JP2004116344A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素ストレージ能力を有する触媒の目標酸素ストレージ量を適切に設定する。
【解決手段】排気通路12に配設された触媒13の上流側・下流側にそれぞれA/Fセンサ15、O2センサ16を備え、触媒13の酸素ストレージ量を算出する。触媒13下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、算出した触媒13の酸素ストレージ量を最大値又は最小値に初期化する。但し、触媒13下流側の排気特性がリーン判定値とリッチ判定値との間を変化する時間が所定時間以下となるときには、前記酸素ストレージ量の初期化を禁止する。
【選択図】図1
【解決手段】排気通路12に配設された触媒13の上流側・下流側にそれぞれA/Fセンサ15、O2センサ16を備え、触媒13の酸素ストレージ量を算出する。触媒13下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、算出した触媒13の酸素ストレージ量を最大値又は最小値に初期化する。但し、触媒13下流側の排気特性がリーン判定値とリッチ判定値との間を変化する時間が所定時間以下となるときには、前記酸素ストレージ量の初期化を禁止する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素ストレージ能力を有する触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関し、詳しくは、触媒の酸素ストレージ量を適正量に制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機関の排気通路に三元触媒を備え、この三元触媒の酸素ストレージ量を機関吸入空気量と前記三元触媒に流入する排気空燃比とに基づいて推定(演算)し、酸素ストレージ量が一定となるように空燃比制御を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−228873号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のように酸素ストレージ量を推定するものでは、それまでに蓄積された誤差を解消して酸素ストレージ量の推定精度を高めるべく、触媒下流側に設けられた酸素センサ等がリッチ又はリーンを検出したときに、推定した酸素ストレージ量をそれぞれの初期値に初期化するようになっている(リッチ検出時は最小値とし、リーン検出時は最大値とする)。
【0005】
しかし、触媒が劣化する等によって酸素ストレージ量を初期化する頻度が増大すると、目標空燃比の切り換えが頻繁に行われることになり、空燃比制御が不安定となる。このため、酸素ストレージ量を目標酸素ストレージ量へと収束させることができず、排気浄化性能が損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、空燃比の変動を防止して、酸素ストレージ量を目標酸素ストレージへと確実に制御できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、触媒の酸素ストレージ量が目標酸素ストレージ量となるように空燃比を制御する内燃機関の排気浄化装置において、触媒下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、酸素ストレージ量の算出値をそれぞれの初期値に初期化する一方、リーン判定とリッチ判定との間の時間が所定時間以下となるときに、前記酸素ストレージ量の初期化を禁止するようにした。
【0007】
このようにすれば、酸素ストレージ量の初期化頻度の増大(すなわち、目標空燃比の頻繁な切り換え)によって空燃比制御が不安定となることを防止できる。これにより、触媒の酸素ストレージ量を目標酸素ストレージ量へと制御する可能となり、排気浄化性能を高く維持できる。
また、触媒が劣化しているときは、通常、リーン判定値とリッチ判定値との間を変化する時間も短くなることから、触媒が劣化しているか否かを判定し、触媒が劣化していると判定されたときに、酸素ストレージ量の初期化を禁止するようにしてもよい。
【0008】
更にまた、過渡状態にあるときに、酸素ストレージ量の初期化を禁止するようにした。これにより、実空燃比が変動している過渡状態において、更に目標空燃比が切り換わるような事態を回避できるので、空燃比制御が不安定となることを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る内燃機関のシステム構成図である。図1において、機関1の吸気通路2には、吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ3が設けられ、吸入空気量Qaはスロットルバルブ4により制御される。
【0010】
吸気マニホールド5に設けられた燃料噴射弁6は、マイクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット(C/U)20からの噴射信号によって開弁駆動され、燃料を噴射供給する。
機関の燃焼室7には火花点火を行う点火栓8が設けられており、吸気バルブ9を介して吸入された混合気を火花点火によって着火する。燃焼排気は、排気バルブ10、排気マニホールド11を介して排気通路12に排出され、三元触媒13、マフラー14を通過した後、大気中の放出される。
【0011】
前記三元触媒13は、酸素ストレージ能力を有し、排気空燃比が理論空燃比よりリーンのときに酸素を吸着し、理論空燃比よりリッチのときに酸素を脱離しつつ、理論空燃比近傍で排気中のCO、HCを酸化し、NOxを還元して他の無害な成分(H2O、CO2、N2)に転換する。
また、三元触媒13の上流側には、排気中の酸素濃度に応じて空燃比をリニアに検出する広域型酸素濃度センサ(A/Fセンサ)15が設けられており、三元触媒13の下流側には、理論空燃比近傍で出力値が急変するストイキ型の酸素濃度センサ(O2センサ)16が配設されている。
【0012】
ここにおいて、コントロールユニット20には、前記エアフローメータ3、A/Fセンサ15及びO2センサ16の他、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ17、エンジン冷却水温度Twを検出する水温センサ18等の各種センサからの検出信号が入力される。
そして、コントロールユニット20は、前記三元触媒13の目標酸素ストレージ量を設定し、算出した酸素ストレージ量が前記目標酸素ストレージ量となるように空燃比をフィードバック制御する。具体的に説明すると、まず、前記三元触媒13の酸素ストレージ量Osを次式により算出する。
【0013】
Os={(λr−λt)/λt}×Qa×os+Os0
ただし、λr:A/Fセンサ15で検出される実空燃比、λt:理論空燃比、Qa:吸入空気量、os:酸素吸着/脱離速度(λr>λtのときos=oss>0、λr<λtのときos=ops<0)、Os0:酸素ストレージ量の前回算出値
次に、算出した酸素ストレージ量Osと目標酸素ストレージ量OSCとの偏差ΔOs(=Os−OSC)を算出する。
【0014】
そして、この偏差ΔOsに基づく所定の処理(例えば、比例積分微分制御)によって三元触媒13上流側の目標空燃比を算出し、前記A/Fセンサ15で検出される実空燃比が前記目標空燃比となるように燃料噴射量を制御する。
なお、三元触媒13の酸素ストレージ量Osが目標酸素ストレージ量OSCよりも大きいとき(ΔOs<0)は、目標空燃比はリッチとなり、酸素ストレージ量Osが目標酸素ストレージ量OSCよりも小さいとき(ΔOs>0)は、目標空燃比はリーンとなる。
【0015】
また、算出した酸素ストレージ量Osは、それまでの演算誤差を解消して演算精度を高く維持すべく、前記O2センサ16の出力が所定のリッチ判定値又はリーン判定値となったときに(すなわち、リッチ判定又はリーン判定されたときに)それぞれ最小値又は最大値に初期化される。
以下、前記酸素ストレージ量Osの初期化について説明する。
【0016】
図2は、前記酸素ストレージ量Osの初期化条件の成立判断及びO2センサ16のリーン・リッチ反転時間の計測を行うフローチャートである。図2において、ステップ1(図中S1と記す。以下同じ)では、タイマTM1、TM2を初期化する(TM1、TM2=0)。
ステップ2では、O2センサ16の出力を読み込む。
【0017】
ステップ3では、O2センサ16の出力とリーン判定値とを比較する。そして、O2センサ16の出力がリーン判定値を下回っている場合には、ステップ4に進み、リーン初期化条件成立フラグFlを設定する(Fl=1)と共に、タイマTM1のカウントアップを開始する。
ステップ5では、O2センサ16の出力がリッチ判定値に達したか否かを判定する。リッチ判定値に達していればステップ6に進み、リーン判定値からリッチ判定値までのタイマTM1のカウント値t1(以下、これをリーン〜リッチ反転時間という)を計測し、記憶する。
【0018】
一方、ステップ2において、O2センサ16の出力がリーン判定値以上である場合にはステップ7に進み、O2センサ16の出力とリッチ判定値とを比較する。そして、O2センサ16の出力がリッチ判定値を上回っている場合には、ステップ8に進み、リッチ初期化条件成立フラグFrを設定する(Fr=1)と共にタイマTM2のカウントアップを開始する。
【0019】
ステップ9では、O2センサ16の出力がリーン判定値に達したか否かを判定する。リーン判定値に達していればステップ10に進み、リッチ判定値からリーン判定値までのタイマTM2のカウント値t2(以下、これをリッチ〜リーン反転時間という)を計測し、記憶する。
なお、ステップ7において、O2センサ16の出力がリッチ判定値以下の場合、すなわち、リーン判定値とリッチ判定値との間にあるような場合には、ステップ11に進み、リーン初期化条件成立フラグFl及びリッチ初期化条件成立フラグFrの設定を解除する(Fl=0、Fr=0)。
【0020】
図3は、前記酸素ストレージ量Osの初期化を示すフローチャートである。
図3において、ステップ21では、機関が定常状態にあるか否かを判断する。かかる判断は、例えば、スロットル開度TVOの変化量が所定角度(5deg等)以下であるか否かを判断することにより行う。定常状態である場合は、ステップ22に進み、定常状態でない場合(過渡状態である場合)は酸素ストレージ量Osの初期化を行わない。これは、実空燃比が変動している過渡状態において酸素ストレージ量Osの初期化を行うと、更に目標空燃比も変動することになって空燃比制御の不安定を招くからである。
【0021】
ステップ22では、リーン初期化条件成立フラグFlが設定されているか否かを判断する。リーン初期化フラグ条件成立フラグF1が設定されている場合は、ステップ23に進む。
ステップ23では、前記リッチ〜リーン反転時間t2とあらかじめ設定した所定時間TAとを比較する。前記リッチ〜リーン反転時間t2が所定時間TAを上回っている場合にはステップ24に進み、酸素ストレージ量Osが最大値OSCmaxに初期化される。一方、前記リッチ〜リーン反転時間t2が所定時間TA以下である場合には酸素ストレージ量Osの初期化は行わない。
【0022】
ステップ22において、リーン初期化条件成立フラグFlが設定されていない場合は、ステップ25に進み、リッチ初期化条件成立フラグFrが設定されているか否かを判断する。そして、リッチ初期化条件成立フラグFrが設定されている場合は、ステップ26に進む。
ステップ26では、前記リーン〜リッチ反転時間t1とあらかじめ設定した所定時間TBとを比較する。前記リーン〜リッチ反転時間t1が所定時間TBを上回っている場合にはステップ27に進み、酸素ストレージ量Osが最小値OSCminに初期化される。一方、前記リーン〜リッチ反転時間t1が所定時間TB以下である場合には酸素ストレージ量Osの初期化は行わない。
【0023】
以上説明したように、本実施形態では、O2センサ16の出力が所定のリーン判定値又はリッチ判定値となったときに、酸素ストレージ量Osをそれぞれ最大値OSCmax又は最小値OSCminに初期化することで、酸素ストレージ量Osの演算精度を高く維持すると共に、リッチ〜リーン反転時間t1又はリーン〜リッチ反転時間t2がそれぞれ所定時間TB又はTA以下であるときは、上記初期化を禁止することで初期化頻度の増大を防止する。これにより、空燃比制御の悪化(不安定)を防止して、酸素ストレージ量を目標酸素ストレージ量へと確実に制御することができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、リッチ〜リーン反転時間t1と所定時間TBとを比較することで又はリーン〜リッチ反転時間t2と所定時間TAとを比較することで酸素ストレージ量Osの初期化の可否を判断しているが、これに限られるものではなく、例えば、リッチ〜リーン反転時間t1とリーン〜リッチ反転時間t2との和(t1+t2)と所定時間TC(TA+TBに相当)とを比較するようにしてもよい。
【0025】
また、三元触媒13が劣化することによって、リッチ〜リーン反転時間t1やリーン〜リッチ反転時間t2が短くなることから、三元触媒13が劣化しているか否かを判定し、劣化していると判定されたときに、酸素ストレージ量Osの初期化を禁止するようにしてもよい。この場合においては、例えば、リッチ〜リーン反転時間t1又はリーン〜リッチ反転時間t2の初期状態からの減少量や最大酸素ストレージ量の初期状態からの減少量によって三元触媒13の劣化を判定するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるシステム構成を示す図である。
【図2】酸素ストレージ量Osの初期化条件の成立判断及びリーン・リッチ反転時間の計測を行うフローチャートである。
【図3】酸素ストレージ量Osの初期化を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、3…エアフローメータ、6…燃料噴射弁、12…排気通路、13…三元触媒、15…A/Fセンサ、16…O2センサ、20…コントロールユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素ストレージ能力を有する触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関し、詳しくは、触媒の酸素ストレージ量を適正量に制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機関の排気通路に三元触媒を備え、この三元触媒の酸素ストレージ量を機関吸入空気量と前記三元触媒に流入する排気空燃比とに基づいて推定(演算)し、酸素ストレージ量が一定となるように空燃比制御を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−228873号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のように酸素ストレージ量を推定するものでは、それまでに蓄積された誤差を解消して酸素ストレージ量の推定精度を高めるべく、触媒下流側に設けられた酸素センサ等がリッチ又はリーンを検出したときに、推定した酸素ストレージ量をそれぞれの初期値に初期化するようになっている(リッチ検出時は最小値とし、リーン検出時は最大値とする)。
【0005】
しかし、触媒が劣化する等によって酸素ストレージ量を初期化する頻度が増大すると、目標空燃比の切り換えが頻繁に行われることになり、空燃比制御が不安定となる。このため、酸素ストレージ量を目標酸素ストレージ量へと収束させることができず、排気浄化性能が損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、空燃比の変動を防止して、酸素ストレージ量を目標酸素ストレージへと確実に制御できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、触媒の酸素ストレージ量が目標酸素ストレージ量となるように空燃比を制御する内燃機関の排気浄化装置において、触媒下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、酸素ストレージ量の算出値をそれぞれの初期値に初期化する一方、リーン判定とリッチ判定との間の時間が所定時間以下となるときに、前記酸素ストレージ量の初期化を禁止するようにした。
【0007】
このようにすれば、酸素ストレージ量の初期化頻度の増大(すなわち、目標空燃比の頻繁な切り換え)によって空燃比制御が不安定となることを防止できる。これにより、触媒の酸素ストレージ量を目標酸素ストレージ量へと制御する可能となり、排気浄化性能を高く維持できる。
また、触媒が劣化しているときは、通常、リーン判定値とリッチ判定値との間を変化する時間も短くなることから、触媒が劣化しているか否かを判定し、触媒が劣化していると判定されたときに、酸素ストレージ量の初期化を禁止するようにしてもよい。
【0008】
更にまた、過渡状態にあるときに、酸素ストレージ量の初期化を禁止するようにした。これにより、実空燃比が変動している過渡状態において、更に目標空燃比が切り換わるような事態を回避できるので、空燃比制御が不安定となることを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る内燃機関のシステム構成図である。図1において、機関1の吸気通路2には、吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ3が設けられ、吸入空気量Qaはスロットルバルブ4により制御される。
【0010】
吸気マニホールド5に設けられた燃料噴射弁6は、マイクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット(C/U)20からの噴射信号によって開弁駆動され、燃料を噴射供給する。
機関の燃焼室7には火花点火を行う点火栓8が設けられており、吸気バルブ9を介して吸入された混合気を火花点火によって着火する。燃焼排気は、排気バルブ10、排気マニホールド11を介して排気通路12に排出され、三元触媒13、マフラー14を通過した後、大気中の放出される。
【0011】
前記三元触媒13は、酸素ストレージ能力を有し、排気空燃比が理論空燃比よりリーンのときに酸素を吸着し、理論空燃比よりリッチのときに酸素を脱離しつつ、理論空燃比近傍で排気中のCO、HCを酸化し、NOxを還元して他の無害な成分(H2O、CO2、N2)に転換する。
また、三元触媒13の上流側には、排気中の酸素濃度に応じて空燃比をリニアに検出する広域型酸素濃度センサ(A/Fセンサ)15が設けられており、三元触媒13の下流側には、理論空燃比近傍で出力値が急変するストイキ型の酸素濃度センサ(O2センサ)16が配設されている。
【0012】
ここにおいて、コントロールユニット20には、前記エアフローメータ3、A/Fセンサ15及びO2センサ16の他、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ17、エンジン冷却水温度Twを検出する水温センサ18等の各種センサからの検出信号が入力される。
そして、コントロールユニット20は、前記三元触媒13の目標酸素ストレージ量を設定し、算出した酸素ストレージ量が前記目標酸素ストレージ量となるように空燃比をフィードバック制御する。具体的に説明すると、まず、前記三元触媒13の酸素ストレージ量Osを次式により算出する。
【0013】
Os={(λr−λt)/λt}×Qa×os+Os0
ただし、λr:A/Fセンサ15で検出される実空燃比、λt:理論空燃比、Qa:吸入空気量、os:酸素吸着/脱離速度(λr>λtのときos=oss>0、λr<λtのときos=ops<0)、Os0:酸素ストレージ量の前回算出値
次に、算出した酸素ストレージ量Osと目標酸素ストレージ量OSCとの偏差ΔOs(=Os−OSC)を算出する。
【0014】
そして、この偏差ΔOsに基づく所定の処理(例えば、比例積分微分制御)によって三元触媒13上流側の目標空燃比を算出し、前記A/Fセンサ15で検出される実空燃比が前記目標空燃比となるように燃料噴射量を制御する。
なお、三元触媒13の酸素ストレージ量Osが目標酸素ストレージ量OSCよりも大きいとき(ΔOs<0)は、目標空燃比はリッチとなり、酸素ストレージ量Osが目標酸素ストレージ量OSCよりも小さいとき(ΔOs>0)は、目標空燃比はリーンとなる。
【0015】
また、算出した酸素ストレージ量Osは、それまでの演算誤差を解消して演算精度を高く維持すべく、前記O2センサ16の出力が所定のリッチ判定値又はリーン判定値となったときに(すなわち、リッチ判定又はリーン判定されたときに)それぞれ最小値又は最大値に初期化される。
以下、前記酸素ストレージ量Osの初期化について説明する。
【0016】
図2は、前記酸素ストレージ量Osの初期化条件の成立判断及びO2センサ16のリーン・リッチ反転時間の計測を行うフローチャートである。図2において、ステップ1(図中S1と記す。以下同じ)では、タイマTM1、TM2を初期化する(TM1、TM2=0)。
ステップ2では、O2センサ16の出力を読み込む。
【0017】
ステップ3では、O2センサ16の出力とリーン判定値とを比較する。そして、O2センサ16の出力がリーン判定値を下回っている場合には、ステップ4に進み、リーン初期化条件成立フラグFlを設定する(Fl=1)と共に、タイマTM1のカウントアップを開始する。
ステップ5では、O2センサ16の出力がリッチ判定値に達したか否かを判定する。リッチ判定値に達していればステップ6に進み、リーン判定値からリッチ判定値までのタイマTM1のカウント値t1(以下、これをリーン〜リッチ反転時間という)を計測し、記憶する。
【0018】
一方、ステップ2において、O2センサ16の出力がリーン判定値以上である場合にはステップ7に進み、O2センサ16の出力とリッチ判定値とを比較する。そして、O2センサ16の出力がリッチ判定値を上回っている場合には、ステップ8に進み、リッチ初期化条件成立フラグFrを設定する(Fr=1)と共にタイマTM2のカウントアップを開始する。
【0019】
ステップ9では、O2センサ16の出力がリーン判定値に達したか否かを判定する。リーン判定値に達していればステップ10に進み、リッチ判定値からリーン判定値までのタイマTM2のカウント値t2(以下、これをリッチ〜リーン反転時間という)を計測し、記憶する。
なお、ステップ7において、O2センサ16の出力がリッチ判定値以下の場合、すなわち、リーン判定値とリッチ判定値との間にあるような場合には、ステップ11に進み、リーン初期化条件成立フラグFl及びリッチ初期化条件成立フラグFrの設定を解除する(Fl=0、Fr=0)。
【0020】
図3は、前記酸素ストレージ量Osの初期化を示すフローチャートである。
図3において、ステップ21では、機関が定常状態にあるか否かを判断する。かかる判断は、例えば、スロットル開度TVOの変化量が所定角度(5deg等)以下であるか否かを判断することにより行う。定常状態である場合は、ステップ22に進み、定常状態でない場合(過渡状態である場合)は酸素ストレージ量Osの初期化を行わない。これは、実空燃比が変動している過渡状態において酸素ストレージ量Osの初期化を行うと、更に目標空燃比も変動することになって空燃比制御の不安定を招くからである。
【0021】
ステップ22では、リーン初期化条件成立フラグFlが設定されているか否かを判断する。リーン初期化フラグ条件成立フラグF1が設定されている場合は、ステップ23に進む。
ステップ23では、前記リッチ〜リーン反転時間t2とあらかじめ設定した所定時間TAとを比較する。前記リッチ〜リーン反転時間t2が所定時間TAを上回っている場合にはステップ24に進み、酸素ストレージ量Osが最大値OSCmaxに初期化される。一方、前記リッチ〜リーン反転時間t2が所定時間TA以下である場合には酸素ストレージ量Osの初期化は行わない。
【0022】
ステップ22において、リーン初期化条件成立フラグFlが設定されていない場合は、ステップ25に進み、リッチ初期化条件成立フラグFrが設定されているか否かを判断する。そして、リッチ初期化条件成立フラグFrが設定されている場合は、ステップ26に進む。
ステップ26では、前記リーン〜リッチ反転時間t1とあらかじめ設定した所定時間TBとを比較する。前記リーン〜リッチ反転時間t1が所定時間TBを上回っている場合にはステップ27に進み、酸素ストレージ量Osが最小値OSCminに初期化される。一方、前記リーン〜リッチ反転時間t1が所定時間TB以下である場合には酸素ストレージ量Osの初期化は行わない。
【0023】
以上説明したように、本実施形態では、O2センサ16の出力が所定のリーン判定値又はリッチ判定値となったときに、酸素ストレージ量Osをそれぞれ最大値OSCmax又は最小値OSCminに初期化することで、酸素ストレージ量Osの演算精度を高く維持すると共に、リッチ〜リーン反転時間t1又はリーン〜リッチ反転時間t2がそれぞれ所定時間TB又はTA以下であるときは、上記初期化を禁止することで初期化頻度の増大を防止する。これにより、空燃比制御の悪化(不安定)を防止して、酸素ストレージ量を目標酸素ストレージ量へと確実に制御することができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、リッチ〜リーン反転時間t1と所定時間TBとを比較することで又はリーン〜リッチ反転時間t2と所定時間TAとを比較することで酸素ストレージ量Osの初期化の可否を判断しているが、これに限られるものではなく、例えば、リッチ〜リーン反転時間t1とリーン〜リッチ反転時間t2との和(t1+t2)と所定時間TC(TA+TBに相当)とを比較するようにしてもよい。
【0025】
また、三元触媒13が劣化することによって、リッチ〜リーン反転時間t1やリーン〜リッチ反転時間t2が短くなることから、三元触媒13が劣化しているか否かを判定し、劣化していると判定されたときに、酸素ストレージ量Osの初期化を禁止するようにしてもよい。この場合においては、例えば、リッチ〜リーン反転時間t1又はリーン〜リッチ反転時間t2の初期状態からの減少量や最大酸素ストレージ量の初期状態からの減少量によって三元触媒13の劣化を判定するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるシステム構成を示す図である。
【図2】酸素ストレージ量Osの初期化条件の成立判断及びリーン・リッチ反転時間の計測を行うフローチャートである。
【図3】酸素ストレージ量Osの初期化を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、3…エアフローメータ、6…燃料噴射弁、12…排気通路、13…三元触媒、15…A/Fセンサ、16…O2センサ、20…コントロールユニット
Claims (3)
- 機関の排気通路に配設され、酸素ストレージ能力を有する触媒と、
触媒上流側の排気特性を検出する第1排気特性検出手段と、
触媒下流側の排気特性を検出する第2排気特性検出手段と、
検出した排気特性に基づいて触媒の酸素ストレージ量を算出し、この酸素ストレージ量が目標酸素ストレージ量となるように空燃比を制御する制御手段と、
触媒下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、前記酸素ストレージ量の算出値をそれぞれの初期値に初期化する初期化手段と、
前記リーン判定と前記リッチ判定との間の時間が所定時間以下となるときに、前記初期化手段による酸素ストレージ量の初期化を禁止する初期化禁止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 機関の排気通路に配設され、酸素ストレージ能力を有する触媒と、
触媒上流側の排気特性を検出する第1排気特性検出手段と、
触媒下流側の排気特性を検出する第2排気特性検出手段と、
検出した排気特性に基づいて触媒の酸素ストレージ量を算出し、この酸素ストレージ量が目標酸素ストレージ量となるように空燃比を制御する制御手段と、
触媒下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、前記酸素ストレージ量の算出値をそれぞれの初期値に初期化する初期化手段と、
触媒が劣化しているか否かを判定する劣化判定手段と、
触媒が劣化していると判定されたときに、前記初期化手段による酸素ストレージ量の初期化を禁止する初期化禁止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 機関の排気通路に配設され、酸素ストレージ能力を有する触媒と、
触媒上流側の排気特性を検出する第1排気特性検出手段と、
触媒下流側の排気特性を検出する第2排気特性検出手段と、
検出した排気特性に基づいて触媒の酸素ストレージ量を算出し、この酸素ストレージ量が目標酸素ストレージ量となるように空燃比を制御する制御手段と、
触媒下流側の排気特性がリーン又はリッチと判定されたときに、前記酸素ストレージ量の算出値をそれぞれの初期値に初期化する初期化手段と、
機関が過渡状態のときに、前記初期化手段による酸素ストレージ量の初期化を禁止する初期化禁止手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002278541A JP2004116344A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002278541A JP2004116344A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004116344A true JP2004116344A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32273796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002278541A Pending JP2004116344A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004116344A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9624811B2 (en) | 2013-10-02 | 2017-04-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device of internal combustion engine |
CN113175387A (zh) * | 2020-01-24 | 2021-07-27 | 丰田自动车株式会社 | 下游侧空燃比检测装置的异常诊断装置 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002278541A patent/JP2004116344A/ja active Pending
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US9624811B2 (en) | 2013-10-02 | 2017-04-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device of internal combustion engine |
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A711 | Notification of change in applicant |
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