JP4814953B2 - 血液試料のヘマトクリット値の測定方法、血液試料中の分析物の濃度の測定方法、センサチップおよびセンサユニット - Google Patents

血液試料のヘマトクリット値の測定方法、血液試料中の分析物の濃度の測定方法、センサチップおよびセンサユニット Download PDF

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Description

本発明は、血液試料のヘマトクリット(Hct)値の測定方法、血液試料中の分析物の濃度の測定方法、それらの測定に適したセンサチップおよびセンサユニットに関する。
血液試料中の分析物の濃度、例えば血中グルコース濃度(血糖値)、を測定するために、センサチップが使用されている。
センサチップは、分析物が関与する酵素サイクリング反応後に、血液試料中に流れる電流量を測定するために用いられ、この電流量に基づいて分析物の濃度が計算される。この電流量は、分析物濃度に加え、血液試料のHct値によっても変化する。血液試料のHct値は、その血液試料を提供した動物の健康状態に応じて変動する。ヒトの標準Hct値は、成人男子において39〜50%、成人女子では36〜45%である。血液試料のHct値は、その血液試料中の分析物濃度を正確に特定するために、さらにはその血液試料の性状、例えば、血液のさらさら度および貧血、を知るために、センサチップの測定対象とすることが望ましい。
特表平8−500190号公報、特表2003−501627号公報、国際公開第2005/054839号パンフレットおよび国際公開第2005/054840号パンフレットは、血液試料のHct値を測定するためのセンサチップを開示する。これら公知のセンサチップは、作用極および対極を含む電極系と、作用極と対極との間に血液試料を保持するための流路(血液試料保持部)とを備える。
特表平8−500190号公報に記載のセンサチップは、血液試料に溶出可能な状態で血液試料保持部に配置された、電子メディエータの還元体および酸化体を有する。電子メディエータの還元体および酸化体は、血液試料保持部への血液試料の導入により作用極上および対極上に混ざり合った状態で付着する。特表2003−501627号公報に記載のセンサチップでは、作用極上および対極上に電子メディエータの酸化体が配置されている。これらのセンサチップでは、各電極上に付着した電子メディエータの酸化還元反応に伴って血液試料中に流れる電流量の測定によって、血液試料のHct値が特定される。
国際公開第2005/054839号パンフレットおよび国際公開第2005/054840号パンフレットに記載のセンサチップでは、Hct値を測定するための作用極および対極を含む電極系のうち対極上にのみ電子メディエータが配置されている。このセンサチップでは、血液試料保持部への血液試料の導入により、電子メディエータを含有しないピュアな血液試料が作用極上に接触する。このセンサチップでは、血液試料中の血液成分、例えば、アスコルビン酸、尿酸および水、の酸化還元反応に起因して、血液試料と作用極との界面で電子が移動する。血液試料と対極との界面での電子の移動は、対極上に配置された電子メディエータが寄与する。
特表平8−500190号公報および特表2003−501627号公報に記載のセンサチップは、血液試料のHct値の変動率に対し、Hct値の測定時に血液試料中に流れる電流(酸化還元電流)の量の変動率が小さく、十分な検出感度を有しない。例えば、血液試料のHct値が20%変動しても、酸化還元電流の振幅が8%程度しか変動しない場合がある。国際公開第2005/054839号パンフレットおよび国際公開第2005/054840号パンフレットに記載のセンサチップでは、Hct値の測定時に作用極と対極との間に印加する電圧(Hct値測定電圧)を低下させると、酸化還元電流の振幅の揺らぎが激しくなり、血液試料のHct値を安定して測定できない。
本発明は、Hct値測定電圧を低下させても、血液試料のHct値を十分な検出感度でかつ安定して測定できる、血液試料のHct値の測定方法、血液試料中の分析物の濃度の測定方法、それらの測定に適したセンサチップおよびセンサユニットの提供を目的とする。
本発明者は、血液試料の導入後に、酸化還元物質の還元体が作用極に接し酸化体が対極に接し、反対型の酸化還元物質が対極または作用極に実質的に接しない状態が形成されるように、センサチップに配置する酸化還元物質の配置パターンを設定すると、作用極を正極、対極を負極として両電極間に印加する電圧を低下させても、酸化還元電流の振幅の揺らぎを抑制でき、またHct値の変動に対する、電圧印加直後における酸化還元電流の振幅の変動率を増加できることを見出した。
本発明は、血液試料に接する作用極と対極との間に電圧を印加して、前記作用極と前記対極との間に流れる電流を検出し、前記電流に基づいて前記血液試料のHct値を算出する、血液試料のHct値を電気化学的に測定する方法であって、酸化還元物質の酸化体が前記作用極に実質的に接することなく前記対極に接し、かつ酸化還元物質の還元体が前記対極に実質的に接することなく前記作用極に接した状態で、前記作用極と前記対極との間に印加する電圧により、前記還元体の酸化と前記酸化体の還元とを引き起こし、当該酸化および還元に伴う電流を測定する、血液試料のHct値の測定方法を提供する。
本発明は、別の側面から、血液試料のHct値を反映する電流Aを電気化学的に検出し、前記電流Aまたは前記電流Aの換算値である、前記Hct値に対応するデータAを得る工程と、前記血液試料中の分析物を、酸化還元物質の存在下で、前記分析物を基質とする酸化還元酵素により酸化または還元し、前記分析物の前記酸化または還元に伴う電流Bを電気化学的に検出し、前記電流Bまたは前記電流Bの換算値である、データBを得る工程と、前記データAを用いて前記データBを補正して得られるデータCに基づいて、前記血液試料中の前記分析物の濃度を決定する工程と、を含む、血液試料中の分析物の濃度を電気化学的に測定する方法であって、前記電流Aとして、酸化還元物質の酸化体が前記作用極に実質的に接することなく前記対極に接しかつ酸化還元物質の還元体が前記対極に実質的に接することなく前記作用極に接した状態で、前記作用極と前記対極との間に電圧を印加して、前記還元体の酸化と前記酸化体の還元とを引き起こし、当該酸化および還元に伴う電流を検出する、血液試料中の分析物の濃度の測定方法を提供する。
本発明は、別の側面から、血液試料のHct値を反映する電流を電気化学的に検出するためのHct分析部を含む、センサチップであって、前記Hct値分析部は、作用極および対極と、前記作用極および前記対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部と、前記血液試料を前記血液試料保持部に導入するための血液試料導入口とを有し、酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬が、前記対極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように配置され、かつ前記還元体を含み前記酸化体を実質的に含まない第2試薬が、前記作用極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように配置された、センサチップを提供する。本発明は、別の側面から、血液試料のHct値を反映する電流を電気化学的に検出するためのHct分析部を含む、センサチップであって、前記Hct値分析部は、作用極および対極と、前記作用極および前記対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部と、前記血液試料を前記血液試料保持部に導入するための血液試料導入口とを有し、前記血液試料保持部が、前記血液試料導入口に連通する導入部と、前記導入部から分岐した第1分岐部および第2分岐部とを有し、前記第1分岐部が前記対極に面し、前記第2分岐部が前記作用極に面し、酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬が、前記第1分岐部に配置され、前記還元体を含み前記酸化体を実質的に含まない第2試薬が、前記第2分岐部に配置された、センサチップを開示する。本発明は、別の側面から、血液試料のHct値を反映する電流を電気化学的に検出するためのHct分析部を含む、センサチップであって、前記Hct値分析部は、作用極および対極と、前記作用極および前記対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部と、前記血液試料を前記血液試料保持部に導入するための血液試料導入口とを有し、前記血液試料保持部に、酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬と、前記還元体を含み前記酸化体を実質的に含まない第2試薬とが配置され、前記第1試薬および前記第2試薬から選ばれるいずれか一方の試薬が、他方の試薬よりも前記血液試料導入口から前記血液試料保持部に導入される血液試料の流れに関して上流側に配置され、a)前記他方の試薬が前記第1試薬である場合には、前記対極が前記作用極よりも前記流れに関して下流側に配置され、前記対極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように前記第1試薬が配置され、前記作用極が前記対極よりも前記流れに関して上流側に配置され、前記作用極から離れて前記作用極よりも前記流れに関して上流側に、または前記作用極に接するように、前記第2試薬が配置され、b)前記他方の試薬が前記第2試薬である場合には、前記作用極が前記対極よりも前記流れに関して下流側に配置され、前記作用極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように前記第2試薬が配置され、前記対極が、前記作用極よりも前記流れに関して上流側に配置され、前記対極から離れて前記対極よりも前記流れに関して上流側に、または前記対極に接するように、前記第1試薬が配置された、センサチップを提供する。
さらに、本発明は、別の側面から、上記のセンサチップと、前記作用極と前記対極との間に所定の電圧を印加するための電圧印加回路を含むセンサ本体とを有するセンサユニットであって、前記センサチップが前記センサ本体に着脱自在であって、かつ前記センサチップが前記センサ本体に装着された状態で前記電圧印加回路から前記作用極と前記対極との間に前記所定の電圧が印加可能となり、前記所定の電圧が、前記作用極を正極とし、前記対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧である、センサユニットを提供する。
本発明によれば、Hct値測定電圧を低下させても、血液試料のHct値を十分な検出感度でかつ安定して測定できる。
本発明によるHct値の測定では、酸化還元物質の酸化体が作用極に実質的に接することなく対極に接しかつ酸化還元物質の還元体が対極に実質的に接することなく作用極に接するように、酸化還元物質と電極との接触パターンを制御する。
酸化体または還元体である酸化還元物質が対極または作用極である電極に接している状態は、例えば当該酸化還元物質を含む血液試料が電極に接している状態であってもよいし、また例えば当該酸化還元物質が電極上に配置された状態であってもよいし、また例えば当該酸化還元物質が電極の表面に埋め込まれた状態であってもよい。このようにHct値の測定時に酸化還元物質は、血液試料に溶解した状態で電極に接していてもよいし、固体として電極に接していてもよい。
還元体は、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を印加した場合に作用極において電気化学的に酸化する物質である。還元体としては、フェロシアン化物、p−ヒドロキノン、p−ヒドロキノン誘導体、還元型フェナジンメトサルフェート、ロイコメチレンブルー、フェロセン、フェロセン誘導体といった可逆性電子活性化合物の還元体、アスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェン、銀、銅、ニッケルが挙げられる。好ましい還元体はフェロシアン化物である。好ましいフェロシアン化物はフェロシアン化カリウムである。
酸化体は、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を印加した場合に対極において電気化学的に還元する物質である。酸化体としては、フェリシアン化物、p−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、酸化型フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェリシニウム、およびフェリシニウム誘導体といった、可逆性電子活性化合物の酸化体が挙げられる。好ましい酸化体はフェリシアン化物である。好ましいフェリシアン化物はフェリシアン化カリウムである。
Hct値の測定時において電極(作用極および対極)に接触させる酸化還元物質の量は、例えば、電極に接触させる血液試料に0.1〜1000mM、さらには1〜500mM、場合によっては10〜200mMの酸化体および還元体を含ませることによって制御すればよい。
なお、Hct値の測定時において、血液試料(例えば、ヒト血液)に本来的に含まれる酸化還元物質が電極(作用極および対極)に接することは制限しない。換言すれば、本明細書では、血液試料に本来的に含まれる酸化還元物質が電極に接している状態は、電極に酸化還元物質が実質的に接していない状態として取り扱う。また、本明細書では、ヒト血液に本来的に含まれる程度の量の酸化還元物質を含む血液試料については、実質的に酸化還元物質を含まないものとして取り扱う。
酸化体または還元体が実質的に電極に接していない状態は、電極の表面を酸化体または還元体を実質的に含まない試薬により覆うことによっても実現できる。例えば、還元体を実質的に含まない試薬を対極の表面を覆うように配置すると、血液試料に還元体が含まれたとしても対極に還元体が実質的に接しない状態を実現できる。
作用極を構成する材料は、例えばパラジウム、白金、金、チタンおよび炭素といった、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を作用極に印加しても酸化しにくい導電性材料が好ましい。こうした導電性材料によって作用極を構成すると、血液試料のHct値を一層安定して測定できる。作用極は、例えば、上記の導電性材料を用いて形成した電極芯体そのものであってもよいし、また例えば、高分子膜を電極芯体上に形成したものであってもよい。高分子膜の材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリジンといったポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、無水マレイン酸重合体およびその塩、アガロースゲルおよびその誘導体、が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
対極を構成する導電性材料は特に限定されない。対極は、例えば、上記に例示した導電性材料に代表される公知の導電性材料を用いて形成した電極芯体そのものであってもよいし、また例えば、上記の高分子膜を電極芯体上に形成したものであってもよい。
作用極および対極の形状、サイズは特に限定されない。また、絶縁基板上における作用極および対極の配置パターンも特に限定されないが、作用極と対極との間の最近接距離を0.05mm以上、さらには0.1mm以上、場合によっては0.5mm以上とすると、血液試料のHct値を安定して測定することが容易になる。当該最近接距離の上限は特に限定されない。
Hct値の測定時において作用極と対極との間に印加する電圧(Hct値測定電圧)は、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧とする。本発明によれば、Hct値測定電圧を、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる範囲、さらには1.0V以下にまで低下させても、作用極に接する還元体の酸化と対極に接する酸化体の還元とが関与して流れる電流を電圧印加開始直後から安定して得ることができる。この理由は定かではないが、Hct値の測定時において、作用極に接する還元体の酸化反応のみによる酸化電流が発生すること、および作用極の表面では酸化膜が緩やかに形成されることに起因すると考えられる。
Hct値測定電圧を印加する時間は、例えば0.001〜60秒、好ましくは0.01〜10秒、より好ましくは0.01〜5秒、さらに好ましくは0.01〜3秒である。Hct値測定電圧は、作用極を正極とし、対極を負極としたときに、例えば0.75V以下、0.5V以下、0.25V以下、0.15V以下、0.1V以下としてもよい。Hct値測定電圧の下限は、作用極における還元体の酸化および対極における酸化体の還元が生じる限り特に限定されないが、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに0Vを超え、作用極の電位が正の値になる電圧であることが望ましい。
血液試料のHct値は、Hct値測定電圧の印加によって作用極と対極との間に流れる上記の電流に基づいて算出する。Hct値は、例えば、Hct値測定電圧の印加開始から所定時間後における上記の電流の量とHct値との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して算出できる。
上記で説明したHct値は、本発明のセンサチップの一例であるHct値測定用センサチップを用いて測定できる。
Hct値測定用センサチップは、血液試料のHct値を反映する電流を電気化学的に検出するためのHct値分析部を有する。Hct値分析部は、作用極および対極を含む電極系と、作用極および対極に接して血液試料を保持するための血液試料保持部とを有する。血液試料保持部は、血液試料をその内部に導入するための血液試料導入口と連通している。
作用極および対極の少なくとも一部は、血液試料保持部に血液試料を導入したときに血液試料と接するように血液試料保持部に面している。血液試料保持部に面する作用極および対極の当該表面は、例えばそれぞれの電極芯体の表面であってもよいし、また例えば電極芯体上に形成された上記の高分子膜の表面であってもよい。
作用極および対極の電極芯体は、例えば、スクリーン印刷法、スパッタリング法および蒸着法によって形成できる。高分子膜は、例えば、当該膜を形成するための高分子材料の溶液を電極芯体上に塗布し乾燥させることによって形成できる。作用極や対極の形状、サイズ、絶縁基板上での配置パターンは特に限定されないが、作用極と対極との間の最近接距離を上記で例示した範囲に設定とすると、血液試料のHct値を安定して測定することが容易になる。
Hct値分析部では、血液試料を血液試料保持部に導入し作用極と対極との間に電圧を印加する際に、酸化還元物質の酸化体が作用極に実質的に接することなく対極に接し、かつ酸化還元物質の還元体が対極に実質的に接することなく作用極に接して、血液試料が対極および作用極に接触した状態が形成されるように、酸化還元物質の酸化体または還元体を含む試薬の配置パターン、血液試料保持部の形状、および対極と作用極との相対的な配置パターンを例えば下記1)〜3)のように設定する。
1)酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬を、対極の血液試料保持部に面する表面を覆うように配置し、かつ還元体を含み酸化体を実質的に含まない第2試薬を、作用極の血液試料保持部に面する表面を覆うように配置する。このように電極の上記の表面を覆うように試薬をそれぞれ配置すると、仮に血液試料の導入に伴い一方の試薬から酸化還元物質が血液試料に溶出し他方の試薬を配置した電極の近傍に血液試料とともに移動したとしても、Hct値の測定時に、各電極の表面には、接触させるべき酸化体または還元体が接触し反対型の酸化還元物質は実質的に接しない状態を実現できる。
2)血液試料保持部が、血液試料導入口に連通する導入部と、導入部から分岐した第1分岐部および第2分岐部とを有し、第1分岐部が対極に面し、第2分岐部が作用極に面する場合には、上記の第1試薬を第1分岐部に配置し、上記の第2試薬を第2分岐部に配置してもよい。この配置によっても、各電極の表面には、接触させるべき酸化体または還元体が接触し反対型の酸化還元物質は実質的に接しない状態を実現できる。分岐部において試薬は、電極から離して配置してもよいし電極に接するように配置してもよい。
3)血液試料保持部において、上記の第1試薬および第2試薬から選ばれるいずれか一方の試薬を、他方の試薬よりも血液試料導入口から血液試料保持部に導入される血液試料の流れに関して上流側に配置し、a)上記の他方の試薬が第1試薬である場合には、対極を作用極よりも上記の血液試料の流れに関して下流側に配置し、対極の血液試料保持部に面する表面を覆うように第1試薬を配置し、作用極を対極よりも上記の流れに関して上流側に配置し、作用極から離れて作用極よりも上記の流れに関して上流側にまたは作用極に接するように第2試薬を配置してもよいし、b)上記の他方の試薬が第2試薬である場合には、作用極を対極よりも上記の血液試料の流れに関して下流側に配置し、作用極の血液試料保持部に面する表面を覆うように第2試薬を配置し、対極を作用極よりも上記の流れに関して上流側に配置し、対極から離れて対極よりも上記の流れに関して上流側に、または対極に接するように、第1試薬を配置してもよい。このように下流側に配置した電極の上記の表面を覆うように試薬を配置すると、仮に血液試料の導入に伴い当該電極よりも上流側に配置した一方の試薬から酸化還元物質が血液試料に溶出し他方の試薬を配置した当該下流側の電極の近傍に血液試料とともに移動したとしても、Hct値の測定時に、各電極の表面には、接触させるべき酸化体または還元体が接触し反対型の酸化還元物質は実質的に接しない状態を実現できる。
酸化還元物質(酸化体、還元体)を含む試薬は、例えば、タウリン、グリシン、セリン、プロリン、トレオニンおよびリシンといったアミノ酸(結晶均質化剤)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリジンといったポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、無水マレイン酸重合体およびその塩、アガロースゲル、をさらに含んでいてもよい。Hct値分析部に配置する酸化還元物質の量は、Hct値測定時に電極に接触する酸化還元物質の量が、例えば0.1〜1000mM、さらには1〜500mM、場合によっては10〜200mMになるように設定すればよい。
血液試料保持部の形状および容積は、血液試料を毛管現象によってその内部に導入できるように設定することが望ましい。
図1〜6、28および29は、Hct値測定用センサチップにおける酸化還元物質を含む試薬の配置パターン、血液試料保持部の形状、および対極と作用極との相対的な配置パターンの具体例を説明するための図である。
<Hct値測定用センサチップA>
図1はHct値測定用センサチップAの分解斜視図であり図2はその平面図である。図示のようにHct値測定用センサチップA100aは、T字状の切欠部104が形成されたスペーサー102を介してかつ絶縁基板101の一方の端部(図において右側の端部)を残して、絶縁基板101上にカバー103が配置されている。各部材101、102、103は、例えば接着や熱溶着により一体化されている。スペーサー102の切欠部104は、各部材の一体化後には血液試料保持部14となる。血液試料保持部14は、チップ100aの長辺に沿って伸長する導入部17と、導入部17からそれぞれ分岐しチップ100aの短辺に沿って伸長する2つの分岐部18a、18bとにより構成されている。スペーサー102の一方の端部(図において左側の端部)において導入部17は外部に連通している。換言すれば、血液試料保持部14は、チップ100aの外部に開口する血液試料導入口16と連通している。カバー103は、分岐部18a、18bの先端に対応する部分に排気口15をそれぞれ有している。作用極11および対極12は、作用極11の一部分(部分31)と対極12の一部分(部分32)とがそれぞれ異なる分岐部18a、18bに面するように絶縁基板101上に配置されている。作用極11および対極12は、それぞれリード(図示せず)と連結している。リードの一端は、作用極と対極との間に電圧を印加できるように、スペーサー102およびカバー103で覆われていない絶縁基板101の端部においてチップ100aの外部に露出している。
酸化還元物質のうち酸化体を含み還元体を実質的に含まない第1試薬13は、対極12の部分32に接して配置されている。酸化還元物質のうち還元体を含み酸化体を実質的に含まない第2試薬19は、作用極11の部分31に接して配置されている。各試薬は、血液試料に溶解しにくい状態にあってもよいし血液試料に容易に溶解する状態にあってもよい。
なお、第1試薬13は、血液試料保持部14において対極の部分32にのみ接して配置することが好ましい。このような試薬配置であると、Hct値の測定時に、酸化還元物質の酸化体を実質的に含有しないピュアな血液試料を作用極と対極との間に多く配置でき、Hct値の検出感度を向上できるためである。
絶縁基板、スペーサーおよびカバーの材料は、それらの一体化に伴い作用極と対極とが短絡しない材料を用いる限り特に限定されない。当該材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオキシメチレン(POM)、モノマーキャストナイロン(MC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、メタクリル樹脂(PMMA)、ABS樹脂(ABS)、ガラスが例示できる。
本発明のHct値測定用センサチップは、血液試料を血液試料保持部に導入し作用極と対極との間に電圧を印加する際に、センサチップ内に配置した試薬に由来する酸化還元物質の酸化体および還元体のうち酸化体が作用極に実質的に接することなく対極に接し、かつ還元体が対極に実質的に接することなく作用極に接して、血液試料が対極および作用極に接触した状態が形成される限り、血液試料保持部における第1試薬および第2試薬の配置パターン、血液試料保持部の形状、酸化還元物質を含む試薬の配置パターンの設定、および対極と作用極との相対的な配置パターンの設定を変更できる。本発明のHct値測定用センサチップの別例の構造を説明する。
<Hct値測定用センサチップB>
図28はHct値測定用センサチップBの分解斜視図であり図29はその平面図である。図示のようにHct値測定用センサチップB100bは、分岐部18aにおいて、作用極11の部分31から離れてかつ部分31よりも導入部17に近接して第2試薬19が配置され、また分岐部18bにおいて、対極12の部分32から離れてかつ部分32よりも導入部17に近接して第1試薬13が配置されていること以外は、Hct値測定用センサチップAと同様の構造を有する。第1試薬および第2試薬は、分岐部18a、18bへの血液試料の導入に伴って血液試料に容易に溶解する。
<Hct値測定用センサチップC>
図3はHct値測定用センサチップCの分解斜視図であり図4はその平面図である。図示のようにHct値測定用センサチップC100cは、矩形状の切欠部204が形成されたスペーサー202を介してかつ絶縁基板201の一方の端部(図において右側の端部)を残して、絶縁基板201上にカバー203が配置されている。各部材201、202、203は、例えば接着や熱溶着により一体化されている。スペーサー202の切欠部204は、各部材の一体化後には血液試料保持部24となる。血液試料保持部24は、チップ100cの長辺に沿って伸長し、スペーサー202の一方の端部(図において左側の端部)において外部に連通している。換言すれば、血液試料保持部24は、チップ100cの外部に開口する血液試料導入口26と連通している。カバー203は、血液試料保持部24における外部に連通する端と反対側の端に対応する部分に排気口25を有している。作用極21および対極22は、作用極21の一部分(部分41)および対極22の一部分(部分42)が血液試料保持部24に面しかつ部分41が部分42よりも血液試料導入口26に近接するように、絶縁基板201上に配置されている。作用極21および対極22は、それぞれリード(図示せず)と連結している。リードの一端は、作用極と対極との間に電圧を印加できるように、スペーサー202およびカバー203で覆われていない絶縁基板201の端部においてチップ100cの外部に露出している。
酸化還元物質のうち酸化体を含み還元体を実質的に含まない第1試薬23は、対極22の部分42を覆うように配置されている。酸化還元物質のうち還元体を含み酸化体を実質的に含まない第2試薬27は、作用極21の部分41を覆うように配置されている。各試薬は、血液試料に溶解しにくい状態で配置することが好ましい。
<Hct値測定用センサチップD>
図5はHct値測定用センサチップDの分解斜視図であり図6はその平面図である。図示のようにHct値測定用センサチップD100dは、対極22の部分42が作用極21の部分41よりも血液試料導入口26に近接するように絶縁基板201上に対極22および作用極21が配置され、対極22の部分42を覆うように第1試薬23が配置され、また作用極21の部分41を覆うように第2試薬27が配置されていること以外は、Hct値測定用センサチップCと同様の構造を有する。各試薬は、血液試料に溶解しにくい状態で配置することが好ましい。
Hct値測定用センサチップによる血液試料のHct値の測定は、例えば本発明のセンサユニットの一例であるHct値測定用センサユニットを用いて行うことができる。
Hct値測定用センサユニットは、Hct値測定用センサチップと、当該センサチップを着脱自在に装着できるセンサ本体とを有している。センサ本体は、センサチップが装着された状態でセンサチップの作用極と対極との間に所定の電圧を印加できる電圧印加回路を有している。
電圧印加回路は、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を両電極間に印加する。印加する電圧は、例えば1.0V以下、0.75V以下、0.5V以下、0.25V以下、0.15V以下、0.1V以下であってもよい。電圧の下限は、作用極における還元体の酸化および対極における酸化体の還元が生じる限り特に限定されないが、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに0V以上とするとよい。
図26は、Hct値測定用センサユニットの一例について示す図である。このHct値測定用センサユニット126は、扁平六面体状のセンサ本体123とHct値測定用センサチップ121とを有している。センサ本体123の側壁面には矩形状の孔である装着口125が形成されている。センサチップ121は、装着口125に着脱自在な状態で装着されセンサ本体123に接続されている。センサ本体123の一方の主面の略中央部には、Hct値の測定結果を表示するための表示部124が配置されている。
図27は、Hct値測定用センサユニット126におけるHct値を測定するための回路構成の一例を示す図である。センサ本体123は、センサチップ121の作用極11と対極12との間に所定の電圧を印加するための電圧印加回路110と、表示部124に相当する液晶表示装置(LCD)115とを有している。電圧印加回路110は、2つのコネクタ111aならびに111b、電流/電圧変換回路112、A/D変換回路113、中央演算装置(CPU)114および基準電圧源116を有している。各要素111a、111b、112、113、114、115、116の間は、図27において実線で表示するように電気的に接続されている。
センサユニット126を用いた血液試料のHct値の測定は、例えば次のようにして行われる。まずセンサチップ121の血液試料導入口122からセンサチップ121の血液試料保持部14に血液試料が導入される。その後CPU114の指令により電流/電圧変換回路112および基準電圧源116から作用極11と対極12との間に上記の所定のHct値測定電圧が印加される。Hct値測定電圧の印加時間は、上記に例示した範囲、例えば0.001〜60秒、好ましくは0.01〜10秒、より好ましくは0.01〜5秒、さらに好ましくは0.01〜3秒の範囲で調整される。Hct値測定電圧の印加に伴い作用極11と対極12との間に流れた電流の値は、電流/電圧変換回路112により電圧値に変換された後にA/D変換回路113によりデジタル値に変換されCPU114に入力される。CPU114では、このデジタル値に基づいてHct値が算出される。Hct値の算出は、例えば、Hct値測定電圧の印加開始から所定時間後における上記の電流の量と血液試料のHct値との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して行われる。算出の結果は、LCD115において画像表示される。
本発明の血液試料のHct値の測定方法によれば、血液試料中の分析物濃度の測定精度を向上できる。血液試料中の分析物濃度は、血液試料のHct値に対応するデータAによって血液試料中の分析物の仮測定データ(データB)を補正して得られるデータCに基づいて決定する。
血液試料のHct値に対応するデータAは、本発明の血液試料のHct値の測定方法を用いて得る。当該データAは、Hct値測定用の作用極および対極(補正用作用極および補正用対極)の間に流れる、血液試料のHct値を反映する電流AをHct値に換算した値であってもよいし、当該電流AをHct値とは別のパラメータ値に換算した値であってもよいし、当該電流Aそのものであってもよい。電流AのHct値への換算は、例えば、Hct値測定電圧の印加開始から所定時間後における電流AとHct値との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して行う。
データBを得るために、電流Bを検出する。当該電流Bは、血液試料中の分析物と、当該分析物を基質とする酸化還元酵素とを血液試料中で一定時間反応させた後、当該血液試料に接する作用極(仮測定用作用極)と対極(仮測定用対極)との間に電圧(仮測定電圧)を印加することによって、両電極間に流れる電流である。データBは、例えば、電流Bを分析物の仮測定濃度に換算した値であってもよいし、また例えば、電流Bを上記の仮測定濃度とは別のパラメータ値に換算した値であってもよいし、また例えば、電流Bそのものであってもよい。仮測定濃度への電流Bの換算は、例えば、仮測定電圧印加開始から所定時間後における電流Bと仮測定濃度との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して行う。
電流Bは、酵素反応と電極反応との間の電子の移動を酸化還元物質、例えばフェリシアン化物に代表される可逆性電子活性化合物、に媒介させて検出する。酸化還元物質は、仮測定用作用極および仮測定用対極に接触させる血液試料に、例えば0.1〜1000mMの範囲で含有されていればよい。電流Bの検出時において、酸化還元酵素および酸化還元物質は、例えばこれらを含む血液試料が仮測定用対極および仮測定用作用極に接触することによって両電極上に接している状態にあってもよいし、また例えば両電極上に直接配置された状態にあってもよいし、また例えば両電極の表面に埋め込まれた状態にあってもよい。このように酸化還元酵素および酸化還元物質は、電流Bの検出時において、血液試料に溶解した状態で電極に接していてもよいし、固体として電極に接していてもよい。
血液試料中の分析物としては、血球を除く物質、例えば、グルコース、アルブミン、乳酸、ビリルビンおよびコレステロールが挙げられる。酸化還元酵素は、対象とする分析物を基質とするものを使用する。酸化還元酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートオキシダーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、ビリルビンオキシダーゼおよびコレステロールオキシダーゼが例示できる。分析物と反応させる酸化還元酵素の量は、血液試料中の酸化還元酵素の含有量が、例えば0.01〜100ユニット(U)、さらには0.05〜10U、場合によっては0.1〜5Uになるように設定すればよい。
分析物と酸化還元酵素との反応時間は、例えば0〜60秒、さらには0.5〜30秒、場合によっては1〜10秒としてよい。仮測定電圧は、仮測定用作用極を正極とし、仮測定用対極を負極としたときに、例えば0.05〜1V、さらには0.1〜0.8V、場合によっては0.2〜0.5Vとなる大きさとしてよい。仮測定電圧を印加する時間は、例えば0.01〜30秒、さらには0.1〜10秒、場合によっては1〜5秒としてよい。
仮測定用対極または仮測定用作用極は、補正用対極または補正用作用極とは別に準備してもよいし、補正用対極または補正用作用極の一部または全部を兼用してもよい。例えば、仮測定用作用極を補正用対極と兼用してよい。
仮測定用対極および仮測定用作用極は、上記の補正用対極と同様にして構成できる。仮測定用対極および仮測定用作用極の形状やサイズ、それらの配置パターンも特に限定されない。
電流Aと電流Bとを検出する順序は特に制限されないが、例えば上記のように1つの電極を仮測定用作用極および補正用対極として兼用する場合は、各電流の検出時において当該1つの電極に接触させるべき型の酸化還元物質が不足し、当該電極における酸化還元反応が律速段階になることを防止する観点から、電流Bの検出後に電流Aの検出を行うことが望ましい。
血液試料中の分析物濃度は、上記のとおり、データBをデータAで補正して得られるデータCに基づいて決定する。得られるデータCの値は、データBに対応するものとなる。データCは、例えば、血液試料中の分析物濃度そのものでありうるし、また例えば、補正された電流値であることもある。データCの値が分析物濃度そのものでない場合には、当該値と血液試料中の分析物濃度との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して、血液試料の分析物濃度を決定する。
上記で説明した血液試料中の分析物の濃度は、本発明のセンサチップの別例である分析物濃度測定用センサチップを用いて測定できる。
分析物濃度測定用センサチップは、Hct値測定用センサチップと同様のHct値分析部を有する。
分析物濃度測定用センサチップは、上記の電流Bを電気化学的に検出するための仮測定用分析部を有する。仮測定用分析部は、Hct値分析部とは別に形成してもよいし、Hct値分析部の一部または全部を兼用する構成としてもよい。例えば、仮測定用作用極および仮測定用対極を含む電極系(電極系B)、仮測定用作用極および仮測定用対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部(血液試料保持部B)、ならびに血液試料保持部Bに連通する血液試料導入口(血液試料導入口B)を、それぞれHct値分析部における電極系(電極系A)、血液試料保持部(血液試料保持部A)および血液試料導入口(血液試料導入口A)によって構成してもよい。
仮測定用分析部とHct値分析部とを別々に形成する場合は、例えば、血液試料をセンサチップの内部に導入する場合の当該血液試料の流れに関して、仮測定用分析部の血液試料導入口BをHct値分析部よりも下流側に配置し、血液試料の導入に伴って、上記の電流Aの検出時に、補正用作用極に酸化還元物質の酸化体が接する状態が形成されることを防止するとよい。仮測定用分析部をHct値分析部の一部または全部を用いて構成とする場合は、酸化体を含む試薬の配置パターン、血液試料保持部の形状、および各電極系の配置パターンを、後述のように設定するとよい。なお、電極系Aの少なくとも一部を用いて電極系Bを構成する場合は、上記のとおり、1つの電極を仮測定用作用極および補正用対極として兼用するとよい。
仮測定用作用極および仮測定用対極の少なくとも一部は、血液試料保持部Bに血液試料を導入したときに血液試料と接するように血液試料保持部Bに面している。
血液試料保持部Bの形状および容積は、血液試料を毛管現象によってその内部に導入できるように設定することが望ましい。
仮測定用分析部には、分析物濃度を仮測定するための酵素サイクリング反応に関与する上記の酸化還元酵素および酸化還元物質を配置するとよい。酸化還元酵素は、例えばマルチトール、ソルビトール、キシリトールといった糖アルコールに代表される酵素安定化剤と混合して配置してもよい。仮測定用分析部に配置する酸化還元酵素の量は、血液試料中の酸化還元酵素の含有量が、例えば0.01〜100ユニット(U)、さらには0.05〜10U、場合によっては0.1〜5Uになるように設定すればよい。
図30〜35、37および38は、分析物濃度測定用センサチップにおける酸化体を含む試薬の配置パターン、血液試料保持部の形状、および電極系の配置パターンの具体例を説明するための図である。いずれの例も、仮測定用分析部およびHct値分析部は、その構成の一部を共有している。具体的には、1つの電極が仮測定用作用極および補正用対極を兼ね、血液試料保持部Aおよび血液試料導入口Aが、それぞれ血液試料保持部Bおよび血液試料導入口Bを兼ねる。
<分析物濃度測定用センサチップA>
図30は分析物濃度測定用センサチップAの分解斜視図であり図31はその平面図である。図示のように分析物濃度測定用センサチップA200aは、仮測定用対極30が、その一部分(部分33)が分岐部18bに面しかつ部分32よりも導入部17に近接するように絶縁基板101上に配置されていること以外は、上記Hct値測定用センサチップA100aと同様の構造を有する。対極12は、仮測定用作用極としても使用される。仮測定用対極30は、リード(図示せず)と連結している。リードの一端は、スペーサー102およびカバー103で覆われていない絶縁基板101の端部においてチップ200aの外部に露出している。
絶縁基板上には、さらに別の電極を配置してもよい。例えば、各測定の実施に十分な量の血液試料が血液試料保持部内に導入されたことを検知するための血液検知極を、当該血液検知極の一部分が血液試料保持部に面しかつ部分33よりも血液試料導入口から離れるように、絶縁基板上に配置する。
<分析物濃度測定用センサチップB>
図37は分析物濃度測定用センサチップBの分解斜視図であり図38はその平面図である。図示のように分析物濃度測定用センサチップB200bは、分岐部18aにおいて、作用極11の部分31から離れてかつ部分31よりも導入部17に近接して第2試薬19が配置され、また分岐部18bにおいて、対極12の部分32から離れてかつ部分32よりも導入部17に近接して第1試薬13が配置されていること以外は、分析物濃度測定用センサチップAと同様の構造を有する。
<分析物濃度測定用センサチップC>
図32は分析物濃度測定用センサチップCの分解斜視図であり図33はその平面図である。図示のように分析物濃度測定用センサチップC200cは、仮測定用対極28が、その一部分(部分43)がU字状に分岐しており、当該部分43が血液試料保持部24に面しかつ部分42を挟むように絶縁基板201上に配置されていること以外は、上記Hct値測定用センサチップC100cと同様の構造を有する。対極22は、仮測定用作用極としても使用される。仮測定用対極28は、リード(図示せず)と連結している。リードの一端は、スペーサー202およびカバー203で覆われていない絶縁基板201の端部においてチップ200cの外部に露出している。
<分析物濃度測定用センサチップD>
図34は分析物濃度測定用センサチップDの分解斜視図であり図35はその平面図である。図示のように分析物濃度測定用センサチップD200dは、対極22の部分42が作用極21の部分41よりも血液試料導入口26に近接するように絶縁基板201上に対極22および作用極21が配置され、対極22の部分42を覆うように第1試薬23が配置され、また作用極21の部分41を覆うように第2試薬27が配置されていること以外は、分析物濃度測定用センサチップCと同様の構造を有する。
分析物濃度測定用センサチップによる血液試料の分析物濃度の測定は、例えば本発明のセンサユニットの別例である分析物濃度測定用センサユニットを用いて行うことができる。
分析物濃度測定用センサユニットは、分析物濃度測定用センサチップと、当該センサチップを着脱自在に装着できるセンサ本体とを有している。当該センサ本体は、Hct値を測定するための回路に加えてさらに血液試料中の分析物濃度を仮測定するための回路を有すること以外は、図26に示すHct値測定用センサユニットのセンサ本体と同様の構造を有する。
図36は、分析物濃度測定用センサユニットにおける、血液試料中の分析物濃度を測定するための回路構成の一例を示す図である。センサ本体223は、分析物濃度測定用センサチップ221における補正用作用極21、補正用対極22、仮測定用対極28および血液試料検知極29のうち少なくとも2つの電極間に電圧を印加する電圧印加回路210と、センサ本体における表示部に相当する液晶表示装置(LCD)132とを有している。電圧印加回路210は、補正用作用極21と補正用対極22の間に所定の電圧を印加でき、また1つの電極を正極または負極として使用できるように、当該電極に印加する電位を切り換えることもできる。この切り換えにより、補正用対極22は仮測定用作用極としても使用される。電圧印加回路210は、4つのコネクタ137a、137b、137cならびに137d、切換回路136、電流/電圧変換回路135、A/D変換回路134、基準電圧源133および中央演算装置(CPU)131を有している。各要素131、132、133、134、135、136、137a、137b、137c、137dの間は、図36において実線で表示するように電気的に接続されている。
分析物濃度測定用センサユニットを用いた血液試料中の分析物濃度の測定は、例えば次のようにして行われる。
まずCPU131の指令により、補正用作用極21がコネクタ137dを介して電流/電圧変換回路135に接続され、血液試料検知極29がコネクタ137bを介して基準電圧源133に接続される。その後、CPU131の指令により、両電極間に一定の電圧が印加される。当該電圧は、例えば、補正用作用極を正極とし、血液試料検知極を負極としたときに0.05〜1Vの大きさとなる電圧としてよい。センサチップ221の血液試料導入口からセンサチップ221の血液試料保持部24に血液試料が導入されると、補正用作用極21と血液試料検知極29との間に電流が流れる。この電流の値は、電流/電圧変換回路135により電圧値に変換された後にA/D変換回路134によりデジタル値に変換されCPU131に入力される。CPU131は、このデジタル値に基づいて血液試料が血液試料保持部に導入されたことを検知する。
血液試料の導入後、例えば、0〜60秒の範囲の反応時間で血液試料中の分析物と酸化還元酵素とを反応させ、以下のようにして血液試料中の分析物の仮測定濃度を算出する。まずCPU131の指令により、切換回路136が作動して、補正用対極22を兼ねる仮測定用作用極がコネクタ137aを介して電流/電圧変換回路135に接続され、仮測定用対極28がコネクタ137cを介して基準電圧源133に接続される。その後、CPU131の指令により、両電極間に上記に例示した電圧、例えば仮測定用作用極を正極とし、仮測定用対極を負極としたときに0.05〜1Vの大きさとなる仮測定電圧、が印加される。仮測定電圧の印加時間は、例えば0.01〜30秒の範囲で調整される。仮測定電圧の印加に伴って両電極間に流れた電流の値は、電流/電圧変換回路135により電圧値に変換された後にA/D変換回路134によりデジタル値に変換されCPU131に入力される。CPU131では、このデジタル値に基づいて分析物の仮測定濃度が算出される。仮測定濃度の算出は、仮測定電圧印加開始から所定時間後における上記の電流の量と分析物の仮測定濃度との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して行われる。
仮測定濃度の算出後、例えば以下のようにして血液試料のHct値が算出される。まずCPU131の指令により、切換回路136が作動して、補正用作用極21がコネクタ137dを介して電流/電圧変換回路135に接続され、補正用対極22がコネクタ137aを介して基準電圧源133に接続される。その後、CPU131の指令により、両電極間に、補正用作用極を正極とし、補正用対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなるHct値測定電圧が印加される。Hct値測定電圧の印加時間は、例えば0.001〜60秒の範囲で調整される。Hct値測定電圧の印加に伴って両電極間に流れた電流の値は、電流/電圧変換回路135により電圧値に変換された後にA/D変換回路134によりデジタル値に変換されCPU131に入力される。CPU131では、このデジタル値に基づいてHct値が算出される。Hct値の算出は、例えば、Hct値測定電圧印加開始から所定時間後における上記の電流の量とHct値との関係を表示する検量線または検量線テーブルを参照して行われる。
続いて、CPU131において、上記のようにして算出された仮測定濃度がHct値に基づいて補正され、血液試料中の分析物濃度が決定される。決定された分析物濃度は、LCD132において画像表示される。Hct値に基づく仮測定濃度の補正は、例えば、Hct値および仮測定濃度と血液試料中の分析物濃度との関係を表示する検量性または検量線テーブルを参照して行われる。
本発明の実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
Hct値測定用センサチップAを作製した。作用極および対極の電極芯体はパラジウムで構成した。厚み100μmのスペーサーを用い、容積0.8マイクロリットル(μL)の血液試料保持部を形成した。血液試料保持部における作用極および対極の有効面積はそれぞれ0.4mm2、0.7mm2とし、作用極と対極との最近接距離は2.4mmとした。血液試料保持部に面する作用極の表面を覆うように酸化還元物質のうち還元体を含み酸化体を含まない反応試薬層Aを配置し、血液試料保持部に面する対極の表面を覆うように酸化還元物質のうち酸化体を含み還元体を含まない反応試薬層Bを配置した。反応試薬層Aは、50mMのフェロシアン化カリウム(関東化学社製)および250U/gのグルコースオキシダーゼ(シグマ社製)を0.5質量%のCMC水溶液(第一工業社製)に溶解して調製した試薬液を、0.63mg/センサとなるように作用極の電極芯体の表面に塗布した後に55℃で10分間乾燥することによって当該表面上に配置した。反応試薬層Bは、50mMのフェリシアン化カリウム(関東化学社製)および250U/gのグルコースオキシダーゼを0.5質量%のCMC水溶液に溶解して調製した試薬液を、0.63mg/センサとなるように対極の電極芯体の表面に塗布した後に55℃で10分間乾燥することによって当該表面上に配置した。カバーには、予め界面活性剤による親水化処理が施されたものを用いた。作用極と反応試薬層Bとの最近接距離は1.8mmとした。
25%、45%、65%のHct値を有する3種類の血液試料を準備した。これらの血液試料を別々のセンサチップの血液試料保持部に導入した後、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を両電極間に印加し、これに伴って作用極と対極との間に流れる電流(応答電流)を測定した。応答電流の測定結果を図7〜13のグラフに示す。各図におけるグラフ(A)は、各血液試料から得られた応答電流値(μA)の経時変化を示すグラフである。グラフ(B)は、45%のHct値を有する血液試料から得た応答電流の振幅を基準として算出した、その他の2種の血液試料からそれぞれ得た応答電流の振幅の相対値(感度差(%))の経時変化を示すグラフである。グラフ(A)および(B)の横軸は、電圧印加開始からの時間(秒:sec)である。
各グラフに示すように実施例1のセンサチップにより、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を両電極間に印加しても電圧印加開始直後から安定かつ明確な感度差で血液試料のHct値を反映した応答電流を検出できた。
(実施例2)
50mMのフェロシアン化カリウムおよび1.0質量%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を0.5質量%のCMC水溶液に溶解して調製した試薬液を用いて反応試薬層Aを形成したこと以外は、上記実施例1と同様のセンサチップを作製した。
上記3種類の血液試料を別々のセンサチップの血液試料保持部に導入し、作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を両電極間に印加し、作用極と対極との間に流れる応答電流を測定した。応答電流の測定結果を図14〜19のグラフに示す。各グラフに示すように実施例2のセンサチップにより、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧を両電極間に印加しても電圧印加開始直後から安定かつ明確な感度差で血液試料のHct値を反映した応答電流を検出できた。
(比較例1)
反応試薬層Aを配置しなかったこと以外は、実施例1と同様のセンサチップを作製した。
上記3種類の血液試料を別々のセンサチップの血液試料保持部に導入し、作用極を正極とし、対極を負極としたときに2.0V、1.0V、0.5Vの大きさとなる電圧を両電極間に印加し、作用極と対極との間に流れる応答電流を測定した。応答電流の測定結果を図20〜22のグラフに示す。図21および22に示すように、比較例1のセンサチップでは、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに1.0V以下の大きさとなる電圧を両電極間に印加した場合には、安定した感度差が得られなかった。より具体的には、図21に示すように上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに1.0Vの大きさとなる印加電圧の場合は、電圧印加開始直後に感度差が急激に変動し、その後変動は緩やかにはなるものの電圧印加開始から3秒経過しても定常状態に到らなかった。また図22に示すように上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに0.5Vの大きさとなる印加電圧の場合は、電圧印加開始直後に感度差が急激に変動しその後も激しい変動が持続し電圧印加開始から3秒経過しても定常状態に到らなかった。
比較例1のセンサチップにおいて、このような不具合が発生する理由は定かではないが、血液成分中の水の電気分解により発生する酸化還元電流が、作用極上で得られる酸化還元電流の大部分を占めることに起因すると考えられる。
(比較例2)
第1試薬および第2試薬に代えて、還元体および酸化体を含む反応試薬層Cを血液試料保持部に面する作用極および対極の表面を覆うようにそれぞれ配置したこと以外は、Hct値測定用センサチップCと同様のセンサチップを作製した。作用極および対極の電極芯体はパラジウムで構成した。厚み100μmのスペーサーを用いて容積304ナノリットルの血液試料保持部を形成した。血液試料保持部における作用極および対極の有効面積はそれぞれ0.32mm2、0.4mm2とし、作用極と対極との最近接距離は0.05mmとした。反応試薬層Cは、60mMのフェリシアン化カリウム、8.25mMのフェロシアン化カリウム、1.0質量%のタウリン(ナカライテスク社製)および0.25質量%のマルチトール(林原社製)を0.1質量%のCMC水溶液に溶解して調製した試薬液を、0.55mg/センサとなるように作用極および対極の電極芯体の表面に塗布した後20℃で50分間乾燥することによって当該表面上に配置した。
上記3種類の血液試料を別々のセンサチップの血液試料保持部に導入し、作用極を正極とし、対極を負極としたときに0.2Vの大きさとなる電圧を両電極間に印加し、作用極と対極との間に流れる応答電流を測定した。応答電流の測定結果を図23のグラフに示す。このグラフに示すように比較例2のセンサチップでは、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに0.2Vの大きさとなる電圧を印加した場合に電圧印加直後に得られる感度差が小さくまた測定を通じて安定した感度差が得られなかった。
(比較例3)
反応試薬層Cに代えて、酸化体を含み還元体を含まない反応試薬層Dを配置したこと以外は、比較例2と同様のセンサチップを作製した。反応試薬層Dは、60mMのフェリシアン化カリウム、1.0質量%のタウリンおよび0.25質量%のマルチトールを0.1質量%のCMC水溶液に溶解して調製した試薬液を、0.55mg/センサとなるように作用極および対極の電極芯体の表面に塗布した後20℃で50分間乾燥することによって当該表面上に配置した。
上記3種類の血液試料を別々のセンサチップの血液試料保持部に導入し、作用極を正極とし、対極を負極としたときに2.5Vの大きさとなる電圧を両電極間に印加し、作用極と対極との間に流れる応答電流を測定した。応答電流の測定結果を図24のグラフに示す。このグラフに示すように比較例3のセンサチップでは、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに2.5Vの大きさとなる比較的高い電圧を印加しても電圧印加直後に得られる感度差が小さくまた測定を通じて安定した感度差が得られなかった。
(比較例4)
反応試薬層Cに代えて、還元体を含み酸化体を含まない反応試薬層Eを血液試料保持部に面する対極の表面を覆うように配置し、血液試料保持部に面する作用極の表面には反応試薬層Cも反応試薬層Eも配置せず、作用極の電極芯体の表面にCMC膜を配置し、血液試料保持部における作用極および対極の有効面積をそれぞれ0.4mm2、0.5mm2としたこと以外は、比較例2と同様のセンサチップを作製した。CMC膜は、作用極の電極芯体の表面に0.01〜2.0質量%のCMC水溶液を0.01〜100mg滴下しこれを乾燥することによって当該表面上に配置した。反応試薬層Eの配置は、60mMのフェロシアン化カリウム、1.0質量%のタウリンおよび0.25質量%のマルチトールを0.1質量%のCMC水溶液に溶解して調製した試薬液を、0.55mg/センサとなるように対極の電極芯体の表面に塗布した後20℃で50分間乾燥することによって当該表面上に配置した。
上記3種類の血液試料を別々のセンサチップの血液試料保持部に導入し、作用極を正極とし、対極を負極としたときに2.5Vの大きさとなる電圧を両電極間に印加し、作用極と対極との間に流れる応答電流を測定した。応答電流の測定結果を図25のグラフに示す。このグラフで示すように比較例4のセンサチップでは、上記と同様に作用極を正極とし、対極を負極としたときに2.5Vの大きさとなる比較的高い電圧を印加しても測定を通じて安定した感度差が得られなかった。
なお、下記の分析物濃度測定用センサチップ(1)〜(6)と、それぞれ67mg/dlのグルコースを含有し25%、45%、65%のHct値を有する3種類の血液試料とを用いて、実施例1〜2および比較例1〜4と同様にして応答電流を測定したところ、図7〜25に示す応答電流の測定結果と同様の結果が得られた。また、分析物濃度測定用センサチップ(1)および(2)を用いて上記の血液試料中のグルコース濃度を測定したところ、その濃度を正確に特定できた。
分析物濃度測定用センサチップ(1)〜(3)は、血液試料保持部において、有効面積0.4mm2の仮測定用対極が、対極と仮測定用対極との最近接距離が1.8mmになるように形成されていること以外は、それぞれ実施例1〜2および比較例1のセンサチップと同様の構造を有する。分析物濃度測定用センサチップ(4)〜(6)は、血液試料保持部において、有効面積0.7mm2の仮測定用対極が、対極と仮測定用対極との最近接距離が0.05mmになるように形成されており、作用極と対極との最近接距離が0.7mmであること以外は、それぞれ比較例2〜4のセンサチップと同様の構造を有する。
本発明は、Hct値測定電圧を低下させても、血液試料のHct値を十分な検出感度でかつ安定して測定できる血液試料のHct値の測定方法、血液試料中の分析物の濃度の測定方法、それらの測定に適したセンサチップおよびセンサユニットを提供できる。
本発明のHct値測定用センサチップの一例を示す分解斜視図である。 本発明のHct値測定用センサチップの一例を示す平面図である。 本発明のHct値測定用センサチップの別例を示す分解斜視図である。 本発明のHct値測定用センサチップの別例を示す平面図である。 本発明のHct値測定用センサチップの別例を示す分解斜視図である。 本発明のHct値測定用センサチップの別例を示す平面図である。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の一例を示すグラフである。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例2のセンサチップによるHct値の測定結果の一例を示すグラフである。 実施例2のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例2のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例2のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例2のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 実施例2のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 比較例1のセンサチップによるHct値の測定結果の一例を示すグラフである。 比較例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 比較例1のセンサチップによるHct値の測定結果の別例を示すグラフである。 比較例2のセンサチップによるHct値の測定結果の一例を示すグラフである。 比較例3のセンサチップによるHct値の測定結果の一例を示すグラフである。 比較例4のセンサチップによるHct値の測定結果の一例を示すグラフである。 本発明のHct値測定用センサユニットの一例を示す斜視図である。 本発明のHct値測定用センサユニットの回路構成の一例を示す図である。 本発明のHct値測定用センサチップの別例を示す分解斜視図である。 本発明のHct値測定用センサチップの別例を示す平面図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの一例を示す分解斜視図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの一例を示す平面図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの別例を示す分解斜視図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの別例を示す平面図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの別例を示す分解斜視図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの別例を示す平面図である。 本発明の分析物濃度測定用センサユニットの回路構成の一例を示す図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの別例を示す分解斜視図である。 本発明の分析物濃度測定用センサチップの別例を示す平面図である。

Claims (13)

  1. 血液試料に接する作用極と対極との間に電圧を印加して、前記作用極と前記対極との間に流れる電流を検出し、前記電流に基づいて前記血液試料のヘマトクリット値を算出する、血液試料のヘマトクリット値を電気化学的に測定する方法であって、
    酸化還元物質の酸化体が前記作用極に実質的に接することなく前記対極に接し、かつ酸化還元物質の還元体が前記対極に実質的に接することなく前記作用極に接した状態で、前記作用極と前記対極との間に印加する電圧により、前記還元体の酸化と前記酸化体の還元とを引き起こし、当該酸化および還元に伴う電流を測定する、
    血液試料のヘマトクリット値の測定方法。
  2. 前記作用極を正極とし、前記対極を負極としたときに、前記作用極と前記対極との間に印加する前記電圧が3.0V以下である、請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記電圧が1.0V以下である、請求項2に記載の測定方法。
  4. 前記電圧が0.5V以下である、請求項3に記載の測定方法。
  5. 前記酸化体がフェリシアン化物である、請求項1に記載の測定方法。
  6. 血液試料のヘマトクリット値を反映する電流Aを電気化学的に検出し、前記電流Aまたは前記電流Aの換算値である、前記ヘマトクリット値に対応するデータAを得る工程と、
    前記血液試料中の分析物を、酸化還元物質の存在下で、前記分析物を基質とする酸化還元酵素により酸化または還元し、前記分析物の前記酸化または還元に伴う電流Bを電気化学的に検出し、前記電流Bまたは前記電流Bの換算値である、データBを得る工程と、
    前記データAを用いて前記データBを補正して得られるデータCに基づいて、前記血液試料中の前記分析物の濃度を決定する工程と、
    を含む、血液試料中の分析物の濃度を電気化学的に測定する方法であって、
    前記電流Aとして、酸化還元物質の酸化体が前記作用極に実質的に接することなく前記対極に接しかつ酸化還元物質の還元体が前記対極に実質的に接することなく前記作用極に接した状態で、前記作用極と前記対極との間に電圧を印加して、前記還元体の酸化と前記酸化体の還元とを引き起こし、当該酸化および還元に伴う電流を検出する、
    血液試料中の分析物の濃度の測定方法。
  7. 血液試料のヘマトクリット値を反映する電流を電気化学的に検出するためのヘマトクリット分析部を含む、センサチップであって、
    前記ヘマトクリット値分析部は、作用極および対極と、前記作用極および前記対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部と、前記血液試料を前記血液試料保持部に導入するための血液試料導入口とを有し、
    酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬が、前記対極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように配置され、かつ前記還元体を含み前記酸化体を実質的に含まない第2試薬が、前記作用極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように配置された、
    センサチップ。
  8. 血液試料のヘマトクリット値を反映する電流を電気化学的に検出するためのヘマトクリット分析部を含む、センサチップであって、
    前記ヘマトクリット値分析部は、作用極および対極と、前記作用極および前記対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部と、前記血液試料を前記血液試料保持部に導入するための血液試料導入口とを有し、
    前記血液試料保持部が、前記血液試料導入口に連通する導入部と、前記導入部から分岐した第1分岐部および第2分岐部とを有し、前記第1分岐部が前記対極に面し、前記第2分岐部が前記作用極に面し、
    酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬が、前記第1分岐部に配置され、
    前記還元体を含み前記酸化体を実質的に含まない第2試薬が、前記第2分岐部に配置された、
    センサチップ。
  9. 血液試料のヘマトクリット値を反映する電流を電気化学的に検出するためのヘマトクリット分析部を含む、センサチップであって、
    前記ヘマトクリット値分析部は、作用極および対極と、前記作用極および前記対極に接するように血液試料を保持するための血液試料保持部と、前記血液試料を前記血液試料保持部に導入するための血液試料導入口とを有し、
    前記血液試料保持部に、酸化還元物質の酸化体を含み酸化還元物質の還元体を実質的に含まない第1試薬と、前記還元体を含み前記酸化体を実質的に含まない第2試薬とが配置され、
    前記第1試薬および前記第2試薬から選ばれるいずれか一方の試薬が、他方の試薬よりも前記血液試料導入口から前記血液試料保持部に導入される血液試料の流れに関して上流側に配置され、
    a)前記他方の試薬が前記第1試薬である場合には、前記対極が前記作用極よりも前記流れに関して下流側に配置され、前記対極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように前記第1試薬が配置され、前記作用極が前記対極よりも前記流れに関して上流側に配置され、前記作用極から離れて前記作用極よりも前記流れに関して上流側に、または前記作用極に接するように、前記第2試薬が配置され、
    b)前記他方の試薬が前記第2試薬である場合には、前記作用極が前記対極よりも前記流れに関して下流側に配置され、前記作用極の前記血液試料保持部に面する表面を覆うように前記第2試薬が配置され、前記対極が、前記作用極よりも前記流れに関して上流側に配置され、前記対極から離れて前記対極よりも前記流れに関して上流側に、または前記対極に接するように、前記第1試薬が配置された、 センサチップ。
  10. 前記酸化体がフェリシアン化物であり、前記還元体がフェロシアン化物である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のセンサチップ。
  11. 請求項7〜9のいずれか1項に記載のセンサチップと、前記作用極と前記対極との間に所定の電圧を印加するための電圧印加回路を含むセンサ本体とを有するセンサユニットであって、
    前記センサチップが前記センサ本体に着脱自在であって、かつ前記センサチップが前記センサ本体に装着された状態で前記電圧印加回路から前記作用極と前記対極との間に前記所定の電圧が印加可能となり、
    前記所定の電圧が、前記作用極を正極とし、前記対極を負極としたときに3.0V以下の大きさとなる電圧である、センサユニット。
  12. 前記所定の電圧が1.0V以下である、請求項11に記載のセンサユニット。
  13. 前記所定の電圧が0.5V以下である、請求項12に記載のセンサユニット。
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