JP2004121149A - 魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤 - Google Patents
魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】魚類の腸管内環境の改善即ち整腸効果から引き出される腸管細胞の抵抗力増強効果によって、魚類の成長を促進させたり、魚類に発生する痩せ病を防止若しくは予防する。
【解決手段】魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸の他に、更にフマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸の他に、更にフマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、養殖漁業において、養殖中の魚類の成長を促進させたり魚類に発生する痩せ病を防止することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤に関する。
【0002】
ここで、痩せ病とは、魚類が寄生虫病や他の原因等の何らかの原因により痩せて行く症状をいう。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
【0004】
【特許文献1】特開2001−342137号公報
【0005】
近年、漁業においては、海中に設置した生簀や陸上に設置した生簀等を用いて各種の魚類を稚魚から成魚まで飼育する養殖漁業が盛んに行われている。
【0006】
ところが、近年トラ河豚養殖場においては、痩せ病の1原因としての寄生虫病が猛威をふるっている。例えば、トラ河豚が粘液胞子虫や微胞子虫等の寄生虫に感染することによって、トラ河豚は通称コクシジウム症に罹っている。このコクシジウム症は寄生虫病の1種である。この場合、寄生虫はトラ河豚の腸管上皮に寄生し増殖する。細胞中で増殖を終えた寄生虫は、腸管上皮細胞を食い破って腸管外へ脱出するため、トラ河豚の腸管は全面に重傷を負い、体内の水分、塩類の流出を招くため、猛烈な脱水症状に見舞われ、非常に痩せて見えるため、通称痩せ病と呼ばれる厄介な病気である。この寄生虫病による養殖漁業に対する経済的被害も甚大なものとなるうえ、抗生物質等の特効薬がほとんどないため、生産者はその対応に苦慮しているのが現状である。
【0007】
このような問題点に対処するために、本出願人は前記特開2001−342137号公報において、養殖魚の痩せ病を防止することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を提案している。
【0008】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、更に新たに、魚類の腸管内環境の改善即ち整腸効果から引き出される腸管細胞の抵抗力増強効果によって、魚類の成長を促進させたり、魚類に発生する痩せ病を防止若しくは予防することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明者らは、養殖場において魚類の成長を促進させたり、魚類に発生する痩せ病を防止若しくは予防することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤について鋭意研究を続けてきた結果、クエン酸、酢酸および乳酸若しくはこれらにフマル酸およびギ酸のうち少なくとも一方を混入したものを養殖魚の1種に摂取させることにより、養殖魚の成長を促進させたり、養殖魚に発生する痩せ病を防止若しくは予防することを見い出し、本発明を完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明の魚類用成長促進剤は、クエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の魚類用抗痩せ病剤は、クエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする。
【0012】
これらの魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸の他に、更にフマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸や、これらとフマル酸およびギ酸の少なくとも一方との組み合わせとして用いることができる。
【0014】
本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を養殖魚の1種のトラ河豚に摂取させると、クエン酸、酢酸および乳酸の作用や、これらとフマル酸およびギ酸の少なくとも一方との相乗作用によって、トラ河豚の成長が促進されたり、トラ河豚による発症していた痩せ病が完治したり、健康なトラ河豚の痩せ病の発症が確実に抑制されるという効果が発揮される。
【0015】
【実施の形態】
本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする。また、これらの魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸の他に、更にフマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を養殖魚類に摂取させる形態としては、以下に記載のものを例示することができる。
【0017】
第1の形態としては、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を単独で養殖魚に摂餌させるものであり、この場合の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、ペレットもしくはペースト状とすることが好ましい。
【0018】
第2の形態としては、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤をマッシュ状の練り餌やモイストペレット状の市販の餌料に添加配合して養殖魚に摂餌させるものであり、この場合の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、液状もしくは粉状とすることが好ましい。
【0019】
第3の形態としては、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を、ドライペレット状の市販の餌料の表面に付着、吸着させ、もしくは打ち込みして、あるいはマッシュ状の練り餌に切り込みして養殖魚に摂餌させるものであり、この場合の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、液状または粉状とすることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】
以下の方法により、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤のトラ河豚に対する成長促進状況や痩せ病防止若しくは予防効果を調査した。
【0022】
2)評価方法
各試験区の中から、トラ河豚を8尾ずつランダムにサンプルし、
薄切切片における寄生虫の感染個数:平均寄生虫個体数/9mm2、
腸管の厚さ:直腸の平均壁厚さ(mm)、
排出の有無:寄生虫の外界への排出の有無、
体重:平均魚体重(g)、
所見:直腸の状態、
を1週間毎に確認した。
3)評価結果
前記各試験区における評価結果は表1に示す通りとなり、平均魚体重、寄生虫数および膜厚は図1、図2および図3の通りとなった。
【0023】
【表1】
【0024】
この表1、図1に示すように、本発明の魚類用成長促進剤の効果としては、平均魚体重によって判断されるが、本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下において(第三試験区、第四試験区、第五試験区)において平均体重が著しく回復しており、これに対しに対照試験区および酢酸のみ、もしくは、クエン酸+酢酸の試験区(第一試験区、第ニ試験区)においては体重が減り続ける対照的な結果となり、クエン酸+酢酸+乳酸の混合使用区における著しい効果が確認された。即ち、クエン酸+酢酸+乳酸の混合使用の場合(第三試験区、第四試験区、第五試験区)においては、魚体重が2週間後より他の試験区や対象区と有意差をもって大きく増加し、5週間後には他の試験区より100gも多くなっている。従って、本発明の魚類用成長促進剤によりトラ河豚が大きく成長促進されていることがわかる。この理由としては、クエン酸+酢酸+乳酸の混合物による魚類の腸管内環境の改善即ち整腸作用が発揮されて、効率的な栄養分の吸収がなされ、その結果として魚体重の増加として現れたものである。
【0025】
また、本発明の魚類用抗痩せ病剤については、表1および図2に示すように、本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下(第三試験区、第四試験区、第五試験区)においては、3週間ないし4週間目には寄生虫が全く検出されなくなり、寄生虫の外界への排出もされなくなった。これに対し、対照試験区および酢酸のみ、もしくは、クエン酸+酢酸の試験区(第一試験区、第ニ試験区)においては、寄生虫数に多少の上下はあるものの、原因寄生虫がいなくなることはなかった。
【0026】
更に、摘出した直腸の厚さについて説明すると、表1および図3に示すように、本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下において(第三試験区、第四試験区、第五試験区)において、2週間目から若干腸管壁厚が増加し始め、3週間目にはほぼ正常な腸管壁厚にもどった。これに対し、対象試験区および酢酸のみ、もしくは、クエン酸+酢酸の試験区(第一試験区、第ニ試験区)においては、腸管壁厚に多少の上下はあるものの、明瞭な回復を見せるものはなかった。このような本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下(第三試験区、第四試験区、第五試験区)における腸管壁厚の回復は、原因寄生虫の減少もしくは消滅とリンクしており、最後まで寄生虫の排出のあった1区2区は腸管壁厚の正常化もみられなかったため、腸管壁厚の正常化は回復の証と考えることができる。
【0027】
なお、本発明は前記各実施の形態並びに実施例に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤によれば、魚類の腸管内環境の改善即ち整腸効果から引き出される腸管細胞の抵抗力増強効果によって、魚類が痩せ病にかかっているいないに拘わらずに魚類の成長を促進させたり、痩せ病の発生を確実に防止若しくは予防するとともに、痩せ病による魚の死亡率を確実に低減することができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤と比較例とを用いた場合の平均魚体重の変化を示す線図
【図2】本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤と比較例とを用いた場合の寄生虫数の変化を示す線図
【図3】本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤と比較例とを用いた場合の膜厚の変化を示す線図
【発明の技術分野】
本発明は、養殖漁業において、養殖中の魚類の成長を促進させたり魚類に発生する痩せ病を防止することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤に関する。
【0002】
ここで、痩せ病とは、魚類が寄生虫病や他の原因等の何らかの原因により痩せて行く症状をいう。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
【0004】
【特許文献1】特開2001−342137号公報
【0005】
近年、漁業においては、海中に設置した生簀や陸上に設置した生簀等を用いて各種の魚類を稚魚から成魚まで飼育する養殖漁業が盛んに行われている。
【0006】
ところが、近年トラ河豚養殖場においては、痩せ病の1原因としての寄生虫病が猛威をふるっている。例えば、トラ河豚が粘液胞子虫や微胞子虫等の寄生虫に感染することによって、トラ河豚は通称コクシジウム症に罹っている。このコクシジウム症は寄生虫病の1種である。この場合、寄生虫はトラ河豚の腸管上皮に寄生し増殖する。細胞中で増殖を終えた寄生虫は、腸管上皮細胞を食い破って腸管外へ脱出するため、トラ河豚の腸管は全面に重傷を負い、体内の水分、塩類の流出を招くため、猛烈な脱水症状に見舞われ、非常に痩せて見えるため、通称痩せ病と呼ばれる厄介な病気である。この寄生虫病による養殖漁業に対する経済的被害も甚大なものとなるうえ、抗生物質等の特効薬がほとんどないため、生産者はその対応に苦慮しているのが現状である。
【0007】
このような問題点に対処するために、本出願人は前記特開2001−342137号公報において、養殖魚の痩せ病を防止することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を提案している。
【0008】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、更に新たに、魚類の腸管内環境の改善即ち整腸効果から引き出される腸管細胞の抵抗力増強効果によって、魚類の成長を促進させたり、魚類に発生する痩せ病を防止若しくは予防することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明者らは、養殖場において魚類の成長を促進させたり、魚類に発生する痩せ病を防止若しくは予防することのできる魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤について鋭意研究を続けてきた結果、クエン酸、酢酸および乳酸若しくはこれらにフマル酸およびギ酸のうち少なくとも一方を混入したものを養殖魚の1種に摂取させることにより、養殖魚の成長を促進させたり、養殖魚に発生する痩せ病を防止若しくは予防することを見い出し、本発明を完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明の魚類用成長促進剤は、クエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の魚類用抗痩せ病剤は、クエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする。
【0012】
これらの魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸の他に、更にフマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸や、これらとフマル酸およびギ酸の少なくとも一方との組み合わせとして用いることができる。
【0014】
本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を養殖魚の1種のトラ河豚に摂取させると、クエン酸、酢酸および乳酸の作用や、これらとフマル酸およびギ酸の少なくとも一方との相乗作用によって、トラ河豚の成長が促進されたり、トラ河豚による発症していた痩せ病が完治したり、健康なトラ河豚の痩せ病の発症が確実に抑制されるという効果が発揮される。
【0015】
【実施の形態】
本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする。また、これらの魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、それぞれクエン酸、酢酸および乳酸の他に、更にフマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を養殖魚類に摂取させる形態としては、以下に記載のものを例示することができる。
【0017】
第1の形態としては、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を単独で養殖魚に摂餌させるものであり、この場合の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、ペレットもしくはペースト状とすることが好ましい。
【0018】
第2の形態としては、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤をマッシュ状の練り餌やモイストペレット状の市販の餌料に添加配合して養殖魚に摂餌させるものであり、この場合の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、液状もしくは粉状とすることが好ましい。
【0019】
第3の形態としては、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤を、ドライペレット状の市販の餌料の表面に付着、吸着させ、もしくは打ち込みして、あるいはマッシュ状の練り餌に切り込みして養殖魚に摂餌させるものであり、この場合の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤は、液状または粉状とすることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】
以下の方法により、本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤のトラ河豚に対する成長促進状況や痩せ病防止若しくは予防効果を調査した。
【0022】
2)評価方法
各試験区の中から、トラ河豚を8尾ずつランダムにサンプルし、
薄切切片における寄生虫の感染個数:平均寄生虫個体数/9mm2、
腸管の厚さ:直腸の平均壁厚さ(mm)、
排出の有無:寄生虫の外界への排出の有無、
体重:平均魚体重(g)、
所見:直腸の状態、
を1週間毎に確認した。
3)評価結果
前記各試験区における評価結果は表1に示す通りとなり、平均魚体重、寄生虫数および膜厚は図1、図2および図3の通りとなった。
【0023】
【表1】
【0024】
この表1、図1に示すように、本発明の魚類用成長促進剤の効果としては、平均魚体重によって判断されるが、本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下において(第三試験区、第四試験区、第五試験区)において平均体重が著しく回復しており、これに対しに対照試験区および酢酸のみ、もしくは、クエン酸+酢酸の試験区(第一試験区、第ニ試験区)においては体重が減り続ける対照的な結果となり、クエン酸+酢酸+乳酸の混合使用区における著しい効果が確認された。即ち、クエン酸+酢酸+乳酸の混合使用の場合(第三試験区、第四試験区、第五試験区)においては、魚体重が2週間後より他の試験区や対象区と有意差をもって大きく増加し、5週間後には他の試験区より100gも多くなっている。従って、本発明の魚類用成長促進剤によりトラ河豚が大きく成長促進されていることがわかる。この理由としては、クエン酸+酢酸+乳酸の混合物による魚類の腸管内環境の改善即ち整腸作用が発揮されて、効率的な栄養分の吸収がなされ、その結果として魚体重の増加として現れたものである。
【0025】
また、本発明の魚類用抗痩せ病剤については、表1および図2に示すように、本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下(第三試験区、第四試験区、第五試験区)においては、3週間ないし4週間目には寄生虫が全く検出されなくなり、寄生虫の外界への排出もされなくなった。これに対し、対照試験区および酢酸のみ、もしくは、クエン酸+酢酸の試験区(第一試験区、第ニ試験区)においては、寄生虫数に多少の上下はあるものの、原因寄生虫がいなくなることはなかった。
【0026】
更に、摘出した直腸の厚さについて説明すると、表1および図3に示すように、本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下において(第三試験区、第四試験区、第五試験区)において、2週間目から若干腸管壁厚が増加し始め、3週間目にはほぼ正常な腸管壁厚にもどった。これに対し、対象試験区および酢酸のみ、もしくは、クエン酸+酢酸の試験区(第一試験区、第ニ試験区)においては、腸管壁厚に多少の上下はあるものの、明瞭な回復を見せるものはなかった。このような本発明に基づくクエン酸+酢酸+乳酸の混合使用下(第三試験区、第四試験区、第五試験区)における腸管壁厚の回復は、原因寄生虫の減少もしくは消滅とリンクしており、最後まで寄生虫の排出のあった1区2区は腸管壁厚の正常化もみられなかったため、腸管壁厚の正常化は回復の証と考えることができる。
【0027】
なお、本発明は前記各実施の形態並びに実施例に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤によれば、魚類の腸管内環境の改善即ち整腸効果から引き出される腸管細胞の抵抗力増強効果によって、魚類が痩せ病にかかっているいないに拘わらずに魚類の成長を促進させたり、痩せ病の発生を確実に防止若しくは予防するとともに、痩せ病による魚の死亡率を確実に低減することができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤と比較例とを用いた場合の平均魚体重の変化を示す線図
【図2】本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤と比較例とを用いた場合の寄生虫数の変化を示す線図
【図3】本発明の魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤と比較例とを用いた場合の膜厚の変化を示す線図
Claims (4)
- クエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする魚類用成長促進剤。
- フマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1に記載の魚類用成長促進剤。
- クエン酸、酢酸および乳酸を有することを特徴とする魚類用抗痩せ病剤。
- フマル酸およびギ酸の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項3に記載の魚類用抗痩せ病剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002292826A JP2004121149A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002292826A JP2004121149A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004121149A true JP2004121149A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32283966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002292826A Pending JP2004121149A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 魚類用成長促進剤および魚類用抗痩せ病剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004121149A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021528078A (ja) * | 2018-06-22 | 2021-10-21 | ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエアBasf Se | 動物用組成物及びその使用 |
-
2002
- 2002-10-04 JP JP2002292826A patent/JP2004121149A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021528078A (ja) * | 2018-06-22 | 2021-10-21 | ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエアBasf Se | 動物用組成物及びその使用 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050905 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070821 |
|
A02 | Decision of refusal |
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