【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃エンジンを駆動力として用いる車両の駆動装置に関するものであり、特に、車両停止時にエンジンを自動停止するアイドルストップ車、又はエンジンを停止して他の動力原により走行等を行うハイブリット車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、低負荷領域や車両停止中にはエンジンを停止し、回生電力やエンジン駆動中に発電した電力を用いてモータで走行するハイブリッド車や、車両停止中にエンジンを自動停止させるアイドルストップ車が注目されている。
これらハイブリッド車及びアイドルストップ車の中には、エンジン停止中にもエアコンのコンプレッサ等の補機類を駆動させるために、スタータとしても機能する交流モータをエンジン及び補機と連係させ、クランクシャフトにクラッチを設けることにより、モータとエンジンとの間のトルク伝達を遮断した状態でモータによって補機を駆動できるようにしたものがある。
このようなモータの中には、プラネタリ機構及び一方向クラッチを備え、これらの組み合わせにより減速比の切り替えを行い、クランクシャフトに対するスタータとしての回転速度特性と、発電機としての回転速度特性とに対応できるものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
ここで、前記モータには、通常そのロータの角度位置を検出するための回転センサが設けられている。このような回転センサとしては、モータのステータ側に固定される固定子とロータ側に固定される回転子とで構成され、固定子の内側で回転する回転子の位置からロータの角度を検出するレゾルバが採用されることが多い。
【0003】
【特許文献1】
特許第2758642号公報
【特許文献2】
特公昭35−14402号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンのクランクシャフトにクラッチを設けることはエンジンのクランクシャフトに沿う方向の長さ寸法を増加させることとなり、エンジンの設置スペースに制限がある場合には大きな問題となる。
また、前記モータやプラネタリ機構等からなる駆動装置がクランクシャフトと略並行に配置される場合であっても、エンジンの外形寸法や周辺部品のレイアウトの関係上、前記駆動装置の軸線方向の短縮化が強く要望されている。
さらに、前記モータのロータを出力軸に圧入して固定する場合、モータのロータとステータとの軸線方向の位置合わせだけでなく、ロータ側に固定された回転センサの回転子と、ステータ側に固定された固定子とを径方向で対向させるために、ロータの圧入高さを正確に管理する必要があり、これに伴い駆動装置の製造工数が増加してしまうという問題がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、エンジンの停止中における補機類の駆動、エンジンの始動及びバッテリの充電を単一のモータと簡易な構造により達成させると共に車載性がよく、かつ製造工数を削減できる車両の駆動装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、エンジンのクランクシャフトと同期回転する同期軸(例えば実施の形態におけるプーリシャフト14)と、補機を駆動させる駆動軸(例えば実施の形態における補機駆動軸19)と、サンギヤ、ピニオンキャリア及びリングギヤからなる3つの要素を有し、それらの内の任意の2つの要素に前記同期軸及び前記駆動軸がそれぞれ接続されるプラネタリ機構(例えば実施の形態におけるプラネタリ機構部13)と、該プラネタリ機構の残りの一要素と接続されるモータ(例えば実施の形態におけるモータ12)と、前記プラネタリ機構の2つ以上の要素を結合可能な結合手段(例えば実施の形態における直結クラッチ21)と、前記駆動軸の回転を一方向に規制可能な回転規制手段(例えば実施の形態におけるワンウェイクラッチ22)とを備え、前記プラネタリ機構、モータ、結合手段及び駆動軸が同軸かつ直列に配置され、前記モータの出力軸(例えば実施の形態におけるロータシャフト16)を支持する軸受けの径方向外側に、前記モータの配電部品(例えば実施の形態における配電部品60)が配置されていることを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、結合手段によるプラネタリ機構の2つ以上の要素の結合状態を解放状態とし、駆動軸の回転方向が回転方向規制手段によって規制される方向にモータを作動させることで、モータのトルクがプラネタリ機構の要素間で変速され同期軸に伝達されて、エンジンを始動させることが可能となる。
また、結合手段によるプラネタリ機構の要素の結合状態を解放状態とし、駆動軸の回転方向が回転方向規制手段によって許容される方向にモータを作動させることで、モータのトルクがプラネタリ機構の要素間で変速され補機軸に伝達されて、補機を駆動させることが可能となる。
【0007】
さらに、結合手段を係合状態としプラネタリ機構の2つ以上の要素を結合することで、3つの要素全てが一体化されて同期軸と駆動軸とが直結状態となり、エンジンのトルクにより補機を駆動させることが可能となる。
また、上記各動作モードにおいて、モータにおけるロータの角度は回転センサにより検出され、その情報に基づき適当な位相と周波数の電流が供給されることで、モータの回転速度が制御されている。
そして、前記プラネタリ機構、モータ、結合手段及び補機の駆動軸を同一軸線上で連結することが可能となると共に、補機を同一軸線上で接続することが可能となる。
さらに、モータの配電部品の内側に出力軸を支持する軸受けを配置した入れ子構造とすることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載した発明は、エンジンのクランクシャフトと同期回転する同期軸(例えば実施の形態におけるプーリシャフト14)と、補機を駆動させる駆動軸(例えば実施の形態における補機駆動軸19)と、サンギヤ、ピニオンキャリア及びリングギヤからなる3つの要素を有し、その内の任意の2つの要素に前記同期軸及び前記駆動軸がそれぞれ接続されるプラネタリ機構(例えば実施の形態におけるプラネタリ機構部13)と、該プラネタリ機構の残りの一要素と接続されるモータ(例えば実施の形態におけるモータ12)と、前記プラネタリ機構の2つ以上の要素を結合可能な結合手段(例えば実施の形態における直結クラッチ21)と、前記駆動軸の回転を一方向に規制可能な回転規制手段(例えば実施の形態におけるワンウェイクラッチ22)と、前記モータの角度を検出する回転センサ(例えば実施の形態におけるレゾルバ59)とを備え、前記プラネタリ機構、モータ、結合手段及び駆動軸が同軸かつ直列に配置され、前記モータの出力軸(例えば実施の形態におけるロータシャフト16)を支持する軸受けの径方向外側に、前記回転センサが配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、回転センサの内側に出力軸を支持する軸受けを配置した入れ子構造とすることが可能となる。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載の車両の駆動装置であって、前記プラネタリ機構がシングルピニオンプラネタリとして構成され、ピニオンキャリアに前記同期軸が、サンギヤに前記モータの出力軸が、リングギヤに前記駆動軸が各々接続され、かつ、前記モータを挟んで一方に前記結合手段が隣接して配置され、他方に前記プラネタリ機構が隣接して配置され、プラネタリ機構の前記モータが配置されている部位とは反対側に前記駆動軸が隣接して配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、モータのトルクをエンジンの同期軸に伝達する際、又は駆動軸に伝達する際に、プラネタリ機構の要素間でモータのトルクを増幅させることが可能となる。また、駆動軸に補機を直列に接続する場合、補機の軸を中空にする必要がない。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項2に記載の車両の駆動装置であって、前記モータのロータ及び前記回転センサが前記出力軸に圧入され、前記出力軸の外周部には、ロータ又は回転センサの一部が圧入時に突き当たる当接部(例えば実施の形態における段差面52)が設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、出力軸にロータ又は回転センサの一方を出力軸へ圧入する際に、その一部を当接部に突き当てることで位置決めができる。その後、他方を出力軸へ圧入し、先に圧入されたロータ又は回転センサの端面に突き当てることで、ロータ及び回転センサの位置決めを容易かつ確実に行うことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係る車両の内燃エンジン1は、そのクランクシャフト2の長手方向に沿う側部に、ウォータポンプ3と、エアコン用コンプレッサ4に同軸接続される駆動装置10とを備え、これらウォータポンプ3とコンプレッサ4と駆動装置10とが、インテークマニホールドINを避けるようにクランクシャフト2と略並行に配置(サイドマウント)されている。
【0012】
クランクシャフト2の一端にはクランクプーリ5が設けられ、このクランクプーリ5と、ウォータポンプ3に設けられたウォータポンププーリ6と、駆動装置10の一端に設けられたプーリ11と、アイドラプーリ7とにベルト8が巻回されて各々連係可能とされている。駆動装置10は後述するモータ12を備え、このモータ12がエンジン1のスタータ及びジェネレータとして機能すると共に、エンジン1停止時には補機であるコンプレッサ4を駆動するようになっている。ここで、クランクプーリ5の回転方向を矢印Eで示し、駆動装置10のプーリ11の回転方向を矢印Pで示す。なお、9はベルト8のテンションプーリを示し、EXはエキゾーストマニホールドを示す。
【0013】
図2に示すように、クランクシャフト2と同期回転するプーリ11は、駆動装置10の前方(図中左側)に配置されている。その後方(図中右側)には、プーリ11と同軸駆動するモータ12が配置され、さらにモータ12の後方には、プラネタリ機構部(プラネタリ機構)13が同軸配置されている。プーリ11はプーリシャフト(同期軸)14を介してプラネタリ機構部13のピニオンキャリア15と接続され、モータ12はロータシャフト(出力軸)16を介してプラネタリ機構部13のサンギヤ17と接続されている。そして、プラネタリ機構部13を差動可能な状態とすることで、プーリ11とモータ12とが所定の減速比で連係されると共に、プラネタリ機構部13の後方からリングギヤ18に接続される補機駆動軸(駆動軸)19を駆動可能となっている。ここで、ロータシャフト16は中空に形成され、その内部にプーリシャフト14が回転自在に挿通されている。ここで、59はレゾルバ(回転センサ)であり、モータ12の回転角度を検出するためのものである。
【0014】
プーリ11の内周部には、プーリシャフト14とロータシャフト16とを結合可能な直結クラッチ(結合手段)21が配設され、プラネタリ機構部13を一体化状態とすることで、プーリシャフト14及びロータシャフト16と補機駆動軸19とを直結して駆動できるようになっている。補機駆動軸19の外周部には、その回転をプーリ11の正転方向(前記矢印P方向)のみに規制するワンウェイクラッチ(回転方向規制手段)22が配設されている。また、補機駆動軸19の後端部には、コンプレッサ4との間でトルクの伝達及び切断を行う補機クラッチ23が配置されている。ここで、モータ12、プラネタリ機構部13、補機駆動軸19及びワンウェイクラッチ22は、本体ケース24内に収容されている。そして、プーリ11、モータ12、プラネタリ機構部13、補機駆動軸19、直結クラッチ21、ワンウェイクラッチ22及び補機クラッチ23が、各々軸線Cを共有するよう直列に配置されて、駆動装置10が構成されている。
【0015】
図3に示すように、プーリ11後方の本体ケース24の前壁26には、ロータシャフト16を挿通可能な円管部27が前方に突出成形され、この円管部27の外周部に設けられた複列のボールベアリング28により、プーリ11が本体ケース24に回転自在に支持されている。プーリ11の前側には、エクステンション29を介してプーリプレート31が取り付けられ、このプーリプレート31の中央部にプーリシャフト14の前端が結合されている。プーリシャフト14の外周部には、ロータシャフト16の内周部と当接するニードルベアリング32が装着され、プーリシャフト14がロータシャフト16に回転自在に支持されている。プーリプレート31とプーリ11の前壁部33との間には扁平状のロータディスク34が配設され、このロータディスク34と、プーリプレート31の近傍まで延出されたロータシャフト16の前端部とが結合されている。
【0016】
また、プーリ11は、その一辺の断面がモータ12側に向かって開口する略コの字形状に形成され、その内部には励磁コイル25がプーリ11の円周方向に沿って配置されている。ロータディスク34の後面にはアーマチュア(クラッチプレート)35が取り付けられている。このアーマチュア35は、リーフスプリング36により付勢されてロータディスク34の後面に当接し、この状態でアーマチュア35とプーリ11の前壁部33とは離間している。そして、プーリ11内の励磁コイル25に通電すると、励磁コイル25に発生する磁力によりアーマチュア35がプーリ11の前壁部33に吸着され、この状態でアーマチュア35とプーリ11の前壁部33とが係合するようになっている。したがって、プーリ11の内周部には、励磁コイル25、アーマチュア35及びプーリ11自身の前壁部33からなる電磁式の直結クラッチ21が配設されることとなり、プーリ11と直結クラッチ21とが所謂入れ子構造となっている。
【0017】
アーマチュア35は、ロータシャフト16を介してプラネタリ機構部13のサンギヤ17に接続され、プーリ11は、プーリシャフト14を介してピニオンキャリア15に接続されている。したがって、直結クラッチ21を係合状態(ON)とすることで、サンギヤ17とピニオンキャリア15とを結合しプラネタリ機構部13を一体化できるため、リングギヤ18に接続された補機駆動軸19をロータシャフト16及びプーリシャフト14と直結させ駆動させることができる。なお、アーマチュア35とプーリ11の前壁部33とが離間した状態を、直結クラッチ21の解放状態(OFF)とする。
【0018】
図4に示すように、モータ12のロータ39は、その外周部に複数のマグネット38を備え、ステータ42は、各マグネット38と径方向で対向配置され3相に結線される複数のモータコイル41を備えている。ステータ42は本体ケース24の内壁に固定され、各モータコイル41にU相、V相、W相の励磁電流を供給することで、ロータ39を正転及び逆転駆動できるように構成されている。ロータシャフト16及びプーリシャフト14は、ロータ39のロータヨーク43を軸線Cに沿って貫通している。ロータシャフト16におけるロータヨーク43と径方向で重なる部位には、外周部にスプラインが形成され、このスプライン形成部44にロータヨーク43が圧入されることで、ロータシャフト16とロータ39とが結合されている。
【0019】
本体ケース24には、モータ12とプラネタリ機構部13との間に隔壁45が設けられ、モータ12は、その前後端が本体ケース24の前壁26及び隔壁45から所定の間隔を有するように配設されている。本体ケース24の前壁26には、ロータシャフト16の近傍をモータ12側に突出させてなる張り出し部46が形成され、この張り出し部46の内周部にはボールベアリング(軸受け)47が装着されている。また、本体ケース24の隔壁45にも、前壁26と同様、ロータシャフト16の近傍をモータ12側に突出させてなる張り出し部48が形成され、張り出し部48の内周部にはボールベアリング(軸受け)49が装着されている。そして、各ボールベアリング47,49により、ロータシャフト16が本体ケース24に回転自在に支持されている。ここで、隔壁45の張り出し部48の内周部であってボールベアリング49の前方には、張り出し部48の内周面とロータシャフト16の外周面との間をシールするオイルシール51が装着されている。
【0020】
ロータシャフト16のスプライン形成部44の前方には、軸線Cと略直交する段差面(当接部)52を介して縮径部53が形成されている。この縮径部53には、環状のセンサガイド54が圧入され、センサガイド54の後面55の一部が段差面52に当接することで、センサガイド54の位置決めがなされている。センサガイド54にはアーム部56が設けられ、このアーム部56が、張り出し部46を避けるように、ロータシャフト16から離隔した位置において前方へ延出するように形成されている。アーム部56の外周部には、張り出し部46の径方向外側となる部位にマグネットや電磁鋼板を備えたレゾルバロータ57が装着され、また、このレゾルバロータ57と径方向で対向配置されるレゾルバステータ58が本体ケース24の内周部に取り付けられている。そして、これらセンサガイド54、レゾルバロータ57及びレゾルバステータ58により、ロータ39の角度を検出するレゾルバ59が構成されている。つまり、レゾルバ59と張り出し部46及びボールベアリング47とが径方向で並ぶように配置され、所謂入れ子構造となっている。
【0021】
ステータ42の後方には、各相のモータコイル41同士を結線する環状のバスリング61が、張り出し部48を避けるようロータシャフト16から離隔した位置に配設されている。さらに、バスリング61の上部と、本体ケース24の上部に設けられた端子ボックス62との間には、各相の励磁電流を供給するための配電線63が配策されている。そして、これらバスリング61及び配電線63といった配電部品60が、張り出し部48、ボールベアリング49及びオイルシール51と径方向で並ぶように配置され、所謂入れ子構造となっている。ここで、64は前記ニードルベアリング32と一対に設けられるニードルベアリングである。これらニードルベアリング32,64はシール機能を有し、各ニードルベアリング32,64の間であってロータシャフト16とプーリシャフト14との間隙にはグリスを封入できるようになっている。
【0022】
図5に示すように、本体ケース24内であって隔壁45の後方には、プラネタリ機構部13、補機駆動軸19及びワンウェイクラッチ22が配設されている。ロータシャフト16の後端部の外周面にはギヤが形成され、このギヤ形成部65がプラネタリ機構部13のサンギヤ17を構成している。また、プーリシャフト14の後端部はサンギヤ17の後方まで延出され、この後端部にピニオンキャリア15の嵌合部66がスプラインにて連結されて、プーリシャフト14とピニオンキャリア15とが結合されている。そして、補機駆動軸19の前端部には、プレート67を介してリングギヤ18が結合されている。ここで、図7に示すように、プラネタリ機構部13は単列のピニオンギヤ15aを有するシングルピニオンプラネタリとして構成され、各ギヤ要素の半径比は、サンギヤ17を約1とすると、ピニオンギヤ15aが約1、リングギヤ18が約3となるように構成されている。
【0023】
本体ケース24の後壁68には、補機駆動軸19の周辺部分をプラネタリ機構部13側に突出させてなる張り出し部69が形成され、この張り出し部69には環状のクラッチガイド71が固定されている。このクラッチガイド71の内周部には、図8に示すように、複数のカムパーツ72が円周方向で配列され、クラッチガイド71、カムパーツ72及び補機駆動軸19により機械式のワンウェイクラッチ22が構成されている。このワンウェイクラッチ22により、補機駆動軸19に矢印P方向(プーリの正転方向)のトルクが加わった際はその回転が許容され、矢印Pの逆方向のトルクが加わった際は、カムパーツ72の楔効果により補機駆動軸19がクラッチガイド71に係合することでその回転が規制される。クラッチガイド71の内周部であってカムパーツ72の前後には、各々ボールベアリング73,74が装着され、これらボールベアリング73,74により、補機駆動軸19が本体ケース24に回転自在に支持されている。
【0024】
ロータシャフト16の後端にはリング状のエンドパーツ75が装着され、このエンドパーツ75によりロータシャフト16の後端面76が形成されている。また、ピニオンキャリア15には、後端面76と軸線C方向で対向する接触面77が形成されている。これら後端面76と接触面77との間にはスラストベアリング78が配設され、ピニオンキャリア15とロータシャフト16との間に生じるスラスト荷重を支持できるようになっている。同様に、補機駆動軸19に形成される前端面79と、ピニオンキャリア15に形成され前端面79と軸線C方向で対向する後部接触面81との間にはスラストベアリング82が配設され、ピニオンキャリア15と補機駆動軸19との間に生じるスラスト荷重を支持できるようになっている。
【0025】
また、本体ケース24の後壁68には、補機駆動軸19を挿通させる開口83の内周部に、その内周面と補機駆動軸19の外周面との間をシールするオイルシール84が装着されている。また、ロータシャフト16の後端部には、その内周面とプーリシャフト14の外周面との間をシールするオイルシール85が装着されている。そして、前述したように隔壁45の張り出し部48にもオイルシール51が装着され、したがって、本体ケース24内の隔壁45後方の空間は、各オイルシール51,84,85によりシールされた油室86として構成されることとなる。この油室86内に潤滑用のオイルを充填することで、プラネタリ機構部13とワンウェイクラッチ22とを共通の油室86及びオイルで潤滑することが可能となっている。なお、ロータシャフト16を支持するボールベアリング49、及び補機駆動軸19を支持するボールベアリング73,74も油室86内に配置されることとなり、共通のオイルで潤滑可能となっている。
【0026】
プラネタリ機構部13の上方であって本体ケース24の外周部には、車両の電装系とモータ12とを接続するための端子ボックス62が設けられている。端子ボックス62の前側下部は、隔壁45前方の空間と連通され、その連通部分よりモータ12の配電線63が端子ボックス62内に向かって配策されている。また、端子ボックス62の後端からは、U相、V相、W相に対応する給電ケーブルの接続端部87が装着されている。そして、配電線63の端部に設けられた各相の端子部88と給電ケーブルの接続端部87の先端に設けられた端子部87aとが、各々ボルト89により結合されている。
【0027】
図6に示すように、補機駆動軸19の後端部には、補機クラッチ23のロータプレート91が装着され、ロータプレート91がエクステンション92を介してロータ部93と結合されている。コンプレッサ4の前部には円管部4aが突出形成され、この円管部4aの外周部に設けられた複列のボールベアリング95によりロータ部93と円管部4aとが回転自在とされている。
また、ロータ部93は、その一辺の断面がコンプレッサ4側に向かって開口する略コの字形状に形成され、その内部に励磁コイル94が配設されている。ロータプレート91とロータ部93の前壁部96との間には、扁平状のアーマチュアディスク97が配設され、円管部4aから前方に突出する補機軸4bの先端部と結合されている。アーマチュアディスク97の後面にはアーマチュア98が取り付けられ、リーフスプリング99により付勢されてアーマチュアディスク97の後面に当接した状態(解放状態)となっている。
【0028】
そして、励磁コイル94に通電し、アーマチュア98をロータ部93の前壁部96に吸着させることで、補機クラッチ23が係合状態(ON)となり、補機駆動軸19のトルクを補機軸4bに伝達可能となる。また、コンプレッサ4の駆動が不要なときは補機クラッチ23を解放状態(OFF)とし、トルク損失を軽減して電力及び燃料の消費を低減することができる。ここで、プーリ11及びモータ12といった動力源をプラネタリ機構部13の前方に配置し、補機であるコンプレッサ4をプラネタリ機構部13の後方、つまり動力源の反対側に配置したため、補機軸4bを中空軸とする必要がなく、例えばスクロールコンプレッサを採用することも可能である。
【0029】
次に、駆動装置10の、エンジン始動時、発電時及び補機駆動時における作動状態を説明する。
まず、モータ12によるエンジン始動時には、直結クラッチ21を解放状態とし、プラネタリ機構部13を差動可能な状態とする。そして、モータ12に電力を供給して正転方向(前記矢印P方向)のトルクを発生させ、ロータシャフト16と共にサンギヤ17を駆動させる。このときのモータ12の回転速度は、レゾルバ59が検出するロータ39の角度を基に制御されている。プーリシャフト14等を介してエンジン1と連係されるピニオンキャリア15にはエンジン1のフリクションが加わっているため、ピニオンギヤ15aを介してリングギヤ18が逆転方向(矢印Pと逆方向)に回転しようとするが、リングギヤ18に接続された補機駆動軸19はワンウェイクラッチ22により規制されているため逆転方向には回転しない。したがって、プラネタリ機構部13は、リングギヤ18が固定され、サンギヤ17とピニオンキャリア15との間で回転比が約4:1となる減速機として動作することとなり、モータ12の約4倍のトルクでプーリシャフト14を駆動させてエンジン1をクランキングすることができる。しかも、プラネタリ機構部13で減速されるため、モータ12を効率のよい高速域で駆動させることができる。
【0030】
また、エンジン停止中のモータ12による補機駆動時には、直結クラッチ21を解放状態とし、プラネタリ機構部13を差動状態とする。そして、モータ12に逆転方向のトルクを発生させ、ロータシャフト16と共にサンギヤ17を駆動させる。このときも、モータ12の回転速度はレゾルバ59が検出するロータ39の角度を基に制御されている。プーリシャフト14等を介してエンジン1と連係されるピニオンキャリア15にはエンジン1の逆転方向のフリクションが加わるため回転せず、ピニオンギヤ15aを介してリングギヤ18が正転方法に回転することとなる。したがって、プラネタリ機構部13は、ピニオンキャリア15が固定され、サンギヤ17とリングギヤ18との間で回転比が約3:1となる減速機として動作することとなり、モータ12の約3倍のトルクで補機駆動軸19を駆動させてコンプレッサ4を作動させることができる。しかも、プラネタリ機構部13により減速されるため、モータ12を効率のよい高速域で駆動させることができる。
【0031】
また、エンジンによる補機駆動時には、直結クラッチ21を係合状態とし、プーリシャフト14とロータシャフト16とを結合状態とする。つまり、サンギヤ17とピニオンキャリア15とを結合状態とする。そして、プラネタリ機構部13が一体化状態となり、プーリ11をコンプレッサ4と直結して駆動させることができる。このとき、モータ12もプーリ11と直結して駆動することとなり、この状態でモータ12を発電機として制御することで、バッテリの充電等を行うことができる。逆に、モータ12を電動機として制御することで、エンジン1とモータ12とを併用してコンプレッサ4を駆動させたり、エンジン1を駆動補助することができる。
【0032】
次いで、この駆動装置10が組み込まれたエンジンシステムについて図9、図10に基づいて説明する。ここで、前記エンジンシステムとは、図9に示すように、エンジン1、駆動装置10、コンプレッサ4及びこれらの運転を制御するECUにより構成されたものとする。なお、前述の説明と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
ECUは、直結クラッチ21や補機クラッチ23に電気的に接続され、これらの解放状態、係合状態の切り替えを行うようになっている。また、ECUにはエンジン1から燃料噴射信号や回転数信号が入力され、エンジン自体がトルクを発生しているか否か等を判断し、例えば直結クラッチ21を係合状態(ON)、又は解放状態(OFF)とする信号を発生させる。ここで、このエンジンシステムにおいては、エンジン1のクランクシャフト2の端部に、前記ワンウェイクラッチ22と同様、機械式のワンウェイクラッチ22’が設けられている。これにより、クランクシャフト2の逆転が規制され、モータ12による補機駆動時にエンジン1のフリクションに制約されることなくコンプレッサ4を駆動させることが可能となっている。
【0034】
図l0に示すように、上記エンジンシステムを搭載した車両において、エンジン停止状態であってエアコンOFF状態のときには、直結クラッチ21はOFF(解放)され、モータ12は停止している。このとき、ワンウェイクラッチ22,22’及び補機クラッチ23の状態は問わない。
また、エンジン停止状態であってエアコンON状態のときには、直結クラッチ21はOFFされ、ワンウェイクラッチ22はフリー、ワンウェイクラッチ22’はロック、補機クラッチ23はON(係合)されている。そして、モータ12は逆転して電動を行いコンプレッサ4が駆動する。
【0035】
また、エンジン始動状態のときには、直結クラッチ21はOFFされ、ワンウェイクラッチ22はロック、ワンウェイクラッチ22’はフリーとされている。そして、モータ12が正転して電動を行いエンジンがクランキングする。このとき、補機クラッチ23の状態は問わない。
さらに、エンジン運転状態であってエアコンON状態のときには、直結クラッチ21及び補機クラッチ23はONされ、ワンウェイクラッチ22,22’はフリーとされている。そして、モータ12が正転して電動又は発電を行う。
そして、エンジン運転状態であってエアコンOFF状態のときには、直結クラッチ21はON、補機クラッチ23はOFFされ、ワンウェイクラッチ22,22’はフリーとされている。そして、モータ12が正転して電動又は発電を行う。
【0036】
上述した実施の形態によれば、車両のエンジンシステムに駆動装置10を組み込み、直結クラッチ21及び補機クラッチ23の動作、並びにモータ12の駆動及び回転速度を制御することのみで、エンジン1の始動、エンジン1が停止中のコンプレッサ4の駆動及びエンジン1によるコンプレッサ4の駆動等、様々な動作モードを実施することができる。これにより、ハイブリット車やアイドルストップ車の運転中におけるエンジン1停止時にも、モータ12によりコンプレッサ4等の補機類を駆動させることができるため、車両の快適性を維持することができる。このとき、クランクシャフト2に設けられたワンウェイクラッチ22’はロック状態であるが、ワンウェイクラッチ22’は機械式であるため、その制御をECU等で行う必要はない。同様に、エンジン始動時にはワンウェイクラッチ22がロック状態となるが、その制御を行う必要はない。
【0037】
また、エンジン1による走行中には、モータ12を電動機として作動させることで、エンジン1とモータ12とを併用してコンプレッサ4を駆動できると共に、エンジン1を駆動補助して燃費の向上を図ることができる。さらに、エアコンOFF状態のときには、補機クラッチ23をOFFしてフリクションを低減し、より一層燃費の向上を図ることができる。
【0038】
さらに、駆動装置10は、単一のモータ12で上記各動作モードを達成させるとことができるため、部品点数を抑えてコスト低減を図ることができると共に、モータ12のトルクをプラネタリ機構部13により増幅してエンジン1やコンプレッサ4に伝達しているため、モータ12の小型軽量化を図ることができる。
【0039】
そして、プーリ11、直結クラッチ21、モータ12、プラネタリ機構部13、ワンウェイクラッチ22及び補機クラッチ23が同一軸線C上に直列に配置され連結されているため、ギヤ、ベルト等の動力伝達部品を設ける必要がなく、部品点数を抑えると共に、効率的に動力を伝達することができる。さらに、駆動装置10をエンジンにサイドマウントした場合でもインテークマニホールド及びエキゾーストマニホールド等を避け易く車載し易い。
【0040】
また、プーリ11と直結クラッチ21とが入れ子構造であると共に、レゾルバ59と張り出し部46及びボールベアリング47とが入れ子構造となり、かつ配電部品60と張り出し部48、ボールベアリング49及びオイルシール51とが入れ子構造となっているため、駆動装置10の軸線C方向長さが短縮されている。このため、車載性をより一層向上できると共に、コンプレッサ4を直列に接続することが容易となりレイアウトの自由度を高めることができる。
【0041】
また、ロータシャフト16にセンサガイド54及びロータ39を圧入する工程において、まず、センサガイド54をロータシャフト16の前方から圧入し、センサガイド54の後面55の一部を段差面52に突き当てることで、ロータシャフト16に対するセンサガイド54の軸線C方向の位置決めがなされる。その後、ロータシャフト16の後方からロータヨーク43を圧入し、センサガイド54の後面55に突き当てることで、ロータヨーク43が所定の位置に固定され、ロータ39の軸線C方向の位置決めがなされる。したがって、ロータ39の圧入高さを管理しなくとも、ロータ39及びセンサガイド54の軸線C方向の位置決めを容易かつ確実に行うことができ、駆動装置10の製造工数を削減することができる。
【0042】
なお、この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば、コンプレッサ4をサンギヤ17に、モータ12をリングギヤ18に接続する等、プラネタリ機構部13の他の要素へ接続するようにしてもよい。
また、駆動装置10は、クランクシャフト2とクランクプーリ5、ベルト8及びプーリ11を介して接続されているが、車載スペースによってはこれをクランクシャフト2と直列に接続できることはいうまでもない。同様に、駆動装置10と直列に接続されるコンプレッサ4を、プーリ及びベルト等を介して並列に接続するようにしてもよい。
さらに、エアコン用のコンプレッサ4以外にも、変速機用油圧ポンプやウォータポンプ等を、補機として駆動装置10に接続し、コンプレッサ4と同様エンジン停止時にもモータ12よって作動可能としてもよい。
そして、ロータシャフト16におけるセンサガイド54が圧入される部位が縮径することで段差面52が形成されているが、ロータヨーク43が圧入される部位を縮径して同様の段差面を形成するようにしてもよい。また、ロータシャフト16を縮径させず、その外周部にフランジ等の突部を設けるようにしてもよい。
【0043】
ここで、コンプレッサ4を可変容量コンプレッサとした場合、可変容量コンプレッサの仕事容量を可変させることでフリクションを低減することができるため、補機クラッチ23を不要とすることができる。また、通常のコンプレッサ4をモータ12で駆動させる場合、前記ワンウェイクラッチ22’がロックすることにより、エンジン1のフリクションに制約されずにコンプレッサ4を駆動させていたが、可変容量コンプレッサの場合には、その負荷トルクを可変させることができるため、エンジン1のフリクションの制限内となるよう、可変容量コンプレッサの負荷トルクを調整して駆動させることができる。したがって、ワンウェイクラッチ22’を不要とすることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、結合手段の動作、並びにモータの駆動及び回転速度を制御することのみで、モータによるエンジンの始動及び補機の駆動、並びにエンジンによる補機の駆動等、様々な動作モードを実施することが可能となるため、ハイブリット車やアイドルストップ車の運転中におけるエンジン停止時にも車両の快適性を維持することができる。
そして、前記プラネタリ機構、モータ、結合手段及び補機の駆動軸を同一軸線上で連結することが可能となると共に、補機を同一軸線上で接続することが可能となるため、動力伝達用のギヤ、ベルト等を不要とすることができ、部品コスト及び重量を低減できる。特に、駆動装置をクランクシャフトと略並行に配置した場合、インテークマニホールド及びエキゾーストマニホールドを避け易く、車載性を向上させると共に、レイアウトの自由度を高めることができる。さらに、モータの配電部品の内側に出力軸を支持する軸受けを配置した入れ子構造とすることが可能となるため、駆動装置を軸線方向で短縮させ、車載性をより一層向上させることができる。
【0045】
請求項2に記載した発明によれば、回転センサの内側に出力軸を支持する軸受けを配置した入れ子構造とすることが可能となるため、駆動装置を軸線方向で短縮させ、車載性をより一層向上させることができる。
【0046】
請求項3に記載した発明によれば、プラネタリ機構の要素間でモータのトルクを増幅させることが可能となるため、モータの小型軽量化を測ることができる。また、駆動軸に補機を直列に接続する場合、補機の軸を中空にする必要がないため、補機としてスクロールコンプレッサを接続し駆動させることができる。
【0047】
請求項4に記載した発明によれば、先に圧入されたロータ又は回転センサの端面に突き当てることで、ロータ及び回転センサの位置決めを容易かつ確実に行うことが可能となるため、圧入時の高さ管理が不要となり製造工数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態のエンジンの正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】プーリ及び直結クラッチの詳細断面図である。
【図4】モータの詳細断面図である。
【図5】プラネタリ機構部及びワンウェイクラッチの詳細断面図である。
【図6】補機クラッチの詳細断面図である。
【図7】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図8】図5のD−D線に沿う断面図である。
【図9】駆動装置を組み込んだエンジンシステムの模式図である。
【図10】駆動装置を搭載した車両の状態説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クランクシャフト
4 コンプレッサ(補機)
10 駆動装置
11 プーリ
12 モータ
13 プラネタリ機構部(プラネタリ機構)
14 プーリオシャフト(同期軸)
15 ピニオンキャリア
16 ロータシャフト(出力軸)
17 サンギヤ
18 リングギヤ
19 補機駆動軸(駆動軸)
21 直結クラッチ(結合手段)
22 ワンウェイクラッチ(回転方向規制手段)
23 補機クラッチ
24 本体ケース
39 ロータ
42 ステータ
47,49 ボールベアリング(軸受け)
52 段差面(当接部)
59 レゾルバ(回転センサ)
60 配電部品[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a drive device for a vehicle that uses an internal combustion engine as a driving force, and in particular, to an idle stop vehicle that automatically stops the engine when the vehicle stops, or a hybrid that stops the engine and travels with another power source. It is about cars.
[0002]
[Prior art]
In recent years, hybrid vehicles that run with a motor using regenerative power or electric power generated while the engine is running, and idle stop vehicles that automatically stop the engine while the vehicle is stopped, have stopped operating in low load areas and when the vehicle is stopped. Attention has been paid.
In these hybrid vehicles and idle stop vehicles, an AC motor that also functions as a starter is linked to the engine and accessories to drive accessories such as air conditioner compressors even when the engine is stopped, and to the crankshaft. In some cases, an auxiliary device can be driven by a motor by providing a clutch so that torque transmission between the motor and the engine is interrupted.
Among such motors, a planetary mechanism and a one-way clutch are provided, and the reduction ratio is switched by a combination of these, and the rotation speed characteristics as a starter for the crankshaft and the rotation speed characteristics as a generator are supported. There are some that can be done (for example, see Patent Documents 1 and 2).
Here, the motor is usually provided with a rotation sensor for detecting the angular position of the rotor. Such a rotation sensor includes a stator fixed to the stator side of the motor and a rotor fixed to the rotor side, and detects the angle of the rotor from the position of the rotor rotating inside the stator. Resolvers are often employed.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2758642 [Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 35-14402
[Problems to be solved by the invention]
However, providing the clutch on the engine crankshaft increases the length in the direction along the crankshaft of the engine, which is a serious problem when the installation space of the engine is limited.
Further, even when the driving device including the motor and the planetary mechanism is arranged substantially in parallel with the crankshaft, the driving device is reduced in the axial direction due to the external dimensions of the engine and the layout of peripheral parts. Is strongly desired.
Furthermore, when the rotor of the motor is press-fitted into the output shaft and fixed, not only the axial alignment of the motor rotor and the stator, but also the rotor of the rotation sensor fixed to the rotor and the stator fixed to the stator It is necessary to accurately control the press-fitting height of the rotor in order to radially oppose the set stator in the radial direction, and accordingly, there is a problem that the number of manufacturing steps of the driving device increases.
The present invention has been made in view of the above-described circumstances, and achieves driving of accessories, stopping of the engine, and charging of the battery while the engine is stopped by a single motor and a simple structure, and has good on-board characteristics. It is another object of the present invention to provide a vehicle drive device capable of reducing the number of manufacturing steps.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a means for solving the above-mentioned problems, the invention described in claim 1 includes a synchronous shaft (for example, a pulley shaft 14 in the embodiment) that rotates synchronously with a crankshaft of an engine, and a drive shaft (for example, in the embodiment) for driving an auxiliary machine. And a planetary mechanism (e.g., a synchronous gear and a drive shaft are connected to any two of them, respectively, including a sun gear, a pinion carrier, and a ring gear). Planetary mechanism 13 in the embodiment, a motor (for example, motor 12 in the embodiment) connected to the other element of the planetary mechanism, and coupling means capable of coupling two or more elements of the planetary mechanism (E.g., the direct-coupled clutch 21 in the embodiment) and a rotation restricting unit (for example, a rotation restricting unit capable of restricting the rotation of the drive shaft in one direction). For example, the one-way clutch 22) according to the embodiment, the planetary mechanism, the motor, the coupling means, and the drive shaft are coaxially arranged in series, and support the output shaft of the motor (for example, the rotor shaft 16 in the embodiment). A power distribution component of the motor (for example, the power distribution component 60 in the embodiment) is arranged radially outside the bearing.
[0006]
According to the above configuration, the coupling state of the two or more elements of the planetary mechanism by the coupling unit is set to the released state, and the motor is operated in the direction in which the rotation direction of the drive shaft is regulated by the rotation direction regulating unit, so that the motor The torque is shifted between the elements of the planetary mechanism and transmitted to the synchronous shaft, so that the engine can be started.
Further, the coupling state of the elements of the planetary mechanism by the coupling means is set to the released state, and the motor is operated in a direction in which the rotation direction of the drive shaft is allowed by the rotation direction regulating means, so that the torque of the motor is reduced between the elements of the planetary mechanism. The speed is changed and transmitted to the accessory shaft, so that the accessory can be driven.
[0007]
Further, by connecting the two or more elements of the planetary mechanism by setting the connecting means to the engaged state, all three elements are integrated, and the synchronous shaft and the drive shaft are directly connected to each other. It can be driven.
In each of the above operation modes, the angle of the rotor of the motor is detected by a rotation sensor, and a current having an appropriate phase and frequency is supplied based on the information, whereby the rotation speed of the motor is controlled.
Then, the planetary mechanism, the motor, the coupling means, and the drive shaft of the accessory can be connected on the same axis, and the accessory can be connected on the same axis.
Further, it is possible to adopt a nested structure in which a bearing for supporting the output shaft is arranged inside the power distribution component of the motor.
[0008]
According to the invention described in claim 2, a synchronous shaft (for example, the pulley shaft 14 in the embodiment) that rotates synchronously with the crankshaft of the engine, and a drive shaft for driving the accessory (for example, the accessory drive shaft 19 in the embodiment). And a planetary mechanism (for example, the planetary mechanism unit 13 in the embodiment) in which three elements including a sun gear, a pinion carrier, and a ring gear are provided, and the synchronous shaft and the drive shaft are respectively connected to any two of the three elements. ), A motor connected to the remaining one element of the planetary mechanism (for example, the motor 12 in the embodiment), and coupling means (for example, a direct coupling clutch in the embodiment) capable of coupling two or more elements of the planetary mechanism. 21) and a rotation restricting means (for example, one-way in the embodiment) capable of restricting the rotation of the drive shaft in one direction. A clutch 22) and a rotation sensor (for example, the resolver 59 in the embodiment) for detecting the angle of the motor, wherein the planetary mechanism, the motor, the coupling means, and the drive shaft are coaxially arranged in series, and the output of the motor The rotation sensor is disposed radially outside a bearing that supports a shaft (for example, the rotor shaft 16 in the embodiment).
According to the above configuration, it is possible to have a nested structure in which a bearing that supports the output shaft is arranged inside the rotation sensor.
[0009]
The invention described in claim 3 is the drive device for a vehicle according to claim 1 or 2, wherein the planetary mechanism is configured as a single pinion planetary, the synchronous shaft is a pinion carrier, and the motor is a sun gear. The output shaft is connected to each of the drive shafts with a ring gear, and the coupling means is arranged adjacently on one side with the motor interposed therebetween, and the planetary mechanism is arranged adjacently on the other side, and the The drive shaft is arranged adjacent to a part opposite to a part where the motor is arranged.
According to the above configuration, it is possible to amplify the torque of the motor between the elements of the planetary mechanism when transmitting the torque of the motor to the synchronous shaft of the engine or when transmitting the torque to the drive shaft. Further, when the auxiliary machine is connected to the drive shaft in series, it is not necessary to make the shaft of the auxiliary machine hollow.
[0010]
The invention described in claim 4 is the drive device for a vehicle according to claim 2, wherein the rotor of the motor and the rotation sensor are press-fitted into the output shaft, and a rotor or a rotor is provided on an outer peripheral portion of the output shaft. It is characterized in that a contact portion (for example, the step surface 52 in the embodiment) with which a part of the rotation sensor abuts at the time of press fitting is provided.
According to the above configuration, when one of the rotor and the rotation sensor is pressed into the output shaft, the positioning can be performed by abutting a part of the rotor or the rotation sensor against the contact portion. Thereafter, the other is press-fitted into the output shaft and abutted against the end face of the rotor or the rotation sensor that has been press-fitted earlier, thereby making it possible to easily and reliably position the rotor and the rotation sensor.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, an internal combustion engine 1 of a vehicle according to this embodiment has a drive device 10 coaxially connected to a water pump 3 and an air conditioner compressor 4 on a side portion along a longitudinal direction of a crankshaft 2. The water pump 3, the compressor 4, and the drive unit 10 are arranged (side-mounted) substantially in parallel with the crankshaft 2 so as to avoid the intake manifold IN.
[0012]
A crank pulley 5 is provided at one end of the crankshaft 2. The crank pulley 5, a water pump pulley 6 provided at the water pump 3, a pulley 11 provided at one end of the driving device 10, and an idler pulley 7 are provided. The belt 8 is wound around and can be linked to each other. The drive device 10 includes a motor 12 described below. The motor 12 functions as a starter and a generator of the engine 1 and drives the compressor 4 as an auxiliary machine when the engine 1 is stopped. Here, the rotation direction of the crank pulley 5 is indicated by an arrow E, and the rotation direction of the pulley 11 of the driving device 10 is indicated by an arrow P. 9 indicates a tension pulley of the belt 8, and EX indicates an exhaust manifold.
[0013]
As shown in FIG. 2, the pulley 11 that rotates synchronously with the crankshaft 2 is disposed in front of the driving device 10 (left side in the figure). A motor 12 for driving coaxially with the pulley 11 is disposed on the rear side (the right side in the figure), and a planetary mechanism (planetary mechanism) 13 is coaxially disposed behind the motor 12. The pulley 11 is connected to a pinion carrier 15 of a planetary mechanism 13 via a pulley shaft (synchronous shaft) 14, and the motor 12 is connected to a sun gear 17 of the planetary mechanism 13 via a rotor shaft (output shaft) 16. . By setting the planetary mechanism 13 to be in a state capable of differential operation, the pulley 11 and the motor 12 are linked at a predetermined reduction ratio, and the auxiliary drive connected to the ring gear 18 from the rear of the planetary mechanism 13 The shaft (drive shaft) 19 can be driven. Here, the rotor shaft 16 is formed hollow, and the pulley shaft 14 is rotatably inserted therein. Here, reference numeral 59 denotes a resolver (rotation sensor) for detecting the rotation angle of the motor 12.
[0014]
A directly-coupled clutch (coupling means) 21 capable of coupling the pulley shaft 14 and the rotor shaft 16 is provided on the inner peripheral portion of the pulley 11, and the planetary mechanism 13 is integrated into the pulley shaft 14 and the rotor shaft 16. The rotor shaft 16 and the accessory drive shaft 19 can be directly connected and driven. A one-way clutch (rotation direction restricting means) 22 for restricting the rotation of the pulley 11 only in the normal rotation direction (the direction of the arrow P) is provided on the outer peripheral portion of the accessory drive shaft 19. At the rear end of the accessory drive shaft 19, an accessory clutch 23 for transmitting and disconnecting torque to and from the compressor 4 is arranged. Here, the motor 12, the planetary mechanism 13, the accessory drive shaft 19, and the one-way clutch 22 are housed in a main body case 24. The pulley 11, the motor 12, the planetary mechanism 13, the accessory drive shaft 19, the direct coupling clutch 21, the one-way clutch 22, and the accessory clutch 23 are arranged in series so as to share the axis C, respectively. It is configured.
[0015]
As shown in FIG. 3, a circular tube portion 27 through which the rotor shaft 16 can be inserted is formed to protrude forward from a front wall 26 of the main body case 24 behind the pulley 11, and is provided on an outer peripheral portion of the circular tube portion 27. The pulley 11 is rotatably supported by the main body case 24 by the double-row ball bearings 28. A pulley plate 31 is attached to the front side of the pulley 11 via an extension 29, and a front end of the pulley shaft 14 is connected to a central portion of the pulley plate 31. A needle bearing 32 that is in contact with an inner peripheral portion of the rotor shaft 16 is attached to an outer peripheral portion of the pulley shaft 14, and the pulley shaft 14 is rotatably supported by the rotor shaft 16. A flat rotor disk 34 is disposed between the pulley plate 31 and the front wall 33 of the pulley 11, and the rotor disk 34 and the front end of the rotor shaft 16 extended to the vicinity of the pulley plate 31. Are combined.
[0016]
The pulley 11 has a substantially U-shaped cross section with one side opening toward the motor 12, and an exciting coil 25 is arranged inside the pulley 11 along the circumferential direction of the pulley 11. An armature (clutch plate) 35 is attached to the rear surface of the rotor disk 34. The armature 35 is urged by a leaf spring 36 to contact the rear surface of the rotor disk 34, and in this state, the armature 35 is separated from the front wall 33 of the pulley 11. When the excitation coil 25 in the pulley 11 is energized, the armature 35 is attracted to the front wall 33 of the pulley 11 by the magnetic force generated in the excitation coil 25, and in this state, the armature 35 and the front wall 33 of the pulley 11 are separated. It is designed to engage. Accordingly, the electromagnetic direct coupling clutch 21 including the exciting coil 25, the armature 35, and the front wall portion 33 of the pulley 11 itself is disposed on the inner peripheral portion of the pulley 11, and the pulley 11 and the direct coupling clutch 21 are connected to each other. It has a so-called nested structure.
[0017]
The armature 35 is connected to the sun gear 17 of the planetary mechanism 13 via the rotor shaft 16, and the pulley 11 is connected to the pinion carrier 15 via the pulley shaft 14. Therefore, by setting the direct coupling clutch 21 to the engaged state (ON), the sun gear 17 and the pinion carrier 15 can be coupled to integrate the planetary mechanism 13, so that the accessory drive shaft 19 connected to the ring gear 18 can be connected to the rotor. It can be directly connected to the shaft 16 and the pulley shaft 14 for driving. The state in which the armature 35 is separated from the front wall 33 of the pulley 11 is referred to as a released state (OFF) of the direct coupling clutch 21.
[0018]
As shown in FIG. 4, a rotor 39 of the motor 12 includes a plurality of magnets 38 on an outer peripheral portion thereof, and a stator 42 includes a plurality of motor coils 41 that are arranged radially opposite to the magnets 38 and connected in three phases. It has. The stator 42 is fixed to the inner wall of the main body case 24, and is configured to be able to drive the rotor 39 forward and reverse by supplying a U-phase, V-phase, and W-phase excitation current to each motor coil 41. The rotor shaft 16 and the pulley shaft 14 pass through the rotor yoke 43 of the rotor 39 along the axis C. A spline is formed on the outer periphery of a portion of the rotor shaft 16 that overlaps the rotor yoke 43 in the radial direction, and the rotor yoke 43 is press-fitted into the spline forming portion 44, whereby the rotor shaft 16 and the rotor 39 are joined. .
[0019]
The main body case 24 is provided with a partition wall 45 between the motor 12 and the planetary mechanism 13, and the motor 12 is arranged such that its front and rear ends have a predetermined distance from the front wall 26 and the partition wall 45 of the main body case 24. Is established. An extension 46 is formed on the front wall 26 of the main body case 24 so that the vicinity of the rotor shaft 16 projects toward the motor 12, and a ball bearing 47 is mounted on the inner periphery of the extension 46. ing. Similarly to the front wall 26, the partition wall 45 of the main body case 24 is formed with an overhang portion 48 formed by projecting the vicinity of the rotor shaft 16 toward the motor 12, and a ball bearing (in the inner peripheral portion of the overhang portion 48). Bearing) 49 is mounted. The rotor shaft 16 is rotatably supported by the main body case 24 by the ball bearings 47 and 49. Here, an oil seal 51 that seals between the inner peripheral surface of the overhang portion 48 and the outer peripheral surface of the rotor shaft 16 is mounted on the inner peripheral portion of the overhang portion 48 of the partition wall 45 and in front of the ball bearing 49. ing.
[0020]
A reduced diameter portion 53 is formed in front of the spline forming portion 44 of the rotor shaft 16 via a step surface (contact portion) 52 substantially orthogonal to the axis C. The annular sensor guide 54 is press-fitted into the reduced diameter portion 53, and a part of the rear surface 55 of the sensor guide 54 contacts the step surface 52, thereby positioning the sensor guide 54. An arm 56 is provided on the sensor guide 54, and the arm 56 is formed so as to extend forward at a position separated from the rotor shaft 16 so as to avoid the overhang 46. A resolver rotor 57 provided with a magnet and an electromagnetic steel plate is mounted on the outer peripheral portion of the arm portion 56 at a position radially outside the overhang portion 46, and a resolver stator radially opposed to the resolver rotor 57 is disposed. 58 is attached to the inner peripheral portion of the main body case 24. The sensor guide 54, the resolver rotor 57, and the resolver stator 58 constitute a resolver 59 that detects the angle of the rotor 39. That is, the resolver 59, the overhang portion 46, and the ball bearing 47 are arranged so as to be arranged in the radial direction, and have a so-called nested structure.
[0021]
Behind the stator 42, an annular bus ring 61 for connecting the motor coils 41 of each phase is arranged at a position separated from the rotor shaft 16 so as to avoid the overhanging portion 48. Further, between the upper part of the bus ring 61 and the terminal box 62 provided on the upper part of the main body case 24, a distribution line 63 for supplying an exciting current of each phase is provided. The power distribution components 60 such as the bus ring 61 and the power distribution line 63 are arranged so as to be radially aligned with the overhang portion 48, the ball bearing 49, and the oil seal 51, and have a so-called nested structure. Here, reference numeral 64 denotes a needle bearing provided in a pair with the needle bearing 32. The needle bearings 32 and 64 have a sealing function, and grease can be sealed between the needle bearings 32 and 64 and in a gap between the rotor shaft 16 and the pulley shaft 14.
[0022]
As shown in FIG. 5, the planetary mechanism 13, the accessory drive shaft 19, and the one-way clutch 22 are disposed in the main body case 24 and behind the partition wall 45. A gear is formed on the outer peripheral surface of the rear end of the rotor shaft 16, and the gear forming portion 65 constitutes the sun gear 17 of the planetary mechanism 13. Further, the rear end of the pulley shaft 14 extends to the rear of the sun gear 17, and the fitting portion 66 of the pinion carrier 15 is connected to this rear end by a spline, so that the pulley shaft 14 and the pinion carrier 15 are connected. Have been. The ring gear 18 is connected to the front end of the accessory drive shaft 19 via a plate 67. Here, as shown in FIG. 7, the planetary mechanism 13 is configured as a single pinion planetary having a single row of pinion gears 15a, and the radius ratio of each gear element is about 1 when the sun gear 17 is about 1. , And the ring gear 18 is configured to be approximately three.
[0023]
A projecting portion 69 is formed on the rear wall 68 of the main body case 24 by projecting a peripheral portion of the accessory drive shaft 19 toward the planetary mechanism 13, and an annular clutch guide 71 is fixed to the projecting portion 69. ing. As shown in FIG. 8, a plurality of cam parts 72 are arranged in a circumferential direction on an inner peripheral portion of the clutch guide 71, and a mechanical one-way clutch 22 is formed by the clutch guide 71, the cam parts 72, and the accessory drive shaft 19. It is configured. When the one-way clutch 22 applies torque to the accessory drive shaft 19 in the direction of arrow P (forward rotation direction of the pulley), the rotation is allowed, and when torque in the direction opposite to arrow P is applied, the cam part 72 is rotated. The rotation of the accessory drive shaft 19 is restricted by engaging the clutch guide 71 with the wedge effect. Ball bearings 73 and 74 are mounted on the inner peripheral portion of the clutch guide 71 and before and after the cam part 72, respectively, and the accessory drive shaft 19 is rotatably supported by the main body case 24 by the ball bearings 73 and 74. ing.
[0024]
A ring-shaped end part 75 is attached to the rear end of the rotor shaft 16, and a rear end surface 76 of the rotor shaft 16 is formed by the end part 75. The pinion carrier 15 has a contact surface 77 facing the rear end surface 76 in the direction of the axis C. A thrust bearing 78 is provided between the rear end surface 76 and the contact surface 77 to support a thrust load generated between the pinion carrier 15 and the rotor shaft 16. Similarly, a thrust bearing 82 is provided between a front end surface 79 formed on the accessory drive shaft 19 and a rear contact surface 81 formed on the pinion carrier 15 and facing the front end surface 79 in the direction of the axis C. A thrust load generated between the pinion carrier 15 and the accessory drive shaft 19 can be supported.
[0025]
An oil seal 84 is provided on the rear wall 68 of the main body case 24 at the inner peripheral portion of the opening 83 through which the accessory drive shaft 19 is inserted, for sealing between the inner peripheral surface and the outer peripheral surface of the accessory drive shaft 19. Is installed. An oil seal 85 that seals between the inner peripheral surface of the rotor shaft 16 and the outer peripheral surface of the pulley shaft 14 is mounted on the rear end of the rotor shaft 16. As described above, the oil seal 51 is also attached to the overhanging portion 48 of the partition wall 45. Therefore, the space behind the partition wall 45 in the main body case 24 is filled with the oil chamber 86 sealed by the oil seals 51, 84, 85. Will be configured as By filling the oil chamber 86 with lubricating oil, it is possible to lubricate the planetary mechanism 13 and the one-way clutch 22 with the common oil chamber 86 and oil. The ball bearing 49 supporting the rotor shaft 16 and the ball bearings 73 and 74 supporting the auxiliary drive shaft 19 are also arranged in the oil chamber 86, and can be lubricated with common oil.
[0026]
A terminal box 62 for connecting the electric system of the vehicle and the motor 12 is provided above the planetary mechanism 13 and on the outer periphery of the main body case 24. The lower front part of the terminal box 62 communicates with the space in front of the partition wall 45, and the distribution line 63 of the motor 12 is routed from the communicating part into the terminal box 62. From the rear end of the terminal box 62, connection ends 87 of the power supply cables corresponding to the U-phase, V-phase, and W-phase are mounted. The terminal 88 of each phase provided at the end of the distribution line 63 and the terminal 87 a provided at the end of the connection end 87 of the power supply cable are connected by bolts 89.
[0027]
As shown in FIG. 6, a rotor plate 91 of the accessory clutch 23 is mounted on a rear end of the accessory drive shaft 19, and the rotor plate 91 is connected to the rotor 93 via an extension 92. At the front of the compressor 4, a circular tube portion 4a is formed so as to protrude, and the rotor portion 93 and the circular tube portion 4a are rotatable by double rows of ball bearings 95 provided on the outer peripheral portion of the circular tube portion 4a. I have.
The rotor section 93 has a substantially U-shaped cross section with one side opening toward the compressor 4 side, and an excitation coil 94 is disposed inside the rotor section 93. A flat armature disc 97 is provided between the rotor plate 91 and the front wall 96 of the rotor section 93, and is connected to the tip of the accessory shaft 4b projecting forward from the circular tube section 4a. An armature 98 is attached to the rear surface of the armature disk 97, and is urged by a leaf spring 99 to be in contact with the rear surface of the armature disk 97 (released state).
[0028]
Then, the excitation coil 94 is energized to attract the armature 98 to the front wall portion 96 of the rotor portion 93, so that the auxiliary machine clutch 23 is engaged (ON), and the torque of the auxiliary machine drive shaft 19 is reduced to the auxiliary machine shaft 4b. Can be transmitted. In addition, when the driving of the compressor 4 is unnecessary, the auxiliary clutch 23 is set to the disengaged state (OFF), so that torque loss can be reduced and power and fuel consumption can be reduced. Here, the power source such as the pulley 11 and the motor 12 is arranged in front of the planetary mechanism 13 and the compressor 4 as an auxiliary machine is arranged behind the planetary mechanism 13, that is, on the opposite side of the power source. It is not necessary to use a hollow shaft. For example, a scroll compressor can be employed.
[0029]
Next, an operation state of the drive device 10 at the time of starting the engine, at the time of power generation, and at the time of driving auxiliary equipment will be described.
First, when the engine is started by the motor 12, the direct coupling clutch 21 is released, and the planetary mechanism 13 is brought into a differentially operable state. Then, electric power is supplied to the motor 12 to generate torque in the normal rotation direction (the direction of the arrow P), and the sun gear 17 is driven together with the rotor shaft 16. The rotation speed of the motor 12 at this time is controlled based on the angle of the rotor 39 detected by the resolver 59. Since the friction of the engine 1 is applied to the pinion carrier 15 linked to the engine 1 via the pulley shaft 14 and the like, the ring gear 18 tries to rotate in the reverse rotation direction (the direction opposite to the arrow P) via the pinion gear 15a. However, since the accessory drive shaft 19 connected to the ring gear 18 is regulated by the one-way clutch 22, it does not rotate in the reverse direction. Therefore, the planetary mechanism unit 13 operates as a speed reducer in which the ring gear 18 is fixed and the rotation ratio between the sun gear 17 and the pinion carrier 15 is about 4: 1, and the torque is about four times that of the motor 12. The engine 1 can be cranked by driving the pulley shaft 14. Moreover, since the speed is reduced by the planetary mechanism 13, the motor 12 can be driven in an efficient high-speed range.
[0030]
When the auxiliary equipment is driven by the motor 12 while the engine is stopped, the direct coupling clutch 21 is released and the planetary mechanism 13 is brought into the differential state. Then, a reverse torque is generated by the motor 12 to drive the sun gear 17 together with the rotor shaft 16. Also at this time, the rotation speed of the motor 12 is controlled based on the angle of the rotor 39 detected by the resolver 59. Since the friction in the reverse rotation direction of the engine 1 is applied to the pinion carrier 15 linked to the engine 1 via the pulley shaft 14 and the like, the pinion carrier 15 does not rotate, and the ring gear 18 rotates in the normal rotation manner via the pinion gear 15a. Therefore, the planetary mechanism 13 operates as a speed reducer in which the pinion carrier 15 is fixed and the rotation ratio between the sun gear 17 and the ring gear 18 is about 3: 1, and the torque is about three times that of the motor 12. The compressor 4 can be operated by driving the accessory drive shaft 19. Moreover, since the speed is reduced by the planetary mechanism 13, the motor 12 can be driven in an efficient high-speed range.
[0031]
Further, when the engine is driven by the accessory, the direct coupling clutch 21 is engaged, and the pulley shaft 14 and the rotor shaft 16 are coupled. That is, the sun gear 17 and the pinion carrier 15 are connected. Then, the planetary mechanism 13 is integrated, and the pulley 11 can be directly connected to the compressor 4 and driven. At this time, the motor 12 is also driven by being directly connected to the pulley 11. In this state, the battery 12 can be charged by controlling the motor 12 as a generator. Conversely, by controlling the motor 12 as an electric motor, it is possible to use the engine 1 and the motor 12 together to drive the compressor 4 or to assist the driving of the engine 1.
[0032]
Next, an engine system incorporating the driving device 10 will be described with reference to FIGS. Here, as shown in FIG. 9, the engine system includes an engine 1, a driving device 10, a compressor 4, and an ECU that controls the operation of these components. Note that the same parts as those described above are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
[0033]
The ECU is electrically connected to the direct coupling clutch 21 and the auxiliary machine clutch 23, and switches between the disengaged state and the engaged state. The ECU receives a fuel injection signal and a rotation speed signal from the engine 1 to determine whether or not the engine itself is generating torque. For example, the direct connection clutch 21 is engaged (ON) or released. (OFF) is generated. Here, in this engine system, a mechanical one-way clutch 22 ′ is provided at the end of the crankshaft 2 of the engine 1, similarly to the one-way clutch 22. As a result, the reverse rotation of the crankshaft 2 is restricted, and the compressor 4 can be driven without being restricted by the friction of the engine 1 when the accessory is driven by the motor 12.
[0034]
As shown in FIG. 10, in the vehicle equipped with the engine system, when the engine is stopped and the air conditioner is off, the direct connection clutch 21 is turned off (disengaged) and the motor 12 is stopped. At this time, the state of the one-way clutches 22 and 22 'and the auxiliary machine clutch 23 does not matter.
When the engine is stopped and the air conditioner is ON, the direct connection clutch 21 is turned off, the one-way clutch 22 is free, the one-way clutch 22 'is locked, and the auxiliary machine clutch 23 is ON (engaged). Then, the motor 12 rotates in the reverse direction to generate electric power, and the compressor 4 is driven.
[0035]
When the engine is in the starting state, the direct coupling clutch 21 is turned off, the one-way clutch 22 is locked, and the one-way clutch 22 'is free. Then, the motor 12 rotates forward to generate electric power, and the engine is cranked. At this time, the state of the accessory clutch 23 does not matter.
Furthermore, when the engine is operating and the air conditioner is ON, the direct coupling clutch 21 and the auxiliary machine clutch 23 are ON, and the one-way clutches 22 and 22 'are in the free state. Then, the motor 12 rotates forward to perform electric or power generation.
When the engine is operating and the air conditioner is off, the direct connection clutch 21 is on, the auxiliary clutch 23 is off, and the one-way clutches 22 and 22 'are free. Then, the motor 12 rotates forward to perform electric or power generation.
[0036]
According to the above-described embodiment, the engine 1 is started only by incorporating the driving device 10 into the engine system of the vehicle and controlling the operations of the direct coupling clutch 21 and the auxiliary clutch 23 and the driving and rotation speed of the motor 12. Various operation modes such as driving of the compressor 4 while the engine 1 is stopped and driving of the compressor 4 by the engine 1 can be performed. Thereby, even when the engine 1 is stopped while the hybrid vehicle or the idle stop vehicle is operating, the motor 12 can drive the auxiliary equipment such as the compressor 4 and the like, and thus the comfort of the vehicle can be maintained. At this time, the one-way clutch 22 'provided on the crankshaft 2 is in a locked state, but since the one-way clutch 22' is a mechanical type, it is not necessary to perform the control by the ECU or the like. Similarly, when the engine is started, the one-way clutch 22 is locked, but it is not necessary to perform the control.
[0037]
In addition, by operating the motor 12 as an electric motor during traveling by the engine 1, the compressor 4 can be driven by using the engine 1 and the motor 12 together, and the driving of the engine 1 is assisted to improve fuel efficiency. Can be. Furthermore, when the air conditioner is off, the auxiliary machine clutch 23 is turned off to reduce friction, thereby further improving fuel efficiency.
[0038]
Furthermore, since the drive device 10 can achieve each of the above operation modes with a single motor 12, the number of components can be reduced and cost can be reduced, and the torque of the motor 12 can be reduced by the planetary mechanism unit 13. Since the signal is amplified and transmitted to the engine 1 and the compressor 4, the size and weight of the motor 12 can be reduced.
[0039]
Since the pulley 11, the direct coupling clutch 21, the motor 12, the planetary mechanism 13, the one-way clutch 22, and the auxiliary clutch 23 are arranged and connected in series on the same axis C, power transmission parts such as gears and belts are used. There is no need to provide them, and the number of components can be reduced, and power can be transmitted efficiently. Furthermore, even when the drive device 10 is side-mounted on the engine, the intake manifold, the exhaust manifold, and the like are easily avoided and the vehicle is easily mounted.
[0040]
Further, the pulley 11 and the direct coupling clutch 21 have a nested structure, the resolver 59, the overhang portion 46, and the ball bearing 47 have a nest structure, and the power distribution component 60, the overhang portion 48, the ball bearing 49, and the oil seal 51 are formed. Due to the nested structure, the length of the driving device 10 in the direction of the axis C is reduced. For this reason, the in-vehicle property can be further improved, and the compressor 4 can be easily connected in series, and the degree of freedom in layout can be increased.
[0041]
In the step of press-fitting the sensor guide 54 and the rotor 39 into the rotor shaft 16, first, the sensor guide 54 is press-fitted from the front of the rotor shaft 16, and a part of the rear surface 55 of the sensor guide 54 abuts against the step surface 52. Thus, the positioning of the sensor guide 54 in the direction of the axis C with respect to the rotor shaft 16 is performed. Thereafter, the rotor yoke 43 is press-fitted from behind the rotor shaft 16 and abuts against the rear surface 55 of the sensor guide 54 to fix the rotor yoke 43 at a predetermined position, thereby positioning the rotor 39 in the direction of the axis C. Therefore, the positioning of the rotor 39 and the sensor guide 54 in the direction of the axis C can be easily and reliably performed without managing the press-fitting height of the rotor 39, and the number of manufacturing steps of the drive device 10 can be reduced.
[0042]
The present invention is not limited to the above embodiment. For example, the compressor 4 may be connected to the sun gear 17 and the motor 12 may be connected to another element of the planetary mechanism 13 such as the ring gear 18. Good.
Further, the drive device 10 is connected to the crankshaft 2 via the crank pulley 5, the belt 8, and the pulley 11, but it goes without saying that the drive device 10 can be connected in series with the crankshaft 2 depending on the space in the vehicle. Similarly, the compressor 4 connected in series with the driving device 10 may be connected in parallel via a pulley, a belt, and the like.
Further, in addition to the compressor 4 for the air conditioner, a hydraulic pump for transmission, a water pump, or the like may be connected to the drive device 10 as an auxiliary device so that the motor 12 can be operated even when the engine is stopped, similarly to the compressor 4.
The step surface 52 is formed by reducing the diameter of the portion of the rotor shaft 16 into which the sensor guide 54 is press-fitted. However, the same step surface is formed by reducing the diameter of the portion of the rotor shaft 16 into which the rotor yoke 43 is press-fitted. It may be. Further, a protrusion such as a flange may be provided on the outer peripheral portion without reducing the diameter of the rotor shaft 16.
[0043]
Here, when the compressor 4 is a variable displacement compressor, friction can be reduced by changing the work capacity of the variable displacement compressor, so that the auxiliary machine clutch 23 can be dispensed with. When the normal compressor 4 is driven by the motor 12, the one-way clutch 22 'is locked to drive the compressor 4 without being restricted by the friction of the engine 1. In the case of a variable displacement compressor, Since the load torque can be varied, the load torque of the variable displacement compressor can be adjusted and driven so that the friction of the engine 1 is within the limit. Therefore, the one-way clutch 22 'can be omitted.
[0044]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, only by controlling the operation of the coupling means and the driving and the rotation speed of the motor, the engine is started by the motor and the accessory is driven, and the engine is driven. It is possible to implement various operation modes, such as driving of auxiliary equipment, so that the comfort of the vehicle can be maintained even when the engine is stopped during operation of the hybrid vehicle or the idle stop vehicle.
And, since it becomes possible to connect the planetary mechanism, the motor, the coupling means, and the drive shaft of the accessory on the same axis, and to connect the accessory on the same axis, Gears, belts, and the like can be eliminated, and the cost and weight of parts can be reduced. In particular, when the drive device is arranged substantially in parallel with the crankshaft, it is easy to avoid the intake manifold and the exhaust manifold, so that the vehicle mountability can be improved and the degree of freedom in layout can be increased. Furthermore, since it is possible to adopt a nested structure in which a bearing for supporting the output shaft is arranged inside the power distribution component of the motor, the driving device can be shortened in the axial direction, and the in-vehicle performance can be further improved.
[0045]
According to the second aspect of the present invention, since it is possible to adopt a nested structure in which a bearing for supporting the output shaft is disposed inside the rotation sensor, the drive device can be shortened in the axial direction, and the vehicle mountability can be further improved. Can be improved.
[0046]
According to the third aspect of the present invention, it is possible to amplify the torque of the motor between the elements of the planetary mechanism, so that the size and weight of the motor can be reduced. In addition, when the auxiliary machine is connected in series to the drive shaft, it is not necessary to make the shaft of the auxiliary machine hollow, so that a scroll compressor can be connected and driven as the auxiliary machine.
[0047]
According to the invention described in claim 4, the rotor and the rotation sensor can be easily and reliably positioned by abutting against the end face of the rotor or the rotation sensor that has been press-fitted earlier. There is no need for height control, and the number of manufacturing steps can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of an engine according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view taken along line AA of FIG.
FIG. 3 is a detailed sectional view of a pulley and a direct coupling clutch.
FIG. 4 is a detailed sectional view of a motor.
FIG. 5 is a detailed sectional view of a planetary mechanism and a one-way clutch.
FIG. 6 is a detailed sectional view of an accessory clutch.
FIG. 7 is a sectional view taken along line BB of FIG. 5;
FIG. 8 is a sectional view taken along the line DD of FIG. 5;
FIG. 9 is a schematic diagram of an engine system incorporating a drive device.
FIG. 10 is an explanatory diagram of a state of a vehicle equipped with a drive device.
[Explanation of symbols]
1 engine 2 crankshaft 4 compressor (auxiliary equipment)
Reference Signs List 10 Drive device 11 Pulley 12 Motor 13 Planetary mechanism (planetary mechanism)
14 Pulley shaft (synchronous axis)
15 Pinion carrier 16 Rotor shaft (output shaft)
17 Sun gear 18 Ring gear 19 Auxiliary drive shaft (drive shaft)
21 Direct coupling clutch (coupling means)
22 One-way clutch (rotation direction regulating means)
23 Auxiliary clutch 24 Body case 39 Rotor 42 Stator 47, 49 Ball bearing (bearing)
52 Step surface (contact part)
59 Resolver (rotation sensor)
60 distribution components