JP2004128957A - 音響検出機構 - Google Patents

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Masatsugu Komai
駒井 正嗣
Kenichi Kagawa
加川 健一
Mamoru Yasuda
安田 護
Shinichi Saeki
佐伯 真一
Yasuo Sugimori
杉森 康雄
Takahisa Otsuji
大辻 貴久
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Hosiden Corp
Nippon Steel Corp
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Hosiden Corp
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

【課題】簡単なプロセスで製造が可能で、高感度となるコンデンサマイクロホンを合理的に構成する。
【解決手段】支持基板と活性層とで成るSOI基板Aをエッチング処理することにより、支持基板を取り除き活性層によって振動板Bを形成し、この振動板Bと対向する側にスペーサDを介してめっきの技術により複数の貫通孔Caを有した金属材で成る背電極Cを形成し、かつ、背電極において貫通孔Caの開口面積を除いた有効電極面積のうち、前記振動板Bの中央部に対応する領域の面積を、前記振動板Bの周辺部に対応する領域の面積より大きい値に設定した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単結晶シリコン基板にコンデンサを形成する一対の電極を有し、この一対の電極のうち一方の電極はアコースティクホールに相当する複数の貫通穴を形成した背電極であり、他方の電極は振動板である音響検出機構に関し、詳しくは、音響信号を計測するセンサやマイクロホンで代表される音響検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のように構成された音響検出機構と類似するものとして、支持基板と一体的に振動板を形成し、この支持基板に対して支持部によって形成される空隙層を介して背面板を配置した圧力センサがあり(例えば、特許文献1)、また、シリコンウェハ等の基板上に振動板と電極とを形成する構造のコンデンサマイクロホンがあり(例えば、特許文献2)、また、単結晶シリコン基板に対してダイヤフラムとバックプレートとを形成したコンデンサマイクロホンがある(例えば、特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−27595号公報(請求項4〜5、段落番号〔0030〕〜 〔0040〕、図1、図3〜図6)
【特許文献2】
特開2002‐209298号公報(請求項1、請求項2、請求項11、請求項12、段落番号〔0024〕〜〔0095〕、図1〜図10)
【特許文献3】
特開2002‐95093号公報(請求項1、段落番号〔0020〕〜〔0028〕、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1、特許文献2、特許文献3として挙げたものの他に、従来から携帯電話機に用いられているエレクトレットコンデンサマイクロホンの構造を図7のように示すことが可能である。このコンデンサマイクロホンは、1つ以上のアコースティクホール110を形成した金属製のカプセル100の内部に固定電極部300と、この固定電極部300とスペーサ400とにより一定の間隔を持って対向させた振動板500とを収めると共に、カプセル100の後部開口に嵌め込む形態で基板600を備えている。この構造を静電型マイクロホンと称するものであり、この構造のマイクロホンでは音圧によって振動板500が振動し、振動板500と固定電極部300との距離が変化することで静電容量値が変化し、当該静電容量値の変化を前記基板600に備えたJ−FET等の半導体素子700を介して電気信号に変換するものである。
【0005】
また、同図に示すエレクトレットコンデンサマイクロホンは振動膜500上または固定電極300上に誘電体材料に高電圧を印加し、加熱して内部に分極を発生させ、表面に電荷を残留させたエレクトレット膜を形成することでバイアス電源を不要にすると云う大きな利点を有している(同図では振動膜500にエレクトレット膜510を形成している)。このような利点を有する反面、この構造のコンデンサマイクロホンは、前記固定電極300と振動膜500の間隔が大きくなるほど感度自体の低下を招き、小さくなるほど高音領域の感度が低下する。更に小さくすると、振動板500がエレクトレット層510に吸着されてしまうという特性がある。このため、前記固定電極300と振動板500の間隔を適正にするために、スペーサ400を固定電極300とエレクトレット層510との間に介在させている。
【0006】
この種のコンデンサマイクロホンでは、出力を大きくするために静電容量値を大きくする必要があり、静電容量値を大きくするには固定電極層と振動膜500の重畳面積を大きくする、又は、固定電極300と振動膜500との間隔を小さくすることが有効となる。しかし、固定電極300と振動膜500の面積を大きくすることはマイクロホン自体の大型化を招くものであり、前述したようにスペーサ400を配置する手段では固定電極300と振動膜500の間隔を小さくすることについて限界があった。
【0007】
特に、エレクトレットコンデンサマイクロホンの場合はコンデンサマイクロホンなどの素子に応用される永久的電気分極を有する誘電体であるエレクトレット素子として、FEP(Fluoro Ethylene Propylene )材などの有機系の高分子重合体が使用されていたが、耐熱性に劣る為、基板に実装する場合のリフロー用素子としての使用が困難であるという問題があった。
【0008】
そこで、特許文献1(特開2002−27595号公報)、あるいは、特許文献2(特開2002‐209298号公報)に記載されている技術を採用することで上述した従来の欠点を解消し、耐湿特性に優れ、且つ、リフロー用素子としての使用に耐え得るコンデンサマイクロホンを構成することが考えられる。つまり、特許文献1あるいは特許文献2の構成を採用した場合には、固定電極層と振動板との間隔を小さくすることについてはシリコンマイクロマシニング技術、即ち半導体加工技術を用いたシリコン基板の加工で実現し、このシリコンマイクロマシニング技術により固定電極層と振動板との間隔を任意の間隔に設定することも実現する。更に、この構成のコンデンサマイクロホンではバイアス電源が必要となるが、エレクトレット素子を用いず、シリコン基板自体が電極層となるためにエレクトレットコンデンサマイクロホンに較べて耐熱性が向上し、後工程の基板実装工程において温度上昇に対する問題も解消することが考えられる。
【0009】
特許文献3(特開2002‐95093号公報)について考えるに、この特許文献では、単結晶シリコン基板に対してホウ素ドーピングによるエッチング停止層を形成してあり、エッチングにより振動板に相当するダイヤフラムと背電極に相当するバックプレートとを同一基板に形成している。具体的には、単結晶シリコン基板の表面側即ちバックプレート側から高濃度のホウ素ドーピングを行い、TMAH等による異方性エッチングを行うことで、このドーピング層でエッチングを停止してバックプレートに相当する13μm程度の厚みを残存させ、また、単結晶のシリコン基板の裏面側からホウ素ドーピングを行い、TMAH等による異方性エッチングを行うことで、このドーピング層でエッチングを停止してダイヤフラムに相当する1μm程度の厚みを残存させ、更に、シリコン基板の裏面からドーピングによるエッチング停止層以外の領域のシリコン層をエッチングにより取り除くことにより空隙部を形成している。
【0010】
この技術では、ホウ素ドーピング条件を変えることで任意の空隙部が得られるものである。しかしながら、当該技術では、イオン注入による背電極ならびに振動板の応力制御、プロセス信頼性が課題となるものであった。また、イオン注入時の打ち込み量、エネルギー及びアニーリングプロセスで空隙部の距離を制御するのは困難な面があり、背電極の応力制御についてメンブレンの撓み、即ち、マイクロホンとしての特性に大きい影響を及ぼし背電極の応力制御も重要な課題となる。
【0011】
特に、コンデンサマイクロホンにおいて、音響振動を電気信号に変換する際の作動状況を考えるに、振動板が振動することにより振動板と固定電極との距離が変動し、この変動に伴う静電容量の変化を電気信号に変換するため、単位音圧に対する振動量(振幅)が大きいほど高感度となる。また、空気の音響振動を受けた際に振動板は中央部において大きく振動作動し、周辺部ほど振動量が小さい。この現象を考えると振動板の中央位置の振動を効率的に電気信号に変換する構成のものほど高感度となると云える。しかしながら、前述したように比較的小型の振動板と固定電極とを近接して形成したマイクロホンにおいて、固定電極の側から音響振動が伝えられる形態で使用した場合には、音響振動が固定電極に遮られやすく、また、振動板の振動時に空気の流れが固定電極に妨げられやすい点において改善の余地がある。
【0012】
本発明の目的は、できるだけ簡単なプロセスで製造が可能であると共に、高感度のコンデンサマイクロホンを合理的に構成する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る音響検出機構の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
単結晶シリコン基板にコンデンサを形成する一対の電極を有し、この一対の電極のうち一方の電極はアコースティクホールに相当する複数の貫通穴を形成した背電極であり、他方の電極は振動板である音響検出機構において、前記振動板が単結晶シリコンで形成されると共に、前記背電極において前記貫通孔の開口面積を除いた有効電極面積のうち、前記振動板の周辺部に対応する領域の面積より、前記振動板の中央部に対応する領域の面積が大きい値に設定されている点にある。
【0014】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、単結晶シリコン基板に対して複数の貫通孔を形成した背電極と振動板とを形成するので小型化しやすい。また、背電極における貫通孔の開口面積を除いた有効電極面積が、振動板の周辺部に対応する領域より振動板の中央部に対応する領域において大きい値に設定されているので、振動板が振動した場合には、振動板の中央位置における振動を背電極で効率的に検出できると共に、背電極のうち振動板の周辺部に対応する部位の貫通孔を介して振動板と背極との間の空間への空気の流動を許して振動板の振動を円滑に行わせるものとなる。つまり、振動板の中央部と対応する部位の背電極の面積を大きく設定することで振動板の中央位置の振動を積極的に捉えると同時に、振動板の周辺部と対応する部位の背極に形成した貫通孔を介して振動板と背電極との間の空間に対する空気の出入り良好に行わせることで、振動板の振動を円滑に行わせているのである。その結果、背電極に形成される貫通孔の大きさ、数、形状等の設定により高感度となる音響検出機構が小型に構成された。
【0015】
本発明の請求項2に係る音響検出機構の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の音響検出機構において、前記背電極に形成される前記貫通孔のうち、振動板の中央部に対応する領域に形成されるものの開口径を、振動板の周辺部に対応する領域に形成されるものの開口径より小さく設定した点にある。
【0016】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、貫通孔の開口径の設定により、背電極において振動板の中央部に対応する領域の有効電極面積を大きく設定し、背電極において振動板の周辺部に対応する領域の有効電極面積を小さく設定することが可能となる。その結果、背電極に形成する開口の開口径の設定だけで、音孔検出機構を高感度にできるものとなった。
【0017】
本発明の請求項3に係る音響検出機構の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1又は2記載の音響検出機構において、前記単結晶シリコン基板として活性層を有するSOIウエハーを用い、この活性層を露出させるエッチング処理により前記振動板を形成すると共に、この活性層の厚さが1〜10μmである点にある。
【0018】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、SOIウエハーのうち活性層を残すエッチングを行うことによって基板と一体化した振動板を形成することが可能になるばかりか、この振動板の厚さを、感度や耐久性を考慮して1〜10μmの任意の厚さに設定することが可能となる。その結果、必要に応じて1〜10μmの任意の厚みの振動板を容易に形成できる音響検出機構が構成された。
【0019】
本発明の請求項4に係る音響検出機構の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響検出機構において、前記単結晶シリコン基板の一方の面に対して犠牲層とレジストパターンと背電極とを、この順序で形成すると共に、この後にレジストパターンを除去することにより、レジストパターンが存在した部位が前記貫通孔となる背電極を作り出し、前記犠牲層を除去することにより背電極と振動板との間に空隙領域を形成した点にある。
【0020】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、単結晶シリコン基板に対して犠牲層とレジストパターンと背電極とを形成する処理と、この処理の後にレジストパターンを除去し、犠牲層を除去する処理とを行うと云う、従来からの行われていた処理技術を用いることで、貫通孔を有する背電極を形成し、かつ、この背電極と振動板との間に空隙領域を形成できる。その結果、比較的簡単な処理により小型の音響検出機構を構成し得るものとなった。
【0021】
本発明の請求項5に係る音響検出機構の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜4のいずれか1項に記載の音響検出機構において、前記単結晶シリコン基板が、〈100〉面方位のシリコン基板である点にある。
【0022】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、〈100〉面方位のシリコン基板特有面方位の方向に選択的にエッチングを進行させ得るので、エッチングパターンに対して忠実となる微細なエッチングを可能にする。その結果、精密加工によって必要とする形状の振動板を有する音響検出機構が構成された。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には本発明の音響検出機構の一例としてのシリコンコンデンサマイクホンの平面図を示し、図2には図1においてI−I線で切断された断面図を示している。このコンデンサマイクロホンは、〈100〉面方位である単結晶シリコン基板Aと一体的に振動板Bを形成し、この振動板Bと対向する位置に背電極Cを配置して小型のコンデンサを形成したものである。前記振動板BはSOI(Silicon on Insulator)ウエハーの活性層を用い、背電極Cはめっき技術によってアコースティクホールに相当する貫通穴Caを多数形成した平坦な(振動板Bと平行で均一の厚さとなる)金属膜を用い、振動板Bと背電極Cとの電極間距離を決めるスペーサDに犠牲層を用いている。
【0024】
このコンデンサマイクロホンの基板Aの大きさは平面視で縦横(Y/X)の寸法が5.5mmの正方形で厚さ(Z)は625μmである。図2では厚さを誇張して描いているが、振動板Bの厚さは5μmで大きさは平面視で縦横(y/x)の寸法が2mmの正方形である。背電極Cの厚さは10μmで一片が20μm程度の正方形となる前記貫通穴Caが複数個形成されている。この振動板Bならびに背電極Cの表面には信号取出し用の金属製の電極パッドE、Eが形成されている。前記貫通穴Caは平面視において中央位置に小さい開口となるものを配置し、中心から離間した位置に大きい開口となるものと配置している。このように貫通孔Caを形成することにより、背電極Cの側からの音響信号を貫通孔Caを介して振動板Bへ良好に伝えると同時に、この音響信号に基づく振動板Bの軽快・円滑な振動を実現し高感度となるマイクロホンを構成している。
【0025】
具体的には、背電極Cにおいて前記貫通孔Caの開口面積を除いた有効電極面積のうち、前記振動板Bの周辺部に対応する領域の面積より、前記振動板Bの中央部に対応する領域の面積が大きい値となるよう設定してあり、振動板Bが振動した場合には、大きく振動する中央部の振動を静電容量の変化として良好に捉えると共に、振動板Bの周辺部に対応する貫通孔Caを介して振動板Bと背電極Cとの間の間隙領域に対する空気の出入りを良好に行わせることで振動板Bの振動を感度良く捉えるものにして、高感度のマイクロホンを構成しているのである。尚、図1では背電極Cの中央部の貫通孔Caの数が周辺部の貫通孔Caの数より多いものの、中央部の貫通孔Caの開口径を周辺部の貫通孔Caの開口径より充分に小さく設定してあるので、前述のように中央部と周辺部との間において有効電極面積に差異が設定される。
【0026】
尚、前記基板Aに対してコンデンサマイクロホンの静電容量変化を電気信号に変換する変換回路や、この電気信号を増幅する増幅回路等を形成することも可能であり、このように回路を形成した場合には前記電極パッドE、Eと、これらの回路とがボンディングワイヤ等で結線される。
【0027】
図3(a)、(b)、(c)、(d)及び図4(e)、(f)、(g)に本発明のコンデンサマイクロホンの製造工程図を示している。この製造工程図では、(a)支持基板101と活性層102とを有した単結晶シリコン基板(活性層10μm/Box層1μm/ 支持基板600μm:以下、SOI基板と称する)の両面に対して絶縁膜103を形成する工程。表面に犠牲層104を形成する工程。(b・c)このSOI基板に保護層105を形成した後、振動板Bに対応した開口部106と、振動板Bから導通取出し用のコンタクトホール107とを設ける工程。(d)シード層108とレジストパターン109とを形成した後、めっき技術によって背電極110(C)を形成する工程。(e・f)レジストパターン109を取り除いた後、異方性エッチングにより振動板を形成する工程。(g)犠牲層104を除去する空隙領域形成工程を順次行うよう設定され、この工程の後に電極パッドEを形成するよう順序が設定され、以下のこの製造工程の詳細を説明する。
【0028】
(a):支持基板101と活性層102とを有したSOI基板Aの表裏両面に対して熱酸化により酸化膜(SiO2膜)を作り出して絶縁膜103を形成し、表面側に犠牲層104としてSiO2膜の成膜を行う。また、前記活性層102の厚みは1〜10μmの範囲で調節することが可能であり、この活性層102の厚さは検出対象とする音響信号の音域(振動数)や、振動板Bの大きさに基づき最適な値に設定される。尚、前記犠牲層104として低誘電率の有機膜となるSU−8(誘電率3.0/エポキシ系レジスト)を用いて5μm程度の比較的厚い膜厚に形成することも可能である。
【0029】
(b):次に、裏面側に振動板を形成する際のマスク材料としてSiNで成る保護膜105を成膜する。この保護膜105はフォトリソグラフィ技術を用いて形成され、レジストパターンとして機能するものであり、この保護膜105において振動板Bを形成する部位に開口106が形成される。この後(f)で説明するように、このレジストパターンをマスクにしてRIE(Reactive Ion Etching)を用いてエッチングする加工により支持基板101部分が除去されて開口部111が形成される。
【0030】
(c):次に、表面側から活性層102、即ち、振動板領域に導通する部位を露出させるためのコンタクトホール107を設ける。つまり、同図には示していないが、従来からのフォトリソグラフィ技術を用いて形成されたレジストパターンをマスクにしてRIE(Reactive Ion Etching)を用いて犠牲層104と絶縁膜103とをエッチングする加工よりコンタクトホール107を形成する。
【0031】
(d):次に、表面側にスパッタの技術により、犠牲層104の表面、コンタクトホール107の部位の全ての表面にシード層108をスパッタリングにより形成し、更に、フレーム形成用のレジストパターン109(モールド)を形成した後に、めっきの技術によって背電極Cを形成する。このめっきは、金属材料としてNiを用い、応力が緩和される条件にて無電解めっきによりレジストパターン109より薄い厚みとなるよう形成する。
【0032】
(e):次に、不要となっためっきフレーム形成用レジストパターン109を除去し、シード層108を除去することで、複数の貫通穴Caを有した背電極Cが現れる。
【0033】
(f):次に、ウエハー表面側即ち背電極側に保護膜を形成後、裏面からTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)の水溶液にて異方性エッチングを行い、活性層102(振動板B)の部位まで開放する開口部111を形成する。この後、不要となった保護膜105と酸化膜103とを除去する。
【0034】
(g):最後に犠牲層104をBHF(Buffered Hydrofluoric acid)によるエッチングを行うことで振動板Bと背電極Cとの電極間距離を決めるスペーサ以外の領域を除去して空隙領域を形成し、電極パッドE(図1、図2を参照)を形成してマイクロホンが完成する。
【0035】
このような製造工程によって図1、図2に示すマイクロホンが製造される。このマイクロホンは、基板Aと一体的に振動板Bを形成し、かつ、この基板Aの表面側においてスペーサDを挟み込む位置に背電極Cを重畳配置し、この背電極Cがアコースティクホールに相当する多数の貫通穴Caを有した構造のものを、めっきの技術によって形成したものとなっている。このように製造されたコンデンサマイクロホンは極めて小型にできることから携帯電話機のような小型の機器に対して容易に用いることが可能となるばかりか、プリント基板上に実装する場合にも、高温でのリフロー処理にも耐え得るのでマイクロホンを有した装置の組立を容易にするものになっている。
【0036】
また、このコンデンサマイクロホンでは、〈100〉面方位のシリコン基板特有の性質を利用して選択的にエッチングを行うことによりエッチングパターンに従い基板Aと一体的に精密加工された状態で振動板Bを形成できるもである。そして、レジストパターン109と、めっき技術とにより背電極Cを形成するので簡単な処理で比較的厚い金属膜でありながら、必要とする貫通孔Caを形成した該背電極Cを作り出せるばかりでなく、この背電極Cに形成される貫通孔Caの形状と、貫通孔Caの数との設定により、振動板Bの中央部に対応する領域において貫通孔Caの開口面積を除いた有効電極面積が、前記振動板Bの周辺部に対応する領域において貫通孔Caを除いた有効面積より大きい値に設定することを可能にして、振動板Bが振動した場合には、大きく振動する中央部の振動を背電極Cとの間における静電容量の変化として良好に捉えると同時に、振動板Bの周辺部に対応する貫通孔Caを介して振動板Bと背電極Cとの間の間隙領域に対して充分な空気の出入りを行わせることで振動板Bの振動を良好に捉えるものにして、高感度のマイクロホンを構成しているのである。
【0037】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0038】
(イ)図5及び図6に示すように背電極Cの形状を設定する。これらの図面に示すように背電極Cの形状は必ずしも矩形に形成する必要は無く、図5に示すように八角形に形成することや、図6に示すように十字形状に形成することも可能である。これらの別実施の形態においても、振動板Bの中央部に対応する領域において貫通孔Caの開口面積を除いた有効電極面積が、前記振動板Bの周辺部に対応する領域において貫通孔Caを除いた有効面積より大きい値に設定して、高感度のマイクロホンを構成している。また、これらの別実施の形態実施では、振動板Bの表面と直交する方向視において背電極Cに対して振動板Bが重なり合わない部分(図5、図6において破線で示した領域)が形成されるので、この重なり合わない領域を介して、振動板Bと背電極Cとの間の間隙領域に対する空気の流動を良好にして、マイクロホンの感度を一層向上させるものとなっている。
【0039】
(ロ)背電極Cに対して形成される貫通孔Caのうち、振動膜Bの中央部に対応する領域の貫通孔Caの数を、振動膜Bの周辺部に対応する領域の貫通孔Caの数より少なく設定する。このように貫通孔Caの数の設定を行う場合に、振動板Bの中央部に対応する領域の貫通孔Caと、振動板B周辺部に対応する貫通孔Caとの開口径を等しくするだけでも本発明の有効性を発揮できるが、振動板Bの中央部に対応する領域の貫通孔Caの開口径を、振動板B周辺部に対応する貫通孔Caとの開口径より小さくすることで高感度の音響検出機構を構成できる。
【0040】
(ハ)SOI基板を用いたが、これに代えて〈100〉面方位であるシリコン基板Aを用い、最終的に振動板Bが形成される側から(不純物拡散により)不純物を注入して異方性エッチング時にエッチングが進まないエッチストップ層を形成することで異方性エッチング後に所望の振動板Bを作製する。このように構成することで、前述した実施の形態と同様にエッチング処理によりエッチングパターンに基づき精密加工によって振動板Bを形成することが可能となる。
【0041】
(ニ)本発明の構成を用いて音圧を検出するセンサを構成する。又、本発明の音響検出機構は基板の形状が正方形である必要は無く、矩形や多角形に形成することも可能である。特に、エッチングパターンの形状の設定により振動板の形状は円形や多角形に形成することも容易に行えるものであり、このように形状を設定することで、必要とする性能を現出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサマイクロホンの平面図
【図2】コンデンサマイクロホンの断面図
【図3】コンデンサマイクロホンの製造プロセスを連続的に示す断面図
【図4】コンデンサマイクロホンの製造プロセスを連続的に示す断面図
【図5】別実施の形態のコンデンサマイクロホンを示す平面図
【図6】別実施の形態のコンデンサマイクロホンを示す平面図
【図7】従来のコンデンサマイクロホンの構造を示す断面図
【符号の説明】
102     活性層
104     犠牲層
109     レジストパターン
A       シリコン基板
B       振動板
C       背電極
Ca      貫通孔

Claims (5)

  1. 単結晶シリコン基板にコンデンサを形成する一対の電極を有し、この一対の電極のうち一方の電極はアコースティクホールに相当する複数の貫通穴を形成した背電極であり、他方の電極は振動板である音響検出機構において、
    前記振動板が単結晶シリコンで形成されると共に、前記背電極において前記貫通孔の開口面積を除いた有効電極面積のうち、前記振動板の周辺部に対応する領域の面積より、前記振動板の中央部に対応する領域の面積が大きい値に設定されていることを特徴とする音響検出機構。
  2. 前記背電極に形成される前記貫通孔のうち、振動板の中央部に対応する領域に形成されるものの開口径を、振動板の周辺部に対応する領域に形成されるものの開口径より小さく設定したことを特徴とする請求項1記載の音響検出機構。
  3. 前記単結晶シリコン基板として活性層を有するSOIウエハーを用い、この活性層を露出させるエッチング処理により前記振動板を形成すると共に、この活性層の厚さが1〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の音響検出機構。
  4. 前記単結晶シリコン基板の一方の面に対して犠牲層とレジストパターンと背電極とを、この順序で形成すると共に、この後にレジストパターンを除去することにより、レジストパターンが存在した部位が前記貫通孔となる背電極を作り出し、前記犠牲層を除去することにより背電極と振動板との間に空隙領域を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響検出機構。
  5. 前記単結晶シリコン基板が、〈100〉面方位のシリコン基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の音響検出機構。
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