JP2004117102A - デブリ捕捉機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】シビアアクシデントのような想定事故に備えて、微細化した溶融物(デブリ)を効率良く捕捉し、シビアアクシデント時の原子炉格納容器内の温度及び圧力上昇を抑えることのできるデブリ捕捉機構を提供する
【解決手段】デブリ捕捉機構1は、原子炉格納容器101内に原子炉キャビティ105に配設された原子炉容器106の下側の前記原子炉キャビティ105および/または原子炉キャビティ105に連通する通風用のダクト107に配設され、原子炉容器106の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物(デブリD)が原子炉格納容器101内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段として機能する窪み部2を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】デブリ捕捉機構1は、原子炉格納容器101内に原子炉キャビティ105に配設された原子炉容器106の下側の前記原子炉キャビティ105および/または原子炉キャビティ105に連通する通風用のダクト107に配設され、原子炉容器106の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物(デブリD)が原子炉格納容器101内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段として機能する窪み部2を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントの原子炉格納容器内の微細化された溶融物(デブリ)の捕捉機構に関し、特に、万一、原子炉炉心の溶融破損によってデリブが飛散する場合のデリブ捕捉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、図8を参照しながら、一般的な加圧水型原子炉プラント100の概略的構成を説明する。原子炉格納容器101は、例えば、岩盤等の堅固な地盤上に立設され、上部コンパートメント102と下部コンパートメント103とを内部に有している。下部コンパートメント103を画成する内部コンクリート構造物104は、中心部に原子炉キャビティ105を画成していて、原子炉容器106がその中に、垂下支持されて据え付けられている。
【0003】
図9は、図8に示した原子炉格納容器101内の原子炉容器106の下側を拡大した部分拡大図である。この図を参照しながら、原子炉の安全性を絶対的に確保するために、原子炉発電プラントで発生すると想定したトラブルのうちで、冷却材喪失事故(LOCA)時に緊急炉心冷却装置(図示せず)が作動しない場合の炉心が溶融するような事故の現象を説明する。冷却材喪失事故時に緊急炉心冷却装置が作動しないと、原子炉容器106の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などが原子炉容器106を溶かして、原子炉格納容器101内のキャビティ105へ高圧下で溶融物が流出することが想定される(このような事故を「シビアアクシデント」と称する)。このような想定事故に備えて、炉心の溶融物が原子炉容器106より流出した際に、流出した溶融物をキャビティ105において安全に冷却して保持するためのコアキャッチャーが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−211166号公報 (要約、図1、図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のものは、原子炉容器106から流出してキャビティ105の底部に堆積した溶融物を冷却して保持するためのもので、高圧下で高速の噴霧流として飛散する微細化した溶融物、すなわちデブリを捕捉することはできないという問題点があった。すなわち、このデブリを捕捉できないと、デブリが高速の噴霧流となってキャビティ105から原子炉容器106を冷却するための通風用ダクト107を介して103下部コンパートメントへと飛散し、原子炉格納容器101内雰囲気への急速な伝熱化学反応による発熱が生じる結果、原子炉格納容器101の内部温度が上昇して、内部の圧力が増加するという不具合につながる。
【0006】
従って、本発明は、上述した従来の技術の問題を解決するためになされたもので、シビアアクシデントのような想定事故に備えて、微細化した溶融物(デブリ)を効率良く捕捉し、シビアアクシデント時の原子炉格納容器内の温度及び圧力上昇を抑えることのできるデブリ捕捉機構を提供することを主な目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、原子炉格納容器内の原子炉キャビティに配設された原子炉容器の下側の前記原子炉キャビティおよび/または前記原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに配設され、前記原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が前記原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を備えるデブリ捕捉機構を特徴とする。
【0008】
前記飛散防止手段は、前記原子炉キャビティの下側の前記原子炉格納容器の底壁内部あるいは前記ダクトの壁面内部に画成された貯留手段として機能することができ、該貯留手段の上側に、捕捉された前記溶融物の再飛散を防止するための多孔板を配設したり、貯留手段の下側に、捕捉された前記溶融物を固化させる冷却装置を配設することが好ましい。
【0009】
また、前記飛散防止手段は、噴霧される微細化された前記溶融物の流れに対して抵抗をなすように配置された流路遮蔽装置であり、該流路遮蔽装置が屈曲部を有する波板、金網、あるいはサーペンタイン流路を形成するラビリンス構造のいずれかにすることができる。
【0010】
本発明の別の局面によれば、デブリ捕捉機構は、原子炉格納容器内の原子炉キャビティに配設された原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が前記原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するために、前記原子炉キャビティの下側の前記原子炉格納容器の底壁内部および/または前記原子炉キャビティに連通する通風用のダクトの壁面内部に画成された貯留手段と、前記原子炉キャビティおよび/または前記ダクトに配設され、前記溶融物の流れに対して抵抗をなすように配置された流路遮蔽装置とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記流路遮蔽装置を前記貯留手段の上方に配設することが好ましい。
【0012】
【作用】
原子炉容器の下側の原子炉格納容器の底部および/または原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに、微細化された溶融物が飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を備えることにより、デブリを効率よく捕捉できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
まず、図1を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第一の実施の形態を説明する。デブリ捕捉機構1は、図1(b)に示されている原子炉容器106の下側のキャビティ105の底部を画成する原子炉格納容器101の底壁内部や、下部コンパートメント103とキャビティ105とを連通するダクト107を画成する内部コンクリート構造物104の側壁内部に配設される。このような位置に配設することにより、原子炉格納容器101内にデブリが拡散するのを防止することができる。なお、デブリ捕捉機構1は、原子炉格納容器101の底壁内部と内部コンクリート構造物104の側壁内部の両方に設置することもできるし、いずれか一方でもよい。あるいは、各々の場所に複数個ずつ設置してもよい。
【0014】
デブリ捕捉機構1は、図1(a)を参照するに、飛散防止手段として機能する窪み部2が壁面内部に画成されている。矢印で示したデブリDの流れFの方向に対向する側の窪み部2の側壁2aは、流れFの方向に対して直角より大きい角度であるのが好ましい。これは、飛散するデブリDを側壁2aに衝突させて捕捉するためである。また、窪み部2の大きさは、捕捉したデブリDを適宜収容できる大きさであればよく、使用状況に応じて開口部4の面積や深さを適宜設定することができる。さらに、窪み部2の形状は、円筒状でも直方体状でも、いかなる形状にもすることができる。このように窪み部2は、飛散するデブリDを捕捉すると共に溜めておくこともできるため、貯留手段としても機能する。
【0015】
次に、このような構成の窪み部2を備えるデブリ捕捉機構1の作用を説明する。原子炉容器を溶融貫通して流出した溶融物のうちで微細化された溶融物、すなわちデブリDが飛散すると、窪み部2の内部に自由落下してくるデブリと、窪み部2の側壁2aに衝突して落下するデブリとがある。このように落下したデブリDを窪み部2で捕捉して、内部に溜めることにより、デブリDが原子炉格納容器内で拡散することを防止することができる。
【0016】
次に、図2を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第二の実施の形態を説明する。第二の実施形態は、基本的には図1に示した第一の実施形態と同じであるが、異なる点は、窪み部2の開口部4を塞ぐように、多孔板6を取り付けた点である。このような構成にすることにより、多孔板6を通して窪み部2で捕捉したデブリDの再飛散を防止することができる。すなわち、デブリDは、高速で噴霧されているため、窪み部2に溜まったデブリが高速流に巻き込まれて再飛散する恐れがあるが、多孔板6を設置することにより、デブリDの流れFが窪み部2の内部に及ばないようにして、再飛散を防止するものである。なお、多孔板6としては、既知の如何なる形状のでも使用することができるが、微細化された溶融物たるデブリDの影響を考慮すれば、材質としては、セラミックス等の高温耐熱材が好ましい。また、デブリDの流れFの影響が窪み部2の内部に及ばない限り、多孔板6を開口部4全体を塞ぐように取り付ける必要はなく、部分的に取り付けることもできる。
【0017】
次に、図3を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第三の実施の形態を説明する。第三の実施形態は、基本的には図1に示した第一の実施形態と同じであるが、異なる点は、窪み部2の下側に冷却装置8を取り付けた点である。冷却装置8は、図示しない制御装置に接続されており、状況に応じて適宜温度設定されるようになっている。また、冷却装置としては、既存の如何なる装置も使用することができる。このような冷却装置8を取り付けることにより、窪み部2で捕捉して溜めたデブリを冷却して固化することができ、その結果、デブリの再飛散を防止することができる。なお、再飛散を防止する第二及び第三の実施形態を組み合わせても良く、窪み部の上側に多孔板を配設すると共に下側に冷却装置を配設しても良い。
【0018】
次に、図4を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第四の実施の形態を説明する。図4に示したものは、飛散防止手段として機能する流路遮蔽手段10である。流路遮蔽手段10は、原子炉容器の下側の原子炉キャビティ内や、原子炉キャビティに連通する通風用のダクト内に配設される。このように、流路遮蔽手段をデブリが飛散する流路途中に配設することにより、原子炉容器から噴出したデブリの拡散を効率よく防止することができる。なお、流路遮蔽手段10は、原子炉キャビティ内と通風用のダクト内との両方に配設しても良いし、いずれか一方でも良い。また、各々の場所に複数個ずつ設置してもよい。
【0019】
流路遮蔽手段10は、図4から明らかなように、屈曲部14を有する波板12を複数枚積層させて構成されている。このように構成された流路遮蔽手段10をデブリDの流れFを遮るように設置すると、流路遮蔽手段10の波板12がデブリDの流れFに対して抵抗をなすように機能する、すなわち、高速で噴霧されたデブリDの直進性を遮るように機能するため、デブリDが波板12の板面に衝突する。衝突したデブリDは、板面を滴下し捕捉される。屈曲部14を有する波板12は、デブリの流れFに対して抵抗をなすような配向であれば、鉛直方向及び水平方向のいずれの方向にも配置することができる。なお、屈曲部14を下側に凸状態になるように水平方向に配置すれば、屈曲部14の上側面が貯留部として機能するため、捕捉したデブリを溜めることができる。また、波板12を鉛直方向に配置した場合でも、屈曲部14の内側で捕捉されたデブリは、その場に滞留して自然に固化していく。さらに、図4(b)に示すように、波板12の屈曲部14の内側にポケット16を設けることにより、捕捉したデブリの再飛散を防止することもできる。
【0020】
図5は、流路遮蔽手段の変形例であり、この流路遮蔽手段は、金網18から構成されている。この金網18を図4に示した波板と同様に、原子炉キャビティや通風用ダクト内に取り付ければ、高速で噴霧されたデブリDの進路を遮り、その結果、デブリは、金網に衝突して捕捉される。また、金網状ゆえ、デブリの再飛散も防止できる。
【0021】
図6は、流路遮蔽手段のさらに別の変形例であり、この流路遮蔽手段は、コ字状部材22及び24を組み合わせることによりサーペンタイン流路26を形成するラビリンス構造20から構成されている。デブリDの流れFをサーペンタイン流路26に導くことにより直進性を遮ることができ、デブリDは、第一のコ字状部材22あるいは第二のコ字状部材24に衝突して捕捉される。なお、図4〜図6に示した流路遮蔽手段を用いると、それ自体でデブリの流れを遮ることにより流れを遅くして、拡散を防止することができる。また、各部材の材質としては、セラミックス等の高温耐熱材料が好適である。さらに、各流路遮蔽手段を組み合わせて使用することもできるし、これらの流路遮蔽手段を図1〜図3に示した貯留手段と組み合わせて使用することもできる。
【0022】
例えば、図7は、図1に示した貯留手段として機能する窪み部2と、図5に示した金網18と、図6に示したラビリンス構造20とを組み合わせた例である。この例では、窪み部2の鉛直上方にラビリンス構造20を配設すると共に、ラビリンス構造20を構成する第一のコ字状部材22及び第二のコ字状部材24の一部に金網18を取り付けてある。このような構成のデブリ捕捉機構を用いると、高速で飛散するデブリDは、ラビリンス構造20のサーペンタイン流路26内へ導かれ、各金網18に衝突して捕捉されると共に、流れが遅くなったデブリDは、窪み部2に落下して捕捉且つ貯留される。
【0023】
【発明の効果】
本発明のデブリ捕捉機構は、原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を、原子炉容器の下側の原子炉キャビティや原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに配設することにより、高速で噴出する微細化された溶融物を効率よく捕捉でき、その結果、原子炉格納容器内雰囲気への急速な伝熱化学反応による発熱を抑えられ、原子炉格納容器の内部温度が上昇して、内部の圧力が増加するという不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】貯留手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第一の実施の形態を示す概要図である。
【図2】貯留手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第二の実施の形態を示す概要図である。
【図3】貯留手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第三の実施の形態を示す概要図である。
【図4】流路遮蔽手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第四の実施の形態を示す概要図である。
【図5】流路遮蔽手段の変形例を示す概要図である。
【図6】流路遮蔽手段のさらに別の変形例を示す概要図である。
【図7】貯留手段と流路遮蔽手段とを組み合わせたデブリ捕捉機構を示す概要図である。
【図8】一般的な加圧水型原子炉プラントの構成を示す概略図である。
【図9】原子炉容器内から溶融貫通して溶融物が流れ出す様子を示す原子炉格納容器内の原子炉容器の下側を拡大した部分拡大概要図である。
【符号の説明】
1…デブリ捕捉機構、2…窪み部(飛散防止手段/貯留手段)、2a…側壁、4…開口部、6…多孔板、8…冷却装置、10…流路遮蔽手段、12…波板、14…屈曲部、16…ポケット、18…金網、20…ラビリンス構造、22,24…コ字状部材、26…サーペンタイン流路、100…加圧水型原子炉プラント、101…原子炉格納容器、102…上部コンパートメント、103…下部コンパートメント、104…内部コンクリート構造物、105…原子炉キャビティ、106…原子炉容器、107…ダクト。
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントの原子炉格納容器内の微細化された溶融物(デブリ)の捕捉機構に関し、特に、万一、原子炉炉心の溶融破損によってデリブが飛散する場合のデリブ捕捉機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、図8を参照しながら、一般的な加圧水型原子炉プラント100の概略的構成を説明する。原子炉格納容器101は、例えば、岩盤等の堅固な地盤上に立設され、上部コンパートメント102と下部コンパートメント103とを内部に有している。下部コンパートメント103を画成する内部コンクリート構造物104は、中心部に原子炉キャビティ105を画成していて、原子炉容器106がその中に、垂下支持されて据え付けられている。
【0003】
図9は、図8に示した原子炉格納容器101内の原子炉容器106の下側を拡大した部分拡大図である。この図を参照しながら、原子炉の安全性を絶対的に確保するために、原子炉発電プラントで発生すると想定したトラブルのうちで、冷却材喪失事故(LOCA)時に緊急炉心冷却装置(図示せず)が作動しない場合の炉心が溶融するような事故の現象を説明する。冷却材喪失事故時に緊急炉心冷却装置が作動しないと、原子炉容器106の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などが原子炉容器106を溶かして、原子炉格納容器101内のキャビティ105へ高圧下で溶融物が流出することが想定される(このような事故を「シビアアクシデント」と称する)。このような想定事故に備えて、炉心の溶融物が原子炉容器106より流出した際に、流出した溶融物をキャビティ105において安全に冷却して保持するためのコアキャッチャーが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−211166号公報 (要約、図1、図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のものは、原子炉容器106から流出してキャビティ105の底部に堆積した溶融物を冷却して保持するためのもので、高圧下で高速の噴霧流として飛散する微細化した溶融物、すなわちデブリを捕捉することはできないという問題点があった。すなわち、このデブリを捕捉できないと、デブリが高速の噴霧流となってキャビティ105から原子炉容器106を冷却するための通風用ダクト107を介して103下部コンパートメントへと飛散し、原子炉格納容器101内雰囲気への急速な伝熱化学反応による発熱が生じる結果、原子炉格納容器101の内部温度が上昇して、内部の圧力が増加するという不具合につながる。
【0006】
従って、本発明は、上述した従来の技術の問題を解決するためになされたもので、シビアアクシデントのような想定事故に備えて、微細化した溶融物(デブリ)を効率良く捕捉し、シビアアクシデント時の原子炉格納容器内の温度及び圧力上昇を抑えることのできるデブリ捕捉機構を提供することを主な目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、原子炉格納容器内の原子炉キャビティに配設された原子炉容器の下側の前記原子炉キャビティおよび/または前記原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに配設され、前記原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が前記原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を備えるデブリ捕捉機構を特徴とする。
【0008】
前記飛散防止手段は、前記原子炉キャビティの下側の前記原子炉格納容器の底壁内部あるいは前記ダクトの壁面内部に画成された貯留手段として機能することができ、該貯留手段の上側に、捕捉された前記溶融物の再飛散を防止するための多孔板を配設したり、貯留手段の下側に、捕捉された前記溶融物を固化させる冷却装置を配設することが好ましい。
【0009】
また、前記飛散防止手段は、噴霧される微細化された前記溶融物の流れに対して抵抗をなすように配置された流路遮蔽装置であり、該流路遮蔽装置が屈曲部を有する波板、金網、あるいはサーペンタイン流路を形成するラビリンス構造のいずれかにすることができる。
【0010】
本発明の別の局面によれば、デブリ捕捉機構は、原子炉格納容器内の原子炉キャビティに配設された原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が前記原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するために、前記原子炉キャビティの下側の前記原子炉格納容器の底壁内部および/または前記原子炉キャビティに連通する通風用のダクトの壁面内部に画成された貯留手段と、前記原子炉キャビティおよび/または前記ダクトに配設され、前記溶融物の流れに対して抵抗をなすように配置された流路遮蔽装置とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記流路遮蔽装置を前記貯留手段の上方に配設することが好ましい。
【0012】
【作用】
原子炉容器の下側の原子炉格納容器の底部および/または原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに、微細化された溶融物が飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を備えることにより、デブリを効率よく捕捉できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、図中、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。
まず、図1を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第一の実施の形態を説明する。デブリ捕捉機構1は、図1(b)に示されている原子炉容器106の下側のキャビティ105の底部を画成する原子炉格納容器101の底壁内部や、下部コンパートメント103とキャビティ105とを連通するダクト107を画成する内部コンクリート構造物104の側壁内部に配設される。このような位置に配設することにより、原子炉格納容器101内にデブリが拡散するのを防止することができる。なお、デブリ捕捉機構1は、原子炉格納容器101の底壁内部と内部コンクリート構造物104の側壁内部の両方に設置することもできるし、いずれか一方でもよい。あるいは、各々の場所に複数個ずつ設置してもよい。
【0014】
デブリ捕捉機構1は、図1(a)を参照するに、飛散防止手段として機能する窪み部2が壁面内部に画成されている。矢印で示したデブリDの流れFの方向に対向する側の窪み部2の側壁2aは、流れFの方向に対して直角より大きい角度であるのが好ましい。これは、飛散するデブリDを側壁2aに衝突させて捕捉するためである。また、窪み部2の大きさは、捕捉したデブリDを適宜収容できる大きさであればよく、使用状況に応じて開口部4の面積や深さを適宜設定することができる。さらに、窪み部2の形状は、円筒状でも直方体状でも、いかなる形状にもすることができる。このように窪み部2は、飛散するデブリDを捕捉すると共に溜めておくこともできるため、貯留手段としても機能する。
【0015】
次に、このような構成の窪み部2を備えるデブリ捕捉機構1の作用を説明する。原子炉容器を溶融貫通して流出した溶融物のうちで微細化された溶融物、すなわちデブリDが飛散すると、窪み部2の内部に自由落下してくるデブリと、窪み部2の側壁2aに衝突して落下するデブリとがある。このように落下したデブリDを窪み部2で捕捉して、内部に溜めることにより、デブリDが原子炉格納容器内で拡散することを防止することができる。
【0016】
次に、図2を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第二の実施の形態を説明する。第二の実施形態は、基本的には図1に示した第一の実施形態と同じであるが、異なる点は、窪み部2の開口部4を塞ぐように、多孔板6を取り付けた点である。このような構成にすることにより、多孔板6を通して窪み部2で捕捉したデブリDの再飛散を防止することができる。すなわち、デブリDは、高速で噴霧されているため、窪み部2に溜まったデブリが高速流に巻き込まれて再飛散する恐れがあるが、多孔板6を設置することにより、デブリDの流れFが窪み部2の内部に及ばないようにして、再飛散を防止するものである。なお、多孔板6としては、既知の如何なる形状のでも使用することができるが、微細化された溶融物たるデブリDの影響を考慮すれば、材質としては、セラミックス等の高温耐熱材が好ましい。また、デブリDの流れFの影響が窪み部2の内部に及ばない限り、多孔板6を開口部4全体を塞ぐように取り付ける必要はなく、部分的に取り付けることもできる。
【0017】
次に、図3を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第三の実施の形態を説明する。第三の実施形態は、基本的には図1に示した第一の実施形態と同じであるが、異なる点は、窪み部2の下側に冷却装置8を取り付けた点である。冷却装置8は、図示しない制御装置に接続されており、状況に応じて適宜温度設定されるようになっている。また、冷却装置としては、既存の如何なる装置も使用することができる。このような冷却装置8を取り付けることにより、窪み部2で捕捉して溜めたデブリを冷却して固化することができ、その結果、デブリの再飛散を防止することができる。なお、再飛散を防止する第二及び第三の実施形態を組み合わせても良く、窪み部の上側に多孔板を配設すると共に下側に冷却装置を配設しても良い。
【0018】
次に、図4を参照しながら、本発明に係るデブリ捕捉機構の第四の実施の形態を説明する。図4に示したものは、飛散防止手段として機能する流路遮蔽手段10である。流路遮蔽手段10は、原子炉容器の下側の原子炉キャビティ内や、原子炉キャビティに連通する通風用のダクト内に配設される。このように、流路遮蔽手段をデブリが飛散する流路途中に配設することにより、原子炉容器から噴出したデブリの拡散を効率よく防止することができる。なお、流路遮蔽手段10は、原子炉キャビティ内と通風用のダクト内との両方に配設しても良いし、いずれか一方でも良い。また、各々の場所に複数個ずつ設置してもよい。
【0019】
流路遮蔽手段10は、図4から明らかなように、屈曲部14を有する波板12を複数枚積層させて構成されている。このように構成された流路遮蔽手段10をデブリDの流れFを遮るように設置すると、流路遮蔽手段10の波板12がデブリDの流れFに対して抵抗をなすように機能する、すなわち、高速で噴霧されたデブリDの直進性を遮るように機能するため、デブリDが波板12の板面に衝突する。衝突したデブリDは、板面を滴下し捕捉される。屈曲部14を有する波板12は、デブリの流れFに対して抵抗をなすような配向であれば、鉛直方向及び水平方向のいずれの方向にも配置することができる。なお、屈曲部14を下側に凸状態になるように水平方向に配置すれば、屈曲部14の上側面が貯留部として機能するため、捕捉したデブリを溜めることができる。また、波板12を鉛直方向に配置した場合でも、屈曲部14の内側で捕捉されたデブリは、その場に滞留して自然に固化していく。さらに、図4(b)に示すように、波板12の屈曲部14の内側にポケット16を設けることにより、捕捉したデブリの再飛散を防止することもできる。
【0020】
図5は、流路遮蔽手段の変形例であり、この流路遮蔽手段は、金網18から構成されている。この金網18を図4に示した波板と同様に、原子炉キャビティや通風用ダクト内に取り付ければ、高速で噴霧されたデブリDの進路を遮り、その結果、デブリは、金網に衝突して捕捉される。また、金網状ゆえ、デブリの再飛散も防止できる。
【0021】
図6は、流路遮蔽手段のさらに別の変形例であり、この流路遮蔽手段は、コ字状部材22及び24を組み合わせることによりサーペンタイン流路26を形成するラビリンス構造20から構成されている。デブリDの流れFをサーペンタイン流路26に導くことにより直進性を遮ることができ、デブリDは、第一のコ字状部材22あるいは第二のコ字状部材24に衝突して捕捉される。なお、図4〜図6に示した流路遮蔽手段を用いると、それ自体でデブリの流れを遮ることにより流れを遅くして、拡散を防止することができる。また、各部材の材質としては、セラミックス等の高温耐熱材料が好適である。さらに、各流路遮蔽手段を組み合わせて使用することもできるし、これらの流路遮蔽手段を図1〜図3に示した貯留手段と組み合わせて使用することもできる。
【0022】
例えば、図7は、図1に示した貯留手段として機能する窪み部2と、図5に示した金網18と、図6に示したラビリンス構造20とを組み合わせた例である。この例では、窪み部2の鉛直上方にラビリンス構造20を配設すると共に、ラビリンス構造20を構成する第一のコ字状部材22及び第二のコ字状部材24の一部に金網18を取り付けてある。このような構成のデブリ捕捉機構を用いると、高速で飛散するデブリDは、ラビリンス構造20のサーペンタイン流路26内へ導かれ、各金網18に衝突して捕捉されると共に、流れが遅くなったデブリDは、窪み部2に落下して捕捉且つ貯留される。
【0023】
【発明の効果】
本発明のデブリ捕捉機構は、原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を、原子炉容器の下側の原子炉キャビティや原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに配設することにより、高速で噴出する微細化された溶融物を効率よく捕捉でき、その結果、原子炉格納容器内雰囲気への急速な伝熱化学反応による発熱を抑えられ、原子炉格納容器の内部温度が上昇して、内部の圧力が増加するという不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】貯留手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第一の実施の形態を示す概要図である。
【図2】貯留手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第二の実施の形態を示す概要図である。
【図3】貯留手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第三の実施の形態を示す概要図である。
【図4】流路遮蔽手段として機能する飛散防止手段を備える本発明に係るデブリ捕捉機構の第四の実施の形態を示す概要図である。
【図5】流路遮蔽手段の変形例を示す概要図である。
【図6】流路遮蔽手段のさらに別の変形例を示す概要図である。
【図7】貯留手段と流路遮蔽手段とを組み合わせたデブリ捕捉機構を示す概要図である。
【図8】一般的な加圧水型原子炉プラントの構成を示す概略図である。
【図9】原子炉容器内から溶融貫通して溶融物が流れ出す様子を示す原子炉格納容器内の原子炉容器の下側を拡大した部分拡大概要図である。
【符号の説明】
1…デブリ捕捉機構、2…窪み部(飛散防止手段/貯留手段)、2a…側壁、4…開口部、6…多孔板、8…冷却装置、10…流路遮蔽手段、12…波板、14…屈曲部、16…ポケット、18…金網、20…ラビリンス構造、22,24…コ字状部材、26…サーペンタイン流路、100…加圧水型原子炉プラント、101…原子炉格納容器、102…上部コンパートメント、103…下部コンパートメント、104…内部コンクリート構造物、105…原子炉キャビティ、106…原子炉容器、107…ダクト。
Claims (8)
- 原子炉格納容器内の原子炉キャビティに配設された原子炉容器の下側の前記原子炉キャビティおよび/または前記原子炉キャビティに連通する通風用のダクトに配設され、前記原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が前記原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するための飛散防止手段を備えるデブリ捕捉機構。
- 前記飛散防止手段は、前記原子炉キャビティの下側の前記原子炉格納容器の底壁内部あるいは前記ダクトの壁面内部に画成された貯留手段として機能する請求項1に記載のデブリ捕捉機構。
- 前記貯留手段の上側には、該貯留手段に捕捉された前記溶融物の再飛散を防止するための多孔板が配設されている請求項2に記載のデブリ捕捉機構。
- 前記貯留手段の下側には、該貯留手段に捕捉された前記溶融物を固化させる冷却装置が配設されている請求項2または3に記載のデブリ捕捉機構。
- 前記飛散防止手段は、噴霧される微細化された前記溶融物の流れに対して抵抗をなすように配置された流路遮蔽装置である請求項1に記載のデブリ捕捉機構。
- 前記流路遮蔽装置は、屈曲部を有する波板、金網、あるいはサーペンタイン流路を形成するラビリンス構造のいずれかである請求項5に記載のデブリ捕捉機構。
- 原子炉格納容器内の原子炉キャビティに配設された原子炉容器の底部を溶融貫通して高速で噴霧される微細化された溶融物が前記原子炉格納容器内で飛散しないように捕捉するために、前記原子炉キャビティの下側の前記原子炉格納容器の底壁内部および/または前記原子炉キャビティに連通する通風用のダクトの壁面内部に画成された貯留手段と、前記原子炉キャビティおよび/または前記ダクトに配設され、前記溶融物の流れに対して抵抗をなすように配置された流路遮蔽装置とを備えるデブリ捕捉機構。
- 前記流路遮蔽装置は、前記貯留手段の上方に配設されている請求項7に記載のデブリ捕捉機構。
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