JP2004126395A - Telescopic optical system and objective system used for the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天体望遠鏡、フィールドスコープ、双眼鏡あるいはオペラグラス等の望遠鏡光学系に関する。特に、望遠鏡光学系の対物レンズ系に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の望遠鏡光学系は、物体側から順に対物レンズ系と接眼レンズ系とで構成されている。観察する物体が望遠鏡光学系の光軸上のある一点にあるとすると、この物体は接眼レンズ系の焦点面上の点に一度結像し、さらにこの点に接眼レンズ系の前側焦点が合致しているため、接眼レンズ系で屈折することなく出射して観察者の目に入射することで、遠方にある物体を拡大して観察することができる。ここで、対物レンズ系は、正の屈折力を有するレンズと負の屈折力を有するレンズの貼り合わせからなる接合レンズで構成されているのが一般的であり、これらのレンズで正負の収差を発生させてそれを打ち消すことにより、球面収差を補正している。
【0003】
この望遠鏡光学系の対物レンズ系は、通常の分散特性を持つガラスを使用したレンズで構成されているため、色収差、特に光の波長の違いによって光軸上の結像位置が異なることに起因する軸上色収差を良好に補正できないという問題があり、この軸上色収差を補正するために、異常分散性のガラスを用いた対物レンズ系や、あるいは、回折光学素子を用いたレンズ系が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−183590号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開平6−27388号公報(第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異常分散性のガラスを用いた場合、異常分散性のガラスの比重が大きく、その結果、製品の重量が重くなるという欠点があり、また、回折光学素子を用いた場合は、プリズムや切り替えレンズ等に回折光学素子を設ける必要があり、光学系が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、色収差(特に軸上色収差)を良好に補正した望遠鏡光学系及びこの望遠鏡光学系に用いる対物レンズ系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る望遠鏡光学系は、物体側から順に、対物レンズ系と接眼レンズ系とで構成され、対物レンズ系の結像面に接眼レンズ系の焦点位置が合致しており、対物レンズ系が正の屈折力を有する第1レンズ(例えば、実施形態における正レンズL51)と回折光学面とを有して構成され、接眼レンズ系が負の屈折力を有する第2レンズ(例えば、実施形態における負レンズL101)と正の屈折力を有する第3レンズ(例えば、実施形態における正レンズL102)とを有して構成される。
【0008】
なお、この対物レンズ系が負の屈折力を有する第4レンズ(例えば、実施形態における負メニスカスレンズL52)を有し、第1レンズの一方の面と第4レンズの一方の面とが貼り合わせ面または分離色収差補正面を構成していることが好ましい。
【0009】
また、対物レンズ系を構成するレンズのうち少なくとも1枚が上述した回折光学面を有する回折光学素子で構成されることが好ましい。
【0010】
このとき、この回折光学素子は、互いに異なる2つの物質で構成される複層型の回折光学素子で構成されることが好ましい。
【0011】
そして、この回折光学素子が複層型の場合、異なる物質の一方はガラスであり、異なる物質の他方は樹脂であるように構成されることが好ましい。
【0012】
また、この望遠鏡光学系の使用可能な光線の波長領域が少なくとも435.8nmから656.3nmまでであるように構成されることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に係る対物レンズ系は、正の屈折力を有する第1レンズと回折光学面とを有し、焦点距離が200mm以上であるように構成される。
【0014】
また、負の屈折力を有する第4レンズを有し、第1レンズの一方の面と第4レンズの一方の面とが貼り合わせ面または分離色収差補正面を構成していることが好ましい。
【0015】
さらに、対物レンズを構成するレンズのうち少なくとも1枚が回折光学面を有する回折光学素子で構成されることが好ましい。
【0016】
このとき、この回折光学素子が、互いに異なる2つの物質で構成される複層型の回折光学素子で構成されることが好ましい。
【0017】
そして、この回折光学素子が複層型であるとき、異なる物質の一方はガラスであり、異なる物質の他方は樹脂で構成されることが好ましい。
【0018】
なお、この対物レンズで使用可能な光線の波長領域が少なくとも435.8nmから656.3nmまでであるように構成されることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図であり、色収差、特に軸上色収差の補正のために回折光学素子を利用して対物レンズ系を構成した場合を示している。この望遠鏡光学系TSは、物体側から順に対物レンズ系OLと接眼レンズ系EPとで構成されており、この対物レンズ系OLの結像面Iに接眼レンズ系EPの前側焦点が合致するように配置されている。さらに、この対物レンズ系OL中には、回折光学面Gfと、貼り合わせ面Tf若しくは分離色収差補正面Hfを有している(図1は、貼り合わせ面Tfで構成した場合を示している)。ここで、貼り合わせ面とは、隣接する2つのレンズの対向する面同士が貼り合わされてなる部分(面)をいい、分離色収差補正面とは、隣接する2つのレンズの対向する面同士の曲率半径が等しいかほぼ等しく、且つ、これらの面の間隔が極めて狭くなっている部分をいい、どちらの面も色収差の補正に大きく寄与する面である。なお、図1において、対物レンズ系OLは、後述の第5の実施形態に係る対物レンズ系OLと組み合わせた場合を示している。
【0020】
接眼レンズ系EPの構成については、特開平9−54258号公報に開示されたものがある。図1に示す接眼レンズ系EPは、物体側(対物レンズ系OLの結象面I側)から順に、両凹形状の負レンズL101と、両凸形状の正レンズL102との貼り合わせからなる接合負レンズと、両凸形状の正レンズL103と、両凸形状の正レンズL104とから構成されている。
【0021】
以降の説明では、この望遠鏡光学系TSのうち、対物レンズ系OLの構成について説明を行う。
【0022】
図2に示す第1の実施形態に係る対物レンズ系OLは、物体側から順に、回折光学素子L11Eと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL12との貼り合わせからなる接合レンズが設けられた構成となっている。ここで、回折光学素子L11Eは、両凸形状の正レンズL11の物体側に回折光学面Gfが形成された単層型回折光学素子として構成されており、この回折光学素子L11Eは回折光学面Gfの凸面を物体側に向けて配置されている。また、回折光学素子L11Eと負メニスカスレンズL12との間には貼り合わせ面Tfが存在している。
【0023】
図4に示す第2の実施形態に係る対物レンズ系OLは、物体側から順に、回折光学素子L21Eと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22との貼り合わせからなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23が設けられた構成となっている。ここで、回折光学素子L21Eは、両凸形状の正レンズL21の物体側に回折光学面Gfが形成された単層型回折光学素子として構成されており、この回折光学素子L21Eは回折光学面Gfの凸面を物体側に向けて配置されている。また、回折光学素子L21Eと負メニスカスレンズL22との間には貼り合わせ面Tfが存在している。
【0024】
図6に示す第3の実施形態に係る対物レンズ系OLは、回折光学素子L31Eが設けられた単一レンズ構成となっている。ここで、回折光学素子L31Eは、平凸形状の正レンズL31の物体側に回折光学面Gfが形成された単層型回折光学素子として構成されており、この回折光学素子L31Eは回折光学面Gfの凸面を物体側に向けて配置されている。なお、本実施形態では、収差を補正するために、回折光学素子L31Eの像側の面を非球面形状にして構成している。
【0025】
図8に示す第4の実施形態に係る対物レンズ系OLは、物体側から順に、回折光学素子L41Eと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL42との貼り合わせからなる接合レンズが設けられた構成となっている。ここで、回折光学素子L41Eは、物体側に位置する第1回折素子要素と像側に位置し両凸形状の正レンズL41である第2回折素子要素とを密着接合し、その接合面に回折光学面Gfが形成された密着複層型回折光学素子として構成されており、この回折光学素子L41Eは回折光学面Gfの凸面を物体側に向けて配置されている。また、回折光学素子L41Eと負メニスカスレンズL42との間には貼り合わせ面Tfが存在している。
【0026】
図10に示す第5の実施形態に係る対物レンズ系OLは、物体側から順に、回折光学素子L51Eと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL52との貼り合わせからなる接合レンズが設けられた構成となっている。ここで、回折光学素子L51Eは、物体側に位置する第1回折素子要素と像側に位置し両凸形状の正レンズL51である第2回折素子要素とを密着接合し、その接合面に回折光学面Gfが形成された密着複層型回折光学素子として構成されており、この回折光学素子L51Eは、回折光学面Gfの凸面を物体に側に向けて配置されている。また、回折光学素子L51Eと負メニスカスレンズL52との間には貼り合わせ面Tfが存在している。なお、第1,2,4,5の実施形態ではいずれも貼り合わせ面Tfを用いているが、分離色収差補正面Hfを用いて色収差の補正を行うように構成することも可能である。
【0027】
ここで、回折光学面について説明する。本発明に係る対物レンズ系OLでは、色収差の補正のために回折光学面Gfを有する回折光学素子L11E,L21E,L31E,L41E,L51Eを用いる。回折光学素子は、微小間隔(約1mm)当り数百本程度の細かい等間隔のスリット状若しくは溝状の格子構造を同心円状に備えて作られた回折光学面を有する光学素子であり、光が入射されると、格子ピッチ(スリットや溝の間隔)と光の波長とで定まる方向に回折光束を生じさせる性質を有している。このような回折光学面を有する回折光学素子は種々の光学系に用いられており、例えば、特定次数の回折光を一点に集めてレンズとして使用するものなどが知られている。この回折光学素子L11E,L21E,L31E,L41E,L51Eの回折光学面Gfは分散特性が通常のガラス(屈折光学素子)とは逆で光の波長の減少にともなって屈折率が減少する性質(すなわち負の分散特性)を有しており、上述の色収差を補正する大きな色消し効果が得られるため、この回折光学素子L11E,L21E,L31E,L41E,L51Eを利用することにより異常分散性のガラスを使用しないか若しくは使用枚数を減らしても、色収差を良好に補正することができる。
【0028】
しかし、本発明に係る対物レンズ系OLの回折光学面Gfのアッベ数は、後述の通り−3.45とゼロに近く、非常に大きな負の分散特性を有している。また、回折光学面Gfに入射する光の波長に対する屈折角の変化は、通常硝種(ガラスや樹脂など)に入射する光の波長に対する屈折角の変化とは異なる。従って、単に、回折光学面Gfを用いただけでは、色消し効果が大きく色収差が通常硝種とは逆方向に大きく発生してしまい、且つ、この回折光学面Gfで補正されずに残った色収差である2次スペクトルが焦点距離の長い望遠レンズでは大きく発生してしまう可能性がある。これらの色収差を抑えるために、通常硝種による貼り合わせ面Tfまたは分離色収差補正面Hfを用いている。特に、これらの面を、最も物体側に近い対物レンズ系OL中に用いるため、色収差補正効果をより大きくしている。
【0029】
また、これらの回折光学素子は、図5に示す、いわゆる複層型回折光学素子で構成されることが好ましく、第4及び5の実施形態の回折光学素子L41E,L51Eはこの複層型回折光学素子を利用している。複層型回折光学素子は、異なる材料により回折光学面(回折格子溝が形成される面)が構成されるものであり、g線(435.8nm)からC線(656.3nm)までの広波長領域で回折効率を90%以上に高くすることが可能な回折光学素子である。よって、回折光学素子を利用することにより、広波長領域(435.8nmから656.3nmまで)で利用可能な望遠鏡光学系及びこの望遠鏡光学系に用いる対物レンズ系を構成することができる。なお、回折効率とは、透過型の回折光学素子において、入射する光の強度I0と一次回折光の強度I1との割合η(=I1/I0×100%)とする。
【0030】
図12(B)は、互いに異なる材料からなる、鋸歯波形状の第1の回折格子溝110を有する第1の回折素子要素a20と第1の回折格子溝110とは異なる高さである鋸歯波形状の第2の回折格子溝120を有する第2の回折素子要素b20とから構成され、それぞれの回折格子溝110,120が対向して例えば空気130を挟んで極めて近接した距離を有して分離された状態で配置されている分離複層型回折光学素子を示している。ここで、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1の回折格子溝110の高さd110を所定の値に決定し、第2の回折格子溝120の高さd120を所定の値に決定すると、これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対してもかなり高い回折効率を得ることができるようになる。
【0031】
図12(A)は、互いに異なる材料からなる、第1の回折素子要素a10と第2の回折素子要素b10とが密着接合され、これらの回折素子要素の接合面に鋸歯波形状の回折格子溝100を有するように構成された密着複層型回折光学素子である。図12(B)に示した分離複層型回折光学素子に比べて、製造工程が簡素化でき、量産効率が良く、入射画角に対する回折効率が良いという長所がある。なお、上述の回折格子溝100,110,120はいずれも鋸歯波形状をしているが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0032】
ここで、図12(A)に示す密着複層型回折光学素子の構造を採るとき、一方の材料をガラスモールド用のガラスとし、他方の材料を樹脂、特に、紫外線硬化樹脂とすることが好ましい。このようにすることで、量産性を高めることができる。
【0033】
なお、本発明では、図12(C)に示すように、従来より用いられている単層型回折光学素子も使用可能であり、第1〜3の実施形態の回折光学素子L11E,L21E,L31Eはこの単層型回折光学素子を用いている。単層型回折光学素子は、回折素子要素a30上に回折格子溝200が形成されて構成されているものである。図12(C)において、この回折格子溝200の形状は鋸歯波形状をしているが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0034】
また、本発明に係る対物レンズ系OLは、その焦点距離を200mm以上としている。回折光学素子は入射光の入射角度による回折効率(「角度特性」と呼ぶ)の変化があり、入射光の入射角度の増大にともなって回折効率が減少するという特性を有している。この角度特性は、特に、上述した複層型回折光学素子で顕著に現れる。従って、対物レンズ系OLの焦点距離を200mm以上と長く設定することで、回折光学素子に入射する光線の入射角度を小さくすることができ、角度特性を良好に保つことができる。
【0035】
なお、対物レンズ系OLと接眼レンズ系EPの間に、ポロプリズムやダハプリズム等の正立像プリズムを配設することにより(図1では図示せず)、本望遠鏡光学系で観察する像の上下左右が実際の物体と一致するため、観察しやすくすることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明に係る対物レンズ系OLの具体的な実施例について説明する。下に示す5つの実施例では、上述した第1〜5の実施形態に係る対物レンズ系OLそれぞれに対応しており、したがって、第1〜5の実施形態についてのレンズ構成図(図2,図4,図6,図8及び図10)はそれぞれ、下の第1〜5実施例のレンズ構成を示している。なお、上述した通り、第1〜3実施例において回折光学素子(L11E,L21E,L31E)は図12(C)に示した単層型回折光学素子を用い、第4,5実施例において回折光学素子(L41E,L51E)は図12(A)に示した密着複層型回折光学素子を用いた。
【0037】
各実施例において、回折光学面の位相差は、通常の屈折率と後述する非球面式(1),(2)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。超高屈折率法は、非球面形状を表す式と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例において回折光学面は超高屈折率法のデータとして、すなわち、後述する非球面式(1),(2)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象としてd線、g線、C線及びF線を選んだ。本実施例において用いたd線、g線、C線及びF線の波長と、各スペクトル線に対して設定した回折光学面の具体的な屈折率の値を下の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
各実施例において非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(非球面量またはサグ量)をZ(y)とし、基準球面の曲率半径をrとし、近軸曲率半径をRとし、円錐係数をκとし、2次の非球面係数をC2、4次の非球面係数をC4、6次の非球面係数をC6、8次の非球面係数をC8、10次の非球面係数をC10としたとき、下の式(1)、(2)で表されるものとした。
【0040】
【数1】
Z(y)=(y2/r)/(1+(1−κ(y2/r2))1/2)+C2y2+C4y4+C6y6+C8y8+C10y10 …(1)
R=1/((1/r)+2C2) …(2)
【0041】
なお、本実施例において用いた超高屈折率法については、「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0042】
(第1実施例)
下の表2に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表2における面番号1〜4は本第1実施例に係る望遠レンズに関するものであり、それぞれ図2における符号1〜4に対応する。また、表2におけるrはレンズ面の曲率半径(非球面の場合には基準球面の曲率半径)を、dはレンズ面の間隔を、νdはアッベ数を、n(d)はd線に対する屈折率をそれぞれ示している。また、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さの単位は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることもできる。なお、非球面係数Cn(n=2,4,6,8,10)において「E−09」等は「×10−09」等を示す。以上の表2の記号の説明は、以降の実施例の表においても同様である。
【0043】
【表2】
【0044】
図3は本第1実施例における光学系の諸収差図である。各収差図においてFNOはF値(Fナンバー値)を、Yは像高を、Dはd線を、Gはg線を、CはC線を、FはF線をそれぞれ指している。また、球面収差図では最大口径に対するF値を、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。さらに、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上の収差図の説明は、以降の他の収差図についても同様である。各収差図から明らかなように、本第1実施例では、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0045】
(第2実施例)
下の表3に、本第2実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表3における面番号1〜6は本発明の望遠レンズに関するものであり、それぞれ図4の符号1〜6に対応する。
【0046】
【表3】
【0047】
図5は本第2実施例における光学系の諸収差図であるが、各収差図から明らかなように、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0048】
(第3実施例)
下の表4に、本第3実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表4における面番号1〜3は本発明の望遠レンズに関するものであり、それぞれ図6の符号1〜3に対応する。
【0049】
【表4】
【0050】
図7は本第3実施例における光学系の諸収差図であるが、各収差図から明らかなように、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0051】
(第4実施例)
下の表5に、本第4実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表5における面番号1〜5は本発明の望遠レンズに関するものであり、それぞれ図8の符号1〜5に対応する。
【0052】
【表5】
【0053】
図9は本第4実施例における光学系の諸収差図であるが、各収差図から明らかなように、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0054】
(第5実施例)
下の表6に、本第5実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表6における面番号1〜5は本発明の望遠レンズに関するものであり、それぞれ図10の符号1〜5に対応する。また、本実施例においては、下の表7に、図1に示した接眼レンズ系EPの各レンズの諸元についても合わせて示す(上記、対物レンズ系OLの場合と同様に、面番号11〜18が図1の符号11〜18に対応している。)。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
図11は本第5実施例における光学系の諸収差図(対物レンズ系OLに対する収差図のみを示す)であるが、各収差図から明らかなように、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0058】
以上の実施例からも分かるように、本発明に係る対物レンズ系は、色収差(特に軸上色収差)を良好に補正することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る望遠鏡光学系及びこの望遠鏡光学系に用いられる対物レンズ系は、回折光学面を有した回折光学素子を使用しているため、この回折光学素子の作用で色収差(特に軸上色収差)を良好に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る望遠鏡光学系のレンズ構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る対物レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る対物レンズ系の諸収差図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る対物レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る対物レンズ系の諸収差図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る対物レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る対物レンズ系の諸収差図である。
【図8】本発明の第4実施例に係る対物レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図9】本発明の第4実施例に係る対物レンズ系の諸収差図である。
【図10】本発明の第5実施例に係る対物レンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図11】本発明の第5実施例に係る対物レンズ系の諸収差図である。
【図12】本発明に係る対物レンズ系に使用する回折光学素子の模式断面図であり、(A)は密着複層型回折光学素子の模式断面図であり、(B)は分離複層型回折光学素子の模式断面図であり、(C)は単層型回折光学素子の模式図である。
【符号の説明】
TS 望遠鏡光学系
OL 対物レンズ系
EP 接眼レンズ系
L11,L21,L31,L41,L51 第1レンズ
L11E,L21E,L31E,L41E,L51E 回折光学素子
L101 第2レンズ
L102 第3レンズ
L12,L22,L42,L52 第4レンズ
I 対物レンズ系の結象面
Gf 回折光学面
Tf 貼り合わせ面[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a telescope optical system such as an astronomical telescope, a field scope, binoculars, and opera glasses. In particular, it relates to an objective lens system of a telescope optical system.
[0002]
[Prior art]
A normal telescope optical system is composed of an objective lens system and an eyepiece lens system in order from the object side. Assuming that the object to be observed is at a certain point on the optical axis of the telescope optical system, the object forms an image once on a point on the focal plane of the eyepiece system, and the front focus of the eyepiece system coincides with this point. Therefore, by emitting the light without refraction by the eyepiece lens system and entering the eye of the observer, it is possible to magnify and observe a distant object. Here, the objective lens system is generally composed of a cemented lens formed by bonding a lens having a positive refractive power and a lens having a negative refractive power, and these lenses reduce positive and negative aberrations. The spherical aberration is corrected by generating and canceling it.
[0003]
Since the objective lens system of this telescope optical system is composed of a lens using glass having a normal dispersion characteristic, the objective lens system is caused by a difference in an imaging position on an optical axis due to a chromatic aberration, particularly a difference in light wavelength. There is a problem that axial chromatic aberration cannot be satisfactorily corrected. To correct this axial chromatic aberration, an objective lens system using anomalous dispersion glass or a lens system using a diffractive optical element has been proposed. (For example, see Patent Documents 1 and 2).
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-183590 A (page 3)
[Patent Document 2]
JP-A-6-27388 (page 3)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when anomalous dispersive glass is used, the specific gravity of the anomalous dispersive glass is large, and as a result, there is a disadvantage that the weight of the product becomes heavy. It is necessary to provide a diffractive optical element on a lens or the like, and there has been a problem that the optical system becomes complicated.
[0006]
The present invention has been made in view of such a problem, and an object of the present invention is to provide a telescope optical system in which chromatic aberration (especially, longitudinal chromatic aberration) is satisfactorily corrected, and an objective lens system used in the telescope optical system.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, a telescope optical system according to the present invention includes an objective lens system and an eyepiece lens system in order from the object side, and the focal position of the eyepiece lens system is focused on an imaging plane of the objective lens system. The objective lens system includes a first lens having a positive refractive power (for example, the positive lens L51 in the embodiment) and a diffractive optical surface, and the eyepiece system has a negative refractive power. It is configured to include two lenses (for example, the negative lens L101 in the embodiment) and a third lens having a positive refractive power (for example, the positive lens L102 in the embodiment).
[0008]
Note that this objective lens system includes a fourth lens having a negative refractive power (for example, the negative meniscus lens L52 in the embodiment), and one surface of the first lens is bonded to one surface of the fourth lens. It is preferable to form a surface or a separation chromatic aberration correction surface.
[0009]
Further, it is preferable that at least one of the lenses constituting the objective lens system is constituted by a diffractive optical element having the above-described diffractive optical surface.
[0010]
At this time, it is preferable that the diffractive optical element is constituted by a multilayer diffractive optical element composed of two different substances.
[0011]
When the diffractive optical element is a multi-layer type, it is preferable that one of the different substances is glass and the other is a resin.
[0012]
Further, it is preferable that the telescope optical system is configured so that the usable wavelength range of the light beam is at least 435.8 nm to 656.3 nm.
[0013]
Furthermore, the objective lens system according to the present invention has a first lens having a positive refractive power and a diffractive optical surface, and is configured such that the focal length is 200 mm or more.
[0014]
Further, it is preferable that a fourth lens having a negative refractive power is provided, and one surface of the first lens and one surface of the fourth lens constitute a bonding surface or a separation chromatic aberration correcting surface.
[0015]
Further, it is preferable that at least one of the lenses constituting the objective lens is constituted by a diffractive optical element having a diffractive optical surface.
[0016]
At this time, it is preferable that this diffractive optical element is constituted by a multilayer diffractive optical element composed of two different substances.
[0017]
When the diffractive optical element is of a multi-layer type, it is preferable that one of the different substances is made of glass and the other of the different substances is made of a resin.
[0018]
In addition, it is preferable that the wavelength range of the light beam that can be used in the objective lens is at least 435.8 nm to 656.3 nm.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a diagram showing a lens configuration of a telescope optical system according to the present invention, and shows a case where an objective lens system is configured using a diffractive optical element for correcting chromatic aberration, particularly, axial chromatic aberration. This telescope optical system TS is composed of an objective lens system OL and an eyepiece lens system EP in order from the object side, so that the front focal point of the eyepiece lens system EP coincides with the imaging plane I of the objective lens system OL. Are located. Further, the objective lens system OL has a diffractive optical surface Gf and a bonding surface Tf or a separation chromatic aberration correction surface Hf (FIG. 1 shows a case where the objective lens system OL is configured by the bonding surface Tf). . Here, the bonding surface refers to a portion (surface) where the opposing surfaces of two adjacent lenses are bonded to each other, and the separation chromatic aberration correction surface refers to a curvature of the opposing surfaces of the two adjacent lenses. It refers to a portion where the radii are equal or almost equal and the distance between these surfaces is extremely narrow. Both surfaces are surfaces that greatly contribute to correction of chromatic aberration. Note that FIG. 1 shows a case where the objective lens system OL is combined with an objective lens system OL according to a fifth embodiment described later.
[0020]
The configuration of the eyepiece lens system EP is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-54258. The eyepiece lens system EP shown in FIG. 1 is formed by bonding a biconcave negative lens L101 and a biconvex positive lens L102 in order from the object side (the image plane I side of the objective lens system OL). It comprises a negative lens, a biconvex positive lens L103, and a biconvex positive lens L104.
[0021]
In the following description, the configuration of the objective lens system OL in the telescope optical system TS will be described.
[0022]
The objective lens system OL according to the first embodiment shown in FIG. 2 includes, in order from the object side, a cemented lens formed by bonding a diffractive optical element L11E and a negative meniscus lens L12 having a concave surface facing the object side. It has a configuration. Here, the diffractive optical element L11E is configured as a single-layer diffractive optical element in which a diffractive optical surface Gf is formed on the object side of the biconvex positive lens L11, and the diffractive optical element L11E is a diffractive optical surface Gf. Are arranged with their convex surfaces facing the object side. A bonding surface Tf exists between the diffractive optical element L11E and the negative meniscus lens L12.
[0023]
The objective lens system OL according to the second embodiment shown in FIG. 4 includes, in order from the object side, a cemented lens formed by bonding a diffractive optical element L21E and a negative meniscus lens L22 having a concave surface facing the object side, And a negative meniscus lens L23 having a convex surface is provided. Here, the diffractive optical element L21E is configured as a single-layer diffractive optical element in which a diffractive optical surface Gf is formed on the object side of the biconvex positive lens L21, and the diffractive optical element L21E is a diffractive optical surface Gf. Are arranged with their convex surfaces facing the object side. A bonding surface Tf exists between the diffractive optical element L21E and the negative meniscus lens L22.
[0024]
The objective lens system OL according to the third embodiment shown in FIG. 6 has a single lens configuration provided with a diffractive optical element L31E. Here, the diffractive optical element L31E is configured as a single-layer diffractive optical element in which a diffractive optical surface Gf is formed on the object side of the plano-convex positive lens L31, and the diffractive optical element L31E is a diffractive optical surface Gf. Are arranged with their convex surfaces facing the object side. In the present embodiment, the surface on the image side of the diffractive optical element L31E is configured to have an aspherical shape in order to correct aberration.
[0025]
The objective lens system OL according to the fourth embodiment shown in FIG. 8 includes, in order from the object side, a cemented lens formed by bonding a diffractive optical element L41E and a negative meniscus lens L42 having a concave surface facing the object side. It has a configuration. Here, the diffractive optical element L41E is tightly joined to a first diffractive element element located on the object side and a second diffractive element element which is a biconvex positive lens L41 located on the image side and diffracted to the joint surface. The diffractive optical element L41E is arranged with the convex surface of the diffractive optical surface Gf facing the object side. A bonding surface Tf exists between the diffractive optical element L41E and the negative meniscus lens L42.
[0026]
The objective lens system OL according to the fifth embodiment shown in FIG. 10 includes, in order from the object side, a cemented lens formed by bonding a diffractive optical element L51E and a negative meniscus lens L52 having a concave surface facing the object side. It has a configuration. Here, the diffractive optical element L51E is tightly joined to a first diffractive element element located on the object side and a second diffractive element element which is a biconvex positive lens L51 located on the image side and diffracted to the joint surface. The diffractive optical element L51E is arranged such that the convex surface of the diffractive optical surface Gf faces the object side. A bonding surface Tf exists between the diffractive optical element L51E and the negative meniscus lens L52. In the first, second, fourth, and fifth embodiments, the bonding surface Tf is used. However, the chromatic aberration may be corrected using the separation chromatic aberration correction surface Hf.
[0027]
Here, the diffractive optical surface will be described. In the objective lens system OL according to the present invention, diffractive optical elements L11E, L21E, L31E, L41E, L51E having a diffractive optical surface Gf are used for correcting chromatic aberration. The diffractive optical element is an optical element having a diffractive optical surface formed by concentrically forming a slit-shaped or groove-shaped lattice structure of about several hundred fine pitches per minute interval (about 1 mm). When incident, it has the property of generating a diffracted light beam in a direction determined by the grating pitch (the interval between slits and grooves) and the wavelength of light. Diffractive optical elements having such a diffractive optical surface are used in various optical systems. For example, a diffractive optical element that collects diffracted light of a specific order at one point and uses it as a lens is known. The diffractive optical surface Gf of each of the diffractive optical elements L11E, L21E, L31E, L41E, and L51E has such a property that the dispersion characteristic is opposite to that of ordinary glass (refractive optical element) and the refractive index decreases as the wavelength of light decreases (that is, the refractive index decreases). (Negative dispersion characteristic), and a large achromatizing effect for correcting the above-mentioned chromatic aberration can be obtained. Therefore, by using these diffractive optical elements L11E, L21E, L31E, L41E, and L51E, anomalous dispersion glass can be obtained. Chromatic aberration can be favorably corrected even when not used or the number of sheets used is reduced.
[0028]
However, the Abbe number of the diffractive optical surface Gf of the objective lens system OL according to the present invention is -3.45, which is close to zero as described later, and has a very large negative dispersion characteristic. Also, the change in the refraction angle with respect to the wavelength of the light incident on the diffractive optical surface Gf is different from the change in the refraction angle with respect to the wavelength of the light that normally enters glass types (such as glass and resin). Therefore, if the diffractive optical surface Gf is simply used, the achromatic effect is large and chromatic aberration is largely generated in the opposite direction to the normal glass type, and the chromatic aberration remains without being corrected by the diffractive optical surface Gf. There is a possibility that the secondary spectrum is largely generated in a telephoto lens having a long focal length. In order to suppress these chromatic aberrations, a bonding surface Tf or a separation chromatic aberration correction surface Hf of a normal glass type is used. In particular, since these surfaces are used in the objective lens system OL closest to the object side, the chromatic aberration correction effect is further increased.
[0029]
These diffractive optical elements are preferably constituted by so-called multi-layer diffractive optical elements shown in FIG. 5, and the diffractive optical elements L41E and L51E of the fourth and fifth embodiments are the same. The element is used. The multilayer diffractive optical element has a diffractive optical surface (a surface on which a diffraction grating groove is formed) made of different materials, and has a wide range from the g-line (435.8 nm) to the C-line (656.3 nm). This is a diffractive optical element capable of increasing the diffraction efficiency to 90% or more in a wavelength region. Therefore, by using the diffractive optical element, a telescope optical system usable in a wide wavelength region (from 435.8 nm to 656.3 nm) and an objective lens system used for the telescope optical system can be configured. Note that the diffraction efficiency in the transmission type diffractive optical element, the ratio of the intensity I 0 of incident light intensity I 1 of the first-order diffracted light η (= I 1 / I 0 × 100%).
[0030]
FIG. 12B shows a first diffraction element element a20 having a first diffraction
[0031]
FIG. 12A shows that a first diffraction element a10 and a second diffraction element b10, which are made of different materials, are closely bonded to each other, and a sawtooth-shaped diffraction grating groove is formed on a bonding surface of these diffraction elements. 100 is a close-contact multi-layer diffractive optical element configured to have 100. Compared with the split multi-layer diffractive optical element shown in FIG. 12B, there are advantages in that the manufacturing process can be simplified, mass production efficiency is good, and diffraction efficiency with respect to the angle of incidence is good. Although the above-described diffraction
[0032]
Here, when the structure of the contact multilayer diffractive optical element shown in FIG. 12A is adopted, it is preferable that one material is glass for glass molding and the other material is a resin, particularly an ultraviolet curable resin. . By doing so, mass productivity can be improved.
[0033]
In the present invention, as shown in FIG. 12C, a conventionally used single-layer type diffractive optical element can be used, and the diffractive optical elements L11E, L21E, L31E of the first to third embodiments can be used. Uses this single-layer diffractive optical element. The single-layer diffractive optical element has a configuration in which a diffraction
[0034]
Further, the objective lens system OL according to the present invention has a focal length of 200 mm or more. The diffractive optical element has a characteristic that the diffraction efficiency (referred to as “angle characteristic”) varies depending on the incident angle of the incident light, and the diffraction efficiency decreases as the incident angle of the incident light increases. This angular characteristic is particularly conspicuous in the multilayer diffractive optical element described above. Therefore, by setting the focal length of the objective lens system OL to be as long as 200 mm or more, the incident angle of the light beam incident on the diffractive optical element can be reduced, and the angular characteristics can be kept good.
[0035]
By arranging an erect image prism such as a Porro prism or a roof prism (not shown in FIG. 1) between the objective lens system OL and the eyepiece lens system EP (not shown in FIG. 1), it is possible to vertically, horizontally, and vertically observe an image observed by the telescope optical system. Can match the actual object, so that it is easy to observe.
[0036]
【Example】
Hereinafter, specific examples of the objective lens system OL according to the present invention will be described. The following five examples correspond to the objective lens systems OL according to the above-described first to fifth embodiments, respectively. Therefore, the lens configuration diagrams of the first to fifth embodiments (FIG. 2 and FIG. 4, FIG. 6, FIG. 8, and FIG. 10) show the lens configurations of the first to fifth examples below, respectively. As described above, the diffractive optical elements (L11E, L21E, L31E) in the first to third embodiments use the single-layer diffractive optical element shown in FIG. 12C, and the diffractive optical elements in the fourth and fifth embodiments. As the elements (L41E, L51E), a contact multilayer diffractive optical element shown in FIG. 12A was used.
[0037]
In each embodiment, the phase difference of the diffractive optical surface was calculated by an ultra-high refractive index method performed using a normal refractive index and aspherical expressions (1) and (2) described later. The ultra-high refractive index method utilizes a certain equivalent relation between the expression representing the aspherical surface shape and the grating pitch of the diffractive optical surface. That is, it is indicated by the aspherical expressions (1) and (2) described later and their coefficients. In this embodiment, d-line, g-line, C-line, and F-line are selected as the calculation targets of the aberration characteristics. Table 1 below shows the wavelengths of the d-line, g-line, C-line, and F-line used in this example, and specific refractive index values of the diffractive optical surface set for each spectral line.
[0038]
[Table 1]
[0039]
In each embodiment, the height of the aspheric surface in the direction perpendicular to the optical axis (incident height) is y, and the distance along the optical axis from the tangent plane at the vertex of the aspheric surface to a position on the aspheric surface at height y. (Aspherical amount or sag amount) is Z (y), the radius of curvature of the reference spherical surface is r, the paraxial radius of curvature is R, the conic coefficient is κ, the secondary aspherical surface coefficient is C 2 , and the quaternary Let C 4 be the aspherical surface coefficient of C, C 6 the aspherical surface coefficient of the sixth order, C 8 the aspherical surface coefficient of the eighth order, and C 10 the aspherical surface coefficient of the tenth order. ).
[0040]
(Equation 1)
Z (y) = (y 2 / r) / (1+ (1-κ (y 2 / r 2)) 1/2) + C 2 y 2 + C 4
R = 1 / ((1 / r) + 2C 2 ) (2)
[0041]
The ultra-high refractive index method used in the present example is described in detail in “Introduction to Diffractive Optical Elements”, published by the Japan Optical Society, 1997, first edition published by the Japan Society of Applied Physics.
[0042]
(First embodiment)
Table 2 below shows the data of each lens in the first example. In this embodiment, no anomalous dispersion glass is used. Surface numbers 1 to 4 in Table 2 relate to the telephoto lens according to the first embodiment, and correspond to reference numerals 1 to 4 in FIG. In Table 2, r is the radius of curvature of the lens surface (the radius of curvature of the reference spherical surface in the case of an aspheric surface), d is the distance between the lens surfaces, vd is the Abbe number, and n (d) is the refraction for the d line. The rates are shown respectively. The units of the focal length f, the radius of curvature r, the surface distance d and other lengths described in all the following specification values are generally "mm" unless otherwise specified, but the optical system is proportional. Since the same optical performance can be obtained even if it is enlarged or proportionally reduced, the unit is not limited to “mm” and another appropriate unit can be used. In the aspheric coefficient C n (n = 2, 4, 6, 8, 10), “E-09” and the like indicate “× 10 −09 ” and the like. The description of the symbols in Table 2 above is the same in the tables of the following examples.
[0043]
[Table 2]
[0044]
FIG. 3 is a diagram showing various aberrations of the optical system according to the first embodiment. In each aberration diagram, FNO indicates an F value (F number value), Y indicates an image height, D indicates a d line, G indicates a g line, C indicates a C line, and F indicates an F line. In the spherical aberration diagram, the F value for the maximum aperture is shown, in the astigmatism diagram and the distortion diagram, the maximum value of the image height is shown, and in the coma aberration diagram, the value of each image height is shown. Further, in the aberration diagram showing astigmatism, a solid line indicates a sagittal image plane, and a broken line indicates a meridional image plane. The above description of the aberration diagrams is the same for the other aberration diagrams thereafter. As is clear from the aberration diagrams, in the first embodiment, various aberrations are satisfactorily corrected even though the anomalous dispersion glass is not used, and excellent imaging performance is secured. I understand that there is.
[0045]
(Second embodiment)
Table 3 below shows the data of each lens in the second example. In this embodiment, no anomalous dispersion glass is used. Surface numbers 1 to 6 in Table 3 relate to the telephoto lens of the present invention, and correspond to reference numerals 1 to 6 in FIG.
[0046]
[Table 3]
[0047]
FIG. 5 is a diagram showing various aberrations of the optical system in the second embodiment. As is apparent from each aberration diagram, various aberrations are favorably corrected even though no anomalous dispersion glass is used. It can be seen that excellent imaging performance was secured.
[0048]
(Third embodiment)
Table 4 below shows the data of each lens in the third example. In this embodiment, no anomalous dispersion glass is used. Surface numbers 1 to 3 in Table 4 relate to the telephoto lens of the present invention, and correspond to reference numerals 1 to 3 in FIG.
[0049]
[Table 4]
[0050]
FIG. 7 is a diagram showing various aberrations of the optical system according to the third embodiment. As is apparent from each aberration diagram, various aberrations are favorably corrected even though no anomalous dispersion glass is used. It can be seen that excellent imaging performance was secured.
[0051]
(Fourth embodiment)
Table 5 below shows the data of each lens in the fourth example. In this embodiment, no anomalous dispersion glass is used. Surface numbers 1 to 5 in Table 5 relate to the telephoto lens of the present invention, and correspond to reference numerals 1 to 5 in FIG.
[0052]
[Table 5]
[0053]
FIG. 9 is a diagram showing various aberrations of the optical system according to the fourth embodiment. As is apparent from each aberration diagram, various aberrations are favorably corrected even though no anomalous dispersion glass is used. It can be seen that excellent imaging performance was secured.
[0054]
(Fifth embodiment)
Table 6 below shows the data of each lens in the fifth example. In this embodiment, no anomalous dispersion glass is used. Surface numbers 1 to 5 in Table 6 relate to the telephoto lens of the present invention, and correspond to reference numerals 1 to 5 in FIG. In this embodiment, Table 7 below also shows specifications of each lens of the eyepiece lens system EP shown in FIG. 1 (similar to the case of the objective lens system OL, surface number 11). To 18 correspond to the
[0055]
[Table 6]
[0056]
[Table 7]
[0057]
FIG. 11 is a diagram of various aberrations of the optical system in the fifth embodiment (only the aberration diagram for the objective lens system OL is shown). As is clear from the aberration diagrams, no anomalous dispersion glass is used. Nevertheless, it can be seen that various aberrations are satisfactorily corrected and excellent imaging performance is secured.
[0058]
As can be seen from the above embodiments, the objective lens system according to the present invention can satisfactorily correct chromatic aberration (particularly, axial chromatic aberration).
[0059]
【The invention's effect】
As described above, since the telescope optical system according to the present invention and the objective lens system used in the telescope optical system use a diffractive optical element having a diffractive optical surface, chromatic aberration is caused by the action of the diffractive optical element. (Especially longitudinal chromatic aberration) can be satisfactorily corrected.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a lens configuration of a telescope optical system according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating a lens configuration of an objective lens system according to a first example of the present invention.
FIG. 3 is a diagram illustrating various aberrations of the objective lens system according to the first example of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing a lens configuration of an objective lens system according to a second example of the present invention.
FIG. 5 is a diagram illustrating various aberrations of the objective lens system according to Example 2 of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a lens configuration of an objective lens system according to Example 3 of the present invention.
FIG. 7 is a diagram illustrating various aberrations of the objective lens system according to Example 3 of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing a lens configuration of an objective lens system according to Example 4 of the present invention.
FIG. 9 is a diagram illustrating various aberrations of the objective lens system according to Example 4 of the present invention.
FIG. 10 is a diagram showing a lens configuration of an objective lens system according to Example 5 of the present invention.
FIG. 11 is a diagram illustrating various aberrations of the objective lens system according to Example 5 of the present invention.
12A and 12B are schematic sectional views of a diffractive optical element used for the objective lens system according to the present invention, wherein FIG. 12A is a schematic sectional view of a contact multilayer diffractive optical element, and FIG. It is a schematic cross section of a diffractive optical element, (C) is a schematic diagram of a single-layer type diffractive optical element.
[Explanation of symbols]
TS Telescope optical system OL Objective lens system EP Eyepiece lens system L11, L21, L31, L41, L51 First lens L11E, L21E, L31E, L41E, L51E Diffractive optical element L101 Second lens L102 Third lens L12, L22, L42, L52 4th lens I Image plane Gf of objective lens system Diffractive optical plane Tf Bonding plane
Claims (12)
前記対物レンズ系が、正の屈折力を有する第1レンズと回折光学面とを有して構成され、
前記接眼レンズ系が、負の屈折力を有する第2レンズと正の屈折力を有する第3レンズとを有して構成されていることを特徴とする望遠鏡光学系。In order from the object side, in a telescope optical system configured by an objective lens system and an eyepiece lens system, a focal position of the eyepiece lens system coincides with an image plane of the objective lens system,
The objective lens system includes a first lens having a positive refractive power and a diffractive optical surface,
2. The telescope optical system according to claim 1, wherein the eyepiece lens system includes a second lens having a negative refractive power and a third lens having a positive refractive power.
前記第1レンズの一方の面と前記第4レンズの一方の面とが貼り合わせ面または分離色収差補正面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の望遠鏡光学系。The objective lens system includes a fourth lens having a negative refractive power;
The telescope optical system according to claim 1, wherein one surface of the first lens and one surface of the fourth lens form a bonding surface or a separation chromatic aberration correction surface.
前記第1レンズの一方の面と前記第4レンズの一方の面とが貼り合わせ面または分離色収差補正面を構成していることを特徴とする請求項7に記載の対物レンズ系。A fourth lens having a negative refractive power,
The objective lens system according to claim 7, wherein one surface of the first lens and one surface of the fourth lens form a bonding surface or a separation chromatic aberration correction surface.
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