JP2004117342A - バイオセンサ及びそれを用いた測定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単一または複数の試料液から単一または複数の特定物質の濃度をほぼ同時に測定できるバイオセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】 絶縁性の基板上に形成された測定極と対極とを含む電極系と、酸化還元酵素と電子メディエータを含む試薬部とを備えたセンサユニットを複数具備し、各センサユニットに供給される試料液が試薬部に到達する時間が、各センサユニット間で互いに異なるように構成されたバイオセンサ。すなわち、試料供給部と各センサユニットの試薬部との間に、試料液が試料供給部から試薬部に到達する時間を制御する制御手段が備えられている。
【選択図】図2

Description

 本発明は、試料液中に含まれ得る特定物質の濃度を測定するためのバイオセンサ及びそれを用いた測定法に関する。
 従来、複数の特定物質の濃度を同時に測定するバイオセンサとして、フローインジェクションタイプのバイオセンサがある。例として、固定化酵素膜と電極反応を用いたバイオセンサで、フローインジェクション分析装置(FIA)YSI MODEL2700 SELECT(Yellow Spring Instrument Co.,Inc.)によるグルコースとL−乳酸の濃度を同時に測定する操作を説明する。
 まず、サンプル吸引チューブの先端を試料液に浸して、試料液を測定系内に吸引させ、試料液を測定場であるサンプルチャンバーへ供給する。このとき、一定量の緩衝液もサンプルチャンバーに導入され、サンプルチャンバーが具備するスターラーによって、試料液と緩衝液が攪拌混合される。サンプルチャンバーには、グルコースオキシダーゼ(以下、GOxと略称する)及びラクテートオキシダーゼ(以下、LODと略称する)をそれぞれ固定化した酵素膜を装着した電極が二つ具備されている。試料液と緩衝液が導入されて所定の時間が経過した後、電気化学的に測定が行われ、試料液に含まれるグルコース及びL−乳酸の濃度が算出される。
 また、複数の試料液から単一の特定物質を連続して測定するバイオセンサの一例として、血液中のグルコース濃度を測定するグルコローダーGTX(A&T Co.,Inc.)の測定操作を説明する。専用のサンプルカップに試料液である血漿を一定量入れ、専用の円形のフラクションコレクタにサンプルカップをセットし、測定を開始する。まず、アスピレータが自動的にフラクションコレクタ上の一番目のサンプルカップより一定量の試料液を吸引し、測定チャンバーまで移動し、測定チャンバーにあらかじめ満たされていた緩衝液により、既定の倍率で試料液を希釈する。
 次に、この測定チャンバーにGOx膜を固定化した固定化酵素電極を浸漬し、所定の時間が経過した後、電気化学的に測定を行う。1番目のサンプルカップの測定が終了すると、フラクションコレクタが回転し、2番目のサンプルカップを1番目のサンプルカップのあった位置に移動させ、2番目のサンプルカップの試料液を測定する。このように、一つのサンプルカップの測定が終了するとフラクションコレクタが回転して、順次サンプルカップがアスピレータが稼動する位置に移動して、連続的に測定を実施することができる。
 一方、試料液中の複数の特定物質を希釈や攪拌などを行うことなく簡易に定量する方式として、次のようなバイオセンサが提案されている(特許文献1参照)。このバイオセンサは、絶縁性の基板の異なる面上に、それぞれ電極系が設けられている。これらの複数組の電極系上には、それぞれ異なる酵素または酵素の組み合わせを含有する反応層が、直接または間接的に形成されている。
特開平5−196596号公報
 このようなバイオセンサを用いて試料液中のグルコースとフルクトースの測定を実施する方法を説明する。まず、絶縁性の基板の両面にスクリーン印刷によって電極系を形成する。基板の一方の面の電極系上にはGOxを含む反応層、もう一方の面の電極系上にはフルクトースデヒドロゲナーゼ(以下、FDHと略称する)を含む反応層をそれぞれ形成する。さらに、基板の両面には、試料液を電極系上へ導く試料液供給路を形成するためのカバー部材を結合してセンサを作製する。GOxの酵素反応時間は、FDHの酵素反応時間よりも短い。このため、センサのそれぞれの試料供給口に同時に試料液を供給し、1分後と2分後にそれぞれの電極系に電圧を印加し、それぞれ5秒後に電流値を測定することにより、試料液中のグルコース濃度とフルクトース濃度の定量を実施することができる。
 上記のような従来の複数の特定物質の濃度を同時に測定するフローインジェクション方式のバイオセンサにおいては、測定にはキャリアとなる緩衝液が必ず必要である。上記の例の場合、GOxとLODの緩衝液が同じものであるため、2成分を同時に測定することが可能である。しかし、測定したい複数の特定物質に対応する各酵素の至適pHや適した緩衝液の種類が異なる場合は、同時測定は不可能である。また、装置が大掛かりであり、メンテナンスも煩雑である。
 また、上記のような従来の複数の試料液から単一の特定物質を連続して測定するバイオセンサの場合、測定のためにはフラクションコレクタなどの大掛かりな装置で連続して試料を提供する手段が必要である。また、同時に測定ができないため、時間の経過とともに試料液が蒸発することにより、測定精度が低くなる場合もある。
 さらに、上記の1つの基板に複数の電極系を設けたバイオセンサにおいては、複数の反応層に含有される酵素あるいは酵素の組み合わせによる酵素反応時間に差がない場合は、複数の電極系の電流値を分離して検出することができない。そのため、測定対象である複数の特定物質に対応する各酵素の酵素反応時間に差がない場合や、測定対象である特定物質が単一である場合には、測定を行うことができない。
 本発明は、上記の問題点に鑑み、測定対象である複数の特定物質に対応する各酵素の至適pHや適した緩衝液の種類が異なる場合や、各酵素の酵素反応時間に差がない場合であっても、複数の特定物質の濃度を同時に測定することができる簡易な構成のバイオセンサを提供することを目的とする。
 本発明は、簡易な構成で精度良く複数の試料液から単一の特定物質を連続して測定することができるバイオセンサを提供することをも目的とする。
 さらに、本発明は、そのようなバイオセンサを用いた測定法を提供することを目的とする。
 本発明のバイオセンサは、絶縁性の基板上に形成された測定極と対極を含む電極系と、前記電極系上またはその近傍に設けられた酸化還元酵素および電子メディエータを含む試薬部とを備えたセンサユニットの複数個;前記センサユニット毎にまたはいくつかのセンサユニット毎に設けられた試料供給部;並びに前記試料供給部と前記各センサユニットの試薬部との間に設けられ、試料液が試料供給部から試薬部に到達する時間を制御する制御手段を具備し、前記各制御手段が互いに異なり、それによって、同時に試料供給部に供給された試料が前記各センサユニットの試薬部に到達する時間が互いに異なるように構成されている。
 本発明によるバイオセンサの各センサユニットにおいて、当該センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法は、センサユニットに供給された試料液が、前記制御手段により定められる時間経過後に試薬部を溶解して、試料液中の特定物質と試薬部の酸化還元酵素とが反応し、その反応により生じる電子メディエータの電気化学的な変化を検出するものであり、前記電気化学的な変化は測定極と対極との間に電圧を印加したとき得られる応答電流を測定することにより検出される。この測定原理は、例えば米国特許第5,120,420号に記載されており、これを参考に引用する。
 本発明のバイオセンサは、複数のセンサユニットを有しており、各センサユニットの電極系への試料液の供給部を共通の1つとするか各センサユニット毎に試料液供給部を設けるかによってセンサの具体的な構成が異なる。さらには、センサユニットの電極系における電気化学的な変化を検出するための端子、すなわち測定極用端子と対極用端子をセンサユニット毎に設けるか共通の1つにするかによって、センサの電気的接続回路の構成が異なり、それによって、測定方法も異なる。
 本発明によると、測定対象である複数の特定物質に対応する各酵素の至適pHや適した緩衝液の種類が異なる場合、あるいは各酵素の酵素反応時間に差がない場合においても、複数の特定物質の濃度を一連の操作で容易にかつ高精度で測定することができる。また、本発明によると、複数の試料液から単一の特定物質を連続して測定することもできる。
 本発明のバイオセンサは、各センサユニットが、測定極と対極を含む電極系と、電極系上またはその近傍に設けられた酸化還元酵素および電子メディエータを含む試薬部と、前記センサユニット毎にまたは各センサユニットに共通に設けられた試料供給部と前記各センサユニットの試薬部との間に設けられ、試料液が試料供給部から試薬部に到達する時間を制御する制御手段を具備している。そして、各センサユニットの制御手段が互いに異なり、それによって、同時に試料供給部に供給された試料液が前記各センサユニットの試薬部に到達する時間が互いに異なるように構成されている。
 試薬部は、少なくともその一部が、センサユニットに供給された試料液と接触する位置に設けられていればよい。特に、電極系上またはその近傍に設けられていることが好ましい。測定極または対極を構成する導電性材料と混合した状態で設けられていてもよい。
 本発明の第1の好ましい実施の形態のバイオセンサにおいては、各センサユニットはそれぞれ試料供給部を有し、各センサユニットの測定極と並列に接続された1つの測定極用端子と、各センサユニットの対極と並列に接続された1つの対極用端子とを有する。
 上記のセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法は、
 (a)各センサユニットの各試料供給部にほぼ同時に試料を供給する工程、
 (b)各センサユニットの制御手段により定められるn個の時間経過毎に、前記測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
 (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
からなる。前記各センサユニットに供給される試料液は同じでも異なっていても良い。
 本発明の第2の好ましい実施の形態のバイオセンサにおいては、各センサユニットはそれぞれ試料供給部を有するとともに、それぞれの測定極及び対極に接続された測定極用端子及び対極用端子を備える。
 上記の第2のセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法は、
 (a)各センサユニットの各試料供給部にほぼ同時に試料を供給する工程、
 (b)各センサユニット毎に、当該センサユニットの制御手段により定められる時間経過後に、当該センサユニットの測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
 (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
からなる。前記各センサユニットに供給される試料液は同じでも異なっていても良い。
 本発明の第3の好ましい実施の形態のバイオセンサにおいては、各センサユニットに並列に連なる1つの試料供給部を有し、各センサユニットの測定極と並列に接続された1つの測定極用端子と、各センサユニットの対極と並列に接続された1つの対極用端子とを有する。
 前記第3のセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法は、
 (a)前記試料供給部に試料液を供給する工程、
 (b)各センサユニットの制御手段により定められるn個の時間経過毎に、前記測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
 (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
からなる。
 本発明の第4の好ましい実施の形態のバイオセンサにおいては、各センサユニットに並列に連なる1つの試料供給部を有し、各センサユニットはそれぞれの測定極及び対極に接続された測定極用端子及び対極用端子を備える。
 前記第4のセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法は、
 (a)前記試料供給部に試料液を供給する工程、
 (b)各センサユニット毎に、当該センサユニットの制御手段により定められる時間経過後に、当該センサユニットの測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
 (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
からなる。
 上記の各測定法において、センサユニットの電極系における応答電流を測定するのは、当該センサユニットの測定極と対極とが試料液に接触し、液絡したこと、すなわち両電極間の電気抵抗が変化したことを検知した後に行うことが好ましい。この液絡により、試料液の電極系への到達を判別することができるから、正確な測定を実施することが可能となる。
 本発明のバイオセンサに用いられる好ましい制御手段は、親水性高分子を含む層からなり、各センサユニットの制御手段の相違が、前記親水性高分子を含む層の試料液への溶解速度の相違に基づく。
 他の好ましい制御手段は、試料液を透過させる細孔を有する多孔体または繊維質物質の層からなり、各センサユニットの制御手段の相違が、前記多孔体または繊維質物質の層を試料液が透過する速度の相違に基づく。
 さらに他の好ましい制御手段は、試料液供給部から試薬層に至る試料液供給路からなり、各センサユニットの制御手段の相違が、前記試料液供給路の長さの相違に基づく。
 前記制御手段としての、親水性高分子を含む層の試料液に対する溶解速度は、同じ親水性高分子を用いる場合は、その膜厚や密度などを調節することにより、各センサユニット毎に異なるようにすることができる。また、異なる溶解度を持つ親水性高分子を用いることにより、各センサユニット毎に溶解速度が異なるようにすることができる。
 本発明において用いることができる親水性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリリジンなどのポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチン及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、スターチ及びその誘導体、無水マレイン酸の重合体およびその塩、アガロースゲル及びその誘導体等が挙げられる。
 前記制御手段としての、試料液を透過させる細孔を有する多孔体または繊維質物質の層における試料液が透過する速度は、膜厚、孔径、空孔率等により調整することができる。
 本発明において用いることができる多孔体としては、多孔性ガラス、多孔性セラミックス、発泡金属や焼結金属などの多孔性金属、活性炭等が挙げられる。繊維質物質は、不織布、ガラス繊維ろ紙、ペーパーろ紙等が挙げられる。
 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここに用いる構造図は理解を容易にするためのものであって、各要素の相対的なサイズや位置関係は必ずしも正確ではない。
《実施の形態1》
 図1は本実施の形態1に係るバイオセンサの、スペーサ及びカバーを除く平面図である。図2は同バイオセンサの試薬部および制御部を除く分解斜視図である。図3は電極系部分の形成工程を示す、図1のIII−III線の断面図である。図4は試薬部及び制御部を含むバイオセンサを図1のIII−III線で切った断面図である。
 本実施の形態に係るバイオセンサ10の作製方法は次の通りである。まず、絶縁性の樹脂からなる基板2に、スクリーン印刷により銀ペーストを印刷し、測定極用端子3及び測定極用リード5を形成する(図3(b))。
 次に、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを印刷して、測定極7を形成する(図3(c))。続いて絶縁性ペーストを印刷して絶縁層9を形成する(図3(d))。さらに、銀ペーストを印刷して対極用端子4、および対極用リード6を形成する(図3(e))。最後に、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを印刷して対極8を形成する(図3(f))。絶縁層9は、測定極7の面積を規定し、かつ測定極用リード5及びこれに接続された測定極7と対極用リード6及びこれに接続された対極8とを絶縁している。
 続いて、測定極7及び対極8からなる電極系上に、酵素と電子メディエータを含む試薬部11を形成し、さらに試薬部11上に、試料液が試薬部11に到達する時間を制御する制御手段として制御部17を形成する。ここで、制御部17としては、例えば親水性高分子層、多孔体、繊維質物質の層等が挙げられる。
 最後に、基板2に、スリット15を有するスペーサ12、及び空気孔16を有するカバー13を順次接着してバイオセンサ10が完成する。スペーサ12のスリット15の部分に試料液供給路が形成され、スリット15の開放部に試料供給口14が形成される。試料液を試料供給口14に接触させれば、試料液は毛細管現象によって、試料供給路内に導入され、制御部17を介して試薬部11に到達する。
 このようにして、本実施の形態では、4個のセンサユニット1a、1b、1cおよび1dを有するバイオセンサを作製する。
 次に、このバイオセンサを用いて試料液中の特定物質の濃度を測定する原理を説明する。試薬部11内に含まれる酵素と試料液中の特定物質である基質との反応によって、電子メディエータの酸化体は還元される。続いて、測定極を正にして両電極間に電圧を印加すると、両電極間には前記の還元された電子メディエータを酸化する電流が流れる。この電流値を測定する。測定された電流値は、酵素と基質との反応に起因する電子メディエータの還元された量に比例する。前記電子メディエータの還元された量は、試料液中に含まれる基質の濃度に比例する。従って、得られた電流値から試料液中に含まれる基質の濃度を算出することができる。
 次に、本実施の形態に係るバイオセンサを用いて、上記のような測定原理に基づき、複数の試料液中の特定物質の濃度を求める方法を詳細に説明する。制御部17は、試料液が試料供給部である試料供給口14から試薬部11に到達する時間を制御する。各センサユニットの制御部17は、互いに異なり、それによって、同時に試料供給部に供給された試料が各センサユニットの試薬部に到達する時間が互いに異なるように構成されている。従って、バイオセンサの各センサユニットに対して、実質的に同時に試料液を供給しても、試料液が各々のセンサユニットの試薬部11に到達する時間は互いに異なる。
 以下、n個のセンサユニットを有する実施の形態1に係るバイオセンサを用いた測定方法を具体的に説明する。各センサユニットの試料供給口に同時に試料液を供給したときから時間を計測する。試料液が試薬部に到達する時間が最も早い、1番目のセンサユニットの電極系における反応に基づいて、時間t1に測定端子3と4との間に流れる電流値をIt1とする。このとき1番目のセンサユニットの試薬部にしか試料液が到達していないため、時間t1において1番目のセンサユニットの電極系に流れる電流I1(t1)は、
 I1(t1)=It1
となる。ここで、時間t1における1番目のセンサユニットでの基質濃度と電流値の関係を表す検量線の関数をα1(t1)(i)で表すと(iは電流値)、1番目のセンサユニットの電極系における反応に基づいて、測定された試料液中の特定物質の濃度C1は、
 C1=α1(t1){I1(t1)
となる。
 次に、試料液が試薬部に到達する時間が2番目に早いセンサユニットの電極系における反応が加わったことに基づいて、時間t2に測定端子3と4との間に流れる電流値をIt2とする。このとき、3番目以降のセンサユニットの試薬部には試料液が到達していないため、時間t2において電流が流れているのは1番目の電極系と2番目のセンサユニットの電極系のみである。時間t2に1番目のセンサユニットの電極系に流れる電流値をI1(t2)、2番目のセンサユニットの電極系に流れる電流値をI2(t2)とすると、バイオセンサ全体に流れる電流値It2は、
 It2=I1(t2)+I2(t2)
となる。
 一方で、時間t1のときに、既に濃度C1が算出されているため、時間t2における1番目のセンサユニットでの基質濃度と電流値の関数を表す検量線の関数をα1(t2)(i)で表すと、濃度C1は、
 C1=α1(t2){I1(t2)
となる。従って、I1(t2)は、
 I1(t2)=α1(t2) -1(C1
で求めることができる。従って、I2(t2)は、
 I2(t2)=It2−I1(t2)=It2−α1(t2) -1(C1
となる。
 ここで、時間t2における2番目のセンサユニットでの基質濃度と電流値の関係を表す検量線の関数をα2(t2)(i)で表すと、濃度C2は、
 C2=α2(t2){It2−α1(t2) -1(C1)}
となる。
 このようにして、順次異なるセンサユニットの試薬部に試料液が到達し、当該センサユニットの電極系の反応に基づく電流が加算されて、端子3と4との間に流れる。従って、n番目のセンサユニットの電極系の反応に基づく電流から求められる基質濃度をCnとすると、
 Cn=αn(tn)[Itn−{α1(tn) -1(C1)+・・・+αn-1(tn) -1(Cn-1)}]
で表すことができる。
 本実施の形態のバイオセンサは、それぞれ試薬部を有する複数のセンサユニットから構成されているので、各々のセンサユニットにおいて試薬部に含まれる酵素や緩衝剤を測定対象に応じて適宜設定することができる。このため、測定しようとする複数の特定物質に対応する各酵素の至適pHや適した緩衝液の種類が異なる場合においても、複数の特定物質の濃度を、一組の測定端子3と4との間に流れる電流を、時間差をもって測定する一連の測定操作によって、求めることができる。本実施の形態に係るバイオセンサは、特に、各センサユニットの酵素の酵素反応時間に差がない場合に有用である。
 また、本実施の形態に係るバイオセンサは、試料液を試料液供給路内に保持する構成であるから、試料液が電極系に達するまでに時間差があっても、試料液の蒸発の影響がない。従って、複数の試料液から単一の特定物質を精度良く測定することができる。
 各センサユニットの電極系の反応に基づく電流の検知に必要な端子が1組であることから、センサユニット数を自由に増減させることが可能となる。従って、一連の操作で測定する特定物質の種類やサンプルの数を自由に変更することが可能である。また、端子が1組であることから、測定器にセンサを装着するコネクターも1組ですみ、測定器の構成が簡易で、測定器の大きさをコンパクトにすることが可能となる。
《実施の形態2》
 図5は実施の形態2に係るバイオセンサの、スペーサ及びカバーを除く平面図である。図6は同バイオセンサの試薬部、及び制御部を除く分解斜視図である。図7は電極系部分の形成工程を示す、図5のVII−VII線の断面図である。図8は試薬部及び制御部を含むバイオセンサを図5のVII−VII線で切った断面図である。
 本実施の形態に係るバイオセンサ20の作製方法は次の通りである。まず、絶縁性の樹脂からなる基板22にスクリーン印刷により銀ペーストを印刷し、測定極用端子23、対極用端子24、測定極用リード25、及び対極用リード26を形成する(図7(a))。次に、樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを印刷して、測定極27を形成し(図7(b))、続いて絶縁性ペーストを印刷して絶縁層29を形成する(図7(c))。最後に、再び樹脂バインダーを含む導電性カーボンペーストを印刷して対極28を形成する(図7(d))。
 続いて電極系上に酵素と電子メディエータを含む試薬部31を形成し、さらに試薬部31上に、試料液が試薬に到達する時間を制御する制御手段である制御部37を形成する。ここで、制御部37としては、例えば親水性高分子層、多孔体、繊維質物質の層等が挙げられる。
 最後に、基板22に、スリット35を有するスペーサ32、及び空気孔36を有するカバー33を順次接着してバイオセンサ20が完成する。スペーサ32のスリット35の部分に試料液供給路が形成され、スリット35の開放部に試料供給口34が形成される。試料液を試料供給口34に接触させれば、試料液は毛細管現象によって、試料供給路内に導入され、試薬部31に到達する。
 図9は図5のIX−IX線断面図を表す。制御部37は親水性高分子層により形成された例である。試料供給口34に供給された試料液は、スリット35の部分に形成された試料液供給路を、毛管現象により空気孔36に向かって進入する。その試料液が制御部の親水性高分子層を溶解すると、試薬部31を溶解し、酵素反応が開始する。
 図10は制御部47をセラミックまたは繊維質物質の層により構成した例を示す。試料液供給路において、試薬部31より試料供給口側に制御部47が設置され、ここを透過した試料液が試薬部31に達してこれを溶解する。
 図11は図6におけるスペーサ32およびカバー33の代わりに用いるカバー42を示している。図12は、このようなカバー42を用いたバイオセンサを図11のXII−XII線に沿って切った断面図を表す。カバー42は試料供給部となる透孔44を有している。この孔44の部分に供給された試料液は、制御部37に接し、これを溶解または透過して試薬部31に達する。
 以上の図9〜12に示される構造は、実施の形態1にも適用することができるのはいうまでもない。
 このようにして、本実施の形態では、4個のセンサユニット21a、21b、21cおよび21dを有するバイオセンサを作製する。
 本実施の形態に係るバイセンサは、各センサユニット毎に電流測定用端子を有することが実施の形態1と異なるが、電極系に流れる電流値から試料液中に含まれる基質の濃度を算出する測定原理は実施の形態1に係るバイオセンサのそれと同様である。すなわち、各制御部の構成の相違により設定された時間差をもって順次センサユニットの電極間にそれらの端子を介して電圧を印加し、その際流れる電流値から基質濃度を換算することができる。各センサユニットの測定値は、他のセンサユニットの影響を受けないから、より正確な測定が可能となる。
《実施の形態3》
 図13は実施の形態3に係るバイオセンサの、スペーサ及びカバーを除く平面図である。図14は同バイオセンサの試薬部、および制御部を除く分解斜視図である。
 本実施の形態に係るバイオセンサ50の基板52には、実施の形態1と同様にして、測定極用端子53、測定極用リード55、測定極57、絶縁層59、対極用端子54、対極用リード56、および対極58を形成する。続いて、電極系上に試薬部を形成する。本実施の形態に用いるスペーサ62は、各センサユニットの試料液供給路を形成するための長さの異なるスリット65a、65b、65c、および65dを有し、これらのスリットは、64で表される試料供給口を形成するための1つの開放部につながっている。このスペーサ62と、4個の空気孔66を有するカバー63を基板52に接着することによりバイオセンサが完成する。
 本実施の形態に係るバイオセンサでは、1つの試料供給口に供給された試料液が長さの異なる試料液供給路に分岐して各センサユニットへ供給される。試料液供給路の長さの違いにより、試料供給口に供給された試料液が各センサユニットの試薬部に到達する時間が互いに異なる。試料液供給路の長さの違いにより、試料液が各センサユニットの試薬部に到達する時間の差が十分大きくない場合には、実施の形態1または2で説明したような制御部を付加しても良い。本実施の形態では、測定極および対極の端子は、各センサユニットに共通な1組としたが、実施の形態2のように、各センサユニット毎に測定極および対極の端子を設けてもよい。
 本実施の形態のバイオセンサは、1つの試料液中の異なる特定物質の測定に適している。
 実施の形態1および2では、各センサ毎に試料供給口を設けたが、実施の形態3のように、各センサユニットの試料供給口を共通の1つにしても良い。ただし、その場合は、1つの試料供給口から各センサユニットの試薬部までの試料液供給路の長さは等しくしても良い。
 実施の形態3では、測定用端子は1組としたが、実施の形態2と同様に、各センサユニット毎に測定用端子を設けても良い。また、実施の形態3では、各センサユニットの試料供給口を共通の1つにしたが、図15に示すように、各センサユニット毎に試料供給口を設けても良い。図15に示す例では、図14に示される試料供給口が1つのスペーサ62の代わりに、各センサユニット毎に試料供給口74を有する長さの異なる試料液供給路を形成するスリット75a、75b、75c、および75dを設けたスペーサ72を用いている。
 本発明によるバイオセンサを用いた測定法は、複数の基質を含む1種の試料液を各センサユニットに供給し、各センサユニットにおいてそれぞれ異なる基質を測定するのに有効である。単一または複数の基質を含むそれぞれ異なった試料液を各センサユニットへ供給し、各センサユニットにおいて同一または異なる基質を測定するにも有効である。
 以下に、具体的な実施例によって更に詳細に本発明を説明する。
 図1に示したバイオセンサを用いて、試料液中のグルコース、フルクトース、L−乳酸及びアルコールを測定する方法について説明する。バイオセンサ10の各センサユニットの電極系には、それぞれ試薬部11として、次のものが担持されている。
 グルコースを測定するセンサユニット1a
   酵素:GOx
   電子メディエータ:フェリシアン化カリウム
 フルクトースを測定するセンサユニット1b
   酵素:FDH
   電子メディエータ:フェリシアン化カリウム
 L−乳酸を測定するセンサユニット1c
   酵素:LOD
   電子メディエータ:フェリシアン化カリウム
 アルコールを測定するセンサユニット1d
   酵素:アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)、ジアフォラーゼ
   補酵素:β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
   電子メディエータ:フェリシアン化カリウム
 各センサユニット1a、1b、1cおよび1dの電極系上に担持した試薬部11上に、それぞれポリビニルピロリドン(以下、PVPと略称する)の濃度が0、0.5、1.0、および1.5%のエタノール溶液を滴下し、乾燥させることにより、PVP層を形成した。PVP層は、試料液の浸透を制御する制御部17として働く。各センサユニットのPVP層は、互いに膜厚が異なる。従って、各センサユニットに同時に試料液を供給しても、PVP層の厚みの差によって、試料液が試薬部11に到達する時間には約30秒ずつの差が生じる。すなわち、試料液が試薬部に最初に到達するのはセンサユニット1aであり、順次約30秒ずつ遅れてセンサユニット1b、1c、および1dの試薬部に試料液が到達する。
 上記のように構成されたバイオセンサの各センサユニットの試料供給口に、ほぼ同時にそれぞれ同じ試料液を供給する。グルコースを測定するセンサユニット1aでは、試薬部上にPVP層がないから、試薬部に到達した試料液は直ちに電極系上の試薬部を溶解する。これによって、測定極7と対極8が液絡して電極間のインピーダンスが変化する。このインピーダンスの変化によって、試料液が電極系に到達したことが検知される。これと同時に、測定時間のカウントが開始される。25秒経過後に、両電極間に測定極を正にした電圧が印加され、さらに5秒後に両電極間に流れた電流値が測定される。この電流値からグルコースの濃度が換算される。
 前記の電流値の測定とほぼ同時に、フルクトースを測定するセンサユニット1bのPVP層が試料液に溶解し、次いで試薬部11が溶解する。センサユニット1aの電極系が液絡してから55秒経過後に、センサユニット1bの両電極間にに電圧を印加し、5秒後に電流値を測定する。この電流値は、フルクトースとFDHの反応から生じた電流値と、先に試料液が到達していたセンサユニット1aの電極系で生じた電流値との和である。この電流値から、既知のグルコース濃度に相当する電流値を差し引くことにより、フルクトースの酸化反応由来の電流値が求められる。従って、フルクトースの濃度を算出することができる。
 このようにして順次、L−乳酸及びアルコールの濃度を測定することが可能である。
 図5に示したバイオセンサを用いて、4つの異なる試料液中のグルコースを同時に測定する方法について説明する。各センサユニットの電極系上に、酵素GOxと電子メディエータフェリシアン化カリウムを含む試薬部31を担持する。次に、その試薬部31上に、電極系と略一致する形状で膜厚の異なるガラス繊維ろ紙を制御部37として設置する。このようにして構成されたバイオセンサの各センサユニットの試料供給口にそれぞれ試料液を供給すると、各センサユニットの試薬部31に試料液が到達する時間は、ガラス繊維ろ紙の膜厚に依存して差が生じる。その差を利用して、各センサユニットの端子間に一定の時間間隔で電圧を順次印加し、還元された電子メディエータを酸化する電流値を測定することにより、4つの異なる試料液中のグルコース濃度を算出することができる。
 実施例1及び2では、試料液がそれぞれ試薬部11および31に到達する時間を制御する手段として、親水性高分子であるPVP及び繊維質物質であるガラス繊維ろ紙を用いたが、これに限定されない。
 本発明は、複数の特定物質の濃度を一連の操作で容易にかつ高精度で測定することができる。また、本発明によると、複数の試料液から単一の特定物質を連続して測定することもできる。
本発明の一実施の形態に係るバイオセンサの、スペーサ及びカバーを除く平面図である。 同バイオセンサの試薬部および制御部を除く分解斜視図である。 電極系部分の形成工程を示す、図1のIII−III線の断面図である。 試薬部及び制御部を含むバイオセンサを図1のIII−III線で切った断面図である。 本発明の他の実施の形態に係るバイオセンサの、スペーサ及びカバーを除く平面図である。 同バイオセンサの試薬部及び制御部を除く分解斜視図である。 電極系部分の形成工程を示す、図5のVII−VII線の断面図である。 試薬部及び制御部を含むバイオセンサを図5のVII−VII線で切った断面図である。 図5のIX−IX線断面図である。 他の実施の形態におけるバイオセンサの試料液供給路を表す要部の断面図である。 さらに他の実施の形態におけるバイオセンサのカバーを示す斜視図である。 図11のXII−XII線に沿って切った断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係るバイオセンサの、スペーサ及びカバーを除く平面図である。 同バイオセンサの試薬部および制御部を除く分解斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係るバイオセンサの、試薬部及び制御部を除く分解斜視図である。
符号の説明
  1a、1b、1c、1d、21a、21b、21c、21d センサユニット
  3、23 測定極用端子
  4、24 対極用端子
  5、25 測定極用リード
  6、26 対極用リード
  7、27 測定極
  8、28 対極
 10、20 バイオセンサ
 11、31 試薬部
 14、34 試料供給口
 15、35 試料液供給路を形成するスリット
 17、37 制御部

Claims (13)

  1.  絶縁性の基板上に形成された測定極と対極を含む電極系と、前記電極系上またはその近傍に設けられた酸化還元酵素および電子メディエータを含む試薬部とを備えたセンサユニットの複数個;前記センサユニット毎にまたはいくつかのセンサユニット毎に設けられた試料供給部;並びに前記試料供給部と前記各センサユニットの試薬部との間に設けられ、試料液が試料供給部から試薬部に到達する時間を制御する制御手段を具備し、前記各制御手段が互いに異なり、それによって、同時に試料供給部に供給された試料が前記各センサユニットの試薬部に到達する時間が互いに異なるように構成されたバイオセンサ。
  2.  各センサユニットはそれぞれ試料供給部を有し、各センサユニットの測定極と並列に接続された1つの測定極用端子と、各センサユニットの対極と並列に接続された1つの対極用端子とを有する請求項1記載のバイオセンサ。
  3.  各センサユニットはそれぞれ試料供給部を有するとともに、それぞれの測定極及び対極に接続された測定極用端子及び対極用端子を備える請求項1記載のバイオセンサ。
  4.  各センサユニットに並列に連なる1つの試料供給部を有し、各センサユニットの測定極と並列に接続された1つの測定極用端子と、各センサユニットの対極と並列に接続された1つの対極用端子とを有する請求項1記載のバイオセンサ。
  5.  各センサユニットに並列に連なる1つの試料供給部を有し、各センサユニットはそれぞれの測定極及び対極に接続された測定極用端子及び対極用端子を備える請求項1記載のバイオセンサ。
  6.  前記制御手段が、親水性高分子を含む層からなり、各センサユニットの制御手段の相違が、前記親水性高分子を含む層の試料液への溶解速度の相違に基づく請求項1記載のバイオセンサ。
  7.  前記制御手段が、試料液を透過させる細孔を有する多孔体または繊維質物質の層からなり、各センサユニットの制御手段の相違が、前記多孔体または繊維質物質の層を試料液が透過する速度の相違に基づく請求項1記載のバイオセンサ。
  8.  前記制御手段が、試料液供給部から試薬層に至る試料液供給路からなり、各センサユニットの制御手段の相違が、前記試料液供給路の長さの相違に基づく請求項1記載のバイオセンサ。
  9.  各センサユニットに並列に連なる1つの試料供給部を有し、前記試料供給部から各センサユニットの試料液供給路が分岐している請求項8記載のバイオセンサ。
  10.  請求項2記載のバイオセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法であって、この方法は、センサユニットに供給された試料液が、前記制御手段により定められる時間経過後に試薬部を溶解して、試料液中の特定物質と試薬部の酸化還元酵素とが反応し、その反応により生じる電子メディエータの電気化学的な変化を検出するものであり、前記電気化学的な変化は測定極と対極との間に電圧を印加したとき得られる応答電流を測定することにより検出されるものであり、前記測定方法は、
     (a)各センサユニットの各試料供給部にほぼ同時に試料を供給する工程、
     (b)各センサユニットの制御手段により定められるn個の時間経過毎に、前記測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
     (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
    を有し、前記各センサユニットに供給される試料液は同じでも異なっていても良い、測定法。
  11.  請求項3記載のバイオセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法であって、この方法は、センサユニットに供給された試料液が、前記制御手段により定められる時間経過後に試薬部を溶解して、試料液中の特定物質と試薬部の酸化還元酵素とが反応し、その反応により生じる電子メディエータの電気化学的な変化を検出するものであり、前記電気化学的な変化は測定極と対極との間に電圧を印加したとき得られる応答電流を測定することにより検出されるものであり、前記測定方法は、
     (a)各センサユニットの各試料供給部にほぼ同時に試料を供給する工程、
     (b)各センサユニット毎に、当該センサユニットの制御手段により定められる時間経過後に、当該センサユニットの測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
     (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
    を有し、前記各センサユニットに供給される試料液は同じでも異なっていても良い、測定法。
  12.  請求項4記載のバイオセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法であって、この方法は、センサユニットに供給された試料液が、前記制御手段により定められる時間経過後に試薬部を溶解して、試料液中の特定物質と試薬部の酸化還元酵素とが反応し、その反応により生じる電子メディエータの電気化学的な変化を検出するものであり、前記電気化学的な変化は測定極と対極との間に電圧を印加したとき得られる応答電流を測定することにより検出されるものであり、前記測定方法は、
     (a)前記試料供給部に試料液を供給する工程、
     (b)各センサユニットの制御手段により定められるn個の時間経過毎に、前記測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
     (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
    を有する測定法。
  13.  請求項5記載のバイオセンサを用いて、n個の各センサユニットに供給される試料液中の特定物質の濃度を測定する方法であって、この方法は、センサユニットに供給された試料液が、前記制御手段により定められる時間経過後に試薬部を溶解して、試料液中の特定物質と試薬部の酸化還元酵素とが反応し、その反応により生じる電子メディエータの電気化学的な変化を検出するものであり、前記電気化学的な変化は測定極と対極との間に電圧を印加したとき得られる応答電流を測定することにより検出されるものであり、前記測定方法は、
     (a)前記試料供給部に試料液を供給する工程、
     (b)各センサユニット毎に、当該センサユニットの制御手段により定められる時間経過後に、当該センサユニットの測定極用端子と対極用端子との間に電圧を印加し、得られる応答電流を測定する工程、及び
     (c)測定されたn個の電流値から前記各センサユニットに供給された試料液中に含まれる特定物質の濃度を換算する工程
    を有する測定法。
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