JP2004127969A - 半導体集積回路装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置およびその製造方法 Download PDF

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大浦 雄大
Koji Shigematsu
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Abstract

【課題】半導体集積回路装置のヒューズの半断線(未切断)を検出し、装置の良・不良を判定する。
【解決手段】半導体基板のチップ領域内の周辺回路領域に、ヒューズ形成領域を設け、ヒューズおよびTEGヒューズFtとなる第2層配線M2を形成し、複数のTEGヒューズFtを第3層配線M3の露出部であるパッド部PaおよびPb間に並列に接続し、第1検査(P1検査)で、メモリセルの駆動に必要な種々の回路(周辺回路)、例えば、内部電圧発生回路が所望の動作を行うか否かの試験を行い、出力電位の調整が必要な場合には、ヒューズを適宜切断し、出力電位の調整を図った後、このヒューズの切断条件とほぼ同じ条件で切断されたTEGヒューズFtの両端にパッド部Pa、Pbを介し電位を印加し、TEGヒューズFtが切断されているか否かを電気的に判断する。未切断がある場合には、チップを不良と判断する。
【選択図】  図15

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置およびその製造方法に関し、特に、ヒューズを有する半導体集積回路装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)や電気的書き込みおよび消去が可能な不揮発性メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等のメモリLSIは、製造工程で生じた欠陥を救済するための冗長機能を備えることによって、製造歩留まりの向上を図っている。
【0003】
これは、半導体集積回路装置内にあらかじめ冗長救済用のメモリセル列やメモリセル行(冗長回路)を用意しておき、メモリアレイ内に欠陥メモリセル(不良ビット)が生じた場合には、かかる欠陥メモリセルに入るアドレス信号を、冗長救済用のメモリセル列(行)に入力することによって所望のメモリ動作を行わせるという不良救済機能である。
【0004】
前記欠陥メモリセルと冗長救済用のメモリセルとの切り換えは、アドレス切り換え回路に接続されたヒューズを切断することによって行なわれる。ヒューズの切断には、電流溶断方式やレーザ溶断方式などが採用されているが、プログラムの自由度が高く、面積効率上も有利なレーザ溶断方式が主に採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような欠陥救済用のヒューズは、電極や配線等を構成する導電性膜で構成され、例えば、半導体基板上に形成されるメモリセル等の半導体素子や配線を形成する工程中に形成される。
【0006】
本発明者らは、半導体集積回路装置の研究、開発に従事しており、特に、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)の冗長救済にヒューズを用いている。
【0007】
また、フラッシュメモリにおいては、メモリセルに印加する電位を昇圧回路を用いて発生しており、かかる回路の出力電位をヒューズの切断によって調整している。
【0008】
このようなヒューズの切断工程において、ヒューズの半断線(未切断)不良が見られた。この半断線不良とは、ヒューズが切断され、本来、電気的に非導通状態となるべき箇所が導通状態となり、不良となるものである。
【0009】
この半断線の原因は、1)浮遊ゲート電極やゲート絶縁膜の特性を向上するため、製造プロセス中において高温(900℃程度)のアニール(熱処理)を行う。この熱処理によりヒューズ上の層間絶縁膜が硬化し、ヒューズが爆発しずらくなる。また、2)ヒューズを例えば配線等を構成する金属膜で構成した場合、金属膜はレーザの熱が逃げやすいためヒューズが爆発しずらい、等が考えられる。
【0010】
また、このようなヒューズの半断線は、外観による判断は困難であり、外観上は、ヒューズが切断されているように見えても、電気的には導通状態である場合があった。
【0011】
本発明の目的は、半導体集積回路装置のヒューズの半断線(未切断)を検出することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、半導体集積回路装置のヒューズの半断線を検出し、装置の良・不良を判定することにある。
【0013】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0015】
本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、(a)半導体基板上のチップ領域であって、第1領域と第2領域とを有するチップ領域の前記第1領域にメモリセルアレイを形成する工程と、(b)前記第2領域に周辺回路、前記メモリセルアレイもしくは前記周辺回路と電気的に接続された第1ヒューズおよび前記第1ヒューズと同じ材料で構成され、同層に位置する第2ヒューズであって、前記メモリセルアレイもしくは前記周辺回路と電気的に接続されていない第2ヒューズを形成する工程と、(c)前記周辺回路もしくは前記メモリセルアレイ中のメモリセルが所望の動作を行うか否かを検査する工程と、(d)前記(c)工程の検査結果に基づき前記第1ヒューズを切断する工程と、(e)前記(d)工程の第1ヒューズの切断とほぼ同じ条件で前記第2ヒューズを切断する工程と、(f)前記第2ヒューズの両端に電位を印加し、第2ヒューズが切断されているか否かを電気的に判断する工程と、(g)前記(f)工程の判断結果に基づき前記チップ領域の良もしくは不良を判定する工程と、を有するものである。
【0016】
また、本発明の半導体集積回路装置は、(a)半導体基板上のチップ領域であって、第1領域と第2領域とを有するチップ領域の前記第1領域に形成されたメモリセルアレイと、(b)前記第2領域に形成された周辺回路および第1ヒューズであって、その端部が前記メモリセルアレイもしくは前記周辺回路と電気的に接続されている第1ヒューズと、(c)前記第2領域に形成された第2ヒューズであって、その端部が前記メモリセルアレイおよび前記周辺回路のいずれとも電気的に接続されていない第2ヒューズと、を有するものである。
【0017】
前記メモリセルは、例えば、不揮発性メモリであり、前記半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極上に第2絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極とを有する。また、前記第1および第2ヒューズは、例えば、前記第1もしくは第2ゲート電極を構成する導電性膜もしくは前記メモリセル上に形成される金属層より成り、前記導電性膜もしくは前記金属層上に、TEOS膜を有してもよい。また、このTEOS膜形成後に熱処理を行ってもよい。前記金属層は、例えば、Al(アルミニウム)膜である。また、前記Al膜の上下にTiN(窒化チタン)膜を有していてもよい。また、前記周辺回路は、前記メモリセルに印加する電位発生回路を有し、前記(d)工程は、前記第1ヒューズを切断することにより、前記電位発生回路の出力電位を調整するものであってもよい。また、前記(d)工程は、前記第1ヒューズを切断することにより、不良メモリセル列(行)に入力されるアドレスを切り替えるものであってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の構造をその製造方法に従って説明する。
【0020】
図1〜図14は、本実施の形態である不揮発性メモリ(フッラッシュメモリ)の製造方法の一例を示す基板の要部断面図もしくは要部平面図である。図示するように、メモリセル領域M−Aと周辺回路領域P−Aを有し、メモリセル領域M−Aには、例えば、不揮発性メモリセルがアレイ状に複数形成される。また、周辺回路領域P−Aには、メモリセルの駆動に必要な種々の回路(周辺回路)が形成される。例えば、周辺回路には、電圧発生回路等が形成され、これらの回路は、例えば複数のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)よりなる論理回路等を適宜組み合わせて形成される。また、周辺回路領域P−Aには、周辺回路の他、ヒューズ等も形成される。この周辺回路領域P−Aのうち、L−Aは、論理回路が形成される領域、F1−AおよびF2−Aは、ヒューズが形成される領域である。なお、メモリセル領域M−Aにおいては、不揮発性メモリの制御ゲート電極CGに垂直な断面(左側)と、水平な断面(右側)を示す。
【0021】
まず、図1および図2に示すように、例えばp型の単結晶シリコンからなる半導体基板1をエッチングすることにより素子分離溝を形成する。次いで、半導体基板1を熱酸化し、溝の内壁に薄い酸化シリコン膜(図示せず)を形成し、さらに、CVD(Chemical Vapor deposition)法で溝を埋め込む程度の酸化シリコン膜2を堆積した後、化学的機械研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)法で溝の上部の酸化シリコン膜2を研磨し、その表面を平坦化する。
【0022】
次いで、半導体基板1にp型不純物(ホウ素)およびn型不純物(例えばリン)をイオン打ち込みした後、熱処理を施し、前記不純物を拡散させることによって、メモリセル領域M−Aにp型ウエル8を形成し、周辺回路領域P−Aにp型ウエル8およびn型ウエル7形成する。
【0023】
次に、図3および図4に示すように、熱酸化でp型ウエル8およびn型ウエル7のそれぞれの表面に熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は、不揮発性メモリセルやMISFET(Qn、Qp)のゲート絶縁膜9を構成する。なお、これらのゲート絶縁膜を異なる工程で形成してもよい。
【0024】
次に、ゲート絶縁膜9の上部に、多結晶シリコン膜10をCVD法で堆積し、図示しない膜をマスクにドライエッチングする。その結果、メモリセル領域M−Aに、浮遊ゲート電極FGとなるパターン10aが形成される。
【0025】
次に、メモリセル領域M−Aのパターン10aの両側のp型ウエル8(半導体基板1)にn型不純物(リン)を注入し、n型半導体領域13を形成する。
【0026】
続いて、半導体基板1の上部にCVD法で酸化シリコン膜19を堆積した後、パターン10a上の酸化シリコン膜19が除去されるよう、その表面を平坦化する。
【0027】
次いで、パターン10a上に、例えば、CVD法により膜厚4nm程度の酸化シリコン膜、膜厚6nm程度の窒化シリコン膜および膜厚4nm程度の酸化シリコン膜を順次堆積することにより、ONO膜21を形成する。
【0028】
次いで、半導体基板1上にリンがドープされた多結晶シリコン膜22をCVD法で堆積する。続いて、その上部に高融点金属のシリサイド膜、例えば、タングステンシリサイド(WSi)膜23を堆積し、さらにその上部にCVD法で窒化シリコン膜24を堆積する。
【0029】
次に、図5および図6に示すように、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにして窒化シリコン膜24、多結晶シリコン膜22、ONO膜21、WSi膜23、多結晶シリコン膜10もしくはパターン10aをドライエッチングする。
【0030】
その結果、メモリセル領域M−Aに、多結晶シリコン膜10よりなる浮遊ゲート電極FGおよび多結晶シリコン膜22とWSi膜23よりなる制御ゲート電極CGが形成される。この制御ゲート電極CGは、ワード線WLとして機能する。また、論理回路領域L−Aには、多結晶シリコン膜10よりなるMISFET(Qn、Qp)のゲート電極Gが形成される。なお、多結晶シリコン膜10と多結晶シリコン膜22等を電気的に接続し、これらの積層膜でゲート電極Gを構成しても良い。
【0031】
以上の工程により、メモリセル領域M−Aに、制御ゲート電極CG(多結晶シリコン膜22およびタングステンシリサイド膜23)、ONO膜21および浮遊ゲート電極FG(多結晶シリコン膜10)を有するAND型不揮発性メモリセルが形成される。図7に、本実施の形態の不揮発性メモリセルの基板の要部平面図を示す。例えば、図5のメモリセル領域M−Aの右部は、図7のB−B断面部と対応し、左部は、A−A断面部と対応する。
【0032】
次に、図8および図9に示すように、周辺回路領域P−Aのゲート電極Gの両側のp型ウエル8(半導体基板1)にn型不純物(リン)を注入することによってn型半導体領域25を形成する。また、ゲート電極Gの両側のn型ウエル7(半導体基板1)にp型不純物(ホウ素)を注入することによってp型半導体領域26を形成する。
【0033】
次いで、半導体基板1上にCVD法で窒化シリコン膜を堆積した後、異方的にエッチングすることによって、周辺回路領域P−Aのゲート電極G等の側壁にサイドウォールスペーサ28を形成する。この際、メモリセル領域の制御ゲート電極CG等の側壁にもサイドウォールスペーサ28が形成される。
【0034】
次に、周辺回路領域P−Aのp型ウエル8にn型不純物(リンまたはヒ素)をイオン打ち込みすることによって、n型半導体領域29(ソース、ドレイン)を形成する。また、n型ウエル7にp型不純物(ホウ素など)をイオン打ち込みすることによって、p型半導体領域30(ソース、ドレイン)を形成する。
【0035】
以上の工程により、論理回路領域L−Aに、nチャネル型MISFETQnおよびpチャネル型MISFETQpが形成される。
【0036】
次いで、メモリセルおよびMISFET(Qn、Qp)上に、例えば、3層の配線を形成する。
【0037】
まず、図10および図11に示すように、基板1の上部に、絶縁膜として酸化シリコン膜31を例えばCVD法により堆積する。次いで、MISFET(Qn、Qp)のソース、ドレイン上の酸化シリコン膜31を適宜除去することによりコンタクトホールC1を形成する。この際、メモリセル領域M−Aのn型半導体領域13(ソース、ドレイン領域)上にもコンタクトホールを形成する(図示せず)。
【0038】
次いで、半導体基板1に900℃程度の熱処理を施す。この熱処理により、浮遊ゲート電極FGやゲート絶縁膜9の近傍のチャージ(電荷)を低減することができる。その結果、これらの膜質を向上させ、メモリセルの書き込みや読み出し特性を向上することができる。特に、層間絶縁膜としてTEOS膜を用いた場合には、チャージアップが生じやすく、このような熱処理を行う必要性が大きい。TEOS膜とは、テトラエトキシシラン(Si(OC)とオゾン(O)を原料としたCVD法で形成された酸化シリコン膜である。なお、かかる熱処理のタイミングは、このタイミングに限られない。
【0039】
次いで、コンタクトホールC1の内部を含む酸化シリコン膜31上に、バリア膜としてTi(チタン)およびTiN(窒化チタン)の積層膜(図示せず)を例えばスパッタ法により順次堆積した後、さらに、導電性膜としてW(タングステン)膜を例えばCVD法により堆積する。次いで、コンタクトホールC1の外部のW膜、TiN膜およびTi膜を例えばCMP法により除去することにより、プラグP1を形成する。
【0040】
次いで、プラグP1上を含む酸化シリコン膜31上に、導電性膜としてW膜を例えばCVD法により堆積する。次いで、レジスト膜(図示せず)をマスクにW膜をドライエッチングすることによって第1層配線M1を形成する。
【0041】
次いで、第1層配線M1上を含む酸化シリコン膜31上に、絶縁膜としてTEOS膜(酸化シリコン膜)33を例えばCVD法により堆積する。
【0042】
次いで、第1層配線M1上のTEOS膜33を除去することによりコンタクトホールC2を形成する。次いで、プラグP1と同様にコンタクトホールC2内に導電性膜を埋め込むことによりプラグP2を形成する。
【0043】
次いで、プラグP2上を含むTEOS膜33上に、導電性膜としてTiN膜M2a、Al(アルミニウム)合金膜M2bおよびTiN膜M2cを例えばスパッタ法で堆積する。TiN膜M2aおよびM2cは、1)Al合金膜M2bとTEOS膜33等の絶縁膜との接着性を高める、また、2)Al合金よりなる配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させる等、配線の信頼性を確保するために形成される。なお、TiN膜の他、Ti(チタン)膜、TiW(チタンタングステン)膜、Ta(タンタル)膜、W(タングステン)膜もしくはWN(窒化タングステン)膜の単層膜、もしくはこれらの膜の積層膜を用いてもよい。次いで、レジスト膜(図示せず)をマスクにTiN膜M2a、Al(アルミニウム)合金膜M2bおよびTiN膜M2cをドライエッチングすることによって第2層配線M2を形成する。
【0044】
ここで、ヒューズ形成領域F1−AおよびF2−Aに、ヒューズFおよびTEGヒューズFtとなる第2層配線M2を形成する。TEGとは、テストエレメントグループの略であり、TEGヒューズは、ヒューズの試験(検査)用のパターンを意味する。
【0045】
また、ヒューズFは、メモリセルの駆動に必要な種々の回路(周辺回路)、例えば、内部電圧発生回路に接続される。このヒューズFの切断によって、回路内の種々の接続関係を切り替え、内部電圧発生回路の出力電位の調整を図ることができる。
【0046】
また、ヒューズFは、メモリセル列(行)等に接続される。欠陥メモリセル列(行)が生じた場合には、このヒューズFを切断し、かかる欠陥メモリセルに入るアドレス信号を、冗長救済用のメモリセル列(行)に入力することによって所望のメモリ動作を行わせる。
【0047】
また、ヒューズFおよびTEGヒューズFtは、図12に示すように、略円形の半導体ウエハW上に複数形成されたチップ領域CA内に形成される。このチップ領域CAは、略矩形状であり、スクライブ領域SAによって区画される。ヒューズFおよびTEGヒューズFtは、それぞれチップ領域CA内に一定間隔をおいてライン状に複数形成される。各ヒューズFの端部は、例えばメモリセルもしくは周辺回路等に接続される。一方、一のTEGヒューズ群は、後述するように、同一のパッド部間に並列に接続される。なお、図12中、Pは、後述するパッド部である。
【0048】
次いで、図13および図14に示すように、第2層配線M2上を含むTEOS膜33上に、絶縁膜として例えばTEOS膜35を堆積する。次いで、第2層配線M2上のTEOS膜35を除去することによりコンタクトホールC3を形成する。次いで、プラグP1と同様にコンタクトホールC3内に導電性膜を埋め込むことによりプラグP3を形成する。
【0049】
次いで、プラグP3上を含むTEOS膜35上に、第2層配線M2と同様に、導電性膜としてTiN膜M3a、Al合金膜M3bおよびTiN膜M3cを堆積し、所望の形状にドライエッチングすることによって第3層配線M3を形成する。
【0050】
次いで、第3層配線M3上に、例えば、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の積層膜よりなる保護膜37を形成する。
【0051】
次いで、第3層配線M3上の保護膜37をエッチングすることにより、第3層配線の一部であるパッド部Pを露出させる。
【0052】
ここで、TEGヒューズFtは、図14に示すように、例えばプラグP3を介して第3層配線M3(パッド部Pa、Pb)と接続されている。また、ヒューズFは、プラグP3や第3層配線M3を介してメモリセルや周辺回路と接続されている。
【0053】
図15は、TEGヒューズFtとパッド部Pa、Pbとの関係を模式的に示す平面図である。
【0054】
次いで、ヒューズFおよびTEGヒューズFt上の保護膜37等を必要に応じてエッチングすることによりヒューズF等の上部に残存する絶縁膜をエッチングし、開口部OAを形成する。
【0055】
次いで、チップ領域内のパッド部(図12参照)を利用して、半導体集積回路装置の試験(検査)を行う。
【0056】
まず、第1検査(P1検査)として、周辺回路領域P−Aに形成された回路等が所望の動作を行うか否かの試験を行う。
【0057】
例えば、前述した内部電圧発生回路から所定の電位が出力されているか否かを試験し、出力電位の調整、例えば昇圧が必要な場合には、ヒューズFを適宜切断し、出力電位の上昇を図る。なお、降圧の場合も同様にヒューズを切断することにより調整することができる。
【0058】
ここで、ヒューズFは、開口部OAにレーザを照射することにより切断する。このヒューズFの切断条件とほぼ同じ条件(レーザ強度、照射時間等)で、TEGヒューズFtを切断する。本実施の形態においては、パッド部PaおよびPb間に並列に接続された複数のTEGヒューズFtのすべてを切断する(図15参照)。
【0059】
次いで、パッド部PaおよびPb間に電位を印加し、TEGヒューズFtが切断されているか否かを判断する。
【0060】
図16は、TEGヒューズFtの切断、未切断を判定する回路の一例である。
【0061】
図示するように、複数のTEGヒューズFtは、電源電位(VCC)と接地電位(VSS、GND)間に並列に接続され、言い換えれば、パッド部Paには電源電位が、パッド部Pbには、接地電位が印加される。この電源電位側の端子(パッド部Pa)は、切り替え回路50に接続され、入出力バッファ(I/O Buffer)53を介して信号(I/O)が取り出される。
【0062】
例えば、テストモードフラグが1の場合には、切り替え回路50によってテストモードとなる。従って、複数のTEGヒューズFtがすべて切断されていれば、出力は、電源電位となり、複数のTEGヒューズFtのうち一つでも半断線(未切断)が存在すれば、出力は、接地電位となる。なお、図16の回路においては、テストモードが0の時は、メモリセルのデータ等が出力される。
【0063】
このように、本実施の形態においては、周辺回路領域P−AにTEGヒューズFtを設けたので、ヒューズの半断線を電気的に試験することができる。
【0064】
例えば、ヒューズFが、Al膜等の金属で形成されている場合には、レーザ照射による熱が逃げ易く、ヒューズが爆発し難いため、半断線が生じやすい。また、本実施の形態のように、ヒューズを構成するAl膜の上下にTiN膜を形成した場合も、ヒューズが爆発し難く、半断線となる。
【0065】
このような半断線は、外観により判断することは困難であり、特に、半導体集積回路の微細化に伴い、ヒューズのパターンも微細に、また、小ピッチで形成されると、外観による判断がさらに困難となる。また、多結晶シリコン膜でヒューズを構成した場合より、Al膜等の金属膜でヒューズを構成した場合の方が、外観検査では半断線を確認し難い。
【0066】
これに対し、本実施の形態においては、前述した通り周辺回路領域P−AにTEGヒューズFtを設けたので、ヒューズの半断線を電気的に試験することができる。
【0067】
また、TEGヒューズを複数、パッド部間に並列に設けることにより、半断線の検出確度を向上させることができる。
【0068】
その結果、半導体集積回路装置の良否が的確に判断できる。即ち、半断線が検出された場合には、装置(チップ)を不良と判定する。
【0069】
また、この半断線の検出試験は、後述する第2検査(P2検査)時に行うことができる。
【0070】
例えば、前記P1検査やP2検査においては、共通のプローブカードを用いて、全パッド部にプローブ針を当接し、この針を介して種々の電位を印加し、また、電気的情報を取り出すことにより、各部位における種々の試験を同時に行うことができる。
【0071】
本実施の形態においては、チップ領域内に新たにTEGヒューズ領域を設け、また、このTEGヒューズに接続されるパッド部(Pa、Pb)を設けたが、かかるパッド部を設けても、P1検査やP2検査に支障をきたすことはない。即ち、各検査に必要なプローブ針にのみ電位を印加し、検査対象でないパッド部には電位を印加しない。
【0072】
次いで、第2検査(P2検査)として、メモリセルが所望の動作を行うか否かの試験を行い、欠陥メモリセル列(行)が存在する場合には、ヒューズFを適宜切断し、欠陥メモリセル列(行)を、冗長救済用のメモリセル列(行)に置き換える。
【0073】
このヒューズFの切断の際にも、P1試験の場合と同様に、他のTEGヒューズ群を、ほぼ同じ条件で切断し、パッド部PaおよびPb間に電位を印加し、TEGヒューズFtが切断されているか否かを判断する。この判断にも、図16を参照しながら説明した回路を用いることができる。この回路を用いた場合、複数のTEGヒューズFtのうち一つでも半断線(未切断)が存在すれば、出力は、接地電位となる。
【0074】
このように、第2試験においても、周辺回路領域P−AのTEGヒューズFtを利用し、ヒューズの半断線を電気的に試験することができる。
【0075】
この後、第3検査(P3検査)により、冗長救済した後の各メモリセルが所望の動作を行うか否か等を試験する。
【0076】
次いで、ウエハ状態の半導体基板をスクライブ領域SAに沿ってダイシングすることにより個片化し、前記パッド部を金線やバンプ等を介してリードフレームや実装基板の外部端子に接続する。また、必要に応じて、樹脂等で封止し、実装することにより半導体集積回路装置が完成するが、これらの図示および詳細な説明は省略する。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0078】
特に、本実施の形態においては、ヒューズを第2層配線M2で構成したが、他の配線で構成してもよく、また、各種ゲート電極を構成する多結晶シリコン膜等の導電性膜を用いて構成してもよい。
【0079】
この場合、前述したように、浮遊ゲート電極やゲート絶縁膜周辺のチャージアップを低減する高温のアニール(熱処理)の前段階でヒューズが形成されることとなり、このヒューズ上の絶縁膜が硬化し、半断線を生じさせる。特に、層間絶縁膜としてTEOS膜を用いた場合には、このチャージアップが生じやすく、高温のアニール処理が必要となるため、アニールによるTEOS膜の硬化に伴い半断線が生じやすくなる。
【0080】
また本実施の形態においては、AND型の不揮発性メモリセルを例に説明したが、NOR型等、他の構成の不揮発性メモリの他、DRAMやSRAM(StaticRandom Access Memory)等、ヒューズを有する半導体集積回路装置に広く適用することができる。
【0081】
また、本実施の形態においては、ヒューズを内部電圧発生回路や冗長救済に用いたが、この他、配線の切り替え等、種々の用途に用いることができる。
【0082】
また、本実施の形態においては、TEGヒューズをチップ領域内に形成したが、この他、スクライブ領域に配置してもよい。但し、TEGヒューズは、現実のヒューズの切断状態をモニタするためのものであるため、その上部の膜の膜厚やヒューズが形成される高さ等が、チップ領域内のヒューズと近似していることが望ましい。従って、現実のヒューズと同様にチップ内に形成した方が、その検査精度が向上すると考えられる。
【0083】
また、TEGヒューズFtと現実のヒューズFを同じヒューズ領域に混在させてもよい。
【0084】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0085】
メモリセルアレイおよび周辺回路が形成されるチップ領域内に、メモリセルアレイもしくは周辺回路と電気的に接続される第1ヒューズおよびこの第1ヒューズと同じ材料で構成され、同層に位置する第2ヒューズであって、メモリセルアレイもしくは周辺回路と電気的に接続されていない第2ヒューズを形成し、第1ヒューズの切断とほぼ同じ条件で第2ヒューズを切断した後、この第2ヒューズの両端に電位を印加し、第2ヒューズが切断されているか否かを電気的に判断したので、半導体集積回路装置のヒューズの半断線(未切断)を検出することができる。また、半導体集積回路装置の良・不良を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図8】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図9】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図11】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図13】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図14】本発明の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図15】TEGヒューズとパッド部との関係を模式的に示す平面図である。
【図16】TEGヒューズの切断もしくは未切断を判定する回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1  半導体基板(基板)
2  酸化シリコン膜
7  n型ウエル
8  p型ウエル
9  ゲート絶縁膜
10  多結晶シリコン膜
10a  パターン
13  n型半導体領域
19  酸化シリコン膜
21  ONO膜
22  多結晶シリコン膜
23  WSi
24  窒化シリコン膜
25  n型半導体領域
26  p型半導体領域
28  サイドウォールスペーサ
29  n型半導体領域
30  p型半導体領域
31  酸化シリコン膜
33  TEOS膜
35  TEOS膜
37  保護膜
50  切り替え回路
C1  コンタクトホール
C2  コンタクトホール
C3  コンタクトホール
CA  チップ領域
CG  制御ゲート電極
F  ヒューズ
F1−A  ヒューズ形成領域
F2−A  ヒューズ形成領域
FG  浮遊ゲート電極
Ft  TEGヒューズ
G  ゲート電極
L−A  論理回路領域
M−A  メモリセル領域
M1  第1層配線
M2  第2層配線
M2a  TiN膜
M2b  Al合金膜
M2c  TiN膜
M3  第3層配線
M3a  TiN膜
M3b  Al合金膜
M3c  TiN膜
OA  開口部
P  パッド部
P−A  周辺回路領域
P1  プラグ
P2  プラグ
P3  プラグ
Pa  パッド部
Pb  パッド部
Qn  nチャネル型MISFET
Qp  pチャネル型MISFET
SA  スクライブ領域
W  半導体ウエハ
WL  ワード線

Claims (5)

  1. (a)半導体基板上のチップ領域であって、第1領域と第2領域とを有するチップ領域の前記第1領域にメモリセルアレイを形成する工程と、
    (b)前記第2領域に周辺回路、前記メモリセルアレイもしくは前記周辺回路と電気的に接続された第1ヒューズおよび前記第1ヒューズと同じ材料で構成され、同層に位置する第2ヒューズであって、前記メモリセルアレイもしくは前記周辺回路と電気的に接続されていない第2ヒューズを形成する工程と、
    (c)前記周辺回路もしくは前記メモリセルアレイ中のメモリセルが所望の動作を行うか否かを検査する工程と、
    (d)前記(c)工程の検査結果に基づき前記第1ヒューズを切断する工程と、
    (e)前記(d)工程の第1ヒューズの切断とほぼ同じ条件で前記第2ヒューズを切断する工程と、
    (f)前記第2ヒューズの両端に電位を印加し、第2ヒューズが切断されているか否かを電気的に判断する工程と、
    (g)前記(f)工程の判断結果に基づき前記チップ領域の良もしくは不良を判定する工程と、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  2. 前記メモリセルは、前記半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極上に第2絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、を有する不揮発性メモリセルであることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路装置の製造方法。
  3. 前記メモリセルは、前記半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極上に第2絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、を有する不揮発性メモリセルであり、
    前記第1および第2ヒューズは、前記第1もしくは第2ゲート電極を構成する導電性膜もしくは前記メモリセル上に形成される金属層より成り、
    前記導電性膜もしくは前記金属層上には、TEOS膜が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路装置の製造方法。
  4. 前記メモリセルは、前記半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極上に第2絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極と、を有する不揮発性メモリセルであり、
    前記周辺回路は、前記メモリセルに印加する電位発生回路を有し、
    前記(d)工程は、前記第1ヒューズを切断することにより、前記電位発生回路の出力電位を調整する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路装置の製造方法。
  5. (a)半導体基板上のチップ領域であって、第1領域と第2領域とを有するチップ領域の前記第1領域に形成されたメモリセルアレイと、
    (b)前記第2領域に形成された周辺回路および第1ヒューズであって、その端部が前記メモリセルアレイもしくは前記周辺回路と電気的に接続されている第1ヒューズと、
    (c)前記第2領域に形成された第2ヒューズであって、その端部が前記メモリセルアレイおよび前記周辺回路のいずれとも電気的に接続されていない第2ヒューズと、
    を有することを特徴とする半導体集積回路装置。
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