JP2004118990A - 光ディスクの厚みデータ管理方法および球面収差補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクの規格や個体差等に起因する光ディスクごとの保護層の厚みの変化等による球面収差の変化を抑えることができる安価かつ簡素な構成の光情報記録再生装置を提供するための光ディスクの厚みデータ管理方法、および該光情報記録再生装置において、球面収差を効果的にかつ短時間で補正して様々な規格の光ディスクに対するデータの記録・再生を可能とするための球面収差補正方法を提供すること。
【解決手段】光ディスクの厚みデータ管理方法は、保護層と記録層とからなる光ディスクの製造工程において、記録層および保護層形成後に、保護層の所定の計測点における厚みを計測し、計測された厚みに基づき作成した厚みデータを、光ディスクの記録面における所定のトラックに追記することにより管理する。球面収差補正方法は、該厚みに関するデータに基づいて光ディスクごとで変動する球面収差を抑える。
【選択図】 図1
【解決手段】光ディスクの厚みデータ管理方法は、保護層と記録層とからなる光ディスクの製造工程において、記録層および保護層形成後に、保護層の所定の計測点における厚みを計測し、計測された厚みに基づき作成した厚みデータを、光ディスクの記録面における所定のトラックに追記することにより管理する。球面収差補正方法は、該厚みに関するデータに基づいて光ディスクごとで変動する球面収差を抑える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ディスク、および保護層の厚みの異なる複数種類の該光ディスクに対するデータの記録・再生を行う光ディスク装置における保護層の厚み検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクには、保護層の厚みが異なる複数の規格が存在する。なお本明細書において、保護層とは光ディスクに対する情報の記録再生時に該光ディスクにレーザ光が入射する側のプラスチック層のことを意味する。例えば、CD(コンパクトディスク)、CD−Rの保護層の厚みは1.20mmであるのに対し、DVD(デジタルバーサタイルディスク)の保護層の厚みは0.60mmである。使用する光ディスクの保護層が異なると球面収差が変化してしまい、高精度での情報の記録再生が困難となるおそれがある。そのため、従来の光情報記録再生装置では、規格が異なる光ディスクの切り替え時には、挿入された光ディスクの規格を判別して、該光ディスクが有する記録面の厚みに基づく球面収差を検出していた。あるいは、光ディスクが差し替えられる度に、挿入状態にある光ディスクの厚みを毎回検出して球面収差を検出していた。そして、検出された球面収差を種々の方法によって補正していた。球面収差の補正方法としては、例えば、対象となる光ディスクの記録面の位置までレーザ光の収束位置を光軸方向に移動させること等が挙げられる。
【0003】
しかし、上記のような構成の光情報記録再生装置では、使用する光ディスクを切り替える度に、光ディスクの厚みに基づく球面収差を検出しなければならないため、情報の記録再生が実行されるまでに時間がかかってしまうという問題点があった。特に、光ディスクが差し替えられるたびに光ディスクの厚みを検出する方法は非常に時間を要する。また、光ディスクの規格を判別したり、球面収差を検出したりするための機構が必要となるため、従来の光情報記録再生装置は、非常に高価かつ複雑な構成にならざるを得なかった。
【0004】
さらに、従来の光情報記録再生装置は、光ディスクの規格と保護層の厚みとは一対一で関連付けられていた。そのため、同一規格の光ディスクであっても個体差等によって保護層の厚みにずれがある場合や、特定の光ディスクの外周部と内周部とで保護層の厚みに変化がある場合等には球面収差を最適な状態で抑えることができず、上記厚みのずれや変化の度合いによっては、光ディスクに対する情報の記録再生が行われないおそれもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、光ディスクの規格による保護層の厚みの違いのみならず、個体差等に起因する光ディスクごとの保護層の厚みの変化やずれによる球面収差の変化を抑えることができる安価かつ簡素な構成の光情報記録再生装置を提供するための光ディスクの厚みデータ管理方法、および該光情報記録再生装置において、球面収差を効果的にかつ短時間で補正して様々な規格の光ディスクに対するデータの記録・再生を可能とするための球面収差補正方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の光ディスクの厚みデータ管理方法は、保護層と記録層とからなる光ディスクの製造工程において、記録層および保護層形成後に、保護層の所定の計測点における厚みを計測し、計測された前記厚みに基づき作成した厚みデータを、光ディスクの前記記録面における所定のトラックに書き込むことにより管理する。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、各光ディスクの保護層の厚みを実測し、その実測結果をそれぞれの光ディスクに記録する。このように保護層の厚みを各光ディスクに記録して管理することにより、光ディスクの規格や個体差による保護層の厚みに起因する球面収差の変化も効果的に抑えることができる。しかも、光情報記録再生装置は球面収差検出のための複雑な機構が不要となり、より安価、かつ簡素な構成にすることができる。
【0008】
上記所定の計測点は、半径方向において異なる位置に複数設定することができる(請求項2)。例えば、第一の計測点は、前記光ディスクにおける外周近傍に設定し、第二の計測点は、該光ディスクにおける内周近傍に設定すれば、外周から内周へ向かって緩やかに保護層の厚みが変化する場合にも対応した厚みデータを作成することができる(請求項3)。また、本発明はデュアルレイヤーディスクのように記録層と保護層とが複数対貼り合わさって構成される光ディスクにも使用することができる(請求項4)その場合には、光ディスクの構成要素である全ての保護層に関する厚みデータを作成する。
【0009】
なお本明細書において、厚みデータは、実測された保護層の厚みそのものを示すものであってもよいし、実測結果と光ディスクの規格に対応した保護層の厚みの基準値との誤差であってもよい。さらには、具体的数値でなくても保護層の厚みに関する情報であればよく、例えば、実測された厚みを、厚みの大小によって予め設定した複数のグループに割り振り、その割り振られたグループ番号を厚みデータとすることもできる。
【0010】
請求項7に記載の球面収差補正方法は、保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段を備える光情報記録再生装置における球面収差補正方法であって、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法によって光ディスクの所定のトラックに書き込まれた保護層の厚みデータを読み出し、読み出した該厚みデータに基づいて、補正手段を駆動制御することにより球面収差を補正する。これにより、従来のように複雑な球面収差検出機構を用いて球面収差を検出する手間が省け、光情報記録再生装置において、光ディスク挿入から該ディスクに対する情報の記録再生までの所要時間を短縮することができる。
【0011】
なお、保護層の厚みは記録層が形成された光ディスクでないと正確に実測できないため、この発明は、該厚みデータを書き込み可能なCD−RやDVD−R等に適用される。さらに本発明は、CD−RW、DVD−RW、DVD−RAMに例示されるリライタブルタイプの光ディスクにも好適である。書き込み可能でない光ディスクに対しては、後述の請求項8に記載の発明が好適である。
【0012】
請求項8に記載の球面収差補正方法は、保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段を備える光情報記録再生装置における球面収差補正方法であって、挿入された光ディスクの製品識別に関する管理情報を読み取る第1の処理と、製造された光ディスクの管理情報と保護層の厚みデータとが関連付けて蓄積されているデータベースから、第1の処理で読み取った所定の管理情報に対応する厚みデータを取得する第2の処理と、第2の処理で取得した厚みデータに基づいて、補正手段を駆動制御することにより球面収差を補正する第3の処理とを有する。該データベースへはインターネットを介して接続するようにすれば、該データベースから遠隔地で使用される複数の光情報記録再生装置であっても即時に挿入された光ディスクに最適なビームスポットが記録面において形成されるように球面収差の変動を抑えることができる。管理情報としては、例えば製品ごとに付される製品IDやロットナンバなどがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の光ディスクの厚みデータ管理方法について説明する。本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法は、CD−Rのように書き込み可能な光ディスクに適用される。また、本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法は、例えば、製品IDや後述する保護層の厚みデータといった該光ディスクに関する管理情報が書き込まれる領域(以下、管理トラックという)をディスクフォーマット規格として備えている光ディスクに対して適用される。
【0014】
図1は、本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法に関するフローチャートである。また図2は、一連の光ディスク製造システム10内の、本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法に関するブロック図である。光ディスク製造システム10を使用すると、光ディスクは、プラスチック基板の一方の面を所定の型によって成型される、つまり、記録面が形成される。次いで該光ディスクは、所定の樹脂でコーティングされた該記録面にラベル印刷される。そして光ディスクは図1に示すフローチャートに従って、厚みデータの管理が行われる。
【0015】
光ディスク製造システム10の一部を構成する計測部11は、前工程から搬送されてきた光ディスクの保護層の厚みを計測する(S11)。詳しくは、計測部11は、予め設定された一つの計測点における保護層の厚みを計測する。そして計測結果は、計測対象である光ディスクの保護層に関する厚みデータとして、データ書き込み部12により該光ディスクの管理トラックに書き込まれる(S13)。
【0016】
本実施形態の計測部11では、光ディスクの保護層の厚みが外周部から内周部に向けて変化しない、つまりどの位置でも厚みが均一であることが予め保証されるとの前提で厚み計測を行っている。そのため、任意の一計測点における厚みの計測を行えば、該光ディスクに対する厚みデータは作成することができる。ここで、もし外周部から内周部に向けて保護層の厚みが直線的に緩やかに変化している場合には、光ディスクの保護層の外周部近傍に第一の計測点を内周部近傍に第二の計測点を、各々設定する。そして、各計測点で保護層の厚みを計測すれば厚みの直線的変化に対応した厚みデータを作成することができる。
【0017】
なお本実施形態において、保護層の厚みが曲線的な変化をするような光ディスクは、品質検査の段階で初期不良として処理されるため、ここでは考慮しない。但し、外周部近傍から内周部にかけて設けられる計測点の数を増やせば、計測時間は若干増加してしまうものの、曲線的変化する保護層の厚みに関する厚みデータも作成可能である。
【0018】
なおS11において、近年実用化されつつあるデュアルレイヤータイプのように記録層と保護層とが複数対貼り合わされている光ディスクに関しては、各保護層の厚みをそれぞれ計測する。
【0019】
なお上記説明では、各ディスクに対応した厚み管理を実現するために、保護層の厚みの計測は光ディスク一枚単位で行われているが、製造される各光ディスクの保護層の厚みの差が極めて小さい、換言すれば高精度で光ディスクを製造することが可能な製造システムを備えているのであれば、保護層の厚みは、ロット単位で計測する方法であってもよい。具体的には、特定のロット内から任意に抽出された一枚の光ディスクにおける保護層の厚みを計測して得られた厚みデータ、もしくは特定のロット内から任意に抽出された複数枚の光ディスクの計測結果を平均化した厚みデータを該特定のロットに属する全ての光ディスクに追記する。
【0020】
このように実測結果に基づく厚みデータを光ディスクの管理トラックに書き込んでディスク毎に保護層の厚み管理をしておくことにより、各光ディスクの保護層の厚みデータがそれぞれの光ディスクから随時、かつ容易に読み出せることになる。このような方法により保護層の厚み管理がされている光ディスクに対して情報の記録再生を行う場合には、以下に説明するような球面収差補正方法を使用することができる。
【0021】
次に、上記の光ディスクの厚みデータ管理方法により厚み管理された光ディスクに対する情報の記録再生時における球面収差補正方法について説明する。図3は、第一の実施形態の球面収差補正方法に関するフローチャートである。また図4は、第一の実施形態の光情報記録再生装置20Aにおける球面収差補正に関するブロック図である。
【0022】
厚み管理された光ディスクが光情報記録再生装置20Aに挿入されると、図4に示すデータ読み取り部21が該光ディスクの管理トラックからディスク管理情報を読み取る(S31)。ここで、管理トラックからディスク管理情報を読み出す処理時は、未だ球面収差を補正する前である。従って、該球面収差によって読み取り信号(データ信号やサーボ信号など)の劣化が発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、上記信号の劣化を防止するために、該管理トラックの記録密度を通常のトラック(音楽データや画像データが書き込まれるトラック)の記録密度よりも疎にしておく。例えば、管理トラックの記録密度は、通常トラックの記録密度の1/1.1〜1/3程度に設定するとよい。
【0023】
データ読み取り部21は、読み取ったディスク管理情報のうち、厚みデータを制御部22に送信する。制御部22は、光情報記録再生装置20A全体の駆動制御を行っている。データ読み取り部21から厚みデータを受信すると、制御部22は、予め入力されている対物レンズの性能諸元や光源から照射されるレーザ光の発振波長等に関する装置の仕様データと、該厚みデータとを用いて該装置で発生する球面収差の量を求める。そして制御部22は、球面収差の量に基づいて球面収差補正部23を駆動制御し、球面収差を補正する(S33)。なお、S33において、球面収差の発生により、デフォーカス状態になっている場合には、フォーカスオフセットの補正も行う。これにより、現在挿入されている光ディスクの記録面近傍に最適なスポット径が形成される。
【0024】
以上のような球面収差補正方法によれば、極めて短時間で現在挿入されている光ディスクに対する情報の記録再生に最適なビームスポットが形成されるように球面収差を補正することができる。また、上記の球面収差補正方法を使用する光情報記録再生装置20Aは、光ディスクの規格を判別したり、球面収差を検出したりするための機構が不要となるため、安価で簡素な構成にすることができる。
【0025】
上述した光ディスクの保護層の厚み管理方法による管理下にない光ディスクであっても、次に説明する第二の実施形態の球面収差補正方法を使用することにより、上記補正方法と同様の効果を得ることができる。
【0026】
図5は、第二の実施形態の球面収差補正方法を使用する光情報記録再生システム100の概略構成図である。図5に示すように光情報記録再生システム100は、一連の光ディスク製造システム10内に設けられたホストPC13と、一つまたは複数の光情報記録再生装置20Bと、サーバ30と、を有する。
【0027】
光ディスク製造システム10は、上述した光ディスクの厚みデータ管理方法を使用して各ディスクの厚みデータを作成する。但し、第二の実施形態の球面収差補正方法を使用する場合、作成された光ディスクごとの厚みデータは、図5に示すホストPC13を介してサーバ30内に送信される。サーバ30は、送信される各光ディスクの厚みデータを、対応する製品IDと関連付けた状態でデータベース化して蓄積する。
【0028】
なお、図5に示すように、ホストPC13とサーバ30とが比較的近い場所に設置されている場合には、両者をLANケーブル等で直接接続することが可能である。また、ホストPC13がサーバ30から離れた場所に設置されている場合、ホストPC13は、インターネットNを介してサーバ30に接続して厚みデータを送信すればよい。
【0029】
図6は、光情報記録再生装置20Bにおける球面収差補正のフローチャートを示す。図7は、第二の実施形態の光情報記録再生装置20Bにおける球面収差補正に関するブロック図である。図7において、第一の実施形態の光情報記録再生装置20Aと同一構成には同一の符号を付してある。
【0030】
光情報記録再生装置20Bにおいて、光ディスクが挿入されると、図7に示すデータ読み取り部21が該光ディスクの管理トラックからディスク管理情報を読み取る。データ読み取り部21は、読み取ったディスク管理情報のうち、製品IDを制御部22に送信する。制御部22は、データ読み取り部21から製品IDが送信されると、インターネットNに接続し、サーバ30に該製品IDを送信する(S61)。そして、サーバ30から該製品IDに対応する厚みデータをダウンロードする(S63)。厚みデータを受信すると、制御部22は、第一の実施形態と同様に、該厚みデータを用いて該装置で発生する球面収差の量を求める。そして制御部22は、球面収差の量に基づいて球面収差補正部23を駆動制御し、球面収差を補正する(S65)。これにより、現在挿入されている光ディスクの記録面近傍に最適なスポット径が形成される。
【0031】
第二の実施形態の球面収差補正方法であれば、厚みデータはサーバ30に蓄積されており、光ディスクから読み取る情報はディスク製造時に書き込まれる製品IDであるため、追記に対応していないCD−ROMやDVD−ROM等にも使用することができる。
【0032】
以上が本発明の実施形態である。上記の各実施形態は、厚みデータは、実測された光ディスクの厚みそのものであるとして説明したがこれに限定されるものではない。例えば、光情報記録再生装置の制御部に予め各規格に対応した厚みの基準値に関するデータを与えておけば、厚みデータは、該基準値からの誤差情報とすることが可能である。また、実測された厚みを、厚みの大小によって予め設定した複数のグループに割り振り、その割り振られたグループ番号を厚みデータとしてもよい。
【0033】
さらには、例えば、光ディスクには上記基準値を記録しておき、サーバ上にはディスクごとの誤差情報を蓄積しておくことも可能である。この場合、光情報記録再生装置は、まず挿入された光ディスクに記録された基準値に対応した球面収差補正を行い、それでも十分に補正されていない(所定のスポット径が得られていない)と判断した場合にのみ、サーバに接続して製品IDに対応する誤差情報を取得し、該誤差情報を元に微調整を行う。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、保護層の厚みデータを各ディスクに予め書き込んで管理しておくことにより、光情報記録再生装置には、球面収差量を検出するための特殊かつ複雑な機構が不要となり、また球面収差を補正するために必要な時間が短縮される。上記厚みデータは、光ディスクの保護層の実測結果に基づいて作成されることにより、各ディスクの個体差に対応した精度の高い球面収差補正が実現される。保護層の厚みは記録層が形成された光ディスクでないと正確に実測できないため、この発明は、該厚みデータを追記可能なCD−RやDVD−R等に適用される。このような本発明を使用することにより、個体差等に起因する光ディスクごとの保護層の厚みの変化やずれを高い精度で検出できる安価かつ簡素な構成の光情報記録再生装置を提供することができる。
【0035】
また、データを追記できないタイプの光ディスクに対しては、上記保護層の厚みデータをデータベース化して蓄積しておく。そして光情報記録再生装置では、挿入された光ディスクが製造工程中に記録された製品IDに対応する厚みデータをデータベースから読み出すことにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光ディスクの保護層の厚みデータ管理方法に関するフローチャートである。
【図2】光ディスク製造システム内の一部を表すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の球面収差補正方法に関するフローチャートである。
【図4】第一の実施形態の光情報記録再生装置内の球面収差補正に関するブロック図である。
【図5】本発明の第二の実施形態の球面収差補正方法を使用する光情報記録再生システムの概略構成図である。
【図6】本発明の第二の実施形態の球面収差補正方法に関するフローチャートである。
【図7】第二の実施形態の光情報記録再生装置内の球面収差補正に関するブロック図である。
【符号の説明】
10 光ディスク製造システム
11 計測部
12 データ書き込み部
13 ホストPC
20A、20B 光情報記録再生装置
21 データ読み取り部
22 制御部
23 球面収差補正部
30 サーバ
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ディスク、および保護層の厚みの異なる複数種類の該光ディスクに対するデータの記録・再生を行う光ディスク装置における保護層の厚み検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクには、保護層の厚みが異なる複数の規格が存在する。なお本明細書において、保護層とは光ディスクに対する情報の記録再生時に該光ディスクにレーザ光が入射する側のプラスチック層のことを意味する。例えば、CD(コンパクトディスク)、CD−Rの保護層の厚みは1.20mmであるのに対し、DVD(デジタルバーサタイルディスク)の保護層の厚みは0.60mmである。使用する光ディスクの保護層が異なると球面収差が変化してしまい、高精度での情報の記録再生が困難となるおそれがある。そのため、従来の光情報記録再生装置では、規格が異なる光ディスクの切り替え時には、挿入された光ディスクの規格を判別して、該光ディスクが有する記録面の厚みに基づく球面収差を検出していた。あるいは、光ディスクが差し替えられる度に、挿入状態にある光ディスクの厚みを毎回検出して球面収差を検出していた。そして、検出された球面収差を種々の方法によって補正していた。球面収差の補正方法としては、例えば、対象となる光ディスクの記録面の位置までレーザ光の収束位置を光軸方向に移動させること等が挙げられる。
【0003】
しかし、上記のような構成の光情報記録再生装置では、使用する光ディスクを切り替える度に、光ディスクの厚みに基づく球面収差を検出しなければならないため、情報の記録再生が実行されるまでに時間がかかってしまうという問題点があった。特に、光ディスクが差し替えられるたびに光ディスクの厚みを検出する方法は非常に時間を要する。また、光ディスクの規格を判別したり、球面収差を検出したりするための機構が必要となるため、従来の光情報記録再生装置は、非常に高価かつ複雑な構成にならざるを得なかった。
【0004】
さらに、従来の光情報記録再生装置は、光ディスクの規格と保護層の厚みとは一対一で関連付けられていた。そのため、同一規格の光ディスクであっても個体差等によって保護層の厚みにずれがある場合や、特定の光ディスクの外周部と内周部とで保護層の厚みに変化がある場合等には球面収差を最適な状態で抑えることができず、上記厚みのずれや変化の度合いによっては、光ディスクに対する情報の記録再生が行われないおそれもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、光ディスクの規格による保護層の厚みの違いのみならず、個体差等に起因する光ディスクごとの保護層の厚みの変化やずれによる球面収差の変化を抑えることができる安価かつ簡素な構成の光情報記録再生装置を提供するための光ディスクの厚みデータ管理方法、および該光情報記録再生装置において、球面収差を効果的にかつ短時間で補正して様々な規格の光ディスクに対するデータの記録・再生を可能とするための球面収差補正方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の光ディスクの厚みデータ管理方法は、保護層と記録層とからなる光ディスクの製造工程において、記録層および保護層形成後に、保護層の所定の計測点における厚みを計測し、計測された前記厚みに基づき作成した厚みデータを、光ディスクの前記記録面における所定のトラックに書き込むことにより管理する。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、各光ディスクの保護層の厚みを実測し、その実測結果をそれぞれの光ディスクに記録する。このように保護層の厚みを各光ディスクに記録して管理することにより、光ディスクの規格や個体差による保護層の厚みに起因する球面収差の変化も効果的に抑えることができる。しかも、光情報記録再生装置は球面収差検出のための複雑な機構が不要となり、より安価、かつ簡素な構成にすることができる。
【0008】
上記所定の計測点は、半径方向において異なる位置に複数設定することができる(請求項2)。例えば、第一の計測点は、前記光ディスクにおける外周近傍に設定し、第二の計測点は、該光ディスクにおける内周近傍に設定すれば、外周から内周へ向かって緩やかに保護層の厚みが変化する場合にも対応した厚みデータを作成することができる(請求項3)。また、本発明はデュアルレイヤーディスクのように記録層と保護層とが複数対貼り合わさって構成される光ディスクにも使用することができる(請求項4)その場合には、光ディスクの構成要素である全ての保護層に関する厚みデータを作成する。
【0009】
なお本明細書において、厚みデータは、実測された保護層の厚みそのものを示すものであってもよいし、実測結果と光ディスクの規格に対応した保護層の厚みの基準値との誤差であってもよい。さらには、具体的数値でなくても保護層の厚みに関する情報であればよく、例えば、実測された厚みを、厚みの大小によって予め設定した複数のグループに割り振り、その割り振られたグループ番号を厚みデータとすることもできる。
【0010】
請求項7に記載の球面収差補正方法は、保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段を備える光情報記録再生装置における球面収差補正方法であって、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法によって光ディスクの所定のトラックに書き込まれた保護層の厚みデータを読み出し、読み出した該厚みデータに基づいて、補正手段を駆動制御することにより球面収差を補正する。これにより、従来のように複雑な球面収差検出機構を用いて球面収差を検出する手間が省け、光情報記録再生装置において、光ディスク挿入から該ディスクに対する情報の記録再生までの所要時間を短縮することができる。
【0011】
なお、保護層の厚みは記録層が形成された光ディスクでないと正確に実測できないため、この発明は、該厚みデータを書き込み可能なCD−RやDVD−R等に適用される。さらに本発明は、CD−RW、DVD−RW、DVD−RAMに例示されるリライタブルタイプの光ディスクにも好適である。書き込み可能でない光ディスクに対しては、後述の請求項8に記載の発明が好適である。
【0012】
請求項8に記載の球面収差補正方法は、保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段を備える光情報記録再生装置における球面収差補正方法であって、挿入された光ディスクの製品識別に関する管理情報を読み取る第1の処理と、製造された光ディスクの管理情報と保護層の厚みデータとが関連付けて蓄積されているデータベースから、第1の処理で読み取った所定の管理情報に対応する厚みデータを取得する第2の処理と、第2の処理で取得した厚みデータに基づいて、補正手段を駆動制御することにより球面収差を補正する第3の処理とを有する。該データベースへはインターネットを介して接続するようにすれば、該データベースから遠隔地で使用される複数の光情報記録再生装置であっても即時に挿入された光ディスクに最適なビームスポットが記録面において形成されるように球面収差の変動を抑えることができる。管理情報としては、例えば製品ごとに付される製品IDやロットナンバなどがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の光ディスクの厚みデータ管理方法について説明する。本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法は、CD−Rのように書き込み可能な光ディスクに適用される。また、本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法は、例えば、製品IDや後述する保護層の厚みデータといった該光ディスクに関する管理情報が書き込まれる領域(以下、管理トラックという)をディスクフォーマット規格として備えている光ディスクに対して適用される。
【0014】
図1は、本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法に関するフローチャートである。また図2は、一連の光ディスク製造システム10内の、本実施形態の光ディスクの厚みデータ管理方法に関するブロック図である。光ディスク製造システム10を使用すると、光ディスクは、プラスチック基板の一方の面を所定の型によって成型される、つまり、記録面が形成される。次いで該光ディスクは、所定の樹脂でコーティングされた該記録面にラベル印刷される。そして光ディスクは図1に示すフローチャートに従って、厚みデータの管理が行われる。
【0015】
光ディスク製造システム10の一部を構成する計測部11は、前工程から搬送されてきた光ディスクの保護層の厚みを計測する(S11)。詳しくは、計測部11は、予め設定された一つの計測点における保護層の厚みを計測する。そして計測結果は、計測対象である光ディスクの保護層に関する厚みデータとして、データ書き込み部12により該光ディスクの管理トラックに書き込まれる(S13)。
【0016】
本実施形態の計測部11では、光ディスクの保護層の厚みが外周部から内周部に向けて変化しない、つまりどの位置でも厚みが均一であることが予め保証されるとの前提で厚み計測を行っている。そのため、任意の一計測点における厚みの計測を行えば、該光ディスクに対する厚みデータは作成することができる。ここで、もし外周部から内周部に向けて保護層の厚みが直線的に緩やかに変化している場合には、光ディスクの保護層の外周部近傍に第一の計測点を内周部近傍に第二の計測点を、各々設定する。そして、各計測点で保護層の厚みを計測すれば厚みの直線的変化に対応した厚みデータを作成することができる。
【0017】
なお本実施形態において、保護層の厚みが曲線的な変化をするような光ディスクは、品質検査の段階で初期不良として処理されるため、ここでは考慮しない。但し、外周部近傍から内周部にかけて設けられる計測点の数を増やせば、計測時間は若干増加してしまうものの、曲線的変化する保護層の厚みに関する厚みデータも作成可能である。
【0018】
なおS11において、近年実用化されつつあるデュアルレイヤータイプのように記録層と保護層とが複数対貼り合わされている光ディスクに関しては、各保護層の厚みをそれぞれ計測する。
【0019】
なお上記説明では、各ディスクに対応した厚み管理を実現するために、保護層の厚みの計測は光ディスク一枚単位で行われているが、製造される各光ディスクの保護層の厚みの差が極めて小さい、換言すれば高精度で光ディスクを製造することが可能な製造システムを備えているのであれば、保護層の厚みは、ロット単位で計測する方法であってもよい。具体的には、特定のロット内から任意に抽出された一枚の光ディスクにおける保護層の厚みを計測して得られた厚みデータ、もしくは特定のロット内から任意に抽出された複数枚の光ディスクの計測結果を平均化した厚みデータを該特定のロットに属する全ての光ディスクに追記する。
【0020】
このように実測結果に基づく厚みデータを光ディスクの管理トラックに書き込んでディスク毎に保護層の厚み管理をしておくことにより、各光ディスクの保護層の厚みデータがそれぞれの光ディスクから随時、かつ容易に読み出せることになる。このような方法により保護層の厚み管理がされている光ディスクに対して情報の記録再生を行う場合には、以下に説明するような球面収差補正方法を使用することができる。
【0021】
次に、上記の光ディスクの厚みデータ管理方法により厚み管理された光ディスクに対する情報の記録再生時における球面収差補正方法について説明する。図3は、第一の実施形態の球面収差補正方法に関するフローチャートである。また図4は、第一の実施形態の光情報記録再生装置20Aにおける球面収差補正に関するブロック図である。
【0022】
厚み管理された光ディスクが光情報記録再生装置20Aに挿入されると、図4に示すデータ読み取り部21が該光ディスクの管理トラックからディスク管理情報を読み取る(S31)。ここで、管理トラックからディスク管理情報を読み出す処理時は、未だ球面収差を補正する前である。従って、該球面収差によって読み取り信号(データ信号やサーボ信号など)の劣化が発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、上記信号の劣化を防止するために、該管理トラックの記録密度を通常のトラック(音楽データや画像データが書き込まれるトラック)の記録密度よりも疎にしておく。例えば、管理トラックの記録密度は、通常トラックの記録密度の1/1.1〜1/3程度に設定するとよい。
【0023】
データ読み取り部21は、読み取ったディスク管理情報のうち、厚みデータを制御部22に送信する。制御部22は、光情報記録再生装置20A全体の駆動制御を行っている。データ読み取り部21から厚みデータを受信すると、制御部22は、予め入力されている対物レンズの性能諸元や光源から照射されるレーザ光の発振波長等に関する装置の仕様データと、該厚みデータとを用いて該装置で発生する球面収差の量を求める。そして制御部22は、球面収差の量に基づいて球面収差補正部23を駆動制御し、球面収差を補正する(S33)。なお、S33において、球面収差の発生により、デフォーカス状態になっている場合には、フォーカスオフセットの補正も行う。これにより、現在挿入されている光ディスクの記録面近傍に最適なスポット径が形成される。
【0024】
以上のような球面収差補正方法によれば、極めて短時間で現在挿入されている光ディスクに対する情報の記録再生に最適なビームスポットが形成されるように球面収差を補正することができる。また、上記の球面収差補正方法を使用する光情報記録再生装置20Aは、光ディスクの規格を判別したり、球面収差を検出したりするための機構が不要となるため、安価で簡素な構成にすることができる。
【0025】
上述した光ディスクの保護層の厚み管理方法による管理下にない光ディスクであっても、次に説明する第二の実施形態の球面収差補正方法を使用することにより、上記補正方法と同様の効果を得ることができる。
【0026】
図5は、第二の実施形態の球面収差補正方法を使用する光情報記録再生システム100の概略構成図である。図5に示すように光情報記録再生システム100は、一連の光ディスク製造システム10内に設けられたホストPC13と、一つまたは複数の光情報記録再生装置20Bと、サーバ30と、を有する。
【0027】
光ディスク製造システム10は、上述した光ディスクの厚みデータ管理方法を使用して各ディスクの厚みデータを作成する。但し、第二の実施形態の球面収差補正方法を使用する場合、作成された光ディスクごとの厚みデータは、図5に示すホストPC13を介してサーバ30内に送信される。サーバ30は、送信される各光ディスクの厚みデータを、対応する製品IDと関連付けた状態でデータベース化して蓄積する。
【0028】
なお、図5に示すように、ホストPC13とサーバ30とが比較的近い場所に設置されている場合には、両者をLANケーブル等で直接接続することが可能である。また、ホストPC13がサーバ30から離れた場所に設置されている場合、ホストPC13は、インターネットNを介してサーバ30に接続して厚みデータを送信すればよい。
【0029】
図6は、光情報記録再生装置20Bにおける球面収差補正のフローチャートを示す。図7は、第二の実施形態の光情報記録再生装置20Bにおける球面収差補正に関するブロック図である。図7において、第一の実施形態の光情報記録再生装置20Aと同一構成には同一の符号を付してある。
【0030】
光情報記録再生装置20Bにおいて、光ディスクが挿入されると、図7に示すデータ読み取り部21が該光ディスクの管理トラックからディスク管理情報を読み取る。データ読み取り部21は、読み取ったディスク管理情報のうち、製品IDを制御部22に送信する。制御部22は、データ読み取り部21から製品IDが送信されると、インターネットNに接続し、サーバ30に該製品IDを送信する(S61)。そして、サーバ30から該製品IDに対応する厚みデータをダウンロードする(S63)。厚みデータを受信すると、制御部22は、第一の実施形態と同様に、該厚みデータを用いて該装置で発生する球面収差の量を求める。そして制御部22は、球面収差の量に基づいて球面収差補正部23を駆動制御し、球面収差を補正する(S65)。これにより、現在挿入されている光ディスクの記録面近傍に最適なスポット径が形成される。
【0031】
第二の実施形態の球面収差補正方法であれば、厚みデータはサーバ30に蓄積されており、光ディスクから読み取る情報はディスク製造時に書き込まれる製品IDであるため、追記に対応していないCD−ROMやDVD−ROM等にも使用することができる。
【0032】
以上が本発明の実施形態である。上記の各実施形態は、厚みデータは、実測された光ディスクの厚みそのものであるとして説明したがこれに限定されるものではない。例えば、光情報記録再生装置の制御部に予め各規格に対応した厚みの基準値に関するデータを与えておけば、厚みデータは、該基準値からの誤差情報とすることが可能である。また、実測された厚みを、厚みの大小によって予め設定した複数のグループに割り振り、その割り振られたグループ番号を厚みデータとしてもよい。
【0033】
さらには、例えば、光ディスクには上記基準値を記録しておき、サーバ上にはディスクごとの誤差情報を蓄積しておくことも可能である。この場合、光情報記録再生装置は、まず挿入された光ディスクに記録された基準値に対応した球面収差補正を行い、それでも十分に補正されていない(所定のスポット径が得られていない)と判断した場合にのみ、サーバに接続して製品IDに対応する誤差情報を取得し、該誤差情報を元に微調整を行う。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、保護層の厚みデータを各ディスクに予め書き込んで管理しておくことにより、光情報記録再生装置には、球面収差量を検出するための特殊かつ複雑な機構が不要となり、また球面収差を補正するために必要な時間が短縮される。上記厚みデータは、光ディスクの保護層の実測結果に基づいて作成されることにより、各ディスクの個体差に対応した精度の高い球面収差補正が実現される。保護層の厚みは記録層が形成された光ディスクでないと正確に実測できないため、この発明は、該厚みデータを追記可能なCD−RやDVD−R等に適用される。このような本発明を使用することにより、個体差等に起因する光ディスクごとの保護層の厚みの変化やずれを高い精度で検出できる安価かつ簡素な構成の光情報記録再生装置を提供することができる。
【0035】
また、データを追記できないタイプの光ディスクに対しては、上記保護層の厚みデータをデータベース化して蓄積しておく。そして光情報記録再生装置では、挿入された光ディスクが製造工程中に記録された製品IDに対応する厚みデータをデータベースから読み出すことにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光ディスクの保護層の厚みデータ管理方法に関するフローチャートである。
【図2】光ディスク製造システム内の一部を表すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の球面収差補正方法に関するフローチャートである。
【図4】第一の実施形態の光情報記録再生装置内の球面収差補正に関するブロック図である。
【図5】本発明の第二の実施形態の球面収差補正方法を使用する光情報記録再生システムの概略構成図である。
【図6】本発明の第二の実施形態の球面収差補正方法に関するフローチャートである。
【図7】第二の実施形態の光情報記録再生装置内の球面収差補正に関するブロック図である。
【符号の説明】
10 光ディスク製造システム
11 計測部
12 データ書き込み部
13 ホストPC
20A、20B 光情報記録再生装置
21 データ読み取り部
22 制御部
23 球面収差補正部
30 サーバ
Claims (19)
- 保護層と記録層とからなる光ディスクの製造工程において、前記記録層および保護層形成後に、前記保護層の所定の計測点における厚みを計測し、
計測された前記厚みに基づき作成した厚みデータを、前記光ディスクの前記記録面における所定のトラックに書き込むことにより管理する光ディスクの厚みデータ管理方法。 - 前記所定の計測点は、半径方向において異なる位置に複数設定される請求項1に記載の光ディスクの厚みデータ管理方法。
- 前記所定の計測点は、前記光ディスクにおける外周近傍に設定される第一の計測点と、該光ディスクにおける内周近傍に設定される第二の計測点と、からなる請求項2に記載の光ディスクの厚みデータ管理方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法において、
前記光ディスクは、一対の保護層と記録層を複数有するディスクであり、
前記所定のトラックには、前記保護層ごとの厚みデータを書き込む光ディスクの厚みデータ管理方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法において、
前記厚みデータは、実測された前記保護層の厚みである光ディスクの厚みデータ管理方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法において、
前記厚みデータは、実測された前記保護層の厚みと、前記光ディスクの規格に対応して決定される前記保護層の厚みの基準値との誤差である光ディスクの厚みデータ管理方法。 - 保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段を備える光情報記録再生装置における球面収差補正方法であって、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法によって光ディスクの所定のトラックに書き込まれた保護層の厚みデータを読み出し、
読み出した前記厚みデータに基づいて、前記補正手段を駆動制御することにより前記球面収差を補正する球面収差補正方法。 - 保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段を備える光情報記録再生装置における球面収差補正方法であって、
挿入された光ディスクの製品識別に関する管理情報を読み取る第1の処理と、
製造された光ディスクの管理情報と保護層の厚みデータとが関連付けて蓄積されているデータベースから、前記第1の処理で読み取った前記所定の管理情報に対応する厚みデータを取得する第2の処理と、
前記第2の処理で取得した前記厚みデータに基づいて、前記補正手段を駆動制御することにより前記球面収差を補正する第3の処理と、を有する球面収差補正方法。 - 請求項8に記載の球面収差補正方法において、
前記第2の処理において、前記データベースにはインターネットを介して接続する球面収差補正方法。 - 請求項8または請求項9に記載の球面収差補正方法において、
前記厚みデータは、実測された前記保護層の厚みである球面収差補正方法。 - 請求項8または請求項9に記載の球面収差補正方法において、
前記厚みデータは、実測された前記保護層の厚みと、前記光ディスクの規格に対応して決定される前記保護層の厚みに関する基準値との誤差である球面収差補正方法。 - 保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段と、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ディスクの厚みデータ管理方法によって保護層の厚みデータが所定のトラックに書き込まれた光ディスクが挿入されると、該光ディスクの前記所定のトラックから前記厚みデータを読み出す情報読み取り部と、
読み出した前記厚みデータに基づいて、補正手段を駆動制御する制御手段と、を有することを特徴とする光情報記録再生装置。 - 保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段と、
光ディスクが挿入されると、該光ディスクの所定トラックに予め書き込まれている製品識別に関する管理情報を読み取る情報読み取り部と、
製造された光ディスクの管理情報と保護層の厚みデータとが関連付けて蓄積されているデータベースから、前記情報読み取り部で読み取られた前記所定の管理情報に対応する厚みデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された前記厚みデータに基づいて、前記補正手段を駆動制御する制御手段と、を有することを特徴とする光情報記録再生装置。 - 請求項13に記載の光情報記録再生装置において、
前記データ取得部は、インターネットを介して前記データベースに接続することを特徴とする光情報記録再生装置。 - 製品管理に関する管理情報が書き込まれる管理トラックを有し、
製造工程における記録面形成後に計測された少なくとも一つ以上の計測点における保護層の厚みが計測され、計測結果に基づいて作成される厚みデータを前記管理トラックに書き込まれることを特徴とする光ディスク。 - 製造された多数の光ディスクにおける、製品識別に関する管理情報と保護層の厚みに関する厚みデータとを関連付けて蓄積するデータベースと、
製造工程において予め、所定トラックに前記管理情報が書き込まれた光ディスクと、
保護層の厚みによる球面収差の変動を補正する補正手段、前記光ディスクが挿入されると該光ディスクから前記管理情報を読み取る情報読み取り部、前記情報読み取り部で読み取られた前記管理情報に対応する厚みデータを前記データベースから取得するデータ取得部、前記データ取得部によって取得された前記厚みデータに基づいて前記補正手段を駆動制御する制御手段と、を有し、挿入された前記光ディスクに対する情報の記録再生を実行する光情報記録再生装置と、を備えることを特徴とする光情報記録再生システム。 - 請求項16に記載の光情報記録再生システムにおいて、
前記データ取得部は、インターネットを介して前記データベースに接続されることを特徴とする光情報記録再生システム。 - 請求項16または請求項17に記載の光情報記録再生システムにおいて、
前記厚みデータは、製造された前記光ディスクの保護層の実測結果であることを特徴とする光情報記録再生システム。 - 請求項16または請求項17に記載の光情報記録再生システムにおいて、
前記厚みデータは、製造された前記光ディスクの保護層の実測結果と、該光ディスクの規格に対応して決定される前記保護層の厚みの基準値との誤差である光情報記録再生システム。
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