JP2004129870A - 超音波処置装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性良く、生体組織の凝固切開や剥離等が可能な超音波処置装置を実現する。
【解決手段】超音波処置装置は、可動ハンドル23で操作される操作力に対して、ジョー31の開閉方向に上限値を設定するための上限値設定手段として、操作ロッド50の基端側を嵌合固定しているスライダ53と、このスライダ53にねじ止め固定されているばね保持筒55と、このばね保持筒55に配設され、装備荷重が与えられている制限ばね56と、作動ピン27から伝達される操作力に対して、前記制限ばね56を圧縮することで前記ジョー31の開閉の各方向に同じ上限値を設定され、押圧部材58を介して前記ばね保持筒55と共に前記スライダ53を略直線状に進退させることで、上限値を設定された操作力を前記操作ロッド50に伝達する上限値制限伝達部材57とを設けて構成される。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を把持して超音波処置を施す超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波処置装置は、生体組織の凝固切開或いは、剥離等の処置を行うものである。
このような超音波処置装置は、挿入部外套管の基端部に手元側の操作部が連結され、この操作部に超音波振動を発生する超音波振動子が配設されると共に、挿入部外套管の先端部に生体組織を処置するための処置部が配設されている。
【0003】
また、超音波処置装置は、挿入部外套管の内部に超音波振動子からの超音波振動を処置部側の超音波プローブに伝達する振動伝達部材が挿通されている。この振動伝達部材の基端部は、超音波振動子に接続されている。更に、処置部は、超音波プローブに対峙して回動自在に支持されるジョーが配設されている。
また、超音波処置装置は、超音波プローブに対してジョーを開閉操作する可動ハンドルが操作部に配設されている。更に、挿入部外套管の内部は、ジョーの操作ロッドが軸方向に進退可能に挿入されている。
【0004】
そして、超音波処置装置は、可動ハンドルの操作に伴い、操作ロッドが軸方向に進退され、この操作ロッドの進退動作に連動して処置部のジョーを超音波プローブに対して閉操作するのに伴い超音波プローブとジョーとの間で生体組織を把持するようになっている。続いて、この状態で、超音波処置装置は、超音波振動子からの超音波振動を振動伝達部材を介して処置部側の超音波プローブに伝達することにより、超音波を利用して生体組織の凝固切開処置を行うようになっている。
また、超音波処置装置は、ジョーの開操作するのに伴い超音波プローブとジョーとの間で生体組織に対して剥離等の処置を行うこともある。
【0005】
このような超音波処置装置は、例えば特開2001−204734号公報に記載されているように可動ハンドルと同軸に扇形のばね受けを設け、このばね受けに装備荷重を与えたコイルばねを配置して構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−204734号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−204734号公報に記載の超音波処置装置は、コイルばねを円周方向に弧を描いて圧縮させるので、剛性の低いばねではすぐに座屈してしまい、所定のハンドル操作力で使用するのが困難である。
【0008】
このため、上記超音波処置装置は、所定のハンドル操作力がかかる場合に、大きなコイルばねを使用しないと、可動ハンドルの支点から作用点までが大きくなり、ハンドルが大型化することになる。
従って、上記従来の超音波処置装置は、操作性が悪く、生体組織の凝固切開や剥離等を行うのが困難である。
【0009】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、操作性良く、生体組織の凝固切開や剥離等が可能な超音波処置装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の超音波処置装置は、超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在であり、この超音波プローブとの間で生体組織を把持するジョーと、前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、前記ジョーと前記操作手段との間を連結し、前記操作手段からの操作力を前記ジョー側に伝達する操作力伝達部材と、を具備し、前記操作手段で操作される操作力に対して、前記ジョーの開閉方向に上限値を設定するための上限値設定手段を設けたことを特徴としている。
この構成により、操作性良く、生体組織の凝固切開や剥離等が可能な超音波処置装置を実現する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図5は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図、図2は図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図、図3は図1の装置本体の回路構成を示す回路ブロック図、図4は図1の超音波処置具の要部断面図、図5は本発明の上限値設定手段を示す概念図である。
【0012】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置1は、被検部の生体組織を把持してこの把持した生体組織に超音波処置を施す超音波処置具2と、この超音波処置具2を制御するための装置本体3とから主に構成される。
装置本体3は、超音波処置具2に駆動信号を供給するハンドピースコード4のハンドピースプラグ4a及び、駆動信号のオン・オフ操作を行う制御スイッチである例えばフットスイッチ5が接続される。
【0013】
図2に示すように超音波処置具2は、3つのユニットに分解可能な3つの組み立てユニット、即ち、ハンドルユニット(操作部)11と、プローブユニット12と、振動子ユニット13とから構成される。これらの3つのユニット11〜13は、図1で示す状態に組み立てられるようになっている。
【0014】
振動子ユニット13は、ハンドルユニット11に着脱可能に連結されるハンドピース14が設けられている。このハンドピース14は、円筒状カバー14a内に超音波振動を発生する超音波振動子15が内蔵されている(図4参照)。超音波振動子15は、この先端部に第1段階の振幅拡大を行なうホーン16の基端部が連結される。このホーン16の先端側は、略直管状のプローブ取付部16aが形成されている。このプローブ取付部16aの先端部は、図示しないプローブ取付け用の雌ねじ部が形成されている。
【0015】
また、円筒状カバー14aは、この先端部にハンドルユニット11の後述する操作部本体17の振動子接続部18に着脱可能に連結されるユニット連結部14bが設けられている。このユニット連結部14bの外周面は、リングの一部を切り離したC字型の形状をしている係合リング19(所謂Cリング)が装着されている。尚、係合リング19は、この断面形状が外周を円弧とする略半月状の断面形状に形成されている(図4参照)。
また、円筒状カバー14aの後端部は、端部にハンドピースプラグ4aを設けたハンドピースコード4が接続されている。
【0016】
また、プローブユニット12は、振動子ユニット13におけるホーン16の先端側のプローブ取付部16aに着脱可能に連結される細長い略棒状の振動伝達部材21が設けられている。
この振動伝達部材21の基端部は、ホーン16のプローブ取付部16aに連結される取付けねじ21aが形成されている。そして、この取付けねじ21aが振動子ユニット13におけるプローブ取付部16aのねじ穴部にねじ込み固定されている。これにより、プローブユニット12と、振動子ユニット13との間が一体的に組み付けられている。
【0017】
更に、振動伝達部材21は、振動子ユニット13側から伝達される超音波振動の節の位置(複数個所)にフランジ状の支持体21bが設けられている。この支持体21bは、弾性部材でリング状に形成されている。
また、本実施の形態の振動伝達部材21は、基端部側から2つ目の節の前方に第2段階の振幅拡大を行なう基端側ホーン21cが配設されている。更に、この基端側ホーン21cの先端部側は、超音波振動の伝達を行う中間部21d、最終的な振幅拡大を行う先端側ホーン21e、処置部(超音波プローブ)21fが順次配設されている。ここで、振動伝達部材21の最先端部に配置された処置部21fは、略円形の断面形状に形成されている。
【0018】
また、ハンドルユニット11は、細長い挿入シース部11aと、この挿入シース部11aの先端部に配設された先端作用部11bと、挿入シース部11aの基端部に配設された操作部11cとから構成される。ここで、ハンドルユニット11の操作部11cは、略円筒状の操作部本体17が設けられている。そして、この操作部本体17の基端部に振動子接続部18が形成されている。
【0019】
また、操作部本体17の外周面は、固定ハンドル22と、操作手段を構成する回動可能な可動ハンドル23とが設けられている。更に、操作部本体17の基端部上方は、高周波接続用の電極ピン24が後傾させて取り付けられている。
また、固定ハンドル22の上側部分は、円筒状の操作部本体17と一体成形されている。更に、固定ハンドル22の操作端部は、親指以外の指の複数のものを選択的に差し込める指掛け孔22aが設けられ、可動ハンドル23の操作端部は、同じ手の親指を掛ける指掛け孔23aが設けられている。
【0020】
また、可動ハンドル23の上端部側は、二股状の連結部23bが形成されている。これらの二股状の連結部23bは、操作部本体17の両側に配置されている。更に、各連結部23bの上端部は、ハンドル枢支軸25が内方向に向けて突設されている。これらのハンドル枢支軸25は、後述する挿入部外套管26の軸線より上側位置の支点で操作部本体17に連結されている。これにより、可動ハンドル23は、ハンドル枢支軸25によって回動可能に枢支されている。
【0021】
ここで、左右の各ハンドル枢支軸25は、左右別々に操作部本体17内に突出しないように取り付けられている。尚、各ハンドル枢支軸25は、図示しない高周波絶縁用の絶縁キャップが取り付けられている。
更に、可動ハンドル23の各連結部23bは、ハンドル枢支軸25の近傍部位に後述する操作ロッド(操作力伝達部材)50に進退力を伝達するための作動ピン27が設けられている(図4参照)。即ち、可動ハンドル23と作動ピン27とは、操作手段を構成している。尚、各作動ピン27の外端部は、高周波絶縁用の図示しない絶縁キャップが取り付けられている。
【0022】
また、挿入シース部11aは、挿入部外套管26が設けられている。この挿入部外套管26の基端部は、回転ノブ28と共に、操作部本体17の先端部にこの操作部本体17の中心線の軸回り方向に回転可能に取付けられている。ここで、挿入部外套管26は、図示しない金属管の外周面に絶縁チューブ29が装着されて形成されている。この絶縁チューブ29は、挿入部外套管26の外周面全体を基端部までの大部分被覆する状態に設けられている。
【0023】
また、ハンドルユニット11は、先端作用部11bに生体組織を把持するための片開き型のジョー31が回動自在に取り付けられている。ハンドルユニット11の高周波電極ピン24に図示しない高周波電源装置が接続され、振動伝達部材21に高周波電力を供給されるようになっている。
【0024】
挿入部外套管26は、この先端部にジョー31を保持するジョー保持部32が設けられている。このジョー保持部32は、略管状の保持部材本体32aの先端部が絶縁カバー33で被覆され、高周波電流に対する絶縁が行われている。更に、ジョー31は、生体組織(臓器)を把持する把持部材34が取り付けられている。この把持部材34は、略鋸歯状の歯部35が形成されている。尚、把持部材34は、例えばPTFE(テフロン:デュポン杜商標名)等の低摩擦材料で形成されている。また、把持部材34は、単体では、剛性に乏しいので、図示しない金属製の強度部材を取り付けて剛性を確保しても良い。
【0025】
また、ジョー31は、把持部材34の図示しない支持用の支持ピンがそれぞれ内向きに突設されている。更に、このジョー31は、後述する操作ロッド50が係合するようになっている。
また、把持部材34と振動伝達部材21の処置部21fとは、広い面積で接触し、間に挟んだ生体組織を広く緩やかに温度上昇させることが可能であり、効果的な凝固を実現できる。ここで、把持部材34の把持面と振動伝達部材21の処置部21fとの間は、円弧状の曲面同士で接触していることにより自然に中心を一致させる効果が発生する。これにより、処置部21fの偏心や傾斜をキャンセルすることができる。
【0026】
また、挿入部外套管26の内部は、プローブユニット12の振動伝達部材21が挿通されている。また、この挿入部外套管26の内部は、振動伝達部材21に併設されて、ジョー31を開閉する操作力を伝達する操作ロッド50が進退自在に挿通されている。ここで、操作ロッド50は、挿入部外套管26に隙間を残して配置されている。
【0027】
そして、操作ロッド50は、軸方向に進退させる動作に伴い、ジョー31の開閉操作が行われるようになっている。ここで、操作ロッド50は、先端側に押すことによりジョー31が閉じるようになっている。このジョー31の閉操作時は、プローブユニット12の処置部21fに対してジョー31の把持部材34を押し付けることにより、処置部21fとジョー31の把持部材34との間で生体組織を把持するようになっている。そして、把持された生体組織は、高速な摩擦によって凝固或いは切開等の超音波処置を施される。尚、ジョー31は、生体組織の剥離にも使用されるようになっている。
【0028】
次に、図3を参照して装置本体3の回路構成を説明する。
図3に示すように装置本体3は、超音波周波数の交流信号を発生する発振回路41と、超音波出力の大きさを指示する信号を生成するDAコンバータ42と、このDAコンバータ42からの信号に基づいて発振回路41の交流信号の大きさを制御するVCA回路43と、このVCA回路43の出力を増幅してプローブ内の超音波振動子15を駆動するための電力を生成するパワーアンプ44と、装置本体の出力ラインを入切する入切リレー45と、装置本体の動作を制御する制御回路46と、フットスイッチ5からの操作信号を制御回路46及び入切リレー45に伝達するインターフェース(I/F)回路47とが設けられている。
【0029】
ここで、術者は、超音波処置具2を操作して処置部21fとジョー31の把持部材34との間で把持した生体組織に対して超音波処置を施すとする。
術者は、フットスイッチ5を踏み込みオン操作する。すると、装置本体3は、フットスイッチ5がオン操作されたら、I/F回路47を介して制御回路46にフットスイッチ5の操作状態が伝達されると同時に、このフットスイッチ5がオンされている間だけ入切リレー45がオン操作するようになっている。
【0030】
そして、制御回路46は、発振回路41に駆動信号を出力し、この発振回路41を駆動する。
このとき、制御回路46は、操作パネル3aの図示しない設定スイッチで設定された出力の大きさに対応したレベルのデータをDAコンバータ42に送信する。このデータに基づいて、DAコンバータ42は、VCA回路43の動作を制御し、発振回路41で発生した超音波周波数の交流信号をVCA回路43に入力した際、このVCA回路43で所望の大きさの超音波周波数の信号が生成される。そして、この超音波信号は、パワーアンプ44に送信される。
【0031】
パワーアンプ44は、送信された超音波信号を増幅した後、この電力を入切リレー45を介してプローブ内の超音波振動子15に供給する。
そして、超音波振動子15は、駆動されて超音波振動を発生する。この超音波振動は、振動伝達部材21を介して先端側の処置部21fに伝達される。そして、処置部21fとジョー31の把持部材34との間で把持された生体組織は、高速な摩擦によって凝固或いは切開等の超音波処置を施される。
【0032】
また、超音波処置を施された生体組織は、処置部21fとジョー31の把持部材34とを被検部位に差し込み、ジョー31を閉操作して、剥離等の処置を施される場合もある。ここで、超音波処置装置は、可動ハンドル23のハンドル操作力に上限を設けないと直接、生体組織にハンドル操作力がかかることになり、ジョー31又は処置部21fに過負荷がかかる。
そこで、本実施の形態では、後述するように可動ハンドル23のハンドル操作力に対して、ジョー31の開閉方向に上限値を設定するための上限値設定手段を設けて構成する。
【0033】
図4は、ハンドルユニット11の操作部本体17の内部構成を示すものである。
図4に示すように挿入部外套管26は、金属管の基端部外周面に略円筒状の筒体51が取り付けられている。この筒体51の基端部は、半径方向に沿ってねじ穴部51aが穿設されている。このねじ穴部51aは、ガイドピン52によって上限値設定手段を構成するスライダ53が長手方向に進退可能に取り付けられている。このスライダ53は、先端側で操作ロッド50の基端側を嵌合固定している。このスライダ53の外周面は、Oリング装着溝53aに気密手段であるOリング54が嵌着されている。そして、このOリング54によって、スライダ53は、長手方向に進退しても筒体51との間の気密を保つようになっている。
【0034】
また、スライダ53は、ばね保持筒55がねじ止め固定されている。ばね保持筒55の外周面は、コイルばねである制限ばね56が配設されている。制限ばね56は、その自由長より圧縮して取り付けられて装備荷重が与えられている。
【0035】
制限ばね56は、上限値制限伝達部材57が取り付けられている。この上限値制限伝達部材57は、押圧部材58を介して制限ばね56を圧縮するように構成されており、この上端面には作動ピン27の先端嵌合部27aが嵌合する嵌合溝57aが形成されている。
【0036】
このことにより、上限値制限伝達部材57は、可動ハンドル23の作動ピン27から伝達される操作力に対して、制限ばね56を圧縮することでジョー31の開閉の各方向に同じ上限値を設定され、押圧部材58を介してばね保持筒55と共にスライダ53を略直線状に進退させることで、上限値を設定された操作力を操作ロッド50に伝達するようになっている。即ち、スライダ53と、ばね保持筒55と、制限ばね56と、上限値制限伝達部材57と、押圧部材58とは、上限値設定手段を構成している。
【0037】
このように構成される超音波処置装置は、生体組織の凝固切開或いは、剥離等の処置を行う。
術者は、ハンドルユニット11の固定ハンドル22を握り、可動ハンドル23を操作する。すると、この可動ハンドル23の操作により、挿入シース部11b内で操作ロッド50が進退し、先端作用部11aのジョー31を開閉する。
【0038】
ここで、図5を用いて本発明の上限値設定手段を概念的に説明する。尚、図5の上限値設定手段は、図4と異なる形状であるが模式的にその概念を表している。
図5に示すように上限値制限伝達部材57は、嵌合溝57aが中央部に形成されている。また、操作ロッド50は、スライダ53の先端側にねじ止めされている。それ以外の構成は、図4とほぼ同様である。
【0039】
ここで、術者は、可動ハンドル23を握る操作(閉操作)を行う。この場合、作動ピン27は、ハンドル枢支軸25を中心として図1中で時計回り方向に回転移動される。この作動ピン27の動きは、嵌合溝57aを介して上限値制限伝達部材57に伝達される。
【0040】
上限値制限伝達部材57は、伝達された作動ピン27の動きにより、基端側の押圧部材58を介して制限ばね56を圧縮する。そして、この圧縮された制限ばね56は、先端側の押圧部材58を介して、スライダ53を略直線状に先端側に進ませる。すると、このスライダ53と一体的に固定された操作ロッド50は、図5中、2点鎖線で示すように略直線状に先端側に移動され、先端作用部11aのジョー31を閉じる方向に閉操作される。
【0041】
そして、ジョー31は、プローブユニット12の処置部21fに対し、把持部材34を押し付けることで、処置部21fとの間で生体組織を把持するようになっている。
このとき、制限ばね56は、装備荷重以下のハンドル操作力に対して、弾性変形することなく直截にジョー31を閉じさせ、これにより操作感が良くなるようになっている。
【0042】
そして、装備荷重以上の力が加えられると、制限ばね56は、弾性変形してそれ以上のハンドル操作力の伝達を阻止する。このことにより、ジョー31から振動伝達部材21の処置部21fに加えられる力は、その上限を設定された値に限定されて過大になることがない。
従って、超音波処置具2は、処置部21fの過大な変位を防止して凝固切開の機能を維持することが可能である。
【0043】
一方、術者は、可動ハンドル23を開く操作(開操作)を行い、上述とは逆の方向に作用して先端作用部11aのジョー31を開く方向に開操作される。
即ち、作動ピン27は、ハンドル枢支軸25を中心として図1中で反時計回り方向に回転移動される。この作動ピン27の動きは、嵌合溝57aを介して上限値制限伝達部材57に伝達される。
【0044】
上限値制限伝達部材57は、伝達された作動ピン27の動きにより、先端側の押圧部材58を介して制限ばね56を圧縮する。そして、この圧縮された制限ばね56は、基端側の押圧部材58を介して、ばね保持筒55と共にスライダ53を略直線状に基端側に後退させる。すると、このスライダ53と一体的に固定された操作ロッド50は、図5中、2点鎖線で示すように略直線状に基端側に移動され、先端作用部11aのジョー31を開く方向に開操作される。
【0045】
そして、ジョー31は、プローブユニット12の処置部21fに対し、適切な力で開くようになっている。
このとき、制限ばね56は、上述したのと同様に、装備荷重以下のハンドル操作力に対して、弾性変形することなく直截にジョー31を開かせるようになっている。
【0046】
そして、装備荷重以上の力が加えられると、制限ばね56は、上述したのと同様に、それ以上のハンドル操作力の伝達を阻止し、その上限を設定された値に限定されて過大になることがない。従って、超音波処置具2は、適切な力で生体組織の剥離等を行うことが可能である。尚、図4に示す構成では、スライダ53は、筒体51のねじ穴部51aに沿ってガイドピン52でガイドされて略直線状に進退するようになっている。
この結果、本実施の形態の超音波処置装置1は、操作性良く、生体組織の凝固切開や剥離等が可能であるという効果を得る。
【0047】
(第2の実施の形態)
図6ないし図12は、本発明の第2の実施の形態に係り、図6は本発明の第2の実施の形態の超音波処置装置を構成する超音波処置具を示し、装備荷重以下のハンドル操作力を与えられて可動ハンドルを閉操作した際の要部断面図、図7は本発明の上限値設定手段を示す概念図、図8は図7の状態から可動ハンドルを閉操作した際の上限値設定手段の動作を示す概念図、図9は図7の状態から可動ハンドルを開操作した際の上限値設定手段の動作を示す概念図、図10は図6の状態から装備荷重以上のハンドル操作力を与えられた際の超音波処置具の要部断面図、図11は装備荷重以上の力で可動ハンドルが作動限界まで閉操作されて可動ハンドルが固定ハンドルに当接した際の超音波処置具の要部断面図、図12は装備荷重以上のハンドル操作力を与えられて可動ハンドルを作動限界まで開操作した際の超音波処置具の要部断面図である。
【0048】
本第2の実施の形態は、ジョー31の開閉の各方向に別々な上限値を設定するように構成する。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同じ構成は、同じ符号を付して説明する。
【0049】
即ち、本第2の実施の形態の超音波処置装置は、図6に示すように更に第2の制限ばね56Bを設けてジョー31の開閉の各方向に別々な上限値を設定可能な超音波処置具2Bを有して構成される。
第2の制限ばね56Bは、制限ばね56の外周に設けられている。この第2の制限ばね56Bは、制限ばね56と同様にその自由長より圧縮して取り付けられて制限ばね56と異なる弱い装備荷重が与えられている。また、押圧部材58は、基端側にのみ設けられている。
【0050】
このことにより、伝達された作動ピン27の動きにより、上限値制限伝達部材57は、先端側に移動する場合、基端側の押圧部材58を介して制限ばね56のみを圧縮し、基端側に移動する場合、第2の制限ばね56Bのみを圧縮するようになっている。
【0051】
このように構成される超音波処置装置は、生体組織の凝固切開或いは、剥離等の処置を行う。
術者は、ハンドルユニット11の固定ハンドル22を握り、可動ハンドル23を操作する。すると、この可動ハンドル23の操作により、挿入シース部11b内で操作ロッド50が進退し、先端作用部11aのジョー31を開閉する。
【0052】
ここで、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に図7〜図9を用いて概念的に説明する。尚、図7〜図9は、図6と異なる形状であるが模式的にその概念を表した図である。
図7〜図9に示すように上限値制限伝達部材57は、嵌合溝57aが中央部に形成されている。また、操作ロッド50は、スライダ53の先端側にねじ止めされている。それ以外の構成は、図6とほぼ同様である。尚、図7は、可動ハンドル23を操作する前の無負荷時における状態を示している。
【0053】
図7の状態(無負荷時)において、術者は、可動ハンドル23を握る操作(閉操作)を行う。この場合、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に作動ピン27は、ハンドル枢支軸25を中心として図1中で時計回り方向に回転移動され、この動きは嵌合溝57aを介して上限値制限伝達部材57に伝達される。
【0054】
上限値制限伝達部材57は、伝達された作動ピン27の動きにより、図8に示すように基端側の押圧部材58を介して制限ばね56のみを圧縮し、以降、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に装備荷重以上の力に対してそれ以上のハンドル操作力の伝達を阻止する。
【0055】
一方、術者は、可動ハンドル23を開く操作(開操作)を行い、上述とは逆の方向に作用して先端作用部11aのジョー31を開く方向に開操作される。
即ち、作動ピン27は、ハンドル枢支軸25を中心として図1中で反時計回り方向に回転移動される。この作動ピン27の動きは、嵌合溝57aを介して上限値制限伝達部材57に伝達される。
【0056】
上限値制限伝達部材57は、伝達された作動ピン27の動きにより、図9に示すように基端側の押圧部材58に抗して第2の制限ばね56Bのみを圧縮し、以降、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に装備荷重以上の力に対してそれ以上のハンドル操作力の伝達を阻止する。
【0057】
そして、上述の動作により、超音波処置具2Bは、図6の状態から図10〜図12に示すようになる。
尚、図6は、装備荷重以下のハンドル操作力を与えられて可動ハンドル23を閉操作した際の超音波処置具2Bの様子を示している。
【0058】
ここで、図10は、図6の状態から装備荷重以上のハンドル操作力を与えられた際の超音波処置具2Bの様子を示し、図11は装備荷重以上の力で可動ハンドル23が作動限界まで閉操作されて可動ハンドル23が固定ハンドル22に当接した際の超音波処置具2Bの様子を示している。
【0059】
この図11に示す状態のとき、超音波処置具2Bは、どんなに大きい操作力を加えても、このときの圧縮されたばね56の弾性力以上の力が先端側のジョー31に伝達されないようになっている。
また、図12は、装備荷重以上のハンドル操作力を与えられて可動ハンドル23を作動限界まで開操作した際、ジョー31が全開したときの超音波処置具2Bの様子を示している。
【0060】
これにより、超音波処置具2Bは、生体組織を把持するときよりも弱い適切な力で生体組織の剥離等を行うことが可能である。
この結果、本第2の実施の形態の超音波処置装置は、上記第1の実施の形態と同様な効果を得ることに加え、更に操作性良く、生体組織の剥離等が可能である。
【0061】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものでは、なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0062】
[付記]
(付記項1) 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在であり、この超音波プローブとの間で生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
前記ジョーと前記操作手段との間を連結し、前記操作手段からの操作力を前記ジョー側に伝達する操作力伝達部材と、
を具備し、
前記操作手段で操作される操作力に対して、前記ジョーの開閉方向に上限値を設定するための上限値設定手段を設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【0063】
(付記項2) 前記上限値設定手段は、前記ジョーの開閉方向に対して、各方向に同じ上限値を設定したことを特徴とする付記項1に記載の超音波処置装置。
【0064】
(付記項3) 前記上限値設定手段は、前記ジョーの開閉方向に対して、各方向にそれぞれ異なる上限値を設定したことを特徴とする付記項1に記載の超音波処置装置。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、操作性良く、生体組織の凝固切開や剥離等が可能な超音波処置装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図
【図2】図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図
【図3】図1の装置本体の回路構成を示す回路ブロック図
【図4】図1の超音波処置具の要部断面図
【図5】本発明の上限値設定手段を示す概念図
【図6】本発明の第2の実施の形態の超音波処置装置を構成する超音波処置具を示し、装備荷重以下のハンドル操作力を与えられて可動ハンドルを閉操作した際の要部断面図
【図7】本発明の上限値設定手段を示す概念図
【図8】図7の状態から可動ハンドルを閉操作した際の上限値設定手段の動作を示す概念図
【図9】図7の状態から可動ハンドルを開操作した際の上限値設定手段の動作を示す概念図
【図10】図6の状態から装備荷重以上のハンドル操作力を与えられた際の超音波処置具の要部断面図
【図11】装備荷重以上の力で可動ハンドルが作動限界まで閉操作されて可動ハンドルが固定ハンドルに当接した際の超音波処置具の要部断面図
【図12】装備荷重以上のハンドル操作力を与えられて可動ハンドルを作動限界まで開操作した際の超音波処置具の要部断面図
【符号の説明】
1…超音波処置装置
2…超音波処置具
3…装置本体
5…フットスイッチ
11…ハンドルユニット
11a…挿入シース部
11b…先端作用部
11c…操作部
12…プローブユニット
13…振動子ユニット
14…ハンドピース
15…超音波振動子
17…操作部本体
21…振動伝達部材
21f…処置部(超音波プローブ)
22…固定ハンドル
23…可動ハンドル
23b…連結部
25…ハンドル枢支軸
26…挿入部外套管
27…作動ピン
31…ジョー
34…把持部材
50…操作ロッド(操作力伝達部材)
53…スライダ
55…ばね保持筒
56…制限ばね
57…上限値制限伝達部材
58…押圧部材

Claims (1)

  1. 超音波振動子に接続され、この超音波振動子で発生した超音波振動を先端側へ伝達する振動伝達部材と、
    前記振動伝達部材の先端側に連結され、この振動伝達部材から伝達された超音波振動により生体組織を処置する超音波プローブと、
    前記超音波プローブに対峙して回動自在であり、この超音波プローブとの間で生体組織を把持するジョーと、
    前記ジョーを前記超音波プローブに対して開閉操作する操作手段と、
    前記ジョーと前記操作手段との間を連結し、前記操作手段からの操作力を前記ジョー側に伝達する操作力伝達部材と、
    を具備し、
    前記操作手段で操作される操作力に対して、前記ジョーの開閉方向に上限値を設定するための上限値設定手段を設けたことを特徴とする超音波処置装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7905881B2 (en) 2006-07-04 2011-03-15 Olympus Medical Systems Corp. Surgical instrument
CN103445857A (zh) * 2013-09-13 2013-12-18 安徽奥弗医疗设备科技有限公司 一种热凝切割刀的手柄连接装置

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