミコンダクタ11は、透明カバー22側の半球をCCD撮像素子画素面31にすることで、視野が180°で得られる。透明カバー22は、透明な材質を非球面レンズとして形成したもので、CCD撮像素子画素面31の対物光学系と兼用している。
【選択図】 図1
【解決手段】カプセル内視鏡1は、カプセル型カバー10の内部に、ボールセミコンダクタ11、鉄芯12、バネコイル13、電磁石14及び発光ダイオード(LED)15を収納したものである。カプセル型カバー10は、本体カバー21と透明カバー22とから構成される。ボールセミコンダクタ11は、透明カバー22側の半球をCCD撮像素子画素面31にすることで、視野が180°で得られる。透明カバー22は、透明な材質を非球面レンズとして形成したもので、CCD撮像素子画素面31の対物光学系と兼用している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外形がカプセル状に形成され単体で体腔内に挿入されて体腔内の撮像を行うカプセル内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のファイバースコープや電子内視鏡は、人体に配置した走査部や画像モニター装置と、人体に導入される撮像ヘッド部分とが可撓管でつながれている構成となっている。このような装置では、被験者の苦痛を軽減するために撮像ヘッドの小型化や細径化が計られても、管が被験者の喉を通る苦痛を根本的になくすことができない。
【0003】
そこで近年、カプセル内視鏡と呼ばれる、管のないカプセル状の撮像ヘッドと隔離された画像モニター部を有する電子内視鏡装置が提案されている。しかしながら、このような従来のカプセル内視鏡の提案内容はアイデアに過ぎず、実際の製造、使用する段階に至っていない。
【0004】
特に、カプセル内視鏡としては、体腔内ではカプセル側面が体腔内壁面に接するから側視や直視の観察光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−112709号公報(第2−4頁、図1−11)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のカプセル内視鏡の技術では、撮像素子が平面CCDチップまたはMOSイメージセンサーであり、その周辺に照明系も設置するが、視野が狭く、撮像範囲は限定されている。視野を大きくすると該平面CCDチップまたは該MOSイメージセンサーの大面積化でカプセル内視鏡の外径大型化を招いて被験者の苦痛が増す。
【0007】
また、従来のカプセル内視鏡の対物光学系のレンズ群は、平面CCDチップまたはMOSイメージセンサーの前面に配置してピントを合わせるため、複雑なピント出し機構を設ける必要があり、外径が大型化するという問題があった。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、組み立て性が良く、小型化され、180°の視野範囲が得られる実用性の高いカプセル内視鏡を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載のカプセル内視鏡は、被写体を照明するための照明光を発光する発光手段と、前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料からなる照明光学手段と、前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段と、前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段と、この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する半球状受光面と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のカプセル内視鏡は、請求項1に記載のカプセル内視鏡であって、前記撮像手段から出力された前記撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段と、前記発光手段、前記撮像手段および前記無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段と、をさらに具備し、前記外装手段の一端部に前記観察光学手段を配し、該外装手段と該観察光学手段の双方によってカプセル形状に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載のカプセル内視鏡は、請求項1または2記載のカプセル内視鏡であって、前記観察光学手段は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズからなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載のカプセル内視鏡は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡であって、前記照明光学手段と前記観察光学手段とは単一の非球面レンズからなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。
(構成)
図1において、カプセル内視鏡1は、カプセル型カバー10の内部に、ボールセミコンダクタ11、鉄芯12、バネコイル13、電磁石14及び発光ダイオード(LED)15を収納したものである。
【0014】
カプセル型カバー10は、本体カバー21と透明カバー22とから構成される。
本体カバー21は一端が円形の開口部23からなり、他端側がドーム状に形成されている。本体カバー21の開口部23の中には、鉄芯12、バネコイル13及び電磁石14が取り付けられている。ボールセミコンダクタ11は鉄芯12の一端に取り付けられている。本体カバー21の開口部23には透明カバー22が取り付けられている。
【0015】
ボールセミコンダクタ11は、透明カバー22側の半球をCCD撮像素子画素面31にすることで、180°の視野を得ている。
【0016】
ボールセミコンダクタ11の他の半球32は、走査を制御する走査手段と、出力信号を処理する信号手段とを集積回路化したものである。
【0017】
ボールセミコンダクタ11の後端側には、透明カバー22の光軸方向に沿って鉄芯12が配置している。鉄芯12は本体カバー21に対して透明カバー22の光軸方向に沿ってスライド可能な状態で取り付けられている。本体カバー21内側の鉄芯12の後側の位置には、突起16が固定して設けられている。鉄芯12にはバネコイル13が設けられている。このバネコイル13は、巻軸に鉄芯12が挿入されされている。このバネコイル13の一端はボールセミコンダクタ11に取り付け、バネコイル13の他端は突起16に取り付けている。
【0018】
バネコイル13は、ボールセミコンダクタ11を常時後方に付勢し、位置決め突起16に鉄芯12を押し当てるようになっている。これにより、バネコイル13は、ボールセミコンダクタ11を常時後方に付勢し、位置決め突起16に鉄芯12を押し当てるようになっている。
【0019】
前記鉄芯12の外周方向にはリング状の電磁石14が設けられている。この電磁石14によりボールセミコンダクタ11を前後にスライドさせて焦点調節を行うようになっている。
【0020】
カプセル内視鏡1のボールセミコンダクタ11が配置された後方空間17には、電源、薬液用のタンク、薬液を送出するポンプ、前記ボールセミコンダクタ11の撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段18、または他の装置を配置するように設けられたものである。
【0021】
前記ボールセミコンダクタ11と後方空間17の間には発光ダイオード(LED)15が設けられ、このLED11の外周に筒伏の導光体24の基端側開口部が設けられている。LED11は後方空間17からの電源により駆動するようになっている。
【0022】
この導光体24の先端側開口部の前方は、透明カバー22の縁部に設けられている。これにより、LED11からの光が体腔内に透明カバー22照射できるようになっている。
【0023】
透明カバー22は、透明な材質を非球面レンズとして形成したもので、CCD撮像素子画素面31の対物光学系と兼用している。
【0024】
このような構成により、LED11は被写体を照明するための照明光を発光する発光手段となっている。
【0025】
透明カバー22及び導光体24は前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料となっている。
【0026】
透明カバー22は、前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段となっている。
【0027】
透明カバー22は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズになっている。
【0028】
ボールセミコンダクタ11は、前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段となっている。
【0029】
CCD撮像素子画素面31は、この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する。
【0030】
本体カバー11は、前記発光手段、前記撮像手段および無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段となっている。
【0031】
カプセル型カバー10は、前記本体カバー11の一端部には前記透明カバー22を配し、該本体カバー11と該透明カバー22の双方によってカプセル形状に形成されている。
【0032】
(作用)
第1の実施の形態において、カプセル内視鏡1が体腔内に挿入された状態で、LED11の照明光は、導光体24及び透明カバー22を介して被写体を照明する。照明光が照射された前記被写体からの反射光は、透明カバー22によってCCD撮像素子画素面31に結像され、光電変換して電気信号に変換され、無線送信手段18により被検体の体腔内から体外の医療機器に送信され、モニタ等に映像表示される。
【0033】
(効果)
第1の実施の形態によれば、透明カバー22が照明用及び観察用の光学手段を兼ねているので、組み立て性が良く、小型化され、透明カバー22とCCD撮像素子画素面31により、180°の視野範囲が得られるので、実用性の高いカプセル内視鏡を提供することが可能になる。また、カプセル内視鏡1を小型化且つ観察範囲を広くできることにより、カプセル内視鏡1を観察位置に対し体外から遠隔操作でカプセルの姿勢をコントロールしなくても良いという効果を奏する。
【0034】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。
(構成)
図2において、カプセル内視鏡2は、カプセル型カバー50の内部に、前後一対のボールセミコンダクタ51,61、前後一対の鉄芯52,62、前後一対のバネコイル53,63、前後一対の電磁石54,64、複数の発光ダイオード(LED)55及び電源57を収納したものである。
【0035】
カプセル型カバー50は、本体カバー71と透明カバー72,82とから構成される。
【0036】
本体カバー71は、短い筒状に形成され、一端及び他端が円形の前後の開口部73,83となっている。
【0037】
本体カバー71の開口部73,83の中には、それぞれ鉄芯52,62、バネコイル53,63及び電磁石54,64が取付が取り付けられている。ボールセミコンダクタ51,61はそれぞれ鉄芯52,62の一端に取り付けられている。本体カバー71の開口部73,83には透明カバー72,82が取り付けられている。
【0038】
ボールセミコンダクタ51,61は、それぞれ透明カバー72,82側の半球を図1と同様のCCD撮像素子画素面31とし、他の半球32も図1と同様の構成にしている。
【0039】
ボールセミコンダクタ51,61の後端側には、それぞれ透明カバー72,82の光軸方向に沿って鉄芯52,62が配置している。鉄芯52,62は、それぞれ本体カバー71に対して透明カバー72,82の光軸方向に沿ってスライド可能な状態で取り付けられている。本体カバー71内側の鉄芯52,62の奥側の位置には、それぞれ突起56,66が固定して設けられている。鉄芯52,62にはそれぞれバネコイル53,63が設けられている。
【0040】
バネコイル53,63は、それぞれボールセミコンダクタ51,61を常時後方に付勢し、位置決め突起56,66にそれぞれ鉄芯52,62を押し当てるようになっている。
【0041】
前記鉄芯52,62の外周方向には、それぞれリング状の電磁石54,64が設けられている。この電磁石54,64は、それぞれボールセミコンダクタ51,61を前後にスライドさせて焦点調節を行うようになっている。
【0042】
位置決め突起56,66の間には、電源57や撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段が設けられている。
【0043】
前記ボールセミコンダクタ51,61を含む前後の装置の中間には、患部を照明するためのLED55が設けられている。このLED55の外周には筒伏の導光体74の中間位置の開口部が設けられている。
【0044】
この導光体74の両端部に透明カバー72,82が設けられ、LED55からの光が体腔内に照射できるようになっている。
【0045】
前記複数のLED55の間には、LED55やボールセミコンダクタ51,61等を駆動する電源57が設けられている。
【0046】
透明カバー72,82は、透明な材質を非球面レンズとして形成したもので、それぞれボールセミコンダクタ51,61のCCD撮像素子画素面31の対物光学系と兼用している。
【0047】
(作用) 第21の実施の形態において、カプセル内視鏡2が体腔内に挿入された状態で、LED55の照明光は、導光体74及び透明カバー72,82を介してカプセル内視鏡2の周り全体に拡がり、被写体を照明する。明光が照射された前記被写体からの反射光は、透明カバー72,82によってそれぞれボールセミコンダクタ51,61のCCD撮像素子画素面31に結像され、光電変換して電気信号に変換され、無線送信手段により被検体の体腔内から体外の医療機器に送信され、モニタ等に映像表示される。
【0048】
(効果) 第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、360°の視野範囲が得られるので、さらに実用性の高いカプセル内視鏡を提供することが可能になる。
【0049】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0050】
(付記項1) 被写体を照明するための照明光を発光する発光手段と、
前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料からなる照明光学手段と、
前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段と、
前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段と、
この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する半球状受光面と、
を具備したことを特徴とするカプセル内視鏡。
【0051】
(付記項2) 前記撮像手段から出力された前記撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段と、
前記発光手段、前記撮像手段および前記無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段と、
をさらに具備し、
前記外装手段の一端部に前記観察光学手段を配し、該外装手段と該観察光学手段の双方によってカプセル形状に形成されたことを特徴とする付記項1に記載のカプセル内視鏡。
【0052】
(付記項3) 前記観察光学手段は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズからなることを特徴とする付記項1または2記載のカプセル内視鏡。
【0053】
(付記項4) 前記照明光学手段と前記観察光学手段とは、単一の非球面レンズからなることを特徴とする付記項1乃至3のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡。
【0054】
(付記項5) 前記観察光学手段、撮像手段及び半球状受光面は、前記カプセル内視鏡の前後一対で設けたことを特徴とする付記項1乃至4のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡。
【0055】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、組み立て性が良く、小型化され、180°の視野範囲が得られるので、実用性が高く、カプセル内視鏡を小型化且つ観察範囲を広くできることにより、カプセル内視鏡を観察位置に対し体外から遠隔操作でカプセルの姿勢をコントロールしなくても良いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図。
【符号の説明】
1 …カプセル内視鏡
10 …カプセル型カバー
11 …ボールセミコンダクタ
12 …鉄芯
13 …バネコイル
14 …電磁石
15 …発光ダイオード(LED)
17 …後方空間
18 …無線送信手段
21 …本体カバー
22 …透明カバー
24 …導光体
31 …CCD撮像素子画素面
32 …半球
【発明の属する技術分野】
本発明は外形がカプセル状に形成され単体で体腔内に挿入されて体腔内の撮像を行うカプセル内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のファイバースコープや電子内視鏡は、人体に配置した走査部や画像モニター装置と、人体に導入される撮像ヘッド部分とが可撓管でつながれている構成となっている。このような装置では、被験者の苦痛を軽減するために撮像ヘッドの小型化や細径化が計られても、管が被験者の喉を通る苦痛を根本的になくすことができない。
【0003】
そこで近年、カプセル内視鏡と呼ばれる、管のないカプセル状の撮像ヘッドと隔離された画像モニター部を有する電子内視鏡装置が提案されている。しかしながら、このような従来のカプセル内視鏡の提案内容はアイデアに過ぎず、実際の製造、使用する段階に至っていない。
【0004】
特に、カプセル内視鏡としては、体腔内ではカプセル側面が体腔内壁面に接するから側視や直視の観察光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−112709号公報(第2−4頁、図1−11)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のカプセル内視鏡の技術では、撮像素子が平面CCDチップまたはMOSイメージセンサーであり、その周辺に照明系も設置するが、視野が狭く、撮像範囲は限定されている。視野を大きくすると該平面CCDチップまたは該MOSイメージセンサーの大面積化でカプセル内視鏡の外径大型化を招いて被験者の苦痛が増す。
【0007】
また、従来のカプセル内視鏡の対物光学系のレンズ群は、平面CCDチップまたはMOSイメージセンサーの前面に配置してピントを合わせるため、複雑なピント出し機構を設ける必要があり、外径が大型化するという問題があった。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、組み立て性が良く、小型化され、180°の視野範囲が得られる実用性の高いカプセル内視鏡を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載のカプセル内視鏡は、被写体を照明するための照明光を発光する発光手段と、前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料からなる照明光学手段と、前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段と、前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段と、この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する半球状受光面と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のカプセル内視鏡は、請求項1に記載のカプセル内視鏡であって、前記撮像手段から出力された前記撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段と、前記発光手段、前記撮像手段および前記無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段と、をさらに具備し、前記外装手段の一端部に前記観察光学手段を配し、該外装手段と該観察光学手段の双方によってカプセル形状に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載のカプセル内視鏡は、請求項1または2記載のカプセル内視鏡であって、前記観察光学手段は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズからなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載のカプセル内視鏡は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡であって、前記照明光学手段と前記観察光学手段とは単一の非球面レンズからなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。
(構成)
図1において、カプセル内視鏡1は、カプセル型カバー10の内部に、ボールセミコンダクタ11、鉄芯12、バネコイル13、電磁石14及び発光ダイオード(LED)15を収納したものである。
【0014】
カプセル型カバー10は、本体カバー21と透明カバー22とから構成される。
本体カバー21は一端が円形の開口部23からなり、他端側がドーム状に形成されている。本体カバー21の開口部23の中には、鉄芯12、バネコイル13及び電磁石14が取り付けられている。ボールセミコンダクタ11は鉄芯12の一端に取り付けられている。本体カバー21の開口部23には透明カバー22が取り付けられている。
【0015】
ボールセミコンダクタ11は、透明カバー22側の半球をCCD撮像素子画素面31にすることで、180°の視野を得ている。
【0016】
ボールセミコンダクタ11の他の半球32は、走査を制御する走査手段と、出力信号を処理する信号手段とを集積回路化したものである。
【0017】
ボールセミコンダクタ11の後端側には、透明カバー22の光軸方向に沿って鉄芯12が配置している。鉄芯12は本体カバー21に対して透明カバー22の光軸方向に沿ってスライド可能な状態で取り付けられている。本体カバー21内側の鉄芯12の後側の位置には、突起16が固定して設けられている。鉄芯12にはバネコイル13が設けられている。このバネコイル13は、巻軸に鉄芯12が挿入されされている。このバネコイル13の一端はボールセミコンダクタ11に取り付け、バネコイル13の他端は突起16に取り付けている。
【0018】
バネコイル13は、ボールセミコンダクタ11を常時後方に付勢し、位置決め突起16に鉄芯12を押し当てるようになっている。これにより、バネコイル13は、ボールセミコンダクタ11を常時後方に付勢し、位置決め突起16に鉄芯12を押し当てるようになっている。
【0019】
前記鉄芯12の外周方向にはリング状の電磁石14が設けられている。この電磁石14によりボールセミコンダクタ11を前後にスライドさせて焦点調節を行うようになっている。
【0020】
カプセル内視鏡1のボールセミコンダクタ11が配置された後方空間17には、電源、薬液用のタンク、薬液を送出するポンプ、前記ボールセミコンダクタ11の撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段18、または他の装置を配置するように設けられたものである。
【0021】
前記ボールセミコンダクタ11と後方空間17の間には発光ダイオード(LED)15が設けられ、このLED11の外周に筒伏の導光体24の基端側開口部が設けられている。LED11は後方空間17からの電源により駆動するようになっている。
【0022】
この導光体24の先端側開口部の前方は、透明カバー22の縁部に設けられている。これにより、LED11からの光が体腔内に透明カバー22照射できるようになっている。
【0023】
透明カバー22は、透明な材質を非球面レンズとして形成したもので、CCD撮像素子画素面31の対物光学系と兼用している。
【0024】
このような構成により、LED11は被写体を照明するための照明光を発光する発光手段となっている。
【0025】
透明カバー22及び導光体24は前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料となっている。
【0026】
透明カバー22は、前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段となっている。
【0027】
透明カバー22は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズになっている。
【0028】
ボールセミコンダクタ11は、前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段となっている。
【0029】
CCD撮像素子画素面31は、この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する。
【0030】
本体カバー11は、前記発光手段、前記撮像手段および無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段となっている。
【0031】
カプセル型カバー10は、前記本体カバー11の一端部には前記透明カバー22を配し、該本体カバー11と該透明カバー22の双方によってカプセル形状に形成されている。
【0032】
(作用)
第1の実施の形態において、カプセル内視鏡1が体腔内に挿入された状態で、LED11の照明光は、導光体24及び透明カバー22を介して被写体を照明する。照明光が照射された前記被写体からの反射光は、透明カバー22によってCCD撮像素子画素面31に結像され、光電変換して電気信号に変換され、無線送信手段18により被検体の体腔内から体外の医療機器に送信され、モニタ等に映像表示される。
【0033】
(効果)
第1の実施の形態によれば、透明カバー22が照明用及び観察用の光学手段を兼ねているので、組み立て性が良く、小型化され、透明カバー22とCCD撮像素子画素面31により、180°の視野範囲が得られるので、実用性の高いカプセル内視鏡を提供することが可能になる。また、カプセル内視鏡1を小型化且つ観察範囲を広くできることにより、カプセル内視鏡1を観察位置に対し体外から遠隔操作でカプセルの姿勢をコントロールしなくても良いという効果を奏する。
【0034】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。
(構成)
図2において、カプセル内視鏡2は、カプセル型カバー50の内部に、前後一対のボールセミコンダクタ51,61、前後一対の鉄芯52,62、前後一対のバネコイル53,63、前後一対の電磁石54,64、複数の発光ダイオード(LED)55及び電源57を収納したものである。
【0035】
カプセル型カバー50は、本体カバー71と透明カバー72,82とから構成される。
【0036】
本体カバー71は、短い筒状に形成され、一端及び他端が円形の前後の開口部73,83となっている。
【0037】
本体カバー71の開口部73,83の中には、それぞれ鉄芯52,62、バネコイル53,63及び電磁石54,64が取付が取り付けられている。ボールセミコンダクタ51,61はそれぞれ鉄芯52,62の一端に取り付けられている。本体カバー71の開口部73,83には透明カバー72,82が取り付けられている。
【0038】
ボールセミコンダクタ51,61は、それぞれ透明カバー72,82側の半球を図1と同様のCCD撮像素子画素面31とし、他の半球32も図1と同様の構成にしている。
【0039】
ボールセミコンダクタ51,61の後端側には、それぞれ透明カバー72,82の光軸方向に沿って鉄芯52,62が配置している。鉄芯52,62は、それぞれ本体カバー71に対して透明カバー72,82の光軸方向に沿ってスライド可能な状態で取り付けられている。本体カバー71内側の鉄芯52,62の奥側の位置には、それぞれ突起56,66が固定して設けられている。鉄芯52,62にはそれぞれバネコイル53,63が設けられている。
【0040】
バネコイル53,63は、それぞれボールセミコンダクタ51,61を常時後方に付勢し、位置決め突起56,66にそれぞれ鉄芯52,62を押し当てるようになっている。
【0041】
前記鉄芯52,62の外周方向には、それぞれリング状の電磁石54,64が設けられている。この電磁石54,64は、それぞれボールセミコンダクタ51,61を前後にスライドさせて焦点調節を行うようになっている。
【0042】
位置決め突起56,66の間には、電源57や撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段が設けられている。
【0043】
前記ボールセミコンダクタ51,61を含む前後の装置の中間には、患部を照明するためのLED55が設けられている。このLED55の外周には筒伏の導光体74の中間位置の開口部が設けられている。
【0044】
この導光体74の両端部に透明カバー72,82が設けられ、LED55からの光が体腔内に照射できるようになっている。
【0045】
前記複数のLED55の間には、LED55やボールセミコンダクタ51,61等を駆動する電源57が設けられている。
【0046】
透明カバー72,82は、透明な材質を非球面レンズとして形成したもので、それぞれボールセミコンダクタ51,61のCCD撮像素子画素面31の対物光学系と兼用している。
【0047】
(作用) 第21の実施の形態において、カプセル内視鏡2が体腔内に挿入された状態で、LED55の照明光は、導光体74及び透明カバー72,82を介してカプセル内視鏡2の周り全体に拡がり、被写体を照明する。明光が照射された前記被写体からの反射光は、透明カバー72,82によってそれぞれボールセミコンダクタ51,61のCCD撮像素子画素面31に結像され、光電変換して電気信号に変換され、無線送信手段により被検体の体腔内から体外の医療機器に送信され、モニタ等に映像表示される。
【0048】
(効果) 第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、360°の視野範囲が得られるので、さらに実用性の高いカプセル内視鏡を提供することが可能になる。
【0049】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0050】
(付記項1) 被写体を照明するための照明光を発光する発光手段と、
前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料からなる照明光学手段と、
前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段と、
前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段と、
この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する半球状受光面と、
を具備したことを特徴とするカプセル内視鏡。
【0051】
(付記項2) 前記撮像手段から出力された前記撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段と、
前記発光手段、前記撮像手段および前記無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段と、
をさらに具備し、
前記外装手段の一端部に前記観察光学手段を配し、該外装手段と該観察光学手段の双方によってカプセル形状に形成されたことを特徴とする付記項1に記載のカプセル内視鏡。
【0052】
(付記項3) 前記観察光学手段は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズからなることを特徴とする付記項1または2記載のカプセル内視鏡。
【0053】
(付記項4) 前記照明光学手段と前記観察光学手段とは、単一の非球面レンズからなることを特徴とする付記項1乃至3のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡。
【0054】
(付記項5) 前記観察光学手段、撮像手段及び半球状受光面は、前記カプセル内視鏡の前後一対で設けたことを特徴とする付記項1乃至4のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡。
【0055】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、組み立て性が良く、小型化され、180°の視野範囲が得られるので、実用性が高く、カプセル内視鏡を小型化且つ観察範囲を広くできることにより、カプセル内視鏡を観察位置に対し体外から遠隔操作でカプセルの姿勢をコントロールしなくても良いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るカプセル内視鏡の断面図。
【符号の説明】
1 …カプセル内視鏡
10 …カプセル型カバー
11 …ボールセミコンダクタ
12 …鉄芯
13 …バネコイル
14 …電磁石
15 …発光ダイオード(LED)
17 …後方空間
18 …無線送信手段
21 …本体カバー
22 …透明カバー
24 …導光体
31 …CCD撮像素子画素面
32 …半球
Claims (4)
- 被写体を照明するための照明光を発光する発光手段と、
前記照明光を被写体へ照射するように配光する光学材料からなる照明光学手段と、
前記照明光が照射された前記被写体からの反射光が入射する面を略半球面形状に成形した光学材料からなる観察光学手段と、
前記観察光学手段を透過した前記反射光を受光して撮像信号を生成可能に構成された撮像手段と、
この撮像手段に設けられ、前記観察光学手段の略半球面形状に相似した形状の外表面を有し、前記反射光を光電変換して電気信号を出力する半球状受光面と、
を具備したことを特徴とするカプセル内視鏡。 - 前記撮像手段から出力された前記撮像信号に所定の処理を施して無線送信する無線送信手段と、
前記発光手段、前記撮像手段および前記無線送信手段を収容可能な内部空間を有する所定の長さの略カプセル形状に形成された外装手段と、
をさらに具備し、
前記外装手段の一端部に前記観察光学手段を配し、該外装手段と該観察光学手段の双方によってカプセル形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡。 - 前記観察光学手段は、前記半球状受光面のほぼ全表面に対して前記反射光を出射可能とするように構成した非球面レンズからなることを特徴とする請求項1または2記載のカプセル内視鏡。
- 前記照明光学手段と前記観察光学手段とは単一の非球面レンズからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のカプセル内視鏡。
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