JP2004129703A - 睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システム - Google Patents
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Abstract
【課題】対象者の画像データから目が抽出されない場合についても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判別できる睡眠認識方法を提供する。
【解決手段】対象者を撮像した画像データから頭部を抽出する(ステップS101)。抽出された頭部から、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出し(ステップS102)、それらの位置を計測する(ステップS102)。所定時間継続して、抽出すべきパーツが抽出されないとき、又は、各パーツの相対位置関係に偏りがあると判断された場合には、対象者は頭を下げて睡眠状態にあると認識する。
【選択図】 図1
【解決手段】対象者を撮像した画像データから頭部を抽出する(ステップS101)。抽出された頭部から、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出し(ステップS102)、それらの位置を計測する(ステップS102)。所定時間継続して、抽出すべきパーツが抽出されないとき、又は、各パーツの相対位置関係に偏りがあると判断された場合には、対象者は頭を下げて睡眠状態にあると認識する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムに関し、更に詳しくは、頭部を含む画像データから所定の処理により対象者の睡眠を認識する睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顔を含む画像データを演算処理して対象者の睡眠を認識する技術としては、例えば特開平7−93700号公報(特許文献1)や特開平10−40361号公報(特許文献2)に記載された技術が知られている。これらの技術では、例えば、自動車の運転手の顔をカメラで動画的に撮影して、その顔画像データに所定の処理を施して目(まぶた)の動きを監視し、運転手の居眠り状態を認識する。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−93700号公報
【特許文献2】
特開平10−40361号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献に記載の技術では、対象者の顔を含む画像データから目(まぶた)の動きを検出して睡眠状態を判断するため、画像データから「目」が検出できないときには、対象者が睡眠状態にあるか否かを判別することができない。しかし、対象者が睡眠状態にあるとき、その姿勢はまちまちであるから、必ずしも目の動きが検出できる状態で画像データが取得されるとは限らない。このため、従来の方法では、さまざまなパターンの睡眠を自動認識することができないという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献に記載の技術では、運転者等が睡眠状態にあると判断されると、警告を発して運転者等に睡眠状態にあることを通知するものであり、睡眠状態の検出の対象者と、睡眠状態の検出を通知される者とが同一であった。つまり、従来、睡眠状態の検出の対象者が現在どのような状態にあるのかを、他の者、例えば管理者に視覚的に通知するための装置は知られていなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消し、さまざまな姿勢で睡眠状態にある者についても、その者が睡眠状態にあることを自動認識できる睡眠認識装置及び認識方法睡眠認識方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、認識した検出対象者の睡眠状態を、その対象者以外の管理者等に通知する睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の睡眠認識装置は、対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像データから、頭部と、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、該抽出手段が、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、対象者が睡眠状態にあると判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の睡眠状態認識装置では、抽出手段は、対象者の画像データから頭部画像データを抽出し、その頭部画像データから、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出する。判定手段は、頭部画像データから、顔の各パーツの何れもが所定時間継続して抽出されないときには、例えば、対象者は頭を下げて睡眠状態にあると判定する。このため、対象者の画像データから目のパーツが抽出されない場合であっても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判定することができる。
【0010】
本発明の睡眠認識方法は、対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像した画像データから、頭部と、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出し、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、対象者が睡眠状態にあると判定することを特徴とする。
【0011】
本発明の睡眠認識方法では、対象者の画像データから頭部画像データを抽出し、その頭部画像データから、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出する。このとき、頭部画像データから、顔の各パーツの何れもが所定時間継続して抽出されないときには、対象者は頭を下げて睡眠状態にあると判定する。このため、対象者の画像データから目のパーツが抽出されない場合であっても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判定することができる。
【0012】
本発明の睡眠状態通知装置は、複数の対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された少なくとも1つの撮像手段と、該撮像手段で撮像された画像データから、各対象者の眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、該抽出手段が、各対象者について抽出すべき顔のパーツを所定間継続して抽出できないときに、当該対象者が睡眠状態にあると判定する判定手段と、該判定手段が睡眠状態にあると判定した対象者の情報を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の睡眠状態通知装置では、抽出手段は、対象者の画像データから頭部画像データを抽出し、その頭部画像データから、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出する。判定手段は、頭部画像データから、顔の各パーツの何れもが所定時間継続して抽出されないときには、その対象者は頭を下げて睡眠状態にあると判定する。このため、対象者の画像データから目のパーツが抽出されない場合であっても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判定することができる。通知手段は、判定手段が睡眠状態にあると判定した対象者の情報を、例えば、管理者側に通知する。管理者側は、対象者が多数存在する場合についても、各対象者が、睡眠状態にあるか否かを精度よく把握することができる。
【0014】
本発明の遠隔教育システムは、受講者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された撮像手段を備える複数の受講者端末と、少なくとも1つの講師端末と、管理者サーバとを備える遠隔教育システムであって、前記管理者サーバは、前記撮像手段のそれぞれによって撮像された画像データから、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、受講者が睡眠状態にあると判定する判定手段とを備え、受講者が睡眠状態にある受講者端末の情報を前記講師端末に送信することを特徴とする。
【0015】
本発明の遠隔教育システムでは、受講者端末と講師端末との間で、管理者サーバ及びネットワークを介して講義を行う教育システムにおいて、管理者サーバは、各受講者端末から受信した受講者の画像データに基づいて、その受講者が睡眠状態にあるか否かを判定し、睡眠状態にある受講者の情報を、講師端末に通知する。このため、講師は、例えば、各受講者に対応した表形式の画面を用いて、何れの受講者が睡眠状態にあるのかを監視することで、受講者が多数存在する場合についても、各受講者の睡眠状態を簡易に把握することができる。
【0016】
本発明の睡眠認識装置では、頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係、及び/又は、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを認識する認識手段を更に備え、前記判定手段は、前記認識手段が位置関係の偏りを認識すると、対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0017】
本発明の睡眠認識方法は、前記頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係、及び/又は、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを調べ、該位置関係の偏りを認識すると対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0018】
対象者が睡眠状態にあるときでも、頭を完全に下げきっていない場合には、顔のパーツが頭部の下側付近で抽出される。このため、頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係や、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを検出することで、対象者の睡眠状態を認識することができる。
【0019】
また、本発明の睡眠認識装置では、前記顔のパーツを構成する目の開又は閉の状態を検出する検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記検出手段が前記パーツを構成する目が所定時間閉じていることを検出すると、対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0020】
本発明の睡眠認識方法は、更に、前記顔のパーツを構成する目の閉を検出すると、対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0021】
対象者が正面を向いたまま睡眠状態にあるときには、目(まぶた)の動きを検出し、目が閉じた状態にあるか否かを調べることで、対象者が睡眠状態にあるか否かを認識することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態例の睡眠認識方法の手順を示している。睡眠の認識では、まず、テンプレートマッチングや、輪郭抽出などの手法を採用して、対象者の画像データから頭部を抽出する(ステップS101)。次いで、抽出した頭部から、輪郭抽出技術を用いて、眉毛や、目、鼻、口の顔の各パーツを抽出する(ステップS102)。ステップS102で、対象者が睡眠状態になく、正面を向いていれば抽出できたであろう顔の各パーツの何れもが所定時間以上抽出されないときには、対象者は頭を下げて睡眠していると判断し、対象者の状態が睡眠状態にあると認識する。
【0023】
ステップS102で顔のパーツが抽出されると、抽出された眉毛や、目、鼻、口の頭部における相対的な位置を計測する(ステップS103)。ステップS103では、顔のパーツの位置関係の偏りが検出され、顔のパーツが頭部の下側に偏って存在する場合などには、頭を下げていると判断し、対象者が睡眠状態にあると認識する。顔のパーツの位置関係の偏りが検出されないときには、ステップS102で得られた目のパーツの画像から輪郭を抽出し、目を閉じているか否かを判別する(ステップS101)。目を閉じている場合には、対象者が睡眠状態にあると認識する。
【0024】
本実施形態例では、抽出された頭部の画像データから、目の動きを検出して睡眠状態を判別するのに加えて、頭部の画像データから眉毛や、目、鼻、口などのパーツが検出されないとき、或いは、顔の各パーツの位置関係の偏りが検出されたときなどに、対象者が睡眠状態にあると認識する。従来の睡眠検出の方法では、画像データから目を抽出して睡眠を検出するため、睡眠を検出できる対象者の姿勢が限られていたが、本実施形態例では、さまざまな姿勢で眠る対象者についても、対象者が睡眠状態にあるか否かを簡易に判別することができる。
【0025】
図2は、図1の睡眠認識方法を採用する、ネットワークを介した遠隔教育システムの構成の一例を示している。図3は、図2に示す遠隔教育システムにおける処理例をフローチャートとして示している。図3に示す手順に従って動作する、図2の遠隔教育システムでは、図1の睡眠認識方法を適用した睡眠状態通知装置を用い、講師が受講者の状態を確認する。なお、図2では、睡眠状態通知装置として構成される以外の部分の構成については、一部省略して図示している。
【0026】
遠隔教育システム100は、双方向システムとして構成され、講師端末104と受講者端末105との間のデータの送受信を仲介する管理者サーバ101を備える。管理者サーバ101は、睡眠状態通知装置として構成される状態把握手段102及び状態通知手段103を備える。受講者端末105及び講師端末104は、例えばパーソナルコンピュータとして構成される。各受講者端末105は、カメラ106を備える。
【0027】
各受講者は、受講者端末105を使用して、講師が行う講義をネットワーク107を介してリアルタイムで受講すると共に、カメラ106が撮影した画像データを、管理者サーバ101に向けて送信する。状態把握手段102は、受信した画像データに基づいて、図1に示す手順に従って、受講者が睡眠状態にあるか否かを把握する。状態通知手段103は、状態把握手段102が把握した受講者の状態を講師に通知する。講師は、講師端末104を使用して講義を行い、状態通知手段103が通知する情報によって各受講者の状態を確認する。
【0028】
図3に示すように、遠隔教育システム100では、運用に当たって、睡眠状態を監視するためのパラメータとして、画像データを更新して受講者の現在の状態を確認する時間間隔を定めるパラメータintervalと、状態が変化してから同じ状態を何回以上継続すると講師に状態の変化を通知するかを定めるしきい値thresholdとが設定される(ステップS301)。例えば、interval=0.1(秒)、threshold=100(回)と設定された場合には、状態把握手段102は、ある受講者が0.1秒×100回=10秒間以上「睡眠」状態を継続したときに、その受講者が「睡眠」状態にあると把握する。次いで、変数の初期化を行い、状態継続回数iを0に、受講者の状態変数statusを「正常」に設定する(ステップS302)。
【0029】
管理者サーバ101は、各受講者が使用する受講者端末105及びネットワーク107を介してカメラ106が撮影した画像データを受信する(ステップS303)。状態把握手段102は、各受講者について、受信した画像データからパターンマッチングにより頭部の抽出を行って(図1のステップS101に相当)、頭部の抽出が成功したか失敗したかを判断する(ステップS304)。頭部の抽出に失敗した受講者については、受講者が講義を欠席(退席)しているとみなして、受講者の状態を「退席」にするための処理(ステップS310)へ移行する。頭部の抽出が成功した受講者については、抽出した頭部の画像から、眉毛や目、鼻、口の各パーツの抽出を行って(図1のステップS102に相当)、何れかのパーツの抽出に成功したか否かを判断する(ステップS305)。
【0030】
状態把握手段102は、顔のパーツの抽出に成功すると、抽出に成功したパーツについて、そのパーツの頭部中の相対的な位置を計測し(ステップS306)、位置が計測された各パーツについて、その位置関係の偏りによって、各パーツが睡眠状態の位置にあるか否かを判断する(ステップS307、図1のステップS103に相当)。各パーツが睡眠状態の位置にあると判断される具体例としては、例えば、図4(a)に示すように眉毛や目のパーツの位置が頭部の下側にある場合、同図(b)に示すように鼻が頭部からはみ出している場合、或いは、同図(c)に示すように各パーツの相対的な位置関係が極端に上下方向に近い場合が例としてあげられる。
【0031】
顔のパーツが睡眠状態の位置ではないと判断されると、状態把握手段102は、頭部の画像から抽出された目のパーツから、目の輪郭を抽出し(ステップS308)、抽出された目の輪郭の大きさから目を閉じているか否かを判断する(ステップS309、図1のステップS104に相当)。目を閉じていないと判断した場合には、受講者は睡眠状態にないと判断され、その受講者の状態を「正常」にするための処理(ステップ14)へ移行する。ステップS305で顔のパーツの取得に失敗した判断される、ステップS307でパーツが睡眠位置にあると判断される、或いは、ステップS309で目を閉じていると判断されると、受講者は睡眠状態にあると判断され、その受講者の状態を「睡眠」にするための処理(ステップS312)へ移行する。
【0032】
受講者の状態を「退席」にするための処理では、状態把握手段102は、現在の受講者の状態変数statusが既に「退席」になっているか否かを判断する(ステップS310)。受講者の状態変数statusが「退席」以外である場合には、受講者の状態変数statusを「退席」に設定し、状態継続回数iをゼロにリセットする(ステップS311)。その後、画像データの取得間隔がインターバルintervalで既定される時間間隔になるまで処理を待機し(ステップS320)、ステップS303へ戻る。受講者の状態変数statusが既に「退席」である場合には、講師への状態通知の処理(ステップS316)へ移行する。
【0033】
講師への状態通知の処理では、状態通知手段103は、状態継続回数iをインクリメントし(ステップS316)、状態継続回数iがしきい値thresholdよりも小さいか否かを判断する(ステップS317)。状態継続回数iがしきい値thresholdよりも小さい場合には、講師への通知は行わず、S320を経てステップS303へ戻る。状態継続回数iがしきい値threshold以上の場合には、対象の受講者の表示ステータス変数displayに、受講者の状態変数statusを代入する(ステップS318)。状態通知手段103は、表示ステータス変数displayに従って更新された受講者の状態を講師端末105に向けて出力する(ステップS319)。その後、ステップS320を経てステップS303へ戻る。
【0034】
受講者の状態を「睡眠」にするための処理では、状態把握手段102は、現在の受講者の状態変数statusが既に「睡眠」になっているか否かを判断する(ステップS312)。受講者の状態変数statusが「睡眠」以外である場合には、statusを「睡眠」に設定し、状態継続回数iをゼロにリセットする(ステップS313)。その後ステップS320を経てステップS303へ戻る。受講者の状態変数statusが既に「睡眠」である場合には、上記した講師への状態通知の処理(ステップS316)へ移行し、状態通知手段103は、「睡眠」状態の状態継続回数iがしきい値thresholdを超えるときに、受講者が「睡眠」状態にあることを講師に通知する。
【0035】
受講者の状態を「正常」にするための処理では、まず、現在の受講者の状態変数statusが既に「正常」であるか否かが判断される(ステップS310)。受講者の状態変数statusが「正常」以外である場合には、statusを「正常」に設定し、状態継続回数iをゼロにリセットする(ステップS315)。その後ステップS320を経てステップS303へ戻る。受講者の状態変数statusが既に「正常」である場合には、上記した講師への状態通知の処理(ステップS316)へ移行し、状態通知手段103は、「正常」状態の状態継続回数iがしきい値thresholdを超えるときに、受講者が「正常」状態にあることを講師に通知する。
【0036】
図5は、講師端末105に表示される受講者の状態の画面例を示している。同図の例では、各受講者に対応して画面領域が複数のブロックに分割されており、受講者の現在の状態に応じて、ブロック内の表示が変更される。例えば、受講者の状態が「退席」であれば、ブロック内には背景色のみが表示され、受講者の状態が「正常」であれば、ブロック内に顔のマークを表示する。受講者の状態が「睡眠」であれば、ブロック内に顔のマークを表示すると共に背景色を赤にして、該当する受講者が睡眠状態にあることを強調する。
【0037】
図2に示す遠隔教育システムに、図1に示す睡眠認識方法を適用した場合、状態把握手段102は、所定時間間隔で受講者の画像データを取得し、その画像データを分析することで、精度よく受講者が睡眠状態にあるか否かを認識できる。状態通知手段103は、状態把握手段102が把握した受講者の状態に基づいて、表示すべき画面を作製して講師端末104に送信する。講師は、例えば図5に示すような画面表示を用いて、受講者が「正常」状態から「睡眠」状態へ変化する、或いは、その逆に「睡眠」状態から「正常」状態へ変化する状況を、リアルタイムで認識することができる。このため、講師は、受講者が多数ある場合についても、各受講者の状態を容易に把握することができる。
【0038】
また、図5の画面表示に代えて、又は、加えて、例えば「睡眠」状態にあると判定された受講者の数を、時間変化と共にグラフで表示する、或いは、ある受講者に着目したときにその受講者の状態の変化の様子を時間変化と共に表示する構成を採用することもできる。この場合、講師は、受講者の状態の変化様子の統計を取ることができる。
【0039】
なお、上記実施形態例では、図1に示す睡眠認識方法が適用される睡眠状態通知装置が採用される例として、遠隔教育システムを例に挙げて説明したが、睡眠状態通知装置は、遠隔教育システムの受講者以外に、講演やコンサートを聴いている人、又は、テレビを見ている人を対象者として、各対象者の状態を管理者等に通知する構成を採用することができる。この場合、管理者等は、睡眠している人の人数をカウントすることで、講演やコンサート、又は、テレビが面白いか否かを判断することや、人がどのような場面に興味を示すのかを判断することができる。更に、睡眠状態の検出に加えて、画像データから喜怒哀楽などの表情を認識すれば、より細かい統計情報まで取得することができる。また、睡眠状態通知装置が病院に入信している患者を対象者として、病院側に患者の状態を通知する場合には、病院側は、例えば各患者の睡眠時間を把握することができる。
【0040】
上記実施形態例では、図2に示す遠隔教育システムにおいて、各受講者につき1台のカメラを設ける、つまり、状態把握装置102が取得する1つの画像データには1人の受講者が写っている例について説明したが、1つの画像データには、複数の睡眠検出の対象者が写っていてもよい。例えば、コンサート会場の客席全体を撮影し、観客を対象として睡眠の認識を行う場合、状態把握手段102は、観客席全体の画像データから複数の頭部画像データを切り出し、そのそれぞれについて、睡眠の判定を行うようにすればよい。睡眠認識の対象者が何人いるかについては、切り出した頭部画像データの数をカウントすればよい。
【0041】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムは、上記実施形態例にのみ限定されるものでなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施した睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムも、本発明の範囲に含まれる。例えば、図2の例では、状態把握手段102は、ネットワークを介することなく、カメラ106からの画像データを取得してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の睡眠認識装置及び認識方法では、画像データから対象者の目が抽出されない場合についても、その対象者が睡眠状態にあるか否かを判別することができるため、さまざまな姿勢で睡眠状態にある対象者についても、対象者が睡眠状態にあるか否かを正確に認識することができる。また、本発明の睡眠認識方法を採用した睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムでは、睡眠状態にあると認識された対象者の情報が管理者側に通知されるため、管理者側は、多数の対象者が存在するについても、対象者の睡眠状態を簡易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例の睡眠認識方法の手順を示すフローチャート。
【図2】ネットワークを介した遠隔教育システムの構成例を示すブロック図。
【図3】図2に示す遠隔教育システムにおける処理例を示すフローチャート。
【図4】顔のパーツが睡眠状態の位置あると判定される例を示す図。
【図5】講師端末105に表示される受講者の状態の一例を示す画面例。
【符号の説明】
100:遠隔教育システム
101:管理者サーバ
102:状態把握手段
103:状態通知手段
104:講師端末
105:受講者端末
106:カメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムに関し、更に詳しくは、頭部を含む画像データから所定の処理により対象者の睡眠を認識する睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顔を含む画像データを演算処理して対象者の睡眠を認識する技術としては、例えば特開平7−93700号公報(特許文献1)や特開平10−40361号公報(特許文献2)に記載された技術が知られている。これらの技術では、例えば、自動車の運転手の顔をカメラで動画的に撮影して、その顔画像データに所定の処理を施して目(まぶた)の動きを監視し、運転手の居眠り状態を認識する。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−93700号公報
【特許文献2】
特開平10−40361号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献に記載の技術では、対象者の顔を含む画像データから目(まぶた)の動きを検出して睡眠状態を判断するため、画像データから「目」が検出できないときには、対象者が睡眠状態にあるか否かを判別することができない。しかし、対象者が睡眠状態にあるとき、その姿勢はまちまちであるから、必ずしも目の動きが検出できる状態で画像データが取得されるとは限らない。このため、従来の方法では、さまざまなパターンの睡眠を自動認識することができないという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献に記載の技術では、運転者等が睡眠状態にあると判断されると、警告を発して運転者等に睡眠状態にあることを通知するものであり、睡眠状態の検出の対象者と、睡眠状態の検出を通知される者とが同一であった。つまり、従来、睡眠状態の検出の対象者が現在どのような状態にあるのかを、他の者、例えば管理者に視覚的に通知するための装置は知られていなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消し、さまざまな姿勢で睡眠状態にある者についても、その者が睡眠状態にあることを自動認識できる睡眠認識装置及び認識方法睡眠認識方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、認識した検出対象者の睡眠状態を、その対象者以外の管理者等に通知する睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の睡眠認識装置は、対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像データから、頭部と、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、該抽出手段が、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、対象者が睡眠状態にあると判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の睡眠状態認識装置では、抽出手段は、対象者の画像データから頭部画像データを抽出し、その頭部画像データから、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出する。判定手段は、頭部画像データから、顔の各パーツの何れもが所定時間継続して抽出されないときには、例えば、対象者は頭を下げて睡眠状態にあると判定する。このため、対象者の画像データから目のパーツが抽出されない場合であっても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判定することができる。
【0010】
本発明の睡眠認識方法は、対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像した画像データから、頭部と、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出し、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、対象者が睡眠状態にあると判定することを特徴とする。
【0011】
本発明の睡眠認識方法では、対象者の画像データから頭部画像データを抽出し、その頭部画像データから、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出する。このとき、頭部画像データから、顔の各パーツの何れもが所定時間継続して抽出されないときには、対象者は頭を下げて睡眠状態にあると判定する。このため、対象者の画像データから目のパーツが抽出されない場合であっても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判定することができる。
【0012】
本発明の睡眠状態通知装置は、複数の対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された少なくとも1つの撮像手段と、該撮像手段で撮像された画像データから、各対象者の眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、該抽出手段が、各対象者について抽出すべき顔のパーツを所定間継続して抽出できないときに、当該対象者が睡眠状態にあると判定する判定手段と、該判定手段が睡眠状態にあると判定した対象者の情報を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の睡眠状態通知装置では、抽出手段は、対象者の画像データから頭部画像データを抽出し、その頭部画像データから、眉毛や、目、鼻、口の各パーツを抽出する。判定手段は、頭部画像データから、顔の各パーツの何れもが所定時間継続して抽出されないときには、その対象者は頭を下げて睡眠状態にあると判定する。このため、対象者の画像データから目のパーツが抽出されない場合であっても、対象者が睡眠状態にあるか否かを判定することができる。通知手段は、判定手段が睡眠状態にあると判定した対象者の情報を、例えば、管理者側に通知する。管理者側は、対象者が多数存在する場合についても、各対象者が、睡眠状態にあるか否かを精度よく把握することができる。
【0014】
本発明の遠隔教育システムは、受講者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された撮像手段を備える複数の受講者端末と、少なくとも1つの講師端末と、管理者サーバとを備える遠隔教育システムであって、前記管理者サーバは、前記撮像手段のそれぞれによって撮像された画像データから、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、受講者が睡眠状態にあると判定する判定手段とを備え、受講者が睡眠状態にある受講者端末の情報を前記講師端末に送信することを特徴とする。
【0015】
本発明の遠隔教育システムでは、受講者端末と講師端末との間で、管理者サーバ及びネットワークを介して講義を行う教育システムにおいて、管理者サーバは、各受講者端末から受信した受講者の画像データに基づいて、その受講者が睡眠状態にあるか否かを判定し、睡眠状態にある受講者の情報を、講師端末に通知する。このため、講師は、例えば、各受講者に対応した表形式の画面を用いて、何れの受講者が睡眠状態にあるのかを監視することで、受講者が多数存在する場合についても、各受講者の睡眠状態を簡易に把握することができる。
【0016】
本発明の睡眠認識装置では、頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係、及び/又は、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを認識する認識手段を更に備え、前記判定手段は、前記認識手段が位置関係の偏りを認識すると、対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0017】
本発明の睡眠認識方法は、前記頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係、及び/又は、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを調べ、該位置関係の偏りを認識すると対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0018】
対象者が睡眠状態にあるときでも、頭を完全に下げきっていない場合には、顔のパーツが頭部の下側付近で抽出される。このため、頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係や、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを検出することで、対象者の睡眠状態を認識することができる。
【0019】
また、本発明の睡眠認識装置では、前記顔のパーツを構成する目の開又は閉の状態を検出する検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記検出手段が前記パーツを構成する目が所定時間閉じていることを検出すると、対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0020】
本発明の睡眠認識方法は、更に、前記顔のパーツを構成する目の閉を検出すると、対象者が睡眠状態にあると判定することが好ましい。
【0021】
対象者が正面を向いたまま睡眠状態にあるときには、目(まぶた)の動きを検出し、目が閉じた状態にあるか否かを調べることで、対象者が睡眠状態にあるか否かを認識することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態例の睡眠認識方法の手順を示している。睡眠の認識では、まず、テンプレートマッチングや、輪郭抽出などの手法を採用して、対象者の画像データから頭部を抽出する(ステップS101)。次いで、抽出した頭部から、輪郭抽出技術を用いて、眉毛や、目、鼻、口の顔の各パーツを抽出する(ステップS102)。ステップS102で、対象者が睡眠状態になく、正面を向いていれば抽出できたであろう顔の各パーツの何れもが所定時間以上抽出されないときには、対象者は頭を下げて睡眠していると判断し、対象者の状態が睡眠状態にあると認識する。
【0023】
ステップS102で顔のパーツが抽出されると、抽出された眉毛や、目、鼻、口の頭部における相対的な位置を計測する(ステップS103)。ステップS103では、顔のパーツの位置関係の偏りが検出され、顔のパーツが頭部の下側に偏って存在する場合などには、頭を下げていると判断し、対象者が睡眠状態にあると認識する。顔のパーツの位置関係の偏りが検出されないときには、ステップS102で得られた目のパーツの画像から輪郭を抽出し、目を閉じているか否かを判別する(ステップS101)。目を閉じている場合には、対象者が睡眠状態にあると認識する。
【0024】
本実施形態例では、抽出された頭部の画像データから、目の動きを検出して睡眠状態を判別するのに加えて、頭部の画像データから眉毛や、目、鼻、口などのパーツが検出されないとき、或いは、顔の各パーツの位置関係の偏りが検出されたときなどに、対象者が睡眠状態にあると認識する。従来の睡眠検出の方法では、画像データから目を抽出して睡眠を検出するため、睡眠を検出できる対象者の姿勢が限られていたが、本実施形態例では、さまざまな姿勢で眠る対象者についても、対象者が睡眠状態にあるか否かを簡易に判別することができる。
【0025】
図2は、図1の睡眠認識方法を採用する、ネットワークを介した遠隔教育システムの構成の一例を示している。図3は、図2に示す遠隔教育システムにおける処理例をフローチャートとして示している。図3に示す手順に従って動作する、図2の遠隔教育システムでは、図1の睡眠認識方法を適用した睡眠状態通知装置を用い、講師が受講者の状態を確認する。なお、図2では、睡眠状態通知装置として構成される以外の部分の構成については、一部省略して図示している。
【0026】
遠隔教育システム100は、双方向システムとして構成され、講師端末104と受講者端末105との間のデータの送受信を仲介する管理者サーバ101を備える。管理者サーバ101は、睡眠状態通知装置として構成される状態把握手段102及び状態通知手段103を備える。受講者端末105及び講師端末104は、例えばパーソナルコンピュータとして構成される。各受講者端末105は、カメラ106を備える。
【0027】
各受講者は、受講者端末105を使用して、講師が行う講義をネットワーク107を介してリアルタイムで受講すると共に、カメラ106が撮影した画像データを、管理者サーバ101に向けて送信する。状態把握手段102は、受信した画像データに基づいて、図1に示す手順に従って、受講者が睡眠状態にあるか否かを把握する。状態通知手段103は、状態把握手段102が把握した受講者の状態を講師に通知する。講師は、講師端末104を使用して講義を行い、状態通知手段103が通知する情報によって各受講者の状態を確認する。
【0028】
図3に示すように、遠隔教育システム100では、運用に当たって、睡眠状態を監視するためのパラメータとして、画像データを更新して受講者の現在の状態を確認する時間間隔を定めるパラメータintervalと、状態が変化してから同じ状態を何回以上継続すると講師に状態の変化を通知するかを定めるしきい値thresholdとが設定される(ステップS301)。例えば、interval=0.1(秒)、threshold=100(回)と設定された場合には、状態把握手段102は、ある受講者が0.1秒×100回=10秒間以上「睡眠」状態を継続したときに、その受講者が「睡眠」状態にあると把握する。次いで、変数の初期化を行い、状態継続回数iを0に、受講者の状態変数statusを「正常」に設定する(ステップS302)。
【0029】
管理者サーバ101は、各受講者が使用する受講者端末105及びネットワーク107を介してカメラ106が撮影した画像データを受信する(ステップS303)。状態把握手段102は、各受講者について、受信した画像データからパターンマッチングにより頭部の抽出を行って(図1のステップS101に相当)、頭部の抽出が成功したか失敗したかを判断する(ステップS304)。頭部の抽出に失敗した受講者については、受講者が講義を欠席(退席)しているとみなして、受講者の状態を「退席」にするための処理(ステップS310)へ移行する。頭部の抽出が成功した受講者については、抽出した頭部の画像から、眉毛や目、鼻、口の各パーツの抽出を行って(図1のステップS102に相当)、何れかのパーツの抽出に成功したか否かを判断する(ステップS305)。
【0030】
状態把握手段102は、顔のパーツの抽出に成功すると、抽出に成功したパーツについて、そのパーツの頭部中の相対的な位置を計測し(ステップS306)、位置が計測された各パーツについて、その位置関係の偏りによって、各パーツが睡眠状態の位置にあるか否かを判断する(ステップS307、図1のステップS103に相当)。各パーツが睡眠状態の位置にあると判断される具体例としては、例えば、図4(a)に示すように眉毛や目のパーツの位置が頭部の下側にある場合、同図(b)に示すように鼻が頭部からはみ出している場合、或いは、同図(c)に示すように各パーツの相対的な位置関係が極端に上下方向に近い場合が例としてあげられる。
【0031】
顔のパーツが睡眠状態の位置ではないと判断されると、状態把握手段102は、頭部の画像から抽出された目のパーツから、目の輪郭を抽出し(ステップS308)、抽出された目の輪郭の大きさから目を閉じているか否かを判断する(ステップS309、図1のステップS104に相当)。目を閉じていないと判断した場合には、受講者は睡眠状態にないと判断され、その受講者の状態を「正常」にするための処理(ステップ14)へ移行する。ステップS305で顔のパーツの取得に失敗した判断される、ステップS307でパーツが睡眠位置にあると判断される、或いは、ステップS309で目を閉じていると判断されると、受講者は睡眠状態にあると判断され、その受講者の状態を「睡眠」にするための処理(ステップS312)へ移行する。
【0032】
受講者の状態を「退席」にするための処理では、状態把握手段102は、現在の受講者の状態変数statusが既に「退席」になっているか否かを判断する(ステップS310)。受講者の状態変数statusが「退席」以外である場合には、受講者の状態変数statusを「退席」に設定し、状態継続回数iをゼロにリセットする(ステップS311)。その後、画像データの取得間隔がインターバルintervalで既定される時間間隔になるまで処理を待機し(ステップS320)、ステップS303へ戻る。受講者の状態変数statusが既に「退席」である場合には、講師への状態通知の処理(ステップS316)へ移行する。
【0033】
講師への状態通知の処理では、状態通知手段103は、状態継続回数iをインクリメントし(ステップS316)、状態継続回数iがしきい値thresholdよりも小さいか否かを判断する(ステップS317)。状態継続回数iがしきい値thresholdよりも小さい場合には、講師への通知は行わず、S320を経てステップS303へ戻る。状態継続回数iがしきい値threshold以上の場合には、対象の受講者の表示ステータス変数displayに、受講者の状態変数statusを代入する(ステップS318)。状態通知手段103は、表示ステータス変数displayに従って更新された受講者の状態を講師端末105に向けて出力する(ステップS319)。その後、ステップS320を経てステップS303へ戻る。
【0034】
受講者の状態を「睡眠」にするための処理では、状態把握手段102は、現在の受講者の状態変数statusが既に「睡眠」になっているか否かを判断する(ステップS312)。受講者の状態変数statusが「睡眠」以外である場合には、statusを「睡眠」に設定し、状態継続回数iをゼロにリセットする(ステップS313)。その後ステップS320を経てステップS303へ戻る。受講者の状態変数statusが既に「睡眠」である場合には、上記した講師への状態通知の処理(ステップS316)へ移行し、状態通知手段103は、「睡眠」状態の状態継続回数iがしきい値thresholdを超えるときに、受講者が「睡眠」状態にあることを講師に通知する。
【0035】
受講者の状態を「正常」にするための処理では、まず、現在の受講者の状態変数statusが既に「正常」であるか否かが判断される(ステップS310)。受講者の状態変数statusが「正常」以外である場合には、statusを「正常」に設定し、状態継続回数iをゼロにリセットする(ステップS315)。その後ステップS320を経てステップS303へ戻る。受講者の状態変数statusが既に「正常」である場合には、上記した講師への状態通知の処理(ステップS316)へ移行し、状態通知手段103は、「正常」状態の状態継続回数iがしきい値thresholdを超えるときに、受講者が「正常」状態にあることを講師に通知する。
【0036】
図5は、講師端末105に表示される受講者の状態の画面例を示している。同図の例では、各受講者に対応して画面領域が複数のブロックに分割されており、受講者の現在の状態に応じて、ブロック内の表示が変更される。例えば、受講者の状態が「退席」であれば、ブロック内には背景色のみが表示され、受講者の状態が「正常」であれば、ブロック内に顔のマークを表示する。受講者の状態が「睡眠」であれば、ブロック内に顔のマークを表示すると共に背景色を赤にして、該当する受講者が睡眠状態にあることを強調する。
【0037】
図2に示す遠隔教育システムに、図1に示す睡眠認識方法を適用した場合、状態把握手段102は、所定時間間隔で受講者の画像データを取得し、その画像データを分析することで、精度よく受講者が睡眠状態にあるか否かを認識できる。状態通知手段103は、状態把握手段102が把握した受講者の状態に基づいて、表示すべき画面を作製して講師端末104に送信する。講師は、例えば図5に示すような画面表示を用いて、受講者が「正常」状態から「睡眠」状態へ変化する、或いは、その逆に「睡眠」状態から「正常」状態へ変化する状況を、リアルタイムで認識することができる。このため、講師は、受講者が多数ある場合についても、各受講者の状態を容易に把握することができる。
【0038】
また、図5の画面表示に代えて、又は、加えて、例えば「睡眠」状態にあると判定された受講者の数を、時間変化と共にグラフで表示する、或いは、ある受講者に着目したときにその受講者の状態の変化の様子を時間変化と共に表示する構成を採用することもできる。この場合、講師は、受講者の状態の変化様子の統計を取ることができる。
【0039】
なお、上記実施形態例では、図1に示す睡眠認識方法が適用される睡眠状態通知装置が採用される例として、遠隔教育システムを例に挙げて説明したが、睡眠状態通知装置は、遠隔教育システムの受講者以外に、講演やコンサートを聴いている人、又は、テレビを見ている人を対象者として、各対象者の状態を管理者等に通知する構成を採用することができる。この場合、管理者等は、睡眠している人の人数をカウントすることで、講演やコンサート、又は、テレビが面白いか否かを判断することや、人がどのような場面に興味を示すのかを判断することができる。更に、睡眠状態の検出に加えて、画像データから喜怒哀楽などの表情を認識すれば、より細かい統計情報まで取得することができる。また、睡眠状態通知装置が病院に入信している患者を対象者として、病院側に患者の状態を通知する場合には、病院側は、例えば各患者の睡眠時間を把握することができる。
【0040】
上記実施形態例では、図2に示す遠隔教育システムにおいて、各受講者につき1台のカメラを設ける、つまり、状態把握装置102が取得する1つの画像データには1人の受講者が写っている例について説明したが、1つの画像データには、複数の睡眠検出の対象者が写っていてもよい。例えば、コンサート会場の客席全体を撮影し、観客を対象として睡眠の認識を行う場合、状態把握手段102は、観客席全体の画像データから複数の頭部画像データを切り出し、そのそれぞれについて、睡眠の判定を行うようにすればよい。睡眠認識の対象者が何人いるかについては、切り出した頭部画像データの数をカウントすればよい。
【0041】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムは、上記実施形態例にのみ限定されるものでなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施した睡眠認識装置及び認識方法、並びに、睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムも、本発明の範囲に含まれる。例えば、図2の例では、状態把握手段102は、ネットワークを介することなく、カメラ106からの画像データを取得してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の睡眠認識装置及び認識方法では、画像データから対象者の目が抽出されない場合についても、その対象者が睡眠状態にあるか否かを判別することができるため、さまざまな姿勢で睡眠状態にある対象者についても、対象者が睡眠状態にあるか否かを正確に認識することができる。また、本発明の睡眠認識方法を採用した睡眠状態通知装置及びこれを用いた遠隔教育システムでは、睡眠状態にあると認識された対象者の情報が管理者側に通知されるため、管理者側は、多数の対象者が存在するについても、対象者の睡眠状態を簡易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例の睡眠認識方法の手順を示すフローチャート。
【図2】ネットワークを介した遠隔教育システムの構成例を示すブロック図。
【図3】図2に示す遠隔教育システムにおける処理例を示すフローチャート。
【図4】顔のパーツが睡眠状態の位置あると判定される例を示す図。
【図5】講師端末105に表示される受講者の状態の一例を示す画面例。
【符号の説明】
100:遠隔教育システム
101:管理者サーバ
102:状態把握手段
103:状態通知手段
104:講師端末
105:受講者端末
106:カメラ
Claims (8)
- 対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像データから、頭部と、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、対象者が睡眠状態にあると判定する判定手段とを備えることを特徴とする睡眠認識装置。 - 頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係、及び/又は、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを認識する認識手段を更に備え、前記判定手段は、前記認識手段が位置関係の偏りを認識すると、対象者が睡眠状態にあると判定する、請求項1に記載の睡眠認識装置。
- 前記顔のパーツを構成する目の開又は閉の状態を検出する検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記検出手段が前記パーツを構成する目が所定時間閉じていることを検出すると、対象者が睡眠状態にあると判定する、請求項1又は2に記載の睡眠認識装置。
- 対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像した画像データから、頭部と、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出し、
抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、対象者が睡眠状態にあると判定することを特徴とする睡眠認識方法。 - 前記頭部と抽出すべき顔のパーツとの位置関係、及び/又は、抽出された顔のパーツの相互の位置関係の偏りを調べ、該位置関係の偏りを認識すると対象者が睡眠状態にあると判定する、請求項5に記載の睡眠認識方法。
- 更に、前記顔のパーツを構成する目の閉を検出すると、対象者が睡眠状態にあると判定する、請求項4又は5に記載の睡眠認識方法。
- 複数の対象者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された少なくとも1つの撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像データから、各対象者の眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が、各対象者について抽出すべき顔のパーツを所定間継続して抽出できないときに、当該対象者が睡眠状態にあると判定する判定手段と、
前記判定手段が睡眠状態にあると判定した対象者の情報を通知する通知手段とを備えることを特徴とする睡眠状態通知装置。 - 受講者の少なくとも頭部を正面側から撮像する位置に固定された撮像手段を備える複数の受講者端末と、少なくとも1つの講師端末と、管理者サーバとを備える遠隔教育システムであって、
前記管理者サーバは、前記撮像手段のそれぞれによって撮像された画像データから、眉毛、目、鼻及び口から成る顔の各パーツの少なくとも1つを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が、抽出すべき顔のパーツを所定時間継続して抽出できないときに、受講者が睡眠状態にあると判定する判定手段とを備え、受講者が睡眠状態にある受講者端末の情報を前記講師端末に送信することを特徴とする遠隔教育システム。
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