JP2004119202A - 改質された高分子電解質膜の製造法 - Google Patents

改質された高分子電解質膜の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン伝導度等の電気的特性が向上した改質された高分子電解質膜を提供する。
【解決手段】[1]高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることを特徴とする改質された高分子電解質膜の製造法。
[2]高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることを特徴とする高分子電解質膜の改質方法。
[3]アニール温度が、110℃〜250℃の範囲であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]高分子電解質膜が、高分子電解質と支持材との複合膜であることをことを特徴とする上記[1]〜[3]いずれかに記載の方法。
[5]支持基材が、多孔質膜であることを特徴とする上記[4]記載の方法。
[6]上記[1]〜[5]いずれかに記載の方法により得られた改質された高分子電解質膜。
[7]上記[6]記載の改質された高分子電解質膜を使用してなることを特徴とする燃料電池。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質された高分子電解質膜の製造方法に関し、詳しくは、高分子電解質膜をアニールすることを特徴とする改質された高分子電解質膜の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】
高分子電解質としては、プロトン伝導性を有するナフィオン(デュポン社の登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系のものが、燃料電池としての特性に優れることから固体高分子型燃料電池に用いられている。
一方、この高分子電解質は、高温領域での使用が困難な場合があり、加えて非常に高価であるために、この高分子電解質に替わり得る安価な高分子電解質膜の開発が近年活発化してきている。なかでも耐熱性に優れフィルム強度の高い芳香族ポリエーテルにスルホン酸基を導入した高分子電解質が有望視されており、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン系(特表平11−502249号公報)、スルホン化ポリエーテルスルホン系(特開平10−45913号公報および特開平10−21943号公報等)等の高分子電解質膜が提案されている。
しかしながら、これ等の高分子電解質膜は、イオン伝導度等の電気的特性が、十分満足し得るものではなく、この点のさらなる向上が望まれている。
【0003】
本発明の目的は、イオン伝導度等の電気的特性が改質された高分子電解質膜の製造法、高分子電解質膜の改質方法を提供するものであり、またこの方法により得られた改質された高分子電解質膜、それを用いた燃料電池を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成する方法として、加圧下で、高分子電解質膜に流体を接触させる方法を既に提案している(特願2002−260979)が、その後更に検討を加えた結果、高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることによっても、イオン伝導度等の電気的特性が改質された高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることを特徴とする実用的に優れた改質された高分子電解質膜の製造法(但し、加圧下で流体と接触させる場合を除く)を提供するものである。
また本発明は、高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることを特徴とする実用的に優れた高分子電解質膜の改質方法(但し、加圧下で流体と接触させる場合を除く)を提供するものである。
さらに本発明は、上記の方法によって得られた改質された高分子電解質膜および該膜を用いてなる燃料電池を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料となる高分子電解質膜としては、通常、高分子電解質を成膜することにより製造されたものが使用される。
ここで、高分子電解質としては、イオン交換基、例えば、−SOH、−COOH、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の陽イオン交換基、−NH、−NHR、−NRR’、−NRR’R’’、−NH 等(R:アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基を有し、溶媒に可溶な高分子が通常使用される。これらの基は、その一部または全部が対イオンととの塩を形成していても良い。
【0007】
かかる高分子電解質の代表例としては、例えば(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(B)主鎖が一部の水素原子がフッ素で置換された脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有する高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まないポリシロキサン、ポリフォスファゼンなどの高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(E)(A)〜(D)のスルホン酸基および/またはホスホン酸基導入前の高分子を構成する繰り返し単位から選ばれるいずれか2種以上の繰り返し単位からなる共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(F)主鎖あるいは側鎖に窒素原子を含み、硫酸やリン酸等の酸性化合物をイオン結合により導入した高分子電解質、これら等(A)〜(F)の群から選ばれる2種以上の高分子電解質の混合物等が挙げられる。
【0008】
上記(A)の高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸、等が挙げられる。
また上記(B)の高分子電解質としては、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成されるスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、例えば特開平9−102322号公報)や、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた膜に、α,β,β−トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して固体高分子電解質膜とした、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜(例えば、米国特許第4,012,303号及び米国特許第4,605,685号)等が挙げられる。
【0009】
上記(C)の高分子電解質としては、主鎖が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであってもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・エーテル)、ポリイミド、ポリ((4−フェノキシベンゾイル)−1,4−フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン等の単独重合体のそれぞれにスルホン酸基が導入されたもの、スルホアリール化ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾール(例えば、特開平9−110982)、ホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)(例えば、J. Appl. Polym. Sci., 18, 1969 (1974) )等が挙げられる。
【0010】
また上記(D)の高分子電解質としては例えば、ポリフォスファゼンにスルホン酸基が導入されたもの、Polymer Prep., 41, No.1, 70 (2000) に記載の、ホスホン酸基を有するポリシロキサン等が挙げられる。
上記(E)の高分子電解質としては、ランダム共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、交互共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、グラフト共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、ブロック共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでもよい。ランダム共重合体にスルホン酸基が導入されたものとしては、例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン−ジヒドロキシビフェニル共重合体が挙げられる(例えば、特開平11−116679号公報。)
【0011】
また上記(F)の高分子電解質としては例えば、特表平11−503262号公報に記載の、リン酸を含有せしめたポリベンズイミダゾール等が挙げられる。
上記(E)の高分子電解質に含まれるブロックおよび/またはグラフト共重合体において、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を持つブロックの具体例としては、例えば特開2001−250567号公報に記載のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を持つブロックが挙げられる。
【0012】
本発明においては、上記のような高分子電解質が用いられるが、なかでも、上記(E)の高分子電解質に含まれるブロックおよび/またはグラフト共重合体、特に、イオン交換基が導入されたブロック及びイオン交換基が実質的に導入されていないブロックをそれぞれ一つ以上有し、かつ少なくとも一つのブロックがその主鎖に芳香環を有するブロック共重合体、例えば、特開2001−250567に記載のものが好ましく使用される。
本発明に用いられる高分子電解質は、その重量平均分子量が、通常1000〜1000000程度であり、イオン交換基当量重量は、通常500〜5000g/モル程度である。また通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤、等の添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で含有できる。
【0013】
また本発明における高分子電解質膜は、上記のような高分子電解質を直接製膜したものであっても、支持体と複合化した複合膜であっても良い。
前者の製膜方法としては、例えば、溶融押出製膜法、ホットプレス法、溶液キャスト法等が挙げられる。これらの中では溶液状態より製膜する方法である溶液キャスト法が好ましい。
【0014】
溶液キャスト法においては、高分子電解質を適当な溶媒に溶解し、その溶液を基材上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒は、高分子電解質を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルなどが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等がポリマーの溶解性が高く好ましい。
【0015】
溶液キャスト法に用いる基材は、溶液により膨潤或いは溶解することなく、かつ製膜後に得られる膜が剥離し得るものであるならば特に制限は無く、例えばガラス、ステンレス材、ステンレスベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好適に用いられる。該基材表面は必要に応じ離型処理、鏡面処理、エンボス処理、或いは艶消し処理等施しても良い。
高分子電解質膜の厚みは、5〜200μmが好ましい。更に好ましくは、8〜60μm、最も好ましくは、15〜40μmである。実用に耐える膜強度を得るには5μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能の向上のためには200μmより薄い方が好ましい。膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。
【0016】
また高分子と支持材とを複合化した複合膜は、後述のアニール処理によりイオン伝導度等の電気的特性が大きく向上するので、好適に使用される。支持材剤としては、例えば多孔質膜、織布、不織布、フィブリル等が挙げられる。中でも多孔質膜が好適に用いられる。
【0017】
ここで多孔膜は、高分子電解質の強度や柔軟性、耐久性のさらなる向上のために使用されるため、その使用目的を満たすものであればその形状や材質によらず用いることができるが、固体高分子型燃料電池の隔膜として使用する場合は、膜厚は通常1〜100μm、好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜20μm、孔径は通常0.01〜10μm、好ましくは0.02〜7μm、空隙率は通常20〜98%、好ましくは30〜95%である。また、多孔膜の材質としては、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を鑑みれば、脂肪族系高分子または、含フッ素高分子が好ましい。
【0018】
脂肪族系高分子多孔膜としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。なおここで言うポリエチレンはポリエチレンの結晶構造を有するエチレン系のポリマーであり、例えばエチレンと他のモノマーとの共重合体をも含み、具体的には直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称されるエチレンとα−オレフィンとの共重合体などを含む。またここでいうポリプロピレンはポリプロピレンの結晶構造を有するプロピレン系のポリマーであり、一般に使用されているプロピレン系ブロック共重合体、ランダム共重合体など(これらはエチレンや1−ブテンなどとの共重合体である)を含むものである。
【0019】
また含フッ素高分子多孔膜としては、分子内に炭素−フッ素結合を少なくとも1個有する熱可塑性樹脂が制限なく使用される。通常は、脂肪族系高分子の水素原子のすべてまたは大部分がフッ素原子によって置換された構造のものが好適に使用される。 例えば、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルエーテル)、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。このうち、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)が好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。また、これらのフッ素系樹脂は、機械的強度の良好さから平均分子量が10万以上のものが好ましい。
【0020】
かかる多孔膜との複合化方法に特に制限は無く、例えば高分子電解質溶液中に多孔膜を含浸し、多孔膜を取り出した後に溶媒を乾燥させて複合膜を得る方法や、高分子電解質溶液を多孔膜に塗布し、溶媒を乾燥させて複合膜を得る方法、多孔膜に減圧下で高分子電解質溶液を接触させ、その後常圧に戻す事で溶液を多孔膜空孔内に含浸させ、溶媒を乾燥させて複合膜を得る方法等が挙げられる。
【0021】
本発明は、上記のような高分子電解質膜をアニールすることを特徴とするものである。本発明におけるアニールとは、高分子電解質膜を高温の雰囲気に適当な時間曝すことをいい、バッチ式でアニールしても、連続式でアニールしても良い。
アニールする工程での加熱方法は、本発明の効果を享受できる範囲であれば特に制限はなく、例えばマイクロ波、高周波、遠赤外線、熱風ヒータ、スチーム、加熱炉等を用いた間接加熱方式や、熱転写ロール等を用いた直接加熱方式を用いても良く、熱風ヒータや加熱炉による間接加熱方式が設備上安価に作製できるため好ましい。
【0022】
アニールする際の高分子電解質膜の状態には特に制限はなく、フィルム状、巻物であっても本発明の効果を十分享受できる。またアニールする際の雰囲気も特に制限はなく、加湿下でも無加湿下でも良く、メタノール、エタノール等のアルコール類やブタン、ペンタン等の炭化水素類、フロン類或いは二酸化炭素、水素や、窒素等の他、ネオン、アルゴン等の不活性ガス存在下でアニールすることも好適な態様である。
【0023】
アニール温度は、イオン交換基の性能が損なわれない範囲で行うのが好ましく、100℃〜250℃の範囲がより好ましい。100℃以下では本発明の効果が十分得られなく、250℃を超えるとイオン交換基の性能が損なわれやすくなる。より好ましくは110℃〜230℃の範囲であり、さらに好ましくは120℃〜200℃である。
アニールする時間は、通常5秒〜5日間程度であり、より好ましくは1分〜24時間程度、さらに好ましくは30分〜12時間程度である。
また、アニール工程中、或いはアニール工程後に、ポリマー間を架橋することも好適な態様である。
【0024】
かくして改質された高分子電解質膜が得られるが、次にこれを用いた燃料電池について説明する。
燃料電池は、互いに対抗して配設されたガス拡散電極のアノード及びカソードと、両電極に接触しながらその間に介在し、イオンを選択的に通過させる高分子電解質膜からなる膜電極接合体によって構成される単位電池を、ガス流通手段を設けたセパレーターを介して交互に複数個積層され構成されている。この燃料電池において、水素、改質ガス、メタノール等の燃料がアノードに、酸素などの酸化剤がカソードに供給されることによって起こる電気化学反応を利用して、すなわち燃料が電気触媒的に酸化されると同時に酸化剤が電気触媒的に還元されて化学反応エネルギーが直接電気エネルギーに変換されることによって発電されるものである。
【0025】
該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されたものが好ましく用いられる。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0027】
電解質膜の評価方法
プロトン伝導度
温度80℃、相対湿度90%の条件でSI1260型高性能インピーダンス・ゲイン/フェースアナライザ(IMPEDANCE/GAIN−PHASE ANALYZER、solartoron社製)及び1287型ポテンシオスタット(ELECTROCHEMICAL INTERFACE、solartoron社製)を用いて、交流インピーダンス法で測定した。単位はS/cmである。
【0028】
参考例1(高分子電解質膜の製造例)
特開2001−250567記載の方法に準拠し、ポリエーテルスルホンセグメントとポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンオキシド)セグメントからなるブロック共重合体を合成後、スルホン化した。
得られたスルホン化ブロック共重合体を用いて、15重量%の濃度となるようにN、N−ジメチルアセトアミドに溶解後、ガラス板上にキャスト製膜し、80℃にて常圧乾燥した。その後1mol/Lの塩酸に浸漬し、さらにイオン交換水で洗浄することによってブロック共重合体の溶液キャスト膜を得た。
【0029】
参考例2
参考例1に使用したスルホン化ブロック共重合体を用いて、15重量%の濃度となるようにN、N−ジメチルアセトアミドに溶解させ高分子電解質溶液を調製後、多孔質膜支持材としてポリエチレン製多孔質膜(膜厚15μm、空隙率50%)に含浸させ複合化膜を作製した。
複合化の方法は、前記多孔質膜をガラス板上に固定し、該多孔質膜上に調製した高分子電解質溶液を滴下した。ワイヤーコーターを用いて高分子電解質溶液を多孔質膜上に均一に塗り広げ、0.3mmクリアランスのバーコーターを用いて塗工厚みをコントロールし、80℃にて常圧乾燥した。その後1mol/Lの塩酸に浸漬し、さらにイオン交換水で洗浄することによって高分子電解質複合膜を得た。
【0030】
実施例1
参考例1で得られた高分子電解質の溶液キャスト膜を150℃に設定したオーブン内に静置し、2時間アニールを行った。評価結果を表1に示した。
【0031】
比較例1
参考例1で得られた高分子電解質の溶液キャスト膜そのものを評価した結果を表1に示した。
【0032】
実施例2
参考例2で得られた高分子電解質複合膜を120℃に設定したオーブン内に静置し、2時間アニールを行った。評価結果を表1に示した。
【0033】
実施例3
参考例2で得られた高分子電解質複合膜を120℃に設定したオーブン内に静置し、4日間アニールを行った。評価結果を表1に示した。
【0034】
比較例2
参考例2で得られた高高分子電解質複合膜そのものを評価した結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
Figure 2004119202
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、イオン伝導度等の電気的特性が向上した改質された高分子電解質膜が得られる。それ故、本発明の改質された高分子電解質膜は、高電流密度での電圧降下が小さくなり、より高い電池出力を引き出すことができるようになり、燃料電池のプロトン伝導膜等として好適となる。

Claims (7)

  1. 高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることを特徴とする改質された高分子電解質膜の製造法(但し、加圧下で流体と接触させる場合を除く)。
  2. 高分子電解質膜を100℃以上の温度下でアニールすることを特徴とする高分子電解質膜の改質方法(但し、加圧下で流体と接触させる場合を除く)。
  3. アニール温度が、110℃〜250℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 高分子電解質膜が、高分子電解質と支持材との複合膜であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. 支持基材が、多孔質膜であることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により得られた改質された高分子電解質膜。
  7. 請求項6記載の改質された高分子電解質膜を使用してなることを特徴とする燃料電池。
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