JP2004128187A - 半導体素子及び半導体装置、並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子作製時に生成するポリGaN等の不要物を効果的に除去し、電極形成及び素子分離を容易かつ確実に行い、高信頼性及び高品質の素子構成層を形成可能な光電変換素子等の半導体素子及び半導体装置、並びにこれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】例えば、サファイア基板1上にGaN:Si下地成長層2を形成し、下地成長層2上にTi被アブレーション層4及びSiNxマスク層3をこの順に積層し、マスク層3及び被アブレーション層4に、下地成長層2を露出させる開口部38を形成し、開口部38を介してn型GaN:Si層12、更にはInGaN活性層13、p型GaN:Mg層14を結晶成長させた後、この結晶成長層の周囲において被アブレーション層4をレーザアブレーションで選択的に除去して、結晶成長時に同時に生成したポリGaN5を除去し、この除去領域に露出した下地成長層2に電極形成及びスクライビングを行う。
【選択図】 図2
【解決手段】例えば、サファイア基板1上にGaN:Si下地成長層2を形成し、下地成長層2上にTi被アブレーション層4及びSiNxマスク層3をこの順に積層し、マスク層3及び被アブレーション層4に、下地成長層2を露出させる開口部38を形成し、開口部38を介してn型GaN:Si層12、更にはInGaN活性層13、p型GaN:Mg層14を結晶成長させた後、この結晶成長層の周囲において被アブレーション層4をレーザアブレーションで選択的に除去して、結晶成長時に同時に生成したポリGaN5を除去し、この除去領域に露出した下地成長層2に電極形成及びスクライビングを行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換素子及びこれを構成要素とする光電変換装置等の半導体素子及び半導体装置、並びにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気回路装置の製造方法としては、ウエーハからダイシングして回路素子(例えば半導体チップ)を分離し、分離した回路素子をダイシングシートからチップトレイに移送し、更には、チップトレイから回路素子を真空吸着でピックアップして、基板にマウント若しくは接続した後に配線するという方法が知られている。
【0003】
この方法は、例えば、半導体パッケージの製造工程等において一般的に行われている。
【0004】
ここで、従来の、光電変換素子である回路素子及びこれを構成要素とする光電変換装置、並びにこれらの製造方法等は下記に例示するようなものである。
【0005】
上述のような回路素子である光電変換素子は、例えば、先細り形状とされた先端部を有する回路素子であって、図17に示すような構造を有する発光素子を挙げることができる。図17の(a)が発光素子の断面図であり、図17の(b)がその平面図である。
【0006】
この光電変換素子の一種である発光素子はGaN系の発光ダイオード素子であり、例えば、サファイア基板(図示せず)上に結晶成長される発光素子である。このようなGaN系の発光ダイオード素子は、基板を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションを生じさせ、GaNの分解に伴なってサファイア基板とGaN系の結晶成長層との間の界面で膜剥れが生じ、素子の分離が容易になるという特徴を有している。
【0007】
この構造によれば、GaN系半導体層からなる下地成長層52上に、シリコンドープの六角錐形状のn型のGaN:Si層62が形成されている。下地成長層52上にはマスク53が存在し、六角錐形状のGaN:Si層62は、このマスク53を開口した部分にMOCVD(有機金属気相成長)法等によって形成される。最終的に、GaN:Si層62等の下部以外のマスク層53は選択的に除去される。
【0008】
GaN:Si層62は、成長時に使用されるサファイア基板の主面をC面とした場合に、S面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域である。そして、このGaN:Si層62の傾斜したS面の部分はダブルへテロ構造のクラッドとして機能する。
【0009】
次に、GaN:Si層62の傾斜したS面を覆うように、活性層であるInGaN層63が形成されており、その外側に、マグネシウムドープのp型のGaN:Mg層64が形成される。なお、このマグネシウムドープのGaN:Mg層64もクラッドとして機能する。
【0010】
更に、このような発光ダイオード素子61には、p電極65とn電極66とが形成されている。p電極65は、マグネシウムドープのGaN:Mg層64上に形成されるが、Ni/Pt/Au又はNi(Pd)/Pt/Au等の金属材料を蒸着して形成される。
【0011】
又、n電極66は、GaN:Si層62等の下部以外の所定の露出部分に、Ti/Al/Pt/Au等の金属材料材料蒸着して形成される。なお、下地成長層52の裏面側からn電極66用の取り出しを行う場合には、n電極66は下地成長層52の表面側に形成する必要はない。
【0012】
このような構造のGaN系の発光ダイオード素子61は、青色発光も可能な素子であって、特に、レーザアブレーションによって比較的簡単にサファイア基板(図示せず)から剥離することができ、レーザビームを選択的に照射することによって選択的な剥離を実現する。
【0013】
なお、このGaN系の発光ダイオード素子61としては、平板状や帯状に活性層が形成される構造であってもよく、上端部にC面が形成された角錐構造のものであってもよい。又、他の窒化物系や化合物半導体等であってもよい。
【0014】
また、この半導体発光ダイオード素子61は、例えば、p型半導体とn型半導体との接合面に順方向に電流を注入した時にキャリアである電子と正孔とが再結合して発光するものであればよく、半導体発光ダイオード素子61の構成材料は特に限定されない。このような発光性半導体材料としては、例えば、上述のような青色発光用の窒化ガリウム(GaN)以外に、緑色発光用のリン化ガリウム(GaP)、赤色発光用のヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)等のガリウム系の化合物半導体、セレン化亜鉛(ZnSe)、シリコンカーバイド(SiC)等、公知の半導体であってよい。
【0015】
このような各種の半導体発光ダイオード素子61の材料となる化合物半導体は、有機金属化合物気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)等によって作製可能であるが、ハイドリングが可能である限り、なるべく微小な寸法形状とすることが望ましい。
【0016】
こうした微小な半導体発光ダイオード素子61は、化合物半導体のウエーハからチップ状に切り出すよりも、上述のように、サファイア基板上で化合物半導体を選択的に結晶成長させることによって比較的容易に得られる。この選択的な結晶成長によって、下端面の一辺の寸法が100〜200μm程度又はそれ以下、例えば10〜50μm程度のサイズの半導体発光ダイオード素子61を得ることができる。必要によっては、結晶成長させた後に、立体形状を調整するための加工処理を施してもよい。
【0017】
そして、この微小な半導体発光ダイオード素子61のp型半導体には例えばNi/Auを蒸着してp電極65を形成し、またn型半導体には必要に応じて例えばTi/Auを蒸着してn電極66を形成する。これらの電極65及び66を形成した微小な半導体発光ダイオード素子61は、そのまま基体面に配置して固定してもよいが、半導体発光ダイオード素子61を特に微小な形状とし、上述したようにその周囲を絶縁層で覆うことにより、見掛け上のサイズを大にしてハンドリングを容易化することができる。
【0018】
また、透明な基体面に配置して固定する半導体発光ダイオード素子61は、その形状によって、基体面側、即ち半導体発光ダイオード素子61の下端面側への発光光の輝度を向上させることが可能である。半導体発光ダイオード素子61の発光領域(活性層)からの発光のうち、発光領域から上方へ向かう光は上端部の電極面等を反射面として下端面側へ向かう光とし得るが、下端面に垂直な側面へ向かう光は側面で反射させても下端面へ向かう光とはなりにくいので、半導体発光素子は下端面となす角度が45±20度の範囲内にある傾斜面を有することが望ましい。このような傾斜面に反射面を設けることにより、側方へ向かう発光成分を反射させて効果的に下端面側へ向かう光とすることができる。
【0019】
この傾斜面は、片側斜面、両側斜面、方形斜面であってもよい。更には、半導体発光素子が角錐形状又は角錐台形状を有することが望ましい。角錐、角錐台及び多角錐台にあっては、上面も反射面とすることにより、半導体発光素子の発光を一層効果的に下端面側へ向けることができる。ここで言う角錐又は角錐台には、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐から、円錐に近似した多角錐等の各種の角錐と、それらに対応する角錐台が含まれる。
【0020】
次に、上述した発光ダイオード素子61を製造するには、例えば、まず図18(a)に示すように、サファイア基板51の(0001)面に温度500℃でA1又はGaN等のバッファ層(図示せず)、続いて1000℃でシリコンをドーピングしたn型の下地成長層(窒化ガリウムGaN:Si層)52を成長させる。
【0021】
次いで図18(b)に示すように、下地成長層52上にSiO2又はSiNマスク層53を形成し、このマスク層の所定の位置にエッチングで形成した開口部88に、図18(c)に示すように、1000℃でシリコンをドーピングしたn型の窒化ガリウムを結晶成長させることにより、六角錐形状のn型半導体のGaN:Si層62を形成する。
【0022】
次いで図18(d)に示すように、この六角錐の(1−101)面及びこれに等価な傾斜面上に、成長温度を下げて活性層であるInGaN層63を形成し、更にこの上にマグネシウムをドーピングしたp型の窒化ガリウムGaN:Mg層64を成長させた後、図19(e)に示すように、その表層部のp型GaN:Mg層64にNi/Auを蒸着して発光の反射面ともなるp電極65を形成する。
【0023】
更に、下地成長層(GaN:Si層)52の上面のマスク層53にエッチングで開口部を開け、Ti/Auを蒸着してn電極66を形成する。
【0024】
次いで図19(f)に示すように、図17(a)に示した断面形状に下地成長層52をRIE(Reactive Ion Etching)によりスクライビングして素子分離溝73gを形成し、各発光ダイオード素子61に分離する。これらの素子は、後述するように基板51から剥離し、更に絶縁層中に埋め込み、剥離転写工程を経て実装基板にマウントされる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図18(c)、更には(d)に示した工程、特に図18(c)に示した工程において、開口部88の上部に断面ほぼ三角形状のGaN:Si層62等のGaN系結晶層が形成される際、図20(a)に拡大して示すように、隣接するGaN層62間のマスク層53上にはGaN系結晶層の原料に由来するポリGaN55が堆積し易いことが判明した。
【0026】
このポリGaN55は、そのまま残存することになると、図20(b)の工程において図19(e)、(f)に示したエッチング及び電極の形成、更には素子分離に支障をきたす。
【0027】
即ち、ポリGaN55はエッチングが困難な材質であるため、通常用いられるエッチング方法では、下地成長層52上から容易に除去できず、マスク層53に電極被着用の開口部を形成したり、素子分離溝73gを形成することが困難となる。仮に、このポリGaNが存在しない領域をエッチングし、その下のマスク層53がエッチングされたとしても、形成された開口部は非常に狭くて不均一となるために、電極の接続不良や電気抵抗の上昇が生じてしまう。しかも、ポリGaN55が付着したまま発光ダイオード素子や発光装置等を作製すると、ポリGaN55上に樹脂等の種々の材料を積層するときに、その被覆性又は被着性も不良となり易い。
【0028】
そこで、ポリGaN55を除去する方法として、特開2001−148349に示されているように、マスク層53を例えばフッ酸を用いたウェットエッチングにより除去すると同時にその上の不要な多結晶GaN(ポリGaN)をリフトオフ(剥離)する方法が考えられる。しかしながら、マスク層53上のポリGaN55はリフトオフできるとしても、エッチング液の浸透に時間がかかり、エッチング時間が長くなる上に、エッチング液がGaN層62下のマスク層53も溶解させるために、必要なGaN層までも剥離したり、或いは剥離には至らなくてもGaN層にダメージが生じる。
【0029】
そこで、本発明の目的は、素子作製時に生成するポリGaN等の不要物を効果的に除去して、電極形成及び素子分離を素子構成層に対するダメージなしに短時間で容易かつ確実に行い、高い信頼性及び品質の素子構成層を形成可能な光電変換素子及び光電変換装置等の半導体素子及び半導体装置、並びにこれらの製造方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、基体上に下地層を形成する工程と、前記下地層上にマスク層を積層する工程と、前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成する工程と、前記素子構成層の周囲において前記マスク層上の不要物をこの下部のアブレーションによって選択的に除去する工程と、この除去領域に前記下地層を露出させる工程とを有する、半導体素子の製造方法に係るものである。
【0031】
本発明は又、この半導体素子の製造方法において更に、前記素子構成層及び前記下地層に電極を形成する工程と、前記下地層の前記露出させた領域にて前記下地層を選択的に除去して半導体素子に加工する工程と、前記半導体素子を前記基体から分離する工程と、この分離された半導体素子を絶縁層に埋設する工程と、この絶縁層に前記半導体素子に接続された電極端子を形成する工程と、この電極端子を含む素子ユニットを作製する工程と、この素子ユニットを駆動回路基板に接続固定する工程とを付加した、半導体装置の製造方法に係るものである。
【0032】
本発明は又、下地層上に被アブレーション層とマスク層とが積層して設けられ、前記マスク層及び前記被アブレーション層に形成された開口部において前記下地層に連設して素子構成層が形成され、前記素子構成層の周囲において前記被アブレーション層と共に前記マスク層が選択的に除去され、この除去領域に前記下地層が面している半導体素子に係るものである。
【0033】
本発明は又、この半導体素子において更に、前記素子構成層及び前記下地層に電極が形成され、前記下地層が面した前記領域にて前記下地層の一部が除去されて、半導体素子に加工され、この半導体素子が絶縁層に埋設され、この絶縁層に前記半導体素子に接続された電極端子が形成され、この電極端子を含む素子ユニットが構成され、この素子ユニットが駆動回路基板に接続固定されている半導体装置に係るものである。
【0034】
本発明によれば、前記下地層上に積層した前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成し、この開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成し、この素子構成層の周囲において前記マスク層上の不要物をこの下部のアブレーションによって選択的に除去し、この除去領域に前記下地層を露出させているので、ポリGaN等の不要物をこの下部のアブレーションによって(具体的には、被アブレーション層のアブレーションによる蒸発で)除去すると同時にその上のポリGaN等の不要物を効果的に除去できる。しかも、これをアブレーションによって行えるために、ウェットエッチング等による場合と比べて前記素子構成層にダメージを与えることがなく、また電極形成及び素子分離を短時間で容易にかつ確実に行え、依頼性及び品質に優れた半導体素子及びその装置を得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明においては、前記素子構成層間の分離及び電極の形成のためには、少なくとも前記アブレーションを行うべき領域において前記マスク層下に被アブレーション層を形成し、この被アブレーション層を前記アブレーションによって除去すると同時に、互いに隣接する前記素子構成層間において前記マスク層上に付着する前記半導体素子構成材料の原料に由来するポリGaN等の不要物を前記マスク層と共に除去することが望ましい。仮に、前記被アブレーションを設けずに、前記マスク層を直接アブレーションすると、このアブレーション条件の設定が容易ではなく、また使用するレーザーが高価なものとなる。これに反し、本発明では特に、マスク層に加えて被アブレーション層を設けると、アブレーション条件のマージンが広くなり、安価なレーザーでも使用可能となる。
【0036】
また、アブレーションされるべき領域を限定し、素子構成層のダメージをなくすためには、前記被アブレーション層をレーザアブレーションによって限定した領域で行うのが望ましい。
【0037】
この場合、前記基体から前記下地層がアブレーションによって剥離しないように、前記被アブレーション層をレーザ光吸収材料(例えばチタン)によって形成し、前記下地層及び前記基体をレーザ光非吸収材料によって形成するのが望ましい。
【0038】
特に、レーザアブレーションを効果的に行うために、前記被アブレーション層をチタン等の金属によって形成するのが望ましい。この種の金属は、後述する基体からの下地層の剥離に必要なレーザ光波長よりも長い波長のレーザ光を吸収し易い材質である。
【0039】
また、発光ダイオード素子等の作製のために、前記素子構成層及び前記下地層に電極を形成する工程と、前記下地層の前記露出させた領域にて前記下地層の一部を選択的に除去して、光電変換素子等の半導体素子に加工する工程と、前記半導体素子を前記基体から分離する工程とを、前記半導体素子構成層の周囲での前記アブレーション後に、更に行うのが望ましい。
【0040】
また、素子分離を効果的に行うには、少なくとも前記アブレーションを行うべき領域以外において前記基体上に第2の被アブレーション層及び第2のマスク層を積層し、この第2のマスク層の開口部を介して前記下地層を成長させ、しかる後に前記の各工程を経て前記不要物の除去及び前記半導体素子の加工を行った後、前記第2の被アブレーション層のアブレーションによって前記半導体素子を前記基体から分離するのが望ましい。
【0041】
この場合、前記第2の被アブレーション層のアブレーションをレーザアブレーションによって行い、このためには、前記第2の被アブレーション層をレーザ光吸収材料(例えばチタン)によって形成し、前記基体をレーザ光非吸収材料によって形成するのがよい。
【0042】
また、前記開口部を介して第1導電型のGaN:Si等の前記下地層上に、GaN:Si等の第1導電型層とInGaN等の活性層とGaN:Mg等の第2導電型層とを順次積層成長させて、前記素子構成層としてのGaN系等の結晶層を形成するのが望ましい。
【0043】
この場合、前記結晶層を窒化物半導体等のエピタキシャル成長によって形成するのが望ましい。
【0044】
また、窒化ガリウム系半導体等からなる半導体光電変換素子を前記絶縁層としての樹脂中に埋設した後、この樹脂に前記電極端子としての電極パッドを形成し、更にスクライビングして発光素子ユニットに加工することができる。
【0045】
これは、画像表示装置又は光源装置用としての発光素子又は発光装置を製造するのに好適である。
【0046】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0047】
図1〜図4は、本実施の形態による発光ダイオード素子11の製造工程を示すものであるが、図18(a)〜図19(f)に示した工程と根本的に異なる点は、マスク層3と下地成長層2との間にチタン(Ti)からなる被アブレーション層4を形成していることである。
【0048】
即ち、まず、図1(a)に示すように、サファイア基板1の表面にシリコンドープのn型GaN:Siからなる下地成長層2を気相からエピタキシャル成長させ、その上にチタン(Ti)からなる被アブレーション層4をスパッタリング法等により厚さ5〜50nmに形成する。そして、この被アブレーション層4上にSiNx、例えばSi3N4からなるマスク層3を気相成長法等により厚さ10〜500nmに積層する。ここで、Ti被アブレーション層4及びマスク層3の厚さ、材質、形成方法等の条件は、同等の効果があれば、任意に変更してもよい
【0049】
次に、図1(b)に示すように、マスク層3と被アブレーション層4との積層膜の所定箇所をドライエッチング法等により除去して、GaN気相成長用の開口部38を形成し、ここに下地成長層2を露出させる。
【0050】
次に、図2(c)に示すように、開口部38を介して下地成長層2上からマスク3層上の開口部周辺部にかけて、図17に示した如きほぼ六角錐形状のシリコンドープのn型GaN:Si層12、InGaN層13及びマグネシウムドープのp型GaN:Mg層14を順次結晶成長させるが、その時にこの結晶成長層以外の領域に露出しているマスク層3上には、既述したと同様にGaN系結晶成長層の原料に由来するポリGaN5が同時に堆積する。
【0051】
次に、図2(d)に示すように、マスク41を用いて基板1の側から、ポリGaN5の堆積領域に限定して被アブレーション層4に対しレーザ光を照射する。このレーザ光は、基板1及び下地成長層2を透過し、被アブレーション層4を形成するチタンに効率良く吸収され、これによって、被アブレーション層4をアブレーションして蒸発させ、図示の如くに、GaN系結晶層以外の領域(又はその周囲)においてマスク層3と共にこの上に付着したポリGaN5を選択的に下地成長層2から剥離する。
【0052】
ここで、使用されるレーザ光は、基板1及び下地成長層4を透過して被アブレーション層4に効率良く吸収される波長を有している必要があり、その値は比較的長波長であって通常は400nm以上、例えば532nmに設定する。
【0053】
そして、基板1の側に配されたマスク41によって、照射されるレーザ光の照射領域が互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間の限定されているために、GaN系結晶成長層の下部に埋設された状態の被アブレーション層4にはレーザ光が照射されることはなく、その部分がアブレーションされることはないので、GaN:Si層12等は何らのダメージや剥離も生じず、その形状を保持し、高品質の物性を保持することができる。
【0054】
こうして、互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間においてマスク層3と共に不要なポリGaN5を被アブレーション層4のアブレーションで除去し、この除去領域に下地成長層2を露出させ、後述の発光ダイオード素子11の作製に必要な電極形成や下地成長層2のスクライビング等を行い易くしておく。
【0055】
次に、図3(e)に示すように、GaN:Mg層14上にp電極15を形成し、また、ポリGaN5が除去された下地成長層2上にn電極16を形成する。
【0056】
次に、図3(f)に示すように、図17(a)に示した断面形状とほぼ同様に、RIE(Reactive Ion Etching)により下地成長層2をスクライビングして素子分離溝40を形成し、個々の発光ダイオード素子11に加工する。
【0057】
しかる後に、図4(g)に示すように、基板1の側からレーザ光を照射することによって、基板1との界面で下地成長層2をアブレーションし、図4(h)に示すように、基板1上から所定の発光ダイオード素子11を選択的に剥離する。この剥離された発光ダイオード素子11は、後述の転写工程に移され、最終的には実装基板にマウントされる。
【0058】
このアブレーションに使用されるレーザ光は、基板1を透過して基板1と下地成長層2との界面で吸収され易い波長を有していることが必要であり、その値は通常400nm以下、例えば248nmと比較的短波長に設定する。
【0059】
以上に述べたように、本実施の形態によれば、下地成長層2上にTi被アブレーション層4及びマスク層3をこの順で積層した後、マスク層3及び被アブレーション層4に下地成長層2を露出させるための開口部38を形成し、この開口部38を介してGaN:Si層12、InGaN層13及びGaN:Mg層14を順次結晶成長させ、この結晶成長層の周囲において被アブレーション層4をレーザ光によるアブレーションで選択的に除去することにより、この除去領域に下地成長層2を露出させているので、被アブレーション層4の蒸発除去と同時にその上のマスク層3及びポリGaN5を効果的に除去できる。しかも、これをアブレーションによって行えるために、ウェットエッチング等による場合と比べて結晶成長層にダメージを与えることがない。また、ポリGaN5を除去できることから、電極形成及び素子分離(図3の工程)を容易にかつ確実に行え、信頼性及び品質に優れた光電変換素子を得ることができる。
【0060】
特に、図2の工程において、マスク41を用いて基板1側からレーザ光を選択的に照射することによって、互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間の被アブレーション層4のみをアブレーションし、結晶成長層下の被アブレーション層4はアブレーションされることはないので、結晶成長層がダメージを受けて損われることはなく、下地成長層2との密着性も良好に保持される。そして、ポリGaN5の剥離をレーザアブレーションによって行うために、この点でも結晶成長層にダメージを与えることなしに短時間で工程を実施することができる。
【0061】
仮に、被アブレーション層4を設けずに、マスク層3を直接アブレーションすると、このアブレーション条件の設定が容易ではなく、また使用するレーザーが高価なものとなる。これに反し、本実施の形態では特に、マスク層3に加えて被アブレーション層4を設けているので、アブレーション条件のマージンが広くなり、安価なレーザーでも使用可能となる。
【0062】
次に、図5〜図10を参照しながら、図4(h)の工程で得られた発光ダイオード素子11を用いた発光装置の製造方法について説明する(但し、発光ダイオード素子11は以下の図において簡略図示する)。
【0063】
まず、図5(a)に示すように、第1の一時保持用部材7の上面に、第1の剥離層8と樹脂層9とを積層して密着形成する。
【0064】
一時保持用部材7の材質としては、高分子シート等を挙げることができ、剥離層8の材質としては、フッ素コート、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えば、ポリビニルアルコール:PVA)又はポリイミド等を用いることができる。また、樹脂層8は、紫外線(UV)硬化型樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれかによって形成する。一例として、一時保持用部材7として高分子シート等を用い、剥離層8としてポリイミド膜を形成後、樹脂層9としてUV硬化型樹脂を塗布することができる。
【0065】
そして、図5(a)の状態で、樹脂層9上において発光ダイオード素子11を埋設(転写)する部分以外にレーザ光を照射することによって硬化させ、レーザ光を照射しない部分は、後の工程で発光ダイオード素子11を転写可能な軟質部10とする。
【0066】
次に、図5(b)に示すように、図3(e)に示したようにサファイア等の第1の基板1の主面上に、上記した結晶成長及び必要な処理によって複数の発光ダイオード素子11を例えばがマトリクス状に配列した状態で、発光ダイオード素子11側を一時保持用部材7に対峙させて、樹脂層9に発光ダイオード素子11を選択的に転写する。
【0067】
この転写に際しては、図5(b)に示すように、転写すべき所定の発光ダイオード素子11に対して図4(g)に示したと同様にエキシマレーザや高調波YAGレーザー等のレーザ光を基板1の裏面から照射し、発光ダイオード素子11を基板1からレーザアブレーションにより剥離する。この場合、基板1と下地成長層2との界面でレーザアブレーションによってGaNが金属のGaと窒素とに分解して蒸発することから、比較的簡単に剥離可能である。
【0068】
このレーザアブレーションを利用した剥離作用によって、所定の発光ダイオード素子11を基板1から分離し、図5(c)に示すように、一時保持用部材7側の樹脂層9の軟質部10にp電極の先端部11aを突き刺すようにして転写する。
【0069】
なお、転写されない発光ダイオード素子11については、図5(a)の工程において、樹脂層9がレーザ光照射によって既に硬化しておりかつ図5(b)の工程においてアブレーション用のレーザ光照射が行われないため、樹脂層9に接触はするが樹脂層9に転写されることはなく、基板1上に付着したままとなる。
【0070】
そして、転写後の状態では、図5(c)に示すように、転写された複数の発光ダイオード素子11間の間隔は、基板1上に配列されていた時よりも離間(ピッチ変更)して一時保持用部材7上に配列されたものとなる。
【0071】
次に、図6(d)に示すように、樹脂層9の軟質部10上にp電極を一部突き刺すようにして保持された発光ダイオード素子11を、加圧手段19によって加圧し、樹脂層9の軟質部10に更に押し付ける。
【0072】
こうして、発光ダイオード素子11は、図6(e)に示すように、一時保持用部材7の樹脂層9にほぼ埋設保持された状態になる。そして、この発光ダイオード素子11の裏面は十分に洗浄される。
【0073】
次に、図6(f)示すように、上下反転させ、更に図7(g)に示すように、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂層9の裏面側に第2の剥離層20を介して第2の一時保持用部材21を密着させる。
【0074】
次に、図7(h)に示すように、発光ダイオード素子11が埋設された樹脂層9から一時保持用部材7を、剥離層8へのレーザ光照射によるアブレーションで剥離する。
【0075】
次に、図7(i)に示すように、レーザ光照射でアノード電極(p電極)側及びカソード電極(n電極)側にビアホール22をそれぞれ形成し、かつ樹脂層9及び剥離層20の一部を機械的手段又はレーザ光照射によりダイシングして素子分離溝23を形成し、個々の樹脂チップ26に加工する。
【0076】
ここで、一時保持用部材21は、一例として、プラスチック基板にUV粘着材が塗布してあるダイシングシートであり、紫外線(UV)が照射されると粘着力が低下する材質のものを利用できる。
【0077】
次に、図8(j)に示すように、アノード側の電極パッド24及びカソード側の電極パッド25を樹脂チップ26上の所定の位置に形成する。
【0078】
次に、図8(k)に示すように、吸着装置29を用いて、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26を一時保持用部材21から剥離する。
【0079】
この時、一時保持用部材21上には、例えば、フッ素コート、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えば、PVA)又はポリイミド等からなる剥離層20が形成されているが、このような剥離層20を形成した一時保持用部材21の裏面から、例えばYAG第3高調波レーザ光を照射する。これにより、例えば、剥離層20をポリイミドで形成した場合では、ポリイミドの層と一時保持用部材21との界面でポリイミドのアブレーションにより剥離が発生して、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26は、一時保持用部材21から吸着装置29のような機械的手段により容易に剥離可能となる。
【0080】
吸着装置29の吸着孔28は、画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口していて(図ではその1つについて示す。)、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26を多数個、一括して吸着できるようになっている。また、吸着装置29の吸着孔28を形成する金属板30としては、例えば、Ni電鋳により作製したもの、又はステンレス(SUS)等の金属板をエッチングで穴加工したもの等が使用される。そして、金属板30の吸着孔28の奥には吸着チャンバ27が形成され、この吸着チャンバ27を負圧に制御することにより、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26の吸着が可能になる。発光ダイオード素子11は、この段階では樹脂9で覆われており、その上面はほぼ平坦化されているので、吸着装置29による選択的な吸着を容易に進めることができる。
【0081】
次に、図9(l)に示すように、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26を吸着装置29で吸着したまま第2の基板(実装基板)32上に移動させ、固定(ボンディング)してマウントする。
【0082】
この際、基板32上には予め接着剤層35が塗布されているために、発光ダイオード素子11の下面の接着剤層35を選択的に硬化させることによって、樹脂チップ26を基板32上に容易に固定して配列させることができる。この固定後には、吸着装置29の吸着チャンバ27が圧力の高い状態となり、吸着装置29と樹脂チップ26との吸着状態は解放される。
【0083】
この時、接着剤層35の樹脂を硬化させるエネルギーを与えるビーム31は基板32の裏面から照射する。例えば、UV硬化型接着剤を使用する場合には、UV光照射装置によって、又、熱硬化性接着剤を使用する場合にはレーザ光照射によって、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26の下面のみを硬化させる。又、熱可塑性接着剤を使用する場合は、レーザ光照射にて接着剤35を溶融させて接着を行う。
【0084】
基板32は、配線基板として、シャドウマスクとしても機能する電極層34を配設し、特に電極層34の画面側(基板32側)の面に黒クロム層33を形成する。これによって、画像のコントラストが向上し、更に黒クロム層33でのエネルギー吸収率を高くして、選択的に照射されるビーム31によって接着剤層35を早く硬化させることができる。
【0085】
図9(m)は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のそれぞれの発光ダイオード素子11R、11G、11Bを図9(l)のようにして基板32上に配列固定し、更に全面を絶縁層36で被覆した状態を示す。
【0086】
ここで、上記の吸着装置29を使用して、基板32の対応する位置に各発光ダイオード素子をマウントすると、画素としてのピッチを保持したまま3色からなる画素を形成できる。なお、絶縁層36の材質としては、透明エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤又はポリイミド等を用いることができる。
【0087】
なお、図9(m)では、赤色の発光ダイオード素子11Rは六角錐形状ではないプレーナタイプのGaN系の素子構造とされ、他の発光ダイオード素子11G及び11Bは上記した六角錐形状のGaN系の素子構造を有している。これらの素子は形状及び構造が異なってはいるが、図9(m)の段階では、各発光ダイオード素子11R、11G、11Bは樹脂チップ26として樹脂9で覆われているので、同一の取り扱い(ハンドリング)が可能である。
【0088】
次に、図10(n)に示すように、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子11R、11G、11Bのそれぞれの電極パッド24及び25や、基板32上の電極層34等に対応して、これらを電気的に接続するための開口部であるビアホール22’をそれぞれレーザ光照射によって形成し、更に図10(o)に示すように、常法に従ってフォトリソグラフィー技術により配線37を形成する。
【0089】
なお、この時に形成するビアホール22’は、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子11R、11G、11Bのそれぞれの電極パッド24及び25の面積を大きくしているために、各電極パッドに対応したビアホール22’のサイズを大きくでき、かつ、ビアホール22’の位置精度も、各発光ダイオード素子11に直接形成するビアホール22(図7(i)参照)に比べて低い精度でも形成できる。
【0090】
こうして、配線37を形成した後は、保護層(図示せず)を配線上に形成し、画像表示装置のパネルを完成する。この保護層は、絶縁層36と同様に、透明エポキシ接着剤等の材料を使用でき、加熱硬化して配線を完全に覆う。
【0091】
なお、図11に示すように、上記したn電極16を下地成長層2に設けず、その裏面にn電極パッド25を直接設ける構造としてもよい(但し、n電極16を設け、これに電極パッド25を接続しても差支えない)。これによって、面積の限られた下地成長層2の上部に設ける場合(図10(o)参照)に比べて設置面積が広がり、電極パッド25の取り付け可能な範囲が広くなって位置選択の自由度が増すと共に、下地成長層2自体も比較的小さなサイズにすることができる。
【0092】
また、図12(a)に示すように、GaN:Si層12等の結晶層を成長させる部分にはマスク層3のみを形成し、結晶層間はマスク層3下に被アブレーション層4を形成した構造としてもよい。この場合は、図12(b)に示すレーザアブレーションは、結晶層間の被アブレーション層4に対してのみより確実に行え、結晶層への悪影響を更に軽減若しくは皆無とすることができる。また、レーザ光の照射位置が仮に結晶層側にずれてもここではレーザ光吸収性のないマスク層3が存在するだけであるので、レーザ光照射を行い易くなり、場合によってはマスク41を省略することもできる。
【0093】
或いは、マスク層3自体を被アブレーション層とし、レーザ光の吸収によりマスク層3を選択的に蒸発させることにより、結晶層間のポリGaN5をマスク層3と共に選択的に除去することも可能である。この場合は、上記した被アブレーション層4自体を省略することができる。
【0094】
或いはまた、図13(a)に示すように、GaN:Si層12等の結晶層を成長させる部分以外にはマスク層3上に被アブレーション層4を形成した構造としてもよい。この場合は、図13(b)に示すレーザアブレーションは、結晶層間の被アブレーション層4に対してのみより確実に行え、図12の場合と同様に、結晶層への悪影響を更に軽減若しくは皆無とすることができ、またレーザ光照射を行い易くなり、場合によってはマスク41を省略することもできる。
【0095】
更には、図2(c)の場合とは逆に、被アブレーション層4を上層とし、この下にマスク層3を形成しても、同等の結果が得られることがある。
【0096】
図14〜図16は、図1〜図13、例えば図1〜図10に示した例において、素子分離用にレーザアブレーションを効果的に適用した他の例を示す。但し、上述の例と共通する部分には共通の符号を付して、その説明を省略することがある。
【0097】
まず、図14(a)に示すように、サファイア基板1の表面に下地のチタン(Ti)からなる被アブレーション層4’をスパッタリング法等により、またSiO2等の下地のマスク層3’を気相成長法等により順次形成し、これらを素子パターンにエッチングし、素子を形成しない領域を除去して開口部38’を形成する。
【0098】
次に、図14(b)に示すように、図1(a)と同様に、マスク層3’を含む基板1上にシリコンドープのn型GaN:Siからなる下地成長層2を気相からラテラル方向にもエピタキシャル成長させ、図14(c)に示すように、図1(b)と同様に、チタン(Ti)からなる被アブレーション層4をスパッタリング法等により、SiNx、例えばSi3N4からなるマスク層3を気相成長法等により積層し、マスク層3と被アブレーション層4との積層膜の所定箇所をドライエッチング法等により除去して、GaN気相成長用の開口部38を形成し、ここに下地成長層2を露出させる。
【0099】
次に、図15(d)に示すように、図2(c)と同様に、開口部38を介して下地成長層2上からマスク3層上の開口部周辺部にかけて、図17に示した如きほぼ六角錐形状のシリコンドープのn型GaN:Si層12、InGaN層13及びマグネシウムドープのp型GaN:Mg層14を順次結晶成長させるが、その時にこの結晶成長層以外の領域に露出しているマスク層3上には、既述したと同様にGaN系結晶成長層の原料に由来するポリGaN5が同時に堆積する。
【0100】
次に、図15(e)に示すように、マスク41を用いて基板1の側から、ポリGaN5の堆積領域に限定して被アブレーション層4に対し図2(d)と同様にレーザ光を照射する。このレーザ光は、基板1及び下地成長層2を透過し、被アブレーション層4を形成するチタンに効率良く吸収され、これによって、被アブレーション層4をアブレーションして蒸発させ、図示の如くに、GaN系結晶層以外の領域(又はその周囲)においてマスク層3と共にこの上に付着したポリGaN5を選択的に下地成長層2から剥離する。
【0101】
こうして、互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間においてマスク層3と共に不要なポリGaN5を被アブレーション層4のアブレーションで除去し、この除去領域に下地成長層2を露出させる。
【0102】
次に、図16(f)に示すように、GaN:Mg層14上にp電極15を形成した後、下地成長層2を素子パターンにエッチングし、各素子に分離する。
【0103】
次に、図16(g)に示すように、基板1の側からレーザ光を照射することによって、基板1との界面で下地アブレーション層4’をアブレーションし、基板1上から所定の発光ダイオード素子11を選択的に剥離する。この剥離された発光ダイオード素子11は、裏面のマスク層3’をエッチングで除去し、n電極の形成を含む上述の転写工程に移され、最終的には実装基板にマウントされる。このアブレーションに使用されるレーザ光は、図15(e)のレーザ光と同様であって、基板1を透過して被アブレーション層4’で吸収され易い波長を有していることが必要である。
【0104】
このようにして、下地成長層2下にTi被アブレーション層4’及びマスク層3’をこの順で積層し、素子分離後にアブレーションして素子を基板1から効果的に剥離することができる。そして、この素子剥離前には、上部の被アブレーション層4のアブレーションによって被アブレーション層4の蒸発除去と同時にその上のマスク層3及びポリGaN5を効果的に除去できることは勿論であり、上述した例と同様の作用効果を得ることができる。この場合、上述した例も同様であるが、下地マスク層3’上に下地成長層2をラテラル成長させ、マスク層3’上の下地成長層2を素子分離後にそのままn型層として用いていることが重要であり、特に、マスク層上のラテラル成長を利用した微小発光ダイオード素子の作製に有効である。
【0105】
以上に述べた実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0106】
例えば、被アブレーション層4の材質はチタン以外の材質でもよく、層厚、形成方法等は種々に変更してよい。また、各工程時におけるレーザ光又はビームの種類、照射量、照射時間及び照射位置等は、同等の効果があれば、任意に変えてよい。
【0107】
また、上記の実施の形態は、発光ダイオード素子11からなる画素部に適用したが、本発明はこれ以外にも駆動トランジスタ素子や周辺回路素子等にも同様に適用できる。
【0108】
又、上記の実施の形態は、発光ダイオード素子に関するものであるが、他の光電変換素子等の半導体素子にも適用することができ、例示するならば、半導体レーザ素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子等、及びこれらを有する発光表示装置等の半導体装置に適用することができる。
【0109】
【発明の作用効果】
本発明は、上述したように、前記下地層上に積層した前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成し、この開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成し、この素子構成層の周囲において前記マスク層をその下部のアブレーションによって選択的に除去し、この除去領域に前記下地層を露出させているので、不要物をこの下部のアブレーションによって除去すると同時にその上の不要物を効果的に除去できる。しかも、これをアブレーションによって行えるために、ウェットエッチング等による場合と比べて前記素子構成層にダメージを与えることがなく、また電極形成及び素子分離を短時間で容易にかつ確実に行え、依頼性及び品質に優れた半導体素子及びその装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態において、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図2】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図3】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図4】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図5】同、発光ダイオード素子を用いた発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図6】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図7】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図8】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図9】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図10】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図11】同、他の発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図12】同、他の発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図13】同、更に他の発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図14】同、他の発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図15】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図16】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図17】従来例による発光ダイオード素子の断面図及び平面図である。
【図18】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図19】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図20】同、発光ダイオード素子を作製する工程における問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1、51…基板、2…下地成長層、3、53…マスク層、
4…被アブレーション層、5、55…ポリGaN、7…第1の一時保持用部材、
8…第1の剥離層、9…樹脂層、10…軟質部、
11、61…発光ダイオード素子、11a…先端部、
11R…赤色発光ダイオード素子、11G…緑色発光ダイオード素子、
11B…青色発光ダイオード素子、12、62…GaN:Si層、
13、63…InGaN層、14、64…GaN:Mg層、
15、65…p電極、16、66…n電極、19…加圧手段、
20…第2の剥離層、21…第2の一時保持用部材、
22、22’…ビアホール、23、40…素子分離溝、
24、25…電極パッド、26…樹脂チップ、28…吸着孔、29…吸着装置、
30…金属板、31…ビーム、32…第2の基板(実装基板)、
33…黒クロム層、34…電極層、35…接着剤層、36…絶縁層、
37…配線、38…開口部、41…マスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換素子及びこれを構成要素とする光電変換装置等の半導体素子及び半導体装置、並びにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気回路装置の製造方法としては、ウエーハからダイシングして回路素子(例えば半導体チップ)を分離し、分離した回路素子をダイシングシートからチップトレイに移送し、更には、チップトレイから回路素子を真空吸着でピックアップして、基板にマウント若しくは接続した後に配線するという方法が知られている。
【0003】
この方法は、例えば、半導体パッケージの製造工程等において一般的に行われている。
【0004】
ここで、従来の、光電変換素子である回路素子及びこれを構成要素とする光電変換装置、並びにこれらの製造方法等は下記に例示するようなものである。
【0005】
上述のような回路素子である光電変換素子は、例えば、先細り形状とされた先端部を有する回路素子であって、図17に示すような構造を有する発光素子を挙げることができる。図17の(a)が発光素子の断面図であり、図17の(b)がその平面図である。
【0006】
この光電変換素子の一種である発光素子はGaN系の発光ダイオード素子であり、例えば、サファイア基板(図示せず)上に結晶成長される発光素子である。このようなGaN系の発光ダイオード素子は、基板を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションを生じさせ、GaNの分解に伴なってサファイア基板とGaN系の結晶成長層との間の界面で膜剥れが生じ、素子の分離が容易になるという特徴を有している。
【0007】
この構造によれば、GaN系半導体層からなる下地成長層52上に、シリコンドープの六角錐形状のn型のGaN:Si層62が形成されている。下地成長層52上にはマスク53が存在し、六角錐形状のGaN:Si層62は、このマスク53を開口した部分にMOCVD(有機金属気相成長)法等によって形成される。最終的に、GaN:Si層62等の下部以外のマスク層53は選択的に除去される。
【0008】
GaN:Si層62は、成長時に使用されるサファイア基板の主面をC面とした場合に、S面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域である。そして、このGaN:Si層62の傾斜したS面の部分はダブルへテロ構造のクラッドとして機能する。
【0009】
次に、GaN:Si層62の傾斜したS面を覆うように、活性層であるInGaN層63が形成されており、その外側に、マグネシウムドープのp型のGaN:Mg層64が形成される。なお、このマグネシウムドープのGaN:Mg層64もクラッドとして機能する。
【0010】
更に、このような発光ダイオード素子61には、p電極65とn電極66とが形成されている。p電極65は、マグネシウムドープのGaN:Mg層64上に形成されるが、Ni/Pt/Au又はNi(Pd)/Pt/Au等の金属材料を蒸着して形成される。
【0011】
又、n電極66は、GaN:Si層62等の下部以外の所定の露出部分に、Ti/Al/Pt/Au等の金属材料材料蒸着して形成される。なお、下地成長層52の裏面側からn電極66用の取り出しを行う場合には、n電極66は下地成長層52の表面側に形成する必要はない。
【0012】
このような構造のGaN系の発光ダイオード素子61は、青色発光も可能な素子であって、特に、レーザアブレーションによって比較的簡単にサファイア基板(図示せず)から剥離することができ、レーザビームを選択的に照射することによって選択的な剥離を実現する。
【0013】
なお、このGaN系の発光ダイオード素子61としては、平板状や帯状に活性層が形成される構造であってもよく、上端部にC面が形成された角錐構造のものであってもよい。又、他の窒化物系や化合物半導体等であってもよい。
【0014】
また、この半導体発光ダイオード素子61は、例えば、p型半導体とn型半導体との接合面に順方向に電流を注入した時にキャリアである電子と正孔とが再結合して発光するものであればよく、半導体発光ダイオード素子61の構成材料は特に限定されない。このような発光性半導体材料としては、例えば、上述のような青色発光用の窒化ガリウム(GaN)以外に、緑色発光用のリン化ガリウム(GaP)、赤色発光用のヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)等のガリウム系の化合物半導体、セレン化亜鉛(ZnSe)、シリコンカーバイド(SiC)等、公知の半導体であってよい。
【0015】
このような各種の半導体発光ダイオード素子61の材料となる化合物半導体は、有機金属化合物気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)等によって作製可能であるが、ハイドリングが可能である限り、なるべく微小な寸法形状とすることが望ましい。
【0016】
こうした微小な半導体発光ダイオード素子61は、化合物半導体のウエーハからチップ状に切り出すよりも、上述のように、サファイア基板上で化合物半導体を選択的に結晶成長させることによって比較的容易に得られる。この選択的な結晶成長によって、下端面の一辺の寸法が100〜200μm程度又はそれ以下、例えば10〜50μm程度のサイズの半導体発光ダイオード素子61を得ることができる。必要によっては、結晶成長させた後に、立体形状を調整するための加工処理を施してもよい。
【0017】
そして、この微小な半導体発光ダイオード素子61のp型半導体には例えばNi/Auを蒸着してp電極65を形成し、またn型半導体には必要に応じて例えばTi/Auを蒸着してn電極66を形成する。これらの電極65及び66を形成した微小な半導体発光ダイオード素子61は、そのまま基体面に配置して固定してもよいが、半導体発光ダイオード素子61を特に微小な形状とし、上述したようにその周囲を絶縁層で覆うことにより、見掛け上のサイズを大にしてハンドリングを容易化することができる。
【0018】
また、透明な基体面に配置して固定する半導体発光ダイオード素子61は、その形状によって、基体面側、即ち半導体発光ダイオード素子61の下端面側への発光光の輝度を向上させることが可能である。半導体発光ダイオード素子61の発光領域(活性層)からの発光のうち、発光領域から上方へ向かう光は上端部の電極面等を反射面として下端面側へ向かう光とし得るが、下端面に垂直な側面へ向かう光は側面で反射させても下端面へ向かう光とはなりにくいので、半導体発光素子は下端面となす角度が45±20度の範囲内にある傾斜面を有することが望ましい。このような傾斜面に反射面を設けることにより、側方へ向かう発光成分を反射させて効果的に下端面側へ向かう光とすることができる。
【0019】
この傾斜面は、片側斜面、両側斜面、方形斜面であってもよい。更には、半導体発光素子が角錐形状又は角錐台形状を有することが望ましい。角錐、角錐台及び多角錐台にあっては、上面も反射面とすることにより、半導体発光素子の発光を一層効果的に下端面側へ向けることができる。ここで言う角錐又は角錐台には、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐から、円錐に近似した多角錐等の各種の角錐と、それらに対応する角錐台が含まれる。
【0020】
次に、上述した発光ダイオード素子61を製造するには、例えば、まず図18(a)に示すように、サファイア基板51の(0001)面に温度500℃でA1又はGaN等のバッファ層(図示せず)、続いて1000℃でシリコンをドーピングしたn型の下地成長層(窒化ガリウムGaN:Si層)52を成長させる。
【0021】
次いで図18(b)に示すように、下地成長層52上にSiO2又はSiNマスク層53を形成し、このマスク層の所定の位置にエッチングで形成した開口部88に、図18(c)に示すように、1000℃でシリコンをドーピングしたn型の窒化ガリウムを結晶成長させることにより、六角錐形状のn型半導体のGaN:Si層62を形成する。
【0022】
次いで図18(d)に示すように、この六角錐の(1−101)面及びこれに等価な傾斜面上に、成長温度を下げて活性層であるInGaN層63を形成し、更にこの上にマグネシウムをドーピングしたp型の窒化ガリウムGaN:Mg層64を成長させた後、図19(e)に示すように、その表層部のp型GaN:Mg層64にNi/Auを蒸着して発光の反射面ともなるp電極65を形成する。
【0023】
更に、下地成長層(GaN:Si層)52の上面のマスク層53にエッチングで開口部を開け、Ti/Auを蒸着してn電極66を形成する。
【0024】
次いで図19(f)に示すように、図17(a)に示した断面形状に下地成長層52をRIE(Reactive Ion Etching)によりスクライビングして素子分離溝73gを形成し、各発光ダイオード素子61に分離する。これらの素子は、後述するように基板51から剥離し、更に絶縁層中に埋め込み、剥離転写工程を経て実装基板にマウントされる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図18(c)、更には(d)に示した工程、特に図18(c)に示した工程において、開口部88の上部に断面ほぼ三角形状のGaN:Si層62等のGaN系結晶層が形成される際、図20(a)に拡大して示すように、隣接するGaN層62間のマスク層53上にはGaN系結晶層の原料に由来するポリGaN55が堆積し易いことが判明した。
【0026】
このポリGaN55は、そのまま残存することになると、図20(b)の工程において図19(e)、(f)に示したエッチング及び電極の形成、更には素子分離に支障をきたす。
【0027】
即ち、ポリGaN55はエッチングが困難な材質であるため、通常用いられるエッチング方法では、下地成長層52上から容易に除去できず、マスク層53に電極被着用の開口部を形成したり、素子分離溝73gを形成することが困難となる。仮に、このポリGaNが存在しない領域をエッチングし、その下のマスク層53がエッチングされたとしても、形成された開口部は非常に狭くて不均一となるために、電極の接続不良や電気抵抗の上昇が生じてしまう。しかも、ポリGaN55が付着したまま発光ダイオード素子や発光装置等を作製すると、ポリGaN55上に樹脂等の種々の材料を積層するときに、その被覆性又は被着性も不良となり易い。
【0028】
そこで、ポリGaN55を除去する方法として、特開2001−148349に示されているように、マスク層53を例えばフッ酸を用いたウェットエッチングにより除去すると同時にその上の不要な多結晶GaN(ポリGaN)をリフトオフ(剥離)する方法が考えられる。しかしながら、マスク層53上のポリGaN55はリフトオフできるとしても、エッチング液の浸透に時間がかかり、エッチング時間が長くなる上に、エッチング液がGaN層62下のマスク層53も溶解させるために、必要なGaN層までも剥離したり、或いは剥離には至らなくてもGaN層にダメージが生じる。
【0029】
そこで、本発明の目的は、素子作製時に生成するポリGaN等の不要物を効果的に除去して、電極形成及び素子分離を素子構成層に対するダメージなしに短時間で容易かつ確実に行い、高い信頼性及び品質の素子構成層を形成可能な光電変換素子及び光電変換装置等の半導体素子及び半導体装置、並びにこれらの製造方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、基体上に下地層を形成する工程と、前記下地層上にマスク層を積層する工程と、前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成する工程と、前記素子構成層の周囲において前記マスク層上の不要物をこの下部のアブレーションによって選択的に除去する工程と、この除去領域に前記下地層を露出させる工程とを有する、半導体素子の製造方法に係るものである。
【0031】
本発明は又、この半導体素子の製造方法において更に、前記素子構成層及び前記下地層に電極を形成する工程と、前記下地層の前記露出させた領域にて前記下地層を選択的に除去して半導体素子に加工する工程と、前記半導体素子を前記基体から分離する工程と、この分離された半導体素子を絶縁層に埋設する工程と、この絶縁層に前記半導体素子に接続された電極端子を形成する工程と、この電極端子を含む素子ユニットを作製する工程と、この素子ユニットを駆動回路基板に接続固定する工程とを付加した、半導体装置の製造方法に係るものである。
【0032】
本発明は又、下地層上に被アブレーション層とマスク層とが積層して設けられ、前記マスク層及び前記被アブレーション層に形成された開口部において前記下地層に連設して素子構成層が形成され、前記素子構成層の周囲において前記被アブレーション層と共に前記マスク層が選択的に除去され、この除去領域に前記下地層が面している半導体素子に係るものである。
【0033】
本発明は又、この半導体素子において更に、前記素子構成層及び前記下地層に電極が形成され、前記下地層が面した前記領域にて前記下地層の一部が除去されて、半導体素子に加工され、この半導体素子が絶縁層に埋設され、この絶縁層に前記半導体素子に接続された電極端子が形成され、この電極端子を含む素子ユニットが構成され、この素子ユニットが駆動回路基板に接続固定されている半導体装置に係るものである。
【0034】
本発明によれば、前記下地層上に積層した前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成し、この開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成し、この素子構成層の周囲において前記マスク層上の不要物をこの下部のアブレーションによって選択的に除去し、この除去領域に前記下地層を露出させているので、ポリGaN等の不要物をこの下部のアブレーションによって(具体的には、被アブレーション層のアブレーションによる蒸発で)除去すると同時にその上のポリGaN等の不要物を効果的に除去できる。しかも、これをアブレーションによって行えるために、ウェットエッチング等による場合と比べて前記素子構成層にダメージを与えることがなく、また電極形成及び素子分離を短時間で容易にかつ確実に行え、依頼性及び品質に優れた半導体素子及びその装置を得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明においては、前記素子構成層間の分離及び電極の形成のためには、少なくとも前記アブレーションを行うべき領域において前記マスク層下に被アブレーション層を形成し、この被アブレーション層を前記アブレーションによって除去すると同時に、互いに隣接する前記素子構成層間において前記マスク層上に付着する前記半導体素子構成材料の原料に由来するポリGaN等の不要物を前記マスク層と共に除去することが望ましい。仮に、前記被アブレーションを設けずに、前記マスク層を直接アブレーションすると、このアブレーション条件の設定が容易ではなく、また使用するレーザーが高価なものとなる。これに反し、本発明では特に、マスク層に加えて被アブレーション層を設けると、アブレーション条件のマージンが広くなり、安価なレーザーでも使用可能となる。
【0036】
また、アブレーションされるべき領域を限定し、素子構成層のダメージをなくすためには、前記被アブレーション層をレーザアブレーションによって限定した領域で行うのが望ましい。
【0037】
この場合、前記基体から前記下地層がアブレーションによって剥離しないように、前記被アブレーション層をレーザ光吸収材料(例えばチタン)によって形成し、前記下地層及び前記基体をレーザ光非吸収材料によって形成するのが望ましい。
【0038】
特に、レーザアブレーションを効果的に行うために、前記被アブレーション層をチタン等の金属によって形成するのが望ましい。この種の金属は、後述する基体からの下地層の剥離に必要なレーザ光波長よりも長い波長のレーザ光を吸収し易い材質である。
【0039】
また、発光ダイオード素子等の作製のために、前記素子構成層及び前記下地層に電極を形成する工程と、前記下地層の前記露出させた領域にて前記下地層の一部を選択的に除去して、光電変換素子等の半導体素子に加工する工程と、前記半導体素子を前記基体から分離する工程とを、前記半導体素子構成層の周囲での前記アブレーション後に、更に行うのが望ましい。
【0040】
また、素子分離を効果的に行うには、少なくとも前記アブレーションを行うべき領域以外において前記基体上に第2の被アブレーション層及び第2のマスク層を積層し、この第2のマスク層の開口部を介して前記下地層を成長させ、しかる後に前記の各工程を経て前記不要物の除去及び前記半導体素子の加工を行った後、前記第2の被アブレーション層のアブレーションによって前記半導体素子を前記基体から分離するのが望ましい。
【0041】
この場合、前記第2の被アブレーション層のアブレーションをレーザアブレーションによって行い、このためには、前記第2の被アブレーション層をレーザ光吸収材料(例えばチタン)によって形成し、前記基体をレーザ光非吸収材料によって形成するのがよい。
【0042】
また、前記開口部を介して第1導電型のGaN:Si等の前記下地層上に、GaN:Si等の第1導電型層とInGaN等の活性層とGaN:Mg等の第2導電型層とを順次積層成長させて、前記素子構成層としてのGaN系等の結晶層を形成するのが望ましい。
【0043】
この場合、前記結晶層を窒化物半導体等のエピタキシャル成長によって形成するのが望ましい。
【0044】
また、窒化ガリウム系半導体等からなる半導体光電変換素子を前記絶縁層としての樹脂中に埋設した後、この樹脂に前記電極端子としての電極パッドを形成し、更にスクライビングして発光素子ユニットに加工することができる。
【0045】
これは、画像表示装置又は光源装置用としての発光素子又は発光装置を製造するのに好適である。
【0046】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0047】
図1〜図4は、本実施の形態による発光ダイオード素子11の製造工程を示すものであるが、図18(a)〜図19(f)に示した工程と根本的に異なる点は、マスク層3と下地成長層2との間にチタン(Ti)からなる被アブレーション層4を形成していることである。
【0048】
即ち、まず、図1(a)に示すように、サファイア基板1の表面にシリコンドープのn型GaN:Siからなる下地成長層2を気相からエピタキシャル成長させ、その上にチタン(Ti)からなる被アブレーション層4をスパッタリング法等により厚さ5〜50nmに形成する。そして、この被アブレーション層4上にSiNx、例えばSi3N4からなるマスク層3を気相成長法等により厚さ10〜500nmに積層する。ここで、Ti被アブレーション層4及びマスク層3の厚さ、材質、形成方法等の条件は、同等の効果があれば、任意に変更してもよい
【0049】
次に、図1(b)に示すように、マスク層3と被アブレーション層4との積層膜の所定箇所をドライエッチング法等により除去して、GaN気相成長用の開口部38を形成し、ここに下地成長層2を露出させる。
【0050】
次に、図2(c)に示すように、開口部38を介して下地成長層2上からマスク3層上の開口部周辺部にかけて、図17に示した如きほぼ六角錐形状のシリコンドープのn型GaN:Si層12、InGaN層13及びマグネシウムドープのp型GaN:Mg層14を順次結晶成長させるが、その時にこの結晶成長層以外の領域に露出しているマスク層3上には、既述したと同様にGaN系結晶成長層の原料に由来するポリGaN5が同時に堆積する。
【0051】
次に、図2(d)に示すように、マスク41を用いて基板1の側から、ポリGaN5の堆積領域に限定して被アブレーション層4に対しレーザ光を照射する。このレーザ光は、基板1及び下地成長層2を透過し、被アブレーション層4を形成するチタンに効率良く吸収され、これによって、被アブレーション層4をアブレーションして蒸発させ、図示の如くに、GaN系結晶層以外の領域(又はその周囲)においてマスク層3と共にこの上に付着したポリGaN5を選択的に下地成長層2から剥離する。
【0052】
ここで、使用されるレーザ光は、基板1及び下地成長層4を透過して被アブレーション層4に効率良く吸収される波長を有している必要があり、その値は比較的長波長であって通常は400nm以上、例えば532nmに設定する。
【0053】
そして、基板1の側に配されたマスク41によって、照射されるレーザ光の照射領域が互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間の限定されているために、GaN系結晶成長層の下部に埋設された状態の被アブレーション層4にはレーザ光が照射されることはなく、その部分がアブレーションされることはないので、GaN:Si層12等は何らのダメージや剥離も生じず、その形状を保持し、高品質の物性を保持することができる。
【0054】
こうして、互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間においてマスク層3と共に不要なポリGaN5を被アブレーション層4のアブレーションで除去し、この除去領域に下地成長層2を露出させ、後述の発光ダイオード素子11の作製に必要な電極形成や下地成長層2のスクライビング等を行い易くしておく。
【0055】
次に、図3(e)に示すように、GaN:Mg層14上にp電極15を形成し、また、ポリGaN5が除去された下地成長層2上にn電極16を形成する。
【0056】
次に、図3(f)に示すように、図17(a)に示した断面形状とほぼ同様に、RIE(Reactive Ion Etching)により下地成長層2をスクライビングして素子分離溝40を形成し、個々の発光ダイオード素子11に加工する。
【0057】
しかる後に、図4(g)に示すように、基板1の側からレーザ光を照射することによって、基板1との界面で下地成長層2をアブレーションし、図4(h)に示すように、基板1上から所定の発光ダイオード素子11を選択的に剥離する。この剥離された発光ダイオード素子11は、後述の転写工程に移され、最終的には実装基板にマウントされる。
【0058】
このアブレーションに使用されるレーザ光は、基板1を透過して基板1と下地成長層2との界面で吸収され易い波長を有していることが必要であり、その値は通常400nm以下、例えば248nmと比較的短波長に設定する。
【0059】
以上に述べたように、本実施の形態によれば、下地成長層2上にTi被アブレーション層4及びマスク層3をこの順で積層した後、マスク層3及び被アブレーション層4に下地成長層2を露出させるための開口部38を形成し、この開口部38を介してGaN:Si層12、InGaN層13及びGaN:Mg層14を順次結晶成長させ、この結晶成長層の周囲において被アブレーション層4をレーザ光によるアブレーションで選択的に除去することにより、この除去領域に下地成長層2を露出させているので、被アブレーション層4の蒸発除去と同時にその上のマスク層3及びポリGaN5を効果的に除去できる。しかも、これをアブレーションによって行えるために、ウェットエッチング等による場合と比べて結晶成長層にダメージを与えることがない。また、ポリGaN5を除去できることから、電極形成及び素子分離(図3の工程)を容易にかつ確実に行え、信頼性及び品質に優れた光電変換素子を得ることができる。
【0060】
特に、図2の工程において、マスク41を用いて基板1側からレーザ光を選択的に照射することによって、互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間の被アブレーション層4のみをアブレーションし、結晶成長層下の被アブレーション層4はアブレーションされることはないので、結晶成長層がダメージを受けて損われることはなく、下地成長層2との密着性も良好に保持される。そして、ポリGaN5の剥離をレーザアブレーションによって行うために、この点でも結晶成長層にダメージを与えることなしに短時間で工程を実施することができる。
【0061】
仮に、被アブレーション層4を設けずに、マスク層3を直接アブレーションすると、このアブレーション条件の設定が容易ではなく、また使用するレーザーが高価なものとなる。これに反し、本実施の形態では特に、マスク層3に加えて被アブレーション層4を設けているので、アブレーション条件のマージンが広くなり、安価なレーザーでも使用可能となる。
【0062】
次に、図5〜図10を参照しながら、図4(h)の工程で得られた発光ダイオード素子11を用いた発光装置の製造方法について説明する(但し、発光ダイオード素子11は以下の図において簡略図示する)。
【0063】
まず、図5(a)に示すように、第1の一時保持用部材7の上面に、第1の剥離層8と樹脂層9とを積層して密着形成する。
【0064】
一時保持用部材7の材質としては、高分子シート等を挙げることができ、剥離層8の材質としては、フッ素コート、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えば、ポリビニルアルコール:PVA)又はポリイミド等を用いることができる。また、樹脂層8は、紫外線(UV)硬化型樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれかによって形成する。一例として、一時保持用部材7として高分子シート等を用い、剥離層8としてポリイミド膜を形成後、樹脂層9としてUV硬化型樹脂を塗布することができる。
【0065】
そして、図5(a)の状態で、樹脂層9上において発光ダイオード素子11を埋設(転写)する部分以外にレーザ光を照射することによって硬化させ、レーザ光を照射しない部分は、後の工程で発光ダイオード素子11を転写可能な軟質部10とする。
【0066】
次に、図5(b)に示すように、図3(e)に示したようにサファイア等の第1の基板1の主面上に、上記した結晶成長及び必要な処理によって複数の発光ダイオード素子11を例えばがマトリクス状に配列した状態で、発光ダイオード素子11側を一時保持用部材7に対峙させて、樹脂層9に発光ダイオード素子11を選択的に転写する。
【0067】
この転写に際しては、図5(b)に示すように、転写すべき所定の発光ダイオード素子11に対して図4(g)に示したと同様にエキシマレーザや高調波YAGレーザー等のレーザ光を基板1の裏面から照射し、発光ダイオード素子11を基板1からレーザアブレーションにより剥離する。この場合、基板1と下地成長層2との界面でレーザアブレーションによってGaNが金属のGaと窒素とに分解して蒸発することから、比較的簡単に剥離可能である。
【0068】
このレーザアブレーションを利用した剥離作用によって、所定の発光ダイオード素子11を基板1から分離し、図5(c)に示すように、一時保持用部材7側の樹脂層9の軟質部10にp電極の先端部11aを突き刺すようにして転写する。
【0069】
なお、転写されない発光ダイオード素子11については、図5(a)の工程において、樹脂層9がレーザ光照射によって既に硬化しておりかつ図5(b)の工程においてアブレーション用のレーザ光照射が行われないため、樹脂層9に接触はするが樹脂層9に転写されることはなく、基板1上に付着したままとなる。
【0070】
そして、転写後の状態では、図5(c)に示すように、転写された複数の発光ダイオード素子11間の間隔は、基板1上に配列されていた時よりも離間(ピッチ変更)して一時保持用部材7上に配列されたものとなる。
【0071】
次に、図6(d)に示すように、樹脂層9の軟質部10上にp電極を一部突き刺すようにして保持された発光ダイオード素子11を、加圧手段19によって加圧し、樹脂層9の軟質部10に更に押し付ける。
【0072】
こうして、発光ダイオード素子11は、図6(e)に示すように、一時保持用部材7の樹脂層9にほぼ埋設保持された状態になる。そして、この発光ダイオード素子11の裏面は十分に洗浄される。
【0073】
次に、図6(f)示すように、上下反転させ、更に図7(g)に示すように、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂層9の裏面側に第2の剥離層20を介して第2の一時保持用部材21を密着させる。
【0074】
次に、図7(h)に示すように、発光ダイオード素子11が埋設された樹脂層9から一時保持用部材7を、剥離層8へのレーザ光照射によるアブレーションで剥離する。
【0075】
次に、図7(i)に示すように、レーザ光照射でアノード電極(p電極)側及びカソード電極(n電極)側にビアホール22をそれぞれ形成し、かつ樹脂層9及び剥離層20の一部を機械的手段又はレーザ光照射によりダイシングして素子分離溝23を形成し、個々の樹脂チップ26に加工する。
【0076】
ここで、一時保持用部材21は、一例として、プラスチック基板にUV粘着材が塗布してあるダイシングシートであり、紫外線(UV)が照射されると粘着力が低下する材質のものを利用できる。
【0077】
次に、図8(j)に示すように、アノード側の電極パッド24及びカソード側の電極パッド25を樹脂チップ26上の所定の位置に形成する。
【0078】
次に、図8(k)に示すように、吸着装置29を用いて、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26を一時保持用部材21から剥離する。
【0079】
この時、一時保持用部材21上には、例えば、フッ素コート、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えば、PVA)又はポリイミド等からなる剥離層20が形成されているが、このような剥離層20を形成した一時保持用部材21の裏面から、例えばYAG第3高調波レーザ光を照射する。これにより、例えば、剥離層20をポリイミドで形成した場合では、ポリイミドの層と一時保持用部材21との界面でポリイミドのアブレーションにより剥離が発生して、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26は、一時保持用部材21から吸着装置29のような機械的手段により容易に剥離可能となる。
【0080】
吸着装置29の吸着孔28は、画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口していて(図ではその1つについて示す。)、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26を多数個、一括して吸着できるようになっている。また、吸着装置29の吸着孔28を形成する金属板30としては、例えば、Ni電鋳により作製したもの、又はステンレス(SUS)等の金属板をエッチングで穴加工したもの等が使用される。そして、金属板30の吸着孔28の奥には吸着チャンバ27が形成され、この吸着チャンバ27を負圧に制御することにより、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26の吸着が可能になる。発光ダイオード素子11は、この段階では樹脂9で覆われており、その上面はほぼ平坦化されているので、吸着装置29による選択的な吸着を容易に進めることができる。
【0081】
次に、図9(l)に示すように、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26を吸着装置29で吸着したまま第2の基板(実装基板)32上に移動させ、固定(ボンディング)してマウントする。
【0082】
この際、基板32上には予め接着剤層35が塗布されているために、発光ダイオード素子11の下面の接着剤層35を選択的に硬化させることによって、樹脂チップ26を基板32上に容易に固定して配列させることができる。この固定後には、吸着装置29の吸着チャンバ27が圧力の高い状態となり、吸着装置29と樹脂チップ26との吸着状態は解放される。
【0083】
この時、接着剤層35の樹脂を硬化させるエネルギーを与えるビーム31は基板32の裏面から照射する。例えば、UV硬化型接着剤を使用する場合には、UV光照射装置によって、又、熱硬化性接着剤を使用する場合にはレーザ光照射によって、発光ダイオード素子11を埋設した樹脂チップ26の下面のみを硬化させる。又、熱可塑性接着剤を使用する場合は、レーザ光照射にて接着剤35を溶融させて接着を行う。
【0084】
基板32は、配線基板として、シャドウマスクとしても機能する電極層34を配設し、特に電極層34の画面側(基板32側)の面に黒クロム層33を形成する。これによって、画像のコントラストが向上し、更に黒クロム層33でのエネルギー吸収率を高くして、選択的に照射されるビーム31によって接着剤層35を早く硬化させることができる。
【0085】
図9(m)は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のそれぞれの発光ダイオード素子11R、11G、11Bを図9(l)のようにして基板32上に配列固定し、更に全面を絶縁層36で被覆した状態を示す。
【0086】
ここで、上記の吸着装置29を使用して、基板32の対応する位置に各発光ダイオード素子をマウントすると、画素としてのピッチを保持したまま3色からなる画素を形成できる。なお、絶縁層36の材質としては、透明エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤又はポリイミド等を用いることができる。
【0087】
なお、図9(m)では、赤色の発光ダイオード素子11Rは六角錐形状ではないプレーナタイプのGaN系の素子構造とされ、他の発光ダイオード素子11G及び11Bは上記した六角錐形状のGaN系の素子構造を有している。これらの素子は形状及び構造が異なってはいるが、図9(m)の段階では、各発光ダイオード素子11R、11G、11Bは樹脂チップ26として樹脂9で覆われているので、同一の取り扱い(ハンドリング)が可能である。
【0088】
次に、図10(n)に示すように、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子11R、11G、11Bのそれぞれの電極パッド24及び25や、基板32上の電極層34等に対応して、これらを電気的に接続するための開口部であるビアホール22’をそれぞれレーザ光照射によって形成し、更に図10(o)に示すように、常法に従ってフォトリソグラフィー技術により配線37を形成する。
【0089】
なお、この時に形成するビアホール22’は、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子11R、11G、11Bのそれぞれの電極パッド24及び25の面積を大きくしているために、各電極パッドに対応したビアホール22’のサイズを大きくでき、かつ、ビアホール22’の位置精度も、各発光ダイオード素子11に直接形成するビアホール22(図7(i)参照)に比べて低い精度でも形成できる。
【0090】
こうして、配線37を形成した後は、保護層(図示せず)を配線上に形成し、画像表示装置のパネルを完成する。この保護層は、絶縁層36と同様に、透明エポキシ接着剤等の材料を使用でき、加熱硬化して配線を完全に覆う。
【0091】
なお、図11に示すように、上記したn電極16を下地成長層2に設けず、その裏面にn電極パッド25を直接設ける構造としてもよい(但し、n電極16を設け、これに電極パッド25を接続しても差支えない)。これによって、面積の限られた下地成長層2の上部に設ける場合(図10(o)参照)に比べて設置面積が広がり、電極パッド25の取り付け可能な範囲が広くなって位置選択の自由度が増すと共に、下地成長層2自体も比較的小さなサイズにすることができる。
【0092】
また、図12(a)に示すように、GaN:Si層12等の結晶層を成長させる部分にはマスク層3のみを形成し、結晶層間はマスク層3下に被アブレーション層4を形成した構造としてもよい。この場合は、図12(b)に示すレーザアブレーションは、結晶層間の被アブレーション層4に対してのみより確実に行え、結晶層への悪影響を更に軽減若しくは皆無とすることができる。また、レーザ光の照射位置が仮に結晶層側にずれてもここではレーザ光吸収性のないマスク層3が存在するだけであるので、レーザ光照射を行い易くなり、場合によってはマスク41を省略することもできる。
【0093】
或いは、マスク層3自体を被アブレーション層とし、レーザ光の吸収によりマスク層3を選択的に蒸発させることにより、結晶層間のポリGaN5をマスク層3と共に選択的に除去することも可能である。この場合は、上記した被アブレーション層4自体を省略することができる。
【0094】
或いはまた、図13(a)に示すように、GaN:Si層12等の結晶層を成長させる部分以外にはマスク層3上に被アブレーション層4を形成した構造としてもよい。この場合は、図13(b)に示すレーザアブレーションは、結晶層間の被アブレーション層4に対してのみより確実に行え、図12の場合と同様に、結晶層への悪影響を更に軽減若しくは皆無とすることができ、またレーザ光照射を行い易くなり、場合によってはマスク41を省略することもできる。
【0095】
更には、図2(c)の場合とは逆に、被アブレーション層4を上層とし、この下にマスク層3を形成しても、同等の結果が得られることがある。
【0096】
図14〜図16は、図1〜図13、例えば図1〜図10に示した例において、素子分離用にレーザアブレーションを効果的に適用した他の例を示す。但し、上述の例と共通する部分には共通の符号を付して、その説明を省略することがある。
【0097】
まず、図14(a)に示すように、サファイア基板1の表面に下地のチタン(Ti)からなる被アブレーション層4’をスパッタリング法等により、またSiO2等の下地のマスク層3’を気相成長法等により順次形成し、これらを素子パターンにエッチングし、素子を形成しない領域を除去して開口部38’を形成する。
【0098】
次に、図14(b)に示すように、図1(a)と同様に、マスク層3’を含む基板1上にシリコンドープのn型GaN:Siからなる下地成長層2を気相からラテラル方向にもエピタキシャル成長させ、図14(c)に示すように、図1(b)と同様に、チタン(Ti)からなる被アブレーション層4をスパッタリング法等により、SiNx、例えばSi3N4からなるマスク層3を気相成長法等により積層し、マスク層3と被アブレーション層4との積層膜の所定箇所をドライエッチング法等により除去して、GaN気相成長用の開口部38を形成し、ここに下地成長層2を露出させる。
【0099】
次に、図15(d)に示すように、図2(c)と同様に、開口部38を介して下地成長層2上からマスク3層上の開口部周辺部にかけて、図17に示した如きほぼ六角錐形状のシリコンドープのn型GaN:Si層12、InGaN層13及びマグネシウムドープのp型GaN:Mg層14を順次結晶成長させるが、その時にこの結晶成長層以外の領域に露出しているマスク層3上には、既述したと同様にGaN系結晶成長層の原料に由来するポリGaN5が同時に堆積する。
【0100】
次に、図15(e)に示すように、マスク41を用いて基板1の側から、ポリGaN5の堆積領域に限定して被アブレーション層4に対し図2(d)と同様にレーザ光を照射する。このレーザ光は、基板1及び下地成長層2を透過し、被アブレーション層4を形成するチタンに効率良く吸収され、これによって、被アブレーション層4をアブレーションして蒸発させ、図示の如くに、GaN系結晶層以外の領域(又はその周囲)においてマスク層3と共にこの上に付着したポリGaN5を選択的に下地成長層2から剥離する。
【0101】
こうして、互いに隣接するGaN:Si層12等の結晶成長層間においてマスク層3と共に不要なポリGaN5を被アブレーション層4のアブレーションで除去し、この除去領域に下地成長層2を露出させる。
【0102】
次に、図16(f)に示すように、GaN:Mg層14上にp電極15を形成した後、下地成長層2を素子パターンにエッチングし、各素子に分離する。
【0103】
次に、図16(g)に示すように、基板1の側からレーザ光を照射することによって、基板1との界面で下地アブレーション層4’をアブレーションし、基板1上から所定の発光ダイオード素子11を選択的に剥離する。この剥離された発光ダイオード素子11は、裏面のマスク層3’をエッチングで除去し、n電極の形成を含む上述の転写工程に移され、最終的には実装基板にマウントされる。このアブレーションに使用されるレーザ光は、図15(e)のレーザ光と同様であって、基板1を透過して被アブレーション層4’で吸収され易い波長を有していることが必要である。
【0104】
このようにして、下地成長層2下にTi被アブレーション層4’及びマスク層3’をこの順で積層し、素子分離後にアブレーションして素子を基板1から効果的に剥離することができる。そして、この素子剥離前には、上部の被アブレーション層4のアブレーションによって被アブレーション層4の蒸発除去と同時にその上のマスク層3及びポリGaN5を効果的に除去できることは勿論であり、上述した例と同様の作用効果を得ることができる。この場合、上述した例も同様であるが、下地マスク層3’上に下地成長層2をラテラル成長させ、マスク層3’上の下地成長層2を素子分離後にそのままn型層として用いていることが重要であり、特に、マスク層上のラテラル成長を利用した微小発光ダイオード素子の作製に有効である。
【0105】
以上に述べた実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0106】
例えば、被アブレーション層4の材質はチタン以外の材質でもよく、層厚、形成方法等は種々に変更してよい。また、各工程時におけるレーザ光又はビームの種類、照射量、照射時間及び照射位置等は、同等の効果があれば、任意に変えてよい。
【0107】
また、上記の実施の形態は、発光ダイオード素子11からなる画素部に適用したが、本発明はこれ以外にも駆動トランジスタ素子や周辺回路素子等にも同様に適用できる。
【0108】
又、上記の実施の形態は、発光ダイオード素子に関するものであるが、他の光電変換素子等の半導体素子にも適用することができ、例示するならば、半導体レーザ素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子等、及びこれらを有する発光表示装置等の半導体装置に適用することができる。
【0109】
【発明の作用効果】
本発明は、上述したように、前記下地層上に積層した前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成し、この開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成し、この素子構成層の周囲において前記マスク層をその下部のアブレーションによって選択的に除去し、この除去領域に前記下地層を露出させているので、不要物をこの下部のアブレーションによって除去すると同時にその上の不要物を効果的に除去できる。しかも、これをアブレーションによって行えるために、ウェットエッチング等による場合と比べて前記素子構成層にダメージを与えることがなく、また電極形成及び素子分離を短時間で容易にかつ確実に行え、依頼性及び品質に優れた半導体素子及びその装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態において、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図2】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図3】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図4】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図5】同、発光ダイオード素子を用いた発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図6】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図7】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図8】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図9】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図10】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図11】同、他の発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図12】同、他の発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図13】同、更に他の発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図14】同、他の発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図15】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図16】同、発光装置を作製する工程を順次示した断面図である。
【図17】従来例による発光ダイオード素子の断面図及び平面図である。
【図18】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図19】同、発光ダイオード素子を作製する工程を順次示した断面図である。
【図20】同、発光ダイオード素子を作製する工程における問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1、51…基板、2…下地成長層、3、53…マスク層、
4…被アブレーション層、5、55…ポリGaN、7…第1の一時保持用部材、
8…第1の剥離層、9…樹脂層、10…軟質部、
11、61…発光ダイオード素子、11a…先端部、
11R…赤色発光ダイオード素子、11G…緑色発光ダイオード素子、
11B…青色発光ダイオード素子、12、62…GaN:Si層、
13、63…InGaN層、14、64…GaN:Mg層、
15、65…p電極、16、66…n電極、19…加圧手段、
20…第2の剥離層、21…第2の一時保持用部材、
22、22’…ビアホール、23、40…素子分離溝、
24、25…電極パッド、26…樹脂チップ、28…吸着孔、29…吸着装置、
30…金属板、31…ビーム、32…第2の基板(実装基板)、
33…黒クロム層、34…電極層、35…接着剤層、36…絶縁層、
37…配線、38…開口部、41…マスク
Claims (24)
- 基体上に下地層を形成する工程と、
前記下地層上にマスク層を積層する工程と、
前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成する工程と、
前記開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成する工程と、
前記素子構成層の周囲において前記マスク層上の不要物をこの下部のアブレーションによって選択的に除去する工程と、
この除去領域に前記下地層を露出させる工程と
を有する、半導体素子の製造方法。 - 基体上に下地層を形成する工程と、
前記下地層上にマスク層を積層する工程と、
前記マスク層に、前記下地層を露出させる開口部を形成する工程と、
前記開口部を介して半導体素子構成材料を成長させて素子構成層を形成する工程と、
前記素子構成層の周囲において前記剥離層を前記マスク層上の不要物をこの下部のアブレーションによって選択的に除去する工程と、
この除去領域に前記下地層を露出させる工程と、
前記素子構成層及び前記下地層に電極を形成する工程と、
前記下地層の前記露出させた領域にて前記下地層を選択的に除去して、半導体素子に加工する工程と、
前記半導体素子を前記基体から分離する工程と、
この分離された半導体素子を絶縁層に埋設する工程と、
この絶縁層に前記半導体素子に接続された電極端子を形成する工程と、
この電極端子を含む素子ユニットを作製する工程と、
この素子ユニットを駆動回路基板に接続固定する工程と
を有する、半導体装置の製造方法。 - 少なくとも前記アブレーションを行うべき領域において前記マスク層下に被アブレーション層を形成し、この被アブレーション層を前記アブレーションによって除去すると同時に、互いに隣接する前記素子構成層間において前記マスク層上に付着する前記半導体素子構成材料の原料に由来する不要物を前記マスク層と共に除去する、請求項1又は2に記載した製造方法。
- 前記アブレーションをレーザアブレーションによって行う、請求項1又は2に記載した製造方法。
- 前記被アブレーション層をレーザ光吸収材料によって形成し、前記下地層及び前記基体をレーザ光非吸収材料によって形成する、請求項4に記載した製造方法。
- 前記被アブレーション層をチタンによって形成する、請求項5に記載した製造方法。
- 前記素子構成層及び前記下地層に電極を形成する工程と、
前記下地層の前記露出させた領域にて前記下地層を選択的に除去して、半導体素子に加工する工程と、
前記半導体素子を前記基体から分離する工程と
を更に有する、請求項1に記載した製造方法。 - 少なくとも前記アブレーションを行うべき領域以外において前記基体上に第2の被アブレーション層及び第2のマスク層を積層し、この第2のマスク層の開口部を介して前記下地層を成長させ、しかる後に前記の各工程を経て前記不要物の除去及び前記半導体素子の加工を行った後、前記第2の被アブレーション層のアブレーションによって前記半導体素子を前記基体から分離する、請求項3に記載した製造方法。
- 前記第2の被アブレーション層のアブレーションをレーザアブレーションによって行う、請求項8に記載した製造方法。
- 前記第2の被アブレーション層をレーザ光吸収材料によって形成し、前記基体をレーザ光非吸収材料によって形成する、請求項9に記載した製造方法。
- 前記第2の被アブレーション層をチタンによって形成する、請求項10に記載した製造方法。
- 前記開口部を介して第1導電型の前記下地層上に、第1導電型層と活性層と第2導電型層とを順次積層成長させて、前記素子構成層としての結晶層を形成する、請求項1又は2に記載した製造方法。
- 前記結晶層を窒化物半導体等のエピタキシャル成長によって形成する、請求項12に記載した製造方法。
- 窒化ガリウム系半導体等からなる半導体光電変換素子を前記絶縁層としての樹脂中に埋設した後、この樹脂に前記電極端子としての電極パッドを形成し、更にスクライビングして光電変換素子ユニットに加工する、請求項2に記載した製造方法。
- 画像表示装置又は光源装置用としての発光素子又は発光装置を製造する、請求項1又は2に記載した製造方法。
- 下地層上に被アブレーション層とマスク層とが積層して設けられ、
前記マスク層及び前記被アブレーション層に形成された開口部において前記
下地層に連設して素子構成層が形成され、
前記素子構成層の周囲において前記被アブレーション層と共に前記マスク層が選択的に除去され、
この除去領域に前記下地層が面している半導体素子。 - 下地層上に被アブレーション層とマスク層とが積層して設けられ、
前記マスク層及び前記被アブレーション層に形成された開口部において前記下地層に連設して素子構成層が形成され、
前記素子構成層の周囲において前記被アブレーションと共に前記マスク層が選択的に除去され、
この除去領域に前記下地層が面しており、
前記素子構成層及び前記下地層に電極が形成され、
前記下地層が面した前記領域にて前記下地層の一部が除去されて、半導体素子に加工され、
この半導体素子が絶縁層に埋設され、
この絶縁層に前記半導体素子に接続された電極端子が形成され、
この電極端子を含む素子ユニットが構成され、
この素子ユニットが駆動回路基板に接続固定されている
半導体装置。 - 前記被アブレーション層がレーザ光吸収材料によって形成され、前記下地層がレーザ光非吸収材料によって形成されている、請求項16又は17に記載した素子又は装置。
- 前記被アブレーション層がチタンによって形成されている、請求項18に記載した素子又は装置。
- 前記素子構成層及び前記下地層に電極が形成され、
前記下地層が面した前記領域にて前記下地層の一部が除去されて、光電変換素子が構成されている、請求項16に記載した素子。 - 前記開口部を介して第1導電型の前記下地層上に、第1導電型層と活性層と第2導電型層とが順次積層成長させられて、前記素子構成層としての結晶層が形成されている、請求項16又は17に記載した素子又は装置。
- 前記結晶層が窒化物半導体等のエピタキシャル成長によって形成されている、請求項21に記載した素子又は装置。
- 窒化ガリウム系半導体等からなる半導体光電変換素子が前記絶縁層としての樹脂中に埋設され、この樹脂に前記電極端子としての電極パッドが形成され、更にスクライビングされることによって光電変換素子ユニットが構成されている、請求項17に記載した装置。
- 画像表示装置又は光源装置用の発光素子又は発光装置である、請求項16又は17に記載した素子又は装置。
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- 2002-10-02 JP JP2002289705A patent/JP2004128187A/ja active Pending
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