JP2004125298A - 乾燥装置、及び、乾燥装置を用いた環境改善システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気圧送手段により空気を空気導入口8からゼオライト充填用容器5の内部に導入して空気導出口9及び空気導出管11を介してゼオライト充填用容器5から導出させている状態の下で、高周波誘導加熱コイル7に高周波電流を流して磁性体(例えば、金属板6)を高周波誘導加熱することにより、ゼオライト充填用容器5の内部に充填されて磁性体に直接接触しているゼオライトを加熱して乾燥させる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥装置、及び、乾燥装置を用いた環境改善システムに関する。更に詳しくは、本発明は、特に、鉱石(例えば、天然鉱石であるゼオライト)等を含む土砂を乾燥するために用いて好適な乾燥装置、及び、その乾燥装置を用いて環境改善を行なうための環境改善システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、天然鉱石等の乾燥に際しては、ガスバーナーにより加熱した高温乾燥空気を用いるようにしている。例えば、大気中から窒素を取り除く酸素発生装置に天然ゼオライトを用いるためには天然ゼオライトの水分を蒸発させる必要があるが、そのために従来では、天然ゼオライトを充填したチャンバ(被乾燥物充填用容器)内に加熱した乾燥空気を送り込むことにより、天然ゼオライトを加熱して水分を蒸発させる(乾燥せしめる)ようにしている。一方、木材等の乾燥には、誘電加熱を利用するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガスバーナーにより加熱した高温乾燥空気を用いた加熱方法では、大規模な密閉されたチャンバ(被乾燥物充填用容器)が必要であり、その上、作業環境が悪い等の問題点がある。
【0004】
なお、誘電加熱を利用して天然鉱石を加熱することが考えられるが、その場合には、電極等で天然鉱石を挟み込んで温度を上昇させることとなる。しかし、このような誘電加熱方法にて天然鉱石を加熱する場合には、木材等と比べると、必要とする量の鉱石を処理するには設備が大規模になり、しかも加熱時間が長くかかる上に、電磁波の漏洩等の問題を生じる。
【0005】
本発明は、上述の如き実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、高周波誘導加熱を利用して、鉱石等を含む土砂(例えば、ゼオライト等)を良好にしかもクリーンに乾燥することができ、環境改善にも利用することができるような乾燥装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決する手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、高周波電源と、前記高周波電源から高周波電力が供給される高周波誘導加熱コイルと、気体導入口及び気体導出口をそれぞれ有し、かつ、前記高周波誘導加熱コイルに取り囲まれた位置に配置される被乾燥物充填用容器と、前記被乾燥物充填用容器の内部に配置された磁性体と、前記気体導入口に気体を圧送する気体圧送手段とをそれぞれ備え、前記気体圧送手段により気体を前記気体導入口から前記被乾燥物充填用容器の内部に導入して前記気体導出口を介して前記被乾燥物充填用容器から導出させている状態の下で、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流して前記磁性体を高周波誘導加熱することにより、前記被乾燥物充填用容器の内部に充填されて前記磁性体に直接接触している被乾燥物を加熱して乾燥させるようにしている。
また、本発明では、高周波電源と、前記高周波電源から高周波電力が供給される高周波誘導加熱コイルと、空気導入口及び空気導出口を有し、かつ、前記高周波誘導加熱コイルに取り囲まれた位置に配置されるゼオライト充填用容器と、前記ゼオライト充填用容器の内部に配置された磁性体と、前記ゼオライト充填用容器の空気導入口に連結された空気導入管と、前記ゼオライト充填用容器の空気導出口に連結された空気導出管と、前記空気導入管を通して空気を前記空気導入口に圧送する空気圧送手段とをそれぞれ備え、前記空気圧送手段により空気を前記空気導入口から前記ゼオライト充填用容器の内部に導入して前記空気導出口及び前記空気導出管を介して前記ゼオライト充填用容器から導出させている状態の下で、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流して前記磁性体を高周波誘導加熱することにより、前記ゼオライト充填用容器の内部に充填されて前記磁性体に直接接触しているゼオライトを加熱して乾燥させるようにしている。
また、本発明では、前記磁性体が磁性板又は磁性丸棒若しくは磁性多角形の角棒から成る加熱用導体であるようにしている。
また、本発明では、前記被乾燥物が鉱石等を含む土砂であるようにしている。また、本発明では、前記容器を非磁性の金属,セラミック,耐熱性の高い絶縁材,又は耐熱性の高い樹脂材料若しくは無機材料から構成するようにしている。また、本発明では、前記容器を非磁性の金属から構成すると共に、前記容器内に配置される前記磁性体を磁性特性を有する金属から構成するようにしている。
また、本発明では、前記磁性体を合金から構成している。
また、本発明では、前記合金が鉄を主成分とした合金又はステンレス鋼であるようにしている。
また、本発明では、前記合金の成分を調整することによって前記磁性体のキュリー点(キュリー温度)を適宜に選定し、前記磁性体の高周波誘導加熱温度がキュリー点以上にならない性質を利用して、前記被乾燥物の加熱温度を適正に設定するようにしている。
また、本発明では、前記高周波電源部の側から見た前記高周波誘導加熱コイルのインピーダンスを、前記磁性体のキュリー点に対応するインピーダンスとなるように一定に制御することによって、前記磁性体を一定温度に高周波誘導加熱するようにしている。
また、本発明では、前記気体圧送管と前記気体導出管とを互いに連結してこれらの管及び前記被乾燥物充填用容器にて気体循環路を形成し、前記気体循環路を通して気体を循環移動させながら前記被乾燥物を加熱して乾燥させるようにしている。
また、本発明では、上述の乾燥装置を備え、その乾燥装置の空気導出管から放出される酸素含有率の高い空気を、環境改善すべき場所に提供するようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0008】
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置1の構成を概略的に示すのもである。本実施形態の乾燥装置1は、ゼオライトを乾燥させるために用いられる装置であって、図1に示すように、被乾燥物(天然ゼオライト)を加熱する高周波誘導加熱部2と、この高周波誘導加熱部2に高周波電流を供給する発振器から成る高周波電源部3と、上述の高周波誘導加熱部2と高周波電源部3との間に配設された整合部4とを有している。
【0009】
上述の高周波誘導加熱部2は、図1〜図3に明示するように、例えばステンレス等の非磁性の金属若しくはセラミック等を素材とするゼオライト充填用容器5と、このゼオライト充填用容器5の内部(中空部)に所定間隔を隔てて規則正しくほぼ平行状に対向配置された磁性を有する複数枚の金属板(電磁誘導体から成る規則充填物;磁性体としての磁性板)6と、ゼオライト充填用容器5を取り囲むように前記ゼオライト充填用容器5の外周位置に同軸状に配置された高周波誘導加熱コイル7とをそれぞれ具備している。なお、前記ゼオライト充填用容器5は、例えば、図3に示すように、円筒形状のパイプ材から成る容器本体5aと、この容器本体5aの上下一対の開口を閉塞するように容器本体5aの両端にそれぞれ着脱自在に装着される円盤状の一対の蓋体5b,5cとで構成されている。
【0010】
一方の蓋体5bには、例えばそのほぼ中央部に空気導入口8が設けられると共に、他方の蓋体5cには、例えばそのほぼ中央部に空気導出口9が設けられている。そして、空気導入口8には空気導入管10の一端部が連結されると共に、空気導入口11には空気導出管12の一端部が連結されている。そして、上述の空気導入管10の他端部にはポンプ等の空気圧送手段が連結されており、この空気圧送手段により空気が空気導入管10及び空気導入口8を順次に通ってゼオライト充填用容器5の内部に圧送されるように構成されている。
【0011】
また、上述の高周波電源3は、図2に示すように、直流電源E,コイルL0 ,コンデンサC0 ,ダイオードD1 〜D4 ,及びスイッチS1 〜S4 から成る電圧形のインバータ回路にて構成されている。なお、この高周波電源3は、電圧形ではなく電流形のインバータ回路にて構成することも可能である。一方、上述の整合部4は、コンデンサCにて構成されている。そして、高周波電源部3から整合部4を介して所要周波数の高周波電流が高周波誘導加熱コイル7に供給されるようになっている。
【0012】
かくして、本実施形態の乾燥装置1は、高周波電源3と、この高周波電源から高周波電力が供給される高周波誘導加熱コイル7と、気体導入口8及び気体導出口9をそれぞれ有し、かつ、高周波誘導加熱コイル7に取り囲まれた位置に配置されるゼオライト充填用容器5と、このゼオライト充填用容器5の空気導入口8に連結された空気導入管10と、ゼオライト充填用容器5の空気導出口9に連結された空気導出管11と、空気導入管10を通して空気を空気導入口8に圧送する空気圧送手段(図示せず)とから構成されている。
【0013】
次に、上述の如き構成の乾燥装置1を用いてゼオライトを乾燥させる際の手順に付き述べると、以下の通りである。まず、顆粒状のゼオライト(各々の粒の直径は、例えば2〜3mm程度)の集合物をゼオライト充填用容器5の本体(容器本体)5aの開口からその内部に入れて充填状態にした後にゼオライト充填用容器5の両端に蓋体5b,5cを装着し、ゼオライトをその容器5内に充填した状態にする。これにより、ゼオライト充填用容器5内において各金属板(各磁性板)6の表裏両面にゼオライトが直接接触している状態にする。
【0014】
しかる後に、既述の空気圧送手段により空気を空気導入管10を介して空気導入口8からゼオライト充填用容器5の内部に導入して空気導出口9及び空気導出管11を介してゼオライト充填用容器5から導出させている状態にして、その状態の下で、高周波電源部3から整合部4を介して所要周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイル7に供給する。これに伴い、高周波誘導加熱コイル7に高周波電流が流れて図3において矢印及び破線で示す如く複数の金属板6と交差する磁束Φが発生し、複数の金属板6には渦電流(誘導電流)が誘起され、この渦電流にて複数の金属板6がジュール加熱される。そして、このようにして高周波誘導加熱された複数の金属板6に接触している顆粒状のゼオライトが金属板6からの熱伝導により急速に加熱されて乾燥される。なお、乾燥処理済みのゼオライトは、蓋体5b,5cの取り外しを行って容器本体5aから取り出し、その後に、乾燥処理すべき別のゼオライトに対して上記と同様の作業を繰り返して行う。
【0015】
なお、高周波電源部3の電源の発振周波数は、ゼオライト充填用容器5の大きさにもよるが、ゼオライト充填用容器5の内部に配置した磁性体の金属板6を誘導加熱させるために、比較的低い周波数(例えば、0.5kHz程度)であるのが望ましい。一方、充填物であるゼオライトの温度制御は、ゼオライト充填用容器5内に充填されたゼオライトの中に温度センサ(例えば、熱電対等)を埋め込み、その温度を計測することによって高周波電源部3からの出力を適宜に変化させて行うようにすればよい。
【0016】
また、ゼオライト充填用容器5の内側に設置した磁性を有する金属板6のキュリー点の特性を利用した加熱温度制御方法を採用するようにしても良い。この制御方法は、金属板6を加熱する際に、加熱すべき金属板6のキュリー点によって加熱の最高温度が決定されるという性質を利用するものである。そのような性質から、ゼオライト等被乾燥物の加熱温度を設定する際に、金属板6に合金を用いて被乾燥物に応じたキュリー点を有する加熱温度を実現することが可能である。ここで、温度制御の原理について説明すると、次の通りである。すなわち、高周波誘導加熱設備における電気条件は、キュリー点を境界として大きく変化する。特に、高周波誘導加熱設備の側から見たインピーダンス(抵抗値)は、キュリー点を超える前と超えた後では大きく違ってくる。そこで、インピーダンス(抵抗値)を常に一定に保持するように制御すれば、ゼオライト充填用容器5の内部に設置された磁性を有する金属板6は、常にキュリー点付近の温度を保持するように温度制御できる。
【0017】
なお、鉄のキュリー点はゼオライトの結晶構造が壊れてしまう温度であり、ニッケルのキュリー点はゼオライトの良好な乾燥温度より少し低いため、金属板6を鉄或いはニッケル製のものにするのは好ましくない。そこで、本実施形態においては、鉄を主成分とした合金、ステンレス鋼(Fe−Cr−Ni)を用いるようにしている。
【0018】
しかして、上述の如き構成の乾燥装置1を用いてゼオライトを乾燥する場合、パイプ材等から成るゼオライト充填用容器5の内部に詰めたゼオライト等の充填物を、高周波誘導加熱コイル(ワークコイル)7からの電磁誘導による非接触給電によって、ゼオライト充填用容器5内の複数の金属板6を高周波誘導加熱し(渦電流により発生するジュール熱で発熱せしめ)、ゼオライト充填用容器5内の充填物(例えば、ゼオライト等)を、電磁誘導体である金属板6に直接接触させることにより急速加熱して乾燥させるようにしているので、温度センサを用いることなく、クリーンで良好な乾燥を行うことができる。さらに、金属板6の材質の合金についてその成分を調整することにより金属板6のキュリー点を適宜に選定することにより、金属板6ひいては被乾燥物であるゼオライトの加熱温度を、高周波誘導加熱コイル7への印加電力の制御を行うことなく、ゼオライトの結晶構造を壊すことのない良好な温度に常に設定することができる。これにより、本実施形態の乾燥装置1によれば、温度センサを用いることなく、ゼオライトを高い温度精度で、かつ、良好でクリーンな環境の下で乾燥させることができる。また、本実施形態の乾燥装置1によれば、鉱石等を含む土砂の乾燥処理に際し、その処理中に高周波誘導加熱をいったん停止しても、再加熱を容易に行うことが可能である。
【0019】
また、本発明の別の実施形態においては、ゼオライト充填用容器5の気体導入口8と気体導出口9とを管材を介して互いに連通させることにより、具体的には、空気導入管10と空気導出管11とを互いに連通させることにより、気体導入口8及び気体導出口9とゼオライト充填用容器5とで気体循環路を形成し、この気体循環路を通して気体を循環移動させながらゼオライト(被乾燥物)を加熱して乾燥させるよに設定することが可能である。
【0020】
このような構成を採用した乾燥装置1によれば、ゼオライトを乾燥させた高い温度の空気がゼオライト充填用容器5内を循環して移動することとなるため、ゼオライトの乾燥時間を短縮することが可能となる。
【0021】
また、本発明の一実施形態によれば、既述の如き乾燥装置1を用いて環境改善システムを構成することが可能である。すなわち、乾燥装置1の空気導出管11から放出される酸素含有率の高い空気を、地質改良や水質改良等の環境改善すべき場所に提供するようにして成る環境改善システムを構成することができる。
【0022】
上述の環境改善システムによれば、乾燥装置1においてゼオライトを乾燥させながらこれと同時に酸素の発生(乾燥に伴いゼオライトから酸素が発生される)を行ない、ゼオライトを乾燥させた酸素含有率の高い空気をそのまま地質改良や水質改良等を行なうのに利用することができる。例えば、赤潮等が発生し易い環境にある湖水等に酸素を多く含む空気を乾燥装置1から湖底に送り込むことにより、湖水の環境改善を行なうことができる。
【0023】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、必要に応じて空気導入管8及び空気導出管9を省略することが可能である。また、既述の実施形態ではゼオライトを乾燥するための乾燥装置1について述べたが、ゼオライトに限ることなく各種の鉱石や土砂等を乾燥する装置にも本発明を適用可能である。また、ゼオライト充填用容器5の形状や構造も必要に応じて変更可能である。さらに、空気導入口8及び空気導出口9はそれぞれ単一である必要は必ずしもなく、複数の小孔等からそれぞれ成る空気導入口及び空気導出口を設けるようにしても良い。また、空気導入口8及び空気導出口9を容器5の蓋体5b,5cに設ける必要は必ずしもなく、容器本体5に適宜に設けるようにしても良い。
【0024】
さらに、既述の実施形態では、ゼオライト充填用容器5の内部に金属板6から成る磁性板を加熱用導体として配置するようにしたが、これに代えて、磁性丸棒若しくは磁性多角形の角棒から成る加熱用導体(磁性体)を配置するようにしても良い。また、既述の実施形態では、ステンレス等の非磁性の金属若しくはセラミックから構成したゼオライト充填用容器5を用いるようにしたが、これに代えて、非磁性の耐熱性の高い絶縁材又は樹脂材料若しくは無機材料から構成したゼオライト充填用容器5を用いるようにしても良い。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、気体圧送手段により気体を気体導入口から被乾燥物充填用容器の内部に導入して気体導出口を介して被乾燥物充填用容器から導出させている状態の下で、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流して磁性体を高周波誘導加熱することにより、被乾燥物充填用容器の内部に充填されて磁性体に直接接触している被乾燥物を加熱して乾燥させるようにしたものであるから、高周波誘導加熱を利用して被乾燥物を乾燥することによってクリーンで良好な乾燥を簡単な設備にて容易に行うことができる。
【0026】
また、請求項2に記載の本発明は、空気圧送手段により空気を空気導入口からゼオライト充填用容器の内部に導入して空気導出口及び空気導出管を介してゼオライト充填用容器から導出させている状態の下で、高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流して磁性体を高周波誘導加熱することにより、ゼオライト充填用容器の内部に充填されて磁性体に直接接触しているゼオライトを加熱して乾燥させるようにしたものであるから、高周波誘導加熱を利用してゼオライトを乾燥することによってクリーンで良好な乾燥を簡単な設備にて容易に行うことができると共に、ゼオライトを乾燥させながらこれと同時に酸素発生を行なうことができて酸素含有率の高い空気を得ることができる。
【0027】
また、請求項3に記載の本発明は、前記磁性体が磁性板又は磁性丸棒若しくは磁性多角形の角棒から成る加熱用導体であるようにしたものであるから、被乾燥物の種類,形状,サイズ、或いは材質等に応じて加熱用の磁性体を選択することによって、被乾燥物に関して最適な乾燥を行うことができる。
【0028】
また、請求項4に記載の本発明は、被乾燥物が鉱石等を含む土砂であるようにしたので、従来では高温の加熱空気にて乾燥させるようにしていたものを高周波誘導加熱を利用して効率良くしかも円滑に乾燥処理を施すことができる。本発明によれば、特に、鉱石、その中でもゼオライトのような天然鉱石等を乾燥処理するのに適用して好適でありしかも非常に実用的な乾燥装置を提供することができる。
【0029】
また、請求項5に記載の本発明は、容器を非磁性の金属,セラミック,耐熱性の高い絶縁材,又は耐熱性の高い樹脂材料若しくは無機材料から構成したものであるから、高周波誘導加熱コイルから生じる磁束を容器を通して磁性体に効果的に作用させることができ、従って、磁性体ひいてはこの磁性体に直接接触している被乾燥物(例えば、ゼオライト等の天然鉱石等)を効率良く加熱することができる。
【0030】
また、請求項6に記載の本発明は、容器を非磁性の金属から構成すると共に、容器内に配置される磁性体を磁性特性を有する金属から構成したものであるから、容器及び磁性体を共に金属製としたことにより乾燥装置の製造を容易かつ安価に行うことができると共に、耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0031】
また、請求項7に記載の本発明は、磁性体を合金から構成したものであるから、被乾燥物の種類等に応じて、成分の種類及び組成比率が適当な合金を用いることによって当該被乾燥物の乾燥処理に適した加熱温度に設定することが可能となる。
【0032】
また、請求項8に記載の本発明は、合金が鉄を主成分とした合金又はステンレス鋼であるようにしたものであるから、特にゼオライトを乾燥対象とする場合には、ゼオライトの結晶構造を壊すことのないような加熱温度で乾燥させることができる。
【0033】
また、請求項9に記載の本発明は、合金の成分を調整することによって磁性体のキュリー点(キュリー温度)を適宜に選定し、磁性体の高周波誘導加熱温度がキュリー点以上にならない性質を利用して、被乾燥物の加熱温度を適正に設定するようにしたものであるから、温度センサ等を用いることなく、被乾燥物の加熱温度を常に一定に保持することが可能となる。従来の乾燥法では乾燥空気の温度制御が困難であったが、本発明によれば、金属板のキュリー点に着目して温度制御を行う簡易な乾燥法を実現することができる。
【0034】
また、請求項10に記載の本発明は、高周波電源部の側から見た高周波誘導加熱コイルのインピーダンスを、磁性体のキュリー点に対応するインピーダンスとなるように一定に制御することによって、磁性体を一定温度に高周波誘導加熱するようにしたものであるから、高周波誘導加熱コイルへの供給電力についてのフィードバック制御手段を設ける必要がなく、常に一定の加熱温度での乾燥が可能である。
【0035】
また、請求項11に記載の本発明は、被乾燥物充填用容器の気体導入口と気体導出口とを管材を介して互いに連通させることにより気体循環路を形成し、気体循環路を通して気体を循環移動させながら被乾燥物を加熱して乾燥させるようにしたものであるから、循環空気の熱を乾燥処理に利用して乾燥時間を短縮することが可能となる。
【0036】
また、請求項12に記載の本発明は、既述如きゼオライト用の乾燥装置を備え、乾燥装置の空気導出管から放出される酸素含有率の高い空気を、環境改善すべき場所に提供するようにしたものであるから、ゼオライトを乾燥させた酸素含有率の高い空気を有効に利用して地質改良や水質改良等の環境改善を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乾燥装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の乾燥装置の構成をさらに詳細に示す構成図である。
【図3】図1の乾燥装置の加熱部の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 乾燥装置
2 加熱部
3 高周波電源部
4 整合部
5 容器
5a 容器本体
5b,5c 蓋体
6 金属板(磁性板)
7 高周波誘導加熱コイル
8 空気導入口
9 空気導出口
10 空気導入管
11 空気導出管
Claims (12)
- (a) 高周波電源と、
(b) 前記高周波電源から高周波電力が供給される高周波誘導加熱コイルと、
(c) 気体導入口及び気体導出口をそれぞれ有し、かつ、前記高周波誘導加熱コイルに取り囲まれた位置に配置される被乾燥物充填用容器と、
(d) 前記被乾燥物充填用容器の内部に配置された磁性体と、
(e) 前記気体導入口に気体を圧送する気体圧送手段と、
をそれぞれ備え、
前記気体圧送手段により気体を前記気体導入口から前記被乾燥物充填用容器の内部に導入して前記気体導出口を介して前記被乾燥物充填用容器から導出させている状態の下で、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流して前記磁性体を高周波誘導加熱することにより、前記被乾燥物充填用容器の内部に充填されて前記磁性体に直接接触している被乾燥物を加熱して乾燥させるようにしたことを特徴とする乾燥装置。 - (a) 高周波電源と、
(b) 前記高周波電源から高周波電力が供給される高周波誘導加熱コイルと、
(c) 空気導入口及び空気導出口を有し、かつ、前記高周波誘導加熱コイルに取り囲まれた位置に配置されるゼオライト充填用容器と、
(d) 前記ゼオライト充填用容器の内部に配置された磁性体と、
(e) 前記ゼオライト充填用容器の空気導入口に連結された空気導入管と、
(f) 前記ゼオライト充填用容器の空気導出口に連結された空気導出管と、
(g) 前記空気導入管を通して空気を前記空気導入口に圧送する空気圧送手段と、
をそれぞれ備え、
前記空気圧送手段により空気を前記空気導入口から前記ゼオライト充填用容器の内部に導入して前記空気導出口及び前記空気導出管を介して前記ゼオライト充填用容器から導出させている状態の下で、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を流して前記磁性体を高周波誘導加熱することにより、前記ゼオライト充填用容器の内部に充填されて前記磁性体に直接接触しているゼオライトを加熱して乾燥させるようにしたこと、
を特徴とする乾燥装置。 - 前記磁性体が磁性板又は磁性丸棒若しくは磁性多角形の角棒から成る加熱用導体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
- 前記被乾燥物が鉱石等を含む土砂であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の乾燥装置。
- 前記被乾燥物充填用容器を非磁性の金属,セラミック,耐熱性の高い絶縁材,又は耐熱性の高い樹脂材料若しくは無機材料から構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の乾燥装置。
- 前記被乾燥物充填用容器を非磁性の金属から構成すると共に、前記被乾燥物充填用容器内に配置される前記磁性体を磁性特性を有する金属から構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の乾燥装置。
- 前記磁性体を合金から構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の乾燥装置。
- 前記合金が鉄を主成分とした合金又はステンレス鋼であることを特徴とする請求項7に記載の乾燥装置。
- 前記合金の成分を調整することによって前記磁性体のキュリー点を適宜に選定し、前記磁性体の高周波誘導加熱温度がキュリー点以上にならない性質を利用して、前記被乾燥物の加熱温度を適正に設定するようにしたことを特徴とする請求項7又は8に記載の乾燥装置。
- 前記高周波電源部の側から見た前記高周波誘導加熱コイルのインピーダンスを、前記磁性体のキュリー点に対応するインピーダンスとなるように一定に制御することによって、前記磁性体を一定温度に高周波誘導加熱するようにしたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の乾燥装置。
- 前記気体導入口と前記気体導出口とを管材を介して互いに連通させることにより気体循環路を形成し、前記気体循環路を通して気体を循環移動させながら前記被乾燥物を加熱して乾燥させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の乾燥装置。
- 請求項2に記載の乾燥装置を備え、前記乾燥装置の空気導出管から放出される酸素含有率の高い空気を、環境改善すべき場所に提供するようにしたことを特徴とする環境改善システム。
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