JP2004127721A - 照明装置 - Google Patents

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JP2004127721A
JP2004127721A JP2002290348A JP2002290348A JP2004127721A JP 2004127721 A JP2004127721 A JP 2004127721A JP 2002290348 A JP2002290348 A JP 2002290348A JP 2002290348 A JP2002290348 A JP 2002290348A JP 2004127721 A JP2004127721 A JP 2004127721A
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Hiroaki Mannami
万波 寛明
Tomohiro Sasagawa
笹川 知宏
Takashi Kanda
神田 隆司
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】入力電圧が小さく、位相角制御器を用いて導通角が小さい領域まで使用して、比較的高出力の放電ランプの調光を行う場合にも、部品ストレスの増大、部品温度上昇、部品形状の大型化を抑え放電ランプの安定点灯、確実な予熱・始動を可能にする。
【解決手段】入力端子3、フィルタ回路4、整流器5、チョッパ回路6、調光信号回路7、インバータ回路8、制御回路9および放電ランプ10を備え、制御回路9に、チョッパ回路6の平滑コンデンサC1の電圧が位相角制御された交流電源1の導通角の変化に対して略一定から変極点を介して低下する動作特性を有し変極点の前に消灯するような消灯機能93を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相角制御された交流電源と接続され、交流電源の位相角に応じて放電ランプを調光する照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16は特表平10−501651号公報(特許文献1)に記載されている従来の照明装置の構成図である。
【0003】
この従来の照明装置は、基本構成として、位相角制御された交流電源電圧を受け取るための一対の電源入力端子1’,2’と、安定化手段と、電力供給手段と、調光信号引出し手段とを備えている。なお、Hは安全回路である。
【0004】
安定化手段は、放電ランプLAへ電力を与えるためのものであって、インバータD、共振タンク出力回路Fおよび制御器Gにより構成され、実質的に一定の直流電圧が受け取られる直流入力端子と、調光信号を受け取るための、直流入力端子とは別の調光入力端子と、調光信号の特性に対応するレベルで放電ランプLAへ供給される電力を制御するための第1制御手段とを含んでいる。
【0005】
電力供給手段は、前調節器回路C(具体回路では昇圧チョッパ)により構成され、安定化手段の直流入力端子へ実質的に一定の直流電圧を供給するために、電源入力端子1’,2’へ接続される。
【0006】
調光信号引出し手段は、調光インターフェース回路Iにより構成され、位相角制御された交流電源電圧から調光信号を引き出すため、および安定化手段の調光入力端子へ調光信号を供給するためのものである。
【0007】
この構成では、安定化手段が、電力供給手段を電源として、位相角制御された交流電源電圧の位相角に応じて生成される調光信号により放電ランプLAを調光するので、交流電源電圧の位相角を変えることにより放電ランプLAの調光が可能となる。
【0008】
ところで、交流電源電圧が低導通角である場合には、実質的に一定の直流電圧も低下してしまうために、放電ランプLAの低光束時の点灯維持電圧が不足して消灯しがちになるので、上記従来の照明装置では、交流電源電圧の位相角に無関係に、実質的に一定レベルに直流電圧を維持するためのフィードバック手段を備え、比較的広い導通角範囲で放電ランプを調光制御可能としている。
【0009】
【特許文献1】
特表平10−501651号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記フィードバック手段を備えたとしても、100V系交流電源のように電圧実効値が小さく、例えば、電力供給手段の直流電圧が約400Vであり、負荷出力電力の比較的大きい96Wクラスの放電ランプを調光比40%まで調光する場合、図17に示すように、直流電圧(Vdc )が低導通角になるに従って低下してしまう。
【0011】
交流電源の導通角を全範囲にわたって変化させて調光レベルを変える場合、交流電源の導通角が90度以下となり、電源電圧のピーク値がゼロに近づくに従い、一定の直流電圧を供給する電力供給手段が一定の直流電圧(Vdc )を維持するのが困難となる。
【0012】
電力供給手段を構成する昇圧チョッパ回路の設計によってはより低導通角まで一定のチョッパ出力が得られるように改善はできるが、負荷出力が大きく導通角が小さいほど一定のチョッパ出力を維持するために入力電流のピーク値が極端に高くなってしまうため、部品ストレス、部品温度上昇、部品形状の大型化を招くほか、昇圧チョッパの制御範囲の面から実質的に設計不可能となる。
【0013】
従って実質的には導通位相角が小さくなると部品ストレスが大きくなるのみでなくチョッパ出力の一定制御が不可能となり、図17に示すようにチョッパ出力はある導通角以下で変極点を介して急激に低下する。
【0014】
このような低導通角領域ではインバータに供給される電源電圧が低下するため、放電ランプの調光時の点灯維持が困難となるだけでなく、電源投入時の予熱、始動にも悪影響を及ぼす。
【0015】
予熱、始動時にチョッパ出力が略一定時の電圧を100%としたときの90%に相当する電圧に低下した場合について説明する。一例として負荷として96W蛍光ランプを使用して実験を行ったところ、チョッパ出Vdc が10%低下した場合、予熱電流(Iph )は11%低下、始動時の発振電圧は13%低下することがわかった。
【0016】
部品バラツキや調整バラツキなどを考慮した予熱電流のバラツキについて考えてみると、図18に示すように、Vdc が100%時の非導通角θB で電源投入した場合の予熱電流のバラツキを、TYP を100%としてMAX が+10%、MIN が−10%とすると(バラツキ幅B)、Vdc が90%となる導通角θA で電源投入した場合は10%低下したTYP に対してMAX が+10%、MIN が−10%となり、トータルのバラツキはVdc が100%時のTYP を基準にMAX が+10%、MIN が約−20%となる(バラツキ幅A)。このことは始動時の発振電圧についても同様でありバラツキ幅は大きくなる。なお、Vdc がさらに低下した場合はバラツキ幅もさらに大きくなることは言うまでもない。
【0017】
以上のことから低導通角までチョッパ出力の一定制御するには部品ストレスの増大、部品温度上昇、部品形状の大型化を招き、一方ではチョッパ出力の変動に伴い先行予熱電流不足によるランプ寿命の悪化、始動時の発振電圧不足により始動不良を引き起こすといった課題がある。
【0018】
本発明の目的は、入力電圧が小さく、かつ位相角制御器(位相調光器)を用いて導通角が小さい領域まで使用して、比較的高出力の放電ランプの調光を行う場合にも、部品ストレスの増大、部品温度上昇、部品形状の大型化を抑えつつ放電ランプの安定点灯、確実な予熱・始動が可能な照明装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明の照明装置は、位相角制御された交流電源と接続される入力端子と、前記位相角制御された交流電源を直流電圧に整流する整流器と、インダクタ、整流素子および平滑コンデンサを含み、前記インダクタを介して前記直流電圧を高周波でスイッチングして入力電流の高調波歪みを抑制するチョッパ回路と、前記位相角制御された交流電源の導通角に応じた調光信号を生成する調光信号回路と、前記平滑コンデンサの電圧を交流電圧に変換するためのインバータ回路と、前記インバータ回路を通じて、前記平滑コンデンサを電源として前記調光信号回路の出力を受けて負荷である放電ランプを調光制御する制御回路とを具備し、前記制御回路が、前記平滑コンデンサの電圧が前記位相角制御された交流電源の導通角の変化に対して略一定から変極点を介して低下する動作特性を有し変極点の前に消灯するような消灯機能を有することを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明装置において、前記変極点は略一定時の電圧の90%以下の電圧であることを特徴とする。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の照明装置において、前記制御回路が、前記位相角制御された交流電源の導通角が小さくなるにつれ前記負荷出力が小さくなり、かつ全出力時の導通角以上で負荷出力が一定となるよう制御することを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の照明装置において、前記制御回路が、調光下限において前記交流電源の導通角が変化しても前記負荷出力が略一定となる領域を持つことを特徴とする。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の照明装置において、前記制御回路が、調光下限において消灯状態から点灯させる時の前記交流電源の導通角が、点灯状態から消灯させる時の導通角よりも大きくなるようなヒステリシス区間を持つことを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の照明装置において、前記制御回路が消灯状態から点灯させる時の導通角は調光下限域であることを特徴とする。
【0025】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の照明装置において、前記制御回路が、基準電圧と調光信号に応じた直流電圧のどちらかが前記位相角制御された交流電源の導通角の変化に対してヒステリシス特性を有し、かつ前記基準電圧と前記調光信号に応じた直流電圧の大小関係に応じて点灯状態から消灯または消灯状態から点灯するヒステリシス回路を備え、前記ヒステリシス区間で前記位相角制御された交流電源を投入すると、予熱、始動を経て点灯状態へ移行するような前記基準電圧と前記調光信号に応じた直流電圧の大小関係にすることを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の照明装置において、前記消灯機能が調光信号に応じて点灯状態から消灯させる時の第1導通角よりも小さい第2導通角まで前記調光信号回路および前記制御回路を動作させるのに必要な制御電源を確保可能な制御電源回路を有し、前記第1導通角よりも小さく前記第2導通角よりも大きい範囲で前記位相角制御された交流電源の電圧レベルに応じて前記制御回路の動作を停止させる動作停止機能を有することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の照明装置を示す構成図、図2は位相角制御された交流電源の非導通角と直流電圧との関係と、非導通角と光出力比との関係とを示す図である。
【0028】
図1において、1は交流電源(商用電源)、2は交流電源1の位相角制御用の位相角制御器、3は位相角制御器2の出力と接続される、実施形態1の照明装置の入力端子である。
【0029】
上記照明装置において、4はノイズ流出防止用のフィルタ回路、5は(全波)整流器、6はチョッパ回路、7は入力端子3への入力電力から調光信号出力を得るための調光信号回路、8は例えばスイッチング素子などによるハーフまたはフルブリッジ回路構成のインバータ回路、9は本照明装置全般の制御を行うものであって例えば調光比40%を下限として調光を行う制御回路、10は放電ランプとしての例えば96Wの蛍光ランプである。なお、本発明は、96Wに限定されず、また調光比40%を下限として調光を行うものに限定されないことは言うまでもない。
【0030】
チョッパ回路6は、インダクタL1,スイッチング素子(図1ではMOS型FET)Q1、ダイオードD1および平滑コンデンサC1により昇圧チョッパの回路構成になっている。制御回路9は、チョッパ制御回路91,インバータ制御回路92および消灯機能93により構成されている。
【0031】
ここで、昇圧チョッパ回路の設計によっては、図2中のVdcCで示すようにVdcAに比べ、より非導通角の大きい領域まで平滑コンデンサC1の電圧Vdc を略一定に保つことが可能であるが、前述したように部品のストレスが大きくなるなどの課題がある。
【0032】
そこで、実施形態1では、「変極点A」,「変極点C」は、電圧VdcA,VdcCがそれぞれ略一定時の電圧の90%に低下した電圧に相当するものとして、「調光カーブA」,「調光カーブC」のように、「変極点A」,「変極点C」に相当する非導通角θA ,θC よりも小さい非導通角θ2A,θ2Cで、制御回路9に設けられた消灯機能93を用いて放電ランプ10を消灯することにより、0度から180度までの全導通角範囲の位相電源入力に対して部品のストレスを抑制しつつ、かつ確実に予熱、始動を可能にする。
【0033】
変極点を90%とした理由は、前述したように予熱電流バラツキ、始動時の発振電圧バラツキを考慮して90%以上が望ましいからである。また、実際にチョッパ回路6の制御動作特性も非導通角が大きくなるに従い、出力一定制御が困難となり、やがてVdc は90%付近から非導通角の変化に応じて急激に低下する。
【0034】
図3から図6を用いて具体回路例を説明する。図3の具体回路例の調光信号回路7は、交流電源1の位相を直流に変換する位相−DC変換回路として、整流器5の両入力端子にアノードが接続されるダイオードD3,D4と、これらの両カソードとGNDとの間に直列に接続される抵抗R1〜R4と、これらのうち接地された抵抗R4と並列に接続されるコンデンサC3と、このコンデンサC3の高電位側と調光信号出力用端子との間に接続されるダイオードD5と、その端子とGNDとの間に直列に接続される抵抗R5,R6と、これらのうち接地された抵抗R6と並列に接続されるコンデンサC4とにより構成されている。
【0035】
図4の具体回路例の調光信号回路7は、位相−duty変換回路として、上記ダイオードD3,D4、抵抗R1〜R4と、抵抗R4と並列に接続されるコンデンサC5と、このコンデンサC5の高電位側と+端子が接続されるコンパレータCOMP1と、この−端子とVcc端子との間に接続される抵抗R5’と、コンパレータCOMP1の−端子とGNDとの間に接続される抵抗R6’と、コンパレータCOMP1の出力端子および調光信号出力用端子とVcc端子との間に接続される抵抗R7とにより構成されている。
【0036】
図5の具体回路例の調光信号回路7は、位相−duty−DC変換回路として、上記ダイオードD3,D4、抵抗R1〜R4,R5’,R6’,R7、コンデンサC5およびコンパレータCOMP1と、コンパレータCOMP1の出力端子と調光信号出力用端子との間に直列に介設される抵抗R8と、調光信号出力用端子とGNDとの間に接続される抵抗R9およびコンデンサC6とにより構成されている。
【0037】
上記各構成において、C3,C4,C6には、ほぼリップルのない直流電圧に平滑するため、比較的容量の大きいコンデンサが用いられる。C5には、位相角制御された交流電源1の整流電圧に比例した電圧を得るため、比較的容量の小さいコンデンサが用いられる。
【0038】
コンパレータCOMP1の−端子電圧をV−、+端子電圧をV+、出力端子電圧をVoutとすると、各部の波形は図6に示すようになる。V−を基準電圧としてV+と比較して調光信号出力Voutを出力する。このVoutは、図5の具体回路では直流電圧にさらに変換される。
【0039】
上記の調光信号出力は、例えばインバータ制御IC等の仕様に応じて使い分けられることになる。フェーダ操作器などの調光器(位相角制御器2)の操作により交流電源1が位相角制御される場合には、調光信号回路7により位相角に応じた調光信号が生成され、それを受けたチョッパ制御回路91およびインバータ制御回路92が、例えば図2のθ2A以上の非導通角のとき、消灯機能93により発振を停止する。消灯機能93は、例えばインバータ制御ICおよびチョッパ制御ICの発振停止可能なリセット端子を利用して実現できる。
【0040】
図7に、リセット端子の電圧がしきい電圧以下で発振停止する場合の具体回路例を示す。なお、図7の制御回路9ではチョッパ制御回路91の図示を省略してある。
【0041】
図7の例では、図4に示した調光信号回路7が使用され、この調光信号回路7の調光信号出力Voutを消灯機能93が入力するようになっている。図7の具体回路例の消灯機能93は、コンパレータCOMP1の出力端子にアノードが接続されるダイオードD6と、このカソードとGNDとの間に直列に接続される抵抗R8,R9と、接地された抵抗R9と並列に接続されるコンデンサC6と、Vcc端子とGNDとの間に直列に接続される抵抗R10,R11と、接地された抵抗R11と並列に接続されるコンデンサC7と、抵抗R8,R9の接続点に−端子が接続され抵抗R10,R11の接続点に+端子が接続されるコンパレータCOMP2と、インバータ制御回路92を構成するインバータ制御ICのリセット端子とGNDとの間に抵抗R16を介して接続されるスイッチング素子(MOSFET)Q2と、この制御端子(ゲート)とコンパレータCOMP2の出力端子との間に接続される抵抗R15とにより構成されている。
【0042】
この構成において、θ2A以上の非導通角のとき、コンパレータCOMP2がH信号を出力し、スイッチング素子Q2がオンする。つまり、コンパレータCOMP2の−端子には、調光信号出力を直流に変換した電圧(VDC2− とする)が入力し、非導通角が大きくなるに従ってVDC2− が低下し、θ2A以下でコンパレータCOMP2の+端子の基準電圧(Vref2+とする)と比較してVDC2− <Vref2+となり、コンパレータCOMP2の出力端子からH信号が出力される。
【0043】
以上の如く、消灯機能93を用いて放電ランプ10を消灯することにより、0度から180度までの全導通角範囲の位相角電源入力に対して、部品ストレスを抑制しつつ、負荷である放電ランプ10を確実に点灯ないし予熱・始動させることができる。
【0044】
(実施形態2)
図8は本発明の実施形態2の照明装置の動作原理図、図9は同照明装置の具体回路構成図である。
【0045】
位相角制御器2において、位相制御素子としてトライアックが使われる場合、非導通角は最小値となる全点灯時でも通常20〜30度程度となるが、実使用において、0度、つまり位相角制御されずに交流電源1がそのまま使用される場合には、負荷出力が位相角制御された交流電源1で点灯した場合の定格出力を超えてしまうことになる。
【0046】
実施形態2では、図8に示すように、全点灯(光出力比100%)時の非導通角θ1 以下では全点灯時の出力と略一定となるようにする。これを実現するためには、図9の具体回路例のように、抵抗R17,R18、コンデンサC8、ダイオードD7およびオペアンプOPamp1により構成される上限クランプ回路70を、図5に示した調光信号回路7の出力に接続し、非導通角に応じた調光信号(直流信号)の上限(非導通角θ1 以下)をクランプすればよい。
【0047】
図9の構成例では、全点灯時における調光信号出力の電圧(VDCout−full とする)と等しくなるように、オペアンプOPamp1の+端子に印加する基準電圧を設定することにより、調光信号出力電圧の上限がVDCout−full でクランプされることになる。
【0048】
これにより、図8に示すように、全点灯時の非導通角θ1 以下では全点灯時の出力と略一定となり、0度、つまり位相角制御されずに交流電源1がそのまま使用される場合でも、定格出力での点灯状態を維持することができる。なお、調光信号出力電圧は非導通角が小さくなるに従って増加する。
【0049】
(実施形態3)
図10,図11は本発明の実施形態3の照明装置の動作原理図、図12,図13は同照明装置の具体回路構成図である。
【0050】
実施形態3の照明装置は、フェーダ操作器などの調光器の操作により交流電源1が位相角制御され、低導通角領域において放電ランプ10を点灯状態から消灯または消灯状態から点灯(復帰)させる場合、図10に示すように、調光下限に下限クランプ区間および消灯・復帰ヒステリシスを設けたことを特徴とする。
【0051】
図7に示した具体回路例では、消灯・復帰ヒステリシスを持たないので、消灯・復帰のしきい値近傍で放電ランプ10がちらつくなどの不安定な動作となる場合がある。
【0052】
実施形態3では、調光器を操作して非導通角を大きくしていく場合、調光下限のθ2 から消灯するθ4 までを下限クランプ区間とし、θ4 からθ5 を経て180度までを消灯区間とする。逆に非導通角を大きくしていく場合、180度からθ5 、θ4 を経てθ3 で復帰(予熱、始動を経て点灯)する。なお、復帰のタイミングはθ2 <θ3 <θ4 とする。
【0053】
また、多灯一括制御をする場合にも、θ2 、θ3 、θ4 のそれぞれのポイントにおいて部品バラツキなどにより各放電ランプ10間で各動作状態(調光下限、復帰、消灯)が異ならないように十分マージンを設ける。具体的には、θ2 とθ3 との間にすべての放電ランプ10が調光下限出力で点灯するポイントが存在しており、θ5 では確実に全放電ランプ10が消灯する。
【0054】
上記動作のうち下限クランプ動作は、図12の具体回路例のように、図9に示した上限クランプ回路70とはダイオードD7の向きが異なる構成の下限クランプ回路71で達成することができる。
【0055】
図12の構成例では、調光下限出力時における調光信号出力の電圧(VDCout−dimとする)と等しくなるように、オペアンプOPamp1の+端子に印加する基準電圧を設定することにより、調光信号出力電圧の下限がVDCout−dimでクランプされることになる。
【0056】
ヒステリシス動作は、図13の具体回路例のように、図7に示した消灯機能93の一部である抵抗R10,R11、コンデンサC7およびコンパレータCOMP2と、追加部品の抵抗R12〜R14とにより構成されるヒステリシス回路72で達成することができる。
【0057】
この構成例では、図11に示すようなヒステリシス動作となる。ただし、Vref3+はコンパレータCOMP2の+端子電圧、VDC3−は−端子電圧、Vout3 は出力端子電圧である。
【0058】
非導通角を大きくしていく場合、θ4 までの区間ではVref3+(1) <VDC3−の関係によりVout3 がL信号を出力するため、Q2はオフとなり点灯状態を保つ。θ4 を超え、Vref3+(1) >VDC3− となると、Vout3 がH信号を出力するため、分圧比が変わり、Vref3+(1) からこれよりも大きなVref3+(2) へと変化し、θ4 以上の領域では消灯状態となる。
【0059】
非導通角を小さくしていく場合、θ3 までの区間ではVDC3− <Vref3+(2) の関係によりVout3 がH信号を出力し、Q2はオンとなり消灯状態を維持する。θ3 を超え、VDC3− >Vref3+(2) となると、Vout3 がL信号を出力するため、分圧比が変わりVref3+(2) からVref3+(1) へと変化し、θ3 以下の領域では点灯状態となる。
【0060】
実施形態3によれば、多灯一括制御する場合にも部品バラツキなどにより各放電ランプ10間で点灯、消灯が混在しない非導通角を設けることができる。
【0061】
(実施形態4)
図14は本発明の実施形態4の照明装置の動作原理図である。
【0062】
実施形態3では、図10に示したように、ヒステリシス区間θ3 〜θ4 において、フェーダ操作器などの調光器の操作方向により消灯または点灯の2つの状態が存在するのに対し、実施形態4では、ヒステリシス区間θ3 〜θ4 において、入力端子3に主電源(位相角制御された交流電源1)が投入される場合、つまりオフからオンになる場合には必ず点灯状態になるようにしたことを特徴とする。
【0063】
この特徴を具備する照明装置にするには、図13に示したヒステリシス回路72において、コンパレータCOMP2の+端子に印加する入力電圧Vref3+の立上りの時定数を、−端子に印加する入力電圧VDC3− の立上りの時定数よりも遅くするとともに、Vref3+が電源投入から略一定になるまでの時間はチョッパ制御ICおよびインバータ制御ICが電源投入から起動(発振開始)するまでの時間よりも速くすればよい。
【0064】
入力端子3に主電源が投入されオフからオンになる場合、コンパレータCOMP2において+端子に印加する入力電圧と−端子に印加する入力電圧の過渡的な時間変化は、図14に示すような変化となる。何れの非導通角においても、−端子に印加する入力電圧VDC3− が+端子に印加する入力電圧Vref3+よりも早く立ち上がるようになっている。
【0065】
非導通角0°〜θ4 未満までは、−端子に印加する入力電圧が+端子に印加する入力電圧よりも早く立ち上がり、且つ、+端子に印加する入力電圧よりも高い電圧で一定となるので、コンパレータCOMP2の出力電圧がLとなり、消灯(発振停止)となることはない。
【0066】
−端子に印加する入力電圧がθ4 以上から180°までの場合は、やはり−端子に印加する入力電圧が+端子に印加する入力電圧よりも早く立ち上がるが、ある時間で+端子に印加する入力電圧が−端子に印加する入力電圧よりも高くなるので、コンパレータCOMP2の出力にHが出力され、消灯(発振停止)となる。ただし、θ4 以上〜180°における−端子に印加する入力電圧が+端子に印加する入力電圧より高い区間は、コンパレータCOMP2の出力端子にLが出力されるが、この区間ではチョッパ制御ICやインバータ制御ICの電源電圧がICの駆動電圧までに達していないため、チョッパ回路やインバータ回路が動作することはない。また、一度コンパレータCOMP2の出力端子に+信号が出力されると、ヒステリシス特性により+端子に印加する入力電圧が増加する。
【0067】
上記の動作により、図11に示すように、「区間A」では入力端子3に主電源が投入されても、−端子に印加する入力電圧が+端子に印加する入力電圧よりも早く立ち上がり、且つ+端子に印加する入力電圧よりも高い電圧で一定となるので、コンパレータCOMP2にHが出力されることなく、放電ランプ10が点灯(発振)する。また、区間Bにおいては、−端子に印加する入力電圧が+端子に印加する入力電圧よりも早く立ち上がっても、ある時間で+端子に印加する入力電圧が−端子に印加する入力電圧よりも高くなり、コンパレータCOMP2にHが出力され、同時に、+端子に印加する入力電圧が増加するため、非導通角がθ3 以下になるまで点灯することはない(発振停止を維持する)。
【0068】
実施形態4によれば、θ3 からθ4 のヒステリシス区間で点灯状態から、入力端子3に印加される主電源をオフして再投入しても、放電ランプ10を確実に予熱、始動を経て点灯状態へと移行させることができる。
【0069】
(実施形態5)
図15は本発明の実施形態5の照明装置を示す構成図である。
【0070】
実施形態3では、図10に示したように、θ4 からθ5 を経て180度までの消灯区間で確実に放電ランプ10の消灯(発振停止)を維持するために消灯機能を設けたが、消灯区間でスイッチング素子Q2をオンし続けるための制御電源が必要となる。主電源が小さい領域(低導通角領域)で制御電源を確保するということは、導通角の広い領域でロスが大きくなることを意味している。主なロスはR,ZDで消費される。
【0071】
実施形態5の照明装置は、θ4 で調光信号出力に応じて消灯後θ4 より広い非導通角θ5 で位相角制御された交流電源1の電圧の実効値レベルに応じて制御回路9の動作を完全に停止させる消灯機能(動作停止機能)を設け、さらにθ5 より広い非導通角まで消灯維持可能な制御電源を確保することを特徴とする。
【0072】
図15の例では、消灯機能93は、ダイオードD3〜D4と、抵抗R1〜R6と、コンデンサC3,C4と、ツェナーダイオードZD1とにより構成されている。この消灯機能93を用いて、インバータ制御ICおよびチョッパ制御ICの電源リセット端子のしきい電圧以下とすることで、消灯時の待機電力を低減できる。
【0073】
なお、図15の例では、調光信号回路7とは別に消灯機能93が設けられる構成となるが、消灯機能93の回路構成が、ツェナーダイオードZD1を除いて図3の調光信号回路7の回路構成と同じであるので、図3の調光信号回路7の構成を兼用し、ツェナーダイオードZD1を付加して消灯機能93を持つようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明の照明装置は、位相角制御された交流電源と接続される入力端子と、前記位相角制御された交流電源を直流電圧に整流する整流器と、インダクタ、整流素子および平滑コンデンサを含み、前記インダクタを介して前記直流電圧を高周波でスイッチングして入力電流の高調波歪みを抑制するチョッパ回路と、前記位相角制御された交流電源の導通角に応じた調光信号を生成する調光信号回路と、前記平滑コンデンサの電圧を交流電圧に変換するためのインバータ回路と、前記インバータ回路を通じて、前記平滑コンデンサを電源として前記調光信号回路の出力を受けて負荷である放電ランプを調光制御する制御回路とを具備し、前記制御回路が、前記平滑コンデンサの電圧が前記位相角制御された交流電源の導通角の変化に対して略一定から変極点を介して低下する動作特性を有し変極点の前に消灯するような消灯機能を有するので、チョッパ回路の部品ストレスを大きくすることなく、負荷である放電ランプを確実に点灯ないし予熱・始動させることができる。
【0075】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明装置において、前記変極点は略一定時の電圧の90%以下の電圧であるので、チョッパ回路の部品ストレスを大きくすることなく、負荷である放電ランプを確実に点灯ないし予熱・始動させることができる。
【0076】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の照明装置において、前記制御回路が、前記位相角制御された交流電源の導通角が小さくなるにつれ前記負荷出力が小さくなり、かつ全出力時の導通角以上で負荷出力が一定となるよう制御するので、位相角制御された交流電源の全出力時と通常の交流電源で同等の出力を得ることができる。
【0077】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の照明装置において、前記制御回路が、調光下限において前記交流電源の導通角が変化しても前記負荷出力が略一定となる領域を持つので、消灯する位相角が多少変動しても確実に調光下限の出力を得ることができる。
【0078】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の照明装置において、前記制御回路が、調光下限において消灯状態から点灯させる時の前記交流電源の導通角が、点灯状態から消灯させる時の導通角よりも大きくなるようなヒステリシス区間を持つので、電源の位相角を消灯する位相に設定しても、位相や制御回路のふらつきにより点灯・消灯を繰り返してちらつくことを抑制することができる。
【0079】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の照明装置において、前記制御回路が消灯状態から点灯させる時の導通角は調光下限域であるので、請求項5記載の発明において、電源の位相角を変化させて消灯から点灯させても、調光下限の出力で点灯するという効果がある。
【0080】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の照明装置において、前記制御回路が、基準電圧と調光信号に応じた直流電圧のどちらかが前記位相角制御された交流電源の導通角の変化に対してヒステリシス特性を有し、かつ前記基準電圧と前記調光信号に応じた直流電圧の大小関係に応じて点灯状態から消灯または消灯状態から点灯するヒステリシス回路を備え、前記ヒステリシス区間で前記位相角制御された交流電源を投入すると、予熱、始動を経て点灯状態へ移行するような前記基準電圧と前記調光信号に応じた直流電圧の大小関係にするので、請求項5記載の発明において、調光下限で点灯させていて、元電源をオフし、再度オンした場合に確実に点灯するという効果がある。
【0081】
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の照明装置において、前記消灯機能が調光信号に応じて点灯状態から消灯させる時の第1導通角よりも小さい第2導通角まで前記調光信号回路および前記制御回路を動作させるのに必要な制御電源を確保可能な制御電源回路を有し、前記第1導通角よりも小さく前記第2導通角よりも大きい範囲で前記位相角制御された交流電源の電圧レベルに応じて前記制御回路の動作を停止させる動作停止機能を有するので、交流電源の全位相角において制御電源の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の照明装置を示す構成図である。
【図2】位相角制御された交流電源の非導通角と直流電圧との関係と、非導通角と光出力比との関係とを示す図である。
【図3】調光信号回路の具体回路例を示す図である。
【図4】調光信号回路の具体回路例を示す図である。
【図5】調光信号回路の具体回路例を示す図である。
【図6】図4,図5中のコンパレータの動作説明図である。
【図7】リセット端子の電圧がしきい電圧以下で発振停止する場合の具体回路例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2の照明装置の動作原理図である。
【図9】同照明装置の具体回路構成図である。
【図10】本発明の実施形態3の照明装置の動作原理図である。
【図11】本発明の実施形態3の照明装置の動作原理図である。
【図12】同照明装置の具体回路構成図である。
【図13】同照明装置の具体回路構成図である。
【図14】本発明の実施形態4の照明装置の動作原理図である。
【図15】本発明の実施形態5の照明装置を示す構成図である。
【図16】従来の照明装置の構成図である。
【図17】位相角制御された交流電源の非導通角と直流電圧との関係を示す図である。
【図18】位相角制御された交流電源の非導通角と予熱電流との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2 位相角制御器
3 入力端子
4 フィルタ回路
5 整流器
6 チョッパ回路
7 調光信号回路
70 上限クランプ回路
71 下限クランプ回路
72 ヒステリシス回路
8 インバータ回路
9 制御回路
91 チョッパ制御回路
92 インバータ制御回路
93 消灯機能
10 放電ランプ

Claims (8)

  1. 位相角制御された交流電源と接続される入力端子と、前記位相角制御された交流電源を直流電圧に整流する整流器と、インダクタ、整流素子および平滑コンデンサを含み、前記インダクタを介して前記直流電圧を高周波でスイッチングして入力電流の高調波歪みを抑制するチョッパ回路と、前記位相角制御された交流電源の導通角に応じた調光信号を生成する調光信号回路と、前記平滑コンデンサの電圧を交流電圧に変換するためのインバータ回路と、前記インバータ回路を通じて、前記平滑コンデンサを電源として前記調光信号回路の出力を受けて負荷である放電ランプを調光制御する制御回路とを具備し、前記制御回路が、前記平滑コンデンサの電圧が前記位相角制御された交流電源の導通角の変化に対して略一定から変極点を介して低下する動作特性を有し変極点の前に消灯するような消灯機能を有することを特徴とする照明装置。
  2. 前記変極点は略一定時の電圧の90%以下の電圧であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記制御回路が、前記位相角制御された交流電源の導通角が小さくなるにつれ前記負荷出力が小さくなり、かつ全出力時の導通角以上で負荷出力が一定となるよう制御することを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
  4. 前記制御回路が、調光下限において前記交流電源の導通角が変化しても前記負荷出力が略一定となる領域を持つことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 前記制御回路が、調光下限において消灯状態から点灯させる時の前記交流電源の導通角が、点灯状態から消灯させる時の導通角よりも大きくなるようなヒステリシス区間を持つことを特徴とする請求項4記載の照明装置。
  6. 前記制御回路が消灯状態から点灯させる時の導通角は調光下限域であることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
  7. 前記制御回路が、基準電圧と調光信号に応じた直流電圧のどちらかが前記位相角制御された交流電源の導通角の変化に対してヒステリシス特性を有し、かつ前記基準電圧と前記調光信号に応じた直流電圧の大小関係に応じて点灯状態から消灯または消灯状態から点灯するヒステリシス回路を備え、前記ヒステリシス区間で前記位相角制御された交流電源を投入すると、予熱、始動を経て点灯状態へ移行するような前記基準電圧と前記調光信号に応じた直流電圧の大小関係にすることを特徴とする請求項5または6記載の照明装置。
  8. 前記消灯機能が調光信号に応じて点灯状態から消灯させる時の第1導通角よりも小さい第2導通角まで前記調光信号回路および前記制御回路を動作させるのに必要な制御電源を確保可能な制御電源回路を有し、前記第1導通角よりも小さく前記第2導通角よりも大きい範囲で前記位相角制御された交流電源の電圧レベルに応じて前記制御回路の動作を停止させる動作停止機能を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の照明装置。
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