JP2004127592A - 発光装置の作製方法 - Google Patents

発光装置の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004127592A
JP2004127592A JP2002287139A JP2002287139A JP2004127592A JP 2004127592 A JP2004127592 A JP 2004127592A JP 2002287139 A JP2002287139 A JP 2002287139A JP 2002287139 A JP2002287139 A JP 2002287139A JP 2004127592 A JP2004127592 A JP 2004127592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
anode
organic compound
film
emitting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002287139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004127592A6 (ja
JP2004127592A5 (ja
JP4244126B2 (ja
Inventor
Tetsushi Seo
瀬尾 哲史
Yasuo Nakamura
中村 康男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2002287139A priority Critical patent/JP4244126B2/ja
Publication of JP2004127592A publication Critical patent/JP2004127592A/ja
Publication of JP2004127592A5 publication Critical patent/JP2004127592A5/ja
Publication of JP2004127592A6 publication Critical patent/JP2004127592A6/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4244126B2 publication Critical patent/JP4244126B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】上面出射型の発光素子の作製において、これまで用いてきた陽極材料の特性を低下することなく、発光素子の発光効率を向上させる手段を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明では、発光素子の陽極を形成する材料として、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する金属元素の窒化物または炭化物(以下、金属化合物という)を用いることを特徴とする。なお、金属化合物は、従来の陽極材料と比べて仕事関数が同等か、それ以上に大きいため、陽極からの正孔の注入性をこれまで以上に向上させることができる。また、導電性の面に関してもITOよりも抵抗率が小さいため、配線としての機能を充分に果たすことができ、従来に比べて発光素子における駆動電圧を低下させることができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の電極間に有機化合物を含む膜(以下、「有機化合物層」と記す)を設けた素子に電界を加えることで、蛍光又は燐光が得られる発光素子を用いた発光装置及びその作製方法に関する。なお、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源を指す。また、発光素子にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(TapeAutomated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
本発明でいう発光素子とは、電界を加えることにより発光する素子である。その発光機構は、電極間に有機化合物層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化合物層中で再結合して、励起状態の分子(以下、「分子励起子」と記す)を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光すると言われている。
【0003】
なお、有機化合物が形成する分子励起子の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能であると考えられるが、本明細書中ではどちらの励起状態が発光に寄与する場合も含むこととする。
【0004】
このような発光素子において、通常、有機化合物層は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。また、発光素子は、有機化合物層そのものが光を放出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプレイに用いられているようなバックライトも必要ない。したがって、発光素子は極めて薄型軽量に作製できることが大きな利点である。
【0005】
また、例えば100〜200nm程度の有機化合物層において、キャリアを注入してから再結合に至るまでの時間は、有機化合物層のキャリア移動度を考えると数十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発光までの過程を含めてもマイクロ秒以内のオーダーで発光に至る。したがって、非常に応答速度が速いことも特長の一つである。
【0006】
こういった薄型軽量・高速応答性・直流低電圧駆動などの特性から、発光素子は次世代のフラットパネルディスプレイ素子として注目されている。また、自発光型であり視野角が広いことから、視認性も比較的良好であり、携帯機器の表示画面に用いる素子として有効と考えられている。
【0007】
また、このような発光素子をマトリクス状に配置して形成された発光装置には、パッシブマトリクス駆動(単純マトリクス型)とアクティブマトリクス駆動(アクティブマトリクス型)といった駆動方法を用いることが可能である。しかし、画素密度が増えた場合には、画素(又は1ドット)毎にスイッチが設けられているアクティブマトリクス型の方が低電圧駆動できるので有利であると考えられている。
【0008】
また、これまでアクティブマトリクス型の発光装置としては、図17に示すように基板1701上のTFT1705と陽極1702とが電気的に接続され、陽極1702上に有機化合物層1703が形成され、有機化合物層1703上に陰極1704が形成された発光素子1707を有する。なお、発光素子1707における陽極材料としては、正孔注入性を容易にするために仕事関数の大きい導電性材料が使用され、これまでに実用特性を満たす材料としてITO(indium tinoxide)やIZO(indium zinc oxide)などの透光性を有する導電性材料が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−15860号公報
【0010】
そして、発光素子1707の有機化合物層1703において生じた光は、透光性を有する陽極1702からTFT1705の方向へ取り出されるという構造(以下、下面出射型という)が主流である。
【0011】
しかし、下面出射型の構造においては、解像度を向上させようとしても画素部におけるTFT及び配線等の配置により、開口率が制限されるという問題が生じる。
【0012】
これに対して、近年、陰極側から光を取り出す構造(以下、上面出射型という)が考案されている(例えば、特許文献2参照)。上面出射型の場合には、下面出射型に比べて開口率を大きくすることができるので、より高輝度が得られる発光素子を形成することができると考えられている。
【0013】
【特許文献2】
特開2001−43980号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上面出射型の発光装置の場合において、従来のような透光性を有する陽極材料を用いると、陰極側だけでなく陽極側からも光が出射されてしまうために発光効率が低下する。
【0015】
なお、陽極側から出射される光を遮断するための遮光性の膜を形成する場合には、その作製工程が増えるという問題がある。
【0016】
また、遮光性の金属材料を用いて陽極を形成する場合には、その作製工程が増えることはないが、従来のITOと比べて、その仕事関数の大きさや、材料のコスト面で勝るものはない。また、金属材料を用いた場合には、有機化合物膜との密着性の問題もITOに比べて低下する。
【0017】
そこで、本発明では上面出射型の発光素子の作製において、これまで用いてきた陽極材料の特性を低下することなく、発光素子の発光効率を向上させる手段を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明では、発光素子の陽極を形成する材料として、仕事関数が大きく、かつ遮光性を有する導電膜を用いることを特徴とする。また、本明細書中において、遮光性を有するとは、その膜に対する可視光の透過率が10%未満であることをいう。なお、陽極材料として遮光性の導電膜を用いることによりアクティブマトリクス型の発光装置の作製において、発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(以下、TFTと示す)と発光素子の陽極とを電気的に接続するための配線形成と同時に陽極を形成することができるので、これまで透明性導電膜を用いていた場合に必要であった遮光膜等を形成するプロセスが削減できることを特徴としている。さらに、本明細書中における導電膜とは、その抵抗率が1×10−2Ωcm以下の膜のことをいう。
【0019】
また、本発明において用いる陽極材料は、従来陽極材料として用いられたITOやIZOと比べて仕事関数が同等か、それ以上に大きいため、これらを用いて陽極を形成することにより、陽極からの正孔の注入性をこれまで以上に向上させることができる。また、導電性の面に関してもITOよりも抵抗率が小さいため、先に述べた配線としての機能を充分に果たすことができると共に従来に比べて発光素子における駆動電圧を低下させることができる。
【0020】
さらに、本発明において用いる陽極材料は、遮光性を有する導電性の金属膜を用いて形成する場合に比べて、有機化合物との積層の際における密着性に優れている。これは、本発明の陽極材料が金属を含む窒化物または炭化物といった化合物(以下、金属化合物という)からなり、金属化合物に含まれる窒素や炭素と、有機化合物に含まれる炭素、酸素、水素または窒素等が部分的に共有結合を形成するためであると思われる。つまり、発光素子の形成において、金属膜からなる陽極上に有機化合物層を形成する場合に比べて、金属化合物からなる陽極上に有機化合物層を形成する方が、成膜性において優れているということができる。
【0021】
本発明において開示する発明の構成は、陽極、陰極、及び有機化合物層を有する発光装置であって、前記陽極と前記陰極との間に前記有機化合物層を有し、前記陽極は金属化合物からなることを特徴とする発光装置である。
【0022】
また、他の発明の構成は、陽極、陰極、及び有機化合物層を有する発光装置であって、前記陽極と前記陰極との間に前記有機化合物層を有し、前記陽極は、金属化合物として元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素を含むことを特徴とする発光装置である。
【0023】
さらに、他の発明の構成は、陽極、陰極、及び有機化合物層を有する発光装置であって、前記陽極と前記陰極との間に前記有機化合物層を有し、前記陽極は、金属化合物として元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなることを特徴とする発光装置である。
【0024】
さらに、他の発明の構成は、絶縁表面上に設けられたTFTと、発光素子とを有する発光装置において、前記発光素子は陽極、陰極、及び有機化合物層とを有し、前記TFTは前記陽極と電気的に接続され、前記陽極は、金属化合物からなることを特徴とする発光装置である。
【0025】
さらに、他の発明の構成は、絶縁表面上に設けられたTFTと、発光素子とを有する発光装置において、前記発光素子は陽極、陰極、及び有機化合物層とを有し、前記TFTは前記陽極と電気的に接続され、前記陽極は、金属化合物として元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素を含むことを特徴とする発光装置である。
【0026】
さらに、他の発明の構成は、絶縁表面上に設けられたTFTと、発光素子とを有する発光装置において、前記発光素子は陽極、陰極、及び有機化合物層とを有し、前記TFTは前記陽極と電気的に接続され、前記陽極は、金属化合物として元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなることを特徴とする発光装置である。
【0027】
なお、上記各構成において、陽極は、その抵抗率が1×10−2Ωcm以下の材料からなることを特徴とする。
【0028】
また、上記各構成において、陽極は、仕事関数が4.7eV以上の材料からなることを特徴とする。
【0029】
また、上記各構成において、陽極は、窒化チタン、窒化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化タンタル、炭化タンタル、窒化モリブデン、炭化モリブデンのいずれか一からなることを特徴とする。
【0030】
また、上記各構成に加えて、金属化合物で形成される陽極が遮光性を有する場合には、陽極における可視光の透過率は10%未満となり、この場合には、陰極は、透光性を有する導電膜により形成され、陰極における可視光の透過率は、40%以上であることを特徴とする。なお、陰極における40%以上の透過率を確保するためには、透光性の優れた導電膜を用いる他、陰極を形成する導電膜の膜厚を発光素子が駆動する程度の導電率が得られるように薄膜化することもできる。また、本発明において陰極を形成する導電膜は、その抵抗率が1×10−2Ωcm以下の材料からなることを特徴とする。
【0031】
本発明において、発光素子の陽極は元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなる。これらの金属化合物は、仕事関数が4.7eV以上である。さらに、これらの金属化合物は、オゾン雰囲気下での紫外線照射処理(以下、UVオゾン処理という)により仕事関数を更に高めることができる。例えば、窒化チタン(TiN)は、仕事関数が4.7eVであるが、UVオゾン処理により、その仕事関数を5.0eV以上にすることができる。
なお、これは、TiNだけでなく窒化タンタル(TaN)に関しても同様にUV処理により仕事関数を大きくすることが可能である。従来は、遮光性の陽極材料として元素周期律の第5族又は第6族に属する金属が用いられてきたが、これらは、いずれも仕事関数が4.7eV未満であり、金属化合物を用いて形成された本発明の陽極の方が正孔注入性に優れているため発光素子の素子特性を向上させることができる。
【0032】
なお、本発明の発光装置の作製において、金属化合物からなる陽極を形成した後で、陽極表面をUVオゾン処理してから陽極上に有機化合物層を形成することができる。
【0033】
そこで、本発明における他の構成は、絶縁表面上に陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、前記陽極には遮光性を有する金属化合物を用いることを特徴とする発光装置の作製方法である。なお、遮光性を有する金属化合物とは、具体的には元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物をいう。
【0034】
また、本発明で用いる金属化合物は、通常の金属単体からなる膜の抵抗率が1×10−4Ωcm未満であるのに対して、1×10−4Ωcm以上であり、かつ1×10−2Ωcm以下である。しかし、従来の陽極材料として用いられているITOの抵抗率は、1×10−2Ωcm以上であることから、発光素子の陽極を形成するのに充分な導電性を有している。
【0035】
なお、本発明の発光装置は、TFTと電気的に接続された発光素子とを有するアクティブマトリクス型の発光装置及びパッシブマトリクス型の発光装置のいずれも含むものとする。
【0036】
尚、本発明の発光装置から得られる発光は、一重項励起状態又は三重項励起状態のいずれか一方、またはその両者による発光を含むものとする。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1(A)(B)を用いて説明する。本発明の発光装置は、図1(A)に示す素子構造の発光素子を有する。
【0038】
図1(A)に示すように基板101上に陽極102が形成され、陽極102と接して有機化合物層103が形成され、有機化合物層103と接して陰極104が形成されている。なお、陽極102から有機化合物層103に正孔が注入され、陰極104からは有機化合物層103に電子が注入される。そして、有機化合物層103において、正孔と電子が再結合することにより発光が得られる。
【0039】
また、有機化合物層103は、発光層を含み、正孔注入層、正孔輸送層、ブロッキング層、電子輸送層、および電子注入層といったキャリアに対する機能の異なる層のいずれか一つ、もしくは複数を組み合わせて積層することにより形成される。
【0040】
さらに、上記有機化合物層103において、その一部に無機化合物を含む層を組み合わせて用いることもできる。
【0041】
なお、陽極102は、遮光性の金属化合物により形成される。また、陰極104は、透光性の導電膜により形成され、その透過率は40%以上を有している。
そのため、有機化合物層103において生じた光は、陰極104を透過して外部に出射される。
【0042】
なお、本実施の形態において、金属化合物とは、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する金属元素の窒化物または炭化物のことをいう。好ましくは、窒化チタン、窒化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化タンタル、炭化タンタル、窒化モリブデン、炭化モリブデンから選択される。
【0043】
なお、金属化合物は、仕事関数が4.7eV以上である。例えば、窒化チタン(TiN)は、仕事関数が4.7eVである。また、金属化合物は、オゾン雰囲気下における紫外線照射処理(UVオゾン処理)、もしくはプラズマ処理を行うことにより仕事関数をさらに大きくすることができる。図15には、UVオゾン処理時間に伴う仕事関数の変化を測定した結果を示す。なおここでの仕事関数の測定は大気中で行い、光電子分光法により、理研計器株式会社製の「光電子分光装置 AC−2」を用いて測定した。図15から6分間のUVオゾン処理により窒化チタンの仕事関数が、4.7eVから5.05eVへと増加する様子が分かる。なお、窒化タンタルに関しても同様に仕事関数が大きくなる傾向が見られる。
【0044】
これに対して、金属単体であるタングステン(W)は、UVオゾン処理を行っているにもかかわらず仕事関数の値にほとんど変化が見られない。この結果は、UVオゾン処理が、金属単体に対して仕事関数を増大させる効果はなく、本発明の金属化合物に対してのみ仕事関数を増大させる効果を有することを意味している。
【0045】
なお、図1(B)には、基板101上に形成されたTFT105と発光素子106とが電気的に接続されたアクティブマトリクス型の発光装置を示している。
【0046】
図1(A)で説明した発光素子を有するアクティブマトリクス型の発光装置を形成する場合には、TFT105のソースまたはドレインのいずれか一方に電気的な信号を入力し、また、他方から出力するための配線107が形成される。
【0047】
なお、本実施の形態においては、陽極102は、配線を兼ねて形成することができる。また、陽極上には、図1(A)で示したのと同様に有機化合物層103および陰極104が積層され、発光素子106が完成する。
【0048】
ここで、図2および図3を用いてアクティブマトリクス型の発光装置の作製方法について説明する。
【0049】
図2(A)において、基板201上にTFT202が形成されている。なお、基板201としては、透光性を有する基板としてガラス基板を用いるが、石英基板を用いても良い。また、TFT202は公知の方法を用いて形成すれば良く、TFT202は、少なくともゲート電極203と、ゲート電極203とゲート絶縁膜204とを介して形成されたソース領域205と、ドレイン領域206と、チャネル形成領域207、とを備えている。なお、チャネル領域207は、ソース領域205と、ドレイン領域206との間に形成されている。
【0050】
また、図2(B)に示すようにTFT202を覆って層間絶縁膜208が1〜2μmの膜厚で設けられ、その層間絶縁膜208に開口部を形成した後、層間絶縁膜208の上に遮光性の金属化合物からなる膜(以下、金属化合物膜209という)をスパッタリング法により成膜する(図2(C))。なお、層間絶縁膜を形成する材料としては、酸化珪素、窒化珪素および窒化酸化珪素等の珪素を含む絶縁膜の他、ポリイミド、ポリアミド、アクリル(感光性アクリルを含む)、BCB(ベンゾシクロブテン)といった有機樹脂膜を用いることもできる。
【0051】
金属化合物膜209の形成には、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する金属元素の窒化物または炭化物を用いることができる。好ましくは、窒化チタン、窒化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化タンタル、炭化タンタル、窒化モリブデン、炭化モリブデンを用いて形成する。
【0052】
次に図2(D)に示すように上記金属化合物膜209をパターニングすることによりTFT202と電気的に接続される配線211を形成する。なお、本発明においては、配線としての機能も兼ねた陽極210が同時に形成される。これにより配線形成と陽極形成を同時に行うことができるので、陽極を形成するための作製工程を削減することができる。
【0053】
パターニングの方法としては、ドライエッチング法又はウエットエッチング法のいずれを用いてもよい。
【0054】
また、図3(A)に示すように陽極の端部と陽極間の隙間を覆うようにして絶縁層212が形成される。なお、絶縁層は先に層間絶縁膜208を形成する際に用いた材料を用いることができる。なお、膜厚は、1〜2μmであることが好ましい。
【0055】
次に、有機化合物層213が、陽極210上に形成される(図3(B))。なお、有機化合物層213を形成する材料としては、低分子系、高分子系、もしく中分子系の公知の有機化合物を用いることができる。なお、ここでいう中分子系の有機化合物とは、昇華性や溶解性を有さない有機化合物の凝集体(好ましくは分子数10以下)、又は連鎖する分子の長さが10μm以下(好ましくは50nm以下)の有機化合物のことをいう。
【0056】
さらに、有機化合物層213上に陰極214を形成することにより発光素子215が完成する。なお、本実施の形態において、有機化合物層213で生じた光は、陰極214側から出射されるため、陰極214の可視光に対する透過率は40%以上であることが好ましい(図3(C))。
【0057】
なお、陰極214を形成する材料としては陰極214からの電子の注入性を向上させるために仕事関数の小さい材料が好ましく、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属に属する材料を単体で用いたり、その他の材料と積層したり、その他の材料とで形成される合金により形成する。
【0058】
なお、ここではトップゲート型のTFTを例として説明したが、特に限定されず、トップゲート型のTFTに代えて、ボトムゲート型TFTや順スタガ型TFTやその他のTFT構造に適用することも可能である。
【0059】
このような構造とすることによって、有機化合物層213において、キャリアの再結合により生じた発光を陽極210側から出射させることなく陰極214側から効率良く出射させることができる。
【0060】
以上の構成からなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【0061】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
【0062】
(実施例1)
本実施例では、本発明の発光装置が有する発光素子の素子構造について図4を用いて詳細に説明する。特に、有機化合物層に低分子系化合物を用いて形成され素子構造について説明する。
【0063】
実施の形態で説明したように、陽極401は、遮光性の金属化合物膜により形成される。本実施例において、陽極401は、図3(C)で示したようにTFT202と電気的に接続された電極であり、本実施例においては、TiNを用いてスパッタリング法により110nmの膜厚で形成される。なお、ここで用いるスパッタリング法としては、2極スパッタ法、イオンビームスパッタ法、または対向ターゲットスパッタ法等がある。
【0064】
そして、陽極401上に有機化合物層402が形成されるが、初めに陽極からの正孔の注入性を向上させる機能を有する正孔注入層403が形成される。本実施例においては、正孔注入層403として、銅フタロシアニン(Cu−Pc)を30nmの膜厚で成膜して形成する。なお、ここでは、蒸着法を用いて形成する。
【0065】
次に正孔輸送性に優れた材料により正孔輸送層404が形成される。ここでは4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)を40nmの膜厚で蒸着法により成膜する。
【0066】
次に発光層405が形成される。本実施例では、発光層405において、正孔と電子が再結合し、発光を生じる。なお、発光層405は、正孔輸送性のホスト材料として4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル(以下、CBPと示す)を用い、発光性の有機化合物であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))と共に共蒸着することにより30nmの膜厚で成膜する。
【0067】
さらに、ブロッキング層406を形成する。ブロッキング層406は、正孔阻止層とも呼ばれ、発光層405に注入された正孔が電子輸送層を通り抜けて陰極に到達してしまった場合に再結合に関与しない無駄な電流が流れるのを防ぐための層である。本実施例ではブロッキング層406としてバソキュプロイン(以下、BCPと示す)を10nmの膜厚で蒸着法により成膜する。
【0068】
最後に電子輸送層407を形成することにより積層構造を有する有機化合物層402が完成する。電子輸送層407は、電子受容性を有する電子輸送性の材料により形成される。本実施例では、電子輸送層407としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alqと示す)を40nmの膜厚で蒸着法により成膜する。
【0069】
次に陰極408が形成される。本発明において、陰極408は有機化合物層402で生じた光を透過させる電極であるので透光性を有する材料で形成される。
また、陰極408は、電子を有機化合物層402に注入する電極であるため仕事関数の小さい材料で形成される必要がある。そこで、本実施例では、仕事関数を小さくするためにアルカリ土類金属のフッ化物であるフッ化カルシウム(CaF)を2nmの膜厚で形成し、さらに、陰極408の導電性を向上させるために導電率の高いアルミニウム(Al)を20nmの膜厚で形成し、積層構造を有する陰極408を形成する。
【0070】
なお、本実施例では、陰極としての機能を高めるために仕事関数の小さい材料と、導電率の高い材料を積層し、更に、陰極における透過率を40%以上確保するために10〜30nm程度の極薄膜で形成することとしたが、陰極としての機能を十分有し、かつ透過率を40%以上確保することが可能な材料であれば、必ずしも膜厚を薄くする必要はない。
【0071】
ここで、有機化合物層に低分子系有機化合物を用いて形成された素子であって、チタン(Ti)および遮光性の金属化合物膜であるTiNが積層された陽極と、Cu−Pc、α−NPD、およびAlqが積層された有機化合物層と、フッ化バリウム(BaF)およびAlが積層された陰極とからなる発光素子の素子特性について測定した結果を図18に示す。なお、この場合の遮光性の金属化合物膜には、UVオゾン処理を行ったTiNを用いている。図18(A)には、この発光素子の電圧に対する輝度特性を示し、図18(B)には、電圧に対する電流特性を示す。
【0072】
図18(A)(B)に示す結果から、発光開始時(1cd/m)における駆動電圧が5V以下と低く、また電圧の印加に伴い電流が充分に流れており、TiNを陽極に用いた発光素子がキャリア注入型の素子として充分に機能することが分かる。
【0073】
さらに、図18(A)(B)に示した素子と素子構造が同じ発光素子において、遮光性の金属化合物膜であるTiNにプラズマ処理を行った場合の素子特性について測定した結果を図19(A)(B)に示す。図19(A)には、発光素子の電圧に対する輝度特性を示し、図19(B)には、電圧に対する電流特性を示す。
【0074】
なお、ここでのプラズマ処理は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)により行うことができる。具体的には、処理室において、その上部の石英板上に配置されたアンテナコイルが、マッチングボックスを介してICP RF電源に接続され、対向に配置された電極(下部電極)もマッチングボックスを介してBias RF電源に接続されている。そして表面に遮光性の金属化合物膜であるTiN膜が形成された基板が、処理室内の下部電極上に備えられ、プラズマ処理される。
【0075】
また、プラズマ処理には、N、O、Ar、BCl、Clといったガスを1種または複数種組み合わせて用いることができる。なお、図19(A)(B)に示す素子の場合には、BClの流量を60(sccm)、Clの流量を20(sccm)として用いた。また、下部電極にBias RF電源から100WのRF電力を投入し、1.9Paの圧力でアンテナコイルに450WのRF電力を投入することによりプラズマを発生させ、TiN膜表面のプラズマ処理を行った。表面のプラズマ処理の時間としては、5〜60secで行うのが好ましいが、図19に示す素子の場合には、10secの処理を行っている。
【0076】
図19(A)には、発光素子の電圧に対する輝度特性を示し、図19(B)には、電圧に対する電流特性を示す。
【0077】
なお、この場合においては、UVオゾン処理の場合と同様に発光開始時(1cd/m)における駆動電圧が5V以下と低く、また電圧の印加に伴い電流も充分に流れるという結果が得られるだけでなく、駆動電圧に対する輝度が15Vで3000cd/m以上となり、プラズマ処理により素子特性がさらに向上するという結果が得られている。
【0078】
(実施例2)
本実施例では、本発明の発光装置が有する発光素子の素子構造について図5を用いて詳細に説明する。特に、有機化合物層に高分子系化合物を用いて形成され素子構造について説明する。
【0079】
実施の形態で説明したように、陽極501は、遮光性の金属化合物膜により形成される。
【0080】
本実施例において、陽極501は、図3(C)で示すようにTFT202と電気的に接続された電極であり、本実施例においては、TaNを用いてスパッタリング法により110nmの膜厚で形成される。なお、ここで用いるスパッタリング法としては、2極スパッタ法、イオンビームスパッタ法、または対向ターゲットスパッタ法等がある。
【0081】
また、本実施例において陽極501上に形成される有機化合物層502は、正孔輸送層503と発光層504との積層構造からなる。なお、本実施例における有機化合物層502には、高分子系の有機化合物を用いて形成する。
【0082】
正孔輸送層503には、PEDOT(poly(3,4‐ethylene dioxythiophene))とアクセプター材料であるポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと示す)とを両方用いて形成する他、ポリアニリン(以下、PANIと示す)とアクセプター材料であるショウノウスルホン酸(以下、CSAと示す)とを両方用いて形成することができる。なお、これらの材料は、水溶性であることから水溶液としたものを塗布法により塗布して成膜する。なお、本実施例では正孔輸送層503としてPEDOT及びPSSからなる膜を30nmの膜厚で形成する。
【0083】
また、発光層504には、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、もしくはポリフルオレン系の材料を用いることができる。
【0084】
ポリパラフェニレンビニレン系の材料としては、オレンジ色の発光が得られるポリパラフェニレンビニレン(poly(p−phenylene vinylene))(以下、PPVと示す)、ポリ(2−(2’−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)(poly[2−(2’−ethylhexoxy)−5−methoxy−1,4−phenylene vinylene])(以下、MEH−PPVと示す)、緑色の発光が得られるポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)(poly[2−(dialkoxyphenyl)−1,4−phenylene vinylene])(以下、ROPh−PPVと示す)等を用いることができる。
【0085】
ポリパラフェニレン系の材料としては、青色発光が得られるポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)(poly(2,5−dialkoxy−1,4−phenylene))(以下、RO−PPPと示す)、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)(poly(2,5−dihexoxy−1,4−phenylene))等を用いることができる。
【0086】
また、ポリチオフェン系の材料としては、赤色発光が得られるポリ(3−アルキルチオフェン)(poly(3−alkylthiophene))(以下、PATと示す)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(poly(3−hexylthiophene))(以下、PHTと示す)、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)(poly(3−cyclohexylthiophene))(以下、PCHTと示す)、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)(poly(3−cyclohexyl−4−methylthiophene))(以下、PCHMTと示す)、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)(poly(3,4−dicyclohexylthiophene))(以下、PDCHTと示す)、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン](poly[3−(4octylphenyl)−thiophene])(以下、POPTと示す)、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン](poly[3−(4−octylphenyl)−2,2−bithiophene])(以下、PTOPTと示す)等を用いることができる。
【0087】
さらに、ポリフルオレン系の材料としては、青色発光が得られるポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(poly(9,9−dialkylfluorene)(以下、PDAFと示す)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(poly(9,9−dioctylfluorene)(以下、PDOFと示す)等を用いることができる。
【0088】
なお、これらの材料は、有機溶媒に溶解させた溶液を塗布法により塗布して形成する。なお、ここで用いる有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、テトラリン、キシレン、ジクロロメタン、シクロヘキサン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、ジオキサン、THF(テトラヒドロフラン)等である。
【0089】
本実施例では、発光層504としてPPVからなる膜を80nmの膜厚で形成する。以上により正孔輸送層503および発光層504とを積層した有機化合物層502を得ることができる。
【0090】
次に陰極505が形成される。本発明において、陰極505は有機化合物層502で生じた光を透過させる電極であるので透光性を有する材料で形成される。
また、陰極505は、電子を有機化合物層502に注入する電極であるため仕事関数の小さい材料で形成する必要がある。そこで、本実施例では、仕事関数を小さくするためにアルカリ土類金属であるセシウム(Cs)を2nmの膜厚で形成し、さらに、陰極407の導電性を向上させるために導電率の高いアルミニウム(Al)を20nmの膜厚で形成し、積層構造を有する陰極407を形成する。
【0091】
なお、本実施例では、陰極としての機能を高めるために仕事関数の小さい材料と、導電率の高い材料を積層し、更に、陰極における透過率を40%以上確保するために10〜30nm程度の極薄膜で形成することとしたが、陰極としての機能を十分有し、かつ透過率を40%以上確保することが可能な材料であれば、必ずしも膜厚を薄くする必要はない。
【0092】
(実施例3)
本実施例では、同一基板上に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製し、さらに、画素部にはTFTと電気的に接続された発光素子を形成して、素子基板を作製する方法について図6〜図9を用いて説明する。なお、本実施例では、実施の形態で示した素子構造を有する発光素子を形成する。
【0093】
まず、本実施例ではコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板600を用いる。なお、基板600としては、透光性を有する基板であれば限定されず、石英基板を用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0094】
次いで、基板600上に酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜601を形成する。本実施例では下地膜601として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。下地膜601の1層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH、NH、及びNOを反応ガスとして成膜される酸化窒化珪素膜601aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成する。本実施例では、膜厚50nmの酸化窒化珪素膜601a(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成した。
【0095】
次いで、下地膜601の2層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH、及びNOを反応ガスとして成膜される酸化窒化珪素膜301bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜601b(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成する。
【0096】
なお、下地膜601を形成する材料としては、AlON、AlN、AlO等を単層又は多層して用いることができる。
【0097】
次いで、下地膜601上に半導体層602〜605を形成する。半導体層602〜605は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングして形成する。
この半導体層602〜605の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくは珪素(シリコン)またはシリコンゲルマニウム(Si1−XGe(X=0.0001〜0.02))合金などで形成すると良い。
【0098】
本実施例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質珪素膜を成膜した後、ニッケルを含む溶液を非晶質珪素膜上に保持させる。この非晶質珪素膜に脱水素化(500℃、1時間)を行った後、熱結晶化(550℃、4時間)を行い、さらに結晶化を改善するためのレーザーアニ―ル処理を行って結晶質珪素膜を形成する。そして、この結晶質珪素膜をフォトリソグラフィ−法によるパターニング処理によって、半導体層602〜605を形成する。
【0099】
また、半導体層602〜605を形成する前、もしくは、形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
【0100】
また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合には、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVOレーザーを用いることができる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm(代表的には200〜300mJ/cm)とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数30〜300Hzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm(代表的には350〜500mJ/cm)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を50〜90%として行えばよい。
【0101】
次いで、半導体層602〜605を覆うゲート絶縁膜607を形成する。ゲート絶縁膜607はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により110nmの厚さで酸化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。勿論、ゲート絶縁膜607は酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0102】
また、酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Ortho silicate)とOとを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cmで放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化珪素膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0103】
次いで、図6(A)に示すように、ゲート絶縁膜607上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜608と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜609とを積層形成する。本実施例では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電膜608と、膜厚370nmのW膜からなる第2の導電膜609を積層形成する。
TaN膜は、Taのターゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でスパッタ法により形成する。また、W膜は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF)を用いる熱CVD法で形成することもできる。
【0104】
いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W膜中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。従って、本実施例では、高純度のW(純度99.9999%)のターゲットを用いたスパッタ法で、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0105】
なお、本実施例では、第1の導電膜608をTaN、第2の導電膜609をWとしたが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、Ag、Pd、Cuからなる合金を用いてもよい。
【0106】
また、第1の導電膜608をタンタル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜609をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜608を窒化チタン(TiN)膜で形成し、第2の導電膜609をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜608を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜609をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜608を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜609をCu膜とする組み合わせ、第1の導電膜608をW、Mo、もしくはWとMoからなる膜で形成し、第2の導電膜609をAlとSi、AlとTi、AlとSc、もしくはAlとNdとからなる膜で形成し、さらに第3の導電膜(図示せず)をTi、TiN、もしくはTiとTiNからなる膜で形成する組み合わせとしてもよい。
【0107】
次に、図6(B)に示すようにフォトリソグラフィ−法を用いてレジストからなるマスク610〜613を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件で行う。本実施例では第1のエッチング条件として、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCFとClとOとを用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。ここでは、松下電器産業(株)製のICPを用いたドライエッチング装置(Model  E645−□ICP)を用いる。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。
【0108】
この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。第1のエッチング条件でのWに対するエッチング速度は200.39nm/min、TaNに対するエッチング速度は80.32nm/minであり、TaNに対するWの選択比は約2.5である。また、この第1のエッチング条件によって、Wのテーパー角は、約26°となる。
【0109】
この後、図6(B)に示すようにレジストからなるマスク610〜613を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCFとClとを用い、それぞれのガス流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約15秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CFとClを混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。
【0110】
第2のエッチング条件でのWに対するエッチング速度は58.97nm/min、TaNに対するエッチング速度は66.43nm/minである。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
【0111】
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°とすればよい。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層615〜618(第1の導電層615a〜618aと第2の導電層615b〜618b)を形成する。620はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層615〜618で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0112】
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する(図6(B))。ドーピング処理はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015atoms/cmとし、加速電圧を60〜100keVとして行う。本実施例ではドーズ量を1.5×1015atoms/cmとし、加速電圧を80keVとして行う。
【0113】
n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層615〜618がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に高濃度不純物領域621〜624が形成される。高濃度不純物領域621〜624には1×1020〜1×1021atoms/cmの濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
【0114】
次いで、図6(C)に示すようにレジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。第2のエッチング処理では第3及び第4のエッチング条件で行う。ここでは、第3のエッチング条件として、エッチング用ガスにCFとClとを用い、それぞれのガス流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約60秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CFとClを混合した第3のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。
【0115】
第3のエッチング条件でのWに対するエッチング速度は58.97nm/min、TaNに対するエッチング速度は66.43nm/minである。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
【0116】
この後、図6(C)に示すようにレジストからなるマスク610〜613を除去せずに第4のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCFとClとOとを用い、それぞれのガス流量比を20/20/20(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して、約20秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。
【0117】
第4のエッチング処理でのTaNに対するエッチング速度は14.83nm/minである。従って、W膜が選択的にエッチングされる。この第4のエッチング処理により第2の導電層626〜629(第1の導電層626a〜629aと第2の導電層626b〜629b)を形成する。
【0118】
次いで、図7(A)に示すように第2のドーピング処理を行う。ドーピングは第2の導電層626b〜629bを不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層におけるテーパー部下方の半導体層に不純物元素が添加されるようにドーピングする。本実施例では、不純物元素としてP(リン)を用い、ドーズ量1.5×1014、電流密度0.5μA、加速電圧90keVにてプラズマドーピングを行う。
【0119】
こうして、第1の導電層と重なる低濃度不純物領域631a〜634a、第1の導電層と重ならない低濃度不純物領域631b〜634bを自己整合的に形成する。なお、この低濃度不純物領域631〜634へ添加されるリン(P)の濃度は、1×1017〜5×1018atoms/cmである。また、高濃度不純物領域621〜624にも不純物元素が添加され、高濃度不純物領域635〜638を形成する。
【0120】
次いで、図7(B)に示すようにレジスト(639、640)からなるマスクを形成して第3のドーピング処理を行う。この第3のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に前記一導電型(n型)とは逆の導電型(p型)を付与する不純物元素が添加された不純物領域641a、641b、642a、および642bを形成する。第1の導電層627a、および第2の導電層627bを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域を形成する。
【0121】
本実施例では、不純物領域641a、641b、642a、および642bはジボラン(B)を用いたイオンドープ法で形成する。第1のドーピング処理及び第2のドーピング処理によって、不純物領域641aおよび642aに対して641bおよび642bにはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、そのいずれの領域においてもp型を付与する不純物元素の濃度が2×1020〜2×1021atoms/cmとなるようにドーピング処理することにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能するために何ら問題は生じない。
【0122】
次いで、レジストからなるマスク639、640を除去して図7(C)に示すように第1の層間絶縁膜643を形成する。本実施例では、第1の層間絶縁膜643として、珪素及び窒素を含む第1の絶縁膜643aと珪素及び酸素を含む第2の絶縁膜643bとの積層膜を形成する。
【0123】
まず、珪素を含む第1の絶縁膜643aとしては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を形成する。勿論、第1の絶縁膜643aは上述した膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0124】
次いで、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550℃で行えばよく、本実施例では550℃、4時間の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱アニール法の他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。
【0125】
なお、本実施例では、上記活性化処理と同時に、結晶化の際に触媒として使用したニッケルが高濃度のリンを含む不純物領域(635、637、638)にゲッタリングされ、主にチャネル形成領域となる半導体層中のニッケル濃度が低減される。このようにして作製したチャネル形成領域を有するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成することができる。
【0126】
また、第1の層間絶縁膜を形成する前に活性化処理を行っても良い。ただし、用いた配線材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するために層間絶縁膜(シリコンを主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素膜)を形成した後で活性化処理を行うことが好ましい。
【0127】
その他、活性化処理を行った後でドーピング処理を行い、第1の層間絶縁膜を形成させても良い。
【0128】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。本実施例では水素を約100%含む窒素雰囲気中で410℃、1時間の熱処理を行った。この工程は第1の層間絶縁膜に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0129】
また、活性化処理としてレーザーアニール法を用いる場合には、上記水素化を行った後、エキシマレーザーやYAGレーザー等のレーザー光を照射することが望ましい。
【0130】
次いで、第1の絶縁膜643a上に第2の絶縁膜643bとして、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを1〜2μmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚1.2μmの酸化珪素膜を形成する。勿論、第2の絶縁膜643bは上述した膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0131】
以上により、第1の絶縁膜643aと第2の絶縁膜643bからなる第1の層間絶縁膜643を形成することができる。
【0132】
次いで、各不純物領域635、636、637、638に達するコンタクトホールを形成するためのパターニングを行う。
【0133】
なお、第1の絶縁膜643a及び第2の絶縁膜643bはいずれもプラズマCVD法により形成された珪素を含む絶縁膜であることから、コンタクトホールの形成には、ドライエッチング法、またはウエットエッチング法を用いることができるが、本実施例では、第1の絶縁膜にウエットエッチング法を用い、第2の絶縁膜にドライエッチング法を用いることによりエッチングを行う。
【0134】
はじめに、第2の絶縁膜643bのエッチングを行う。ここでは、フッ化水素アンモニウム(NHHF)を7.13%とフッ化アンモニウム(NHF)を15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)をエッチャントとし、20℃においてウエットエッチングを行う。
【0135】
次に第1の絶縁膜643bのエッチングを行う。この時、エッチングガス用にCHFを用い、ガスの流量比を35(sccm)とし、7.3Paの圧力で電極に800WのRF電力を投入することによりドライエッチングを行う。
【0136】
そして、各高濃度不純物領域635、636、637、638とそれぞれ電気的に接続する配線645〜651と陽極652を形成する。本実施例では、遮光性の導電性材料を用いて形成する。具体的には、元素周期律の第4族、第5族または6族に属する元素からなる導電性の窒化物、酸化物、炭化物、ホウ化物、珪化物を用いることができるが、ここでは、窒化チタン(TiN)を用い、500nmの膜厚に成膜した後、これをパターニングして配線645〜651および陽極652を形成する(図8(A))。
【0137】
なお、本実施例におけるパターニングの際のエッチング条件は、エッチング用ガスにCFとClとを用い、それぞれのガス流量比を40/40(sccm)とし、1.2Paの圧力でコイル型の電極に450WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。
【0138】
なお、本実施例では、陽極652は配線形成と同時に形成され、高濃度不純物領域638との配線を兼ねて形成される。
【0139】
次に絶縁膜を1μmの厚さに成膜する。なお、本実施例においては、絶縁膜を形成する材料として酸化珪素からなる膜を用いているが、場合によっては、窒化珪素および酸化窒化珪素といった珪素を含む絶縁膜の他、ポリイミド、ポリアミド、アクリル(感光性アクリルを含む)、BCB(ベンゾシクロブテン)といった有機樹脂膜を用いることもできる。
【0140】
この絶縁膜の陰極652に対応する位置に開口部を形成して、絶縁層653を形成する(図8(B))。
【0141】
具体的には、感光性アクリルを用いて1μmの絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ−法によりパターニングを行った後で、エッチング処理を行うことにより絶縁層653を形成する。
【0142】
次に、絶縁層653の開口部において露出している陽極652上に有機化合物層654を蒸着法により形成する(図9(A))。ここでは、本実施例において赤、緑、青の3種類の発光を示す有機化合物により形成される有機化合物層のうちの一種類が形成される様子を示すが、3種類の有機化合物層を形成する有機化合物の組み合わせについて、図10により説明する。
【0143】
なお、図10(A)に示す発光素子は、陽極1001、有機化合物層1002、及び陰極1003からなり、有機化合物層1002は、正孔輸送層1004、発光層1005電子輸送層1006の積層構造を有している。なお、赤色発光を示す発光素子を構成する材料及び膜厚について図10(B)に示し、緑色発光を示す発光素子を構成する材料及び膜厚について図10(C)に示し、青色発光を示す発光素子を構成する材料及び膜厚について図10(D)にそれぞれ示す。
【0144】
はじめに、赤色発光を示す有機化合物層を形成する。具体的には、正孔輸送層1004は、正孔輸送性の有機化合物である、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)を40nmの膜厚に成膜し、発光層1005は、発光性の有機化合物である、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H、23H−ポルフィリン−白金(以下、PtOEPと示す)をホストとなる有機化合物(以下、ホスト材料という)である4,4’−ジカルバゾール−ビフェニル(以下、CBPと示す)と共に共蒸着させて30nmの膜厚に成膜し、ブロッキング層1006は、ブロッキング性の有機化合物である、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)を10nmの膜厚に成膜し、電子輸送層1007は、電子輸送性の有機化合物である、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alqと示す)を40nmの膜厚に成膜することにより赤色発光の有機化合物層を形成する。
【0145】
なお、ここでは赤色発光の有機化合物層として、5種類の機能の異なる有機化合物を用いて形成する場合について説明したが、本発明は、これに限られることはなく、赤色発光を示す有機化合物として公知の材料を用いることができる。
【0146】
次に、緑色発光を示す有機化合物層を形成する。具体的には、正孔輸送層1004は、正孔輸送性の有機化合物である、α−NPDを40nmの膜厚で成膜し、発光層1005は、正孔輸送性のホスト材料としてCBPを用い、発光性の有機化合物であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))と共に共蒸着することにより30nmの膜厚で成膜し、ブロッキング層1006は、ブロッキング性の有機化合物であるBCPを10nmの膜厚で成膜し、電子輸送層1007は、電子輸送性の有機化合物である、Alqを40nmの膜厚で成膜することにより緑色発光の有機化合物を形成することができる。
【0147】
なお、ここでは緑色発光の有機化合物層として、4種類の機能の異なる有機化合物を用いて形成する場合について説明したが、本発明はこれに限られることはなく、緑色発光を示す有機化合物として公知の材料を用いることができる。
【0148】
次に、青色発光を示す有機化合物層を形成する。具体的には、発光層1005は、発光性および正孔輸送性の有機化合物である、α−NPDを40nmの膜厚で成膜し、ブロッキング層1006は、ブロッキング性の有機化合物である、BCPを10nmの膜厚に成膜し、電子輸送層1007は、電子輸送性の有機化合物である、Alqを40nmの膜厚で成膜することにより青色発光の有機化合物層を形成することができる。
【0149】
なお、ここでは青色発光の有機化合物層として、3種類の機能の異なる有機化合物を用いて形成する場合について説明したが、本発明はこれに限られることはなく、青色発光を示す有機化合物として公知の材料を用いることができる。
【0150】
以上に示した有機化合物を陽極上に形成することにより画素部において、赤色発光、緑色発光及び青色発光を示す有機化合物層を形成することができる。
【0151】
次に、図9(B)に示すように有機化合物層654及び絶縁層653を覆って、陰極655を形成する。なお、本実施例において陰極655は、透光性の導電膜により形成されている。具体的には、陰極655からの電子の注入性を向上させるために仕事関数の小さい材料で形成されることが望ましく、アルカリ金属やアルカリ土類金属に属する材料を単体で用いたり、その他の材料と積層したり、その他の材料とで形成される合金(例えばAl:Mg合金やAl:Mg合金やMg:In合金等)を用いることができる。なお、本実施例において、陰極655は、アルカリ土類金属の窒化物であるフッ化カルシウム(CaF)と、より高い導電性を有するアルミニウムもしくは銀を積層することにより形成する。
【0152】
なお、本実施例において、陰極655は発光素子において生じた光を透過させる電極であることから、透光性を有する必要がある。そのため、有機化合物層654と接して形成されるCaF膜を2nmの膜厚で形成し、その上に積層されるアルミニウム膜又は銀膜は、20nmの膜厚で形成する。
【0153】
このように極薄膜からなる陰極655を形成することにより、光の透過性を有する電極を形成することができる。なお、仕事関数が小さく、かつ透光性の導電膜であれば、公知の他の材料を用いて陰極655を形成することもできる。
【0154】
こうして図9(B)に示すように、電流制御用TFT704に電気的に接続された陽極652と、前記陽極652と隣り合う陽極(図示せず)との隙間に形成された絶縁層653と、陽極652上に形成された有機化合物層654と、有機化合物層654及び絶縁層653上に形成された陰極655からなる発光素子656を有する素子基板を形成することができる。
【0155】
なお、本実施例における発光装置の作製工程においては、回路の構成および工程の関係上、ゲート電極を形成している材料を用いてソース信号線を形成し、ソース、ドレイン電極を形成している配線材料を用いてゲート信号線を形成しているが、それぞれ異なる材料を用いることは可能である。
【0156】
また、nチャネル型TFT701及びpチャネル型TFT702を有する駆動回路705と、スイッチング用TFT703、電流制御用TFT704とを有する画素部706を同一基板上に形成することができる。
【0157】
駆動回路705のnチャネル型TFT701はチャネル形成領域501、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層626aと重なる低濃度不純物領域631(GOLD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域635を有している。pチャネル型TFT702にはチャネル形成領域502、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域641および642を有している。
【0158】
画素部706のスイッチング用TFT703にはチャネル形成領域503、ゲート電極を形成する第1の導電層628aと重なる低濃度不純物領域633a(LDD領域)、第1の導電層628aと重ならない低濃度不純物領域633b(LDD領域)及びソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域637を有している。
【0159】
画素部706の電流制御用TFT704にはチャネル形成領域504、ゲート電極を形成する第1の導電層629aと重なる低濃度不純物領域634a(LDD領域)、第1の導電層628aと重ならない低濃度不純物領域634b(LDD領域)及びソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域638を有している。
【0160】
なお、本実施例において、TFTの駆動電圧は、1.2〜10Vであり、好ましくは、2.5〜5.5Vである。
【0161】
また、画素部の表示が動作しているとき(動画表示の場合)には、発光素子が発光している画素により背景の表示を行い、発光素子が非発光となる画素により文字表示を行えばよいが、画素部の動画表示がある一定期間以上静止している場合(本明細書中では、スタンバイ時と呼ぶ)には、電力を節約するために表示方法が切り替わる(反転する)ようにしておくと良い。具体的には、発光素子が発光している画素により文字を表示し(文字表示ともいう)、発光素子が非発光となる画素により背景を表示(背景表示ともいう)するようにする。
【0162】
ここで、本実施例において説明した発光装置の画素部の詳細な上面構造を図11(A)に示し、回路図を図11(B)に示す。図11(A)及び図11(B)は共通の符号を用いるので互いに参照すればよい。
【0163】
図11(A)(B)において、基板上に設けられたスイッチング用TFT1100は図9のスイッチング用(nチャネル型)TFT703を用いて形成される。従って、構造の説明はスイッチング用(nチャネル型)TFT703の説明を参照すれば良い。また、1102で示される配線は、スイッチング用TFT1100のゲート電極1101(1101a、1101b)を電気的に接続するゲート配線である。
【0164】
なお、本実施例ではチャネル形成領域が二つ形成されるダブルゲート構造としているが、チャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
【0165】
また、スイッチング用TFT1100のソースはソース配線1103に接続され、ドレインはドレイン配線1104に接続される。また、ドレイン配線1104は電流制御用TFT1105のゲート電極1106に電気的に接続される。なお、電流制御用TFT1105は図9(B)の電流制御用(pチャネル型)TFT704を用いて形成される。従って、構造の説明は電流制御用(pチャネル型)TFT704の説明を参照すれば良い。なお、本実施例ではシングルゲート構造としているが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
【0166】
また、電流制御用TFT1105のソースは電流供給線1107に電気的に接続され、ドレインはドレイン配線1108に電気的に接続される。また、ドレイン配線1108は点線で示される陽極1109に電気的に接続される。
【0167】
また、1110で示される配線は、消去用TFT1111のゲート電極1112と電気的に接続するゲート配線である。なお、消去用TFT1111のソースは、電流供給線1107に電気的に接続され、ドレインはドレイン配線1104に電気的に接続される。
【0168】
なお、消去用TFT1111は図9(B)の電流制御用(pチャネル型)TFT704と同様にして形成される。従って、構造の説明は電流制御用(pチャネル型)TFT704の説明を参照すれば良い。なお、本実施例ではシングルゲート構造としているが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
【0169】
また、1113で示される領域には保持容量(コンデンサ)が形成される。コンデンサ1113は、電流供給線1107と電気的に接続された半導体膜1114、ゲート絶縁膜と同一層の絶縁膜(図示せず)及びゲート電極1106との間で形成される。また、ゲート電極1106、第1層間絶縁膜と同一の層(図示せず)及び電流供給線1107で形成される容量も保持容量として用いることが可能である。
【0170】
なお、図11(B)の回路図で示す発光素子1115は、陽極1109と、陽極1109上に形成される有機化合物層(図示せず)と有機化合物層上に形成される陰極(図示せず)からなる。本発明において、陽極1109は、電流制御用TFT1105のソース領域またはドレイン領域と接続している。
【0171】
発光素子1115の陰極には対向電位が与えられている。また電流供給線Vは電源電位が与えられている。そして対向電位と電源電位の電位差は、電源電位が陽極に与えられたときに発光素子が発光する程度の電位差に常に保たれている。
電源電位と対向電位は、本発明の発光装置に、外付けのIC等により設けられた電源によって与えられる。なお対向電位を与える電源を、本明細書では特に対向電源1116と呼ぶ。
【0172】
(実施例4)
本実施例では、本発明のアクティブマトリクス型発光装置の外観図について図12を用いて説明する。なお、図12(A)は、発光装置を示す上面図、図12(B)は図12(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された1201はソース側駆動回路、1202は画素部、1203はゲート側駆動回路である。また、1204は封止基板、1205はシール剤であり、シール剤1205で囲まれた内側は、空間になっている。
【0173】
なお、1208はソース側駆動回路1201及びゲート側駆動回路1203に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)1209からビデオ信号やクロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0174】
次に、断面構造について図12(B)を用いて説明する。基板1210上には駆動回路及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路としてゲート側駆動回路1203と画素部1202が示されている。
【0175】
なお、ゲート側駆動回路1203はnチャネル型TFT1213とpチャネル型TFT1214とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0176】
また、画素部1202は電流制御用TFT1211とそのドレインに電気的に接続された陽極1212を含む複数の画素により形成される。
【0177】
また、陽極1212の両端には絶縁層1213が形成され、陽極1212上には有機化合物層1214が形成される。さらに、有機化合物層1214上には陰極1216が形成される。これにより、陽極1212、有機化合物層1214、及び陰極1216からなる発光素子1218が形成される。
【0178】
陰極1216は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線1208を経由してFPC1209に電気的に接続されている。
【0179】
また、基板1210上に形成された発光素子1218を封止するためにシール剤1205により封止基板1204を貼り合わせる。なお、封止基板1204と発光素子1218との間隔を確保するために樹脂膜からなるスペーサを設けても良い。そして、シール剤1205の内側の空間1207には窒素等の不活性気体が充填されている。なお、シール剤1205としてはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール剤1205はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。さらに、空間1207の内部に酸素や水を吸収する効果をもつ物質を含有させても良い。
【0180】
また、本実施例では封止基板1204を構成する材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。また、シール剤1205を用いて封止基板1204を接着した後、さらに側面(露呈面)を覆うようにシール剤で封止することも可能である。
【0181】
以上のようにして発光素子を空間1207に封入することにより、発光素子を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素といった有機化合物層の劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0182】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例3に示したいずれの構成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0183】
(実施例5)
実施例1〜実施例4において、トップゲート型TFTを有するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、本発明はTFT構造に限定されるものではないので、図13に示すようにボトムゲート型TFT(代表的には逆スタガ型TFT)を用いて実施しても構わない。また、逆スタガ型TFTは如何なる手段で形成されたものでも良い。
【0184】
なお、図13(A)は、ボトムゲート型TFTを用いた発光装置の上面図である。ただし、封止基板による封止は、まだ行われていない。ソース側駆動回路1301、ゲート側駆動回路1302及び画素部1303が形成されている。また、図13(A)において、x−x’で発光装置を切ったときの画素部1303における領域a1304の断面図を図13(B)に示す。
【0185】
図13(B)では、画素部1303に形成されるTFTのうち電流制御用TFTについてのみ説明する。1311は基板であり、1312は下地となる絶縁膜(以下、下地膜という)である。基板1311としては透光性基板、代表的にはガラス基板、石英基板、ガラスセラミックス基板、又は結晶化ガラス基板を用いることができる。但し、作製プロセス中の最高処理温度に耐えるものでなくてはならない。
【0186】
また、下地膜1312は特に可動イオンを含む基板や導電性を有する基板を用いる場合に有効であるが、石英基板には設けなくても構わない。下地膜1312としては、珪素(シリコン)を含む絶縁膜を用いれば良い。なお、本明細書において「珪素を含む絶縁膜」とは、具体的には酸化珪素膜、窒化珪素膜若しくは窒化酸化珪素膜(SiOxNy:x、yは任意の整数、で示される)など珪素に対して酸素若しくは窒素を所定の割合で含ませた絶縁膜を指す。
【0187】
1313は電流制御用TFTであり、pチャネル型TFTで形成されている。
なお、本実施例において、発光素子の陽極は電流制御用TFT1313と接続されているためpチャネル型TFTで形成されるのが望ましいがこれに限られることはなくnチャネル型TFTで形成しても良い。
【0188】
電流制御用TFT1313は、ソース領域1314、ドレイン領域1315及びチャネル形成領域1316を含む活性層と、ゲート絶縁膜1317と、ゲート電極1318と、層間絶縁膜1319と、ソース配線1320並びにドレイン配線1321を有して形成される。
【0189】
また、スイッチング用TFTのドレイン領域は電流制御用TFT1313のゲート電極1318に接続されている。図示してはいないが、具体的には電流制御用TFT1313のゲート電極1318はスイッチング用TFTのドレイン領域(図示せず)とドレイン配線(図示せず)を介して電気的に接続されている。なお、ゲート電極1318はシングルゲート構造となっているが、マルチゲート構造であっても良い。また、電流制御用TFT1313のソース配線1320は電流供給線(図示せず)に接続される。
【0190】
電流制御用TFT1313は発光素子に注入される電流量を制御するための素子であり、比較的多くの電流が流れる。そのため、チャネル幅(W)はスイッチング用TFTのチャネル幅よりも大きく設計することが好ましい。また、電流制御用TFT1313に過剰な電流が流れないように、チャネル長(L)は長めに設計することが好ましい。望ましくは一画素あたり0.5〜2μA(好ましくは1〜1.5μA)となるようにする。
【0191】
また、電流制御用TFT1313の活性層(特にチャネル形成領域)の膜厚を厚くする(好ましくは50〜100nm、さらに好ましくは60〜80nm)ことによって、TFTの劣化を抑えてもよい。
【0192】
そして、電流制御用TFT1313の形成後、層間絶縁膜1319が形成され、電流制御用TFT1313と電気的に接続された陽極1323が形成される。
なお、本実施例においては、陽極1323および配線1320は同じ材料で同時に形成される。また、陽極1323を形成する材料としては、仕事関数が大きく、かつ遮光性の導電性材料を用いる。なお、本実施例では、陽極1323にはTiNやTaNなどを用いて形成する。
【0193】
陽極1323が形成された後に、絶縁層1324が形成される。なお、この絶縁層1324は、バンクともよばれる。
【0194】
つぎに有機化合物層1325が形成され、その上に陰極1326が形成される。なお、有機化合物層1325を形成する材料としては、実施例1または実施例2に示したものを用いればよい。
【0195】
次に有機化合物層1325の上には、陰極1326が形成される。陰極1326を形成する材料としては、仕事関数の小さい透光性の導電膜を用いる。なお、本実施例では、2nmの膜厚のCaF上に20nmの膜厚のAlを積層することにより陰極1326が形成される。
【0196】
以上により、逆スタガ型のTFTを有する発光装置を形成することができる。なお、本実施例により作製した発光装置は、図13(B)の矢印の方向(上面)に光を出射させることができる。
【0197】
逆スタガ型TFTは工程数がトップゲート型TFTよりも少なくし易い構造であるため、本発明の課題である製造コストの低減には非常に有利である。
【0198】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例4に示したTFTの構造以外の部分において本実施例と自由に組み合わせて実施することも可能である。
【0199】
(実施例6)
本実施例では本発明の素子構造を有するパッシブマトリクス型(単純マトリクス型)の発光装置を作製した場合について説明する。説明には図14を用いる。図14において、1401はガラス基板、1402は金属化合物からなる陽極である。本実施例では、金属化合物としてTiNをスパッタリング法により形成する。なお、図14では図示されていないが、複数本の陽極が紙面と平行にストライプ状に配列されている。なお、パッシブマトリクス型の発光装置においては、アクティブマトリクス型の発光装置よりも陽極材料に対して導電性が要求されるため、従来のITOよりも導電性の高い金属化合物を陽極に用いることは発光素子の駆動電圧を低下させる上で有効である。
【0200】
また、ストライプ状に配列された陽極1402と交差するように絶縁材料からなるバンク1403が形成される。バンク1403は陽極1402と接して紙面に垂直な方向に形成されている。
【0201】
次に、有機化合物層1404が形成される。有機化合物層1404を形成する材料としては、実施例1や実施例2で示した材料の他、発光が得られる公知の材料を用いて形成することができる。
【0202】
例えば、赤色発光を示す有機化合物層、緑色発光を示す有機化合物層及び青色発光を示す有機化合物層をそれぞれ形成することにより、3種類の発光を有する発光装置を形成することができる。なお、これらの有機化合物層1404はバンク1403で形成された溝に沿って形成されるため、紙面に垂直な方向にストライプ状に配列される。
【0203】
次に、有機化合物層1404上に陰極1405が形成される。なお陰極1405は、メタルマスクを用いて蒸着法により形成する。
【0204】
なお、本実施例では下側の電極(陽極1402)が遮光性の材料で形成されているため、有機化合物層1404で発生した光は上側(基板1401の反対側)に出射される。
【0205】
次に、封止基板1407としてガラス基板を用意する。本実施例の構造では透光性の材料を用いる必要があることから、ガラス基板の他、プラスチックや石英からなる基板を用いることが可能である。
【0206】
こうして用意した封止基板1407は、紫外線硬化樹脂からなるシール剤1408により貼り合わされる。なお、シール剤1408の内側1406は密閉された空間になっており、窒素やアルゴンなどの不活性ガスが充填されている。また、この密閉された空間1406の中に酸化バリウムに代表される吸湿剤を設けることも有効である。最後にFPC1409を取り付けてパッシブ型の発光装置が完成する。
【0207】
また、本発明の素子構造を有するパッシブマトリクス型の発光装置は、図14で示した構造の他に、図20で示す構造とすることも可能である。なお、この構造は、バンク2003の構造がS字形状となっている点が特徴である。
【0208】
バンクを形成する材料としては、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはこれらの積層などを用いることができるが、図20に示すバンク2003を形成する場合には、感光性の有機樹脂を用いる。例えば、有機樹脂の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、バンク2003の上端部、および上端部と下端部の両方に曲率半径を有する曲面を持たせることが好ましい。具体的には、曲率半径を3〜30μm(代表的には10〜15μm)とすることが望ましい(なお、上端部のみに曲率半径を持たせる場合(お椀形状)も含めることとする)。また、有機樹脂としては、光を照射することによってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光を照射することによってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
【0209】
なお、このようにバンクの形状をなだらかなものとすることにより、次に形成される有機化合物層2004の被覆率を充分なものとすることができるため、成膜不良により生じる素子の劣化等の問題を防ぐことができる。
【0210】
また、この場合において、有機化合物層2004上に形成される陰極2005は、分離形成する必要があるので、マスク等を用いて成膜すればよい。
【0211】
なお、本実施例に示すパッシブマトリクス型の場合において、実施例1〜実施例5に示した素子構造(アクティブマトリクス型)に関連するもの以外の材料等を自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0212】
(実施例7)
発光素子を用いた発光装置は自発光型であるため、液晶表示装置に比べ、明るい場所での視認性に優れ、視野角が広い。従って、本発明の発光装置を用いて様々な電気器具を完成させることができる。
【0213】
本発明により作製した発光装置を用いて作製された電気器具として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、発光素子を有する発光装置を用いることが好ましい。それら電気器具の具体例を図16に示す。
【0214】
図16(A)は表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2003に用いることにより作製される。発光素子を有する発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶表示装置よりも薄い表示部とすることができる。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0215】
図16(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2102に用いることにより作製される。
【0216】
図16(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2203に用いることにより作製される。
【0217】
図16(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2302に用いることにより作製される。
【0218】
図16(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明により作製した発光装置をこれら表示部A、B2403、2404に用いることにより作製される。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
【0219】
図16(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2502に用いることにより作製される。
【0220】
図16(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2602に用いることにより作製される。
【0221】
ここで図16(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2703に用いることにより作製される。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
【0222】
なお、将来的に有機材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0223】
また、上記電気器具はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。有機材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
【0224】
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが好ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが好ましい。
【0225】
以上の様に、本発明の作製方法を用いて作製された発光装置の適用範囲は極めて広く、本発明の発光装置を用いてあらゆる分野の電気器具を作製することが可能である。また、本実施例の電気器具は実施例1〜実施例5を実施することにより作製された発光装置を用いることにより完成させることができる。
【0226】
(実施例8)
本実施例では、有機化合物層の一部に無機化合物を含む層を組み合わせて用いる場合の具体例について説明する。
【0227】
ここで用いる無機化合物としては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、Si、Ge、およびこれらの酸化物または窒化物であり、P、B、N等が適宜ドーピングされていても良い。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、窒化物、またはフッ化物の他、当該金属と少なくともZn、Sn、V、Ru、Sm、Inの化合物または合金などを用いることもできる。
【0228】
【発明の効果】
本発明では、陽極材料として遮光性の金属化合物を用いることによりアクティブマトリクス型の発光装置の作製において、発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(以下、TFTと示す)と発光素子の陽極とを電気的に接続するための配線と、陽極とを同時に形成することができるので、これまで透明性導電膜を用いていた場合に必要であった遮光膜等を形成するプロセスを削減することができる。
【0229】
また、本発明において用いる金属化合物は、従来陽極材料として用いられたITOやIZOと比べて仕事関数が同等か、それ以上に大きいため、これらを用いて陽極を形成することにより、陽極からの正孔の注入性をこれまで以上に向上させることができる。また、導電性の面に関してもITOよりも抵抗率が小さいため、配線としての機能を充分に果たすことができると共に従来に比べて発光素子における駆動電圧を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光装置の素子構造を説明する図。
【図2】本発明の発光装置の作製工程を説明する図。
【図3】本発明の発光装置の作製工程を説明する図。
【図4】本発明の低分子型発光装置の素子構造を説明する図。
【図5】本発明の高分子型発光装置の素子構造を説明する図。
【図6】本発明の発光装置の作製工程を説明する図。
【図7】本発明の発光装置の作製工程を説明する図。
【図8】本発明の発光装置の作製工程を説明する図。
【図9】本発明の発光装置の作製工程を説明する図。
【図10】本発明の発光装置の素子構造を説明する図。
【図11】発光装置の画素部の上面図。
【図12】本発明の発光装置の素子構造を説明する図。
【図13】逆スタガ型TFTの構造を説明する図。
【図14】パッシブマトリクス型の発光装置を説明する図。
【図15】UVオゾン処理に伴う仕事関数値の測定結果。
【図16】電気器具の一例を示す図。
【図17】従来例を示す図。
【図18】本発明の発光素子における素子特性の測定結果。
【図19】本発明の発光素子における素子特性の測定結果。
【図20】パッシブマトリクス型の発光装置を説明する図。

Claims (8)

  1. 絶縁表面上に陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素を含むことを特徴とする発光装置の作製方法。
  2. 絶縁表面上に陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなることを特徴とする発光装置の作製方法。
  3. 絶縁表面上に陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は遮光性を有し、かつ元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素を含み、
    前記陰極は透光性を有する導電膜からなることを特徴とする発光装置の作製方法。
  4. 絶縁表面上に陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は遮光性を有し、かつ元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなり、
    前記陰極は透光性を有する導電膜からなることを特徴とする発光装置の作製方法。
  5. 絶縁表面上にTFTを形成し、前記TFTと電気的に接続された陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素を含むことを特徴とする発光装置の作製方法。
  6. 絶縁表面上にTFTを形成し、前記TFTと電気的に接続された陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は、元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなることを特徴とする発光装置の作製方法。
  7. 絶縁表面上にTFTを形成し、前記TFTと電気的に接続された陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は遮光性を有し、かつ元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素を含み、
    前記陰極は透光性を有する導電膜からなることを特徴とする発光装置の作製方法。
  8. 絶縁表面上にTFTを形成し、前記TFTと電気的に接続された陽極を形成し、前記陽極表面をUVオゾン処理またはプラズマ処理し、前記陽極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上に陰極を形成する発光装置の作製方法であって、
    前記陽極は遮光性を有し、かつ元素周期律の第4族、第5族、又は第6族に属する元素の窒化物または炭化物からなり、
    前記陰極は透光性を有する導電膜からなることを特徴とする発光装置の作製方法。
JP2002287139A 2001-09-28 2002-09-30 発光装置の作製方法 Expired - Fee Related JP4244126B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002287139A JP4244126B2 (ja) 2001-09-28 2002-09-30 発光装置の作製方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001304600 2001-09-28
JP2001304600 2001-09-28
JP2002281365 2002-09-26
JP2002281365 2002-09-26
JP2002287139A JP4244126B2 (ja) 2001-09-28 2002-09-30 発光装置の作製方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002286881A Division JP3691475B2 (ja) 2001-09-28 2002-09-30 発光装置

Publications (4)

Publication Number Publication Date
JP2004127592A true JP2004127592A (ja) 2004-04-22
JP2004127592A5 JP2004127592A5 (ja) 2005-11-10
JP2004127592A6 JP2004127592A6 (ja) 2006-10-05
JP4244126B2 JP4244126B2 (ja) 2009-03-25

Family

ID=32280025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002287139A Expired - Fee Related JP4244126B2 (ja) 2001-09-28 2002-09-30 発光装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4244126B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9129928B2 (en) 2008-12-22 2015-09-08 Sony Corporation Display apparatus and electronic apparatus
JP2020047953A (ja) * 2010-11-05 2020-03-26 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08288069A (ja) * 1995-04-07 1996-11-01 Sanyo Electric Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH10289784A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Mitsubishi Chem Corp 有機電界発光素子
JP2000029403A (ja) * 1998-05-29 2000-01-28 Lucent Technol Inc 有機発光ダイオ―ドとモノリシックに集積化された薄膜トランジスタ
JP2000077191A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Sanyo Electric Co Ltd 表示装置
JP2001507167A (ja) * 1998-02-02 2001-05-29 インターナシヨナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーシヨン 有機発光ダイオード用のアノード改質
JP2002015859A (ja) * 2000-06-30 2002-01-18 Sony Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2002015860A (ja) * 2000-06-30 2002-01-18 Sony Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2002018246A (ja) * 2000-07-07 2002-01-22 Sony Corp バリア膜
JP2002075661A (ja) * 2000-08-31 2002-03-15 Fujitsu Ltd 有機el素子及び有機el表示装置
JP2003043995A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd アクティブマトリックス型oled表示装置およびその駆動方法
WO2003089542A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 3M Innovative Properties Company Electroluminescent materials and methods of manufacture and use

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08288069A (ja) * 1995-04-07 1996-11-01 Sanyo Electric Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH10289784A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Mitsubishi Chem Corp 有機電界発光素子
JP2001507167A (ja) * 1998-02-02 2001-05-29 インターナシヨナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーシヨン 有機発光ダイオード用のアノード改質
JP2000029403A (ja) * 1998-05-29 2000-01-28 Lucent Technol Inc 有機発光ダイオ―ドとモノリシックに集積化された薄膜トランジスタ
JP2000077191A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Sanyo Electric Co Ltd 表示装置
JP2002015859A (ja) * 2000-06-30 2002-01-18 Sony Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2002015860A (ja) * 2000-06-30 2002-01-18 Sony Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2002018246A (ja) * 2000-07-07 2002-01-22 Sony Corp バリア膜
JP2002075661A (ja) * 2000-08-31 2002-03-15 Fujitsu Ltd 有機el素子及び有機el表示装置
JP2003043995A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd アクティブマトリックス型oled表示装置およびその駆動方法
WO2003089542A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 3M Innovative Properties Company Electroluminescent materials and methods of manufacture and use

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9129928B2 (en) 2008-12-22 2015-09-08 Sony Corporation Display apparatus and electronic apparatus
US9653528B2 (en) 2008-12-22 2017-05-16 Sony Corporation Display apparatus and electronic apparatus
US10347668B2 (en) 2008-12-22 2019-07-09 Sony Corporation Display apparatus and electronic apparatus
US10490576B2 (en) 2008-12-22 2019-11-26 Sony Corporation Display apparatus and electronic apparatus
JP2020047953A (ja) * 2010-11-05 2020-03-26 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4244126B2 (ja) 2009-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100925807B1 (ko) 발광장치
US7488986B2 (en) Light emitting device
US7592193B2 (en) Light emitting device
JP3742054B2 (ja) 表示装置
JP2023061402A (ja) 発光装置
US7108574B2 (en) Light emitting device and method of manufacturing the same
JP3708916B2 (ja) 発光装置
JP3825395B2 (ja) 発光装置および電気器具
JP2003203783A (ja) 発光装置
JP4809544B2 (ja) 発光装置
JP2004178981A (ja) 発光装置
JP4260440B2 (ja) 発光装置及び電気器具
JP2004178981A6 (ja) 発光装置
JP4244126B2 (ja) 発光装置の作製方法
JP3691475B2 (ja) 発光装置
JP2004079452A6 (ja) 発光装置
JP2004127592A6 (ja) 発光装置の作製方法
JP2004152542A (ja) 発光装置
JP2004146198A (ja) 発光装置
JP2004146198A6 (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050921

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140116

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees