JP2004122229A - 構造部材の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造による成形方法ではない新たな構造部材を成形する方法を提供する。
【解決手段】下型1の突設部1b上に成形材料4を配設する。そして、上型3を成形材料4と接触する位置まで下降させる。次に、上型3を回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させることにより、成形材料4と下型1との間に摩擦熱を発生させて、成形材料4を軟化若しくは半溶融化させる。そして、軟化若しくは半溶融化した成形材料がキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止し、荷重を増大させることにより、成形材料4を硬化若しくは固化させる。
【選択図】図1
【解決手段】下型1の突設部1b上に成形材料4を配設する。そして、上型3を成形材料4と接触する位置まで下降させる。次に、上型3を回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させることにより、成形材料4と下型1との間に摩擦熱を発生させて、成形材料4を軟化若しくは半溶融化させる。そして、軟化若しくは半溶融化した成形材料がキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止し、荷重を増大させることにより、成形材料4を硬化若しくは固化させる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、内燃機関用ピストン等の構造部材の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用ピストンの成形方法は、鋳造により行っていた。すなわち、金型により形成されるキャビティ内にアルミニウム等の合金の溶湯を注湯後、凝固させて成形していた。しかし、鋳造による成形方法では、巣や酸化膜の発生等の鋳造欠陥を生じる。この鋳造欠陥により、ピストンの強度が不足するおそれがある。そこで、この問題を解決するために、例えば、ピストンの肉厚を厚くすることにより、ピストンの強度が不足しないようにしていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−108243号公報
【特許文献2】
特開昭63−138141号公報
【特許文献3】
特開2000−312982号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ピストンの肉厚化は、ピストンの質量を増加させることになる。このことは、フリクションの増加、さらには燃費悪化につながる。また、鋳造欠陥は鋳造による成形方法を採用する以上、避けることができない。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、鋳造による成形方法ではない新たなピストン等の構造部材を成形する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の構造部材の成形方法は、第1型と第2型との型合わせによる構造部材の成形方法であって、材料挿入工程と、軟化半溶融工程と、硬化固化工程とからなることを特徴とする。ここで、材料挿入工程は、第1型と第2型との間に構造部材材料を挿入する工程である。構造部材材料は、例えば金属等の固形形状等である。軟化半溶融工程は、第1型及び第2型により構造部材材料に荷重を付加しつつ、第1型を第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により、構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる工程である。硬化固化工程は、軟化若しくは半溶融化した構造部材材料を硬化若しくは固化させて構造部材を成形する工程である。
【0007】
つまり、第1型と第2型の相対回転と荷重の付加により、第1型と構造部材材料間若しくは第2型と構造部材材料間に摩擦熱が発生する。第1型と第2型の相対回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、第1型と第2型により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、相対回転速度や付加される荷重は、第1型や第2型の摩耗を考慮したものとする。そして、摩擦熱が発生した部分から構造部材材料が徐々に軟化若しくは半溶融化する。軟化若しくは半溶融化した構造部材材料が、第1型と第2型により形成されるキャビティ内に充填されるまで、第1型と第2型の相対回転と加圧状態を維持させる。そして、第1型と第2型により形成されるキャビティ内に構造部材材料が充填された後に、第1型と第2型の相対回転を停止する。これにより、軟化若しくは半溶融化した構造部材材料が硬化若しくは固化して、所望の形状の構造部材が成形される。
【0008】
すなわち、型内に溶湯を注湯後凝固させる鋳造による成形方法とは異なる成形方法であるため、鋳造欠陥が発生しない。つまり、鋳造により成形するために生じていた構造部材の強度不足等が生じないことになる。
【0009】
また、前記材料挿入工程、前記軟化半溶融化工程及び前記硬化固化工程を順次複数回繰り返すようにしてもよい。複数回に分割することにより、構造部材の形状が複雑な場合であっても、確実に成形することができる。
【0010】
なお、各前記材料挿入工程にて挿入される前記構造部材材料は、それぞれ異なる材料からなる部分構造部材材料としてもよい。例えば、部分構造部材材料は、それぞれ、アルミニウムを主成分とする材料であって異なる組成のものとしてもよいし、マグネシウムを主成分とする材料であって異なる組成のものとしてもよいし、さらにはアルミニウムを主成分をする材料とマグネシウム又は鉄を主成分とする材料等としてもよい。
【0011】
ここで、繰り返す回数が2回の場合における構造部材の成形方法は、以下のようになる。すなわち、第1型と第2型との型合わせによる構造部材の成形方法であって、前記第1型と前記第2型との間に第1構造部材材料を挿入する第1材料挿入工程と、前記第1型及び前記第2型により前記第1構造部材材料に荷重を付加しつつ前記第1型を前記第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により前記第1構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる第1軟化半溶融化工程と、前記軟化若しくは半溶融化した前記第1構造部材材料を硬化若しくは固化させて前記構造部材の一部である第1構造部材を成形する第1硬化固化工程と、前記第1型若しくは前記第2型と前記第1構造部材との間に前記第1構造部材材料とは異なる材料からなる第2構造部材材料を挿入する第2材料挿入工程と、前記第1型及び前記第2型により前記第2構造部材材料に荷重を付加しつつ前記第1型を前記第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により前記第2構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる第2軟化半溶融化工程と、前記軟化若しくは半溶融化した前記第2構造部材材料を硬化若しくは固化させて前記構造部材の一部である第2構造部材を成形する第2硬化固化工程と、からなることを特徴とする構造部材の成形方法。
【0012】
これにより、構造部材の位置に応じて要求される機能が異なる場合、例えば、構造部材の下方側では高い靭性が必要であって、構造部材の上方側では高温において高い硬度が必要な場合等に容易に適用することができ、低コスト化を図ることができる。
【0013】
ここで、従来、構造部材の位置に応じて要求される機能が異なる場合に採用していた方法について、構造部材として内燃機関用ピストンを例にとり説明する。内燃機関用ピストンは、以下のことが要求される。第1に、内燃機関用ピストン全体が軽量であることが要求される。第2に、内燃機関用ピストンの頂部は、熱疲労強度が高いこと、すなわち、靭性が高いことが要求される。第3に、トップリング溝は、耐摩耗性が高いことが要求される。第4に、ピンボス部は、高温における高い硬度が要求される。そこで、従来、頂部やトップリング溝はMMCや耐摩環鋳ぐるみ等により、ピンボス部はブシュを圧入することにより対応していた。しかし、これらの成形方法は非常にコスト高である。また、従来、複数の材料からなる鋳造法により対応していた。これは、それぞれの材料からなる構造部材をそれぞれ鋳造成形した後に接合することにより行うものである。しかし、この方法も、複数回の鋳造工程を必要とし、生産設備及び品質確保が複雑化するために非常にコスト高であった。
【0014】
そこで、本発明の構造部材の成形方法により、容易に、かつ、低コストで要求される構造部材を成形することができる。つまり、内燃機関用ピストンの場合は、頂部には高い靭性の材料を使用し、トップリング溝部には高い耐摩耗性の材料を使用し、ピンボス部には高い高度の材料を使用することにより対応することができる。
【0015】
また、前記材料挿入工程にて挿入される前記構造部材材料は、複数の部分構造部材材料からなり、複数の前記部分構造部材材料は、それぞれ異なる材料であって、前記第1型と前記第2型との間に複数層に重ねて挿入するようにしてもよい。具体的には、構造部材材料は、固形形状からなる複数の部分構造部材材料である。そして、第1型と第2型との間に、固形形状からなる複数の部分構造部材材料を重ねた状態に配設する。その後、軟化半溶融化工程にて、配設された複数の部分構造部材材料が軟化若しくは半溶融化する。このとき、複数の部分構造部材材料は、同時に軟化若しくは半溶融化するようにしてもよいし、一方から順次軟化若しくは半溶融化するようにしてもよい。そして、硬化固化工程にて、軟化若しくは半溶融化した複数の部分構造部材材料が硬化若しくは固化して構造部材を成形する。
【0016】
この成形方法は、材料挿入工程、軟化半溶融化工程及び硬化固化工程をそれぞれ一回ずつ行う方法であるのに対して、上述の成形方法は、各工程を複数回行う方法である。つまり、上述の成形方法の効果を奏するのに加えて、上述の成形方法に比べて製造コストをより安価にすることができる。
【0017】
なお、前記第1型と前記第2型との間に挿入される前記部分構造部材材料は、他の前記部分構造部材材料に嵌合させるようにしてもよい。複数の部分構造部材材料を重ねて配設する成形方法では、それぞれの構造部材材料が軟化若しくは半溶融化した後に移動する位置が重要となる。そこで、部分構造部材材料をそれぞれ嵌合させることにより位置決めされることになり、軟化若しくは半溶融化する際に適切な位置に移動させることができる。
【0018】
また、部分構造部材材料の嵌合部分の形状は、円形でないようにするとよい。嵌合部分の形状を円形にすると、嵌合している部分構造部材材料はそれぞれ相対回転する場合が生ずる。仮に、嵌合している部分構造部材材料がそれぞれ相対回転すると、第1型若しくは第2型との摩擦熱が発生せず、部分構造部材材料間にて摩擦熱が発生する。そうすると、全ての部分構造部材材料の軟化若しくは半溶融化ができない場合が生じ、構造部材の成形ができないおそれがある。そこで、嵌合部分の形状を円形でない形状にすることにより、部分構造部材材料は相対的に固定されることになる。つまり、確実に軟化若しくは半溶融化させることができ、正確な構造部材を成形することができる。
【0019】
また、前記部分構造部材材料の嵌合は、圧入によるようにしてもよい。また、隣接する部分構造部材材料は接着してもよい。上述したように、嵌合している若しくは隣接する部分構造部材材料は相対的に固定される方が望ましい。そこで、嵌合を圧入により行うこと、若しくは、接着することにより、部分構造部材材料を相対的に固定することができる。
【0020】
また、本発明の構造部材の成形方法に使用する第1型及び第2型は、周囲を断熱材により被覆してもよい。構造部材材料の軟化若しくは半溶融化は、第1型若しくは第2型と構造部材材料との摩擦熱により行っている。すなわち、第1型及び第2型の周囲を断熱材により被覆することで、発生した熱の温度が低下するのを防止できる。つまり、構造部材材料が軟化若しくは半溶融化した状態を維持させることができる。このことは、確実に、第1型と第2型のキャビティに軟化若しくは半溶融化した構造部材材料を充填させることができることになる。すなわち、確実に所定の形状の構造部材を成形することができる。また、エネルギーの効率的な利用の観点からも優れている。すなわち、発生した摩擦熱が逃げるのを防止できるので、必要以上に摩擦熱を発生させることがなくなる。
【0021】
また、本発明の構造部材の成形方法に使用する構造部材材料は、中心付近に貫通孔が形成された形状としてもよい。例えば、ドーナツ形状のような形状である。上述のとおり、第1型若しくは第2型と構造部材材料と間に発生する摩擦熱により、構造部材材料を軟化若しくは半溶融化している。この摩擦熱の発生は、第1型と第2型との相対回転によるものである。そして、相対回転の回転中心付近では、相対移動速度が0若しくは非常に小さいため摩擦熱の発生が困難である。つまり、構造部材材料のうち摩擦熱の発生が困難な位置に貫通孔を形成することにより、構造部材材料を確実に軟化若しくは半溶融化させることができる。
【0022】
また、本発明の構造部材の成形方法に使用する構造部材材料は、第1型及び第2型の軟化点より低い軟化点を有するようにするとよい。例えば、第1型及び第2型に鋼材を使用した場合には、構造部材材料として鋼材よりも軟化点の低い材料であるアルミニウムやマグネシウム等の軽金属を主成分とする合金等を使用できる。つまり、構造部材材料を確実に軟化若しくは半溶融化させることができる。
【0023】
また、本発明の構造部材は、内燃機関用ピストンとしてもよい。そして、この内燃機関用ピストンのトップリング溝部に、前記部分構造部材材料と他の前記構造部材材料との境界部分が位置するようにしてもよい。内燃機関用ピストンのトップリング溝部は、上述したように、耐摩耗性が高いことが要求される。そして、内燃機関用ピストンは、一般に金属材料を使用する。そこで、構造部材材料として、アルミニウムを主成分とする材料と、鉄を主成分とする材料を用いた場合等には、前記境界部分は、両金属材料の合金となり強度が高くなる。そこで、強度の高い境界部分をトップリング溝部に位置させることにより、トップリング溝部に要求される耐摩耗性を満たすことができる。また、前記部分構造部材材料は、アルミニウム又はマグネシウムを主成分とする材料とするとよい。これにより、構造部材全体の軽量化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0025】
(第1実施形態)
本実施形態では、構造部材の成形方法の一例として、内燃機関用ピストン(以下、「ピストン」という)の成形方法について説明する。一般に、内燃機関用ピストンは、主として、ピストンクラウン部、ピストン溝部及びピストンスカート部とからなる。
【0026】
次に、ピストンを型合わせにより成形する成形装置について図1(a)を参照して説明する。なお、図1(a)は断面図である。図1(a)に示すように、成形装置の金型は下型1と横型2と上型3とから構成される。すなわち、下型1は、土台となる円盤部1aと、その円盤部1aのほぼ中央で図1(a)の上側に突設した突設部1bとからなる。この突設部1bの形状は、ピストンスカート部の内側の形状を転写する形状となっている。そして、下型1はテーブル(図示せず)に固定されている。横型2は、ほぼ円筒形状であって、ピストンスカート部の外側の形状を転写する形状となっている。また、横型2は、内径が下型1の突設部1bの外径より大きく、高さが下型1の突設部1bの高さより高く形成されている。そして、この横型2は下型1上に着脱自在に取付けられる。上型3は、円盤部3aと軸部3bとからなる。この円盤部3aの外径は、横型2の内径よりやや小さく形成されている。また、軸部3bの一端側は、円盤部3aの中心に取付けられている。軸部3bの他端側は、モータ(図示せず)に回転可能に接続されている。さらに、上型3が、軸部3bの軸方向に移動可能であって、所定の荷重を付加することができる構成とされている。なお、下型1、横型2及び上型3は、摩耗を考慮して表面が硬質な鋼材、例えば工具鋼や超鋼合金等により形成されている。ここで、上型3が第1型に相当し、下型1及び横型2が第2型に相当する。
【0027】
このように構成される成形装置を用いたピストンの成形方法について図1を参照して説明する。まず、ピストンを成形するための成形材料(構造部材材料)4を下型1の突設部1bの上に配設する(材料挿入工程)。ここで、成形材料4は、アルミニウムを主成分とする合金からなる。また、成形材料4の形状は、円柱形状からなる。具体的には、成形材料4の外径が横型2の内径より小さく、成形材料4の底面積が下型1の突設部1bの上面部1cの面積より広く形成されている。つまり、成形材料4を下型1の突設部1b上に配設した場合、成形材料4の外周が横型2と接触することがなく、さらには、突設部1bの上面部1c全てが成形材料4の底面と接することになる。
【0028】
次に、上型3を成形材料4と接触する位置まで下降させる。この場合、成形材料4の上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、成形材料4は上型3と共に回転する。これは、成形材料4と上型3との接触面積が成形材料4と下型1との接触面積よりも広いため、成形材料4のそれぞれの面に生ずる摩擦力の差によるものである。
【0029】
この動作により、成形材料4の底面と下型1の突設部1bの上面部1cとの間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、成形材料4の下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、下型1や上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0030】
そして、軟化若しくは半溶融化した成形材料4は、下型1の突設部1bと横型2との間の下方に移動する。そして、下型1、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に成形材料4が充填されるまで、上型3を回転させ下方へ荷重をかけながら移動させ続ける。図1(b)に示すように、成形材料4がキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。そして、上型3が成形材料4に付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した成形材料4を硬化若しくは固化させる(硬化固化工程)。
【0031】
成形材料4が硬化若しくは固化した後、まず、上型3を上方へ移動させる。次に、横型2を下型1から取り外す。そして、硬化若しくは固化した成形材料4を下型1から取り外す。この成形材料4、すなわちピストンは、さらに、切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0032】
(第2実施形態)
本実施形態についても、第1実施形態と同様に構造部材の成形方法の一例として、内燃機関用ピストンの成形方法について図2を参照して説明する。なお、図2は断面図である。図2(a)に示すように、成形装置の金型は下型11と横型12と上型13とから構成される。すなわち、下型11は円盤形状である。そして、下型11はテーブル(図示せず)に固定されている。横型12は、円筒部12aと内突部12bからなる。円筒部12aは、ピストンスカート部の外側の形状を転写する形状となっている。ただし、ピストンスカート部の端部が横型12の上側(内突部12b側)となるようになっている。そして、内突部12bは、円筒部12aの上側の内側に突設されている。この内突部12bの突設量は、ピストンスカート部の肉厚分である。そして、この横型12は、下型11上に着脱自在に取付けられる。上型13は、柱部13aと軸部13bとからなる。この柱部13aは、下方程細く形成されている。また、柱部13aのうち所定の位置より上方では、柱部13aの外径が横型12の内突部12bの内径よりやや小さく形成されている。また、軸部13bの一端側は、柱部13aの中心に取付けられている。軸部13bの他端側は、モータ(図示せず)に回転可能に接続されている。さらに、上型13が、軸部13bの軸方向に移動可能であって、所定の荷重を付加することができる構成とされている。なお、下型11、横型12及び上型13は、鋼材により形成されている。ここで、上型13が第1型に相当し、下型11及び横型12が第2型に相当する。
【0033】
このように構成される成形装置を用いたピストンの成形方法について説明する。まず、ピストンを成形するための成形材料(構造部材材料)4を下型11上に配設する(材料挿入工程)。ここで、成形材料4は、アルミニウムを主成分とする合金からなる。また、成形材料4の形状は、円柱形状からなる。具体的には、外径が横型12の円筒部12aの内径より小さく、円面積が上型13の柱部13aの下面部13cの面積より広く形成されている。つまり、成形材料4を下型1上に配設した場合、成形材料4の外周が横型12と接触しない。
【0034】
次に、上型13を成形材料4と接触する位置まで下降させる。この場合、上型13の柱部13aの下面部13c全てが成形材料4の上面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型13を軸部13aの軸中心まわりに回転させると共に、下方へ所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させた場合であっても、成形材料4は静止した状態を維持する。これは、成形材料4と上型13との接触面積が、成形材料4と下型11との接触面積よりも狭いため、成形材料4のそれぞれの面に生ずる摩擦力の差によるものである。
【0035】
この動作により、成形材料4の上面と上型13の柱部13aの下面部13cとの間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、成形材料4の上側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(軟化半溶融化工程)。なお、上型13の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型13により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型13の回転速度や付加される荷重は、下型11や上型13の摩耗を考慮する必要がある。
【0036】
そして、軟化若しくは半溶融化した成形材料4は、上型13の柱部13aと横型12との間に移動する。そして、下型11、横型12及び上型13により形成されるキャビティ内に成形材料4が充填されるまで、上型13を回転させ下方へ移動させ続ける。図2(b)に示すように、成形材料4がキャビティ内に充填されると、上型11の回転を停止する。そして、上型13が成形材料4に付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した成形材料4を硬化若しくは固化させる(硬化固化工程)。
【0037】
成形材料4が硬化若しくは固化した後、まず、上型13を上方へ移動させる。次に、横型12を下型11から取り外す。そして、硬化若しくは固化した成形材料4を横型12から取り外す。この成形材料4、すなわちピストンは、さらに、切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0038】
(第3実施形態)
第3実施形態における構造部材の成形方法について図3及び図4を参照して説明する。本実施形態においても、上記実施形態と同様に、構造部材として内燃機関用ピストンを例にあげて説明する。また、本実施形態における構造部材の成形装置は、第1実施形態に示したものと同様であるので、説明を省略する。
【0039】
まず、図3(a)に示すように、ピストンを成形するための第1成形材料(部分構造部材材料)4aを下型1の突設部1bの上に配設する(第1材料挿入工程)。ここで、第1成形材料4aは、アルミニウムを主成分とする合金からなり、高温において硬度が高い材料からなる。また、第1成形材料4aは、円柱形状からなる。具体的には、第1成形材料4aの外径が横型2の内径より小さく、第1成形材料4aの底面積が下型1の突設部1bの上面部1cの面積より広く形成されている。つまり、第1成形材料4aを下型1の突設部1b上に配設した場合、第1成形材料4aの外周が横型2と接触することがなく、さらには、突設部1bの上面部1c全てが第1成形材料4aの底面と接することになる。
【0040】
次に、上型3を第1成形材料4aと接触する位置まで下降させる。この場合、第1成形材料4aの上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、第1成形材料4aは上型3と共に回転する。これは、第1成形材料4aと上型3との接触面積が第1成形材料4aと下型1との接触面積よりも広いため、第1成形材料4aのそれぞれの面に生ずる摩擦力の差が生じるからである。
【0041】
この動作により、第1成形材料4aの底面と下型1の突設部1bの上面部1cとの間には摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第1成形材料4aの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第1軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、下型1や上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0042】
そして、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4aは、下型1の突設部1bと横型2との間の下方に移動する。そして、下型1、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に第1成形材料4aが充填されるまで、上型3を回転させ下方へ荷重をかけながら移動させ続ける。図3(b)に示すように、第1成形材料4aがキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。そして、上型3が第1成形材料4aに付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4aを硬化若しくは固化させる(第1硬化固化工程)。第1成形材料4aが硬化若しくは固化した後、上型3を上方へ移動させる。
【0043】
次に、図4(a)に示すように、第2成形材料(部分構造部材材料)4bを硬化若しくは固化した第1成形材料4aの上に配設する(第2材料挿入工程)。ここで、第2成形材料4bは、アルミニウムを主成分とする合金からなり、靭性が高い材料からなる。また、第2成形材料4bは、外径が横型2の内径より小さな円柱形状からなる。
【0044】
続いて、上型3を第2成形材料4bと接触する位置まで下降させる。この場合、第2成形材料4bの上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、第2成形材料4bは上型3と共に回転する。これは、第2成形材料4bと上型3との摩擦力に対して、第2成形材料4bと第1成形材料4aとの摩擦力の方が小さいからである。
【0045】
この動作により、第2成形材料4bの底面と第1成形材料4aの上面との間には摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第2成形材料4bの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第2軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0046】
そして、第1成形材料4a、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に第2成形材料4bが充填されるまで、上型3を回転させながら下方へ荷重をかけながら移動させ続ける。このとき、第1成形材料4aの上面は、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの間に発生する摩擦熱により、徐々に軟化さらには半溶融化し始める。そして、図4(b)に示すように、第2成形材料4bがキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。その後、上型3が第2成形材料4bに付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した第2成形材料4bを硬化若しくは固化させる(第2硬化固化工程)。同時に、第1成形材料4aのうち軟化若しくは半溶融化した部分を硬化若しくは固化させる。その際、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの境界部分はそれぞれの材料の合金となり、第1成形材料4aと第2成形材料は結合する。境界部分が合金となるのは、第2成形材料4bを軟化若しくは半溶融化させる際に、同時に第1成形材料が軟化若しくは半溶融化するため、両者が混合するからである。
【0047】
続いて、第2成形材料4bが硬化若しくは固化した後、まず、上型3を上方へ移動させる。続いて、横型2を下型1から取り外す。そして、硬化若しくは固化した第1成形材料及び第2成形材料が一体となった成形材料4を下型1から取り外す。最後に、型から取り外された成形材料4、すなわちピストンは、さらに切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0048】
(第4実施形態)
第4実施形態における構造部材の成形方法について図5を参照して説明する。本実施形態においても、上記実施形態と同様に、構造部材として内燃機関用ピストンを例にあげて説明する。また、本実施形態における構造部材の成形装置は、第1実施形態に示したものと同様であるので、説明を省略する。
【0049】
まず、図5(a)に示すように、ピストンを成形するための第1成形材料(部分構造部材材料)4aと第2成形材料4bとを一体とした成形材料4を、第1成形材料4aが下側となるように下型1の突設部1bの上に配設する(材料挿入工程)。ここで、第1成形材料4aは、アルミニウムを主成分とする合金からなり、高温において硬度が高い材料からなる。第2成形材料は、アルミニウムを主成分とする合金からなり、靭性が高い材料からなる。また、第1成形材料4a及び第2成形材料4bは、外径が横型2の内径より小さな円柱形状に形成されている。さらに、第1成形材料4aの外径は第2成形材料4bの外径より小さく形成されている。また、第1成形材料4aと第2成形材料とは、接着剤等により接着されている。
【0050】
次に、上型3を第2成形材料4bの上面に接触する位置まで下降させる。この場合、第2成形材料4bの上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、第1成形材料4a及び第2成形材料は上型3と共に回転する。これは、第2成形材料4bと上型3との接触面積が第1成形材料4aと下型1との接触面積よりも広いため、成形材料4と上型3若しくは下型1との間に摩擦力の差が生ずるからである。
【0051】
この動作により、第1成形材料4aの底面と下型1の突設部1bの上面部1cとの間には摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第1成形材料4aの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第1軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、下型1や上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0052】
そして、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4aは、下型1の突設部1bと横型2との間の下方に移動する。このようにして、第1成形材料4aが全て軟化若しくは半溶融化すると、次は、第2成形材料4bと下型1の突設部1bの上面部1cとの間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第2成形材料4bの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第2軟化半溶融化工程)。そして、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4a及び第2成形材料4bが、下型1、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。その後、上型3が第1成形材料4a及び第2成形材料に付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4a及び第2成形材料4bを硬化若しくは固化させる(硬化固化工程)。
【0053】
第1成形材料4a及び第2成形材料4bが硬化若しくは固化した後、上型3を上方へ移動させる。続いて、横型2を下型1から取り外す。そして、硬化若しくは固化した第1成形材料及び第2成形材料が一体となった成形材料4を下型1から取り外す。最後に、型から取り外された成形材料4、すなわちピストンは、さらに切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0054】
(他の実施形態)
上記第4実施形態において、第1成形材料4a及び第2成形材料4bは、何れも円柱形状としたがこれに限られるものではない。例えば、図6に示すように、第1成形材料4aが第2成形材料4bに嵌合するような形状としてもよい。これにより、型の中へ挿入する前に予め両成形材料4を接着させる位置決めが容易となる。両成形材料4の接着位置によっては、摩擦熱を効果的に発生することができない場合が生ずるが、嵌合することによりこのような問題が生じない。
【0055】
また、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの嵌合は、圧入によるようにしてもよい。これにより、両成形材料4を接着しなくてもよい。なお、接着と圧入との両方によることで、より確実に第1成形材料4aと第2成形材料4bとが固定されることになる。
【0056】
また、嵌合部分の形状を円形以外の形状、例えば四角形等にしてもよい。これにより、第1成形材料4aと第2成形材料とを接着や圧入等により固定しなくても、確実に両者を固定することができる。もちろん、両者の位置決めもできる。なお、第1成形材料4a及び第2成形材料4bのうち嵌合部分以外の部分の形状は、円形であっても、円形でなくても何れであってもよい。
【0057】
また、第3実施形態及び第4実施形態において、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの境界部分をピストンのトップリング溝部に位置するように成形材料4の量の割合を設定してもよい。例えば、第1成形材料4aとしてアルミニウムを主成分とする材料とし、第2成形材料として鉄を主成分とする材料とした場合、一般に、両金属の境界部分に形成される両金属の合金は強度が高い。そこで、強度の高い境界部分をトップリング溝部に位置させることにより、トップリング溝部に要求される耐摩耗性を満たすことができる。
【0058】
上記実施形態の他に、図7に示すように、下型21と横型22と上型23の周囲を断熱材25により被覆している。なお、下型21や横型22や上型23は、第1実施形態における下型1や横型2や上型3とほぼ同様のものである。また、ピストンの成形方法については、第1実施形態に示す成形方法と同様である。ここで、成形材料4と下型21との間に発生する摩擦熱により、成形材料4を軟化若しくは半溶融化している。すなわち、下型21及び横型22及び上型23の周囲に断熱材25を被覆することにより、発生した摩擦熱の温度の低下を抑制することができる。つまり、成形材料4を硬化若しくは固化させることなく、軟化若しくは半溶融化した状態を維持させることができる。その結果、確実に、下型21及び横型22及び上型23により形成されるキャビティ内に軟化若しくは半溶融化した成形材料を充填させることができることになる。すなわち、確実にピストンを成形することができる。また、発生させた熱エネルギーを効率的に利用することができるため、必要以上に摩擦熱を発生させることがなく、低コスト化を実現することができる。なお、第2実施形態における金型に対しても同様に断熱材を被覆することで上記と同様の効果を奏する。
【0059】
また、上記実施形態では、成形材料4の形状を中実形状としているが、これに限られるものではない。例えば、図8に示すように、ほぼ中心付近に貫通孔4cを形成するようにしてもよい。なお、図8は、成形材料4の断面図を示す。第1実施形態の場合には、上型3を回転させることにより、成形材料4と下型1との間に摩擦熱を発生させている。また、第2実施形態の場合には、上型13を回転させることにより、成形材料4と上型13との間に摩擦熱を発生させている。これらの場合におけて、成形材料4の回転中心付近では、速度が0若しくは非常に小さくなるため、摩擦熱の発生が困難となる。そこで、成形材料4の形状をほぼ中心付近に貫通孔4cを形成した形状とすることで、摩擦熱を確実に発生させることができるため、成形材料4を確実に軟化若しくは半溶融化させることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、ピストンの成形方法について説明したが、本発明により成形される構造部材は、これに限られるものではない。また、成形材料はアルミニウムを主成分とする合金に限られることなく、例えば、マグネシウム等の他の軽金属を主成分とする合金であってもよい。また、成形後の構造部材に熱処理を行う場合には、硬化固化工程を利用して行うようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明の構造部材の成形方法によれば、鋳造による成形方法でないため、鋳造欠陥が生じない。その結果、成形される構造部材をピストンとした場合には、鋳造欠陥の対策により生じていた質量増加や、フリクション増加、さらには燃費悪化を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図2】第2実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図3】第3実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図4】第3実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図5】第4実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図6】他の実施形態における部分構造部材材料を示す断面図である。
【図7】他の実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図8】他の実施形態のおける成形材料を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 ・・・ 下型(第2型)
1a ・・・ 円盤部
1b ・・・ 突設部
2、12、22 ・・・ 横型(第2型)
3、13、23 ・・・ 上型(第1型)
3a ・・・ 円盤部
3b ・・・ 軸部
4 ・・・ 成形材料(構造部材材料)
4a ・・・ 第1成形材料(部分構造部材材料)
4b ・・・ 第2成形材料(部分構造部材材料)
4c ・・・ 貫通孔
12a ・・・ 円筒部
12b ・・・ 内突部
13a ・・・ 柱部
13b ・・・ 軸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、内燃機関用ピストン等の構造部材の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用ピストンの成形方法は、鋳造により行っていた。すなわち、金型により形成されるキャビティ内にアルミニウム等の合金の溶湯を注湯後、凝固させて成形していた。しかし、鋳造による成形方法では、巣や酸化膜の発生等の鋳造欠陥を生じる。この鋳造欠陥により、ピストンの強度が不足するおそれがある。そこで、この問題を解決するために、例えば、ピストンの肉厚を厚くすることにより、ピストンの強度が不足しないようにしていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−108243号公報
【特許文献2】
特開昭63−138141号公報
【特許文献3】
特開2000−312982号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ピストンの肉厚化は、ピストンの質量を増加させることになる。このことは、フリクションの増加、さらには燃費悪化につながる。また、鋳造欠陥は鋳造による成形方法を採用する以上、避けることができない。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、鋳造による成形方法ではない新たなピストン等の構造部材を成形する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の構造部材の成形方法は、第1型と第2型との型合わせによる構造部材の成形方法であって、材料挿入工程と、軟化半溶融工程と、硬化固化工程とからなることを特徴とする。ここで、材料挿入工程は、第1型と第2型との間に構造部材材料を挿入する工程である。構造部材材料は、例えば金属等の固形形状等である。軟化半溶融工程は、第1型及び第2型により構造部材材料に荷重を付加しつつ、第1型を第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により、構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる工程である。硬化固化工程は、軟化若しくは半溶融化した構造部材材料を硬化若しくは固化させて構造部材を成形する工程である。
【0007】
つまり、第1型と第2型の相対回転と荷重の付加により、第1型と構造部材材料間若しくは第2型と構造部材材料間に摩擦熱が発生する。第1型と第2型の相対回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、第1型と第2型により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、相対回転速度や付加される荷重は、第1型や第2型の摩耗を考慮したものとする。そして、摩擦熱が発生した部分から構造部材材料が徐々に軟化若しくは半溶融化する。軟化若しくは半溶融化した構造部材材料が、第1型と第2型により形成されるキャビティ内に充填されるまで、第1型と第2型の相対回転と加圧状態を維持させる。そして、第1型と第2型により形成されるキャビティ内に構造部材材料が充填された後に、第1型と第2型の相対回転を停止する。これにより、軟化若しくは半溶融化した構造部材材料が硬化若しくは固化して、所望の形状の構造部材が成形される。
【0008】
すなわち、型内に溶湯を注湯後凝固させる鋳造による成形方法とは異なる成形方法であるため、鋳造欠陥が発生しない。つまり、鋳造により成形するために生じていた構造部材の強度不足等が生じないことになる。
【0009】
また、前記材料挿入工程、前記軟化半溶融化工程及び前記硬化固化工程を順次複数回繰り返すようにしてもよい。複数回に分割することにより、構造部材の形状が複雑な場合であっても、確実に成形することができる。
【0010】
なお、各前記材料挿入工程にて挿入される前記構造部材材料は、それぞれ異なる材料からなる部分構造部材材料としてもよい。例えば、部分構造部材材料は、それぞれ、アルミニウムを主成分とする材料であって異なる組成のものとしてもよいし、マグネシウムを主成分とする材料であって異なる組成のものとしてもよいし、さらにはアルミニウムを主成分をする材料とマグネシウム又は鉄を主成分とする材料等としてもよい。
【0011】
ここで、繰り返す回数が2回の場合における構造部材の成形方法は、以下のようになる。すなわち、第1型と第2型との型合わせによる構造部材の成形方法であって、前記第1型と前記第2型との間に第1構造部材材料を挿入する第1材料挿入工程と、前記第1型及び前記第2型により前記第1構造部材材料に荷重を付加しつつ前記第1型を前記第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により前記第1構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる第1軟化半溶融化工程と、前記軟化若しくは半溶融化した前記第1構造部材材料を硬化若しくは固化させて前記構造部材の一部である第1構造部材を成形する第1硬化固化工程と、前記第1型若しくは前記第2型と前記第1構造部材との間に前記第1構造部材材料とは異なる材料からなる第2構造部材材料を挿入する第2材料挿入工程と、前記第1型及び前記第2型により前記第2構造部材材料に荷重を付加しつつ前記第1型を前記第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により前記第2構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる第2軟化半溶融化工程と、前記軟化若しくは半溶融化した前記第2構造部材材料を硬化若しくは固化させて前記構造部材の一部である第2構造部材を成形する第2硬化固化工程と、からなることを特徴とする構造部材の成形方法。
【0012】
これにより、構造部材の位置に応じて要求される機能が異なる場合、例えば、構造部材の下方側では高い靭性が必要であって、構造部材の上方側では高温において高い硬度が必要な場合等に容易に適用することができ、低コスト化を図ることができる。
【0013】
ここで、従来、構造部材の位置に応じて要求される機能が異なる場合に採用していた方法について、構造部材として内燃機関用ピストンを例にとり説明する。内燃機関用ピストンは、以下のことが要求される。第1に、内燃機関用ピストン全体が軽量であることが要求される。第2に、内燃機関用ピストンの頂部は、熱疲労強度が高いこと、すなわち、靭性が高いことが要求される。第3に、トップリング溝は、耐摩耗性が高いことが要求される。第4に、ピンボス部は、高温における高い硬度が要求される。そこで、従来、頂部やトップリング溝はMMCや耐摩環鋳ぐるみ等により、ピンボス部はブシュを圧入することにより対応していた。しかし、これらの成形方法は非常にコスト高である。また、従来、複数の材料からなる鋳造法により対応していた。これは、それぞれの材料からなる構造部材をそれぞれ鋳造成形した後に接合することにより行うものである。しかし、この方法も、複数回の鋳造工程を必要とし、生産設備及び品質確保が複雑化するために非常にコスト高であった。
【0014】
そこで、本発明の構造部材の成形方法により、容易に、かつ、低コストで要求される構造部材を成形することができる。つまり、内燃機関用ピストンの場合は、頂部には高い靭性の材料を使用し、トップリング溝部には高い耐摩耗性の材料を使用し、ピンボス部には高い高度の材料を使用することにより対応することができる。
【0015】
また、前記材料挿入工程にて挿入される前記構造部材材料は、複数の部分構造部材材料からなり、複数の前記部分構造部材材料は、それぞれ異なる材料であって、前記第1型と前記第2型との間に複数層に重ねて挿入するようにしてもよい。具体的には、構造部材材料は、固形形状からなる複数の部分構造部材材料である。そして、第1型と第2型との間に、固形形状からなる複数の部分構造部材材料を重ねた状態に配設する。その後、軟化半溶融化工程にて、配設された複数の部分構造部材材料が軟化若しくは半溶融化する。このとき、複数の部分構造部材材料は、同時に軟化若しくは半溶融化するようにしてもよいし、一方から順次軟化若しくは半溶融化するようにしてもよい。そして、硬化固化工程にて、軟化若しくは半溶融化した複数の部分構造部材材料が硬化若しくは固化して構造部材を成形する。
【0016】
この成形方法は、材料挿入工程、軟化半溶融化工程及び硬化固化工程をそれぞれ一回ずつ行う方法であるのに対して、上述の成形方法は、各工程を複数回行う方法である。つまり、上述の成形方法の効果を奏するのに加えて、上述の成形方法に比べて製造コストをより安価にすることができる。
【0017】
なお、前記第1型と前記第2型との間に挿入される前記部分構造部材材料は、他の前記部分構造部材材料に嵌合させるようにしてもよい。複数の部分構造部材材料を重ねて配設する成形方法では、それぞれの構造部材材料が軟化若しくは半溶融化した後に移動する位置が重要となる。そこで、部分構造部材材料をそれぞれ嵌合させることにより位置決めされることになり、軟化若しくは半溶融化する際に適切な位置に移動させることができる。
【0018】
また、部分構造部材材料の嵌合部分の形状は、円形でないようにするとよい。嵌合部分の形状を円形にすると、嵌合している部分構造部材材料はそれぞれ相対回転する場合が生ずる。仮に、嵌合している部分構造部材材料がそれぞれ相対回転すると、第1型若しくは第2型との摩擦熱が発生せず、部分構造部材材料間にて摩擦熱が発生する。そうすると、全ての部分構造部材材料の軟化若しくは半溶融化ができない場合が生じ、構造部材の成形ができないおそれがある。そこで、嵌合部分の形状を円形でない形状にすることにより、部分構造部材材料は相対的に固定されることになる。つまり、確実に軟化若しくは半溶融化させることができ、正確な構造部材を成形することができる。
【0019】
また、前記部分構造部材材料の嵌合は、圧入によるようにしてもよい。また、隣接する部分構造部材材料は接着してもよい。上述したように、嵌合している若しくは隣接する部分構造部材材料は相対的に固定される方が望ましい。そこで、嵌合を圧入により行うこと、若しくは、接着することにより、部分構造部材材料を相対的に固定することができる。
【0020】
また、本発明の構造部材の成形方法に使用する第1型及び第2型は、周囲を断熱材により被覆してもよい。構造部材材料の軟化若しくは半溶融化は、第1型若しくは第2型と構造部材材料との摩擦熱により行っている。すなわち、第1型及び第2型の周囲を断熱材により被覆することで、発生した熱の温度が低下するのを防止できる。つまり、構造部材材料が軟化若しくは半溶融化した状態を維持させることができる。このことは、確実に、第1型と第2型のキャビティに軟化若しくは半溶融化した構造部材材料を充填させることができることになる。すなわち、確実に所定の形状の構造部材を成形することができる。また、エネルギーの効率的な利用の観点からも優れている。すなわち、発生した摩擦熱が逃げるのを防止できるので、必要以上に摩擦熱を発生させることがなくなる。
【0021】
また、本発明の構造部材の成形方法に使用する構造部材材料は、中心付近に貫通孔が形成された形状としてもよい。例えば、ドーナツ形状のような形状である。上述のとおり、第1型若しくは第2型と構造部材材料と間に発生する摩擦熱により、構造部材材料を軟化若しくは半溶融化している。この摩擦熱の発生は、第1型と第2型との相対回転によるものである。そして、相対回転の回転中心付近では、相対移動速度が0若しくは非常に小さいため摩擦熱の発生が困難である。つまり、構造部材材料のうち摩擦熱の発生が困難な位置に貫通孔を形成することにより、構造部材材料を確実に軟化若しくは半溶融化させることができる。
【0022】
また、本発明の構造部材の成形方法に使用する構造部材材料は、第1型及び第2型の軟化点より低い軟化点を有するようにするとよい。例えば、第1型及び第2型に鋼材を使用した場合には、構造部材材料として鋼材よりも軟化点の低い材料であるアルミニウムやマグネシウム等の軽金属を主成分とする合金等を使用できる。つまり、構造部材材料を確実に軟化若しくは半溶融化させることができる。
【0023】
また、本発明の構造部材は、内燃機関用ピストンとしてもよい。そして、この内燃機関用ピストンのトップリング溝部に、前記部分構造部材材料と他の前記構造部材材料との境界部分が位置するようにしてもよい。内燃機関用ピストンのトップリング溝部は、上述したように、耐摩耗性が高いことが要求される。そして、内燃機関用ピストンは、一般に金属材料を使用する。そこで、構造部材材料として、アルミニウムを主成分とする材料と、鉄を主成分とする材料を用いた場合等には、前記境界部分は、両金属材料の合金となり強度が高くなる。そこで、強度の高い境界部分をトップリング溝部に位置させることにより、トップリング溝部に要求される耐摩耗性を満たすことができる。また、前記部分構造部材材料は、アルミニウム又はマグネシウムを主成分とする材料とするとよい。これにより、構造部材全体の軽量化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
【0025】
(第1実施形態)
本実施形態では、構造部材の成形方法の一例として、内燃機関用ピストン(以下、「ピストン」という)の成形方法について説明する。一般に、内燃機関用ピストンは、主として、ピストンクラウン部、ピストン溝部及びピストンスカート部とからなる。
【0026】
次に、ピストンを型合わせにより成形する成形装置について図1(a)を参照して説明する。なお、図1(a)は断面図である。図1(a)に示すように、成形装置の金型は下型1と横型2と上型3とから構成される。すなわち、下型1は、土台となる円盤部1aと、その円盤部1aのほぼ中央で図1(a)の上側に突設した突設部1bとからなる。この突設部1bの形状は、ピストンスカート部の内側の形状を転写する形状となっている。そして、下型1はテーブル(図示せず)に固定されている。横型2は、ほぼ円筒形状であって、ピストンスカート部の外側の形状を転写する形状となっている。また、横型2は、内径が下型1の突設部1bの外径より大きく、高さが下型1の突設部1bの高さより高く形成されている。そして、この横型2は下型1上に着脱自在に取付けられる。上型3は、円盤部3aと軸部3bとからなる。この円盤部3aの外径は、横型2の内径よりやや小さく形成されている。また、軸部3bの一端側は、円盤部3aの中心に取付けられている。軸部3bの他端側は、モータ(図示せず)に回転可能に接続されている。さらに、上型3が、軸部3bの軸方向に移動可能であって、所定の荷重を付加することができる構成とされている。なお、下型1、横型2及び上型3は、摩耗を考慮して表面が硬質な鋼材、例えば工具鋼や超鋼合金等により形成されている。ここで、上型3が第1型に相当し、下型1及び横型2が第2型に相当する。
【0027】
このように構成される成形装置を用いたピストンの成形方法について図1を参照して説明する。まず、ピストンを成形するための成形材料(構造部材材料)4を下型1の突設部1bの上に配設する(材料挿入工程)。ここで、成形材料4は、アルミニウムを主成分とする合金からなる。また、成形材料4の形状は、円柱形状からなる。具体的には、成形材料4の外径が横型2の内径より小さく、成形材料4の底面積が下型1の突設部1bの上面部1cの面積より広く形成されている。つまり、成形材料4を下型1の突設部1b上に配設した場合、成形材料4の外周が横型2と接触することがなく、さらには、突設部1bの上面部1c全てが成形材料4の底面と接することになる。
【0028】
次に、上型3を成形材料4と接触する位置まで下降させる。この場合、成形材料4の上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、成形材料4は上型3と共に回転する。これは、成形材料4と上型3との接触面積が成形材料4と下型1との接触面積よりも広いため、成形材料4のそれぞれの面に生ずる摩擦力の差によるものである。
【0029】
この動作により、成形材料4の底面と下型1の突設部1bの上面部1cとの間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、成形材料4の下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、下型1や上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0030】
そして、軟化若しくは半溶融化した成形材料4は、下型1の突設部1bと横型2との間の下方に移動する。そして、下型1、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に成形材料4が充填されるまで、上型3を回転させ下方へ荷重をかけながら移動させ続ける。図1(b)に示すように、成形材料4がキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。そして、上型3が成形材料4に付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した成形材料4を硬化若しくは固化させる(硬化固化工程)。
【0031】
成形材料4が硬化若しくは固化した後、まず、上型3を上方へ移動させる。次に、横型2を下型1から取り外す。そして、硬化若しくは固化した成形材料4を下型1から取り外す。この成形材料4、すなわちピストンは、さらに、切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0032】
(第2実施形態)
本実施形態についても、第1実施形態と同様に構造部材の成形方法の一例として、内燃機関用ピストンの成形方法について図2を参照して説明する。なお、図2は断面図である。図2(a)に示すように、成形装置の金型は下型11と横型12と上型13とから構成される。すなわち、下型11は円盤形状である。そして、下型11はテーブル(図示せず)に固定されている。横型12は、円筒部12aと内突部12bからなる。円筒部12aは、ピストンスカート部の外側の形状を転写する形状となっている。ただし、ピストンスカート部の端部が横型12の上側(内突部12b側)となるようになっている。そして、内突部12bは、円筒部12aの上側の内側に突設されている。この内突部12bの突設量は、ピストンスカート部の肉厚分である。そして、この横型12は、下型11上に着脱自在に取付けられる。上型13は、柱部13aと軸部13bとからなる。この柱部13aは、下方程細く形成されている。また、柱部13aのうち所定の位置より上方では、柱部13aの外径が横型12の内突部12bの内径よりやや小さく形成されている。また、軸部13bの一端側は、柱部13aの中心に取付けられている。軸部13bの他端側は、モータ(図示せず)に回転可能に接続されている。さらに、上型13が、軸部13bの軸方向に移動可能であって、所定の荷重を付加することができる構成とされている。なお、下型11、横型12及び上型13は、鋼材により形成されている。ここで、上型13が第1型に相当し、下型11及び横型12が第2型に相当する。
【0033】
このように構成される成形装置を用いたピストンの成形方法について説明する。まず、ピストンを成形するための成形材料(構造部材材料)4を下型11上に配設する(材料挿入工程)。ここで、成形材料4は、アルミニウムを主成分とする合金からなる。また、成形材料4の形状は、円柱形状からなる。具体的には、外径が横型12の円筒部12aの内径より小さく、円面積が上型13の柱部13aの下面部13cの面積より広く形成されている。つまり、成形材料4を下型1上に配設した場合、成形材料4の外周が横型12と接触しない。
【0034】
次に、上型13を成形材料4と接触する位置まで下降させる。この場合、上型13の柱部13aの下面部13c全てが成形材料4の上面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型13を軸部13aの軸中心まわりに回転させると共に、下方へ所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させた場合であっても、成形材料4は静止した状態を維持する。これは、成形材料4と上型13との接触面積が、成形材料4と下型11との接触面積よりも狭いため、成形材料4のそれぞれの面に生ずる摩擦力の差によるものである。
【0035】
この動作により、成形材料4の上面と上型13の柱部13aの下面部13cとの間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、成形材料4の上側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(軟化半溶融化工程)。なお、上型13の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型13により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型13の回転速度や付加される荷重は、下型11や上型13の摩耗を考慮する必要がある。
【0036】
そして、軟化若しくは半溶融化した成形材料4は、上型13の柱部13aと横型12との間に移動する。そして、下型11、横型12及び上型13により形成されるキャビティ内に成形材料4が充填されるまで、上型13を回転させ下方へ移動させ続ける。図2(b)に示すように、成形材料4がキャビティ内に充填されると、上型11の回転を停止する。そして、上型13が成形材料4に付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した成形材料4を硬化若しくは固化させる(硬化固化工程)。
【0037】
成形材料4が硬化若しくは固化した後、まず、上型13を上方へ移動させる。次に、横型12を下型11から取り外す。そして、硬化若しくは固化した成形材料4を横型12から取り外す。この成形材料4、すなわちピストンは、さらに、切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0038】
(第3実施形態)
第3実施形態における構造部材の成形方法について図3及び図4を参照して説明する。本実施形態においても、上記実施形態と同様に、構造部材として内燃機関用ピストンを例にあげて説明する。また、本実施形態における構造部材の成形装置は、第1実施形態に示したものと同様であるので、説明を省略する。
【0039】
まず、図3(a)に示すように、ピストンを成形するための第1成形材料(部分構造部材材料)4aを下型1の突設部1bの上に配設する(第1材料挿入工程)。ここで、第1成形材料4aは、アルミニウムを主成分とする合金からなり、高温において硬度が高い材料からなる。また、第1成形材料4aは、円柱形状からなる。具体的には、第1成形材料4aの外径が横型2の内径より小さく、第1成形材料4aの底面積が下型1の突設部1bの上面部1cの面積より広く形成されている。つまり、第1成形材料4aを下型1の突設部1b上に配設した場合、第1成形材料4aの外周が横型2と接触することがなく、さらには、突設部1bの上面部1c全てが第1成形材料4aの底面と接することになる。
【0040】
次に、上型3を第1成形材料4aと接触する位置まで下降させる。この場合、第1成形材料4aの上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、第1成形材料4aは上型3と共に回転する。これは、第1成形材料4aと上型3との接触面積が第1成形材料4aと下型1との接触面積よりも広いため、第1成形材料4aのそれぞれの面に生ずる摩擦力の差が生じるからである。
【0041】
この動作により、第1成形材料4aの底面と下型1の突設部1bの上面部1cとの間には摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第1成形材料4aの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第1軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、下型1や上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0042】
そして、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4aは、下型1の突設部1bと横型2との間の下方に移動する。そして、下型1、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に第1成形材料4aが充填されるまで、上型3を回転させ下方へ荷重をかけながら移動させ続ける。図3(b)に示すように、第1成形材料4aがキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。そして、上型3が第1成形材料4aに付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4aを硬化若しくは固化させる(第1硬化固化工程)。第1成形材料4aが硬化若しくは固化した後、上型3を上方へ移動させる。
【0043】
次に、図4(a)に示すように、第2成形材料(部分構造部材材料)4bを硬化若しくは固化した第1成形材料4aの上に配設する(第2材料挿入工程)。ここで、第2成形材料4bは、アルミニウムを主成分とする合金からなり、靭性が高い材料からなる。また、第2成形材料4bは、外径が横型2の内径より小さな円柱形状からなる。
【0044】
続いて、上型3を第2成形材料4bと接触する位置まで下降させる。この場合、第2成形材料4bの上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、第2成形材料4bは上型3と共に回転する。これは、第2成形材料4bと上型3との摩擦力に対して、第2成形材料4bと第1成形材料4aとの摩擦力の方が小さいからである。
【0045】
この動作により、第2成形材料4bの底面と第1成形材料4aの上面との間には摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第2成形材料4bの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第2軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0046】
そして、第1成形材料4a、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に第2成形材料4bが充填されるまで、上型3を回転させながら下方へ荷重をかけながら移動させ続ける。このとき、第1成形材料4aの上面は、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの間に発生する摩擦熱により、徐々に軟化さらには半溶融化し始める。そして、図4(b)に示すように、第2成形材料4bがキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。その後、上型3が第2成形材料4bに付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した第2成形材料4bを硬化若しくは固化させる(第2硬化固化工程)。同時に、第1成形材料4aのうち軟化若しくは半溶融化した部分を硬化若しくは固化させる。その際、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの境界部分はそれぞれの材料の合金となり、第1成形材料4aと第2成形材料は結合する。境界部分が合金となるのは、第2成形材料4bを軟化若しくは半溶融化させる際に、同時に第1成形材料が軟化若しくは半溶融化するため、両者が混合するからである。
【0047】
続いて、第2成形材料4bが硬化若しくは固化した後、まず、上型3を上方へ移動させる。続いて、横型2を下型1から取り外す。そして、硬化若しくは固化した第1成形材料及び第2成形材料が一体となった成形材料4を下型1から取り外す。最後に、型から取り外された成形材料4、すなわちピストンは、さらに切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0048】
(第4実施形態)
第4実施形態における構造部材の成形方法について図5を参照して説明する。本実施形態においても、上記実施形態と同様に、構造部材として内燃機関用ピストンを例にあげて説明する。また、本実施形態における構造部材の成形装置は、第1実施形態に示したものと同様であるので、説明を省略する。
【0049】
まず、図5(a)に示すように、ピストンを成形するための第1成形材料(部分構造部材材料)4aと第2成形材料4bとを一体とした成形材料4を、第1成形材料4aが下側となるように下型1の突設部1bの上に配設する(材料挿入工程)。ここで、第1成形材料4aは、アルミニウムを主成分とする合金からなり、高温において硬度が高い材料からなる。第2成形材料は、アルミニウムを主成分とする合金からなり、靭性が高い材料からなる。また、第1成形材料4a及び第2成形材料4bは、外径が横型2の内径より小さな円柱形状に形成されている。さらに、第1成形材料4aの外径は第2成形材料4bの外径より小さく形成されている。また、第1成形材料4aと第2成形材料とは、接着剤等により接着されている。
【0050】
次に、上型3を第2成形材料4bの上面に接触する位置まで下降させる。この場合、第2成形材料4bの上面全てが上型3の円盤部3aの下面に接することになる。続いて、モータ(図示せず)の駆動により、上型3を軸部3bの軸中心まわりに回転させると共に、下方に所定の荷重を付加しながら移動させる。このように、上型3を回転させつつ、所定の荷重を付加しながら下方へ移動させることにより、第1成形材料4a及び第2成形材料は上型3と共に回転する。これは、第2成形材料4bと上型3との接触面積が第1成形材料4aと下型1との接触面積よりも広いため、成形材料4と上型3若しくは下型1との間に摩擦力の差が生ずるからである。
【0051】
この動作により、第1成形材料4aの底面と下型1の突設部1bの上面部1cとの間には摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第1成形材料4aの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第1軟化半溶融化工程)。なお、上型3の回転速度が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。さらに、上型3により付加される荷重が大きい程、より摩擦熱を発生させることができる。ただし、上型3の回転速度や付加される荷重は、下型1や上型3の摩耗を考慮する必要がある。
【0052】
そして、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4aは、下型1の突設部1bと横型2との間の下方に移動する。このようにして、第1成形材料4aが全て軟化若しくは半溶融化すると、次は、第2成形材料4bと下型1の突設部1bの上面部1cとの間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱により、第2成形材料4bの下側が徐々に軟化さらには半溶融化し始める(第2軟化半溶融化工程)。そして、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4a及び第2成形材料4bが、下型1、横型2及び上型3により形成されるキャビティ内に充填されると、上型3の回転を停止する。その後、上型3が第1成形材料4a及び第2成形材料に付加する荷重を増大させて、軟化若しくは半溶融化した第1成形材料4a及び第2成形材料4bを硬化若しくは固化させる(硬化固化工程)。
【0053】
第1成形材料4a及び第2成形材料4bが硬化若しくは固化した後、上型3を上方へ移動させる。続いて、横型2を下型1から取り外す。そして、硬化若しくは固化した第1成形材料及び第2成形材料が一体となった成形材料4を下型1から取り外す。最後に、型から取り外された成形材料4、すなわちピストンは、さらに切削加工によりピストン溝部等が形成される。
【0054】
(他の実施形態)
上記第4実施形態において、第1成形材料4a及び第2成形材料4bは、何れも円柱形状としたがこれに限られるものではない。例えば、図6に示すように、第1成形材料4aが第2成形材料4bに嵌合するような形状としてもよい。これにより、型の中へ挿入する前に予め両成形材料4を接着させる位置決めが容易となる。両成形材料4の接着位置によっては、摩擦熱を効果的に発生することができない場合が生ずるが、嵌合することによりこのような問題が生じない。
【0055】
また、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの嵌合は、圧入によるようにしてもよい。これにより、両成形材料4を接着しなくてもよい。なお、接着と圧入との両方によることで、より確実に第1成形材料4aと第2成形材料4bとが固定されることになる。
【0056】
また、嵌合部分の形状を円形以外の形状、例えば四角形等にしてもよい。これにより、第1成形材料4aと第2成形材料とを接着や圧入等により固定しなくても、確実に両者を固定することができる。もちろん、両者の位置決めもできる。なお、第1成形材料4a及び第2成形材料4bのうち嵌合部分以外の部分の形状は、円形であっても、円形でなくても何れであってもよい。
【0057】
また、第3実施形態及び第4実施形態において、第1成形材料4aと第2成形材料4bとの境界部分をピストンのトップリング溝部に位置するように成形材料4の量の割合を設定してもよい。例えば、第1成形材料4aとしてアルミニウムを主成分とする材料とし、第2成形材料として鉄を主成分とする材料とした場合、一般に、両金属の境界部分に形成される両金属の合金は強度が高い。そこで、強度の高い境界部分をトップリング溝部に位置させることにより、トップリング溝部に要求される耐摩耗性を満たすことができる。
【0058】
上記実施形態の他に、図7に示すように、下型21と横型22と上型23の周囲を断熱材25により被覆している。なお、下型21や横型22や上型23は、第1実施形態における下型1や横型2や上型3とほぼ同様のものである。また、ピストンの成形方法については、第1実施形態に示す成形方法と同様である。ここで、成形材料4と下型21との間に発生する摩擦熱により、成形材料4を軟化若しくは半溶融化している。すなわち、下型21及び横型22及び上型23の周囲に断熱材25を被覆することにより、発生した摩擦熱の温度の低下を抑制することができる。つまり、成形材料4を硬化若しくは固化させることなく、軟化若しくは半溶融化した状態を維持させることができる。その結果、確実に、下型21及び横型22及び上型23により形成されるキャビティ内に軟化若しくは半溶融化した成形材料を充填させることができることになる。すなわち、確実にピストンを成形することができる。また、発生させた熱エネルギーを効率的に利用することができるため、必要以上に摩擦熱を発生させることがなく、低コスト化を実現することができる。なお、第2実施形態における金型に対しても同様に断熱材を被覆することで上記と同様の効果を奏する。
【0059】
また、上記実施形態では、成形材料4の形状を中実形状としているが、これに限られるものではない。例えば、図8に示すように、ほぼ中心付近に貫通孔4cを形成するようにしてもよい。なお、図8は、成形材料4の断面図を示す。第1実施形態の場合には、上型3を回転させることにより、成形材料4と下型1との間に摩擦熱を発生させている。また、第2実施形態の場合には、上型13を回転させることにより、成形材料4と上型13との間に摩擦熱を発生させている。これらの場合におけて、成形材料4の回転中心付近では、速度が0若しくは非常に小さくなるため、摩擦熱の発生が困難となる。そこで、成形材料4の形状をほぼ中心付近に貫通孔4cを形成した形状とすることで、摩擦熱を確実に発生させることができるため、成形材料4を確実に軟化若しくは半溶融化させることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、ピストンの成形方法について説明したが、本発明により成形される構造部材は、これに限られるものではない。また、成形材料はアルミニウムを主成分とする合金に限られることなく、例えば、マグネシウム等の他の軽金属を主成分とする合金であってもよい。また、成形後の構造部材に熱処理を行う場合には、硬化固化工程を利用して行うようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明の構造部材の成形方法によれば、鋳造による成形方法でないため、鋳造欠陥が生じない。その結果、成形される構造部材をピストンとした場合には、鋳造欠陥の対策により生じていた質量増加や、フリクション増加、さらには燃費悪化を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図2】第2実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図3】第3実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図4】第3実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図5】第4実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図6】他の実施形態における部分構造部材材料を示す断面図である。
【図7】他の実施形態における構造部材の成形方法を示す図である。
【図8】他の実施形態のおける成形材料を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 ・・・ 下型(第2型)
1a ・・・ 円盤部
1b ・・・ 突設部
2、12、22 ・・・ 横型(第2型)
3、13、23 ・・・ 上型(第1型)
3a ・・・ 円盤部
3b ・・・ 軸部
4 ・・・ 成形材料(構造部材材料)
4a ・・・ 第1成形材料(部分構造部材材料)
4b ・・・ 第2成形材料(部分構造部材材料)
4c ・・・ 貫通孔
12a ・・・ 円筒部
12b ・・・ 内突部
13a ・・・ 柱部
13b ・・・ 軸部
Claims (14)
- 第1型と第2型との型合わせによる構造部材の成形方法であって、
前記第1型と前記第2型との間に構造部材材料を挿入する材料挿入工程と、
前記第1型及び前記第2型により前記構造部材材料に荷重を付加しつつ前記第1型を前記第2型に対して相対回転させて発生させた摩擦熱により前記構造部材材料を軟化若しくは半溶融化させる軟化半溶融化工程と、
前記軟化若しくは半溶融化した前記構造部材材料を硬化若しくは固化させて前記構造部材を成形する硬化固化工程と、
からなることを特徴とする構造部材の成形方法。 - 前記材料挿入工程、前記軟化半溶融化工程及び前記硬化固化工程を順次複数回繰り返すことを特徴とする請求項1記載の構造部材の成形方法。
- 各前記材料挿入工程にて挿入される前記構造部材材料は、それぞれ異なる材料からなる部分構造部材材料であることを特徴とする請求項2記載の構造部材の成形方法。
- 前記材料挿入工程にて挿入される前記構造部材材料は、複数の部分構造部材材料からなり、
複数の前記部分構造部材材料は、それぞれ異なる材料であって、前記第1型と前記第2型との間に複数層に重ねて挿入されることを特徴とする請求項1記載の構造部材の成形方法。 - 前記第1型と前記第2型との間に挿入される前記部分構造部材材料は、他の前記部分構造部材材料に嵌合させることを特徴とする請求項4記載の構造部材の成形方法。
- 前記部分構造部材材料の嵌合部分の形状は、円形でないことを特徴とする請求項5記載の構造部材の成形方法。
- 前記部分構造部材材料の嵌合は、圧入によることを特徴とする請求項5記載の構造部材の成形方法。
- 隣接する前記部分構造部材材料は、接着させることを特徴とする請求項4記載の構造部材の成形方法。
- 前記第1型及び前記第2型は、周囲を断熱材により被覆されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の構造部材の成形方法。
- 前記構造部材材料は、中心付近に貫通孔が形成された形状であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の構造部材の成形方法。
- 前記構造部材材料は、前記第1型及び前記第2型の軟化点より低い軟化点を有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の構造部材の成形方法。
- 前記構造部材は、内燃機関用ピストンであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の構造部材の成形方法。
- 前記部分構造部材材料と他の前記構造部材材料との境界部分は、前記内燃機関用ピストンのトップリング溝部に位置することを特徴とする請求項12記載の構造部材の成形方法。
- 前記部分構造部材材料は、アルミニウム又はマグネシウムを主成分とする材料であることを特徴とする請求項13記載の構造部材の成形方法。
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