JP2004119506A - ハイブリッド集積モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】ギガbit/s級の高速動作を簡易な構成で実現し、製造工程を短縮し製造コストを低減できるハイブリッド集積モジュールを提供する。
【解決手段】筐体蓋1bに複数ある凸部10は電気的に共通化されている。集積基板4上の分割されたグランド配線5cと、凸部10がそれぞれ接続される。筐体蓋1b側で、集積基板4上の電気信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと接する凸部10にはコプレーナ線路11aを形成している。この凸部10により、集積基板4上に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと筐体1a側に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)8aとの間を、インピーダンスを整合させた状態で電気的に接続が可能となる。凸部表面にインピーダンス整合した高周波線路(ここでは、コプレーナ線路11a)で結合することにより電気的な特性改善が望める。
【選択図】 図7
【解決手段】筐体蓋1bに複数ある凸部10は電気的に共通化されている。集積基板4上の分割されたグランド配線5cと、凸部10がそれぞれ接続される。筐体蓋1b側で、集積基板4上の電気信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと接する凸部10にはコプレーナ線路11aを形成している。この凸部10により、集積基板4上に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと筐体1a側に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)8aとの間を、インピーダンスを整合させた状態で電気的に接続が可能となる。凸部表面にインピーダンス整合した高周波線路(ここでは、コプレーナ線路11a)で結合することにより電気的な特性改善が望める。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を用いた集積化部品であって、特に電気的な特性改善を図り、その製造を容易にする構造を有するハイブリッド集積モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に示すように、LSI(large−scale integration)やIC(integrated circuits)をはじめとする半導体素子3は、電気入出力を取るための電気配線5a〜5cを有した集積基板4上に実装され、これを外部との入出力端子2を有する筐体1aに固定し、さらに筐体蓋1bで封止して保護している。通常LSIなどの半導体素子3を駆動するためには、複数の信号配線5a、電源配線5bやグランド配線5cを必要とする。そのため、これら電気配線5a〜5cを同一の集積基板4上で展開しているため、普通信号配線5aを挟んで電源配線5bやグランド配線5cが分割された電気配線レイアウトとなっている。
【0003】
尚、本明細書の各図においては、筐体の側面に切り欠きがあるように表されているが、これは電極の取り出しを理解しやすくするために図上便宜的に表したものであり、実際にはこのような切り欠きはなく、蓋をすれば筐体は密封されている。
【0004】
さらに近年においては、図2に示すように同一集積基板上に複数個の半導体素子3を実装することで、多チャンネル化を図りかつ小型化高機能化を目指したハイブリッド集積モジュールの開発が活発に進められている。しかしこの図が示すように、複数個の半導体素子3を、同一の集積基板上4に実装すると、より集積基板上のグランド配線5cが細かく分割された電気配線レイアウトとなってくる。このようにグランドが細分割されて電源が供給される電源配線5bでは、グランド電位が揺らぎやすくなるため電気的な特性劣化を引き起こす原因となる。特に、ギガbit/s級の高速動作を達成するためには、この影響を受けやすい。
【0005】
そこで、実装した半導体素子3を安定に動作させるために、電源またはグランドを共通化して電位の安定化を図る必要がある。そのために通常は、図1または図2に示すように、電気配線を有する基板上において分割された電極間を複数のボンディングワイヤ6により相互接続したり、あるいは集積基板自体を多層化することによりグランドの共通化を図っている。さらに、集積基板4と外部との入出力端子2を有する筐体1との電気的接続もボンディングワイヤ6により接続している。
【0006】
さらに図3は、近年開発が進められている光モジュールの一例を挙げたものである。本ハイブリッド光モジュールでは、集積基板4として機能する石英系光導波路(Planar lightwave circuit:PLC)7と電気配線5a、5cを有するPLCプラットフォーム4a上に、半導体素子3として半導体レーザ3aを複数個フリップチップ実装した多チャンネル光送信モジュールの形態を示している。PLC部分には、光合波器(AWG;arrayed waveguide grating)を形成しており、合波された光信号は光ファイバ12により取り出される(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
本モジュールでは、同一PLCプラットフォーム4a上に複数個実装した半導体レーザ3aを駆動するための電気信号配線によって、PLCプラットフォーム上のグランド電極5cは分割されたレイアウトになっている。分割されたグランド配線5cは、前述したように電位の揺らぎを誘起しやすく、このことは搭載した半導体レーザ3aの動作特性を劣化させる要因となる。
【0008】
そこで本光モジュールでは、分割されたグランド電極5c相互を信号配線5aを跨いでボンディングワイヤ6により接続することで、分割されたグランド5cを電気的に共通化して、モジュール動作の安定化を図っている。最後に、これら複数個の半導体レーザ3aを実装したPLCプラットフォーム4aは、外部との入出力端子2を有する筐体1aに入れられ、筐体蓋1bを被せて封止される。この時、PLCプラットフォーム4a側のグランド電極5cと信号配線5aは、それぞれに対応する筐体1a側のグランド電極8cと信号配線8aとの間でボンディングワイヤ6によって、電気的に接続される。
【0009】
【非特許文献1】
大山貴晴、山田貴、赤堀裕二、笠原亮一、亀井新、石井元速、中村誠、大橋弘美、山越公洋、”PLCハイブリッド集積技術を用いた8ch×2.5Gbit/s多波長送信・受信ボード”、2002年電子情報通信学会総合大会C−3−43
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のハイブリッド集積モジュールでは、半導体素子を高速で安定に動作させるために、いかに電気回路的な安定性を確保すべきかといった課題があった。
【0011】
そのためには、集積基板上に回路レイアウト上どうしても分割されて形成されてしまうグランド配線や電源配線については、いったん集積基板上で、共通にするグランド電極間あるいは電源配線間をワイヤボンディングにより結線しなければならないという、煩雑な工程を必要としていた。もしくは、集積基板を多層化して、これらグランド配線や電源配線を共通化するといった方法も取られているが、集積基板の多層化は、作製工程をより複雑にし強いては製造コストを上げる要因となっていた。
【0012】
さらに、近年の要求されるモジュールの高速化に伴い、実装基板上の電気配線においてもギガbit/s級の高周波電気信号の伝送が要求されるようになってきている。そのための信号配線として、特性インピーダンスを整合させたコプレーナ線路やマイクロストリップ線路といった高周波伝送線路が通常用いられている。しかし、集積基板端まで引き出された高周波伝送線路と筐体上に形成された高周波伝送線路間の電気接続には、ワイヤボンディングによる接続を用いるため、インピーダンス不整合や、ボンディングワイヤによる不要な寄生インダクタンスを生じ、ギガbit/s級の高周波電気信号の伝送を困難にするといった問題が顕在化するようになってきた。
【0013】
またギガbit/s級高速動作を安定に行なうためには、高周波信号が筐体の中で共振現象を起こさない大きさ以下で、パッケージングすることが重要である。しかし、ギガbit/s級の高速動作になると、その共振長は1cm以下のオーダーとなってくるため、できるだけ半導体素子そのものの大きさで遮蔽できることが望ましい。しかし、ギガbit/s級の高周波電気信号を取り出すために通常使用されている電気コネクタの大きさに制限があるため、筐体自身の大きさが共振長よりも大きくなるといった問題があった。
【0014】
さらに、このようなギガbit/s級の高周波帯域を確保しながら、同一集積基板上で多チャンネル化を実現するためには、集積基板上に配置した複数の信号配線間で生じる電気クロストークを抑制しなければならないといった問題も顕在化してきた。
【0015】
以上述べていたように、ハイブリッド集積モジュールのギガbit/s級の高速動作を実現するためには、いかに電気回路的に安定なグランドまたは電源を確保し、共振や電気クロストークを抑制するかということが解決しようとする課題である。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ギガbit/s級の高速動作を簡易な構成で実現し、かつ製造工程を短縮し、製造コストを低減できるハイブリッド集積モジュールを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のハイブリッド集積モジュールは、電気配線を有する集積基板と、該集積基板を保護する筐体とを備え、前記集積基板上の電気配線と対向する側の前記筐体の内側に凸部が形成されおり、該凸部は、前記集積基板上の電気配線と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
ここで、前記凸部に、電気配線としてコプレーナ線路もしくはマイクロストリップ線路を用いたことを特徴とすることができる。
【0019】
また、分割された電気配線を有する前記集積基板上と、前記筐体の内側で電気的に共通化している凸部とを、電気的に接続することで、前記集積基板上の分割された電気配線を電気的に共通化したことを特徴とすることができる。
【0020】
また、前記集積基板上に形成した第1の電気配線と、前記集積基板を固定した側の筐体に形成した第2の電気配線とを、前記筐体の内側の凸部上に形成した第3の電気配線により電気的に接続したことを特徴とすることができる。
【0021】
また、前記集積基板が電気信号配線を有し、該電気信号配線を前記筐体の内側の凸部により遮蔽したことを特徴とすることができる。
【0022】
また、前記集積基板は平面光波回路であることを特徴とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付し、説明の重複は省略する。
[第1の実施形態]
図4に、本発明の第1の実施形態を示す。筐体1は、中に収められた集積基板4と半導体素子3を保護するものであり、集積基板4を固定した筐体1aと、その筐体蓋1bからなる。集積基板4上には半導体素子3が実装され、その表面には半導体素子3と接続された電気配線5a〜cが形成されている。電気配線5a〜cには、実装された半導体素子3を駆動するための多数の電源配線5b、グランド配線5cや信号配線5aがある。
【0024】
本実施形態では、半導体素子3としてモニタ電極を有したLSI3を使用した場合を示している。モニタ電極の類は、半導体素子本来の動作に影響を及ぼさないよう使用するものであるから、集積基板4上に引き出されるモニタ用配線9を展開することで電位揺らぎの原因となるグランド配線等の分割は避けたい。そこで、モニタ用配線9を、筐体蓋1bの凸部10に沿って形成し、筐体蓋1b内壁に形成した電気配線11により筐体外部に電極を取り出すことで、集積基板4上におけるグランド配線の細分割を回避することができる。凸部10の高さは、集積基板4と接するように設計しているので、筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで電気的接続の確保が可能である。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0025】
このように、凸部10を介して上部に電気配線11を取り出すことで、従来集積基板4上の高周波動作に配慮した電気回路の設計レイアウトを簡易にすることが可能となる。さらに、配線の途中から、凸部に形成した電気配線を介して筐体外部に電気配線を取り出すことができるようになるため、電気配線設計の自由度を増すことができるようになった。
【0026】
また、凸部10に形成する配線は、必要となれば高周波用信号線路(たとえばコプレーナ線路やマイクロストリップ線路)であってもよいし、電源配線であってもよく、配線構成は本実施形態で取り上げた配線だけに制限されるものではない。
【0027】
[第2の実施形態]
図5に、本発明の第2の実施形態を示す。筐体蓋1bに複数ある凸部10は電気的に共通化されている。集積基板4上に配されたグランド配線5cは、電源配線5bや信号配線5aの引き回しにより、グランドが分割されている。グランド電極5cの分割は、前述しているとおり、電源電圧やグランド電位の揺らぎの原因となり、実装されている半導体素子3の安定動作を妨げる原因となる。そこで、集積基板4上の分割されたグランド配線5cと、凸部10がそれぞれ接続されることで、グランド配線の共通化を図ることが可能となり、実装された半導体素子の安定な動作を確保することができるようになる。
【0028】
また、複数ある凸部10において共通化され、集積基板4上で接続されるのは分割されたグランド電極に限るものではない。例えば、同電位の電源供給が集積基板4上で分割された電源配線5bで必要な場合、これら電源配線を共通化する場合にも同構造の応用が可能である。さらに、分割されたグランド電極と、分割された電源が集積基板4上に混在していても、複数ある凸部10のなかで、それぞれグランド用と電源用とに共通化することは可能である。
【0029】
本実施形態により、集積基板4上の分断された電気配線の共通化を、凸部10を有する筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで達成できるようになる。そのため、第1の実施形態の図4で示したように、従来集積基板4上で必要とされる、分断されたグランド5c間のボンディングワイヤ6による複数の結線を無くすことができる。すなわち、ボンディング工程を省略することができるようになるため、製造コストを大幅に削減することができるようになる。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0030】
さらに、図6に示すように、集積基板4上に実装される半導体素子3が複数個になり、そのため集積基板4上のグランド5cがいっそう細分割された場合でも、本実施形態によりグランド電極の共通化は可能である。よって、複数の半導体素子実装による小型化高機能化または多チャンネル化にも対応することが可能である。
【0031】
[第3の実施形態]
図7に、本発明の第3の実施形態を示す。主要な構成は、第2の実施形態に同じであるが、筐体蓋1b側で、集積基板4上の電気信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと接する凸部10にはコプレーナ線路11aを形成している。この凸部10により、集積基板4上に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと筐体1a側に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)8aとの間を、インピーダンスを整合させた状態で電気的に接続が可能となる。すなわち、従来では集積基板4と筐体1a間の信号配線の接続には、例えば従来技術の図1に示すように、ボンディングワイヤ6により接続していたために、寄生インダクタンスを生じやすく、結果インピーダンス不整合を引き起こすため、ギガbit/s級高速動作を困難にしていた。しかし本実施形態で示すように、凸部表面にインピーダンス整合した高周波線路(ここでは、コプレーナ線路11a)で結合することにより電気的な特性改善が望める。
【0032】
同様に、凸部10に形成するには、高周波用信号配線に限るものではない。同じ図7に示すように、集積基板4上の電源配線5bあるいはグランド配線5cと、それに対応する筐体1a側電気配線8a〜8cとそれぞれが接するように筐体蓋1bに凸部10を形成することで、集積基板4と筐体1a間の電気的接続は、筐体蓋1bを筐体1aに単に被せて密閉するだけで、凸部10上の電気配線11a〜11cを介して電気的接続が達成できる。よって、従来必要であった集積基板と筐体間のボンディングワイヤ6による接続工程をなくすことができるようになる。すなわち、第2の実施形態の図5と比して、ボンディングワイヤ6をなくすことができるので、製造コストを大幅に削減することができるようになる。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0033】
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態を示す。主要な構成は、第3の実施形態に同じであるが、筐体凸部10によって、半導体素子3と集積基板4上のそれぞれの電気信号配線5aが遮蔽された構成を有している。筐体1aおよび筐体蓋1bおよび集積基板4上の電気信号配線として、コプレーナ線路を採用した例を示している。このように、半導体素子3を、凸部10によって遮蔽することにより、筐体1よりも狭い空間、すなわち共振長以下の遮蔽を容易に実現することが可能となり安定な動作が可能となる。
【0034】
また、各チャンネルのコプレーナ配線の信号線5aを集積基板のグランド5cと凸部10で遮蔽することで、他のチャンネルからの電気クロストークを抑圧することが可能となる。さらに、集積基板端部に引き出されたコプレーナ線路5aと筐体1a上のコプレーナ線路8aとの間の電気接続については、第3の実施形態に示した接続形態を採用することにより、信号線路を筐体1aまで遮蔽することが可能となり、一層チャンネル間電気クロストークを低減することが可能となる。この構成は、特に多チャンネル化したときに有効である。
【0035】
さらに、通常発熱が激しい半導体素子LSI3において、その周辺において凸部10により接続を有していることから、筐体1b側にも放熱することが可能になるという特徴も有することができるようになる。
【0036】
本実施形態により、半導体素子3の筐体1への集積を、凸部10を有する筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで達成できるようになる。そのため、従来ギガbit/s級高速動作を困難にしていた共振の問題や多数の信号配線間もしくは多チャンネル化で問題となっていたチャンネル間の電気クロストークをより低減することが可能となると共に、放熱特性も改善することが可能となる。さらに、ボンディング工程を一切省略することができるようになるため、ギガbit/s級高速モジュールの製造コストを大幅に削減することができるようになる。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0037】
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態を示す光モジュールを構成する一例である。本実施形態では、集積基板に石英系平面光波回路(PLC)7を用いており、光合波器(AWG)を有するPLCプラットフォーム4a上には、半導体レーザ3aが複数個、個別に実装してある。AWGで合波された光信号は、光ファイバ12により取り出される。半導体レーザ3aからは、コプレーナ線路により信号配線5aを取り出している。筐体蓋1bの凸部10に形成した凹部によって、半導体レーザ3aとそれぞれのコプレーナ線路5aを遮蔽した構成をしている。このように第4の実施形態と同様に、半導体レーザ3aごとに遮蔽することで共振を抑え、またPLC上のコプレーナ線路による信号配線5aをPLCプラットフォーム4aのグランド5cと凸部10で遮蔽することで、他のチャンネルからの電気クロストークを抑圧することが光モジュールでも可能となる。さらに、本光モジュールにおいても、PLCプラットフォーム4a端部に引き出されたコプレーナ線路5aと筐体1a上のコプレーナ線路8aとの間の電気接続については、第3の実施形態に示した接続形態のように、凸部10にコプレーナ線路11aを形成することにより、ボンディングワイヤをなくすことが可能である。さらに、通常発熱が激しい半導体レーザ3aにおいて、その周辺において凸部10で接続部を有していることから、筐体1b側にも放熱することが可能になるという特徴も有することができるようになる。本実施形態において、使用される集積基板4は、石英系PLCに限定されるものではなく、たとえばポリマー系PLCであってもよいし、光ファイバを実装したV溝付基板でもよい。また光半導体素子3aについても半導体レーザに限定されるものではなく、たとえばフォトダイオードでもよいし半導体光増幅器でもよい。すなわち、実施の形態に限定されるものではない。
【0038】
本実施形態により、光半導体素子3aの筐体1への集積を、凸部を有する筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで達成できるようになる。そのため、従来ギガbit/s級高速動作を困難にしていた共振の問題や、光素子の多チャンネル化で問題となっていたチャンネル間電気クロストークを極力低減でき、且つ、放熱特性も改善できる光モジュールを提供することが可能となった。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0039】
さらに、完全にボンディング工程を省略することができるようになるため、多チャンネル半導体素子のギガbit/s級高速モジュールの製造コストを大幅に削減することができるようになる。
【0040】
以上本発明の実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはもちろんである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハイブリッド集積モジュールのギガbit/s級高速動作を安定にするためのパッケージを簡易な構成で、容易に提供することができる。特に筐体内側に電気的接続を取るための凸部を設けることで、パッケージ化するだけで自動的に電気回路的に安定な構造を実現することが可能となる。さらにボンディングワイヤをなくすことができるため、ハイブリッド集積モジュールの製造工程の大幅な短縮と製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体素子を集積した従来のハイブリッド集積モジュールの例の図である。
【図2】複数の半導体素子を集積した従来のハイブリッド集積モジュールの例の図である。
【図3】光素子を集積した従来のハイブリッド集積光モジュールの図である。
【図4】第1の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図5】第2の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図6】第2の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図7】第3の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図8】第4の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図9】第5の実施形態を示すハイブリッド集積光モジュールの図である。
【符号の説明】
1 筐体
1a 筐体
1b 筐体蓋
2 電気入出力端子
3 半導体素子
3a 光半導体素子(半導体レーザ等)
4 集積基板
4a PLCプラットフォーム
5 (集積基板4上の)電気配線
5a (集積基板4上の)信号配線
5b (集積基板4上の)電源配線
5c (集積基板4上の)グランド配線
6 ボンディングワイヤ
7 平面光波回路(PLC)
8 (筐体1a側の)電気配線
8a (筐体1a側の)信号配線
8b (筐体1a側の)電源配線
8c (筐体1a側の)グランド配線
9 (モニタ用)配線
10 (筐体蓋1bの)凸部
11 (筐体蓋1bの)電気配線
11a (筐体蓋1bの)信号配線
11b (筐体蓋1bの)電源配線
11c (筐体蓋1bの)グランド配線
12 光ファイバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を用いた集積化部品であって、特に電気的な特性改善を図り、その製造を容易にする構造を有するハイブリッド集積モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に示すように、LSI(large−scale integration)やIC(integrated circuits)をはじめとする半導体素子3は、電気入出力を取るための電気配線5a〜5cを有した集積基板4上に実装され、これを外部との入出力端子2を有する筐体1aに固定し、さらに筐体蓋1bで封止して保護している。通常LSIなどの半導体素子3を駆動するためには、複数の信号配線5a、電源配線5bやグランド配線5cを必要とする。そのため、これら電気配線5a〜5cを同一の集積基板4上で展開しているため、普通信号配線5aを挟んで電源配線5bやグランド配線5cが分割された電気配線レイアウトとなっている。
【0003】
尚、本明細書の各図においては、筐体の側面に切り欠きがあるように表されているが、これは電極の取り出しを理解しやすくするために図上便宜的に表したものであり、実際にはこのような切り欠きはなく、蓋をすれば筐体は密封されている。
【0004】
さらに近年においては、図2に示すように同一集積基板上に複数個の半導体素子3を実装することで、多チャンネル化を図りかつ小型化高機能化を目指したハイブリッド集積モジュールの開発が活発に進められている。しかしこの図が示すように、複数個の半導体素子3を、同一の集積基板上4に実装すると、より集積基板上のグランド配線5cが細かく分割された電気配線レイアウトとなってくる。このようにグランドが細分割されて電源が供給される電源配線5bでは、グランド電位が揺らぎやすくなるため電気的な特性劣化を引き起こす原因となる。特に、ギガbit/s級の高速動作を達成するためには、この影響を受けやすい。
【0005】
そこで、実装した半導体素子3を安定に動作させるために、電源またはグランドを共通化して電位の安定化を図る必要がある。そのために通常は、図1または図2に示すように、電気配線を有する基板上において分割された電極間を複数のボンディングワイヤ6により相互接続したり、あるいは集積基板自体を多層化することによりグランドの共通化を図っている。さらに、集積基板4と外部との入出力端子2を有する筐体1との電気的接続もボンディングワイヤ6により接続している。
【0006】
さらに図3は、近年開発が進められている光モジュールの一例を挙げたものである。本ハイブリッド光モジュールでは、集積基板4として機能する石英系光導波路(Planar lightwave circuit:PLC)7と電気配線5a、5cを有するPLCプラットフォーム4a上に、半導体素子3として半導体レーザ3aを複数個フリップチップ実装した多チャンネル光送信モジュールの形態を示している。PLC部分には、光合波器(AWG;arrayed waveguide grating)を形成しており、合波された光信号は光ファイバ12により取り出される(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
本モジュールでは、同一PLCプラットフォーム4a上に複数個実装した半導体レーザ3aを駆動するための電気信号配線によって、PLCプラットフォーム上のグランド電極5cは分割されたレイアウトになっている。分割されたグランド配線5cは、前述したように電位の揺らぎを誘起しやすく、このことは搭載した半導体レーザ3aの動作特性を劣化させる要因となる。
【0008】
そこで本光モジュールでは、分割されたグランド電極5c相互を信号配線5aを跨いでボンディングワイヤ6により接続することで、分割されたグランド5cを電気的に共通化して、モジュール動作の安定化を図っている。最後に、これら複数個の半導体レーザ3aを実装したPLCプラットフォーム4aは、外部との入出力端子2を有する筐体1aに入れられ、筐体蓋1bを被せて封止される。この時、PLCプラットフォーム4a側のグランド電極5cと信号配線5aは、それぞれに対応する筐体1a側のグランド電極8cと信号配線8aとの間でボンディングワイヤ6によって、電気的に接続される。
【0009】
【非特許文献1】
大山貴晴、山田貴、赤堀裕二、笠原亮一、亀井新、石井元速、中村誠、大橋弘美、山越公洋、”PLCハイブリッド集積技術を用いた8ch×2.5Gbit/s多波長送信・受信ボード”、2002年電子情報通信学会総合大会C−3−43
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のハイブリッド集積モジュールでは、半導体素子を高速で安定に動作させるために、いかに電気回路的な安定性を確保すべきかといった課題があった。
【0011】
そのためには、集積基板上に回路レイアウト上どうしても分割されて形成されてしまうグランド配線や電源配線については、いったん集積基板上で、共通にするグランド電極間あるいは電源配線間をワイヤボンディングにより結線しなければならないという、煩雑な工程を必要としていた。もしくは、集積基板を多層化して、これらグランド配線や電源配線を共通化するといった方法も取られているが、集積基板の多層化は、作製工程をより複雑にし強いては製造コストを上げる要因となっていた。
【0012】
さらに、近年の要求されるモジュールの高速化に伴い、実装基板上の電気配線においてもギガbit/s級の高周波電気信号の伝送が要求されるようになってきている。そのための信号配線として、特性インピーダンスを整合させたコプレーナ線路やマイクロストリップ線路といった高周波伝送線路が通常用いられている。しかし、集積基板端まで引き出された高周波伝送線路と筐体上に形成された高周波伝送線路間の電気接続には、ワイヤボンディングによる接続を用いるため、インピーダンス不整合や、ボンディングワイヤによる不要な寄生インダクタンスを生じ、ギガbit/s級の高周波電気信号の伝送を困難にするといった問題が顕在化するようになってきた。
【0013】
またギガbit/s級高速動作を安定に行なうためには、高周波信号が筐体の中で共振現象を起こさない大きさ以下で、パッケージングすることが重要である。しかし、ギガbit/s級の高速動作になると、その共振長は1cm以下のオーダーとなってくるため、できるだけ半導体素子そのものの大きさで遮蔽できることが望ましい。しかし、ギガbit/s級の高周波電気信号を取り出すために通常使用されている電気コネクタの大きさに制限があるため、筐体自身の大きさが共振長よりも大きくなるといった問題があった。
【0014】
さらに、このようなギガbit/s級の高周波帯域を確保しながら、同一集積基板上で多チャンネル化を実現するためには、集積基板上に配置した複数の信号配線間で生じる電気クロストークを抑制しなければならないといった問題も顕在化してきた。
【0015】
以上述べていたように、ハイブリッド集積モジュールのギガbit/s級の高速動作を実現するためには、いかに電気回路的に安定なグランドまたは電源を確保し、共振や電気クロストークを抑制するかということが解決しようとする課題である。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ギガbit/s級の高速動作を簡易な構成で実現し、かつ製造工程を短縮し、製造コストを低減できるハイブリッド集積モジュールを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のハイブリッド集積モジュールは、電気配線を有する集積基板と、該集積基板を保護する筐体とを備え、前記集積基板上の電気配線と対向する側の前記筐体の内側に凸部が形成されおり、該凸部は、前記集積基板上の電気配線と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
ここで、前記凸部に、電気配線としてコプレーナ線路もしくはマイクロストリップ線路を用いたことを特徴とすることができる。
【0019】
また、分割された電気配線を有する前記集積基板上と、前記筐体の内側で電気的に共通化している凸部とを、電気的に接続することで、前記集積基板上の分割された電気配線を電気的に共通化したことを特徴とすることができる。
【0020】
また、前記集積基板上に形成した第1の電気配線と、前記集積基板を固定した側の筐体に形成した第2の電気配線とを、前記筐体の内側の凸部上に形成した第3の電気配線により電気的に接続したことを特徴とすることができる。
【0021】
また、前記集積基板が電気信号配線を有し、該電気信号配線を前記筐体の内側の凸部により遮蔽したことを特徴とすることができる。
【0022】
また、前記集積基板は平面光波回路であることを特徴とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付し、説明の重複は省略する。
[第1の実施形態]
図4に、本発明の第1の実施形態を示す。筐体1は、中に収められた集積基板4と半導体素子3を保護するものであり、集積基板4を固定した筐体1aと、その筐体蓋1bからなる。集積基板4上には半導体素子3が実装され、その表面には半導体素子3と接続された電気配線5a〜cが形成されている。電気配線5a〜cには、実装された半導体素子3を駆動するための多数の電源配線5b、グランド配線5cや信号配線5aがある。
【0024】
本実施形態では、半導体素子3としてモニタ電極を有したLSI3を使用した場合を示している。モニタ電極の類は、半導体素子本来の動作に影響を及ぼさないよう使用するものであるから、集積基板4上に引き出されるモニタ用配線9を展開することで電位揺らぎの原因となるグランド配線等の分割は避けたい。そこで、モニタ用配線9を、筐体蓋1bの凸部10に沿って形成し、筐体蓋1b内壁に形成した電気配線11により筐体外部に電極を取り出すことで、集積基板4上におけるグランド配線の細分割を回避することができる。凸部10の高さは、集積基板4と接するように設計しているので、筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで電気的接続の確保が可能である。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0025】
このように、凸部10を介して上部に電気配線11を取り出すことで、従来集積基板4上の高周波動作に配慮した電気回路の設計レイアウトを簡易にすることが可能となる。さらに、配線の途中から、凸部に形成した電気配線を介して筐体外部に電気配線を取り出すことができるようになるため、電気配線設計の自由度を増すことができるようになった。
【0026】
また、凸部10に形成する配線は、必要となれば高周波用信号線路(たとえばコプレーナ線路やマイクロストリップ線路)であってもよいし、電源配線であってもよく、配線構成は本実施形態で取り上げた配線だけに制限されるものではない。
【0027】
[第2の実施形態]
図5に、本発明の第2の実施形態を示す。筐体蓋1bに複数ある凸部10は電気的に共通化されている。集積基板4上に配されたグランド配線5cは、電源配線5bや信号配線5aの引き回しにより、グランドが分割されている。グランド電極5cの分割は、前述しているとおり、電源電圧やグランド電位の揺らぎの原因となり、実装されている半導体素子3の安定動作を妨げる原因となる。そこで、集積基板4上の分割されたグランド配線5cと、凸部10がそれぞれ接続されることで、グランド配線の共通化を図ることが可能となり、実装された半導体素子の安定な動作を確保することができるようになる。
【0028】
また、複数ある凸部10において共通化され、集積基板4上で接続されるのは分割されたグランド電極に限るものではない。例えば、同電位の電源供給が集積基板4上で分割された電源配線5bで必要な場合、これら電源配線を共通化する場合にも同構造の応用が可能である。さらに、分割されたグランド電極と、分割された電源が集積基板4上に混在していても、複数ある凸部10のなかで、それぞれグランド用と電源用とに共通化することは可能である。
【0029】
本実施形態により、集積基板4上の分断された電気配線の共通化を、凸部10を有する筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで達成できるようになる。そのため、第1の実施形態の図4で示したように、従来集積基板4上で必要とされる、分断されたグランド5c間のボンディングワイヤ6による複数の結線を無くすことができる。すなわち、ボンディング工程を省略することができるようになるため、製造コストを大幅に削減することができるようになる。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0030】
さらに、図6に示すように、集積基板4上に実装される半導体素子3が複数個になり、そのため集積基板4上のグランド5cがいっそう細分割された場合でも、本実施形態によりグランド電極の共通化は可能である。よって、複数の半導体素子実装による小型化高機能化または多チャンネル化にも対応することが可能である。
【0031】
[第3の実施形態]
図7に、本発明の第3の実施形態を示す。主要な構成は、第2の実施形態に同じであるが、筐体蓋1b側で、集積基板4上の電気信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと接する凸部10にはコプレーナ線路11aを形成している。この凸部10により、集積基板4上に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)5aと筐体1a側に形成された信号配線(ここでは、コプレーナ線路)8aとの間を、インピーダンスを整合させた状態で電気的に接続が可能となる。すなわち、従来では集積基板4と筐体1a間の信号配線の接続には、例えば従来技術の図1に示すように、ボンディングワイヤ6により接続していたために、寄生インダクタンスを生じやすく、結果インピーダンス不整合を引き起こすため、ギガbit/s級高速動作を困難にしていた。しかし本実施形態で示すように、凸部表面にインピーダンス整合した高周波線路(ここでは、コプレーナ線路11a)で結合することにより電気的な特性改善が望める。
【0032】
同様に、凸部10に形成するには、高周波用信号配線に限るものではない。同じ図7に示すように、集積基板4上の電源配線5bあるいはグランド配線5cと、それに対応する筐体1a側電気配線8a〜8cとそれぞれが接するように筐体蓋1bに凸部10を形成することで、集積基板4と筐体1a間の電気的接続は、筐体蓋1bを筐体1aに単に被せて密閉するだけで、凸部10上の電気配線11a〜11cを介して電気的接続が達成できる。よって、従来必要であった集積基板と筐体間のボンディングワイヤ6による接続工程をなくすことができるようになる。すなわち、第2の実施形態の図5と比して、ボンディングワイヤ6をなくすことができるので、製造コストを大幅に削減することができるようになる。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0033】
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態を示す。主要な構成は、第3の実施形態に同じであるが、筐体凸部10によって、半導体素子3と集積基板4上のそれぞれの電気信号配線5aが遮蔽された構成を有している。筐体1aおよび筐体蓋1bおよび集積基板4上の電気信号配線として、コプレーナ線路を採用した例を示している。このように、半導体素子3を、凸部10によって遮蔽することにより、筐体1よりも狭い空間、すなわち共振長以下の遮蔽を容易に実現することが可能となり安定な動作が可能となる。
【0034】
また、各チャンネルのコプレーナ配線の信号線5aを集積基板のグランド5cと凸部10で遮蔽することで、他のチャンネルからの電気クロストークを抑圧することが可能となる。さらに、集積基板端部に引き出されたコプレーナ線路5aと筐体1a上のコプレーナ線路8aとの間の電気接続については、第3の実施形態に示した接続形態を採用することにより、信号線路を筐体1aまで遮蔽することが可能となり、一層チャンネル間電気クロストークを低減することが可能となる。この構成は、特に多チャンネル化したときに有効である。
【0035】
さらに、通常発熱が激しい半導体素子LSI3において、その周辺において凸部10により接続を有していることから、筐体1b側にも放熱することが可能になるという特徴も有することができるようになる。
【0036】
本実施形態により、半導体素子3の筐体1への集積を、凸部10を有する筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで達成できるようになる。そのため、従来ギガbit/s級高速動作を困難にしていた共振の問題や多数の信号配線間もしくは多チャンネル化で問題となっていたチャンネル間の電気クロストークをより低減することが可能となると共に、放熱特性も改善することが可能となる。さらに、ボンディング工程を一切省略することができるようになるため、ギガbit/s級高速モジュールの製造コストを大幅に削減することができるようになる。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0037】
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態を示す光モジュールを構成する一例である。本実施形態では、集積基板に石英系平面光波回路(PLC)7を用いており、光合波器(AWG)を有するPLCプラットフォーム4a上には、半導体レーザ3aが複数個、個別に実装してある。AWGで合波された光信号は、光ファイバ12により取り出される。半導体レーザ3aからは、コプレーナ線路により信号配線5aを取り出している。筐体蓋1bの凸部10に形成した凹部によって、半導体レーザ3aとそれぞれのコプレーナ線路5aを遮蔽した構成をしている。このように第4の実施形態と同様に、半導体レーザ3aごとに遮蔽することで共振を抑え、またPLC上のコプレーナ線路による信号配線5aをPLCプラットフォーム4aのグランド5cと凸部10で遮蔽することで、他のチャンネルからの電気クロストークを抑圧することが光モジュールでも可能となる。さらに、本光モジュールにおいても、PLCプラットフォーム4a端部に引き出されたコプレーナ線路5aと筐体1a上のコプレーナ線路8aとの間の電気接続については、第3の実施形態に示した接続形態のように、凸部10にコプレーナ線路11aを形成することにより、ボンディングワイヤをなくすことが可能である。さらに、通常発熱が激しい半導体レーザ3aにおいて、その周辺において凸部10で接続部を有していることから、筐体1b側にも放熱することが可能になるという特徴も有することができるようになる。本実施形態において、使用される集積基板4は、石英系PLCに限定されるものではなく、たとえばポリマー系PLCであってもよいし、光ファイバを実装したV溝付基板でもよい。また光半導体素子3aについても半導体レーザに限定されるものではなく、たとえばフォトダイオードでもよいし半導体光増幅器でもよい。すなわち、実施の形態に限定されるものではない。
【0038】
本実施形態により、光半導体素子3aの筐体1への集積を、凸部を有する筐体蓋1bを筐体1aに被せて密閉するだけで達成できるようになる。そのため、従来ギガbit/s級高速動作を困難にしていた共振の問題や、光素子の多チャンネル化で問題となっていたチャンネル間電気クロストークを極力低減でき、且つ、放熱特性も改善できる光モジュールを提供することが可能となった。さらに凸部10と集積基板4との電気的接続をより確実なものとするために、例えば、半田や導電性接着剤等により、これらの間を接続してもよい。
【0039】
さらに、完全にボンディング工程を省略することができるようになるため、多チャンネル半導体素子のギガbit/s級高速モジュールの製造コストを大幅に削減することができるようになる。
【0040】
以上本発明の実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはもちろんである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハイブリッド集積モジュールのギガbit/s級高速動作を安定にするためのパッケージを簡易な構成で、容易に提供することができる。特に筐体内側に電気的接続を取るための凸部を設けることで、パッケージ化するだけで自動的に電気回路的に安定な構造を実現することが可能となる。さらにボンディングワイヤをなくすことができるため、ハイブリッド集積モジュールの製造工程の大幅な短縮と製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体素子を集積した従来のハイブリッド集積モジュールの例の図である。
【図2】複数の半導体素子を集積した従来のハイブリッド集積モジュールの例の図である。
【図3】光素子を集積した従来のハイブリッド集積光モジュールの図である。
【図4】第1の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図5】第2の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図6】第2の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図7】第3の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図8】第4の実施形態を示すハイブリッド集積モジュールの図である。
【図9】第5の実施形態を示すハイブリッド集積光モジュールの図である。
【符号の説明】
1 筐体
1a 筐体
1b 筐体蓋
2 電気入出力端子
3 半導体素子
3a 光半導体素子(半導体レーザ等)
4 集積基板
4a PLCプラットフォーム
5 (集積基板4上の)電気配線
5a (集積基板4上の)信号配線
5b (集積基板4上の)電源配線
5c (集積基板4上の)グランド配線
6 ボンディングワイヤ
7 平面光波回路(PLC)
8 (筐体1a側の)電気配線
8a (筐体1a側の)信号配線
8b (筐体1a側の)電源配線
8c (筐体1a側の)グランド配線
9 (モニタ用)配線
10 (筐体蓋1bの)凸部
11 (筐体蓋1bの)電気配線
11a (筐体蓋1bの)信号配線
11b (筐体蓋1bの)電源配線
11c (筐体蓋1bの)グランド配線
12 光ファイバ
Claims (6)
- 電気配線を有する集積基板と、
該集積基板を保護する筐体とを備え、
前記集積基板上の電気配線と対向する側の前記筐体の内側に凸部が形成されおり、該凸部は、前記集積基板上の電気配線と電気的に接続されている
ことを特徴とするハイブリッド集積モジュール。 - 請求項1に記載のハイブリッド集積モジュールにおいて、
前記凸部に、電気配線としてコプレーナ線路もしくはマイクロストリップ線路を用いた
ことを特徴とするハイブリッド集積モジュール。 - 請求項1又は2に記載のハイブリッド集積モジュールにおいて、
分割された電気配線を有する前記集積基板上と、前記筐体の内側で電気的に共通化している凸部とを、電気的に接続することで、前記集積基板上の分割された電気配線を電気的に共通化した
ことを特徴とするハイブリッド集積モジュール。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のハイブリッド集積モジュールにおいて、
前記集積基板上に形成した第1の電気配線と、前記集積基板を固定した側の筐体に形成した第2の電気配線とを、前記筐体の内側の凸部上に形成した第3の電気配線により電気的に接続した
ことを特徴とするハイブリッド集積モジュール。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のハイブリッド集積モジュールにおいて、
前記集積基板が電気信号配線を有し、該電気信号配線を前記筐体の内側の凸部により遮蔽した
ことを特徴とするハイブリッド集積モジュール。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のハイブリッド集積モジュールにおいて、
前記集積基板は平面光波回路である
ことを特徴とするハイブリッド集積モジュール。
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US10659169B2 (en) | 2018-08-10 | 2020-05-19 | Fujitsu Limited | Optical transmitter |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277988A patent/JP2004119506A/ja active Pending
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