JP2004129090A - 表面実装型圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹陥部内に流動性の高い樹脂を充填する際の樹脂量のコントロールが困難なこと等に起因して、樹脂が凹陥部外へ溢れて上部電極に展開することを防止して、圧電振動子の接続不良を防止することができる。
【解決手段】IC部品搭載用の凹陥部6を一面に有した絶縁基板5、凹陥部を包囲する環状の外壁10上面に配置した複数の上部電極11、及びIC部品を被覆するために該凹陥部内に充填された樹脂12、を備えたIC部品ユニット2と、IC部品ユニット上面に載置された際に上部電極上にバインダ接続される底部電極を備えた圧電振動子3と、を有し、外壁上面であって各上部電極の内側位置には、外壁の全周に渡って絶縁性ダム層30が突出形成され、絶縁性ダム層は、各上部電極の一部を被覆する構成を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】IC部品搭載用の凹陥部6を一面に有した絶縁基板5、凹陥部を包囲する環状の外壁10上面に配置した複数の上部電極11、及びIC部品を被覆するために該凹陥部内に充填された樹脂12、を備えたIC部品ユニット2と、IC部品ユニット上面に載置された際に上部電極上にバインダ接続される底部電極を備えた圧電振動子3と、を有し、外壁上面であって各上部電極の内側位置には、外壁の全周に渡って絶縁性ダム層30が突出形成され、絶縁性ダム層は、各上部電極の一部を被覆する構成を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水晶発振器等の圧電発振器の改良に関し、特にIC部品を搭載したIC部品ユニット上に、パッケージ化された圧電振動子を固定一体化したタイプの表面実装型圧電発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴う低価格化及び小型化の急激な進展により、これらの通信機器に使用される水晶発振器等の圧電発振器に対しても低価格化、小型化及び薄型化の要請が高まっている。このような要請に対しては、水晶振動子をパッケージ化するのみならず、周波数調整回路、周波数温度補償回路等を含む発振回路を集積化、IC化して部品点数を削減して対応している。
【0003】
図3(a)乃至(d)は従来の表面実装用の圧電発振器の外観斜視図、内部構造を示す縦断面図、IC部品を搭載した絶縁基板の斜視図、及び樹脂が溢れた状態を示す絶縁基板の平面図である。この圧電発振器101は、IC部品搭載用パッケージ(IC部品ユニット)102上にパッケージ化された圧電振動子103を固定したタイプである。
IC搭載用パッケージ102は、セラミック等の絶縁材料から成る絶縁基板105の上面中央部に凹陥部106を形成し、凹陥部内底面に設けたIC部品搭載用のパッド107上にICチップ或いはパッケージ(以下、IC部品、と言う)108を載置し、IC部品108の電極をハンダ等を用いてパッド107上に固定した構成を有する。凹陥部106は4面の外壁110により包囲されている。
また、基板105の底面には表面実装用の外部電極109が形成され、凹陥部106を包囲する各外壁110上面には上部電極111が形成されている。外部電極109、パッド107、及び上部電極111は図示しない接続導体を介して適切な配線がなされている。凹陥部106内に搭載されたIC部品108は、空気と接することによってその電極等に結露等が発生してショートを起こす等の不具合をもたらす虞があるため、凹陥部106内に絶縁樹脂112を充填(ポッティング)してIC部品の外面を被覆して外気と遮断させる。
【0004】
圧電振動子103は、セラミック等から成る箱形のパッケージ本体120の凹陥部121内に圧電振動素子122を収納してから蓋123によって凹陥部121を気密封止した構成を有する。圧電振動素子122は、水晶基板などの圧電基板の主面上に励振電極を形成したものであり、励振電極から圧電基板の端縁に延びるリード電極を凹陥部121内に配置したパッド125に接続固定する一方で、パッケージ本体120の底面にはパッド125と導通する底部電極126を露出形成している。底部電極126は、IC搭載用パッケージ102の上部電極111と一対一に対応してハンダ或いは導電性接着剤等によって接続固定される。
【0005】
ところで、上記の如き構成を備えた圧電発振器を製造する工程において、凹陥部121内に充填される絶縁樹脂112は、流動性の高い液状で充填され、しかもインジェクタによる充填量を一定に制御することが困難であるため、充填量が適正量を僅かでも越えると、絶縁樹脂112が凹陥部121から溢れ、外壁110上面にはみ出すことが多々ある。特に、絶縁基板の小面積化によって凹陥部周縁と上部電極端縁との間の距離が0.1mm程度に狭くなっている現状では、凹陥部から溢れた流動性の高い樹脂が急速にぬれ広がって上部電極111のほぼ全面に付着することが多い。凹陥部から溢れた絶縁樹脂112が、外壁上面に設けた上部電極111に付着して、その上面の一部でも被覆すると、上部電極111上に半田等のバインダを十分に塗ることが困難となり、圧電振動子103の底部電極126との間の接合強度の低下、接合不能といった事態が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来は、絶縁基板の一面に設けた凹陥部内にIC部品を搭載してから、凹陥部内に樹脂を充填してIC部品を埋設し、その後絶縁基板上に圧電振動子を搭載することによって製造される圧電発振器において、充填する樹脂の流動性が高いことと、樹脂量のコントロールが困難なことに起因して、樹脂の一部が凹陥部から溢れ出て絶縁基板の外壁上面に展開し、外壁上面の上部電極に付着しやすかった。この場合、上部電極上に底部電極を半田接続される圧電振動子との間で接続不良が発生するという不具合があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、凹陥部内に流動性の高い樹脂を充填する際の樹脂量のコントロールが困難なこと等に起因して、樹脂が凹陥部外へ溢れて上部電極に展開することを防止して、圧電振動子の接続不良を防止することができる表面実装型圧電発振器を提案することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、IC部品搭載用の凹陥部を一面に有した絶縁基板、該凹陥部の内底面に形成したIC部品搭載用パッド、前記凹陥部を包囲する環状の外壁上面に配置した複数の上部電極、前記絶縁基板の外底部に露出形成した表面実装用の外部電極、前記IC部品搭載用パッドと上部電極と外部電極とを導通する接続導体、及び前記IC部品を被覆するために該凹陥部内に充填された樹脂、を備えたIC部品ユニットと、前記IC部品ユニット上面に載置された際に前記上部電極上にバインダ接続される底部電極を備えたパッケージ、及び該パッケージ内に気密収納された圧電振動素子、を備えた圧電振動子と、を有し、前記外壁上面であって各上部電極の内側位置には、外壁の全周に渡って絶縁性ダム層が突出形成され、前記絶縁性ダム層は、各上部電極の一部を被覆する構成を備え、前記絶縁性ダム層は、前記上部電極と前記底部電極との間に介在して、前記上部電極の露出面と底部電極との間にバインダ充填用の空隙を形成することを特徴とする。
凹陥部内に配置したIC部品は、電極に結露した場合にショート等の恐れが発生するため、絶縁樹脂により全面的に被覆することが好ましいが、絶縁基板の大型化を避ける必要から凹陥部の容量はIC部品を収容するのに必要最小限に設定されているため、IC部品の上面を被覆する程度に液状樹脂を凹陥部内に充填した場合には、充填される樹脂量の僅かな変動により、樹脂が凹陥部周縁(外壁上面)にあふれる事態が発生する。特に、樹脂の流動性が高く、樹脂の充填量の微調整が困難なことから、樹脂が凹陥部から僅かでもあふれて上部電極に付着すると、圧電振動子の底部電極と半田接続する際の接続安定性が低下する。
【0008】
本発明では、凹陥部周縁、即ち外壁上面であって各上部電極の内側位置に沿った全周に渡って絶縁性ダム層を形成したので、通常生じ得る程度の樹脂量のばらつき(増量)に十分対応して樹脂の溢れ出しによる上部電極への付着を防止できる。また、絶縁性ダム層の一部を上部電極の内側部分に被覆したので、圧電振動子の底部電極をIC部品ユニット上に搭載する際には、底部電極は上部電極と直接接することはできず、絶縁性ダム層上に載置されることとなる。このため、絶縁性ダム層の介在によって上部電極と底部電極との間に空隙が形成され、この空隙は両電極を半田等のバインダによって接続する際のバインダ保持用のスペースとして利用することができ、バインダ量の増大による接合強度の増大を図ることができる。また、絶縁基板よりも圧電振動子の方の面積が小さい場合には、底部電極と上部電極との間に半田フィレットが形成されるので、接合強度は更に安定する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記絶縁性ダム層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミックの何れか一つの材料から構成されていることを特徴とする。
絶縁性を有し、且つ所定形状に形成することが容易な材料であれば、絶縁性ダム層はどのような材料から構成してもよいが、これらの材料は最も有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装用電子部品(圧電発振器)の外観斜視図、及び内部構造を示す縦断面図である。
この表面実装型圧電発振器1は、IC部品搭載用パッケージ(IC部品ユニット)2上にパッケージ化された圧電振動子3を固定したタイプである。
IC搭載用パッケージ2は、セラミック等の絶縁材料から成る絶縁基板5の上面中央部に凹陥部6を形成し、凹陥部内底面に設けたIC部品搭載用パッド7上にICチップ或いはパッケージ(以下、IC部品、と言う)8を固定し、IC部品8の電極をハンダ等を用いてIC部品搭載用パッド7上に固定した構成を有する。
また、絶縁基板5の底面には表面実装用の外部電極9が形成され、凹陥部6を包囲する形で突出した外壁10上面の適所には複数(この例では4つ)の上部電極11が形成されている。外部電極9は図示しない接続導体を介してIC搭載用パッド7、及び上部電極11と接続されている。上部電極11は、IC搭載用パッド7及び外部電極9と図示しない接続導体を介して接続されている。凹陥部6内に搭載されたIC部品8は、空気と接することによってその電極等に結露が発生してショートを起こす等の不具合をもたらす虞があるため、凹陥部6内に絶縁樹脂12を充填(ポッティング)して外気から遮断させる。絶縁樹脂12は、インジェクタ等によって液状の状態でIC部品8の外面全体を被覆するように凹陥部6内に充填され、その後硬化する。
圧電振動子3は、セラミック等から成る箱形のパッケージ本体20の凹陥部21内に圧電振動素子22を収納してから蓋23によって凹陥部21を気密封止した構成を有する。圧電振動素子22は、水晶基板などの圧電基板の主面上に励振電極を形成したものであり、励振電極から圧電基板の端縁に延びるリード電極を凹陥部21内に配置したパッド25に接続固定する一方で、パッケージ本体20の底面にはパッド25と導通する底部電極26を露出形成している。底部電極26は、IC搭載用パッケージ2の上部電極11と一対一に対応してハンダ或いは導電性接着剤等によって接続固定される。
【0011】
本発明の特徴的な構成は、絶縁基板5の外壁上面から上部電極の上面にかけて延在するように環状の絶縁性ダム層30を配置した点にある。
即ち、外壁10の上面であって各上部電極11の内側位置には、全周に渡って所定高さの絶縁性ダム層30が突出形成されている。絶縁性ダム層30は、各上部電極11と接する位置では、上部電極11の上面11aに乗り上げてこれを被覆することにより、上部電極11の露出面11bと、圧電振動子の底部電極26との間に半田や導電性接着剤等のバインダ充填用の空隙を形成している。
絶縁性ダム層30は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミック等の何れか一つの絶縁材料から構成される。
【0012】
図2(a)(b)及び(c)は絶縁基板上面に絶縁性ダム層30を形成する手順を説明する図であり、まず(a)の斜視図に示す絶縁基板5の外壁上面に対して、絶縁性ダム層30の形状に沿ったスリットを有した所定のマスクを用いて上記の如き絶縁材料を印刷し、その後硬化させることにより、矩形環状の外壁上面に矩形環状に絶縁性ダム層30を形成する。この絶縁性ダム層30は、各上部電極11の内径側に位置する外壁上面に所定の幅で形成されており、その一部が各上部電極11の上面11aを部分的に被覆するように構成されている。
従って、絶縁性ダム層30は、各上部電極11の内側部分(凹陥部寄り部分)を部分的に被覆する結果、各上部電極11の被覆されていない露出面11bは圧電振動子3の底部電極26と半田接続するための有効領域として活用される。しかも、圧電振動子3の底部電極26は上部電極11を被覆するダム層上に載置されるため、露出面11bと底部電極26との間には十分な量の半田等を保持するための大きな空隙が確保されることとなる。
【0013】
図1(b)に示した如く、絶縁性ダム層30を備えたIC部品ユニット2上に圧電振動子3を半田、導電性接着剤等のバインダにより接続する際には、各上部電極11の露出面11b(絶縁性ダム層30により被覆されていない部分)に予めクリーム半田等のバインダ40を塗布しておき、次いで上部電極11上に被覆された絶縁性ダム層30の上面に圧電振動子3の底部電極26を位置合わせして載置する。その後、加熱その他、所要の方法にてバインダ40を硬化させることにより、圧電振動子3の電気的、機械的な接続が完了する。
この際、バインダ40は、上部電極11と底部電極26との間に絶縁性ダム30の一部が介在することによって形成される空隙(40μm程度)内を埋め、且つ外周部がフィレット状となった状態で硬化するため、バインダ量の増大と、フィレット形状部との相乗作用によって、強固な固定力を得ることができる。
なお、上記製造手順は、実際には、絶縁基板を多数シート状に連結したシート状絶縁基板母材を用いたバッチ処理により行うことも可能であり、量産にも適している。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、凹陥部内に流動性の高い樹脂を充填する際の樹脂量のコントロールが困難なこと等に起因して、樹脂が凹陥部外へ溢れて上部電極に展開することを防止して、圧電振動子の接続不良を防止することができる。請求項1の発明では、凹陥部周縁、即ち外壁上面であって各上部電極の内側位置に沿った全周に渡って絶縁性ダム層を形成したので、通常生じ得る程度の樹脂量のばらつき(増量)に十分対応して樹脂の溢れ出しによる上部電極への付着を防止できる。また、絶縁性ダム層の介在によって上部電極と底部電極との間に空隙が形成され、この空隙は両電極を半田等のバインダによって接続する際のバインダ保持用のスペースとして利用することができ、バインダ量の増大による接合強度の増大を図ることができる。
請求項2の発明では、絶縁性ダム層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミック等の何れか一つの材料から構成されている。
絶縁性を有し、且つ所定形状に形成することが容易な材料であれば、絶縁性ダム層はどのような材料から構成してもよいが、これらの材料は最も有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装用電子部品(圧電発振器)の外観斜視図、及び内部構造を示す縦断面図。
【図2】(a)(b)及び(c)は絶縁基板上面に絶縁性ダム層30を形成する手順を説明する図。
【図3】(a)(b)(c)及び(d)は従来例の説明図。
【符号の説明】
1 表面実装型圧電発振器、2 IC部品搭載用パッケージ(IC部品ユニット)、3 圧電振動子、5 絶縁基板、6 凹陥部、7 IC部品搭載用パッド、8 IC部品、9 外部電極、10 外壁、11 上部電極、11a 上面(被覆部)、11b 露出部、12 絶縁樹脂、20 パッケージ本体、21 凹陥部、22 圧電振動素子、23 蓋、25 パッド、26 底部電極、30 絶縁性ダム層。
【発明の属する技術分野】
本発明は水晶発振器等の圧電発振器の改良に関し、特にIC部品を搭載したIC部品ユニット上に、パッケージ化された圧電振動子を固定一体化したタイプの表面実装型圧電発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴う低価格化及び小型化の急激な進展により、これらの通信機器に使用される水晶発振器等の圧電発振器に対しても低価格化、小型化及び薄型化の要請が高まっている。このような要請に対しては、水晶振動子をパッケージ化するのみならず、周波数調整回路、周波数温度補償回路等を含む発振回路を集積化、IC化して部品点数を削減して対応している。
【0003】
図3(a)乃至(d)は従来の表面実装用の圧電発振器の外観斜視図、内部構造を示す縦断面図、IC部品を搭載した絶縁基板の斜視図、及び樹脂が溢れた状態を示す絶縁基板の平面図である。この圧電発振器101は、IC部品搭載用パッケージ(IC部品ユニット)102上にパッケージ化された圧電振動子103を固定したタイプである。
IC搭載用パッケージ102は、セラミック等の絶縁材料から成る絶縁基板105の上面中央部に凹陥部106を形成し、凹陥部内底面に設けたIC部品搭載用のパッド107上にICチップ或いはパッケージ(以下、IC部品、と言う)108を載置し、IC部品108の電極をハンダ等を用いてパッド107上に固定した構成を有する。凹陥部106は4面の外壁110により包囲されている。
また、基板105の底面には表面実装用の外部電極109が形成され、凹陥部106を包囲する各外壁110上面には上部電極111が形成されている。外部電極109、パッド107、及び上部電極111は図示しない接続導体を介して適切な配線がなされている。凹陥部106内に搭載されたIC部品108は、空気と接することによってその電極等に結露等が発生してショートを起こす等の不具合をもたらす虞があるため、凹陥部106内に絶縁樹脂112を充填(ポッティング)してIC部品の外面を被覆して外気と遮断させる。
【0004】
圧電振動子103は、セラミック等から成る箱形のパッケージ本体120の凹陥部121内に圧電振動素子122を収納してから蓋123によって凹陥部121を気密封止した構成を有する。圧電振動素子122は、水晶基板などの圧電基板の主面上に励振電極を形成したものであり、励振電極から圧電基板の端縁に延びるリード電極を凹陥部121内に配置したパッド125に接続固定する一方で、パッケージ本体120の底面にはパッド125と導通する底部電極126を露出形成している。底部電極126は、IC搭載用パッケージ102の上部電極111と一対一に対応してハンダ或いは導電性接着剤等によって接続固定される。
【0005】
ところで、上記の如き構成を備えた圧電発振器を製造する工程において、凹陥部121内に充填される絶縁樹脂112は、流動性の高い液状で充填され、しかもインジェクタによる充填量を一定に制御することが困難であるため、充填量が適正量を僅かでも越えると、絶縁樹脂112が凹陥部121から溢れ、外壁110上面にはみ出すことが多々ある。特に、絶縁基板の小面積化によって凹陥部周縁と上部電極端縁との間の距離が0.1mm程度に狭くなっている現状では、凹陥部から溢れた流動性の高い樹脂が急速にぬれ広がって上部電極111のほぼ全面に付着することが多い。凹陥部から溢れた絶縁樹脂112が、外壁上面に設けた上部電極111に付着して、その上面の一部でも被覆すると、上部電極111上に半田等のバインダを十分に塗ることが困難となり、圧電振動子103の底部電極126との間の接合強度の低下、接合不能といった事態が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来は、絶縁基板の一面に設けた凹陥部内にIC部品を搭載してから、凹陥部内に樹脂を充填してIC部品を埋設し、その後絶縁基板上に圧電振動子を搭載することによって製造される圧電発振器において、充填する樹脂の流動性が高いことと、樹脂量のコントロールが困難なことに起因して、樹脂の一部が凹陥部から溢れ出て絶縁基板の外壁上面に展開し、外壁上面の上部電極に付着しやすかった。この場合、上部電極上に底部電極を半田接続される圧電振動子との間で接続不良が発生するという不具合があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、凹陥部内に流動性の高い樹脂を充填する際の樹脂量のコントロールが困難なこと等に起因して、樹脂が凹陥部外へ溢れて上部電極に展開することを防止して、圧電振動子の接続不良を防止することができる表面実装型圧電発振器を提案することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、IC部品搭載用の凹陥部を一面に有した絶縁基板、該凹陥部の内底面に形成したIC部品搭載用パッド、前記凹陥部を包囲する環状の外壁上面に配置した複数の上部電極、前記絶縁基板の外底部に露出形成した表面実装用の外部電極、前記IC部品搭載用パッドと上部電極と外部電極とを導通する接続導体、及び前記IC部品を被覆するために該凹陥部内に充填された樹脂、を備えたIC部品ユニットと、前記IC部品ユニット上面に載置された際に前記上部電極上にバインダ接続される底部電極を備えたパッケージ、及び該パッケージ内に気密収納された圧電振動素子、を備えた圧電振動子と、を有し、前記外壁上面であって各上部電極の内側位置には、外壁の全周に渡って絶縁性ダム層が突出形成され、前記絶縁性ダム層は、各上部電極の一部を被覆する構成を備え、前記絶縁性ダム層は、前記上部電極と前記底部電極との間に介在して、前記上部電極の露出面と底部電極との間にバインダ充填用の空隙を形成することを特徴とする。
凹陥部内に配置したIC部品は、電極に結露した場合にショート等の恐れが発生するため、絶縁樹脂により全面的に被覆することが好ましいが、絶縁基板の大型化を避ける必要から凹陥部の容量はIC部品を収容するのに必要最小限に設定されているため、IC部品の上面を被覆する程度に液状樹脂を凹陥部内に充填した場合には、充填される樹脂量の僅かな変動により、樹脂が凹陥部周縁(外壁上面)にあふれる事態が発生する。特に、樹脂の流動性が高く、樹脂の充填量の微調整が困難なことから、樹脂が凹陥部から僅かでもあふれて上部電極に付着すると、圧電振動子の底部電極と半田接続する際の接続安定性が低下する。
【0008】
本発明では、凹陥部周縁、即ち外壁上面であって各上部電極の内側位置に沿った全周に渡って絶縁性ダム層を形成したので、通常生じ得る程度の樹脂量のばらつき(増量)に十分対応して樹脂の溢れ出しによる上部電極への付着を防止できる。また、絶縁性ダム層の一部を上部電極の内側部分に被覆したので、圧電振動子の底部電極をIC部品ユニット上に搭載する際には、底部電極は上部電極と直接接することはできず、絶縁性ダム層上に載置されることとなる。このため、絶縁性ダム層の介在によって上部電極と底部電極との間に空隙が形成され、この空隙は両電極を半田等のバインダによって接続する際のバインダ保持用のスペースとして利用することができ、バインダ量の増大による接合強度の増大を図ることができる。また、絶縁基板よりも圧電振動子の方の面積が小さい場合には、底部電極と上部電極との間に半田フィレットが形成されるので、接合強度は更に安定する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記絶縁性ダム層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミックの何れか一つの材料から構成されていることを特徴とする。
絶縁性を有し、且つ所定形状に形成することが容易な材料であれば、絶縁性ダム層はどのような材料から構成してもよいが、これらの材料は最も有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装用電子部品(圧電発振器)の外観斜視図、及び内部構造を示す縦断面図である。
この表面実装型圧電発振器1は、IC部品搭載用パッケージ(IC部品ユニット)2上にパッケージ化された圧電振動子3を固定したタイプである。
IC搭載用パッケージ2は、セラミック等の絶縁材料から成る絶縁基板5の上面中央部に凹陥部6を形成し、凹陥部内底面に設けたIC部品搭載用パッド7上にICチップ或いはパッケージ(以下、IC部品、と言う)8を固定し、IC部品8の電極をハンダ等を用いてIC部品搭載用パッド7上に固定した構成を有する。
また、絶縁基板5の底面には表面実装用の外部電極9が形成され、凹陥部6を包囲する形で突出した外壁10上面の適所には複数(この例では4つ)の上部電極11が形成されている。外部電極9は図示しない接続導体を介してIC搭載用パッド7、及び上部電極11と接続されている。上部電極11は、IC搭載用パッド7及び外部電極9と図示しない接続導体を介して接続されている。凹陥部6内に搭載されたIC部品8は、空気と接することによってその電極等に結露が発生してショートを起こす等の不具合をもたらす虞があるため、凹陥部6内に絶縁樹脂12を充填(ポッティング)して外気から遮断させる。絶縁樹脂12は、インジェクタ等によって液状の状態でIC部品8の外面全体を被覆するように凹陥部6内に充填され、その後硬化する。
圧電振動子3は、セラミック等から成る箱形のパッケージ本体20の凹陥部21内に圧電振動素子22を収納してから蓋23によって凹陥部21を気密封止した構成を有する。圧電振動素子22は、水晶基板などの圧電基板の主面上に励振電極を形成したものであり、励振電極から圧電基板の端縁に延びるリード電極を凹陥部21内に配置したパッド25に接続固定する一方で、パッケージ本体20の底面にはパッド25と導通する底部電極26を露出形成している。底部電極26は、IC搭載用パッケージ2の上部電極11と一対一に対応してハンダ或いは導電性接着剤等によって接続固定される。
【0011】
本発明の特徴的な構成は、絶縁基板5の外壁上面から上部電極の上面にかけて延在するように環状の絶縁性ダム層30を配置した点にある。
即ち、外壁10の上面であって各上部電極11の内側位置には、全周に渡って所定高さの絶縁性ダム層30が突出形成されている。絶縁性ダム層30は、各上部電極11と接する位置では、上部電極11の上面11aに乗り上げてこれを被覆することにより、上部電極11の露出面11bと、圧電振動子の底部電極26との間に半田や導電性接着剤等のバインダ充填用の空隙を形成している。
絶縁性ダム層30は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミック等の何れか一つの絶縁材料から構成される。
【0012】
図2(a)(b)及び(c)は絶縁基板上面に絶縁性ダム層30を形成する手順を説明する図であり、まず(a)の斜視図に示す絶縁基板5の外壁上面に対して、絶縁性ダム層30の形状に沿ったスリットを有した所定のマスクを用いて上記の如き絶縁材料を印刷し、その後硬化させることにより、矩形環状の外壁上面に矩形環状に絶縁性ダム層30を形成する。この絶縁性ダム層30は、各上部電極11の内径側に位置する外壁上面に所定の幅で形成されており、その一部が各上部電極11の上面11aを部分的に被覆するように構成されている。
従って、絶縁性ダム層30は、各上部電極11の内側部分(凹陥部寄り部分)を部分的に被覆する結果、各上部電極11の被覆されていない露出面11bは圧電振動子3の底部電極26と半田接続するための有効領域として活用される。しかも、圧電振動子3の底部電極26は上部電極11を被覆するダム層上に載置されるため、露出面11bと底部電極26との間には十分な量の半田等を保持するための大きな空隙が確保されることとなる。
【0013】
図1(b)に示した如く、絶縁性ダム層30を備えたIC部品ユニット2上に圧電振動子3を半田、導電性接着剤等のバインダにより接続する際には、各上部電極11の露出面11b(絶縁性ダム層30により被覆されていない部分)に予めクリーム半田等のバインダ40を塗布しておき、次いで上部電極11上に被覆された絶縁性ダム層30の上面に圧電振動子3の底部電極26を位置合わせして載置する。その後、加熱その他、所要の方法にてバインダ40を硬化させることにより、圧電振動子3の電気的、機械的な接続が完了する。
この際、バインダ40は、上部電極11と底部電極26との間に絶縁性ダム30の一部が介在することによって形成される空隙(40μm程度)内を埋め、且つ外周部がフィレット状となった状態で硬化するため、バインダ量の増大と、フィレット形状部との相乗作用によって、強固な固定力を得ることができる。
なお、上記製造手順は、実際には、絶縁基板を多数シート状に連結したシート状絶縁基板母材を用いたバッチ処理により行うことも可能であり、量産にも適している。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、凹陥部内に流動性の高い樹脂を充填する際の樹脂量のコントロールが困難なこと等に起因して、樹脂が凹陥部外へ溢れて上部電極に展開することを防止して、圧電振動子の接続不良を防止することができる。請求項1の発明では、凹陥部周縁、即ち外壁上面であって各上部電極の内側位置に沿った全周に渡って絶縁性ダム層を形成したので、通常生じ得る程度の樹脂量のばらつき(増量)に十分対応して樹脂の溢れ出しによる上部電極への付着を防止できる。また、絶縁性ダム層の介在によって上部電極と底部電極との間に空隙が形成され、この空隙は両電極を半田等のバインダによって接続する際のバインダ保持用のスペースとして利用することができ、バインダ量の増大による接合強度の増大を図ることができる。
請求項2の発明では、絶縁性ダム層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミック等の何れか一つの材料から構成されている。
絶縁性を有し、且つ所定形状に形成することが容易な材料であれば、絶縁性ダム層はどのような材料から構成してもよいが、これらの材料は最も有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装用電子部品(圧電発振器)の外観斜視図、及び内部構造を示す縦断面図。
【図2】(a)(b)及び(c)は絶縁基板上面に絶縁性ダム層30を形成する手順を説明する図。
【図3】(a)(b)(c)及び(d)は従来例の説明図。
【符号の説明】
1 表面実装型圧電発振器、2 IC部品搭載用パッケージ(IC部品ユニット)、3 圧電振動子、5 絶縁基板、6 凹陥部、7 IC部品搭載用パッド、8 IC部品、9 外部電極、10 外壁、11 上部電極、11a 上面(被覆部)、11b 露出部、12 絶縁樹脂、20 パッケージ本体、21 凹陥部、22 圧電振動素子、23 蓋、25 パッド、26 底部電極、30 絶縁性ダム層。
Claims (2)
- IC部品搭載用の凹陥部を一面に有した絶縁基板、該凹陥部の内底面に形成したIC部品搭載用パッド、前記凹陥部を包囲する環状の外壁上面に配置した複数の上部電極、前記絶縁基板の外底部に露出形成した表面実装用の外部電極、前記IC部品搭載用パッドと上部電極と外部電極とを導通する接続導体、及び前記IC部品を被覆するために該凹陥部内に充填された樹脂、を備えたIC部品ユニットと、
前記IC部品ユニット上面に載置された際に前記上部電極上に接続される底部電極を備えたパッケージ、及び該パッケージ内に気密収納された圧電振動素子、を備えた圧電振動子と、を有し、
前記外壁上面であって各上部電極の内側位置には、外壁の全周に渡って絶縁性ダム層が突出形成され、
前記絶縁性ダム層は、各上部電極の一部を被覆する構成を備え、
前記絶縁性ダム層は、前記上部電極と前記底部電極との間に介在して、前記上部電極の露出面と底部電極との間に空隙を形成することを特徴とする表面実装型圧電発振器。 - 前記絶縁性ダム層は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アルミナセラミック、ガラスセラミックの何れか一つの材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型圧電発振器。
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JP2007274455A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 表面実装用水晶発振器 |
JP2015133755A (ja) * | 2015-04-09 | 2015-07-23 | 日本電波工業株式会社 | 発振器及びその製造方法 |
-
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- 2002-10-04 JP JP2002293107A patent/JP2004129090A/ja not_active Withdrawn
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